JP2018070720A - 感圧式接着剤及び接着フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】
接着フィルムに用いたときに、再剥離性に優れ、高温高湿環境下に曝された際、被着体からの浮きや剥がれが発生しにくい感圧式接着剤および接着フィルムを提供すること。
【解決手段】
水酸基を有するポリエステル樹脂(A)、水酸基と反応し得る官能基を有する反応性化合物(B)およびエステル化合物(C)を含み、下記(1)、(2)および(3)を満たす感圧式接着剤。
(1)ポリエステル樹脂(A)は、ガラス転移温度−80℃以上0℃未満かつ数平均分子量10,000〜300,000である芳香環を有しないポリエステルポリオール(A1)、およびガラス転移温度0℃以上100℃未満かつ数平均分子量5,000〜100,000であるポリエステルポリオール(A2)を含む。
(2)反応性化合物(B)は、ポリイソシアネート等である。
(3)エステル化合物(C)は、脂肪酸エステル等である。
【選択図】なし

Description

本発明は、感圧式接着剤と、それを用いた接着フィルムおよび光学積層体に関する。
電子計算機、電子時計、携帯電話、テレビジョン等の家庭用・業務用電化製品など様々な機器に使用される液晶ディスプレイ等の表示装置は、大型化が進んでおり、特に液晶テレビやプラズマテレビ等は大型化が顕著である。また、近年ではスマートフォンやタブレットをはじめとするタッチパネル方式の液晶ディスプレイが急速に普及しており、今後も大きな市場拡大が期待されている。一方で、液晶ディスプレイは、カーナビゲーションなど車載機器等にも使用されており、高温高湿雰囲気などの過酷な車内環境下で使用できる耐久性が必要とされている。
従来、液晶ディスプレイ等の光学部材には、加工、組立、検査、輸送などの際の表面の汚れや傷付き防止のために、一般に、露出面側に表面保護フィルムが貼着される。特に、光学部材用の表面保護フィルムは、その製造工程で貼付と剥離が繰り返される場合があるため、貼付のしやすさ(被着体への濡れ広がり)と剥離の際に光学部材表面を汚染しない再剥離性(リワーク性とも称す)が必要である。また、光学部材の薄膜化に伴い光学部材自体が割れやすくなっており、表面保護フィルムは、接着性を有しながらも、より弱い力で剥離が可能な特性(軽剥離性)が必要となってきている。更に、表面保護フィルムに対しては、加熱、湿熱状態に曝されても発泡したり、被着体から剥離したりしない、高い耐久性も必要とされている。
この表面保護フィルムを貼着した光学部材等の積層体が、簡単に剥離できるだけでなく、高温下、又は高温高湿条件下等の過酷な環境下でも発泡、浮き・剥がれが生じないようにするため、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂、またはポリウレタン系樹脂を含む感圧式接着剤が用いられてきた。
しかし、シリコーン樹脂を粘着剤層は、剥離後に、シリコーン樹脂が被着体を汚染しやすく、光学部材や電子部材などの特に低汚染が要求される部材の表面保護フィルムとして用いるには問題があった。
また、ポリオール単位としてポリエーテルポリオールを使用したポリウレタン樹脂を含む感圧式接着剤が開示されている(特許文献1または2)。しかし、従来の特許文献1または2の感圧式接着剤は、ポリウレタン樹脂を使用しているため柔軟性が出て接着力は向上するが、凝集力が低下して、フィルム基材に対して密着性が劣り、糊残りしやすくなるといった問題点があった。
また、炭素数が12以下のアルキル基を有するエチレン性不飽和化合物と水酸基を含有したエチレン性不飽和化合物とのアクリル系樹脂に3官能のイソシアネート系架橋剤を混合した感圧式接着剤が開示されている(特許文献3または4)。しかし、従来の特許文献3または4の感圧式接着剤は、接着力が高いだけでなく、接着層自体の凝集力の不足から、貼付後の時間の経過に伴って、著しく接着力が増加したり、剥離時に糊残りが起きたりする場合があり、光学部材や電子部材などの特に異物混入を嫌う部材の表面保護フィルムとして用いるには問題があった。
さらに、混合したイオン性化合物による帯電防止性能の発揮のために、アルキレンオキサイド系エチレン性不飽和化合物を共重合したアクリル系樹脂にイソシアネート系架橋剤を混合した感圧式接着剤が開示されている(特許文献5、特許文献6)。しかし、特許文献5では過剰のアルキレンオキサイドユニットを有するため、基材との密着性が低下するだけでなく、作製した接着フィルムの耐熱性や耐湿熱性等の耐久性、濡れ広がり性、及び再剥離性が低下するという問題があった。さらに、特許文献6では上記に加え、酸を有する事で、接着力が低減し難いという問題があった。
また、上記のように、アルキレンオキサイドユニットを有するアクリル系樹脂やポリウレタン系樹脂は、水素結合性が高いために空気を巻き込みやすく(泡カミとも称す)、一度空気を巻き込んだ場合には、泡抜きが困難であり、接着フィルムを作製の際には、微少な塗膜欠陥を発現し、品質の低下を招くことが多かった。この改善のため、感圧式接着剤の製造時や塗工時には、泡抜きのため、長時間静置したり、減圧で泡を抜いたりして、著しく生産性の低下を招くという、潜在的な問題もあった。
また、アルキレンオキサイドユニットを有するアクリル系樹脂やポリウレタン樹脂を使用した接着フィルムは、水素結合性が高いために接着層同士が触れた場合、接着フィルムの接着面同士はかなり強固に接着する(自着性とも称す)ことが知られており、自着した接着フィルムを引き剥がした場合には、接着層表面の凹凸が著しくなって、平滑性が損なわれるという問題があった。そのため、引きはがした接着フィルムの再利用は不可能であり、作業性の低下を招くという、潜在的な問題もあった。
そこで、塗工後の加工時のはみ出しやべたつき防止、または自着性の抑制を改善するために、感圧紙接着剤に滑性のあるワックスを混合する方法(特許文献7)が開示されている。しかし、シリコーン系、オレフィン系等のワックスや固体可塑剤を混合すると塗加工性や自着性の低減には効果を示すが、相溶性が低下するために接着フィルムの透明性低下や、過酷な条件下における耐熱性や耐湿熱性等の耐久性が極端に損なわれるという問題があった。
そこで、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂、またはポリウレタン系樹脂を使用しない感圧式接着剤として、ジオールとジカルボン酸との縮合重合物であるポリエステル系樹脂にイソシアネート系架橋剤を混合した感圧式接着剤が開示されている(特許文献8、特許文献9)。しかし、特許文献8または9の感圧式接着剤は、ポリエステル樹脂を使用しているため、基材フィルムへの密着性も高く、凝集力も高いので、高接着力化を施すには有利であるが、微粘領域の接着力の発現や濡れ広がり性を確保することは困難であった。
このような状況に鑑み、感圧式接着剤や接着フィルムの加工性が向上し、接着フィルムの耐熱性や耐湿熱性等の耐久性、濡れ広がり性、及び再剥離性が良好であり、フィルムラベル用途から電気、光学用途に至るまで使用可能な、汎用性の高い、表面保護フィルムにも使用可能な感圧式接着剤が望まれていた。
特開2006−182795号公報 特開2014−028876号公報 特開昭63−225677号公報 特開2005−023143号公報 特開2006−199873号公報 特開2015−044945号公報 国際特許公報WO2013/105582号 特開2008−013593号公報 特開2012−107157号公報
本発明が解決しようとする課題は、上記諸問題を解決すべく、接着フィルムの製造時に加工性(感圧式接着剤のはみ出しやべたつき防止)が向上し、また、接着フィルムに用いた際の自着性を低減し、再剥離性に優れ、高温環境下や高温高湿環境下に曝された際の被着体からの浮きや剥がれが発生しにくい感圧式接着剤およびそれを用いた接着フィルムを提供することを目的とする。さらに表面保護フィルムとして用いた際、濡れ広がり性が良好であり、高温高湿の環境下に曝された場合においても高い透明性を維持し、微粘領域でも良好な接着力を有し、また、剥離時にガラス板等の被着体を汚染することが無い感圧式接着剤およびそれを用いた接着フィルムを提供することである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す感圧式接着剤により、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の実施態様は、水酸基を有するポリエステル樹脂(A)と、水酸基と反応し得る官能基を有する反応性化合物(B)と、エステル化合物(C)と、を含む感圧式接着剤であって、下記(1)、(2)および(3)を満たすことを特徴とする感圧式接着剤である。
(1)前記ポリエステル樹脂(A)は、ガラス転移温度が−80℃以上0℃未満かつ数平均分子量が10,000〜300,000である芳香環を有しないポリエステルポリオール(A1)、およびガラス転移温度が0℃以上100℃未満かつ数平均分子量が5,000〜100,000であるポリエステルポリオール(A2)を含むこと。
(2)前記反応性化合物(B)は、ポリイソシアネート(b1)、シラン化合物(b2)及びメチロールメラミン系化合物(b3)からなる群より選ばれる少なくとも一種であること。
(3)前記エステル化合物(C)は、炭素数8〜100の脂肪酸エステル(c1)、炭素数4〜80のリン酸エステル(c2)、炭素数8〜100のホウ酸エステル(c3)および前記エステル(c1)〜(c3)のエポキシ変性エステルからなる群より選ばれる少なくとも一種であること。(ただし、前記エステル化合物(C)は、前記ポリエステル樹脂(A)および前記反応性化合物(B)を除く。)
また、本発明の実施態様は、上記ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、上記反応性化合物(B)0.1〜50質量部を含む上記感圧式接着剤である。
また、本発明の実施態様は、上記ポリエステルポリオール(A1)が、脂肪族ポリエステルポリオールであることを特徴とする上記感圧式接着剤である。
また、本発明の実施態様は、上記ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、上記エステル化合物(C)1〜100質量部を含む上記感圧式接着剤である。
また、本発明の実施態様は、上記反応性化合物(B)が、ポリイソシアネート(b1)を含む上記感圧式接着剤である。
また、本発明の実施態様は、さらに、加水分解抑制剤(D)を含む上記感圧式接着剤である。
また、本発明の実施態様は、加水分解抑制剤(D)が、カルボジイミド(d1)を含む上記感圧式接着剤である。
また、本発明の実施態様は、さらに、イオン性化合物(D)を含む上記感圧式接着剤である。
また、本発明の実施態様は、基材(G)および上記感圧式接着剤接着層を備えた接着フィルムである。
また、本発明の実施態様は、光学フィルム(I)、上記感圧式接着剤からなる接着層、およびガラスを備えた光学積層体である。
本発明の感圧式接着剤を用いることにより、塗加工時のトラブルに起因する欠点(泡カミによる塗膜欠陥や自着性の低減等)を克服し、基材との密着性、再剥離性、耐熱性、耐湿熱性および透明性に優れた感圧式接着層を形成し得る、光学部材用の接着に好適に用いることができる感圧式接着剤が提供される。さらには上記感圧式接着剤の利用により、高温下あるいは高湿度下においても発泡や剥がれ等が発生せず、加工、組立、検査、輸送などの際の光学部材表面の汚れや傷付き防止も良好であり、剥離時には被着体を汚染しない表面保護フィルムを提供できるようになった。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の感圧式接着剤は、水酸基を有するポリエステル樹脂(A)と、水酸基と反応し得る官能基を有する反応性化合物(B)と、エステル化合物(C)と、を含む感圧式接着剤であって、上記(1)、(2)および(3)を満たすことを特徴とする感圧式接着剤であることが特徴である。本発明の感圧式接着剤は、基材に塗工により形成された接着層が積層された接着フィルムとして使用することが好ましい。
以下、感圧式接着剤の構成成分について具体的に説明するが、本明細書では、「水酸基を有するポリエステル樹脂(A)」を「ポリエステル樹脂(A)」と、「水酸基と反応し得る官能基を有する反応性化合物(B)」を「反応性化合物(B)」と、それぞれ略記することがある。
以下、感圧式接着剤の構成成分について具体的に説明する。
<ポリエステル樹脂(A)>
水酸基を有するポリエステル樹脂(A)は、構成する単量体単位として、ポリオール(a1)単位及びポリカルボン酸(a2)単位、または必要に応じてヒドロキシカルボン酸(a3)を含有する樹脂であり、これら単量体混合物を重合して製造した樹脂である。
本明細書でいうポリエステル樹脂(A)とは、ガラス転移温度が−80℃以上0℃未満かつ数平均分子量が10,000〜300,000である芳香環を有しないポリエステルポリオール(A1)、およびガラス転移温度が0℃以上100℃未満かつ数平均分子量が5,000〜100,000であるポリエステルポリオール(A2)とを含むことが特徴である。
ポリエステル樹脂(A)のうち、ガラス転移温度(Tg)が−80℃以上0℃未満、かつ数平均分子量(Mn)が10,000〜300,000である芳香環を有しないポリエステルポリオール(A1)を含むことで、十分な柔軟性を付与することが可能となり、微粘領域の接着力発現に優れる感圧式接着剤が得られる。
また、Tgが0℃以上100℃未満、かつ数平均分子量(Mn)が5,000〜100,000であるポリエステルポリオール(A2)を含むことで、高温高湿条件下等の過酷な環境下でも発泡、浮き・剥がれが生じない耐久性を維持でき、さらに、後述のエステル化合物(C)との相溶性が低いため、接着フィルムの接着面に配向し、感圧式接着剤のガラス板に対する接着力を再剥離可能な微粘領域(例えば、粘着力10.0mN/25mm未満)に低減することが可能となる。
このように、ポリエステル樹脂(A)は、ポリエステルポリオール(A1)とポリエステルポリオール(A2)とを含有することが好ましく、ポリエステル樹脂(A)の合計100質量%中、ポリエステルポリオール(A1)が50〜95質量%、ポリエステルポリオール(A2)が5〜50質量%、の比率で含有されていることが好ましい。ポリエステルポリオール(A1)とポリエステルポリオール(A2)が、上記の範囲で含有されると、感圧式接着剤の製造時や接着フィルムの塗工時における泡カミを防止し、また、巻き込んだ泡を容易に抜けやすくなるため、塗膜欠陥の低減が可能となり、生産性の向上が図られる。また接着フィルム同士の自着性を低減することが可能となるため、ロスの低減に繋がり、品質の向上に繋がる。
さらに、高温高湿条件下等の過酷な環境下でも発泡、浮き・剥がれが生じない耐久性を維持でき、さらに、後述のエステル化合物(C)との相溶性を制御でき、マイグレーションを抑制しつつ、接着フィルムの接着面に配向するため、長期間にわたって、タック(粘着性)の低減が可能となり、感圧式接着剤のガラス板に対する接着力を再剥離可能な微粘領域(例えば、粘着力20.0mN/25mm未満)に低減することが可能となる。
このように、Tgが−80℃以上0℃未満かつ数平均分子量が10,000〜300,000である芳香環を有しないポリエステルポリオール(A1)、およびTgが0℃以上100℃かつ数平均分子量が5,000〜100,000であるポリエステルポリオール(A2)の適度な混合バランスにより得られたポリエステル樹脂(A)を使用したを接着フィルムの接着層は、ミクロ相分離構造をを形成し、接着層表面には微小な凹凸が形成され、自着性や泡カミを抑制でき、さらに後述のエステル化合物(C)を含むため、常温から低温までの柔軟性を維持しながら、安定した濡れ広がり性を得ることが可能となる。また、ポリエステルポリオール(A1)のTgとポリエステルポリオール(A2)のTgとの差(「Tg差」と称することがある)が5〜60℃あると、上記の安定した濡れ広がり性を発現しやすい。
このようなポリエステルポリオール(A1)とポリエステルポリオール(A2)を含有するるポリエステル樹脂(A)は、構成する単量体単位として、ポリオール(a1)単位及びポリカルボン酸(a2)単位、または必要に応じてヒドロキシカルボン酸(a3)を含有する樹脂であり、これら単量体混合物を重合して製造した樹脂である。以下、これら単量体について説明する。
<<ポリオール(a1)>>
まず、ポリエステル樹脂(A)を構成する単量体単位である、ポリオール(a1)単位について説明する。
ポリオール(a1)としては、短鎖ポリオール(a1−1)とその他ポリオール(a1−2)に分類され、短鎖ポリオール(a1−1)が好ましく使用される。短鎖ポリオール(a1−1)とは、重合度2以上の繰り返し単位を有する高分子量ポリオールを構成する最小単位となる単量体となりうる化合物である。
短鎖ポリオール(a1−1)としては、例えば、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−ブチル−3−エチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,12−オクタデカンジオール、1,4−テトラコサンジオール、1,6−テトラコサンジオール、1,4−ヘキサコサンジオール、1,6−オクタコサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3−プロパンジオール等の鎖状の脂肪族ジオール;
例えば、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール,トリシクロデカンジエタノール、シクロペンタジエンジメタノール、2,5−ノルボルナンジオール、1,3−アダマンタンジオール、2,2,4,4,−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、ダイマージオール等の脂環族ジオール;
例えば、o−,m−,及びp−ジヒドロキシベンゼン、1,2−インダンジオール、ベンゼン−1,2−ジメタノール(別名:フタリルアルコール)、ベンゼン−1,3−ジメタノール(別名:イソフタリルアルコール)、ベンゼン−1,4−ジメタノール(別名:テレフタリルアルコール)、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、(3,4−ジヒドロキシフェニル)メタノール(別名:プロトカテクイルアルコール)、(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)メタノール(別名:バニリルアルコール)、2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)エタン−1−オール(別名:ホモバニリルアルコール)、3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロパ−2−エン−1−オール(別名:コニフェリルアルコール)、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)プロパ−2−エン−1−オール(別名:シナピルアルコール)、1,2−ジフェニルエタン−1,2−ジオール(別名:ヒドロベンゾイン)、ハイドロキノン、レゾルシン、4−クロロレゾルシン、4−メチルレゾルシン、5−メチルベンゼン−1,3−ジオール(別名:オルシノール)、2−メチルベンゼン−1,4−ジオール(別名:トルヒドロキノン)、2,3−ジメチルベンゼン−1,4−ジオール(別名:o−キシロヒドロキノン)、2,6−ジメチルベンゼン−1,4−ジオール(別名:m−キシロヒドロキノン)、2,5−ジメチルベンゼン−1,4−ジオール(別名:p−キシロヒドロキノン)、2,3,5−トリメチルベンゼン−1,4−ジオール(別名:プソイドクモヒドロキノン)、2−イソプロピル−5−メチルベンゼン−1,4−ジオール(別名:チモヒドロキノン)、2,3,5,6−テトラメチルベンゼン−1,4−ジオール(別名:ジュロヒドロキノン)、5−ペンチルベンゼン−1,3−ジオール(別名:オリベトール)、4,4’−メチレンジフェノール(別名:pp−ビスフェノールF)、4,4’−(2−ノルボルニリデン)ジフェノール、4,4’−ジヒドロキシメチルビフェニル、4,4’−ビフェニルジオール、2,3−ジヒドロキシブフェニル、テトラニトロビフェニルジオール、5,5’−ジプロピル−ビフェニル−2,2’−ジオール、3,3’−ジアミノビフェニル−4,4’−ジオール、5,5’−テトラメチルビフェニル−4,4’−ジオール、ジフェニルシランジオール、(E)−4,4’−(ヘキサ−3−エン−3,4−ジイル)ジフェノール(別名:ジエチルスチルベストロール)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン(別名:ビスフェノールS)、4,4’−イソプロピリデンフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル(別名:4,4'−オキシジフェノール)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:ビスフェノールA)、1,3−ナフタレンジオール、1,5−ナフタレンジオール、1,7−ナフタレンジオール、1,7−ジヒドロキシメチルナフタレン、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸アンモニウム、9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9’−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン1,4−ジヒドロ−9,10−アントラセンジオール等の芳香族ジオール;
