以下では、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置、接続形態および工程等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。例えば、以下の実施の形態においては、当該実施の形態よりも前に説明が行われた実施の形態との相違点を中心に説明が行われる。また、「略**」との記載は実質的に**と認められるものを含む意図であり、例えば「略平行」を例に挙げて説明すると、完全に平行はもとより、実質的に平行と認められるものを含む意図である。
また、各図において、Z軸は、例えば、鉛直方向の軸であり、太陽電池モジュールの主面に垂直な軸である。X軸およびY軸は互いに直交し、かつ、いずれもZ軸方向に直交する軸である。例えば、以下の実施の形態において、「平面視」とは、Z軸のプラス側(Z軸のプラス方向)から見ていることを意味する。
また、各実施の形態において、「第1受光面」とは太陽電池モジュールにおいて直達光が入射する面(Z軸プラス側の面)であり、表面(主受光面)に相当する。また、「第2受光面」とは第1受光面と背向する太陽電池モジュールの面であって散乱光が入射する面(Z軸マイナス側の面)であり、裏面に相当する。
(実施の形態1)
以下、図1A〜図3を用いて、実施の形態1を説明する。
[1.太陽電池モジュールの構成]
まず、本実施の形態に係る太陽電池モジュールの概略構成について、図1Aおよび図1Bを用いて説明する。図1Aは、本実施の形態に係る太陽電池モジュール1の平面図である。図1Bは、図1AのIB−IB線における実施の形態に係る太陽電池モジュール1の断面図である。
図1Aおよび図1Bに示すように、太陽電池モジュール1は、複数の太陽電池セル10と、配線部材20と、光反射部材30と、表面保護部材40と、裏面保護部材50と、充填部材60と、フレーム70とを備える。太陽電池モジュール1は、表面保護部材40と裏面保護部材50との間に、複数の太陽電池セル10が充填部材60で封止された構造となっている。なお、本発明に係る太陽電池モジュール1は、両面受光方式の太陽電池モジュールである。
図1Aに示すように、太陽電池モジュール1の平面視形状は、例えば、略矩形状である。一例として、太陽電池モジュール1は、横の長さが約1600mmで、縦の長さが約800mmの略矩形状である。なお、太陽電池モジュール1の形状は、矩形状に限るものではない。
以下、太陽電池モジュール1の各構成部材について、図1Aおよび図1Bを参照しながら、図2および図3を用いてさらに詳細に説明する。図2は、図1Aの破線で囲まれる領域Xの拡大図であって、実施の形態に係る太陽電池モジュール1の一部拡大平面図である。図3は、図2のIII−III線における実施の形態に係る太陽電池モジュール1の断面図である。なお、図3は、光反射部材30周辺の拡大断面図である。
[太陽電池セル]
太陽電池セル10は、太陽光等の光を電力に変換する光電変換素子(光起電力素子)である。図1Aに示すように、太陽電池セル10は、同一平面において行列状(マトリクス状)に複数枚配列されている。なお、太陽電池セル10は、同一平面において1行又は1列のみ配列されていてもよい。
直線状に配列された複数の太陽電池セル10は、隣り合う2つの太陽電池セル10同士が配線部材20によって連結されてストリングを構成している。1つのストリング10S内の複数の太陽電池セル10は、配線部材20によって電気的に接続され、直列接続されている。
図1Aに示すように、本実施の形態では、X軸方向に沿って等間隔に配列された12枚の太陽電池セル10が配線部材20で接続されることで1つのストリング10Sを構成している。ストリング10Sは、複数形成されている。複数のストリング10S(ストリングス)は、X軸方向に直交するY軸方向に沿って並べられている。本実施の形態では、図1Aに示すように、6つのストリング10Sが互いに平行となるようにY軸方向に沿って等間隔で並べられている。
なお、各ストリング10Sにおける先頭の太陽電池セル10は、配線部材20を介して他の配線部材(不図示)に接続されている。また、各ストリング10Sにおける最後尾の太陽電池セル10は、配線部材20を介して他の配線部材(不図示)に接続されている。これにより、複数(図1Aでは6つ)のストリング10Sが直列接続又は並列接続されてセルアレイが構成される。本実施の形態では、6つのストリング10Sが直列接続されて1つの直列接続体が構成されている。
図1Aおよび図2に示すように、複数の太陽電池セル10は、X軸方向およびY軸方向に隣り合う太陽電池セル10との間に隙間をあけて配置されている。後述するように、この隙間には光反射部材30が配置されている。
本実施の形態において、太陽電池セル10の平面視形状は、略矩形状である。具体的には、太陽電池セル10は、125mm角の正方形の角が欠けた形状である。つまり、1つのストリング10Sは、隣り合う2つの太陽電池セル10の一辺同士が対向するように構成されている。なお、太陽電池セル10の形状は、略矩形状に限るものではない。
太陽電池セル10は、半導体pn接合を基本構造としており、一例として、n型の半導体基板であるn型単結晶シリコン基板と、n型単結晶シリコン基板の一方の主面側に順次形成された、n型非晶質シリコン層およびn側電極と、n型単結晶シリコン基板の他方の主面側に順次形成された、p型非晶質シリコン層およびp側電極とによって構成されている。n側電極およびp側電極は、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透明電極である。n型単結晶シリコン基板とn型非晶質シリコン層との間、または、n型単結晶シリコン基板とp型非晶質シリコン層との間に、i型非晶質シリコン層や酸化シリコン層のようなパッシベーション層を設けて、発生したキャリアの再結合を抑制してもよい。
なお、本実施の形態において、太陽電池セル10は、p側電極が太陽電池モジュール1の主受光面側(表面保護部材40側)となるように配置されてもよいし、n側電極が太陽電池モジュール1の主受光面側となるように配置されてもよい。
図1Bおよび図3に示すように、太陽電池セル10には、表側集電極11と裏側集電極12とが形成されている。表側集電極11は、太陽電池セル10の表面側電極(例えばn側電極)に電気的に接続される。裏側集電極12は、太陽電池セル10の裏面側電極(例えばp側電極)に電気的に接続される。
表側集電極11および裏側集電極12の各々は、例えば、配線部材20の延設方向と直交するように直線状に形成された複数本のフィンガー電極と、これらのフィンガー電極に接続されるとともにフィンガー電極に直交する方向(配線部材20の延設方向)に沿って直線状に形成された複数本のバスバー電極とを備える。バスバー電極の本数は、例えば、配線部材20と同数であり、本実施の形態では、3本である。なお、表側集電極11および裏側集電極12は、互いに同じ形状となっているが、これに限定されるものではない。
表側集電極11および裏側集電極12は、銀(Ag)等の低抵抗導電材料からなる。例えば、表側集電極11および裏側集電極12は、バインダー樹脂中に銀等の導電性フィラーが分散した導電性ペースト(銀ペースト等)を所定のパターンでスクリーン印刷することで形成される。
このように構成される太陽電池セル10は、表面および裏面の両方が受光面となる。太陽電池セル10に光が入射すると太陽電池セル10の光電変換部でキャリアが発生する。発生したキャリアは、表側集電極11および裏側集電極12で収集されて配線部材20に流れ込む。このように、表側集電極11および裏側集電極12を設けることで、太陽電池セル10で発生したキャリアを外部回路に効率的に取り出すことができる。
[2.配線部材(インターコネクタ)]
図1Aおよび図1Bに示すように、配線部材20(インターコネクタ)は、ストリング10Sにおいて、隣り合う2つの太陽電池セル10同士を電気的に接続する。図1Aおよび図2に示すように、本実施の形態では、隣り合う2つの太陽電池セル10は、互いに略平行に配置された3本の配線部材20によって接続されている。各配線部材20は、接続する2つの太陽電池セル10の並び方向に沿って延設されている。
配線部材20は、長尺状の導電性配線であって、例えば、リボン状の金属箔である。配線部材20は、例えば、銅箔や銀箔等の金属箔の表面全体をハンダや銀等で被覆したものを所定の長さに短冊状に切断することによって作製することができる。
図1Bに示すように、各配線部材20については、配線部材20の一端部が、隣り合う2つの太陽電池セル10のうちの一方の太陽電池セル10の表面に配置されている。また、配線部材20の他端部が、隣り合う2つの太陽電池セル10のうちの他方の太陽電池セル10の裏面に配置されている。
