JP2018057419A - 矯正具及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】足の骨格の形状的な矯正だけではなく、足のアーチ形状を形成する足本来の機能自体を補強して特にアーチの崩れを防止すし歩行機能を改善する矯正具を提供する。
【解決手段】インソールIS等に、一方が母趾の第1基節骨底の内側に付着し、他方は立方骨、第三楔状骨、第二〜第五中足骨に付着している拇趾内転筋斜頭の筋腹の一部を圧迫する拇趾内転筋斜頭凸部Sを設けるとともに、拇趾内転筋斜頭の起始部側の立方骨粗面寄りの近位部を頂点とする立方骨凸部Rを設け母趾内転筋斜頭を収縮しやすい状態にする。
【選択図】図3

Description

本発明は、矯正具及びその製造方法に関し、より詳しくは、足裏の的確な部位を圧迫或いは刺激することにより歩行動作を改善するインソールなどの矯正具及びその製造方法に関する。
最近、靴用の様々なインソールが脚光を浴びている。これは、多様化する現代社会において足や歩行に起因する様々な不調を訴える人が増加しており、その効果的な対処策として用いられているからである。
即ち、人体における足は、歩いたり走ったりするときに体重を支えて身体を前方へ移動するだけではなく、同時にその衝撃吸収も行っている。従って、その衝撃吸収能力などの機能が低下すれば、運動能力が低下するばかりでなく、足や身体の各関節(膝、股関節、腰椎など)の痛みなどの不調が生じるので、この衝撃吸収能力などの足機能を補強するインソールが効果的だからである。
ここで、足機能とは、図11に示す足の骨格において足裏の土踏まずに対応する部分が足の甲側に向って3つのアーチ形状即ち内側縦アーチA1、外側縦アーチA2、横アーチA3(図11中点線で示す)を形成していて、このアーチA1、A2、A3によって足の動作に対応した次のような様々な作用を行う能力のことである。
・歩行時等に足に加わる衝撃を吸収する。
・歩行やランニングなどの運動の際に、動く力を地面に確実に伝える。
・立った状態で姿勢をしっかり安定させ、保持する。
図11において、以下の説明に供する足10の骨の構成を説明する。足10は、大きく分けて、足首・かかとを形づくる足根骨10aと、足の指を形成する趾骨10bと、足根骨10aと趾骨10bとの間にあって両者を繋ぐ役割の中足骨10cとから構成されている。当該中足骨10cは図に示す通り長い5本の骨であり、第1〜第5中足骨26,28,30,32,34と称されている。
前記足根骨10aは、踵骨12・距骨14と、舟状骨16・第1〜第3楔状骨20,22,24と、立方骨18との7個からなり、距骨14には、すねを構成する腓骨、脛骨が連係している。前記第1〜第3中足骨26,28,30はそれぞれ3個の楔状骨20,22,24と関節を形成し,第4,5中足骨は立方骨18と関節を形成している。
趾骨10bは、親指(拇趾)が2個、他の指が3個の円柱状の小骨からなり、互いに関節で連なって中足骨10cに連接している。即ち、各指は第1〜第5基節骨36,38,40,42,44、第2〜第5中節骨46,48,50,52、第1〜第5末節骨54,56,58,60,62より構成されるが、足の親指には中節骨は欠けている。
前記足のアーチは、正常な配列において内側のアーチA1(内側縦アーチ:踵骨12⇒距骨14⇒舟状骨16⇒内側楔状骨20⇒第1中足骨26)と、外側のアーチA2(外側縦アーチ:踵骨16⇒立方骨18⇒第5中足骨34)と、足横アーチA3とから構成される。内側縦アーチA1は外側縦アーチA2よりも高い必要がある。そして、このアーチ構造、特に内側縦アーチA1は、運動時に踵からの衝撃を吸収するスプリングの働きをし、外側は体重を支えることに役立つ。
従って、例えば、アーチが過度に内側に倒れ高さが低下した「偏平足」の状態になると、アーチの崩れによる衝撃吸収機能の低下が足の疲れ、痛みなどの様々な足のトラブルを引き起こすことになる。
