JP2018058209A - 接合体およびその製造方法、並びに半導体モジュール - Google Patents
接合体およびその製造方法、並びに半導体モジュール Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018058209A JP2018058209A JP2016193464A JP2016193464A JP2018058209A JP 2018058209 A JP2018058209 A JP 2018058209A JP 2016193464 A JP2016193464 A JP 2016193464A JP 2016193464 A JP2016193464 A JP 2016193464A JP 2018058209 A JP2018058209 A JP 2018058209A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nickel
- joined
- layer
- component
- particles
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
- Powder Metallurgy (AREA)
- Die Bonding (AREA)
Abstract
【解決手段】接合体は、第一の金属層、ニッケル多孔体層、及び第二の金属層の順で接合されており、第一の金属層および第二の金属層は、それぞれ、ニッケル多孔体層と金属結合を介して接合されたニッケル含有膜を備えているとともに、ニッケル多孔体層とその両側のニッケル含有膜とによって接合層が形成されている。接合層のせん断強度は20MPa以上である。この接合体は、例えば電力変換装置、電力制御装置、電力供給装置等に用いられるパワーデバイス用半導体モジュールに適用され得る。
【選択図】図1
Description
前記第一の金属層及び前記第二の金属層は、それぞれ、前記ニッケル多孔体層と金属結合を介して接合されたニッケル含有膜を備えているとともに、前記ニッケル多孔体層とその両側の前記ニッケル含有膜とによって接合層が形成されており、
前記接合層のせん断強度が20MPa以上であることを特徴とする。
A)レーザー回折/散乱法による平均粒子径が0.5〜20μmの範囲内であり、ニッケル元素を50重量%以上含有するニッケル粒子、
B)走査型電子顕微鏡観察による平均一次粒子径が20〜60nmの範囲内であり、ニッケル元素を50重量%以上含有するニッケル微粒子、
を含有し、前記成分A及び成分Bの重量比(成分A:成分B)が20:80〜80:20の範囲内であってもよい。
前記塗布膜上に、ニッケル含有膜を有する第2の被接合部材を積層して積層体を形成する工程、
前記積層体を、200℃から320℃の範囲内の温度で加熱し、前記ニッケル粒子の焼結体を形成してニッケル多孔体層を形成するとともに、前記第1の被接合部材のニッケル含有膜と前記ニッケル多孔体層、並びに、前記第2の被接合部材のニッケル含有膜と前記ニッケル多孔体層を、それぞれ金属結合を介して接合させて、前記第1の被接合部材、前記ニッケル多孔体層及び前記第2の被接合部材が、この順に接合された接合体を形成する工程、
を含んでいてもよい。
A)レーザー回折/散乱法による平均粒子径が0.5〜20μmの範囲内であり、ニッケル元素を50重量%以上含有するニッケル粒子、
B)走査型電子顕微鏡観察による平均一次粒子径が20〜60nmの範囲内であり、ニッケル元素を50重量%以上含有するニッケル微粒子、
を含有し、前記成分A及び成分Bの重量比(成分A:成分B)が20:80〜80:20の範囲内であってもよい。
[接合体]
本実施の形態の接合体は、第一の金属層、ニッケル多孔体層、及び第二の金属層の順で接合されたものである。
被接合部材である第一の金属層は、その形状は限定しないが、例えば、Si、SiCなどを主成分とする半導体材料によって形成されている半導体素子の、少なくとも片面(ニッケル多孔体層と接合する側の面)に設けられていることが好ましい。このような半導体素子は、例えば、電力変換装置、電力制御装置、電力供給装置等に用いられるパワーデバイス用半導体モジュールに組み込まれるものである。
また、前記ニッケル含有膜には、ニッケル原子が含有していれば、その含有率は限定しないが、含有率が多い程、ニッケル多孔体との接合強度が高くなるため好ましい。例えば、原子数濃度として、50%以上であることが好ましく、より好ましくは75%以上である。ここで、ニッケル含有膜中のニッケル原子の含有率は、例えば、X線光電子分光分析法(XPS)、エネルギー分散型X線分析法(EDX)、電子プローブマイクロアナリシス法(EPMA)で測定することができる。
