本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本発明の実施の形態に係るカメラ用記録システム1は、図1に例示するように、ストレージ装置10を含んで構成される。このストレージ装置10は、カメラシステム20に対して通信可能に接続されている。
ストレージ装置10は、複数のディスク装置11a,11b,…,11n(以下の説明で、それぞれを区別する必要がないときにはまとめてディスク装置11と表記する)と、記録制御部12と、通信部13と、電源部14とを含んで構成されている。また、カメラシステム20は、ストレージ装置10に対してネットワーク等の通信回線を介して接続されており、複数のカメラ21a,21b…(以下の説明で、それぞれを区別する必要がないときにはまとめてカメラ21と表記する)及び制御部22を含んで構成されている。
ディスク装置11は、例えばハードディスクドライブ(HDD)であり、電源部14から電力の供給を受けて動作する。このディスク装置11は、記録制御部12から記録の対象となるデータの入力を受けて、当該入力されたデータを記録する。またこのディスク装置11は、図示しない再生制御部または、ストレージ装置10から取り外されて、新たに接続されたパーソナルコンピュータ等から入力される指示により、記録しているデータを出力する。このデータは再生制御部やパーソナルコンピュータによってディスプレイに表示されるなどしてユーザに提示される。なお、各ディスク装置11a,11b,…,11nは、互いに最大記憶可能容量が互いに異なっていても構わない。
記録制御部12は、CPU等のプログラム制御デバイスを含んで構成される。この記録制御部12は、メモリ等のコンピュータ可読、かつ、非一時的な記憶デバイスに格納されたプログラムに従って動作し、本実施の形態の例では、カメラシステム20が送出するデータを受信する。またこの記録制御部12は、上記複数のディスク装置11のそれぞれを、「記録用ディスク」、「保護対象ディスク」、「記録準備ディスク」等のいずれかのモードにあるものとして管理する。具体的に記録制御部12は、ディスク装置11の一部を記録用ディスクのモードにあるものとして、記録用ディスクとして選択し、カメラシステム20から受信したデータを、当該記録用ディスクとして選択したディスク装置11に記録する。また記録制御部12は、記録用ディスクとして選択されていないディスク装置11を保護対象ディスクのモードにあるものとして、当該保護対象ディスクのモードにあるとしたディスク装置11への通電を停止するよう電源部14を制御する。
またこの記録制御部12は、複数のディスク装置11のうち、現在記録用ディスクとして選択されていないディスク装置11の一部を、次に記録用ディスクとして選択するディスク装置11として選択し、当該選択したディスク装置11に対して記録準備の処理を実行する。そして記録制御部12は、この記録準備の処理において、次に記録用ディスクとして選択するディスク装置11に異常が生じていると判断した場合には、次の記録用ディスクとして、当該異常が生じていると判断されたディスク装置11以外のディスク装置11であって現在記録用ディスクとして選択されていないディスク装置11を選択し、記録準備の処理から繰り返す。この記録制御部12の詳しい動作は、後に述べる。
通信部13は、ネットワークインタフェース等であり、カメラシステム20との間で通信可能に接続され、カメラシステム20からデータを受信して記録制御部12に出力する。電源部14は、各部に通電し、電源を供給する。またこの電源部14は、記録制御部12から入力される指示に従い、複数のディスク装置11のうち一部のディスク装置11への通電を停止する。具体的に電源部14は、通電を停止するディスク装置11の電源端子の接続先を、電力供給源からグランド電位点(例えばグランド端子に接続される共通ライン)に切り替える。これにより当該通電を停止されたディスク装置11の電源端子とグランド端子との間の電位差が実質的に「0」とされ、ディスク装置11の電源回路に残存する電荷も放出されて電気的負荷がなくなる。これにより当該ディスク装置11に格納されたデータが、保護された状態となる。
カメラシステム20は、各カメラ21が撮影して得たデータを、ストレージ装置10に対して送出している。本実施の形態では、カメラ21は、常時、連続して撮影を行ってデータを得ており、カメラシステム20の制御部22は、各カメラ21が連続的に得たデータをストレージ装置10に対して次々送信する。なお、この制御部22は、各カメラ21の内部にそれぞれ含まれていてもよい。この場合は、各カメラ21に対応して設けられる制御部22のそれぞれが、対応するカメラ21が連続的に得たデータをストレージ装置10に対して次々送信する。
ここでストレージ装置10の記録制御部12の動作について説明する。本実施の形態の一例では、この記録制御部12は、機能的に、図2に例示するように、データ受入部31と、記録処理部32と、記録用ディスク選択部33と、通電制御部34と、記録準備ディスク選択部35と、記録準備処理部36とを含んで構成される。
データ受入部31は、通信部13から、通信部13が受信したデータの入力を受け入れて、記録処理部32に出力する。
記録処理部32は、記録用ディスク選択部33により記録用ディスクとして選択されたディスク装置11に対して、データ受入部31から入力されるデータを記録する。なお、記録用ディスク選択部33により記録用ディスクとして選択されたディスク装置11がなければ、例えばメモリ等に記録の対象となるデータをキャッシュしておき、後にいずれかのディスク装置11が記録用ディスクとして選択されたときに、当該記録用ディスクとして選択されたディスク装置11に対してキャッシュしているデータを記録することとしてもよい。
記録用ディスク選択部33は、現在記録用ディスクとして選択されているディスク装置11がなければ、後に説明する記録準備ディスク選択部35によって次の記録用ディスク(記録準備ディスク)として選択されたディスク装置11を、記録用ディスクとして選択する。また、この記録用ディスク選択部33は、現在記録用ディスクとして選択されているディスク装置11があれば、当該ディスク装置11が所定の状態となったか否かを繰り返し調べる。ここで所定の状態は例えば当該ディスク装置11の残り記録容量(残量)が予め定めたしきい値を下回った状態などとして予め定めておく。記録用ディスク選択部33は、上記所定の状態となったディスク装置11があれば、当該所定の状態となったディスク装置11の記録用ディスクとしての選択を取りやめて、当該所定の状態となったディスク装置11を特定する情報と通電停止の指示とを通電制御部34に出力する。そして記録用ディスク選択部33は、記録準備ディスク選択部35によって次の記録用ディスク(記録準備ディスク)として選択されたディスク装置11を、記録用ディスクとして選択する。
