JP2018060808A - 車両用灯具 - Google Patents

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JP2018060808A JP2017234839A JP2017234839A JP2018060808A JP 2018060808 A JP2018060808 A JP 2018060808A JP 2017234839 A JP2017234839 A JP 2017234839A JP 2017234839 A JP2017234839 A JP 2017234839A JP 2018060808 A JP2018060808 A JP 2018060808A
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Abstract

【課題】視点位置が変わってもライン状の発光見栄えを維持することができるレンズ体及びこれを備えた車両用灯具を提供する。また、均一発光(又は略均一発光)の見栄えを実現することができるレンズ体及びこれを備えた車両用灯具を提供する。
【解決手段】第1レンズ部12A1と第2レンズ12A2と連結部12A3を含むレンズ体12Jにおいて、第1レンズ部12A1は、第1方向に集光させる半円柱状の面として構成された第1出射面12A1aを含み、第2レンズ部12A2の第2出射面12A2bは、第1方向に直交する第2方向に集光させる半円柱状の領域を含む。連結部は、シェード12cによって規定されるカットオフラインを含む第1配光パターンを形成する第1光学系を構成しており、さらに、第1配光パターンに重畳し、より拡散した第2配光パターンを形成する第2光学系を構成している。
【選択図】図46

Description

本発明は、レンズ体及び車両用灯具に係り、特に、光源と組み合わせて用いられるレン
ズ体及びこれを備えた車両用灯具に関する。
従来、光源とレンズ体とを組み合わせた構造の車両用灯具が提案されている(例えば、
特許文献1参照)。
図56は特許文献1に記載の車両用灯具200の上面図、図57(a)は車両用灯具2
0により形成されるロービーム用配光パターン(合成配光パターン)の例で、図57(b
)〜図57(d)に示す各部分配光パターンA、B、Cが重畳されることで形成される。
特許文献1に記載の車両用灯具200においては、LED等の光源とその前方に配置さ
れたレンズ体とを含む複数のランプユニット(いわゆるダイレクトプロジェクション型の
車両用灯具)が、それぞれ、スポット用配光パターンA(図57(b)参照)を形成する
ランプユニット9A、スポット用配光パターンAより拡散したミッド用配光パターンB(
図57(c)参照)を形成するランプユニット9B、ミッド用配光パターンBより拡散し
たワイド用配光パターンC(図57(d)参照)を形成するランプユニット9Cとして構
成され、図56に示すように、一列に(ライン状に)配置されている。
特開2012−94418号公報
しかしながら、本発明者らは、実際に、スポット用配光パターンを形成するランプユニ
ットSPOT、スポット用配光パターンより拡散したミッド用配光パターンを形成するラ
ンプユニットMID、ミッド用配光パターンより拡散したワイド用配光パターンを形成す
るランプユニットWIDE1、WIDE2を製作し、これらを図58に示すように、一列
に(ライン状に)配置したところ、次の課題を見出した。
図58は一列に(ライン状に)配置された各ランプユニットSPOT、MID、WID
E1、WIDE2(各々のレンズ体)に明部と暗部とを生じている様子を表す図(写真)
、図59は一点発光(点光り)している様子を表すランプユニットSPOT(レンズ体)
の正面図(写真)である。
第1に、視点位置が変わるとライン状の発光見栄えとならないこと。例えば、視点位置
を正面に置いた場合、ライン状の発光見栄えとなるが、視点位置を側方に置いた場合、図
58に示すように、暗部と明部とを生じ、ライン状の発光見栄えとならないこと。図58
を参照すると、ランプユニットSPOT(レンズ体)、ランプユニットMID(レンズ体
)及びランプユニットWIDE1(レンズ体)が相対的に暗い暗部を形成し、ランプユニ
ットHIGH(レンズ体)及びランプユニットWIDE2が相対的に明るい明部を形成し
ていることが分かる。このように暗部と明部とを生じるのは、スポット用配光パターン、
ミッド用配光パターン、ワイド用配光パターンが、それぞれ、物理的に分離した別光学系
で形成されることによるものである。
第2に、各々のランプユニット(レンズ体)、例えば、図59に示すように、ランプユ
ニットSPOTが、一点発光(点光り)の見栄えとなること。つまり、均一発光(又は略
均一発光)の見栄えとならないこと。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、第1に、視点位置が変わって
もライン状の発光見栄えを維持することができるレンズ体及びこれを備えた車両用灯具を
提供することを目的とする。第2に、均一発光(又は略均一発光)の見栄えを実現するこ
とができるレンズ体及びこれを備えた車両用灯具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、後端部、前端部、前記後端部と前
記前端部との間に配置された左右一対の側面、及び、前記後端部と前記前端部との間に配
置された下反射面を含むレンズ体において、前記後端部は、第1入射面、及び、前記第1
入射面の左右両側に、前記第1入射面近傍に配置される光源と前記第1入射面との間の空
間を左右両側から取り囲むように配置された左右一対の入射面を含み、前記前端部は、出
射面を含み、前記下反射面の先端部は、シェードを含み、前記第1入射面、前記下反射面
、及び、前記出射面は、前記第1入射面から前記レンズ体内部に入射した前記光源からの
光のうち前記シェードによって一部遮光された光、及び、前記下反射面で内面反射された
光が、前記出射面の一部領域から出射して前方に照射されることにより、上端縁に前記シ
ェードによって規定されるカットオフラインを含む第1配光パターンを形成する第1光学
系を構成しており、前記左右一対の入射面、前記左右一対の側面、及び、前記出射面は、
前記左右一対の入射面から前記レンズ体内部に入射して前記左右一対の側面で内面反射さ
れた前記光源からの光が、主に前記出射面のうち前記一部領域の左右両側の領域から出射
して前方に照射されることにより、前記第1配光パターンに重畳される、前記第1配光パ
ターンより拡散した第2配光パターンを形成する第2光学系を構成していることを特徴と
する。
請求項1に記載の発明によれば、第1に、視点位置が変わってもライン状の発光見栄え
を維持することができるレンズ体を提供することができる。第2に、均一発光(又は略均
一発光)の見栄えを実現することができるレンズ体を提供することができる。第3に、光
源からの光をレンズ体内部に取り込む効率が飛躍的に向上する。
視点位置が変わってもライン状の発光見栄えを維持することができるのは、1つのレン
ズ体が、拡散の程度が異なる複数の配光パターン、すなわち、第1配光パターン及び第2
配光パターンを形成する複数の光学系、すなわち、第1光学系及び第2光学系を備えてい
ることによるものである。
均一発光(又は略均一発光)の見栄えを実現することができるのは、各々の入射面、す
なわち、第1入射面及び左右一対の入射面からレンズ体内部に入射した光源からの光が各
々の反射面、すなわち、下反射面及び左右一対の側面で反射される結果、レンズ体内部で
多点発光することに加え、各々の反射面、すなわち、下反射面及び左右一対の側面からの
反射光が、出射面のほぼ全域から一様に出射すること、すなわち、下反射面からの反射光
が出射面の一部領域(例えば、左右方向の中央領域)から出射し、左右一対の側面からの
反射光が、主に出射面のうち一部領域(例えば、左右方向の中央領域)の左右両側の領域
から出射することによるものである。
光源からの光をレンズ体内部に取り込む効率が飛躍的に向上するのは、各々の入射面、
すなわち、第1入射面及び左右一対の入射面が光源を取り囲むように配置されていること
によるものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記レンズ体は、さらに、
前記後端部と前記前端部との間に配置された上面を含み、前記後端部は、さらに、前記第
1入射面の上側に、前記光源と前記第1入射面との間の空間を上側から取り囲むように配
置された上入射面を含み、前記上入射面、前記上面、及び、前記出射面は、前記上入射面
から前記レンズ体内部に入射して前記上面で内面反射された前記光源からの光が、主に前
記出射面のうち前記一部領域及び前記一部領域の左右両側の領域それぞれの上側の領域か
ら出射して前方に照射されることにより、前記第1配光パターン及び前記第2配光パター
ンに重畳される、前記第1配光パターンより拡散した第3配光パターンを形成する第3光
学系を構成していることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、第1に、視点位置が変わってもライン状の発光見栄え
を維持することができるレンズ体を提供することができる。第2に、均一発光(又は略均
一発光)の見栄えを実現することができるレンズ体を提供することができる。第3に、光
源からの光をレンズ体内部に取り込む効率が飛躍的に向上する。
視点位置が変わってもライン状の発光見栄えを維持することができるのは、1つのレン
ズ体が、拡散の程度が異なる複数の配光パターン、すなわち、第1配光パターン、第2配
光パターン及び第3配光パターンを形成する複数の光学系、すなわち、第1光学系、第2
光学系及び第3光学系を備えていることによるものである。
均一発光(又は略均一発光)の見栄えを実現することができるのは、各々の入射面、す
なわち、第1入射面、左右一対の入射面及び上入射面からレンズ体内部に入射した光源か
らの光が各々の反射面、すなわち、下反射面、左右一対の側面及び上面で反射される結果
、レンズ体内部で多点発光することに加え、各々の反射面、すなわち、下反射面、左右一
対の側面及び上面からの反射光が、出射面のほぼ全域から一様に出射すること、すなわち
、下反射面からの反射光が出射面の一部領域(例えば、左右方向の中央領域)から出射し
、左右一対の側面からの反射光が、主に出射面のうち一部領域(例えば、左右方向の中央
領域)の左右両側の領域から出射し、上面からの反射光が、主に出射面のうち一部領域(
例えば、左右方向の中央領域)及び一部領域(例えば、左右方向の中央領域)の左右両側
の領域それぞれの上側の領域から出射することによるものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記左右一対の側面は、上
面視で、前記前端部側から前記後端部側に向かうに従って前記左右一対の側面間の間隔が
テーパー状に狭まる曲面形状の面として構成されており、前記上面は、側面視で、前記前
端部側から前記後端部側に向かって斜め下方に傾いた曲面形状の面として構成されている
ことを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、請求項2と同様の効果を奏することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記上面は、左上面及び右
上面を含み、前記左上面及び右上面それぞれの傾きは、相互に異なることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、第3配光パターンを、上端縁に左右段違いのカットオ
フラインを含むものとすることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の発明において、前記上面は、オーバ
ーヘッドサイン用反射面を含み、前記オーバーヘッドサイン用反射面は、前記上入射面か
ら前記レンズ体内部に入射し、前記オーバーヘッドサイン用反射面で反射された前記光源
からの光が、前記出射面から出射して前方に照射されることにより、前記カットオフライ
ン上方にオーバーヘッドサイン用配光パターンを形成するようにその面形状が構成されて
いることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、カットオフライン上方の道路標識等を照射するオーバ
ーヘッドサイン用配光パターンを形成することができる。
請求項6に記載の発明は、第1後端部、第1前端部、前記第1後端部と前記第1前端部
との間に配置された左右一対の側面、及び、前記第1後端部と前記第1前端部との間に配
置された下反射面を含む第1レンズ部と、前記第1レンズ部の前方に配置され、第2後端
部、第2前端部を含む第2レンズ部と、前記第1レンズ部と前記第2レンズ部とを連結し
た連結部を含むレンズ体において、前記第1後端部は、第1入射面、及び、前記第1入射
面の左右両側に、前記第1入射面近傍に配置される光源と前記第1入射面との間の空間を
左右両側から取り囲むように配置された左右一対の入射面を含み、前記下反射面の先端部
は、シェードを含み、前記第1前端部は、第1出射面、及び、前記第1出射面の左右両側
に配置された左右一対の出射面を含み、前記第1出射面は、当該第1出射面から出射する
前記光源からの光を第1方向に関し集光させる半円柱状の面として構成されており、前記
第2後端部は、第2入射面を含み、前記第2前端部は、第2出射面を含み、前記第2出射
面は、当該第2出射面から出射する前記光源からの光を前記第1方向に直交する第2方向
に関し集光させる半円柱状の領域を含み、前記連結部は、前記第1レンズ部と前記第2レ
ンズ部とを、それぞれの上部において、前記第1前端部、前記第2後端部及び前記連結部
で囲まれた空間が形成された状態で連結しており、前記第1入射面、前記下反射面、前記
第1出射面、前記第2入射面、及び、前記第2出射面は、前記第1入射面から前記第1レ
ンズ部内部に入射した前記光源からの光のうち前記シェードによって一部遮光された光、
及び、前記下反射面で内面反射された光が、前記第1出射面から出射し、さらに、前記第
2入射面から前記第2レンズ部内部に入射して前記第2出射面の前記半円柱状の領域のう
ち一部領域から出射して前方に照射されることにより、上端縁に前記シェードによって規
定されるカットオフラインを含む第1配光パターンを形成する第1光学系を構成しており
、前記左右一対の入射面、前記左右一対の側面、前記左右一対の出射面、前記第2入射面
、及び、前記第2出射面は、前記左右一対の入射面から前記第1レンズ部内部に入射して
前記左右一対の側面で内面反射された前記光源からの光が、前記左右一対の出射面から出
射し、さらに、前記第2入射面から前記第2レンズ部内部に入射して主に前記第2出射面
の前記半円柱状の領域のうち前記一部領域の左右両側の領域から出射して前方に照射され
ることにより、前記第1配光パターンに重畳される、前記第1配光パターンより拡散した
第2配光パターンを形成する第2光学系を構成していることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、第1に、視点位置が変わってもライン状の発光見栄え
を維持することができるレンズ体を提供することができる。第2に、均一発光(又は略均
一発光)の見栄えを実現することができるレンズ体を提供することができる。第3に、光
源からの光をレンズ体内部に取り込む効率が飛躍的に向上する。第4に、所定方向にライ
ン状に延びる一体感のある見栄えのレンズ体を提供することができる。第5に、最終的な
出射面である第2出射面が半円柱状の面(半円柱状の屈折面)であるにもかかわらず、水
平方向及び鉛直方向に集光した所定配光パターン(例えば、上端縁にシェードによって規
定されるカットオフラインを含むロービーム用配光パターン)を形成することができるレ
ンズ体を提供することができる。
視点位置が変わってもライン状の発光見栄えを維持することができるのは、1つのレン
ズ体が、拡散の程度が異なる複数の配光パターン、すなわち、第1配光パターン及び第2
配光パターンを形成する複数の光学系、すなわち、第1光学系及び第2光学系を備えてい
ることによるものである。
均一発光(又は略均一発光)の見栄えを実現することができるのは、各々の入射面、す
なわち、第1入射面及び左右一対の入射面から第1レンズ部内部に入射した光源からの光
が各々の反射面、すなわち、下反射面及び左右一対の側面で反射される結果、レンズ体内
部で多点発光することに加え、各々の反射面、すなわち、下反射面及び左右一対の側面か
らの反射光が、最終的な出射面である第2出射面のほぼ全域から一様に出射すること、す
なわち、下反射面からの反射光が最終的な出射面である第2出射面(半円柱状の領域)の
一部領域(例えば、左右方向の中央領域)から出射し、左右一対の側面からの反射光が、
主に最終的な出射面である第2出射面(半円柱状の領域)のうち一部領域(例えば、左右
方向の中央領域)の左右両側の領域から出射することによるものである。
光源からの光をレンズ体内部に取り込む効率が飛躍的に向上するのは、各々の入射面、
すなわち、第1入射面及び左右一対の入射面が光源を取り囲むように配置されていること
によるものである。
所定方向にライン状に延びる一体感のある見栄えとすることができるのは、最終的な出
射面である第2出射面が半円柱状の面(半円柱状の屈折面)として構成されていることに
よるものである。
最終的な出射面である第2出射面が半円柱状の面(半円柱状の屈折面)であるにもかか
わらず、水平方向及び鉛直方向に集光した所定配光パターン(例えば、上端縁にシェード
によって規定されるカットオフラインを含むロービーム用配光パターン)を形成すること
ができるのは、第1方向(例えば、水平方向又は鉛直方向)の集光を主に第1レンズ部の
第1出射面(半円柱状の屈折面)が担当し、第1方向に直交する第2方向(例えば、鉛直
方向又は水平方向)の集光を主にレンズ体の最終的な出射面である第2レンズ部の第2出
射面(半円柱状の屈折面)が担当することによるものである。すなわち、集光機能を分解
したことによるものである。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記第1レンズ部は、さら
に、前記第1後端部と前記第1前端部との間に配置された上面を含み、前記第1後端部は
、さらに、前記第1入射面の上側に、前記光源と前記第1入射面との間の空間を上側から
取り囲むように配置された上入射面を含み、前記第2出射面は、さらに、当該第2出射面
の前記半円柱状の領域の上縁から上方斜め後方に延長された延長領域を含み、前記上入射
面、前記上面、前記連結部、及び、前記第2出射面の前記延長領域は、前記上入射面から
前記第1レンズ部内部に入射して前記上面で内面反射され、前記連結部内部を進行した前
記光源からの光が、前記第2出射面の前記延長領域から出射して前方に照射されることに
より、前記第1配光パターン及び前記第2配光パターンに重畳される、前記第1配光パタ
ーンより拡散した第3配光パターンを形成する第3光学系を構成していることを特徴とす
る。
請求項7に記載の発明によれば、第1に、視点位置が変わってもライン状の発光見栄え
を維持することができるレンズ体を提供することができる。第2に、均一発光(又は略均
一発光)の見栄えを実現することができるレンズ体を提供することができる。第3に、光
源からの光をレンズ体内部に取り込む効率が飛躍的に向上する。
視点位置が変わってもライン状の発光見栄えを維持することができるのは、1つのレン
ズ体が、拡散の程度が異なる複数の配光パターン、すなわち、第1配光パターン、第2配
光パターン及び第3配光パターンを形成する複数の光学系、すなわち、第1光学系、第2
光学系及び第3光学系を備えていることによるものである。
均一発光(又は略均一発光)の見栄えを実現することができるのは、各々の入射面、す
なわち、第1入射面、左右一対の入射面及び上入射面から第1レンズ部内部に入射した光
源からの光が各々の反射面、すなわち、下反射面、左右一対の側面及び上面で反射される
結果、レンズ体内部で多点発光することに加え、各々の反射面、すなわち、下反射面、左
右一対の側面及び上面からの反射光が、最終的な出射面である第2出射面のほぼ全域から
一様に出射すること、すなわち、下反射面からの反射光が最終的な出射面である第2出射
面(半円柱状の領域)の一部領域(例えば、左右方向の中央領域)から出射し、左右一対
の側面からの反射光が、主に最終的な出射面である第2出射面(半円柱状の領域)のうち
一部領域(例えば、左右方向の中央領域)の左右両側の領域から出射し、上面からの反射
光が、主に最終的な出射面である第2出射面のうち延長領域から出射することによるもの
である。
光源からの光をレンズ体内部に取り込む効率が飛躍的に向上するのは、各々の入射面、
すなわち、第1入射面、左右一対の入射面及び上入射面が光源を取り囲むように配置され
ていることによるものである。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記左右一対の側面は、上
面視で、前記第1前端部側から前記第1後端部側に向かうに従って前記左右一対の側面間
の間隔がテーパー状に狭まる曲面形状の面として構成されており、前記上面は、側面視で
、前記第1前端部側から前記第1後端部側に向かって斜め下方に傾いた曲面形状の面とし
て構成されていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明によれば、請求項7と同様の効果を奏することができる。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、前記上面は、左上面及び右
上面を含み、前記左上面及び右上面それぞれの傾きは、相互に異なることを特徴とする。
請求項9に記載の発明によれば、第3配光パターンを、上端縁に左右段違いのカットオ
フラインを含むものとすることができる。
請求項10に記載の発明は、請求項8又は9に記載の発明において、前記上面は、オー
バーヘッドサイン用反射面を含み、前記オーバーヘッドサイン用反射面は、前記上入射面
から前記第1レンズ部内部に入射し、前記オーバーヘッドサイン用反射面で反射され、前
記連結部内部を進行した前記光源からの光が、前記延長領域から出射して前方に照射され
ることにより、前記カットオフライン上方にオーバーヘッドサイン用配光パターンを形成
するようにその面形状が構成されていることを特徴とする。
請求項10に記載の発明によれば、カットオフライン上方の道路標識等を照射するオー
バーヘッドサイン用配光パターンを形成することができる。
請求項11に記載の発明は、後端部、前端部、前記後端部と前記前端部との間に配置さ
