JP2018058625A - 複合キャップ - Google Patents
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Abstract
Description
[複合キャップ1]
まず図1〜5を用いて本実施形態の複合キャップ1について説明する。
図1に示すとおり、複合キャップ1は、注出部材(第1キャップ部材)10と、密封栓(第2キャップ部材)20と、を含んで構成されている。
この第1の樹脂材としては、後述する第2の樹脂材よりも樹脂硬度(例えばロックウェル硬度)が高い限りにおいて種々の材料が適用可能であり、例えばポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ABS樹脂などが挙げられる。なお、樹脂の硬度測定の手法としては特に制限はなく、公知の種々の測定装置や手法を用いて行うことができる。
また、第1の樹脂材は、後述する第2の樹脂材よりも透明度が高くてもよい。樹脂の透明度測定の手法としても特に制限はなく、公知の種々の測定装置や手法を用いて行ってもよい。
図2に示すとおり、本実施形態の注出部材10は、スカート壁11、内筒12、頂壁13および注出部14を有するように構成されている。
スカート壁11は、後述する頂壁13の外周縁から垂下するように形成されており、その内周面の下端には容器100の注出口における外周面に嵌合することが可能なアンダーカット部11aが形成されている。
頂壁13は、上記したスカート壁11と内筒12とをつなぐ機能を有している。
注出部14は、容器100に貯蔵された内容物を注出する際に用いられ、頂壁13の上部に配置されている。
図3に示すように注出部材10は、注出部14の内表面が上方に向かい徐々に拡大するよう傾斜されてなる傾斜面16と、傾斜面16の下端から鉛直に延在するシール壁17とを有している。
そして図4に示すとおり、注出部材10の内筒12の内面には、としての雌ねじ部15aが形成されている。
すなわち、本実施形態の複合キャップ1が取り付けられる容器100は製造誤差を必然的に有しており、例えば設計値より僅かに口径が大きな注出口を有する容器100に複合キャップ1が取り付けられた場合、この口径に倣って内筒12の内径が変化してしまうことがある。
これに対して本実施形態によれば、シール壁17は内筒12よりも上方に設けられているので、容器100に取り付け後の寸法変化に依らず密封栓20による密封性を確保することが可能となる。
本実施形態の注出部14は、上記した内筒12とスカート壁11と連続するよう形成されて内表面と外表面を有するように構成されている。より具体的に本実施形態の注出部材10は、注出部14の内表面が上方に向かい徐々に拡大するよう傾斜されてなる傾斜面16を有している。換言すれば、注出部14の内表面と外表面は、上方に向かうにつれてこれらが漸次近接して上端で合流するように形成されている。
ここで、本実施形態の「先鋭状」とは、図4(b)に示すように、断面における傾斜面16と外表面との為す角度θが90度よりも小さくなっている状態と定義され、更により好ましくは30度〜60度程度となっている状態などを含んでもよい。
本実施形態の密封栓20は、上記したワインオープナーなどのねじ回し式の開栓具が挿入可能なように、第1の樹脂材よりも樹脂硬度(例えばロックウェル硬度)が低い第2の樹脂材で形成されている。これにより、例えば祝い事など雰囲気が重要視される場面でも伝統的な開栓具を用いた開栓を行うことが可能となっている。
(a)第1の樹脂材の引張り強さ > 第2の樹脂材の引張り強さ
(b)第1の樹脂材の圧縮強さ > 第2の樹脂材の圧縮強さ
(c)第1の樹脂材の引張り弾性率 > 第2の樹脂材の引張り弾性率
また、同図に示すように、筒状シール部23は、把持部21から垂下するにつれてその外径が徐々に拡大し、所定の長さだけ垂下した後に再びその外径が縮小するような形状となっていてもよい。
なお筒状シール部23のZ方向における長さについては特に制限はなく、シール壁17に密接が可能であれば適宜変更してもよい。
なお、開栓方向は反時計回りにする必要は必ずしもなく、不意に密封栓20が注出部材10から離脱しなければ時計回りとしてもよい。
図6(b)に示すとおり、本実施形態の複合キャップ1は、容器100の注出口に取り付けが可能となっている。より具体的には、同図(b)に示されるように、容器100の注出口の外周面に対して注出部材10のスカート壁11と内筒12を嵌合させることで、容器100の注出口に複合キャップ1が取り付けられる。
なお、複合キャップ1は、容器100に内容物を充填して出荷する際の初期段階で容器100に取り付けられていてもよいし、公知のキャップ(コルク栓や金属キャップなど)を取り外して開栓した後で再び容器100を閉栓する際に取り付けられる態様でもよい。
このように本実施形態では、密封栓20によって高い開栓性を維持しつつ伝統的な開栓具を用いた開栓手法にも対応でき、更に開栓後は容器100の注出口に残る注出部材10によって液切れの良好な注ぎ性も確保できる。
したがって、本実施形態の複合キャップ1によれば、高い開栓性、良好な注ぎ性、および高い趣向性を高次元で成立させることができる。
次に図7を用いて本発明の第2実施形態について説明する。