通電制御部34は、起動の直後、記録用ディスク選択部33が記録用ディスクを選択した後に、当該記録用ディスクとして選択されたディスク装置11以外のディスク装置11が保護モードにあるものとして、当該保護モードにあるとしたディスク装置11に対して、通電を停止するよう、電源部14に指示する。またこの通電制御部34は、記録用ディスク選択部33からディスク装置11を特定する情報と通電停止の指示との入力を受けると、当該ディスク装置11が保護モードに設定されたものとして、当該保護モードに設定されたディスク装置11に対しての通電を停止するよう、電源部14に指示する。またこの通電制御部34は、記録準備ディスク選択部35が記録準備ディスク候補として選択したディスク装置11を、保護モードが解除されたディスク装置11であるとして、当該記録準備ディスク候補として選択されたディスク装置11に対して通電を開始するよう、電源部14に指示する。
なお、通電制御部34は、記録準備ディスク候補として選択されたディスク装置11に対する記録準備処理が終了したときには、そのときに当該記録準備ディスク候補として選択されたディスク装置11への通電を停止するよう電源部14に指示してもよい。また、この通電制御部34は、記録準備ディスク候補として選択されたディスク装置11に対する記録準備処理が終了したときに、異常が生じたとの判断がされず、次の、新たな記録用ディスク(記録準備ディスク)として選択されたときには、当該記録準備ディスク候補として選択されたディスク装置11への通電を継続するべく、電源部14への通電停止の指示を行わないよう制御してもよい。
記録準備ディスク選択部35は、現在記録用ディスクとして選択されていないディスク装置11のうちから、次に記録用ディスクとする記録準備ディスクの候補(記録準備ディスク候補)を選択する。そして記録準備ディスク選択部35は、記録準備処理部36に対して当該選択した記録準備ディスク候補を特定する情報を出力する。記録準備ディスク選択部35は、記録準備処理部36から記録準備の処理において、記録準備ディスク候補となったディスク装置11に異常が生じたと判断されたか否かを表す情報を受け入れ、異常が生じたとの判断がされていなければ、記録準備ディスク候補となったディスク装置11を次の、新たな記録用ディスク(記録準備ディスク)として選択する。この選択の結果は、記録用ディスク選択部33に出力される。
また、記録準備ディスク選択部35は、記録準備の処理において記録準備ディスク候補となったディスク装置11に異常が生じたと判断されたとの情報を記録準備処理部36から受け入れたときには、記録準備ディスク候補として選択したディスク装置11を「異常発生ディスク」として記録する。具体的にはディスク装置11を特定する情報に、異常が発生していることを表す情報を関連付けて記録する。そして記録準備ディスク選択部35は、現在記録用ディスクとして選択されていないディスク装置11であって、異常発生ディスクとして記録されていないディスク装置11のうちから、記録準備ディスク候補)を選択し、記録準備処理部36に対して当該選択した記録準備ディスク候補を特定する情報を出力する処理から繰り返し処理を行う。
記録準備処理部36は、記録準備ディスク選択部35から記録準備ディスク候補を特定する情報の入力を受け入れる。そして記録準備処理部36は、当該入力された情報で特定されるディスク装置11に対して記録準備処理を実行する。この記録準備処理は例えばフォーマットの処理やエラーチェック(不良セクタの有無や、いわゆるS.M.A.R.T.(Self-Monitoring, Analysis and Reporting Technology)の情報のチェック等)などを含んでよい。
ここで記録準備処理を開始するタイミングは、記録用ディスクとして選択されているディスク装置11の記憶容量の残量が予め定めたしきい値を下回ったタイミングとすればよい。このしきい値は、予め定数として定められていてもよい。あるいはこのしきい値は、記録準備処理の対象となるディスク装置11の最大記憶容量や、シーク速度(または記録準備処理の対象と成り得るディスク装置11のうち、最大記憶容量が最も大きいディスク装置11の最大記憶容量や、記録準備処理の対象と成り得るディスク装置11のうち、シーク速度が最も遅いディスク装置11のシーク速度)等、対象となるディスク装置11の記録準備処理に要する時間(あるいは要し得る時間)に基づいて定めてもよい。一例としては、対象となるディスク装置11の記録準備処理に要する時間(あるいは要し得る時間)のα倍(α≧1なる定数であり、一般にαは2より大としておく)の時間分だけ、記録の対象となるデータを記録可能な記憶容量の残量に相当する値としてもよい。
記録準備処理部36は、フォーマットの途中でエラーが生じた場合や、エラーチェックの結果に異常があると判断される場合に、記録準備ディスク候補となったディスク装置11に異常が生じたと判断して、当該判断の結果を記録準備ディスク選択部35に出力する。また記録準備処理部36は、記録準備ディスク候補となったディスク装置11に異常が生じたと判断しない場合は、その旨の判断結果を記録準備ディスク選択部35に出力する。
[基本動作]
本実施の形態は以上の構成を備えており、次の例のように動作する。なお、以下の例では、ディスク装置11はディスク装置11a,11b,11c,11dの4台あり、それぞれは接続されているコネクタ(ベイ)がどれであるかによって、記録制御部12から識別されるものとする。すなわちこの例では記録制御部12は、ディスク装置11が接続されているベイの識別情報を、ディスク装置11を特定する情報として利用する。以下の説明では、ディスク装置11a,11b,11c,11dの4台それぞれを特定する情報が、A,B,C,Dであるとする。また、以下の例では、記録用ディスクとして選択されるディスク装置11は、1台とする。
もっとも本実施の形態はこれに限られず、各ディスク装置11は、それぞれに固有に設定されている固有識別情報(UUID:Universally Unique Identifier)等を用いて記録制御部12から識別されてもよい。さらに記録制御部12は、固有識別情報や、ベイの識別情報に関連付けて固有の識別情報を発行して、当該発行した固有の識別情報を用いて、各ディスク装置11を識別してもよい。