れた左右一対の側面、及び、前記後端部と前記前端部との間に配置された下反射面を含む
レンズ体と、前記後端部近傍に配置された光源と、を備えた車両用灯具において、前記後
端部は、第1入射面、及び、前記第1入射面の左右両側に、前記第1入射面近傍に配置さ
れる光源と前記第1入射面との間の空間を左右両側から取り囲むように配置された左右一
対の入射面を含み、前記前端部は、出射面を含み、前記下反射面の先端部は、シェードを
含み、前記第1入射面、前記下反射面、及び、前記出射面は、前記第1入射面から前記レ
ンズ体内部に入射した前記光源からの光のうち前記シェードによって一部遮光された光、
及び、前記下反射面で内面反射された光が、前記出射面の一部領域から出射して前方に照
射されることにより、上端縁に前記シェードによって規定されるカットオフラインを含む
第1配光パターンを形成する第1光学系を構成しており、前記左右一対の入射面、前記左
右一対の側面、及び、前記出射面は、前記左右一対の入射面から前記レンズ体内部に入射
して前記左右一対の側面で内面反射された前記光源からの光が、主に前記出射面のうち前
記一部領域の左右両側の領域から出射して前方に照射されることにより、前記第1配光パ
ターンに重畳される、前記第1配光パターンより拡散した第2配光パターンを形成する第
2光学系を構成していることを特徴とする。
請求項11に記載の発明によれば、第1に、視点位置が変わってもライン状の発光見栄
えを維持することができるレンズ体を備えた車両用灯具を提供することができる。第2に
、均一発光(又は略均一発光)の見栄えを実現することができるレンズ体を備えた車両用
灯具を提供することができる。第3に、光源からの光をレンズ体内部に取り込む効率が飛
躍的に向上する。
視点位置が変わってもライン状の発光見栄えを維持することができるのは、1つのレン
ズ体が、拡散の程度が異なる複数の配光パターン、すなわち、第1配光パターン及び第2
配光パターンを形成する複数の光学系、すなわち、第1光学系及び第2光学系を備えてい
ることによるものである。
均一発光(又は略均一発光)の見栄えを実現することができるのは、各々の入射面、す
なわち、第1入射面及び左右一対の入射面からレンズ体内部に入射した光源からの光が各
々の反射面、すなわち、下反射面及び左右一対の側面で反射される結果、レンズ体内部で
多点発光することに加え、各々の反射面、すなわち、下反射面及び左右一対の側面からの
反射光が、出射面のほぼ全域から一様に出射すること、すなわち、下反射面からの反射光
が出射面の一部領域(例えば、左右方向の中央領域)から出射し、左右一対の側面からの
反射光が、主に出射面のうち一部領域(例えば、左右方向の中央領域)の左右両側の領域
から出射することによるものである。
光源からの光をレンズ体内部に取り込む効率が飛躍的に向上するのは、各々の入射面、
すなわち、第1入射面及び左右一対の入射面が光源を取り囲むように配置されていること
によるものである。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の発明において、前記レンズ体は、さら
に、前記後端部と前記前端部との間に配置された上面を含み、前記後端部は、さらに、前
記第1入射面の上側に、前記光源と前記第1入射面との間の空間を上側から取り囲むよう
に配置された上入射面を含み、前記上入射面、前記上面、及び、前記出射面は、前記上入
射面から前記レンズ体内部に入射して前記上面で内面反射された前記光源からの光が、主
に前記出射面のうち前記一部領域及び前記一部領域の左右両側の領域それぞれの上側の領
域から出射して前方に照射されることにより、前記第1配光パターン及び前記第2配光パ
ターンに重畳される、前記第1配光パターンより拡散した第3配光パターンを形成する第
3光学系を構成していることを特徴とする。
請求項12に記載の発明によれば、第1に、視点位置が変わってもライン状の発光見栄
えを維持することができるレンズ体を備えた車両用灯具を提供することができる。第2に
、均一発光(又は略均一発光)の見栄えを実現することができるレンズ体を備えた車両用
灯具を提供することができる。第3に、光源からの光をレンズ体内部に取り込む効率が飛
躍的に向上する。
視点位置が変わってもライン状の発光見栄えを維持することができるのは、1つのレン
ズ体が、拡散の程度が異なる複数の配光パターン、すなわち、第1配光パターン、第2配
光パターン及び第3配光パターンを形成する複数の光学系、すなわち、第1光学系、第2
光学系及び第3光学系を備えていることによるものである。
均一発光(又は略均一発光)の見栄えを実現することができるのは、各々の入射面、す
なわち、第1入射面、左右一対の入射面及び上入射面からレンズ体内部に入射した光源か
らの光が各々の反射面、すなわち、下反射面、左右一対の側面及び上面で反射される結果
、レンズ体内部で多点発光することに加え、各々の反射面、すなわち、下反射面、左右一
対の側面及び上面からの反射光が、出射面のほぼ全域から一様に出射すること、すなわち
、下反射面からの反射光が出射面の一部領域(例えば、左右方向の中央領域)から出射し
、左右一対の側面からの反射光が、主に出射面のうち一部領域(例えば、左右方向の中央
領域)の左右両側の領域から出射し、上面からの反射光が、主に出射面のうち一部領域(
例えば、左右方向の中央領域)及び一部領域(例えば、左右方向の中央領域)の左右両側
の領域それぞれの上側の領域から出射することによるものである。
請求項13に記載の発明は、第1後端部、第1前端部、前記第1後端部と前記第1前端
部との間に配置された左右一対の側面、及び、前記第1後端部と前記第1前端部との間に
配置された下反射面を含む第1レンズ部と、前記第1レンズ部の前方に配置され、第2後
端部、第2前端部を含む第2レンズ部と、前記第1レンズ部と前記第2レンズ部とを連結
した連結部を含むレンズ体と、前記第1後端部近傍に配置された光源と、を備えた車両用
灯具において、前記第1後端部は、第1入射面、及び、前記第1入射面の左右両側に、前
記第1入射面近傍に配置される光源と前記第1入射面との間の空間を左右両側から取り囲
むように配置された左右一対の入射面を含み、前記下反射面の先端部は、シェードを含み
、前記第1前端部は、第1出射面、及び、前記第1出射面の左右両側に配置された左右一
対の出射面を含み、前記第1出射面は、当該第1出射面から出射する前記光源からの光を
第1方向に関し集光させる半円柱状の面として構成されており、前記第2後端部は、第2
入射面を含み、前記第2前端部は、第2出射面を含み、前記第2出射面は、当該第2出射
面から出射する前記光源からの光を前記第1方向に直交する第2方向に関し集光させる半
円柱状の領域を含み、前記連結部は、前記第1レンズ部と前記第2レンズ部とを、それぞ
れの上部において、前記第1前端部、前記第2後端部及び前記連結部で囲まれた空間が形
成された状態で連結しており、前記第1入射面、前記下反射面、前記第1出射面、前記第
2入射面、及び、前記第2出射面は、前記第1入射面から前記第1レンズ部内部に入射し
た前記光源からの光のうち前記シェードによって一部遮光された光、及び、前記下反射面
で内面反射された光が、前記第1出射面から出射し、さらに、前記第2入射面から前記第
2レンズ部内部に入射して前記第2出射面の前記半円柱状の領域のうち一部領域から出射
して前方に照射されることにより、上端縁に前記シェードによって規定されるカットオフ
ラインを含む第1配光パターンを形成する第1光学系を構成しており、前記左右一対の入
射面、前記左右一対の側面、前記左右一対の出射面、前記第2入射面、及び、前記第2出
射面は、前記左右一対の入射面から前記第1レンズ部内部に入射して前記左右一対の側面
で内面反射された前記光源からの光が、前記左右一対の出射面から出射し、さらに、前記
第2入射面から前記第2レンズ部内部に入射して主に前記第2出射面の前記半円柱状の領
域のうち前記一部領域の左右両側の領域から出射して前方に照射されることにより、前記
第1配光パターンに重畳される、前記第1配光パターンより拡散した第2配光パターンを
形成する第2光学系を構成していることを特徴とする。
請求項13に記載の発明によれば、第1に、視点位置が変わってもライン状の発光見栄
えを維持することができるレンズ体を備えた車両用灯具を提供することができる。第2に
、均一発光(又は略均一発光)の見栄えを実現することができるレンズ体を備えた車両用
灯具を提供することができる。第3に、光源からの光をレンズ体内部に取り込む効率が飛
躍的に向上する。第4に、所定方向にライン状に延びる一体感のある見栄えのレンズ体を
備えた車両用灯具を提供することができる。第5に、最終的な出射面である第2出射面が
半円柱状の面(半円柱状の屈折面)であるにもかかわらず、水平方向及び鉛直方向に集光
した所定配光パターン(例えば、上端縁にシェードによって規定されるカットオフライン
を含むロービーム用配光パターン)を形成することができるレンズ体を備えた車両用灯具
を提供することができる。
視点位置が変わってもライン状の発光見栄えを維持することができるのは、1つのレン
ズ体が、拡散の程度が異なる複数の配光パターン、すなわち、第1配光パターン及び第2
配光パターンを形成する複数の光学系、すなわち、第1光学系及び第2光学系を備えてい
ることによるものである。
均一発光(又は略均一発光)の見栄えを実現することができるのは、各々の入射面、す
なわち、第1入射面及び左右一対の入射面から第1レンズ部内部に入射した光源からの光
が各々の反射面、すなわち、下反射面及び左右一対の側面で反射される結果、レンズ体内
部で多点発光することに加え、各々の反射面、すなわち、下反射面及び左右一対の側面か
らの反射光が、最終的な出射面である第2出射面のほぼ全域から一様に出射すること、す
なわち、下反射面からの反射光が最終的な出射面である第2出射面(半円柱状の領域)の
一部領域(例えば、左右方向の中央領域)から出射し、左右一対の側面からの反射光が、
主に最終的な出射面である第2出射面(半円柱状の領域)のうち一部領域(例えば、左右
方向の中央領域)の左右両側の領域から出射することによるものである。
光源からの光をレンズ体内部に取り込む効率が飛躍的に向上するのは、各々の入射面、
すなわち、第1入射面及び左右一対の入射面が光源を取り囲むように配置されていること
によるものである。
所定方向にライン状に延びる一体感のある見栄えとすることができるのは、最終的な出
射面である第2出射面が半円柱状の面(半円柱状の屈折面)として構成されていることに
よるものである。
最終的な出射面である第2出射面が半円柱状の面(半円柱状の屈折面)であるにもかか
わらず、水平方向及び鉛直方向に集光した所定配光パターン(例えば、上端縁にシェード
によって規定されるカットオフラインを含むロービーム用配光パターン)を形成すること
ができるのは、第1方向(例えば、水平方向又は鉛直方向)の集光を主に第1レンズ部の
第1出射面(半円柱状の屈折面)が担当し、第1方向に直交する第2方向(例えば、鉛直
方向又は水平方向)の集光を主にレンズ体の最終的な出射面である第2レンズ部の第2出
射面(半円柱状の屈折面)が担当することによるものである。すなわち、集光機能を分解
したことによるものである。
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の発明において、前記第1レンズ部は、
さらに、前記第1後端部と前記第1前端部との間に配置された上面を含み、前記第1後端
部は、さらに、前記第1入射面の上側に、前記光源と前記第1入射面との間の空間を上側
から取り囲むように配置された上入射面を含み、前記第2出射面は、さらに、当該第2出
射面の前記半円柱状の領域の上縁から上方斜め後方に延長された延長領域を含み、前記上
入射面、前記上面、前記連結部、及び、前記第2出射面の前記延長領域は、前記上入射面
から前記第1レンズ部内部に入射して前記上面で内面反射され、前記連結部内部を進行し
た前記光源からの光が、前記第2出射面の前記延長領域から出射して前方に照射されるこ
とにより、前記第1配光パターン及び前記第2配光パターンに重畳される、前記第1配光
パターンより拡散した第3配光パターンを形成する第3光学系を構成していることを特徴
とする。
請求項14に記載の発明によれば、第1に、視点位置が変わってもライン状の発光見栄
えを維持することができるレンズ体を備えた車両用灯具を提供することができる。第2に
、均一発光(又は略均一発光)の見栄えを実現することができるレンズ体を備えた車両用
灯具を提供することができる。第3に、光源からの光をレンズ体内部に取り込む効率が飛
躍的に向上する。
視点位置が変わってもライン状の発光見栄えを維持することができるのは、1つのレン
ズ体が、拡散の程度が異なる複数の配光パターン、すなわち、第1配光パターン、第2配
光パターン及び第3配光パターンを形成する複数の光学系、すなわち、第1光学系、第2
光学系及び第3光学系を備えていることによるものである。
均一発光(又は略均一発光)の見栄えを実現することができるのは、各々の入射面、す
なわち、第1入射面、左右一対の入射面及び上入射面から第1レンズ部内部に入射した光
源からの光が各々の反射面、すなわち、下反射面、左右一対の側面及び上面で反射される
結果、レンズ体内部で多点発光することに加え、各々の反射面、すなわち、下反射面、左
右一対の側面及び上面からの反射光が、最終的な出射面である第2出射面のほぼ全域から
一様に出射すること、すなわち、下反射面からの反射光が最終的な出射面である第2出射
面の一部領域(例えば、左右方向の中央領域)から出射し、左右一対の側面からの反射光
が、主に最終的な出射面である第2出射面のうち一部領域(例えば、左右方向の中央領域
)の左右両側の領域から出射し、上面からの反射光が、主に最終的な出射面である第2出
射面のうち延長領域から出射することによるものである。
光源からの光をレンズ体内部に取り込む効率が飛躍的に向上するのは、各々の入射面、
すなわち、第1入射面、左右一対の入射面及び上入射面が光源を取り囲むように配置され
ていることによるものである。
本発明によれば、第1に、視点位置が変わってもライン状の発光見栄えを維持すること
ができるレンズ体及びこれを備えた車両用灯具を提供することが可能となる。第2に、均
一発光(又は略均一発光)の見栄えを実現することができるレンズ体及びこれを備えた車
両用灯具を提供することが可能となる。
本発明の第1実施形態である車両用灯具10の縦断面図である。 (a)前方から見たレンズ体12の斜視図、(b)後方から見たレンズ体12の斜視図である。 (a)レンズ体12の上面図、(b)下面図、(c)側面図である。 (a)光源14(正確には、基準点F)からの光が入射面12aに入射する様子を表す図、(b)レンズ体12内部に入射した光源14からの光(直射光RayA)が集光する様子を表す図である。 入射面12aの一例(横断面図)である。 入射面12aの他の一例(横断面図)である。 (a)(b)入射面12aと光源14との間の距離について説明するための図である。 シェード12cの役割を説明するための図である。 (a)光源14位置から見たシェード12cの概略図、(b)図2(a)に示した反射面12b(シェード12cを含む)を拡大した拡大斜視図、(c)図2(a)に示した反射面12b(シェード12cを含む)の上面図である。 (a)〜(c)シェード12cの変形例(側面図)である。 (a)第1実施形態の車両用灯具10により、車両前面に正対した仮想鉛直スクリーン(車両前面から約25m前方に配置されている)上に形成されるロービーム用配光パターンP1の例、(b)ロービーム用配光パターンP2の例、(c)ロービーム用配光パターンP3の例である。 各断面Cs1〜Cs4における光源14からの光による光源像ICs1〜IC s4を説明するための図である。 (a)反射面12bを水平方向に配置した場合、反射面12bで内面反射された反射光RayB´が出射面12dに入射しない方向に進行する様子を描いた図、(b)反射面12bを第1基準軸AX1に対して傾けて配置した場合、反射面12bで内面反射された反射光RayBが出射面12dに入射する方向に進行する様子を描いた図である。 (a)反射面12bを水平方向に配置した場合、反射面12bを上方に延ばすことで、出射面12dに入射しない方向に進行する反射光RayB´を取り込むことができる様子を描いた図、(b)反射面12bを第1基準軸AX1に対して傾けて配置した場合、反射面12bを上方に延ばすことなく、より多くの光(反射面12bで内面反射された反射光RayB)を取り込むことができる様子を描いた図である。 (a)第2基準軸AX2を水平方向に配置し、レンズ体12内部に入射した光源14からの光を、少なくとも鉛直方向に関し、シェード12cに向かって第2基準軸AX2寄りに集光させた場合、レンズ体12内部に入射した光源14からの光の多くがシェード12cで遮光される様子を描いた図、(b)第2基準軸AX2を第1基準軸AX1に対して傾けて配置し、レンズ体12内部に入射した光源14からの光を、少なくとも鉛直方向に関し、シェード12cに向かって第2基準軸AX2寄りに集光させた場合、出射面12dが取り込む光(反射面12bで内面反射された反射光RayB)が増加する様子を描いた図である。 本発明の第2実施形態である車両用灯具10Aの斜視図である。 (a)車両用灯具10Aの縦断面図、(b)光源14からの光がレンズ体12A内部を進行する様子を表す図である。 複数の第1実施形態の車両用灯具10(複数のレンズ体12)を一列に配置した様子を表す上面図である。 (a)複数の第2実施形態の車両用灯具10A(複数のレンズ体12A)を水平方向に一列に配置した様子を表す正面図、(b)上面図である。 (a)第2実施形態の車両用灯具10Aにより、車両前面に正対した仮想鉛直スクリーン(車両前面から約25m前方に配置されている)上に形成されるロービーム用配光パターンP1aの例、(b)ロービーム用配光パターンP1bの例、(c)ロービーム用配光パターンP1cの例である。 (a)第2実施形態のレンズ体12Aの上面図、(b)側面図、(c)下面図である。 第1入射面12aの一例(横断面図)である。 第2実施形態のレンズ体12A(第1出射面12A1a、第2入射面12A2a及び第2出射面12A2b)について説明するための斜視図である。 第1出射面12A1a、第2入射面12A2a及び第2出射面12A2bそれぞれの法線を説明するための図である。 第2実施形態のレンズ体12Aの第1変形例であるレンズ体12Bについて説明する図である。 第2実施形態のレンズ体12Aの第2変形例であるレンズ体12C(第1出射面12A1a、第2入射面12A2a及び第2出射面12A2b)について説明するための斜視図である。 複数の車両用灯具10C(複数のレンズ体12C)を鉛直方向に一列に配置した様子を表す正面図である。 「集光機能を分解する」という考え方を適用したダイレクトプロジェクション型の車両用灯具20の概略図である。 車両前面に正対した仮想鉛直スクリーン(車両前面から約25m前方に配置されている)上に形成されるハイビーム用配光パターンPHiの例である。 「集光機能を分解する」という考え方を適用したプロジェクタ型の車両用灯具30の概略図である。 (a)キャンバー角が付与された車両用灯具10D(第5実施形態)の側面図(主要光学面のみ)、(b)上面図(主要光学面のみ)、(c)車両用灯具10Dにより形成されるロービーム用配光パターンの例、(d)キャンバー角が付与されていない第2実施形態の車両用灯具10Aの側面図(主要光学面のみ)、(e)上面図(主要光学面のみ)、(f)第2実施形態の車両用灯具10Aにより形成されるロービーム用配光パターンの例である。 キャンバー角を付与した場合の問題点を説明するための上面図(主要光学面のみ)である。 キャンバー角を付与した場合、ロービーム用配光パターンに現れる問題点を説明するための図である。 (a)図32に示すB位置における断面図(主要光学面のみ)、(b)図32に示すC位置における断面図(主要光学面のみ)である。 (a)本実施形態の車両用灯具10Dの斜視図(主要光学面のみ)、(b)第2実施形態の車両用灯具10Aの斜視図(主要光学面のみ)である。 スラント角が付与された車両用灯具10E(第6実施形態)の正面図である。 (a)スラント角を付与した場合、ロービーム用配光パターンに現れる問題点を説明するための図、(b)図37(a)を模式的に表した図である。 (a)ロービーム用配光パターンに現れる問題点(回転)が抑制されたことを説明するための図、(b)図38(a)を模式的に表した図である。 (a)キャンバー角及びスラント角が付与された車両用灯具10F(第7実施形態)の側面図(主要光学面のみ)、(b)上面図(主要光学面のみ)、(c)車両用灯具10Fにより形成されるロービーム用配光パターンの例である。 (a)第1比較例の車両用灯具10Gの側面図(主要光学面のみ)、(b)上面図(主要光学面のみ)、(c)車両用灯具10Gにより形成される配光パターンの例である。 (a)第2比較例の車両用灯具10Hの側面図(主要光学面のみ)、(b)上面図(主要光学面のみ)、(c)車両用灯具10Hにより形成される配光パターンの例である。 (a)キャンバー角θ1が30°の場合に、第5実施形態の車両用灯具10D(第7実施形態の車両用灯具10Fも同様)により形成されるロービーム用配光パターンの例、(b)キャンバー角θ1が45°の場合に、第5実施形態の車両用灯具10D(第7実施形態の車両用灯具10Fも同様)により形成されるロービーム用配光パターンの例である。 第2実施形態の車両用灯具10Aの断面図(主要光学面のみ)である。 (a)第2出射面12A2bのうち、水平に対して上向きの光が出射する下方の一部領域12A2b2を物理的にカットし、上方の領域12A2b1を残した例、(b)第2出射面12A2bのうち下方の一部領域12A2b2から出射する光源14からの光Ray2が第1基準軸AXに対して平行又は下向きの光となるようにその一部領域12A2b2の面形状(例えば、曲率)を調整し、第2出射面12A2bを、上領域12A2b1と下領域12A2b2とに分割した例である。 第2基準軸AX2が、上面視で、第1基準軸AX1に対して傾斜している車両用灯具10Iの上面図(主要光学面のみ)である。 車両用灯具10J(レンズ体12J)の斜視図である (a)車両用灯具10J(レンズ体12J)の上面図、(b)正面図、(c)側面図である。 (a)車両用灯具10J(レンズ体12J)により形成されるロービーム用配光パターンPLO(合成配光パターン)の例、(b)〜(d)図48(a)を構成する各部分配光パターンPSPOT、PMID、PWIDEの例である。 (a)第1光学系の側面図(主要光学面のみ)、(b)第2光学系の上面図(主要光学面のみ)、(c)第3光学系の側面図(主要光学面のみ)である。 (a)第1レンズ部12A1の第1後端部12A1aaの正面図、(b)図50(a)のA−A断面図(模式図)、(c)図50(a)のB−B断面図(模式図)である。 多点発光している様子を表す車両用灯具10J(レンズ体12J)の正面図(写真)である。 (a)第6実施形態の車両用灯具10E(レンズ体12A)の側面図(第1出射面12A1aを省略した主要光学面のみ)、(b)上面図(第1出射面12A1aを省略した主要光学面のみ)、(d)側面図(第1出射面12A1aを省略した主要光学面のみ)、(e)上面図(第1出射面12A1aを省略した主要光学面のみ)である。 (a)図52(b)に第1出射面12A1aを追加した上面図、(b)図52(d)に第1出射面12A1aを追加した上面図である。 (a)(b)第2光学系を構成する左右一対の入射面42a、42b及び/又は左右一対の側面44a、44bの面形状の調整例である。 (a)(b)第3光学系を構成する上入射面42cの面形状の調整例である。 特許文献1に記載の車両用灯具200の上面図である。 (a)車両用灯具200により形成されるロービーム用配光パターン(合成配光パターン)の例、(b)〜(d)図53(a)を構成する各部分配光パターンA、B、Cの例である。 一列に(ライン状に)配置された各ランプユニットSPOT、MID、WIDE1、WIDE2(各々のレンズ体)に明部と暗部とを生じている様子を表す図(写真)である。 一点発光(点光り)している様子を表すランプユニットSPOT(レンズ体)の正面図(写真)である。