例えば、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,1,1−トリメチロールブタン、1,1,1−トリメチロールペンタン、1,1,1−トリメチロールヘキサン、1,1,1−トリメチロールヘプタン、1,1,1−トリメチロールオクタン、1,1,1−トリメチロールノナン、1,1,1−トリメチロールデカン、1,1,1−トリメチロールウンデカン、1,1,1−トリメチロール−sec−ブタン、1,1,1−トリメチロール−tert−ペンタン、1,1,1−トリメチロール−tert−ノナン、1,1,1−トリメチロール−tert−トリデカン、1,1,1−トリメチロール−tert−ヘプタデカン、1,1,1−トリメチロール−2−メチル−ヘキサン、1,1,1−トリメチロール−3−メチル−ヘキサン、1,1,1−トリメチロール−2−エチル−ヘキサン、1,1,1−トリメチロール−3−エチル−ヘキサン、1,1,1−トリメチロールイソヘプタデカン、トリメチロールブテン、トリメチロールヘプテン、トリメチロールペンテン、トリメチロールヘキセン、トリメチロールヘプテン、トリメチロールオクテン、トリメチロールデセン、トリメチロールドデセン、トリメチロールトリデセン、トリメチロールペンタデセン、トリメチロールヘキサデセン、トリメチロールヘプタデセン、トリメチロールオクタデセン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−オクタントリオール、1,3,7−オクタントリオール、3,7−ジメチル−1,2,3−オクタントリオール、1,2,10−デンカントリオール、1,2,3,4−ブタンテトラオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、ジトリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ベンゼン-1,3,5−トリオール(別名:フロログリシノール)、ベンゼン-1,2,3−トリオール(別名:ピロガロール)、スチルベン−3,4'、5−トリオール(別名:レスベラトール)、イノシトール、ソルビタン、ソルビトール、マンニトール、サッカロース、セルロース、1,1,1−トリメチロールドデカン、1,1,1−トリメチロールトリデカン、1,1,1−トリメチロールテトラデカン、1,1,1−トリメチロールペンタデカン、1,1,1−トリメチロールヘキサデカン、1,1,1−トリメチロールヘプタデカン、1,1,1−トリメチロールオクタデカン、1,1,1−トリメチロールノナデカン、1,1,2−テトラデカントリオール、1,2,3−オクタデカントリオール等の3個以上の水酸基を有する多価ポリオールが挙げられる。これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
ここで、ダイマージオールとは、リノール酸、オレイン酸、リノレン酸等の不飽和脂肪酸、トール油、綿実油、大豆油等より得られる乾性油脂肪酸または半乾性油脂肪酸等の炭素数18個のカルボン酸を熱重合して得られたダイマー酸を、さらに完全に水添して得られる炭素数36個の脂肪族ジオールであり、分岐構造やシクロヘキサン環を有するダイマージオールの幾何異性体の混合物として得られた化合物である。市販品としては、例えば、PRIPOL−2030、2033〔CRODA Coating & Polymers 社製〕や、Sovermol−908〔BASF 社製〕が挙げられる。
なお、ここでいう鎖状の脂肪族とは、非環式の鎖状の炭素化合物を意味し、環式の炭素化合物は脂環族と定義する。
また、短鎖ポリオール(a1−1)の式量(Mn、数平均分子量とも称す)は、50〜800が好ましく、60〜600がより好ましい。式量(Mn)がこの範囲であると、重合反応が進行し易くなるため、重合安定性が良好となる。
その他(a1−2)としては、重合度2以上の繰り返し単位を有する高分子量ポリオールであり、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリアミドポリオール、またはポリカーボネートポリオール等が挙げられる。その他(a1−2)をポリエステル樹脂の重合時に用いると、重合反応と伴に分解反応やエステル交換反応を起こす場合があるため、注意を要する。但し、ポリエステルポリオールは、Tgが−80℃以上0℃未満かつ数平均分子量が10,000〜300,000である芳香環を有しないポリエステルポリオール(A1)、およびガラス転移温度が0℃以上100℃かつ数平均分子量が5,000〜100,000であるポリエーテルポリオール(A2)を含まない。
ポリオール(a1)は、短鎖ポリオール(a1−1)を使用することが好ましく、ジオールであることが特に好ましい。ジオールを含有することで、ポリエステル樹脂の密度を低減化させ、粘度を低減することが可能とし、塗加工性が良好となる。また、より柔軟性が高まるため、粘着性を発現しやすくなる。また、多価ポリオールを併用すると、得られるポリエステル樹脂の機械的強度を増加させたり、または耐熱性を向上させることも可能となる。
<<ポリカルボン酸(a2)>>
次に、ポリエステル樹脂(A)を構成する単量体単位である、ポリカルボン酸(a2)単位について説明する。
ポリカルボン酸(a2)は、上記、ポリオール(a1)ともに、ポリエステル樹脂(A)を得るための構成単位であり、カルボキシル基を2個以上有する化合物である。
ポリカルボン酸(a2)としては、脂肪族系、脂環族系、及び芳香族系が挙げられ、それぞれ特に制限が無く使用できる。例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、スベリン酸、マレイン酸、クロロマレイン酸、フマル酸、ドデカン二酸、ピメリン酸、シトラコン酸、グルタル酸、イタコン酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等、メチル無水コハク酸物、2,2−ジメチル無水コハク酸、ブチル無水コハク酸、イソブチル無水コハク酸、ヘキシル無水コハク酸、オクチル無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸、フェニル無水コハク酸、無水グルタル酸、3−アリル無水グルタル酸、2,4−ジメチル無水グルタル酸、2,4−ジエチル無水グルタル酸、ブチル無水グルタル酸、ヘキシル無水グルタル酸、2−メチル無水マレイン酸、2,3−ジメチル無水マレイン酸、ブチル無水マレイン酸、ペンチル無水マレイン酸、ヘキシル無水マレイン酸、オクチル無水マレイン酸、デシル無水マレイン酸、ドデシル無水マレイン酸、2,3−ジクロロ無水マレイン酸等の脂肪族ジカルボン酸及びその無水物等;
例えば、o−フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トルエンジカルボン酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、2,2'−ビフェニルジカルボン酸、4,4−ビフェニルジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルメタン−4,4´−ジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸、1,2−アズレンジカルボン酸、1,3−アズレンジカルボン酸、4,5−アズレンジカルボン酸、(−)−1,3−アセナフテンジカルボン酸、1,4−アントラセンジカルボン酸、1,5−アントラセンジカルボン酸、1,8−アントラセンジカルボン酸、2,3−アントラセンジカルボン酸、1,2−フェナントレンジカルボン酸、4,5−フェナントレンジカルボン酸、3,9−ペリレンジカルボン酸、無水フタル酸、ビフェニルジカルボン酸無水物、4−メチル無水フタル酸、フェニル無水マレイン酸、2,3−ジフェニル無水マレイン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物等の芳香族ジカルボン酸及びその無水物等;
例えば、無水クロレンド酸、無水ヘット酸、無水ハイミック酸、ノルボルネンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、メチル−3,6−エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、1−シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸無水物(別名:ナジック酸無水物)、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、オクタヒドロ−1,3−ジオキソ−4,5−イソベンゾフランジカルボン酸無水物等の脂環族ジカルボン酸及びその無水物;
例えば、1,2,3−プロパンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸、シクロペンラノン−2,3,5−トリカルボン酸、2,3,5,6−テトラカルボキシシクロヘキサン、2,3,5,6−テトラカルボキシノルボルナン、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸等の脂肪族、または脂環族多価カルボン酸及びその無水物等;
例えば、1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、トリメリット酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,4,5−ナフタレントリカルボン酸、2,3,6−ナフタレントリカルボン酸、1,2,8−ナフタレントリカルボン酸、3,4,4’−ベンゾフェノントリカルボン酸、3,4,4’−ビフェニルエーテルトリカルボン酸無、3,4,4’−ビフェニルトリカルボン酸、2,3,2’−ビフェニルトリカルボン酸、3,4,4’−ビフェニルメタントリカルボン酸、3,4,4’−ビフェニルスルホントリカルボン酸、ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン酸無水物、9,9−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]フルオレン酸無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−メチル−1−ナフタレンコハク酸無水物等の芳香族多価カルボン酸及びその無水物等等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
ここで、ダイマー酸とは、リノール酸、オレイン酸、リノレン酸等の不飽和脂肪酸、トール油、綿実油、大豆油等より得られる乾性油脂肪酸または半乾性油脂肪酸等の炭素数18個のカルボン酸を熱重合して得られた過酸化縮合酸であり、さらに完全に水添して得られる炭素数36個の脂環族ジカルボン酸である。市販品としては、例えば、PRIPOL−1009、1010、1013〔CRODA Coating & Polymers 社製〕が挙げられる。
また、多価カルボン酸及びその無水物等を併用すると、得られるポリエステル樹脂の機械的強度を増加させたり、または耐熱性を向上させることも可能となる。
<<ヒドロキシカルボン酸(a3)>>
次に、ポリエステル樹脂(A)を構成する単量体単位である、ヒドロキシカルボン酸(a3)単位について説明する。
ヒドロキシカルボン酸(a3)は、分子内に水酸基とカルボキシル基の双方を有する化合物であり、脂肪族、脂環族、および芳香族が挙げられ、分子内あるいは分子間縮合により、環状構造を有する化合物もヒドロキシカルボン酸(a3)に含まれる。
ヒドロキシカルボン酸(a3)としては、例えば、グリコール酸、乳酸、β−ヒドロキシプロピオン酸、α−オキシ酪酸、α−ヒドロキシイソ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、α−ヒドロキシカプロン酸、δ−ヒドロキシカプロン酸、グリセリン酸、タルトロン酸、リンゴ酸、クエン酸、α−ヒドロキシカプリル酸、α−ヒドロキシラウリン酸、α−ヒドロキシリシノール酸、α−ヒドロキシドトリアコンタン酸、α−ヒドロキシテトラトリアコンタン酸、α−ヒドロキシヘキサトリアコンタン酸、α−ヒドロキシオクタトリアコンタン酸、α−ヒドロキシテトラアコンタン酸、ヒドロキシピパリン酸、ヒドロキシプロピオン酸、6−ヒドロキシペンタン酸、α−ヒドロキシヘプタン酸、10−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、10−ヒドロキシデカン酸、12−ヒドロキシドデカン酸、3−ヒドロキシミスチリン酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸、15−ヒドロキシペンタデカン酸、α−ヒドロキシエイコサン酸、α−ヒドロキシドコサン酸、α−ヒドロキシテトラエイコサン酸、α−ヒドロキシヘキサエイコサン酸、α−ヒドロキシオクタエイコサン酸、α−ヒドロキシトリアコンタン酸、β−ヒドロキシミリスチン酸、ジメチロ−ルプロピオン酸、ジヒドロキシフマル酸、ジヒドロキシマレイン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)エタン酸(別名、ジメチロール酢酸)、2,3−ジヒドロキシプロパン酸(別名、グリセリン酸)、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロパン酸(別名、2,2−ジメチロールプロピオン酸)、3,3−ビス(ヒドロキシメチル)プロパン酸(別名、3,3−ジメチロールプロピオン酸)、2,3−ジヒドロキシ−2−メチルプロパン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸(別名、ジメチロール酪酸)、2,2−ジヒドロキシブタン酸、2,3−ジヒドロキシブタン酸、2,4−ジヒドロキシブタン酸(別名、3−デオキシテトロン酸)、3,4−ジヒドロキシブタン酸等の脂肪族ヒドロキシカルボン酸;
例えば、2−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、サリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、2−オキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ−3−フェニル安息香酸、4−ヒドロキシ−3−メトキシ安息香酸、4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシ安息香酸、4'−ヒドロキシ−4−カルボキシビフェニル、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、5−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸(別名、o−ピロカテク酸)、2,4−ジヒドロキシ安息香酸(別名、β−レゾルシン酸)、2,5−ジヒドロキシ安息香酸(別名、ゲンチジン酸)、2,6−ジヒドロキシ安息香酸(別名、γ−レゾルシン酸)、3,4−ジヒドロキシ安息香酸(別名、プロトカテク酸)、3,5−ジヒドロキシ安息香酸(別名、α−レゾルシン酸)、ヒドロキシ(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)酢酸(別名、バニルマンデル酸)、D,L−3,4−ジヒドロキシマンデル酸、2,5−ジヒドロキシフェニル酢酸(別名、ホモゲンチジン酸)、3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸(別名、ホモプロトカテク酸)等の脂環族、または芳香族ヒドロキシカルボン酸等が挙げられる。
また、上記ヒドロキシカルボン酸(a3)において、ヒドロキシカルボン酸中の水酸基とカルボン酸との分子内あるいは分子間縮合反応によって得られるヒドロキシカルボン酸の環状単量体、二量体または三量体以上の多量体を包含するものである。例えば、β−ブチロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−ヘプタノラクトン、γ−オクタノラクトン、δ−オクタノラクトン、ε−オクタノラクトン、ε−カプロラクトングリコリド、ピバロラクトン、7−ヘプタノリド、8−オクトノリド、11−ウンデカノリド、12−ドデカノリド、15−ペンタデカノリド、16−ヘキサドデカノリド、α−メチル−β−プロピオラクトン、β−メチル−α−プロピオラクトン、α,α−ジメチル−β−プロピオラクトン等のヒドロキシカルボン酸の環状単量体であるラクトン類や乳酸によるラクチド、グリコール酸によるグリコリド等のヒドロキシカルボン酸の環状二量体が挙げられる。
また、ヒドロキシカルボン酸(a3)は、ポリエステル樹脂(A)を構成する全単量体100モル%中、0〜10モル%の範囲で含有することができる。ヒドロキシカルボン酸(a3)を含有したポリエステル樹脂(A)を感圧式接着剤として使用すると、適度な凝集力と十分な柔軟性が得られるため、作製した接着フィルムをガラス板等の被着体に貼着した際に、濡れ広がり性や再剥離性に優れるとともに、貼着経時後、高温高湿等の過酷な条件下でも、浮き・剥がれが発生し難く、表面保護フィルムへの適用が可能となる。
このように、ポリエステルポリオール(A1)は、構成する単量体単位として、上記の脂肪族ジオール、脂環族ジオール、または多価ジオール等のポリオール(a1)と脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、脂肪族または脂環族多価カルボン酸及びその無水物等のポリカルボン酸(a2)、または必要に応じて脂肪族ヒドロキシカルボン酸、ラクトン類等のヒドロキシカルボン酸(a3)を含有する樹脂であり、これら単量体混合物を重合して製造した芳香環を有しない樹脂である。ポリエステルポリオール(A1)が芳香環を有しないことで、樹脂の柔軟性を十分に確保できるため、濡れ広がり性を向上させることが可能となる。
また、ポリエステルポリオール(A2)は、構成する単量体単位として、上記のポリオール(a1)とポリカルボン酸(a2)、または必要に応じてヒドロキシカルボン酸(a3)を含有する樹脂であり、これら単量体混合物を重合して製造した樹脂である。ポリエステルポリオール(A2)には芳香環を有してもよい。
本願のポリエステルポリオール(A1)とポリエステルポリオール(A2)の水酸基価は、好ましくは1〜560mgKOH/gの範囲であり、より好ましくは4〜280mgKOH/gの範囲であり、最も好ましくは4〜200mgKOH/gの範囲である。水酸基価が上記の範囲であると、上記数平均分子量(Mn)と同様に、密着性、濡れ性に優れる感圧式接着剤が得られ、表面保護フィルムへの適用が可能となる。また、水酸基価(OHV)は、JIS K1557−1:2007に、酸価(AV)は、JIS K0070:1992に準拠して測定される値であり、測定法の詳細は、実施例に記載する。
ポリエステル樹脂(A)において、ポリエステルポリオール(A1)のTgが−80℃以上0℃未満、かつ数平均分子量(Mn)が10,000〜300,000であることが好ましく、Tgが−50℃以上0℃未満、かつ数平均分子量(Mn)が11,000〜200,000であることがさらに好ましい。また、ポリエステルポリオール(A2)のTgが0℃以上100℃未満、かつ数平均分子量(Mn)が5,000〜100,000であることが好ましく、Tgが0℃以上80℃未満、かつ数平均分子量(Mn)が6,000〜80,000であることがさらに好ましい。但し、前記ポリエステルポリオール(A1)は、前記ポリエステルポリオール(A2)以上の数平均分子量である。
ポリエステルポリオール(A1)とポリエステルポリオール(A2)の数平均分子量(Mn)が上記の範囲にあると、塗工に適した粘度を保てるため、塗加工時の取り扱いに優れる。また、ポリエステル樹脂(A)に、適度な凝集力と十分な柔軟性を付与することが可能となり、微粘領域で十分な粘着性を発現することが可能となる。また、感圧式接着剤から作製した接着フィルムは、高温多湿等の過酷な環境下でも、浮き・剥がれが発生しない。上記数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。GPCの測定法の詳細は、重量平均分子量(Mw)も含めて、実施例に記載する。
ポリエステルポリオール(A1)とポリエステルポリオール(A2)のTgが上記の範囲にあると、ポリエステル樹脂(A)を含む感圧式接着剤は、十分な粘着性や凝集力を有するため、接着性を保ちつつ、接着層の凝集破壊を抑制し、浮きや剥がれを抑制する。Tgは、構成成分であるポリオール(a1)、ポリカルボン酸(a2)、またはヒドロキシカルボン酸(a3)の種類を適当に選択することによって調節可能である。また、前記したように、ポリエステルポリオール(A1)とポリエステルポリオール(A2)のTg差が5〜60℃の範囲が好ましく、10〜50℃の範囲がより好ましい。この範囲であると、ミクロ相分離構造の形成が十分に確保され、また接着層の白化が抑制される。また、接着層表面には微少な凹凸が形成され、自着性や泡カミを抑制でき、上記の安定した濡れ広がり性を発現しやすい。
また、Tgの異なるポリエステルポリオール(A1)とポリエステルポリオール(A2)とを用いて適当なTgに調整することもできるが、下記一般式[1]で示される、ポリエステルポリオール(A1)とポリエステルポリオール(A2)のTgの質量平均値(「換算Tg」と称す)が−20℃〜20℃の範囲に入ることが好ましい。この範囲であると、微粘領域の接着性を確保され、再剥離性が向上しやすい。尚、Tgの測定法の詳細は、実施例に記載する。
一般式[1]
換算Tg={(A1)のTg×(A1)の質量+(A2)のTg×(A2)の質量}/{(A1)の質量+(A2)の質量}
ポリエステルポリオール(A1)とポリエステルポリオール(A2)に、ポリオール(a1)中の3個以上の水酸基を有する多価ポリオール、またはポリカルボン酸(a2)中の3個以上のカルボキシル基を有する多価カルボン酸を含むことができる。多価ポリオール、または多価ポリカルボンを含む場合には、ポリオール(a1)、または多価ポリカルボン(a2)100モル%中、0.1〜10モル%の範囲で含有することができる。多価ポリオールを含む場合には、ポリエステル樹脂(A)に、後述の反応性化合物(B)との架橋点となり得る水酸基を導入できるため、凝集力の更なる制御が望め、再剥離性と微粘領域の接着性や濡れ広がり性とのバランスを制御することが可能となる。
また、ポリエステル樹脂(A)の溶液粘度は特に制限はなく、感圧式接着剤の用途により適宜選択できる。溶液粘度は、好ましくは、不揮発分濃度50質量%で1,000〜10,000mPa・s(25℃)である。溶液粘度がこの範囲であると、十分な凝集力を維持しつつ、生産性や塗加工性も良好となるため、好ましい。