また本実施の形態において記録制御部12は、ディスク装置11に対する通電が開始された時点で、最大記憶容量や、固有識別情報を改めて取得することとしてもよい。記録制御部12の再起動を要することなく、通電停止されていたディスク装置11の入れ替えを行うことを可能とするためである。
本実施の形態では、ストレージ装置10の起動時(最初の電源投入時等)では、予め定められたディスク装置11(例えばディスク装置11a)について、カメラシステム20からデータを受信する前に記録準備処理を行っておく。
また本実施の形態の一例では、ストレージ装置10は、各ディスク装置11を特定する情報に対して、対応するディスク装置11の状態を表す情報(記録用ディスクとして選択されている、記録準備ディスク候補となっている、記録準備ディスクとして選択されている、保護対象ディスクとなっている、未使用である、といった別を表す情報)を、図3に例示するように関連付けて記憶しておく。
記録準備処理が完了すると、カメラシステム20からデータの受信を開始し、図4(a)に例示するように、ディスク装置11a(A)を記録用ディスクとして選択して、ディスク装置11aに対して受信したデータを記録する。図面では記録用ディスクとして選択されていることを「R」、記録準備ディスク候補として記録準備処理を行っている状態、または記録準備ディスクとなっていることを「P」、通電が停止され、保護対象ディスクとなっていることを「S」として示している。また図面において、状態が未使用であるか、または保護対象ディスクの状態であることを「(U)」として示している。
この、ディスク装置11aに対して受信したデータを記録している間、他のディスク装置11b,c,d(B,C,D)は、いずれも未使用であるか、または保護対象ディスクの状態(U)にある(図4(a)のT40からT41)。
その後、ディスク装置11aの記憶容量の残量が予め定めたしきい値を下回ると(図4(a)のT41)、ストレージ装置10は、未使用であるか、または保護対象ディスクの状態にあるディスク装置11のいずれかを、記録準備ディスク候補として記録準備処理を行う。ここでは例えば、ストレージ装置10がディスク装置11bを記録準備ディスク候補として選択し、記録準備処理を行うものとする。そして記録準備処理が異常を見いだすことなく完了すると、ストレージ装置10は、このディスク装置11bを記録準備ディスクとして選択しておく。その後、ディスク装置11aの記憶容量の残量がなくなるタイミング(図4(a)のT42)で、ストレージ装置10は、記録準備ディスクとなっているディスク装置11bを記録用ディスクとして選択し、それまでに記録用ディスクとなっていたディスク装置11aを保護対象ディスクとして、新たに記録用ディスクとして選択されたディスク装置11bへの書き込みが開始されるタイミングで、ディスク装置11aへの通電を停止する。
以下、ディスク装置11bの記憶容量の残量が予め定めたしきい値を下回ると、ストレージ装置10は、未使用であるか、または保護対象ディスクの状態にあるディスク装置11のいずれかを、記録準備ディスク候補として記録準備処理を行う。ここでは例えば、ストレージ装置10がディスク装置11cを記録準備ディスク候補として選択し、記録準備処理を行うものとする。そして記録準備処理が異常を見いだすことなく完了すると、ストレージ装置10は、このディスク装置11cを記録準備ディスクとして選択しておく。その後、ディスク装置11bの記憶容量の残量がなくなるタイミングで、ストレージ装置10は、記録準備ディスクとなっているディスク装置11cを記録用ディスクとして選択し、それまでに記録用ディスクとなっているディスク装置11bを、保護対象ディスクとして、新たに記録用ディスクとして選択されたディスク装置11cへの書き込みが開始されるタイミングで、ディスク装置11bへの通電を停止する…というように、順次、ディスク装置11を記録用ディスクとして選択しつつ、データの記録を行う。
なお、本実施の形態においてストレージ装置10が記録準備ディスク候補を選択する条件は、例えば未使用のディスク装置11が少なくとも一つあれば、未使用のディスク装置11のうちから任意に(例えばベイについて予め定められた順、あるいはランダムに)選択するものとすればよい。また、未使用のディスク装置11がなければ、ストレージ装置10は過去に最も長く保護対象ディスクとして通電が停止されているディスク装置11を、記録準備ディスク候補として選択するようにすればよい(この目的のため、ストレージ装置10は、保護対象ディスクとした各ディスク装置11については保護対象ディスクとした時点を表す情報(図示しないカレンダーICやネットワークを介してNTPサーバ等から日時の情報は取得できる)を、それぞれを特定する情報に関連付けて記憶しておく)。
また、ここでの例において、図4(b)に例示するように、ディスク装置11aの記憶容量の残量が予め定めたしきい値を下回り、ストレージ装置10がディスク装置11bを記録準備ディスク候補として選択して記録準備処理を行っている過程(T43)で、ディスク装置11bに異常が見いだされると、ストレージ装置10は、当該異常を見いだしたディスク装置11bを異常なディスクとして記録する(図4(b)では(Q)として示す)。そしてストレージ装置10は、未使用であるか、または保護対象ディスクの状態にあるディスク装置11であって、異常なディスクとして記録されていないディスク装置11(ディスク装置11c,d)のいずれかを記録準備ディスク候補として選択する。図4(b)の例では、ディスク装置11cが記録準備ディスク候補として選択されたものとしている。
そしてこのディスク装置11cについての記録準備処理が異常を見いだすことなく完了すると、ストレージ装置10は、このディスク装置11cを記録準備ディスクとして選択する。その後、ディスク装置11aの記憶容量の残量がなくなるタイミングで、ストレージ装置10は、記録準備ディスクとなっているディスク装置11cを記録用ディスクとして選択し、それまでに記録用ディスクとなっているディスク装置11aを、保護対象ディスクとして、新たに記録用ディスクとして選択されたディスク装置11cへの書き込みが開始されるタイミングで、ディスク装置11aへの通電を停止する。
[未使用状態における通電の有無]