各配線部材20は、隣り合う2つの太陽電池セル10において、一方の太陽電池セル10の表側集電極11と、他方の太陽電池セル10の裏側集電極12とを電気的に接続している。例えば、配線部材20と、太陽電池セル10の表側集電極11および裏側集電極12のバスバー電極とは、ハンダ材や導電性粒子を含む樹脂等の導電性を有する接着剤で接合されている。
また、配線部材20の表面には凹凸が設けられていてもよい。例えば、太陽電池モジュール1の主受光面側から配線部材20の表面に光が入射した場合、配線部材20に凹凸が設けられていると、その光を凹凸で散乱させて表面保護部材40と外部の空気層との界面で反射させることで太陽電池セル10へと導くことを可能とする。これにより、配線部材20の表面で反射された光も有効に発電に寄与させることができ、太陽電池モジュール1の発電効率が向上する。また、本実施の形態に係る太陽電池モジュール1は、両面受光方式の太陽電池モジュールであるため、配線部材20の裏面に凹凸を設けてもよい。なお、配線部材20の表面および裏面は、凹凸形状ではなく、平坦面であってもよい。また、表面が平坦な配線部材20の上に、表面が凹凸形状の凹凸状反射部材を別途積層してもよい。
[光反射部材]
図1A、図2および図3に示すように、太陽電池モジュール1は、第1の太陽電池セル10Aと、第1の太陽電池セル10Aと隙間をあけて配置された第2の太陽電池セル10Bと、光反射部材30とを備える。光反射部材30は、太陽電池モジュール1の平面視において少なくとも一部が第1の太陽電池セル10Aと第2の太陽電池セル10Bとの間に配置されている。本実施の形態では、光反射部材30は、第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bに対して、第2受光面側に配置されている。また、光反射部材30は、両面が光反射性を有しており、入射した光を反射する。つまり、本実施の形態に係る光反射部材30は、両面受光方式の太陽電池モジュールに使用される。
本実施の形態において、光反射部材30は、隙間をあけて配置された隣り合う2つの太陽電池セル10に跨るように設けられる。具体的には、光反射部材30は、第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bの裏面側(第2受光面側)の面において、第1の太陽電池セル10Aと第2の太陽電池セル10Bとに跨って設けられている。
光反射部材30は、拡散層31、反射層32、樹脂基材層33および接着層34が、この順に積層されて形成されている。なお、接着層34は、第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bの裏面側に配置され、樹脂基材層33、反射層32、拡散層31の順に、太陽電池モジュール1の裏面側に向けて積層されている。
本実施の形態において、拡散層31は、太陽電池モジュール1の裏面から光反射部材30に入射した入射光(散乱光)を拡散反射させる白色樹脂層である。拡散層31は、白色材料によって構成される。拡散層31の材料は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはエチレンビニルアセテート(EVA)が白色加工された樹脂材料である、白色のPETまたは白色のEVAなどである。例えば、PETまたはEVAなどの透光性樹脂材料に酸化チタン(チタニア)等の金属微粒子を含有させたものを用いることができる。例えば、白色のPETシートなどでもよい。また、酸化マグネシウムなどを含む白色顔料や白色ペーストなどを塗布することで拡散層31を形成してもよい。拡散層31が白色材料で構成されることで、拡散層31に入射した光はその表面で散乱される。なお、本実施の形態では拡散層31の第2受光面側の面は、略平坦に形成されているが、これに限定されない。
また、本実施の形態では、拡散層31は、後述する反射層32の太陽電池モジュール1の裏面側の面に設けられる。
太陽電池モジュール1の裏面には太陽光が物体などで反射した散乱光が入射するので、光反射部材30に入射する光は太陽電池モジュール1の裏面に対する垂直方向の成分(太陽電池モジュール1の裏面に対して深い角度で入射する成分)が少ない。そのため、例えば、アルミニウム又は銀等の金属からなる金属膜(金属反射膜)により反射させると、その反射光は太陽電池モジュール1の裏面保護部材50に対して垂直方向の成分(深い角度で入射する成分)が多くなる。これにより、裏面保護部材50と外部の空気層との界面(以降、裏面側界面)で反射され太陽電池セル10に再入射する光が減ってしまう(太陽電池モジュール1の外部に出射される光が増える)。つまり、太陽電池モジュール1の裏面から光反射部材30に入射した光を有効に発電に活用できない。なお、垂直方向とは、太陽電池モジュール1の主受光面に垂直な方向(Z軸方向)である。
一方、図3に示すように、本実施の形態に係る拡散層31を用いることで、太陽電池モジュール1の裏面から光反射部材30に入射した光を散乱させることができる。これにより、光反射部材30で反射した光のうち垂直方向の成分が少なくなる(裏面側界面に対して浅い角度で入射する成分が増える)。つまり、裏面側界面で反射され、太陽電池セル10に再入射する光(発電に寄与する光)を増やすことができる。また、太陽電池モジュール1の裏面からは垂直方向を含む様々な方向からの光が入射するが、これらの光を散乱させることで、様々な方向から入射した光を発電に寄与させることができる。よって、太陽電池モジュール1の発電効率を向上させることができる。
例えば、拡散層31の厚みは、10nm以上100000nm以下である。なお、拡散層31の厚みとは、YZ平面における拡散層31のZ軸方向の厚みである。
また、図3において、表面保護部材40と外部の空気層との界面および裏面保護部材50と外部の空気層との界面での反射のみを図示している。
反射層32は、主受光面から光反射部材30に入射した入射光を特定の方向に反射させる金属層であり、樹脂基材層33の第1凹凸部80の表面に設けられ、第1凹凸部80の凹凸形状を反映した形状を有する。例えば、アルミニウム又は銀等の金属からなる金属膜(金属反射膜)である。例えば、蒸着等によって樹脂基材層33の第1凹凸部80の表面に形成される。したがって、反射層32の表面形状は、樹脂基材層33の第1凹凸部80に倣った凹凸形状となる。つまり、反射層32は、複数の凸部と複数の凹部との繰り返し構造である。なお、本実施の形態において、反射層32は、アルミニウム蒸着膜である。
一例として、樹脂基材層33の凹凸形状は、光反射部材30の長手方向に沿った三角溝形状としている。ただし、樹脂基材層33の凹凸形状は、これに限定されるものではなく、光を散乱させることができるものであれば、円錐形状、四角錐形状又は多角錐形状、あるいは、これらの形状の組み合わせ等であってもよい。
なお、本実施の形態では、拡散層31は、反射層32の樹脂基材層33側の面とは反対側(第2受光面側)の面に設けられる。
例えば、反射層32の厚みは、30nm以上200nm以下である。なお、反射層32の厚みとは、YZ平面における反射層32のZ軸方向の厚みである。
上記で説明したように、太陽電池モジュール1の主受光面には主に太陽からの直達光が入射するので、光反射部材30に入射する光は主受光面に対する垂直方向の成分が多い。そのため、例えば、アルミニウムまたは銀等の金属からなる金属膜(金属反射膜)により反射させることで、その反射光は主受光面に対して垂直方向の成分が少ない。例えば、反射層32に入射した光は、鏡面反射または金属反射され、特定の方向へ出射される。この反射光は、表面保護部材40と外部の空気層との界面(以降、表面側界面)に浅い角度で入射するので、当該表面側界面で反射され、太陽電池セル10へと導かれる(図3参照)。つまり、太陽電池モジュール1の主受光面から光反射部材30に入射した光を有効に発電に活用することができる。よって、太陽電池モジュール1の発電効率を向上させることができる。
反射層32では、入射光が鏡面反射される。また、反射層32は、凹凸形状を有している。そのため、反射層32によって反射した光は、斜め上方に進む。反射層32は、主受光面に対して垂直に入射した光を、斜め方向に反射させることができる。つまり、反射層32による反射光の主受光面に対する垂直方向への反射成分は少ない。
一方、拡散層31では、入射光が拡散反射される。つまり、鏡面反射のように所定の方向に反射されるのではなく、様々な方向に光が反射される。拡散層31は、太陽電池モジュール1の裏面に対して垂直に入射した光を、拡散反射させる。そのため、拡散層31で反射した光には、太陽電池モジュール1の裏面(主受光面)に対して垂直方向に反射する光が多い。つまり、垂直方向から入射した同じ強度の光に対する反射において、反射層32による反射光の主受光面に対する垂直方向への反射成分は、拡散層31による反射光の主受光面に対する垂直方向への反射成分と異なる。本実施の形態では、反射層32による反射光の主受光面に対する垂直方向への反射成分は、拡散層31による反射光の主受光面に対する垂直方向への反射成分より少ない。
