本発明の実施形態に係る搬送装置の一例を図1〜図11に従って説明する。なお、図中に示す矢印Hは装置上下方向(鉛直方向)を示し、矢印Wは装置幅方向(水平方向)を示し、矢印Dは装置 装置奥行方向(水平方向)を示す。
先ず、本実施形態の搬送装置によって搬送される感光体ドラムについて説明し、次に、搬送装置について説明する。なお、感光体ドラムについては、感光体ドラムが搬送装置によって搬送されている状態での、方向を用いて説明する。
(感光体ドラム)
感光体ドラム100は、円体の一例であって、図10に示されるように、装置奥行方向に延び、長手方向に直交する断面が円状とされている。そして、感光体ドラム100は、表面に感光層が形成された本体部102と、長手方向において本体部102の両側に夫々配置されたベアリング104とを備えている。さらに、感光体ドラム100の本体部102と、ベアリング104との間には、隙間が形成されている。
〔搬送装置〕
搬送装置10は、例えば、画像形成装置本体(図示省略)に感光体ドラム100を取り付ける作業者の手元まで、複数の感光体ドラム100を搬送する装置である。つまり、作業者は、搬送装置10によって搬送された感光体ドラム100を搬送装置10から取り出して、取り出した感光体ドラム100を画像形成装置に取り付ける。さらに、感光体ドラム100の感光層への傷付きを抑制するため、搬送装置10は、搬送される一の感光体ドラム100と他の感光体ドラム100とが離間した状態を保ちながら、感光体ドラム100を搬送するようになっている。
この搬送装置10は、図8、図9に示されるように、装置の骨格を形成する骨格部18と、搬送される感光体ドラム100同士の離間した状態を保つ複数の回転部材50と、搬送された感光体ドラム100を停止するストッパー30とを備えている。
[骨格部]
骨格部18は、搬送される感光体ドラム100の両端部に夫々配置されると共に、感光体ドラム100の両端部を上下方向から挟む一対のレール12と、レール12を支持する支持部20とを備えている。レール12は、案内部の一例である。
レール12は、直線状に形成され、搬送される感光体ドラム100に対して下方に配置されている下レール14と、感光体ドラム100に対して上方に配置されている上レール16とに分けられる。そして、装置奥行方向から見て、下レール14と上レール16との間が、感光体ドラム100が搬送される領域28とされている。
下レール14と上レール16とは、装置上下方向から見て、重なっており、装置幅方向に延びている。さらに、下レール14と上レール16とは、図9に示されるように、装置奥行方向から見て、平行に配置されている。また、下レール14は、上レール16と比して長くされており、下レール14の両端部は、上レール16の両端部と比して、装置幅方向に突出している。さらに、下レール14、及び上レール16の装置幅方向の一端部(図中右端部)は、装置幅方向の他端部(図中左端部)に比して上方に位置している。
そして、下レール14は、搬送される感光体ドラム100のベアリング104に、下方から接触している。これにより、下レール14は、感光体ドラム100が装置幅方向の一方側から装置幅方向の他方側へ、重力によって転がるように、感光体ドラム100を支持する。
さらに、下レール14には、感光体ドラム100の本体部102と、ベアリング104との間に形成された隙間に入ると共に、板面が装置奥行方向を向いたフランジ14A(図1(A)参照)が形成されている。そして、感光体ドラム100の本体部102と、ベアリング104との間の隙間に、フランジ14Aが入った状態で、感光体ドラム100が下レール14上を転がるようになっている。
レール12を支持する支持部20は、下レール14と上レール16との間隔を保つように、下レール14及び上レール16を支持する支持部材22を備えている。また、支持部20は、一対の上レール16の間隔、及び一対の下レール14の間隔を保つように、一対の上レール16、及び一対の下レール14を支持する支持部材24を備えている。さらに、支持部20は、床面(図示省略)から立上り、支持部材22を支持する支持部材26を備えている。
支持部材22は、図8に示されるように、装置幅方向から見て、搬送される感光体ドラム100側が開口するC字状とされ、装置幅方向に間隔を空けて複数配置されている。そして、支持部材22の一端部に下レール14が取り付けられ、支持部材22の他端部に上レール16が取り付けられている。