ここで、未使用の状態にあるディスク装置11については通電をしておいても、通電を停止しておいても、どちらの状態としても構わない。通電をしておけば、記録準備ディスク候補となってから記録準備処理を開始するまでの時間を短縮できる。従って、未使用の状態にあるディスク装置11については通電をしておき、未使用の状態にあるディスク装置11があるとき(X)と、未使用の状態にあるディスク装置11がなく、保護対象ディスクの状態にあるディスク装置11から記録準備ディスク候補を選択しなければならないとき(Y)とで、記録準備ディスク候補を選択するタイミングを異ならせてもよい。例えば上記Xの場合に、記録用ディスクとして選択されたディスク装置11の記憶容量の残量がしきい値TH1を下回ったときに記録準備ディスク候補を選択するものとし、上記Yの場合には、記録用ディスクとして選択されたディスク装置11の記憶容量の残量がしきい値TH2(TH1<TH2)を下回ったときに記録準備ディスク候補を選択するものとする。
[異常と判断されたディスク装置]
また本実施の形態において、異常が生じていると判断されたディスク装置11については、ストレージ装置10は、当該ディスク装置11が取り外されるまで、当該ディスク装置11を特定する情報に異常なディスクであることを表す情報を関連付けて記憶しておく。ストレージ装置10は、ディスク装置11が取り外されると、当該取り外されたディスク装置11を特定する情報に関連付けられた情報をクリア(削除)する。
なお、ディスク装置11がベイに取り付けられると、ストレージ装置10は、当該ディスク装置11を未使用のものとして当該ディスク装置11を特定する情報に対して「未使用」であることを表す情報を関連付けて記憶しておく。
[記憶容量残量のしきい値により記録準備を開始する例]
なお、この実施の形態において、記録用ディスクとして選択されているディスク装置11の記憶容量の残量がしきい値を下回ったときに、次の記録用ディスクとなるディスク装置11を選択することとしているが、この記憶容量の残量は絶対値(残量がXバイトなどとするなど)で定めてもよいし、記憶可能容量に対する割合で定めてもよい。一例として、記憶可能容量の1/2として設定してもよい。ここで記憶可能容量は必ずしも記録用ディスクとして選択されているディスク装置11の最大記憶容量ではなく、ディスク装置11において、カメラシステム20から受信したデータを記憶する領域として定められた領域の容量であってもよい。
[冗長記録をする例]
また、ここまでの例では、記録用ディスクとして選択されるディスク装置11は一台であるものとしたが、冗長的に二台以上のディスク装置11を記録用ディスクとして選択してもよい。
例えば、常に二台のディスク装置11を記録用ディスクとして選択する例について図5を参照しつつ説明する。この例では、5台以上のディスク装置11a,11b,…(それぞれを特定する情報は図4に倣ってA,B…とする)を備えるものとし、当初はディスク装置11a,11bについて記録準備処理を完了しておく。
ストレージ装置10は、カメラシステム20からデータの受信を開始し、図5(a)に例示するように、ディスク装置11a,11b(A,B)の二台を記録用ディスクとして選択して、ディスク装置11aとディスク装置11bとに受信したデータを冗長的に記録(双方に同じデータを記録)する。
この、ディスク装置11a,11bに対して受信したデータを記録している間、他のディスク装置11c,d(C,D)…は、いずれも未使用であるか、または保護対象ディスクの状態(U)にある(図5(a)のT50からT51)。
その後、記録用ディスクへの記録が終了するタイミングから所定の期間だけ前の時点(図5(a)のT51)、例えばディスク装置11aまたはディスク装置11bの記憶容量の残量が予め定めたしきい値を下回った時点で、ストレージ装置10は、未使用であるか、または保護対象ディスクの状態にあるディスク装置11のうちいずれか二台を、記録準備ディスク候補としてそれぞれに対して記録準備処理を行う。ここでは例えば、ストレージ装置10がディスク装置11c,11dを記録準備ディスク候補として選択し、記録準備処理を行うものとする。そして記録準備処理が異常を見いだすことなく完了すると、ストレージ装置10は、これらのディスク装置11c,11dを記録準備ディスクとして選択しておく。
その後、記録用ディスクへの記録が終了するタイミング(図5(a)のT52)、つまり、ディスク装置11aまたはディスク装置11bの記憶容量の残量がなくなるタイミングで、ストレージ装置10は、記録準備ディスクとなっているディスク装置11c,11dの二台を記録用ディスクとして選択し、それまでに記録用ディスクとなっているディスク装置11a,11bの記録用ディスクとしての選択を取りやめて、これらを保護対象ディスクとし、新たに記録用ディスクとして選択されたディスク装置11c,11dへの書き込みが開始されるタイミングで、ディスク装置11a,11bへの通電を停止する。
以下同様に、記録用ディスクへの記録が終了するタイミングから所定の期間だけ前の時点、つまりディスク装置11cまたはディスク装置11dの記憶容量の残量が予め定めたしきい値を下回った時点で、ストレージ装置10は、未使用であるか、または保護対象ディスクの状態にあるディスク装置11のいずれか二台(例えばディスク装置11e,11f)を、記録準備ディスク候補として記録準備処理を行う。
そして記録準備処理が異常を見いだすことなく完了すれば、ストレージ装置10は、これらディスク装置11e,11fを記録準備ディスクとして選択しておく。その後、記録用ディスクへの記録が終了するタイミング、つまりディスク装置11cまたはディスク装置11dの記憶容量の残量がなくなるタイミングで、ストレージ装置10は、記録準備ディスクとなっているディスク装置11e,11fの二台を記録用ディスクとして選択し、それまでに記録用ディスクとなっているディスク装置11c,11dを、保護対象ディスクとして、新たに記録用ディスクとして選択されたディスク装置11e,11fへの書き込みが開始されるタイミングで、ディスク装置11c,11dへの通電を停止する…というように、順次、二台のディスク装置11を記録用ディスクとして選択しつつ、データの記録を行う。
また、ここでの例において図5(b)に例示するように、ディスク装置11aまたはディスク装置11bの記憶容量の残量が予め定めたしきい値を下回り、ストレージ装置10がディスク装置11c,11dを記録準備ディスク候補として選択して記録準備処理を行っている過程(T53)で、ディスク装置11cには異常が見いだされないが、ディスク装置11dに異常が見いだされると、ストレージ装置10は、当該異常を見いだしたディスク装置11dを異常なディスクとして記録する(図5(b)では(Q)として示す)。そしてストレージ装置10は、未使用であるか、または保護対象ディスクの状態にあるディスク装置11であって、異常なディスクとして記録されていないディスク装置11(ディスク装置11e,f…)のいずれかから、異常を見いだしたディスク装置の数だけのディスク装置11を記録準備ディスク候補として選択する。図5(b)の例では、ディスク装置11dの一台が異常を見いだしたディスク装置となっているので、残りのディスク装置11から一台のディスク装置、例えばディスク装置11eを記録準備ディスク候補として選択する。
そしてこのディスク装置11eについての記録準備処理が異常を見いだすことなく完了すると、ストレージ装置10は、このディスク装置11eも記録準備ディスクとして選択する。その後、ディスク装置11aまたはディスク装置11bの記憶容量の残量がなくなるタイミングで、ストレージ装置10は、記録準備ディスクとなっているディスク装置11c,11eを記録用ディスクとして選択し、それまでに記録用ディスクとなっているディスク装置11a,11bを、保護対象ディスクとして、新たに記録用ディスクとして選択されたディスク装置11c,11eへの書き込みが開始されるタイミングで、ディスク装置11a,11bへの通電を停止する。
なお、ここでも記録用ディスクとして選択されているディスク装置11の記憶容量の残量がしきい値を下回ったときに、次の記録用ディスクとなるディスク装置11を選択することとしているが、この記憶容量の残量は絶対値(残量がXバイトなどとするなど)で定めてもよいし、記憶可能容量に対する割合で定めてもよい。一例として、記憶可能容量の1/2と設定してもよい。ここで記憶可能容量は必ずしも記録用ディスクとして選択されているディスク装置11の最大記憶容量ではなく、ディスク装置11において、カメラシステム20から受信したデータを記憶する領域として定められた領域の容量であってもよい。
[切り替え時に冗長化する例]
また、冗長化を行う上記の例では、冗長化を常時行うこととしていたが、本実施の形態は、この例だけに限られない。例えばストレージ装置10は、記録制御部12の動作として、記録用ディスクとして選択しているディスク装置11への記録が終了するタイミングから所定の期間だけ前の時点から、記録準備の処理を行ったディスク装置11を、冗長記録用ディスクとして選択し、当該冗長記録用ディスクと、記録用ディスクとを記録モードディスクとして、当該記録モードディスクとなった冗長記録用ディスクと、記録用ディスクとに、カメラシステムから受信したデータを記録することとしてもよい。この場合、記録制御部12は、記録用ディスクと冗長記録用ディスクとのいずれにも選択されていないディスク装置(記録モードディスクとして選択されていないディスク装置)への通電を停止する。
また記録制御部12は、記録用ディスクとして選択されているディスク装置11への記録が終了すると、当該記録用ディスクとして選択されているディスク装置11の記録用ディスクとしての選択を取りやめて、冗長記録用ディスクを新たに記録用ディスクとして選択する。この例では、記録用ディスクとしてのモードのほかに、冗長記録用ディスクのモードを設けていることが特徴的なことの一つである。
すなわちこの例においては、複数のディスク装置11a,11b,…(それぞれを特定する情報は図4に倣ってA,B…とする)を備えるものとし、当初はディスク装置11aについて記録準備処理を完了しておく。そして図6(a)に例示するようにストレージ装置10が、カメラシステム20からデータの受信を開始すると、ディスク装置11a(A)を記録用ディスクとして選択して、ディスク装置11aに受信したデータを記録する。
この、ディスク装置11aに対して受信したデータを記録している間、他のディスク装置11b,11c,11d(B,C,D)…は、いずれも未使用であるか、または保護対象ディスクの状態(U)にある(図6(a)のT60からT61)。
その後、記録用ディスクへの記録が終了するタイミングから所定の期間だけ前の時点(図6(a)のT61)、例えばディスク装置11aの記憶容量の残量が予め定めたしきい値を下回った時点で、ストレージ装置10は、未使用であるか、または保護対象ディスクの状態にあるディスク装置11のうちいずれかを、記録準備ディスク候補としてそれぞれに対して記録準備処理を行う。ここでは例えば、ストレージ装置10がディスク装置11bを記録準備ディスク候補として選択し、記録準備処理を行うものとする。そして記録準備処理が異常を見いだすことなく完了すると、ストレージ装置10は、このディスク装置11bを冗長記録用ディスクとして選択する(図6(a)のT62)。
そしてストレージ装置10は、この時点より、カメラシステム20から受信したデータを、記録用ディスクとして選択されているディスク装置11a(A)と、冗長記録用ディスクとして選択したディスク装置11b(B)とに冗長的に記録する(図6(a)のT62からT63)。つまり、ディスク装置11a,11bにはこの期間から同じデータが重複して記録される。この冗長用ディスクとして選択されたディスク装置11へ記録している状態は記録用ディスクとして選択した場合と変わらないので、図では「R」として示している。
その後、記録用ディスクへの記録が終了するタイミング(図6(a)のT63)、つまり、ディスク装置11aの記憶容量の残量がなくなるタイミングで、ストレージ装置10は、それまでに記録用ディスクとなっているディスク装置11aの記録用ディスクとしての選択を取りやめて、これを保護対象ディスクとする。そしてストレージ装置10は、ディスク装置11aへの通電を停止するとともに、冗長記録用ディスクとして選択しているディスク装置11bを、記録用ディスクに設定し直す。この間も、ディスク装置11bにはデータの記録が継続される。
以下同様に、記録用ディスクへの記録が終了するタイミングから所定の期間だけ前の時点、つまりディスク装置11bの記憶容量の残量が予め定めたしきい値を下回った時点で、ストレージ装置10は、未使用であるか、または保護対象ディスクの状態にあるディスク装置11のいずれか(例えばディスク装置11c)を、記録準備ディスク候補として記録準備処理を行う。
そして記録準備処理が異常を見いだすことなく完了すれば、ストレージ装置10は、このディスク装置11cを冗長記録用ディスクとして選択し、この時点より、カメラシステム20から受信したデータを、記録用ディスクとして選択されているディスク装置11b(B)と、冗長記録用ディスクとして選択したディスク装置11c(C)とに冗長的に記録する。
その後、記録用ディスクへの記録が終了するタイミング、つまりディスク装置11cの記憶容量の残量がなくなるタイミングで、ストレージ装置10は、それまでに記録用ディスクとなっているディスク装置11bの記録用ディスクとしての選択を取りやめて、これを保護対象ディスクとする。そしてストレージ装置10は、ディスク装置11bへの通電を停止するとともに、冗長記録用ディスクとして選択しているディスク装置11cを、記録用ディスクに設定し直す。この間も、ディスク装置11cにはデータの記録が継続する…というように、順次、ディスク装置11を冗長記録用ディスクとして選択し、その後記録用ディスクに切り替えるという動作を繰り返して、データの記録を行う。
このように、重複期間を設けてディスク装置11への記録を開始することで、記録用ディスクの交代に伴って記録不能期間が長くなる(その間キャッシュが行われるのであるが、記録用ディスクの交代に時間がかかると、キャッシュがあふれてしまう)ことを防止でき、記録に欠損が生じる機会を低減できる。また、時間をずらしつつ冗長的に記録しているので、上述のように、ディスク11aからディスク11b,ディスク11c…と順次記録している場合に、例えばディスク11aとディスク11bとに重複して記録している期間内のある時点Tsから、ディスク11bとディスク11cとに重複して記録している期間内のある時点Teまでの内容を再生したい場合にも、ディスク11a,11cを起動せずとも、ディスク11bのもを起動するだけで、上記時点Tsから時点Teまでの内容を再生できる。
さらに、広く利用されているカメラシステムでは、記録のためのストレージ装置10において記録不能のエラーが発生すると、当該エラーを検出し、カメラシステム自体がエラーを発報する。この場合、カメラシステム20を管理するスタッフがエラーの確認や解除を行う必要があり、一般に面倒なこととなる。本実施の形態のここでの例では、記録用ディスクの交代に時間がかからないので(単に冗長記録用としているディスク装置11を、記録用ディスクとして選択し直すだけであるので)、記録用ディスクの交代に時間がかかってキャッシュがあふれてしまいエラーとなる事態は防止される。
また、ここでの例において図6(b)に例示するように、ディスク装置11aの記憶容量の残量が予め定めたしきい値を下回り、ストレージ装置10がディスク装置11bを記録準備ディスク候補として選択して記録準備処理を行っている過程(T64)で、ディスク装置11bに異常が見いだされると、ストレージ装置10は、当該異常を見いだしたディスク装置11bを異常なディスクとして記録する。そしてストレージ装置10は、未使用であるか、または保護対象ディスクの状態にあるディスク装置11であって、異常なディスクとして記録されていないディスク装置11(ディスク装置11c,11d…)のいずれかから、記録準備ディスク候補を選択する。図6(b)の例では、ディスク装置11dを記録準備ディスク候補として選択することとしている。
そしてこのディスク装置11dについての記録準備処理が異常を見いだすことなく完了すると、ストレージ装置10は、このディスク装置11dを冗長記録用ディスクとして選択し、その後、ディスク装置11aの記憶容量の残量がなくなるタイミングまで、カメラシステム20から受信したデータを、記録用ディスクとして選択されているディスク装置11a(A)と、冗長記録用ディスクとして選択したディスク装置11c(C)とに冗長的に記録する。
なお、ここでも記録用ディスクとして選択されているディスク装置11の記憶容量の残量がしきい値を下回ったときに、次の記録用ディスクとなるディスク装置11を選択することとしているが、この記憶容量の残量は絶対値(残量がXバイトなどとするなど)で定めてもよいし、記憶可能容量に対する割合で定めてもよい。一例として、記憶可能容量の1/2と設定してもよい。ここで記憶可能容量は必ずしも記録用ディスクとして選択されているディスク装置11の最大記憶容量ではなく、ディスク装置11において、カメラシステム20から受信したデータを記憶する領域として定められた領域の容量であってもよい。
[異常の発生したディスク装置が存在する場合の他の処理例]
また、これらの冗長的な記録を行う例において異常が発生しているディスク装置11が存在するときには、冗長的な記録を行うディスク装置11の組み合わせを次のようにしてもよい。
一例として常に二台のディスク装置11を記録用ディスクとして選択する場合に、ストレージ装置10が4台のディスク装置11a,11b,11c,11d(それぞれを特定する情報は図4に倣ってA,B…とする)を備える場合に、ディスク装置11dに異常が発生していると判断しているときの動作について次に説明する。
ストレージ装置10は、当初はディスク装置11a,11bを記録用ディスクとして、カメラシステム20からデータの受信を開始した後、図7に例示するように、ディスク装置11aとディスク装置11bとに受信したデータを冗長的に記録(双方に同じデータを記録)する。
この、ディスク装置11a,11bに対して受信したデータを記録している間、他のディスク装置11c(C)は、未使用であるか、または保護対象ディスクの状態にある(U)。またディスク装置11dは異常が発生していることを表す状態にある(Q)。
その後、記録用ディスクへの記録が終了するタイミングから所定の期間だけ前の時点、例えばディスク装置11aまたはディスク装置11bの記憶容量の残量が予め定めたしきい値を下回った時点で、ストレージ装置10は、未使用であるか、または保護対象ディスクの状態にあるディスク装置11のうちいずれか二台を、記録準備ディスク候補としてそれぞれに対して記録準備処理を行うが、未使用であるか、または保護対象ディスクの状態にあるディスク装置11がディスク装置11cのみであるので、このディスク装置11cを記録準備ディスク候補として選択し、記録準備処理を行うものとする。そして記録準備処理が異常を見いだすことなく完了すると、ストレージ装置10は、このディスク装置11cを記録準備ディスクとして選択しておく。
その後、記録用ディスクへの記録が終了するタイミング、つまり、ディスク装置11aまたはディスク装置11bの記憶容量の残量がなくなるタイミングで、ストレージ装置10は、記録準備ディスクとなっているディスク装置11cを記録用ディスクとして選択するとともに、それまでに記録用ディスクとなっているディスク装置11のうち一台(例えばディスク装置11b)を、改めて記録用ディスクとして選択する。この場合、ディスク装置11bについては先に記録したデータに上書きして新たなデータを記録することとする。
そしてストレージ装置10は、ここで記録用ディスクとなっているディスク装置11a,11bのうち、改めて記録用ディスクとして選択していないディスク装置11(ここでの例ではディスク装置11a)の記録用ディスクとしての選択を取りやめて、保護対象ディスクとし、当該ディスク装置11aへの通電を停止する。
以下同様に、記録用ディスクへの記録が終了するタイミングから所定の期間だけ前の時点、つまりディスク装置11bまたはディスク装置11cの記憶容量の残量が予め定めたしきい値を下回った時点で、ストレージ装置10は、未使用であるか、または保護対象ディスクの状態にあるディスク装置11のいずれか二台を、記録準備ディスク候補として選択しようとするが、ここでも当該ディスク装置11は、ディスク装置11aのみであるので、このディスク装置11aを記録準備ディスク候補として選択し、記録準備処理を行うものとする。そして記録準備処理が異常を見いだすことなく完了すると、ストレージ装置10は、このディスク装置11aを記録準備ディスクとして選択しておく。
そして記録準備処理が異常を見いだすことなく完了すれば、ストレージ装置10は、このディスク装置11aを記録準備ディスクとして選択しておく。その後、記録用ディスクへの記録が終了するタイミング、つまり、ディスク装置11bまたはディスク装置11cの記憶容量の残量がなくなるタイミングで、ストレージ装置10は、記録準備ディスクとなっているディスク装置11aを記録用ディスクとして選択するとともに、それまでに記録用ディスクとなっているディスク装置11のうち一台(例えば通電時間がもっとも短いディスク装置11c)を、改めて記録用ディスクとして選択する。この場合、当該ディスク装置11cについては先に記録したデータに上書きして新たなデータを記録することとする。
そしてストレージ装置10は、ここで記録用ディスクとなっているディスク装置11b,11cのうち、改めて記録用ディスクとして選択していないディスク装置11(ここでの例ではディスク装置11b)の記録用ディスクとしての選択を取りやめて、保護対象ディスクとし、当該ディスク装置11bへの通電を停止する。
[冗長的記録専用のディスク装置を設定する例]
また、ここまでは冗長的な記録を行うディスク装置11の組み合わせは、記録用ディスクを切り替えるごとに変更していたが、本実施の形態はこれに限られず、冗長記録用ディスクを一つに決めておいてもよい。例えば、ストレージ装置10が4台のディスク装置11a,11b,11c,11d(それぞれを特定する情報は図4に倣ってA,B…とする)を備える場合に、ディスク装置11dを常時、冗長記録用ディスクとして設定しておいてもよい。
この場合、ストレージ装置10は、当初はディスク装置11aを記録用ディスクとして、カメラシステム20からデータの受信を開始した後、ディスク装置11a(A)と、冗長記録用ディスクとして設定されているディスク装置11d(D)とに受信したデータを冗長的に記録(双方に同じデータを記録)する。
この、ディスク装置11aに対して受信したデータを記録している間、他のディスク装置11b,11c(B,C)は、未使用であるか、または保護対象ディスクの状態にある(U)。
その後、記録用ディスクへの記録が終了するタイミングから所定の期間だけ前の時点、例えばディスク装置11aの記憶容量の残量が予め定めたしきい値を下回った時点で、ストレージ装置10は、未使用であるか、または保護対象ディスクの状態にあるディスク装置11のうちいずれかを、記録準備ディスク候補として記録準備処理を行う。ここではディスク装置11bを記録準備ディスク候補として選択し、記録準備処理を行うものとする。そして記録準備処理が異常を見いだすことなく完了すると、ストレージ装置10は、このディスク装置11bを記録準備ディスクとして選択しておく。
その後、記録用ディスクへの記録が終了するタイミング、つまり、ディスク装置11aの記憶容量の残量がなくなるタイミングで、ストレージ装置10は、記録準備ディスクとなっているディスク装置11bを記録用ディスクとして選択する。またそれまでに記録用ディスクとなっているディスク装置11aの記録用ディスクとしての選択を取りやめて、保護対象ディスクとし、新たに記録用ディスクとして選択されたディスク装置11bへの書き込みが開始されるタイミングで、当該ディスク装置11aへの通電を停止する。
なお、ディスク装置11dに対しては、記憶容量の残量がなくなると、記憶領域の先頭から順に(最も古いデータに対して)上書きしながらデータを書き込んでいく。
以下、ディスク装置11bの記憶容量の残量がなくなるとディスク装置11c,11dにより冗長的なデータの記録を行う…というように、ディスク装置11dは常時データの記録を行いつつ、冗長的な記録動作を行うこととなる。
この例では、ディスク装置11dの使用時間が他のディスク装置11よりも著しく大きくなるので、一般的にはディスク装置11dが、他のディスク装置11よりも先に寿命となる。また、このようなディスク装置11dについて、耐故障性能の高いディスク装置としておくこととしてもよい。
[タイミングをずらした冗長記録]
また上述の例では、常時冗長的な記録を行う場合に、記録用ディスクとして選択された複数台のディスク装置11が同時期にデータの記録を開始し、同時期にデータの記録を終了するようにしていたが、本実施の形態はこれに限られない。すなわち、冗長的な記録を行う記録用ディスクの記録開始時点を異ならせてもよい。
一例として、最大n台のディスク装置11で1台目のディスク装置11から2台目,3台目…と順にデータの記録を行う場合に、i台目(i=1,2…,i≦n)のディスクのデータの記録開始タイミングを次のように定めてもよい。すなわち、1から(i−1)台目のディスク装置11の記憶容量の残量のうち、最も小さい残量であるディスク装置について、当該残量が当該ディスク装置11の記憶可能容量の1/nを下回ったときにデータの記録を開始するようにしてもよい。
また、全体でN台あるディスク装置11を用いてデータの記録を行う場合に、最大でn(n<N)台のディスク装置11でのデータの記録を行っているときには、ストレージ装置10は、当該n台の各ディスク装置11の記憶容量の残量のうち、予め定めたしきい値(決まった値としてもよいし、記憶可能容量に対する割合で定めてもよい)を下回っている台数mを所定のタイミングごとに繰り返し調べ、この台数が「0」でなければ、当該m台に対応する台数の記録準備ディスクの選択のための処理を行い、当該n台のディスク装置11のいずれかの記憶容量の残量がなくなったときに記録準備ディスクのうちから記録用ディスクの選択を行うこととしてもよい。
具体的な動作例として、ストレージ装置10がN=4台のディスク装置11a,11b,11c,11d(それぞれを特定する情報は図4に倣ってA,B…とする)を備える場合に、最大n=2台のディスク装置11を記録用ディスクとして選択するときには、ストレージ装置10は次のように動作する。
