JP2018056665A - 水晶デバイス - Google Patents

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勇二 保田
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Abstract

【課題】 本発明は、発振周波数を安定して出力することができる音叉型水晶素子を提供することを目的とする。【解決手段】 音叉型水晶素子は、矩形状の水晶基部121と、水晶基部121の側面より延出した水晶基部121の一部である水晶振動部122と、水晶振動部122の上面及び下面に設けられた励振電極123、124と、水晶振動部122の先端の上面に設けられた複数の周波数調整電極126と、水晶振動部122から水晶基部121にかけて設けられ、励振電極123、124と電気的に接続された引き出し電極125と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば電子機器等に用いられる水晶デバイスに関するものである。
水晶デバイスは、音叉型水晶素子の圧電効果を利用して、屈曲振動を起こし、特定の周波数を発生させるものである。基板上に設けられた電極パッドに導電性接着剤を介して実装された音叉型水晶素子を備えた水晶デバイスが提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。音叉型水晶素子は、水晶基部と、水晶基部の側面より同一の方向に延びる二本の平板形状の水晶振動部とによって構成されている。
特開2008−301297号公報
上述した音叉型水晶素子は、水晶振動部の先端に周波数調整電極が形成されている。このような音叉型水晶素子は、周波数調整電極の一部を除去することによって、周波数の調整を行っている。周波数調整電極を除去した境界にバリが発生し、このバリが、音叉型水晶素子より脱落し、音叉型水晶素子の周波数特性を変化させてしまう虞がある。
本発明は前記課題に鑑みてなされたものであり、発振周波数を安定して出力することができる音叉型水晶素子を提供することを目的とする。
本発明の一つの態様による音叉型水晶素子は、矩形状の水晶基部と、水晶基部の側面より延出した水晶基部の一部である水晶振動部と、水晶振動部の上面及び下面に設けられた励振電極と、水晶振動部の先端の上面に設けられた複数の周波数調整電極と、水晶振動部から水晶基部にかけて設けられ、励振電極と電気的に接続された引き出し電極と、を備えていることを特徴とするものである。
本発明の一つの態様による音叉型水晶素子は、矩形状の水晶基部と、水晶基部の側面より延出した水晶基部の一部である水晶振動部と、水晶振動部の上面及び下面に設けられた励振電極と、水晶振動部の先端の上面に設けられた複数の周波数調整電極と、水晶振動部から水晶基部にかけて設けられ、励振電極と電気的に接続された引き出し電極と、を備えている。このような音叉型水晶素子は、水晶振動部の先端の上面に設けられた複数の周波数調整電極を備えていることによって、周波数調整時に複数の周波数調整電極の一つずつを除去するため、バリが発生することを抑え、音叉型水晶素子の周波数特性の変化を低減させることが可能となる。
第一実施形態における音叉型水晶素子を示す平面図である。 第一実施形態の第一変形例における音叉型水晶素子を示す平面図である。 第一実施形態の第二変形例における音叉型水晶素子を示す平面図である。 第二実施形態における音叉型水晶素子を示す平面図である。 第二実施形態における水晶デバイスの蓋体を外した状態を上面から見た平面透視図である。 (a)第二実施形態における水晶デバイスを構成するパッケージを上面から見た状態を示す平面透視図であり、(b)第二実施形態における水晶デバイスを構成するパッケージの基板を上面から見た平面透視図である。
(第一実施形態)
第一実施形態における音叉型水晶素子120は、図1に示すように、水晶基部121及び水晶振動部122からなる。音叉型水晶素子120の表面には、励振電極123a、123b、124a及び124bと、引き出し電極125a及び125bと、周波数調整電極126a及び126bとにより構成されている。