以下、本発明の第1実施形態である車両用灯具について、図面を参照しながら説明する
図1は、本発明の第1実施形態である車両用灯具10の縦断面図である。
図1に示すように、本実施形態の車両用灯具10は、レンズ体12、レンズ体12の入
射面12a近傍に配置された光源14等を備え、車両前面に正対した仮想鉛直スクリーン
(車両前面から約25m前方に配置されている)上に、図11(a)等に示す上端縁にカ
ットオフラインCL1〜CL3を含むロービーム用配光パターンP1等を形成する車両用
前照灯として構成されている。
図2(a)は前方から見たレンズ体12の斜視図、図2(b)は後方から見たレンズ体
12の斜視図、図3(a)はレンズ体12の上面図、図3(b)は下面図、図3(c)は
側面図である。
図1に示すように、レンズ体12は、水平方向に延びる第1基準軸AX1に沿って延び
た形状のレンズ体で、入射面12a、反射面12b、シェード12c、出射面12d及び
入射面12a近傍に配置された光学設計上の基準点Fを含んでいる。入射面12a、反射
面12b、シェード12c及び出射面12dは、第1基準軸AX1に沿ってこの順に配置
されている。レンズ体12の材質は、ポリカーボネイトであってもよいし、それ以外のア
クリル等の透明樹脂であってもよいし、ガラスであってもよい。
図1中の先端に矢印が付いた点線は、レンズ体12内部に入射した光源14(正確には
、基準点F)からの光の光路を表している。
レンズ体12の主な機能は、第1に、光源14からの光をレンズ体12内部に取り込む
こと、第2に、レンズ体12内部に取り込まれた光のうち出射面12dに向かって進行す
る直射光RayA及び反射面12bで内面反射された反射光RayBにより、出射面12
d(レンズ部)の焦点F12d近傍に形成される光度分布(光源像)を反転投影して、上端
縁にカットオフラインを含むロービーム用配光パターンを形成することである。
図4(a)は光源14(正確には、基準点F)からの光が入射面12aに入射する様子
を表す図、図4(b)はレンズ体12内部に入射した光源14からの光(直射光RayA
)が集光する様子を表す図である。
入射面12aは、レンズ体12の後端部に形成され、当該入射面12a近傍に配置され
る光源14(正確には、光学設計上の基準点F)からの光(図4(a)参照)が屈折して
レンズ体12内部に入射する面(例えば、光源14に向かって凸の自由曲面)で、レンズ
体12内部に入射した光源14からの光(直射光RayA)が、少なくとも鉛直方向に関
し、シェード12cに向かって第2基準軸AX2寄りに集光するように(図4(b)参照
)、その面形状が構成されている。第2基準軸AX2は、光源14の中心(正確には、基
準点F)とシェード12c近傍の点とを通過し、第1基準軸AX1に対して前方斜め下方
に向かって傾斜している(図1参照)。
光源14は、例えば、金属製の基板(図示せず)、当該基板の表面に実装された白色L
ED光源(又は白色LD光源)等の半導体発光素子(図示せず)を備えている。半導体発
光素子の個数は、1以上であればよい。なお、光源14は、白色LED光源(又は白色L
D光源)等の半導体発光素子以外の光源であってもよい。光源14は、その発光面(図示
せず)を前方斜め下方に向けた姿勢、すなわち、当該光源14の光軸AX14が第2基準軸
AX2に一致した姿勢でレンズ体12の入射面12a近傍(基準点F近傍)に配置されて
いる。なお、光源14は、当該光源14の光軸AX14が第2基準軸AX2に一致していな
い姿勢(例えば、光源14の光軸AX14が水平方向に配置された姿勢)でレンズ体12の
入射面12a近傍(基準点F近傍)に配置されていてもよい。
光源14が半導体発光素子(例えば白色LED光源)である場合、当該光源14(発光
面)から放出される光の指向特性はランバーシアンで、I(θ)=I0×cosθで表すこ
とができる。これは、光源14が放出する光の広がりを表している。但し、I(θ)は光
源14の光軸AX14から角度θ傾いた方向の光度を表し、I0は光軸AX14上の光度を表
している。光源14では、光軸AX14上(θ=0)の光度が最大となる。
図5は入射面12aの一例(横断面図)、図6は入射面12aの他の一例(横断面図)
である。
図5に示すように、入射面12aは、水平方向に関し、レンズ体12内部に入射した光
源14からの光(直射光RayA)が、シェード12cに向かって第1基準軸AX1寄り
に集光するように、その面形状が構成されている。なお、入射面12aは、図6に示すよ
うに、水平方向に関し、レンズ体12内部に入射した光源14からの光(直射光RayA
)が、基準軸AX1に対して平行な光となるように、その面形状が構成されていてもよい
ロービーム用配光パターンの水平方向の拡散の程度は、入射面12aの面形状(例えば
、入射面12aの水平方向の曲率)を調整することで自在に調整することができる。
図7(a)及び図7(b)は、入射面12aと光源14との間の距離について説明する
ための図である。
入射面12aと光源14との間の距離を短くすることで(図7(b)参照)、入射面1
2aと光源14との間の距離を長くした場合(図7(a)参照)と比べ、光源像が小さく
なる。その結果、出射面12d(レンズ部)の焦点F12d近傍に形成される光度分布(及
びロービーム用配光パターン)の最大光度をより高くすることができる。
また、入射面12aと光源14との間の距離を短くすることで(図7(b)参照)、入
射面12aと光源14との間の距離を長くした場合(図7(a)参照)と比べ、レンズ体
12内部に取り込まれる光源14からの光が増加する(β>α)。その結果、高効率なレ
ンズ体となる。
反射面12bは、入射面12aの下端縁から前方に向かって水平方向に延びた平面形状
の反射面である。反射面12bは、レンズ体12内部に入射した光源14からの光のうち
当該反射面12bに入射した光を全反射する反射面で、金属蒸着は用いていない。レンズ
体12内部に入射した光源14からの光のうち反射面12bに入射した光は、当該反射面
12bで内面反射されて出射面12dに向かい、出射面12dで屈折して路面方向に向か
う。すなわち、反射面12bで内面反射された反射光RayBがカットオフラインを境に
折り返されてカットオフライン以下の配光パターンに重畳される形となる。これにより、
ロービーム用配光パターンの上端縁にカットオフラインが形成される。
なお、反射面12bは、入射面12aの下端縁から第1基準軸AX1に対して前方斜め
下方に向かって傾斜した平面形状の反射面であってもよい(図14(b)参照)。このよ
うに反射面12bを第1基準軸AX1に対して傾けて配置することの利点については後述
する。
反射面12bの先端部には、左右方向に延びるシェード12cが形成されている。
図8は、シェード12cの役割を説明するための図である。
図8に示すように、シェード12cの主な役割は、レンズ体12内部に入射した光源1
4からの光の一部を遮光し、出射面12d(レンズ部)の焦点F12d近傍に、下端縁にシ
ェード12cによって規定されるカットオフラインに対応する辺を含む光度分布(光源像
)を形成することである。
図9(a)は光源14位置から見たシェード12cの概略図、図9(b)は図2(a)
に示した反射面12b(シェード12cを含む)を拡大した拡大斜視図、図9(c)は図
2(a)に示した反射面12b(シェード12cを含む)の上面図である。
図2(a)、図9(a)〜図9(c)に示すように、シェード12cは、左水平カット
オフラインに対応する辺e1、右水平カットオフラインに対応する辺e2、及び、左水平
カットオフラインと右水平カットオフラインとを接続する斜めカットオフラインに対応す
る辺e3を含んでいる。
反射面12bは、入射面12aの下端縁と左水平カットオフラインに対応する辺e1と
の間の第1反射領域12b1、入射面12aの下端縁と右水平カットオフラインに対応す
る辺e2との間の第2反射領域12b2、及び、第1反射領域12b1と第2反射領域1
2b2との間の第3反射領域12b3を含んでいる。
第1反射領域12b1は、入射面12aの下端縁から左水平カットオフラインに対応す
る辺e1に近づくに従って徐々に上方に湾曲しており、一方、第2反射領域12b2は、
入射面12aの下端縁から前方に向かって水平方向に延びている。
その結果、左水平カットオフラインに対応する辺e1は、鉛直方向に関し、右水平カッ
トオフラインに対応する辺e2より一段高い位置に配置されている(右側通行の場合)。
もちろん、左水平カットオフラインに対応する辺e1は、鉛直方向に関し、右水平カット
オフラインに対応する辺e2より一段低い位置に配置されていてもよい(左側通行の場合
)。
なお、シェード12cは、反射面12bの先端部に、左水平カットオフラインに対応す
る溝部、右水平カットオフラインに対応する溝部、及び、左水平カットオフラインと右水
平カットオフラインとを接続する斜めカットオフラインに対応する溝部を含む溝部を形成
することで形成することもできる。
図10(a)〜図10(c)には、シェード12cの変形例(側面図)が示されている
。シェード12cは、側面視において、反射面12bの先端部から上方に向かって延びて
いてもよいし(図10(a)参照)、前方斜め上方に向かって延びていてもよいし(図1
0(b)参照)、前方斜め上方に向かって湾曲して延びていてもよい(図10(c)参照
)。シェード12cは、これらに限らず、レンズ体12内部に入射する光源14からの光
の一部を、出射面12dに向かって進行しないように遮光する形状であれば如何なる形状
であってもよい。なお、遮光された光は、他の配光や導光に用いてもよい。
出射面12dは、図1に示すように、レンズ体12内部に入射した光源14からの光の
うち出射面12dに向かって進行する直射光RayA及び反射面12bで内面反射された
後、出射面12dに向かって進行する反射光RayBが出射する面(例えば、前方に向か
って凸の凸面)で、シェード12c近傍(例えば、シェード12cの左右方向の中心近傍
)に焦点F12dが設定されたレンズ部として構成されている。出射面12dは、当該出射
面12dに向かって進行する直射光RayA及び反射光RayBにより、出射面12d(
レンズ部)の焦点F12d近傍に形成される光度分布(光源像)を反転投影して、上端縁に
カットオフラインを含むロービーム用配光パターンを形成する。
なお、シェード12cと出射面12dとの間の距離(焦点距離)を長くすることで、シェ
ード12cと出射面12dとの間の距離(焦点距離)を短くした場合と比べ、光源像が小さ
くなる。その結果、出射面12d(レンズ部)の焦点F12d近傍に形成される光度分布(
及びロービーム用配光パターン)の最大光度をより高くすることができる。
また、出射面12dと光源14(又はシェード12c)との間の距離を短くすることで
、出射面12dと光源14(又はシェード12c)との間の距離を長くした場合と比べ、
出射面12dに取り込まれる直射光RayA及び反射光Bが増加する。その結果、効率が
増加する。
なお、ロービーム用配光パターンの水平方向・鉛直方向の拡散の程度は、出射面12d
の面形状を調整することで自在に調整することができる。
反射面12bの先端縁と出射面12dの下端縁とを接続する面は、反射面12bの先端
縁から前方斜め下方に向けて延びた傾斜面とされている。なお、反射面12bの先端縁と
出射面12dの下端縁とを接続する面は、これに限らず、出射面12dに向かって進行す
る直射光RayA及び反射光RayBを遮らない面であれば如何なる面であってもよい。
同様に、入射面12aの上端縁と出射面12dの上端縁とを接続する面は、入射面12a
の上端縁と出射面12dの上端縁との間で水平方向に延びた平面形状の面とされている。
なお、入射面12aの上端縁と出射面12dの上端縁とを接続する面は、これに限らず、
出射面12dに向かって進行する直射光RayA及び反射光RayBを遮らない面であれ
ば如何なる面であってもよい。
上記構成のレンズ体12においては、入射面12aからレンズ体12内部に入射した光
は、図1に示すように、鉛直方向に関し、シェード12cに向かって第2基準軸AX2寄
りに集光する(例えば、シェード12cの中心に集光する)。そして、入射面12aの面
形状が図5に示すように構成されている場合、入射面12aからレンズ体内部に入射した
光は、図5に示すように、水平方向に関し、シェード12cに向かって第1基準軸AX1
寄りに集光する(例えば、シェード12cの中心に集光する)。
以上のように鉛直方向及び水平方向に関し集光する直射光RayA及び反射面12bで
内面反射された反射光RayBは、出射面12dに向かって進行し、出射面12dから出
射する。その際、出射面12dに向かって進行する直射光RayA及び反射光RayBに
より、出射面12d(レンズ部)の焦点F12d近傍に、下端縁にシェード12cによって
規定されるカットオフラインに対応する辺を含む光度分布(光源像)が形成される。そし
て、出射面12dは、この光度分布を反転投影して、仮想鉛直スクリーン上に、図11(
a)に示す上端縁にカットオフラインを含むロービーム用配光パターンP1を形成する。
このロービーム用配光パターンP1は、中心光度が相対的に高く、遠方視認性に優れた
ものとなる。これは、光源14が、当該光源14の光軸AX14が第2基準軸AX2に一致
した姿勢でレンズ体12の入射面12a近傍(基準点F近傍)に配置されていること、そ
して、相対強度(光度)が高い光軸AX14上の光(直射光)が、シェード12cに向かっ
て第2基準軸AX2寄りに集光する(例えば、シェード12cの中心に集光する)ことに
よるものである。
なお、入射面12a及び/又は出射面12dの面形状(例えば、曲率)を調整すること
で、図11(b)に示すように、水平方向に拡散したロービーム用配光パターンP2を形
成することもできる。
また、第1基準軸AX1に対する第2基準軸AX2の傾き(図1に示す角度θ参照)を
大きくすることで、ロービーム用配光パターンP1、P2の下端縁を下方に延ばすことが
できる。
一方、入射面12aの面形状が図6に示すように構成されている場合、入射面12aか
らレンズ体12内部に入射した光は、図6に示すように、水平方向に関し、第1基準軸A
X1に対して平行な光となる。
以上のように鉛直方向に関し集光し、水平方向に関し平行となった直射光RayA及び
反射面12bで内面反射された反射光RayBは、出射面12dに向かって進行し、出射
面12dから出射する。その際、出射面12dに向かって進行する直射光RayA及び反
射光RayBにより、出射面12d(レンズ部)の焦点F12d近傍に、下端縁にシェード
12cによって規定されるカットオフラインCL1〜CL3に対応する辺を含む光度分布
(光源像)が形成される。そして、出射面12dは、この光度分布を反転投影して、仮想
鉛直スクリーン上に、図11(c)に示す上端縁にカットオフラインCL1〜CL3を含
むロービーム用配光パターンP3を形成する。図11(c)に示すロービーム用配光パタ
ーンP3は、水平方向に関し集光されない分、図11(a)に示すロービーム用配光パタ
ーンP1より水平方向に関し拡散されたものとなる。
次に、レンズ体12内部に入射した光源14からの光による光源像とロービーム用配光
パターンとの関係について説明する。
図12は、各断面Cs1〜Cs3における光源14からの光による光源像を説明するた
めの図である。
図12に示すように、断面Cs1、Cs2における光源像ICs1、ICs2の外形形状は、
光源の外形形状と同様(光源14の外形形状と相似型で光源像として大きい)のものとな
る。
一方、反射面12bやシェード12cを通過した後の断面Cs3における光源像ICs3
の外形形状は、下端縁にシェード12cによって規定されるカットオフラインCL1〜C
L3に対応する辺e1、e2、e3を含むものとなる。この光源像ICs3は、出射面12
d(レンズ部)の作用により反転して、上端縁にシェード12cによって規定されるカッ
トオフラインCL1〜CL3に対応する辺e1、e2、e3を含むものとなる。
図11(a)〜図11(c)に示すロービーム用配光パターンP1〜P3は、この上端
縁にシェード12cによって規定されるカットオフラインCL1〜CL3に対応する辺e
1、e2、e3を含む光源像に基づいて形成されるため、上端縁に明瞭なカットオフライ
ンCL1、CL2、CL3を含むものとなる。
次に、反射面12bを第1基準軸AX1に対して傾けて配置することの利点について、
反射面12bを水平方向に配置する場合と対比して説明する。
第1の利点は、反射面12bを水平方向に配置する場合と比べ、迷光の減少・高効率化
を達成することができる点である。
すなわち、図13(a)に示すように、反射面12bを水平方向に配置した場合、反射
面12bで内面反射された反射光RayB´は、出射面12dに入射しない方向に進行す
る迷光RayB´となる。その結果、効率が低下する。
これに対して、図13(b)に示すように、反射面12bを第1基準軸AX1に対して
傾けて配置した場合、反射面12bで内面反射され、出射面12dに向かって進行する反
射光RayBが増加し、出射面12dが取り込む光(反射面12bで内面反射された反射
光)が増加する。その結果、反射面12bを水平方向に配置する場合と比べ、迷光の減少
・高効率化を達成することができる。
本出願の発明者らが行ったシミュレーションでは、反射面12bを第1基準軸AX1に
対して5°傾けて配置した場合、効率が33.8%増加し、10°傾けて配置した場合、
効率が60%増加した。
第2の利点は、反射面12bを水平方向に配置する場合と比べ、レンズ体12の小型化
を達成することができる点である。
すなわち、図13(a)に示すように、反射面12bを水平方向に配置した場合、反射
面12bで内面反射された反射光RayB´は、出射面12dに入射しない方向に進行す
る迷光RayB´となる。出射面12dは、これを図14(a)に示すように上方に延ば
すことで迷光RayB´を取り込むことができるが、上方に延ばす分、出射面12dが大
型化する。
これに対して、図14(b)に示すように、反射面12bを第1基準軸AX1に対して
傾けて配置した場合、出射面12dは、これを上方に延ばすことなくより多くの光(反射
面12bで内面反射された反射光RayB)を取り込むことができる。その結果、反射面
12bを水平方向に配置する場合と比べ、出射面12d(ひいてはレンズ体12)の小型
化を達成することができる。
本出願の発明者らが行ったシミュレーションでは、反射面12bを第1基準軸AX1に
対して5°傾けて配置した場合、図14(b)に示す高さA(出射面12dから出射する
光の鉛直方向の高さ)が、図14(a)に示す場合と比べ8%減少し、10°傾けて配置
した場合、図14(b)に示す高さAが、図14(a)に示す場合と比べ18.1%減少
した。
次に、第2基準軸AX2を第1基準軸AX1に対して傾けて配置し、レンズ体12内部
に入射した光源14からの光を、少なくとも鉛直方向に関し、シェード12cに向かって
第2基準軸AX2寄りに集光させることの利点について、第2基準軸AX2を水平方向に
配置し、レンズ体12内部に入射した光源14からの光を、少なくとも鉛直方向に関し、
シェード12cに向かって第2基準軸AX2寄りに集光させる場合と対比して説明する。
この利点は、第2基準軸AX2を水平方向に配置し、レンズ体12内部に入射した光源
14からの光を、少なくとも鉛直方向に関し、シェード12cに向かって第2基準軸AX
2寄りに集光させる場合と比べ、迷光の減少・高効率化を達成することができる点である
すなわち、図15(a)に示すように、第2基準軸AX2を水平方向に配置し、レンズ
体12内部に入射した光源14からの光を、少なくとも鉛直方向に関し、シェード12c
に向かって第2基準軸AX2寄りに集光させた場合、レンズ体12内部に入射した光源1
4からの光の多くがシェード12cで遮光される。その結果、効率が大幅に低下する。ま
た、図15(a)において、反射面12bに相当する反射面を追加したとしてもと、当該
反射面で内面反射された反射光が、出射面12dに入射しない方向に進行する迷光となる
これに対して、図15(b)に示すように、第2基準軸AX2を第1基準軸AX1に対
して傾けて配置し、レンズ体12内部に入射した光源14からの光を、少なくとも鉛直方
向に関し、シェード12cに向かって第2基準軸AX2寄りに集光させた場合、出射面1
2dが取り込む光(反射面12bで内面反射された反射光RayB)が増加する。その結
果、第2基準軸AX2を水平方向に配置し、レンズ体12内部に入射した光源14からの
光を、少なくとも鉛直方向に関し、シェード12cに向かって第2基準軸AX2寄りに集
光させる場合と比べ、迷光の減少・高効率化を達成することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、第1に、コストアップの要因となる金属蒸
着による反射面を省略したレンズ体12及びこれを用いた車両用灯具10を提供すること
ができる。第2に、光源14で発生した熱に起因して、レンズ体12が融解したり、光源
14出力が低下するのを抑制することができるレンズ体12及びこれを用いた車両用灯具
10を提供することができる。