ニッケル多孔体層は、ニッケル粒子の焼結体であることが好ましい。ニッケル多孔体層の形成に使用するニッケル粒子については、後述する。
他の被接合部材である第二の金属層としては、その形状は限定しないが、例えばCu(銅)などの導電性金属による回路、配線、リードフレームと呼ばれる金属薄板などの、少なくとも片面(ニッケル多孔体層と接合する側の面)に設けられていることが好ましい。前記第二の金属層には、ニッケル含有膜を備えている。金属層に設けられるニッケル含有膜の材質としては、例えばNi単独、又はNiと、Ti,TiW,TiN,Cr,Pd,V等との合金などが好ましい。金属層のニッケル含有膜は、例えばめっき、蒸着、スパッタ等の方法で接合前に形成しておくことが好ましい。また、金属層は、ニッケル含有膜の下地層として、例えばAu,Cu,Pd,Ag等の材質の層を有していてもよい。
また、前記ニッケル含有膜には、ニッケル原子が含有していれば、その含有率は限定しないが、含有率が多い程、ニッケル多孔体との接合強度が高くなるため好ましい。例えば、原子数濃度として、50%以上であることが好ましく、より好ましくは75%以上である。ここで、ニッケル含有膜中のニッケル原子の含有率は、例えば、X線光電子分光分析法(XPS)、エネルギー分散型X線分析法(EDX)、電子プローブマイクロアナリシス法(EPMA)で測定することができる。
接合層は、ニッケル多孔体層とその両側のニッケル含有膜とによって形成されている。接合層のせん断強度は20MPa以上であり、25MPa以上であることが好ましく、35MPa以上であることがより好ましい。本実施の形態の接合体では、半導体素子と金属層のそれぞれにおいて、ニッケル多孔体層に接する側に予めニッケル含有膜を設けているため、各ニッケル含有膜とニッケル多孔体層との間で金属結合を形成することができる。その結果、例えば320℃の焼成温度で接合させた場合でも、接合層のせん断強度を上記のように高くすることができる。
本実施の形態の半導体モジュールは、上記接合体を備えたものである。本実施の形態の半導体モジュールは、例えば電力変換装置、電力制御装置、電力供給装置等に用いられるパワーデバイス用半導体モジュールであることが好ましい。
次に、接合体の製造方法について説明する。本実施の形態の接合体の製造方法は、以下の工程i〜iii;
工程i)ニッケル含有膜を有する第1の被接合部材上に、ニッケル粒子を含有するペーストを塗布して塗布膜を形成する工程、
工程ii)塗布膜上に、ニッケル含有膜を有する第2の被接合部材を積層して積層体を形成する工程、
工程iii)積層体を、200℃から320℃の範囲内の温度で加熱し、ニッケル粒子の焼結体を形成してニッケル多孔体層を形成するとともに、第1の被接合部材のニッケル含有膜とニッケル多孔体層、及び、第2の被接合部材のニッケル含有膜とニッケル多孔体層を、それぞれ金属結合を介して接合させて、第1の被接合部材、ニッケル多孔体層及び第2の被接合部材が、この順に接合された接合体を形成する工程、
を含んでいる。本実施の形態において、第1の被接合部材と第2の被接合部材は、第1の被接合部材がニッケル含有膜を有する半導体素子であり、第2の被接合部材がニッケル含有膜を有する金属層である組み合わせ、又は、第1の被接合部材がニッケル含有膜を有する金属層であり、第2の被接合部材がニッケル含有膜を有する半導体素子である組み合わせを含むことができる。
工程iでは、ニッケル含有膜を有する第1の被接合部材上に、ニッケル粒子を含有するペースト(以下、「ニッケル粒子含有ペースト」と記すことがある)を塗布して塗布膜を形成する。
工程iで用いるニッケル粒子含有ペーストは、ニッケル粒子を含有し、該ニッケル粒子は、次の成分A及び成分B;
A)レーザー回折/散乱法による平均粒子径が0.5〜20μmの範囲内であり、ニッケル元素を50重量%以上含有するニッケル粒子、
B)走査型電子顕微鏡観察による平均一次粒子径が20〜60nmの範囲内であり、ニッケル元素を50重量%以上含有するニッケル微粒子、
を含有するものであることが好ましい。
成分Aのニッケル粒子は、加熱よる接合層形成時の体積収縮を抑制する観点から、レーザー回折/散乱法による平均粒子径が0.5〜20μmの範囲内であることが好ましい。成分Aのニッケル粒子の平均粒子径が0.5μm未満であると、加熱による接合層形成時において体積収縮が大きくなり、被接合部材同士が十分に接合しない場合がある。一方、成分Aのニッケル粒子の平均粒子径が20μmを超えると、被接合部材上に塗布性の悪化や、接合層厚みの調整が困難となる場合がある。