水晶基部121は、後述する水晶振動部122を支持するために用いられる。水晶基部121は、結晶の軸方向として電気軸がX軸、機械軸がY軸、及び光軸がZ軸となる直交座標系としたとき、X軸回りに−5°〜+5°の範囲内で回転させたZ′軸の方向が厚み方向となる平面視略四角形の平板である。
水晶振動部122は、例えば、その表面に所望のパターンの励振電極123、124を形成し、その励振電極123、124に電位を印加することにより、所望の周波数の振動を励起するためのものある。水晶振動部122は、第一水晶振動部122a及び第二水晶振動部122bとから構成されている。第一水晶振動部122a及び第二水晶振動部122bは、水晶基部121の一辺からY′軸の方向に平行に延設されている。
励振電極123aは、図1に示すように、第一水晶振動部122aの表裏主面に設けられている。また、励振電極124bは、第一水晶振動部122aの対向する両側面に設けられている。周波数調整電極126aは、第一水晶振動部122aの表主面及び側面の先端部に設けられている。また、一方の引き出し電極125aは、平面視して、水晶基部121に設けられている。他方の引き出し電極125bは、励振電極123b、124aと電気的に接続されており、水晶基部121の表裏主面に設けられている。
また、励振電極123bは、図1に示すように、第二水晶振動部122bの表裏主面に設けられている。また、励振電極124aは、第二水晶振動部122bの対向する両側面に設けられている。周波数調整電極126bは、第二水晶振動部122bの表主面及び両側面の先端部に設けられている。他方の引き出し電極125bは、励振電極123a、124bと電気的に接続されており、水晶基部121に設けられている。
なお、周波数調整電極126は、金属の量を増減させることにより、その周波数値を所望する値に調整するためのものである。周波数調整電極126は、水晶振動部122の先端に複数設けられている。複数の周波数調整電極126は、平面視して、それぞれが間隔を空けて、水晶振動部122が延出されている方向に並ぶようにして設けられている。また、周波数調整電極126は、水晶振動部122の長辺の一辺から対向する長辺の一辺に向かって設けられている。
周波数調整電極126は、第一周波数調整電極126a、第二周波数調整電極126b、第三周波数調整電極126c、第四周波数調整電極126d、第五周波数調整電極126e、第六周波数調整電極126f、第七周波数調整電極126g、第八周波数調整電極126h、第九周波数調整電極126i及び第十周波数調整電極126jによって構成されている。つまり、第一水晶振動部122aの先端から順に、間隔を空けて、第一周波数調整電極126a、第二周波数調整電極126b、第三周波数調整電極126c、第四周波数調整電極126d及び第五周波数調整電極126eが設けられている。また、第二水晶振動部122bの先端から順に、間隔を空けて、第六周波数調整電極126f、第七周波数調整電極126g、第八周波数調整電極126h、第九周波数調整電極126i及び第十周波数調整電極126jが設けられている。
このような周波数調整電極126は、水晶振動部122に複数設けられていることで、周波波数調整時に水晶振動部122の先端に設けられた複数の周波数調整電極126の第一周波数調整電極126a及び第六周波数調整電極126fを除去し、次に第二周波数調整電極126b及び第七周波数調整電極126gを除去するように、先端側から順に周波数調整電極126を除去することで、一つずつ周波数整用電極126を除去していくため、周波数調整電極126の境界にバリが発生することを抑え、音叉型水晶素子120の周波数特性を変化させてしまうことを低減することができる。
励振電極123b及び124bと、周波数調整電極126とは、図1に示すように、水晶振動部122の表面に設けられた引き出し電極125により電気的に接続している。また、励振電極123a及び124aと、周波数調整電極126bとは、水晶基部121表面に設けられた引き出し電極125bにより電気的に接続している。
