(1)概要
本実施形態に係る機器管理システム10は、図2に示すように、施設5内の少なくとも1台の機器を管理するためのシステムである。機器管理システム10にて管理される施設5内の機器は、例えば、炊飯器51、エアーコンディショナ52、照明器具、及び洗濯機等のように、施設5に設置される様々な電気機器、設備機器等である。以下、個々の機器(炊飯器51、エアーコンディショナ52、照明器具、及び洗濯機等)を特に区別しない場合には、各機器を「機器50」という。本実施形態では、賃貸住宅を施設5の一例として説明する。施設5は、戸建住宅、及び集合住宅の各住戸のいずれでもよい。
機器管理システム10は、施設5の外部に設置されたサーバ1、及び施設5に設置されたローカル装置40を主構成として備えている。サーバ1及びローカル装置40は、ネットワーク4を介して互いに通信可能に構成されている。ネットワーク4には、更に情報端末3が接続される。情報端末3は、ネットワーク4を介して、サーバ1との間で互いに通信可能である。
この機器管理システム10は、施設5内の人の状態を監視可能で、かつ施設5内の機器50を施設5の外部から制御可能なシステムである。機器管理システム10は、施設5内の少なくとも1台の機器50からなる監視対象機器に関する監視情報に基づいて、施設5内の人の状態を監視する。また、機器管理システム10は、施設5内の少なくとも1台の機器50からなる制御対象機器を制御する。ここでいう「施設5内の人」とは、施設5内に存在する人を意味しており、例えば、施設5が賃貸住宅である場合、通常は施設5の住人(店子)である。また、ここでいう「人の状態」とは、例えば、人の健康状態、具体的には、人が普段通りに生活ができているか否か(つまり、意識を失っている等の状態にないか)等を意味する。また、人の行動、具体的には、食事中か否か、入浴中か否か、又は就寝中か否か等も、ここでいう「人の状態」に含まれる。
そのため、機器管理システム10によれば、例えば、施設5に一人で住んでいる高齢者(いわゆる独居老人)を見守り対象者とする場合、見守り対象者の状態を、機器管理システム10のユーザが把握することが可能になる。この場合における「機器管理システム10のユーザ」は、見守り対象者(施設5の住人)自身ではなく、例えば施設5の管理人(賃貸住宅の場合は大家)、及び見守り対象者とは離れて暮らす見守り対象者の家族等である。すなわち、ユーザが持つ情報端末3に対して、機器管理システム10から、見守り対象者の状態に関する情報が「見守り情報」として出力されることにより、ユーザにおいて見守り対象者の状態を把握することができる。一例として、炊飯器51のように見守り対象者が日常的に使用している機器50の動作が検出されない状態が一定時間以上継続すると、機器管理システム10は、見守り対象者に異常が生じている可能性がある旨を、施設5の管理人に通知する。
また、機器管理システム10によれば、機器管理システム10のユーザは、施設5の外部から施設5内の機器50を制御することが可能になる。この場合における「機器管理システム10のユーザ」は、見守り対象者自身であってもよいし、例えば施設5の管理人、及び見守り対象者とは離れて暮らす見守り対象者の家族等であってもよい。すなわち、ユーザが持つ情報端末3に対して所定の操作がなされると、施設5内の機器50の制御を指示するための情報が「指示情報」として、情報端末3から機器管理システム10に入力され、施設5内の機器50が制御される。一例として、見守り対象者(施設5の住人)が、外出先から施設5内のエアーコンディショナ52を制御することにより、自身の帰宅時刻に合わせて室温を快適な温度に調整することが可能となる。
このように、本実施形態に係る機器管理システム10は、見守り対象者(施設5内の人)の状態を、ユーザ(施設5の管理人等)の情報端末3に送信することで、ユーザに通知する。また、機器管理システム10は、ユーザ(見守り対象者等)の操作を情報端末3で受け付けることで、施設5内の機器50の制御を実行する。
本実施形態に係る機器管理システム10は、例えば、コンピュータシステムにて実現される。コンピュータシステムは、サーバ1及びローカル装置40を備えている。これらサーバ1及びローカル装置40は、例えばインターネット等のネットワーク4を介して接続されている。図2の例では、ローカル装置40は、ルータ7を介してネットワーク4に接続されている。ただし、ルータ7は、コンピュータシステムに必須の構成ではない。
情報端末3は、施設5に対応付けて登録されている。具体的には、例えば、サーバ1及びローカル装置40は、施設5に対応付けて登録されている情報端末3の識別情報等を記憶している。1つの施設5に対応付けて登録される情報端末3は、1台であってもよいし、複数台であってもよい。図2の例では、施設5の外部にある2台のスマートフォンが、情報端末3として用いられる。以下、2台のスマートフォンを区別する場合、それぞれ情報端末3A、情報端末3Bと呼ぶ。
本実施形態では、情報端末3Aの所有者は、見守り対象者(施設5の住人)以外の人、例えば施設5の管理人、及び見守り対象者とは離れて暮らす見守り対象者の家族等であって、情報端末3Bの所有者は、見守り対象者であることと仮定して説明する。施設5の住人が複数人である場合には、「見守り対象者」は、複数の住人のうちの一人を指すこともあり、二人以上(全員も含む)を指すこともある。
また、実際には、機器管理システム10は複数の施設5に導入され、複数の施設5には複数のローカル装置40がそれぞれ設置される。そして、これら複数のローカル装置40が、ネットワーク4を介してサーバ1に接続される。ただし、本実施形態では、説明を簡単にするために、1つの施設5に着目して説明する。
(2)構成
次に、本実施形態に係る機器管理システム10、及び計測システム20の構成について、より詳細に説明する。
(2.1)機器制御システム
まず、本実施形態に係る機器管理システム10と併せて用いられる計測システム20の構成について、図2を参照しながら説明する。
計測システム20は、計測ユニット21と、通信アダプタ22と、電流センサ23,24とを備えている。計測ユニット21、通信アダプタ22、及び電流センサ23,24は、分電盤6のキャビネット内に配置されている。分電盤6は、系統電源9に電気的に接続される主幹ブレーカ61と、主幹ブレーカ61の二次側に電気的に接続された複数の分岐ブレーカ62とをキャビネット内に備えている。
計測ユニット21は、電流センサ23,24に電気的に接続されている。電流センサ23は、主幹ブレーカ61の一次側に設けられ、幹線を流れる電流の値を計測する。複数の電流センサ24は、複数の分岐ブレーカ62に対応して設けられ、複数の分岐回路70に流れる電流の値をそれぞれ計測する。ここでいう「分岐回路」は、複数の分岐ブレーカ62にて幹線から分岐された各回路を意味する。分岐回路70には、分岐ブレーカ62に接続される配線、照明器具や調理家電等の機器50、コンセント(アウトレット)、壁スイッチなどを含んでいる。このような分岐回路70は、本実施形態のように住宅からなる施設5においては、例えばリビング、寝室、玄関、トイレ、子供部屋、キッチン等の部屋ごと、又は機器50の種類ごとに設けられる。1つの分岐回路70には、1つの機器50が含まれてもよいし、複数の機器50が含まれてもよい。