<水酸基と反応し得る官能基を有する反応性化合物(B)>
次に、水酸基と反応し得る官能基を有する反応性化合物(B)について説明する。
本明細書において水酸基と反応し得る官能基を有する反応性化合物(B)(以下、反応性化合物(B)と称す。)は、ポリイソシアネート(b1)、シラン化合物(b2)及びメチロールメラミン系化合物(b3)からなる群より選ばれる少なくとも一種であり、ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、0.1〜50質量部含有することが必要であり、1〜30質量部がより好ましい。反応性化合物(B)がこの範囲であると、ポリエステル樹脂(A)に含有されている水酸基との架橋反応により耐熱性や耐湿熱性が向上するだけでなく、過酷な環境下での接着層の浮き、剥がれ、あるいは発泡を抑えることができ、表面保護フィルムへの適用が可能となる。
また、ポリエステル樹脂(A)は水酸基に対して、反応性化合物(B)中の水酸基と反応し得る官能基としては、ポリイソシアネート(b1)に含まれているイソシアネート基、シラン化合物(b2)に含まれているアルコキシシリル基、メチロールメラミン系化合物(b3)に含まれているメチロール基が挙げられる。
反応性化合物(B)は、これらの中でも架橋性を付与るために、ポリエステル樹脂(A)の水酸基と反応し得る官能基を分子内に2個以上有する化合物が好ましく用いられる。
特にポリイソシアネート(b1)は、架橋反応後の接着性や後述の基材(G)への密着性に優れているため好ましい。
ポリイソシアネート(b1)としては、イソシアネート基を分子内に複数有する化合物である。ポリイソシアネート(b1)は、脂肪族ポリイソシアネート類、脂環族ポリイソシアネート類、または芳香族ポリイソシアネート類に分類できる。例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(別名:HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類;
例えば、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(別名:IPDI)、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ノルボルネンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、オクタヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンジメチルジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート類;
例えば、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(別名:2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(別名:2,6−TDI)、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、1,3−フェニレンビスメチレンジイソシアナート(別名:m−XDI)、1,4−フェニレンビスメチレンジイソシアナート(別名:p−XDI)、2,2'−ジフェニルメタンジイソシアネート(別名:2,2−MDI)、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(別名:4,4−MDI)、1,3−ナフタレンジイルジイソシアネート(別名:1,3−NDI)、1,5−ナフタレンジイルジイソシアネート(別名:1,5−NDI)、ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類;
例えば、リジントリイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4',4”−トリイソシアネート、メチルシラントリイルトリスイソシアネート等の3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート類が挙げられる。
ポリイソシアネート(b1)は、イソシアネート基を3個以上有する化合物が好ましい。このようなポリイソシアネート(b1)は、上記した3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート類のほか、各種ポリイソシアネート類の2−メチルペンタン−2,4−ジオールやトリメチロールプロパン等のポリオールとのアダクト体、イソシアヌレート環を有する3量体等が好ましく使用できる。また、ポリフェニルメタンポリイソシアネート(別名:PAPI)、およびこれらのポリイソシアネート変性物等も好ましい。なお、ポリイソシアネート変性物は、カルボジイミド基、ウレトジオン基、ウレトンイミン基、水と反応したビュレット基、イソシアヌレート基のいずれかの基、又はこれらの基の2種以上を有する変性物を使用できる。ポリオールとジイソシアネートとの反応生成物も少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物として使用することができる。また、ポリイソシアネート(b1)は、ブロック化剤を用いて、イソシアネート基をブロックした、ブロックイソシアネートも使用することもできる。
ポリイソシアネート(b1)を使用する場合、ポリエステル樹脂(A)の水酸基とイソシアネート基との反応促進のため、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。触媒は、例えば3級アミン系化合物、有機金属系化合物等が挙げられる。
3級アミン系化合物は、例えばトリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、ジアザビシクロウンデセン(別名:DBU)等が挙げられる。
有機金属系化合物は、錫系化合物、非錫系化合物が挙げられる。
錫系化合物は、例えば、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート(別名:DBTDL)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、トリブチル錫オキサイド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキサイド、トリブチル錫エトキサイド、ジオクチル錫オキサイド、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、2−エチルヘキサン酸錫等が挙げられる。
非錫系化合物は、例えば、ジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライドなどのチタン系、オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、ナフテン酸鉛などの鉛系化合物、2−エチルヘキサン酸鉄、鉄2,4−ペンタジオネートなどの鉄系化合物、安息香酸コバルト、2−エチルヘキサン酸コバルトなどのコバルト系、ナフテン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛などの亜鉛系化合物、ナフテン酸ジルコニウム等が挙げられる。
これらの中でも反応性や衛生性の点でジアザビシクロウンデセン(別名:DBU)、ジブチル錫ジラウレート(別名:DBTDL)、2−エチルヘキサン酸錫等が好ましい。
触媒は、単独または2種類以上が併用できる。
また、イソシアネート基と水酸基との反応は、元来、早いが、有機金属化合物触媒の存在下では、更に反応が促進され、制御が困難になる場合がある。このとき、キレート化合物を配合すると有機金属化合物とキレートを形成し、触媒能が調整され、架橋反応を制御しやすくする。
キレート化合物は、アセチルアセトン、ジメチルグリオキシム、オキシン、ジチゾン、エチレンジアミン四酢酸(別名:EDTA)のようなポリアミノオキシ酸、クエン酸のようなオキシカルボン酸、縮合リン酸等が挙げられる。これらの中では、アセチルアセトンが有機溶媒に可溶であり、揮発性を有し、必要で有れば除去することが容易であるため好ましい。
キレート化合物は、感圧式接着剤中に残留するため、ポリエステル樹脂(A)と反応性化合物(B)との反応にも作用して反応速度をも調整できるため、結果的に保存安定性やポットライフ(可使時間とも称す)の優れたの優れた感圧式接着剤が得られる。
ポリイソシアネート(b1)は、特に、架橋反応性の点で、HDI、TDI、MDI、IPDI等のジイソシアネートのトリメチロールプロパンとのアダクト体、水と反応したビュレット体、イソシアヌレート環を形成した3量体が好ましく使用されるが、微粘領域での接着力の維持や密度低減の点で、芳香環を有しないHDIやIPDIのトリメチロールプロパンとのアダクト体、水と反応したビュレット体、イソシアヌレート環を形成した3量体が、特に好ましい。
シラン化合物(b2)は、例えば、アルキル系アルコキシシラン、アリール系アルコキシシラン、カルバメート系アルコキシシラン、ビニル系アルコキシシラン、ハロゲン系アルコキシシラン、(メタ)アクリロイル系アルコキシシラン、メルカプト系アルコキシシラン、イミダゾール系アルコキシシラン、イソシアネート系アルコキシシラン、エポキシ系アルコキシシラン、アミノ系アルコキシシラン等のアルコキシル基を有するアルコキシシランが挙げられる。
例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリス(メトキシエトキシ) シラン、メチルトリス(メトキシプロポキシ)シラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリイソプロポキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジメチルビス(メトキシエトキシ)シラン、ジメチルビス(メトキシプロポキシ)シラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジイソプロポキシシラン、ジエチルジアセトキシシラン、メチルエチルジメトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン、メチルエチルジイソプロポキシシラン、メチルエチルジアセトキシシラン、メチルプロピルジメトキシシラン、メチルプロピルジエトキシシラン、メチルプロピルジイソプロポキシシラン、メチルプロピルジアセトキシシラン、等のアルキル系アルコキシシラン;
例えば、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、トリルトリメトキシシラン、トリルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジイソプロポキシシラン、ジフェニルジアセトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジイソプロポキシシラン、メチルフェニルジアセトキシシラン等のアリール系アルコキシシラン;
例えば(3−カルバメートエチル)プロピルトリエトキシシラン、(3−カルバメートエチル)プロピルトリメトキシシラン、(3−カルバメートエチル)プロピルトリプロポキシシラン、(3−カルバメートプロピル)プロピルトリエトキシシラン、(3−カルバメートプロピル)プロピルトリメトキシシラン、(3−カルバメートプロピル)プロピルトリプロポキシシラン、(3−カルバメートブチル)プロピルトリエトキシシラン、(3−カルバメートブチル)プロピルトリメトキシシラン、(3−カルバメートブチル)プロピルトリプロポキシシラン、(3−カルバメートブチル)ブチルトリプロポキシシラン、(3−カルバメートブチル)プロピルメチルジエトキシシラン、(3−カルバメートペンチル)プロピルトリエトキシシラン、(3−カルバメートヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、(3−カルバメートオクチル)ペンチルトリブトキシシラン、(3−カルバメートエチル)プロピルシリルトリクロライド、(3−カルバメートエチル)プロピルトリメチルシラン、(3−カルバメートエチル)プロピルジメチルシラン、3−カルバメートエチル)プロピルトリブチルシラン、(3−カルバメートエチル)エチル−p−キシレントリエトキシシラン、(3−カルバメートエチル)−p−フェニレントリエトキシシラン等のカルバメート系アルコキシシラン;
例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリス(メトキシプロポキシ)シラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、ジビニルジイソプロポキシシラン、ジビニルジアセトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、メチルビニルジイソプロポキシシラン、メチルビニルジアセトキシシラン、ジアリルジメトキシシラン、ジアリルジエトキシシラン、ジアリルジイソプロポキシシラン、メチルアリルジメトキシシラン、メチルアリルジエトキシシラン、メチルアリルジイソプロポキシシラン、メチルアリルジアセトキシシラン等のビニル系及びアリル系アルコキシシラン;
例えば、クロロメチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、3,3,3− トリフルオロプロピルメチルジメトキシシラン等のハロゲン系アルコキシシラン;
例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等の(メタ)アクリロイル系アルコキシシラン;
例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプト系アルコキシシラン;
例えば、3−(2−イミダゾリン−1−イル)プロピルトリメトキシシラン、3−(2−イミダゾリン−1−イル)プロピルトリエトキシシラン等のイミダゾール系アルコキシシラン;
例えば、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリプロポキシシラン等のイソシアネート系アルコキシシラン;
例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジエトキシシラン等のエポキシ系アルコキシシラン;
例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、N−(2−アミノメチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、2−アミノエチルアミノメチルトリメトキシシラン、3−[2−(2−アミノエチルアミノエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、メチルトリス(2−アミノエトキシ)シラン、ブチルアミノメチルトリメトキシシラン、2−(2−アミノエチルチオエチル)トリメチルシラン、2−(2−アミノエチルチオエチル)メチルジエトキシシラン、3−アリルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−シクロヘキシルアミノプロピルトリメトキシシラン、2−シクロヘキシルアミノエチルチオメチルトリメトキシシラン、3−(N−フェニル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−[2−(ビニルベンジルアミノ)エチル]−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−(2−アミノエチルチオエチル)トリエトキシシラン、3−ピペラジノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ピペラジノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のアミノ系アルコキシシラン等が挙げられる。
また、シラン化合物(b2)は、2種以上のシラン混合物を加水分解・縮合してオリゴマー化したオリゴマー系シランを使用することもできる。
これらの中でも被着体に対する濡れ広がり性の点で、芳香環を有しないシラン化合物が好ましい。
また、シラン化合物(b2)は、ポリウレタン樹脂(A)の水酸基との縮合反応や、基材表面への密着性向上の点で、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等のアルキル系アルコキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプト系アルコキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ系アルコキシシラン、3−(2−イミダゾリン−1−イル)プロピルトリエトキシシラン等のイミダゾール系アルコキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、2−シクロヘキシルアミノエチルチオメチルトリメトキシシラン、トリメチルシリルジメチルアミン等のアミノ系アルコキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート系アルコキシシランが好ましい。シラン化合物(b2)は、単独または2種類以上を併用できる。
メチロールメラミン系化合物(b3)は、メラミンとホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロールメラミン誘導体、ならびにこれらにメチルアルコール、エチルアルコール、またはイソプロピルアルコール等の低級アルコール等を反応させてエーテル化した化合物が挙げられる。メチロールメラミン系化合物(b3)は、例えば、モノメチロールメラミン、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミン(別名:セアリシン)、テトラメチロールメラミン、ペンタメチロールメラミン、ペンタメトキシメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチロールメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、ヘキサキス−(メトキシメチル)メラミン、N,N’,N”−トリメチル−N,N’,N”−トリメチロールメラミン、N,N’,N”−トリメチロールメラミン、N,N’,N”−トリブチル−N,N’,N”−トリメチロールメラミン、(ヒドロキシメチル)ペンタキス(メトキシメチル)メラミン、ヘキサメチロールメラミンペンタメチルエーテル等が挙げられる。
これらの中でもポリウレタン樹脂(A)の水酸基との縮合反応や、基材表面への密着性向上の点から、ペンタメトキシメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミンが好ましい。
メチロールメラミン系化合物(b3)は、単独または2種類以上を併用できる。
反応性化合物(B)は、ポリイソシアネート(b1)、シラン化合物(b2)、およびメチロールメラミン系化合物(b3)の中でも架橋反応後の接着性や基材への密着性に優れていることに加え、架橋密度の制御による柔軟性および濡れ広がり性を高いレベルで両立できる面で、ポリイソシアネート(b1)が好ましい。
<エステル化合物(C)>
次に、エステル化合物(C)について説明する。
本発明の感圧式接着剤は、さらにエステル化合物(C)を含むことが重要である。
エステル化合物(C)は、塗工後の接着層に可塑効果を付与し、接着フィルムのガラス板等の被着体への濡れ広がり性をさらに向上させることができる。また、接着フィルムを被着体に貼着後、剥離時の剥離を軽くすることや接着面同士の自着性を低減することが可能となるため作業性が向上する。また、被着体に糊残り等の汚染を抑制することができる。
エステル化合物(C)は、炭素数8〜100の脂肪酸エステル(c1)、炭素数4〜80のリン酸エステル(c2)、炭素数8〜100のホウ酸エステル(c3)および前記エステル(c1)〜(c3)のエポキシ変性エステルからなる群より選ばれる少なくとも一種である。ただし、エステル化合物(C)は、ポリエステル樹脂(A)、及び反応性化合物(B)を含まない。
炭素数8〜100の脂肪酸エステル(c1)は、(1)炭素数が4〜22の一塩基酸または多塩基酸と炭素数が22以下の1価のアルコールとのエステル、(2)炭素数が18〜22の一塩基酸と、4価以下のアルコールとのエステル、および(3)(1)または(2)のエステルをさらにエポキシで変性したエポキシ変性エステルが好ましい。
炭素数が4〜22の飽和一塩基酸は、例えば、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、2−エチルカプロン酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等が挙げられる。
炭素数が4〜22の不飽和一塩基酸は、クロトン酸、パルミトレイン酸、サビエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、ピノレン酸、エレオステアリン酸、ステアリドン酸、ボセオペンタエン酸、ガドレイン酸、イコサジエン酸、イコサトリエン酸、エイコセン酸、エイコサジエン酸、エイコサトリエン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ミード酸、アラキドン酸、エルカ酸、ドコサジエン酸、アドレン酸、オズボンド酸、イワシ酸、ドコサヘキサエン酸等が挙げられる。
炭素数が4〜22の飽和二塩基酸は、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカン二酸、1,12−ドデカン二酸、1,12−オクタデカン二酸、エイコサン二酸等が挙げられる。
炭素数が4〜22の不飽和二塩基酸は、例えば、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、ムコン酸等が挙げられる。