樹脂基材層33は、反射層32の主受光面側の面に設けられる樹脂層である。樹脂基材層33の第1受光面と略平行な面のうちの一方の面には、第1凹凸部80が設けられている。本実施の形態においては、樹脂基材層33の第2受光面側の面(裏面)に第1凹凸部80が設けられている。
例えば、樹脂基材層33の厚みは、30nm以上200nm以下である。また、樹脂基材層33の裏面に形成されている凹凸は、例えば、凹部(谷部)と凸部(山部)との間の高さが5μm以上100μm以下であり、隣り合う凸部の間隔(ピッチ)が20μm以上400μm以下である。なお、樹脂基材層33の反射層32側と反対の面(表面)の形状は、略平坦である。
反射層32が太陽電池セル10に接触すると、太陽電池セル10と反射層32との絶縁性を保つことができなくなる恐れがある。例えば、反射層32を通して隣り合う太陽電池セル10間にリーク電流が発生する等の不具合が発生する。このため、樹脂基材層33は反射層32の主受光面側(太陽電池セル10側)の表面全面を覆っている。樹脂基材層33は、例えば、絶縁性樹脂材料によって構成されている。これにより、太陽電池セル10と反射層32との絶縁性を保つことができる。したがって、光反射部材30を設けても絶縁信頼性の高い太陽電池モジュール1を実現することができる。
樹脂基材層33は、反射層32よりも主受光面側に設けられている。したがって、樹脂基材層33は、主受光面から入射した光を反射層32の当該主受光面側の面で反射させるために、透明性を有している。樹脂基材層33の材料は、透明材料等の透光性材料によって構成されている。本実施の形態において、樹脂基材層33の材料は、透明材料である。樹脂基材層33の材料は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はアクリル等である。
接着層34は、樹脂基材層33の主受光面側(第1受光面側)に設けられる。本実施の形態では、接着層34は、樹脂基材層33の表面全面に設けられている。接着層34により、光反射部材30は、太陽電池セル10(図3における第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10B)に接着固定される。具体的には、光反射部材30の接着層34により、光反射部材30は第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bの裏面側(第2受光面側)の端部と接着固定される。より、具体的には、光反射部材30の接着層34の幅方向(Y軸方向)の一方の端部と、第1の太陽電池セル10Aの第2の太陽電池セル10B側の端部とが太陽電池セル10の裏面側で接着固定される。また、光反射部材30の接着層34の幅方向(Y軸方向)の他方の端部と、第2の太陽電池セル10Bの第1の太陽電池セル10A側の端部とが太陽電池セル10の裏面側で接着固定される。
なお、光反射部材30は、接着層34により後述するラミネート処理の前に太陽電池セル10に予め接着される。つまり、ラミネート処理前に、太陽電池セル10の所定の位置に光反射部材30を仮止めしておくことができる。したがって、光反射部材30を所定の位置に配置することができるので、光反射部材30に入射した光を太陽電池セル10の所望の箇所に導くことができる。この結果、光反射部材30を配置したことにより、発電効率の向上効果を得ることができる。
図3に示すように、接着層34は、反射層32よりも主受光面側に設けられている。したがって、接着層34は、主受光面から入射した光を反射層32の当該主受光面側の面で反射させるために、透明性を有している。接着層34の材料は、透明材料等の透光性材料によって構成されている。本実施の形態において、接着層34の材料は、透明材料である。また、接着層34の材料は、例えばEVAからなる感熱接着剤又は感圧接着剤である。これにより、加熱圧着によって光反射部材30は太陽電池セル10に接着固定される。
なお、光反射部材30は太陽電池セル10に固定されている必要はなく、太陽電池セル10から離れて配置されていてもよい。その場合、光反射部材30は、接着層34を有していなくてもよい。また、その場合、太陽電池セル10と反射層32との絶縁性が確保されていれば、光反射部材30は、樹脂基材層33を有していなくてもよい。つまり、光反射部材30は、拡散層31および反射層32のみで構成されていてもよい。なお、反射層32は、予め凹凸形状を有するように加工された金属膜を用いることができる。
図1Aおよび図2に示すように、光反射部材30は、複数設けられる。各光反射部材30は、ストリング10Sの長手方向に延在するテープ状の光反射シートであり、一例として、長尺矩形状かつ薄板状である。各光反射部材30は、例えば、長さが100mm以上130mm以下であり、幅が1mm以上20mm以下であり、厚さが0.05mm以上0.5mm以下である。一例として、光反射部材30は、長さが125mmであり、幅が5mmであり、厚さが0.1mmである。
また、図1Aに示すように、光反射部材30は、隣り合う2つのストリング10Sの間の隙間に、ストリング10Sの長手方向に沿って複数設けられている。具体的には、光反射部材30は、このストリング10Sの隙間において、2つの太陽電池セル10の間の隙間ごとに設けられている。各光反射部材30は、隣り合う2つの太陽電池セル10に跨るように配置されるので、各光反射部材30の幅は、隣り合う2つの太陽電池セル10の隙間の間隔よりも大きくなっている。
本実施の形態において、光反射部材30は、太陽電池セル10の裏面側に配置されている。光反射部材30を太陽電池セル10の主受光面側に配置すると、光反射部材30と太陽電池セル10との重なり部分において太陽電池セル10の有効領域(発電領域)が光反射部材30で遮光されて遮光ロスが発生する可能性がある。本実施の形態に示すように、光反射部材30を太陽電池セル10の裏面側に配置することで、このような遮光ロスを軽減することができる。
光反射部材30は、充填部材60によって封止されている。具体的には、光反射部材30は、表面充填部材61と裏面充填部材62とで封止されている。より具体的には、光反射部材30の表面保護部材40側(主受光面側)は、表面充填部材61によって覆われており、光反射部材30の裏面保護部材50側は、裏面充填部材62によって覆われている。
このように、隣り合う2つの太陽電池セル10(第1の太陽電池セル10Aと第2の太陽電池セル10B)の間の隙間は、光反射部材30によって覆われている。
これにより、主受光面から太陽電池モジュール1に入射した光(直達光)のうち隣り合う2つの太陽電池セル10の間の隙間に入射した光は、表面充填部材61を透過して光反射部材30に到達し、接着層34および樹脂基材層33を透過して反射層32の凹凸形状によって反射する。この反射した光は、表面側界面で全反射して、太陽電池セル10へと導かれる。この結果、主受光面から入射した光を発電に寄与させることができない領域である隣り合う2つの太陽電池セル10の間の隙間の領域に入射する光も有効に発電に寄与させることができるので、太陽電池モジュール1の発電効率が向上する。
また、裏面側から太陽電池モジュール1に入射した光のうち隣り合う2つの太陽電池セル10の間の隙間に入射した光は、裏面充填部材62を透過して光反射部材30に到達し、拡散層31によって拡散反射する。この拡散反射した光の一部は、裏面側界面に浅い角度で入射することで反射して、太陽電池セル10へと導かれる。つまり、太陽電池モジュール1の裏面に入射する光の向きが一定でない場合であっても、反射光を裏面側界面に浅い角度で入射させる成分を生じさせることができ、裏面側界面での反射を促進させることができる。この結果、裏面から入射した光を発電に寄与させることができない領域である隣り合う2つの太陽電池セル10の間の隙間の領域に入射する光も有効に発電に寄与させることができるので、太陽電池モジュール1の発電効率が向上する。
つまり、本実施の形態に係る光反射部材30であれば、太陽電池モジュール1の主受光面から光反射部材30に入射した光、および、太陽電池モジュール1の裏面側から光反射部材30に入射した光をそれぞれ有効に発電に寄与させることができる。
拡散層31に反射層32のように主受光面に対する垂直方向の入射光を斜め方向へ反射させるものを用いた場合について説明する。裏面から入射する光は周囲の物体で反射された散乱光であり、太陽電池モジュール1の裏面に対し主に斜め方向から入射する成分が多い。つまり、当該散乱光は、光反射部材30に対しても、主に斜め方向から入射する。斜め方向から入射した光を反射層32のような構成を有する拡散層31により斜め方向へ反射させると、裏面側境界面に対し深い角度で入射する成分が多くなる場合がる。深い角度で入射した光は、裏面側界面での反射が起こらず、太陽電池モジュール1の外へ出射される。つまり、裏面側のように斜めからの(裏面に対して浅い角度で入射する)入射光に対しては、本実施の形態の拡散層31のように拡散反射させるほうが、太陽電池モジュール1の外部へ出射される光を低減することができる。これにより、拡散層31を用いることで、第2受光面から入射した光を有効に発電に寄与させることができる。
