JP2018058952A - 感圧式接着剤及び接着フィルム - Google Patents

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【課題】接着フィルム製造時の加工性と再剥離性に優れ、高温環境下や高温高湿環境下に曝された際の被着体からの浮きや剥がれが発生しにくい感圧式接着剤およびそれを用いた自着性が低減された接着フィルムを提供すること。【解決手段】水酸基を有するポリウレタン樹脂(A)、水酸基と反応し得る官能基を有する反応性化合物(B)、及び滑剤(C)を含有する感圧式接着剤であって、前記滑剤(C)は、脂肪酸アミドおよび脂肪酸金属塩からなる群より選択される1種以上である感圧式接着剤。【選択図】なし

Description

本発明は、感圧式接着剤と、それを用いた接着フィルムおよび光学積層体に関する。
電子計算機、電子時計、携帯電話、テレビジョン等の家庭用・業務用電化製品など様々な機器に使用される液晶ディスプレイ等の表示装置は、大型化が進んでおり、特に液晶テレビやプラズマテレビ等は大型化が顕著である。また、近年ではスマートフォンやタブレットをはじめとするタッチパネル方式の液晶ディスプレイが急速に普及しており、今後も大きな市場拡大が期待されている。一方で、液晶ディスプレイは、カーナビゲーションなど車載機器等にも使用されており、高温高湿雰囲気などの過酷な車内環境下で使用できる耐久性が必要とされている。
従来、液晶ディスプレイ等の光学部材には、加工、組立、検査、輸送などの際の表面の汚れや傷付き防止のために、一般に、露出面側に表面保護フィルムが貼着される。特に、光学部材用の表面保護フィルムは、その製造工程で貼付と剥離が繰り返される場合があるため、貼付のしやすさ(被着体への濡れ広がり)と剥離の際に光学部材表面を汚染しない再剥離性(リワーク性とも称す)が必要である。また、光学部材の薄膜化に伴い光学部材自体が割れやすくなっており、表面保護フィルムは、接着性を有しながらも、より弱い力で剥離が可能な特性(軽剥離性)が必要となってきている。更に、表面保護フィルムに対しては、加熱、湿熱状態に曝されても発泡したり、被着体から剥離したりしない、高い耐久性も必要とされている。
この表面保護フィルムを貼着した光学部材等の積層体が、簡単に剥離できるだけでなく、高温下、又は高温高湿条件下等の過酷な環境下でも発泡、浮き・剥がれが生じないようにするため、アクリル系樹脂を含む感圧式接着剤や、シリコーン樹脂を含む感圧式接着剤が用いられてきた。
しかし、アクリル系樹脂を含む感圧式接着剤は、接着層自体の凝集力の不足から、貼付後の時間の経過に伴って、著しく接着力が増加したり、剥離時に糊残りが起きたりする場合があり、光学部材や電子部材などの特に異物混入を嫌う部材の表面保護フィルムとして用いるには問題があった。
また、シリコーン樹脂を粘着剤層は、剥離後に、シリコーン樹脂が被着体を汚染しやすく、光学部材や電子部材などの特に低汚染が要求される部材の表面保護フィルムとして用いるには問題があった。
そこで、アクリル系樹脂やシリコーン樹脂を使用しない感圧式接着剤として、ポリオール単位としてポリエーテルポリオールを使用したポリウレタン樹脂を含む感圧式接着剤が開示されている(特許文献1または2)。しかし、従来の特許文献1または2の感圧式接着剤は、ポリウレタン樹脂を使用しているため柔軟性が出て接着力は向上するが、凝集力が低下して糊残りしやすくなるといった問題点があった。
また、ポリオール単位としてポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールを併用したポリウレタン樹脂を含む感圧式接着剤が開示されている(特許文献3)。しかし、ポリオール単位としてポリエステルポリオールを用いたポリウレタン樹脂を使用した接着フィルムは、凝集力が高く糊残りを抑制することができるが、接着層自体の弾性率も高くなって基材との密着性が低下し、十分な接着力を維持できないという問題があった。
この改良のため、ポリオール単位としてポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールを併用したポリウレタン樹脂に、カルボン酸エステルを含有した感圧式接着剤(特許文献4)、またはポリオール単位としてポリエーテルポリオール、またはポリエステルポリオールを使用したポリウレタン樹脂に、ポリアルキレングリコール系化合物、エポキシ系化合物またはリン酸エステル系化合物等の可塑性樹脂を含有した感圧式接着剤(特許文献5)が開示されている。
しかし、特許文献4または5の感圧式接着剤は、ポリウレタン樹脂に可塑性樹脂を含有することにより、柔軟性を高めることは可能であるが、凝集力が乏しくなるため、塗工後の接着フィルムをロール状態、またはそれを枚葉に裁断して積み重ねた状態のいずれのかの状態で長時間静置した場合には、ロール状態の静置の場合には巻き芯に近い部分に、積み重ねた状態で静置した場合では下部の方に、それぞれ柚肌現象(別名、オレンジピールとも称す)が発生し、塗膜欠陥となることが多い。また、接着フィルムの打ち抜き加工時に感圧式接着剤のはみ出しやべたつきが生じるなどの加工性が低下することに加え、再剥離性に乏しいという問題があった。
また、ポリウレタン樹脂を使用した接着フィルムは、水素結合性が高いために接着層同士が触れた場合、アクリル樹脂とは異なって、かなり強固に接着する(自着性とも称す)ことが知られており、自着した接着フィルムを引き剥がした場合には、接着層表面の凹凸が著しくなって、平滑性が損なわれるという問題があった。そのため、引きはがした接着フィルムの再利用は不可能であり、作業性の低下を招くという、潜在的な問題もあった。
そこで、塗工後の柚肌現象、加工時のはみ出しやべたつき防止、または自着性の抑制を改善するために、感圧紙接着剤に滑性のあるワックスを混合する方法(特許文献6)が開示されている。しかし、シリコーン系、オレフィン系等のワックスや固体可塑剤を混合すると塗加工性や自着性の低減には効果を示すが、相溶性が低下するために接着フィルムの透明性低下や、再剥離性が極端に損なわれるという問題があった。
このような状況に鑑み、接着フィルムの塗膜欠陥や自着性を低減させる事で作業性を向上し、さらに耐熱性や耐湿熱性等の耐久性、濡れ広がり性、及び再剥離性が良好であり、フィルムラベル用途から電気、光学用途に至るまで使用可能な、汎用性の高い、表面保護フィルムにも使用可能な感圧式接着剤が望まれていた。
特開2006−182795号公報 特開2014−028876号公報 特開2002−501954号公報 特開2015−151429号公報 特開2015−007226号公報 WO2013/105582号公報
本発明が解決しようとする課題は、上記諸問題を解決すべく、接着フィルムの製造時に加工性(感圧式接着剤のはみ出しやべたつき防止)が向上し、また、接着フィルムに用いた際の自着性を低減し、再剥離性に優れ、高温環境下や高温高湿環境下に曝された際の被着体からの浮きや剥がれが発生しにくい感圧式接着剤およびそれを用いた接着フィルムを提供することを目的とする。さらに表面保護フィルムとして用いた際、濡れ広がり性が良好であり、高温高湿の環境下に曝された場合においても高い透明性を維持し、微粘領域でも良好な接着力を有し、また、剥離時にガラス板等の被着体を汚染することが無い感圧式接着剤およびそれを用いた接着フィルムを提供することである。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す感圧式接着剤により、前記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の実施態様は、水酸基を有するポリウレタン樹脂(A)、水酸基と反応し得る官能基を有する反応性化合物(B)、および滑剤(C)を含有する感圧式接着剤であって、前記滑剤(C)は、脂肪酸アミドおよび脂肪酸金属塩からなる群より選択される1種以上である感圧式接着剤である。
また、本発明の実施態様は、前記滑剤(C)を前記ポリウレタン樹脂(A)100質量部に対して0.1〜50質量部を含有する上記感圧式接着剤である。
また、本発明の実施態様は、前記滑剤(C)は、融点70℃以上、200℃未満である上記感圧式接着剤である。
また、本発明の実施態様は、前記ポリウレタン樹脂(A)の重量平均分子量が10,000〜500,000である上記感圧式接着剤である。
また、本発明の実施態様は、前記ポリウレタン樹脂(A)は、ポリオール(a1)70〜99質量%、およびポリイソシアネート(a2)1〜30質量%の反応生成物である上記感圧式接着剤である。
また、本発明の実施態様は、前記ポリオール(a1)が、ポリエーテルポリオール(a1−2)を含む上記感圧式接着剤である。
また、本発明の実施態様は、前記反応性化合物(B)が、ポリイソシアネート(b1)を含む上記感圧式接着剤である。
また、本発明の実施態様は、さらに、イオン性化合物(E)を含む上記感圧式接着剤である。但し、イオン性化合物(E)は、前記ポリウレタン樹脂(A)、前記反応性化合物(B)および前記滑剤(C)である場合を除く。
また、本発明の実施態様は、基材(G)および上記感圧式接着剤より形成された接着層を備えた接着フィルムである。
また、本発明の実施態様は、光学フィルム(I)、上記感圧式接着剤より形成された接着層、およびガラスを備えた光学積層体である。
本発明の感圧式接着剤を用いることにより、接着フィルムのゆず肌現象が抑制されることで品質が向上し、また自着性を低減することで作業性も向上し、基材との密着性、再剥離性、耐熱性、耐湿熱性および透明性に優れた感圧式接着層を形成し得る、光学部材用の接着に好適に用いることができる感圧式接着剤が提供できるようになった。
さらに、前記感圧式接着剤の利用により、高温下あるいは高湿度下においても発泡や剥がれ等が発生せず、加工、組立、検査、輸送などの際の光学部材表面の汚れや傷付き防止も良好であり、剥離時には被着体を汚染しない表面保護フィルムを提供できるようになった。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の感圧式接着剤は、水酸基を有するポリウレタン樹脂(A)、水酸基と反応し得る官能基を有する反応性化合物(B)、及び滑剤(C)を含有する感圧式接着剤であって、前記滑剤(C)は、脂肪酸アミドおよび脂肪酸金属塩からなる群より選択される1種以上である感圧式接着剤であることが特徴である。本発明の感圧式接着剤は、基材に塗工により形成された接着層が積層された接着フィルムとして使用することが好ましい。
以下、感圧式接着剤の構成成分について具体的に説明するが、本明細書では、「水酸基を有するポリウレタン樹脂(A)」を「ポリウレタン樹脂(A)」と、「水酸基と反応し得る官能基を有する反応性化合物(B)」を「反応性化合物(B)」と、それぞれ略記することがある。
<ポリウレタン樹脂(A)>
ポリウレタン樹脂(A)は、構成する単量体単位として、ポリオール(a1)単位及びポリイソシアネート(a2)単位を含有する樹脂であり、これら単量体混合物の重合により得られる樹脂である。
<<ポリオール(a1)>>
まず、ポリウレタン樹脂(A)を構成する単量体であるポリオール(a1)について説明する。
本明細書でいうポリオール(a1)とは、その構造中に、水酸基を2個以上有する化合物であり、ジオール、および水酸基を3個以上有するポリオールの双方を含む事が好ましい。
ポリオール(a1)がジオールを含むことで、ポリウレタン樹脂(A)の柔軟性が向上し、感圧式接着剤のガラス板に対する接着力を再剥離可能な微粘領域(例えば、粘着力10.0mN/25mm未満)に低減することが可能となる。
さらに水酸基を3個以上有するポリオールを含むことで、ポリウレタン樹脂(A)に、後述の反応性化合物(B)との架橋点となり得る水酸基を導入できるため、凝集力の更なる制御が望め、再剥離性と微粘領域の接着性や濡れ広がり性とのバランスを制御することが可能となる。
このようなポリオール(a1)としては、短鎖ポリオール類(a1−1)、ポリエーテルポリオール類(a1−2)、ポリエステルポリオール類(a1−3)、ポリアミドポリオール類(a1−4)、ポリカーボネートポリオール類(a1−5)、及び(a1−1)〜(a1−5)に類さないその他ポリオール類(a−6)などが挙げられる。
短鎖ポリオール類(a1−1)とは、後述の重合度2以上の繰り返し単位を有する(a1−2)〜(a1−6)のポリオール類を構成する最小単位となる単量体となりうる化合物である。
短鎖ポリオール類(a1−1)としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−ブチル−3−エチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,12−オクタデカンジオール、1,4−テトラコサンジオール、1,6−テトラコサンジオール、1,4−ヘキサコサンジオール、1,6−オクタコサンジオール等の鎖状の脂肪族ジオール;
例えば、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール,トリシクロデカンジメタノール、シクロペンタジエンジメタノール、2,5−ノルボルナンジオール、1,3−アダマンタンジオール、ダイマージオール等の脂環族ジオール類;
例えば、o−,m−,及びp−ジヒドロキシベンゼン、1,2−インダンジオール、ベンゼン−1,2−ジメタノール(別名:フタリルアルコール)、ベンゼン−1,3−ジメタノール(別名:イソフタリルアルコール)、ベンゼン−1,4−ジメタノール(別名:テレフタリルアルコール)、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、(3,4−ジヒドロキシフェニル)メタノール(別名:プロトカテクイルアルコール)、(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)メタノール(別名:バニリルアルコール)、2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)エタン−1−オール(別名:ホモバニリルアルコール)、3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロパ−2−エン−1−オール(別名:コニフェリルアルコール)、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)プロパ−2−エン−1−オール(別名:シナピルアルコール)、1,2−ジフェニルエタン−1,2−ジオール(別名:ヒドロベンゾイン)、ハイドロキノン、レゾルシン、4−クロロレゾルシン、4−メチルレゾルシン、5−メチルベンゼン−1,3−ジオール(別名:オルシノール)、2−メチルベンゼン−1,4−ジオール(別名:トルヒドロキノン)、2,3−ジメチルベンゼン−1,4−ジオール(別名:o−キシロヒドロキノン)、2,6−ジメチルベンゼン−1,4−ジオール(別名:m−キシロヒドロキノン)、2,5−ジメチルベンゼン−1,4−ジオール(別名:p−キシロヒドロキノン)、2,3,5−トリメチルベンゼン−1,4−ジオール(別名:プソイドクモヒドロキノン)、2−イソプロピル−5−メチルベンゼン−1,4−ジオール(別名:チモヒドロキノン)、2,3,5,6−テトラメチルベンゼン−1,4−ジオール(別名:ジュロヒドロキノン)、5−ペンチルベンゼン−1,3−ジオール(別名:オリベトール)、4,4’−メチレンジフェノール(別名:pp−ビスフェノールF)、4,4’−(2−ノルボルニリデン)ジフェノール、4,4’−ジヒドロキシメチルビフェニル、4,4’−ビフェニルジオール、2,3−ジヒドロキシブフェニル、テトラニトロビフェニルジオール、5,5’−ジプロピル−ビフェニル−2,2’−ジオール、3,3’−ジアミノビフェニル−4,4’−ジオール、5,5’−テトラメチルビフェニル−4,4’−ジオール、ジフェニルシランジオール、(E)−4,4’−(ヘキサ−3−エン−3,4−ジイル)ジフェノール(別名:ジエチルスチルベストロール)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン(別名:ビスフェノールS)、4,4’−イソプロピリデンフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル(別名:4,4'−オキシジフェノール)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:ビスフェノールA)、1,3−ナフタレンジオール、1,5−ナフタレンジオール、1,7−ナフタレンジオール、1,7−ジヒドロキシメチルナフタレン、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸アンモニウム、9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9’−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン1,4−ジヒドロ−9,10−アントラセンジオール等の芳香族ジオール類;
例えば、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,1,1−トリメチロールブタン、1,1,1−トリメチロールペンタン、1,1,1−トリメチロールヘキサン、1,1,1−トリメチロールヘプタン、1,1,1−トリメチロールオクタン、1,1,1−トリメチロールノナン、1,1,1−トリメチロールデカン、1,1,1−トリメチロールウンデカン、1,1,1−トリメチロールドデカン、1,1,1−トリメチロールトリデカン、1,1,1−トリメチロールテトラデカン、1,1,1−トリメチロールペンタデカン、1,1,1−トリメチロールヘキサデカン、1,1,1−トリメチロールヘプタデカン、1,1,1−トリメチロールオクタデカン、1,1,1−トリメチロールノナデカン、1,1,1−トリメチロール−sec−ブタン、1,1,1−トリメチロール−tert−ペンタン、1,1,1−トリメチロール−tert−ノナン、1,1,1−トリメチロール−tert−トリデカン、1,1,1−トリメチロール−tert−ヘプタデカン、1,1,1−トリメチロール−2−メチル−ヘキサン、1,1,1−トリメチロール−3−メチル−ヘキサン、1,1,1−トリメチロール−2−エチル−ヘキサン、1,1,1−トリメチロール−3−エチル−ヘキサン、1,1,1−トリメチロールイソヘプタデカン、トリメチロールブテン、トリメチロールヘプテン、トリメチロールペンテン、トリメチロールヘキセン、トリメチロールヘプテン、トリメチロールオクテン、トリメチロールデセン、トリメチロールドデセン、トリメチロールトリデセン、トリメチロールペンタデセン、トリメチロールヘキサデセン、トリメチロールヘプタデセン、トリメチロールオクタデセン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,6−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−オクタントリオール、1,3,7−オクタントリオール、3,7−ジメチル−1,2,3−オクタントリオール、エリトリオール、1,2,3,4−ブタンテトラオール、1,2,10−デンカントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、ジトリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ベンゼン-1,3,5−トリオール(別名:フロログリシノール)、ベンゼン-1,2,3−トリオール(別名:ピロガロール)、スチルベン−3,4'、5−トリオール(別名:レスベラトール)、イノシトール、ソルビタン、ソルビトール、マンニトール、サッカロース、セルロース等の3個以上の水酸基を有するポリオール類等を挙げることができる。
ここで、ダイマージオールとは、リノール酸、オレイン酸、リノレン酸等の不飽和脂肪酸、トール油、綿実油、大豆油等より得られる乾性油脂肪酸または半乾性油脂肪酸等の炭素数18個のカルボン酸を熱重合して得られたダイマー酸を、さらに完全に水添して得られる炭素数36個の脂肪族ジオールであり、分岐構造やシクロヘキサン環を有するダイマージオールの幾何異性体の混合物として得られた化合物である。市販品としては、例えば、PRIPOL−2030、2033〔CRODA Coating & Polymers 社製〕や、Sovermol−908〔BASF 社製〕が挙げられる。
尚、ここでいう鎖状の脂肪族とは、非環式の鎖状の炭素化合物を意味し、環式の炭素化合物は脂環族と定義する。
また、短鎖ポリオール類(a1−1)の式量(Mn、数平均分子量とも称す)は、50〜800が好ましく、60〜600がより好ましい。式量(Mn)がこの範囲であると、後述のポリエーテルポリオール(a1−2)、ポリエステルポリオール(a1−3)、ポリアミドポリオール(a1−4)、またはポリカーボネートポリオール(a1−5)の疑似結晶性を崩すため、ポリウレタン樹脂の粘度を低減可能とし、塗加工性が良好となる。
また、より柔軟性が高まるため、粘着性を発現しやすくなる。尚、式量(Mn)は、化学便覧 基礎編 改訂5版(2004年、日本化学会)等に記載の文献値を使用した。
これらの中でも、感圧式接着剤のタック(粘着性)を低減させ、微粘領域での接着性を制御するために、上記脂肪族ジオール類、または脂環族ポリオールを使用することが好ましく、脂肪族ジオール類が特に好ましい。その中でも、ポリウレタン樹脂(A)に密度低減に伴う柔軟性を付与できる点を踏まえると、側鎖に炭素数4〜22のアルキル基を有する脂肪族ジオール類が好ましく、例えば、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,12−ドデカンジオールやダイマージオール等のアルキル基を有するジオールが特に好ましい。また、後述の反応性化合物との架橋点形成の点で、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,2,3−オクタントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ベンゼン-1,2,3−トリオール、ソルビタン、ソルビトール等の3個以上の水酸基を有するポリオール類を使用することが好ましい。
ポリエーテルポリオール類(a1−2)としては、公知のポリエーテルポリオールを用いることができる。ポリエーテルポリオール類(a1−2)は、2〜4個の活性水素原子を有する開始剤に、アルキレンオキサイドを開環付加重合させて得られたポリオキシアルキレンポリオールである。開始剤としては、例えば、上記の短鎖ポリオール類(a1−1)や、脂肪族アミン(例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ネオペンチルジアミンなどのアルキレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアルカノールアミン)などが挙げられるが、感圧式接着剤の基材への濡れ広がり性を考慮すると、上記の短鎖ポリオール類(a1−1)を開始剤として用いて、ポリエーテルポリオールとすることが特に好ましい。これらはそれぞれ1種単独で用いても2種以上併用してもよい。
尚、アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、2,3−ブチレンオキサイド、オキセタン、テトラヒドロフラン等を開環付加重合してポリオキシアルキレン骨格を有するものが挙げられる。