成分Bのニッケル微粒子は、走査型電子顕微鏡観察による平均一次粒子径が20〜60nmの範囲内である。成分Bのニッケル微粒子の平均一次粒子径が20nm未満であると、ニッケル微粒子が凝集しやすくなり、成分Aのニッケル粒子との均一な混合が困難となる。一方、成分Bのニッケル微粒子の平均一次粒子径が60nmを超えると、200℃から320℃の範囲内の温度で焼結させる場合に、ニッケル微粒子間もしくはニッケル微粒子と成分Aのニッケル粒子との焼結能力が不十分であり、接合強度の低下を招く。なお、本明細書において、成分Bのニッケル微粒子の一次粒子の平均粒子径は、実施例で用いた値を含めて、電界放出形走査電子顕微鏡(Field Emission−Scanning Electron Microscope:FE−SEM)により試料の写真を撮影して、その中から無作為に200個を抽出してそれぞれの面積を求め、真球に換算したときの粒子径を個数基準として算出した値である。
工程1)カルボン酸ニッケル及び1級アミンを含む混合物を、100℃〜165℃の範囲内の温度に加熱して錯化反応液を得る錯化反応液生成工程、
及び、
工程2)該錯化反応液を、マイクロ波照射によって170℃以上の温度に加熱して該錯化反応液中のニッケルイオンを還元し、1級アミンで被覆されたニッケル微粒子のスラリーを得るニッケル微粒子スラリー生成工程、を含むことができる。
カルボン酸ニッケル:
カルボン酸ニッケル(カルボン酸のニッケル塩)は、カルボン酸の種類を限定するものではなく、例えば、カルボキシル基が1つのモノカルボン酸であってもよく、また、カルボキシル基が2つ以上のカルボン酸であってもよい。また、非環式カルボン酸であってもよく、環式カルボン酸であってもよい。このようなカルボン酸ニッケルとして、非環式モノカルボン酸ニッケルを好適に用いることができる。非環式モノカルボン酸ニッケルのなかでも、例えばギ酸ニッケル、酢酸ニッケル、プロピオン酸ニッケル、シュウ酸ニッケル、安息香酸ニッケル等を用いることがより好ましい。これらの非環式モノカルボン酸ニッケルを用いることによって、例えば、得られるニッケル微粒子は、その形状のばらつきが抑制され、均一な形状として形成されやすくなる。カルボン酸ニッケルは、無水物であってもよく、また水和物であってもよい。
1級アミンは、ニッケルイオンとの錯体を形成することができ、ニッケル錯体(又はニッケルイオン)に対する還元能を効果的に発揮する。一方、2級アミンは立体障害が大きいため、ニッケル錯体の良好な形成を阻害するおそれがあり、3級アミンはニッケルイオンの還元能を有しないため、いずれも単独では使用できないが、1級アミンを使用する上で、生成するニッケル微粒子の形状に支障を与えない範囲でこれらを併用することは差し支えない。1級アミンは、ニッケルイオンとの錯体を形成できるものであれば、特に限定するものではなく、常温で固体又は液体のものが使用できる。ここで、常温とは、20℃±15℃をいう。常温で液体の1級アミンは、ニッケル錯体を形成する際の有機溶媒としても機能する。なお、常温で固体の1級アミンであっても、100℃以上の加熱によって液体であるか、又は有機溶媒を用いて溶解するものであれば、特に問題はない。
工程1では、均一溶液での反応をより効率的に進行させるために、1級アミンとは別の有機溶媒を新たに添加してもよい。有機溶媒を用いる場合、有機溶媒をカルボン酸ニッケル及び1級アミンと同時に混合してもよいが、カルボン酸ニッケル及び1級アミンを先ず混合し錯形成した後に有機溶媒を加えると、1級アミンが効率的にニッケル原子に配位するので、より好ましい。使用できる有機溶媒としては、1級アミンとニッケルイオンとの錯形成を阻害しないものであれば、特に限定するものではなく、例えば炭素数4〜30のエーテル系有機溶媒、炭素数7〜30の飽和又は不飽和の炭化水素系有機溶媒、炭素数8〜18のアルコール系有機溶媒等を使用することができる。また、マイクロ波照射による加熱条件下でも使用を可能とする観点から、使用する有機溶媒は、沸点が170℃以上のものを選択することが好ましく、より好ましくは200〜300℃の範囲内にあるものを選択することがよい。このような有機溶媒の具体例としては、例えばテトラエチレングリコール、n−オクチルエーテル等が挙げられる。
本工程では、カルボン酸ニッケルと1級アミンとの錯形成反応によって得られた錯化反応液を、マイクロ波照射によって170℃以上の温度に加熱し、錯化反応液中のニッケルイオンを還元して1級アミンで被覆されたニッケル微粒子スラリーを得る。マイクロ波照射によって加熱する温度は、得られるニッケル微粒子の形状のばらつきを抑制するという観点から、好ましくは180℃以上、より好ましくは200℃以上とすることがよい。加熱温度の上限は特にないが、処理を能率的に行う観点からは例えば270℃以下とすることが好適である。なお、マイクロ波の使用波長は、特に限定するものではなく、例えば2.45GHzである。また、加熱温度は、例えばカルボン酸ニッケルの種類やニッケル微粒子の核発生を促進させる添加剤の使用などによって、適宜調整することができる。
