JP2017050514A - 太陽電池モジュール - Google Patents

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治寿 橋本
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朗通 前川
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Yohei Murakami
洋平 村上
神野 浩
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浩 神野
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Abstract

【課題】導電性光反射膜を有する光反射部材を配置しても太陽電池セル間の電気的な導通を抑制できる太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】隙間を空けて隣り合う2つの太陽電池セル10と、2つの太陽電池セル10のうちの一方の太陽電池セル10から他方の太陽電池セル10へ隙間を跨って覆う光反射部材30と、を備え、光反射部材30は、2つの太陽電池セル10の表面に配置される絶縁部材31と、絶縁部材31の表面に形成された導電性光反射膜32と、を備え、絶縁部材31は、2つの太陽電池セル10の平面視において、導電性光反射膜32よりも外側へ延びている。
【選択図】図2B

Description

本発明は、太陽電池モジュールに関する。
従来、光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換装置として、太陽電池モジュールの開発が進められている。太陽電池モジュールは、無尽蔵の太陽光を直接電気に変換できることから、また、化石燃料による発電と比べて環境負荷が小さくクリーンであることから、新しいエネルギー源として期待されている。
太陽電池モジュールは、例えば、表面保護部材と裏面保護部材との間に複数の太陽電池セルが充填部材で封止された構造となっている。太陽電池モジュールにおいて、複数の太陽電池セルは、マトリクス状に配置されている。
従来、太陽電池セル同士の隙間に照射される太陽光を有効に利用するために、光反射部材が太陽電池セル間の隙間に設けられた太陽電池モジュールが提案されている(例えば特許文献1)。
特開2013−98496号公報
光反射部材が金属膜等の導電性光反射膜を有する場合、太陽電池セル間の隙間に光反射部材を配置する場合、導電性光反射膜を通した当該太陽電池セル間の電気的な導通を防止することを考慮しなければならない。
そこで本発明は、導電性光反射膜を有する光反射部材を太陽電池セル間に配置しても太陽電池セル間の電気的な導通を確実に抑制できる太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る太陽電池モジュールは、隙間を空けて隣り合う2つの太陽電池セルと、前記2つの太陽電池セルのうちの一方の太陽電池セルから他方の太陽電池セルへ前記隙間を跨って覆う光反射部材と、を備え、前記光反射部材は、前記2つの太陽電池セルの表面に配置される絶縁部材と、前記絶縁部材の表面に形成された導電性光反射膜と、を備え、前記絶縁部材は、前記2つの太陽電池セルの平面視において、前記導電性光反射膜よりも外側へ延びている。
本発明の一態様に係る太陽電池モジュールは、隙間を空けて隣り合う2つの太陽電池セルと、前記2つの太陽電池セルのうちの一方の太陽電池セルから他方の太陽電池セルへ前記隙間を跨って覆う光反射部材と、を備え、前記光反射部材は、前記2つの太陽電池セルの表面に配置される絶縁部材と、前記絶縁部材の表面に形成された導電性光反射膜と、を備え、前記絶縁部材の端部は、前記2つの太陽電池セルと離間する方向に屈曲している。
本発明に係る太陽電池モジュールによれば、導電性光反射膜を有する光反射部材を太陽電池セル間に配置しても太陽電池セル間の電気的な導通を抑制できる。
実施の形態1に係る太陽電池モジュールの平面図である。 図1AのIB−IB線における実施の形態1に係る太陽電池モジュールの断面図である。 実施の形態1に係る太陽電池モジュールの一部拡大平面図である。 図2AのIIB−IIB線における実施の形態1に係る太陽電池モジュールの光反射部材周辺の拡大断面図である。 実施の形態1に係る太陽電池モジュールの光反射部材周辺の拡大平面図である。 比較例の太陽電池モジュールの一部拡大断面図である。 実施の形態2に係る太陽電池モジュールの光反射部材周辺の一例を示す拡大断面図である。 実施の形態2に係る太陽電池モジュールの光反射部材周辺の他の一例を示す拡大断面図である。 実施の形態3に係る太陽電池モジュールの光反射部材周辺の拡大断面図である。 実施の形態4に係る太陽電池モジュールの光反射部材周辺の拡大断面図である。 実施の形態5に係る太陽電池モジュールの光反射部材周辺の拡大断面図である。 その他の実施の形態に係る太陽電池モジュールの光反射部材周辺の拡大断面図である。 その他の実施の形態に係る太陽電池モジュールの一部拡大平面図である。 その他の実施の形態に係る2つのストリングの平面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態等は、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