この音叉型水晶素子120を振動させる場合、引き出し電極125a及び125bに交番電圧を印加する。印加後のある電気的状態を瞬間的にとらえると、第二水晶振動部122bの励振電極124bは+(プラス)電位となり、励振電極124aは−(マイナス)電位となり、+から−に電界が生じる。一方、このときの第一水晶振動部122aの励振電極124は、第二水晶振動部122bの励振電極124に生じた極性とは反対の極性となる。これらの印加された電界により、第一水晶振動部122a及び第二水晶振動部122bに伸縮現象が生じ、各水晶振動部122に設定した共振周波数の屈曲振動を得る。
水晶片を平面視したときの長辺寸法が0.8〜1.2mmであり、平面視したときの短辺寸法が0.2〜0.7mmである場合を例にして、水晶基部121及び水晶振動部122を説明する。水晶基部121を平面視したときの長辺寸法が0.2〜0.4mmであり、平面視したときの短辺寸法が0.1〜0.3mmである。水晶振動部122を平面視したときの長辺寸法が0.6〜0.9mmであり、平面視したときの短辺寸法が0.05〜0.2mmである。周波数調整電極126を平面視した時の長辺寸法は、0.05〜0.2mmであり、短辺寸法は、0.02〜0.1mmである。水晶振動部122の延伸方向における周波数調整電極126間の寸法は、0.02〜0.1mmとなっている。
ここで、音叉型水晶素子120の動作について説明する。音叉型水晶素子120は、外部からの交番電圧が引き出し電極125から励振電極123、124を介して水晶振動部122に印加されると、水晶振動部122が所定の振動モード及び周波数で励振を起こすようになっている。
第一実施形態に係る音叉型水晶素子120は、矩形状の水晶基部121と、水晶基部121の側面より延出した水晶基部121の一部である水晶振動部122と、水晶振動部122の上面及び下面に設けられた励振電極123、124と、水晶振動部122の先端の上面に設けられた複数の周波数調整電極126と、水晶振動部122から水晶基部121にかけて設けられ、励振電極123、124と電気的に接続された引き出し電極125と、を備えている。このような音叉型水晶素子120は、水晶振動部122の先端の上面に設けられた複数の周波数調整電極126を備えていることによって、一つずつ周波数整用電極126を除去していくことができるため、周波数調整電極126の境界にバリが発生することを抑え、音叉型水晶素子120の周波数特性を変化させてしまうことを低減することができる。
第一実施形態に係る音叉型水晶素子120は、複数の周波数調整電極126が、平面視して、それぞれが間隔を空けて、水晶振動部123が延出されている方向に並ぶようにして設けられている。このような音叉型水晶素子120は、水晶振動部122の先端の上面に設けられた複数の周波数調整電極126を備えていることによって、このような周波数調整電極126は、平面視して、それぞれが間隔を空けて、水晶振動部123が延出されている方向に並ぶようにして設けられていることで、周波数調整時に水晶振動部122の先端に設けられた複数の周波数調整電極126の第一周波数調整電極126a及び第六周波数調整電極126fを除去し、次に第二周波数調整電極126b及び第七周波数調整電極126gを除去するように、先端側から順に周波数調整電極126を除去することで、一つずつ周波数整用電極126を除去していくため、周波数調整電極126の境界にバリが発生することをさらに抑え、音叉型水晶素子120の周波数特性を変化させてしまうことをさらに低減することができる。
(第一変形例)
以下、第一実施形態の第一変形例における音叉型水晶素子120について説明する。なお、第一実施形態の第一変形例における音叉型水晶素子のうち、上述した音叉型水晶素子と同様な部分については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。第一実施形態の第一変形に係る音叉型水晶素子120は、図2に示すように、水晶振動部122は、振動腕部128と、振動腕部128の先端に設けられた錘部129を備え、錘部129に、複数の周波数調整電極126が設けられている点で異なっている。