また、歩行時の蹴り出し動作は、足の前足部特に拇趾が基点となるので、アーチが所定の形状、機能を発揮することが必要であるが、アーチの形状が崩れると、蹴り出し方向が不安定となり、歩行動作に異常をきたすことに繋がる。
従って、これまでのインソールは、前記問題点に対処するため、特許文献1,2に開示されているように、そのアーチ形状を足裏から物理的に補完するものが多数提案されている。
また、アーチ形状を特許文献1,2のように直接的に補完するのではなく、アーチが崩れたことによる足骨格の位置ずれを、足骨格の中心的な骨格である立方骨18を正常な位置に戻すことによって足のバランスを整えるインソールが特許文献3に開示されている。このインソールは、立方骨18を正常な位置に戻すように矯正するものであり、立方骨18を支点として適度の運動を許容するようにしたものである。
特開平9−140405号公報 特開平9−224703号公報 特開2006−102335号公報
前記特許文献1,2のインソールは、足部が崩れている状態でアーチ部分を補おうとするので痛みや違和感を伴うことが多い。また、足部が甲高でアーチが高い足部に対しては、体重を掛けるとともにアーチが下がることが望ましいが、アーチを埋めるインソールではそれを妨げてしまう。そのため、より外側に荷重をした歩行や動作を強制させることに繋がり、膝の外側の痛みやくるぶしの外側の痛みなどを引き起こす可能性がある。
しかも、足のアーチ形状を補完するだけなので、歩行時における蹴り出しの際に基点となる前足部(特に拇趾、拇指球)に、蹴り出しの荷重が加わった場合に、その荷重によって蹴り出しの基点となる拇趾の移動を阻止する機能が十分でない。言い換えれば、足裏のアーチ形状が変容し、本来のアーチによって形成される「歩行時のテコとしての固い足部」が形成されず、地面に対し力を効率よく加えることができない。このため、歩行機能を十分回復させることが出来ない。
また、特許文献3のインソールは、足骨格の中心的な骨である立方骨を正常な位置に戻すことにより、外側コンパートメントの安定性には寄与するので、土台が安定し、内側コンパートメントも安定性と可動性とが向上すると考えられる。その点において、特許文献3のインソールは特許文献1,2のインソールとは異なる。しかし、前記と同様の理由で「歩行時のテコとしての固い足部」が形成されず、地面に対し力を効率よく加えることができない。従って、特許文献3のインソールでも正常な歩行機能を回復することは十分ではない。
特に、特許文献3のインソールは陸上競技やスポーツなどでの直線走動作では後足部が接地しない場面もあるため、そのような場合には立方骨支持凸部が足裏に十分な圧力で接しないことにより、インソールとしての役割を果たすことが出来ないことも考えられる。
前記特許文献1,2,3は、足の骨格が崩れて或いは変形しているので、これをインソールで補完して望ましい足骨格に戻すと言う考え方である。しかしながら、足の機能の低下は足骨格自体の崩れのみではなく、加齢、運動不足等による足回りの筋肉、靭帯、腱等の劣化、スポーツや歩き方の癖による筋肉、靭帯、腱等の機能変調など種々の原因が考えられ、足骨格を矯正するだけでは十分とは言えない。
本発明は、このような状況に鑑み成されたもので、足の骨格の形状的な矯正だけではなく、足のアーチ形状を形成する足本来の機能自体を補強して特にアーチの崩れを防止すると言うこれまでにはない技術的思想に基づいて成されたものである。
上記課題の解決は、以下に説明する本発明者の知見に基づくものである。図1は足の骨格を裏側から見た骨格図であって、図11と同一骨格は同一符号を付し、説明を省略する。同図において、横方向の筋肉Aは拇趾内転筋横頭であって、一方が母趾の第1基節骨36の骨底の内側に付着し、他方は第三〜第五の中足趾節関節包に付着している。