[表面保護部材、裏面保護部材]
表面保護部材40は、太陽電池モジュール1の表側の面を保護する部材であり、太陽電池モジュール1の内部(太陽電池セル10等)を、風雨や外部衝撃等の外部環境から保護する。図1Bに示すように、表面保護部材40は、太陽電池セル10の表面側(第1受光面側)に配設されており、太陽電池セル10の表面側の受光面を保護している。
表面保護部材40は、太陽電池セル10において光電変換に利用される波長帯域の光を透過する透光性部材によって構成されている。表面保護部材40は、例えば、透明ガラス材料からなるガラス基板(透明ガラス基板)、または、フィルム状や板状の透光性および遮水性を有する硬質の樹脂材料からなる樹脂基板である。
一方、裏面保護部材50は、太陽電池モジュール1の裏側の面を保護する部材であり、太陽電池モジュール1の内部を外部環境から保護する。図1Bに示すように、裏面保護部材50は、太陽電池セル10の裏面側(第2受光面側)に配設されており、太陽電池セル10の裏面側の受光面を保護している。
裏面保護部材50は、例えば、透明ガラス材料からなるガラス基板やガラスシート、または、フィルム状や板状の透光性および遮水性を有する硬質の樹脂材料からなる樹脂基板である。樹脂材料とは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリエチレンナフタレート(PEN)等である。
なお、本実施の形態では、表面保護部材および裏面保護部材は、透過性の高いガラス材料により構成されている。
[充填部材]
充填部材(充填材)60は、表面保護部材40と裏面保護部材50との間に配置される。本実施の形態において、充填部材60は、表面保護部材40と裏面保護部材50との間を埋めるように充填されている。
図3に示すように、充填部材60は、表面充填部材61と裏面充填部材62とによって構成されている。複数の太陽電池セル10は、例えばシート状の表面充填部材61と裏面充填部材62とで挟み込まれた状態でラミネート処理(ラミネート加工)を行うことで充填部材60によって全体が覆われる。
具体的には、複数の太陽電池セル10を配線部材20で連結してストリング10Sを形成した後、複数本のストリング10Sを表面充填部材61と裏面充填部材62とで挟み込み、さらに、その上下に表面保護部材40と裏面保護部材50とを配置して、例えば100℃以上の温度で真空中で熱圧着を行う。この熱圧着によって、表面充填部材61および裏面充填部材62が加熱されて溶融し、太陽電池セル10を封止する充填部材60となる。
ラミネート処理前の表面充填部材61は、例えば架橋性を有するEVA又は非架橋性を有するポリオレフィン等の樹脂材料によって構成された樹脂シートであり、複数の太陽電池セル10と表面保護部材40との間に配置される。表面充填部材61は、ラミネート処理によって主に太陽電池セル10と表面保護部材40との間の隙間を埋めるように充填される。
表面充填部材61は、透光性材料によって構成されている。一例として、ラミネート処理前の表面充填部材61として、EVAからなる透明樹脂シートを用いている。
ラミネート処理前の裏面充填部材62は、例えばEVA又はポリオレフィン等の樹脂材料によって構成された樹脂シートであり、複数の太陽電池セル10と裏面保護部材50との間に配置される。裏面充填部材62は、ラミネート処理によって主に太陽電池セル10と裏面保護部材50との間の隙間を埋めるように充填される。
本実施の形態における太陽電池モジュール1は両面受光方式であるので、裏面充填部材62は、透光性材料によって構成されている。例えば、表面充填部材61と同じ材料によって構成される。
[フレーム]
フレーム70は、太陽電池モジュール1の周縁端部を覆う外枠である。フレーム70は、例えば、アルミ製のアルミフレーム(アルミ枠)である。図1Aに示すように、フレーム70は、4本用いられており、それぞれ太陽電池モジュール1の4辺の各々に装着されている。フレーム70は、例えば、接着剤によって太陽電池モジュール1の各辺に固着されている。なお、表面保護部材40および裏面保護部材50がガラス材料で構成される場合、フレーム70を設けずに、両面のガラス材料によって機械的強度を確保した構成としてもよい。
なお、図示しないが、太陽電池モジュール1には、太陽電池セル10で発電された電力を取り出すための端子ボックスが設けられている。端子ボックスは、例えば裏面保護部材50に固定されている。端子ボックスには、回路基板に実装された複数の回路部品が内蔵されている。
また、太陽電池モジュール1の裏面とは、例えば端子ボックスが固定されている太陽電池モジュールの面である。
[効果等]
次に、本実施の形態における太陽電池モジュール1の効果について説明する。
本実施の形態に係る太陽電池モジュール1は、第1の太陽電池セル10Aと、第1の太陽電池セル10Aと隙間をあけて配置された第2の太陽電池セル10Bと、太陽電池モジュール1の平面視において少なくとも一部が第1の太陽電池セル10Aと第2の太陽電池セル10Bとの間に配置された光反射部材30と、第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bの第1受光面側に設けられ、透光性を有する表面保護部材40と、第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bの第1受光面と背向する第2受光面側に設けられ、透光性を有する裏面保護部材50とを備える。光反射部材30は、太陽電池モジュール1の第1受光面から光反射部材30に入射した入射光(直達光)を特定の方向に反射させる反射層32と、第1受光面と背向する第2受光面から光反射部材30に入射した入射光(散乱光)を拡散反射させる拡散層31とを有する。
これにより、主受光面(第1受光面)から光反射部材30に入射した光は、反射層32により斜め方向(図3では、斜め上方方向)に反射され、表面側界面に浅い角度で入射する成分を多くすることができる。表面側界面に浅い角度で入射した光は、表面側界面で反射(全反射)され、太陽電池セル10へと導かれる。つまり、第1受光面から光反射部材30に入射した光を有効に発電に寄与させることができる。
一方、太陽電池モジュール1の裏面(第2受光面)から光反射部材30に入射した光は、拡散層31により拡散反射される。拡散反射した光は、裏面側界面に浅い角度で入射する。裏面側界面に浅い角度で入射した光は、裏面側界面で反射され、太陽電池セル10へと導かれる。つまり、第2受光面から光反射部材30に入射した光を有効に発電に寄与させることができる。また、第2受光面には、第1受光面に対して垂直な方向を含む様々な方向からの光が入射する。そのような光を拡散層31により拡散反射させることで、拡散反射した光を太陽電池セル10へと導くことができる。つまり、拡散層31を用いることで、第2受光面から光反射部材30に様々な方向から光が入射しても、当該光を有効に発電に寄与させることができる。
よって、本実施の形態に係る太陽電池モジュール1によれば、太陽電池モジュール1の第1受光面から光反射部材30に入射した光、および、第2受光面から光反射部材30に入射した光をそれぞれ有効に発電に寄与させることができる。つまり、両面受光方式の太太陽電池モジュール1の発電効率を向上させることができる。
また、さらに、光反射部材30は、樹脂基材層33を有する。樹脂基材層33は、第1受光面と略平行な面のうちの一方の面に第1凹凸部80を有する。反射層32は、第1凹凸部80の表面に設けられ、第1凹凸部80の凹凸形状を反映した形状を有する金属層である。
これにより、反射層32に凹凸形状を有する金属層を用いることで、反射層32で反射される光の方向をより精度よく制御ができる。例えば、凹凸形状の傾斜角を変えることにより反射される光の方向を制御できる。また、樹脂基材層33を設けることで、金属膜である反射層32を通して隣り合う太陽電池セル10間にリーク電流が発生する等の不具合が発生することを抑制することができる。
また、光反射部材30は、第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bに対して、第2受光面側に配置される。第1凹凸部80は、樹脂基材層33の第2受光面側の面に設けられる。また、拡散層31は、反射層32の第2受光面側の面に設けられる。樹脂基材層33は、透明性を有している。