支持部材24は、装置奥行方向に延び、装置幅方向に間隔を空けて複数配置されている。そして、支持部材24の一端部に一方の上レール16が取り付けられ、支持部材24の他端部に他方の上レール16が取り付けられている。
支持部材26は、装置上下方向に延び、装置幅方向に間隔を空けて複数配置されている。そして、支持部材26の上端に支持部材22の下端が取り付けられている。
[回転部材]
回転部材50は、複数設けられ、図9に示されるように、感光体ドラム100が下レール14上を転がって搬送される搬送方向(図中矢印B、以下「ドラム搬送方向」)において、下レール14と上レール16とに交互に取り付けられている。回転部材50は、回転部の一例である。
また、装置奥行方向の手前側に配置されたレール12に取り付けられた回転部材50と、装置奥行方向の奥側に配置されたレール12に取り付けられた回転部材50とは、上方から見て、装置幅方向に延びる、搬送装置10の中心線を境に対称の位置に配置されている。
具体的には、これらの回転部材50は、回転軸方向を装置奥行方向として、下レール14又は上レール16の装置奥行方向の外側(一対のレール12と一対のレール12とが向い合う側とは反対側)に回転可能に取り付けられている。そして、下レール14の回転部材50は、ドラム搬送方向において同様のピッチ(図中P1)で取り付けられている。また、上レール16の回転部材50は、ドラム搬送方向において同様のピッチ(図中P2)で取り付けられている。そして、ピッチP1とピッチP2とは同様とである。
さらに、下レール14に取り付けられた回転部材50と、この回転部材50に対してドラム搬送方向の下流側で、上レール16に取り付けられた回転部材50との間隔を間隔L1とする。また、上レール16に取り付けられた回転部材50と、この回転部材50のドラム搬送方向で、下流側に取り付けられた下レール14の回転部材50との間隔を間隔L2とする。そうすると、間隔L1と間隔L2とは、同様とされ、さらに、間隔L1、及び間隔L2は、ピッチP1、P2の半分である。これにより、回転する回転部材50が互いに干渉しないようになっている。
このように、ドラム搬送方向の上流側から下流側まで、複数の回転部材50は、規則的に配置されている。
また、回転部材50は、図1(A)に示されるように、装置奥行方向を軸方向とする回転軸52と、装置奥行方向から見て、回転軸52から四方に延びる仕切部54とを有している。このように、回転部材50において回転軸52の回りの空間は、4個に分割されており、この一の空間は、一の感光体ドラム100のみが配置される大きさに決められている。また、一の感光体ドラム100と他の感光体ドラム100とを続けて搬送させた場合に、のみが配置される大きさに決められている。また、一の感光体ドラム100と他の感光体ドラム100とが接触しないように、一の感光体ドラム100と他の感光体ドラム100との間に、仕切部54が存在するように、仕切部54の長さが決められている。
さらに、回転部材50が有する4個の仕切部54において、一の仕切部54の先端側の部分には、錘60が取り付けられている。
そして、一の回転部材50の少なくとも一の仕切部54が、装置奥行方向から見て、領域28に位置している。また、夫々の仕切部54において、搬送される感光体ドラム100に接触する部分(押される部分)には、装置奥行方向から見て、ドラム搬送方向の上流側の感光体ドラム100側に凸の湾曲部54Aが形成されている。
この構成において、回転部材50は、仕切部54が搬送される感光体ドラム100によって押されることで回転するようになっている。さらに、仕切部54は、搬送される一の感光体ドラム100と他の感光体ドラム100とを仕切るようになっている。そして、搬送されている一の感光体ドラム100と他の感光体ドラム100とが離間した状態が、保たれるようになっている。
なお、搬送装置10が、感光体ドラム100を搬送する態様については、後述する作用と共に説明する。
[ストッパー]
ストッパー30は、図8、図9に示されるように、下レール14の他端部に夫々取り付けられている。そして、ストッパー30は、下レール14に取り付けられた状態で、下レール14の上面に対して上方に突出している。ストッパー30は、停止部の一例である。
この構成において、ストッパー30は、図3(B)に示されるように、ドラム搬送方向の下流側に転がった感光体ドラム100と当たって、感光体ドラム100を目的の位置(取出し位置)で停止するようになっている。
(作用)