斜め方向の筋肉Bは拇趾内転筋斜頭であり、一方が母趾の第1基節骨底の内側に付着し、他方は立方骨18、第三楔状骨24、第二〜第五中足骨28,30,32,34に付着している。
母趾内転筋は、二頭筋で、足の骨格に前記の通り付着しているので、それぞれ足の縦アーチ、横アーチを作ることに寄与していると考えられている。また、拇趾を内転する作用を基本として、拇趾が外転するのを防いでいる。つまり、母趾内転筋には“足裏のアーチをつくる”という働きがあり、斜頭Bは土踏まずを、横頭Aは横アーチを主に作る作用を行っている。なお、拇趾の内転方向に力を入れた場合に、足のアーチが形成され、縦方向に膨らむ筋腹を確認することが出来る。
歩行動作において、蹴り出しは前足部Hが接地しているので、正常な歩行にはこれまで横アーチA3を所定通りに形成する拇趾内転筋横頭Aが重要と見られていた。
しかし、歩行における蹴り出し方向は前内向き(矢印Pで示す)方向であり、前足部Hの受ける反力は図1の縦方向ベクトルP1,横方向のベクトルP2から明らかなように縦方向のベクトルP1の方が大きい。
即ち、足の蹴り出し時の荷重ベクトルを考慮した場合、足の形状(テコとしての機能を果たす際の形状)を形成するためには、ベクトルP1に対抗するように、足を縦方向に収縮させる筋力を高めることが効果的である。
このように考えると、前記拇趾内転筋斜頭Bは少なくとも立方骨18から種子骨を経て拇趾基節骨36に付着し、その伸縮の方向はベクトルP1に対応する成分が主であるので、拇趾の固定には前記拇趾内転筋斜頭Bの収縮機能を高めることが効果的であるとの知見を本発明者は得た。つまり歩行時の蹴り出しに受ける衝撃に抗して足のアーチを崩さないためには、拇趾内転筋斜頭Bの収縮作用を活性化することが効果的であるとの知見である。このような知見は従来には示されておらず、全く新規なものである。
蹴り出し時における足への荷重について、念のために図2を用いて説明する。図2は医歯薬出版株式会社発行)の「筋骨格系のキネシオロジー」(2008年10月20日第1刷第7版)の第577頁に記載された「図15−30 歩行中の床反力」を引用した図面である。同2図は人体が左右の足でそれぞれ1歩分歩く時の歩行姿勢を示す図であって、同図の水平方向の数値0〜100は歩行周期(%)である。
本明細書においては、右足の踵を床につけた姿勢(歩行周期0%)から右足を床面に着けて左足の足先を床面に残した姿勢(歩行周期20%)までを第1歩行状態と定義する。また、逆に左足の踵を床につけた姿勢(歩行周期40〜50%)を第3歩行状態と、右足裏全面を床面に着けながら左足を前に踏み出す状態(歩行周期20〜40%)を第2歩行状態とそれぞれ定義して説明する。
正常な歩行は最初に踵を床に着けた第1歩行状態から、右足裏全面を床面に着けながら左足を前に踏み出す第2歩行状態を経て、踵を上げて前足部で床を蹴って前方への推力を得る第3歩行状態に至る。つまり、歩行は、足の母趾近辺の床接地部を基点としているので、拇趾がしっかりと固定されていなければ、歩行動作が安定しないことが明らかである。
歩行中は図2C,D,Eに示されるように各歩行周期に対して上方、前後、側方への床反力を受けている。例えば第1歩行状態では上方・後方・外方方向への床反力を受けているという事が理解できる。注目すべき歩行周期は第3歩行状態で、推進力を得るためにrigid lever arm(固いテコ)となった足部により、効果的に床反力を得ていると推測でき、上方への床反力が大きくなっているのが分かる。前後分力では徐々に前方への床反力が強くなり、より前方への推進力を得ている様子が解る。そして、側方分力では体側下肢への荷重にかけて内方への床反力が発生している。これらの床反力から母趾球には上方・前方・内方に力がかかっており、この床反力ベクトルから足の第一列を固定するためには、母趾内転筋斜頭Bに対するアプローチが有効であると考えられる。