光反射部材30を太陽電池セル10の裏面(第2受光面)側に配置することで、光反射部材30で遮光されて主受光面から太陽電池セル10に入射する光が低減するといった遮光ロスが発生することを軽減することができる。さらに、樹脂基材層33が透明性を有していることで、主受光面から入射した光を反射層32に導くことができる。これにより、遮光ロスが発生することを軽減し、かつ太陽電池モジュール1の主受光面から光反射部材30に入射した光、および、裏面から光反射部材30に入射した光をそれぞれ有効に発電に寄与させることができる。また、太陽電池モジュール1の裏面からの入射光(散乱光)は、裏面充填部材62を透過して光反射部材30の拡散層31で拡散反射される。つまり、入射光は樹脂基材層33などの樹脂層を通過しないので、樹脂層を通過することによるロスを低減することができる。
また、拡散層31は、白色材料によって構成されている。
これにより、拡散層31に入射した光はその表面で散乱される。この散乱された光が、裏面側界面で反射され太陽電池セル10に入射することで、当該光を発電に寄与させることができる。また、太陽電池モジュール1の第2受光面からは垂直方向を含む様々な方向の光が入射するが、拡散層31fはその光を散乱させることで、当該光を発電に寄与させることができる。よって、太陽電池モジュール1の発電効率を向上させることができる。
また、さらに、光反射部材30は、樹脂基材層33の第1受光面側の面に透明性を有する接着層を有する。光反射部材30は、第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bの第2受光面側の面において、第1の太陽電池セル10Aと第2の太陽電池セル10Bとに跨って設けられている。そして、接着層34により、光反射部材30と、第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bとが接着している。
これにより、接着層34を介して光反射部材30を太陽電池セル10に接着固定させることができる。つまり、光反射部材30を所定の位置に配置することができるので、光反射部材30に入射した光を太陽電池セル10の所望の箇所に導くことができる。よって、太陽電池モジュール1の発電効率が向上する。さらに、接着層34が透明性を有していることで、主受光面から入射した光を反射層32に導くことができる。
また、白色材料は、白色のEVA(エチレンビニルアセテート)または白色のPET(ポリエチレンテレフタレート)である。
これにより、拡散層31に入射した光を拡散反射させることができる。つまり、裏面に入射した光を拡散層31で拡散反射させることにより、光反射部材30に入射した光を発電に寄与させることができる。よって、太陽電池モジュール1の発電効率が向上する。
また、表面保護部材40および裏面保護部材50は、ガラスによって構成されている。
ガラスは、透過性が高い材料である。これにより、太陽電池モジュール1に入射する光を、より多く太陽電池モジュール1の内部へ透過させることができる。つまり、より多くの光を発電に寄与させることができる。よって、太陽電池モジュール1の発電効率が向上する。
(実施の形態1の変形例)
続いて、図4を用いて、実施の形態1の変形例に係る太陽電池モジュールについて説明する。
図4は、実施の形態1の変形例に係る太陽電池モジュールの光反射部材周辺の拡大断面図である。
図4に示すように、本変形例に係る太陽電池モジュールは、光反射部材の拡散層の形状が上記実施の形態1における太陽電池モジュール1と異なっている。そのため、主に光反射部材について説明する。また、実施の形態2以降についても実施の形態1と光反射部材が異なるのみであり、主に光反射部材について説明する。
具体的には、本変形例において、拡散層31aは、反射層32(樹脂基材層33)の凹凸形状に倣った凹凸形状を有している。つまり、拡散層31aの表面が平坦になっていない。
これにより、光反射部材30aの拡散層31aに入射した光をより拡散反射させることができる。つまり、拡散層31aの材料および形状により、入射光を拡散反射させることができる。
例えば、拡散層31aの厚みは、10nm以上5000nm以下である。なお、拡散層31aの厚みとは、YZ平面における拡散層31aのZ軸方向の厚みである。また、拡散層31aの材料は、上記で説明した拡散層31と同じであってもよい。
なお、拡散層31aは反射層32の凹凸形状を倣った凹凸形状以外の形状でもよい。
これにより、実施の形態1と同様の効果を奏する。
(実施の形態2)
次に、図5を用いて、実施の形態2に係る太陽電池モジュールについて説明する。
図5は、実施の形態2に係る太陽電池モジュールの光反射部材周辺の拡大断面図である。
本実施の形態において、光反射部材30bは、隙間をあけて配置された隣り合う2つの太陽電池セル10に跨るように設けられている。図5において、反射層32および樹脂基材層33は、第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bの裏面(第2受光面)側の面において、第1の太陽電池セル10Aと第2の太陽電池セル10Bとに跨って設けられている。そして、拡散層31bは、反射層32および樹脂基材層33の裏面および側面を覆うように設けられている。
光反射部材30bは、拡散層31b、反射層32および樹脂基材層33を有する。本実施の形態に係る拡散層31bは、接着性を有する白色材料によって構成されている。図5に示すように、本実施の形態に係る太陽電池モジュールでは、反射層32および樹脂基材層33が接着性を有する拡散層31bによって固定されている。つまり、本実施の形態に係る光反射部材30bは、拡散層31bが接着性を有していること、および、接着層(実施の形態1における接着層34)を有していないことが実施の形態1に係る光反射部材30と異なる。
拡散層31bは、第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bの第2受光面側に設けられる。本実施の形態では、拡散層31bは、第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bの裏面(第2受光面側の面)と、樹脂基材層33の主受光面側(凹凸形状が形成されていない面であり、第1主受光面側)の面とを略同一平面上に位置するように反射層32および樹脂基材層33を固定する。そして、本実施の形態では、拡散層31bは、第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bの第2受光面側の面と、樹脂基材層33の側面および反射層32とを覆っている。例えば、拡散層31bは、拡散層31bと空気が介入することなく覆っている。空気が介入しないことで、空気界面で不要な光の散乱が生じる、または接着力が低下することを抑制することができる。
拡散層31bは、接着性を有する白色材料によって構成されている。拡散層31bの材料は、例えば、白色のポリエステル、エチレンビニルアセテート(EVA)またはポリオレフィン(PO)などである。例えば、ポリエステル、EVAまたはPOなどの透光性樹脂材料に酸化チタン(チタニア)または酸化マグネシウム等の金属酸化物微粒子を含有させたものを用いることができる。例えば、白色のテープなどでもよい。なお、本実施の形態では、樹脂材料に含有している金属微粒子により光が反射されるので、本実施の形態では、拡散層31bの裏面側の面は略平坦に形成されている。なお、拡散層31bとして白色のテープを用いる場合、白色のテープは金属酸化物微粒子を含有させたものに限定されない。例えば、白色のテープには、上述の金属酸化物微粒子に代えて、白色の顔料または塗料を含有させることができる。
本実施の形態に係る光反射部材30bであれば、樹脂基材層33の側面が拡散層31bに覆われている。これにより、裏面側において樹脂基材層33の側面の方向に入射した光(浅い角度で入射した光)も、拡散層31bによって拡散反射することができるので、太陽電池モジュールの発電効率をさらに向上させることができる。
また、拡散層31bが接着性を有しているため、光反射部材30bは接着層を有していなくてもよい。これにより、主受光面から入射した光は、表面充填部材61、樹脂基材層33を透過して反射層32の主受光面側の面に到達する。つまり、接着層を透過せずに反射層32の主受光面側の面に光を導くことができるので、接着層により生じるロス(例えば、接着層による光の吸収)を低減できる。よって、図3に示すように樹脂基材層33の受光面側の面全体に接着層34が設けられている場合に比べ、太陽電池モジュールの発電効率をさらに向上させることができる。
本実施の形態に係る太陽電池モジュールは、第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bの第2受光面側の面と樹脂基材層33の第1受光面側の面とが略同一平面上に位置している。拡散層31bは、接着性を有する白色材料によって構成されており、第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bの第2受光面側の面と、樹脂基材層33の側面および反射層32とを覆っている。