コストアップの要因となる金属蒸着による反射面を省略することができるのは、光源1
4からの光が、金属蒸着による反射面ではなく、入射面12aでの屈折及び反射面12b
での内面反射により制御されることによるものである。
光源14で発生した熱に起因して、レンズ体12が融解したり、光源14出力が低下す
るのを抑制することができるのは、入射面12aがレンズ体12の後端部に形成されてお
り、かつ、光源14がレンズ体12の外部(すなわち、レンズ体12の入射面12aから
離間した位置)に配置されることによるものである。
次に、本発明の第2実施形態である車両用灯具について、図面を参照しながら説明する
図16は本発明の第2実施形態である車両用灯具10Aの斜視図、図17(a)は縦断
面図、図17(b)は光源14からの光がレンズ体12A内部を進行する様子を表す図で
ある。
本実施形態の車両用灯具10Aと上記第1実施形態の車両用灯具10とを対比すると、
両者は主に次の点で相違する。
第1に、上記第1実施形態の車両用灯具10においては、水平方向の集光及び鉛直方向
の集光を主にレンズ体12の最終的な出射面である出射面12dが担当していたのに対し
て、本実施形態の車両用灯具10Aにおいては、水平方向の集光を主に第1レンズ部12
A1の第1出射面12A1aが担当し、鉛直方向の集光を主にレンズ体12Aの最終的な
出射面である第2レンズ部12A2の第2出射面12A2bが担当している点。すなわち
、本実施形態の車両用灯具10Aにおいては、「集光機能を分解する」という考え方を採
っている点。
第2に、上記第1実施形態の車両用灯具10においては、水平方向の集光及び鉛直方向
の集光を担当するため、レンズ体12の最終的な出射面である出射面12dを半球状の面
(半球状の屈折面)として構成していた(図2(a)参照)のに対して、本実施形態の車
両用灯具10Aにおいては、水平方向の集光を担当するため、第1レンズ部12A1の第
1出射面12A1aを鉛直方向に延びる半円柱状の面(半円柱状の屈折面)として構成し
(図23参照)、かつ、鉛直方向の集光を担当するため、レンズ体12Aの最終的な出射
面である第2レンズ部12A2の第2出射面12A2bを水平方向に延びる半円柱状の面
(半円柱状の屈折面)として構成した(図23参照)点。
第3に、上記第1実施形態の車両用灯具10においては、レンズ体12の最終的な出射
面である出射面12dが半球状の面(半円柱状の屈折面)として構成されている結果、複
数の車両用灯具10(複数のレンズ体12)を一列に配置(図18参照)しても、点が連
続する外観となり、所定方向にライン状に延びる一体感のある見栄えの車両用灯具(レン
ズ結合体)を構成することができないのに対して、本実施形態の車両用灯具10Aにおい
ては、レンズ体12Aの最終的な出射面である第2出射面12A2bが水平方向に延びる
半円柱状の面(半円柱状の屈折面)として構成されている結果、複数の車両用灯具10A
(複数のレンズ体12A)を一列に配置(図19(a)及び図19(b)参照)すること
で、水平方向にライン状に延びる一体感のある見栄えの車両用灯具(レンズ結合体16)
を構成することができる点。なお、図18は、複数の第1実施形態の車両用灯具10(複
数のレンズ体12)を一列に配置した様子を表す上面図である。
それ以外、上記第1実施形態の車両用灯具10と同様の構成である。以下、上記第1実
施形態の車両用灯具10との相違点を中心に説明し、上記第1実施形態の車両用灯具10
と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
図16、図17(b)に示すように、本実施形態の車両用灯具10Aは、光源14、第
1レンズ部12A1及び第2レンズ部12A2を含み、光源14からの光が、第1レンズ
部12A1の第1入射面12aから第1レンズ部12A1内部に入射して第1レンズ部1
2A1のシェード12cによって一部遮光された後、第1レンズ部12A1の第1出射面
12A1aから出射し、さらに、第2レンズ部12A2の第2入射面12A2aから第2
レンズ部12A2内部に入射して第2レンズ部12A2の第2出射面12A2bから出射
して前方に照射されることにより、車両前面に正対した仮想鉛直スクリーン(車両前面か
ら約25m前方に配置されている)上に、図20(a)等に示す上端縁にシェード12c
によって規定されるカットオフラインCL1〜CL3を含むロービーム用配光パターンP
1a等(本発明の所定配光パターンに相当)を形成するように構成されたレンズ体12A
を備えた車両用前照灯として構成されている。
図21(a)は第2実施形態のレンズ体12Aの上面図、図21(b)は側面図、図2
1(c)は下面図である。図22は第1入射面12aの一例(横断面図)、図23は第2
実施形態のレンズ体12A(第1出射面12A1a、第2入射面12A2a及び第2出射
面12A2b)について説明するための斜視図である。
図17(a)、図21(a)〜図21(c)に示すように、レンズ体12Aは、水平方
向に延びる第1基準軸AXに沿って延びた形状のレンズ体で、第1レンズ部12A1、第
2レンズ部12A2、及び、第1レンズ部12A1と第2レンズ部12A2とを連結した
連結部12A3を含んでいる。
第1レンズ部12A1は、第1入射面12a、反射面12b、シェード12c、第1出
射面12A1a及び第1入射面12a近傍に配置された光学設計上の基準点Fを含んでい
る。第2レンズ部12A2は、第2入射面12A2a及び第2出射面12A2bを含んで
いる。第1入射面12a、反射面12b、シェード12c、第1出射面12A1a、第2
入射面12A2a及び第2出射面12A2bは、第1基準軸AX1に沿ってこの順に配置
されている。
第1レンズ部12A1と第2レンズ部12A2とは、連結部12A3によって連結され
ている。
連結部12A3は、第1レンズ部12A1と第2レンズ部12A2とを、それぞれの上
部において、第1出射面12A1a、第2入射面12A2a及び連結部12A3で囲まれ
(それ以外が開放され)た空間Sが形成された状態で連結している。
レンズ体12Aは、金型に、ポリカーボネイトやアクリル等の透明樹脂を注入し、冷却
、固化させることにより(射出成形により)一体的に成形されている。
空間Sは、抜き方向が連結部12A3とは反対方向(図17(a)中、矢印参照)の金
型により形成される。この金型をスムーズに抜くため、第1出射面12A1a及び第2入
射面12A2aには、それぞれ、抜き角α、β(抜き勾配とも称される。2°以上が望ま
しい)が設定されている。これにより、成形時に上下抜きでの型抜きが可能となり、レン
ズ体12(及び後述のレンズ結合体16)を、一度の型抜きで(スライドを使用すること
なく)安価に製造することができる。なお、レンズ体12Aの材料は、ポリカーボネイト
やアクリル等の透明樹脂以外のガラスであってもよい。
第1入射面12aは、第1レンズ部12A1の後端部に形成され、当該第1入射面12
a近傍に配置される光源14(正確には、光学設計上の基準点F)からの光が屈折して第
1レンズ部12A1内部に入射する面(例えば、光源14に向かって凸の自由曲面)で、
第1レンズ部12A1内部に入射した光源14からの光が、鉛直方向に関し、シェード1
2cに向かって第2基準軸AX2寄りに集光し(図17(b)参照)、かつ、水平方向に
関し、シェード12cに向かって第1基準軸AX1寄りに集光する(図22参照)ように
、その面形状が構成されている。第1基準軸AXは、シェード12c近傍の点(例えば、
焦点F12A4)を通過し、車両前後方向に延びている。第2基準軸AX2は、光源14の中
心(正確には、基準点F)とシェード12c近傍の点(例えば、焦点F12A4)とを通過し
、かつ、第1基準軸AX1に対して前方斜め下方に向かって傾斜している。なお、第1入
射面12aは、第1レンズ部12A1内部に入射した光源14からの光が、水平方向に関
し、基準軸AX1に対して平行な光となる(図6参照)ように、その面形状が構成されて
いてもよい。
第1出射面12A1aは、当該第1出射面12A1aから出射する光源14からの光、
すなわち、第1レンズ部12A1内部に入射した光源14からの光のうち第1出射面12
A1aに向かって進行する直射光及び反射面12bで内面反射された後、第1出射面12
A1aに向かって進行する反射光を水平方向(本発明の第1方向に相当)に関し集光させ
る面である。具体的には、図23に示すように、その円柱軸が鉛直方向に延びた半円柱状
の面として構成されている。第1出射面12A1aの焦線は、シェード12c近傍におい
て鉛直方向に延びている。
第2入射面12A2aは、第2レンズ部12A2の後端部に形成され、第1出射面12
A1aから出射した光源14からの光が第2レンズ部12A2内部に入射する面で、例え
ば、平面形状の面として構成されている。もちろん、これに限らず、第2入射面12A2
aは、曲面形状の面として構成されていてもよい。
第2出射面12A2bは、当該第2出射面12A2bから出射する光源14からの光を
鉛直方向(本発明の第2方向に相当)に関し集光させる面である。具体的には、図23に
示すように、その円柱軸が水平方向に延びた半円柱状の面として構成されている。第2出
射面12A2bの焦線は、シェード12c近傍において水平方向に延びている。
上記構成の第1出射面12A1a及び第2レンズ部12A2(第2入射面12A2a及
び第2出射面12A2b)からなるレンズ12A4の焦点F12A4は、上記第1実施形態の
出射面12dの焦点F12dと同様、シェード12c近傍(例えば、シェード12cの左右
方向の中心近傍)に設定されている。このレンズ12A4は、上記第1実施形態の出射面
12dと同様、第1レンズ部12A1内部に入射した光源14からの光、すなわち、第1
レンズ部12A1内部に入射した光源14からの光のうち第1出射面12A1aに向かっ
て進行する直射光及び反射面12bで内面反射された後、第1出射面12A1aに向かっ
て進行する反射光により、当該レンズ12A4の焦点F12A4近傍に形成される光度分布(
光源像)を反転投影して、仮想鉛直スクリーン上に、図20(a)等に示す上端縁にカッ
トオフラインCL1〜CL3を含むロービーム用配光パターンP1a等を形成する。
第2出射面12A2bの基本的な面形状は、上記のとおりであるが、第1出射面12A
1a及び第2入射面12A2aに抜き角α、βが設定されているため、実際には、次のよ
うに調整されている。
図24は、第1出射面12A1a、第2入射面12A2a及び第2出射面12A2bそ
れぞれの法線を説明するための図である。
すなわち、第1出射面12A1a及び第2入射面12A2aに抜き角α、βが設定され
ている場合、図24に示すように、第1出射面12A1a及び第2入射面12A2aそれ
ぞれの中心を通る法線N12A1a、N12A2aは、水平に対して傾く。この場合、第2出射面1
2A2bの中心を通る法線N12A2bが水平方向に延びていると、第2出射面12A2bか
ら出射する光源14からの光は、水平に対して斜め上向きに進行する光となり、グレアの
原因となる恐れがある。
これを抑制するため、第2出射面12A2bは、当該第2出射面12A2bから出射す
る光源14からの光が、第1基準軸AX1に対して平行な光となるようにその面形状が調
整されている。例えば、第2出射面12A2bは、当該第2出射面12A2bから出射す
る光源14からの光が、第1基準軸AX1に対して平行な光となるように、その法線N12
A2bが前方斜め上方に向かって傾斜した面形状に調整されている。この調整は、最終的に
、第1出射面12A1a及び第2レンズ部12A2(第2入射面12A2a及び第2出射
面12A2b)からなるレンズ12A4の焦点F12A4をシェード12c位置付近に合わせ
るための調整である。図24中の先端に矢印が付いた線は、レンズ体12A内部に入射し
た光源14(正確には、基準点F)からの光の光路を表している。
反射面12bの先端縁と第1出射面12A1aの下端縁とを接続する面は、反射面12
bの先端縁から前方斜め下方に向けて延びた傾斜面とされているが、これに限らず、第2
出射面12A2bに向かって進行する光源14からの光を遮らない面であれば如何なる面
であってもよい。同様に、レンズ体12Aの上面、すなわち、第1入射面12aの上端縁
と第2出射面12A2bの上端縁とを接続する面は、略水平方向に延びた面とされている
が、これに限らず、第2出射面12A2bに向かって進行する光源14からの光を遮らな
い面であれば如何なる面であってもよい。同様に、レンズ体12Aの両側面、すなわち、
第1入射面12aの左右端縁と第2出射面12A2bの左右端縁とを接続する面は、第1
入射面12aに向かうに従ってテーパー状に狭まる傾斜面とされている(図21(a)参
照)が、これに限らず、第2出射面12A2bに向かって進行する光源14からの光を遮
らない面であれば如何なる面であってもよい。
上記構成の車両用灯具10A(レンズ体12A)においては、光源14からの光は、図
17(b)に示すように、第1レンズ部12A1の第1入射面12aから第1レンズ部1
2A1内部に入射して第1レンズ部12A1のシェード12cによって一部遮光された後
、第1レンズ部12A1の第1出射面12A1aから出射する。その際、第1出射面12
A1aから出射する光源14からの光は、第1出射面12A1aの作用により、水平方向
に関し集光される(図22参照。鉛直方向に関し集光されない又はほとんど集光されない
)。そして、第1出射面12A1aから出射した光源14からの光は、空間Sを通過して
、さらに、第2レンズ部12A2の第2入射面12A2aから第2レンズ部12A2内部
に入射して第2レンズ部12A2の第2出射面12A2bから出射して前方に照射される
。その際、第2出射面12A2bから出射する光源14からの光は、第2出射面12A2
bの作用により、鉛直方向に関し集光される(図17(b)参照。水平方向に関し集光さ
れない又はほとんど集光されない)。以上により、仮想鉛直スクリーン上に、図20(a
)等に示す上端縁にシェード12cによって規定されるカットオフラインCL1〜CL3
を含むロービーム用配光パターンP1a等(本発明の所定配光パターンに相当)が形成さ
れる。
このロービーム用配光パターンP1a等は、中心光度が相対的に高く、遠方視認性に優
れたものとなる。これは、光源14が、当該光源14の光軸AX14が第2基準軸AX2に
一致した姿勢でレンズ体12Aの入射面12a近傍(基準点F近傍)に配置されているこ
と、そして、相対強度(光度)が高い光軸AX14上の光(直射光)が、シェード12cに
向かって第2基準軸AX2寄りに集光する(例えば、シェード12cの中心に集光する)
ことによるものである。
ロービーム用配光パターンの水平方向及び/又は鉛直方向の拡散の程度は、第1出射面
12A1a及び/又は第2出射面12A2bの面形状(例えば、曲率)を調整することで
、図20(a)〜図20(c)に示すように、自在に調整することができる。例えば、ロ
ービーム用配光パターンの水平方向の拡散の程度は、第1出射面12A1aの面形状(例
えば、曲率)を調整することで自在に調整することができる。同様に、ロービーム用配光
パターンの鉛直方向の拡散の程度は、第2出射面12A2bの面形状(例えば、曲率)を
調整することで自在に調整することができる。
図19(a)は複数の第2実施形態の車両用灯具10A(複数のレンズ体12A)を水
平方向に一列に配置した様子を表す正面図、図19(b)は上面図である。
図19(a)、図19(b)に示すように、レンズ結合体16は、レンズ体12Aを複
数含んでいる。レンズ結合体16(複数のレンズ体12A)は、金型に、ポリカーボネイ
トやアクリル等の透明樹脂を注入し、冷却、固化させることにより一体的に成形(射出成
形)されている。複数のレンズ体12Aそれぞれの第2出射面12A2bは、互いに隣接
した状態で水平方向に一列に配置されて、水平方向にライン状に延びる一体感のある見栄
えの半円柱状の出射面群を構成している。
上記構成のレンズ結合体16を用いることで、水平方向にライン状に延びる一体感のあ
る見栄えの車両用灯具を構成することができる。なお、レンズ結合体16は、複数のレン
ズ体12を物理的に分離した状態で成形し、レンズホルダ等の保持部材(図示せず)によ
って連結(保持)することで構成してもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、上記第1実施形態の効果に加え、さらに、
次の効果を奏することができる。
すなわち、第1に、水平方向にライン状に延びる一体感のある見栄えのレンズ体12A
(レンズ結合体16)及びこれを用いた車両用灯具10Aを提供することができる。第2
に、最終的な出射面である第2出射面12A2bが半円柱状の面(水平方向に延びた半円
柱状の屈折面)であるにもかかわらず、水平方向及び鉛直方向に集光したロービーム用配
光パターンP1a等を形成することができるレンズ体12A(レンズ結合体16)及びこ
れを用いた車両用灯具10A)を提供することができる。
水平方向にライン状に延びる一体感のある見栄えとすることができるのは、最終的な出
射面である第2出射面12A2bが半円柱状の面(水平方向に延びた半円柱状の屈折面)
として構成されていることによるものである。
最終的な出射面である第2出射面12A2bが半円柱状の面(水平方向に延びた半円柱
状の屈折面)であるにもかかわらず、水平方向及び鉛直方向に集光したロービーム用配光
パターンP1a等を形成することができるのは、水平方向の集光を主に第1レンズ部12
A1の第1出射面12A1a(鉛直方向に延びた半円柱状の屈折面)が担当し、鉛直方向
の集光を主にレンズ体12Aの最終的な出射面である第2レンズ部12A2の第2出射面
12A2b(水平方向に延びた半円柱状の屈折面)が担当することによるものである。す
なわち、集光機能を分解したことによるものである。
また、本実施形態によれば、第1出射面12A1a及び第2入射面12A2aに抜き角
α、βが設定されているにもかかわらず、最終的な出射面である第2出射面12A2bか
ら出射する光源14からの光が、第1基準軸AX1に対して平行な光となる、車両用灯具
に適したレンズ体12A(レンズ結合体16)及びこれを用いた車両用灯具10Aを提供
することができる。
次に、変形例について説明する。
図25は、上記第2実施形態のレンズ体12Aの第1変形例であるレンズ体12Bにつ
いて説明する図である。
本変形例のレンズ体12Bは、図25に示すように、第1レンズ部12A1と第2レン
ズ部12A2とを物理的に分離した状態で成形し、レンズホルダ等の保持部材18によっ
て両者を連結(保持)することで構成されている。第1出射面12A1a及び第2入射面
12A2aは、抜き角α、βが設定されておらず、それぞれ、基準軸AX1に直交する平
面形状(又は曲面形状)の面とされている。
本変形例によれば、抜き角α、βが不要となる結果、第2出射面12A2bの調整を省
略することができる。
図26は、上記第2実施形態のレンズ体12Aの第2変形例であるレンズ体12C(第
1出射面12A1a、第2入射面12A2a及び第2出射面12A2b)について説明す
るための斜視図である。
本変形例のレンズ体12Cは、上記第2実施形態の第1出射面12A1aと第2出射面
12A2b)とを入れ替えたものに相当する。
すなわち、本変形例のレンズ体12Cの第1出射面12A1aは、当該第1出射面12
A1aから出射する光源14からの光を鉛直方向(本発明の第1方向に相当)に関し集光
させる面である。具体的には、図26に示すように、その円柱軸が水平方向に延びた半円
柱状の面として構成されている。この場合、第1出射面12A1aの焦線は、シェード1
2c近傍において水平方向に延びている。また、本変形例のレンズ体12Cの第2出射面
12A2bは、当該第2出射面12A2bから出射する光源14からの光を水平方向(本
発明の第2方向に相当)に関し集光させる面である。具体的には、図26に示すように、
その円柱軸が鉛直方向に延びた半円柱状の面として構成されている。この場合、第2出射
面12A2bの焦線は、シェード12c近傍において鉛直方向に延びている。
本変形例のレンズ体12Cの第1出射面12A1a及び第2レンズ部12A2(第2入
射面12A2a及び第2出射面12A2b)からなるレンズ12A4の焦点F12A4は、上
記第2実施形態と同様、シェード12c近傍(例えば、シェード12cの左右方向の中心
近傍)に設定されている。
図27は、複数の車両用灯具10C(複数のレンズ体12C)を鉛直方向に一列に配置
した様子を表す正面図である。
図27に示すように、レンズ結合体16Cは、レンズ体12Cを複数含んでいる。レン
ズ結合体16C(複数のレンズ体12C)は、金型に、ポリカーボネイトやアクリル等の
透明樹脂を注入し、冷却、固化させることにより一体的に成形(射出成形)されている。
複数のレンズ体12Cそれぞれの第2出射面12A2bは、互いに隣接した状態で鉛直方
向に一列に配置されて、鉛直方向にライン状に延びる一体感のある見栄えの半円柱状の出
射面群を構成している。
上記構成のレンズ結合体16Cを用いることで、鉛直方向にライン状に延びる一体感の
ある見栄えの車両用灯具10Cを構成することができる。なお、レンズ結合体16Cは、
複数のレンズ体12Cを物理的に分離した状態で成形し、レンズホルダ等の保持部材(図
示せず)によって連結(保持)することで構成してもよい。
本変形例によれば、第1に、鉛直方向にライン状に延びる一体感のある見栄えのレンズ
体12C(レンズ結合体16C)及びこれを用いた車両用灯具10Cを提供することがで
きる。第2に、最終的な出射面である第2出射面12A2bが半円柱状の面(鉛直方向に
延びた半円柱状の屈折面)であるにもかかわらず、水平方向及び鉛直方向に集光したロー
ビーム用配光パターンP1a等を形成することができるレンズ体12C(レンズ結合体1
6C)及びこれを用いた車両用灯具10Cを提供することができる。
鉛直方向にライン状に延びる一体感のある見栄えとすることができるのは、最終的な出
射面である第2出射面12A2bが半円柱状の面(鉛直方向に延びた半円柱状の屈折面)
として構成されていることによるものである。
最終的な出射面である第2出射面12A2bが半円柱状の面(鉛直方向に延びた半円柱
状の屈折面)であるにもかかわらず、水平方向及び鉛直方向に集光したロービーム用配光
パターンP1a等を形成することができるのは、鉛直方向の集光を主に第1レンズ部12
A1の第1出射面12A1a(水平方向に延びた半円柱状の屈折面)が担当し、水平方向
の集光を主にレンズ体12Aの最終的な出射面である第2レンズ部12A2の第2出射面
12A2b(鉛直方向に延びた半円柱状の屈折面)が担当することによるものである。す
なわち、集光機能を分解したことによるものである。