アルキレンオキサイド骨格を有するポリエーテルポリオールとしては、例えば、、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンプロピレングリコール(エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体)、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリペンタメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、ポリオクタメチレングリコール、ポリエチレンテトラメチレングリコール(エチレンオキサイド/テトラメチレンオキサイド共重合体)、上記、短鎖ポリオール(a1−1)に記載のジオール類を開始剤としてアルキレンオキサイドを開環重合したアルキルポリアルキレングリコール、シクロアルキルポリアルキレングリコール、またはビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノール類にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加させてなる芳香環を有するポリアルキレンジオール等のポリエーテルジオール類;
例えば、ポリオキシエチレングリセリン、ポリオキシエチレントリメチロールプロパン等のポリエチレントリオール、ポリオキシプロピレングリセリン、ポリオキシプロピレントリメチロールプロパン等のポリプロピレントリオール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリメチロールプロパン等のポリオキシアルキレントリオール、ポリオキシエチレンペンタエリスリトール等のポリエチレンテトラオール、ポリオキシプロピレンペンタエリスリトール等のポリプロピレンテトラオール、ポリオキシエチレンソルビットやポリオキシプロピレンソルビット等のポリオキシアルキレン多価オール等のエチレンオキサイド(EO)、またはプロピレンオキサイド(PO)の付加モル数:2〜45の水酸基を3個以上有するポリオール類が挙げられる。
この中でも、アルキレンオキサイド骨格の内、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールのように、ポリオキシオエチレン骨格やポリオキシプロピレン骨格を有するポリアルキレングリコールを使用すると、感圧式接着剤として用いた場合には、密度低減に伴う良好な柔軟性を付与することが可能となり、タック(粘着性)を低減できる。また、ポリオキシオエチレン骨格やポリオキシプロピレン骨格を有する、水酸基を3個以上有するポリオールを併用することが好ましく、例えば、ポリオキシエチレングリセリン、ポリオキシエチレントリメチロールプロパン、ポリオキシエチレンペンタエリスリトール等のポリエチレントリオールやポリオキシエチレントリメチロールプロパン、ポリオキシエチレンペンタエリスリトール等のポリエチレンテトラオール;、ポリオキシプロピレングリセリン、ポリオキシプロピレントリメチロールプロパン、ポリオキシプロピレンペンタエリスリトール等のポリプロピレントリオールやポリオキシプロピレンテトラオール;、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリメチロールプロパンやポリオキシエチレンポリオキシプロピレンペンタエリスリトール等のポリオキシアルキレントリオールやポリオキシアルキレンテトラオール等を併用することが好ましい。水酸基を3個以上有するポリオールを併用することで、後述の反応性化合物(B)との架橋点を制御することができるため、ポリウレタン樹脂(A)の凝集力を制御できる。また、後述の界面活性剤(C)との相溶性が良好となるため、接着フィルムの接着面への界面活性剤(C)のマイグレーションを抑制することができる。このように、ジオールと水酸基を3個以上有するポリオールを併用することで、微粘領域の接着性の制御や再剥離性と濡れ広がり性とを高い水準で両立できるため、表面保護フィルム等に使用することが可能となる。
ポリエーテルポリオール(a1−2)は、市販品を用いることもでき、例えば、PEG400(Mn=400,水酸基価=275,酸価<0.5,線形液状タイプ)、PEG600(Mn=600,水酸基価=180,酸価<0.5,線形液状タイプ)、PEG1000(Mn=1,000,水酸基価=112,酸価<0.5,線形ワックス状タイプ)、PEG2000(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<0.5,線形ワックス状タイプ)、PEG4000N(Mn=3,000,水酸基価=37,酸価<0.5,線形ワックス状タイプ)、PEG10000(Mn=10,000,水酸基価=11,酸価<0.5,線形固形タイプ)、ニューポールPP−400(Mn=400,水酸基価=275,酸価<0.5,線形液状タイプ)、ニューポールPP−1000(Mn=1,000,水酸基価=112,酸価<0.5,線形液状タイプ)、ニューポールPP−2000(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<0.5,線形液状タイプ)、ニューポールPP−4000(Mn=4,000,水酸基価=28,酸価<0.5,線形液状タイプ)、ニューポールGP−1000(Mn=1,000,水酸基価=112,酸価<0.5,線形液状3官能タイプ)、ニューポールGP−4000(Mn=4,000,水酸基価=28,酸価<0.5,線形液状3官能タイプ)、プライムポールFF−3550(Mn=5,000,水酸基価=34,酸価<0.5,線形液状3官能タイプ)、プライムポールFF−3320(Mn=3,000,水酸基価=56,酸価<0.5,線形液状3官能タイプ)、プライムポールFH−2200(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<0.5,線形液状タイプ)、プライムポールPX−1000(Mn=1,000,水酸基価=115,酸価<0.5,線形液状タイプ)〔以上、三洋化成工業社製〕;
アデカポリエーテルP−1000(Mn=1,000,水酸基価=110,酸価<0.1,線形液状タイプ)、アデカポリエーテルP−2000(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<0.1,線形液状タイプ)、アデカポリエーテルG−1500(Mn=1,500,水酸基価=110,酸価<0.1,線形液状3官能タイプ)、アデカポリエーテルG−3000B(Mn=3,000,水酸基価=56,酸価<0.1,線形液状3官能タイプ)、アデカポリエーテルAM−302(Mn=3,000,水酸基価=56,酸価<0.1,線形液状3官能タイプ)、アデカポリエーテルAM−502(Mn=4,600,水酸基価=36,酸価<0.1,線形液状3官能タイプ)、アデカポリエーテルGR−2505(Mn=2,500,水酸基価=69,酸価<0.1,線形液状3官能タイプ)、アデカポリエーテルGR−3308(Mn=3,400,水酸基価=25,酸価<0.1,線形液状3官能タイプ) 〔以上、アデカ社製〕;
EXCENOL 420(Mn=400,水酸基価=280,酸価<0.03,線形液状タイプ)、EXCENOL 1020(Mn=1,000,水酸基価=112,酸価<0.05,線形液状タイプ)、EXCENOL 2020(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<0.05,線形液状タイプ)、EXCENOL 3020(Mn=3,000,水酸基価=35,酸価<0.03,線形液状タイプ)、EXCENOL 510(Mn=4,000,水酸基価=28,酸価<0.05,線形液状タイプ)、EXCENOL 1030(Mn=1,000,水酸基価=160,酸価<0.05,線形液状3官能タイプ)、EXCENOL 240(Mn=3,000,水酸基価=56,酸価<0.05,線形液状3官能タイプ)、EXCENOL 820(Mn=4,900,水酸基価=34,酸価<0.05,線形液状3官能タイプ)、EXCENOL 823(Mn=5,100,水酸基価=33,酸価<0.05,線形液状3官能タイプ) 〔以上、旭硝子社製〕;
PTG 1000(Mn=1,000,水酸基価=110,酸価<0.05,線形ワックス状タイプ)、PTG 2000(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<0.05,線形ワックス状タイプ)、PTG 3000(Mn=3,000,水酸基価=36,酸価<0.05,線形ワックス状タイプ) 〔以上、保土谷化学工業社製〕;
PTMG1000(Mn=1,000,水酸基価=110,酸価<0.05,線形ワックス状タイプ)、PTMG 2000(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<0.05,線形ワックス状タイプ) 〔以上、三菱化学社製〕;
BLAUNON GL−9(Mn=650,水酸基価=259,酸価<0.05,線形液状3官能タイプ)、BLAUNON GL−20(Mn=1,300,水酸基価=127,酸価<0.05,線形液状3官能タイプ)、BLAUNON GL−26(Mn=1,700,水酸基価=100,酸価<0.05,線形液状3官能タイプ) 〔以上、青木油脂工業社製〕;
ユニオックス G−450(Mn=450,水酸基価=374,酸価<0.05,線形液状3官能タイプ)、ユニオックス G−750(Mn=750,水酸基価=224,酸価<0.05,線形液状3官能タイプ)、ユニオール TG1000(Mn=1,000,水酸基価=110,酸価<0.05,線形液状3官能タイプ)、ユニオール TG2000(Mn=2,000,水酸基価=84,酸価<0.05,線形液状3官能タイプ)、ユニオール TG3000(Mn=3,000,水酸基価=56,酸価<0.05,線形液状3官能タイプ)、TG4000(Mn=4,000,水酸基価=42,酸価<0.05,線形液状3官能タイプ) 〔以上、日油社製〕;
HQ−20(Mn=200,水酸基価=565,酸価<0.1,芳香環含有線形固状タイプ)、BA−4グリコール(Mn=400,水酸基価=280,酸価<0.1,芳香環含有線形液状タイプ)、BA−6グリコール(Mn=500,水酸基価=225,酸価<0.1,芳香環含有線形液状タイプ)、BA−10グリコール(Mn=660,水酸基価=170,酸価<0.1,芳香環含有線形液状タイプ)、BA−17グリコール(Mn=950,水酸基価=170,酸価<0.1,芳香環含有線形液状タイプ)、BA−P4グリコール(Mn=450,水酸基価=250,酸価<0.1,芳香環含有線形液状タイプ)、BA−P8グリコール(Mn=660,水酸基価=170,酸価<0.5,芳香環含有線形液状タイプ)、BPF4(Mn=380,水酸基価=300,酸価<0.1,芳香環含有線形液状タイプ) 〔以上、日本乳化剤社製〕等を挙げることができる。
ポリエステルポリオール類(a1−3)は、上記、短鎖ポリオール類(a1−1)とポリカルボン酸類との縮合反応により得ることができる。
ポリエステルポリオール(a1−3)を得るために用いられる公知のポリカルボン酸類としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、スベリン酸、マレイン酸、クロロマレイン酸、フマル酸、ドデカン二酸、ピメリン酸、シトラコン酸、グルタル酸、イタコン酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等の脂肪族ジカルボン酸及びその無水物等;
例えば、ダイマー酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸等の脂環族ジカルボン酸及びその無水物等が挙げられる。
例えば、o−フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、4,4−ビフェニルジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸、無水フタル酸等の芳香族ジカルボン酸及びその無水物等;
例えば、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、4−メチルシクロヘキサン−1,2,3−トリカルボン酸、(1a,2a,4a)−1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ペンタンテトラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、エチレンテトラカルボン酸、4−メチルシクロヘキセン−1,2,3−トリカルボン酸、トリメシン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ペンタンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、エチレングリコールビストリメリテートカルボン酸、2,2’,3,3’−ジフェニルテトラカルボン酸、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸、エチレンテトラカルボン酸等の3官能以上のポリカルボン酸及びその無水物等;
また、その他、ポリカプロラクトン、ポリ(β−メチル−γ−バレロラクトン)、ポリバレロラクトン等のラクトン類を開環重合して得られるポリエステルポリオール等も使用することができるが、感圧式接着剤の耐熱性や耐湿熱性等の耐久性の向上に加え、タック(粘着性)を低減させることが可能となる、芳香族ジカルボン酸及びその無水物を使用した芳香族ポリエステルポリオールを使用することが好ましく、上記の2官能のジカルボン酸及びその無水物であることが好ましい。また、基材への濡れ広がり性を考慮すると、上記の脂肪族、または脂環族ジカルボン酸及びその無水物を使用した脂肪族、または脂環族ポリエステルポリオールをを併用することも可能である。これらはそれぞれ1種単独で用いても2種以上併用してもよい。
ポリエステルポリオール類(a1−3)は、市販品を用いることもでき、例えば、クラレポリオールP510(Mn=500,水酸基価=224,酸価<0.5,線形液状タイプ)、クラレポリオールP1010(Mn=1,000,水酸基価=112,酸価<0.5,線形液状タイプ)、クラレポリオールP2010(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<0.5,線形液状タイプ)、クラレポリオールP3010(Mn=3,000,水酸基価=37,酸価<0.5,線形液状タイプ)、クラレポリオールP4010(Mn=4,000,水酸基価=28,酸価<0.5,線形液状タイプ)、クラレポリオールP5010(Mn=5,000,水酸基価=22,酸価<0.5,線形液状タイプ)、クラレポリオールP6010(Mn=6,000,水酸基価=19,酸価<0.5,線形液状タイプ)、クラレポリオールP2050(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<0.5,線形液状タイプ)、クラレポリオールP3050(Mn=3,000,水酸基価=37,酸価<0.5,線形液状タイプ)、クラレポリオールP4050(Mn=4,000,水酸基価=28,酸価<0.5,線形液状タイプ)、クラレポリオールN2010(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<0.5,線形液状タイプ)、クラレポリオールN4010(Mn=4,000,水酸基価=28,酸価<0.5,線形液状タイプ)、クラレポリオールPNOA1010(Mn=1,000,水酸基価=112,酸価<0.5,線形液状タイプ)、クラレポリオールPNOA2014(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<0.5,線形液状タイプ)、クラレポリオールP1012(Mn=1,000,水酸基価=112,酸価<1,芳香環含有線形液状タイプ)、クラレポリオールP2012(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<1,芳香環含有線形液状タイプ)、クラレポリオールP1013(Mn=1,000,水酸基価=112,酸価<1,芳香環含有線形液状タイプ)、クラレポリオールP2013(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<1,芳香環含有線形液状タイプ)、クラレポリオールP1020(Mn=1,000,水酸基価=112,酸価<1,芳香環含有線形液状タイプ)、クラレポリオールP2020(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<1,芳香環含有線形液状タイプ)、クラレポリオールP530(Mn=500,水酸基価=224,酸価<0.5,芳香環含有線形液状タイプ)、クラレポリオールP1030(Mn=1,000,水酸基価=112,酸価<0.5,芳香環含有線形液状タイプ)、クラレポリオールP2030(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<0.5,芳香環含有線形液状タイプ)、クラレポリオールF1010(Mn=1,000,水酸基価=168,酸価<0.5,線形液状3官能タイプ)、クラレポリオールF2010(Mn=2,000,水酸基価=84,酸価<0.5,線形液状3官能タイプ)、クラレポリオールF3010(Mn=3,000,水酸基価=56,酸価<0.5,線形液状3官能タイプ) 〔以上、クラレ社製〕;
例えば、URIC H−62(Mn=430,水酸基価=260,酸価<4.0,線形液状タイプ)、URIC Y−202(Mn=980,水酸基価=115,酸価<1.0,線形液状タイプ)、URIC Y−332(Mn=910,水酸基価=123,酸価<1.0,線形液状タイプ)、URIC SE−3506(Mn=3,500,水酸基価=32,酸価<1.0,白色固状タイプ)、URIC H−52(Mn=840,水酸基価=200,酸価<3.0,白色固状3官能タイプ)、URIC AC−005(Mn=550,水酸基価=205,酸価<4.0,芳香環含有線形液状タイプ)、URIC AC−006(Mn=650,水酸基価=178,酸価<5.0,芳香環含有線形液状タイプ) 〔以上、伊藤製油社製〕;
例えば、PLACCEL 205(Mn=530,水酸基価=212,酸価<1.0,線形液状タイプ)、PLACCEL 208(Mn=830,水酸基価=135,酸価<1.0,線形ワックス状タイプ)、PLACCEL 210(Mn=1,000,水酸基価=114,酸価<1.0,線形ワックス状タイプ)、PLACCEL 220(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<1.0,線形ワックスタイプ)、PLACCEL 230(Mn=3,000,水酸基価=37,酸価<1.0,線形ワックス状タイプ)、PLACCEL 240(Mn=4,000,水酸基価=28,酸価<1.0,線形ワックス状タイプ)、PLACCEL 303(Mn=300,水酸基価=540,酸価<1.5,線形液状3官能タイプ)、PLACCEL 305(Mn=550,水酸基価=305,酸価<1.0,線形液状3官能タイプ)、PLACCEL 308(Mn=850,水酸基価=195,酸価<1.5,線形液状3官能タイプ)、PLACCEL 309(Mn=950,水酸基価=187,酸価<1.0,線形液状3官能タイプ)、PLACCEL 312(Mn=1,250,水酸基価=135,酸価<1.0,白色固状3官能タイプ)、PLACCEL 320(Mn=2,000,水酸基価=84,酸価<1.0,白色固状3官能タイプ)、PLACCEL 420(Mn=1,000,水酸基価=224,酸価<1.0,線形液状4官能タイプ) 〔以上、ダイセル社製〕;
例えば、キョーワポール2000BA(Mn=2,000,水酸基価=58,酸価<0.5,線形液状タイプ)、キョーワポール5000PA(Mn=5,000,水酸基価=22,酸価<0.5,線形液状タイプ)〔以上、協和発酵ケミカル社製〕;
例えば、ポリライトOD−X−221(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<0.3,線形液状タイプ)、ポリライトOD−X−2586(Mn=850,水酸基価=200,酸価=0.4,線形液状タイプ)、ポリライトOD−X−2420(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価=0.4,線形液状タイプ)、ポリライトOD−X−2523(Mn=3,500,水酸基価=32,酸価=0.5,線形固形タイプ)、ポリライトOD−X−2547(Mn=4,500,水酸基価=25,酸価=0.3,線形固形タイプ)、ポリライトOD−X−102(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価=1.3,線形固形タイプ)、ポリライトOD−X−2420(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価=0.3,線形液状タイプ)、ポリライトOD−X−2155(Mn=1,000,水酸基価=115,酸価=0.2,線形固形タイプ)、ポリライトOD−X−2722(Mn=2,000,水酸基価=58,酸価=0.3,線形液状タイプ)〔以上、DIC社製〕;
例えば、ニッポラン4002(Mn=1,000,水酸基価=110,酸価<2,線形固形タイプ)、ニッポラン4040(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<2,線形固形タイプ)、ニッポラン4009(Mn=1,000,水酸基価=110,酸価<2,線形固形タイプ)、ニッポラン4010(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<2,線形固形タイプ)、ニッポラン164(Mn=1,000,水酸基価=110,酸価<1,線形固形タイプ)、ニッポラン4073(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<1,線形固形タイプ)、ニッポラン152(Mn=1,000,水酸基価=110,酸価<1,線形液状タイプ)、ニッポラン1004(Mn=2,600,水酸基価=42,酸価<2,線形液状タイプ)、ニッポラン5018(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<1,線形固形タイプ)〔以上、東ソ−社製〕
例えば、MAXMOL RDK−133(Mn=360,水酸基価=315,酸価=0.5,線形液状タイプ)、MAXMOL RDK−142(Mn=280,水酸基価=400,酸価=0.5,線形液状タイプ)〔以上、川崎化成工業社製〕;
例えば、アデカニューエース NS2400(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<0.3,線形液状タイプ)、アデカニューエース YT−101(Mn=680,水酸基価=165,酸価<0.3,線形液状タイプ)、アデカニューエース F7−67(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<0.3,線形液状タイプ)、アデカニューエース YG−108(Mn=1,000,水酸基価=120,酸価<0.3,線形固形タイプ)、アデカニューエース V14−90(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<0.3,線形固形タイプ)〔以上、アデカ社製〕;
例えば、HS2H−200S(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<0.3,線形液状タイプ)、HS2H−350S(Mn=3,500,水酸基価=32,酸価<0.3,線形液状タイプ)、HS2H−500S(Mn=5,000,水酸基価=22,酸価<0.3,線形液状タイプ)、HS2H−179A(Mn=1,750,水酸基価=64,酸価<0.3,芳香環含有線形液状タイプ)、HS2H−458T(Mn=4,500,水酸基価=25,酸価<0.3,芳香環含有線形固形タイプ)、HS2F−237P(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<0.3,芳香環含有線形固形タイプ)〔以上、豊国製油社製〕等を挙げることができる。