それ故、本発明は拇趾内転筋斜頭の筋腹の一部を圧迫する拇趾内転筋斜頭凸部を設け、足の蹴り出し時には拇趾内転筋斜頭の収縮機能を高めて、足のアーチを効果的に形成させるようにしたことを特徴とする。
即ち、本発明の矯正具は、足裏において、母趾内転筋斜頭の停止部寄りに位置する凸部であって、当該拇趾内転筋斜頭の筋腹の一部を圧迫する拇趾内転筋斜頭凸部を設けたことを特徴とする。
この構成によれば、拇趾内転筋斜頭が活性化され、特に蹴り出し時の収縮力が高まるので、テコの作用をする足の形状が崩れにくくなり、歩行機能を改善することが出来る。
また、この拇趾内転筋斜頭凸部は拇趾内転筋斜頭の停止部寄りに設けられているので、蹴り出しの際には、接地している前足部付近に位置し、当該拇趾内転筋斜頭の筋腹を圧迫する。従って、後足部が接地しない歩行動作においても、矯正具として機能することが出来る。
また、本発明の矯正具は、拇趾内転筋斜頭の起始部側の立方骨粗面寄りの近位部を頂点とする立方骨凸部を設けたことを特徴とする。
この構成によれば、立方骨の底屈、内転、外旋に作用するので、拇趾内転筋斜頭を適切な長さ(収縮し易い状態)にするので、当該拇趾内転筋斜頭の収縮力を更に効果的に高める。
また本発明はインソールを始め、靴、靴下、サポータ等は勿論、歩行の矯正に用いる矯正具、例えば、ランニングマシン、歩行矯正補助具等に適用できる。
本発明は、矯正具の評価工程を設けた矯正具の作成方法を特徴とする。
この構成によれば、最も効果的な拇趾内転筋斜頭凸部の位置、形状、寸法を得ることが出来る。
更に、本発明は足裏の母趾内転筋斜頭の停止部寄りの筋腹の一部を圧迫或いは刺激することにより歩行機能を改善する歩行機能改善方法を提供することを特徴とする。
この方法によれば、簡単に歩行機能の改善を図ることが出来る。
母趾内転筋斜頭凸部による拇趾内転筋斜頭への伸張刺激かつ皮膚への接触感覚入力により当該拇趾内転筋が働きやすくなり、歩行機能を改善することが出来る。
また、母趾内転筋斜頭は外側縦アーチの要石である立方骨から内側縦アーチと横アーチを構成する第1中足骨頭の種子骨を経由し母趾の基節骨底に付着しているので、母趾内転筋斜頭が正常に働く事で内側縦アーチと横アーチの形成に役立つ。更に、母趾内転筋斜頭凸部は前足部へのアプローチとなるため、後足部が接地しない直線走動作などにおいてもインソールとしての機能を果たすことが可能である。
足の骨格を足裏から見た骨格図で、アーチを形成する拇趾内転筋との関係を示している。 歩行中の床反力分力を示す説明図である。 インソールISの外観図である。 インソールISの構造を概略的に示した説明図である。 インソールISにおける母趾内転筋斜頭凸部S、立方骨凸部Rと、足の骨格及び拇趾内転筋斜頭との位置関係を説明する説明図である。 インソールISと足の外形との関係を示す説明図である。 インソールISの母趾内転筋斜頭凸部S、立方骨凸部Rの位置を説明するための説明図である。 インソールISの分解構成図である。 インソールISにおけるアーチサポートの作成工程を説明する説明図である。 インソールISの作成方法のフローチャートである。 右足の骨格を足裏から見た骨格図である。
〔第1実施形態〕
以下、本発明矯正具の1実施形態であるインソールISについて図面に基づいて説明する。図3は、右足に用いるインソールISの外観形状を示しており、靴底に入れて歩行の矯正を図るものである。すなわち、このインソールISは足裏形状に近似する形状になっており、表面のトップシート101の中央付近に円形の拇趾内転筋斜頭凸部S(点線で示す)が突出形成されている。(なお、符号Rは第2実施形態において前記凸部Sの踵側に形成される立方骨凸部であるので、ここでは説明を省略し、詳しくは後述する第2実施形態の処で説明する。)