上記第2実施形態で説明した「集光機能を分解する」という考え方は、上記第1実施形
態の車両用灯具10に限らず、最終的な出射面が半球状の面(半球状の屈折面)である、
あらゆる車両用灯具(例えば、背景技術で説明した特開2005−228502号公報に
記載の車両用灯具)に適用することができる。以下、この点を、第3実施形態、第4実施
形態を用いて説明する。
次に、第3実施形態として、上記第2実施形態で説明した「集光機能を分解する」とい
う考え方を適用したダイレクトプロジェクション型の車両用灯具20について説明する。
以下、上記第2実施形態の車両用灯具10Aと同一の構成については同一の符号を付して
その説明を省略する。
図28は、上記「集光機能を分解する」という考え方を適用したダイレクトプロジェク
ション型の車両用灯具20の概略図である。
図28に示すように、本実施形態のダイレクトプロジェクション型の車両用灯具20は
、光源14、シェード22、第1レンズ部12A1及び第2レンズ部12A2を含み、光
源14からの光が、シェード22によって一部遮光された後、第1レンズ部12A1の第
1入射面12A1bから第1レンズ部12A1内部に入射して第1レンズ部12A1の第
1出射面12A1aから出射し、さらに、第2レンズ部12A2の第2入射面12A2a
から第2レンズ部12A2内部に入射して第2レンズ部12A2の第2出射面12A2b
から出射して前方に照射されることにより、仮想鉛直スクリーン上に、図20(a)等に
示す上端縁にシェード22によって規定されるカットオフラインCL1〜CL3を含むロ
ービーム用配光パターンP1a等(本発明の所定配光パターンに相当)を形成するように
構成されたレンズ体を備えた車両用前照灯として構成されている。
すなわち、本実施形態のダイレクトプロジェクション型の車両用灯具20は、一般的な
ダイレクトプロジェクション型の車両用灯具において用いられる凸レンズ(最終的な出射
面が半球状の面である凸レンズ)を、第1レンズ部12A1及び第2レンズ部12A2で
置き換えたものに相当する。第1レンズ部12A1及び第2レンズ部12A2からなるレ
ンズ12A5の焦点F12A5は、光源14の前方に当該光源14(発光面)の一部を覆った
状態で配置されたシェード22の上端縁近傍に設定されている。なお、第1入射面12A
1bは、上記第2実施形態とは異なり、基準軸AX1に直交する平面形状(又は曲面形状
)の面とされている。
上記構成の車両用灯具20においては、光源14からの光は、シェード22によって一
部遮光された後、第1レンズ部12A1の第1入射面12A1bから第1レンズ部12A
1内部に入射して第1レンズ部12A1の第1出射面12A1aから出射する。その際、
第1出射面12A1aから出射する光源14からの光は、第1出射面12A1aの作用に
より、水平方向に関し集光される(鉛直方向に関し集光されない又はほとんど集光されな
い)。そして、第1出射面12A1aから出射した光源14からの光は、空間Sを通過し
て、さらに、第2レンズ部12A2の第2入射面12A2aから第2レンズ部12A2内
部に入射して第2レンズ部12A2の第2出射面12A2bから出射して前方に照射され
る。その際、第2出射面12A2bから出射する光源14からの光は、第2出射面12A
2bの作用により、鉛直方向に関し集光される(水平方向に関し集光されない又はほとん
ど集光されない)。以上により、仮想鉛直スクリーン上に、図20(a)等に示す上端縁
にシェード22によって規定されるカットオフラインCL1〜CL3を含むロービーム用
配光パターンP1a等(本発明の所定配光パターンに相当)が形成される。
なお、図28に示す構成からシェード22を省略し、各面12A1a、12A1b、1
2A2a、12A2bを調整することで、仮想鉛直スクリーン上に、図29に示すハイビ
ーム用配光パターンPHiを形成する車両用灯具を構成することができる。この場合、光源
14からの光は、第1レンズ部12A1の第1入射面12A1bから第1レンズ部12A
1内部に入射して第1レンズ部12A1の第1出射面12A1aから出射する。その際、
第1出射面12A1aから出射した光源14からの光は、第1出射面12A1aの作用に
より、水平方向に関し集光される(鉛直方向に関し集光されない又はほとんど集光されな
い)。そして、第1出射面12A1aから出射した光源14からの光は、空間Sを通過し
て、さらに、第2レンズ部12A2の第2入射面12A2aから第2レンズ部12A2内
部に入射して第2レンズ部12A2の第2出射面12A2bから出射して前方に照射され
る。その際、第2出射面12A2bから出射した光源14からの光は、第2出射面12A
2bの作用により、鉛直方向に関し集光される(水平方向に関し集光されない又はほとん
ど集光されない)。以上により、仮想鉛直スクリーン上に、図29に例示するハイビーム
用配光パターンPHiが形成される。図29は、車両前面に正対した仮想鉛直スクリーン(
車両前面から約25m前方に配置されている)上に形成されるハイビーム用配光パターン
Hiの例である。
次に、第4実施形態として、上記第2実施形態で説明した「集光機能を分解する」とい
う考え方を適用したプロジェクタ型の車両用灯具30について説明する。以下、上記第2
実施形態の車両用灯具10Aと同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略
する。
図30は、上記「集光機能を分解する」という考え方を適用したプロジェクタ型の車両
用灯具30の概略図である。
図30に示すように、本実施形態のプロジェクタ型の車両用灯具30は、光源14、リ
フレクタ32(楕円系反射面)、シェード34、第1レンズ部12A1及び第2レンズ部
12A2を含み、光源14からの光が、リフレクタ32で反射され、シェード34によっ
て一部遮光された後、第1レンズ部12A1の第1入射面12A1bから第1レンズ部1
2A1内部に入射して第1レンズ部12A1の第1出射面12A1aから出射し、さらに
、第2レンズ部12A2の第2入射面12A2aから第2レンズ部12A2内部に入射し
て第2レンズ部12A2の第2出射面12A2bから出射して前方に照射されることによ
り、仮想鉛直スクリーン上に、上端縁にシェード34によって規定されるカットオフライ
ンCL1〜CL3を含むロービーム用配光パターンP1a等(本発明の所定配光パターン
に相当)を形成するように構成されたレンズ体を備えた車両用前照灯として構成されてい
る。
すなわち、本実施形態のプロジェクタ型の車両用灯具30は、一般的なプロジェクタ型
の車両用灯具において用いられる凸レンズ(最終的な出射面が半球状の面である凸レンズ
)を、第1レンズ部12A1及び第2レンズ部12A2で置き換えたものに相当する。シ
ェード32は、第1レンズ部12A1及び第2レンズ部12A2からなるレンズ12A5
の焦点F12A5近傍から後方に向かって略水平に延びたミラー面として構成されている。第
1レンズ部12A1及び第2レンズ部12A2からなるレンズ12A5の焦点F12A5は、
シェード34の先端縁近傍に設定されている。また、リフレクタ32(楕円系反射面)の
第1焦点F1は光源14近傍に設定され、かつ、第2焦点F2は第1レンズ部12A1及
び第2レンズ部12A2からなるレンズ12A5の焦点F12A5と略一致している。なお、
第1入射面12A1bは、上記第2実施形態とは異なり、基準軸AX1に直交する平面形
状(又は曲面形状)の面とされている。
上記構成の車両用灯具30においては、光源14からの光は、リフレクタ32で反射さ
れ、シェード34によって一部遮光された後、第1レンズ部12A1の第1入射面12A
1bから第1レンズ部12A1内部に入射して第1レンズ部12A1の第1出射面12A
1aから出射する。その際、第1出射面12A1aから出射する光源14からの光は、第
1出射面12A1aの作用により、水平方向に関し集光される(鉛直方向に関し集光され
ない又はほとんど集光されない)。そして、第1出射面12A1aから出射した光源14
からの光は、空間Sを通過して、さらに、第2レンズ部12A2の第2入射面12A2a
から第2レンズ部12A2内部に入射して第2レンズ部12A2の第2出射面12A2b
から出射して前方に照射される。その際、第2出射面12A2bから出射する光源14か
らの光は、第2出射面12A2bの作用により、鉛直方向に関し集光される(水平方向に
関し集光されない又はほとんど集光されない)。以上により、仮想鉛直スクリーン上に、
図20(a)等に示す上端縁にシェード34によって規定されるカットオフラインCL1
〜CL3を含むロービーム用配光パターンP1a等(本発明の所定配光パターンに相当)
が形成される。
なお、図30に示す構成からシェード34を省略し、リフレクタ32(楕円系反射面)
等を調整することで、仮想鉛直スクリーン上に、図29に示すハイビーム用配光パターン
Hiを形成する車両用前照灯を構成することができる。この場合、光源14からの光は、
リフレクタ32で反射され、第1レンズ部12A1の第1入射面12A1bから第1レン
ズ部12A1内部に入射して第1レンズ部12A1の第1出射面12A1aから出射する
。その際、第1出射面12A1aから出射する光源14からの光は、第1出射面12A1
aの作用により、水平方向に関し集光される(鉛直方向に関し集光されない又はほとんど
集光されない)。そして、第1出射面12A1aから出射した光源14からの光は、空間
Sを通過して、さらに、第2レンズ部12A2の第2入射面12A2aから第2レンズ部
12A2内部に入射して第2レンズ部12A2の第2出射面12A2bから出射して前方
に照射される。その際、第2出射面12A2bから出射した光源14からの光は、第2出
射面12A2bの作用により、鉛直方向に関し集光される(水平方向に関し集光されない
又はほとんど集光されない)。以上により、仮想鉛直スクリーン上に、図29に例示する
ハイビーム用配光パターンPHiが形成される。
次に、第5実施形態として、キャンバー角が付与された車両用灯具10Dについて、図
面を参照しながら説明する。
図31(a)はキャンバー角が付与された車両用灯具10Dの側面図(主要光学面のみ
)、図31(b)は上面図(主要光学面のみ)、図31(c)は車両用灯具10Dにより
形成されるロービーム用配光パターンの例である。図31(d)〜図31(f)は比較例
で、図31(d)はキャンバー角が付与されていない第2実施形態の車両用灯具10Aの
側面図(主要光学面のみ)、図31(e)は上面図(主要光学面のみ)、図31(f)は
第2実施形態の車両用灯具10Aにより形成されるロービーム用配光パターンの例である
。図32は、キャンバー角を付与した場合の問題点を説明するための上面図(主要光学面
のみ)である。
本実施形態の車両用灯具10Dは、図31(b)に示すように、上記第2実施形態の車
両用灯具10Aの第2レンズ部12A2を、上面視で、第1基準軸AX1に対して傾けた
もの、すなわち、上記第2実施形態の車両用灯具10Aの第2出射面12A2bを、上面
視で、第1基準軸AX1に対して所定角度傾斜した方向に延びた半円柱状の面として構成
したもの(すなわち、キャンバー角θ1(例えば、θ1=30°)を付与したもの)に相
当する。
本発明者らがシミュレーションで確認したところ、キャンバー角θ1を付与しただけで
は、図32に示すように、第1出射面12A1aと第2入射面12A2aとの間の間隔が
、第1基準軸AX1の両側(図32中矢印B及びC参照)で異なることとなり、第1出射
面12A1aのB位置から出射する光の焦点位置FBとC位置から出射する光の焦点位置
Cが大幅にずれる結果、図33に示すように、仮想鉛直スクリーン上に形成されるロー
ビーム用配光パターンのうち、第1出射面12A1aと第2入射面12A2aとの間の間
隔が広くなる側(図33中右側)が集光せずにボケることが判明した。
このボケが発生する原因は、図を用いて説明すると、次のとおりである。
図34(a)は図32に示すB位置における断面図(主要光学面のみ)で、図34(a
)中の先端に矢印が付いた線は、第1出射面12A1a(B位置)に対してある入射角で
入射する光Ray1Bが辿る光路を表している。図34(b)は図32に示すC位置にお
ける断面図(主要光学面のみ)で、図34(b)中の先端に矢印が付いた線は、第1出射
面12A1a(C位置)に対して図34(a)に示したのと同一の入射角で入射する光R
ay1Cが辿る光路を表している。なお、説明の便宜のため、図34(a)、図34(b
)では、抜き角が設定されていない状態で第1出射面12A1a及び第2入射面12A2
aを描いてあるが、抜き角が設定されている場合も同様である。
図34(b)に示すように、位置Cでは、位置B(図34(a)参照)と比べ、第1出
射面12A1aと第2入射面12A2aとの間の間隔が広い。そのため、光Ray1C
第2入射面12A2aに対する入射位置が図34(a)に示す光Ray1Bの第2入射面
12A2aに対する入射位置より下方となり、この下方の入射位置から入射する光Ray
Cが、図34(b)に示すように、水平に対して上向きに向かう。その結果、上記ボケ
が発生する。
本発明者らは、このボケを改善するため、鋭意検討した結果、第1出射面12A1aの
面形状を調整することで上記ボケが改善されて、ロービーム用配光パターンが全体的に集
光する(図31(c)参照)ことを見出した。
この知見に基づき、本実施形態の第1出射面12A1aは、鉛直方向に延びた半円柱状
の面であって、ロービーム用配光パターンが全体的に集光する(図31(c)参照)よう
にその面形状が調整されている。この調整は、ずれた焦点位置FB、FC等をシェード12
c位置付近に合わせるための調整で、所定のシミュレーションソフトウエアを用いて行わ
れる。図35(a)は第5実施形態の車両用灯具10Dの斜視図(主要光学面のみ)、図
35(b)は比較例で、第2実施形態の車両用灯具10Aの斜視図(主要光学面のみ)で
ある。図35(a)を参照すると、上記のように調整された本実施形態の第1出射面12
A1aは、基準軸AX1に対して左右非対称の形状となることが分かる。
本実施形態の車両用灯具10Dは、以上の点以外、上記第2実施形態の車両用灯具10
Aと同様の構成である。
本実施形態によれば、上記第2実施形態の効果に加え、さらに、次の効果を奏すること
ができる。
すなわち、第1に、キャンバー角が付与された新規見栄えのレンズ体(レンズ結合体)
及びこれを用いた車両用灯具を提供することができる。すなわち、上面視で、第1基準軸
AX1に対して所定角度傾斜した方向にライン状に延びる一体感のある見栄えのレンズ体
(レンズ結合体)及びこれを用いた車両用灯具を提供することができる。第2に、最終的
な出射面である第2出射面12A2bが半円柱状の面(半円柱状の屈折面)であるにもか
かわらず、水平方向及び鉛直方向に集光したロービーム用配光パターンを形成することが
できるレンズ体(レンズ結合体)及びこれを用いた車両用灯具を提供することができる。
第3に、キャンバー角が付与されているにもかかわらず、ロービーム用配光パターンが全
体的に集光するレンズ体(レンズ結合体)及びこれを用いた車両用灯具を提供することが
できる。
第1基準軸AX1に対して所定角度傾斜した方向にライン状に延びる一体感のある見栄
えとすることができるのは、最終的な出射面である第2出射面12A2bが半円柱状の面
(半円柱状の屈折面)として構成されており、かつ、この第2出射面12A2bが、上面
視で、第1基準軸AX1に対して傾斜した方向に延びていることによるものである。
最終的な出射面である第2出射面12A2bが半円柱状の面(半円柱状の屈折面)であ
るにもかかわらず、水平方向及び鉛直方向に集光したロービーム用配光パターンを形成す
ることができるのは、水平方向の集光を主に第1レンズ部12A1の第1出射面12A1
a(半円柱状の屈折面)が担当し、鉛直方向の集光を主にレンズ体12Aの最終的な出射
面である第2レンズ部12A2の第2出射面12A2b(半円柱状の屈折面)が担当する
ことによるものである。すなわち、集光機能を分解したことによるものである。
キャンバー角が付与されているにもかかわらず、ロービーム用配光パターンが全体的に
集光するのは、第1出射面12A1aが、鉛直方向に延びた半円柱状の面であって、ロー
ビーム用配光パターンが全体的に集光するようにその面形状が調整されていることによる
ものである。
なお、本実施形態で説明した「キャンバー角を付与する」という考え方、及び、このキ
ャンバー角の付与に伴い発生する上記ボケを上記のようにして改善するという考え方は、
第2実施形態の車両用灯具10A(レンズ体12A)に限らず、その各変形例、第3、第
4実施形態の車両用灯具(レンズ体)等に適用することもできる。同様に、後述の第10
実施形態の車両用灯具10J(レンズ体12J)に適用することもできる。
次に、第6実施形態として、スラント角が付与された車両用灯具10Eについて、図面
を参照しながら説明する。
図36は、スラント角が付与された車両用灯具10Eの正面図である。
本実施形態の車両用灯具10Eは、図36に示すように、上記第2実施形態の車両用灯
具10Aの第2レンズ部12A2を、正面視で、水平に対して傾けたもの、すなわち、上
記第2実施形態の車両用灯具10Aの第2出射面12A2bを、正面視で、水平に対して
所定角度θ2傾斜した方向に延びた半円柱状の面として構成したもの(すなわち、スラン
ト角θ2(例えば、θ2=12°)を付与したもの)に相当する。具体的には、本実施形
態の第2レンズ部12A2(第2出射面12A2b)は、上記第2実施形態の第2レンズ
部12A2(第2出射面12A2b)を、第1基準軸AX1を中心として所定角度θ2回
転させたものに相当する。
本発明者らがシミュレーションで確認したところ、スラント角θ2を付与しただけでは
、第2レンズ部12A2の焦線がシェード12cに対して傾く結果、図37(a)、図3
7(b)に示すように、仮想鉛直スクリーン上に形成されるロービーム用配光パターンが
回転した状態(又は、ボケた状態ともいえる)となることが判明した。図37(a)はス
ラント角を付与した場合、ロービーム用配光パターンに現れる問題点を説明するための図
、図37(b)は図37(a)を模式的に表した図である。
本発明者らは、この回転(又は、ボケた状態)を抑制するため、鋭意検討した結果、図
36に示すように、第1出射面12A1aを、正面視で、鉛直に対して所定角度θ2傾斜
した方向に延びた半円柱状の面として構成し、かつ、反射面12b及びシェード12cを
、正面視で、水平に対して第2出射面12A2b及び第1出射面12A1aと逆方向に所
定角度θ2傾斜した姿勢で配置することで上記回転が抑制される(図38(a)、図38
(b)参照)ことを見出した。図38(a)はロービーム用配光パターンに現れる問題点
(回転)が抑制されたことを説明するための図、図38(b)は図38(a)を模式的に
表した図である。
上記回転(又は、ぼけた状態)が抑制される理由は、図を用いて説明すると、次のとお
りである。
図52(a)は本実施形態の車両用灯具10E(レンズ体12A)の側面図(第1出射
面12A1aを省略した主要光学面のみ)、図52(b)は上面図(第1出射面12A1
aを省略した主要光学面のみ)で、いずれも、第2出射面12A2bからレンズ体12A
内部に入射した平行光線RayAAが辿る光路(すなわち、逆光線追跡の結果)を表して
いる。
図52(d)は本実施形態の車両用灯具10E(レンズ体12A)の側面図(第1出射
面12A1aを省略した主要光学面のみ)、図52(e)は上面図(第1出射面12A1
aを省略した主要光学面のみ)で、いずれも、第2出射面12A2bからレンズ体12A
内部に入射した平行光線RayBBが辿る光路(すなわち、逆光線追跡の結果)を表して
いる。
なお、図52(a)〜図52(d)中、第2レンズ部12A2にはスラント角θ2(=
10°)が付与されており、第2レンズ部12A2の焦線も水平に対してスラント角θ2
分、傾斜している。その結果、図52(c)中の焦点FBBは、図52(a)中の焦点FAA
より高くに位置している。
次に、第1出射面12A1aを配置した場合の平行光線RayAA、RayBBが辿る
光路を検討すると、この光路は、図53(a)、図53(b)に示すとおりのものとなる
図53(a)は図52(b)に第1出射面12A1aを追加した上面図で、第2出射面
12A2bからレンズ体12A内部に入射した平行光線RayAAが辿る光路(すなわち
、逆光線追跡の結果)を表している。図53(b)は図52(d)に第1出射面12A1
aを追加した上面図で、第2出射面12A2bからレンズ体12A内部に入射した平行光
線RayBBが辿る光路(すなわち、逆光線追跡の結果)を表している。
第1出射面12A1aにスラント角θ2(=10°)が付与されている場合(すなわち
、第1出射面12A1aが鉛直に対して所定角度θ2傾斜した方向に延びた半円柱状の面
として構成されている場合)、低い焦点FAAを持つ成分(すなわち、RayAA)は、図
53(a)に示すように、第1出射面12A1aの作用により屈折して逆側へ進行し、焦
点を結ぶ。一方、高い焦点FBBを持つ成分(すなわち、RayBB)は、図53(b)に
示すように、第1出射面12A1aの作用により屈折して逆側へ進行し、焦点を結ぶ。そ
の結果、焦線がスラント方向とは逆に傾いた状態となる。
そこで、このスラント方向とは逆に傾いた焦線にシェード12cを一致(略一致)させ
るため、反射面12b及びシェード12cを、正面視で、水平に対して第2出射面12A
2b及び第1出射面12A1aと逆方向に所定角度θ2傾斜した姿勢で配置する。これに
より、シェード12cがスラント方向とは逆に傾いた焦線に一致(略一致)し、上記回転
(又は、ぼけた状態)が抑制される。
以上の知見に基づき、本実施形態の第1出射面12A1aは、正面視で、鉛直に対して
所定角度θ2傾斜した方向に延びた半円柱状の面として構成されている。具体的には、本
実施形態の第1出射面12A1aは、第2実施形態の第1出射面12A1aを、第1基準
軸AX1を中心として第2出射面12A2bと同一方向に所定角度θ2回転させたものに
相当する。
また、反射面12b及びシェード12cは、正面視で、水平に対して第2出射面12A
2b及び第1出射面12A1aと逆方向に所定角度θ2傾斜した姿勢で配置されている。
具体的には、本実施形態の反射面12b及びシェード12cは、第2実施形態の反射面1
2b及びシェード12cを、第1基準軸AX1を中心として第2出射面12A2b及び第
1出射面12A1aと逆方向に所定角度θ2回転させたものに相当する。
本実施形態の車両用灯具10Eは、以上の点以外、上記第2実施形態の車両用灯具10
Aと同様の構成である。
本実施形態によれば、上記第2実施形態の効果に加え、さらに、次の効果を奏すること