ポリアミドポリオール(a1−4)は、上記ポリカルボン酸、およびポリアミンとの縮合反応により形成したポリアミドの分子末端に短鎖ポリオール(a1−1)を縮合反応させることによって得ることができる。
上記ポリアミンとしては、アミノ基を2個以上有するポリアミンであれば特に制限なく使用することができる。例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、ビス−(3−アミノプロピル)エーテル、1,2−ビス−(3−アミノプロポキシ)エタン、1,3−ビス−(3−アミノプロポキシ)−2,2−ジメチルプロパン、α,ω−ビス−(3−アミノプロピル)ポリエチレングリコールエーテル、ネオペンチルジアミン、1,2−ジアミノブタン、1,4−ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン;
例えば、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、1,3−(ビスアミノメチル)シクロヘキサン、1,4−(ビスアミノプロピル)シクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)、ノルボルナンジアミン等の脂環族ジアミン類;
例えば、メタントリアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ブタン−1,1,4,4−テトラアミン等のアミノ基を3個以上有するポリアミン類等が挙げられる。
またこれらのポリアミンとケトンとの反応生成物であるケチミンもポリアミンに含まれる。
ポリアミンは、これらの中でも感圧式接着剤の後述の有機溶剤に対する溶解性の点と被着体への濡れ広がり性の点を考慮すると、脂肪族ジアミン、脂環族ジアミンが好ましい。
ポリアミンは、単独または2種以上を併用できるが、ポリアミドポリオール(a1−4)は、有機溶剤への溶解性の点で、他のポリオール類と併用して使用されることが好ましい。
ポリアミドポリオール(a1−4)としては、市販品でいうと例えば、TPAE617(Mn=15,000,Tg=90℃,水酸基価=16,酸価=1,線形固形タイプ)〔以上、T&K TOKA社製〕等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオール(a1−5)は、下記一般式[1]で示される構造を、その分子中に有する公知のポリカーボネートポリオールである。
一般式[1]
−[−O−Rl−O−CO−]m
(式中、Rlは2価の有機残基、mは1以上の整数を表す。)
ポリカーボネートポリオール(a1−5)は、(I)短鎖ポリオール(a1−1)と炭酸エステルとの反応、または、(II)短鎖ポリオール(a1−1)に、アルカリの存在下でホスゲンを作用させる反応により得ることができる。。
上記炭酸エステルは、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオール(a1−5)は、カーボネート構造を連結基として有することで、ポリウレタン樹脂(A)の凝集力が高まり、高度の耐熱性、耐加水分解性、または耐候性に優れるため、感圧式接着剤として使用した場合には、特に過酷な環境下においての再剥離性に優れる。この中でも、感圧式接着剤の粘度や塗工性、または接着フィルムの加工性の点で、側鎖に炭素数1〜6の置換基を有するポリカーボネートジオールが好ましく、炭素数1〜6のアルキル基を有するポリカーボネートジオールが特に好ましい。
ポリカーボネートポリオール類(a1−5)は、市販品を用いることもでき、例えば、オキシマーN112(Mn=1,000,Tg=60℃,水酸基価=112,酸価<0.5,線形タイプ)〔パーストープ社製〕;
デュラノール T5651(Mn=1,000,水酸基価=110,酸価<0.05,線形液状タイプ)、デュラノール T5652(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<0.05,線形液状タイプ)、デュラノール T4671(Mn=1,000,水酸基価=110,酸価<0.05,線形液状タイプ)、デュラノール T4672(Mn=2,000,水酸基価=52,酸価<0.05,線形液状タイプ)〔以上、旭化成ケミカルズ社製〕;
ETERNACOLL UH−100(Mn=1,000,水酸基価=110,酸価<0.05,線形液状タイプ)、ETERNACOLLUH−200(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<0.05,線形液状タイプ) 〔以上、宇部興産社製〕;
BENEBiOL NL1010DB(Mn=1,000,水酸基価=110,酸価<0.05,線形固形タイプ)、BENEBiOL NL2010DB(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<0.05,線形固形タイプ)、BENEBiOLNL1010B(Mn=1,000,水酸基価=110,酸価<0.05,線形固形タイプ)、BENEBiOLNL2010B(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<0.05,線形固形タイプ) 〔以上、三菱化学社製〕;
PLACCEL CD205(Mn=500,水酸基価=225,酸価<0.1,線形液状タイプ)、PLACCEL CD210(Mn=1,000,水酸基価=116,酸価<0.1,線形ワックス状タイプ)、PLACCEL CD220(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<0.1,線形ワックス状タイプ) 〔以上、ダイセル社製〕;
クラレポリオール C−1065N(Mn=1,000,水酸基価=112,酸価<0.5,線形ワックス状タイプ)、クラレポリオールC−2065N(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<0.5,線形ワックス状タイプ)、クラレポリオールC−1090(Mn=1,000,水酸基価=112,酸価<0.5,線形液状タイプ)、クラレポリオールC−2090(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<0.5,線形液状タイプ)、クラレポリオールC−3090(Mn=3,000,水酸基価=37,酸価<0.5,線形液状タイプ)、クラレポリオールC−4090(Mn=4,000,水酸基価=28,酸価<0.5,線形液状タイプ)、クラレポリオールC−5090(Mn=5,000,水酸基価=22,酸価<0.5,線形液状タイプ)、クラレポリオールC−1015N(Mn=1,000,水酸基価=112,酸価<0.5,線形液状タイプ)、クラレポリオールC−2015N(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<0.5,線形液状タイプ)〔以上、クラレ社製〕等を挙げることができる。
その他ポリオール(a1−6)は、上記ポリオール類(a1−1)〜(a1−5)に属さないポリオールであり、少なくとも1個のイオン性官能基を含有するポリオール、ジメチルシロキサンジオール等のシロキサン骨格を有するポリオールや、ポリブタジエンジオール、ポリイソプレンジオール等のジエン骨格を有するポリオール等が挙げられる。尚、ジエン骨格は、ジエン骨格を水素原子で飽和した水添化ジエンも含む。
少なくとも1個のイオン性官能基を含有するポリオールの内、イオン性官能基とは、第4級アンモニウム基、第3級アミノ基、カルボキシレート基、カルボキシル基、スルホネート基、スルホン酸基、ホスホニウム基、ホスフィン酸基、硫酸エステル基等のイオン基、ならびにその前駆体基である。カルボキシル基、第3級アミノ基等は、イオン基ではないが、アンモニアや3級アミン、酢酸等による中和または4級化反応により、イオン基に容易に転化しうるため、イオン性官能基に含む。
少なくとも1個のイオン性官能基を含有するポリオールとしては、例えば、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)吉草酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸などのカルボキシル基含有ポリオール化合物、また、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アニリン、N−メチルジエタノールアミン等のアンモニアの水素原子を炭化水素基で3置換した置換基含有のポリオール等が挙げられる。
シロキサン骨格を有するポリオールの市販品としては、例えば、KF6001(Mn=1,800,水酸基価=62,酸価<0.5,線形液状タイプ)、KF6002(Mn=3,000,水酸基価=35,酸価<0.5,線形液状タイプ)、KF6003(Mn=5,000,水酸基価=22,酸価<0.5,線形液状タイプ)〔以上、信越化学社製〕;
XF42−B0970(Mn=1,850,水酸基価=60,酸価<0.5,線形液状タイプ) 〔以上、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製〕;
SF8427(Mn=2,400,水酸基価=46.8,酸価<0.1,線形液状タイプ)、SF8428(Mn=3,200,水酸基価=35,酸価<0.1,線形液状タイプ) 〔以上、東レ・ダウ・コーニング社製〕等が挙げられる。
ジエン骨格を有するポリオールの市販品としては、例えば、NISSO G−1000(Mn=1,400,水酸基価=73,酸価<0.5,線形液状タイプ)、NISSO G−2000(Mn=2,000,水酸基価=45,酸価<0.5,線形液状タイプ)、NISSO G−3000(Mn=3,000,水酸基価=27,酸価<0.5,線形液状タイプ)、NISSO GI−1000(Mn=1,500,水酸基価=67,酸価<0.5,水添線形液状タイプ)、NISSO GI−2000(Mn=2,100,水酸基価=47,酸価<0.5,水添線形液状タイプ)、NISSO GI−3000(Mn=3,000,水酸基価=30,酸価<0.5,水添線形液状タイプ)〔以上、日本曹達社製〕

Poly bd R155HT(Mn=1,000,水酸基価=103,酸価<0.5,線形液状タイプ)、Poly bd R45HT(Mn=2,400,水酸基価=47,酸価<0.5,線形液状タイプ)、 Poly ip(Mn=2,000,水酸基価=53,酸価<0.5,線形液状タイプ)、EPOL(Mn=2,000,水酸基価=53,酸価<0.5,水添線形液状タイプ)〔以上、出光興産社製〕;
Krasol LBH−P2000(Mn=2,100,水酸基価=53,酸価<0.5,線形液状タイプ)、Krasol LBH−P3000(Mn=3,200,水酸基価=35,酸価<0.5,線形液状タイプ)〔以上、Cray Valley社製〕;
ポリテールH(Mn=1,800,水酸基価=65,酸価<0.5,線形液状タイプ)〔以上、三菱化学社製〕等が挙げられる。尚、ジエン骨格は、ジエン骨格に水素添加を施したオレフィン骨格も含む。
上記、ポリオール(a1)は、ポリエーテルポリオール(a1−2)、ポリエステルポリオール(a1−3)、ポリアミドポリオール(a1−4)、ポリカーボネートポリオール(a1−5)、またはその他ポリオール(a−6)は、上記したように水酸基を2個有するジオール類と水酸基を3個以上有するポリオール類の併用が好ましく、ジオール類と水酸基を3個以上有するポリオール類の構成比率は、ジオール類/水酸基を3個以上有するポリオール類=1/99〜60/40(質量比)が好ましく、2/98〜50/50(質量比)がより好ましい。構成比率が上記の範囲にあると、微粘領域の接着性の制御や再剥離性と濡れ広がり性を高い水準で両立できるため、表面保護フィルム等に使用することが可能となる。
ポリオール(a1)は、数平均分子量(Mn)200〜50,000が好ましく、400〜30,000がより好ましく、500〜10,000がさらに好ましい。数平均分子量(Mn)が上記の範囲にあると、塗工に適した粘度を保てるため、塗加工時の取り扱いに優れる。また、ポリウレタン樹脂(A)に、適度な凝集力と十分な柔軟性を付与することが可能となり、微粘領域で十分な粘着性を発現することが可能となる。また、感圧式接着剤から作製した接着フィルムは、高温多湿等の過酷な環境下でも、浮き・剥がれが発生しない。このようなポリオール(a1)を用いると、密着性、濡れ性に優れる感圧式接着剤が得られる。また、表面保護フィルムムへの適用が可能となる。
尚、上記重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。GPCの測定法の詳細は、実施例に記載する。
ポリオール(a1)の内、ポリエーテルポリオール(a1−2)、ポリエステルポリオール(a1−3)、ポリアミドポリオール(a1−4)、ポリカーボネートポリオール(a1−5)、またはその他ポリオール(a1−6)の水酸基価は、好ましくは2〜560mgKOH/gの範囲であり、より好ましくは4〜280mgKOH/gの範囲であり、最も好ましくは4〜200mgKOH/gの範囲である。水酸基価が上記の範囲であると、上記数平均分子量(Mn)と同様に、密着性、濡れ性に優れる感圧式接着剤が得られ、表面保護フィルムへの適用が可能となる。尚、一般的にポリオールの水酸基価が決まれば、数平均分子量も決まり、水酸基価と数平均分子量は連携していることが知られている。
また、水酸基価(OHV)は、JIS K1557−1:2007に、酸価(AV)は、JIS K0070:1992に準拠して測定される値であり、測定法の詳細は、実施例に記載する。
上記、ポリオール(a1)において、ガラス転移温度(Tg)を有する場合には、特に限定されないが、好ましくは−80〜80℃、より好ましくは−70〜40℃である。ガラス転移温度(Tg)が上記の範囲にあると、ポリウレタン樹脂(A)を含む感圧式接着剤は、十分な粘着性や凝集力を有するため、接着性を保ちつつ、接着層の凝集破壊を抑制し、浮きや剥がれを抑制する。ガラス転移温度(Tg)は、構成成分であるポリオール(a1)の種類を適当に選択することによって調節可能である。また、ガラス転移温度の異なる2種類以上のポリオール(a1)を用いて適当なガラス転移温度に調整することもできる。尚、測定法の詳細は、実施例に記載する。
感圧式接着剤を用いた接着層の透明性、耐熱性や耐湿熱性等の耐久性の維持、タック(粘着性)の低減による微粘領域の接着力発現、ガラス板等の被着体に対する貼着後の再剥離性等の面で、ポリエーテルポリオール類(a1−2)を使用することが好ましい。ポリエーテルポリオール類(a1−2)の使用量は、ポリオール(a1)全量中、10〜100質量%が好ましく、20〜90質量%がより好ましい。ポリエーテルポリオール類(a1−2)が上記の範囲にあると、後述の滑剤(C)との相溶性を制御でき、マイグレーションを抑制しつつ、接着フィルムの接着面に配向するため、長期間にわたって、タック(粘着性)の低減が可能となり、感圧式接着剤のガラス板に対する接着力を再剥離可能な微粘領域(例えば、粘着力10.0mN/25mm未満)に低減するだけでなく、自着性も抑制することが可能となる。また、ジオール類と水酸基を3個以上有するポリオール類を併用して使用することが好ましい。水酸基を3個以上有するポリオール類が上記の範囲であると、感圧式接着剤から作製した接着フィルムは、高温多湿等の過酷な環境下でも、浮き・剥がれが発生せずに、また剥離後の被着体を汚染しない良好な再剥離性を得ることができる。
また、接着層の透明性、耐熱性や耐湿熱性等の耐久性の維持、タック(粘着性)の低減による微粘領域の接着力発現、ガラス板等の被着体に対する貼着後の再剥離性等の面や感圧式接着剤全体の微調整のために、上記した、側鎖に炭素数4〜22のアルキル基を有する短鎖ポリオール類を併用して使用することも可能である。炭素数4〜22のアルキル基を有する短鎖ポリオール類の使用量は、ポリオール(a1)全量中0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%がより好ましい。炭素数4〜22のアルキル基を有する低分子量ポリオール類が上記の範囲であると、適度な凝集力に加え、上記、ポリオール(a1)の分子配向による疑似結晶性を低減することが可能となり、また濡れ広がり性に優れる感圧式接着剤が得られる。
<<ポリイソシアネート(a2)>>
次に、ポリウレタン樹脂(A)を構成する単量体単位である、ポリイソシアネート(a2)単位について説明する。
ポリイソシアネート(a2)としては、ポリオール(a1)と反応してポリウレタン樹脂(A)を作成できる化合物であり、従来公知のものを使用することができる。ポリイソシアネート(a2)は、脂肪族ポリイソシアネート類、脂環族ポリイソシアネート類、または芳香族ポリイソシアネート類が挙げられるが、芳香環を有しない脂肪族ポリイソシアネート類、または脂環族ポリイソシアネート類が、ポリウレタン樹脂(A)の柔軟性を向上させるため、加工性がより向上する
尚、脂肪族は、非環式の炭素化合物を意味し、環式の炭素化合物は脂環族と定義する。
ポリイソシアネート(a2)としては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(別名:HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類;
例えば、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(別名:IPDI)、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ノルボルネンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、オクタヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンジメチルジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート類;
例えば、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(別名:2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(別名:2,6−TDI)、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、1,3−フェニレンビスメチレンジイソシアナート(別名:m−XDI)、1,4−フェニレンビスメチレンジイソシアナート(別名:p−XDI)、2,2'−ジフェニルメタンジイソシアネート(別名:2,2−MDI)、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(別名:4,4−MDI)、1,3−ナフタレンジイルジイソシアネート(別名:1,3−NDI)、1,5−ナフタレンジイルジイソシアネート(別名:1,5−NDI)、ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類;
例えば、リジントリイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4',4”−トリイソシアネート、メチルシラントリイルトリスイソシアネート等の3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート類が挙げられる。
ポリイソシアネート(a2)は、上記のように芳香環を有していたり、3個以上のイソシアネート基を有することもできるが、脂肪族ポリイソシアネート類、脂環族ポリイソシアネート類等の無黄変型、または難黄変型のジイシソアネートが高温環境下や高温高湿環境下での耐久性、および濡れ広がり性や再剥離性がより向上するため好ましい。
この中でも、ヘキサメチレンジイソシアネート(別名:HDI)等の脂肪族ポリイソシアネート類、イソホロンジイソシアネート(別名:IPDI)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(別名:水添MDI)等の脂環族ポリイソシアネート類などの芳香環を有しないジイシソアネートを使用することが好ましい。
ポリウレタン樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は、感圧式接着剤の塗工適性、および粘着性と接着層の凝集力を高いレベルで両立するため、10,000〜500,000であることが好ましく、30,000〜400,000であることがより好ましい。Mwが上記の範囲にあることで凝集力などがより向上するため、浮き・剥がれがより抑制でき、濡れ広がり性もより向上する。尚、上記重量平均分子量および数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。GPCの測定法の詳細は、実施例に記載する。
ポリウレタン樹脂(A)の水酸基価(OHV)は、0.1〜80mgKOH/gが好ましく、1〜50mgKOH/gがより好ましい。水酸基価(OHV)が上記の範囲にあると、水酸基と反応し得る官能基を有する反応性化合物(B)との架橋反応がより効率的になるため、感圧式接着剤は、十分な凝集力を維持しつつ、微粘領域での接着力を発現しやすくなり、再剥離性の向上や自着性の低減が可能となる。また、貼着経時後、高温高湿等の過酷な条件下でも耐熱性や耐湿熱性等の耐久性を維持しやすい。さらに剥離した場合には、被着体に曇りや糊残り等の汚染が抑制される。
また、ポリウレタン樹脂(A)の溶液粘度は特に制限はなく、感圧式接着剤の用途により適宜選択できる。溶液粘度は、好ましくは、不揮発分濃度50質量%で1,000〜10,000mPa・s(25℃)である。溶液粘度がこの範囲であると、十分な凝集力を維持しつつ、生産性や塗加工性も良好となるため、好ましい。
ポリウレタン樹脂(A)は、構成する全単量体中、ポリオール(a1)70〜99質量%、、およびポリイソシアネート(a2)1〜30質量%を含有することが好ましく、ポリオール(a1)80〜98質量%、およびポリイソシアネート(a2)2〜20質量%の範囲で含有されることがより好ましい。ポリオール(a1)、およびポリイソシアネート(a2)が上記の範囲にあると、塗工に適した粘度を維持するため、塗加工時の取り扱いに優れたポリウレタン樹脂(A)となる。このポリウレタン樹脂(A)を感圧式接着剤として使用すると、適度な凝集力と十分な柔軟性が得られるため、作製した接着フィルムをガラス板等の被着体に貼着した際に、濡れ広がり性や再剥離性に優れるとともに、貼着経時後、高温高湿等の過酷な条件下でも、浮き・剥がれが発生し難く、表面保護フィルムへの適用が可能となる。
<水酸基と反応し得る官能基を有する反応性化合物(B)>
次に、水酸基と反応し得る官能基を有する反応性化合物(B)について説明する。
水酸基と反応し得る官能基を有する反応性化合物(B)は、ポリウレタン樹脂(A)100質量部に対し、0.1〜50質量部含有することが好ましく、1〜30質量部がより好ましい。反応性化合物(B)がこの範囲であると、ポリウレタン樹脂(A)に含有されている水酸基との架橋反応により耐熱性や耐湿熱性が向上するだけでなく、過酷な環境下での接着層の浮き、剥がれ、あるいは発泡を抑えることができ、表面保護フィルムへの適用が可能となる。
反応性化合物(B)中の水酸基と反応し得る官能基としては、イソシアネート基、アルコキシシリル基、メチロール基等が挙げられる。
反応性化合物(B)は、例えば、ポリイソシアネート(b1)、シラン化合物(b2)、メチロールメラミン系化合物(b3)等が挙げられる。反応性化合物(B)は、これらの中でも架橋性を付与るために、ポリウレタン樹脂(A)の水酸基と反応し得る官能基を分子内に2個以上有する化合物が好ましく用いられる。