炭素数が4〜22の多塩基酸は、イソクエン酸、アコニット酸、1,2,3−プロパントリカルボン酸、1,2,3−プロペントリカルボン酸、カンホロン酸、イソカンホロン酸、エタンテトラカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、オクタンテトラカルボン酸、エチレンテトラカルボン酸、ブテンテトラカルボン酸等が挙げられる。
炭素数が22以下の1価の飽和アルコールは、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、アプリルアルコール、ペラルゴンアルコール、カプリンアルコール、ウンデシルアルコール、2−ブチルオクタノール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セタノール(別名:パルミチルアルコールとも称す)、イソセチルアルコール、ヘプタデカノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ノナデシルアルコール、エイコサノール(別名:アラキジルアルコールとも称す)、オクチルドデシルアルコール、ヘンエイコサノール、ベヘニルアルコール、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアルコール、2−(2−メトキシエトキシ)エチルアルコール等や、またはこれらのアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。
炭素数が22以下の1価の不飽和アルコールは、例えば、パルミトレイルアルコール、エライジルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、エライドリノレイルアルコール、リノレニルアルコール、エルシルアルコール等や、またはこれらのアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。
炭素数が18以下の2〜4価のアルコールは、例えば、前記ポリオール(a1)の中で挙げた炭素数が22以下のジオール、リシノレイルアルコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等や、またはこれらのアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。
炭素数8〜100の脂肪酸エステル(c1)において、(1)炭素数が4〜22の一塩基酸または多塩基酸と炭素数が22以下の1価のアルコールとのエステルとしては、例えば、吉草酸イソプロピル、カプロン酸イソプロピル、カプロン酸ラウリル、カプロン酸ステアリル、カプリル酸セチル、カプリル酸ステアリル、2−エチルカプロン酸セチル、2−エチルカプロン酸イソセチル、2−エチルカプロン酸ステアリル、カプリン酸ステアリル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸セチル、ラウリン酸ステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸ステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸ラウリル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸オクチルドデシル、ステアリン酸イソトリデシル、イソステアリン酸イソセシル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸コレステリル、ベヘン酸イソステアリル、ポリオキシエチレンラウリン酸メチルエステル、ポリオキシエチレンラウリン酸ステアリルエステル、ポリオキシエチレンステアリン酸イソプロピルエステル等の一塩基酸と1価アルコールとの飽和脂肪酸モノエステル;
例えば、クロトン酸ブチル、パルミトレイン酸メチル、パルミトレイン酸オクチルドデシル、サビエン酸メチル、オレイン酸メチル、オレイン酸メチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、オレイン酸オクチル、オレイン酸オクチルドデシル、エライジン酸メチル、バクセン酸メチル、リノール酸メチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、リノール酸ブチル、リノール酸オクチルドデシル、リノレン酸エチル、リノレン酸オクチルドデシル、ピノレン酸メチル、ピノレン酸メチル、エレオステアリン酸メチル、ステアリドン酸メチル、ステアリドン酸ブチル、ボセオペンタエン酸メチル、ガドレイン酸メチル、イコサジエン酸メチル、イコサトリエン酸メチル、エイコセン酸メチル、エイコセン酸エチル、エイコセン酸イソプロピル、エイコサジエン酸メチル、エイコサトリエン酸メチル、エイコサテトラエン酸メチル、エイコサペンタエン酸メチル、ミード酸メチル、アラキドン酸メチル、エルカ酸メチル、ドコサジエン酸メチル、アドレン酸メチル、オズボンド酸メチル、イワシ酸メチル、ドコサヘキサエン酸メチル等の一塩基酸と1価アルコールとの不飽和脂肪酸モノエステル;
例えば、コハク酸ジエチル、コハク酸ジイソプロピル、コハク酸ジブチル、コハク酸ジミリスチル、グルタル酸ジエチル、3−メチルグルタル酸ジエチル、グルタル酸ジブチル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ビス(メトキシポリオキシエチレン)、アジピン酸ビス(2−ブトキシエチル)、アジピン酸ビス{2−(2−ブトキシエトキシ)エチル}、アジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジイソステアリル、ピメリン酸ジエチル、ピメリン酸ジブチル、スベリン酸ジエチル、アゼライン酸ジエチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジイソセチル、セバシン酸ジブチルオクチル、セバシン酸ジイソステアリル、1,10−デカン二酸ジブチル等の二塩基酸と1価アルコールとの飽和脂肪酸ジエステル;
例えば、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジイソプロピル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジイソプロピル、メサコン酸ジメチル、メサコン酸ジエチル、メサコン酸ジイソプロピル、メサコン酸ジブチル、ムコン酸ジメチル、ムコン酸ジエチル等の二塩基酸と1価アルコールとの不飽和脂肪酸ジエステル;
イソクエン酸トリメチル、アコニット酸トリメチル、アコニット酸トリメトキシポリオキシエチレン、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリメチル、1,2,3−プロペントリカルボン酸トリメチル、カンホロン酸トリメチル、カンホロン酸トリメトキシポリオキシエチレン、イソカンホロン酸トリメチル、エタンテトラカルボン酸テトラメチル、ブタンテトラカルボン酸ジメチル、ブタンテトラカルボン酸トリメチル、ブタンテトラカルボン酸テトラメチル、オクタンテトラカルボン酸テトラメチル、エチレンテトラカルボン酸テトラメチル、ブテンテトラカルボン酸テトラメチル等の多塩基酸と1価アルコールとの不飽和脂肪酸多価エステル;
例えば、アジピン酸モノイソデシル、セバシン酸モノイソプロピル、セバシン酸モノイソステアリル、メサコン酸モノエチル、メサコン酸モノイソプロピル、アコニット酸ジメチル、カンホロン酸ジメチル等の多塩基酸と1価アルコールとの不飽和脂肪酸モノエステルが挙げられる。
また、炭素数8〜100の脂肪酸エステル(c1)において、(2)炭素数が4〜22の一塩基酸と、4価以下のアルコールとのエステルとしては、例えば、ジ酪酸ジエチレングリコール、ジ吉草酸ジエチレングリコール、ジ吉草酸ポリオキシエチレン、ジカプロン酸ネオペンチルグリコール、ジカプロン酸ジエチレングリコール、ジカプロン酸トリエチレングリコール、ジカプロン酸ポリオキシエチレン、ジカプロン酸ジプロピレングリコール、ジカプロン酸ポリオキシプロピレン、ジエナント酸ジエチレングリコール、ジカプリル酸ネオペンチルグリコール、ジカプリル酸エチレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリル酸ポリオキシエチレン、ジ2−エチルカプロン酸ネオペンチルグリコール、ジ2−エチルカプロン酸ジエチレングリコール、ジ2−エチルカプロン酸ポリオキシエチレン、ジ2−エチルカプロン酸ポリオキシプロピレン、ジ2−エチルカプロン酸ジプロピレングリコール、ジペラルゴン酸ジエチレングリコール、ジカプリン酸ジエチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ポリオキシエチレン、ジラウリン酸ネオペンチルグリコール、ジラウリン酸ジエチレングリコール、ジラウリン酸ポリオキシエチレン、ジラウリン酸ポリオキシプロピレン、ジミリスチン酸ネオペンチルグリコール、ジミリスチン酸ジエチレングリコール、ジミリスチン酸ジプロピレングリコール、ジミリスチン酸ポリオキシプロピレン、ジミリスチン酸ポリオキシエチレン、ジミリスチン酸ポリオキシプロピレン、ジペンタデシル酸ジエチレングリコール、ジパルミチン酸ネオペンチルグリコール、ジパルミチン酸ジエチレングリコール、ジパルミチン酸ポリオキシエチレン、ジマルガリン酸ジエチレングリコール、ジステアリン酸ネオペンチルグリコール、ジステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸ジエチレングリコール、ジステアリン酸ポリオキシエチレン、ジステアリン酸ポリオキシプロピレン、ジステアリン酸リシノレイル、ジイソステアリン酸ジエチレングリコール、ジイソステアリン酸ポリオキシエチレン、ジイソステアリン酸プロピレングリコール、ジイソステアリン酸ポリオキシプロピレン、ジアラキジン酸ジエチレングリコール、ジベヘン酸ジエチレングリコール、ポリオキシエチレンビスフェノールAラウリン酸エステル等の飽和一塩基酸と2価のアルコール(別名:ジオール)との飽和脂肪酸ジエステル;
例えば、ジクロトン酸エチレングリコール、ジクロトン酸プロピレングリコール、ジクロトン酸ポリオキシエチレン、ジパルミトレイン酸エチレングリコール、ジサビエン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジオレイン酸ポリオキシエチレン、ジオレイン酸ネオペンチルグリコール、ジオレイン酸ヘキシルグリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸ポリオキシプロピレン、ジエライジン酸エチレングリコール、ジエライジン酸ポリオキシプロピレン、ジバクセン酸エチレングリコール、ジリノール酸エチレングリコール、ジリノール酸プロピレングリコール、ジリノール酸ネオペンチルグリコール、ジリノレン酸エチレングリコール、ジリノレン酸ポリオキシエチレン、ジリノレン酸プロピレングリコール、ジリノール酸ポリオキシエチレン、ジリノレン酸ネオペンチルグリコール、ジピノレン酸エチレングリコール、ジエレオステアリン酸エチレングリコール、ジステアリドン酸エチレングリコール、ジボセオペンタエン酸エチレングリコール、ジガドレイン酸エチレングリコール、ジイコサジエン酸エチレングリコール、ジイコサトリエン酸エチレングリコール、ジエイコセン酸エチレングリコール、ジエイコサジエン酸エチレングリコール、ジエイコサトリエン酸エチレングリコール、ジエイコサテトラエン酸エチレングリコール、ジエイコサペンタエン酸エチレングリコール、ジミード酸エチレングリコール、ジアラキドン酸エチレングリコール、ジエルカ酸エチレングリコール、ジドコサジエン酸エチレングリコール、ジアドレン酸エチレングリコール、ジオズボンド酸エチレングリコール、ジイワシ酸エチレングリコール、ジドコサヘキサエン酸エチレングリコール、ポリオキシエチレンジ2−エチルカプロン酸エーテル・カプリン酸エステル等の不飽和一塩基酸と2価のアルコール(別名:ジオール)との不飽和脂肪酸ジエステル;
例えば、カプロン酸トリグリセリド、カプリル酸トリグリセリド、2−エチルカプロン酸トリグリセリド、2−エチルカプロン酸ポリオキシエチレントリグリセリド、2−エチルカプロン酸ポリオキシプロピレントリグリセリド、ペラルゴン酸トリグリセリド、カプリン酸トリグリセリド、ラウリン酸トリグリセリド、ラウリン酸ポリオキシエチレントリグリセリド、ミリスチン酸トリグリセリド、ミリスチン酸ポリオキシエチレントリグリセリド、ペンタデシル酸トリグリセリド、パルミチン酸トリグリセリド、パルミチン酸ポリオキシエチレントリグリセリド、マルガリン酸トリグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸ポリオキシエチレントリグリセリド、イソステアリン酸トリグリセリド、アラキジン酸トリグリセリド、ベヘン酸トリグリセリド、トリカプロン酸トリメチロールプロパン、トリカプリル酸トリメチロールプロパン、トリ2−エチルカプロン酸トリメチロールプロパン、トリ2−エチルカプロン酸ポリポリオキシエチレントリメチロールプロパン、トリカプリン酸トリメチロールプロパン、ジラウリン酸トリメチロールプロパン、トリラウリン酸トリメチロールプロパン、トリラウリン酸ポリエチレングリコールトリメチロールプロパン、ジミリスチン酸トリメチロールプロパン、トリミリスチン酸トリメチロールプロパン、トリパルミチン酸トリメチロールプロパン、トリパルミチン酸ポリエチレングリコールトリメチロールプロパン、トリステアリン酸トリメチロールプロパン、トリステアリン酸ポリオキシエチレントリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラカプロン酸ペンタエリスリトール、テトラカプリル酸ペンタエリスリトール、テトラ2−エチルカプロン酸ペンタエリスリトール、テトラカプリン酸ペンタエリスリトール、テトララウリン酸ペンタエリスリトール、テトラミリスチン酸ペンタエリスリトール、モノパルミチン酸ペンタエリスリトール、ジパルミチン酸ペンタエリスリトール、トリパルミチン酸ペンタエリスリトール、テトラパルミチン酸ペンタエリスリトール、モノステアリン酸ペンタエリスリトール、ジステアリン酸ペンタエリスリトール、トリステアリン酸ペンタエリスリトール、テトラステアリン酸ペンタエリスリトール、テトライソステアリン酸ペンタエリスリトール、テトラ2−エチルカプロン酸ジグリセリル、テトララウリン酸ジグリセリル、テトラミリスチン酸ジグリセリル、テトラパルミチン酸ジグリセリル、テトラステアリン酸ジグリセリル、ヘキサ2−エチルカプロン酸ポリオキシエチレンソルビット、ヘキサラウリン酸ポリオキシエチレンソルビット、ヘキサミリスチン酸ポリオキシエチレンソルビット、ヘキサパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビット、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット、ヘキサステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット、ヘキサイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット、テトララウリン酸ポリグリセリル、テトラステアリン酸ポリグリセリル、ヘキサステアリン酸ポリグリセリル等の飽和一塩基酸と多価アルコールとの飽和脂肪酸多価エステル;
例えば、クロトン酸トリグリセリド、パルミトレイン酸トリグリセリド、サビエン酸トリグリセリド、オレイン酸ジグリセリド、オレイン酸トリグリセリド、エライジン酸トリグリセリド、バクセン酸トリグリセリド、リノール酸ジグリセリド、リノール酸トリグリセリド、リノレン酸ジグリセリド、リノレン酸トリグリセリド、ピノレン酸トリグリセリド、エレオステアリン酸トリグリセリド、ステアリドン酸トリグリセリド、ボセオペンタエン酸トリグリセリド、ガドレイン酸トリグリセリド、イコサジエン酸トリグリセリド、イコサトリエン酸トリグリセリド、エイコセン酸トリグリセリド、エイコサジエン酸トリグリセリド、エイコサトリエン酸トリグリセリド、エイコサテトラエン酸トリグリセリド、エイコサペンタエン酸トリグリセリド、ミード酸トリグリセリド、アラキドン酸トリグリセリド、エルカ酸トリグリセリド、ドコサジエン酸トリグリセリド、アドレン酸トリグリセリド、オズボンド酸トリグリセリド、イワシ酸トリグリセリド、ドコサヘキサエン酸トリグリセリド、テトラクロトン酸ペンタエリスリトール、テトラパルミトレイン酸ペンタエリスリトール、テトラサビエン酸ペンタエリスリトール、モノオレイン酸ペンタエリスリトール、ジオレイン酸ペンタエリスリトール、トリオレイン酸ペンタエリスリトール、テトラオレイン酸ペンタエリスリトール、テトラエライジン酸ペンタエリスリトール、テトラバクセン酸ペンタエリスリトール、テトラリノール酸ペンタエリスリトール、ジリノレン酸ペンタエリスリトール、トリリノレン酸ペンタエリスリトール、テトラリノレン酸ペンタエリスリトール、テトラピノレン酸ペンタエリスリトール、テトラエレオステアリン酸ペンタエリスリトール、テトラステアリドン酸ペンタエリスリトール、テトラボセオペンタエン酸ペンタエリスリトール、テトラガドレイン酸ペンタエリスリトール、テトライコサジエン酸ペンタエリスリトール、テトライコサトリエン酸ペンタエリスリトール、テトラエイコセン酸ペンタエリスリトール、テトラエイコサジエン酸ペンタエリスリトール、テトラエイコサトリエン酸ペンタエリスリトール、テトラエイコサテトラエン酸ペンタエリスリトール、テトラエイコサペンタエン酸ペンタエリスリトール、テトラミード酸ペンタエリスリトール、テトラアラキドン酸ペンタエリスリトール、テトラエルカ酸ペンタエリスリトール、テトラドコサジエン酸ペンタエリスリトール、テトラアドレン酸ペンタエリスリトール、テトラオズボンド酸ペンタエリスリトール、テトライワシ酸ペンタエリスリトール、テトラドコサヘキサエン酸ペンタエリスリトール、クロトン酸ポリオキシエチレントリグリセリド、パルミトレイン酸ポリオキシエチレントリグリセリド、リノール酸ポリオキシエチレントリグリセリド、リノレン酸ポリオキシエチレントリグリセリド、オレイン酸ポリオキシエチレントリグリセリド、テトラパルミトレイン酸ポリオキシエチレンペンタエリスリトール、テトラリノール酸ポリオキシエチレンペンタエリスリトール、テトラリノレン酸ポリオキシエチレンペンタエリスリトール、ヘキサクロトン酸ポリオキシエチレンソルビット、ヘキサパルミトレイン酸ポリオキシエチレンソルビットトリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ヘキサオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ヘキサエライジン酸ポリオキシエチレンソルビット、テトラリノール酸ポリオキシエチレンソルビット、ヘキサリノール酸ポリオキシエチレンソルビット、テトラリノレン酸ポリオキシエチレンソルビット、ヘキサリノレン酸ポリオキシエチレンソルビット、ヘキサステアリドン酸ポリオキシエチレンソルビット、ヘキサエイコセン酸ポリオキシエチレンソルビット等の不飽和一塩基酸と多価アルコールとの不飽和脂肪酸多価エステル;
例えば、モノ2−エチルカプロン酸グリセリル、ジ2−エチルカプロン酸グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、モノベヘン酸グリセリル、モノカプリル酸グリセリル、トリカプリル酸グリセリル、トリラウリン酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジベヘン酸グリセリル、トリベヘン酸グリセリル、トリベヘニン酸グリセリル、モノラウリン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノミリスチン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノ2−エチルカプロン酸トリメチロールプロパン、ジ2−エチルカプロン酸トリメチロールプロパン、トリ2−エチルカプロン酸トリメチロールプロパン、モノラウリン酸ポリオキシエチレントリメチロールプロパン、モノミリスチン酸ポリオキシエチレントリメチロールプロパン、モノステアリン酸ポリオキシエチレントリメチロールプロパン、モノオレイン酸ポリオキシエチレントリメチロールプロパン、モノリノール酸ポリオキシエチレントリメチロールプロパン、モノリノレン酸ポリオキシエチレントリメチロールプロパン、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアリン酸エステル、ソルビタンモノラウリン酸エステル、ソルビタンモノパルミチン酸エステル、ソルビタンモノステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸エステル、モノイソステアリン酸ポリオキエチレングリセリル、ペンタエリスリトールモノラウリン酸エステル、ペンタエリスリトールモノミリスチン酸エステル、ペンタエリスリトールモノステアリン酸エステル、ペンタエリスリトールモノオレイン酸エステル、ペンタエリスリトールモノリノール酸エステル等の一塩基酸と多価アルコールとの脂肪酸モノエステルが挙げられる。
炭素数8〜100の脂肪酸エステル(c1)において、(3)(1)または(2)のエステルをさらにエポキシで変性したエポキシ変性エステルとしては、上記、不飽和脂肪酸モノエステル、不飽和脂肪酸ジエステル、または不飽和脂肪酸多価エステルに、m−クロロ過安息香酸やジメチルオキシラン等の過酸を作用させて、不飽和脂肪酸エステルに含まれているオレフィン性二重結合をエポキシ化して得られたエポキシ変性エステルが挙げられる。
炭素数8〜100の脂肪酸エステル(c1)は、単独または2種以上を併用できる。
炭素数4〜80のリン酸エステル(c2)は、リン酸と、上記4価以下のアルコールとの脱水縮合により得られたエステル化合物である。
例えば、リン酸モノブチル、リン酸モノヘキシル、リン酸モノ2−エチルヘキシル、リン酸モノオクチル、リン酸モノアプリル、リン酸モノペラルゴン、リン酸モノカプリン、リン酸モノウンデシル、リン酸モノ2−ブチルオクオクチル、リン酸モノラウリル、リン酸モノトリデシル、リン酸モノミリスチル、リン酸モノペンタデシル、リン酸モノパルミチル、リン酸モノイソセチル、リン酸モノヘプタデン、リン酸モノステアリル、リン酸モノイソステアリル、リン酸モノノナデシル、リン酸モノアラキジル、リン酸モノオクチルドデシル、リン酸モノヘンエイコサン、リン酸モノベヘニル、リン酸モノ2−(2−ブトキシエトキシ)エチル、リン酸モノ2−(2−メトキシエトキシ)エチルや、またはこれらのアルキレンオキサイド付加物等のリン酸飽和モノエステル;