これにより、太陽電池モジュールの裏面から光反射部材に入射した光は樹脂基材層33に入射することなく、拡散層31bにより拡散反射される。つまり、裏面から入射した光のうち、発電に寄与する光が増える。また、光反射部材30bは接着層を有していないので、接着層により生じる光の吸収などのロスを低減できる。つまり、主受光面から入射した光のうち、発電に寄与する光が増える。よって、太陽電池モジュールの発電効率が向上する。
また、反射層32および樹脂基材層33は、第1の太陽電池セル10Aと第2の太陽電池セル10Bとに跨って設けられている。
これにより、主受光面から光反射部材に入射した光は第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bの端部に跨って設けられている反射層32により反射される。つまり、主受光面から入射した光を、有効に発電に寄与させることができる。よって、太陽電池モジュールの発電効率が向上する。
(実施の形態2の変形例)
続いて、図6を用いて、実施の形態2の変形例に係る太陽電池モジュールについて説明する。
図6は、実施の形態2の変形例に係る太陽電池モジュールの光反射部材周辺の拡大断面図である。
図6に示すように、本変形例に係る太陽電池モジュールは、拡散層31c、反射層32c、樹脂基材層33aのサイズが上記実施の形態2における太陽電池モジュールと異なっている。具体的には、本変形例において、反射層32aおよび樹脂基材層33aの幅は、隣り合う2つの太陽電池セル10の隙間の間隔よりも小さい。本変形例では、光反射部材30cは、拡散層31cによって太陽電池セル10に接着固定される。そのため、拡散層31cが隣り合う2つの太陽電池セル10に跨って設けられていれば、光反射部材30cは所望の位置に固定できる。
反射層32aの幅が隣り合う2つの太陽電池セル10の隙間の間隔よりも小さいことで、反射層32aを通して隣り合う太陽電池セル10間にリーク電流が発生する等の不具合が発生することを抑制できる。
一方、反射層32aの幅を隣り合う2つの太陽電池セル10の隙間の間隔よりも小さくすることで、反射層32aで反射される光が減少する。例えば、主受光面から光反射部材30cに入射した光の一部は、拡散層31aにより拡散反射される。そのため、発電効率の向上の観点から、反射層32aおよび樹脂基材層33aの幅は、隣り合う2つの太陽電池セル10の隙間の間隔よりも100μm以上1000μm以下の範囲で小さいものが好ましい。
なお、図6では、反射層32aの凹凸形状(樹脂基材層33aの凹凸形状)を図5に示す凹凸形状より微細化して図示している。例えば、反射層32aの隣り合う頂部と頂部との間隔を図5に示す反射層32に比べ小さく図示している。しかし、反射層32aの凹凸形状は、特に限定されない。反射層32aの凹凸形状は、主受光面からの入射光を発電に効率よく活用できる形状であればよい。
(実施の形態3)
次に、図7を用いて、実施の形態3に係る太陽電池モジュールについて説明する。
図7は、実施の形態3に係る太陽電池モジュールの光反射部材周辺の拡大断面図である。
図7に示すように、本実施の形態における太陽電池モジュールは、光反射部材30dを主受光面側に有する。つまり、光反射部材30dは、第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bに対して、主受光面側(第1受光面側)に配置されている。
光反射部材30dは、隙間をあけて配置された隣り合う2つの太陽電池セル10に跨るように設けられる。具体的には、光反射部材30dは、第1の太陽電池セル10Aと第2の太陽電池セル10Bの主受光面側において、対向する第1の太陽電池セル10Aの端部と第2の太陽電池セル10Bの端部とに跨って設けられる。
光反射部材30dは、拡散層31d、樹脂基材層33bおよび反射層32bが、この順に主受光面側に向けて積層されている。言い換えると、拡散層31dは樹脂基材層33bの第2受光面側の面に設けられ、第1凹凸部80は樹脂基材層33bの第1受光面側の面に設けられている。
拡散層31dは、太陽電池モジュールの裏面から入射した入射光(散乱光)を拡散反射させる白色樹脂層である。拡散層31dは、接着性を有する白色材料によって構成されている。拡散層31dの材料は、例えば、白色のEVAまたはPOなどである。例えば、EVAまたはPOなどの透光性樹脂材料に酸化チタン(チタニア)または酸化マグネシウム等の金属酸化物微粒子を含有させたものを用いることができる。また、金属酸化物微粒子等を含む白色顔料や白色ペーストなどを塗布することで拡散層31dを形成してもよい。なお、拡散層31dが白色材料で構成されることで、拡散層31dに入射した光はその表面で散乱される。なお、本実施の形態では太陽電池モジュールの裏面側の拡散層31dの面は、略平坦に形成されているが、これに限定されない。
上記でも説明したが、太陽電池モジュールの裏面側には太陽光が物体などで反射した散乱光が主に入射するので、その光を拡散反射させることで有効に発電に寄与させることができる。
拡散層31dに白色のEVAなどを用いた場合、拡散層31dは、接着性を有している。つまり、拡散層31dにより、光反射部材30dと、太陽電池セル10(図7における第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10B)の第1受光面側の面とが接着されることで、光反射部材30dは太陽電池セル10に接着固定される。具体的には、光反射部材30dの拡散層31dにより、光反射部材30dと、対向している第1の太陽電池セル10Aの端部および第2の太陽電池セル10Bの端部とが第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bの第1受光面側において接着固定される。より、具体的には、光反射部材30dの拡散層31dの幅方向(Y軸方向)の一方の端部と、第1の太陽電池セル10Aの第2の太陽電池セル10B側の端部とが太陽電池セル10の表面で接着固定される。また、光反射部材30dの拡散層31dの幅方向(Y軸方向)の他方の端部と、第2の太陽電池セル10Bの第1の太陽電池セル10A側の端部とが太陽電池セル10の表面で接着固定される。
なお、本実施の形態では、拡散層31dは、樹脂基材層33bの裏面(第2受光面)側の表面全面に設けられている。
反射層32bは、主受光面から光反射部材30dに入射した入射光を反射させる金属層であり、樹脂基材層33bの凹凸部の表面に形成され、凹凸部の凹凸形状を反映した形状を有する。例えば、アルミニウム又は銀等の金属からなる金属膜(金属反射膜)である。
樹脂基材層33bは、拡散層31dと反射層32bの間に設けられた基材層である。樹脂基材層33bの主受光面側の面には、第1凹凸部80が設けられている。
樹脂基材層33bは、拡散層31dと反射層32bとで挟まれている。具体的には、樹脂基材層33bの主受光面側の面には反射層32bが設けられ、裏面側の面には拡散層31dが設けられている。そのため、樹脂基材層33bには太陽電池モジュールに入射する光は、ほとんど入射しない。つまり、樹脂基材層33bを通過する光は、ほとんどない。よって、樹脂基材層33bは、透明である必要はない。例えば、樹脂基材層33bの材料は、不透光の樹脂材料(例えば、黒色材料または白色材料等)としてもよい。
なお、光反射部材30dは、第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bに対して、主受光面側に配置されている例について説明したが、これに限定されない。光反射部材30dの少なくとも一部が、第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bに対して、第1受光面側に配置されていればよい。例えば、拡散層31dは、対向する第1の太陽電池セル10Aの側面と第2太陽電池セル10Bの側面との間に設けられてもよい。
本実施の形態に係る太陽電池モジュールは、光反射部材30の少なくとも一部は、第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bに対して第1受光面側に配置される。そして、第1凹凸部80は、樹脂基材層33bの第1受光面側の面に設けられる。また、拡散層31dは、接着性を有する白色材料によって構成され、樹脂基材層33bの第2受光面側の面に設けられる。
これにより、主受光面側から太陽電池モジュールに入射した光(直達光)のうち隣り合う2つの太陽電池セル10の間の隙間に入射した光は、表面充填部材61を透過して光反射部材30dに到達し、反射層32bの凹凸形状によって反射する。つまり、樹脂基材層や接着層を通過することなく、反射層32bに光が入射する。これにより、樹脂基材層や接着層によるロス(例えば、光の吸収など)を低減させることができるので、主受光面から光反射部材30dに入射した光をより発電に寄与させることができる。よって、太陽電池モジュールの発電効率が向上する。