すなわち、ストレージ装置10は、当初はディスク装置11aについて記録準備処理を完了しておく。そしてストレージ装置10は、カメラシステム20からデータの受信を開始し、図8に例示するように、ディスク装置11aを記録用ディスクとして選択して、ディスク装置11aに受信したデータを記録する。
この、ディスク装置11aに対して受信したデータを記録している間、他のディスク装置11b,11c,11d(B,C,D)…は、いずれも未使用であるか、または保護対象ディスクの状態(U)にある(図8のT80)。
その後、記録用ディスクであるディスク装置11aの記憶容量の残量が、ディスク装置11aの記憶可能容量の1/γ(γは、γ>1なる数、ここでは例えばγ=2と定めるものとする)となる以前の時点(例えばディスク装置11aの記憶容量の残量が、ディスク装置11aの記憶可能容量の2/3となった時点など、図8のT81)にて、ストレージ装置10は、未使用であるか、または保護対象ディスクの状態にあるディスク装置11のうちいずれかを、記録準備ディスク候補として記録準備処理を行う。ここでは例えば、ストレージ装置10がディスク装置11bを記録準備ディスク候補として選択し、記録準備処理を行うものとする。そして記録準備処理が異常を見いだすことなく完了すると、ストレージ装置10は、このディスク装置11bを記録準備ディスクとして選択しておく。
その後、記録用ディスクであるディスク装置11aの記憶容量の残量が、ディスク装置11aの記憶可能容量の1/2(γ=2とした場合)を下回ったタイミングで、ストレージ装置10は、記録準備ディスクとなっているディスク装置11bを記録用ディスクとして選択する(図8のT82)。この時点から、ディスク装置11a,11bがいずれも記録用ディスクとして選択され、データがこれらに冗長的に記録されることとなる。
さらにその後、ディスク装置11aまたはディスク装置11bのいずれかについて、ディスク装置11の記憶容量の残量が、予め定めたしきい値を下回るようになると、ストレージ装置10は、未使用であるか、または保護対象ディスクの状態にあるディスク装置11c,11dのうちから、しきい値を下回った台数のディスク装置11を記録準備ディスク候補として選択して記録準備処理を行う。例えば、ディスク装置11aについて記憶容量の残量が、予め定めたしきい値を下回ったときには、ストレージ装置10はディスク装置11cを記録準備ディスク候補として選択し、記録準備処理を行うものとする。そして記録準備処理が異常を見いだすことなく完了すると、ストレージ装置10は、このディスク装置11cを記録準備ディスクとして選択しておく。
そしてその後、ディスク装置11aの記憶容量の残量がなくなると(図8のT83)、ストレージ装置10は、当該記憶容量の残量がなくなったディスク装置11aの記録用ディスクとしての選択を取りやめて、保護対象ディスクとし、当該ディスク装置11aへの通電を停止するとともに、記録準備ディスクとなっているディスク装置11cを記録用ディスクとして選択する。これにより、二台での冗長的な記録動作が継続される。
なお、ここではγを予め定めた定数として「2」としたが、これに限られず、冗長的に記録している記録モードディスクの数(記録用ディスクと冗長記録ディスクとを含む、同時期に記録モードディスクとして設定されているディスクの数)nを用い、γ=nとしてもよい。
[しきい値の別の例]
またここまでの説明では、次に記録用ディスクとして選択するディスク装置11の記録準備の処理を行うタイミングとして、現在記録用ディスクとして選択されているディスク装置11の記録容量の残量が予め定めたしきい値を下回る場合を一例としていた。このとき、当該しきい値については、記憶可能容量(必ずしもディスク装置11の最大容量ではなく、データの記録のために設定された領域の容量)に対する割合で求める例などについて述べたが、本実施の形態はこれに限られない。
例えばストレージ装置10の記録制御部12は、カメラシステム20から受信するデータの量に基づいてしきい値を決定してもよい。具体的に記録制御部12は、カメラシステム20から1時間あたり受信するデータ量の平均値を求めておき、この平均値に予め定めた値αを乗じてしきい値を求めてもよい。ディスク装置11についての記録準備処理に例えばβ時間だけ要する場合、α/β回だけ記録準備処理を繰り返す余裕を設定することとなる。例えばα/β=3、つまりα=3×βと設定する場合、一台のディスク装置11において記録準備処理中に異常が発生したとしても、記録用ディスクの記録容量の残量がなくなる前に、少なくとももう一台のディスク装置11の記録準備処理を実行できるようになる。
[実施形態の効果]
本実施の形態によれば、ストレージ装置10が、記録用ディスクとして選択されていないディスク装置11への通電を停止し、記録されたデータを保護する状態を実現するので、複数のディスク装置11が一斉に故障することによるデータ記録やデータ読み出しの不具合を回避できる。
[変形例]
なお、ここまでの説明では、本実施の形態に係るストレージ装置10は、カメラ用記録システム1に含まれ、カメラシステム20に接続されて、カメラシステム20から送信される画像のデータを記録することとしていたが、このストレージ装置10は、この使用例に限られるものではない。
一般に、継続的に送信されるデータを記録するものや、データを一定の期間に亘って記録し、必要に応じてデータを読み出すものであれば、例えば気温や湿度、気圧など気象情報のセンサー等、種々のセンサーのデータを記録するロガーにも利用でき、また放送された音声や映像等を記録する装置としても利用できる。
また、本実施の形態において、ストレージ装置10だけでなく、USBやネットワークを介して外部のストレージを接続してもよい。この場合、当該外部のストレージは、ストレージ装置10のバックアップ装置として機能させてもよい。
[実施形態の効果]
本実施の形態によれば、記録用ディスクとして選択されていないディスク装置11に対する通電を停止しているので、通電が停止されている間にディスク装置11の入れ替えを行うことが容易となる。また本実施の形態におけるディスク装置11は、複数のディスク装置を仮想的に一つのディスク装置として運用するRAIDとした場合と異なり、互いに異なる最大記録容量を有するディスク装置11を混在させた場合であっても、RAIDの再構築等の負荷の高い処理を行う必要がなく、従って最大記憶容量の大きいディスク装置11へ入れ替えていけば、最大記憶容量を順次拡張できる。