ができる。
すなわち、第1に、スラント角が付与された新規見栄えのレンズ体(レンズ結合体)及
びこれを用いた車両用灯具を提供することができる。すなわち、正面視で、水平に対して
所定角度傾斜した方向にライン状に延びる一体感のある見栄えのレンズ体(レンズ結合体
)及びこれを用いた車両用灯具を提供することができる。第2に、最終的な出射面である
第2出射面12A2bが半円柱状の面(半円柱状の屈折面)であるにもかかわらず、水平
方向及び鉛直方向に集光したロービーム用配光パターンを形成することができるレンズ体
(レンズ結合体)及びこれを用いた車両用灯具を提供することができる。第3に、スラン
ト角が付与されているにもかかわらず、ロービーム用配光パターンの回転が抑制されるレ
ンズ体(レンズ結合体)及びこれを用いた車両用灯具を提供することができる。
水平に対して所定角度傾斜した方向にライン状に延びる一体感のある見栄えとすること
ができるのは、最終的な出射面である第2出射面12A2bが半円柱状の面(半円柱状の
屈折面)として構成されており、かつ、この第2出射面12A2bが、正面視で、水平に
対して傾斜した方向に延びていることによるものである。
最終的な出射面である第2出射面12A2bが半円柱状の面(半円柱状の屈折面)であ
るにもかかわらず、水平方向及び鉛直方向に集光したロービーム用配光パターンを形成す
ることができるのは、水平方向の集光を主に第1レンズ部12A1の第1出射面12A1
a(半円柱状の屈折面)が担当し、鉛直方向の集光を主にレンズ体12Aの最終的な出射
面である第2レンズ部12A2の第2出射面12A2b(半円柱状の屈折面)が担当する
ことによるものである。すなわち、集光機能を分解したことによるものである。
スラント角が付与されているにもかかわらず、ロービーム用配光パターンの回転が抑制
されるのは、第1出射面12A1aが、正面視で、鉛直に対して所定角度傾斜した方向に
延びた半円柱状の面とされ、かつ、シェード12c(及び反射面12b)が、正面視で、
水平に対して第2出射面12A2b及び第1出射面12A1aと逆方向に所定角度傾斜し
た姿勢で配置されていることによるものである。
なお、本実施形態で説明した「スラント角を付与する」という考え方、及び、このスラ
ント角の付与に伴い発生する上記回転を上記のようにして抑制するという考え方は、第2
実施形態の車両用灯具10A(レンズ体12A)に限らず、その各変形例、第3、第4実
施形態の車両用灯具(レンズ体)等に適用することもできる。同様に、後述の第10実施
形態の車両用灯具10J(レンズ体12J)に適用することもできる。
次に、第7実施形態として、キャンバー角及びスラント角が付与された車両用灯具10
Fについて、図面を参照しながら説明する。
図39(a)はキャンバー角及びスラント角が付与された車両用灯具10Fの側面図(
主要光学面のみ)、図39(b)は上面図(主要光学面のみ)、図39(c)は車両用灯
具10Fにより形成されるロービーム用配光パターンの例である。
本実施形態の車両用灯具10Fは、図39(a)及び図39(b)に示すように、上記
第2実施形態の車両用灯具10Aの第2レンズ部12A2を、上面視で、第1基準軸AX
1に対して傾け(すなわち、キャンバー角θ1を付与し)、かつ、正面視で、水平に対し
て傾けた(すなわち、スラント角θ2を付与した)もの、すなわち、上記第5実施形態と
上記第6実施形態とを組み合わせたものに相当する。
すなわち、本実施形態の第2出射面12A2bは、上記第5実施形態と同様、上面視で
、第1基準軸AX1に対して所定角度傾斜した方向に延び、かつ、上記第6実施形態と同
様、正面視で、水平に対して所定角度θ2傾斜した方向に延びた半円柱状の面として構成
されている。
そして、本実施形態の第1出射面12A1aは、正面視で、鉛直に対して所定角度θ2
傾斜した方向に延びた半円柱状の面であって(図36参照)、ロービーム用配光パターン
が全体的に集光したものとなるようにその面形状が調整されている。
さらに、本実施形態の反射面12b及びシェード12cは、上記第6実施形態と同様、
正面視で、水平に対して第2出射面12A2b及び第1出射面12A1aと逆方向に所定
角度θ2傾斜した姿勢で配置されている。
本実施形態によれば、キャンバー角及びスラント角が付与された新規見栄えのレンズ体
(レンズ結合体)及びこれを用いた車両用灯具を提供することができる他、上記第5実施
形態及び第6実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、本実施形態で説明した「キャンバー角及びスラント角を付与する」という考え方
、及び、このキャンバー角及びスラント角の付与に伴い発生する上記ボケ及び回転を、上
記のようにして改善及び抑制するという考え方は、第2実施形態の車両用灯具10A(レ
ンズ体12A)に限らず、その各変形例、第3、第4実施形態の車両用灯具(レンズ体)
等に適用することもできる。同様に、後述の第10実施形態の車両用灯具10J(レンズ
体12J)に適用することもできる。
次に、第1比較例の車両用灯具10Gについて、図面を参照しながら説明する。
図40(a)は第1比較例の車両用灯具10Gの側面図(主要光学面のみ)、図40(
b)は上面図(主要光学面のみ)、図40(c)は車両用灯具10Gにより形成される配
光パターンの例である。
本比較例の車両用灯具10Gは、図40(a)、図40(b)に示すように、上記第5
実施形態の車両用灯具10Dの第2レンズ部12A2を、正面視で、水平に対して傾けた
(すなわち、スラント角θ2を付与した)ものに相当する。
すなわち、本比較例の第1出射面12A1aは、第5実施形態と同様、正面視で、鉛直
方向に延びた半円柱状の面として構成されている。つまり、本比較例の第1出射面12A
1aは、第6実施形態とは異なり、正面視で、鉛直に対して所定角度θ2傾斜した方向に
延びた半円柱状の面として構成されていない。
また、本比較例の反射面12b及びシェード12cは、第5実施形態と同様、正面視で
、水平となる姿勢で配置されている。つまり、本比較例の第1出射面12A1aは、第6
実施形態とは異なり、正面視で、水平に対して第2出射面12A2b及び第1出射面12
A1aと逆方向に所定角度θ2傾斜した姿勢で配置されていない。
本比較例の車両用灯具10Gにより形成される配光パターンは、図40(c)に示すよ
うに、水平線から上に大きくはみ出たものとなり、ロービーム用配光パターンとして適さ
ないことが分かる。
次に、第2比較例の車両用灯具10Hについて、図面を参照しながら説明する。
図41(a)は第2比較例の車両用灯具10Hの側面図(主要光学面のみ)、図41(
b)は上面図(主要光学面のみ)、図41(c)は車両用灯具10Hにより形成される配
光パターンの例である。
本比較例の車両用灯具10Hは、図41(a)、図41(b)に示すように、上記第1
比較例の車両用灯具10Gの第1出射面12A1aを、第6実施形態と同様、正面視で、
鉛直に対して所定角度θ2傾斜した方向に延びた半円柱状の面として構成したものに相当
する。
すなわち、本比較例の第1出射面12A1aは、第6実施形態と同様、正面視で、鉛直
に対して所定角度θ2傾斜した方向に延びた半円柱状の面として構成されている。
また、本比較例の反射面12b及びシェード12cは、第5実施形態と同様、正面視で
、水平となる姿勢で配置されている。つまり、本比較例の第1出射面12A1aは、第6
実施形態とは異なり、正面視で、水平に対して第2出射面12A2b及び第1出射面12
A1aと逆方向に所定角度θ2傾斜した姿勢で配置されていない。
本比較例の車両用灯具10Hにより形成される配光パターンは、図41(c)に示すよ
うに、水平線から上に大きくはみ出たものとなり、ロービーム用配光パターンとして適さ
ないことが分かる。
次に、第8実施形態として、キャンバー角θ1を大きくした場合の問題点及びこれを解
決するための手法について説明する。
図42(a)は、キャンバー角θ1が30°の場合に、第5実施形態の車両用灯具10
D(第7実施形態の車両用灯具10Fも同様)により形成されるロービーム用配光パター
ンの例、図42(b)は、キャンバー角θ1が45°の場合に、第5実施形態の車両用灯
具10D(第7実施形態の車両用灯具10Fも同様)により形成されるロービーム用配光
パターンの例である。図42(b)中のハッチング領域は、当該領域が図42(a)中の
同様の領域と比べて明るいことを表している。
本発明者らがシミュレーションで確認したところ、第5実施形態の車両用灯具10D(
第7実施形態の車両用灯具10Fも同様)においてキャンバー角θ1を大きくすると(例
えば、θ1=45°)、図42(b)に示すように、カットオフラインより上が明るくな
ることが判明した。
この原因は、図を用いて説明すると、次のとおりである。
図43は第5実施形態の車両用灯具10Dの断面図(主要光学面のみ)である。図43
中の先端に矢印が付いた線は、第1出射面12A1aに対してある入射角で入射する光源
14からの光Ray2が辿る光路を表している。
第5実施形態の車両用灯具10D(第7実施形態の車両用灯具10Fも同様)において
キャンバー角θ1を大きくすると(例えば、θ1=45°)、キャンバー角θ1が小さい
(例えば、θ1=30°)場合と比べ、図43に示すように、第1出射面12A1aと第
2入射面12A2aとの間の間隔が広くなる。そのため、光Ray2の第2入射面12A
2aに対する入射位置が、キャンバー角θ1が小さい(例えば、θ1=30°)場合より
下方となり、この下方の入射位置から入射する光Ray2が、図43に示すように、水平
に対して斜め上向きに進行する光となる。その結果、グレアが発生したり、カットオフラ
インが不明瞭なものとなる。
なお、第1出射面12A1a及び第2入射面12A2aに設定する抜き角α、βを大き
くしても、上記と同様の原因で、光Ray2が、水平に対して斜め上向きに進行する光と
なることが判明している。
次に、上記問題点を解決するための手法について説明する。
本発明者らは、上記問題点を改善するため、鋭意検討した結果、上記水平に対して上向
きに向かう光Ray2は、第2出射面12A2bのうち下方の一部領域から出射すること
を見出し、この一部領域を物理的にカットするか、又は、当該一部領域から出射する光R
ay2が第1基準軸AXに対して平行又は下向きの光となるようにその一部領域の面形状
(例えば、曲率)を調整することで、上記問題点を改善することができるとの着想を得た
図44(a)は、上記知見に基づき、第2出射面12A2bのうち下方の一部領域12
A2b2を物理的にカットし、上方の領域12A2b1を残した例である。このように、
本来水平に対して斜め上向きに向かう光が出射する一部領域をカットすることで、斜め上
向きに進行する光を抑制することができる。その結果、グレアの発生を抑え、かつ、カッ
トオフラインを明瞭なものとすることができる。
図44(b)は、上記知見に基づき、第2出射面12A2bのうち下方の一部領域12
A2b2から出射する光Ray2が第1基準軸AXに対して平行又は下向きの光となるよ
うにその一部領域12A2b2の面形状(例えば、曲率)を調整し、第2出射面12A2
bを、上領域12A2b1と下領域12A2b2とに分割した例である。このように、本
来水平に対して上向きに向かう光が出射する一部領域を上記のとおりに調整することでも
、斜め上向きに進行する光を抑制することができる。その結果、グレアの発生を抑え、か
つ、カットオフラインを明瞭なものとすることができる。
本発明者らは、上記いずれの手法でも、上記問題点、すなわち、カットオフラインより
上が明るくなるのを抑制することができることをシミュレーションで確認した。
次に、第9実施形態として、第2基準軸AX2が、上面視で、第1基準軸AX1に対し
て傾斜している車両用灯具10Iについて、図面を参照しながら説明する。
図45は、第2基準軸AX2が、上面視で、第1基準軸AX1に対して傾斜している車
両用灯具10Iの上面図(主要光学面のみ)である。
本実施形態の車両用灯具10Iは、図45に示すように、上記第5実施形態の車両用灯
具10D(又は、上記第7実施形態の車両用灯具10F)の第2基準軸AX2を、シェー
ド12cの左右方向の略中心を回転中心として所定角度回転させて、上面視で、第1基準
軸AX1に対して傾けたものに相当する。
本実施形態によれば、上記第5実施形態の効果に加え、さらに、フレネル反射損失(特
に、図45に示すように、キャンバー角が付与された第2出射面12A2bに対するフレ
ネル反射損失)が抑制される結果、光利用効率が向上するという効果を奏することができ
る。
なお、本実施形態で説明した「第2基準軸AX2を、上面視で、第1基準軸AX1に対
して傾斜させる」という考え方は、第5実施形態の車両用灯具10A(レンズ体12A)
に限らず、その各変形例、第1〜第4、第6〜第8実施形態の車両用灯具(レンズ体)等
に適用することもできる。同様に、後述の第10実施形態の車両用灯具10J(レンズ体
12J)に適用することもできる。
次に、第10実施形態の車両用灯具10J(レンズ体12J)について、図面を参照し
ながら説明する。
本実施形態の車両用灯具10J(レンズ体12J)は、次のように構成されている。
図46は車両用灯具10J(レンズ体12J)の斜視図、図47(a)は上面図、図4
7(b)は正面図、図47(c)は側面図である。図48(a)は車両用灯具10J(レ
ンズ体12J)により形成されるロービーム用配光パターンPLO(合成配光パターン)の
例で、図48(b)〜図48(d)に示す各部分配光パターンPSPOT、PMID、PWIDE
重畳されることで形成される。
本実施形態のレンズ体12Jは、スポット用配光パターンPSPOT(図48(b)参照)
を形成する、第2実施形態のレンズ体12Aと同様の第1光学系(図49(a)参照)に
加えて、さらに、スポット用配光パターンPSPOTより拡散したミッド用配光パターンPMI
D(図48(c)参照)を形成する第2光学系(図49(b)参照)、及び、ミッド用配
光パターンPMIDより拡散したワイド用配光パターンPWIDE(図48d(d)参照)を形
成する第3光学系(図49(c)参照)を備えている。
以下、上記第2実施形態の車両用灯具10A(レンズ体12A)との相違点を中心に説
明し、上記第2実施形態の車両用灯具10A(レンズ体12A)と同様の構成については
同一の符号を付してその説明を省略する。
図46、図47に示すように、本実施形態のレンズ体12Jは、第2実施形態のレンズ
体12Aと同様の構成で、第1後端部12A1aa、前端部12A1bb、第1後端部1
2A1aaと第1前端部12A1bbとの間に配置された左右一対の側面44a、44b
、及び、第1後端部12A1aaと第1前端部12A1bbとの間に配置された下反射面
12bを含む第1レンズ部12A1と、第1レンズ部12A1の前方に配置され、第2後
端部12A2aa、第2前端部12A2bbを含む第2レンズ部12A2と、第1レンズ
部12A1と第2レンズ部12A2とを連結した連結部12A3を含み、さらに、第1レ
ンズ部12A1の第1後端部12A1aaと第1前端部12A1bbとの間に配置された
上面44cを含むレンズ体として構成されている。
本実施形態のレンズ体12Jは、上記各実施形態と同様、ポリカーボネイトやアクリル
等の透明樹脂を注入し、冷却、固化させることにより(射出成形により)一体的に成形さ
れている。
図50(a)は第1レンズ部12A1の第1後端部12A1aaの正面図、図50(b
)は図50(a)のA−A断面図(模式図)、図50(c)は図50(a)のB−B断面
図(模式図)である。
図50(a)、図50(b)に示すように、第1レンズ部12A1の第1後端部12A
1aaは、第1入射面12a、及び、第1入射面12aの左右両側に、第1入射面12a
近傍に配置される光源14と第1入射面12aとの間の空間を左右両側から取り囲むよう
に配置された左右一対の入射面42a、42bを含んでいる。第1後端部12A1aaは
、図50(a)、図50(c)に示すように、さらに、第1入射面12aの上側に、光源
14と第1入射面12aとの間の空間を上側から取り囲むように配置された上入射面42
cを含んでいる。
下反射面12bの先端部は、シェード12cを含んでいる。
第1レンズ部12A1の第1前端部12A1bbは、図46に示すように、鉛直方向に
延びる半円柱状の第1出射面12A1a、及び、第1出射面12A1aの左右両側に配置
された左右一対の出射面46a、46bを含んでいる。
第2レンズ部12A2の第2後端部12A2aaは、第2入射面12A2aを含んでお
り、第2レンズ部12A2の第2前端部12A2bbは、第2出射面12A2bを含んで
いる。
第2出射面12A2bは、水平方向に延びる半円柱状の領域12A2b3と、当該半円
柱状の領域12A2b3の上縁から上方斜め後方に延長された延長領域12A2b4と、
を含んでいる。
連結部12A3は、第1レンズ部12A1と第2レンズ部12A2とを、それぞれの上
部において、第1レンズ部12A1の第1前端部12A1bb、第2レンズ部12A2の
第2後端部12A2aa及び連結部12A3で囲まれた空間Sが形成された状態で連結し
ている。
図49(a)は、第1光学系の側面図(主要光学面のみ)である。
図49(a)に示すように、第1入射面12a、下反射面12b(及びシェード12c
)、第1出射面12A1a、第2入射面12A2a、及び、第2出射面12A2b(半円
柱状の領域12A2b3)は、第1入射面12aから第1レンズ部12A1内部に入射し
た光源14からの光RaySPOTのうちシェード12cによって一部遮光された光、及び、
下反射面12bで内面反射された光が、第1出射面12A1aから出射し、さらに、第2
入射面12A2aから第2レンズ部12A2内部に入射して第2出射面12A2b(半円
柱状の領域12A2b3)のうち一部領域A1(図47(b)参照)から出射して前方に
照射されることにより、図48(b)に示すように、上端縁にシェード12cによって規
定されるカットオフラインを含むスポット用配光パターンPSPOT(本発明の第1配光パタ
ーンに相当)を形成する第1光学系を構成している。
図49(b)は、第2光学系の上面図(主要光学面のみ)である。
図49(b)に示すように、左右一対の入射面42a、42b、左右一対の側面44a
、44b、左右一対の出射面46a、46b、第2入射面12A2a、及び、第2出射面
12A2b(半円柱状の領域12A2b3)は、左右一対の入射面42a、42bから第
1レンズ部12A1内部に入射して左右一対の側面44a、44bで内面反射された光源
14からの光RayMIDが、左右一対の出射面46a、46bから出射し、さらに、第2
入射面12A2aから第2レンズ部12A2内部に入射して主に第2出射面12A2b(
半円柱状の領域12A2b3)のうち一部領域A1の左右両側の領域A2、A3(図47
(b)参照)から出射して前方に照射されることにより、図48(c)に示すように、ス
ポット用配光パターンPSPOTに重畳される、スポット用配光パターンPSPOTより拡散した
ミッド用配光パターンPMIDを形成する第2光学系を構成している。
左右一対の入射面42a、42bは、光源14からの光のうち第1入射面12aに入射
しない光(主に、左右方向に広がる光RayMID。図50(b)参照)が屈折して第1レ
ンズ部12A1内部に入射する面で、図50(b)に示すように、光源14に向かって凸
の曲面形状の面(例えば、自由曲面)として構成されている。
左右一対の側面44a、44bは、図47(a)に示すように、上面視で、第1レンズ
部12A1の第1前端部12A1bb側から第1後端部12A1aa側に向かうに従って
左右一対の側面44a、44b間の間隔がテーパー状に狭まる外側に向かって凸の曲面形
状の面(例えば、自由曲面)として構成されている。また、左右一対の側面44a、44
bは、図47(c)に示すように、側面視で、第1レンズ部12A1の第1前端部12A
1bb側から第1後端部12A1aa側に向かうに従ってその上縁及び下縁がテーパー状
に狭まる形状の面として構成されている。
なお、左右一対の側面44a、44bは、左右一対の入射面42a、42bから第1レ
ンズ部12A1内部に入射した光源14からの光RayMIDを左右一対の出射面46a、
46bに向けて内面反射(全反射)する反射面で、金属蒸着は用いていない。
左右一対の出射面46a、46bは、平面形状の面として構成されている。もちろん、
これに限らず、曲面形状の面として構成されていてもよい。
上記構成の第2光学系により、仮想鉛直スクリーン上に、図48(c)に示すミッド用
配光パターンPMIDが形成される。
ミッド用配光パターンPMIDの鉛直方向寸法は、図48(c)では約10度であるが、
これに限らず、例えば、左右一対の入射面42a、42bの面形状(例えば、鉛直方向の
曲率)を調整することで自在に調整することができる。
また、ミッド用配光パターンPMIDの上端縁の位置は、図48(c)では水平線の若干
下であるが、これに限らず、左右一対の入射面42a、42bの面形状(例えば、左右一
対の入射面42a、42bの傾き)を調整することで自在に調整することができる。
また、ミッド用配光パターンPMIDの右端及び左端は、図48(c)では右約30度及
び左約30度まで延びているが、これに限らず、例えば、左右一対の入射面42a、42
b及び/又は左右一対の側面44a、44b(例えば、それぞれの水平方向の曲率)を調
整することで自在に調整することができる。
図49(c)は、第3光学系の側面図(主要光学面のみ)である。
図49(c)に示すように、上入射面42c、上面44c、連結部12A3、及び、第
2出射面12A2b(延長領域12A2b4)は、上入射面42cから第1レンズ部12
A1内部に入射して上面44cで内面反射され、連結部12A3内部を進行した光源14
からの光RayWIDEが、第2出射面12A2b(各領域A1〜A3の上方の領域A4。す
なわち、延長領域12A2b4)から出射して前方に照射されることにより、図48(d
)に示すように、スポット用配光パターンPSPOT及びミッド用配光パターンPMIDに重畳
される、ミッド用配光パターンPMIDより拡散したワイド用配光パターンPWIDEを形成す
る第3光学系を構成している。
上入射面42cは、光源14からの光のうち第1入射面12aに入射しない光(主に、
上方向に広がる光RayWIDE。図50(c)参照)が屈折して第1レンズ部12A1内部
に入射する面で、図50(c)に示すように、光源14に向かって凸の曲面形状の面(例
えば、自由曲面)として構成されている。
上面44cは、図46、図49(c)に示すように、側面視で、第1レンズ部12A1
の第1前端部12A1bb側から第1後端部12A1aa側に向かって斜め下方に傾いた