次に、搬送装置10の作用について説明する。搬送装置10の作用については、搬送装置10が、4個の感光体ドラム100を順に搬送する態様によって説明する。
搬送装置10が感光体ドラム100を搬送する前の状態では、図1(A)に示されるように、錘60が取り付けられている仕切部54が回転軸52の下方となる初期位置に、回転部材50は位置している。回転部材50が初期位置に配置された状態では、下レール14に取り付けられている回転部材50については、装置奥行方向から見て、錘60が取り付けられている仕切部54に対して反対側の仕切部54が、領域28に位置している。また、上レール16に取り付けられている回転部材50については、装置奥行方向から見て、錘60が取り付けられている仕切部54が、領域28に位置している。なお、図1〜7、図9においては、装置奥行方向から見て、無負荷状態の回転部材50において、回転軸52の直下に、錘60が位置していないが、実機では、回転軸52の直下に、錘60が位置する。
そして、最初(1本目)に搬送される感光体ドラム100(以下説明の便宜上「感光体ドラム100A」)が、下レール14の一端部に載せられる(図9参照)。この状態で、感光体ドラム100の本体部102と、ベアリング104との間の隙間に、フランジ14Aが入っている。そして、下レール14に載せられた感光体ドラム100Aは、ドラム搬送方向の下流側へ、重力により転がりながら搬送される。
前述したように、ドラム搬送方向の上流側から下流側まで、複数の回転部材50は、規則的に配置されている。このため、感光体ドラム100Aは、下レール14に取り付けられた回転部材50の仕切部54と、上レール16に取り付けられた回転部材50の仕切部54とを交互に押しながら、ドラム搬送方向の下流側へ搬送される。
以下具体的に、ドラム搬送方向の下流側において、搬送装置10によって搬送される感光体ドラム100Aについて説明する。
図1(A)(B)に示されるように、転がる感光体ドラム100Aのベアリング104が、下レール14に取り付けられた回転部材50(以下説明の便宜上「回転部材50A」)の仕切部54の湾曲部54Aに当たって、仕切部54を押す。これにより、感光体ドラム100Aのベアリング104によって押された仕切部54が、ドラム搬送方向の下流側に倒れるように、回転部材50Aが回転する。回転部材50Aが回転することで、感光体ドラム100Aがドラム搬送方向の下流側へ転がる。
また、図1(B)、図2(A)に示されるように、転がる感光体ドラム100Aのベアリング104が、上レール16に取り付けられた回転部材50(以下説明の便宜上「回転部材50B」)の仕切部54の湾曲部54Aに当たって、仕切部54を押す。これにより、感光体ドラム100Aのベアリング104に押された仕切部54が、ドラム搬送方向の下流側に倒れるように、回転部材50Bが回転する。回転部材50Bが回転することで、感光体ドラム100Aは、ドラム搬送方向の下流側へ転がり、回転部材50Aの仕切部54と離間する。そして、感光体ドラム100Aと離間した回転部材50Aは、錘60によって、初期位置に復帰する。
ここで、転がる感光体ドラム100Aのベアリング104が、回転部材50Aの仕切部54を押し始めてから、回転部材50Aの仕切部54と離間するまで、ベアリング104は、仕切部54の湾曲部54Aのみと接触している。
さらに、図2(A)、図2(B)に示されるように、転がる感光体ドラム100Aのベアリング104が、下レール14に取り付けられた回転部材50(以下説明の便宜上「回転部材50C」)の仕切部54の湾曲部54Aに当たって、仕切部54を押す。これにより、感光体ドラム100Aのベアリング104に押された仕切部54が、ドラム搬送方向の下流側に倒れるように、回転部材50Cが回転する。回転部材50Cが回転することで、感光体ドラム100Aは、ドラム搬送方向の下流側へ転がり、回転部材50Bの仕切部54と離間する。そして、感光体ドラム100Aと離間した回転部材50Bは、初期位置に復帰する。
ここで、転がる感光体ドラム100Aのベアリング104が、回転部材50Bの仕切部54を押し始めてから、回転部材50Bの仕切部54と離間するまで、ベアリング104は、仕切部54の湾曲部54Aのみと接触している。
さらに、図2(B)、図3(A)に示されるように、転がる感光体ドラム100Aのベアリング104が、上レール16に取り付けられた回転部材50(以下説明の便宜上「回転部材50D」)の仕切部54の湾曲部54Aに当たって、仕切部54を押す。これにより、感光体ドラム100Aのベアリング104に押された仕切部54が、ドラム搬送方向の下流側に倒れるように、回転部材50Dが回転する。回転部材50Dが回転することで、感光体ドラム100Aは、ドラム搬送方向の下流側へ転がり、回転部材50Cの仕切部54と離間する。そして、感光体ドラム100Aと離間した回転部材50Cは、初期位置に復帰する。