工程iで用いるニッケル粒子含有ペーストは、さらに有機バインダーを含有することが好ましい(成分C)。有機バインダーは、成分Aのニッケル粒子と成分Bのニッケル微粒子とを連結させ、両者を近接した状態に置くことによって、接合層を塊状にする作用を有する。本実施の形態で用いるニッケル粒子含有ペーストでは、マイクロメートルサイズの粒子とナノメートルサイズの微粒子を含むことから、粒子サイズの相違によって、均一粒子に比べて凝集が生じにくく、粒子どうしの接点が少ない。そこに成分Cの有機バインダーを添加すると、粒子どうしの連結が広範囲にわたって形成される。そして、成分Cの有機バインダーによって成分Aのニッケル粒子と成分Bのニッケル微粒子との広範囲の連結状態を維持したまま、焼成を行うことによって、高い接合強度を有する塊状の接合層が得られる。
工程iで用いるニッケル粒子含有ペーストは、成分A及び成分Bの重量比(成分A:成分B)が20:80〜80:20の範囲内であり、より好ましくは、40:60〜80:20の範囲内であり、さらに好ましくは、50:50〜80:20の範囲内である。上記範囲よりも成分Aのニッケル粒子の割合が高くなると、焼結されていないニッケル粒子が増えることにより、接合層としての強度不足が生じる。一方、上記範囲よりも成分Aのニッケル粒子の割合が低くなると、接合層全体の体積収縮が大きくなり、この場合もまた十分な接合強度が得られない。
工程iでは、ニッケル粒子含有ペーストを第1の被接合部材である半導体素子又は金属層のニッケル含有膜上に塗布して塗布膜を形成する。塗布工程では、例えばスプレー塗布、インクジェット塗布、印刷等の方法を採用できる。ニッケル粒子含有ペーストは、目的に応じて、例えばパターン状、アイランド状、メッシュ状、格子状、ストライプ状など任意の形状に塗布することができる。塗布工程では、塗布膜の厚みが、例えば50〜200μmの範囲内となるように、接合材を塗布することが好ましい。このような厚みで塗布をすることで、接合部分の欠陥を少なくできるため、電気抵抗の上昇や接合強度の低下を防止できる。
工程iiでは、工程iで得られた塗布膜上に、ニッケル含有膜を有する第2の被接合部材を積層して積層体を形成する。ここでは、第2の被接合部材のニッケル含有膜が塗布膜に接するように積層する。塗布膜は、第1の被接合部材のニッケル含有膜上に形成されているため、積層体は、第1の被接合部材のニッケル含有膜/塗布膜/第2の被接合部材のニッケル含有膜の順に積層された構造を有するものとなる。
なお、上記のとおり、第1の被接合部材がニッケル含有膜を有する半導体素子である場合、第2の被接合部材はニッケル含有膜を有する金属層である。また、第1の被接合部材がニッケル含有膜を有する金属層である場合、第2の被接合部材はニッケル含有膜を有する半導体素子である。
工程iiiでは、工程iiで得られた積層体を、200℃から320℃の範囲内の温度で加熱し、ニッケル粒子の焼結体を形成してニッケル多孔体層を形成するとともに、第1の被接合部材のニッケル含有膜とニッケル多孔体層、及び、第2の被接合部材のニッケル含有膜とニッケル多孔体層を、それぞれ金属結合を介して接合させて、第1の被接合部材、ニッケル多孔体層及び第2の被接合部材が、この順に接合された接合体を形成する。
成分Aとして使用されるNi粒子の平均粒子径の測定は、レーザー回折/散乱法によって行った。装置は株式会社セイシン企業製LMS−30を用い、水を分散媒としてフローセル中で測定した。
成分Bとして使用されるNi微粒子の平均一次粒子径の測定は、電界放出形走査電子顕微鏡(Field Emission−Scanning Electron Microscope:FE−SEM)により試料の写真を撮影して、その中から無作為に200個を抽出してそれぞれの面積を求め、真球に換算したときの粒子径を個数基準として一次粒子の平均粒子径を算出した。
焼結性試験用サンプルの焼成は、小型イナートガスオーブン(光洋サーモシステム社製、商品名;KLO−30NH)を使用し、3%水素及び97%窒素の混合ガスを流量5L/分でフローしながら、昇温速度5℃/分で、常温から所定の焼成温度まで昇温した後、所定の時間保持した。
ステンレス製マスク(マスク幅;2.0mm×長さ;2.0mm×厚さ;0.10mm)を用いて、NiペーストをCu基板(幅;10mm×長さ;10mm×厚さ;1.0mm)のNiをめっきした側の表面上に塗布して塗布膜を形成した後、その塗布膜の上に、Siダイ(幅;2.0mm×長さ;2.0mm×厚さ;0.40mm)のNiをスパッタした側の表面を前記塗布膜に接して搭載し、前記焼成方法により、焼成を行った。なお、Cu基板は、Cu基板表面にNiを4μmの厚みでめっきしたものであり、Siダイは一方の表面にTi/Niの順でスパッタしたものである。Cu基板におけるニッケル含有膜(ニッケルメッキ層)中のニッケル原子の含有率は、原子数濃度として90〜92%であった。Siダイにおけるニッケル含有膜(ニッケルスパッタ層)中のニッケル原子の含有率は、原子数濃度として98%以上であった。