この拇趾内転筋斜頭凸部SはインソールISの概略構成を示す図4から明らかなようにトップシート101の裏側に配置された拇趾内転筋斜頭パッドS1により当該トップシート101が膨出した部分で釣鐘形状を成している。なお、この拇趾内転筋斜頭パッドS1はアーチサポート104に固着され、前足部素材102を介して前記トップシート101側へ突出している。インソールのISの層構造については後述する。
この拇趾内転筋斜頭凸部Sの位置は、図5、図6に示すように、拇趾内転筋斜頭Bが付着している母趾の第1基節骨底の近くに位置している。即ち、母趾内転筋斜頭凸部Sは、図7において母趾外側種子骨Tから立方骨18へ引いたラインL2(2点鎖線)と第2中足骨28から足長に平行に引いたラインL1との交わる部分(丸い点線S2で囲む)に位置している。換言すれば、前記丸い点線S2が囲む部分に位置する母趾内転筋斜頭Bの筋腹部に、母趾内転筋斜頭凸部Sの先端部分が接する若しくは圧迫する状態に設けられている。
また、その大きさは図4に示すように直径1.5センチメートル(0.8〜15ミリメートルの範囲で適宜調節する)であり、当該拇趾内転筋斜頭Bの紡錘筋の直径と同じ程度である。厚みは2ミリメートル(1〜2ミリメートルの範囲で適宜調節する)であって、前記凸部Sの形状は、角を落とした所謂錐台形状のパッドS1に基づくものである。なお、厚みに幅を持たせているのは、足の大きさによって、適切な高さが変わるためである。また、母趾内転筋斜頭凸部Sは前記の通り、足の母趾内転筋斜頭Bに接するように設けられており、形状は円形・四角形・六角形など特に問わない。
更に、この拇趾内転筋斜頭凸部Sは当該拇趾内転筋斜頭Bの筋腹に接するようにインソールISに設けられているので、歩行中も、拇趾内転筋斜頭Bを間欠的に圧迫或いは常時強弱の変化を付けて圧迫し、促通により当該拇趾内転筋斜頭Bの機能を高める。このため、当該凸部Sがない場合に比して、拇趾内転筋斜頭Bの機能が高くなり、且つ、蹴り出し時に荷重がかかる前足部に近いので、蹴り出しの際には、他の姿勢よりも強い圧迫を受けて、強く収縮反応を行う。これにより、アーチの形成はもとより、形成された本来のアーチ形状を維持するので、歩行時におけるテコとしての機能を発揮することが出来る。
もし、このような拇趾内転筋凸部Sが無ければ、これまでのインソールのように、アーチ形状を維持したとしても、拇趾内転筋斜頭Bの収縮機能が減少したままであるので、収縮機能が弱く、足の本来のアーチ形状を維持することが出来ず、テコとしての機能を十分に発揮できない。
このように、本発明は歩行時の拇趾内転筋斜頭Bの収縮機能を高めると言うこれまでにはない技術的思想で、歩行機能の改善、歩行の正常化を促進することが出来たものである。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態について図3、4、5、6、7を用いて説明する。第2実施形態は図3に示すように拇趾内転筋斜頭凸部Sに、更に加えて立方骨凸部R(点線で示す)を設けたものである。立方骨凸部Rは立方骨粗面18a(図7)よりも近位部を頂点とし、周囲を漸減させた形状とする。この立方骨凸部Rは舟状骨16や踵骨12に略かからない大きさであって、且つ立方骨粗面18aにもかからない三角形状である。
即ち、図7において立方骨粗面18aに沿ってラインL3を引き、第2中足骨28から足長に平行して引いたラインL1が立方骨凸部Rの内側面となり、踵部12にかからないラインL4までの範囲R2(点線に囲まれた部分)に、立方骨凸部Rが対応している。
立方骨凸部Rは、角を落とした三角柱形状であって、X1の寸法が30〜40ミリメートル、X2の寸法が20〜25ミリメートル、X3の寸法が25〜30ミリメートル程度であり、厚みは2〜4ミリメートル程度となる。この立方骨凸部Rは前記拇趾内転筋斜頭凸部Sと同様に、インソールISのトップシート101の背面側に設けた立方骨パッドRI(図示せず)により突出形成される。