ここで、転がる感光体ドラム100Aのベアリング104が、回転部材50Cの仕切部54を押し始めてから、回転部材50Cの仕切部54と離間するまで、ベアリング104は、仕切部54の湾曲部54Aのみと接触している。
さらに、図3(A)、図3(B)に示されるように、転がる感光体ドラム100Aのベアリング104が、下レール14に取り付けられた回転部材50(以下説明の便宜上「回転部材50E」)の仕切部54の湾曲部54Aに当たって、仕切部54を押す。これにより、ベアリング104に押された仕切部54が、ドラム搬送方向の下流側に倒れるように、回転部材50Eが回転する。回転部材50Eが回転することで、感光体ドラム100Aは、ドラム搬送方向の下流側へ転がり、回転部材50Dの仕切部54と離間する。そして、感光体ドラム100Aと離間した回転部材50Dは、初期位置に復帰する。
ここで、転がる感光体ドラム100Aのベアリング104が、回転部材50Dの仕切部54を押し始めてから、回転部材50Dの仕切部54と離間するまで、ベアリング104は、仕切部54の湾曲部54Aのみと接触している。
さらに、ドラム搬送方向の下流側へ転がる感光体ドラム100Aは、ストッパー30と当たって停止される。このストッパー30と当たって停止された位置が、搬送される感光体ドラム100の目的の位置である。
ストッパー30と当たって停止された状態で、感光体ドラム100Aは、回転部材50Eの仕切部54と当たっている。そして、回転部材50Eについては、感光体ドラム100Aと当たっている仕切部54に対して、回転部材50Eの回転方向の上流側で、かつ、隣の仕切部54が、装置奥行方向から見て、領域28に位置している。
そして、次(2本目)に搬送される感光体ドラム100(以下説明の便宜上「感光体ドラム100B」)が、下レール14の一端部に載せられる(図9参照)。なお、感光体ドラム100Bを搬送させ始めるのは、感光体ドラム100Aが停止された後であってもよく、感光体ドラム100Aが停止される前であってもよい。
感光体ドラム100Bは、感光体ドラム100Aと同様に、回転部材50A、50B、50C、50Dを回転させながら、ドラム搬送方向の下流側へ転がる。
そして、回転部材50Dの仕切部54を押している感光体ドラム100Bのベアリング104は、図4(A)(B)に示されるように、回転部材50Eの仕切部54の湾曲部54Aに当たって、仕切部54を押す。これにより、感光体ドラム100Bのベアリング104に押された仕切部54が、ドラム搬送方向の下流側に倒れるように、回転部材50Eが回転する。そして、ドラム搬送方向の下流側に倒れた仕切部54が、感光体ドラム100Aと当り、回転部材50Eの回転が阻止される。回転部材50Eの回転が阻止されることで、転がる感光体ドラム100Bは、停止される。
この状態で、回転部材50Eの仕切部54は、停止された感光体ドラム100Aと感光体ドラム100Bとを仕切っている。そして、感光体ドラム100Aと感光体ドラム100Bとが離間した状態が、保たれている。
さらに、回転部材50Dについては、感光体ドラム100Bと当たっている仕切部54に対して、回転部材50Dの回転方向の上流側で、感光体ドラム100Bと当たっている仕切部54の隣の仕切部54が、装置奥行方向から見て、領域28に位置している。
そして、次(3本目)に搬送される感光体ドラム100(以下説明の便宜上「感光体ドラム100C」)が、下レール14の一端部に載せられる(図9参照)。なお、感光体ドラム100Cを搬送させ始めるのは、感光体ドラム100Bが停止された後であってもよく、感光体ドラム100Bが停止される前であってもよい。
感光体ドラム100Cは、感光体ドラム100Aと同様に、回転部材50A、50B、50Cを回転させながら、ドラム搬送方向の下流側へ転がる。
そして、回転部材50Cの仕切部54を押している感光体ドラム100Cのベアリング104は、図5(A)(B)に示されるように、回転部材50Dの仕切部54の湾曲部54Aに当たって、仕切部54を押す。これにより、感光体ドラム100Cのベアリング104に押された仕切部54が、ドラム搬送方向の下流側に倒れるように、回転部材50Dが回転する。そして、ドラム搬送方向の下流側に倒れた仕切部54が、感光体ドラム100Bと当り、回転部材50Dの回転が阻止される。回転部材50Dの回転が阻止されることで、転がる感光体ドラム100Cは、停止される。