(実施の形態1)
[太陽電池モジュールの構成]
まず、実施の形態1に係る太陽電池モジュール1の概略構成について、図1A及び図1Bを用いて説明する。
図1Aは、実施の形態1に係る太陽電池モジュール1の平面図である。
図1Bは、図1AのIB−IB線における実施の形態1に係る太陽電池モジュール1の断面図である。なお、図1A及び図1Bにおいて、Z軸は、太陽電池モジュール1の主面に垂直な軸であり、X軸及びY軸は、互いに直交し、かつ、いずれもZ軸に直交する軸である。Z軸、X軸及びY軸については、図2A以降においても同様である。また、以下で、平面視とは、太陽電池セル10の平面視、つまりZ軸方向から視点のこととする。
図1A及び図1Bに示されるように、太陽電池モジュール1は、複数の太陽電池セル10と、タブ配線20と、光反射部材30と、表面保護部材40と、裏面保護部材50と、充填部材60と、フレーム70とを備える。太陽電池モジュール1は、表面保護部材40と裏面保護部材50との間に、複数の太陽電池セル10が充填部材60で封止された構造となっている。なお、図1Aでは、後述する集電極の図示を省略している。また、図1B以降の図面においても、集電極の図示を省略している。
図1Aに示されるように、太陽電池モジュール1の平面視形状は、例えば略矩形状である。一例として、太陽電池モジュール1は、横の長さが約1600mmで、縦の長さが約800mmの略矩形状である。なお、太陽電池モジュール1の形状は、矩形状に限らない。
以下、太陽電池モジュール1の各構成部材について、図1A及び図1Bを参照しながら、図2A、図2B及び図2Cを用いてさらに詳細に説明する。
図2Aは、図1Aの破線で囲まれた領域Xの拡大図であって、実施の形態1に係る太陽電池モジュール1の一部拡大平面図である。なお、図2Aでは、後述する光反射部材30を構成する絶縁部材31及び導電性光反射膜32の図示を省略している。
図2Bは、図2AのIIB−IIB線における実施の形態1に係る太陽電池モジュール1の光反射部材30周辺の拡大断面図である。
図2Cは、実施の形態1に係る太陽電池モジュール1の光反射部材30周辺の拡大平面図である。なお、図2Cにおいて導電性光反射膜32に付されたハッチングは、断面を意味するものではない。
[太陽電池セル(太陽電池素子)]
太陽電池セル10は、太陽光等の光を電力に変換する光起電力素子である。図1Aに示されるように、太陽電池セル10は、同一平面において行列状に複数枚配列されている。
行方向又は列方向の一方に沿って直線状に配列された複数の太陽電池セル10は、隣り合う2つの太陽電池セル10同士がタブ配線20によって連結されてストリングを構成している。複数の太陽電池セル10は、タブ配線20によって電気的に接続される。
図1Aに示されるように、本実施の形態では、X軸方向に沿って等間隔に配列された12枚の太陽電池セル10がタブ配線20で接続されることで1つのストリング10Sを構成している。1つのストリング10S内の複数の太陽電池セル10は、タブ配線20によって直列接続されている。より具体的には、各ストリング10Sは、X軸方向に隣り合う2つの太陽電池セル10を3本のタブ配線20で順次連結していくことで構成されており、X軸方向に沿って配列された一列分全ての太陽電池セル10が連結されている。
また、ストリング10Sは、複数形成されている。複数のストリング10S(ストリングス)は、行方向又は列方向の他方に沿って並べられている。本実施の形態では、6つのストリング10Sが形成されている。図1Aに示されるように、6つのストリング10Sは、互いに平行となるようにY軸方向に沿って等間隔に並べられている。
なお、各ストリング10Sにおける先頭の太陽電池セル10は、タブ配線20を介してストリング接続配線(不図示)に接続されている。また、各ストリング10Sにおける最後尾の太陽電池セル10は、タブ配線20を介してストリング接続配線(不図示)に接続されている。これにより、複数(図1Aでは6つ)のストリング10Sが直列接続又は並列接続されてセルアレイが構成される。本実施の形態では、隣り合う2つのストリング10Sが直列接続されて1つの直列接続体(24枚の太陽電池セル10が直列接続されたもの)が構成されており、この直列接続体が3つ並べて配置されている。