例えば、リン酸モノパルミトレイル、リン酸モノエライジル、リン酸モノオレイル、リン酸モノリノレイル、リン酸モノエライドリノレイル、リン酸モノリノレニル、リン酸モノエルシルや、またはこれらのアルキレンオキサイド付加物等のリン酸不飽和モノエステル;
例えば、リン酸ジエチル、リン酸ジプロピル、リン酸ジブチル、リン酸ジヘキシル、リン酸ジ2−エチルヘキシル、リン酸ジアプリル、リン酸ジペラルゴン、リン酸ジカプリン、リン酸ジウンデシル、リン酸ジ2−ブチルオクオクチル、リン酸ジラウリル、リン酸ジトリデシル、リン酸ジミリスチル、リン酸ジペンタデシル、リン酸ジパルミチル、リン酸ジイソセチル、リン酸ジヘプタデン、リン酸ジステアリル、リン酸ジイソステアリル、リン酸ジノナデシル、リン酸ジアラキジル、リン酸ジオクチルドデシル、リン酸ジヘンエイコサン、リン酸ジベヘニル、リン酸ジ2−(2−ブトキシエトキシ)エチル、リン酸ジ2−(2−メトキシエトキシ)エチルや、またはこれらのアルキレンオキサイド付加物等のリン酸飽和ジエステル;
例えば、リン酸ジパルミトレイル、リン酸ジエライジル、リン酸ジオレイル、リン酸ジリノレイル、リン酸ジエライドリノレイル、リン酸ジリノレニル、リン酸ジエルシルや、またはこれらのアルキレンオキサイド付加物等のリン酸不飽和ジエステル;
例えば、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸トリブチル、リン酸トリヘキシル、リン酸トリ2−エチルヘキシル、リン酸トリアプリル、リン酸トリペラルゴン、リン酸トリカプリン、リン酸トリウンデシル、リン酸トリ2−ブチルオクオクチル、リン酸トリラウリル、リン酸トリトリデシル、リン酸トリミリスチル、リン酸トリペンタデシル、リン酸トリパルミチル、リン酸トリイソセチル、リン酸トリヘプタデン、リン酸トリステアリル、リン酸トリイソステアリル、リン酸トリノナデシル、リン酸トリアラキジル、リン酸トリオクチルドデシル、リン酸トリヘンエイコサン、リン酸ジトリベヘニル、リン酸トリ2−(2−ブトキシエトキシ)エチル、リン酸トリ2−(2−メトキシエトキシ)エチルや、またはこれらのアルキレンオキサイド付加物等のリン酸飽和トリエステル;
例えば、リン酸トリパルミトレイル、リン酸トリエライジル、リン酸トリオレイル、リン酸トリリノレイル、リン酸トリエライドリノレイル、リン酸トリリノレニル、リン酸トリエルシルや、またはこれらのアルキレンオキサイド付加物等のリン酸不飽和トリエステル;
例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンオクチルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンデシルエーテルリン酸エステル等のエチレンオキサイド(EO)の付加モル数2〜20のポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル;
例えば、ポリオキシエチレンオレイルフェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンセチルフェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンデシルフェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンエチルフェニルエーテルリン酸エステル等のエチレンオキサイド(EO)の付加モル数2〜20のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステルが挙げられる。
炭素数4〜80のリン酸エステル(c2)は、単独または2種以上を併用できる。
炭素数8〜100のホウ酸エステル(c3)は、ホウ酸と、上記4価以下のアルコールとの脱水縮合により得られたエステル化合物である。
例えば、メトキシテトラエチレングリコールエーテルホウ酸エステル、エトキシトリエチレングリコールエーテルホウ酸エステル、エトキシテトラエチレングリコールエーテルホウ酸エステル、プロポキシトリエチレングリコールエーテルホウ酸エステル、トリエチレングリコールモノブチルエーテルホウ酸エステル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルホウ酸エステル、ブトキシテトラエチレングリコールエーテルホウ酸エステル、ブトキシトリエチレングリコールエーテルホウ酸エステル、ブトキシテトラエチレングリコールエーテルホウ酸エステル、ブトキシペントキシジエチレングリコールエーテルホウ酸エステル、ペントキシトリエチレングリコールエーテルホウ酸エステル、2−エチルヘキシルオキシジエチレングリコールエーテルホウ酸エステル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルエーテルホウ酸エステル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテルホウ酸エステル、ポリエチレングリコールモノブチルエーテルホウ酸エステル、ポリエチレングリコールモノプロピルエーテルホウ酸エステル、ポリエチレングリコールモノブチルエーテルホウ酸エステル等のエチレンオキサイド(EO)の付加モル数2〜20のポリオキシアルキレンアルキルエーテルホウ酸エステル;
例えば、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルホウ酸エステル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルホウ酸エステル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテルホウ酸エステル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルホウ酸エステル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテルホウ酸エステル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテルホウ酸エステル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルホウ酸エステル、ポリプロピレングリコールモノプロピルエーテルホウ酸エステル、ポリプロピレングリコールモノブチルエーテルホウ酸エステル等のプロピレンオキサイド(PO)の付加モル数2〜20のポリオキシアルキレンアルキルエーテルホウ酸エステル;
例えば、ポリブチレングリコールモノプロピルエーテルホウ酸エステル、ポリブチレングリコールモノブチルエーテルホウ酸エステル等のブチレンオキサイド(BO)の付加モル数2〜20のポリオキシアルキレンアルキルエーテルホウ酸エステル;
例えば、ジ(グリセリン)ボレートモノステアレート、ジ(グリセリン)ボレートセスキステアレート、ジ(グリセリン)ボレートモノオレート、ポリオキシエチレンジ(グリセリン)ボレートモノパルミネート(EO付加モル数:6〜20)、ポリオキシエチレンジ(グリセリン)ボレートモノオレート(EO付加モル数:6〜20)等のグリセリンエーテルホウ酸エステルが挙げられる。
炭素数8〜100のホウ酸エステル(c3)は、単独または2種以上を併用できる。
またエステル化合物(C)は、分子量(式量)200〜2,000が好ましい。分子量が前記範囲にあるとポリエステル樹脂(A)との相溶性が向上するため透明性および凝集力が向上することで再剥離性が向上し、被着体を汚染し難い。
エステル化合物(C)は、ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、1〜100質量部含有することが好ましく、5〜50質量部がより好ましい。エステル化合物(C)が上記の範囲にあると、接着層を十分に可塑化できるので柔軟性が向上し、微粘領域における低接着力の維持や感圧式接着フィルムの濡れ広がり性をより向上することができる。
これらの中でもエステル化合物(C)は、工業的な入手のし易さに加え、ポリエステル樹脂(A)との相溶性、濡れ広がり性、再剥離性、被着体汚染の抑制の点から、例えば2−エチルカプロン酸セチル、2−エチルカプロン酸イソセチル、2−エチルカプロン酸ステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、オレイン酸メチル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸イソトリデシル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸コレステリル、メタクリル酸ラウリル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、オレイン酸オクチル、オレイン酸オクチルドデシル、ジ2−エチルカプロン酸ネオペンチルグリコール、ジ2−エチルカプロン酸ポリオキシエチレン、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジイソステアリン酸プロピレングリコール、アジピン酸ビス(メトキシポリオキシエチレン)(EO付加モル数:2〜30)、アジピン酸ビス{2−(2−ブトキシエトキシ)エチル}、アジピン酸ビス(2−ブトキシエチル)、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)、ジ2−エチルカプロン酸ネオペンチルグリコール、ジ2−エチルカプロン酸オキシエチレン(EO付加モル数:4〜16)、トリ2−エチルカプロン酸グリセリル、モノカプリル酸グリセリル、トリカプリル酸グリセリル、モノベヘン酸グリセリル、モノベヘニン酸グリセリル、トリ2−エチルカプロン酸グリセリル、トリラウリン酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、2−エチルカプロン酸ポリオキシエチレントリグリセリド(EO付加モル数:2〜16)、ポリオキシエチレンビスフェノールAラウリン酸エステル、トリオレイン酸グリセリル、トリ2−エチルカプロン酸トリメチロールプロパン、オレイン酸トリグリセリド、モノオレイン酸ペンタエリスリトール、モノステアリン酸ペンタエリスリトール、テトラパルミチン酸ペンタエリスリトール等の脂肪酸エステルや、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリオクチル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸エステル(EO付加モル数:2〜16)、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステル(EO付加モル数:2〜16)、ポリオキシエチレンオクチルエーテルリン酸エステル(EO付加モル数:2〜16)等のリン酸エステル、または、トリエチレングリコールモノプロピルエーテルホウ酸エステル、ポリエチレングリコールモノブチルエーテルホウ酸エステル(EO付加モル数:2〜16)、ポリオキシエチレングリセリンエーテルホウ酸エステル(EO付加モル数:2〜16)等を挙げることができる。
<加水分解抑制剤(D)>
本発明の感圧式接着剤の一実施形態において、感圧式接着剤は、上記必須成分に加えて、加水分解抑制剤(D)を含んでもよい。
なお、ポリエステル樹脂(A)、水酸基と反応し得る官能基を有する反応性化合物(B)、およびエステル化合物(C)以外の成分を任意成分という。
ポリエステル樹脂等のエステル基を有する樹脂中に、水、酸、または熱の3要素がそろうと、エステル基の加水分解が起こることが知られている。特に酸の存在は、加水分解を連鎖的に誘発するため、酸の存在をできるだけ封鎖することが重要となる。
加水分解抑制剤(D)は、加水分解が起きた際に生成したカルボキシル基と反応して、分子量の低下を抑制すると伴に、酸の存在を極力削減することが可能とすることができる化合物である。
本発明の感圧式接着剤は、ポリエステル樹脂(A)を含有しているため、高温高湿雰囲気下で大気中の水分や、樹脂に内在している水分によって加水分解を受けやすい可能性がある。
従って、カルボキシル基と反応活性の高い化合物は加水分解抑制剤(D)として使用できるため、例えばカルボジイミド基、イソシアネート基、オキサゾリン基、エチレンイミン基またはエポキシ基等を2個以上有する化合物が好ましく使用される。水酸基との反応活性の高い上記の反応性化合物(B)も加水分解抑制剤として使用することが可能であるが、カルボキシル基との反応性の高いカルボジイミド基を有するカルボジイミド系加水分解抑制剤(d1)やエチレンイミン基を有するアジリジン系加水分解抑制剤(d2)が、より効果的に加水分解を抑制できるため好ましい。
加水分解抑制剤(D)は、ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、0.01〜2.0質量部含むことが好ましく、0.02〜1.5質量部がより好ましく、0.05〜1.0質量部がさらに好ましい。
加水分解抑制剤は単独または2種類以上を併用できる。
なお。加水分解抑制剤(D)は、後述のその他成分(P)と併用することが好ましく、特に酸化防止剤を併用することが好ましい。具体的にカルボジイミド系加水分解抑制剤(d1)やアジリジン系加水分解抑制剤(d2)とフェノール系酸化防止剤の組合せが好ましく、カルボジイミド系加水分解抑制剤やアジリジン系加水分解抑制剤(d2)とフェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤との組合せがより好ましい。加水分解抑制剤と酸化防止剤を併用することで、加水分解耐性がさらに向上し、加水分解抑制剤自体の分解や熱黄変を抑制することができる。
カルボジイミド系加水分解抑制剤(d1)は、カルボジイミド基を有する化合物であり、モノカルボジイミド化合物とポリカルボジイミド化合物が挙げられる。
モノカルボジイミド化合物は、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、ナフチルカルボジイミド等が挙げられる。
ポリカルボジイミド化合物は、カルボジイミド化触媒の存在下でジイソシアネートを脱炭酸縮合反応によって生成した高分子量ポリカルボジイミドである。
ジイソシアネートとしては、例えば4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3'−ジメトキシ−4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルエーテルジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1−メトキシフェニル−2,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。なお、カルボジイミド化触媒は、1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−2−ホスホレン−1−オキシド、あるいはこれらの3−ホスホレン異性体等のホスホレンオキシド等が挙げられる。
カルボジイミド系加水分解抑制剤(d1)としては、単独または2種以上を使用できるが、カルボジイミド基を2個以上有するポリカルボジイミド化合物を使用することが好ましい。
アジリジン系加水分解抑制剤(d2)としては、エチレンイミン基を有する化合物であり、例えば、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、ビスイソフタロイル−1−(2−メチルアジリジン)、トリ−1−アジリジニルホスフィンオキサイド、N,N’−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、2−メチルペンタン−2,4−ジオール−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオール−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリス−2,4,6−(1−アジリジニル)−1、3、5−トリアジン、2−メチルペンタン−2,4−ジオールトリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、2−メチルペンタン−2,4−ジオールトリス[3−(1−アジリジニル)ブチレート]、2−メチルペンタン−2,4−ジオールトリス[3−(1−(2−メチル)アジリジニル)プロピオネート]、2−メチルペンタン−2,4−ジオールトリス[3−(1−アジリジニル)−2−メチルプロピオネート]、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオールテトラ[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、ジフェニルメタン−4,4−ビス−N,N’−エチレンウレア、1,6−ヘキサメチレンビス−N,N’−エチレンウレア、2,4,6−(トリエチレンイミノ)−Syn−トリアジン、ビス[1−(2−エチル)アジリジニル]ベンゼン−1,3−カルボン酸アミド等が挙げられ、単独または2種以上を使用できる
<イオン性化合物(E)>
さらに、イオン性化合物(E)について説明する。
本発明の感圧式接着剤の一実施形態において、感圧式接着剤は、上記必須成分に加えて、イオン性化合物(E)を含んでもよい。
イオン性化合物(E)は、常温(25℃)で液状、または固体状のイオン性化合物である。イオン性化合物(E)は、アルカリ金属の無機塩、アルカリ金属の有機塩等がを挙げられる。また、イオン性化合物(E)は、界面活性剤、塩化アンモニウム、塩化アルミニウム、塩化銅、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸アンモニウム等も挙げられる。これらの中でもアルカリ金属塩、液状イオン性化合物、固体状イオン性化合物が好ましく、アルカリ金属塩、液状イオン性化合物がより好ましい。
アルカリ金属塩は、例えばリチウム、ナトリウム、カリウムからなる金属塩が挙げられる。アルカリ金属塩は、Li+、Na+、K+よりなるカチオン部分と、種々のアニオン部分とから構成される。アニオン部の種類により、無機塩と有機塩とに分けられる。アルカリ金属の無機塩としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、過塩素酸リチウム(LiClO4)、塩素酸カリウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、チオシアン酸ナトリウム、LiBr、LiI、LiBF4、LiPF6、LiSCN等が挙げられる。導電性および安全性等の観点から、塩化ナトリウム、塩化カリウム、過塩素酸リチウム等が好ましい。
アルカリ金属の有機塩は、例えば、酢酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、LiCF3SO3、Li(CF3SO22N、Li(CF3SO2)IN、Li(C25SO22N、Li(C25SO2)IN、Li(CF3SO23C等が挙げられ、LiCF3SO3、Li(CF3SO22N、Li(CF3SO2)IN、Li(C25SO22N、Li(C25SO2)IN、Li(CF3SO23C等が好ましく、Li(CF3SO22N、Li(CF3SO2)IN、Li(C25SO22N、Li(C25SO2)IN等のフッ素含有リチウムイミド塩、特に(ペルフルオロアルキルスルホニル)イミドリチウム塩等が挙げられる。
液状イオン性化合物とは、常温で液体の性質を示す化合物であり、カチオン成分とアニオン成分とから構成されている。前記カチオン成分は、例えばピリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピロリン骨格を有するカチオン、ピロール骨格を有するカチオン、イミダゾリウムカチオン、テトラヒドロピリミジニウムカチオン、ジヒドロピリミジニウムカチオン、ピラゾリウムカチオン、ピラゾリニウムカチオン、テトラアルキルアンモニウムカチオン、トリアルキルスルホニウムカチオン、テトラアルキルホスホニウムカチオン等が挙げられる。
前記アニオン成分は、液状イオン化合物が生成できれば良く、例えば、Cl-、Br-、I-、AlCl4 -、Al2Cl7 -、BF4 -、PF6 -、ClO4 -、NO3 -、CH3COO-、CF3COO-、CH3SO3 -、CF3SO3 -、(CF3SO22-、(CF3SO23-、AsF6 -、SbF6 -、NbF6 -、TaF6 -、F(HF)n -、(CN)2-、C49SO3 -、(C25SO22-、C37COO-、(CF3SO2)(CF3CO)N-等が挙げられる。これらの中でもフッ素原子を含むアニオン成分は、低融点のイオン性化合物が得られるため好ましい。