この立方骨凸部Rは立方骨18の近位部のみを拳上することによって立方骨18の底屈、内転、外旋を促す作用をするので、拇趾内転筋斜頭Bを適切な長さ(収縮し易い状態)にする。即ち、立方骨凸部Rは立方骨18の位置の是正にも働き、外側縦アーチの形成に寄与する。また、立方骨凸部Rはアーチの崩れてしまった立方骨18の位置の修正、回外足に対しては接触感覚入力による正しい足圧中心軌跡への誘導に役立つ。
従って、この2つの凸部S,Rはそれぞれ単独よりも2つセットで装着することにより母趾内転筋斜頭Bの機能をさらに高めることができる。この2つの凸部R,Sは正常な足圧中心の軌跡を辿るものであり、メカノレセプターの多い足底への接触感覚入力により、正しい足圧中心軌跡を誘導し、足の各機能を高めることに繋がる。
次に、前記凸部S、Rを設けたインソールISの構成について説明する。図3は、右足に用いるインソールISの外観形状を示しており、図8は、その分解斜視図である。図8において、足裏と接するトップシート101は、履いているうちに足になじむ軟らかい素材であるポリエチレンを使用している。前記トップシート101の下には、外形が馬蹄形状の前足部素材102、後足部素材103、更にその下にはアーチサポート104、その下には拇指球パッド105、ヒールカップ106、最後にカバーシート107が順次積層されている。なお、拇趾内転筋斜頭パッドS1及び立方骨パッドR1は前記アーチサポート104の上面に配置されている。これらの積層状態及び相互のおおよその関係については図7に示されている。
前記前足部素材102は足裏の前足部形状に対応しており、固定性テコの腕として推進力を生むため反発力の高いゴム製である。前記後足部素材103は安定性を高めるためにしっかりと包み込む素材として硬めのEVAとしている。母趾内転筋斜頭パッドS1と立方骨パッドR1は柔らかめのポリウレタンでアーチサポート104よりも上面に位置することで立方骨の誘導、母趾内転筋斜頭への接触感覚入力が可能となる。
毋趾球パッド105とヒールカップ106は傾斜を付けるために硬めのポリウレタンで形成され、ヒールカップ108はアーチサポート104の下面に付けることにより違和感や痛みが出ないようにするとともに全体的に傾斜を付けやすくしている。
アーチサポート104は前記した足のアーチをサポートするパーツであって、基本的には各人の足に合わせた形状にするものであるが、汎用性を持たせた形状にしても良い。ここでは、アーチサポート104はすぐに硬化する熱可塑性樹脂を使用し、体重や目的に合わせて柔軟性のある熱可塑性樹脂を重ねて使用することも可能である。アーチサポート104の周囲は違和感や痛みが出ないように漸減させている。最下面には前記の全ての各構成要素101〜106、パッドS1,R1を覆うカバーシート107を貼り付けている。このカバーシート107はゴムシートであって、靴とさらに密着し、滑り止めとしての効果もある。
上記構成のインソールISは図3のように、立方骨凸部Rと母趾内転筋斜頭凸部Sを備えるが、オーダーメイドではその位置・大きさ・厚みなどはその対象者の足に合わせて作成するので、対象者に合わせて変更するものとする。アーチサポート104はインソールISの外縁輪郭より5ミリメートル程度内側に輪郭し、前方ではMP関節よりも近位に位置するが、オーダーメイドでは対象者により母趾の長さも異なるため、この形状も対象者に合わせることになる。しかし、簡易化或いは一般化されたインソールの場合、原則として上記の通りとする。
馬蹄形状のヒールカップ106と凹状の母趾球パッド105は、距骨下関節と第一列(拇趾)を誘導するための傾斜を設けるために備えられている。一般的に距骨下関節回内では脛骨の内旋・大腿骨の内旋・骨盤の前傾、距骨下関節回外では脛骨の外旋・大腿骨の外旋・骨盤の後傾に作用する足部からの上行性運動連鎖が知られている。この上行性運動連鎖を利用するものが、内側と外側で厚みが異なるもしくは同じ厚みのヒールカップ形状である。