また、水晶振動部122は、振動腕部128と錘部129によって構成されている。振動腕部128の先端部、つまり、水晶基部121と反対側の振動腕部128の端部に、ハンマーヘッド形状の錘部129が設けられている。錘部129は、水晶振動部122で生じる屈曲振動の周波数を調整するためのものである。具体的には、錘部129を設けることで、水晶振動部122の先端側へ錘を設けた状態に近づけることができるため、水晶振動部122で生じる屈曲振動の周波数を、錘部129がない場合と比較して低くなるようにすることができ、水晶振動部122で生じる屈曲振動の周波数を所望の周波数となるように調整している。また、錘部129は、第一振動腕部128aの先端部に設けられている第一錘部129aと、第二振動腕部128bの先端部に設けられている第二錘部129bとで構成されている。
なお、周波数調整電極126は、金属の量を増減させることにより、その周波数値を所望する値に調整するためのものである。周波数調整電極126は、錘部129の先端に複数設けられている。複数の周波数調整電極126は、平面視して、それぞれが間隔を空けて、水晶振動部122が延出されている方向と直交する方向に伸びるようにして設けられている。
このように周波数調整電極126は、水晶振動部122の錘部129に複数設けられていることで、周波波数調整時に錘部129の先端に設けられた複数の周波数調整電極126の第一周波数調整電極126a及び第六周波数調整電極126fを除去し、次に第二周波数調整電極126b及び第七周波数調整電極126gを除去するように、先端側から順に周波数調整電極126を除去することで、一つずつ周波数整電極126を除去していくため、周波数調整電極126の境界にバリが発生することを抑え、音叉型水晶素子120の周波数特性を変化させてしまうことを低減することができる。
第一実施形態の第一変形例に係る音叉型水晶素子120は、水晶振動部122は、振動腕部128と、振動腕部128の先端に設けられた錘部129を備え、錘部129に、複数の周波数調整電極126が設けられている。このようにすることによって、錘部129を設けることで、水晶振動部122の先端側へ錘を設けた状態に近づけることができるため、水晶振動部122で生じる屈曲振動の周波数を、錘部129がない場合と比較して周波数調整電極126の一つの質量が大きくなることで、低くなるようにすることができ、水晶振動部122で生じる屈曲振動の周波数を所望の周波数となるように調整することができると共に、周波数調整電極126を削ることで、さらに細かく周波数を調整することが可能となる。
(第二変形例)
以下、第一実施形態の第二変形例における音叉型水晶素子120について説明する。なお、第一実施形態の第二変形例における音叉型水晶素子のうち、上述した音叉型水晶素子と同様な部分については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。第一実施形態の第二変形に係る音叉型水晶素子120は、図3に示すように、水晶振動部122に設けられた溝部Dを備え、溝部D内に励振電極123、124が設けられており、溝部D内に設けられた突起部Pと、を備えている点で異なっている。
溝部Dは、例えば、その溝部D内の表面に所望のパターンの励振電極123、124を形成し、その電極に電位を印加することにより、溝部Dを設けていない場合に比べてより大きな電界強度を得るために用いるものである。溝部Dは、一方の溝部D1及び他方の溝部D2により構成されている。一方の溝部D1は、第一水晶振動部122aの表裏主面に各一本ずつ、第一水晶振動部122aの長さ方向に平行して、第一水晶振動部122aの表裏両主面で対向するように設けられている。一方の溝部D1の一方の端部は、第一水晶振動部122aと基部121との境界部分に設けられており、一方の溝部D1の他方の端部は、第一水晶振動部122aの先端側に位置するように設けられている。また、他方の溝部D2は、第二水晶振動部122bの表裏主面に各一本ずつ、第二水晶振動部122bの長さ方向に平行して、第二水晶振動部122bの表裏両主面で対向するように設けられている。他方の溝部D2の一方の端部は、第二水晶振動部122bと水晶基部121との境界部分に設けられており、他方の溝部D2の他方の端部は、第二水晶振動部122bの先端側に位置するように設けられている。溝部Dの長さは、例えば、第一水晶振動部122a及び第二水晶振動部122bの長さの50〜80%となっている。