計測ユニット21は、電流センサ23,24の出力を用いて、幹線及び複数の分岐回路70の各々について、消費電力と消費電力量との少なくとも一方を計測する。通信アダプタ22は、計測ユニット21で計測された計測値を、計測システム20の計測データとして施設5に設けられたローカル装置40へ送信する。
要するに、計測システム20の計測データは、施設5における幹線及び複数の分岐回路70の各々について、計測ユニット21で計測される消費電力と消費電力量との少なくとも一方を含んでいる。幹線の消費電力及び消費電力量は、施設5全体での総消費電力及び総消費電力量に相当する。つまり、計測データは、瞬時電力を表す消費電力であってもよいし、一定時間における電力の消費量(使用量)を表す消費電力量であってもよい。また、計測データは、消費電力と消費電力量との両方であってもよい。本実施形態では一例として、計測データは、消費電力を一定時間間隔(例えば正時から30分間隔)で積算した消費電力量である。
(2.2)機器管理システム
次に、本実施形態に係る機器管理システム10の構成について、図1及び図2を参照して説明する。本実施形態では、機器管理システム10は、上述したようにサーバ1及びローカル装置40を主構成として備えている。さらに、本実施形態では、情報端末3についても、機器管理システム10の構成要素に含まれることとして説明する。
(2.2.1)サーバ
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、及び通信インタフェースを有するコンピュータを主構成とする。サーバ1は、ネットワーク4を介してローカル装置40との間で様々な情報を授受したり、ネットワーク4を介して情報端末3との間で様々な情報を授受したりする。
サーバ1は、図1に示すように、見守り監視部11と、機器制御部12と、を備えている。また、本実施形態では、サーバ1は、通信部13と、設定部14と、を更に備えている。コンピュータを主構成とするサーバ1は、所定のプログラムを実行することにより、コンピュータを、見守り監視部11、機器制御部12、通信部13、及び設定部14として機能させる。
見守り監視部11は、施設5内の少なくとも1台の機器50からなる監視対象機器に関する監視情報に基づいて、施設5内の人の状態に関する情報を見守り情報として出力する。監視対象機器は、機器50単位に限らず、例えば分岐回路70等の回路単位で設定されてもよい。この場合、1つの監視対象機器(監視対象回路)が複数台の機器50を含んでいてもよい。具体的には、見守り監視部11は、第1取得部111と、判定部112と、第1出力部113と、を有している。
第1取得部111は、監視情報を取得する。ここでいう「監視情報」は、例えば、炊飯器51(図2参照)等の特定の機器50(監視対象機器)の動作状態を表す情報である。本実施形態では、第1取得部111は、ローカル装置40から計測システム20の計測データを定期的に取得し、計測データを解析することによって、監視情報を取得する。つまり、計測システム20の計測データを一定期間にわたって蓄積することで、施設5における幹線及び複数の分岐回路70の各々について、消費電力量の時間経過に伴う変化(時系列データ)が観測される。ディスアグリゲーション(Disaggregation)の技術を適用すれば、このようにして得られる時系列データから、特定の機器50の消費電力量を分離することでき、各機器50の動作状態を表す情報として用いることが可能である。このように、第1取得部111は、機器50の動作を間接的に表す情報(計測システム20の計測データ等)を、監視情報として取得する。
判定部112は、監視情報(ここでは、計測システム20の計測データ)に基づいて、施設5内の人(見守り対象者)の状態を判定する。判定部112は、例えば、炊飯器51(図2参照)のように見守り対象者が日常的に使用している機器50の動作が検出されない状態が規定時間以上継続すると、見守り対象者に異常が生じている可能性が高いと判定する。この場合、炊飯器51の動作が規定時間以上の間隔を空けずに検出されていれば、判定部112は、見守り対象者に異常が生じていない、つまり正常と判定する。また、判定部112は、施設5の消費電力量の変化が所定のパターンに合致しているかどうかに基づいて、人の状態を判定してもよい。この場合、施設5の消費電力量は、決められたパターンで使用される(例えば、毎日同じ時間帯に使用される)機器50の消費電力量であることが好ましい。また、判定部112は、施設5の消費電力量の変動回数に基づいて、人の状態を判定してもよい。消費電力量の変動回数は、例えば、消費電力量が所定時間内に所定値以上変動した回数である。例えば、判定部112は、所定期間における施設5の消費電力量の変動回数が所定回数より少なくなると、人に異常があると判定してもよい。以下、見守り対象者に異常が生じている可能性が高い状態を「異常状態」といい、見守り対象者に異常が生じている可能性が低い状態を「正常状態」という。
第1出力部113は、判定部112の判定結果を受けて、見守り情報(施設5内の人の状態に関する情報)を出力する。ここでは、第1出力部113は、判定部112が異常状態と判定した場合にのみ、見守り対象者が異常状態にあることを示す見守り情報を、通信部13から情報端末3へ出力する。通信部13は、情報端末3に対して、電子メールの送信、又はプッシュ通知を行うことで、見守り情報を情報端末3に出力(送信)する。判定部112が正常状態と判定した場合には、第1出力部113は、通信部13から情報端末3への出力を行わない。サーバ1には、見守り情報の出力(送信)先となる情報端末3のメールアドレス等が予め登録されている。本実施形態では、見守り対象者以外の人、例えば施設5の管理人、及び見守り対象者の家族等が所有する情報端末3Aが、見守り情報の出力(送信)先となる。
機器制御部12は、施設5の外部で発生した指示情報に基づいて、施設5内の少なくとも1台の機器50からなる制御対象機器を制御する。具体的には、機器制御部12は、第2取得部121と、信号処理部122と、第2出力部123と、を有している。
第2取得部121は、情報端末3から指示情報を取得する。ここでいう「指示情報」は、例えば、エアーコンディショナ52(図2参照)等の特定の機器50(制御対象機器)の制御内容を表す情報である。本実施形態では、第2取得部121は、機器50を操作するための操作画面を生成し、この操作画面を情報端末3の表示部31に表示させる。ここでいう「画面」は、情報端末3の表示部31に映し出される像(画像等)である。つまり、第2取得部121は、操作画面を情報端末3に表示させ、この操作画面上で指示される機器50の制御内容を表す情報を、指示情報として取得する。サーバ1には、指示情報の取得先となる情報端末3の識別子(端末ID)等が予め登録されている。本実施形態では、見守り対象者が所有する情報端末3Bが、指示情報の取得先となる。