この状態で、回転部材50Dの仕切部54は、停止された感光体ドラム100Bと感光体ドラム100Cとを仕切っている。そして、感光体ドラム100Bと感光体ドラム100Cとが離間した状態が、保たれている。
さらに、回転部材50Cについては、感光体ドラム100Cと当たっている仕切部54に対して、回転部材50Cの回転方向の上流側で、感光体ドラム100Cと当たっている仕切部54の隣の仕切部54が、装置奥行方向から見て、領域28に位置している。
そして、次(4本目)に搬送される感光体ドラム100(以下説明の便宜上「感光体ドラム100D」)が、下レール14の一端部に載せられる(図9参照)。なお、感光体ドラム100Dを搬送させ始めるのは、感光体ドラム100Cが停止された後であってもよく、感光体ドラム100Cが停止される前であってもよい。
感光体ドラム100Dは、感光体ドラム100Aと同様に、回転部材50A、50Bを回転させながら、ドラム搬送方向の下流側へ転がる。
そして、回転部材50Bの仕切部54を押している感光体ドラム100Dのベアリング104は、図6(A)(B)に示されるように、回転部材50Cの仕切部54の湾曲部54Aに当たって、仕切部54を押す。これにより、感光体ドラム100Dのベアリング104に押された仕切部54が、ドラム搬送方向の下流側に倒れるように、回転部材50Cが回転する。そして、ドラム搬送方向の下流側に倒れた仕切部54が、感光体ドラム100Cと当り、回転部材50Cの回転が阻止される。回転部材50Cの回転が阻止されることで、転がる感光体ドラム100Dは、停止される。
この状態で、回転部材50Cの仕切部54は、停止された感光体ドラム100Cと感光体ドラム100Dとを仕切っている。そして、感光体ドラム100Cと感光体ドラム100Dとが離間した状態が、保たれている。
さらに、回転部材50Bについては、感光体ドラム100Dと当たっている仕切部54に対して、回転部材50Bの回転方向の上流側で、感光体ドラム100Dと当たっている仕切部54の隣の仕切部54が、装置奥行方向から見て、領域28に位置している。
そして、作業者が、ストッパー30に当たっている感光体ドラム100Aを、搬送装置10から取り出して、図示せぬ画像形成装置に取り付ける。感光体ドラム100Aが搬送装置10から取り出されることで、感光体ドラム100B、100C、100Dが、回転部材50を夫々回転させながら、ドラム搬送方向の下流側に搬送される。そして、感光体ドラム100Bが、ストッパー30と当たって、感光体ドラム100Bが停止される。感光体ドラム100Bが停止されることで、夫々の回転部材50の回転が阻止され、感光体ドラム100C、100Dが停止される。
さらに、作業者が、ストッパー30に当たっている感光体ドラム100Bを、搬送装置10から取り出して、図示せぬ画像形成装置に取り付ける。
そして、その後、作業者が、感光体ドラム100C、100Dを、順に搬送装置10から取り出して、図示せぬ画像形成装置に夫々取り付ける。
ここで、感光体ドラム100Aと感光体ドラム100Bとを続けて搬送させた場合について説明する。図7(A)に示されるように、転がる感光体ドラム100Aのベアリング104が、下レール14に取り付けられた回転部材50Cの仕切部54の湾曲部54Aに当たって、仕切部54を押す。これにより、回転部材50Cが回転する。
回転部材50Cが回転することで、感光体ドラム100Aに押されている仕切部54に対して、回転部材50Cの回転方向の上流側で、感光体ドラム100Aに押されている仕切部54の隣の仕切部54が、装置奥行方向から見て、領域28に進入する。そして、感光体ドラム100Aを搬送させ始めた直後に、搬送させ始めた感光体ドラム100Bのベアリング104は、領域28に進入した、回転部材50Cの仕切部54の湾曲部54Aに当たって、仕切部54を押す。このようにして、回転部材50Cの仕切部54は、感光体ドラム100Aと感光体ドラム100Bとを仕切っている。そして、感光体ドラム100Aと感光体ドラム100Bとが離間した状態が、保たれている。
また、例えば、図7(B)に示されるように、転がる感光体ドラム100Aのベアリング104が、上レール16に取り付けられた回転部材50Dの仕切部54の湾曲部54Aに当たって、仕切部54を押す。これにより、回転部材50Dが回転する。