Cu基板表面にNi/Auをそれぞれ4μm/40〜50nmの厚みでめっきしたもの、またSiダイは、一方の表面にTi/Ni/Auの順でスパッタしたものである以外は[接合体の作製方法1]と同様にして作製した。
得られた接合サンプル(接合層の厚さ;50μm程度)を接合強度試験機(デイジ・ジャパン社製、商品名;ボンドテスター4000)により、せん断強度を測定した。Siダイ側面からボンドテスターツールを、基板からの高さ50μm、ツール速度100μm/秒で押圧し、接合層又は接合サンプルの構成材料がせん断破壊したときの荷重をせん断強度(シェア強度)とした。
[接合体の作製方法1]と同様に作製した接合サンプルを、エポキシ樹脂により包埋後、断面加工を施し、FE−SEMにて観察した。
182重量部のオレイルアミンに18.5重量部のギ酸Ni二水和物を加え、窒素フロー下、120℃で10分間加熱することによって、ギ酸Niを溶解させて錯化反応液を得た。次いで、その錯化反応液に、121重量部のオレイルアミンを加え、マイクロ波を用いて180℃で10分間加熱することによって、Ni微粒子スラリー1を得た。
[ペースト1の調製とせん断強度評価]
Ni分散液1を218重量部分取し、これに、220重量部のNi粒子1(関東化学工業株式会社製、商品名;ニッケル(粉末)、レーザー回折/散乱法による平均粒子径;9.8μm、ニッケル元素の含有量;ニッケル粒子全体に対して99重量%以上)、20.0重量部のα−テルピネオール、9.2重量部の1−ウンデカノール、2.8重量部のバインダー樹脂1(積水化学工業株式会社製、商品名:エスレックBH−A)を混合し、エバポレータにて60℃、100hPaで濃縮を行い、399重量部のペースト1(固形分濃度92.0重量%)を調製した。
ペースト1を上記[接合体の作製方法1]、[せん断強度の評価]に従い、接合試験サンプルを250℃、60minで作製し、せん断強度を評価した結果、45.2MPaと良好な強度が得られた。結果を表1に示す。さらに、上記[接合サンプルの断面SEM観察]の方法に従い、接合体におけるSiダイ側の断面SEM観察(倍率×50、000)を実施した結果を図1に示す。SiダイのNiスパッタ層とNi接合層が十分に焼結している状態が示されている。
ペースト1を上記[接合体の作製方法1]、[せん断強度の評価]に従い、接合試験サンプルを220℃、60minで作製し、せん断強度を評価した結果、25.1MPaと良好な強度が得られた。結果を表1に示す。
[ペースト2の調製とせん断強度評価]
Ni分散液1を105重量部分取し、これに、213重量部のNi粒子1、16.0重量部のα−テルピネオール、16.0重量部の1−ウンデカノール、3.2重量部のバインダー樹脂1を混合し、エバポレータにて60℃、100hPaで濃縮を行い、319重量部のペースト2(固形分濃度89.0重量%)を調製した。
[ペースト3の調製とせん断強度評価]
Ni分散液1を202重量部分取し、これに、136重量部のNi粒子1、7.2重量部のα−テルピネオール、7.2重量部の1−ウンデカノール、1.5重量部のバインダー樹脂1を混合し、エバポレータにて60℃、100hPaで濃縮を行い、288重量部のペースト3(固形分濃度94.5重量%)を調製した。
[ペースト3のせん断強度評価]
ペースト3を上記[接合体の作製方法2]、[せん断強度の評価]に従い、接合試験サンプルを220℃、60minで作製し、せん断強度を評価した結果、13.7MPaとはんだには劣る接合強度であった。結果を表1に示す。
Claims (8)
- 第一の金属層、ニッケル多孔体層、及び第二の金属層の順で接合された接合体であって、
前記第一の金属層及び前記第二の金属層は、それぞれ、前記ニッケル多孔体層と金属結合を介して接合されたニッケル含有膜を備えているとともに、前記ニッケル多孔体層とその両側の前記ニッケル含有膜とによって接合層が形成されており、
前記接合層のせん断強度が20MPa以上であることを特徴とする、接合体。 - 前記ニッケル多孔体層がニッケル粒子の焼結体である、請求項1に記載の接合体。
- 前記ニッケル粒子が、次の成分A及び成分B;
A)レーザー回折/散乱法による平均粒子径が0.5〜20μmの範囲内であり、ニッケル元素を50重量%以上含有するニッケル粒子、
B)走査型電子顕微鏡観察による平均一次粒子径が20〜60nmの範囲内であり、ニッケル元素を50重量%以上含有するニッケル微粒子、
を含有し、
前記成分A及び成分Bの重量比(成分A:成分B)が20:80〜80:20の範囲内である、請求項2に記載の接合体。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の接合体を備え、前記第一の金属層が、半導体素子を構成する部材である半導体モジュール。