液状のイオン性化合物は、例えば、1−ブチルピリジニウムテトラフルオロボレート、1−ブチルピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−へキシルピリジニウムテトラフルオロボレート、2−メチル−1−ピロリンテトラフルオロボレート、1−エチル−2−フェニルインドールテトラフルオロボレート、1,2−ジメチルインドールテトラフルオロボレート、1−エチルカルバゾールテトラフルオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘプタフルオロブチレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムペルフルオロブタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジシアナミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロアセテート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘプタフルオロブチレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムペルフルオロブタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−へキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチルピラゾリウムテトラフルオロボレート、3−メチルピラゾリウムテトラフルオロボレート、テトラヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、ジアリルジメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジアリルジメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムテトラフルオロボレート、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、グリシジルトリメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、グリシジルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、グリシジルトリメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−ブチルピリジニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−ブチル−3−メチルピリジニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、ジアリルジメチルアンモニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、グリシジルトリメチルアンモニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−へキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ノニルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N,N−ジプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−ペンチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N,N−ジヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリメチルヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリエチルプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリエチルペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリエチルヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−エチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N−ブチル−N−へキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N,N−ジヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリオクチルメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−メチル−N−エチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−オクチル−4−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等が挙げられる。
イオン性化合物(E)は、ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、0.001〜20質量部含有することが好ましい。上記の範囲であると、十分な帯電防止機能が発現し、また、接着層の白化やマイグレーション等を抑制できる。
イオン性化合物(E)は、単独または2種類以上を併用できる。
<その他成分(P)>
本発明の感圧式接着剤の一実施形態において、本発明による効果を損なわない範囲であれば、感圧式接着剤には、上記必須成分に加えて、その他成分(P)を適宜配合することも可能である。
その他成分(P)は、例えば、重合硬化収縮率低減、熱膨張率低減、寸法安定性向上、弾性率向上、酸化還元抑制、粘度調整、熱伝導率向上、強度向上、靭性向上、および着色向上等の観点から、有機又は無機の添加剤や充填剤を配合することができる。充填剤は、ポリマー、セラミックス、金属、金属酸化物、金属塩、および染顔料等から構成される。充填剤の形状は、例えば、粒子状および繊維状等が好ましい。また、添加剤は、酸化防止剤、難燃化剤、保存安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、チクソトロピー付与剤、分散安定剤、流動性付与剤、増粘剤、保湿剤、pH調整剤、レベリング剤および消泡剤等が挙げられ、添加する方法は、通常混合に加え、ポリマーブレンド又はポリマーアロイとして、感圧式接着剤中に、溶解、半溶解又はミクロ分散させることも可能である。
<感圧式接着剤>
感圧式接着剤とは、粘着剤ともいい、接着剤の固化によらず、粘稠な性質をもっているため、常温で短時間、圧力を加えるだけで接着する接着剤である。
本発明の感圧式接着剤は、ポリエステル樹脂(A)と水酸基と反応し得る官能基を有する反応性化合物(B)、及びエステル化合物(C)とを含有する感圧式接着剤である。
必要に応じて、加水分解抑制剤(D)、イオン性化合物(E)またはその他成分(P)を適宜混合したものである。
また、加水分解抑制剤(D)、イオン性化合物(E)またはその他成分(P)を含めて、任意成分と称する場合がある。
本発明の感圧式接着剤は、その使用形態に応じて、粘度を適切に調整することが好ましい。本発明の感圧式接着剤は、粘度を調整するために、下記の有機溶剤を使用できる。特に、有機溶剤は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、シクロヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤といった各種有機溶剤や水およびこれらの混合物を使用することが好ましい。但し、前記した反応性化合物(B)と反応する可能性のある活性水素を有する溶剤、例えば、アルコール系溶剤等を使用する場合には注意を要する。また、追加溶剤を使用することなく、感圧式接着剤を加熱することによって粘度を低減させることもできる。
本発明の感圧式接着剤の粘度は、接着層形成の観点から、25℃にてB型粘度計で測定した際の粘度が、1,000〜10,000mPa・sであることが好ましく、2,000〜8,000mPa・sがより好ましい。粘度が10,000mPa・s未満であると、厚さ0.5〜300μmの接着層の形成が容易になり、透過率等の光学的特性を向上できる。また、粘度が1,000mPa・s以上になると接着層の厚さを制御することが容易となる。本実施形態において、接着層の膜厚、粘度、あるいは不揮発分濃度は、積層体の用途に応じて適宜設定される。
<感圧式接着剤の製造方法>
感圧式接着剤の製造方法としては、まず、ポリエステルポリオール(A1)、またはポリエステルポリオール(A2)等のポリエステルポリオールを製造した後、両者を混合してポリエステル樹脂(A)を製造し、その後、エステル化合物(C)と任意成分を混合して、上記水酸基と反応し得る官能基を有する反応性化合物(B)を含有して、感圧式接着剤とすることができる。
感圧式接着剤の製造は、ポリオール(a1)単位及びポリカルボン酸(a2)単位、または必要に応じてヒドロキシカルボン酸(a3)を反応させて芳香環を有しないポリエステルポリオール(A1)を、またはポリエステルポリオール(A2)等のポリエステルポリオールを製造する第1の工程、ポリエステルポリオール(A1)とポリエステルポリオール(A2)を混合してポリエステル樹脂(A)を製造する第2の工程、ポリエステル樹脂(A)と任意成分を混合する第3の工程、および第3の工程で得られた混合物に、水酸基と反応し得る官能基を有する反応性化合物(B)とを混合する第4の工程を経て得る。なお、任意成分を配合しない場合、前記第3の工程は省略できる。また、第1工程と第2工程を同時に行うことも可能である。また、エステル化合物(C)と任意成分、及び水酸基と反応し得る官能基を有する反応性化合物(B)を同時に混合することもできる。
<ポリエステル樹脂(A)の製造方法>
ポリエステル樹脂(A)を製造する第1〜2の工程について説明する。
ポリオール(a1)単位及びポリカルボン酸(a2)単位、または必要に応じてヒドロキシカルボン酸(a3)単位とを反応させてポリエステルポリオール(A1)、またはポリエステルポリオール(A2)等のポリエステルポリオールを製造する重合反応(第1の工程)は、触媒存在下、公知の方法により以下の方法で行われる。
<<第1の工程>>
ポリオール(a1)及びポリカルボン酸(a2)、または必要に応じてヒドロキシカルボン酸(a3)を、触媒とともにフラスコに仕込み、脱水しながらエステル化反応を行う。エステル化反応は無触媒でも問題ないが、触媒の存在下、常圧で120〜250℃で1〜20時間行うのが好ましい。所定の温度で反応させると反応速度の制御が容易で、副反応も無く、ポリエステルポリオールの前駆体が得やすい。また、水や後述の有機溶剤を若干量加えて、共沸反応を利用することもできる。
反応の際、ポリオール(a1)及びポリカルボン酸(a2)、または必要に応じてヒドロキシカルボン酸(a3)をとの混合比は、ポリウエステルポリオールが少なくとも1個の水酸基を有する必要があるため、水酸基1モルに対して、カルボキシル基が1モルより少なくなることが必要であり、0.5〜0.95モルが好ましく、0.6〜0.9モルがより好ましい。この範囲であると、反応性化合物(B)との反応性が向上し、透明性が高い接着層が得易くなり、曲面部に対する密着性が向上し、剥離時の被着体汚染も抑制できる。
引き続き、必要に応じて触媒をさらに加え、670Pa以下の減圧下、180〜280℃で1〜20時間、重縮合反応による鎖延長反応を行って、ポリエステルポリオールが得られる。所定の温度で反応させると反応速度の制御が容易で、分解等の副反応も無く、所定の重量平均分子量と構造を有するポリエステルポリオールが得やすい。
反応の終点は、赤外吸収スペクトル(IR)測定による酸無水物(1780cm-1)やカルボキシル基(1704cm-1)の消失、及びエステル基の吸収(1704cm-1)の発現と酸価(mgKOH/g)の低減により判断する。なお、酸価の測定法の詳細は、実施例に記載する。
上記の第1の工程により、ポリエステルポリオール(A1)、またはポリエステルポリオール(A2)が得ることができる。反応終了後は、冷却後、所定の不揮発分になるように、有機溶剤を加えて調整して作成する。
但し、ポリオール(a1)に例示した多価アルコールやリカルボン酸(a2)に例示した多価カルボン酸または無水物を使用する際には、重合安定性が不良となる場合があるので注意を要する。例えば、多価アルコールや多価カルボン酸または無水物を併用する場合には、1級水酸基、または1級カルボキシル基を2個有し、その他は2級、または3級の水酸基、またはカルボキシル基を有している化合物であることが好ましい。2級、または3級の水酸基、またはカルボキシル基の場合、1級水酸基、または1級カルボキシル基に比べて、エステル化反応や重縮合反応において、反応活性が低いため、反応中に3次元化反応をし難いことや、触媒、反応温度または減圧度等を調整するなど反応条件を考慮して反応することが好ましい。
上記第1工程で使用される触媒は、無触媒でも反応は進行するが、反応をより円滑に進行させるため、触媒を適宜使用することが好ましい。用いる触媒としては、アンモニア、アミン類、4級アンモニウム塩類、4級ホスホニウム塩類、アルカリ金属水酸化物類、アルカリ土類金属水酸化物類、ルイス酸類、錫、鉛、チタン、鉄、亜鉛、ジルコニウム、コバルト等を含有した有機金属化合物類、金属ハロゲン化物類等が挙げられる。但し、ここで示す触媒は、前記したイオン性化合物(E)を含まない。
アミン類としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、アニリン、モルホリン、N−メチルモルホリン、ピロリジン、ピペリジン、N−メチルピペリジン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、ジメチルオキサゾリン、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルイソプロパノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等を挙げることができる。
4級アンモニウム塩類としては、例えば、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムフルオライドトリヒドレート、テトラメチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラメチルアンモニウムヒドロゲンフタレート、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイドペンタヒドレート、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラメチルアンモニウムアイオダイド、テトラメチルアンモニウムニトレート、テトラメチルアンモニウムパークロレート、テトラメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラメチルアンモニウムトリブロマイド、フェニルトリメチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムフルオライドトリヒドレート、テトラエチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラエチルアンモニウムアイオダイド、テトラエチルアンモニウムパークロレート、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルアンモニウム−p−トルエンスルホネート、テトラプロピルアンモニウムブロマイド、テトラプロピルアンモニウムクロライド、テトラプロピルアンモニウムアイオダイド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキサイド、テトラプロピルアンモニウムパークロレート、テトラ−n−プロピルアンモニウムヒドロゲンスルフェート、テトラ−n−プロピルアンモニウムパールテネート(VII)、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムトリブロマイド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムアイオダイド、テトラブチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラブチルアンモニウムヒドロゲンサルフェート、テトラブチルアンモニウムニトレート、テトラブチルアンモニウムテトラヒドロボレート、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルアンモニウムシアノトリヒドロボレート、テトラブチルアンモニウムジフルオロトリフェニルスタンネート、テトラブチルアンモニウムフルオライドトリヒドレート、テトラブチルアンモニウムテトラチオフェネート(IV)、テトラブチルアンモニウムフルオライドヒドレイト、テトラ−n−ブチルアンモニウムジヒドロゲントリフルオライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリブチルアンモニウムビス(2,3−ジメルカプト−2−ブテンジニロリレート−S,S’)ニコレート、テトラ−n−ヘプチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ヘプチルアンモニウムクロライド、テトラ−n−ヘプチルアンモニウムアイオダイド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムベンゾエート、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムクロライド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムアイオダイド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムパークロレート、テトラオクチルアンモニウムブロマイド、テトラオクタデシルアンモニウムブロマイド等を挙げることができる。
4級ホスホニウム塩類としては、例えば、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムアイオダイド、テトラブチルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムベンゾトリアゾレート、テトラブチルホスホニウムビス(1,2−ベンゼンジチオレート)ニコレート(III)、テトラブチルホスホニウムビス(4−メチル−1,2−ベンゼンジチオレート)ニコレート(III)、テトラブチルホスホニウムビス(4,5−メルカプト−1,3−ジチオール−2−チオネート−S4、S5)ニコレート(III)等を挙げることができる。
アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物類;
水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物類;
を挙げることができる。
有機錫化合物類としては、例えば、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、トリブチル錫オキサイド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキサイド、トリブチル錫エトキサイド、ジオクチル錫オキサイド、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、2−エチルヘキサン酸錫等を挙げることができる。
有機ジルコニウム化合物類としては、例えば、酢酸ジルコニウム、安息香酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム等を挙げることができる。
有機チタン化合物類としては、例えば、ジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、テトラブトキシチタネート、テトラエチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライド等を挙げることができる。
有機鉛化合物類としては、例えば、酢酸鉛、オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、ナフテン酸鉛などを挙げることができる。
有機鉄化合物類としては、例えば、2−エチルヘキサン酸鉄、鉄アセチルアセトネートなどを挙げることができる。
有機コバルト化合物類としては、例えば、酢酸コバルト、安息香酸コバルト、2−エチルヘキサン酸コバルト等を挙げることができる。
有機亜鉛化合物類としては、例えば、酢酸亜鉛、蓚酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛等を挙げることができる。
金属ハロゲン化物類としては、例えば、塩化第一錫、臭化第一錫、ヨウ化第一錫等を挙げることができる。
更には、三フッ化ホウ素、酢酸マンガン、酸化ゲルマニウム、三酸化アンチモン、三塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化チタン等のルイス酸類が挙げられるが、これらに限定されるものではない。触媒は1種のみを用いても、または2種以上を併用しても良い。触媒の使用量としては、全反応成分100質量部に対して10質量部以下の量で用いる。0.0001〜1質量部の範囲がより好ましい。触媒の使用量が上記の範囲にあると、重合反応の制御がし易く、副反応による着色や分解反応が生じず、重合安定性も良好となり、反応時間の短縮に繋がる。
また、有機溶剤は、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−アミルケトン、メチルイソアミルケトン、ジエチルケトン、エチル−n−プロピルケトン、エチルイソプロピルケトン、エチル−n−ブチルケトン、エチルイソブチルケトン、ジ−n−プロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ヘキシル、酢酸オクチル、乳酸メチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル等のエステル、エチレングリコール、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールおよびグリコールエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ノナン、イソノナン、ドデカン、イソドデカン等の飽和炭化水素類、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン等の不飽和炭化水素類、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロデカン、デカリン等の環状飽和炭化水素類、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、1,1,3,5,7−シクロオクタテトラエン、シクロドデセン等の環状不飽和炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、その他、ジオキサン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジグライム、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