図1A及び図2Aに示されるように、複数の太陽電池セル10は、X軸方向及びY軸方向に隣り合う太陽電池セル10との間に隙間をあけて配置されている。後述するように、この隙間には光反射部材30が配置されている。
本実施の形態において、太陽電池セル10は、平面視において、略矩形状である。太陽電池セル10は、例えば、125mm角の略正方形である。太陽電池セル10は、正方形の角が欠けた形状であってもよい。つまり、1つのストリング10Sは、隣り合う2つの太陽電池セル10の一辺同士が対向するように構成されている。なお、太陽電池セル10の形状は、略矩形状に限らない。
太陽電池セル10は、半導体pn接合を基本構造としており、一例として、n型の半導体基板であるn型単結晶シリコンウェーハと、n型単結晶シリコンウェーハの一方の主面側(表面側)に順次形成された、n型非晶質シリコン層及びn側表面電極と、n型単結晶シリコンウェーハの他方の主面側(裏面側)に順次形成された、p型非晶質シリコン層及びp側表面電極とによって構成されている。n型単結晶シリコンウェーハとn型非晶質シリコン層との間、及び、n型単結晶シリコンウェーハとp型非晶質シリコン層との間に、パッシベーション層を設けてもよい。パッシベーション層は、例えば、i型非晶質シリコン層、酸化シリコン層を用いることができる。n側表面電極及びp側表面電極は、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透明電極である。なお、本実施の形態における太陽電池モジュール1は片面受光型であるので、p側表面電極は透明である必要はなく、例えば反射性を有する金属電極であってもよい。
また、図には示されないが、太陽電池セル10には、太陽電池セル10のn側表面電極に電気的に接続された表側集電極(n側集電極)と、太陽電池セル10のp側表面電極に電気的に接続された裏側集電極(p側集電極)とが形成されている。
表側集電極及び裏側集電極の各々は、例えば、タブ配線20の延設方向と直交するように直線状に形成された複数本のフィンガー電極と、これらのフィンガー電極に接続されるとともにフィンガー電極に直交する方向(タブ配線20の延設方向)に沿って直線状に形成された複数本のバスバー電極とによって構成されている。バスバー電極の本数は、例えば、1つの太陽電池セル10の一方の表面に接続されるタブ配線20と同数であり、本実施の形態では、3本である。なお、表側集電極と裏側集電極とは、同じ形状であってもよく、異なる形状であってもよい。
表側集電極及び裏側集電極は、例えば、銀(Ag)等の低抵抗導電材料からなる。例えば、表側集電極及び裏側集電極は、バインダー樹脂中に銀等の導電性フィラーが分散した導電性ペースト(銀ペースト等)をn側表面電極及びp側表面電極の上に所定のパターンでスクリーン印刷することで形成することができる。
このように構成される太陽電池セル10では、表面及び裏面の両方が受光面となる。太陽電池セル10に光が入射すると太陽電池セル10の光電変換部でキャリアが発生する。発生したキャリアは、光電流としてn側表面電極及びp側表面電極に拡散し、表側集電極及び裏側集電極で収集されてタブ配線20に流れ込む。
[タブ配線]
図1A及び図1Bに示されるように、タブ配線20(インターコネクタ)は、ストリング10Sにおいて隣り合う2つの太陽電池セル10同士を電気的に接続する。本実施の形態では、ストリング10Sにおいて隣り合う2つの太陽電池セル10は、互いに略平行に配置された3本のタブ配線20によって接続されている。各タブ配線20は、接続する2つの太陽電池セル10の並ぶX軸方向に沿って延設されている。
タブ配線20は、長尺状の導電性配線であって、例えば、リボン状の金属箔である。タブ配線20は、例えば、銅箔又は銀箔等の金属箔を所定の長さに短冊状に切断することによって作製することができる。タブ配線20は、金属箔の表面全体を半田や銀等で被覆したものであってもよい。
図1Bに示されるように、各タブ配線20については、タブ配線20の一端部が、ストリング10Sにおいて隣り合う2つの太陽電池セル10のうちの一方の太陽電池セル10の表面に配置され、タブ配線20の他端部が、隣り合う2つの太陽電池セル10のうちの他方の太陽電池セル10の裏面に配置されている。
各タブ配線20は、ストリング10Sにおいて隣り合う2つの太陽電池セル10において、一方の太陽電池セル10のn側集電極(表面側の集電極)と、他方の太陽電池セル10のp側集電極(裏面側の集電極)とを電気的に接続している。具体的には、タブ配線20は、一方の太陽電池セル10の表側集電極のバスバー電極と他方の太陽電池セル10の裏側集電極のバスバー電極とに接続されている。タブ配線20と表側集電極(裏側集電極)とは、例えば導電性接着剤を間に挟んで熱圧着することで接着される。
なお、タブ配線20と表側集電極(裏側集電極)とは、導電性接着剤ではなく、ハンダ材によって接着されていてもよい。
また、タブ配線20の表面には凹凸が設けられていてもよい。タブ配線20の表面に凹凸を設けることで、太陽電池モジュール1に入射した光がタブ配線20の表面に入射した際に、その光を凹凸で散乱させて太陽電池セル10へと導くことを可能とする。
[光反射部材]
図1A、図2A、図2B及び図2Cに示されるように、太陽電池セル10の表面には、光反射部材30が設けられている。図2B及び図2Cに示されるように、本実施の形態において、光反射部材30が有する絶縁部材31は、隙間をあけて隣り合う2つの太陽電池セル10のうちの一方の太陽電池セル(第1の太陽電池セル10A)から他方の太陽電池セル(第2の太陽電池セル10B)へ隙間を跨って覆うように設けられている。
図1Aに示されるように、光反射部材30は、隣り合う2つのストリング10Sの間の隙間に、X軸方向に沿って複数設けられている。具体的には、光反射部材30は、このストリング10Sの隙間において、2つの太陽電池セル10の間の隙間ごとに設けられている。
図2Aに示されるように、各光反射部材30は、ストリング10Sの長手方向に延在するテープ状の光反射シートであり、一例として、長尺矩形状かつ薄板状である。光反射部材30は、隣り合う2つの太陽電池セル10の大きさ、及び、隣り合う2つの太陽電池セル10間の隙間の大きさに応じて、例えば、長さが100mm〜130mmであり、幅が1mm〜20mmである。
図2B及び図2Cに示されるように、光反射部材30は、絶縁材料からなる絶縁部材31と、絶縁部材31の平坦な表面に形成された導電性光反射膜32とを有する。つまり、光反射部材30は、絶縁部材31と導電性光反射膜32との積層構造となっている。なお、光反射部材30は、絶縁部材31を太陽電池セル10に接着するための接着部材(図示せず)を有していてもよい。
絶縁部材31は、第1の太陽電池セル10Aの少なくとも一部及び第2の太陽電池セル10Bの少なくとも一部に平面視において重なっている。このとき、絶縁部材31は、2つの太陽電池セル10の平面視において、導電性光反射膜32よりも外側へ延びている。具体的には、絶縁部材31は、Y軸方向において、導電性光反射膜32よりも幅を広くする。絶縁部材31は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)又はアクリル等の絶縁性樹脂材料によって構成されている。なお、本実施の形態では、表面保護部材40側に導電性光反射膜32があるので、絶縁部材31の材料は、透明材料等の透光性材料、及び、白色材料や黒色材料等の非透光性材料のいずれであってもよい。ただし、絶縁部材31は透光性材料であることが好ましい。絶縁部材31を透光性材料とすることで、絶縁部材31と重なる太陽電池セル10においても光を有効に発電に寄与させることができる。
導電性光反射膜32は、例えばアルミニウム又は銀等の金属からなる金属反射膜である。本実施の形態において、導電性光反射膜32は、アルミニウム蒸着膜である。また、光反射部材30は、導電性光反射膜32の表面が表面保護部材40に対面するように配置される。つまり、本実施の形態において、光反射部材30は、絶縁部材31が裏面保護部材50側に位置し、かつ、導電性光反射膜32が表面保護部材40側に位置するように配置されている。また、導電性光反射膜32は、例えば、図2A〜図2Cに示されるY軸方向の両端がマスキングされた絶縁部材31に蒸着される。これにより、絶縁部材31は、Y軸方向において、導電性光反射膜32よりも外側へ延びることになる。
このように、隣り合う2つの太陽電池セル10の間に光反射部材30を設けることによって、太陽電池モジュール1に入射した光が光反射部材30の表面に入射した際に、導電性光反射膜32によってその光が反射する。この反射した光は、表面保護部材40と空気層との界面又は表面保護部材40と充填部材60との界面で反射して、太陽電池セル10へと導かれる。これにより、入射した光を発電に寄与させることができない領域である隣り合う2つの太陽電池セル10の間の隙間の領域に入射する光も有効に発電に寄与させることができるので、太陽電池モジュール1の発電効率が向上する。
隣り合う2つの太陽電池セル10の間の隙間の領域に入射する光を有効に発電に寄与させる観点から、光反射部材30の導電性光反射膜32が隣り合う2つの太陽電池セル10それぞれに重畳するように、光反射部材30が隣り合う2つの太陽電池セル10の間に設けられることが好ましい。
[表面保護部材、裏面保護部材]