- 前記半導体素子がシリコンまたはシリコンカーバイドを主成分とする半導体材料によって形成されたものである、請求項4に記載の半導体モジュール。
- ニッケル含有膜を有する第1の被接合部材上に、ニッケル粒子を含有するペーストを塗布して塗布膜を形成する工程、
前記塗布膜上に、ニッケル含有膜を有する第2の被接合部材を積層して積層体を形成する工程、
前記積層体を、200℃から320℃の範囲内の温度で加熱し、前記ニッケル粒子の焼結体を形成してニッケル多孔体層を形成するとともに、前記第1の被接合部材のニッケル含有膜と前記ニッケル多孔体層、並びに、前記第2の被接合部材のニッケル含有膜と前記ニッケル多孔体層を、それぞれ金属結合を介して接合させて、前記第1の被接合部材、前記ニッケル多孔体層及び前記第2の被接合部材が、この順に接合された接合体を形成する工程、
を含む、接合体の製造方法。 - 前記第1の被接合部材と前記第2の被接合部材が、半導体素子と金属層の組み合わせ、又は、金属層と半導体素子の組み合わせである請求項6に記載の接合体の製造方法。
- 前記ニッケル粒子が、次の成分A及び成分B;
A)レーザー回折/散乱法による平均粒子径が0.5〜20μmの範囲内であり、ニッケル元素を50重量%以上含有するニッケル粒子、
B)走査型電子顕微鏡観察による平均一次粒子径が20〜60nmの範囲内であり、ニッケル元素を50重量%以上含有するニッケル微粒子、
を含有し、
前記成分A及び成分Bの重量比(成分A:成分B)が20:80〜80:20の範囲内である、請求項6又は7に記載の接合体の製造方法。
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015195248 | 2015-09-30 | ||
JP2015195248 | 2015-09-30 | ||
JP2016190156 | 2016-09-28 | ||
JP2016190156 | 2016-09-28 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018058209A true JP2018058209A (ja) | 2018-04-12 |
JP6938125B2 JP6938125B2 (ja) | 2021-09-22 |
Family
ID=61909427
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016193464A Active JP6938125B2 (ja) | 2015-09-30 | 2016-09-30 | 接合体およびその製造方法、並びに半導体モジュール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6938125B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020077761A (ja) * | 2018-11-08 | 2020-05-21 | 日本特殊陶業株式会社 | 静電チャック |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009094385A (ja) * | 2007-10-11 | 2009-04-30 | Mitsubishi Electric Corp | 半導体装置およびその製造方法 |
WO2014208690A1 (ja) * | 2013-06-28 | 2014-12-31 | 古河電気工業株式会社 | 接続構造体、及び半導体装置 |
-
2016
- 2016-09-30 JP JP2016193464A patent/JP6938125B2/ja active Active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009094385A (ja) * | 2007-10-11 | 2009-04-30 | Mitsubishi Electric Corp | 半導体装置およびその製造方法 |
WO2014208690A1 (ja) * | 2013-06-28 | 2014-12-31 | 古河電気工業株式会社 | 接続構造体、及び半導体装置 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020077761A (ja) * | 2018-11-08 | 2020-05-21 | 日本特殊陶業株式会社 | 静電チャック |