これらの中でもポリエステル樹脂(A)の溶解性や、溶剤の沸点等の面から酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトンが好ましい。
有機溶剤の配合量は、ポリエステル樹脂(A)の組成、粘度、または不揮発分濃度などを考慮して適宜決定すればよい。ポリエステル樹脂(A)の不揮発分濃度は、40〜99質量%が好ましく、50〜95質量%より好ましい。濃度が所定の範囲にあると塗加工がし易くなる。有機溶剤は、単独または2種以上を併用できる。
<<第2の工程>>
前記第2の工程について説明する。
本発明の感圧式接着剤は、ポリエステルポリオール(A1)とポリエステルポリオール(A2)とを配合し、ヘンシェルミキサー、ディスパー、アトライター、ハイスピードミキサー、またはホモミキサー等の混合機で混合し、ポリエステル樹脂(A)を生成することができる。混合の際、適宜、有機溶剤を併用できる。
<<第3の工程>>
前記第3の工程について説明する。
ポリエステル樹脂(A)に、エステル化合物(C)と任意成分を配合し、ヘンシェルミキサー、ディスパー、アトライター、ハイスピードミキサー、またはホモミキサー等の混合機で混合し、ポリエステル樹脂(A)の混合物を生成することができる。混合の際、適宜、有機溶剤を併用できる。尚、第2の工程と第3の工程を同時に行っても良い。
<<第4の工程>>
前記第4の工程について説明する。
本発明の感圧式接着剤は、前記第3の工程の後、さらに反応性化合物(B)を配合して、ヘンシェルミキサー、ディスパー、アトライター、ハイスピードミキサー、またはホモミキサー等の混合機で混合することができる。混合の際、必要に応じて、感圧式接着剤中に含まれる気泡や泡立ちを減圧脱気により除去し、予期せぬ異物等を濾過等により除去できる。
また、ポリエステル樹脂(A)に含有されている水酸基と、反応性化合物(B)中の反応性官能基との反応は、混合後いずれのタイミングであってもよい。例えば、混合直後は反応が進行せず(または一部のみの反応が進行し)、感圧式接着剤を基材に塗工した後、加熱乾燥時に反応して、架橋塗膜を形成しながら接着性能を発現してもよい。また、混合のタイミングについても特に制限されず、ポリエステル樹脂(A)の混合物と反応性化合物(B)の一方を基材の表面に塗布等した後、他方を別途塗工して、加熱乾燥時に、反応を進行させてもよい。また、ポリエステル樹脂(A)の混合物と反応性化合物(B)のそれぞれを別々の基材表面に塗工した後、塗工面を貼り合せて、その後、加熱乾燥して、反応を進行させてもよい。好ましくは、ポリエステル樹脂(A)の混合物と反応性化合物(B)の混合液とした感圧式接着剤を基材上に塗工し、加熱により架橋硬化させて接着層を形成することであり、この際、接着層の表面は再剥離可能な粘着性を有するものとなる。
<接着フィルム>
本発明の接着フィルム(感圧式接着フィルムとも称す)は、後述の基材(G)上に上記の感圧式接着剤からなる接着層が形成されたものであり、表面を剥離処理したフィルム状基材(剥離ライナーとも称す)が積層されていても良い。
接着フィルムを製造する場合、常法にしたがって適当な方法で、後述の基材に感圧式接着剤を塗工した後、感圧式接着剤が有機溶剤や水等の液状媒体を含有する場合には、加熱等の方法により液状媒体を除去したり、感圧式接着剤が揮発すべき液状媒体を含有しない場合は、溶融状態にある接着層を冷却して固化したりして、基材の上に接着層を形成することができる。例えば、剥離ライナーの剥離処理面に感圧式接着剤を塗工、乾燥し、基材を貼り合わせて作成する方法、または剥離ライナー以外の基材に感圧式接着剤を直接塗工、乾燥し、接着層の表面に剥離ライナーの剥離処理面を貼り合わせて作成する方法が挙げられる。
感圧式接着剤を塗工する方法としては、特に制限はない。例えば、マイヤーバー、アプリケーター、刷毛、スプレー、ローラー、グラビアコーター、ダイコーター、キスコーター、リップコーター、コンマコーター、ブレードコーター、ナイフコーター、リバースコ−ター、スピンコーター、ディップコーター等の、周知の様々な方法を適用することができる。また、薄膜塗工または厚膜塗工等の形態についても、用途に応じて、特に制限なく、選択することができる。
本発明の感圧式接着剤を使用して、接着層を形成する場合、接着層の膜厚は、0.5〜300μmが好ましく、1〜100μmがより好ましい。膜厚が上記範囲であると、接着フィルムが保護フィルムとして、十分な接着力を得ることが可能となる。
接着フィルムの基本的積層構成は、基材/接着層/剥離ライナーのような片面接着フィルム、あるいは剥離ライナー/接着層/基材/接着層/剥離ライナーのような両面接着フィルムである。このように、剥離ライナーに積層された積層体を接着フィルムという。使用時に、剥離ライナーが剥がされ、接着層が被着体に貼着される。感圧式接着剤は、貼着の際、被着体に接着層が触れるその瞬間に接着層が粘着性を有すのみならず、感圧式接着剤以外の接着剤(以下、単に接着剤という)とは異なり、貼着中も完全に固化することなく、タックと適度な固さを有しつつ、貼着状態を維持するための凝集力を有することが必要である。凝集力は分子量や架橋密度に大きく依存する。このように、基材/接着層/被着体の構成に積層された積層体を貼着積層体という。貼着積層体が光学用途の場合、光学積層体という。また、電子部材の場合、電子積層体という。
本発明の感圧式接着剤を用いた接着フィルムは、光学部材や電子部材等の表面保護フィルム用途に用いられることが好ましく、感圧式接着剤は2つ以上の基材(G)(基材の一方が接着フィルムのベース基材、基材のもう一方が貼着される基材(被着体と称す))を貼り合わせる接着層を形成する。上記基材は木材、金属板、プラスチック板、フィルム状基材、ガラス板、紙加工品等であってよいが、光学部材に使用の際には、透明性が必要となるため、プラスチック板、フィルム状基材、あるいはガラス板等、高透明性の材料から構成する必要がある。但し、電子部材等の透明性を必要としない用途においては、一方の基材として、透明フィルム又は透明ガラス板を使用すれば、他方の基材として、透明性のない基材、例えば、木材、金属板、プラスチック板、紙加工品等の材料からなる基材を使用することもできる。
貼り合わせに際しては、前記したように、接着フィルムを作成して、剥離ライナーを剥がして被着体に貼り付けるか、あるいは2つの基材の層間に直接、感圧式接着剤を注入して貼り付けるか、どちらの場合でも限定されないが、接着フィルムを経由して貼り付けた方が、ガラス面等の基材にフィルムを貼り付けた貼着積層体の貼り直し「再剥離性」の点で好ましい。
上記したように、剥離ライナーとしては、セロハン、各種プラスチックフィルム、紙等のフィルム状基材の表面を剥離処理したものが挙げられる。また、フィルム状基材としては、単層のものであってもよいし、複数の基材を積層してなる多層状態にあるものも用いることができる。また、透明フィルム(H)を使用した場合、上記積層体は、光学用途で好適に使用することができる。良好な光学特性を得る観点から、上記積層体は光学積層体と呼ばれ、使用する透明フィルム(H)は、例えば、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、及び等方性等の光学特性に優れる熱可塑性樹脂から構成されることが好ましい。
このような各種透明フィルム(H)は、各種プラスチックフィルム又はプラスチックシートとも称される。例えば、ポリビニルアルコールフィルム(PVAフィルムとも称す)やポリトリアセチルセルロースフィルム(TACフィルムとも称す)、ポリプロピレンフィルム(PPフィルムとも称する)、ポリエチレンフィルム(PEフィルムとも称す)、ポリシクロオレフィンフィルム(COPフィルムとも称す)、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム(EVAフィルムとも称する)などのポリオレフィン系樹脂のフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルムとも称す)やポリブチレンテレフタレートフィルム(PBTフィルムとも称す)などのポリエステル系樹脂のフィルム、ポリカーボネート系樹脂のフィルム(PCフィルムとも称す)、ポリノルボルネン系樹脂のフィルム、ポリアリレート系樹脂のフィルム、ポリアクリル酸エステル系樹脂のフィルム、ポリフェニレンサルファイド樹脂のフィルム(PPSフィルムとも称す)、ポリスチレン系樹脂のフィルム(PSTフィルムとも称する)、ポリアミド系樹脂のフィルム(PAフィルムとも称する)、ポリイミド系樹脂のフィルム(PIフィルムとも称す)、オキシラン系樹脂のフィルムなどが挙げられる。これら基材の中でも、特にPVAフィルム、TACフィルム、COPフィルム、ポリエステル系樹脂のフィルム、PCフィルムといったシート状基材を透明フィルム(H)として用いることが好ましい。
また、透明フィルム(H)は、表面がコロナ放電、プラズマ処理、フレーム処理等の物理的処理や、フィルム表面を酸やアルカリなどで改質する化学的処理、フィルム表面に微細な凹凸をつけ、基材の実質的な表面積を高めたフィルム、あるいは表面にケイ素、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、スズ、ナトリウム、ホウ素、チタン、鉛、ジルコニウム、イットリウムなどの金属酸化物、若しくは非金属無機酸化物が蒸着されたプラスチックフィルム等、感圧式接着剤に対して、易接着処理されているものや、用途別に機能性を付与したものを好適に用いることができる。
透明フィルム(H)が、保護フィルムとして用いられる場合、接着層を形成しない反対の面には、脂肪酸アミド、ポリエチレンイミン、長鎖アルキル系添加剤等を添加して離型処理を行ったり、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系などの任意の適切な剥離剤からなるコート層を設けたりすることができる。
また本発明では、光学用途を目的に、基材(G)として透明フィルム(H)を用い、前記透明フィルム上へ感圧式接着剤からなる接着層が形成された光学フィルム(I)とすることも可能である。ここで、光学フィルム(I)とは、上記透明フィルム(H)をそのまま光学フィルムとして使用することも可能であり、また、透明フィルム(H)自体に特殊な機能を付与したものを使用することも可能である。ここで、特殊な機能とは、光透過光拡散、集光、屈折、散乱、及びヘイズ等の光学的機能を有するものを意図している。これらの透明フィルム(H)は、光学フィルム(I)として使用した際に、単独で、又は数種を組合せて使用することができる。本発明では、上記光学フィルム(I)の少なくとも一方の面に、上記感圧式接着剤からなる接着層を形成することによって、接着フィルムを作成することができ、液晶セル等へ積層する等、ディスプレイ用途にも用いることもできる。
本発明の光学積層体は、表面保護フィルムとして使用される場合、基材(G)として透明フィルム(H)を用い、本発明の感圧式接着剤から形成した接着フィルムの接着層とガラス板が順次積層されたものである。ここで透明フィルム(H)は、ポリエステル系樹脂のフィルムが好ましい。また被着体として使用される基材としてはガラス板が好ましく用いられる。
表面保護フィルムに使用される透明フィルム(H)の厚さは、用途に応じて、任意の厚みが設定できる。本願の感圧式接着剤の効果を十分に発現するためには、好ましくは5μm〜300μmであり、より好ましくは15μm〜150μmである。
本発明の接着フィルムは、保護フィルムとして使用された場合には、透明性が高いことが好ましい。表面保護フィルムの透明性が高いことにより、光学部材や電子部材の表面に貼着した状態で正確に検査などを行うことが可能となる。本発明の表面保護フィルムは、ヘイズが、好ましくは5%以下であり、より好ましくは2%以下である。なお、上記ヘイズの測定の詳細については、実施例に記載する。
本発明の接着フィルムは、透明フィルム(H)としてポリエステル系樹脂のフィルムを一例に挙げて説明した。しかし、ポリエステル系樹脂のフィルムに限定されず、その他の透明フィルム(H)やその他の各種基材を使用する他の実施形態においても、光学用途で好適に使用できる積層体を構成できることは容易に理解されるべきである。例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、タッチパネル、電極周辺部材等各種電子部品関連の部材や表面保護フィルム、建材や車輌の窓ガラス等のガラス部材に好ましく使用できるが、ポリオレフィン、ABS、ポリアクリル等のプラスチック、ダンボール、木材、合板、ステンレス、アルミ等の金属にも使用することが可能である。
以下に、この発明の具体的な実施例を比較例と併せて説明するが、この発明は、下記実施例に限定されない。また、下記実施例および比較例中、「部」および「%」は、特に断らない限り、それぞれ「質量部」および「質量%」を表す。
<ポリエステルポリオール(A1)の合成>
(合成例1)
重合槽、攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管、減圧装置を備えた重合反応装置の重合槽に、下記単量体{ポリオール(a1)、ポリカルボン酸(a2)、ヒドロキシカルボン酸(a3)}、触媒、及び有機溶剤をそれぞれ下記の比率で仕込んだ。
[重合槽]
エチレングリコール(a1) 23.24部
ネオペンチルグリコール(a1) 9.75部
アジピン酸(a2) 67.02部
重合槽内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下、160℃に昇温した。160℃で脱水開始を確認した後、約8時間かけて徐々に240℃まで昇温して脱水によるエステル化反応を行った。次いで、酸価が15以下になったら150℃まで温度を下げて、触媒としてテトラブチルチタネート0.05部を加えて、昇温しながら徐々に減圧し、500〜650Pa、240℃で5時間反応を行なった。反応の終点は、赤外吸収スペクトル(IR)測定によるカルボキシル基(1704cm-1)の消失、及びエステル基の吸収(1704cm-1)の発現と酸価(AV)の低減を確認し、所定の分子量になったら、60℃以下まで冷却し、メチルエチルケトン60g、及びトルエン40g加えて溶解して反応を終了してポリエステポリオール溶液を得た。このポリエステポリオール溶液は、外観が無色透明、不揮発分濃度50.2%、溶液粘度3,800mPa・sであり、ポリエステポリオールの酸価(AV)2mgKOH/g未満、水酸基価(OHV)10.5mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg)−10℃、重量平均分子量(Mw)80,000であった。
(合成例2〜14)
表1に記載した材料を、ポリオール(a1)、ポリカルボン酸(a2)、及びヒドロキシカルボン酸(a3)を全て重合槽に仕込み、合成例1と同様の方法で、それぞれ合成例2〜14のポリエステルポリオールを合成した。表1に記載された単量体として使用した化合物は、重合槽への仕込み量(部)を表す。
ただし、合成例12は触媒を酢酸亜鉛0.05gに、希釈用の有機溶剤を酢酸エチル60g、及びトルエン40gに変更した。
尚、合成例1、3,4、6〜8、及び10〜12で得られたポリエステルポリオールが、ポリエステルポリオール(A1)であり、合成例2、5、9、13及び14で得られたポリエステルポリオールが、ポリエステルポリオール(A1)ではないポリエステルポリオールである。
<ポリエステルポリオール(A2)の合成>
(合成例51)
重合槽、攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管、減圧装置を備えた重合反応装置の重合槽に、下記単量体{ポリオール(a1)、ポリカルボン酸(a2)、ヒドロキシカルボン酸(a3)}、触媒、及び有機溶剤をそれぞれ下記の比率で仕込んだ。
[重合槽]
エチレングリコール(a1) 12.91部
ネオペンチルグリコール(a1) 21.67部
アジピン酸(a2) 17.03部
イソフタル酸(a2) 48.39部
合成例1と同様にして、重合槽内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下、160℃に昇温した。160℃で脱水開始を確認した後、約8時間かけて徐々に240℃まで昇温して脱水によるエステル化反応を行った。次いで、酸価が15以下になったら150℃まで温度を下げて、触媒としてテトラブチルチタネート0.05部を加えて、昇温しながら徐々に減圧し、500〜650Pa、240℃で5時間反応を行なった。反応の終点は、赤外吸収スペクトル(IR)測定によるカルボキシル基(1704cm-1)の消失、及びエステル基の吸収(1704cm-1)の発現と酸価(AV)の低減を確認し、所定の分子量になったら、60℃以下まで冷却し、メチルエチルケトン60g、及びトルエン40g加えて溶解して反応を終了してポリエステポリオール溶液を得た。このポリエステポリオール溶液は、外観が無色透明、不揮発分濃度50.0%、溶液粘度1,500mPa・sであり、ポリエステポリオールの酸価(AV)2mgKOH/g未満、水酸基価(OHV)9.3mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg)20℃、重量平均分子量(Mw)17,000であった。
(合成例52〜70)
表1に記載した材料を、ポリオール(a1)、ポリカルボン酸(a2)、及びヒドロキシカルボン酸(a3)を全て重合槽に仕込み、合成例51と同様の方法で、それぞれ合成例52〜70のポリエステルポリオールを合成した。表2に記載された単量体として使用した化合物は、重合槽への仕込み量(部)を表す。
ただし、合成例68は触媒を酢酸亜鉛0.05gに、希釈用の有機溶剤を酢酸エチル60g、及びトルエン40gに変更した。
尚、合成例51〜60、及び62〜68で得られたポリエステルポリオールが、ポリエステルポリオール(A2)であり、合成例61、69及び70で得られたポリエステルポリオールが、ポリエステルポリオール(A2)ではないポリエステルポリオールである。
合成例1〜14、及び合成例51〜70で得られたポリエステルポリオールの溶液の溶液外観(25℃)、不揮発分濃度(NV)、溶液粘度(Vis)、重量平均分子量(Mw)、ガラス転移温度(Tg)、酸価(AV)及び水酸基価(OHV)を後述の方法に従って求め、結果を表1に示した。また、赤外吸収スペクトル(IR)によるカルボキシル基(1704cm-1)の消失、及びエステル基の吸収(1704cm-1)の発現の測定方法についても記載した。
《溶液外観》
得られたポリエステルポリオール溶液の外観を25℃の条件下で、目視にて観察した。無色透明であれば良好である。
《不揮発分濃度(NV)》
得られたポリエステルポリオールの溶液、約1gを金属容器に秤量し、150℃オーブン中にて20分間乾燥して、25℃に冷却した後、残分を秤量して残率計算をし、不揮発分濃度(固形分)とした(単位:%)。
《溶液粘度(Vis)》
得られたポリエステルポリオールの溶液を25℃でB型粘度計(東機産業社製 TV−22)にて、ローターNo3、回転速度0.5〜100rpm、1分間回転の条件で測定し、溶液粘度(mPa・s)とした。
《平均分子量》
数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)の測定は、島津製作所社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いた。数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)の決定は、標準物質であるポリスチレンの換算値とした。
装置名 : SHIMADZU Prominence(株式会社島津製作所製)
検出器:示差屈折率検出器
カラム : SHODEX LF−804(昭和電工株式会社製)を3本直列に接続。
移動相溶媒 : テトラヒドロフラン(THF)
流量 : 0.5ml/分
カラム温度 : 40℃
試料濃度:0.1%
試料注入量:100μL
《ガラス転移温度(Tg)》
ロボットDSC(示差走査熱量計、セイコーインスツルメンツ社製「RDC220」)に「SSC5200ディスクステーション」(セイコーインスツルメンツ社製)を接続して、測定に使用した。
試料約10mgをアルミニウムパンに入れ、秤量して示差走査熱量計にセットし、試料を入れない同タイプのアルミニウムパンをリファレンスとして、100℃の温度で5分間保持した後、液体窒素を用いて−120℃まで急冷した。その後、昇温速度10℃/分で昇温し、得られたDSCチャートからガラス転移温度(Tg、単位:℃)を決定した。
《酸価(AV)》
共栓三角フラスコ中に試料約1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容積比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解した。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間保持した後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定した。
酸価は次式により求めた。酸価は樹脂の乾燥状態の数値とした(単位:mgKOH/g)。
酸価(mgKOH/g)={(5.611×a×F)/S}/(不揮発分濃度/100)
ただし、S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
《水酸基価(OHV)》
共栓三角フラスコ中に試料約1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容量比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解した。次いで、アセチル化剤(無水酢酸25gをピリジンで溶解し、容量100mlとした溶液)を5ml加え、1時間攪拌した。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間保持した。その後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定した。