上記した第1実施形態においては筒状シール部23は密封栓20と一体成形されていたが、この態様に限られるものではない。すなわち第2実施形態が第1実施形態と異なる特徴は、主として、密封栓20が筒状シール部23の代替となるシール溝26とシール部材27を有している点である。
したがって、第1実施形態と機能・作用が共通する構成は、同じ参照番号を付してその説明を適宜省略する。
シール溝26は、密封栓20の例えば挿入部22の外周面に形成された溝である。そしてこのシール溝26には、後述するシール部材27が配置される。なおシール溝26の挿脱方向における設置位置は、上記した筒状シール部23に比して自由度が高く、雄ねじ部24aと干渉しない限りにおいて挿入部22のいずれかの位置に設けてもよい。
なお図7に示すように、本実施形態では、注出部材10にはシール壁17が別途設けられておらず、シール部材27は内筒12のいずれかの部位に密接される。
したがって、シール部材27が密接する位置は必ずしも内筒12よりも上方にする必要がなく、例えば図7のように内筒12の内側に設けてもよい。
≪変形例1≫
次に図8を用いて本発明の変形例1について説明する。
なお、注出部材10の断面を考えた場合、図8(b)の注出部材10のうち左半分(領域D−Eで示してある)は、同図(a)の容器100における領域D−Eに対応する領域に相当することになる。また、図8(b)の注出部材10のうち右半分(領域E−Fで示してある)は、同図(a)の容器100における領域E−Fに対応する領域に相当する。
これにより、例えば密封栓20を開栓方向に回す場合などに、注出部材10も容器100に対して不用意に回転してしまうことが防止される。
例えば係合凹部102と係止突起18は、それぞれ1つ設けられてもよいし、周方向に3つ以上設けられていてもよい。また、係合凹部102の数と係止突起18の数は必ずしも等しくせずともよく、係合凹部102の数が係止突起18の数よりも多くなっていてもよい。
図9に変形例2に係る注出部材10と密封栓20の部分拡大図を示す。同図に示すように、雌ねじ部15bのねじ山と雄ねじ部24bのねじ山は、互いの圧力側フランクの長さが遊び側フランクの長さより短い非対称形状を有している。
なお本変形例でいう「非対称形状」とは、ねじ部におけるねじ山が、その頂点を通る垂線に対して対称ではない形状をいい、斜辺が等辺の一般的な三角ねじや角ねじとは異なっている。
これにより、例えば上述した開栓具などを用いて密封栓20を注出部材10に対して引き抜く際に、よりスムーズに開栓することが可能となる。
α1>β1
α2>β2
また、本変形例では、遊び側フランク15b2と遊び側フランク24b2の長さは等しくなっているが、互いに異なる長さとなっていてもよい。
また、本変形例では、α1=α2となっているが、α1≠α2となっていてもよい。さらには、β1=β2となっているが、β1≠β2となっていてもよい。
図10に変形例3に係る複合キャップ1のうちの注出部材10を示す。
同図に示すように、注出部材10の注出部14は、注出口の先端となる上端が外側に反り返ったラッパ状となっている。
10 注出部材
11 スカート壁
11a アンダーカット部
12 内筒
13 頂部
14 注出部
15a、15b 雌ねじ部
16 傾斜面
17 シール壁
18 係止突起
20 密封栓
21 把持部
22 挿入部
23 筒状シール部
24a、24b 雄ねじ部
26 シール溝
27 シール部材
100 容器
101 突起部
102 係合凹部
Claims (9)
- 容器の注出口における外周面に嵌合するスカート壁と前記容器の注出口における内周面に接する内筒と、前記スカート壁と前記内筒とをつなぐ頂壁とを具備し、前記頂壁の上部に注出部を有する注出部材と、
前記内筒に少なくともその一部が接する挿入部を有する密封栓と、
を含んで構成される複合キャップ。 - 前記注出部の内表面が上方に向かい徐々に拡大するよう傾斜されてなる傾斜面を有している請求項1に記載の複合キャップ。
- 前記密封栓は、前記挿入部の上方に把持部を有している請求項1または2に記載の複合キャップ。
- 前記把持部の下方に延在する筒状シール部を有しており、前記筒状シール部は前記注出部の下部内面に密接される請求項3に記載の複合キャップ。
- 前記密封栓の前記挿入部の外周面には雄ねじ部が形成され、前記注出部材の前記内筒の内面には雌ねじ部が形成されてなる請求項1〜4のいずれか一項に記載の複合キャップ。
- 前記雌ねじ部のねじ山と前記雄ねじ部のねじ山は、互いの圧力側フランクの長さが遊び側フランクの長さより短い非対称形状を有してなる請求項5に記載の複合キャップ。
- 前記注出部材及び前記密封栓は樹脂材からなり、前記注出部材の樹脂硬度は、前記密封栓よりも高い樹脂硬度である請求項1〜6のいずれか一項に記載の複合キャップ。
- 前記スカート壁の内側壁には、前記容器の注出口に前記注出部材が嵌合した後に回転してしまうことを防止する係止突起が形成されてなる請求項1〜7のいずれか一項に記載の複合キャップ。
- 前記容器には非常圧状態で前記内容物が貯蔵される請求項1〜8のいずれか一項に記載の複合キャップ。
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