JP2018058088A - コイル状鋼板の冷却方法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、高温巻き取りしたハイテン材は酸洗性が極めてわるく、生産性を阻害するという課題がある。
酸洗性が悪い理由として下記が考えられる。Si,Mn,Alを含有するハイテン材は高温での巻き取り状態でSi,Mn,Alの内部酸化が生ずる。内部酸化とは鋼材表面から近傍の金属状態の鋼の内部にSi,Mn及びAlの酸化物が分散している状態である。Si,Mn,Alの酸化物はそれぞれ単独の酸化物の場合もあり、それらの二種以上が複合した酸化物の場合もある。それらの酸化物は鋼の結晶粒界に分布する場合や、結晶粒内に分布する場合もある。結晶粒界に分布する場合を粒界酸化と呼ぶこともあるが、ここでは粒界酸化も含めて内部酸化と総称する。この内部酸化は、酸化スケールが酸化源となって鋼内のSi,Mn,Alを酸化させることによって生じる(図1参照)。これらの酸化物が鋼内部に生成する内部酸化の形態をとる。このような酸化物を含む内部酸化層は、表面の酸化スケールより深い鋼内部にあって、これを除去するには長時間の酸洗が必要となる。例えば、低速での通板、あるいは2回以上の酸洗等が必要である。
特許文献1は、熱延鋼板や溶融めっき熱延鋼板の化成処理性や溶融めっき性の向上を図ろうとするものであるが、めっき不良の原因が、酸洗後の熱延鋼板の表面にSiやMn,P等の酸化物が残存することが本質的な原因であると考え、これを解決するために、鋼表層近傍に内部酸化層を形成させて、内部酸化層内部に鋼表面のSiやMn,P等を閉じこめることによって、めっき性等を向上させている。すなわち、特許文献1は、積極的に内部酸化層を生成させることを提案している。なお、具体的には、特許文献1では、熱延鋼板を黒皮スケールまま、還元の起きない雰囲気、例えば100%窒素の雰囲気で、650〜950℃で熱処理している。
[1]
質量%で0.5%≦Si≦3.5%, 0.5%≦Mn≦5.0%, 0.5%≦Al≦5.0%,の1種または2種以上を合計で0.5%以上5.0%以下の範囲で含有し、さらに0.05〜0.8質量%のCを含有する鋼板を、熱間圧延し600〜900℃の温度範囲でコイル状に巻き取り冷却する際に、巻き取り後30分以内に当該コイルを絶対圧力で10kPa以下の圧力状態とし、最外周の鋼板温度が500℃以下になるまで、当該圧力状態で冷却することを特徴とするコイル状鋼板の冷却方法。
[2]
前記絶対圧力が1kPa以下であることを特徴とする項目1に記載の方法。
スケールが付着した600℃以上の鋼材では、スケール(FeO等を含む)に含まれる酸素(O)と鋼に含まれる炭素(C)とが、スケール/鋼界面で反応して、COやCO2のガスが発生する。界面で生成したCOガスとCO2ガスは、スケールを透過し、コイル状で巻かれた熱延鋼板の板どうしの間に滞留する。
これらのCOやCO2のガスはスケールとの間で酸素(O)を授受しながら、スケールの主組成であるFeOとの間で下記の化学平衡に達する。
CO+FeO = CO2+Fe
ここで、Fe(綱材)とFeO(スケール)が十分に存在しているため、FeとFeOは化学平衡に達し、これに応じてCOとCO2も化学平衡に達する。即ちCOガスの分圧とCO2ガスの分圧の比は、FeOとFeが平衡するCO2分圧とCO分圧の比になる。この化学平衡反応を通じて、酸素(O)の授受が安定的に行われ、酸素分圧または酸素ポテンシャルが高く維持される。
この高い酸素分圧または酸素ポテンシャルのために、酸素(O)が鋼内部へ内方拡散し、鋼中のSi、MnおよびAlと反応して、内部酸化が深く進行する。
COとCO2が存在しない場合には、CO、CO2を介して酸素(O)が供給されず、酸素(O)はスケール(FeO)から鋼に直接的に供給されることになる。鋼中に存在するSi、MnおよびAlが、スケール(FeO)から供給された酸素(O)と反応して、すなわち酸素(O)は消費され、スケールと鋼の界面では酸素分圧または酸素ポテンシャルが低い状態になる。このような状態では、Feが安定的に存在することができ、スケール/鋼界面には還元されたFeが分布する。Feは当然のことながら酸素(O)を有しておらず、酸素(O)を供給することもできない。その結果、内部酸化が進行しなくなる。このように、コイル状に巻かれた鋼板の板間に滞留するCOとCO2のガスを、系外に排出することにより、内部酸化を抑制できることを本発明者が知見した。
本発明例No.1〜4では、本発明で特定される温度、時間、圧力の条件を満たしており、内部酸化は認められなかった。
Claims (2)
- 質量%で0.5%≦Si≦3.5%, 0.5%≦Mn≦5.0%, 0.5%≦Al≦5.0%,の1種または2種以上を合計で0.5%以上5.0%以下の範囲で含有し、さらに0.05〜0.8質量%のCを含有する鋼板を、熱間圧延し600〜900℃の温度範囲でコイル状に巻き取り冷却する際に、巻き取り後30分以内に当該コイルを絶対圧力で10kPa以下の圧力状態とし、最外周の鋼板温度が500℃以下になるまで、当該圧力状態で冷却することを特徴とするコイル状鋼板の冷却方法。
- 前記絶対圧力が1kPa以下であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
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JP2016197488A JP6717151B2 (ja) | 2016-10-05 | 2016-10-05 | コイル状鋼板の冷却方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109338231A (zh) * | 2018-12-06 | 2019-02-15 | 山西太钢不锈钢股份有限公司 | 一种园林工具用热轧卷板及其制造方法 |
JP7557146B2 (ja) | 2020-11-06 | 2024-09-27 | 日本製鉄株式会社 | 内部酸化開始温度推定装置、内部酸化層厚み推定装置、内部酸化開始温度推定方法、及びプログラム |
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