また、太陽電池モジュールの裏面から入射した光(散乱光)のうち隣り合う2つの太陽電池セル10の間の隙間に入射した光は、裏面充填部材62を透過して光反射部材30dに到達し、拡散層31dによって拡散反射する。つまり、樹脂基材層や接着層を通過することなく、拡散層31dに光が入射する。これにより、樹脂基材層や接着層による光の吸収などのロスを低減させることができるので、裏面側から光反射部材30dに入射した光をより発電に寄与させることができる。よって、太陽電池モジュールの発電効率が向上する。
また、光反射部材30dは、第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bの第1受光面側の面において、第1の太陽電池セル10Aと第2の太陽電池セル10Bとに跨って設けられている。そして、拡散層31dにより、光反射部材30dと、第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bの第1受光面側の面とが接着している。
これにより、拡散層31dにより光反射部材30dを太陽電池セル10に接着固定させることができる。つまり、光反射部材30dを所定の位置に配置することができるので、光反射部材30dに入射した光を太陽電池セル10の所望の箇所に導くことができる。よって、太陽電池モジュールの発電効率が向上する。
(実施の形態4)
次に、図8を用いて、実施の形態4に係る太陽電池モジュールについて説明する。
図8は、実施の形態4に係る太陽電池モジュールの光反射部材周辺の拡大断面図である。
図8に示すように、光反射部材30eは、第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bに対して、主受光面側(第1受光面側)に配置されている。また、拡散層31eと樹脂基材層33cとが一体的に形成されている。なお、一体的に形成されるとは、拡散層31eと樹脂基材層33cとを接合して一体とすること、および、樹脂基材層33cの一部を白色材料で形成することで樹脂基材層33cの層内に拡散層31eを形成することを含む。
光反射部材30eは、接着層34a、拡散層31e、樹脂基材層33cおよび反射層32bが、この順に主受光面側に積層されている。
拡散層31eは、白色材料により構成されている。拡散層31eの厚みは、例えば、20μm以上150μm以下である。
樹脂基材層33cは、拡散層31eの主受光面側の面に設けられている。第1凹凸部80は、樹脂基材層33cの主受光面側の面に設けられている。また、樹脂基材層33cは、拡散層31eと反射層32bとで挟まれているので、不透光の樹脂材料(例えば、黒色材料または白色材料)であってもよい。例えば、樹脂基材層33cの全域が白色材料で構成されていてもよい。また、例えば、樹脂基材層33cの厚みは、20μm以上150μm以下である。
接着層34aは、樹脂基材層33cの第2受光面側に設けられ、透明性を有する。本実施の形態では、接着層34aは、拡散層31eの裏面側の表面全面に設けられている。接着層34aにより、光反射部材30は、太陽電池セル10(図7における第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10B)に接着固定される。本実施の形態では、接着層34aの材料は、透明材料である。接着層34aの材料は、例えばEVAからなる感熱接着剤又は感圧接着剤である。
なお、図8では、接着層34aは拡散層31eの裏面(第2受光面)側の表面全面に設けられている例を示しているが、これに限定されない。例えば、接着層34aは太陽電池セル10と接着層34aとが接している領域にのみ設けられていてもよい。これにより、太陽電池モジュールの裏面から入射した光は、接着層34aを通過せずに拡散層31eに入射する。よって、接着層34aによる光の吸収などのロスを低減することができる。
なお、拡散層31eは接着性を有していてもよい。拡散層31eが接着性を有している場合、接着層34aは省略されてもよい。
本実施の形態に係る太陽電池モジュールは、光反射部材30eは、さらに、樹脂基材層33cの第2受光面側の面に透明性を有する接着層34aを有する。光反射部材30eは、第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bに対して第1受光面側に配置されている。そして、第1凹凸部80は、樹脂基材層33cの第1受光面側の面に設けられる。また、拡散層31eは、白色材料によって構成され、樹脂基材層33cと一体的に形成されている。
これにより、拡散層31fと樹脂基材層33cとの接着強度が増す。よって、光反射部材30e内において、剥離などが起こることを低減することができる。また、拡散層31eと樹脂基材層33cと一体的に形成されることで、光反射部材30eを薄くすることができる。
(実施の形態5)
次に、図9を用いて、実施の形態5に係る太陽電池モジュールについて説明する。
図9は、実施の形態5に係る太陽電池モジュールの光反射部材周辺の拡大断面図である。
図9に示すように、光反射部材30fは、拡散層31f、反射層32bおよび樹脂基材層33bを、この順に有する。本実施の形態に係る太陽電池モジュールでは、反射層32bおよび樹脂基材層33bが接着性を有する拡散層31bによって固定されている。つまり、光反射部材30fは、拡散層31fにより第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bの間で接着固定されている。
本実施の形態では、光反射部材30fの少なくとも一部は、第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bに対して主受光面(第1受光面)側に配置されている。具体的には、反射層32bおよび樹脂基材層33bは、第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bにおいて主受光面側の面において、第1の太陽電池セル10Aと第2の太陽電池セル10Bとに跨って設けられている。そして、拡散層31fは、第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bと、樹脂基材層33bの第2受光面側の面とを覆っている。なお、本実施の形態では、拡散層31fは、第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bの対向している端部において、第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bの第2受光面側の面と側面とを覆うように設けられているが、これに限定されない。例えば、第1の太陽電池セル10Aの側面と第2の太陽電池セル10Bの側面との間にのみ、つまり、第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bの対向している側面の間を覆うように、拡散層31fが設けられてもよい。
拡散層31fは、接着性を有する白色材料によって構成されている。
拡散層31fは、太陽電池セル10の裏面側の端部および太陽電池セル10同士の間の隙間を埋めるように配置されている。つまり、拡散層31fの少なくとも一部は、第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bに対して裏面(第2受光面)側に配置されている。
拡散層31fは、太陽電池セル10の端部のうち、裏面(第2受光面側の面)および側面と接しており、太陽電池セル10に接着固定される。また、拡散層31fの主受光面側の面が、樹脂基材層33bの裏面側の主面と接することで、反射層32bおよび樹脂基材層33bは太陽電池セル10の主受光面側で、太陽電池セル10の端部の表面と接するように接着固定される。
本実施の形態に係る太陽電池モジュールでは、反射層32bおよび樹脂基材層33bは、第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bの第1受光面側の面において、第1の太陽電池セル10Aと第2の太陽電池セル10Bとに跨って設けられている。そして、拡散層31fは、第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bと、樹脂基材層33bの第2受光面側の面とを覆っている。
これにより、拡散層31fおよび反射層32bには、樹脂基材層33bや接着層を透過することなく入射光が照射される。よって、樹脂基材層33bや接着層による光の吸収などのロスを低減することができるので、本実施の形態に係る太陽電池モジュールは発電効率を向上させることができる。
(実施の形態5の変形例)
続いて、図10を用いて、実施の形態5の変形例に係る太陽電池モジュールについて説明する。
図10は、実施の形態5の変形例に係る太陽電池モジュールの光反射部材周辺の拡大断面図である。