突起部Pは、溝部Dをエッチングにより形成する際に、水晶の結晶方位に依存したエッチングレートの違いによって、音叉型水晶素子120の外形と溝部Dとを同時に形成するためのものである。突起部Pは、一方の溝部D1内に設けられている複数の第一突起部P1と、他方の溝部D2内に設けられている複数の第二突起部P2とで構成されている。突起部Pは、溝部D内の+X軸側の長さ方向側面から−X軸側の長さ方向側面に向かって、X′軸方向に延びるように、等間隔で複数個設けられている。突起部Pの突出寸法は、溝部Dの幅寸法により変わるものであり、−X´方向の長さで見ると0.005〜0.015mm程度となっている。
また、第一実施形態の第二変形例における音叉型水晶素子120は、水晶振動部122に設けられた溝部Dと、溝部D内に設けられた突起部Pと、を備えている。このように溝部D内に突起部Pを設けることによって、溝部Dをエッチングにより形成する際に、水晶結晶のエッチング異方性よる結晶方位によるエッチングレートの違いによって、音叉型水晶素子120の外形と、溝部Dとを同時にエッチングにより形成することができる。よって、音叉型水晶素子120の生産性を向上させることができる。
また、上記した各実施形態において、突起部Pは各溝部D内に等間隔で設けられているが、音叉型水晶素子120の大きさによっては、それぞれの突起部P同士の間隔を異なるようにしている。このように突起部P同士の間隔を異ならせることで、水晶振動部122の表裏に形成された溝部D内に設けられた突起部Pが、平面透視した際に、突起部Pが重ならない位置に配置することができる。よって、エッチングにより溝部Dを形成する際に、溝部Dが貫通してしまうことを低減することができる。
(第二実施形態)
第二実施形態の水晶デバイスは、図4〜図6に示されているように、パッケージ110と、パッケージ110の上面に実装された第一実施形態の音叉型水晶素子120とを含んでいる。パッケージ110は、基板110aの上面と枠体110bの内側面によって囲まれた凹部Kが形成されている。このような水晶デバイスは、電子機器等で使用する基準信号を出力するのに用いられる。
基板110aは、矩形状であり、上面に音叉型水晶素子120を実装するための実装部材として機能するものである。基板110aは、上面に、音叉型水晶素子120を実装するための電極パッド111が設けられている。また、基板110aの長辺側の一辺に沿って、音叉型水晶素子120を接合するための第一電極パッド111a及び第二電極パッド111bが設けられている。
基板110aは、例えばアルミナセラミックス又はガラス−セラミックス等のセラミック材料である絶縁層からなる。基板110aは、絶縁層を一層用いたものであっても、絶縁層を複数層積層したものであってもよい。基板110aの表面及び内部には、上面に設けられた電極パッド111と、基板110aの下面に設けられた外部端子112とを電気的に接続するための配線パターン113及びビア導体114が設けられている。
枠体110bは、基板110aの上面の外周縁に沿って配置され、基板110aの上面に凹部Kを形成するためのものである。枠体110bは、例えばアルミナセラミックス又はガラス−セラミックス等のセラミック材料からなり、基板110aと一体的に形成されている。凹部Kの開口部は、平面視した際に、矩形状となっている。
基板110aの下面の四隅には、外部端子112が設けられている。また、四つの外部端子112の内の二つが、音叉型水晶素子120と電気的に接続されている。また、音叉型水晶素子120と電気的に接続されている第一外部端子112a及び第二外部端子112bは、基板110aの下面の両端に位置するように設けられている。
電極パッド111は、音叉型水晶素子120を実装するためのものである。電極パッド111は、基板110aの上面に一対で設けられており、基板110aの一辺に沿うように隣接して設けられている。電極パッド111は、図6に示されているように基板110aの上面に設けられた配線パターン113とビア導体114を介して、基板110aの下面に設けられた外部端子112と電気的に接続されている。