外側に向かって凸の曲面形状の面として構成されている。また、上面44cは、図47(
a)に示すように、上面視で、第1レンズ部12A1の第1前端部12A1bb側から第
1後端部12A1aa側に向かうに従ってその左縁及び右縁がテーパー状に狭まる形状の
面として構成されている。具体的には、上面44cは、上入射面42cから第1レンズ部
12A1内部に入射した光源14(正確には、基準点F)からの光RayWIDEが、鉛直方
向に関し、平行光となるようにその面形状が構成されている。また、上面44cは、水平
方向に関し、図49(c)中、紙面に直交する方向に延びている。
なお、上面44cは、上入射面42cから第1レンズ部12A1内部に入射した光源1
4からの光RayWIDEを第2出射面12A2b(延長領域12A2b4)に向けて内面反
射(全反射)する反射面で、金属蒸着は用いていない。
延長領域12A2b4は、第2出射面12A2b(半円柱状の領域12A2b3)の上
縁から上方斜め後方に延長された平面形状の面として構成されている。もちろん、これに
限らず、曲面形状の面として構成されていてもよい。なお、半円柱状の領域12A2b3
と延長領域12A2b4とは、段差無く滑らかに接続されている。
上面44cは、図49(c)に示すように、カットオフライン上方の道路標識等を照射
するオーバーヘッドサイン用配光パターンPOHを形成するためのオーバーヘッドサイン用
反射面44c1を含んでいる。オーバーヘッドサイン用反射面44c1は、上入射面42
cから第1レンズ部12A1内部に入射し、オーバーヘッドサイン用反射面44c1で反
射され、連結部12A3内部を進行した光源14からの光RayOHが、第2出射面12A
2b(延長領域12A2b4)から出射して前方斜め上方に照射されることにより、図4
8(d)に示すように、カットオフライン上方にオーバーヘッドサイン用配光パターンP
OHを形成するようにその面形状が構成されている。なお、オーバーヘッドサイン用反射面
44c1は適宜省略することができる。
なお、第3光学系としては、上記に代えて、上入射面42c、連結部12A3、及び、
第2出射面12A2b(延長領域12A2b4)を含み、上入射面42cから第1レンズ
部12A1内部に入射した光源14からの光RayWIDEが内面反射されることなく連結部
12A3内部を進行し、第2出射面12A2b(延長領域12A2b4)から直接出射し
て前方に照射されることにより、図48(d)に示すように、ワイド用配光パターンPWI
DEを形成する光学系を用いてもよい。
上記構成の第3光学系により、仮想鉛直スクリーン上に、図48(d)に示すワイド用
配光パターンPWIDE及びオーバーヘッドサイン用配光パターンPOHが形成される。
ワイド用配光パターンPWIDEの鉛直方向寸法は、図48(d)では約15度であるが、
これに限らず、例えば、上入射面42cの面形状(例えば、鉛直方向の曲率)を調整する
ことで自在に調整することができる。
また、ワイド用配光パターンPWIDEの上端縁の位置は、図48(d)では水平線に沿っ
ているが、これに限らず、上面44cの傾きを調整することで自在に調整することができ
る。
本実施形態では、上面44cは、図46に示すように、基準軸AX1を含む鉛直面によ
り左右に区画された左上面44c2及び右上面44c3を含んでおり、左上面44c2及
び右上面44c3それぞれの傾きは、相互に異なっている。具体的には、左上面44c2
を右上面44c3より下に傾けている。これにより、図48(d)に示すように、ワイド
用配光パターンPWIDEを、上端縁に、鉛直線に対して左側の上端縁が右側の上端縁より低
い左右段違いのカットオフラインを含むものとすることができる(右側通行の場合)。も
ちろん、これとは逆に、左上面44c2を右上面44c3より上に傾けてもよい。これに
より、ワイド用配光パターンPWIDEを、鉛直線に対して左側の上端縁が右側の上端縁より
高い左右段違いのカットオフラインを含むものとすることができる(左側通行の場合)。
また、ワイド用配光パターンPWIDEの右端及び左端は、図48(d)では右約65度及
び左約65度まで延びているが、これに限らず、例えば、上入射面42c(例えば、そ水
平方向の曲率)を調整することで自在に調整することができる。
本実施形態によれば、上記第2実施形態の効果に加え、さらに、次の効果を奏すること
ができる。
すなわち、第1に、視点位置が変わってもライン状の発光見栄えを維持することができ
るレンズ体12J及びこれを備えた車両用灯具10Jを提供することができる。第2に、
均一発光(又は略均一発光)の見栄えを実現することができるレンズ体12J及びこれを
備えた車両用灯具10Jを提供することができる。第3に、光源14からの光をレンズ体
12J内部に取り込む効率が飛躍的に向上する。第4に、所定方向にライン状に延びる一
体感のある見栄えのレンズ体12J及びこれを備えた車両用灯具10Jを提供することが
できる。第5に、最終的な出射面である第2出射面12A2bが半円柱状の面12A2b
3(半円柱状の屈折面)であるにもかかわらず、水平方向及び鉛直方向に集光したスポッ
ト用配光パターンPSPOTを形成することができるレンズ体12J及びこれを備えた車両用
灯具10Jを提供することができる。
視点位置が変わってもライン状の発光見栄えを維持することができるのは、1つのレン
ズ体12Jが、拡散の程度が異なる複数の配光パターン、すなわち、スポット用配光パタ
ーンPSPOT(本発明の第1配光パターンに相当)、ミッド用配光パターンPMID(本発明
の第2配光パターンに相当)及びワイド用配光パターンPWIDE(本発明の第3配光パター
ンに相当)を形成する複数の光学系、すなわち、第1光学系(図49(a)参照)、第2
光学系(図49(b)参照)及び第3光学系(図49(c)参照)を備えていることによ
るものである。なお、この効果を奏するには、最低限、第1光学系(図49(a)参照)
及び第2光学系(図49(b)参照)を備えていればよく、第3光学系(図49(c)参
照)は適宜省略することができる。
均一発光(又は略均一発光)の見栄えを実現することができるのは、各々の入射面、す
なわち、第1入射面12a、左右一対の入射面42a、42b及び上入射面42cから第
1レンズ部12A1内部に入射した光源14からの光が各々の反射面、すなわち、下反射
面12b、左右一対の側面44a、44b及び上面44cで反射される結果、レンズ体1
2J内部で多点発光する(図51参照)ことに加え、各々の反射面、すなわち、下反射面
12b、左右一対の側面44a、44b及び上面44cからの反射光が、最終的な出射面
である第2出射面12A2bのほぼ全域から一様に出射すること、すなわち、下反射面1
2bからの反射光が最終的な出射面である第2出射面12A2b(半円柱状の領域12A
2b3)のうち一部領域A1(図47(b)参照)から出射し、左右一対の側面44a、
44bからの反射光が、主に最終的な出射面である第2出射面12A2b(半円柱状の領
域12A2b3)のうち一部領域A1の左右両側の領域A2、A3(図47(b)参照)
から出射し、上面44cからの反射光が、主に最終的な出射面である第2出射面12A2
b(各領域A1〜A3の上方の領域A4。すなわち、延長領域12A2b4)から出射す
ることによるものである。なお、この効果を奏するには、最低限、第1光学系(図49(
a)参照)及び第2光学系(図49(b)参照)を備えていればよく、第3光学系(図4
9(c)参照)は適宜省略することができる。
光源14からの光をレンズ体12J内部に取り込む効率が飛躍的に向上するのは、各々
の入射面、すなわち、第1入射面12a、左右一対の入射面42a、42b及び上入射面
42cが光源14を取り囲むように配置されている(図50(a)〜図50(c)参照)
ことによるものである。なお、この効果を奏するには、最低限、第1入射面12a及び左
右一対の入射面42a、42bを備えていればよく、上入射面42cは適宜省略すること
ができる。
本実施形態の車両用灯具10J(レンズ体12J)は、以上の考え方を、第1出射面1
2A1a及び第2出射面12A2bを含む第2実施形態の車両用灯具10Aに適用したも
のに相当するが、これに限らない。すなわち、以上の考え方は、第1出射面12A1a及
び第2出射面12A2bを含む第2実施形態の車両用灯具10A以外の、例えば、1つの
出射面を含む第1実施形態の車両用灯具10に適用することもできる。
所定方向にライン状に延びる一体感のある見栄えとすることができるのは、最終的な出
射面である第2出射面12A2bが半円柱状の面12A2b3(半円柱状の屈折面)とし
て構成されていることによるものである。
最終的な出射面である第2出射面12A2bが半円柱状の面12A2b3(半円柱状の
屈折面)であるにもかかわらず、水平方向及び鉛直方向に集光したスポット用配光パター
ンPSPOTを形成することができるのは、水平方向の集光を主に第1レンズ部12A1
の第1出射面12A1a(半円柱状の屈折面)が担当し、鉛直方向の集光を主にレンズ体
12Jの最終的な出射面である第2レンズ部12A2の第2出射面12A2b(半円柱状
の屈折面)が担当することによるものである。すなわち、集光機能を分解したことによる
ものである。
なお、上記第1〜第9実施形態及びその各変形例で説明した各考え方、例えば、第5実
施形態で説明した「キャンバー角を付与する」という考え方、及び、このキャンバー角の
付与に伴い発生する上記ボケを上記のようにして改善するという考え方、第6実施形態で
説明した「スラント角を付与する」という考え方、及び、このスラント角の付与に伴い発
生する上記回転を上記のようにして抑制するという考え方、第7実施形態で説明した「キ
ャンバー角及びスラント角を付与する」という考え方、及び、このキャンバー角及びスラ
ント角の付与に伴い発生する上記ボケ及び回転を、上記のようにして改善及び抑制すると
いう考え方を、本実施形態の車両用灯具10J(レンズ体12J)に適用できるのは無論
である。
また、上記第10実施形態では、第2光学系(図49(b)参照)がミッド用配光パタ
ーンPMIDを形成するように構成され、第3光学系(図49(c)参照)がワイド用配光
パターンPWIDEを形成するよう構成されている例について説明したが、本発明はこれに限
定されない。
例えば、これとは逆に、第2光学系(図49(b)参照)がワイド用配光パターンPWI
DEを形成するように構成され、第3光学系(図49(c)参照)がミッド用配光パターン
MIDを形成するように構成されていてもよい。
例えば、第2光学系を構成する左右一対の入射面42a、42b及び/又は左右一対の
側面44a、44bの面形状(例えば、水平方向の曲率)を図54(a)に示すように調
整することで、配光パターンを(例えば、水平方向に)拡げることができ、図54(b)
に示すように調整することで、配光パターンを(例えば、水平方向に)狭くすることがで
きる。したがって、第2光学系を構成する左右一対の入射面42a、42b及び/又は左
右一対の側面44a、44bの面形状(例えば、水平方向の曲率)を調整することで、ミ
ッド用配光パターンに限らず、ワイド用配光パターンを形成することもできる。
同様に、第3光学系を構成する上入射面42cの面形状(例えば、水平方向の曲率)を
図55(a)に示すように調整することで、配光パターンを(例えば、水平方向に)拡げ
ることができ、図55(b)に示すように調整することで、配光パターンを(例えば、水
平方向に)狭くすることができる。したがって、第3光学系を構成する上入射面42bの
面形状(例えば、水平方向の曲率)を調整することで、ワイド用配光パターンに限らず、
ミッド用配光パターンを形成することもできる。
もちろん、第2光学系(図49(b)参照)及び第3光学系(図49(c)参照)が、
いずれもワイド用配光パターンPWIDEを形成するように構成されていてもよい。逆に、第
2光学系(図49(b)参照)及び第3光学系(図49(c)参照)が、いずれもミッド
用配光パターンPMIDを形成するように構成されていてもよい。
上記実施形態及び各変形例で示した各数値は全て例示であり、これと異なる適宜の数値
を用いることができる。
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。これらの記載によって本発明は限
定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することな
く他の様々な形で実施することができる。
10、10A〜10J…車両用灯具、12、12A、12J…レンズ体、12A1…第
1レンズ部、12A1a…第1出射面、12A1aa…第1後端部、12A1bb…第1
前端部、12A2…第2レンズ部、12A2a…第2入射面、12A2aa…第2後端部
、12A2b…第2出射面、12A3…連結部、12a…第1入射面、12b…反射面(
下反射面)、12c…シェード、12d…出射面、14…光源、16、16C…レンズ結
合体、18…保持部材、42a、42b…左右一対の入射面、42c…上入射面、44a
、44b…左右一対の側面、44c…上面、44c1…オーバーヘッドサイン用反射面、
44c2…左上面、44c3…右上面、46a、46b…左右一対の出射面
上記目的を達成するため、本発明の一つの側面は、後端部、前端部、前記後端部と前記前端部との間に配置された左右一対の側面、及び、前記後端部と前記前端部との間に配置された下反射面を含むレンズ体において、前記後端部は、第1入射面、及び、前記第1入射面の左右両側に、前記第1入射面近傍に配置される光源と前記第1入射面との間の空間を左右両側から取り囲むように配置された左右一対の入射面を含み、前記前端部は、出射面を含み、前記下反射面の先端部は、シェードを含み、前記第1入射面、前記下反射面、及び、前記出射面は、前記第1入射面から前記レンズ体内部に入射した前記光源からの光のうち前記シェードによって一部遮光された光、及び、前記下反射面で内面反射された光が、前記出射面の一部領域から出射して前方に照射されることにより、上端縁に前記シェードによって規定されるカットオフラインを含む第1配光パターンを形成する第1光学系を構成しており、前記左右一対の入射面、前記左右一対の側面、及び、前記出射面は、前記左右一対の入射面から前記レンズ体内部に入射して前記左右一対の側面で内面反射された前記光源からの光が、主に前記出射面のうち前記一部領域の左右両側の領域から出射して前方に照射されることにより、前記第1配光パターンに重畳される、前記第1配光パターンより拡散した第2配光パターンを形成する第2光学系を構成していることを特徴とする。
この側面によれば、第1に、視点位置が変わってもライン状の発光見栄えを維持することができるレンズ体を提供することができる。第2に、均一発光(又は略均一発光)の見栄えを実現することができるレンズ体を提供することができる。第3に、光源からの光をレンズ体内部に取り込む効率が飛躍的に向上する。
また、上記発明において、好ましい態様は、前記レンズ体は、さらに、前記後端部と前記前端部との間に配置された上面を含み、前記後端部は、さらに、前記第1入射面の上側に、前記光源と前記第1入射面との間の空間を上側から取り囲むように配置された上入射面を含み、前記上入射面、前記上面、及び、前記出射面は、前記上入射面から前記レンズ体内部に入射して前記上面で内面反射された前記光源からの光が、主に前記出射面のうち前記一部領域及び前記一部領域の左右両側の領域それぞれの上側の領域から出射して前方に照射されることにより、前記第1配光パターン及び前記第2配光パターンに重畳される、前記第1配光パターンより拡散した第3配光パターンを形成する第3光学系を構成していることを特徴とする。
この態様によれば、第1に、視点位置が変わってもライン状の発光見栄えを維持することができるレンズ体を提供することができる。第2に、均一発光(又は略均一発光)の見栄えを実現することができるレンズ体を提供することができる。第3に、光源からの光をレンズ体内部に取り込む効率が飛躍的に向上する。
また、上記発明において、好ましい態様は、前記左右一対の側面は、上面視で、前記前端部側から前記後端部側に向かうに従って前記左右一対の側面間の間隔がテーパー状に狭まる曲面形状の面として構成されており、前記上面は、側面視で、前記前端部側から前記後端部側に向かって斜め下方に傾いた曲面形状の面として構成されていることを特徴とする。
また、上記発明において、好ましい態様は、前記上面は、左上面及び右上面を含み、前記左上面及び右上面それぞれの傾きは、相互に異なることを特徴とする。
この態様によれば、第3配光パターンを、上端縁に左右段違いのカットオフラインを含むものとすることができる。
また、上記発明において、好ましい態様は、前記上面は、オーバーヘッドサイン用反射面を含み、前記オーバーヘッドサイン用反射面は、前記上入射面から前記レンズ体内部に入射し、前記オーバーヘッドサイン用反射面で反射された前記光源からの光が、前記出射面から出射して前方に照射されることにより、前記カットオフライン上方にオーバーヘッドサイン用配光パターンを形成するようにその面形状が構成されていることを特徴とする。
この態様によれば、カットオフライン上方の道路標識等を照射するオーバーヘッドサイン用配光パターンを形成することができる。
本発明の別の側面は、第1後端部、第1前端部、前記第1後端部と前記第1前端部との間に配置された左右一対の側面、及び、前記第1後端部と前記第1前端部との間に配置された下反射面を含む第1レンズ部と、前記第1レンズ部の前方に配置され、第2後端部、第2前端部を含む第2レンズ部と、前記第1レンズ部と前記第2レンズ部とを連結した連結部を含むレンズ体において、前記第1後端部は、第1入射面、及び、前記第1入射面の左右両側に、前記第1入射面近傍に配置される光源と前記第1入射面との間の空間を左右両側から取り囲むように配置された左右一対の入射面を含み、前記下反射面の先端部は、シェードを含み、前記第1前端部は、第1出射面、及び、前記第1出射面の左右両側に配置された左右一対の出射面を含み、前記第1出射面は、当該第1出射面から出射する前記光源からの光を第1方向に関し集光させる半円柱状の面として構成されており、前記第2後端部は、第2入射面を含み、前記第2前端部は、第2出射面を含み、前記第2出射面は、当該第2出射面から出射する前記光源からの光を前記第1方向に直交する第2方向に関し集光させる半円柱状の領域を含み、前記連結部は、前記第1レンズ部と前記第2レンズ部とを、それぞれの上部において、前記第1前端部、前記第2後端部及び前記連結部で囲まれた空間が形成された状態で連結しており、前記第1入射面、前記下反射面、前記第1出射面、前記第2入射面、及び、前記第2出射面は、前記第1入射面から前記第1レンズ部内部に入射した前記光源からの光のうち前記シェードによって一部遮光された光、及び、前記下反射面で内面反射された光が、前記第1出射面から出射し、さらに、前記第2入射面から前記第2レンズ部内部に入射して前記第2出射面の前記半円柱状の領域のうち一部領域から出射して前方に照射されることにより、上端縁に前記シェードによって規定されるカットオフラインを含む第1配光パターンを形成する第1光学系を構成しており、前記左右一対の入射面、前記左右一対の側面、前記左右一対の出射面、前記第2入射面、及び、前記第2出射面は、前記左右一対の入射面から前記第1レンズ部内部に入射して前記左右一対の側面で内面反射された前記光源からの光が、前記左右一対の出射面から出射し、さらに、前記第2入射面から前記第2レンズ部内部に入射して主に前記第2出射面の前記半円柱状の領域のうち前記一部領域の左右両側の領域から出射して前方に照射されることにより、前記第1配光パターンに重畳される、前記第1配光パターンより拡散した第2配光パターンを形成する第2光学系を構成していることを特徴とする。
この側面によれば、第1に、視点位置が変わってもライン状の発光見栄えを維持することができるレンズ体を提供することができる。第2に、均一発光(又は略均一発光)の見栄えを実現することができるレンズ体を提供することができる。第3に、光源からの光をレンズ体内部に取り込む効率が飛躍的に向上する。第4に、所定方向にライン状に延びる一体感のある見栄えのレンズ体を提供することができる。第5に、最終的な出射面である第2出射面が半円柱状の面(半円柱状の屈折面)であるにもかかわらず、水平方向及び鉛直方向に集光した所定配光パターン(例えば、上端縁にシェードによって規定されるカットオフラインを含むロービーム用配光パターン)を形成することができるレンズ体を提供することができる。
また、上記発明において、好ましい態様は、前記第1レンズ部は、さらに、前記第1後端部と前記第1前端部との間に配置された上面を含み、前記第1後端部は、さらに、前記第1入射面の上側に、前記光源と前記第1入射面との間の空間を上側から取り囲むように配置された上入射面を含み、前記第2出射面は、さらに、当該第2出射面の前記半円柱状の領域の上縁から上方斜め後方に延長された延長領域を含み、前記上入射面、前記上面、前記連結部、及び、前記第2出射面の前記延長領域は、前記上入射面から前記第1レンズ部内部に入射して前記上面で内面反射され、前記連結部内部を進行した前記光源からの光が、前記第2出射面の前記延長領域から出射して前方に照射されることにより、前記第1配光パターン及び前記第2配光パターンに重畳される、前記第1配光パターンより拡散した第3配光パターンを形成する第3光学系を構成していることを特徴とする。
この態様によれば、第1に、視点位置が変わってもライン状の発光見栄えを維持することができるレンズ体を提供することができる。第2に、均一発光(又は略均一発光)の見栄えを実現することができるレンズ体を提供することができる。第3に、光源からの光をレンズ体内部に取り込む効率が飛躍的に向上する。
また、上記発明において、好ましい態様は、前記左右一対の側面は、上面視で、前記第1前端部側から前記第1後端部側に向かうに従って前記左右一対の側面間の間隔がテーパー状に狭まる曲面形状の面として構成されており、前記上面は、側面視で、前記第1前端部側から前記第1後端部側に向かって斜め下方に傾いた曲面形状の面として構成されていることを特徴とする。
また、上記発明において、好ましい態様は、前記上面は、左上面及び右上面を含み、前記左上面及び右上面それぞれの傾きは、相互に異なることを特徴とする。
この態様によれば、第3配光パターンを、上端縁に左右段違いのカットオフラインを含むものとすることができる。
また、上記発明において、好ましい態様は、前記上面は、オーバーヘッドサイン用反射面を含み、前記オーバーヘッドサイン用反射面は、前記上入射面から前記第1レンズ部内部に入射し、前記オーバーヘッドサイン用反射面で反射され、前記連結部内部を進行した前記光源からの光が、前記延長領域から出射して前方に照射されることにより、前記カットオフライン上方にオーバーヘッドサイン用配光パターンを形成するようにその面形状が構成されていることを特徴とする。
この態様によれば、カットオフライン上方の道路標識等を照射するオーバーヘッドサイン用配光パターンを形成することができる。
本発明の別の側面は、後端部、前端部、前記後端部と前記前端部との間に配置された左右一対の側面、及び、前記後端部と前記前端部との間に配置された下反射面を含むレンズ体と、前記後端部近傍に配置された光源と、を備えた車両用灯具において、前記後端部は、第1入射面、及び、前記第1入射面の左右両側に、前記第1入射面近傍に配置される光源と前記第1入射面との間の空間を左右両側から取り囲むように配置された左右一対の入射面を含み、前記前端部は、出射面を含み、前記下反射面の先端部は、シェードを含み、前記第1入射面、前記下反射面、及び、前記出射面は、前記第1入射面から前記レンズ体内部に入射した前記光源からの光のうち前記シェードによって一部遮光された光、及び、前記下反射面で内面反射された光が、前記出射面の一部領域から出射して前方に照射されることにより、上端縁に前記シェードによって規定されるカットオフラインを含む第1配光パターンを形成する第1光学系を構成しており、前記左右一対の入射面、前記左右一対の側面、及び、前記出射面は、前記左右一対の入射面から前記レンズ体内部に入射して前記左右一対の側面で内面反射された前記光源からの光が、主に前記出射面のうち前記一部領域の左右両側の領域から出射して前方に照射されることにより、前記第1配光パターンに重畳される、前記第1配光パターンより拡散した第2配光パターンを形成する第2光学系を構成していることを特徴とする。
この側面によれば、第1に、視点位置が変わってもライン状の発光見栄えを維持することができるレンズ体を備えた車両用灯具を提供することができる。第2に、均一発光(又は略均一発光)の見栄えを実現することができるレンズ体を備えた車両用灯具を提供することができる。第3に、光源からの光をレンズ体内部に取り込む効率が飛躍的に向上する。
また、上記発明において、好ましい態様は、前記レンズ体は、さらに、前記後端部と前記前端部との間に配置された上面を含み、前記後端部は、さらに、前記第1入射面の上側に、前記光源と前記第1入射面との間の空間を上側から取り囲むように配置された上入射面を含み、前記上入射面、前記上面、及び、前記出射面は、前記上入射面から前記レンズ体内部に入射して前記上面で内面反射された前記光源からの光が、主に前記出射面のうち前記一部領域及び前記一部領域の左右両側の領域それぞれの上側の領域から出射して前方に照射されることにより、前記第1配光パターン及び前記第2配光パターンに重畳される、前記第1配光パターンより拡散した第3配光パターンを形成する第3光学系を構成していることを特徴とする。
この態様によれば、第1に、視点位置が変わってもライン状の発光見栄えを維持することができるレンズ体を備えた車両用灯具を提供することができる。第2に、均一発光(又は略均一発光)の見栄えを実現することができるレンズ体を備えた車両用灯具を提供することができる。第3に、光源からの光をレンズ体内部に取り込む効率が飛躍的に向上する。
本発明の別の側面は、第1後端部、第1前端部、前記第1後端部と前記第1前端部との間に配置された左右一対の側面、及び、前記第1後端部と前記第1前端部との間に配置された下反射面を含む第1レンズ部と、前記第1レンズ部の前方に配置され、第2後端部、第2前端部を含む第2レンズ部と、前記第1レンズ部と前記第2レンズ部とを連結した連結部を含むレンズ体と、前記第1後端部近傍に配置された光源と、を備えた車両用灯具において、前記第1後端部は、第1入射面、及び、前記第1入射面の左右両側に、前記第1入射面近傍に配置される光源と前記第1入射面との間の空間を左右両側から取り囲むように配置された左右一対の入射面を含み、前記下反射面の先端部は、シェードを含み、前記第1前端部は、第1出射面、及び、前記第1出射面の左右両側に配置された左右一対の出射面を含み、前記第1出射面は、当該第1出射面から出射する前記光源からの光を第1方向に関し集光させる半円柱状の面として構成されており、前記第2後端部は、第2入射面を含み、前記第2前端部は、第2出射面を含み、前記第2出射面は、当該第2出射面から出射する前記光源からの光を前記第1方向に直交する第2方向に関し集光させる半円柱状の領域を含み、前記連結部は、前記第1レンズ部と前記第2レンズ部とを、それぞれの上部において、前記第1前端部、前記第2後端部及び前記連結部で囲まれた空間が形成された状態で連結しており、前記第1入射面、前記下反射面、前記第1出射面、前記第2入射面、及び、前記第2出射面は、前記第1入射面から前記第1レンズ部内部に入射した前記光源からの光のうち前記シェードによって一部遮光された光、及び、前記下反射面で内面反射された光が、前記第1出射面から出射し、さらに、前記第2入射面から前記第2レンズ部内部に入射して前記第2出射面の前記半円柱状の領域のうち一部領域から出射して前方に照射されることにより、上端縁に前記シェードによって規定されるカットオフラインを含む第1配光パターンを形成する第1光学系を構成しており、前記左右一対の入射面、前記左右一対の側面、前記左右一対の出射面、前記第2入射面、及び、前記第2出射面は、前記左右一対の入射面から前記第1レンズ部内部に入射して前記左右一対の側面で内面反射された前記光源からの光が、前記左右一対の出射面から出射し、さらに、前記第2入射面から前記第2レンズ部内部に入射して主に前記第2出射面の前記半円柱状の領域のうち前記一部領域の左右両側の領域から出射して前方に照射されることにより、前記第1配光パターンに重畳される、前記第1配光パターンより拡散した第2配光パターンを形成する第2光学系を構成していることを特徴とする。
この側面によれば、第1に、視点位置が変わってもライン状の発光見栄えを維持することができるレンズ体を備えた車両用灯具を提供することができる。第2に、均一発光(又は略均一発光)の見栄えを実現することができるレンズ体を備えた車両用灯具を提供することができる。第3に、光源からの光をレンズ体内部に取り込む効率が飛躍的に向上する。第4に、所定方向にライン状に延びる一体感のある見栄えのレンズ体を備えた車両用灯具を提供することができる。第5に、最終的な出射面である第2出射面が半円柱状の面(半円柱状の屈折面)であるにもかかわらず、水平方向及び鉛直方向に集光した所定配光パターン(例えば、上端縁にシェードによって規定されるカットオフラインを含むロービーム用配光パターン)を形成することができるレンズ体を備えた車両用灯具を提供することができる。
また、上記発明において、好ましい態様は、前記第1レンズ部は、さらに、前記第1後端部と前記第1前端部との間に配置された上面を含み、前記第1後端部は、さらに、前記第1入射面の上側に、前記光源と前記第1入射面との間の空間を上側から取り囲むように配置された上入射面を含み、前記第2出射面は、さらに、当該第2出射面の前記半円柱状の領域の上縁から上方斜め後方に延長された延長領域を含み、前記上入射面、前記上面、前記連結部、及び、前記第2出射面の前記延長領域は、前記上入射面から前記第1レンズ部内部に入射して前記上面で内面反射され、前記連結部内部を進行した前記光源からの光が、前記第2出射面の前記延長領域から出射して前方に照射されることにより、前記第1配光パターン及び前記第2配光パターンに重畳される、前記第1配光パターンより拡散した第3配光パターンを形成する第3光学系を構成していることを特徴とする。
この態様によれば、第1に、視点位置が変わってもライン状の発光見栄えを維持することができるレンズ体を備えた車両用灯具を提供することができる。第2に、均一発光(又は略均一発光)の見栄えを実現することができるレンズ体を備えた車両用灯具を提供することができる。第3に、光源からの光をレンズ体内部に取り込む効率が飛躍的に向上する。

Claims (14)

  1. 後端部、前端部、前記後端部と前記前端部との間に配置された左右一対の側面、及び、
    前記後端部と前記前端部との間に配置された下反射面を含むレンズ体において、
    前記後端部は、第1入射面、及び、前記第1入射面の左右両側に、前記第1入射面近傍
    に配置される光源と前記第1入射面との間の空間を左右両側から取り囲むように配置され
    た左右一対の入射面を含み、
    前記前端部は、出射面を含み、
    前記下反射面の先端部は、シェードを含み、
    前記第1入射面、前記下反射面、及び、前記出射面は、前記第1入射面から前記レンズ
    体内部に入射した前記光源からの光のうち前記シェードによって一部遮光された光、及び
    、前記下反射面で内面反射された光が、前記出射面の一部領域から出射して前方に照射さ
    れることにより、上端縁に前記シェードによって規定されるカットオフラインを含む第1
    配光パターンを形成する第1光学系を構成しており、
    前記左右一対の入射面、前記左右一対の側面、及び、前記出射面は、前記左右一対の入
    射面から前記レンズ体内部に入射して前記左右一対の側面で内面反射された前記光源から
    の光が、主に前記出射面のうち前記一部領域の左右両側の領域から出射して前方に照射さ
    れることにより、前記第1配光パターンに重畳される、前記第1配光パターンより拡散し
    た第2配光パターンを形成する第2光学系を構成しているレンズ体。
  2. 前記レンズ体は、さらに、前記後端部と前記前端部との間に配置された上面を含み、
    前記後端部は、さらに、前記第1入射面の上側に、前記光源と前記第1入射面との間の
    空間を上側から取り囲むように配置された上入射面を含み、
    前記上入射面、前記上面、及び、前記出射面は、前記上入射面から前記レンズ体内部に
    入射して前記上面で内面反射された前記光源からの光が、主に前記出射面のうち前記一部
    領域及び前記一部領域の左右両側の領域それぞれの上側の領域から出射して前方に照射さ
    れることにより、前記第1配光パターン及び前記第2配光パターンに重畳される、前記第
    1配光パターンより拡散した第3配光パターンを形成する第3光学系を構成している請求
    項1に記載のレンズ体。
  3. 前記左右一対の側面は、上面視で、前記前端部側から前記後端部側に向かうに従って前
    記左右一対の側面間の間隔がテーパー状に狭まる曲面形状の面として構成されており、
    前記上面は、側面視で、前記前端部側から前記後端部側に向かって斜め下方に傾いた曲
    面形状の面として構成されている請求項2に記載のレンズ体。
  4. 前記上面は、左上面及び右上面を含み、
    前記左上面及び右上面それぞれの傾きは、相互に異なる請求項3に記載のレンズ体。
  5. 前記上面は、オーバーヘッドサイン用反射面を含み、
    前記オーバーヘッドサイン用反射面は、前記上入射面から前記レンズ体内部に入射し、
    前記オーバーヘッドサイン用反射面で反射された前記光源からの光が、前記出射面から出
    射して前方に照射されることにより、前記カットオフライン上方にオーバーヘッドサイン
    用配光パターンを形成するようにその面形状が構成されている請求項3又は4に記載のレ
    ンズ体。
  6. 第1後端部、第1前端部、前記第1後端部と前記第1前端部との間に配置された左右一
    対の側面、及び、前記第1後端部と前記第1前端部との間に配置された下反射面を含む第
    1レンズ部と、前記第1レンズ部の前方に配置され、第2後端部、第2前端部を含む第2
    レンズ部と、前記第1レンズ部と前記第2レンズ部とを連結した連結部を含むレンズ体に
    おいて、
    前記第1後端部は、第1入射面、及び、前記第1入射面の左右両側に、前記第1入射面
    近傍に配置される光源と前記第1入射面との間の空間を左右両側から取り囲むように配置
    された左右一対の入射面を含み、
    前記下反射面の先端部は、シェードを含み、
    前記第1前端部は、第1出射面、及び、前記第1出射面の左右両側に配置された左右一
    対の出射面を含み、
    前記第1出射面は、当該第1出射面から出射する前記光源からの光を第1方向に関し集
    光させる半円柱状の面として構成されており、
    前記第2後端部は、第2入射面を含み、
    前記第2前端部は、第2出射面を含み、
    前記第2出射面は、当該第2出射面から出射する前記光源からの光を前記第1方向に直
    交する第2方向に関し集光させる半円柱状の領域を含み、
    前記連結部は、前記第1レンズ部と前記第2レンズ部とを、それぞれの上部において、
    前記第1前端部、前記第2後端部及び前記連結部で囲まれた空間が形成された状態で連結
    しており、
    前記第1入射面、前記下反射面、前記第1出射面、前記第2入射面、及び、前記第2出
    射面は、前記第1入射面から前記第1レンズ部内部に入射した前記光源からの光のうち前
    記シェードによって一部遮光された光、及び、前記下反射面で内面反射された光が、前記
    第1出射面から出射し、さらに、前記第2入射面から前記第2レンズ部内部に入射して前
    記第2出射面の前記半円柱状の領域のうち一部領域から出射して前方に照射されることに
    より、上端縁に前記シェードによって規定されるカットオフラインを含む第1配光パター
    ンを形成する第1光学系を構成しており、
    前記左右一対の入射面、前記左右一対の側面、前記左右一対の出射面、前記第2入射面
    、及び、前記第2出射面は、前記左右一対の入射面から前記第1レンズ部内部に入射して
    前記左右一対の側面で内面反射された前記光源からの光が、前記左右一対の出射面から出
    射し、さらに、前記第2入射面から前記第2レンズ部内部に入射して主に前記第2出射面
    の前記半円柱状の領域のうち前記一部領域の左右両側の領域から出射して前方に照射され
    ることにより、前記第1配光パターンに重畳される、前記第1配光パターンより拡散した
    第2配光パターンを形成する第2光学系を構成しているレンズ体。
  7. 前記第1レンズ部は、さらに、前記第1後端部と前記第1前端部との間に配置された上
    面を含み、
    前記第1後端部は、さらに、前記第1入射面の上側に、前記光源と前記第1入射面との
    間の空間を上側から取り囲むように配置された上入射面を含み、
    前記第2出射面は、さらに、当該第2出射面の前記半円柱状の領域の上縁から上方斜め
    後方に延長された延長領域を含み、
    前記上入射面、前記上面、前記連結部、及び、前記第2出射面の前記延長領域は、前記
    上入射面から前記第1レンズ部内部に入射して前記上面で内面反射され、前記連結部内部
    を進行した前記光源からの光が、前記第2出射面の前記延長領域から出射して前方に照射
    されることにより、前記第1配光パターン及び前記第2配光パターンに重畳される、前記
    第1配光パターンより拡散した第3配光パターンを形成する第3光学系を構成している請
    求項6に記載のレンズ体。
  8. 前記左右一対の側面は、上面視で、前記第1前端部側から前記第1後端部側に向かうに
    従って前記左右一対の側面間の間隔がテーパー状に狭まる曲面形状の面として構成されて
    おり、
    前記上面は、側面視で、前記第1前端部側から前記第1後端部側に向かって斜め下方に
    傾いた曲面形状の面として構成されている請求項7に記載のレンズ体。
  9. 前記上面は、左上面及び右上面を含み、
    前記左上面及び右上面それぞれの傾きは、相互に異なる請求項8に記載のレンズ体。
  10. 前記上面は、オーバーヘッドサイン用反射面を含み、
    前記オーバーヘッドサイン用反射面は、前記上入射面から前記第1レンズ部内部に入射
    し、前記オーバーヘッドサイン用反射面で反射され、前記連結部内部を進行した前記光源
    からの光が、前記延長領域から出射して前方に照射されることにより、前記カットオフラ
    イン上方にオーバーヘッドサイン用配光パターンを形成するようにその面形状が構成され
    ている請求項8又は9に記載のレンズ体。
  11. 後端部、前端部、前記後端部と前記前端部との間に配置された左右一対の側面、及び、
    前記後端部と前記前端部との間に配置された下反射面を含むレンズ体と、前記後端部近傍
    に配置された光源と、を備えた車両用灯具において、
    前記後端部は、第1入射面、及び、前記第1入射面の左右両側に、前記第1入射面近傍
    に配置される光源と前記第1入射面との間の空間を左右両側から取り囲むように配置され
    た左右一対の入射面を含み、
    前記前端部は、出射面を含み、
    前記下反射面の先端部は、シェードを含み、
    前記第1入射面、前記下反射面、及び、前記出射面は、前記第1入射面から前記レンズ
    体内部に入射した前記光源からの光のうち前記シェードによって一部遮光された光、及び
    、前記下反射面で内面反射された光が、前記出射面の一部領域から出射して前方に照射さ
    れることにより、上端縁に前記シェードによって規定されるカットオフラインを含む第1
    配光パターンを形成する第1光学系を構成しており、
    前記左右一対の入射面、前記左右一対の側面、及び、前記出射面は、前記左右一対の入
    射面から前記レンズ体内部に入射して前記左右一対の側面で内面反射された前記光源から
    の光が、主に前記出射面のうち前記一部領域の左右両側の領域から出射して前方に照射さ
    れることにより、前記第1配光パターンに重畳される、前記第1配光パターンより拡散し
    た第2配光パターンを形成する第2光学系を構成している車両用灯具。
  12. 前記レンズ体は、さらに、前記後端部と前記前端部との間に配置された上面を含み、
    前記後端部は、さらに、前記第1入射面の上側に、前記光源と前記第1入射面との間の
    空間を上側から取り囲むように配置された上入射面を含み、
    前記上入射面、前記上面、及び、前記出射面は、前記上入射面から前記レンズ体内部に
    入射して前記上面で内面反射された前記光源からの光が、主に前記出射面のうち前記一部
    領域及び前記一部領域の左右両側の領域それぞれの上側の領域から出射して前方に照射さ
    れることにより、前記第1配光パターン及び前記第2配光パターンに重畳される、前記第
    1配光パターンより拡散した第3配光パターンを形成する第3光学系を構成している請求
    項11に記載の車両用灯具。
  13. 第1後端部、第1前端部、前記第1後端部と前記第1前端部との間に配置された左右一
    対の側面、及び、前記第1後端部と前記第1前端部との間に配置された下反射面を含む第
    1レンズ部と、前記第1レンズ部の前方に配置され、第2後端部、第2前端部を含む第2
    レンズ部と、前記第1レンズ部と前記第2レンズ部とを連結した連結部を含むレンズ体と
    、前記第1後端部近傍に配置された光源と、を備えた車両用灯具において、
    前記第1後端部は、第1入射面、及び、前記第1入射面の左右両側に、前記第1入射面
    近傍に配置される光源と前記第1入射面との間の空間を左右両側から取り囲むように配置
    された左右一対の入射面を含み、
    前記下反射面の先端部は、シェードを含み、
    前記第1前端部は、第1出射面、及び、前記第1出射面の左右両側に配置された左右一
    対の出射面を含み、
    前記第1出射面は、当該第1出射面から出射する前記光源からの光を第1方向に関し集
    光させる半円柱状の面として構成されており、
    前記第2後端部は、第2入射面を含み、
    前記第2前端部は、第2出射面を含み、
    前記第2出射面は、当該第2出射面から出射する前記光源からの光を前記第1方向に直
    交する第2方向に関し集光させる半円柱状の領域を含み、
    前記連結部は、前記第1レンズ部と前記第2レンズ部とを、それぞれの上部において、
    前記第1前端部、前記第2後端部及び前記連結部で囲まれた空間が形成された状態で連結
    しており、
    前記第1入射面、前記下反射面、前記第1出射面、前記第2入射面、及び、前記第2出
    射面は、前記第1入射面から前記第1レンズ部内部に入射した前記光源からの光のうち前
    記シェードによって一部遮光された光、及び、前記下反射面で内面反射された光が、前記
    第1出射面から出射し、さらに、前記第2入射面から前記第2レンズ部内部に入射して前
    記第2出射面の前記半円柱状の領域のうち一部領域から出射して前方に照射されることに
    より、上端縁に前記シェードによって規定されるカットオフラインを含む第1配光パター
    ンを形成する第1光学系を構成しており、
    前記左右一対の入射面、前記左右一対の側面、前記左右一対の出射面、前記第2入射面
    、及び、前記第2出射面は、前記左右一対の入射面から前記第1レンズ部内部に入射して
    前記左右一対の側面で内面反射された前記光源からの光が、前記左右一対の出射面から出
    射し、さらに、前記第2入射面から前記第2レンズ部内部に入射して主に前記第2出射面
    の前記半円柱状の領域のうち前記一部領域の左右両側の領域から出射して前方に照射され
    ることにより、前記第1配光パターンに重畳される、前記第1配光パターンより拡散した
    第2配光パターンを形成する第2光学系を構成している車両用灯具。
  14. 前記第1レンズ部は、さらに、前記第1後端部と前記第1前端部との間に配置された上
    面を含み、
    前記第1後端部は、さらに、前記第1入射面の上側に、前記光源と前記第1入射面との
    間の空間を上側から取り囲むように配置された上入射面を含み、
    前記第2出射面は、さらに、当該第2出射面の前記半円柱状の領域の上縁から上方斜め
    後方に延長された延長領域を含み、
    前記上入射面、前記上面、前記連結部、及び、前記第2出射面の前記延長領域は、前記
    上入射面から前記第1レンズ部内部に入射して前記上面で内面反射され、前記連結部内部
    を進行した前記光源からの光が、前記第2出射面の前記延長領域から出射して前方に照射
    されることにより、前記第1配光パターン及び前記第2配光パターンに重畳される、前記
    第1配光パターンより拡散した第3配光パターンを形成する第3光学系を構成している請
    求項13に記載の車両用灯具。
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