図10に示すように、本変形例に係る太陽電池モジュールは、反射層32c、樹脂基材層33cのサイズが上記実施の形態5における太陽電池モジュールと異なっている。具体的には、本変形例において、反射層32cおよび樹脂基材層33cの幅は、隣り合う2つの太陽電池セル10の隙間の間隔よりも小さい。本変形例では、光反射部材30gは、拡散層31gは接着性を有する白色材料によって構成されている。つまり、光反射部材30gは、拡散層31gによって太陽電池セル10に接着固定されている。そのため、拡散層31gが隣り合う2つの太陽電池セル10に跨って設けられていれば、光反射部材30gは所望の位置に固定できる。
図10では、樹脂基材層33cは、第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bの対向している側面の間に設けられている。そして、拡散層31gは、第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bの第2受光面側の面において、第1の太陽電池セル10Aと第2の太陽電池セル10Bとに跨がり、かつ、第1の太陽電池セル10Aの側面と樹脂基材層33cの一方の側面との隙間、および、第2の太陽電池セル10Bの側面と樹脂基材層33cの他方の側面との隙間に充填されている。
拡散層31gは、太陽電池セル10の端部のうち、裏面(第2受光面側の面)および側面と接しており、太陽電池セル10に接着固定される。また、拡散層31gは、樹脂基材層33cの第2受光面側の面および側面と接することで、反射層32cおよび樹脂基材層33cを太陽電池セル10に接着固定する。
本実施の形態に係る太陽電池モジュールでは、樹脂基材層33cは、第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bの対向している側面の間に設けられる。接着性を有する拡散層31gは、第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bの第2受光面側の面において、第1の太陽電池セル10Aと第2の太陽電池セル10Bとに跨がり、かつ、第1の太陽電池セル10Aの側面と樹脂基材層33cの一方の側面との隙間、および、第2の太陽電池セル10Bの側面と樹脂基材層33cの他方の側面との隙間に充填されている。
これにより、拡散層31gは、反射層32cおよび樹脂基材層33cを樹脂基材層33cの側面および裏面において接着固定することができる。つまり、拡散層31gと樹脂基材層33cとの接着面積が増えるので、拡散層31gと樹脂基材層33cとの接着性が向上する。また、反射層32cの幅が隣り合う2つの太陽電池セル10の隙間の間隔よりも小さいことで、反射層32cを通して隣り合う太陽電池セル10間にリーク電流が発生する等の不具合が発生することを抑制できる。
一方、反射層32cの幅を隣り合う2つの太陽電池セル10の隙間の間隔よりも小さくすることで、反射層32cで反射される光が減少する。例えば、主受光面から光反射部材30gに入射した光の一部は、拡散層31gにより拡散反射される。そのため、発電効率の向上の観点から、反射層32cおよび樹脂基材層33cの幅は、隣り合う2つの太陽電池セル10の隙間の間隔よりも100μm以上1000μm以下の範囲で小さいものが好ましい。
なお、図10では、反射層32cの凹凸形状を図9に示す凹凸形状より微細化して図示しているが、反射層32cの凹凸形状は、特に限定されない。
また、本実施の形態では、樹脂基材層33cは樹脂基材層33cの第2受光面側の面と太陽電池セル10の裏面とが略同一平面上となるように設けられているが、これに限定されない。樹脂基材層33cの位置は、拡散層31gが反射層32cの主受光面側の面を覆わない位置であり、かつ、樹脂基材層33cの第2受光面側の面の位置が拡散層31gの裏面の位置より第2受光面側とならない位置である。
(実施の形態6)
続いて、図11Aおよび図11Bを用いて、実施の形態6に係る太陽電池モジュールについて説明する。
図11Aは、実施の形態6に係る太陽電池モジュールの光反射部材周辺の拡大断面図である。図11Bは、図11Aの破線領域XIbにおける実施の形態6に係る太陽電池モジュールの拡大断面図である。
図11Aに示すように、光反射部材30hは、拡散層31h、反射層32d、樹脂基材層33および接着層34が、この順に積層されて形成されている。本実施の形態では、主受光面側に向けて積層されている。また、本実施の形態では、光反射部材30hは、第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bに対して第2受光面側に配置されている。
本実施の形態では、拡散層31hおよび反射層32dは、金属層で構成されている。金属層は、第1受光面側の面に形成された反射層32dと、第2受光面側の面に形成された拡散層31hとで構成されている。例えば、拡散層31hと反射層32dは、一体的に形成されている。
図11Bに示すように、金属層の第1受光面側には反射層32dが形成され、第2受光面側には拡散層31hが形成されている。本実施の形態では、拡散層31hおよび反射層32dには、樹脂基材層33の凹凸形状に倣った凹凸形状が形成されている。さらに、拡散層31hには、凹凸形状の表面に、さらに微細な凹凸が形成されている。例えば、反射層32dの凹凸形状(第1凹凸部80)より細かい凹凸である第2凹凸部81が形成されている。例えば、第2凹凸部81の谷部と頂部との距離は10nm以上1000nm以下であり、隣り合う頂部の距離は10μm以上1000μm以下である。この第2凹凸部81の微細は凹凸形状により、入射してきた光を様々な方向に反射することができる。つまり、拡散反射させることができる。これにより、拡散層31hに散乱光が入射しても、その光を発電に活用することができる。なお、拡散層31hに形成される微細な凹凸形状は、例えば、すり加工などによって形成される。
また、本実施の形態では、光反射部材30hは、第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bに対して、裏面(第2受光面)側に配置されている例について説明したが、これに限定されない。光反射部材30hは、例えば、第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bに対して、主受光面(表面)側に配置されてもよい。その場合、金属層のうち、直達光が入射する面に反射層32dが形成され、散乱光が入射する面に拡散層31gが形成される。
なお、拡散層31hは、樹脂基材層33の凹凸形状に倣った凹凸形状が形成されている例について説明したが、これに限定されない。例えば、拡散層31hは、略平坦な金属層の面に微細な凹凸が形成されていてもよい。また、光反射部材30hは、第1の太陽電池セル10Aおよび第2の太陽電池セル10Bに対して第1受光面側に配置されてもよい。また、拡散層31hと樹脂基材層33とが積層されていてもよい。
本実施の形態に係る太陽電池モジュールでは、金属層は、第1受光面側の面に形成された反射層32dと、第2受光面側の面に形成された拡散層31hとで構成されている。
これにより、金属層を加工することにより拡散層31hが形成されるので、さらに白色樹脂層を形成することなく太陽電池モジュールの裏面から光反射部材に入射した光を拡散反射させることができる。また、凹凸形状(表面粗さ)を変更することにより、拡散層31hの反射光の反射方向(拡散合い)を制御することができる。
(その他の変形例など)
以上、本発明に係る太陽電池モジュールについて、実施の形態および変形例に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態および変形例に限定されない。
例えば、上記実施の形態および変形例では、接着層は樹脂基材層の表面全面を覆っている例について説明したが、これに限定されない。例えば、接着層は、太陽電池セル10の端部と樹脂基材層との間にのみ設けられてもよい。
これにより、主受光面から入射した光は、表面充填部材61、樹脂基材層を透過して反射層の主受光面側の面に到達するので、接着層を透過せずに反射層に光を導くことができる。つまり、接着剤により生じるロス(例えば、接着層による光の吸収)を低減できる。よって、太陽電池モジュールの発電効率をさらに向上させることができる。
また、拡散層と反射層を含む光反射部材は、1つの構造体で形成されている例について説明したが、これに限定されない。例えば、拡散層と反射層とは、空間を介して配置されていてもよい。
また、反射層は、凹凸形状を有する金属層である例について説明したが、反射層の形状および材質はこれに限定されない。反射層の光を特定の方向に反射させるものであればよい。
なお、その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の主旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。