母趾球パッド105は短い第1中足骨に対して、その形態的不足を補うものであるが、距骨下関節が回内している足にヒールカップ106の内側に厚みを付加しても、第一列の底屈が出現しない事が多く、正しい歩行が困難な場合がある。そのような場合に母趾球パッド105を付加すれば即時的に第一列の底屈可動域の代償が可能であり、母趾球への感覚入力が多くなり歩容が改善する。
また、接触感覚入力を繰り返す事で第一列が機能的に改善してくる過程も経験できる。反対に回外足で外側に厚みを付加したヒールカップ106を装着した際、足部全体が回内した状態のままでプッシュオフしてしまうことがある。外側に厚みを付加したヒールカップ106による内方へのベクトルを母趾球パッド105により前方への足圧中心を誘導する事ができ、より正常な足圧中心軌跡を描き、さらに機能的な歩行が可能となる。
ヒールカップ106(距骨下関節誘導による傾斜)は、内果中央から内果前方端まで傾斜をつけることで、スパイクなどの幅の狭い靴においても違和感や痛みを出ないようにしている。ヒールカップ106の外側は外果中央から外果前方端にかけて傾斜をつけることで図2の第2歩行状態でのさらなる回内を促さないように配慮している。毋趾球パッド105(第一列誘導パッド)は母趾球下面に位置し、前方尖端は母趾腹にかからない大きさとする。
インソールISの内側における内側縦アーチに対応する形状は、足のパターンにより成型方法を変えることとする。回内足では距骨下関節中間位にて母趾を最大伸展し、踵部に体重を乗せた状態でウインドラスメカニズムを最大限利用し成型する。回外足は足底全体に体重が乗るようにし、母趾の伸展でアーチの高さを決定する。その基準は距骨下関節が中間位を取れる位置とする。回内足や回外足というのはあくまでもパターンであり、その程度により重心の位置や反対側の足の位置、ウインドラスメカニズムの利用程度は変化するものとする。
内側縦アーチに関与する関節と、アーチサポート104における内側縦アーチ部分が適切にアーチを描く事は、母趾外転筋の筋長の是正に働く。母趾外転筋が正しく機能する事で、母趾内転筋斜頭はさらに機能しやすい状態となり、2つの筋が共同して母趾の固定に働くことになる。
インソールISの外側における外側縦アーチは立方骨18の部分で最大となり、外側縦アーチの要石である立方骨18をサポートし、さらに前記図2の第2歩行状態での立方骨回内を誘導することにより外側コンパートメントの安定性に寄与する。外側コンパートメントが安定する事により、立方骨18から付着している母趾内転筋斜頭の機能をさらに高めることが期待できる。
〔アーチサポートの成型〕
次に、アーチサポート104の成型方法の一例を図9に示す。図9(a)に示すように対象者(標準対象)が、ある程度柔らかいクッション110の上に成型する足を置き、両手でバランスを取るために前方にあるイスやバーなどを把持する。
反対側の足は成型する足の状態により位置を変更するが、回内足では真っすぐ足を下げた位置(b)よりも内側(c)、回外足では(d)のように真っすぐに足を下げた位置より外側に位置させる。足にかける体重の位置も足の状態によって変化させ、回内足では踵荷重、回外足に成るにつれて前足部に荷重する。
ウインドラスメカニズムも足の状態により変化させ、回内足ではウインドラスメカニズムを最大限に使用、回外足ではウインドラスメカニズムを軽減する。これら上述した方法は回内足や回外足のパターンに合わせたものであり、その程度は対象者によって様々である。よって、反対側の足の位置や体重の掛け方、ウインドラスメカニズムの使用の程度はその対象者に合わせて細かく調整する事とする。しかし、簡易化されたインソールや標準インソールにおいては、一般的に正常とされるアーチ形状を利用する事とする。