信号処理部122は、指示情報に基づいて、施設5内の少なくとも1台の機器50からなる制御対象機器を制御するための、制御コマンドを生成する。信号処理部122は、例えば、エアーコンディショナ52に関しては、運転/停止、及び運転モードや、温度設定値、風量、風向き等を指示する制御コマンドを生成する。
第2出力部123は、信号処理部122で生成された制御コマンドを、施設5に設けられているローカル装置40へ出力する。ここでは、第2出力部123は、信号処理部122で制御コマンドが生成されると、この制御コマンドを含む制御信号を、通信部13からローカル装置40へ出力(送信)する。
通信部13は、情報端末3及びローカル装置40との通信を行うための通信インタフェースである。本実施形態では、通信部13は、インターネット等のネットワーク4に接続されており、情報端末3及びローカル装置40の各々との間で、ネットワーク4を介して双方向の通信を行う。
設定部14は、見守り監視部11及び機器制御部12の各々、又は、見守り監視部11若しくは機器制御部12について、動作させるか否かを、情報端末3の操作部32が受け付けた人の操作に従って決定する。ここで、見守り監視部11を動作させることは、サーバ1における見守り監視部11としての機能を有効にすることと同義であるから、以下、見守り監視部11を「動作させる」状態を、見守り監視部11が「有効」であるともいう。同様に、機器制御部12を「動作させる」状態を、機器制御部12が「有効」であるともいう。一方、見守り監視部11を動作させないことは、サーバ1における見守り監視部11としての機能を無効にすることと同義であるから、以下、見守り監視部11を「動作させない」状態を、見守り監視部11が「無効」であるともいう。同様に、機器制御部12を「動作させない」状態を、機器制御部12が「無効」であるともいう。
すなわち、設定部14は、見守り監視部11及び機器制御部12の少なくとも一方について、有効/無効を決定する。見守り監視部11及び機器制御部12の両方について、有効/無効を決定する場合には、設定部14は、見守り監視部11及び機器制御部12の各々について個別に、有効/無効を決定する。
本実施形態では、設定部14は、見守り監視部11及び機器制御部12の両方について、有効/無効を決定する。したがって、設定部14は、以下の4つの設定状態の中から1つの設定状態を選択可能である。1つ目の設定状態は、見守り監視部11が有効、機器制御部12が有効の設定状態である。2つ目の設定状態は、見守り監視部11が有効、機器制御部12が無効の設定状態である。3つ目の設定状態は、見守り監視部11が無効、機器制御部12が有効の設定状態である。4つ目の設定状態は、見守り監視部11が無効、機器制御部12が無効の設定状態である。設定部14は、このような4つの設定状態のいずれを選択するかを、情報端末3の操作部32が受け付けた操作に従って決定する。本実施形態では、設定部14は、設定画面を生成して情報端末3の表示部31に表示させ、この設定画面上で入力された情報を、操作部32が受け付けた操作として、見守り監視部11及び機器制御部12の有効/無効の決定に利用する。
また、本実施形態では、見守り監視部11が無効である場合に、第1取得部111、判定部112、及び第1出力部113の全ての機能が無効になるのではなく、第1出力部113の機能のみが無効になる。そのため、設定部14により見守り監視部11が無効に設定されている場合でも、第1取得部111による監視情報の取得、及び判定部112による見守り対象者の状態の判定は、見守り監視部11が有効である場合と同様に行われる。同様に、機器制御部12が無効である場合に、第2取得部121、信号処理部122、及び第2出力部123の全ての機能が無効になるのではなく、第2出力部123の機能のみが無効になる。そのため、設定部14により機器制御部12が無効に設定されている場合でも、第2取得部121による指示情報の取得、及び信号処理部122による制御コマンドの生成は、機器制御部12が有効である場合と同様に行われる。
ここにおいて、設定部14は、見守り監視部11については、第1の操作権限を有する操作に従って、動作させるか否かを決定し、機器制御部12については、第1の操作権限とは異なる第2の操作権限を有する操作に従って、動作させるか否かを決定する。ここでいう「操作権限」とは、操作部32の操作ごとに付与された権限であって、個々の操作が設定部14の決定に影響し得る範囲を意味する。つまり、第1の操作権限を有し、第2の操作権限を有しない操作であれば、見守り監視部11の有効/無効は決定(変更)できるが、機器制御部12の有効/無効は決定(変更)できない。反対に、第2の操作権限を有し、第1の操作権限を有しない操作であれば、機器制御部12の有効/無効は決定(変更)できるが、見守り監視部11の有効/無効は決定(変更)できない。
本実施形態では、操作部32は情報端末3に設けられているので、操作権限は、例えば、情報端末3ごとに設定される。この場合、UDID(Unique Device IDentifier)及びMAC(Media Access Control)アドレスのような情報端末3に固有の識別子(端末ID)に操作権限が対応付けられて、サーバ1に記憶される。本実施形態では一例として、見守り対象者以外の人、例えば施設5の管理人、及び見守り対象者の家族等が所有する情報端末3Aには、第1の操作権限が付与される。見守り対象者が所有する情報端末3Bには、第2の操作権限が付与される。ただし、操作権限は、情報端末3ごとに限らず、例えば、情報端末3でサーバ1にアクセスして、設定部14で生成された設定画面を表示するために必要なログインID及びパスワードの組み合わせごとに、付与されていてもよい。この場合、同一の情報端末3であっても、設定画面を表示する際に使用したログインID及びパスワードによって、操作権限が異なることになる。
また、例えば、第2取得部121における指示情報の取得先等、サーバ1又はローカル装置40が記憶する情報端末3の識別情報等は、操作権限と同様に、情報端末3単位に限らず、例えばログインID及びパスワードの組み合わせ単位で規定されてもよい。すなわち、例えば、第2取得部121における指示情報の取得先は、情報端末3でサーバ1にアクセスして、操作画面を表示するために必要なログインID及びパスワードの組み合わせごとに、規定(登録)されてもよい。
(2.2.2)ローカル装置
ローカル装置40は、CPU、メモリ、及び通信インタフェースを有するコンピュータを主構成とする。ローカル装置40は、施設5に設置されている。ローカル装置40は、いわゆるHEMS(Home Energy Management System)コントローラであって、施設5に設置されているHEMS対応の機器50と通信し、機器50の動作状態の監視及び制御を行う。
ローカル装置40は、第1通信部41と、第2通信部42と、処理部43と、を備えている。コンピュータを主構成とするローカル装置40は、所定のプログラムを実行することにより、コンピュータを、第1通信部41、第2通信部42、及び処理部43として機能させる。
第1通信部41は、施設5に設置される機器50との通信を行うための通信インタフェースである。すなわち、ローカル装置40は、施設5に設置される機器50との通信機能を有している。ローカル装置40(第1通信部41)と機器50との間の通信方式は、例えば、有線通信、又は、Wi−Fi(登録商標)及び免許を必要としない小電力無線(特定小電力無線)等の無線通信である。この種の小電力無線については、用途等に応じて使用する周波数帯域や空中線電力などの仕様が各国で規定されている。日本国においては、920MHz帯又は420MHz帯の電波を使用する小電力無線が規定されている。
ローカル装置40と通信可能な機器50は、機器管理システム10の制御対象である機器50(制御対象機器)の他、計測システム20(通信アダプタ22)、及びローカル装置40に監視情報を提供する機器50(監視対象機器)を含んでいる。つまり、ローカル装置40は、施設5に設置される制御対象機器を制御する機能と、計測システム20、及び施設5に設置される監視対象機器から監視情報を取得する機能と、を有している。ここでいう「監視対象機器」は、例えば、温度センサ、湿度センサ、人感センサ、加速度センサ、振動計、離床センサ、開閉センサ、及び環境センサ等の各種センサ、カメラ、又はマイクロホン等のように、何らかの事象を検知する機器50を含む。この種の監視対象機器は、設置場所における計測情報を、自発的に、又はローカル装置40からの要求に応じて、ローカル装置40に出力するように構成されている。
また、ローカル装置40においては、少なくとも制御対象機器及び監視対象機器となる機器50の情報が登録されている。具体的には、ローカル装置40は、機器50について、例えば、種別(炊飯器、エアーコンディショナ、照明器具、又は洗濯機等)、個々の機器50を識別するための識別子(アドレス等)、及び機器50の名称等の情報を記憶している。機器50の名称については、情報端末3等を用いてユーザが任意に設定でき、基本的には、例えば「リビング北東側・エアコン」のように、機器50が設置されている場所(エリア)と機器の種別との両方を特定可能な名称が設定される。
第2通信部42は、例えばイーサネット(登録商標)規格に準拠した通信インタフェースである。本実施形態では、第2通信部42は、ルータ7(図2参照)を介してネットワーク4に接続されており、サーバ1との間で、ネットワーク4を介して双方向の通信を行う。
処理部43は、計測システム20から計測データを取得し、取得した計測データを記憶部に一時的に記憶する。処理部43は、記憶部に蓄積されている計測システム20の計測データを、定期的に第2通信部42からサーバ1に送信する。また、処理部43は、サーバ1から機器50を制御するための制御コマンドを受信すると、制御対象である機器50に対して、第1通信部41から制御コマンドを送信する。
(2.2.3)情報端末
情報端末3は、ユーザの操作を受け付ける機能、及びユーザに情報を提示(表示)する機能を有する端末である。情報端末3は、CPU、メモリ、及び通信インタフェースを有するコンピュータを主構成とする。
情報端末3は、通信部33と、処理部34と、を備えている。コンピュータを主構成とする情報端末3は、専用のアプリケーションソフトをインストールし、このアプリケーションソフトを起動することにより、コンピュータを、通信部33、及び処理部34として機能させる。また、情報端末3は、コンピュータからなる通信部33及び処理部34の他に、少なくとも、表示部31及び操作部32を有している。
表示部31は、ユーザに情報を提示するための画面(画像等)を表示するように構成される。表示部31は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置により実現される。操作部32は、人(ユーザ)の操作を受け付ける機能を有している。表示部31及び操作部32は、処理部34に接続されている。これにより、表示部31は、処理部34から出力される映像信号に従って画面を表示でき、操作部32が受け付けた操作に対応する電気信号が、処理部34に入力されることになる。
本実施形態では、情報端末3はタッチパネルディスプレイを搭載しており、タッチパネルディスプレイが表示部31及び操作部32として機能する。ただし、操作部32は、タッチパネルディスプレイに限らず、例えばキーボードやポインティングデバイス、メカニカルなスイッチなどであってもよい。
通信部33は、ネットワーク4に接続されることにより、ローカル装置40及びサーバ1と通信可能に構成される。ここでは、情報端末3A,3Bは、いずれも施設5外にあるスマートフォンであるから、通信事業者が提供する携帯電話網(キャリア網)を介して、ネットワーク4に接続される。携帯電話網には、例えば3G(第3世代)回線、LTE(Long Term Evolution)回線等がある。情報端末3は、公衆無線LAN(Local Area Network)を介してネットワーク4に接続されてもよい。
処理部34は、表示部31を制御して表示部31に画面を表示させる機能だけでなく、操作部32からの電気信号を受けて動作するように構成されている。したがって、情報端末3は、操作部32に対するユーザの操作に応じて、表示部31に表示させる画面を変化させたり、機器50の制御のために必要な指示情報を発生(生成)したりすることが可能である。
(3)機器管理システムの動作
次に、本実施形態に係る機器管理システム10の動作について、「設定動作」と「通常動作」とに分けて説明する。「設定動作」は、設定部14において、見守り監視部11及び機器制御部12の各々の有効/無効を決定するための動作である。「通常動作」は、「設定動作」の終了後、見守り監視部11及び機器制御部12の各々の有効/無効が決定された状態での機器管理システム10の動作である。以下では、操作権限が情報端末3ごとに付与されている場合を例に説明するが、上述したように、操作権限は、例えばログインID及びパスワードの組み合わせごとに付与されていてもよい。この場合、同一の情報端末3であっても、設定画面を表示する際に使用したログインID及びパスワードによって、見守り監視部11又は機器制御部12について有効/無効を決定できるか否かが異なることになる。
(3.1)設定動作
機器管理システム10は、情報端末3にてアプリケーションソフトを起動したときに表示部31に表示されるホーム画面上で、設定モードを選択する操作がなされると、表示部31に設定画面を表示し、設定モードを開始する。情報端末3は、各画面上でのボタン等のオブジェクトの操作(タップ、スワイプ、ドラッグ等)が操作部32で検出されることをもって、ボタン等のオブジェクトが操作されたことと判断する。
このとき、第1の操作権限が付与された情報端末3Aにて設定モードが選択されると、情報端末3Aの表示部31には、見守り監視部11及び機器制御部12のうち見守り監視部11についてのみ、有効/無効を決定(変更)可能な設定画面が表示される。したがって、見守り対象者以外の人が所有する情報端末3Aでは、設定画面上で、見守り監視部11について有効/無効を決定するための操作が行われる。設定画面上での操作部32に対する操作は設定部14に反映される。そのため、見守り監視部11について、設定画面上で「有効」が選択された場合には、設定部14は見守り監視部11を有効に設定し、設定画面上で「無効」にされた場合には、設定部14は見守り監視部11を無効に設定する。
一例として、施設5の住人(見守り対象者)が高齢者である場合、施設5の管理人(大家)は、例えば見守り対象者とは離れて暮らす見守り対象者の家族等の要望を受けて、見守り監視部11を有効にすることができる。一方、例えば、施設5の住人(見守り対象者)が若年層の健常者等の見守りを必要としない人である場合、施設5の管理人は、施設5の住人のプライバシー保護の目的で、見守り監視部11を無効にすることができる。
また、第2の操作権限が付与された情報端末3Bにて設定モードが選択されると、情報端末3Bの表示部31には、見守り監視部11及び機器制御部12のうち機器制御部12についてのみ、有効/無効を決定(変更)可能な設定画面が表示される。したがって、見守り対象者が所有する情報端末3Bでは、設定画面上で、機器制御部12について有効/無効を決定するための操作が行われる。設定画面上での操作部32に対する操作は設定部14に反映される。そのため、機器制御部12について、設定画面上で「有効」が選択された場合には、設定部14は機器制御部12を有効に設定し、設定画面上で「無効」にされた場合には、設定部14は機器制御部12を無効に設定する。
一例として、施設5の住人(見守り対象者)が高齢者である場合等で、見守り対象者自身が機器制御部12の機能を使いこなせないと判断した場合には、見守り対象者は機器制御部12を無効にすることができる。一方、例えば、施設5の住人(見守り対象者)が若年層の健常者等の機器制御部12の機能を必要とする人である場合には、機器制御部12を有効にすることができる。
(3.2)通常動作
設定部14は、上述したように4つの設定状態の中から1つの設定状態を選択可能であるので、以下では、設定状態ごとに通常動作を説明する。
(3.2.1)
まず、見守り監視部11及び機器制御部12の両方が有効に設定されている状態における、機器管理システム10の通常動作について説明する。
この状態では、機器管理システム10は、サーバ1の第1取得部111にて監視情報を定期的に取得し、サーバ1の判定部112にて、施設5内の人(見守り対象者)の状態を随時判定している。機器管理システム10は、判定部112にて異常状態と判定されると、サーバ1の第1出力部113にて、見守り対象者が異常状態にあることを示す見守り情報を、見守り対象者以外の人が所有する情報端末3Aに出力する。
また、機器管理システム10は、情報端末3Bにてアプリケーションソフトを起動したときに表示部31に表示されるホーム画面上で、操作モードを選択する操作がなされると、表示部31に操作画面を表示し、操作モードを開始する。このとき、情報端末3Bに表示された操作画面上で、施設5内の機器50の制御内容を表す指示情報が生成されると、機器管理システム10は、サーバ1の第2取得部121にて指示情報を取得する。機器管理システム10は、サーバ1の信号処理部122にて制御コマンドを生成し、サーバ1の第2出力部123にて、制御コマンドを含む制御信号を、施設5のローカル装置40へ出力する。
ここにおいて、情報端末3は、同一のアプリケーションソフト上で、見守り情報の受信、及び機器50の制御を行うことができる。すなわち、見守り監視部11及び機器制御部12の両方がサーバ1に設けられているので、情報端末3は、アプリケーションソフト上でこのサーバ1にアクセスすることによって、見守り監視部11及び機器制御部12の両方の機能を実行できる。ただし、本実施形態では、見守り情報の出力(送信)先と指示情報の取得先とで異なる情報端末3が登録されているので、見守り情報の受信、及び機器50の制御は、異なる情報端末3で実行されることになる。
ところで、本実施形態では、見守り監視部11は、機器制御部12が動作している状態においては、監視情報のうちの少なくとも機器制御部12による制御対象機器の制御に起因した情報に基づく、見守り情報の出力を行わないように構成されている。すなわち、ある機器50に関して機器制御部12による制御がなされた場合には、見守り監視部11は、この機器50に関する監視情報に基づく見守り情報の出力を行わない。具体的には、機器制御部12による制御対象機器の制御が実行された時点から一定時間(例えば、30分間)、見守り監視部11は、監視対象機器から制御対象機器を除外することにより、制御対象機器に関する監視情報に基づく見守り情報の出力を行わない。又は、機器制御部12による制御対象機器の制御が実行された時点から一定時間(例えば、30分間)、見守り監視部11が無効になることにより、制御対象機器に関する監視情報に基づく見守り情報の出力を行わない。
要するに、見守り監視部11が監視対象機器として用いる機器50と、機器制御部12が制御対象機器として用いる機器50とが重複している場合においては、機器制御部12による制御に起因して、判定部112が誤った判定をすることがある。具体例を挙げると、炊飯器51が監視対象機器であり、かつ制御対象機器である場合において、見守り対象者以外の人により施設5の外部から炊飯器51が制御されると、見守り対象者が炊飯器51を操作していないにもかかわらず、炊飯器51が動作する。この場合、炊飯器51の動作に基づいて、見守り対象者の状態の判定が行われると、見守り対象者が炊飯器51を操作したかのような誤った判定がされる可能性がある。そこで、この場合において、見守り監視部11は、炊飯器51に関する監視情報に基づく見守り情報の出力を行わない。
また、本実施形態では、機器制御部12は、見守り対象者の異常を表す見守り情報が見守り監視部11から情報端末3に出力された場合、情報端末3で発生した指示情報に基づいて、制御対象機器を制御するように構成されている。すなわち、見守り監視部11において異常状態と判定された場合には、見守り監視部11から情報端末3Aに対して見守り情報の出力が行われるので、機器制御部12においては、この情報端末3Aから取得した指示情報に基づいて機器50を制御する。具体的には、見守り監視部11から情報端末3Aに対して見守り情報が出力された時点から一定時間(例えば、30分間)、機器制御部12は、見守り情報の出力先の情報端末3Aから指示情報を取得し、機器50の制御を行う。言い換えれば、見守り監視部11から情報端末3Aに対して見守り情報が出力された時点から一定時間においては、機器制御部12は、見守り情報の出力先の情報端末3Aを指示情報の取得先とする。
要するに、通常時においては、見守り対象者が所有する情報端末3Bが、指示情報の取得先に指定されているため、見守り対象者以外の人(施設5の管理人等)が施設5内の機器50を自由に制御することはできない。一方で、見守り対象者の異常を表す見守り情報を、例えば施設5の管理人が受けた場合には、機器制御部12は、施設5の管理人から、施設5内の機器50を制御するための操作を受け付ける。そのため、施設5の管理人は、見守り対象者の異常を知った場合には、例えば、エアーコンディショナ52を制御して施設5内の室温を快適な温度に調整することができる。
(3.2.2)
次に、見守り監視部11が有効、機器制御部12が無効に設定されている状態における、機器管理システム10の通常動作について説明する。
この状態において、見守り監視部11の基本的な動作は、「(3.2.1)」の欄で説明した動作と同様である。一方、機器制御部12は無効であるので、機器管理システム10は、情報端末3Bにてアプリケーションソフトを起動したときに表示部31に表示されるホーム画面上で、操作モードを選択する操作が禁止される。したがって、情報端末3Bの表示部31に操作画面を表示することができず、操作モードは開始されない。このとき、操作画面上で機器50を操作できない状態にあればよく、例えば、画面上のオブジェクトがグレーアウトした操作画面が表示されてもよい。
ただし、見守り対象者の異常を表す見守り情報が見守り監視部11から情報端末3に出力された場合、「(3.2.1)」の欄で説明したように、機器制御部12は情報端末3Aから指示情報を取得し、機器50の制御を行う。すなわち、見守り監視部11から情報端末3Aに対して見守り情報が出力された時点から一定時間(例えば、30分間)、機器制御部12は、見守り情報の出力先の情報端末3Aから指示情報を取得し、機器50の制御を行う。
(3.2.3)
次に、見守り監視部11が無効、機器制御部12が有効に設定されている状態における、機器管理システム10の通常動作について説明する。
この状態において、機器制御部12の基本的な動作は、「(3.2.1)」の欄で説明した動作と同様である。一方、見守り監視部11は無効であるので、機器管理システム10は、判定部112にて異常状態と判定されても、見守り情報を情報端末3Aに出力しない。
ただし、本実施形態では、見守り監視部11は、監視情報が特定条件を満たす場合には、設定部14の設定にかかわらず、見守り情報を出力するように構成されている。すなわち、設定部14により見守り監視部11が無効に設定されていても、監視情報が特定条件を満たしていれば、見守り監視部11は見守り情報を出力する。ここでいう「特定条件」とは、例えば、見守り対象者に異常が生じている可能性が閾値を超える場合、及び見守り対象者に緊急性の高い異常が生じている可能性がある場合等である。
本実施形態では、設定部14により見守り監視部11が無効に設定されている場合でも、第1取得部111による監視情報の取得、及び判定部112による見守り対象者の状態の判定は、見守り監視部11が有効である場合と同様に行われる。そのため、判定部112による判定の結果、特定条件を満たすと判定される場合には、たとえ設定部14により見守り監視部11が無効に設定されていても、見守り監視部11は見守り情報を出力する。具体例として、炊飯器51のように見守り対象者が日常的に使用している機器50の動作が検出されない状態が、規定時間を上回る異常時間以上、継続した場合等、見守り監視部11は、監視情報が特定条件を満たすと判定し、見守り情報を出力する。また、例えば非常ボタンのように緊急時にのみ動作する機器50が動作した場合にも、見守り監視部11は、監視情報が特定条件を満たすと判定し、見守り情報を出力する。
(3.2.4)
次に、見守り監視部11及び機器制御部12の両方が無効に設定されている状態における、機器管理システム10の通常動作について説明する。
この状態において、機器制御部12の基本的な動作は、「(3.2.2)」の欄で説明した動作と同様である。また、見守り監視部11の基本的な動作は、「(3.2.3)」の欄で説明した動作と同様である。
さらに、見守り監視部11及び機器制御部12の両方が無効に設定されている状態でも、「(3.2.3)」の欄で説明したように、見守り監視部11は、監視情報が特定条件を満たす場合には、設定部14の設定にかかわらず、見守り情報を出力する。また、見守り対象者の異常を表す見守り情報が見守り監視部11から情報端末3に出力された場合、「(3.2.1)」の欄で説明したように、機器制御部12は情報端末3Aから指示情報を取得し、機器50の制御を行う。
(4)機器管理システム以外の具現化手段
上述した本実施形態に係る機器管理システム10と同等の機能は、システムという手段に限らず、下記の各手段によっても具現化することができる。下記の各手段によって本実施形態に係る機器管理システム10が具現化される場合でも、上述した種々の構成、及び後述する変形例を適宜組み合わせて適用可能である。
(4.1)機器管理方法
本実施形態に係る機器管理方法は、見守り監視ステップと、機器制御ステップと、を含む。見守り監視ステップでは、施設5内の少なくとも1台の機器50からなる監視対象機器に関する監視情報に基づいて、施設5内の人(見守り対象者)の状態に関する情報を見守り情報として出力する。機器制御ステップでは、施設5の外部で発生した指示情報に基づいて、施設5内の少なくとも1台の機器50からなる制御対象機器を制御する。
このような機器管理方法は、例えばコンピュータシステムの1つ又は複数のコンピュータにおいて、CPUがプログラムを実行することによって実現される。
(4.2)プログラム
本実施形態に係るプログラムは、コンピュータシステムに、見守り監視処理と、機器制御処理と、を実行させるためのプログラムである。見守り監視処理は、施設5内の少なくとも1台の機器50からなる監視対象機器に関する監視情報に基づいて、施設5内の人(見守り対象者)の状態に関する情報を見守り情報として出力する。機器制御処理は、施設5の外部で発生した指示情報に基づいて、施設5内の少なくとも1台の機器50からなる制御対象機器を制御する。
このようなプログラムは、例えばコンピュータシステムの1つ又は複数のコンピュータにて実行される。プログラムは、インターネットなどの電気通信回線を通じて、又はメモリカードなどの記録媒体に記録されて提供されてもよいし、コンピュータのメモリに予め記録されていてもよい。
(5)変形例
上記実施形態は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(5.1)第1変形例
上記実施形態の第1変形例に係る機器管理システム10では、設定部14は、見守り監視部11及び機器制御部12のうちの見守り監視部11についてのみ、動作させるか否かを決定可能に構成されている。すなわち、見守り監視部11については設定部14での有効/無効の設定が可能であって、機器制御部12については有効に固定される。
本変形例によれば、見守り監視部11及び機器制御部12の2つの機能のうち、見守り監視部11の機能についてのみ有効/無効の変更が可能である。したがって、見守り監視部11については有効/無効を選択可能としながらも、機器制御部12については誤って又は意図的に無効にされることを回避できる。
(5.2)第2変形例
上記実施形態の第2変形例に係る機器管理システム10では、設定部14は、見守り監視部11及び機器制御部12のうちの機器制御部12についてのみ、動作させるか否かを決定可能に構成されている。すなわち、機器制御部12については設定部14での有効/無効の設定が可能であって、見守り監視部11については有効に固定される。
本変形例によれば、見守り監視部11及び機器制御部12の2つの機能のうち、機器制御部12の機能についてのみ有効/無効の変更が可能である。したがって、機器制御部12については有効/無効を選択可能としながらも、見守り監視部11については誤って又は意図的に無効にされることを回避できる。
(5.3)その他の変形例
以下に、その他の変形例について列記する。なお、以下に説明する変形例は、上記実施形態、第1変形例、及び第2変形例と適宜組み合わせて適用可能である。
機器管理システム10が適用される施設5は、賃貸住宅以外の住宅、又は、福祉施設、病院、事務所若しくは店舗等の非住宅であってもよい。
また、見守り監視部11は、機器50の動作を間接的に表す情報(計測システム20の計測データ等)を監視情報として用いる構成に限らず、機器50の動作を直接的に表す情報を監視情報として用いてもよい。この場合、見守り監視部11は、例えば第1取得部111にて、機器50から、機器50の動作状態を直接的に表す情報を監視情報として取得する。機器50が各種センサ、カメラ、又はマイクロホン等のように、何らかの事象を検知する機器である場合には、見守り監視部11は、機器50の動作状態を直接的に表す情報を監視情報として用いることが好ましい。
また、第1取得部111は、例えば分電盤6の幹線の計測値(消費電力と消費電力量との少なくとも一方)のみから監視情報を取得してもよい。この場合、計測システム20は、電流センサ24を有さずに、電流センサ23だけを有していてもよい。また、第1取得部111は、計測システム20の代わりに、スマートメータから監視情報を取得してもよい。また、第1取得部111は、幹線又はスマートメータの消費電力(消費電力量)から、いわゆるディスアグリゲーション技術により、特定の分岐回路70又は機器50の消費電力(消費電力量)を抽出してもよい。
また、情報端末3は、スマートフォンに限らず、タブレット端末等の携帯情報端末、パーソナルコンピュータ、又はスマートテレビ等のネットワーク4に接続可能な情報端末であってもよい。
また、見守り情報の出力(送信)先は、見守り対象者以外の人が所有する情報端末3Aに限らず、例えば、見守り対象者が所有する情報端末3B、又は情報端末3A,3Bを含む複数台の情報端末3から適宜選択される2台以上の情報端末3であってもよい。さらに、見守り情報の出力(送信)先は、情報端末3に限らず、例えば、専用の受信器、及び警報器等であってもよい。同様に、指示情報の取得先は、見守り対象者が所有する情報端末3Bに限らず、例えば、見守り対象者以外の人が所有する情報端末3A、又は情報端末3A,3Bを含む複数台の情報端末3から適宜選択される2台以上の情報端末3であってもよい。さらに、指示情報の取得先は、情報端末3に限らず、例えば、専用のコントローラ等であってもよい。
また、機器管理システム10は、上記実施形態では、サーバ1、ローカル装置40、及び情報端末3にて実現されているが、この構成に限らず、例えば、サーバ1、ローカル装置40、及び情報端末3のうちの1つ又は2つの装置で実現されてもよい。例えば、見守り監視部11、機器制御部12、及び設定部14のうちの少なくとも1つの機能が、ローカル装置40、又は情報端末3に設けられてもよい。さらに、見守り監視部11、機器制御部12、及び設定部14のうちの少なくとも1つの機能が、サーバ1、ローカル装置40、及び情報端末3のうちの2つ以上の装置に分散して設けられてもよい。また、サーバ1、ローカル装置40、及び情報端末3の各々の機能が、複数の装置に分散して設けられていてもよい。例えば、サーバ1の機能が複数の装置(サーバ)に分散して設けられる場合には、見守り監視部11と機器制御部12とが別々の装置に設けられてもよい。
さらにまた、コンピュータシステムが、情報端末3、ローカル装置40、及びサーバ1を備えることは必須ではない。コンピュータシステムは、例えば、情報端末3とローカル装置40とサーバ1とのうちの少なくとも1つの装置によって構成されてもよい。機器管理システム10の少なくとも一部の機能は、例えば、クラウド(クラウドコンピューティング)によって実現されてもよい。
また、制御対象機器としての機器50は、炊飯器51、エアーコンディショナ52、照明器具、及び洗濯機等に限らず、例えば、電動シャッター、給湯機、空気清浄機及び換気扇等を含んでいてもよい。同様に、監視対象機器としての機器50は、炊飯器51、エアーコンディショナ52、照明器具、及び洗濯機等に限らず、例えば、電動シャッター、給湯機、空気清浄機及び換気扇等を含んでいてもよい。また、機器50は、電力を消費する電気機器に限らず、電力以外の資源、例えば、ガス、水等を消費する機器であってもよい。さらに、施設5内の複数の機器50の少なくとも一部は、監視対象機器及び制御対象機器の両方に用いられていてもよい。つまり、見守り監視部11が監視対象機器として用いる機器50と、機器制御部12が制御対象機器として用いる機器50とは、少なくとも一部が重複していてもよい。この場合において、見守り監視部11が例えば分岐回路70等の回路単位で設定されていれば、監視対象機器(監視対象回路)は制御対象機器を含む回路であってもよい。つまり、1つの監視対象機器(監視対象回路)の一部のみが、制御対象機器と重複してもよい。
また、設定部14は、見守り監視部11及び機器制御部12の有効/無効を、情報端末3の操作部32が受け付けた操作に従って決定する構成に限らず、例えば、メカニカルスイッチからなる操作部が受け付けた操作に従って決定してもよい。すなわち、例えば、スライドスイッチ又はプッシュスイッチ等のメカニカルスイッチからなる操作部がローカル装置40に設けられ、この操作部(スイッチ)の接点の状態に従って、見守り監視部11及び機器制御部12の有効/無効が決定してもよい。このように、操作部に対する人の操作をサーバ1が受け付ける構成であればよく、操作部32はどこにあってもよい。
また、見守り監視部11が無効である場合に、第1出力部113の機能のみが無効になる構成に限らず、第1取得部111、判定部112、及び第1出力部113のうち1以上の機能が無効になればよい。例えば、第1取得部111、判定部112、及び第1出力部113の全ての機能が無効になってもよい。同様に、機器制御部12が無効である場合に、第2出力部123の機能のみが無効になる構成に限らず、第2取得部121、信号処理部122、及び第2出力部123のうち1以上の機能が無効になればよい。例えば、第2取得部121、信号処理部122、及び第2出力部123の全ての機能が無効になってもよい。
(6)まとめ
以上説明したように、第1の態様に係る機器管理システム10は、見守り監視部11と、機器制御部12と、を備える。見守り監視部11は、施設5内の少なくとも1台の機器50からなる監視対象機器に関する監視情報に基づいて、施設5内の人の状態に関する情報を見守り情報として出力する。機器制御部12は、施設5の外部で発生した指示情報に基づいて、施設5内の少なくとも1台の機器50からなる制御対象機器を制御する。この構成によれば、見守り監視部11が、見守り対象者(施設5内の人)の状態に関する見守り情報を出力することで、機器管理システム10のユーザ(施設5の管理人等)に見守り対象者(施設5内の人)の状態を通知することができる。しかも、機器制御部12が指示情報に基づいて制御対象機器を制御することで、機器管理システム10のユーザ(見守り対象者等)が、施設5の外部から施設5内の機器50を制御することができる。したがって、機器管理システム10によれば、施設5内の人の状態を監視可能で、かつ施設5内の機器50を施設5の外部から制御可能になる。
第2の態様に係る機器管理システム10は、第1の態様において、設定部14を更に備えることが好ましい。この場合、設定部14は、見守り監視部11及び機器制御部12の各々、又は、見守り監視部11若しくは機器制御部12について、動作させるか否かを、操作部32が受け付けた人の操作に従って決定することが好ましい。この構成によれば、見守り監視部11及び機器制御部12の機能の有効/無効を必要に応じて、切り替えることができる。ただし、この構成は機器管理システム10に必須の構成ではなく、操作部32及び設定部14の少なくとも一方は、適宜省略可能である。
第3の態様に係る機器管理システム10では、第2の態様において、設定部14は、見守り監視部11及び機器制御部12のうちの見守り監視部11についてのみ、動作させるか否かを決定可能に構成されていることが好ましい。この構成によれば、見守り監視部11については有効/無効を選択可能としながらも、機器制御部12については誤って又は意図的に無効にされることを回避できる。ただし、この構成は機器管理システム10に必須の構成ではなく、設定部14は、見守り監視部11及び機器制御部12の各々について、動作させるか否かを決定可能であってもよい。
第4の態様に係る機器管理システム10では、第2の態様において、設定部14は、見守り監視部11及び機器制御部12のうちの機器制御部12についてのみ、動作させるか否かを決定可能に構成されていることが好ましい。この構成によれば、機器制御部12については有効/無効を選択可能としながらも、見守り監視部11については誤って又は意図的に無効にされることを回避できる。ただし、この構成は機器管理システム10に必須の構成ではなく、設定部14は、見守り監視部11及び機器制御部12の各々について、動作させるか否かを決定可能であってもよい。
第5の態様に係る機器管理システム10では、第2の態様において、設定部14は、見守り監視部11及び機器制御部12の各々について、動作させるか否かを決定可能であることが好ましい。この場合、設定部14は、見守り監視部11については、第1の操作権限を有する操作に従って、動作させるか否かを決定するように構成されていることが好ましい。設定部14は、機器制御部12については、第1の操作権限とは異なる第2の操作権限を有する操作に従って、動作させるか否かを決定するように構成されていることが好ましい。この構成によれば、見守り監視部11の有効/無効を決定する権限と、機器制御部12の有効/無効を決定する権限とを、異なる人に付与することができる。例えば、見守り対象者には、見守り監視部11の有効/無効を決定する権限(第1の操作権限)を付与しないことで、見守り対象者が、勝手に見守り監視部11を無効にすることを防止できる。ただし、この構成は機器管理システム10に必須の構成ではなく、見守り監視部11の有効/無効を決定するための第1の操作権限と、機器制御部12の有効/無効を決定するための第2の操作権限とは、同一であってもよい。
第6の態様に係る機器管理システム10は、第2,3,5のいずれかの態様において、見守り監視部11は、監視情報が特定条件を満たす場合には、設定部14の設定にかかわらず、見守り情報を出力するように構成されていることが好ましい。この構成によれば、特定条件を満たすと判定される場合には、たとえ設定部14により見守り監視部11が無効に設定されていても、見守り監視部11は見守り情報を出力する。したがって、例えば、見守り対象者に異常が生じている可能性が閾値を超える場合、及び見守り対象者に緊急性の高い異常が生じている可能性がある場合等には、見守り監視部11は、その旨を設定部14の設定にかかわらずに通知することができる。ただし、この構成は機器管理システム10に必須の構成ではなく、監視情報が特定条件を満たしても、設定部14により見守り監視部11が無効に設定されている場合には、見守り監視部11は見守り情報を出力しなくてもよい。
第7の態様に係る機器管理システム10では、第1〜6のいずれかの態様において、見守り監視部11は、機器制御部12が動作している状態においては、特定の情報に基づく、見守り情報の出力を行わないように構成されていることが好ましい。ここでいう「特定の情報」とは、監視情報のうちの少なくとも機器制御部12による制御対象機器の制御に起因した情報である。この構成によれば、機器制御部12による制御に起因して、見守り監視部11が見守り対象者の状態を誤って判定することを防止できる。ただし、この構成は機器管理システム10に必須の構成ではなく、見守り監視部11は、機器制御部12が動作している状態において、特定の情報に基づく、見守り情報の出力を行ってもよい。
第8の態様に係る機器管理システム10は、第1〜7のいずれかの態様において、機器制御部12は、施設5内の人の異常を表す見守り情報が見守り監視部11から情報端末3に出力された場合、制御対象機器を制御するように構成されていることが好ましい。この場合、機器制御部12は、見守り情報の出力先である情報端末3で発生した指示情報に基づいて、制御対象機器を制御することが好ましい。この構成によれば、見守り対象者の異常を表す見守り情報を、例えば施設5の管理人が受けた場合には、機器制御部12は、施設5の管理人から、施設5内の機器50を制御するための操作を受け付けることができる。ただし、この構成は機器管理システム10に必須の構成ではなく、機器制御部12は、見守り情報の出力先である情報端末3で発生した指示情報に基づいて、制御対象機器を制御しなくてもよい。
第9の態様に係る機器管理方法は、見守り監視ステップと、機器制御ステップと、を含む。見守り監視ステップでは、施設5内の少なくとも1台の機器50からなる監視対象機器に関する監視情報に基づいて、施設5内の人の状態に関する情報を見守り情報として出力する。機器制御ステップでは、施設5の外部で発生した指示情報に基づいて、施設5内の少なくとも1台の機器50からなる制御対象機器を制御する。この方法によれば、機器管理システム10によれば、施設5内の人の状態を監視可能で、かつ施設5内の機器50を施設5の外部から制御可能になる。
第10の態様に係るプログラムは、コンピュータシステムに、見守り監視処理と、機器制御処理と、を実行させるためのプログラムである。見守り監視処理は、施設5内の少なくとも1台の機器50からなる監視対象機器に関する監視情報に基づいて、施設5内の人の状態に関する情報を見守り情報として出力する。機器制御処理は、施設5の外部で発生した指示情報に基づいて、施設5内の少なくとも1台の機器50からなる制御対象機器を制御する。このプログラムによれば、機器管理システム10によれば、施設5内の人の状態を監視可能で、かつ施設5内の機器50を施設5の外部から制御可能になる。