表面保護部材40は、太陽電池モジュール1の表側の面を保護する部材であり、太陽電池モジュール1の内部(太陽電池セル10等)を、風雨や外部衝撃等の外部環境から保護する。図1Bに示されるように、表面保護部材40は、太陽電池セル10の表面側に配設されており、太陽電池セル10の受光面側を保護している。
表面保護部材40は、太陽電池セル10において光電変換に利用される波長帯域の光を透過する透光性部材によって構成されている。表面保護部材40は、例えば、透明ガラス材料からなるガラス基板、又は、フィルム状や板状の透光性及び遮水性を有する硬質の樹脂材料からなる樹脂基板である。
一方、裏面保護部材50は、太陽電池モジュール1の裏側の面を保護する部材であり、太陽電池モジュール1の内部を外部環境から保護する。図1Bに示されるように、裏面保護部材50は、太陽電池セル10の裏面側に配設されている。
裏面保護部材50は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリエチレンナフタレート(PEN)等の樹脂材料からなるフィルム状や板状の樹脂シートである。
本実施の形態における太陽電池モジュール1は片面受光型であるので、裏面保護部材50は、不透光の板体又はフィルムとしてもよい。この場合、裏面保護部材50としては、例えば、黒色などの着色部材、又は、アルミ箔等の金属箔を内部に有する樹脂フィルム等の積層フィルム等を用いてもよい。なお、裏面保護部材50は、不透光部材に限るものではなく、ガラス材料からなるガラスシート又はガラス基板等の透光性部材であってもよい。
表面保護部材40及び裏面保護部材50の間には充填部材60が充填されている。表面保護部材40及び裏面保護部材50と太陽電池セル10とは、この充填部材60によって接着されて固定されている。
[充填部材]
充填部材(充填材)60は、表面保護部材40と裏面保護部材50との間に配置される。図2Bに示されるように、充填部材60は、表面保護部材40と裏面保護部材50との間を埋めるように充填されている。
複数の太陽電池セル10は、例えばシート状の充填部材60によって挟み込まれた状態でラミネート処理を行うことで、充填部材60によって全体が覆われる。
具体的には、まず、表面保護部材40の上に充填部材60、ストリング10S、充填部材60及び裏面保護部材50を積層する。次に、その積層体を、例えば100℃以上の温度の真空状態にするラミネート処理によって熱圧着する。この熱圧着によって、充填部材60が加熱されて溶融し、太陽電池セル10を封止する充填部材60となる。
充填部材60は、例えばエチレンビニルアセテート(EVA)等の樹脂材料からなる樹脂シートである。一例として、充填部材60は、EVAなどのホットメルト系接着剤からなる透明樹脂シートである。
なお、本実施の形態における太陽電池モジュール1は、片面受光型であるので、裏面保護部材50側の充填部材60は、黒色又は白色の樹脂シートであってもよい。一例として、裏面保護部材50側の充填部材60は、EVAなどのホットメルト系接着剤からなる白色樹脂シートであってもよい。
[フレーム]
フレーム70は、太陽電池モジュール1の周縁端部を覆う外枠である。フレーム70は、例えば、アルミ製のアルミフレーム(アルミ枠)である。図1Aに示されるように、フレーム70は、4本用いられており、それぞれ太陽電池モジュール1の4辺の各々に装着されている。フレーム70は、例えば、接着剤によって太陽電池モジュール1の各辺に固着されている。
なお、図示しないが、太陽電池モジュール1には、太陽電池セル10で発電された電力を取り出すための端子ボックスが設けられている。端子ボックスは、例えば裏面保護部材50に固定されている。端子ボックスには、回路基板に実装された複数の回路部品が内蔵されている。
[効果等]
次に、本実施の形態における太陽電池モジュール1の効果について、比較例の太陽電池モジュール1Aと対比して説明する。
図3は、比較例の太陽電池モジュール1Aの一部拡大断面図である。
図3に示されるように、比較例の太陽電池モジュール1Aは、本実施の形態における太陽電池モジュール1と同様に、隣り合う2つの太陽電池セル10の間に光反射部材630が配置されている。
しかしながら、比較例の太陽電池モジュール1Aは、本実施の形態における太陽電池モジュール1と異なり、絶縁部材631が平面視において、導電性光反射膜632よりも外側へ延びていない。このため、図3に示される点線の矢印で挟まれた間隔のように、導電性光反射膜632と太陽電池セル10との沿面距離(絶縁距離)が絶縁部材631の厚みのみとなる。したがって、比較例の太陽電池モジュール1Aでは、光反射部材30の導電性光反射膜32を設けた場合の隣り合う太陽電池セル10の絶縁性が不十分である場合がある。
そこで、本実施の形態に係る太陽電池モジュール1は、隣り合う2つの太陽電池セル10と、2つの太陽電池セル10のうちの一方の太陽電池セル10から他方の太陽電池セル10へ隙間を跨って覆う光反射部材30と、を備える。光反射部材30は、2つの太陽電池セル10の表面に配置される絶縁部材31と、絶縁部材31の表面に形成された導電性光反射膜32と、を備える。絶縁部材31は、2つの太陽電池セル10の平面視において、導電性光反射膜32よりも外側へ延びている。
図2B及び図2Cに示されるように、絶縁部材31が平面視において導電性光反射膜32よりも外側へ延びているため、図2Bに示される点線の矢印のように、導電性光反射膜32と太陽電池セル10との沿面距離が延びる。なお、導電性光反射膜32よりも外側へ延びる絶縁部材31の長さ及び絶縁部材31の厚みは、例えば、それぞれ50um以上であることが好ましい。
これにより、導電性光反射膜32と太陽電池セル10との沿面距離を延ばすことができるため、導電性光反射膜32を有する光反射部材30を太陽電池セル10間に配置しても太陽電池セル10間の絶縁性を十分に確保することができる。
また、光反射部材30は、2つの太陽電池セル10の平面視において、導電性光反射膜32が2つの太陽電池セル10それぞれに重畳するように設けられる。
これにより、隣り合う2つの太陽電池セル10の間の隙間の領域に入射する光は、全て導電性光反射膜32にて反射するため、入射する光を有効に発電に寄与させることができる。
また、絶縁部材31は、2つの太陽電池セル10が隣り合う方向において、導電性光反射膜32よりも外側へ延びている。
これにより、図2Cに示されるように、Y軸方向において絶縁部材31を導電性光反射膜32よりも外側へ延ばすことで、例えばX軸方向において絶縁部材31を導電性光反射膜32よりも外側へ延ばすよりも、導電性光反射膜32と太陽電池セル10との沿面距離が延びている領域を増やすことができる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2に係る太陽電池モジュール2について、図4A及び図4Bを用いて説明する。本実施の形態に係る太陽電池モジュール2は、実施の形態1に係る光反射部材30の代わりに光反射部材130を備える。その他の点は、実施の形態1に係る太陽電池モジュール1と同様であるため詳細な説明を省略し、以下、実施の形態1と異なる光反射部材130を中心に説明する。
図4Aは、実施の形態2に係る太陽電池モジュール2の光反射部材130周辺の一例を示す拡大断面図である。
図4Bは、実施の形態2に係る太陽電池モジュール2の光反射部材130周辺の他の一例を示す拡大断面図である。
光反射部材130は、絶縁材料からなる絶縁部材131と、絶縁部材131の表面に形成された導電性光反射膜132とを有する。絶縁部材131は、隙間をあけて隣り合う第1の太陽電池セル10Aから第2の太陽電池セル10Bへ隙間を跨って覆うように設けられている。このとき、絶縁部材131は、第1の太陽電池セル10Aの少なくとも一部及び第2の太陽電池セル10Bの少なくとも一部に平面視において重なっている。また、絶縁部材131は、2つの太陽電池セル10の平面視において、導電性光反射膜132よりも外側へ延びている。絶縁部材131及び導電性光反射膜132の材料は、実施の形態1における絶縁部材31及び導電性光反射膜32の材料と同じであるため説明は省略する。
図4A及び図4Bに示されるように、2つの太陽電池セル10と、絶縁部材131と、導電性光反射膜132とが平面視において重なる領域における絶縁部材131の厚みをt1とし、絶縁部材131が導電性光反射膜132よりも外側へ延びている領域における絶縁部材131の厚みをt2としている。また、図4Bにおいて、絶縁部材131が太陽電池セル10間の隙間を跨って覆っている領域の絶縁部材131の厚みをt3としている。図4Aでは、厚みt2は厚みt1より厚くなっている。一方、図4Bでは、厚みt1は厚みt2より厚くなっている。
厚みt2が厚みt1より厚い場合、図4Aの点線の矢印で示されるように、導電性光反射膜132と太陽電池セル10との沿面距離は、絶縁部材131が導電性光反射膜132よりも外側へ延びている領域の長さに加え、Z軸方向へ伸びている領域の長さの分延びる。また、図4Bでは、厚みt3が厚みt1よりも薄くなっている。このように、絶縁部材131の厚みが厚くなっている領域を少なくしている。
このように、2つの太陽電池セル10と、絶縁部材131と、導電性光反射膜132とが平面視において重なる領域における絶縁部材131の厚みと、絶縁部材131が導電性光反射膜132よりも外側へ延びている領域における絶縁部材131の厚みとは、異なる。つまり、絶縁部材131の厚みを一様に厚くせずに、部分的に絶縁部材131の厚みを変えている。