図10は、作成手順を示している。まず、前述した方法で足型を成型する(イ)。次に立方骨パッドR1と母趾内転筋斜頭パッドS1の位置・大きさ・形状を評価し足底に直接貼る(ロ)。立方骨パッドR1は第5中足骨底を探し、その近位の凹みから立方骨を触知し、アーチが高い場合にはアーチを下げるように操作すると立方骨粗面を触りやすくなる。図7における立方骨粗面18aに沿ってラインL3を引き、第2中足骨28から足長に平行して引いたラインL1が立方骨パッドR1内側面となり、踵部にかからない位置でカットする。
母趾内転筋斜頭パッドS1は、図7において母趾外側種子骨Tから立方骨18へ引いたラインL3と第2中足骨28から足長に平行に引いたラインL1の交わる部分を母趾内転筋斜頭の筋腹部と接する位置とする。母趾内転筋斜頭パッドSと立方骨パッドRの効果を片脚立位や外乱負荷にて評価し、効果が不十分であれば位置を修正し位置を決定していく。
これら2つのパッドS1,R1を着けた状態で距骨下関節と第一列の誘導のための傾斜をどの程度にするのかを評価する(ハ)。まずは、距骨下関節誘導のための傾斜を評価するために踵部の内外側に厚みの異なるプレートを入れ、片脚スクワットや体重移動などの動作により評価する。
次に踵部のプレートを入れたまま、第一列誘導のための傾斜を評価するため、母趾球の下に厚みの異なるプレートを入れる。評価が終わればそれをアーチサポート104に記入し、他にも母趾内転筋パッドS1と立方骨パッドR1、MP関節のライン、内果・外果の位置、第1・2中足骨頭間、母趾球の大きさを記入する(ニ)。それをもとにインソールISを作成し、最終的にシューズの大きさに合わせて完成とする(ホ)。
前記インソール作成(ホ)は、図10に示す通り、(ヘ)〜(リ)の手順を含んでいる。即ち、アーチサポート104への各パッド、ヒールカップの接着・研磨工程(ヘ)、トップシート101へのアーチサポート104の接着工程(ト)、カバーシート107の接着工程(チ)、サイズ調整工程(リ)である。
以上の工程を経て、対象者に対するインソールISを作成するが、既に述べた通り、一般用のインソールISを作成する場合は、標準対象者を対象として各要素の寸法・形状を決め、これに合わせて各要素を作成することになる。
実施形態1,2はインソールとしたが、靴などの履物、靴下など足底に装着する装着具や、足の甲から土踏まずの周りに嵌めるサポータなど歩行機能を回復させる矯正具に用いることが出来る。例えば、リハビリや健康維持のためのランニングマシンも同様である。
又、実施形態は筋肉を圧迫するパッドであるが、圧迫に代えて電気刺激を与えるようにしても良い。
本発明は矯正具だけではなく、拇趾内転筋斜頭の停止部よりの筋腹に、圧迫や刺激を与えることで、歩行機能を改善させる新しい歩行機能改善方法も提供することが出来る。
本発明は、歩行機能の改善に広く利用可能である。
10 足
12 踵骨
18 立方骨
36 第1基節骨
A1 内側縦アーチ
A2 外側縦アーチ
A3 横アーチ
A 拇趾内転筋横頭
B 拇趾内転筋斜頭
S 拇趾内転筋斜頭凸部
S1 拇趾内転筋斜頭パッド
R 立方骨凸部
R1 立方骨パッド
IS インソール
101トップシート
102前足部素材
103後足部素材
104アーチサポート
105母趾球パッド
106ヒールカップ
107カバーシート

Claims (5)

  1. 足裏に対応して設けられる矯正具において、母趾内転筋斜頭の停止部寄りに位置する凸部であって、当該拇趾内転筋斜頭の筋腹の一部を圧迫する拇趾内転筋斜頭凸部を設けたことを特徴とする矯正具。
  2. 拇趾内転筋斜頭の起始部側の立方骨粗面寄りの近位部を頂点とする立方骨パッドを設けたことを特徴とする請求項1に記載の矯正具。
  3. インソールであることを特徴とする請求項1又は2に記載の矯正具。
  4. 請求項1又は2に記載の矯正具の評価工程を設けた矯正具の作成方法。
  5. 足裏の母趾内転筋斜頭の停止部寄りの筋腹の一部のみを圧迫或いは刺激することにより歩行機能を改善する歩行機能改善方法。
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