特にポリイソシアネート(b1)は、架橋反応後の接着性や後述の基材(G)への密着性に優れているため好ましい。
ポリイソシアネート(b1)としては、イソシアネート基を分子内に複数有する化合物である。ポリイソシアネート(b1)は、脂肪族ポリイソシアネート類、脂環族ポリイソシアネート類、または芳香族ポリイソシアネート類に分類できる。尚、脂肪族ポリイソシアネート類、脂環族ポリイソシアネート類、または芳香族ポリイソシアネート類については、上記ポリイソシアネート(a2)で説明したポリイソシアネート類を使用できる。
ポリイソシアネート(b1)は、イソシアネート基を3個以上有する化合物が好ましい。このようなポリイソシアネート(b1)は、上記した3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート類のほか、各種ポリイソシアネート類の2−メチルペンタン−2,4−ジオールやトリメチロールプロパン等のポリオールとのアダクト体、イソシアヌレート環を有する3量体等が好ましく使用できる。また、ポリフェニルメタンポリイソシアネート(別名:PAPI)、およびこれらのポリイソシアネート変性物等も好ましい。尚、ポリイソシアネート変性物は、カルボジイミド基、ウレトジオン基、ウレトンイミン基、水と反応したビュレット基、イソシアヌレート基のいずれかの基、又はこれらの基の2種以上を有する変性物を使用できる。ポリオールとジイソシアネートとの反応生成物も少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物として使用することができる。また、ポリイソシアネート(b1)は、ブロック化剤を用いて、イソシアネート基をブロックした、ブロックイソシアネートも使用することもできる。
ポリイソシアネート(b1)を使用する場合、ポリウレタン樹脂(A)の水酸基とイソシアネート基との反応促進のため、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。触媒は、例えば3級アミン系化合物、有機金属系化合物等が挙げられる。
3級アミン系化合物は、例えばトリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、ジアザビシクロウンデセン(別名:DBU)等が挙げられる。
有機金属系化合物は、錫系化合物、非錫系化合物が挙げられる。
錫系化合物は、例えば、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート(別名:DBTDL)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、トリブチル錫オキサイド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキサイド、トリブチル錫エトキサイド、ジオクチル錫オキサイド、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、2−エチルヘキサン酸錫等が挙げられる。
非錫系化合物は、例えば、ジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライドなどのチタン系、オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、ナフテン酸鉛などの鉛系化合物、2−エチルヘキサン酸鉄、鉄2,4−ペンタジオネートなどの鉄系化合物、安息香酸コバルト、2−エチルヘキサン酸コバルトなどのコバルト系、ナフテン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛などの亜鉛系化合物、ナフテン酸ジルコニウム等が挙げられる。
これらの中でも反応性や衛生性の点でジアザビシクロウンデセン(別名:DBU)、ジブチル錫ジラウレート(別名:DBTDL)、2−エチルヘキサン酸錫等が好ましい。
触媒は、単独または2種類以上が併用できる。
ポリイソシアネート(b1)は、特に、架橋反応性の点で、HDI、TDI、MDI、IPDI等のジイソシアネートのトリメチロールプロパンとのアダクト体、水と反応したビュレット体、イソシアヌレート環を形成した3量体が好ましく使用されるが、微粘領域での接着力の維持や密度低減の点で、芳香環を有しないHDIやIPDIのトリメチロールプロパンとのアダクト体、水と反応したビュレット体、イソシアヌレート環を形成した3量体が、特に好ましい。
シラン化合物(b2)は、例えば、アルキル系アルコキシシラン、アリール系アルコキシシラン、カルバメート系アルコキシシラン、ビニル系アルコキシシラン、ハロゲン系アルコキシシラン、(メタ)アクリロイル系アルコキシシラン、メルカプト系アルコキシシラン、イミダゾール系アルコキシシラン、イソシアネート系アルコキシシラン、エポキシ系アルコキシシラン、アミノ系アルコキシシラン等のアルコキシル基を有するアルコキシシランが挙げられる。
例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリス(メトキシエトキシ) シラン、メチルトリス(メトキシプロポキシ)シラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリイソプロポキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジメチルビス(メトキシエトキシ)シラン、ジメチルビス(メトキシプロポキシ)シラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジイソプロポキシシラン、ジエチルジアセトキシシラン、メチルエチルジメトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン、メチルエチルジイソプロポキシシラン、メチルエチルジアセトキシシラン、メチルプロピルジメトキシシラン、メチルプロピルジエトキシシラン、メチルプロピルジイソプロポキシシラン、メチルプロピルジアセトキシシラン、等のアルキル系アルコキシシラン;
例えば、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、トリルトリメトキシシラン、トリルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジイソプロポキシシラン、ジフェニルジアセトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジイソプロポキシシラン、メチルフェニルジアセトキシシラン等のアリール系アルコキシシラン;
例えば(3−カルバメートエチル)プロピルトリエトキシシラン、(3−カルバメートエチル)プロピルトリメトキシシラン、(3−カルバメートエチル)プロピルトリプロポキシシラン、(3−カルバメートプロピル)プロピルトリエトキシシラン、(3−カルバメートプロピル)プロピルトリメトキシシラン、(3−カルバメートプロピル)プロピルトリプロポキシシラン、(3−カルバメートブチル)プロピルトリエトキシシラン、(3−カルバメートブチル)プロピルトリメトキシシラン、(3−カルバメートブチル)プロピルトリプロポキシシラン、(3−カルバメートブチル)ブチルトリプロポキシシラン、(3−カルバメートブチル)プロピルメチルジエトキシシラン、(3−カルバメートペンチル)プロピルトリエトキシシラン、(3−カルバメートヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、(3−カルバメートオクチル)ペンチルトリブトキシシラン、(3−カルバメートエチル)プロピルシリルトリクロライド、(3−カルバメートエチル)プロピルトリメチルシラン、(3−カルバメートエチル)プロピルジメチルシラン、3−カルバメートエチル)プロピルトリブチルシラン、(3−カルバメートエチル)エチル−p−キシレントリエトキシシラン、(3−カルバメートエチル)−p−フェニレントリエトキシシラン等のカルバメート系アルコキシシラン;
例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリス(メトキシプロポキシ)シラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、ジビニルジイソプロポキシシラン、ジビニルジアセトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、メチルビニルジイソプロポキシシラン、メチルビニルジアセトキシシラン、ジアリルジメトキシシラン、ジアリルジエトキシシラン、ジアリルジイソプロポキシシラン、メチルアリルジメトキシシラン、メチルアリルジエトキシシラン、メチルアリルジイソプロポキシシラン、メチルアリルジアセトキシシラン等のビニル系及びアリル系アルコキシシラン;
例えば、クロロメチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、3,3,3− トリフルオロプロピルメチルジメトキシシラン等のハロゲン系アルコキシシラン;
例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等の(メタ)アクリロイル系アルコキシシラン;
例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプト系アルコキシシラン;
例えば、3−(2−イミダゾリン−1−イル)プロピルトリメトキシシラン、3−(2−イミダゾリン−1−イル)プロピルトリエトキシシラン等のイミダゾール系アルコキシシラン;
例えば、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリプロポキシシラン等のイソシアネート系アルコキシシラン;
例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジエトキシシラン等のエポキシ系アルコキシシラン;
例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、N−(2−アミノメチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、2−アミノエチルアミノメチルトリメトキシシラン、3−[2−(2−アミノエチルアミノエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、メチルトリス(2−アミノエトキシ)シラン、ブチルアミノメチルトリメトキシシラン、2−(2−アミノエチルチオエチル)トリメチルシラン、2−(2−アミノエチルチオエチル)メチルジエトキシシラン、3−アリルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−シクロヘキシルアミノプロピルトリメトキシシラン、2−シクロヘキシルアミノエチルチオメチルトリメトキシシラン、3−(N−フェニル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−[2−(ビニルベンジルアミノ)エチル]−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−(2−アミノエチルチオエチル)トリエトキシシラン、3−ピペラジノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ピペラジノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のアミノ系アルコキシシラン等が挙げられる。
また、シラン化合物(b2)は、2種以上のシラン混合物を加水分解・縮合してオリゴマー化したオリゴマー系シランを使用することもできる。
これらの中でも被着体に対する濡れ広がり性の点で、芳香環を有しないシラン化合物が好ましい。
また、シラン化合物(b2)は、ポリウレタン樹脂(A)の水酸基との縮合反応や、基材表面への密着性向上の点で、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等のアルキル系アルコキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプト系アルコキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ系アルコキシシラン、3−(2−イミダゾリン−1−イル)プロピルトリエトキシシラン等のイミダゾール系アルコキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、2−シクロヘキシルアミノエチルチオメチルトリメトキシシラン、トリメチルシリルジメチルアミン等のアミノ系アルコキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート系アルコキシシランが好ましい。シラン化合物(b2)は、単独または2種類以上を併用できる。
メチロールメラミン系化合物(b3)は、メラミンとホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロールメラミン誘導体、ならびにこれらにメチルアルコール、エチルアルコール、またはイソプロピルアルコール等の低級アルコール等を反応させてエーテル化した化合物が挙げられる。メチロールメラミン系化合物(b3)は、例えば、モノメチロールメラミン、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミン(別名:セアリシン)、テトラメチロールメラミン、ペンタメチロールメラミン、ペンタメトキシメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチロールメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、ヘキサキス−(メトキシメチル)メラミン、N,N’,N”−トリメチル−N,N’,N”−トリメチロールメラミン、N,N’,N”−トリメチロールメラミン、N,N’,N”−トリブチル−N,N’,N”−トリメチロールメラミン、(ヒドロキシメチル)ペンタキス(メトキシメチル)メラミン、ヘキサメチロールメラミンペンタメチルエーテル等が挙げられる。
これらの中でもポリウレタン樹脂(A)の水酸基との縮合反応や、基材表面への密着性向上の点から、ペンタメトキシメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミンが好ましい。
メチロールメラミン系化合物(b3)は、単独または2種類以上を併用できる。
反応性化合物(B)は、ポリイソシアネート(b1)、シラン化合物(b2)、およびメチロールメラミン系化合物(b3)の中でも架橋反応後の接着性や基材への密着性に優れていることに加え、架橋密度の制御による柔軟性および濡れ広がり性を高いレベルで両立できる面で、ポリイソシアネート(b1)が好ましい。
<滑剤(C)>
次に、滑剤(C)について説明する。
本発明の感圧式接着剤は、滑剤(C)を含むことが必須である。滑剤(C)は、塗工後の接着層表面にに摩擦低減効果を付与し、接着フィルムを被着体に貼着後、剥離時の剥離を軽くすることや接着面同士の自着性を低減することが可能となるため作業性が向上する。また、被着体に糊残り等の汚染を抑制することができる。
滑剤(C)は、25℃において固体状態であり、加熱時に溶融する化合物が好ましく、その融点は、好ましくは70℃以上、200℃未満であり、更に好ましくは80℃以上、150℃未満である。滑剤(C)の融点(Tmとも略記することがある)が上記の範囲内にあると、接着フィルムの表面にバランスよく配向するために、塗工後の保管状態で、接着フィルムに柚肌現象等の塗膜欠陥が発生し難く、また、加工性の向上や自着性の低減も可能となる。さらには、微粘領域の接着性を長期間維持し、再剥離性も良好となる。
滑剤(C)としては、流動パラフィン、パラフィンワックス、合成ポリエチレンワックス等の炭化水素系ワックス化合物、ステアリン酸やステアリルアルコール等の高級脂肪酸や高級アルコール、脂肪酸アミド、または脂肪酸金属塩に大別できるが、ポリウレタン樹脂(A)との相溶性の点で、芳香環を有しない、脂肪酸アミド(c1)と脂肪酸金属塩(c2)が好ましく使用される。このような脂肪酸アミド(c1)としては、例えば、ラウリン酸アミド(Tm:87℃)、パルミチン酸アミド(Tm:100℃)、ステアリン酸アミド(Tm:101℃)、ベヘン酸アミド(Tm:110℃)、ヒドロキシステアリン酸アミド(Tm:107℃)、オレイン酸アミド(Tm:75℃)、エルカ酸アミド(Tm:81℃)、N−オレイルパルミチン酸アミド(Tm:68℃)、N−ステアリルステアリン酸アミド(Tm:95℃)、N−ステアリルオレイン酸アミド(Tm:67℃)、N−オレイルステアリン酸アミド(Tm:74℃)、N−ステアリルエルカ酸アミド(Tm:69℃)、メチロールステアリン酸アミド(Tm:110℃)等のアルキル基またはアルケニル基を有する脂肪酸アミド類;
例えば、メチレンビスステアリン酸アミド(Tm:142℃)、エチレンビスカプリン酸アミド(Tm:161℃)、エチレンビスラウリン酸アミド(Tm:157℃)、エチレンビスステアリン酸アミド(Tm:145℃)、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド(Tm:145℃)、エチレンビスベヘン酸アミド(Tm:142℃)、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド(Tm:140℃)、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド(Tm:142℃)、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド(Tm:135℃)、N,N'−ジステアリルアジピン酸アミド(Tm:141℃)、N,N'−ジステアリルセバシン酸アミド(Tm:136℃)、エチレンビスオレイン酸アミド(Tm:119℃)、エチレンビスエルカ酸アミド(Tm:120℃)、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド(Tm:110℃)、N,N'−ジオレイルアジピン酸アミド(Tm:118℃)、N,N'−ジオレイルセバシン酸アミド(Tm:113℃)等のアルキレン脂肪酸アミド類;
例えば、ステアロアミドエチルステアレート(Tm:82℃)等の脂肪酸エステルアミド類等が挙げられる。脂肪酸アミド(c1)は、単独または2種以上を併用できる。
脂肪酸金属塩(c2)としては、例えば、オクチル酸アルミニウム(Tm:235℃)、オクチル酸亜鉛(Tm:90℃)、ラウリン酸リチウム(Tm:250℃)、ラウリン酸ナトリウムカリウム(Tm:210℃)、ラウリン酸カルシウム(Tm:215℃)、ラウリン酸亜鉛(Tm:115℃)、ラウリン酸バリウム(235℃)、ミリスチン酸亜鉛(130℃)、パルミチン酸亜鉛(130℃)、ステアリン酸リチウム(Tm:220℃)、ステアリン酸ナトリウム(Tm:255℃)、ステアリン酸マグネシウム(Tm:110℃)、ステアリン酸カルシウム(Tm:150℃)、ステアリン酸アルミニウム(Tm:118℃)、ステアリン酸バリウム(Tm:240℃)、ステアリン酸亜鉛(Tm:120℃)、リシノール酸カルシウム(Tm:215℃)、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム(Tm:220℃)、12−ヒドロキシステアリン酸ナトリウム(Tm:220℃)、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム(Tm:150℃)、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛(Tm:150℃)、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム(Tm:130℃)、12−ヒドロキシステアリン酸アルミニウム(Tm:148℃)、12−ヒドロキシステアリン酸バリウム(Tm:175℃)、ベヘン酸リチウム(Tm:℃)、ベヘン酸カリウム(Tm:℃)、ベヘン酸ナトリウム(Tm:245℃)、ベヘン酸マグネシウム(Tm:125℃)、ベヘン酸カルシウム(Tm:148℃)、ベヘン酸亜鉛(Tm:127℃)、モンタン酸リチウム(Tm:205℃)、モンタン酸カリウム(Tm:230℃)、モンタン酸ナトリウム(Tm:230℃)、モンタン酸マグネシウム(Tm:125℃)、モンタン酸カルシウム(Tm:230℃)、モンタン酸亜鉛(Tm:120℃)等の長鎖飽和脂肪酸金属塩類;
例えば、オレイン酸ナトリウム(Tm:233℃)、オレイン酸カルシウム(Tm:360℃)、オレイン酸銅(Tm:100℃)、リシノール酸バリウム(Tm:120℃)、リシノール酸亜鉛(Tm:100℃)等の長鎖不和脂肪酸金属塩類が挙げられる。脂肪酸金属塩(c2)は、単独または2種以上を併用できる。
これら、脂肪酸アミド(c1)と脂肪酸金属塩(c2)の内、長期貼着における経時での微粘領域の接着性と再剥離性、及び相溶性による塗膜の透明性の観点から、脂肪酸アミド(c1)を使用することが好ましい。
滑剤(C)は、ポリウレタン樹脂(A)100質量部に対して、0.1〜50質量部含有することが好ましく、0.2〜30質量部がより好ましい。滑剤(C)が上記の範囲にあると、接着層表面に十分な滑性効果を付与できるので、微粘領域における低接着力の維持や再剥離性が向上し、また、接着面表面に微小の凹凸を形成することが可能となるため、塗工後の保管状態でも、接着フィルムに柚肌現象等の塗膜欠陥が発生し難く、また、加工性の向上や自着性の低減も可能となる。
<エステル化合物(D)>
次に、エステル化合物(D)について説明する。
本発明の感圧式接着剤は、さらにエステル化合物(D)を含むことができる。尚、ポリウレタン樹脂(A)、水酸基と反応し得る官能基を有する反応性化合物(B)、および滑剤(C)以外の成分を任意成分という。
エステル化合物(D)は、塗工後の接着層に可塑効果を付与し、接着フィルムのガラス板等の被着体への濡れ広がり性をさらに向上させることができる。また、接着フィルムを被着体に貼着後、剥離時の剥離を軽くすることや接着面同士の自着性を低減することが可能となるため作業性が向上する。また、被着体に糊残り等の汚染を抑制することができる。
エステル化合物(D)は、炭素数8〜100の脂肪酸エステル(d1)、炭素数4〜80のリン酸エステル(d2)、炭素数8〜100のホウ酸エステル(d3)および前記エステル(d1)〜(d3)のエポキシ変性エステルからなる群より選ばれる少なくとも一種である。ただし、エステル化合物(D)は、ポリウレタン樹脂(A)、反応性化合物(B)及び滑剤(C)を含まない。
炭素数8〜100の脂肪酸エステル(d1)は、(1)炭素数が4〜22の一塩基酸または多塩基酸と炭素数が22以下の1価のアルコールとのエステル、(2)炭素数が18〜22の一塩基酸と、4価以下のアルコールとのエステル、および(3)(1)または(2)のエステルをさらにエポキシで変性したエポキシ変性エステルが好ましい。
炭素数が4〜22の飽和一塩基酸は、例えば、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、2−エチルカプロン酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等が挙げられる。
炭素数が4〜22の不飽和一塩基酸は、クロトン酸、パルミトレイン酸、サビエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、ピノレン酸、エレオステアリン酸、ステアリドン酸、ボセオペンタエン酸、ガドレイン酸、イコサジエン酸、イコサトリエン酸、エイコセン酸、エイコサジエン酸、エイコサトリエン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ミード酸、アラキドン酸、エルカ酸、ドコサジエン酸、アドレン酸、オズボンド酸、イワシ酸、ドコサヘキサエン酸等が挙げられる。
炭素数が4〜22の飽和二塩基酸は、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカン二酸、1,12−ドデカン二酸、1,12−オクタデカン二酸、エイコサン二酸等が挙げられる。
炭素数が4〜22の不飽和二塩基酸は、例えば、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、ムコン酸等が挙げられる。
炭素数が4〜22の多塩基酸は、イソクエン酸、アコニット酸、1,2,3−プロパントリカルボン酸、1,2,3−プロペントリカルボン酸、カンホロン酸、イソカンホロン酸、エタンテトラカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、オクタンテトラカルボン酸、エチレンテトラカルボン酸、ブテンテトラカルボン酸等が挙げられる。
炭素数が22以下の1価の飽和アルコールは、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、アプリルアルコール、ペラルゴンアルコール、カプリンアルコール、ウンデシルアルコール、2−ブチルオクタノール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セタノール(別名:パルミチルアルコールとも称す)、イソセチルアルコール、ヘプタデカノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ノナデシルアルコール、エイコサノール(別名:アラキジルアルコールとも称す)、オクチルドデシルアルコール、ヘンエイコサノール、ベヘニルアルコール、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアルコール、2−(2−メトキシエトキシ)エチルアルコール等や、またはこれらのアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。
炭素数が22以下の1価の不飽和アルコールは、例えば、パルミトレイルアルコール、エライジルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、エライドリノレイルアルコール、リノレニルアルコール、エルシルアルコール等や、またはこれらのアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。
炭素数が18以下の2〜4価のアルコールは、例えば、前記ポリオール(a1)の中で挙げた炭素数が22以下のジオール、リシノレイルアルコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等や、またはこれらのアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。
炭素数8〜100の脂肪酸エステル(d1)において、(1)炭素数が4〜22の一塩基酸または多塩基酸と炭素数が22以下の1価のアルコールとのエステルとしては、例えば、吉草酸イソプロピル、カプロン酸イソプロピル、カプロン酸ラウリル、カプロン酸ステアリル、カプリル酸セチル、カプリル酸ステアリル、2−エチルカプロン酸セチル、2−エチルカプロン酸イソセチル、2−エチルカプロン酸ステアリル、カプリン酸ステアリル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸セチル、ラウリン酸ステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸ステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸ラウリル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸オクチルドデシル、ステアリン酸イソトリデシル、イソステアリン酸イソセシル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸コレステリル、ベヘン酸イソステアリル、ポリオキシエチレンラウリン酸メチルエステル、ポリオキシエチレンラウリン酸ステアリルエステル、ポリオキシエチレンステアリン酸イソプロピルエステル等の一塩基酸と1価アルコールとの飽和脂肪酸モノエステル;
例えば、クロトン酸ブチル、パルミトレイン酸メチル、パルミトレイン酸オクチルドデシル、サビエン酸メチル、オレイン酸メチル、オレイン酸メチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、オレイン酸オクチル、オレイン酸オクチルドデシル、エライジン酸メチル、バクセン酸メチル、リノール酸メチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、リノール酸ブチル、リノール酸オクチルドデシル、リノレン酸エチル、リノレン酸オクチルドデシル、ピノレン酸メチル、ピノレン酸メチル、エレオステアリン酸メチル、ステアリドン酸メチル、ステアリドン酸ブチル、ボセオペンタエン酸メチル、ガドレイン酸メチル、イコサジエン酸メチル、イコサトリエン酸メチル、エイコセン酸メチル、エイコセン酸エチル、エイコセン酸イソプロピル、エイコサジエン酸メチル、エイコサトリエン酸メチル、エイコサテトラエン酸メチル、エイコサペンタエン酸メチル、ミード酸メチル、アラキドン酸メチル、エルカ酸メチル、ドコサジエン酸メチル、アドレン酸メチル、オズボンド酸メチル、イワシ酸メチル、ドコサヘキサエン酸メチル等の一塩基酸と1価アルコールとの不飽和脂肪酸モノエステル;
例えば、コハク酸ジエチル、コハク酸ジイソプロピル、コハク酸ジブチル、コハク酸ジミリスチル、グルタル酸ジエチル、3−メチルグルタル酸ジエチル、グルタル酸ジブチル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ビス(メトキシポリオキシエチレン)、アジピン酸ビス(2−ブトキシエチル)、アジピン酸ビス{2−(2−ブトキシエトキシ)エチル}、アジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジイソステアリル、ピメリン酸ジエチル、ピメリン酸ジブチル、スベリン酸ジエチル、アゼライン酸ジエチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジイソセチル、セバシン酸ジブチルオクチル、セバシン酸ジイソステアリル、1,10−デカン二酸ジブチル等の二塩基酸と1価アルコールとの飽和脂肪酸ジエステル;
例えば、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジイソプロピル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジイソプロピル、メサコン酸ジメチル、メサコン酸ジエチル、メサコン酸ジイソプロピル、メサコン酸ジブチル、ムコン酸ジメチル、ムコン酸ジエチル等の二塩基酸と1価アルコールとの不飽和脂肪酸ジエステル;
イソクエン酸トリメチル、アコニット酸トリメチル、アコニット酸トリメトキシポリオキシエチレン、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリメチル、1,2,3−プロペントリカルボン酸トリメチル、カンホロン酸トリメチル、カンホロン酸トリメトキシポリオキシエチレン、イソカンホロン酸トリメチル、エタンテトラカルボン酸テトラメチル、ブタンテトラカルボン酸ジメチル、ブタンテトラカルボン酸トリメチル、ブタンテトラカルボン酸テトラメチル、オクタンテトラカルボン酸テトラメチル、エチレンテトラカルボン酸テトラメチル、ブテンテトラカルボン酸テトラメチル等の多塩基酸と1価アルコールとの不飽和脂肪酸多価エステル;
例えば、アジピン酸モノイソデシル、セバシン酸モノイソプロピル、セバシン酸モノイソステアリル、メサコン酸モノエチル、メサコン酸モノイソプロピル、アコニット酸ジメチル、カンホロン酸ジメチル等の多塩基酸と1価アルコールとの不飽和脂肪酸モノエステルが挙げられる。
また、炭素数8〜100の脂肪酸エステル(d1)において、(2)炭素数が4〜22の一塩基酸と、4価以下のアルコールとのエステルとしては、例えば、ジ酪酸ジエチレングリコール、ジ吉草酸ジエチレングリコール、ジ吉草酸ポリオキシエチレン、ジカプロン酸ネオペンチルグリコール、ジカプロン酸ジエチレングリコール、ジカプロン酸トリエチレングリコール、ジカプロン酸ポリオキシエチレン、ジカプロン酸ジプロピレングリコール、ジカプロン酸ポリオキシプロピレン、ジエナント酸ジエチレングリコール、ジカプリル酸ネオペンチルグリコール、ジカプリル酸エチレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリル酸ポリオキシエチレン、ジ2−エチルカプロン酸ネオペンチルグリコール、ジ2−エチルカプロン酸ジエチレングリコール、ジ2−エチルカプロン酸ポリオキシエチレン、ジ2−エチルカプロン酸ポリオキシプロピレン、ジ2−エチルカプロン酸ジプロピレングリコール、ジペラルゴン酸ジエチレングリコール、ジカプリン酸ジエチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ポリオキシエチレン、ジラウリン酸ネオペンチルグリコール、ジラウリン酸ジエチレングリコール、ジラウリン酸ポリオキシエチレン、ジラウリン酸ポリオキシプロピレン、ジミリスチン酸ネオペンチルグリコール、ジミリスチン酸ジエチレングリコール、ジミリスチン酸ジプロピレングリコール、ジミリスチン酸ポリオキシプロピレン、ジミリスチン酸ポリオキシエチレン、ジミリスチン酸ポリオキシプロピレン、ジペンタデシル酸ジエチレングリコール、ジパルミチン酸ネオペンチルグリコール、ジパルミチン酸ジエチレングリコール、ジパルミチン酸ポリオキシエチレン、ジマルガリン酸ジエチレングリコール、ジステアリン酸ネオペンチルグリコール、ジステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸ジエチレングリコール、ジステアリン酸ポリオキシエチレン、ジステアリン酸ポリオキシプロピレン、ジステアリン酸リシノレイル、ジイソステアリン酸ジエチレングリコール、ジイソステアリン酸ポリオキシエチレン、ジイソステアリン酸プロピレングリコール、ジイソステアリン酸ポリオキシプロピレン、ジアラキジン酸ジエチレングリコール、ジベヘン酸ジエチレングリコール、ポリオキシエチレンビスフェノールAラウリン酸エステル等の飽和一塩基酸と2価のアルコール(別名:ジオール)との飽和脂肪酸ジエステル;
例えば、ジクロトン酸エチレングリコール、ジクロトン酸プロピレングリコール、ジクロトン酸ポリオキシエチレン、ジパルミトレイン酸エチレングリコール、ジサビエン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジオレイン酸ポリオキシエチレン、ジオレイン酸ネオペンチルグリコール、ジオレイン酸ヘキシルグリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸ポリオキシプロピレン、ジエライジン酸エチレングリコール、ジエライジン酸ポリオキシプロピレン、ジバクセン酸エチレングリコール、ジリノール酸エチレングリコール、ジリノール酸プロピレングリコール、ジリノール酸ネオペンチルグリコール、ジリノレン酸エチレングリコール、ジリノレン酸ポリオキシエチレン、ジリノレン酸プロピレングリコール、ジリノール酸ポリオキシエチレン、ジリノレン酸ネオペンチルグリコール、ジピノレン酸エチレングリコール、ジエレオステアリン酸エチレングリコール、ジステアリドン酸エチレングリコール、ジボセオペンタエン酸エチレングリコール、ジガドレイン酸エチレングリコール、ジイコサジエン酸エチレングリコール、ジイコサトリエン酸エチレングリコール、ジエイコセン酸エチレングリコール、ジエイコサジエン酸エチレングリコール、ジエイコサトリエン酸エチレングリコール、ジエイコサテトラエン酸エチレングリコール、ジエイコサペンタエン酸エチレングリコール、ジミード酸エチレングリコール、ジアラキドン酸エチレングリコール、ジエルカ酸エチレングリコール、ジドコサジエン酸エチレングリコール、ジアドレン酸エチレングリコール、ジオズボンド酸エチレングリコール、ジイワシ酸エチレングリコール、ジドコサヘキサエン酸エチレングリコール、ポリオキシエチレンジ2−エチルカプロン酸エーテル・カプリン酸エステル等の不飽和一塩基酸と2価のアルコール(別名:ジオール)との不飽和脂肪酸ジエステル;
例えば、カプロン酸トリグリセリド、カプリル酸トリグリセリド、2−エチルカプロン酸トリグリセリド、2−エチルカプロン酸ポリオキシエチレントリグリセリド、2−エチルカプロン酸ポリオキシプロピレントリグリセリド、ペラルゴン酸トリグリセリド、カプリン酸トリグリセリド、ラウリン酸トリグリセリド、ラウリン酸ポリオキシエチレントリグリセリド、ミリスチン酸トリグリセリド、ミリスチン酸ポリオキシエチレントリグリセリド、ペンタデシル酸トリグリセリド、パルミチン酸トリグリセリド、パルミチン酸ポリオキシエチレントリグリセリド、マルガリン酸トリグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸ポリオキシエチレントリグリセリド、イソステアリン酸トリグリセリド、アラキジン酸トリグリセリド、ベヘン酸トリグリセリド、トリカプロン酸トリメチロールプロパン、トリカプリル酸トリメチロールプロパン、トリ2−エチルカプロン酸トリメチロールプロパン、トリ2−エチルカプロン酸ポリポリオキシエチレントリメチロールプロパン、トリカプリン酸トリメチロールプロパン、ジラウリン酸トリメチロールプロパン、トリラウリン酸トリメチロールプロパン、トリラウリン酸ポリエチレングリコールトリメチロールプロパン、ジミリスチン酸トリメチロールプロパン、トリミリスチン酸トリメチロールプロパン、トリパルミチン酸トリメチロールプロパン、トリパルミチン酸ポリエチレングリコールトリメチロールプロパン、トリステアリン酸トリメチロールプロパン、トリステアリン酸ポリオキシエチレントリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラカプロン酸ペンタエリスリトール、テトラカプリル酸ペンタエリスリトール、テトラ2−エチルカプロン酸ペンタエリスリトール、テトラカプリン酸ペンタエリスリトール、テトララウリン酸ペンタエリスリトール、テトラミリスチン酸ペンタエリスリトール、モノパルミチン酸ペンタエリスリトール、ジパルミチン酸ペンタエリスリトール、トリパルミチン酸ペンタエリスリトール、テトラパルミチン酸ペンタエリスリトール、モノステアリン酸ペンタエリスリトール、ジステアリン酸ペンタエリスリトール、トリステアリン酸ペンタエリスリトール、テトラステアリン酸ペンタエリスリトール、テトライソステアリン酸ペンタエリスリトール、テトラ2−エチルカプロン酸ジグリセリル、テトララウリン酸ジグリセリル、テトラミリスチン酸ジグリセリル、テトラパルミチン酸ジグリセリル、テトラステアリン酸ジグリセリル、ヘキサ2−エチルカプロン酸ポリオキシエチレンソルビット、ヘキサラウリン酸ポリオキシエチレンソルビット、ヘキサミリスチン酸ポリオキシエチレンソルビット、ヘキサパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビット、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット、ヘキサステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット、ヘキサイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット、テトララウリン酸ポリグリセリル、テトラステアリン酸ポリグリセリル、ヘキサステアリン酸ポリグリセリル等の飽和一塩基酸と多価アルコールとの飽和脂肪酸多価エステル;
例えば、クロトン酸トリグリセリド、パルミトレイン酸トリグリセリド、サビエン酸トリグリセリド、オレイン酸ジグリセリド、オレイン酸トリグリセリド、エライジン酸トリグリセリド、バクセン酸トリグリセリド、リノール酸ジグリセリド、リノール酸トリグリセリド、リノレン酸ジグリセリド、リノレン酸トリグリセリド、ピノレン酸トリグリセリド、エレオステアリン酸トリグリセリド、ステアリドン酸トリグリセリド、ボセオペンタエン酸トリグリセリド、ガドレイン酸トリグリセリド、イコサジエン酸トリグリセリド、イコサトリエン酸トリグリセリド、エイコセン酸トリグリセリド、エイコサジエン酸トリグリセリド、エイコサトリエン酸トリグリセリド、エイコサテトラエン酸トリグリセリド、エイコサペンタエン酸トリグリセリド、ミード酸トリグリセリド、アラキドン酸トリグリセリド、エルカ酸トリグリセリド、ドコサジエン酸トリグリセリド、アドレン酸トリグリセリド、オズボンド酸トリグリセリド、イワシ酸トリグリセリド、ドコサヘキサエン酸トリグリセリド、テトラクロトン酸ペンタエリスリトール、テトラパルミトレイン酸ペンタエリスリトール、テトラサビエン酸ペンタエリスリトール、モノオレイン酸ペンタエリスリトール、ジオレイン酸ペンタエリスリトール、トリオレイン酸ペンタエリスリトール、テトラオレイン酸ペンタエリスリトール、テトラエライジン酸ペンタエリスリトール、テトラバクセン酸ペンタエリスリトール、テトラリノール酸ペンタエリスリトール、ジリノレン酸ペンタエリスリトール、トリリノレン酸ペンタエリスリトール、テトラリノレン酸ペンタエリスリトール、テトラピノレン酸ペンタエリスリトール、テトラエレオステアリン酸ペンタエリスリトール、テトラステアリドン酸ペンタエリスリトール、テトラボセオペンタエン酸ペンタエリスリトール、テトラガドレイン酸ペンタエリスリトール、テトライコサジエン酸ペンタエリスリトール、テトライコサトリエン酸ペンタエリスリトール、テトラエイコセン酸ペンタエリスリトール、テトラエイコサジエン酸ペンタエリスリトール、テトラエイコサトリエン酸ペンタエリスリトール、テトラエイコサテトラエン酸ペンタエリスリトール、テトラエイコサペンタエン酸ペンタエリスリトール、テトラミード酸ペンタエリスリトール、テトラアラキドン酸ペンタエリスリトール、テトラエルカ酸ペンタエリスリトール、テトラドコサジエン酸ペンタエリスリトール、テトラアドレン酸ペンタエリスリトール、テトラオズボンド酸ペンタエリスリトール、テトライワシ酸ペンタエリスリトール、テトラドコサヘキサエン酸ペンタエリスリトール、クロトン酸ポリオキシエチレントリグリセリド、パルミトレイン酸ポリオキシエチレントリグリセリド、リノール酸ポリオキシエチレントリグリセリド、リノレン酸ポリオキシエチレントリグリセリド、オレイン酸ポリオキシエチレントリグリセリド、テトラパルミトレイン酸ポリオキシエチレンペンタエリスリトール、テトラリノール酸ポリオキシエチレンペンタエリスリトール、テトラリノレン酸ポリオキシエチレンペンタエリスリトール、ヘキサクロトン酸ポリオキシエチレンソルビット、ヘキサパルミトレイン酸ポリオキシエチレンソルビットトリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ヘキサオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ヘキサエライジン酸ポリオキシエチレンソルビット、テトラリノール酸ポリオキシエチレンソルビット、ヘキサリノール酸ポリオキシエチレンソルビット、テトラリノレン酸ポリオキシエチレンソルビット、ヘキサリノレン酸ポリオキシエチレンソルビット、ヘキサステアリドン酸ポリオキシエチレンソルビット、ヘキサエイコセン酸ポリオキシエチレンソルビット等の不飽和一塩基酸と多価アルコールとの不飽和脂肪酸多価エステル;
例えば、モノ2−エチルカプロン酸グリセリル、ジ2−エチルカプロン酸グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、モノベヘン酸グリセリル、モノカプリル酸グリセリル、トリカプリル酸グリセリル、トリラウリン酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジベヘン酸グリセリル、トリベヘン酸グリセリル、トリベヘニン酸グリセリル、モノラウリン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノミリスチン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノ2−エチルカプロン酸トリメチロールプロパン、ジ2−エチルカプロン酸トリメチロールプロパン、トリ2−エチルカプロン酸トリメチロールプロパン、モノラウリン酸ポリオキシエチレントリメチロールプロパン、モノミリスチン酸ポリオキシエチレントリメチロールプロパン、モノステアリン酸ポリオキシエチレントリメチロールプロパン、モノオレイン酸ポリオキシエチレントリメチロールプロパン、モノリノール酸ポリオキシエチレントリメチロールプロパン、モノリノレン酸ポリオキシエチレントリメチロールプロパン、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアリン酸エステル、ソルビタンモノラウリン酸エステル、ソルビタンモノパルミチン酸エステル、ソルビタンモノステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸エステル、モノイソステアリン酸ポリオキエチレングリセリル、ペンタエリスリトールモノラウリン酸エステル、ペンタエリスリトールモノミリスチン酸エステル、ペンタエリスリトールモノステアリン酸エステル、ペンタエリスリトールモノオレイン酸エステル、ペンタエリスリトールモノリノール酸エステル等の一塩基酸と多価アルコールとの脂肪酸モノエステルが挙げられる。
炭素数8〜100の脂肪酸エステル(d1)において、(3)(1)または(2)のエステルをさらにエポキシで変性したエポキシ変性エステルとしては、上記、不飽和脂肪酸モノエステル、不飽和脂肪酸ジエステル、または不飽和脂肪酸多価エステルに、m−クロロ過安息香酸やジメチルオキシラン等の過酸を作用させて、不飽和脂肪酸エステルに含まれているオレフィン性二重結合をエポキシ化して得られたエポキシ変性エステルが挙げられる。
炭素数8〜100の脂肪酸エステル(d1)は、単独または2種以上を併用できる。
炭素数4〜80のリン酸エステル(d2)は、リン酸と、上記4価以下のアルコールとの脱水縮合により得られたエステル化合物である。
例えば、リン酸モノブチル、リン酸モノヘキシル、リン酸モノ2−エチルヘキシル、リン酸モノオクチル、リン酸モノアプリル、リン酸モノペラルゴン、リン酸モノカプリン、リン酸モノウンデシル、リン酸モノ2−ブチルオクオクチル、リン酸モノラウリル、リン酸モノトリデシル、リン酸モノミリスチル、リン酸モノペンタデシル、リン酸モノパルミチル、リン酸モノイソセチル、リン酸モノヘプタデン、リン酸モノステアリル、リン酸モノイソステアリル、リン酸モノノナデシル、リン酸モノアラキジル、リン酸モノオクチルドデシル、リン酸モノヘンエイコサン、リン酸モノベヘニル、リン酸モノ2−(2−ブトキシエトキシ)エチル、リン酸モノ2−(2−メトキシエトキシ)エチルや、またはこれらのアルキレンオキサイド付加物等のリン酸飽和モノエステル;
例えば、リン酸モノパルミトレイル、リン酸モノエライジル、リン酸モノオレイル、リン酸モノリノレイル、リン酸モノエライドリノレイル、リン酸モノリノレニル、リン酸モノエルシルや、またはこれらのアルキレンオキサイド付加物等のリン酸不飽和モノエステル;
例えば、リン酸ジエチル、リン酸ジプロピル、リン酸ジブチル、リン酸ジヘキシル、リン酸ジ2−エチルヘキシル、リン酸ジアプリル、リン酸ジペラルゴン、リン酸ジカプリン、リン酸ジウンデシル、リン酸ジ2−ブチルオクオクチル、リン酸ジラウリル、リン酸ジトリデシル、リン酸ジミリスチル、リン酸ジペンタデシル、リン酸ジパルミチル、リン酸ジイソセチル、リン酸ジヘプタデン、リン酸ジステアリル、リン酸ジイソステアリル、リン酸ジノナデシル、リン酸ジアラキジル、リン酸ジオクチルドデシル、リン酸ジヘンエイコサン、リン酸ジベヘニル、リン酸ジ2−(2−ブトキシエトキシ)エチル、リン酸ジ2−(2−メトキシエトキシ)エチルや、またはこれらのアルキレンオキサイド付加物等のリン酸飽和ジエステル;
例えば、リン酸ジパルミトレイル、リン酸ジエライジル、リン酸ジオレイル、リン酸ジリノレイル、リン酸ジエライドリノレイル、リン酸ジリノレニル、リン酸ジエルシルや、またはこれらのアルキレンオキサイド付加物等のリン酸不飽和ジエステル;
例えば、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸トリブチル、リン酸トリヘキシル、リン酸トリ2−エチルヘキシル、リン酸トリアプリル、リン酸トリペラルゴン、リン酸トリカプリン、リン酸トリウンデシル、リン酸トリ2−ブチルオクオクチル、リン酸トリラウリル、リン酸トリトリデシル、リン酸トリミリスチル、リン酸トリペンタデシル、リン酸トリパルミチル、リン酸トリイソセチル、リン酸トリヘプタデン、リン酸トリステアリル、リン酸トリイソステアリル、リン酸トリノナデシル、リン酸トリアラキジル、リン酸トリオクチルドデシル、リン酸トリヘンエイコサン、リン酸ジトリベヘニル、リン酸トリ2−(2−ブトキシエトキシ)エチル、リン酸トリ2−(2−メトキシエトキシ)エチルや、またはこれらのアルキレンオキサイド付加物等のリン酸飽和トリエステル;
例えば、リン酸トリパルミトレイル、リン酸トリエライジル、リン酸トリオレイル、リン酸トリリノレイル、リン酸トリエライドリノレイル、リン酸トリリノレニル、リン酸トリエルシルや、またはこれらのアルキレンオキサイド付加物等のリン酸不飽和トリエステル;
例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンオクチルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンデシルエーテルリン酸エステル等のエチレンオキサイド(EO)の付加モル数2〜20のポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル;
例えば、ポリオキシエチレンオレイルフェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンセチルフェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンデシルフェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンエチルフェニルエーテルリン酸エステル等のエチレンオキサイド(EO)の付加モル数2〜20のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステルが挙げられる。
炭素数4〜80のリン酸エステル(d2)は、単独または2種以上を併用できる。
炭素数8〜100のホウ酸エステル(d3)は、ホウ酸と、上記4価以下のアルコールとの脱水縮合により得られたエステル化合物である。
例えば、メトキシテトラエチレングリコールエーテルホウ酸エステル、エトキシトリエチレングリコールエーテルホウ酸エステル、エトキシテトラエチレングリコールエーテルホウ酸エステル、プロポキシトリエチレングリコールエーテルホウ酸エステル、トリエチレングリコールモノブチルエーテルホウ酸エステル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルホウ酸エステル、ブトキシテトラエチレングリコールエーテルホウ酸エステル、ブトキシトリエチレングリコールエーテルホウ酸エステル、ブトキシテトラエチレングリコールエーテルホウ酸エステル、ブトキシペントキシジエチレングリコールエーテルホウ酸エステル、ペントキシトリエチレングリコールエーテルホウ酸エステル、2−エチルヘキシルオキシジエチレングリコールエーテルホウ酸エステル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルエーテルホウ酸エステル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテルホウ酸エステル、ポリエチレングリコールモノブチルエーテルホウ酸エステル、ポリエチレングリコールモノプロピルエーテルホウ酸エステル、ポリエチレングリコールモノブチルエーテルホウ酸エステル等のエチレンオキサイド(EO)の付加モル数2〜20のポリオキシアルキレンアルキルエーテルホウ酸エステル;
例えば、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルホウ酸エステル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルホウ酸エステル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテルホウ酸エステル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルホウ酸エステル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテルホウ酸エステル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテルホウ酸エステル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルホウ酸エステル、ポリプロピレングリコールモノプロピルエーテルホウ酸エステル、ポリプロピレングリコールモノブチルエーテルホウ酸エステル等のプロピレンオキサイド(PO)の付加モル数2〜20のポリオキシアルキレンアルキルエーテルホウ酸エステル;
例えば、ポリブチレングリコールモノプロピルエーテルホウ酸エステル、ポリブチレングリコールモノブチルエーテルホウ酸エステル等のブチレンオキサイド(BO)の付加モル数2〜20のポリオキシアルキレンアルキルエーテルホウ酸エステル;
例えば、ジ(グリセリン)ボレートモノステアレート、ジ(グリセリン)ボレートセスキステアレート、ジ(グリセリン)ボレートモノオレート、ポリオキシエチレンジ(グリセリン)ボレートモノパルミネート(EO付加モル数:6〜20)、ポリオキシエチレンジ(グリセリン)ボレートモノオレート(EO付加モル数:6〜20)等のグリセリンエーテルホウ酸エステルが挙げられる。
炭素数8〜100のホウ酸エステル(d3)は、単独または2種以上を併用できる。
またエステル化合物(D)は、分子量(式量)200〜2,000が好ましい。分子量が前記範囲にあるとポリウレタン樹脂(A)との相溶性が向上するため透明性および凝集力が向上することで再剥離性が向上し、被着体を汚染し難い。
エステル化合物(D)は、ポリウレタン樹脂(A)100質量部に対して、1〜100質量部含有することが好ましく、5〜50質量部がより好ましい。エステル化合物(D)が上記の範囲にあると、接着層を十分に可塑化できるので柔軟性が向上し、微粘領域における低接着力の維持や感圧式接着フィルムの濡れ広がり性をより向上することができる。
これらの中でもエステル化合物(D)は、工業的な入手のし易さに加え、ポリウレタン樹脂(A)との相溶性、濡れ広がり性、再剥離性、被着体汚染の抑制の点から、例えば2−エチルカプロン酸セチル、2−エチルカプロン酸イソセチル、2−エチルカプロン酸ステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、オレイン酸メチル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸イソトリデシル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸コレステリル、メタクリル酸ラウリル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、オレイン酸オクチル、オレイン酸オクチルドデシル、ジ2−エチルカプロン酸ネオペンチルグリコール、ジ2−エチルカプロン酸ポリオキシエチレン、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジイソステアリン酸プロピレングリコール、アジピン酸ビス(メトキシポリオキシエチレン)(EO付加モル数:2〜30)、アジピン酸ビス{2−(2−ブトキシエトキシ)エチル}、アジピン酸ビス(2−ブトキシエチル)、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)、ジ2−エチルカプロン酸ネオペンチルグリコール、ジ2−エチルカプロン酸オキシエチレン(EO付加モル数:4〜16)、トリ2−エチルカプロン酸グリセリル、モノカプリル酸グリセリル、トリカプリル酸グリセリル、モノベヘン酸グリセリル、モノベヘニン酸グリセリル、トリ2−エチルカプロン酸グリセリル、トリラウリン酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、2−エチルカプロン酸ポリオキシエチレントリグリセリド(EO付加モル数:2〜16)、ポリオキシエチレンビスフェノールAラウリン酸エステル、トリオレイン酸グリセリル、トリ2−エチルカプロン酸トリメチロールプロパン、オレイン酸トリグリセリド、モノオレイン酸ペンタエリスリトール、モノステアリン酸ペンタエリスリトール、テトラパルミチン酸ペンタエリスリトール等の脂肪酸エステルや、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリオクチル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸エステル(EO付加モル数:2〜16)、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステル(EO付加モル数:2〜16)、ポリオキシエチレンオクチルエーテルリン酸エステル(EO付加モル数:2〜16)等のリン酸エステル、または、トリエチレングリコールモノプロピルエーテルホウ酸エステル、ポリエチレングリコールモノブチルエーテルホウ酸エステル(EO付加モル数:2〜16)、ポリオキシエチレングリセリンエーテルホウ酸エステル(EO付加モル数:2〜16)等を挙げることができる。
<イオン性化合物(E)>
さらに、イオン性化合物(E)について説明する。
本発明の感圧式接着剤は、さらにイオン性化合物(E)を含むことができる。イオン性化合物(E)は、常温(25℃)で液状、または固体状のイオン性化合物である。イオン性化合物(E)は、アルカリ金属の無機塩、アルカリ金属の有機塩等がを挙げられる。また、イオン性化合物(E)は、界面活性剤、塩化アンモニウム、塩化アルミニウム、塩化銅、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸アンモニウム等も挙げられる。これらの中でもアルカリ金属塩、液状イオン性化合物、固体状イオン性化合物が好ましく、アルカリ金属塩、液状イオン性化合物がより好ましい。但し、前記ポリウレタン樹脂(A)、前記反応性化合物(B)及び前記滑剤(C)を除く。
アルカリ金属塩は、例えばリチウム、ナトリウム、カリウムからなる金属塩が挙げられる。アルカリ金属塩は、Li+、Na+、K+よりなるカチオン部分と、種々のアニオン部分とから構成される。アニオン部の種類により、無機塩と有機塩とに分けられる。アルカリ金属の無機塩としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、過塩素酸リチウム(LiClO4)、塩素酸カリウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、チオシアン酸ナトリウム、LiBr、LiI、LiBF4、LiPF6、LiSCN等が挙げられる。導電性および安全性等の観点から、塩化ナトリウム、塩化カリウム、過塩素酸リチウム等が好ましい。
アルカリ金属の有機塩は、例えば、酢酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、LiCF3SO3、Li(CF3SO22N、Li(CF3SO2)IN、Li(C25SO22N、Li(C25SO2)IN、Li(CF3SO23C等が挙げられ、LiCF3SO3、Li(CF3SO22N、Li(CF3SO2)IN、Li(C25SO22N、Li(C25SO2)IN、Li(CF3SO23C等が好ましく、Li(CF3SO22N、Li(CF3SO2)IN、Li(C25SO22N、Li(C25SO2)IN等のフッ素含有リチウムイミド塩、特に(ペルフルオロアルキルスルホニル)イミドリチウム塩等が挙げられる。
液状イオン性化合物とは、常温で液体の性質を示す化合物であり、カチオン成分とアニオン成分とから構成されている。前記カチオン成分は、例えばピリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピロリン骨格を有するカチオン、ピロール骨格を有するカチオン、イミダゾリウムカチオン、テトラヒドロピリミジニウムカチオン、ジヒドロピリミジニウムカチオン、ピラゾリウムカチオン、ピラゾリニウムカチオン、テトラアルキルアンモニウムカチオン、トリアルキルスルホニウムカチオン、テトラアルキルホスホニウムカチオン等が挙げられる。
前記アニオン成分は、液状イオン化合物が生成できれば良く、例えば、Cl-、Br-、I-、AlCl4 -、Al2Cl7 -、BF4 -、PF6 -、ClO4 -、NO3 -、CH3COO-、CF3COO-、CH3SO3 -、CF3SO3 -、(CF3SO22-、(CF3SO23-、AsF6 -、SbF6 -、NbF6 -、TaF6 -、F(HF)n -、(CN)2-、C49SO3 -、(C25SO22-、C37COO-、(CF3SO2)(CF3CO)N-等が挙げられる。これらの中でもフッ素原子を含むアニオン成分は、低融点のイオン性化合物が得られるため好ましい。
液状のイオン性化合物は、例えば、1−ブチルピリジニウムテトラフルオロボレート、1−ブチルピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−へキシルピリジニウムテトラフルオロボレート、2−メチル−1−ピロリンテトラフルオロボレート、1−エチル−2−フェニルインドールテトラフルオロボレート、1,2−ジメチルインドールテトラフルオロボレート、1−エチルカルバゾールテトラフルオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘプタフルオロブチレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムペルフルオロブタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジシアナミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロアセテート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘプタフルオロブチレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムペルフルオロブタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−へキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチルピラゾリウムテトラフルオロボレート、3−メチルピラゾリウムテトラフルオロボレート、テトラヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、ジアリルジメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジアリルジメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムテトラフルオロボレート、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、グリシジルトリメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、グリシジルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、グリシジルトリメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−ブチルピリジニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−ブチル−3−メチルピリジニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、ジアリルジメチルアンモニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、グリシジルトリメチルアンモニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−へキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ノニルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N,N−ジプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−ペンチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N,N−ジヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリメチルヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリエチルプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリエチルペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリエチルヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−エチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N−ブチル−N−へキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N,N−ジヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリオクチルメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−メチル−N−エチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−オクチル−4−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等が挙げられる。
イオン性化合物(E)は、ポリウレタン樹脂(A)100質量部に対して、0.001〜20質量部含有することが好ましい。上記の範囲であると、十分な帯電防止機能が発現し、また、接着層の白化やブリードアウト等を抑制できる。
イオン性化合物(E)は、単独または2種類以上を併用できる。
<加水分解抑制剤(F)>
本発明の感圧式接着剤は、さらに加水分解抑制剤を含んでもよい。
加水分解抑制剤(F)を含むとポリウレタン樹脂(A)が高温高湿雰囲気下で加水分解が起きた際に生成するカルボキシル基を封鎖できる。
加水分解抑制剤(F)は、例えばカルボジイミド系、イソシアネート系、オキサゾリン系、またはエポキシ系等が好ましく、カルボジイミド系がより効果的に加水分解を抑制できるため好ましい。
加水分解抑制剤(F)は、ポリウレタン樹脂(A)100質量部に対して、0.01〜2.0質量部含むことが好ましく、0.02〜1.5質量部がより好ましく、0.05〜1.0質量部がさらに好ましい。
加水分解抑制剤は単独または2種類以上を併用できる。
尚、加水分解抑制剤(F)は、後述のその他成分(P)と併用することが好ましく、特に酸化防止剤を併用することが好ましい。具体的にカルボジイミド系加水分解抑制剤とフェノール系酸化防止剤の組合せが好ましく、カルボジイミド系加水分解抑制剤とフェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤との組合せがより好ましい。加水分解抑制剤と酸化防止剤を併用することで、加水分解耐性がさらに向上し、加水分解抑制剤自体の分解や熱黄変を抑制することができる。
カルボジイミド系加水分解抑制剤は、カルボジイミド基を有する化合物である。
モノカルボジイミド化合物は、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、ナフチルカルボジイミド等が挙げられる。
ポリカルボジイミド化合物は、カルボジイミド化触媒の存在下でジイソシアネートを脱炭酸縮合反応によって生成した高分子量ポリカルボジイミドである。
ポリカルボジイミド化合物は、例えば4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3'−ジメトキシ−4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルエーテルジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1−メトキシフェニル−2,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。尚、カルボジイミド化触媒は、1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−2−ホスホレン−1−オキシド、あるいはこれらの3−ホスホレン異性体等のホスホレンオキシド等が挙げられる。
<その他成分(P)>
本発明の感圧式接着剤の一実施形態において、本発明による効果を損なわない範囲であれば、感圧式接着剤には、上記必須成分に加えて、その他成分(P)を適宜配合することも可能である。
その他成分(P)は、例えば、重合硬化収縮率低減、熱膨張率低減、寸法安定性向上、弾性率向上、酸化還元抑制、粘度調整、熱伝導率向上、強度向上、靭性向上、および着色向上等の観点から、有機又は無機の添加剤や充填剤を配合することができる。充填剤は、ポリマー、セラミックス、金属、金属酸化物、金属塩、および染顔料等から構成される。充填剤の形状は、例えば、粒子状および繊維状等が好ましい。また、添加剤は、酸化防止剤、難燃化剤、保存安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、チクソトロピー付与剤、分散安定剤、流動性付与剤、増粘剤、保湿剤、pH調整剤、レベリング剤および消泡剤等が挙げられ、添加する方法は、通常混合に加え、ポリマーブレンド又はポリマーアロイとして、感圧式接着剤中に、溶解、半溶解又はミクロ分散させることも可能である。
<感圧式接着剤>
感圧式接着剤とは、粘着剤ともいい、接着剤の固化によらず、粘稠な性質をもっているため、常温で短時間、圧力を加えるだけで接着する接着剤である。
本発明の感圧式接着剤は、ポリウレタン樹脂(A)と水酸基と反応し得る官能基を有する反応性化合物(B)、及び滑剤(C)とを含有する感圧式接着剤である。
ポリウレタン樹脂(A)100質量部に対して、前記活性化合物(C)0.1〜50質量部を含有し、必要に応じて、エステル化合物(D)、イオン性化合物(E)、加水分解抑制剤(F)またはその他成分(P)を適宜混合したものである。
また、エステル化合物(D)、イオン性化合物(E)、加水分解抑制剤(F)またはその他成分(P)を含めて、任意成分と称する場合がある。
本発明の感圧式接着剤は、その使用形態に応じて、粘度を適切に調整することが好ましい。本発明の感圧式接着剤は、粘度を調整するために、下記の有機溶剤を使用できる。特に、有機溶剤は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、シクロヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤といった各種有機溶剤や水およびこれらの混合物を使用することが好ましい。但し、前記した反応性化合物(B)と反応する可能性のある活性水素を有する溶剤、例えば、アルコール系溶剤等を使用する場合には注意を要する。また、追加溶剤を使用することなく、感圧式接着剤を加熱することによって粘度を低減させることもできる。
本発明の感圧式接着剤の粘度は、接着層形成の観点から、25℃にてB型粘度計で測定した際の粘度が、1,000〜10,000mPa・sであることが好ましく、2,000〜8,000mPa・sがより好ましい。粘度が10,000mPa・s未満であると、厚さ0.5〜300μmの接着層の形成が容易になり、透過率等の光学的特性を向上できる。また、粘度が1,000mPa・s以上になると接着層の厚さを制御することが容易となる。本実施形態において、接着層の膜厚、粘度、あるいは不揮発分濃度は、積層体の用途に応じて適宜設定される。
<感圧式接着剤の製造方法>
感圧式接着剤の製造方法としては、まず、ポリウレタン樹脂(A)を製造した後に、任意成分を混合して、上記水酸基と反応し得る官能基を有する反応性化合物(B)を含有して、感圧式接着剤とすることができる。
感圧式接着剤の製造は、ポリオール(a1)およびポリイソシアネート(a2)とを反応させてポリウレタン樹脂(A)を製造する第1の工程、ポリウレタン樹脂(A)と任意成分を混合する第2の工程、および第2の工程で得られた混合物に、水酸基と反応し得る官能基を有する反応性化合物(B)とを混合して得る。尚、任意成分を配合しない場合、前記第2の工程は省略できる。
<ポリウレタン樹脂(A)の製造方法>
ポリウレタン樹脂(A)を製造する第1の工程について説明する。
ポリオール(a1)とポリイソシアネート(a2)とを反応させてポリウレタン樹脂(A)を製造するウレタン化反応は、種々の方法が可能であるが、以下の2つの方法に大別される。
[i]ポリオール(a1)とポリイソシアネート(a2)、更に有機溶剤、および触媒とを全量仕込み、反応させる方法。
[ii]ポリオール(a1)、触媒と有機溶剤とをフラスコに仕込み、ポリイソシアネート(a2)を滴下した後、必要に応じて触媒を追加添加する方法。
反応を精密に制御する場合は[ii]が好ましい。反応温度は120℃以下が好ましく、50〜100℃がより好ましい。所定の温度で反応させると反応速度の制御が容易で所定の重量平均分子量と構造を有するポリウレタン樹脂(A)が得やすい。ウレタン化反応は無触媒でも問題ないが、触媒の存在下、80〜100℃で1〜20時間行うのが好ましい。
ポリオール(a1)とポリイソシアネート(a2)との混合比は、ポリウレタン樹脂(A)が少なくとも1個の水酸基を有する必要があるため、ポリオール(a1)中の水酸基の1モルに対して、ポリイソシアネート(a2)中のイソシアネート基が1モルより少なくなることが必要であり、0.5〜0.95モルが好ましく、0.6〜0.9モルがより好ましい。この範囲であると、反応性化合物(B)との反応性が向上し、透明性が高い接着層が得易くなり、曲面部に対する密着性が向上し、剥離時の被着体汚染も抑制できる。
合成反応の終点は、滴定によるイソシアネート含有量の測定(質量%)、または赤外吸収スペクトル(IR)測定によるイソシアネート基(NCO)に基づく特性吸収の消失により判断する。尚、滴定によるイソシアネート含有量の測定法の詳細は、実施例に記載する。
ポリウレタン樹脂(A)の製造時、前記触媒を使用することができる。イソシアネート基と水酸基との反応は、元来、早いが、有機金属化合物触媒の存在下では、更に反応が促進され、制御が困難になる場合がある。このとき、キレート化合物を配合すると有機金属化合物とキレートを形成し、触媒能が調整され、反応を制御しやすくする。
キレート化合物は、アセチルアセトン、ジメチルグリオキシム、オキシン、ジチゾン、エチレンジアミン四酢酸(別名:EDTA)のようなポリアミノオキシ酸、クエン酸のようなオキシカルボン酸、縮合リン酸等が挙げられる。これらの中では、アセチルアセトンが有機溶媒に可溶であり、揮発性を有し、必要で有れば除去することが容易であるため好ましい。
キレート化合物は、感圧式接着剤中に残留するため、ポリウレタン樹脂(A)と反応性化合物(B)との反応にも作用して反応速度をも調整できるため、結果的に保存安定性やポットライフ(可使時間とも称す)の優れたの優れた感圧式接着剤が得られる。
ポリウレタン樹脂(A)を製造には、有機溶剤が使用できる。有機溶剤の使用により反応制御が容易になる。有機溶剤は、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−アミルケトン、メチルイソアミルケトン、ジエチルケトン、エチル−n−プロピルケトン、エチルイソプロピルケトン、エチル−n−ブチルケトン、エチルイソブチルケトン、ジ−n−プロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ヘキシル、酢酸オクチル、乳酸メチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル等のエステル、エチレングリコール、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールおよびグリコールエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ノナン、イソノナン、ドデカン、イソドデカン等の飽和炭化水素類、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン等の不飽和炭化水素類、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロデカン、デカリン等の環状飽和炭化水素類、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、1,1,3,5,7−シクロオクタテトラエン、シクロドデセン等の環状不飽和炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、その他、ジオキサン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジグライム、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
これらの中でもポリウレタン樹脂(A)の溶解性や、溶剤の沸点等の面から酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトンが好ましい。
有機溶剤の配合量は、ポリウレタン樹脂(A)の組成、粘度、または不揮発分濃度などを考慮して適宜決定すればよい。ポリウレタン樹脂(A)合成時の有機溶剤以外の不揮発分濃度は、40〜99質量%が好ましく、50〜95質量%より好ましい。濃度が所定の範囲にあるとと反応性が向上する。
有機溶剤は、単独または2種以上を併用できる。
前記第2の工程について説明する。
本発明の感圧式接着剤は、ポリウレタン樹脂(A)に、滑剤(C)と任意成分を配合し、ヘンシェルミキサー、ディスパー、アトライター、ハイスピードミキサー、またはホモミキサー等の混合機で混合し、ポリウレタン樹脂(A)の混合物を生成することができる。混合の際、適宜、有機溶剤を併用できる。
前記第3の工程について説明する。
本発明の感圧式接着剤は、前記第2の工程の後、さらに反応性化合物(B)を配合して、ヘンシェルミキサー、ディスパー、アトライター、ハイスピードミキサー、またはホモミキサー等の混合機で混合することができる。混合の際、必要に応じて、感圧式接着剤中に含まれる気泡や泡立ちを減圧脱気により除去し、予期せぬ異物等を濾過等により除去できる。
また、ポリウレタン樹脂(A)に含有されている水酸基と、反応性化合物(B)中の反応性官能基との反応は、混合後いずれのタイミングであってもよい。例えば、混合直後は反応が進行せず(または一部のみの反応が進行し)、感圧式接着剤を基材に塗工した後、加熱乾燥時に反応して、架橋塗膜を形成しながら接着性能を発現してもよい。また、混合のタイミングについても特に制限されず、ポリウレタン樹脂(A)の混合物と反応性化合物(B)の一方を基材の表面に塗布等した後、他方を別途塗工して、加熱乾燥時に、反応を進行させてもよい。また、ポリウレタン樹脂(A)の混合物と反応性化合物(B)のそれぞれを別々の基材表面に塗工した後、塗工面を貼り合せて、その後、加熱乾燥して、反応を進行させてもよい。好ましくは、ポリウレタン樹脂(A)の混合物と反応性化合物(B)の混合液とした感圧式接着剤を基材上に塗工し、加熱により架橋硬化させて接着層を形成することであり、この際、接着層の表面は再剥離可能な粘着性を有するものとなる。
<接着フィルム>
本発明の接着フィルム(感圧式接着フィルムとも称す)は、後述の基材(G)上に上記の感圧式接着剤からなる接着層が形成されたものであり、表面を剥離処理したフィルム状基材(剥離ライナーとも称す)が積層されていても良い。
接着フィルムを製造する場合、常法にしたがって適当な方法で、後述の基材に感圧式接着剤を塗工した後、感圧式接着剤が有機溶剤や水等の液状媒体を含有する場合には、加熱等の方法により液状媒体を除去したり、感圧式接着剤が揮発すべき液状媒体を含有しない場合は、溶融状態にある接着層を冷却して固化したりして、基材の上に接着層を形成することができる。例えば、剥離ライナーの剥離処理面に感圧式接着剤を塗工、乾燥し、基材を貼り合わせて作成する方法、または剥離ライナー以外の基材に感圧式接着剤を直接塗工、乾燥し、接着層の表面に剥離ライナーの剥離処理面を貼り合わせて作成する方法が挙げられる。
感圧式接着剤を塗工する方法としては、特に制限はない。例えば、マイヤーバー、アプリケーター、刷毛、スプレー、ローラー、グラビアコーター、ダイコーター、キスコーター、リップコーター、コンマコーター、ブレードコーター、ナイフコーター、リバースコ−ター、スピンコーター、ディップコーター等の、周知の様々な方法を適用することができる。また、薄膜塗工または厚膜塗工等の形態についても、用途に応じて、特に制限なく、選択することができる。
本発明の感圧式接着剤を使用して、接着層を形成する場合、接着層の膜厚は、0.5〜300μmが好ましく、1〜100μmがより好ましい。膜厚が上記範囲であると、接着フィルムが保護フィルムとして、十分な接着力を得ることが可能となる。
接着フィルムの基本的積層構成は、基材/接着層/剥離ライナーのような片面接着フィルム、あるいは剥離ライナー/接着層/基材/接着層/剥離ライナーのような両面接着フィルムである。このように、剥離ライナーに積層された積層体を接着フィルムという。使用時に、剥離ライナーが剥がされ、接着層が被着体に貼着される。感圧式接着剤は、貼着の際、被着体に接着層が触れるその瞬間に接着層が粘着性を有すのみならず、感圧式接着剤以外の接着剤(以下、単に接着剤という)とは異なり、貼着中も完全に固化することなく、タックと適度な固さを有しつつ、貼着状態を維持するための凝集力を有することが必要である。凝集力は分子量や架橋密度に大きく依存する。このように、基材/接着層/被着体の構成に積層された積層体を貼着積層体という。貼着積層体が光学用途の場合、光学積層体という。また、電子部材の場合、電子積層体という。
本発明の感圧式接着剤を用いた接着フィルムは、光学部材や電子部材等の表面保護フィルム用途に用いられることが好ましく、感圧式接着剤は2つ以上の基材(G)(基材の一方が接着フィルムのベース基材、基材のもう一方が貼着される基材(被着体と称す))を貼り合わせる接着層を形成する。上記基材は木材、金属板、プラスチック板、フィルム状基材、ガラス板、紙加工品等であってよいが、光学部材に使用の際には、透明性が必要となるため、プラスチック板、フィルム状基材、あるいはガラス板等、高透明性の材料から構成する必要がある。但し、電子部材等の透明性を必要としない用途においては、一方の基材として、透明フィルム又は透明ガラス板を使用すれば、他方の基材として、透明性のない基材、例えば、木材、金属板、プラスチック板、紙加工品等の材料からなる基材を使用することもできる。
貼り合わせに際しては、前記したように、接着フィルムを作成して、剥離ライナーを剥がして被着体に貼り付けるか、あるいは2つの基材の層間に直接、感圧式接着剤を注入して貼り付けるか、どちらの場合でも限定されないが、接着フィルムを経由して貼り付けた方が、ガラス面等の基材にフィルムを貼り付けた貼着積層体の貼り直し「再剥離性」の点で好ましい。
上記したように、剥離ライナーとしては、セロハン、各種プラスチックフィルム、紙等のフィルム状基材の表面を剥離処理したものが挙げられる。また、フィルム状基材としては、単層のものであってもよいし、複数の基材を積層してなる多層状態にあるものも用いることができる。また、透明フィルム(H)を使用した場合、上記積層体は、光学用途で好適に使用することができる。良好な光学特性を得る観点から、上記積層体は光学積層体と呼ばれ、使用する透明フィルム(H)は、例えば、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、及び等方性等の光学特性に優れる熱可塑性樹脂から構成されることが好ましい。
このような各種透明フィルム(H)は、各種プラスチックフィルム又はプラスチックシートとも称される。例えば、ポリビニルアルコールフィルム(PVAフィルムとも称す)やポリトリアセチルセルロースフィルム(TACフィルムとも称す)、ポリプロピレンフィルム(PPフィルムとも称する)、ポリエチレンフィルム(PEフィルムとも称す)、ポリシクロオレフィンフィルム(COPフィルムとも称す)、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム(EVAフィルムとも称する)などのポリオレフィン系樹脂のフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルムとも称す)やポリブチレンテレフタレートフィルム(PBTフィルムとも称す)などのポリエステル系樹脂のフィルム、ポリカーボネート系樹脂のフィルム(PCフィルムとも称す)、ポリノルボルネン系樹脂のフィルム、ポリアリレート系樹脂のフィルム、ポリアクリル酸エステル系樹脂のフィルム、ポリフェニレンサルファイド樹脂のフィルム(PPSフィルムとも称す)、ポリスチレン系樹脂のフィルム(PSTフィルムとも称する)、ポリアミド系樹脂のフィルム(PAフィルムとも称する)、ポリイミド系樹脂のフィルム(PIフィルムとも称す)、オキシラン系樹脂のフィルムなどが挙げられる。これら基材の中でも、特にPVAフィルム、TACフィルム、COPフィルム、ポリエステル系樹脂のフィルム、PCフィルムといったシート状基材を透明フィルム(H)として用いることが好ましい。
また、透明フィルム(H)は、表面がコロナ放電、プラズマ処理、フレーム処理等の物理的処理や、フィルム表面を酸やアルカリなどで改質する化学的処理、フィルム表面に微細な凹凸をつけ、基材の実質的な表面積を高めたフィルム、あるいは表面にケイ素、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、スズ、ナトリウム、ホウ素、チタン、鉛、ジルコニウム、イットリウムなどの金属酸化物、若しくは非金属無機酸化物が蒸着されたプラスチックフィルム等、感圧式接着剤に対して、易接着処理されているものや、用途別に機能性を付与したものを好適に用いることができる。
透明フィルム(H)が、保護フィルムとして用いられる場合、接着層を形成しない反対の面には、脂肪酸アミド、ポリエチレンイミン、長鎖アルキル系添加剤等を添加して離型処理を行ったり、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系などの任意の適切な剥離剤からなるコート層を設けたりすることができる。
また本発明では、光学用途を目的に、基材(G)として透明フィルム(H)を用い、前記透明フィルム上へ感圧式接着剤からなる接着層が形成された光学フィルム(I)とすることも可能である。ここで、光学フィルム(I)とは、上記透明フィルム(H)をそのまま光学フィルムとして使用することも可能であり、また、透明フィルム(H)自体に特殊な機能を付与したものを使用することも可能である。ここで、特殊な機能とは、光透過光拡散、集光、屈折、散乱、及びヘイズ等の光学的機能を有するものを意図している。これらの透明フィルム(H)は、光学フィルム(I)として使用した際に、単独で、又は数種を組合せて使用することができる。本発明では、上記光学フィルム(I)の少なくとも一方の面に、上記感圧式接着剤からなる接着層を形成することによって、接着フィルムを作成することができ、液晶セル等へ積層する等、ディスプレイ用途にも用いることもできる。
本発明の光学積層体は、表面保護フィルムとして使用される場合、基材(G)として透明フィルム(H)を用い、本発明の感圧式接着剤から形成した接着フィルムの接着層とガラスが順次積層されたものである。ここで透明フィルム(H)は、ポリエステル系樹脂のフィルムが好ましい。また被着体として使用される基材としてはガラス板が好ましく用いられる。
表面保護フィルムに使用される透明フィルム(H)の厚さは、用途に応じて、任意の厚みが設定できる。本願の感圧式接着剤の効果を十分に発現するためには、好ましくは5μm〜300μmであり、より好ましくは15μm〜150μmである。
本発明の接着フィルムは、保護フィルムとして使用された場合には、透明性が高いことが好ましい。表面保護フィルムの透明性が高いことにより、光学部材や電子部材の表面に貼着した状態で正確に検査などを行うことが可能となる。本発明の表面保護フィルムは、ヘイズが、好ましくは5%以下であり、より好ましくは2%以下である。尚、上記ヘイズの測定の詳細については、実施例に記載する。
本発明の接着フィルムは、透明フィルム(H)としてポリエステル系樹脂のフィルムを一例に挙げて説明した。しかし、ポリエステル系樹脂のフィルムに限定されず、その他の透明フィルム(H)やその他の各種基材を使用する他の実施形態においても、光学用途で好適に使用できる積層体を構成できることは容易に理解されるべきである。例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、タッチパネル、電極周辺部材等各種電子部品関連の部材や表面保護フィルム、建材や車輌の窓ガラス等のガラス部材に好ましく使用できるが、ポリオレフィン、ABS、ポリアクリル等のプラスチック、ダンボール、木材、合板、ステンレス、アルミ等の金属にも使用することが可能である。
以下に、この発明の具体的な実施例を比較例と併せて説明するが、この発明は、下記実施例に限定されない。また、下記実施例および比較例中、「部」および「%」は、特に断らない限り、それぞれ「質量部」および「質量%」を表す。
<ポリウレタン樹脂の合成>
(合成例1)
重合槽、攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた重合反応装置の重合槽及び滴下装置に、下記単量体{ポリオール(a1)、ポリイソシアネート(a2)}、触媒、及び有機溶剤をそれぞれ下記の比率で仕込んだ。
[重合槽]
PEG1000(a1−2) 11.95部
FF3320(a1−2) 83.63部
トルエン(有機溶剤) 16.87部
DBU(触媒) 0.0008部
[滴下装置]
HDI(a2) 4.41部
トルエン(有機溶剤) 30.18部
重合槽内の空気を窒素ガスで置換した後、窒素雰囲気下、攪拌しながら、85℃まで昇温し、滴下装置から、上記、HDI(a2)、及び有機溶剤を含む混合物を1時間かけて滴下して反応を開始した。さらに攪拌しながら2時間反応を継続した。その後、IRチャートのNCOに基づく特性吸収(2,270cm-1)が消失していることを確認した後、酢酸エチル52.96部を加えて不揮発分濃度(NV)50%に調整し、25℃まで冷却して反応を終了した。このポリウレタン樹脂(A)溶液は、外観が無色透明であり、溶液粘度(Vis)4,800mPa・s(25℃)、重量平均分子量(Mw)117,000、及び水酸基価(OHV)30.8mgKOH/gであった。
(合成例2〜23)
表1に記載した材料を、ポリオール(a1)、ポリイソシアネート(a2)、トルエン(有機溶剤)、及び触媒は全て重合槽に仕込み、ポリイソシアネート(a2)及びトルエン(有機溶剤)は滴下装置に仕込むように変更した以外は、合成例1と同様の方法で、それぞれ合成例2〜23のポリウレタン樹脂を合成した。表1に記載された単量体として使用した化合物は、重合槽への仕込み量と滴下装置への仕込み量との合計値(部)を表す。
ただし、合成例21はポリイソシアネート(a2)をIPDIに変更した。また、合成例22はポリイソシアネート(a2)をTDIに変更した。また、合成例23は、触媒をジオクチル錫ジラウレートに変更し、滴下装置の有機溶剤を全てアセチルアセトンに変更した。
得られたポリウレタン樹脂の溶液の溶液外観(25℃)、不揮発分濃度(NV)、溶液粘度(Vis)、重量平均分子量(Mw)、及び水酸基価(OHV)を後述の方法に従って求め、結果を表2に示した。また、酸価(AV)、イソシアネート基(NCO)の残留量(%)、及びガラス転移温度(Tg)の測定方法についても記載した。
《不揮発分濃度(NV)》
得られたポリウレタン樹脂の溶液、約1gを金属容器に秤量し、150℃オーブン中にて20分間乾燥して、25℃に冷却した後、残分を秤量して残率計算をし、不揮発分濃度(固形分)とした(単位:%)。
《溶液外観》
得られたポリウレタン樹脂溶液の外観を25℃の条件下で、目視にて観察した。無色透明であれば良好である。
《溶液粘度(Vis)》
得られたポリウレタン樹脂の溶液を25℃でB型粘度計(東機産業社製 TV−22)にて、ローターNo3、回転速度0.5〜100rpm、1分間回転の条件で測定し、溶液粘度(mPa・s)とした。
《平均分子量》
数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)の測定は、昭和電工社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いた。数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)の決定は、標準物質であるポリスチレンの換算値とした。
装置:SHIMADZU Prominence(株式会社島津製作所製)
カラム:SHODEX LF−804(昭和電工株式会社製)を3本直列に接続
検出器:示差屈折率検出器
溶媒:テトラヒドロフラン
流速:0.5mL/分
溶媒温度:40℃
試料濃度:0.1%
試料注入量:100μL
《水酸基価(OHV)》
共栓三角フラスコ中に試料約1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容量比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解した。次いで、アセチル化剤(無水酢酸25gをピリジンで溶解し、容量100mlとした溶液)を5ml加え、1時間攪拌した。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間保持した。その後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定した。
水酸基価は次式により求めた。水酸基価は樹脂の乾燥状態の数値とした(単位:mgKOH/g)。
水酸基価(mgKOH/g)=[{(b−a)×F×28.25}/S]/(不揮発分濃度/100)+D
ただし、S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
b:空実験の0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
D:酸価(mgKOH/g)
《酸価(AV)》
共栓三角フラスコ中に試料約1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容積比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解した。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間保持した後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定した。
酸価は次式により求めた。酸価は樹脂の乾燥状態の数値とした(単位:mgKOH/g)。
酸価(mgKOH/g)={(5.611×a×F)/S}/(不揮発分濃度/100)
ただし、S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
《イソシアネート基(NCO)の残留量(%)》
共栓三角フラスコ中に試料約1gを精密に量り採り、クロロベンゼン25ml、ジ−n−ブチルアミン/o−ジクロロベンゼン(質量比:ジ−n−ブチルアミン/o−ジクロロベンゼン=1/24.8)混合液10mlを加えて溶解する。これに、メタノール80g、ブロムフェノールブルー試薬を指示薬として加え、0.1Nアルコール性塩酸溶液で滴定した。溶液が黄緑色を呈し、30秒間保持するまで滴定を続けた。NCO残留量(%)は次式により求めた。
NCO残留量(%)=[0.42×(B−C)×F]/S
ただし、S:試料の採取量(g)
B:試料滴定に要した0.1Nアルコール性塩酸溶液の消費量(ml)
C:空試験の滴定に要した0.1Nアルコール性塩酸溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性塩酸溶液の力価
《ガラス転移温度(Tg)》
ロボットDSC(示差走査熱量計、セイコーインスツルメンツ社製「RDC220」)に「SSC5200ディスクステーション」(セイコーインスツルメンツ社製)を接続して、測定に使用した。
試料約10mgをアルミニウムパンに入れ、秤量して示差走査熱量計にセットし、試料を入れない同タイプのアルミニウムパンをリファレンスとして、100℃の温度で5分間保持した後、液体窒素を用いて−120℃まで急冷した。その後、昇温速度10℃/分で昇温し、得られたDSCチャートからガラス転移温度(Tg、単位:℃)を決定した。
合成1〜25で使用した材料の略号を以下に示す。尚、表1において、数値は部を表し、空欄は配合なしを意味している。
・短鎖ポリオール類(a1−1)
BEPG:2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、ODD:1,12−オクタデカンジオール
・ポリエーテルポリオール類(a1−2)
BA4EO:BA−4グリコール(Mn=400,水酸基価=280,酸価<0.1,芳香環含有線形液状タイプ)〔日本乳化剤社製〕、PEG1000:PEG1000(Mn=1,000,水酸基価=112,酸価<0.5,線形ワックス状タイプ,ジオール)〔三洋化成工業社製〕、PP1000:ニューポール PP−1000(Mn=1,000,水酸基価=112,酸価<0.5,線形液状タイプ,ジオール)〔三洋化成工業社製〕、PP2000:ニューポール PP−2000(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<0.5,線形液状タイプ,ジオール)〔三洋化成工業社製〕、FF3320:プライムポールFF−3320(Mn=3,000,水酸基価=56,酸価<0.5,線形液状3官能タイプ)〔三洋化成工業社製〕、G3000:アデカポリエーテルG−3000B(Mn=3,000,水酸基価=56,酸価<0.5,線形液状3官能タイプ,トリオール)〔アデカ社製〕
・ポリエステルポリオール類(a1−3)
P1010:クラレポリオールP1010(Mn=1,000,水酸基価=112,酸価<0.5,線形液状タイプ,ジオール)〔クラレ社製〕、P1011:クラレポリオールP1011(Mn=1,000,水酸基価=112,酸価<0.5,線形液状タイプ,芳香族系ジオール)〔クラレ社製〕、P1030:クラレポリオールP1030(Mn=1,000,水酸基価=112,酸価<0.5,芳香環含有線形液状タイプ)〔クラレ社製〕、P2013:クラレポリオールP2013(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<1,芳香環含有線形液状タイプ)〔クラレ社製〕、F3010:クラレポリオールF3010(Mn=1,000,水酸基価=56,酸価<0.5,線形液状3官能タイプ)
・ポリアミドポリオール類(a1−4)
TPAE:TPAE617(Mn=15,000,水酸基価=16,酸価=1,線形タイプ,ジオール)〔富士化成工業社製〕
・ポリカーボネートポリオール類(a1−5)
C1015N:クラレポリオールC−1015N(Mn=1,000,水酸基価=112,酸価<0.5,線形液状タイプ,ジオール)〔クラレ社製〕
・ポリイソシアネート(a2)
HDI:ヘキサメチレンジイソシアネート、IPDI:3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、TDI:2,4−トリレンジイソシアネート
・触媒
DBU:ジアザビシクロウンデセン、DOTDL:ジオクチル錫ジラウレート
・有機溶剤
ACAC:アセチルアセトン、TOL:トルエン、EAC:酢酸エチル
上記合成例で得られたポリウレタン樹脂を用い、それぞれ以下の方法で感圧式接着剤を作成した。
(実施例1〜81、比較例1〜4)
得られたポリウレタン樹脂、反応性化合物(B)、滑剤(C)及び任意成分を表2に記載した質量比(部)に従って配合し、有機溶剤として酢酸エチルを加えて不揮発分濃度を50%になるように調整し、感圧式接着剤を得た。得られた感圧式接着剤を各基材に塗工、乾燥、養生はおよび貼り合わせを施し、接着フィルムを作成し、以下の方法で評価した。それぞれの結果を表3に示す。
《ポットライフの評価》
得られた感圧式接着剤について、配合後、25℃における粘度を1時間おきに8時間後まで、B型粘度計(東機産業社製TV−22)を用い、ローターNo.3、25℃、12rpm、1分間回転の条件で測定し、ポットライフを3段階で評価した。「○」または「△」評価の場合、実際の使用時に支障ない。
○:8時間までの粘度上昇率が50%未満。良好。
△:8時間までの粘度上昇率が50%以上〜100%未満。実用上使用可能。
×:8時間未満で溶液層の分離や濁りが発生したり、ゲル化したり、または粘度上昇率が100%以上と認められる。実用不可。
ここで、粘度上昇率は、下記の方法で算出した。
粘度上昇率(%)=100×{(8時間保存後の粘度)−(調整直後の粘度)}/(調整直後の粘度)
《塗工性の評価》
得られた感圧式接着剤を、基材として厚さ38μmの剥離処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(セラピールMF:東レフィルム加工社製)(以下、「剥離ライナー」という。)上に、乾燥後の厚さが25μmになるように塗工し、100℃で2分間熱風乾燥することで接着層を形成した。次いで、上記塗工面に100μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を貼り合せて、100μm厚PETフィルム/接着層/剥離ライナーで構成された接着フィルムを作製した。そして剥離ライナーを剥がした後の接着層表面(塗工面)の状態を目視にて観察し、3段階で評価した。「○」または「△」評価の場合、実際の使用時に支障ない。
○:平滑な塗工面が得られた。良好。
△:塗工面の端部に若干のハジキや発泡が認められる。実用上使用可。
×:塗工面にハジキ、発泡やスジ引きが認められた。不良。
《ゆず肌現象の評価》
得られた感圧式接着剤を、基材として厚さ38μmの剥離処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(セラピールMF:東レフィルム加工社製)(以下、「剥離ライナー」という。)上に、乾燥後の厚さが50μmになるように塗工し、100℃で2分間熱風乾燥することで接着層を形成した。次いで、上記塗工面に50μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を貼り合せて、50μm厚PETフィルム/接着層/剥離ライナーで構成された接着フィルムを作製した。
続いて、得られた接着フィルムを、幅100mm×長さ200mmに裁断し、これを30枚重ね、厚さ5mmのフロートガラス2枚の間に挟む。これに200mN/cm2の加重を加え、40℃の環境下、7日間静置する。その後、23℃相対湿度50%の環境下で24時間以上放置し測定試料とする。
次に、上部に設置した40W白色蛍光灯の下に、得られた接着フィルムを、50μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムの面を上にして、上記蛍光灯に対して平行に置き、接着フィルムに光を当てる。そして、フィルムの上から、フィルム面に対して5〜60度の角度でフィルムの表面を観察し、ゆず肌現象の様子を以下のように3段階で評価した。「○」または「△」評価の場合、実際の使用時に支障ない。
○:ゆず肌現象が全く観測されない。極めて良好。
△:ゆず肌現象がわずかに観測されるが、実用上使用可能。
×:ゆず肌現象がかなり観測され、実用に耐えられない。。不良。
《光学特性の評価》
得られた感圧式接着剤を、上記剥離ライナー上に、乾燥後の厚さが50μmになるように塗工し、100℃で2分間熱風乾燥することで接着層を形成した。次いで、別途用意した剥離ライナーを接着層に貼り合せて、接着層が剥離ライナーで挟持された接着フィルムを作製し、23℃相対湿度50%の環境下で7日間養生した。
次に、両方の剥離ライナーを取り除き、接着層単体の外観を目視判定するとともに、ヘイズを「NDH−300A(日本電色工業社製)」で測定した。「○」または「△」評価の場合、実際の使用時に支障ない。
○:曇り等が観察されず、かつHAZE:0.5未満。良好。
△:曇り等は観察されないが、HAZE:0.5以上2未満、実用上支障無く使用できる。
×:曇りが観察される、またはHAZE:2以上。不良。
《加工性の評価》
上記、《塗工性の評価》と同じ方法により作成した各接着フィルムを、23℃相対湿度50%の環境下で7日間養生した。その後、幅100mm×長さ100mmに裁断し、これを20枚重ね、40℃−60Kg/cm2の条件で1時間プレスした際の接着フィルム端部からの接着層のはみ出しの様子を以下のように3段階で評価した。「○」または「△」評価の場合、実際の使用時に支障ない。
○:接着層のはみ出しが観測されない。良好。
△:0.3mm未満の接着層のはみ出しが観測されるが、実用上使用可能。
×:0.3mm以上の接着層のはみ出しが観測される。不良。
《自着性の評価》
上記、《塗工性の評価》と同じ方法により作成した各接着フィルムを、23℃相対湿度50%の環境下で7日間養生した。その後、幅25mm×長さ100mmに裁断して2枚を準備し、それぞれの剥離ライナーを剥がし、露出した接着層同士を23℃、相対湿度50%の環境下で、ラミネータを用いて貼着し、20分間保持して測定試料を得た。前記測定試料を、23℃、相対湿度50%の環境下で、引張試験機(オリエンテック社製「テンシロン」)を用いて、剥離速度300mm/分、T字剥離の条件で剥離した後、試験片の接着層単体の外観を目視判定するとともに、ヘイズを「NDH−300A(日本電色工業社製)」で測定し、自着性の評価とした。「○」または「△」評価の場合、実際の使用時に支障ない。
○:表面荒れ等が観察されず、かつHAZE:0.5未満。良好。
△:表面荒れは観察されないが、HAZE:0.5以上2未満、実用上支障無く使用できる。
×:表面荒れ観察される、またはHAZE:2以上。不良。
《濡れ広がり性の評価》
得られた感圧式接着剤を、基材として厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)上に、乾燥後の厚さが15μmになるように塗工し、100℃で2分間熱風乾燥することで、接着層を形成した。次いで、塗工面に38μmの剥離ライナー(セラピールMF:東レフィルム加工社製)を貼り合せて、50μm厚PETフィルム/接着層/剥離ライナーの構成の接着フィルムを作製し、23℃相対湿度50%の環境下で7日間養生した。そして、この接着フィルムを、幅100mm×長さ100mmに裁断して測定試料とした。次に、厚み2mm×幅150mm×長さ150mmのフロートガラス板に、上記接着フィルムの剥離ライナーを剥がした接着層の一辺のみをフロートガラス板に45°傾けた状態で接触させ、その後、手を離し、前記試料全面が、ガラス板に接触する(ガラス板に濡れ広がる)のに要した時間(秒)を濡れ広がり性として、以下の3段階で評価した。「○」または「△」評価の場合、実際の使用時に支障ない。
○:濡れ広がる時間が2秒未満。良好。
△:濡れ広がる時間が2秒以上、4秒未満。実用上使用可能。
×:濡れ広がる時間が4秒以上。不良。
《剥離強度の測定》
上記、《濡れ広がり性の評価》と同じ方法により作成した各接着フィルムを、幅25mm×長さ100mmに裁断し、剥離ライナーを剥がし、露出した接着層を厚さ1.2mmの無アルカリガラス板に23℃、相対湿度50%の環境下で、ラミネータを用いて貼着した。続いて、50℃、5気圧の条件のオートクレーブ内に20分間保持して測定試料を得た。前記測定試料を、23℃で1日間放置した後に、23℃、相対湿度50%の環境下で、引張試験機(オリエンテック社製「テンシロン」)を用いて、剥離速度300mm/分、剥離角度180度の条件で剥離強度を測定した(貼合せ1日後の剥離強度測定)。また、前記測定試料を、23℃、相対湿度50%の環境下で14日間放置した後に、同様の方法で剥離強度を測定した(貼合せ14日後の剥離強度測定)。この剥離強度を接着力として3段階で評価した。「○」または「△」評価の場合、実際の使用時に支障ない。
○:接着力が10.0(mN/25mm)未満。良好。
△:接着力が10.0(mN/25mm)以上15.0(mN/25mm)未満。実用可。
×:接着力が15.0(mN/25mm)以上。不良で実用不可。
《再剥離性(リワーク性)の評価》
上記、《濡れ広がり性の評価》と同じ方法により作成した各接着フィルムを、25mm×150mmの大きさに裁断し、剥離ライナーを剥がし、厚さ2mmのフロートガラス板にラミネータを用いて貼り付け、50℃で5気圧の条件のオートクレーブ内に20分保持させて、接着フィルムとガラス板との光学積層体を得た。
この積層体の接着フィルムを180度方向に50mm/分の速度で引き剥がし、剥離後のガラス表面の曇りを目視で観察し、3段階で評価した。「○」または「△」評価の場合、実際の使用時に支障ない。
○:曇りがなく、実用上全く問題がない。非常に良好。
△:若干曇りが認められるが、実用上問題ない。良好。
×:全面的に感圧式接着剤の転着が認められ、実用不可である。
《耐久性(耐熱性、耐湿熱性)の評価》
耐熱性試験として、上記《濡れ広がり性の評価》と同じ方法により作成した接着フィルムを、幅100mm×長さ100mmに裁断した。次いで、接着フィルムの剥離ライナーを剥がし、露出した接着層を厚さ1.2mmの無アルカリガラス板の片面に、50℃雰囲気下で5Kg/cm2の圧力を加え、20分間オートクレーブ内に保持して貼り合せた後、80℃の雰囲気中に500時間放置した。放置後、25℃に戻し、接着フィルムの浮き・剥がれ、発泡の発生状態を目視で観察し、3段階で評価した。
耐湿熱性試験として、耐熱性試験と同様に試料を作製し、60℃−相対湿度90%の恒温恒湿槽に500時間放置した。。放置後、25℃に戻し、接着フィルムの浮き・剥がれ、発泡の発生状態を目視で観察し、3段階で評価した。「○」または「△」評価の場合、実際の使用時に支障ない。
発泡とは、接着層とガラスとの界面(周辺端部以外)に比較的大きな気泡が発生している状態である。
浮き・剥がれとは、偏光フィルム接着フィルムがガラスから浮き上がり、剥がれてしまっている状態である。
それぞれの評価基準は以下の通りである。
○:発泡、浮き・剥がれが全く発生せず。良好。
△:直径0.5mm以下の発泡、浮き、剥がれのいずれかの軽微な発生が認められるが、実用上使用可能。
×:全面的に発泡、浮き、剥がれ等、顕著な発生が認められる。実用上使用不可。
実施例、及び比較例で使用した材料を以下に示す。尚、表2において、空欄は、配合なしを意味している。
・水酸基を有するポリウレタン樹脂(A)
表1記載の各合成例で得られた化合物(合成例1〜23)
・水酸基と反応し得る官能基を有する反応性化合物(B)
HDI/TMP:ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、HDI/Nu:ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート環を有する3量体、IPDI/TMP:3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、XDI/TMP:キシリレンジイソシネートのトリメチロールプロパンアダクト体、MAS:3−アミノプロピルトリメトキシシラン、EPS:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、HMMPM:ヘキサメチロールメラミンペンタメチルエーテル
・滑剤(C)
LAAM:ラウリン酸アミド(融点:87℃)、PAAM:パルミチン酸アミド(融点:100℃)、EBOA:エチレンビスオレイン酸アミド(融点:119℃)、HMSA:ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド(融点:140℃)、MOCA:モンタン酸カルシウム(融点:230℃)、HSMG:12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム(融点:130℃)
・滑剤(C)ではない滑剤
115:パラフィンワックス(日本精蝋社製「パラフィンワックス115」、融点:117℃)
・エステル化合物(D)
ECEO:ジ2−エチルカプロン酸ポリオキシエチレン(EO付加モル数:13、炭素数:42)、POOC:リン酸モノオクチル(炭素数:8)、AEDO:アジピン酸ジメトキシポリオキシエチレン(EO付加モル数:8,炭素数24の脂肪酸エステル)、POEOP:ポリオキシエチレンオクチルエーテルリン酸エステル(EO付加モル数:5,炭素数:18)、T80:ポリオキシエチレンジ(グリセリン)ボレートモノオレート(EO付加モル数:6〜20、炭素数:36〜64)〔東邦化学社製「エマルボンT−80」〕
・イオン性化合物(E)
OPFI:1−オクチル−4−メチルピリジウムビス(フルオロスルホニル)イミド、PAFI:トリエチルプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド
・加水分解抑制剤(F)
CBI:カルボジイミド 〔日清紡社製、商品名カルボジライトV―09GB〕
・その他成分(P)
AO50:フェノール系酸化防止剤 〔アデカ社製「アデカスタブ AO−50」〕
以上のように、本発明の感圧式接着剤は、実施例1〜4、8〜11、13〜25、31〜33、35、37〜44、48〜51、53、54〜65、70〜72、74及び77〜81では、ポットライフ、塗工性、ゆず肌現象、光学特性、加工性、自着性、濡れ広がり性、剥離強度、再剥離性、耐熱性、及び耐湿熱性のいずれにおいても、「△」評価(実用可能レベル)が12項目中3個以下であり、他は全て「○」評価(良好レベル)のため、優れていることが分かる。
また、実施例5〜7、12、26〜30、34、36、45〜47、52、66〜69、73、75及び76においては、各評価の「△」評価(実用可能レベル)が12項目中4〜12個であり、「×」評価(不良レベル)が一つもないため、実用上支障なく使用することが可能である。
これに対して、比較例1〜4では、ポットライフ、塗工性、ゆず肌現象、光学特性、加工性、自着性、濡れ広がり性、剥離強度、再剥離性、耐熱性、及び耐湿熱性のいずれかが極端に劣ることがわかる。
本発明に係る感圧式接着剤は、生産性が良好であり、耐熱性や耐湿熱性等の優れた耐久性を有するとともに、優れた濡れ広がり性を有することから、建築分野(例えば、外装、内装、設備など)、電気機器分野(例えば、家電、厨房設備、空調など)、輸送器機分野(例えば、船舶、自動車など)、家具分野、雑貨分野などの光学分野以外の各種産業分野等の広い分野において、保護フィルム以外の用途としても使用することが可能である。

Claims (10)

  1. 水酸基を有するポリウレタン樹脂(A)、水酸基と反応し得る官能基を有する反応性化合物(B)、および滑剤(C)を含有する感圧式接着剤であって、前記滑剤(C)は、脂肪酸アミドおよび脂肪酸金属塩からなる群より選択される1種以上である、感圧式接着剤。
  2. 前記滑剤(C)を前記ポリウレタン樹脂(A)100質量部に対して0.1〜50質量部を含有する、請求項1記載の感圧式接着剤。
  3. 前記滑剤(C)は、融点70℃以上、200℃未満である、請求項1または2記載の感圧式接着剤。
  4. 前記ポリウレタン樹脂(A)の重量平均分子量が10,000〜500,000である、請求項1〜3いずれか1項に記載の感圧式接着剤。
  5. 前記ポリウレタン樹脂(A)は、ポリオール(a1)70〜99質量%、およびポリイソシアネート(a2)1〜30質量%の反応生成物である、請求項1〜4いずれか1項に記載の感圧式接着剤。
  6. 前記ポリオール(a1)が、ポリエーテルポリオール(a1−2)を含む、請求項1〜5いずれか1項に記載の感圧式接着剤。
  7. 前記反応性化合物(B)が、ポリイソシアネート(b1)を含む、請求項1〜6いずれか1項に記載の感圧式接着剤。
  8. さらに、イオン性化合物(E)を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の感圧式接着剤。但し、イオン性化合物(E)は、前記ポリウレタン樹脂(A)、前記反応性化合物(B)および前記滑剤(C)である場合を除く。
  9. 基材(G)および、請求項1〜8いずれか1項に記載の感圧式接着剤より形成された接着層を備えた、接着フィルム。
  10. 光学フィルム(I)、請求項1〜8いずれか1項に記載の感圧式接着剤より形成された接着層、およびガラスを備えた、光学積層体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020075978A (ja) * 2018-11-06 2020-05-21 ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社 粘着剤、粘着シート、粘着シートの製造方法、および画像表示装置

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