実施の形態1では、絶縁部材31を導電性光反射膜32よりも外側へ延ばすことで、導電性光反射膜32と太陽電池セル10との沿面距離を延ばした。一方、絶縁部材の厚みを厚くすることでも、導電性光反射膜と太陽電池セル10との沿面距離を延ばすことができる。しかし、絶縁部材の厚みを一様に厚くすると、温度サイクル等により太陽電池セル等にストレスが生じる可能性がある。そこで、本実施の形態に係る太陽電池モジュール2では、絶縁部材131の厚みを一様に厚くせずに、部分的に絶縁部材131の厚みを変えることで、温度サイクル等によって太陽電池セル10等にストレスが生じることを抑制することができる。さらに、導電性光反射膜132と太陽電池セル10との沿面距離を延ばすことができ、導電性光反射膜132を有する光反射部材130を太陽電池セル10間に配置しても太陽電池セル10間の絶縁性を十分に確保することができる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3に係る太陽電池モジュール3について、図5を用いて説明する。実施の形態1又は実施の形態2では、太陽電池モジュールは導電性光反射膜と太陽電池セル10との間に1つの絶縁部材を有していたが、本実施の形態では、太陽電池モジュール3は、導電性光反射膜232と太陽電池セル10との間に第1の絶縁部材231aと第2の絶縁部材231bとを有する。その他の点は、実施の形態1に係る太陽電池モジュール1と同様であるため詳細な説明を省略し、以下、実施の形態1と異なる光反射部材230及び第1の絶縁部材231aを中心に説明する。
図5は、実施の形態3に係る太陽電池モジュール3の光反射部材230周辺の拡大断面図である。
本実施の形態では、太陽電池モジュール3が備える絶縁部材は、第1の絶縁部材231aと第2の絶縁部材231bとで構成される。
第1の絶縁部材231aは、2つの太陽電池セル10にそれぞれ設けられる。第1の絶縁部材231aは、例えばPET又はアクリル等の絶縁性樹脂材料によって構成されている。第1の絶縁部材231aの材料は、太陽電池セル10において光を有効に発電に寄与させるために透明材料等の透光性材料である。また、例えば、第1の絶縁部材231aは、太陽電池セル10のZ軸の正の方向側(受光側)の面を全面覆うように設けられる。これにより、タブ配線20は、図5に示されるように、第1の絶縁部材231aに覆われる。なお、第1の絶縁部材231aは、太陽電池セル10のZ軸の正の方向側の面の一部を覆うように設けられてもよい。
光反射部材230は、絶縁材料からなる第2の絶縁部材231bと、第2の絶縁部材231bの表面に形成された導電性光反射膜232とを有する。
第2の絶縁部材231bは、2つの太陽電池セル10のうちの一方の太陽電池セル10(第1の太陽電池セル10A)に設けられた第1の絶縁部材231aから他方の太陽電池セル10(第2の太陽電池セル10B)に設けられた第1の絶縁部材231aへ2つの太陽電池セル10間の隙間を跨って覆っている。
導電性光反射膜232は、第2の絶縁部材231bの表面に形成されている。光反射部材230は、実施の形態1に係る光反射部材30と同様に、第2の絶縁部材231bと導電性光反射膜232との積層構造となっている。ただし、第2の絶縁部材231bは、図5に示されるように、平面視において導電性光反射膜232よりも外側へ延びていなくてもよい。
一方、第1の絶縁部材231aは、平面視において、導電性光反射膜232よりも外側へ延びている。また、第2の絶縁部材231bは、第1の絶縁部材231a上に配置されているため、第1の絶縁部材231aは、平面視において、第2の絶縁部材231bの端部より内側へも延びている。
なお、第2の絶縁部材231b及び導電性光反射膜232の材料は、実施の形態1における絶縁部材31及び導電性光反射膜32の材料と同じであるため説明は省略する。
図5に示される点線の矢印のように、導電性光反射膜232と太陽電池セル10との沿面距離は第1の絶縁部材231aが太陽電池セル10を覆う面積に応じて延びる。本実施の形態では、第1の絶縁部材231aは、太陽電池セル10の受光側の面を全面覆うように設けられているため、導電性光反射膜232と太陽電池セル10との沿面距離は、太陽電池セル10の端部まで延びる。
このように、絶縁部材は、第1の絶縁部材231aと第2の絶縁部材231bとで構成され、第1の絶縁部材231aは、2つの太陽電池セル10にそれぞれ設けられ、第2の絶縁部材231bは、2つの太陽電池セル10のうちの一方の太陽電池セル10に設けられた第1の絶縁部材231aから他方の太陽電池セル10に設けられた第1の絶縁部材231aへ隙間を跨って覆う。また、導電性光反射膜232は、第2の絶縁部材231bの表面に形成され、第1の絶縁部材231aは、平面視において、導電性光反射膜232よりも外側へ延びている。