水酸基価は次式により求めた。水酸基価は樹脂の乾燥状態の数値とした(単位:mgKOH/g)。
水酸基価(mgKOH/g)=[{(b−a)×F×28.25}/S]/(不揮発分濃度/100)+D
ただし、S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
b:空実験の0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
D:酸価(mgKOH/g)
《赤外吸収スペクトル(IR)》
臭化カリウム(KBr)板に試料を1滴塗布し、スパチュラーで十分に伸ばして薄い液膜とし、フーリエ変換型赤外分光 (FT−IR)光度計にKBr板をセットしてそのまま測定した。酸無水物(1780cm-1)やカルボキシル基(1704cm-1)の消失、及びエステル基の吸収(1704cm-1)の発現を確認した。
装置名 : FT/IP−470plus(JASCO株式会社製)
検出器 : DLATGS
光源 : セラミック特殊光源
光学系 : シングルモード
分解能 : 4cm-1
積算回数: 16回
測定範囲: 7800〜400cm-1
合成例1〜14、及び合成例51〜70で使用した材料の略号を以下に示す。尚、表1、及び表2において、特に断りのない限り、数値は部を表し、空欄は配合なしを意味している。
<表1記載の材料>
・ポリオール(a1)
EG:エチレングリコール、HD:1,6−ヘキサンジオール、NPG:ネオペンチルグリコール、BEPG:2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、DDOH:ダイマージオール〔CRODA Coating & Polymers社製「PRIPOL−2033」〕、BzEG:1,4−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、GLY:グリセリン
・ポリカルボン酸(a2)
ADA:アジピン酸、SBA:セバシン酸、DA:ダイマー酸〔CRODA Coating & Polymers社製「PRIPOL−1010」〕、IPA:イソフタル酸
・ヒドロキシカルボン酸(a3)
HAS:12−ヒドロキシステアリン酸、CL:ε−カプロラクトン
・触媒
TBT:テトラブチルチタネート、ZnAc:酢酸亜鉛
・有機溶剤
MEK:メチルエチルケトン、EAC:酢酸エチル、TOL:トルエン
<表2記載の材料>
・ポリオール(a1)
EG:エチレングリコール、BD:1,4−ブタンジオール、HDI:1,6−ヘキサンジオール、OD:1,8−オクタンジオール、NPG:ネオペンチルグリコール、MPG:2−メチル−1,3−プロパンジオール、BEPG:2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、DDOH:ダイマージオール〔CRODA Coating & Polymers社製「PRIPOL−2033」〕、BzEG:1,4−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、GLY:グリセリン
・ポリカルボン酸(a2)
ADA:アジピン酸、SBA:セバシン酸、DA:ダイマー酸〔CRODA Coating & Polymers社製「PRIPOL−1010」〕、IPA:イソフタル酸、TPA:テレフタル酸、PAnh:無水フタル酸、BzTA:1,2,3−ベンゼントリカルボン酸
・ヒドロキシカルボン酸(a3)
HAS:12−ヒドロキシステアリン酸、CL:ε−カプロラクトン、HBzA:4−ヒドロキシ−3−メトキシ安息香酸
・触媒
TBT:テトラブチルチタネート、ZnAc:酢酸亜鉛
・有機溶剤
MEK:メチルエチルケトン、EAC:酢酸エチル、TOL:トルエン
上記合成例で得られたポリエステルポリオールを用い、それぞれ以下の方法で感圧式接着剤を作成した。
(実施例1〜115、比較例1〜17)
合成例で得られた表1記載のポリエステルポリオールと表2記載のポリエステルポリオールとを表3に記載した質量比(部)に従って混合してポリエステル樹脂を作成し、さらに、反応性化合物(B)、エステル化合物(C)及び任意成分を表3に記載した質量比(部)に従って配合し、有機溶剤として酢酸エチルを加えて不揮発分濃度を50%になるように調整し、感圧式接着剤を得た。得られた感圧式接着剤を各基材に塗工、乾燥、養生はおよび貼り合わせを施し、接着フィルムを作成し、以下の方法で評価した。それぞれの結果を表4に示す。
尚、比較例2、及び11については、接着シートの作製は可能であったため、生産性評価(ポットライフの評価、泡抜け性の評価、及び塗工性の評価)は行ったが、作製した接着シートが接着性を示さず、塗工後、剥離ライナーから剥がれてしまったため、以降の接着フィルム評価(加工性の評価、自着性の評価、濡れ広がり性の評価、剥離強度の測定、再剥離性の評価、及び耐久性(耐熱性、耐湿熱性)の評価)は行うことができなかった。
《ポットライフの評価》
得られた感圧式接着剤について、配合後、25℃における粘度を1時間おきに8時間後まで、B型粘度計(東機産業社製TV−22)を用い、ローターNo.3、25℃、12rpm、1分間回転の条件で測定し、ポットライフを3段階で評価した。「○」または「△」評価の場合、実際の使用時に支障ない。
○:8時間までの粘度上昇率が50%未満。良好。
△:8時間までの粘度上昇率が50%以上100%未満。実用上使用可能。
×:8時間未満で溶液層の分離や濁りが発生したり、ゲル化したり、または粘度上昇率が100%以上と認められる。実用不可。
ここで、粘度上昇率は、下記の方法で算出した。
粘度上昇率(%)=100×{(8時間保存後の粘度)−(調整直後の粘度)}/(調整直後の粘度)
《泡抜け性の評価》
サイズ225のマヨネーズ瓶(日本耐酸壜工業社製)に、得られたポリエステル樹脂、反応性化合物(B)、エステル化合物(C)及び任意成分を表2に記載した質量比(部)に従って配合し、有機溶剤として酢酸エチルを加えて不揮発分濃度を50%になるように調整し、ディスパー羽を装着したエアモーター攪拌機(中央理化社製「LZB14−S−1」)にて、25℃、2000rpm、1分間回転の条件で攪拌し、その後25℃の条件下で静置し、泡の抜ける時間を目視にて3段階で評価した。「○」または「△」評価の場合、実際の使用時に支障ない。
○:15分以内で泡は消滅。極めて良好。
△:15分〜1時間で泡は消滅。実用上使用可能。
×:泡の消滅に1時間以上要する。不良。
《塗工性の評価》
得られた感圧式接着剤を、基材として厚さ38μmの剥離処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(セラピールMF:東レフィルム加工社製)(以下、「剥離ライナー」という。)上に、乾燥後の厚さが25μmになるように塗工し、100℃で2分間熱風乾燥することで接着層を形成した。次いで、上記塗工面に100μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を貼り合せて、100μm厚PETフィルム/接着層/剥離ライナーで構成された接着フィルムを作製した。そして剥離ライナーを剥がした後の接着層表面(塗工面)の状態を目視にて観察し、3段階で評価した。「○」または「△」評価の場合、実際の使用時に支障ない。
○:平滑な塗工面が得られた。良好。
△:塗工面の端部に若干のハジキや発泡が認められる。実用上使用可。
×:塗工面にハジキ、発泡やスジ引きが認められた。不良。
《光学特性の評価》
得られた感圧式接着剤を、上記剥離ライナー上に、乾燥後の厚さが50μmになるように塗工し、100℃で2分間熱風乾燥することで接着層を形成した。次いで、別途用意した剥離ライナーを接着層に貼り合せて、接着層が剥離ライナーで挟持された接着フィルムを作製し、23℃相対湿度50%の環境下で7日間養生した。
次に、両方の剥離ライナーを取り除き、接着層単体の外観を目視判定するとともに、ヘイズを「NDH−300A(日本電色工業社製)」で測定した。「○」または「△」評価の場合、実際の使用時に支障ない。
○:曇り等が観察されず、かつHAZE:0.5未満。良好。
△:曇り等は観察されないが、HAZE:0.5以上2未満、実用上支障無く使用できる。
×:曇りが観察される、またはHAZE:2以上。不良。
《加工性の評価》
上記、《塗工性の評価》と同じ方法により作成した各接着フィルムを、23℃相対湿度50%の環境下で7日間養生した。その後、幅100mm×長さ100mmに裁断し、これを20枚重ね、40℃−60Kg/cm2の条件で1時間プレスした際の接着フィルム端部からの接着層のはみ出しの様子を以下のように3段階で評価した。「○」または「△」評価の場合、実際の使用時に支障ない。
○:接着層のはみ出しが観測されない。良好。
△:0.3mm未満の接着層のはみ出しが観測されるが、実用上使用可能。
×:0.3mm以上の接着層のはみ出しが観測される。不良。
《自着性の評価》
上記、《塗工性の評価》と同じ方法により作成した各接着フィルムを、23℃相対湿度50%の環境下で7日間養生した。その後、幅25mm×長さ100mmに裁断して2枚を準備し、それぞれの剥離ライナーを剥がし、露出した接着層同士を23℃、相対湿度50%の環境下で、ラミネータを用いて貼着し、20分間保持して測定試料を得た。前記測定試料を、23℃、相対湿度50%の環境下で、引張試験機(オリエンテック社製「テンシロン」)を用いて、剥離速度300mm/分、T字剥離の条件で剥離した後、試験片の接着層単体の外観を目視判定するとともに、ヘイズを「NDH−300A(日本電色工業社製)」で測定し、自着性の評価とした。「○」または「△」評価の場合、実際の使用時に支障ない。
○:曇りや表面荒れ等が観察されず、かつHAZE:0.5未満。良好。
△:曇りや表面荒れ等は観察されないが、HAZE:0.5以上2未満、実用上支障無く使用できる。
×:曇りや表面荒れが観察される、またはHAZE:2以上。不良。
《濡れ広がり性の評価》
得られた感圧式接着剤を、基材として厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)上に、乾燥後の厚さが15μmになるように塗工し、100℃で2分間熱風乾燥することで、接着層を形成した。次いで、塗工面に38μmの剥離ライナー(セラピールMF:東レフィルム加工社製)を貼り合せて、50μm厚PETフィルム/接着層/剥離ライナーの構成の接着フィルムを作製し、23℃相対湿度50%の環境下で7日間養生した。そして、この接着フィルムを、幅100mm×長さ100mmに裁断して測定試料とした。次に、厚み2mm×幅150mm×長さ150mmのフロートガラス板に、上記接着フィルムの剥離ライナーを剥がした接着層の一辺のみをフロートガラス板に45°傾けた状態で接触させ、その後、手を離し、前記試料全面が、ガラス板に接触する(ガラス板に濡れ広がる)のに要した時間(秒)を濡れ広がり性として、以下の3段階で評価した。「○」または「△」評価の場合、実際の使用時に支障ない。
○:濡れ広がる時間が2秒未満。良好。
△:濡れ広がる時間が2秒以上、4秒未満。実用上使用可能。
×:濡れ広がる時間が4秒以上。不良。
《剥離強度の測定》
上記、《濡れ広がり性の評価》と同じ方法により作成した各接着フィルムを、幅25mm×長さ100mmに裁断し、剥離ライナーを剥がし、露出した接着層を厚さ1.2mmの無アルカリガラス板に23℃、相対湿度50%の環境下で、ラミネータを用いて貼着した。続いて、50℃、5気圧の条件のオートクレーブ内に20分間保持して測定試料を得た。前記測定試料を、23℃で1日間放置した後に、23℃、相対湿度50%の環境下で、引張試験機(オリエンテック社製「テンシロン」)を用いて、剥離速度300mm/分、剥離角度180度の条件で剥離強度を測定した(貼合せ1日後の剥離強度測定)。また、前記測定試料を、23℃、相対湿度50%の環境下で14日間放置した後に、同様の方法で剥離強度を測定した(貼合せ14日後の剥離強度測定)。この剥離強度を接着力として3段階で評価した。「○」または「△」評価の場合、実際の使用時に支障ない。
○:接着力が10.0(mN/25mm)未満。良好。
△:接着力が10.0(mN/25mm)以上15.0(mN/25mm)未満。実用可。
×:接着力が15.0(mN/25mm)以上。不良で実用不可。
《再剥離性の評価》
上記、《濡れ広がり性の評価》と同じ方法により作成した各接着フィルムを、25mm×150mmの大きさに裁断し、剥離ライナーを剥がし、厚さ2mmのフロートガラス板にラミネータを用いて貼り付け、50℃で5気圧の条件のオートクレーブ内に20分保持させて、接着フィルムとガラス板との光学積層体を得た。
この積層体の接着フィルムを180度方向に50mm/分の速度で引き剥がし、剥離後のガラス表面の曇りを目視で観察し、3段階で評価した。「○」または「△」評価の場合、実際の使用時に支障ない。
○:曇りがなく、実用上全く問題がない。非常に良好。
△:若干曇りが認められるが、実用上問題ない。良好。
×:全面的に感圧式接着剤の転着が認められ、実用不可である。
《耐久性(耐熱性、耐湿熱性)の評価》
耐熱性試験として、上記《濡れ広がり性の評価》と同じ方法により作成した接着フィルムを、幅100mm×長さ100mmに裁断した。次いで、接着フィルムの剥離ライナーを剥がし、露出した接着層を厚さ1.2mmの無アルカリガラス板の片面に、50℃雰囲気下で5Kg/cm2の圧力を加え、20分間オートクレーブ内に保持して貼り合せた後、80℃の雰囲気中に500時間放置した。放置後、25℃に戻し、接着フィルムの浮き・剥がれ、発泡の発生状態を目視で観察し、3段階で評価した。
耐湿熱性試験として、耐熱性試験と同様に試料を作製し、60℃−相対湿度90%の恒温恒湿槽に500時間放置した。。放置後、25℃に戻し、接着フィルムの浮き・剥がれ、発泡の発生状態を目視で観察し、3段階で評価した。「○」または「△」評価の場合、実際の使用時に支障ない。
発泡とは、接着層とガラスとの界面(周辺端部以外)に比較的大きな気泡が発生している状態である。
浮き・剥がれとは、偏光フィルム接着フィルムがガラスから浮き上がり、剥がれてしまっている状態である。
それぞれの評価基準は以下の通りである。
○:発泡、浮き・剥がれが全く発生せず。良好。
△:直径0.5mm以下の発泡、浮き、剥がれのいずれかの軽微な発生が認められるが、実用上使用可能。
×:全面的に発泡、浮き、剥がれ等、顕著な発生が認められる。実用上使用不可。
実施例、及び比較例で使用した材料を以下に示す。尚、表3において、空欄は、配合なしを意味している。また、表4において、「−」標記は未測定を意味している。
・ポリエステル樹脂
表1記載の各合成例で得られたポリエステルポリオール(合成例1〜14)、表2記載の各合成例で得られたポリエステルポリオール(合成例51〜70)
・水酸基と反応し得る官能基を有する反応性化合物(B)
HDI/TMP:ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、HDI/Nu:ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート環を有する3量体、IPDI/TMP:3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、XDI/TMP:キシリレンジイソシネートのトリメチロールプロパンアダクト体、MAS:3−アミノプロピルトリメトキシシラン、EPS:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、HMMPM:ヘキサメチロールメラミンペンタメチルエーテル
・エステル化合物(C)
OLM:オレイン酸メチル(炭素数:19)、ECEO:ジ2−エチルカプロン酸ポリオキシエチレン(EO付加モル数:13、炭素数:42)、AEDO:アジピン酸ジメトキシポリオキシエチレン(EO付加モル数:8,炭素数24の脂肪酸エステル)、POOC:リン酸モノオクチル(炭素数:8)、POEOP:ポリオキシエチレンオクチルエーテルリン酸エステル(EO付加モル数:5,炭素数:18)、T80:ポリオキシエチレンジ(グリセリン)ボレートモノオレート(EO付加モル数:6〜20、炭素数:36〜64)〔東邦化学社製「エマルボンT−80」〕
・加水分解抑制剤(D)
V09:カルボジイミド 〔日清紡社製、「カルボジライトV―09GB」〕、V03:カルボジイミド 〔日清紡社製、「カルボジライトV―03」〕、TAZ:2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオールテトラ[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]
・イオン性化合物(E)
OPFI:1−オクチル−4−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、PAFI:トリエチルプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド
・その他成分(P)
AO50:フェノール系酸化防止剤 〔アデカ社製「アデカスタブ AO−50」〕
以上のように、本発明の感圧式接着剤は、実施例1〜21、25〜45、51〜71、75〜80、82〜88、及び90〜115では、ポットライフ、泡抜け性、塗工性、光学特性、加工性、自着性、濡れ広がり性、剥離強度、再剥離性、耐熱性、及び耐湿熱性のいずれにおいても、「△」評価(実用可能レベル)が12項目中3個以下であり、他は全て「○」評価(良好レベル)のため、優れていることが分かる。
また、実施例22〜24、46〜50、72〜74、81、及び89においては、各評価の「△」評価(実用可能レベル)が13項目中4〜12個であり、「×」評価(不良レベル)が一つもないため、実用上支障なく使用することが可能である。
これに対して、比較例1〜17では、ポットライフ、泡抜け性、塗工性、光学特性、加工性、自着性、濡れ広がり性、剥離強度、再剥離性、耐熱性、及び耐湿熱性のいずれかが極端に劣ることがわかる。
本発明に係る感圧式接着剤は、生産性が良好であり、耐熱性や耐湿熱性等の優れた耐久性を有するとともに、優れた濡れ広がり性を有することから、建築分野(例えば、外装、内装、設備など)、電気機器分野(例えば、家電、厨房設備、空調など)、輸送器機分野(例えば、船舶、自動車など)、家具分野、雑貨分野などの光学分野以外の各種産業分野等の広い分野において、保護フィルム以外の用途としても使用することが可能である。
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Claims (10)

  1. 水酸基を有するポリエステル樹脂(A)と、水酸基と反応し得る官能基を有する反応性化合物(B)と、エステル化合物(C)と、を含む感圧式接着剤であって、下記(1)、(2)および(3)を満たすことを特徴とする感圧式接着剤。
    (1)前記ポリエステル樹脂(A)は、ガラス転移温度が−80℃以上0℃未満かつ数平均分子量が10,000〜300,000である芳香環を有しないポリエステルポリオール(A1)、およびガラス転移温度が0℃以上100℃未満かつ数平均分子量が5,000〜100,000であるポリエステルポリオール(A2)を含むこと。
    (2)前記反応性化合物(B)は、ポリイソシアネート(b1)、シラン化合物(b2)及びメチロールメラミン系化合物(b3)からなる群より選ばれる少なくとも一種であること。
    (3)前記エステル化合物(C)は、炭素数8〜100の脂肪酸エステル(c1)、炭素数4〜80のリン酸エステル(c2)、炭素数8〜100のホウ酸エステル(c3)および前記エステル(c1)〜(c3)のエポキシ変性エステルからなる群より選ばれる少なくとも一種であること。(ただし、前記エステル化合物(C)は、前記ポリエステル樹脂(A)および前記反応性化合物(B)を除く。)
  2. 前記ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、前記反応性化合物(B)0.1〜50質量部を含む、請求項1に記載の感圧式接着剤。
  3. 前記ポリエステルポリオール(A1)が、脂肪族ポリエステルポリオールであることを特徴とする、請求項1または2に記載の感圧式接着剤。
  4. 前記ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、前記エステル化合物(C)1〜100質量部を含む、請求項1〜3いずれか1項に記載の感圧式接着剤。
  5. 前記反応性化合物(B)が、ポリイソシアネート(b1)を含む、請求項1〜4いずれか1項に記載の感圧式接着剤。
  6. さらに、加水分解抑制剤(D)を含む、請求項1〜5いずれか1項に記載の感圧式接着剤。
  7. 加水分解抑制剤(D)が、カルボジイミド(d1)を含む、請求項6に記載の感圧式接着剤。
  8. さらに、イオン性化合物(D)を含む、請求項1〜7いずれか1項に記載の感圧式接着剤。
  9. 基材(G)および、請求項1〜8いずれか1項に記載の感圧式接着剤接着層を備えた、接着フィルム。
  10. 光学フィルム(I)、請求項1〜8いずれか1項に記載の感圧式接着剤からなる接着層、およびガラスを備えた、光学積層体。
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CN109705309A (zh) * 2018-12-07 2019-05-03 旭川化学(苏州)有限公司 一种尼丝纺织物层压用耐水洗湿气反应型聚氨酯树脂及其制备方法
JP2020041137A (ja) * 2018-09-05 2020-03-19 三菱ケミカル株式会社 ポリエステル系粘着剤組成物、ポリエステル系粘着剤、粘着シートおよび粘着剤層付き光学部材

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JP7388044B2 (ja) 2018-09-05 2023-11-29 三菱ケミカル株式会社 ポリエステル系粘着剤組成物、ポリエステル系粘着剤、粘着シートおよび粘着剤層付き光学部材
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