電極パッド111は、図6に示すように、第一電極パッド111a及び第二電極パッド111bによって構成されている。また、外部端子112は、図6に示すように第一外部端子112a及び第二外部端子112bによって構成されている。ビア導体114は、図6に示すように、第一ビア導体114a及び第二ビア導体114bによって構成されている。また、配線パターン113は、第一配線パターン113a及び第二配線パターン113bによって構成されている。第一電極パッド111aは、基板110aに設けられた第一配線パターン113aの一端と電気的に接続されている。また、第一配線パターン113aの他端は、第一ビア導体114aを介して、第一外部端子112aと電気的に接続されている。よって、第一電極パッド111aは、第一外部端子112aと電気的に接続されることになる。第二電極パッド111bは、基板110aに設けられた第二配線パターン113bの一端と電気的に接続されている。また、第二配線パターン113bの他端は、第二ビア導体114bを介して、第二外部端子112bと電気的に接続されている。よって、第二電極パッド111bは、第二外部端子112bと電気的に接続されることになる。
また、電極パッド111の算術平均表面粗さは、0.02〜0.10μmであり、基板110a表面の算術平均表面粗さは、0.5〜1.5μmである。よって、導電性接着剤140は、電極パッド111から基板110a上に向かって広がりにくくなる。
外部端子112は、電子機器等の実装基板(図示せず)と電気的に接合するために用いられる。外部端子112は、基板110aの下面に設けられている。外部端子112の二つの端子は、基板110aの上面に設けられた一対の電極パッド111とそれぞれ電気的に接続されている。
また、第一配線パターン113aは、第一電極パッド111a及び第一ビア導体114aと電気的に接続されている。第一配線パターン113aは、第一電極パッド111aから引き出されており、基板110aの上面に第一配線パターン113aの一部が露出されている。第二配線パターン113bは、第二電極パッド111b及び第二ビア導体114bと電気的に接続されている。第二配線パターン113bは、第二電極パッド111bから近接された枠体110bの短辺方向に向かって延出されており、第二配線パターン113bの一部が露出されている。
ビア導体114は、基板110aの内部に設けられ、その両端は、配線パターン113又は封止用導体パターン117と電気的に接続されている。ビア導体114は、基板110aに設けられた貫通孔の内部に導体を充填することで設けられている。また、ビア導体114は、図6に示すように、第一ビア導体114a及び第二ビア導体114bによって構成されている。
ここでパッケージ110を平面視したときの一辺の寸法が、1.0〜3.0mmであり、パッケージ110の上下方向の寸法が、0.2〜1.5mmである場合を例にして、凹部K、電極パッド111の大きさを説明する。凹部Kの長辺の長さは、0.7〜2.0.mmであり、短辺の長さは、0.5〜1.5mmとなっている。また、凹部Kの上下方向の長さは、0.1〜0.5mmとなっている。基板110aの一辺と平行となる電極パッド111の辺の長さは、0.25〜0.40mmとなる。また、基板110aの一辺と交わる辺と平行となる電極パッド111の辺の長さは、0.25〜0.40mmとなる。電極パッド111の上下方向の厚みの長さは、10〜50μmとなる。
封止用導体パターン117は、蓋体130と接合部材131を介して接合する際に、接合部材131の濡れ性をよくする役割を果たしている。封止用導体パターン117は、枠体110bの上面を囲むようにして設けられている。封止用導体パターン117は、例えばタングステン又はモリブデン等から成る導体パターンの表面にニッケルメッキ及び金メッキを順次、枠体110bの上面を環状に囲む形態で施すことによって、例えば10〜25μmの厚みに形成されている。
ここで、基板110aの作製方法について説明する。基板110aがアルミナセラミックスから成る場合、まず所定のセラミック材料粉末に適当な有機溶剤等を添加・混合して得た複数のセラミックグリーンシートを準備する。また、セラミックグリーンシートの表面或いはセラミックグリーンシートに打ち抜き等を施して予め穿設しておいた貫通孔内に、従来周知のスクリーン印刷等によって所定の導体ペーストを塗布する。さらに、これらのグリーンシートを積層してプレス成形したものを、高温で焼成する。最後に、導体パターンの所定部位、具体的には、電極パッド111、外部端子112、配線パターン113、ビア導体114及び封止用導体パターン117となる部位にニッケルメッキ又、金メッキ、銀パラジウム等を施すことにより作製される。また、導体ペーストは、例えばタングステン、モリブデン、銅、銀又は銀パラジウム等の金属粉末の焼結体等から構成されている。
音叉型水晶素子120の基板110aへの接合方法について説明する。まず、導電性接着剤140は、例えばディスペンサによって、一対の電極パッド111の上面に塗布される。音叉型水晶素子120は、導電性接着剤140上に搬送され、導電性接着剤140上に載置される。そして音叉型水晶素子120は、導電性接着剤140を加熱硬化させることによって一対の電極パッド111に接合される。
導電性接着剤140は、引き出し電極125a、125bと対向する電極パッド111上に設けられ、音叉型水晶素子120の一端を基板110aの上面と固定するようにして設けられている。また、導電性接着剤140は、水晶デバイスに熱が印加された場合に膨張し、冷却された場合に収縮することになる。
導電性接着剤140は、シリコーン樹脂等のバインダーの中に導電フィラーとして導電性粉末が含有されている。導電性粉末としては、アルミニウム、モリブデン、タングステン、白金、パラジウム、銀、チタン、ニッケル又はニッケル鉄のうちのいずれか、或いはこれらの組み合わせを含むものが用いられている。また、バインダーとしては、例えばシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂又はビスマレイミド樹脂が用いられる。
導電性接着剤140の粘度が、35〜45Pa・sのものを使用することによって、塗布した際に、導電性接着剤140は、電極パッド111から基板110a上面に流れ出にくくなることで、電極パッド111上に留まり、上下方向の厚みが維持される。導電性接着剤140の上下方向の厚みの長さは、10〜25μmである。このように導電性接着剤140の厚みを確保できることによって、落下等の試験により加わった衝撃が音叉型水晶素子120に対して導電性接着剤140を中心にして上下方向へ加わったとしても、その衝撃を導電性接着剤140で十分に吸収緩和することができる。
蓋体130は、例えば、鉄、ニッケル又はコバルトの少なくともいずれかを含む合金からなる。このような蓋体130は、真空状態にある凹部K、あるいは窒素ガスなどが充填された凹部Kを気密的に封止するためのものである。具体的には、蓋体130は、所定雰囲気で、パッケージ110の枠体110b上に載置される。そして、枠体110bの封止用導体パターン117と蓋体130の接合部材131とが溶接されるように、蓋体130に所定電流を印加してシーム溶接を行うことにより、蓋体130を枠体110bに接合する。
接合部材131は、パッケージ110の枠体110b上面に設けられた封止用導体パターン117に相対する蓋体130の箇所に設けられている。接合部材131は、例えば、金錫又は銀ロウによって設けられている。金錫の場合は、その厚みは、10〜40μmである。例えば、成分比率が、金が78〜82%、錫が18〜22%のものが使用されている。銀ロウの場合は、その厚みは、10〜20μmである。例えば、成分比率は、銀が72〜85%、銅が15〜28%のものが使用されている。
接合部材131は、例えば、ガラスの場合には、350℃〜400℃で溶融する鉛フリーガラスである例えばバナジウムを含有した低融点ガラスから構成されている。鉛フリーガラスは、バインダーと溶剤とが加えられペースト状であり、溶融された後固化されることで他の部材と接着する。接合部材131は、例えば、ガラスフリットペーストがスクリーン印刷法で塗布され乾燥することで設けられる。
また、第二実施形態の水晶デバイスでは、このような音叉型水晶素子120が、周波数調整電極126が水晶振動部122に複数設けられていることで、一つずつ周波数調整電極126を除去していくため、周波数調整電極126の境界にバリが発生することを抑えるため、バリが剥がれて音叉型水晶素子120に付着することを低減することができる。また、バリが音叉型水晶素子120に付着することを抑えるため、音叉型水晶素子の屈曲振動を阻害されることなく、音叉型水晶素子120の周波数特性を安定させることができる。
また、第二実施形態の水晶デバイスでは、配線パターン113が、電極パッド111と電気的に接続されており、平面視した際に、枠体110bと重なる位置に設けられている。このようにすることによって、水晶デバイスは、配線パターン113と音叉型水晶素子120との間で浮遊容量が発生することを抑えるので、音叉型水晶素子120にこの浮遊容量が付与されることがないため、発振周波数が変動してしまうことを抑えることができる。また、水晶デバイスに外力が加わり、枠体110bの長辺方向に曲げモーメントが発生しても、基板110aに加えて枠体110bが設けられていることにより、枠体110bが設けられている箇所は、変形しにくくなる。よって、枠体110bと平面視して重なる位置に設けられた配線パターン113は、断線しにくくなり、発振周波数が出力されなくなることを抑制することができる。
尚、本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。上記実施形態では、枠体110bが基板110aと同様にセラミック材で一体的に形成した場合を説明したが、枠体110bが金属製であっても構わない。この場合、枠体は、銀−銅等のロウ材を介して基板の導体膜に接合されている。
第二実施形態では、基板110aの下面に二つの外部端子112が設けられている場合を説明したが、基板の下面に四つの外部端子を設けるようにしても構わない。この場合には、封止用導体パターンは、一つの外部端子とは、電気的に接続されている。
110・・・パッケージ
110a・・・基板
110b・・・枠体
111・・・電極パッド
112・・・外部端子
113・・・配線パターン
114・・・ビア導体
115・・・凸部
117・・・封止用導体パターン
120・・・音叉型水晶素子
121・・・水晶基部
122・・・水晶振動部
123、124・・・励振電極
125・・・引き出し電極
126・・・周波数調整電極
128・・・振動腕部
129・・・錘部
130・・・蓋体
131・・・接合部材
140・・・導電性接着剤
D・・・溝部
K・・・凹部
P・・・突起部

Claims (5)

  1. 矩形状の水晶基部と、
    前記水晶基部の側面より延出した前記水晶基部の一部である水晶振動部と、
    前記水晶振動部の上面及び下面に設けられた励振電極と、
    前記水晶振動部の先端の上面に設けられた複数の周波数調整電極と、
    前記水晶振動部から前記水晶基部にかけて設けられ、前記励振電極と電気的に接続された引き出し電極と、を備えていることを特徴とする音叉型水晶素子。
  2. 請求項1記載の音叉型水晶素子であって、
    前記複数の周波数調整電極が、平面視して、それぞれが間隔を空けて、前記水晶振動部が延出されている方向に並ぶようにして設けられていることを特徴とする音叉型水晶素子。
  3. 請求項1記載の音叉型水晶素子であって、
    前記水晶振動部は、振動腕部と、前記振動腕部の先端に設けられた錘部を備え、
    前記錘部に、前記複数の周波数調整電極が設けられていることを特徴とする音叉型水晶素子
  4. 請求項1記載の音叉型水晶素子であって、
    前記水晶振動部に設けられた溝部と、
    前記溝部内に設けられた突起部と、を備えていることを特徴とする音叉型水晶素子。
  5. 請求項1記載の音叉型水晶素子と、
    前記基板と前記枠体とで構成され、前記基板上に設けられた電極パッドを有するパッケージと、
    前記音叉型水晶素子を気密封止するための蓋体と、を備えた水晶デバイス。
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