回転部材50Dが回転することで、感光体ドラム100Aに押されている仕切部54に対して、回転部材50Dの回転方向の上流側で、かつ、隣の仕切部54が、装置奥行方向から見て、領域28に進入する。そして、感光体ドラム100Aを搬送させ始めた直後に、搬送させ始めた感光体ドラム100Bのベアリング104は、領域28に進入した、回転部材50Dの仕切部54の湾曲部54Aに当たって、仕切部54を押す。このようにして、回転部材50Dの仕切部54は、感光体ドラム100Aと感光体ドラム100Bとを仕切っている。そして、感光体ドラム100Aと感光体ドラム100Bとが離間した状態が、保たれている。
(まとめ)
以上説明したように、下レール14及び上レール16に取り付けられた回転部材50の仕切部54が、重力によって転がる一の感光体ドラム100と他の感光体ドラム100とを仕切る。これにより、モータ等の駆動力によらず、重力により搬送される一の感光体ドラム100と他の感光体ドラム100とが離間した状態は保たれ、複数の感光体ドラム100が目的の位置まで搬送される。
また、感光体ドラム100を上下方向から挟む一対のレール12は、感光体ドラム100の両端部に夫々配置されている。このため、例えば、感光体ドラム100を上下方向から挟む一対のレール12が、感光体ドラム100の長手方向の中央部だけに配置されている場合と比して、搬送される感光体ドラム100の姿勢が安定する。
また、回転部材50が有する複数の仕切部54において、一の仕切部54に、錘60が取り付けられている。このため、錘60が取り付けられている仕切部54が回転軸52に対して下方となるように、無負荷状態(押されていない状態)の回転部材50は配置される(図1(A)参照)。換言すれば、回転部材50の姿勢が安定する。例えば、一の仕切部54に、錘60が取り付けられいない回転部材250を備える比較形態に係る搬送装置200の場合には、図11に示されるように、回転部材250の姿勢が安定しない。
また、搬送装置10では、回転部材50の姿勢が安定することで、搬送装置200を用いるの場合と比して、搬送される感光体ドラム100の姿勢が安定する。
また、夫々の仕切部54において、搬送される感光体ドラム100に接触する部分(押される部分)には、装置奥行方向から見て、感光体ドラム100側に凸の湾曲部54Aが形成されている。このため、仕切部54において、感光体ドラム100と接触する部分に、角部が形成されている場合と比して、回転部材50の回転動作が滑らかになる。
また、回転部材50の回転動作が滑らかになることで、仕切部54において、感光体ドラム100と接触する部分に、角部が形成されている場合と比して、搬送される感光体ドラム100の姿勢が安定する。
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、感光体ドラム100のベアリング104で、回転部材50の仕切部54を押したが、感光体ドラム100の本体部102において、画像が形成されない非画像部で、回転部材50の仕切部54を押してもよい。
また、上記実施形態では、感光体ドラム100を上下方向から挟む一対のレール12は、感光体ドラム100の両端部に夫々配置された。しかし、例えば、軸方向が短い円柱状の部材の場合には、円柱状の部材の中央部だけに、一対のレール12を配置してもよい。この場合には、感光体ドラム100の両端部に、一対のレール12を夫々配置することで生じる作用は生じない。
また、上記実施形態では、回転部材50が有する複数の仕切部54において、一の仕切部54に、錘60が取り付けられたが、例えば、錘を仕切部に一体的に成形してもよい。
また、上記実施形態では、回転部材50が有する複数の仕切部54において、一の仕切部54に、錘60が取り付けられたが、錘が取り付けられなくてもよい。この場合には、一の仕切部54に、錘60が取り付けられることで生じる作用は生じない。
また、上記実施形態では、仕切部54において、感光体ドラム100と接触する部分には、湾曲部54Aが形成されたが、湾曲部54Aが形成されなくてもよい。この場合には、湾曲部54Aが形成されていることで生じる作用は生じない。
また、上記実施形態では、特に説明しなかったが、装置奥行方向から見て、転がる感光体ドラム100の中心と、回転部材50の中心との間に、回転部材50の仕切部54と感光体ドラム100との接点が位置することがない。このため、転がる感光体ドラム100に仕切部54が押されることで、回転部材50が確実に回転する。