JP7202852B2 (ja) | 2018-11-08 | 2023-01-12 | 日本特殊陶業株式会社 | 静電チャック |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6938125B2 (ja) | 2021-09-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN107848077B (zh) | 含金属微粒的组合物 | |
JP6422289B2 (ja) | ニッケル粒子組成物、接合材及び接合方法 | |
JP6734775B2 (ja) | ニッケル粒子組成物、接合材及びそれを用いた接合方法 | |
JP5667191B2 (ja) | Co前駆体を含む金属ペースト | |
JP6061427B2 (ja) | 電子部品の接合材、接合用組成物、接合方法、及び電子部品 | |
KR100841665B1 (ko) | 동 미립자 소결체형의 미세 형상 도전체의 형성 방법, 그방법을 응용한 동미세 배선 및 동박막의 형성 방법 | |
TWI651149B (zh) | 金屬接合用組成物 | |
JP6037893B2 (ja) | 金属微粒子組成物、接合材、電子部品、接合層の形成方法、導体層の形成方法及びインク組成物 | |
KR102559500B1 (ko) | 산화구리 잉크 및 이것을 이용한 도전성 기판의 제조 방법, 도막을 포함하는 제품 및 이것을 이용한 제품의 제조 방법, 도전성 패턴을 갖는 제품의 제조 방법, 및 도전성 패턴을 갖는 제품 | |
JPWO2006011180A1 (ja) | 導電性金属ペースト | |
JP6042747B2 (ja) | ニッケル微粒子、その使用方法及びニッケル微粒子の製造方法 | |
US20170278589A1 (en) | Metal oxide particles for bonding, sintering binder including same, process for producing metal oxide particles for bonding, and method for bonding electronic components | |
JP5468885B2 (ja) | 導電性アルミニウムペースト | |
JP6463195B2 (ja) | ニッケル粒子組成物、接合材及びそれを用いた接合方法 | |
JP7164313B2 (ja) | ニッケル微粒子組成物、接合構造体及び接合方法 | |
JP6938125B2 (ja) | 接合体およびその製造方法、並びに半導体モジュール | |
US20230025330A1 (en) | Silver paste, and method of producing joined article | |
JP7245165B2 (ja) | 複合体粒子及びその製造方法、複合体粒子組成物、接合材及び接合方法、並びに接合体 | |
JP6861073B2 (ja) | ニッケル被覆銅粒子、接合材及び接合方法 | |
JP6126426B2 (ja) | 接合方法 | |
JP2020105339A (ja) | 錫又は酸化錫インク、塗膜を含む製品及び導電性基板の製造方法 | |
JP2017128782A (ja) | ニッケル微粒子含有組成物及び接合材 | |
JP2021048012A (ja) | 分散体及びこれを用いた導電性パターン付構造体の製造方法 | |
JP2015194415A (ja) | ニッケル微粒子 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190822 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20200629 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200728 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200928 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210302 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210422 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210831 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210901 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6938125 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |