JP2018059754A - 自動反応装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 より簡易な装置で被検出物質を検出するための反応を自動で行うことができ、被検出物質検出用の処理液の量を可能な限り少なくすることができる自動反応装置を提供する。
【解決手段】 本発明は、被検出物質が固相化されたメンブレンMを用いて被検出物質を検出するための反応を自動で行うための自動反応装置1で、被検出物質検出用の処理液が収納される処理液用貯留槽11と、メンブレンMを横にした状態で収納することができ、処理液とメンブレンMを反応させる反応槽20と、反応槽20を一の方向とその反対方向とに交互に傾動させることにより処理液を撹拌する撹拌機構40と、撹拌機構40による傾動によって最も大きく上下変位する反応槽20の底面の部分に下端の排出口321が位置するように設けられる排出管32と、を備える。排出管32は、メンブレンMと排出口321との間に介在する突出部322を備えている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、被検出物質を検出するための反応を自動で行うための自動反応装置に関し、特に、被検出物質の検出するための各反応工程、および、各反応工程の前後に行われる洗浄を自動で行うことができる自動反応装置に関する。
被検出物質を検出する分析法として、例えば、イムノブロットと言われる分析法が知られている。イムノブロットは、被検出物質(通常はタンパク質)をメンブレンに固相化させ、被検出物質を特異的に認識する処理液(抗体)を用いた抗原抗体反応によって、被検出物質を検出する分析法である。その代表例であるウェスタンブロットでは、電気泳動により、サンプルである生体成分を、サンプルに含まれる被検出物質であるタンパク質の分子量で分離し、分離した電気泳動ゲルからタンパク質をメンブレンに転写する。タンパク質が転写されて固相化されたメンブレンは、非特異的な結合を防止するためにブロッキング溶液で処理され、その後、一次抗体との反応、二次抗体との反応が順次行われる。これらの各工程の後には余分なブロッキング溶液、一次抗体溶液または二次抗体溶液を取り除くために洗浄液を用いて洗浄が行われる。こうして反応が終わったメンブレンは、二次抗体に標識された酵素の活性を利用して、例えば化学発光基質による発光によって検出される。イムノブロットは、タンパク質の存在を確認する手法として、再生医療、創薬研究等のライフサイエンス領域では不可欠の分析法である。
イムノブロットにおいては、ブロッキング溶液でのメンブレンの処理から二次抗体との反応までの標準的工程における処理時間は約5時間であり、その間に、約13回の処理液(ブロッキング溶液、一次抗体溶液、二次抗体溶液)の注入および排出の操作が必要となる。多くの実験者は、この作業を手動で行っており、メンブレンを入れた反応槽へ処理液を手動で注入し、反応槽を振盪機で一定時間振盪させながらメンブレンに固相化された被検出物質と処理液とを反応させた後、処理液を次の処理液と交換するという作業を繰り返している。また、被検出物質または処理液等が異なる場合には、ブロッキング溶液での処理時間、一次抗体との反応時間、二次抗体との反応時間、および、各工程の間に行われる洗浄時間が長くなる場合もあり、実験者は非常に多くの時間を本操作によって拘束されることになる。特に、処理液の交換が多いため、時にミスを犯すことも生じる。したがって、被検出物質を検出するための一連の作業を自動化することは大きな価値がある。
抗原抗体反応を利用する免疫学的アッセイにおいて、アッセイ手順を自動化する方法は、以前から種々知られている。例えば、特許文献1には、小型反応容器を用いた測定系へ、順次反応試薬を分注し、反応させるシステムが開示されている。また、特許文献2には、マイクロプレートを利用した免疫測定における撹拌機能を持つ自動化システムが開示されている。また、特許文献3には、サンプルを電気泳動した後、キャピラリー内にて、分離したタンパク質を固相化し、抗体と反応させて、検出する手法が開示されている。しかしながら、特許文献1〜3の装置は、被検出物質がメンブレンに固相化されておらず、メンブレンを用いるイムノブロット等とは反応系が異なるため、メンブレンに固相化された被検出物質を検出するために利用することはできない。
また、メンブレンを用いた測定を自動化する仕組みとして、特許文献4には、メンブレンを回転可能な円筒体に巻き付け、その一部が処理液と接触する形状の液槽からなる仕組みが開示されている。この機構は、液体を交換するシステムと併用することで自動化が可能であることが記載されているが、自動化に関する具体的な記載はなく、実現し難いものとなっている。
一方、特許文献5には、ウェスタンブロットにおける一連の反応の自動化装置が開示されている。この自動化装置は、メンブレン等の固体支持体を処理するためのバイオプロセシングチャンバー、バイオプロセシングチャンバーとポンプを介して流体連通するバイオプロセシングカートリッジ(以下単に「カートリッジ」ともいう)、カートリッジを収納するスロット、流体容器トレー、および、制御システムで構成されている。
特開平5−288753号公報 特開平6−160393号公報 特表2008−536128号公報 特開平7−063767号公報 特表2012−506995号公報
しかしながら、引用文献5の装置では、例えば、ウェスタンブロットにおける一連の反応という比較的単純な操作を行うには、装置が複雑で大型になるため、最適な装置とは言えない。また、カートリッジを用いるため、カートリッジの構造が複雑な場合、洗浄が難しくなり、カートリッジは使い捨てとせざるを得ないという問題も生じる。さらに、イムノブロットで用いる処理液は貴重な場合が多く、一連の反応で利用する処理液はできるだけ少ない量であることが求められる。しかしながら、上記したように、カートリッジの洗浄が難しくなると、各工程で使用される処理液が、前の工程で使用された処理液または各工程間で使用される洗浄液によって希釈される恐れがあり、精度の高い検出を行うためには処理液の濃度を高くする、または、処理液の量を多くすることが必要となり、処理液の使用量が多くなるという問題も生じる。
本発明は、上記課題を解決するためになされた発明であり、より簡易な装置で被検出物質を検出するための反応を自動で行うことができ、被検出物質検出用の処理液の量を可能な限り少なくすることができる自動反応装置を提供することを目的とする。
本発明は、処理液の注入機構、処理液とメンブレンを均一に接触させる機構、処理液の排出機構等について新知見を加えることによって完成させるに至った。
項1. 被検出物質が固相化されたメンブレンを用いて被検出物質を検出するための反応を自動で行うための自動反応装置であって、
被検出物質検出用の少なくとも1種の処理液が収納される処理液用貯留槽と、
洗浄液が収納される洗浄液用貯留槽と、
前記メンブレンを横にした状態で収納することが可能な広さの底面を有し、前記処理液用貯留槽から注入管を介して注入された処理液と前記メンブレンを反応させる反応槽と、
前記反応槽を一の方向とその反対方向とに交互に傾動させることにより前記処理液を撹拌する撹拌機構と、
前記撹拌機構による傾動によって最も大きく上下変位する前記反応槽の底面の部分に下端の排出口が位置するように設けられる排出管と、
前記排出管の下端の前記排出口に吸引力を作用させて処理液を排出する吸引装置と、
前記撹拌機構および前記吸引装置の各動作を制御する制御装置と、を備え、
前記排出管は、前記メンブレンと前記排出口との間に介在する突出部を備えており、
前記反応槽には、前記処理液用貯留槽からの処理液と前記洗浄液用貯留槽からの洗浄液とが前記注入管を介して設定した順序で注入されるとともに、前記反応槽に注入された処理液および洗浄液は、前記反応槽で所定の処理を行った後に前記排出管より前記反応槽の外部に排出され、
前記制御装置は、前記排出管が設けられている側が傾斜下端になったときに前記撹拌機構の動作を停止させて前記吸引装置の動作を開始させるものである自動反応装置。
項2. 前記反応槽は、着脱式であり、
前記突出部は、前記排出管の下端の少なくとも一部を残して切断することにより形成されている前記項1に記載の自動反応装置。
項3. 前記注入管から注入される処理液および洗浄液の流速は、3.3ml/10sec以上であり、
前記排出管から排出される処理液および洗浄液の流速は、3.3ml/10sec以上である前記項1または2に記載の自動反応装置。
項4. 前記注入管は、一または複数の注入口を有しており、
前記注入管から注入される処理液および洗浄液の流速は、方程式y=−0.4804×(ln(x))+32.789×ln(x)−13.849で導き出される値以下であり、前記xは前記注入管の下端の注入口の総面積を表し、前記yは処理液および洗浄液の流速を表す前記項1〜3のいずれか一項に記載の自動反応装置。
項5. 前記排出管は、内径が5mm未満であり、
前記排出管の下端は、前記突出部の最も接近した部分が前記反応槽の底面から1mm以内であり、最も離れた部分が前記反応槽の底面から6mm以内である前記項1〜4のいずれか一項に記載の自動反応装置。
項6. 前記撹拌機構は、10秒間に5往復〜11往復で傾動する前記項1〜5のいずれか一項に記載の自動反応装置。
項7. 前記制御機構は、処理液および洗浄液の注入、撹拌、および、排出のタイミングを制御するためのタイマーを含む前記項1〜6のいずれか一項に記載の自動反応装置。
項8. 前記反応槽を25℃〜45℃の間で加温可能な加温機構をさらに備える前記項1〜7のいずれか一項に記載の自動反応装置。
項9. 前記処理液用貯留槽のうち、少なくとも抗体溶液を貯留するための処理液用貯留槽を0℃〜15℃の間で冷却可能な冷却機構をさらに備える前記項1〜8のいずれか一項に記載の自動反応装置。
本発明によれば、より簡易な装置で被検出物質を検出でき、被検出物質の検出に用いる処理液の量を可能な限り少なくすることができる。
本発明の自動反応装置の概念図である。 本発明の自動反応装置の第1実施形態を示す斜視図である。 図2の自動反応装置の縦断面図である。 図2の自動反応装置のブロック図である。 本発明の自動反応装置の第1実施形態の変形例を示す斜視図である。 本発明の自動反応装置の第1実施形態の排出管の変形例を示す縦断面図である。 本発明の自動反応装置の第1実施形態の排出管の変形例を示す縦断面図である。 本発明の自動反応装置の第2実施形態を示すブロック図である。 実施例1における処理液の流速と注入口の総面積との関係を示すグラフである。 実施例3における本発明の自動反応装置の試作装置の構造を示す概略図である。 実施例3における排出管の開口部が底面から一番離れている部分の底面からの距離dと溶液の残量との関係を示すグラフである。 実施例6における振盪数と均一に振盪するまでの時間との関係を示すグラフであり、(a)は溶液量が5mlの場合、(b)は溶液量が10mlの場合、(c)は溶液量が15mlの場合を示す。 実施例7における流速と均一に振盪するまでの時間との関係を示すグラフであり、(a)はboxが小の場合、(b)はboxが中の場合、(c)はboxが大の場合を示す。 実施例8における実験の結果を示す図である。 実施例9における実験の結果を示す図である。 実施例10における反応時間とシグナル強度との関係を示すグラフである。 実施例11における実験の結果を示す図である。
本発明は、被検出物質が固相化されたメンブレンMを用いて被検出物質を検出するための反応を自動で行うための自動反応装置1である。以下では、ウェスタンブロットおよびドットブロット等のイムノブロットによって被検出物質を検出するための反応を行うことを例示して説明する。しかしながら、本発明の自動反応装置1は、イムノブロットのみでなく、2つの物質が特異的に結合または反応する性質を有した反応系において、一方の物質が容易に回収可能な支持体(例えば、メンブレン、組織切片、プラスチック片、金属片等)に固相化され、他方の物質が溶液であるような場合に、その反応操作を自動化するものとしても利可能である。例えば、抗体を利用した組織切片の免疫染色、DNAまたはRNAの結合反応を利用したサザンブロット(DNAを検出する手法)またはノーザンブロット(RNAを検出する手法)、もしくは、in situ hybridization等が挙げられる。また、本発明に係る自動反応装置1は、酵素反応を利用した反応(例えば、メンブレンに基質を固相化し、酵素反応で基質が発色するような場合)等でも利用可能である。
本発明に係る自動反応装置1は、図1の概念図に示すような装置となる。具体的には、自動反応装置1は、ブロッキング溶液および抗体溶液等の処理液を個別に貯留する処理液用貯留槽11、洗浄液を個別に貯留する洗浄液用貯留槽12、メンブレンM等を収納し、処理液との反応を行う反応槽20、処理液用貯留槽11および洗浄液用貯留槽12から反応槽20へ設定した順序で適切に処理液および洗浄液を注入する注入管31、反応槽20内で処理液とメンブレンMとを均一に接触させるための撹拌機構40、処理が終わった処理液を反応槽20から排出する排出管32、処理液の加温機構51、および、これらを制御する制御装置60を備えている。
自動反応装置1では、処理液であるブロッキング溶液、一次抗体溶液、ならびに、二次抗体溶液、および、洗浄液が別々に収納された処理液用貯留槽11および洗浄液用貯留槽12から、予め設定した回数と間隔で注入管31を介して、被検出物質を固相化したメンブレンMが収納された反応槽20へ注入される。注入された処理液は、撹拌または液の循環等によりメンブレンMと絶えず均一に接触し、処理液とメンブレンMとの均一な反応が進行する。反応終了後、反応槽20の処理液は、排出管32により排液槽13に排出される。反応を行っている間は、加温機構51により、反応槽20内の処理液は一定に加温されており、これにより、処理液とメンブレンMとの反応が促進されている。処理液によるメンブレンMとの反応後は、必要に応じて洗浄液を反応槽20に注入し、反応槽20内に残った処理液を取り除くために洗浄する。これらの一連の動作は、制御装置60により、処理液および洗浄液を注入する順序、量、およびタイミング、反応槽20を撹拌するタイミングおよび時間、処理液および洗浄液を排出するタイミング等を制御する。
本発明に係る自動反応装置1の第1実施形態を示す図2〜図4を参照して、自動反応装置1の各構成を具体的に説明する。なお、本発明が以下に示す実施形態に限定されないのは言うまでもない。
処理液用貯留槽11および洗浄液用貯留槽12
処理液用貯留槽11は、被検出物質検出用の少なくとも1種の処理液が収納される容器である。本実施形態では、処理液としてブロッキング溶液、一次抗体溶液、および二次抗体溶液が用いられるため、処理液用貯留槽11は、ブロッキング溶液、一次抗体溶液、および二次抗体溶液をそれぞれ個別に収納する3個の容器として構成される。また、洗浄液用貯留槽12は、洗浄液が収納される容器である。
イムノブロットの場合、通常、1枚のメンブレンMを処理するのに、ブロッキング溶液、一次抗体溶液および二次抗体溶液は、10ml〜40ml程度を使用し、洗浄液は、300ml〜600ml程度を使用する。したがって、処理液用貯留槽11および洗浄液用貯留槽12は、これらの量を収めることができる大きさとなっている。また、処理液用貯留槽11および洗浄液用貯留槽12は、処理液および洗浄液を貯留することに加え、貯留している処理液および洗浄液を反応槽20へ送液する際に支障のない構造となっている。すなわち、処理液用貯留槽11および洗浄液用貯留槽12は、上記要件を満たせば任意の構造とすることができる。さらに、処理液用貯留槽11および洗浄液用貯留槽12は、洗浄し易いもの、または、使い捨て可能なものであることが好ましい。
反応槽20
反応槽20は、メンブレンMを横にした状態で収納することが可能な広さの底面を有し、かつ、処理液および洗浄液とメンブレンMとの均一な接触が達成できるために、メンブレンMよりやや大きいサイズの内寸を有している。具体的に説明すると、通常イムノブロットで利用されるメンブレンMのサイズは、7cm×9cm程度のものが多く、大きいもので13cm×13cm程度である。このメンブレンMは、9cm×1cm、9cm×0.5cmのような短冊型、または、4.5cm×4.5cmのような小さい矩形型にカットして利用される場合もある。したがって、反応槽20は、これらのサイズのメンブレンMが平らに収納できる面積を持つものとなる。
一方で、反応槽20のサイズをメンブレンMのサイズより著しく大きくすると、メンブレンMを浸すのに使用する処理液および洗浄液の量が多くなり、必然的に、処理液の一つである抗体溶液に含まれる抗体の量が多くなる。抗体は貴重であり、使用する抗体の量を節約することが望まれることから、反応槽20のサイズをメンブレンMのサイズに対して著しく大きくすることは好ましくない。これらの観点から、反応槽20は、最大で13cm×13cm、最小で5cm×5cmまでの各種のサイズのものを準備し、メンブレンMの大きさに応じて反応槽20を選択できるようにすることが好ましい。
また、被検出物質用の処理液として低濃度でも反応する抗体溶液を使うため、反応槽20を再利用する場合には、反応槽20を十分に洗浄してから再利用することが要求される。このように、反応槽20は、各種のサイズを利用する可能性が高いこと、および、洗浄を容易にすることから、自動反応装置1から容易に着脱可能であり、なるべく単純な容器構造であることが好ましい。また、反応槽20の深さは、後述するように、処理液とメンブレンMとの均一な接触を達成するために処理液を撹拌することから、処理液の撹拌によって処理液がこぼれない深さを有している。
注入管31
注入管31は、処理液用貯留槽11および洗浄液用貯留槽12から反応槽20へ、処理液および洗浄液を送液し、反応槽20へ注入するものである。注入管31の先端には注入口311が設けられており、注入口311が反応槽20内で、反応槽20の底面付近に位置している。なお、図3には、注入口311は、1個として図示されているが、注入管31が途中で分岐して、注入口311が複数個設けられてもよい。
この注入管31は、例えば、ブロッキング処理から二次抗体反応までのイムノブロットの標準工程で示した反応順序および反応時間にしたがって、処理液用貯留槽11および洗浄液用貯留槽12に貯留されている各処理液および洗浄液を、反応槽20へ数秒から1分程度の間に自動で送液する仕組みを持つものであることが好ましい。この仕組みは、例えば、送液ポンプ312および電磁弁313を制御装置60で制御することによって達成することができる。具体的には、制御装置60が備えるタッチパネルで、処理液および洗浄液を注入する順序、量、およびタイミングを設定する。その設定したプログラムに基づき、制御装置60が、送液ポンプ312の稼働を制御し、二方向性の電磁弁313のオン・オフを切り替えることにより、注入管31を介して適切な処理液または洗浄液が反応槽20に注入される。イムノブロットの場合、ブロッキング溶液、洗浄液、一次抗体溶液、洗浄液、二次抗体溶液の順で、電磁弁313が開き、送液ポンプ312によって反応槽20へ注入される。
なお、本実施形態では、送液ポンプ312が1台で、各処理液および洗浄液の流路毎に電磁弁313が設けられた構造であるが、各処理液および洗浄液の流路毎に送液ポンプを設置し、各送液ポンプの稼働を制御装置60で制御し、反応槽20に注入する液を切り替える仕組みであってもよい。また、本実施形態では、二方向性の電磁弁313を4個使用して各処理液および洗浄液の切り替えを行っているが、例えば、五方向性の電磁弁を1個利用して各処理液および洗浄液を切り替えてもよい。また、送液は、送液ポンプに限らず、重力落下を利用してもよい。以上のように、処理液および洗浄液がそれぞれ設定した順序に従って反応槽20へ注入されれば、特にその機構は問わない。
イムノブロットで利用する各処理液、すなわち、ブロッキング溶液、一次抗体溶液、および二次抗体溶液、ならびに洗浄液は、界面活性剤やタンパク質が入っているため非常に気泡が発生し易く、一旦発生すると消えにくい。また、一次抗体溶液および二次抗体溶液は、抗体が貴重なためなるべく少ない液量(例えば、5ml〜20ml)でメンブレンMの処理を行うことが強く望まれている。ブロッキング溶液も種類によっては貴重なため、少ない液量が好まれる場合が多い。こうしたことから、注入管31は、デッドボリュームを少なくすることは当然として、少ない液量でも気泡を発生させないで反応槽20へ送液する必要がある。
例えば、反応槽20に処理液および洗浄液を注入する場合、流速が大きいと気泡が発生し易くなる。メンブレンMは、処理液および洗浄液より僅かに比重が大きい程度であるため、静置した処理液および洗浄液中では底に沈む。しかしながら、処理液とメンブレンMとを反応させるために、処理液を撹拌させると、処理液とともにメンブレンMが動く。したがって、処理液を注入したときに気泡が発生してしまうと、発生した気泡は水平に設置されたメンブレンMの下部に侵入し易くなる。気泡がメンブレンMの下部に侵入すると、気泡がメンブレンMを浮かし、処理液によるメンブレンM全体の均一な反応を妨げる原因となる。したがって、処理液および洗浄液を注入する場合には、気泡の発生をできるだけ抑えるとともに、メンブレンの下方への気泡の侵入を抑制することが大きな課題となる。この観点から、注入管31から注入される処理液および洗浄液の流速は、3.3ml/10sec以上であり、かつ、次の方程式で導き出される値以下であることが好ましい。方程式は、y=−0.4804×(ln(x))+32.789×ln(x)−13.849である。ここで、xは注入管31の下端の注入口311の総面積を表し、yは処理液および洗浄液の流速を表す。また、発生した気泡の影響を減らすために、メンブレンMを反応槽20とともに斜めに設置し、そこへ処理液を流すようにしてもよい。
撹拌機構40
上記で述べたように、イムノブロットでは、被検出物質と抗体との結合反応を利用するが、抗体が貴重なため、処理液(特に、抗体溶液)は可能な限り少ない量とすることが必要である。例えば、反応槽20の内寸を9.5cm×9.5cmとし、利用する処理液を10ml〜20mlとする場合、反応槽20に10mlの処理液を入れると処理液の深さは1.1mm、反応槽20に20mlの処理液を入れると処理液の深さは2.2mmと非常に浅くなる。そのため、メンブレンMが多少湾曲している場合があること考慮すると、静置した場合、絶えずメンブレンM全体が完全に処理液に浸る環境を作るのは難しくなる。しかしながら、メンブレンMが処理液に均一に浸っていないと、反応にムラが生じる。この観点から、自動反応装置1に、処理液を適切に撹拌するための撹拌機構40を設ける。撹拌機構40によって処理液を適切に撹拌すると、反応時間全体を通して見た場合、メンブレンM全体が均一に処理液に浸った状態を作り出すことができる。
本実施形態では、撹拌機構40は、反応槽20を、一の方向とその反対方向とに交互に傾動させることにより、処理液を撹拌する構成となっている。この撹拌機構40の傾動動作は、制御装置60によって制御される。撹拌機構40は、任意の速度で傾動動作を行うことができるが、10秒間に5往復〜11往復で傾動することが好ましい。このように、メンブレンMを反応槽20に水平に設置して、撹拌機構40によって反応槽20全体を定められた方向に沿って交互に傾動させることで、反応槽20中の処理液が左右に移動し、メンブレンM全体を処理液に均一に接触させることができる。
なお、撹拌機構40は、上記構成に限られず、例えば、バイブレーター型の振盪機構としてもよい。この場合は、撹拌機構40を稼働することで、反応槽20中の処理液に微細振動が生じ、その微細振動によって処理液が反応槽20内で撹拌される。また、撹拌機構40は、反応槽20内に設けられた小型プロペラによって構成することもできる。この場合は、撹拌機構40(小型プロペラ)を稼働する(回す)ことで、処理液に流れを発生させて撹拌する。
排出管32
排出管32は、反応槽20から処理液および洗浄液を排出し、排液槽13へ処理液および洗浄液を送液するものである。反応槽20から処理液を排出する際に重要な点の一つは、できるだけ処理液の残液量を少なくすることである。イムノブロットでは、ブロッキング処理、一次抗体反応、二次抗体反応による工程の前に、洗浄工程が入る。したがって、洗浄液の残液があった場合、ブロッキング溶液、一次抗体溶液および二次抗体溶液が希釈されることになる。一方、排液が不完全で、反応槽20にブロッキング溶液、一次抗体溶液および二次抗体溶液が残ると、その後の洗浄工程中にも弱いながら余分にブロッキング処理、一次抗体反応および二次抗体反応が行われることとなり、これも問題である。通常、ブロッキング溶液および抗体溶液(一次抗体溶液および二次抗体溶液)は、10ml〜20ml、少ない場合でも5mlが利用される。例えば、抗体溶液が10mlで、洗浄液の残液量が1.0mlとした場合、一次抗体反応および二次抗体反応がともに1.1倍に希釈されるため、一連の反応工程の全体で約1.21倍に希釈されることとなり、20%を超える影響を受けることとなる。これは、無視できない影響である。こうしたことから、排液時の処理液および洗浄液の残液量はできるだけ少ない方がよい。しかしながら、メンブレンMの周囲、および、反応槽20の底面とメンブレンMとの間隙に滞留する処理液および洗浄液は、完全に排除することができないため、一定量の許容範囲はある。
もう一つの課題は、反応槽20中に存在するメンブレンMが排出管32に接触し、メンブレンMが傷ついてしまう、または、排出管32の排出口321をメンブレンMが塞いでしまうという可能性である。これを防ぐには、排出管32にメンブレンMが接触しない、または、接触しても障害を起こさない、および、排出口321にはメンブレンMが接触しないような構造にすることで対応できる。すでに述べたように、反応槽20は交換可能で洗浄が容易な単純な構造の方がより良いことから、反応槽20自体には、排出口321やメンブレンMの動きを制限する構造体などを取り付けることは避けた方がよい。したがって、排出口321は、反応槽20に挿入する構造で、排出管32と吸引装置323によりに反応槽20中の処理液および洗浄液が排液される仕組みが望ましい。また、排液する際には反応槽20を傾かせて処理液および洗浄液を一方に集め、そこへ排出口321を設置し、排液させると反応槽20中の残液を少なくすることに有効である。
これらの観点から、本実施形態では、排出管32は、反応槽20に対しては、撹拌機構40による傾動によって最も大きく上下変位する位置に設けられている。排出管32の先端(図3における下端)には排出口321が設けられており、排出口321は、反応槽20の底面の部分に位置している。排出管32は、メンブレンMと排出口321との間に介在する突出部322を備えている。本実施形態では、突出部322は、排出管32の先端を斜めに切断することにより形成されている。このとき、メンブレンMと排出口321との間に突出部322が介在するように、斜めに切断してなる開口部(排出口321)は、反応槽20の側壁に対向するように排出管32は設けられる。このような構成とすることで、排出口321は、排液するために反応槽20の一方へ集合させた処理液および洗浄液の直上に設置でき、より反応槽中の残液を少なくすることができる。
排出管32は、内径が5mm未満であり、排出管32の下端は、突出部321の最も接近した部分が反応槽20の底面から1mm以内であり、最も離れた部分が反応槽20の底面から6mm以内であることが好ましい。また、排出口321は、図3では、1個として図示されているが、複数個有していてもよく、排出口321が複数である方がより広い領域から排液できるため、排液スピードや残量を少なくするためにより有用である。
排出管32には、排出口321に吸引力を作用させて処理液および洗浄液を排出する吸引装置323が取り付けられている。本実施形態では、吸引装置323は、排液ポンプとして構成されており、制御装置60によって動作が制御される。吸引装置323の吸引により排出口321から排出された処理液および洗浄液は、排液槽13に排出される。なお、排出管32を途中で分岐することで、抗体溶液(一次抗体溶液および二次抗体溶液)等を再利用のために別の容器に保存させることも可能である。
この排出管32は、処理時間を一定にするため、処理終了後には数秒から1分程度の間に排液する仕組みを持つものであることが好ましい。この仕組みは、例えば、制御装置60を利用した、排液ポンプ323と電磁弁(図示せず)の制御によって達成することが可能である。また、排液ポンプ323の代わりに重力落下を利用してもよい。
加温機構51
一般的に生物学的な反応、例えば、抗原抗体反応、酵素反応などは温度依存性があり、温度が上がれば反応が促進される。しかしながら、多くのタンパク質は温度の上昇によってその機能が損なわれることがあるため、タンパク質が障害を受けず反応が向上する温度として生物の体温付近である37℃の温度が好んで使われる。抗体と抗原との反応も同様に温度依存性があり、反応温度を上げることで、反応時間の短縮やシグナル強度の上昇を起こすことが可能である。この観点から、処理液を加温するために、反応槽20の下部にラバーヒーター等の加温機構51を設置している。加えて、温度センサー53および測定温度に対するフィードバック機構54を備え、反応槽20を一定温度に加温している。加温機構51は、反応槽20を25℃〜45℃の間で加温可能となっている。
自動反応装置1は、さらに、制御機構60に含まれ、処理液および洗浄液の注入、撹拌、および、排出のタイミングを制御するためのタイマー61と、処理液用貯留槽11のうち、少なくとも抗体溶液を貯留するための処理液用貯留槽を冷却するための冷却機構52とを備えている。冷却機構52は、抗体溶液を貯留するための処理液用貯留槽11の周囲に設けられ、処理液用貯留槽11を0℃〜10℃の間で冷却可能となっている。
タイマー
自動反応装置1は、イムノブロットで必要とされるブロッキング反応と抗体反応を自動で行う装置である。この操作には5時間程度必要となるため、その操作を任意の時間に終わらせるために、任意の時間に開始したいという欲求がある。タイマーはそれを実現するものである。制御装置60でタイマー61を制御することで、自動反応装置1の反応処理の開始時間等を調整することができる。
次に、自動反応装置1の動作について説明する。制御装置60が備えるタッチパネルで、処理液および洗浄液を注入する順序、量、およびタイミングを設定する。その設定したプログラムに基づき、制御装置60が、送液ポンプ312の稼働を制御し、二方向性の電磁弁313のオン・オフを切り替えることにより、注入管31を介して適切な処理液または洗浄液が反応槽20に注入される。イムノブロットの場合、ブロッキング溶液、洗浄液、一次抗体溶液、洗浄液、二次抗体溶液の順で、電磁弁313が開き、送液ポンプ312によって反応槽20へ注入される。反応槽20は、制御装置60で制御された撹拌機構40により、一定時間撹拌され、処理液とメンブレンMとの反応または洗浄液による洗浄が行われる。それが終了すると、制御装置60で制御された吸引装置323により、処理液および洗浄液が、排出管32を介して排液槽13へ排液される。このとき、制御装置40は、排出管32が設けられている側が傾斜下端になったときに撹拌機構40の動作を停止させて吸引装置323の動作を開始させる。また、排出管32から排出される処理液および洗浄液の流速は、3.3ml/10sec以上であることが好ましい。排液が終わった後は、次の処理液または洗浄液が送液ポンプ312によって反応槽20へ送液される。
以上、本発明の第1実施形態について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、処理液用貯留槽11および洗浄液用貯留槽12と、排液槽13とを、反応槽20を挟んで両側に配置したが、図5に示すように、処理液用貯留槽11、洗浄液用貯留槽12および排液槽13を反応槽20の一方側にまとめて配置してもよい。また、反応槽20のサイズが変更された場合でも、反応槽20の側壁に沿わせて注入管31および排出管32を配置できるよう、注入管31および排出管32を支持する支柱33を、回転可能に設けてもよい。
また、上記実施形態では、排出口321は、排出管32の先端を斜めに切断することにより形成しているが、図6のように、排出管32の先端を、正面視において複数の山形を形成するように切断して排出口321を形成してもよい。また、図7のように、排出管32の先端を、一部分のみ長く残し、他の部分を平坦に切断するようにして排出口321を形成してもよい。いずれの場合も、排出口321とメンブレンMとの間に位置する凸部が突出部322となる。
次に、図8を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付けることにより、詳細な説明は省略する。具体的には、本実施形態の自動反応装置1は、撹拌機構40の構成が第1実施形態と異なっている。
本実施形態では、ブロッキング溶液、一次抗体溶液、および、二次抗体溶液が別々に処理液用貯留槽11に収納されており、洗浄液が洗浄液用貯留槽12に収納されている。処理液用貯留槽11および洗浄液用貯留槽12の中の処理液および洗浄液は、送液ポンプ312によって反応槽20に設置した循環ユニット34へ送られる。処理液および洗浄液は、タッチパネル経由で設定したプログラムに基づき、制御装置60によって制御される電磁弁313の切り替えにより、設定した処理液または洗浄液のみが順次送液されるようになっている。ウェスタンブロットの場合、上記したように、ブロッキング溶液、洗浄液、一次抗体溶液、洗浄液、二次抗体溶液と切り替えられる。
循環ユニット34には上部に穴341が開いており、溶液は穴を通して上部へ噴出する。ブロッキング溶液による処理によってブロットされたメンブレンMは、反応槽20中の循環ユニット34の上部に設置されるため、噴出した処理液および洗浄液と絶えず接触する。反応槽20へ噴出した処理液および洗浄液は、送液ポンプ312および電磁弁351によって循環路35へ流出し、再度循環ユニット34に注入されるようになっている。本実施形態では、撹拌機構40は、循環ユニット34、送液ポンプ312および電磁弁351により構成され、反応槽20の処理液および洗浄液を循環ユニット34、送液ポンプ312および電磁弁351によって、メンブレンMの下部または上部から流しながら循環させることで処理液および洗浄液を撹拌している。
一定時間、処理液および洗浄液が循環ユニット34へ送液された後、制御装置60で制御された電磁弁313の切換と吸引装置323の稼働により排液槽13へ排液される。循環ユニット34にはヒーター等の加温機構51と温度センサー53とが設置されており、制御装置60の制御により加温機構51および循環ユニット34を介して処理液は一定の温度に保温することが可能になっている。
図8では、送液ポンプ312が1台で、各処理液および洗浄液の流路毎に電磁弁313が付いた構造であるが、各処理液用貯留槽11および洗浄液用貯留槽12毎に送液ポンプを設置し、各送液ポンプの稼働を制御装置60で制御して、反応槽20に注入する処理液および洗浄液を切り替える仕組みであってもよい。また、送液ポンプ312の代わりに重力落下を利用してもよい。また、図8では、二方向性の電磁弁313を4個使用して各処理液および洗浄液の切り替えを行っているが、例えば、五方向性の電磁弁を1個利用して各処理液および洗浄液を切り替えてもよい。以上のように、処理液および洗浄液がそれぞれ設定した順序に従って反応槽20へ送液され、反応終了後に反応槽20から排液されることが達成されれば特にその機構は問わない。
また、図8では、反応槽20の処理液および洗浄液を反応槽20外の送液ポンプ312により循環ユニット34を介して循環させる機構であるが、循環ユニット34の使用の有無、あるいは循環ユニット34の形態は問わない。また、図8では、循環ユニット34に加温機構51および温度センサーを設置し、一定に加温する方式を採用しているが、処理液が反応槽20の外部を循環する経路(循環路35)の途中で温度を調節する機構であっても良く、処理液が安定に加温される仕組みであれば機構は問わない。
以上に示した第1実施形態および第2実施形態では、自動反応装置1は、反応槽20を1個備える構成であるが、自動反応装置1は、反応槽20を複数個備える構成としてもよい。自動反応装置1を利用した反応において、複数のメンブレンMに異なる抗体を使用して一度に操作を行う場合がしばしばある。このような場合に、反応槽20を複数個設け、個々の反応槽20に対して処理液および洗浄液の制御装置60を設けておくと、同時に複数のメンブレンMに対してマルチで反応を行うことができる。
以上、本発明の自動反応装置1における重要な点は、(i)処理液および洗浄液がそれぞれ設定した順序に従って反応槽20へ送液され、反応または洗浄終了後に反応槽20から排液される機構を持つこと、(ii)メンブレンMに接触する処理液は滞留しないで、絶えず動くことで反応を促進する機構を持つことである。したがって、上記第1実施形態および上記第2実施形態は、本発明の自動反応装置1の一実施形態を示したものであり、以上の2つの重要ポイントを満たせば他の機構によって自動反応装置1が構成されてもよい。また、付加的な機能として処理液を安定に加温できる機構(加温機構51)、処理液や洗浄液を冷却できる機構(冷却機構52)、ならびに、タイマーを備えるとさらによい。
以上のように、本発明は、イムノブロットと言うライフサイエンスで多用される分析法において、ブロッキング溶液による処理によってブロットされたメンブレンMを抗体と反応させる時に必要な、ブロッキング処理、抗体反応、洗浄操作等を自動化し、かつ、全体の反応に必要な時間を大幅に短縮するものである。
本発明の主要な用途の一つである、ウェスタンブロットについて詳細を記載する。ウェスタンブロットは、例えば細胞に特定のタンパク質(被検出物質)が存在するか否かを確認する方法であり、再生医療における細胞の分化の確認の目的や薬物の効果をタンパク質レベルで観察する場合によく利用される。(i)細胞の場合、細胞の破砕液をサンプルとした電気泳動により細胞中のタンパク質を分子量で分離する。(ii)次いで、電気泳動ゲル中で分離したタンパク質をそのままメンブレンMへ転写する。
(iii)転写したメンブレンMは非特異的な結合を防ぐため、ブロッキング溶液(例えば、スキムミルク、ウシ血清アルブミン水溶液、カゼイン水溶液等)にてタンパク質のブロッキングを行う。(iv)ブロッキングしたメンブレンMは、TBS-T(Tris-Buffered Saline, 0.05% Tween含有)で洗浄後、TBS-Tで希釈した一次抗体溶液(目的タンパク質に特異的に結合する抗体を含んだ溶液)と反応させ、その後、TBS-Tで数回洗浄して、非結合の余分な一次抗体溶液を除去する。(v)次いで、TBS-Tで希釈した二次抗体溶液(一次抗体に結合する抗体、通常はペルオキシダーゼ酵素で標識された抗体を利用、を含んだ溶液)と反応させ、反応終了後、余分な二次抗体溶液を完全に除くため、TBS-Tで数回洗浄する。
(vi)洗浄が終わったメンブレンMを、基質溶液(ペルオキシダーゼ酵素によって発光する基質を含んだ溶液が良く利用される)と反応させてシグナルを発生させることで、目的とするタンパク質を検出する。もし目的とするタンパク質が存在する場合は、目的とするタンパク質に一次抗体が結合し、その一次抗体にさらに酵素標識した二次抗体が結合するため、電気泳動で分離した目的分子量の位置に、バンド状にシグナルが発生することになる。ウェスタンブロットの場合、上記(i)〜(ii)のステップで約2時間、上記(iii)〜(v)のステップで約5時間、上記(vi)のステップで約30分間が必要であり、約8時間を費やす作業である。
本発明の自動反応装置1は、最も時間のかかる上記(iii)〜(v)のステップを自動化するものである。特に、この工程を手動で行った場合、4種類の処理液および洗浄液の交換を13回程度行う必要があるため、処理液および洗浄液の交換のため実験者は長時間拘束されることになる。また、この交換時に人的なミスが発生しやすく、場合によっては一日の作業を無駄にしてしまうこともある。しかしながら、本発明の自動反応装置1では、上記(iii)〜(v)のステップを自動化できるため、実験者の長時間拘束を減らすことができる。また、本発明の自動反応装置1は、人為的な単純ミスの回避、および、タイマー61をセットすることで実験者が不在の深夜の操作を行うことができるという効果もある。
以下に、本発明をさらに詳細に説明するための実施例を示す。
実施例1:反応槽へ処理液および洗浄液を注入する時の気泡発生と、送液ポンプの流量および注入口の内径との検討
イムノブロットで利用されるブロッキング溶液、抗体溶液、洗浄液等(以下総称して「溶液」という)は、界面活性剤やタンパク質を含有するため気泡が発生し易い。この発生した気泡が、反応槽中のメンブレンの下部へ侵入すると、メンブレンを浮かせることになり、メンブレンと処理液との接触が不均一となる。これにより、メンブレンから得られるシグナルのムラ等が発生するとことになり、大きな問題となる。そこで、反応槽へ溶液を注入する注入管の内径、送液ポンプの流量と、気泡の発生、および、その気泡がメンブレンの下部へ侵入するかについて検討した。
プラスチック製の反応槽(96mm×96mm×50mm(高さ))に、90mm×90mmのPVDFメンブレンを入れた。反応槽の一方側の端部の中央の位置において、端から5mmの位置に35mmの高さから落下するように注入管の先端部分(ノズル)を設け、送液ポンプにより注入管を介してTBS-T(Tris-Buffered Saline, 0.05% Tween含有)を50ml注入した。そのとき、注入口の数、内径、送液ポンプの流量を種々に変化させ、気泡の発生とメンブレンの下部への気泡の侵入を観察した。なお、送液ポンプの流量は設定した流量が正しく流れていることを測定して確認した。気泡発生の有無については、継続的に気泡が発生した場合を陽性判定とし、メンブレンの下部への気泡の侵入については目視確認可能な泡が入った場合を陽性判定とした。実験は3回繰返し、一度も陽性判定がない場合を“−”、一度でも陽性判定があった場合を“±”、3回とも陽性判定の場合を“+”とした。
実験結果を表1に示す。送液ポンプの流量と気泡の発生およびメンブレンの下部への気泡侵入は正の相関を示し、送液ポンプの流量が大きいほど気泡の発生およびメンブレンの下部への気泡侵入は発生し易かった。一方、ノズルの内径およびノズルの本数は、内径が大きいほど、また、本数が多いほど、気泡の発生およびメンブレンの下部への侵入は少なかった。これらの結果は、ノズルの先端部分(注入口)の面積と送液ポンプの流量との関係が重要であることを示している。すなわち、注入口から溶液が出る速度が速いほど気泡の発生およびメンブレンの下部への気泡の侵入が起き易いことを示している。表1で得られたデータから、気泡がメンブレンの下部へ侵入したときの溶液の最低流速(y,ml/10sec)と注入口の総面積(x)との関係をプロットした結果、図9に示すように、両者はy=30.611ln(x)+1.8138(R=0.9635)で表される対数関数に従うことが分かった。このことは注入口の総面積がxの時、この関数で示されるyの値より流速が小さければ気泡がメンブレンの下方へ侵入しないことを示している。しかし、実際の観測値はこの関数で表される直線の上下に分散しているため、より正しい流速下限は推定値における95%信頼区間の下限で表される。そこで、このデータから推定値における95%信頼区間の下限を求めた結果、図9に示すようにy=−0.4804×(ln(x))+32.789×ln(x)−13.849(R=1.000)の式で表された。すなわち、気泡が発生しないためには、xの注入口の総面積を持つ場合、本式で求められる流速yより小さければよいことになる。
なお、送液ポンプの流量が極端に少ない場合、気泡発生の懸念はないものの、反応槽を満たすために要する時間がかかりすぎるという別の課題が発生する。特に、洗浄は、通常、5分で行われるため、注入時間は短いほどよく、遅くとも1分以内に洗浄液を注入することが必要となる。使用する洗浄液の量は用いる反応槽の大きさによって異なるが、比較的小さいサイズ(7cm×7cmの底面積)の反応槽の場合でも、洗浄液の量は最低20ml程度が必要となる。最も少ない20mlの洗浄液を1分以内に注入するには、送液ポンプの流量つまり注入口から注入される溶液の流速が3.3ml/10sec以上であることが必要となる。
実施例2:反応槽内の溶液の残量の検討
反応槽から溶液を排液する際に、反応槽から排液不可能な最低の容液の残量を知るために検討を行った。プラスチック製の反応槽にメンブレンを入れ、手動で排液した場合の溶液の残量を測定した。5種の箱型のプラスチック製の反応槽、A:70mm×70mm×45mm(高さ)、B:100mm×90mm×50mm(高さ)、C:145mm×145mm×60mm(高さ)、D:90mm×90mm×50mm(高さ)、E:96mm×96mm×50mm(高さ)を利用した。反応槽D(ポリスチレン製)と反応槽E(アクリル製)は、四隅が直角に成形された容器であるが、反応槽A、反応槽Bおよび反応槽C(いずれもポリエチレン製)は、底面の四隅が丸く成形された同一メーカの容器である。
まず、これらの反応槽に、20ml、40mlおよび80mlのTBS-Tを入れ、反応槽から溶液をデカンテーションで排液し、その後、30秒間、反応槽を傾け、底部に集積したTBS-Tの量を測定した。なお、デカンテーションによる排液の仕方は、ウェスタンブロットを手動で行う場合に洗浄液を排液する仕方に倣って残液量を減らすため2回反応槽を振って液切を行った。表2に、残液量(μl)を、3回測定したときの平均値を取って示す。
メンブレンが入っていない場合には、反応槽に入れるTBS-Tの量とは無関係に一定の残量が確認された。また、形状や素材が同じ反応槽A、反応槽Bおよび反応槽Cを比較すると、溶液の残量は反応槽の底面の面積に比例することが分かった。反応槽Dおよび反応槽Eは、相同形であり、ほぼ同等の大きさであったため、溶液の残量はほぼ同じであった。
次いで、これらの反応槽にメンブレンを入れた後、40mlのTBS-Tを入れ、反応槽中のメンブレンを抑えながらデカンテーションにて溶液を排液し、次いで上記と同様に2回液切を行って排液した。その後、メンブレンを容器底面から外し、30秒間、反応槽を傾け、底部に集積した溶液の残量を測定した。なお、メンブレンは3種のサイズ、大:70mm×80mm、中:70mm×40mm、小:40mm×35mmを利用したが、反応槽Aについては、大:70mm×80mmサイズのメンブレンは水平に入らないので検討しなかった。
表2に、溶液の残量(μl)を3回測定したときの平均値を示す。表2に示したように、溶液の残量は、メンブレンの面積に比例して増加しており、メンブレンと反応槽の底面との間隙、メンブレン自体に溶液が残存することが分かる。
通常、イムノブロットでは、標準的には70mm×80mm前後、または、それより小さいサイズのメンブレンが利用される。反応槽Cは特殊な場合に利用されるサイズ用の反応槽であり通常は利用されないが、他の反応槽はよく利用されるサイズである。これら通常サイズの反応槽の溶液の残量を見ると、最大でも400μl以下である。したがって、400μlという残液量は、手動による排液操作でも残液として許容される量であると考える事ができる。
実施例3:排出口の形状および大きさが溶液の排液に及ぼす影響の検討
反応槽から溶液を排液する際には、溶液の残量が課題となる。例えば、反応槽中にブロッキング溶液が残ると、その後の洗浄工程中にも弱いながら余分にブロッキング処理が行われることとなるし、抗体においても同様の問題が発生する。これに影響する要因として、排出口の形状、設置角度、内径等があると想定されるため、それらの影響について検討した。
実施形態1で示した自動反応装置1の試作品を用いて検討した。本試作装置は、撹拌機構40として、反応槽20を、一の方向とその反対方向とに交互に傾動できるシーソー型振盪台40を用い、制御装置60によりシーソー型振盪台40、ならびに、溶液の注入および排出を制御できるものである。本施策装置は、シーソー型振盪台40上に置いた反応槽20を一定時間振盪し、終了後、溶液を排液ポンプ(吸引装置)に接続した排出管32から排液する仕組みである。図10に示すように、本試作装置では、排液するときの状態は、シーソー型振盪台40が7.5度傾き、一方の端に溶液が集まる仕組みになっている。本試作装置のシーソー型振盪台40に、96mm×96mm×50mm(高さ)のプラスチック製の反応槽20を設置した。シーソー型振盪台40の下方になる反応槽20の一端側の中央に、反応槽20の壁面に沿って反応槽20の底面に先端が着くように斜めの開口部を持つ排出口321を設置した。排出管32は、排液ポンプ(吸入流速、44ml/10sec)に繋がっており、排液ポンプを稼働することで反応槽20から溶液を排液できる仕組みである。図10に示すように、排出管32は、斜めに切った開口部が反応槽20の壁側と底面の合する方向を向くようにして配置した。こうすることで、排出口321を、排液するため反応槽20の一方へ集合させた溶液の直上に位置させることができる。
20mlのTBS-Tを入れた反応槽20から、20秒間排液ポンプを稼働させることにより、TBS-Tを排液させ、そのときの反応槽20中のTBS-Tの残量を測定した。本セットアップではTBS-Tの排液は数秒で完了し、その後は排出口321からは殆どエアーのみを吸引する形となる。ただし、このエアーを吸引している間に反応槽20の底面や壁面等に残ったTBS-Tは少しずつ最低部へ集合し、エアーとともに排出口321から排液されることになる。
以上の実験条件のもと、内径が、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm(肉厚は何れも1mm)の5種の排出管32を用いて、斜めに切った開口部の先端角度を5種に変えて検討した。その結果を表3に示す。なお、表3では、排出管32の開口部(排出口321)と反応槽20の底面とが成す角度とともに、排出管32の開口部が底面から一番離れている部分の底面からの距離(図10中のd)も示した。
反応槽20内のTBS-Tの残量は、排出管32の内径と排出管32の開口部が反応槽20の底面と成す角度に影響を受けた。排出管32の内径が5mm以上の場合には、一旦排出管32内へ吸引された溶液が、排液ポンプの停止時に重力により逆流する現象が見られたため、4mm以下とは異なり、残量が著しく多かった。排出管32の内径が4mm以下の場合、排出管32の開口部が反応槽20の底面と成す角度が小さくなるほど溶液の残量は減少し、最小では溶液の残量を50μlまで減らすことができた。
この溶液の残量はさらに良好な排液条件でもこれ以上少なくすることはできなかった。このことは、20秒間という排液時間では、反応槽20の壁面に吸着している溶液が全部最低部へ集合できないことを示している。なお、表3には示していないが、排出管32の内径が2mmの場合、排出管32の開口部と反応槽20の底面とが成す角度が8.5°のとき、排出管32の先端を反応槽20の底面から1mm離しても排液はスムーズに行われ、残量は50μlという最低値を示した。
排出管32の開口部が底面から一番離れている部分の底面からの距離(d)は、排出管32の内径(c)に肉厚を足したものと、排出管32の開口部が反応槽20の底面と成す角度(θ)とで決定される。すなわち、d=(c+2)×tanθである。そこで、dと溶液の残量の相関を調べたところ、dが1.5mm以下の場合は、排出管32の内径に関わらず、最低残量であるほぼ50μlになったが、それ以上のdの場合、距離dの値と残量は良好な正の相関を示し(図11参照)、溶液の残量を決定しているのはdの値であると判断された。このことは、反応槽20から溶液を排液する最終段階では、残量が少ないため、排出管32の開口部ではエアーを吸いながら、残液を吸引することになるが、このとき、距離dの値が小さいほど、残液の吸引力が高くなり、残液が減少すると解釈できる。
以上の結果は、吸引した溶液が排出管32から落下するという現象は、内径が5mm以上の排出管32で排液ポンプが停止したときに見られること、排出管32の内径が4mm以下の場合には、反応槽20の底面から一番離れている排出管32の開口部の底面からの距離(d)と溶液の残量とはよく相関し、dが1.5mm以下であれば、溶液の残量をほぼ最低まで減らすことが可能であることを示している。
なお、本実施例で使用した反応槽20は、実施例2で使用した反応槽Eと同じものであり、実施例2で示したように手動では約140μlが最低残液であったため、本試作装置における排液管32の方がより効率的に排液したと考えられる。
実施例4:排出口の形状および排液ポンプの流量が溶液の残量に与える影響の検討
実施例3の結果から、排出口と反応槽の底面とが成す間隙であるdが反応槽からの排液に重要であることが分かった。そこで、実施例3と同様のセッティングを利用して、メンブレンを入れた反応槽から排液するときの、排出管の内径、排液ポンプの流速が反応槽内の溶液の残量に及ぼす影響について検討した。なお、排出管の内径が5mm以上のものについてはポンプ停止時に吸引した溶液が排出管から反応槽へ落下するため不適格と判断し使用しなかった。
実施例3の試作装置のシーソー型振盪台に、96mm×96mm×50mm(高さ)のプラスチック製の反応槽を設置した。反応槽に、70×80mmのPVDFメンブレンを入れた以外は、実施例3と同じ試作装置およびセッティングを用いて検討した。反応槽に、20mlのTBS-Tを注入し、排液ポンプを20秒間稼働させ、排出管を介して排液し、排出管の開口部(排出口)の最大間隙(実施例3のdの値)、排出管の太さ、および排液ポンプの流速を変化させ検討した。なお、排出管の設置方法は実施例3と同様である。反応槽の残液量は50μl単位で計測した。なお、本セットアップでは、規定の20秒間で、排液ポンプで完全に吸引したと判断された状態でも、メンブレンの下部にTBS-Tが存在するため、最低の残液量は250μlであった。
結果を表4に示す。得られた結果から、溶液の残量を最小にするは、反応槽の底面から一番離れている排出管の開口部の底面からの距離(d)が小さい方がよいことが分かった。また、完全排液には、排液時の排液ポンプの流速が大きいほどよりよいことが分かった。また、距離dの値が小さい場合には、排液ポンプの流速が5mlという小さい流量でも完全排液が可能であることが分かった。
実施例2に示したように、手動で行う場合、通常サイズの反応槽やメンブレンを用いると、発生する残液量は最大でも400μlであると判断された。これを本発明の自動反応装置でも許容される最大残液とした場合、これを実現するためのdの最大値は排液ポンプの流速が最大の120ml/10secのときで、6.0mmであった。ちなみに、排液ポンプの流速が84ml/10secのときでは、4.8mm、排液ポンプの流速が40ml/10secのときでは、3.5mmであった。以上のことは少なくとも、dの値が6.0mm以下であれば、排液ポンプの流速を上げれば手動による操作と同等の処理液の排液ができることを示している。
なお、本実施例4では円筒形の1本の排出管の片側のみに斜めに開口部を設けたが、排出管は複数本を利用した方が、より広い部分から吸入できるため、排液スピードや残量を少なくするためにより有用と考えられる。また、排出管の開口部の数も溶液の集合部位に向かって設置されておれば複数であってもよいと考えられる。
実施例5:排出口の形状が反応槽中のメンブレンの動きに与える影響の検討
反応槽内にメンブレンを入れて、排出口の形状、排出口の設置角度、排出口の大きさ、および排液ポンプの流速が、メンブレンの動きに及ぼす影響について検討した。実施例3と同じ試作装置とセッティングを用いて検討した。反応槽に20mlのTBS-Tを注入し、シーソー型振盪台を20往復振盪させた後、排液ポンプを20秒間稼働させて排出管を介して排液した。この間にメンブレンの動きについて、排出口の形状、排出管の太さ、および排液ポンプの流速を種々変化させて検討した。メンブレンが排出管にわずかでも引っかかる動きがあった場合を×、引っかかる動きが見えない場合を○とした。
結果を表5に示す。排出管の先端へのメンブレンの引っ掛かりは、排出管の開口面が反応槽の壁面を向いている場合、全く見られなかった。排出管の開口部が中央へ向いている場合(−5度)の場合、メンブレンが排出管の開口部に侵入し、振盪時、排液時とも引っ掛る結果となった。なお、表5には示していないが、排出管の先端を反応槽の底面から1mm浮かせると何れの場合もメンブレンが排出管の先端部に引っ掛る動きが見えた。
以上の結果は、メンブレンは、排出管の先端に入り込む、または、排液時の吸入によって排出口へ接触することで引っ掛ることを示している。これを防ぐために、構造が最も単純である排出口が一本の場合は、排出口は、反応槽の中央ではなく、図10に示すように反応槽の壁面と底面とが合する方向に向いており、かつ、排出口の反応槽の中央部側は、反応槽の底面と接触する構造を有することが重要である。こうすることにより、メンブレンは排出口に接近できないため、メンブレンが排出口に引っ掛ることはなくなる。なお、この排出口が反応槽の壁面と底面とが合する方向に向いている構造は、反応槽を傾けて溶液を排液する際には、溶液が集合した直上部に排出口を位置させることができるため都合がよい。
構造が複雑化する問題を除けば、排出管は、1個よりも複数個を設置した方が、排液速度の上昇と残液量の減少には効果的と考えられる。さらに、排出管に複数の排出口を持つようなものも効果があると考えられる。しかしながら、これらの場合でも、排出口にメンブレンが接近できないように、排出口を形成する構造体の一部が反応槽の底面と接触、または、別の構造体を排出口の周りに設置することが重要である。
以上、排液に関する検討である実施例2から実施例5までの結果を併せて考えると、排出管の内径は5mm未満であることが必須であり、排液速度は3.3ml/10sec以上で、かつ、反応槽の底面に一番近接した部分(突出部の先端)は反応槽の底面から1mm以内、一番離れている排出管の開口部(排出口)の底面からの距離(d)は反応槽の底面から6mm以下であれば、実質的に問題ない程度まで、残液を減らして排液できることが分かった。また、排出口にメンブレンが接近できないように、排出口を形成する構造体の一部が反応槽の底面と接触、または、別の構造体を排出口の周りに設置することが重要であると結論できた。
実施例6:シーソー型振盪台における振盪速度の検討
実施例3で示したシーソー型振盪台での溶液の撹拌において、撹拌が最もよく行われる振盪速度を検討した。シーソー型振盪台へ、プラスチック製の反応槽を載せ、種々の振盪速度で反応槽内の溶液を撹拌した。撹拌の状態は、反応槽に入れた水溶液に青色素(sumifix)標識したブタIgG抗体を反応槽の中央部に10μlを加え、色素が反応槽全体に均一になるまでの時間を測定することで検討した。なお、溶液の均一性は目視で確認した。3種のサイズの反応槽、box小(7cm×7cm)、box中(10cm×9cm)、およびbox大(14cm×12cm)に5ml、10ml、または15mlのTBS-Tを入れ、10秒の往復の振盪数として、10秒間に2.2往復、5.0往復、7.1往復、11.1往復、20.0往復の振盪速度を用いた。
図12(a)に示すように、溶液量が5mlと少ない場合、どの大きさの反応槽でも振盪数11.1往復/10sec以下の場合は120秒以内に均一になった。振盪数が上昇するにつれて、box小では均一になる時間が短縮したが、box中ではほとんど変化はなく、box大では逆に均一になるのに非常に時間がかかり最大振盪数では10分以内に均一にならなかった。
また、図12(b)に示すように、溶液量を10mlにした場合、box小では振盪数が一番少ない時にやや均一になる時間が長かったが、それ以上の振盪数では何れの大きさの反応槽であっても速やかに溶液は均一になった。
また、図12(c)に示すように、溶液量を15mlにした場合、box小では振盪数が少ない時に均一になる時間が長くなり、最少振盪数のときには4分以上かった。振盪数が5.9往復/10sec以上のときでは何れの大きさの反応槽でも速やかに溶液は均一になった。以上の結果は、シーソー型振盪台を利用した場合、回転数と溶液量を最適に設定しないと反応および洗浄が効率よく行われないことを示している。
イムノブロットにおける最短の工程は洗浄の5分間である。したがって、2分以内に均一に混合することが最低でも必要である。2分以内の混合を考えた場合、box大のサイズに5mlの溶液を入れた場合には、振盪速度は10秒間に11.1往復以下、box小のサイズに15mlの溶液を入れた場合には、振盪速度は10秒間に5往復以下が必要となる。本実施例の結果から判断すると、シーソー型振盪台によって撹拌する場合、振盪速度は10秒間に5往復〜11往復の範囲であれば問題ないと考えられる。
実施例7:溶液の撹拌を循環で行う際の送液ポンプの流量の検討
上記実施形態2の撹拌機構40によって行われる循環方式の撹拌において、溶液の撹拌が最もよい送液ポンプの流量(循環流速)を検討した。プラスチック製の反応槽に入れた溶液が、流速コントロールペリスタポンプ、以下本実施例では単に「ポンプ」という)を利用して、反応槽内を循環できるようにセットアップした。反応槽にTBS-Tを一定量入れ、ポンプによる循環を開始後、実施例6と同じ色素標識したブタIgG抗体、10μlを反応槽の中央に入れた時点で測定を開始し、目視で観測しながら色素標識抗体が均一になるまでの時間を測定した。反応槽として、3種のサイズの反応槽、box小(7cm×7cm)、box中(10cm×9cm)、およびbox大(14cm×12cm)を利用した。box小とbox中では、5ml、10mlおよび15ml、box大では10ml、15mlおよび20mlの溶液量で観察した。また、循環の流速は、6.5ml/10sec、13.0ml/10sec、20.0ml/10sec、31.5ml/10secに設定した。
その結果、同じ大きさの反応槽の中では溶液量が少ないほど、また流速が速いほど均一になるまでの時間が短いことが分かった。また、反応槽のサイズで比較すると、小さい反応槽の方が速く均一になることが分かった。実際にイムノブロットで利用する場合、最も短い工程は洗浄工程の5分間であるので、遅くとも2分以内に均一になることが望ましい。これを満たす流速としては、box小では流速6.5ml/10sec以上、最も時間のかかるbox大では流速31.5ml/10secのみが満足した。
以上のことから、安全係数を考慮し、循環方式の場合、流速が5ml/10sec〜35ml/10secの範囲であれば迅速に均一になると判断した。
実施例8:実施形態1の自動反応装置によるウェスタンブロットの例
実施形態1と同等のセッティングにおいて自動運転時のウェスタンブロットおよびドットブロットによる評価を行った。HuH7細胞の破砕液を10μl、5μl、2.5μl、マーカーと共に電気泳動し、泳動ゲル中のタンパク質をPVDFメンブレンに転写した。転写したメンブレンを反応槽に入れ、処理工程を、ブロッキング処理 1時間、洗浄1分×3回、一次抗体反応 1時間、洗浄5分×3回、二次抗体反応 1時間、洗浄5分×4回、にセットした。各工程用の処理液は、ブロッキング溶液として20mlの5%スキムミルク、一次抗体溶液として20mlの1/10000希釈の抗ビメンチン抗体、二次抗体液として20mlの1/20000希釈の抗マウスIgG(HRP標識)を利用して、自動運転をスタートした。なお、温度は室温で行った。対照として同じ操作を手動で行った。自動、または手動で処理が終わったメンブレンをHRPの発光用基質と反応させ、発光検出装置を利用して測定した。
結果を図14に示す。図14から分かるように自動装置でウェスタンを行ってもシグナル強度は手動と変化はなかった。また、バックグラウンドもほぼ同じであった。
実施例9:メンブレンを水平にセットした時のドットブロットの例
実施形態1と同等のセッティングにおいて自動運転時のウェスタンブロットおよびドットブロットによる評価を行った。BNC-ST(ビークル社製)を1000pgから2倍希釈系列で7つの濃度で各濃度3点ずつスポットしたPVDFメンブレンを反応槽に入れ、処理工程を、ブロッキング処理 30分間、洗浄1分×3回、一次抗体反応 30分間、洗浄5分×3回、二次抗体反応 30分間、洗浄5分×4回、にセットした。各工程用の処理液は、ブロッキング溶液として20mlの5%スキムミルク、一次抗体溶液として20mlの0.5μg/mlの抗Pre-Slポリクローナル抗体、二次抗体溶液として20mlの1/10000希釈の抗ウサギIgG(HRP標識)を利用して、自動運転をスタートした。なお、温度は室温で行った。対照として同じ操作を手動で行った。自動、または手動で処理が終わったメンブレンをHRPの発光用基質と反応させ、発光検出装置を利用して測定した。
結果を図15に示す。図15から分かるように自動装置で行ってもシグナル強度は手動と変化はなかった。また、バックグラウンドもほぼ同じであった。
実施例10:反応温度が抗体反応時間に及ぼす影響の検討
加温がイムノブロットの抗体反応時間に対する影響を検討した。タンパク質(HBsAg ST型、ビークル社製)の2ngをスポットしたPVDFメンブレン(メルクミリポア社製)を作成し、5%スキムミルクでブロッキング処理後、50mlのプラスチックチューブへ10mlの一次抗体溶液(抗Pre-S1抗体、ビークル社製、20000倍希釈)と一緒に収納した。50mlチューブを加温が可能なロータリー型撹拌装置(日伸理化サーモブロックローテーター、SN-06BN)へ入れてチューブを回転させることで抗体溶液を撹拌しつつ反応させた。反応終了後、メンブレンを洗浄し、次いで10mlの二次抗体溶液(HRP標識抗マウス抗体、(Rockland社製、20000倍希釈)をチューブに入れてさらに反応させた。反応終了後、メンブレンをECL試薬(ECL-Prime、GE社製)により発光させ、測定装置(ChemiDocTM XRS Bio-Rad社製)を用いてスポットしたタンパク質のシグナル強度を観測した。得られた画像データはimage-Jによる解析で数値化した。
結果を図16に示す。図16から分かるように抗体反応温度を37℃に上昇させると、室温と比べ、シグナル強度は格段に向上し、37℃の場合、室温のほぼ2倍まで向上した。このとき、室温60分の反応と同等の反応を得るために、37℃では23分の時間で達成することが出来ることが分かった。
実施例11:処理液用貯留槽の温度の検討
処理液用貯留槽および洗浄液用貯留槽(以下単に「貯留槽」という)には、ブロッキング溶液、一次抗体溶液、二次抗体溶液、および、洗浄液が入れられる。このうち、一次抗体溶液および二次抗体溶液は長時間室温にさらすと反応性が下がる可能性があり、二次抗体溶液は酵素標識されているため、酵素活性が低下する可能性も考えられる。一方、上記したように、自動反応装置にタイマーを取り付けることは、反応開始時間を任意に設定することで、反応終了時間を希望の時間に設定することが可能となる。しかしながら、貯留槽に抗体溶液を含む必要な溶液をセットした後、反応開始させるまでに長時間の間隔がある場合、抗体溶液が劣化し、反応が低下する可能性がある。そこで貯留槽に各溶液をセットした後の貯留槽の温度と反応開始までの時間がイムノブロットの結果に及ぼす影響を検討した。
実施形態1に示した原理に基づく自動反応装置を用いて以下の条件で検討を行った。タンパク質としてHBsAg ST型(ビークル社製)の2ngをスポットしたPVDFメンブレン(メルクミリポア社製)を作製した。このメンブレンを自動反応装置の反応槽にセットし、貯留槽には、ブロッキング溶液として20mlの5%スキムミルク、20mlの一次抗体溶液(抗Pre-S1抗体、ビークル社製、10000倍希釈)、二次抗体溶液(HRP標識抗マウス抗体、Rockland社製、10000倍希釈)、洗浄液としてTBS-Tをセットし、反応時間はすべて1時間に設定し、装置を用いて一連の反応を行った。反応終了後メンブレンをECL試薬(ケミルミワン、ナカライテスク社製)により発光させ、測定装置(ChemiDocTM XRS Bio-Rad社製)を用いて観測した。
まず、タイマーを利用しないで反応を行い、反応の終わったメンブレンを4℃にてTBS-T中で16時間保存し、これを反応が終わった直後のメンブレンと同時にECL試薬と反応させ比較した。その結果、両者に違いはなく、反応後のメンブレンは4℃のTBS-T中で保存すれば16時間までは安定であることが分かったので、これをコントロールとした。次いで、2種の抗体を入れた貯留容器を4℃または25℃で12時間放置した後、反応を開始して得られた結果をコントロールと比較した。結果を図17に示す。
図17に示すように、25℃で貯留容器を放置した場合、コントロールと比べ、明らかに低いシグナルが得られた。一方、4℃で放置した場合には、コントロールとほぼ同じ強さのシグナルが得られた。以上のことから、タイマーを利用して反応を遅れて開始させる場合には、一次抗体溶液および二次抗体溶液を4℃で保存すれは少なくとも12時間程度は活性の低下を起こすことなく反応を行うことが出来ることが分かった。
1 自動反応装置
11 処理液用貯留槽
12 洗浄液用貯留槽
20 反応槽
31 注入管
311 注入口
32 排出管
321 排出口
322 突出部
323 吸引装置
40 撹拌機構
51 加温機構
52 冷却機構
60 制御装置
61 タイマー
M メンブレン

Claims (9)

  1. 被検出物質が固相化されたメンブレンを用いて被検出物質を検出するための反応を自動で行うための自動反応装置であって、
    被検出物質検出用の少なくとも1種の処理液が収納される処理液用貯留槽と、
    洗浄液が収納される洗浄液用貯留槽と、
    前記メンブレンを横にした状態で収納することが可能な広さの底面を有し、前記処理液用貯留槽から注入管を介して注入された処理液と前記メンブレンを反応させる反応槽と、
    前記反応槽を一の方向とその反対方向とに交互に傾動させることにより前記処理液を撹拌する撹拌機構と、
    前記撹拌機構による傾動によって最も大きく上下変位する前記反応槽の底面の部分に下端の排出口が位置するように設けられる排出管と、
    前記排出管の下端の前記排出口に吸引力を作用させて処理液を排出する吸引装置と、
    前記撹拌機構および前記吸引装置の各動作を制御する制御装置と、を備え、
    前記排出管は、前記メンブレンと前記排出口との間に介在する突出部を備えており、
    前記反応槽には、前記処理液用貯留槽からの処理液と前記洗浄液用貯留槽からの洗浄液とが前記注入管を介して設定した順序で注入されるとともに、前記反応槽に注入された処理液および洗浄液は、前記反応槽で所定の処理を行った後に前記排出管より前記反応槽の外部に排出され、
    前記制御装置は、前記排出管が設けられている側が傾斜下端になったときに前記撹拌機構の動作を停止させて前記吸引装置の動作を開始させるものである自動反応装置。
  2. 前記反応槽は、着脱式であり、
    前記突出部は、前記排出管の下端の少なくとも一部を残してにより形成されている請求項1に記載の自動反応装置。
  3. 前記注入管から注入される処理液および洗浄液の流速は、3.3ml/10sec以上であり、
    前記排出管から排出される処理液および洗浄液の流速は、3.3ml/10sec以上である請求項1または2に記載の自動反応装置。
  4. 前記注入管は、一または複数の注入口を有しており、
    前記注入管から注入される処理液および洗浄液の流速は、方程式y=−0.4804×(ln(x))+32.789×ln(x)−13.849で導き出される値以下であり、前記xは前記注入管の下端の注入口の総面積を表し、前記yは処理液および洗浄液の流速を表す請求項1〜3のいずれか一項に記載の自動反応装置。
  5. 前記排出管は、内径が5mm未満であり、
    前記排出管の下端は、前記突出部の最も接近した部分が前記反応槽の底面から1mm以内であり、最も離れた部分が前記反応槽の底面から6mm以内である請求項1〜4のいずれか一項に記載の自動反応装置。
  6. 前記撹拌機構は、10秒間に5往復〜11往復で傾動する請求項1〜5のいずれか一項に記載の自動反応装置。
  7. 前記制御機構は、処理液および洗浄液の注入、撹拌、および、排出のタイミングを制御するためのタイマーを含む請求項1〜6のいずれか一項に記載の自動反応装置。
  8. 前記反応槽を25℃〜45℃の間で加温可能な加温機構をさらに備える請求項1〜7のいずれか一項に記載の自動反応装置。
  9. 前記処理液用貯留槽のうち、少なくとも抗体溶液を貯留するための処理液用貯留槽を0℃〜15℃の間で冷却可能な冷却機構をさらに備える請求項1〜8のいずれか一項に記載の自動反応装置。
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