これにより、太陽電池セル10に第1の絶縁部材231aを設けることで、例えば、実施の形態1の光反射部材30のように、絶縁部材31が導電性光反射膜32よりも平面視において外側に延びる形状に加工する必要がないため、光反射部材230に掛かるコストを抑制することができる。また、例えば、実施の形態2の光反射部材130のように、絶縁部材131の厚みを部分的に変える必要がないため、光反射部材230に掛かるコストを抑制することができる。さらに、導電性光反射膜232と太陽電池セル10との沿面距離を延ばすことができ、導電性光反射膜232を有する光反射部材230を太陽電池セル10間に配置しても太陽電池セル10間の絶縁性を十分に確保することができる。
(実施の形態4)
次に、実施の形態4に係る太陽電池モジュール4について、図6を用いて説明する。本実施の形態に係る太陽電池モジュール4は、実施の形態1に係る光反射部材30の代わりに光反射部材330を備える。その他の点は、実施の形態1に係る太陽電池モジュール1と同様であるため詳細な説明を省略し、以下、実施の形態1と異なる光反射部材330を中心に説明する。
図6は、実施の形態4に係る太陽電池モジュール4の光反射部材330周辺の拡大断面図である。
光反射部材330は、絶縁材料からなる絶縁部材331と、絶縁部材331の表面に形成された導電性光反射膜332とを有する。絶縁部材331は、隙間をあけて隣り合う第1の太陽電池セル10Aから第2の太陽電池セル10Bへ隙間を跨って覆うように設けられている。このとき、絶縁部材331は、第1の太陽電池セル10Aの少なくとも一部及び第2の太陽電池セル10Bの少なくとも一部に平面視において重なっている。また、絶縁部材331は、2つの太陽電池セル10の平面視において、導電性光反射膜332よりも外側へ延びている。絶縁部材331及び導電性光反射膜332の材料は、実施の形態1における絶縁部材31及び導電性光反射膜32の材料と同じであるため説明は省略する。
図6に示されるように、絶縁部材331の端部は、2つの太陽電池セル10の表面と離間する方向に屈曲している。具体的には、絶縁部材331の導電性光反射膜332よりも外側へ延びている領域は、2つの太陽電池セル10と離間する方向に屈曲し、折り返した状態になっている。光反射部材330は、例えば、実施の形態1における光反射部材30の絶縁部材31の端部が太陽電池セル10と離間する方向に屈曲したものである。絶縁部材331の太陽電池セル10と離間する方向に屈曲させたい領域において、絶縁部材331と太陽電池セル10とを接着部材(図示せず)等で接着しない。これにより、例えばラミネート処理時の熱圧着による熱等により絶縁部材331の端部が浮き上がり、絶縁部材331の端部が絶縁部材331の端部を2つの太陽電池セル10と離間する方向に屈曲させることができる。なお、絶縁部材331の端部を予め屈曲させた状態の光反射部材330を太陽電池セル10上に配置してもよい。
このように、絶縁部材331の端部は、2つの太陽電池セル10の表面と離間する方向に屈曲している。
絶縁部材331の材料が透光性材料であっても、太陽電池セル10の絶縁部材331が配置された領域では、太陽電池セル10の発電効率は低下してしまう。しかし、絶縁部材331の端部が太陽電池セル10と離間する方向に屈曲することで、絶縁部材331を介さずに太陽電池セル10に入射する光が増えるため、太陽電池セル10の発電効率の低下を抑制することができる。さらに、導電性光反射膜332と太陽電池セル10との沿面距離を延ばすことができ、導電性光反射膜332を有する光反射部材330を太陽電池セル10間に配置しても太陽電池セル10間の絶縁性を十分に確保することができる。
(実施の形態5)
次に、実施の形態5に係る太陽電池モジュール5について、図7を用いて説明する。本実施の形態に係る太陽電池モジュール5は、実施の形態1に係る光反射部材30の代わりに光反射部材430を備える。その他の点は、実施の形態1に係る太陽電池モジュール1と同様であるため詳細な説明を省略し、以下、実施の形態1と異なる光反射部材430を中心に説明する。
図7は、実施の形態5に係る太陽電池モジュール5の光反射部材430周辺の拡大断面図である。
図7に示されるように、光反射部材430は、実施の形態1〜4の光反射部材と異なり、絶縁部材431が2つの太陽電池セル10の平面視において、導電性光反射膜432よりも外側へ延びていない。また、実施の形態4の光反射部材330と異なり、光反射部材430の端部が太陽電池セル10と離間する方向に屈曲しているが折り返されていない。その他の点は、実施の形態1〜4の光反射部材と同じであるため、説明は省略する。
本実施の形態の光反射部材430では、絶縁部材431の端部が、2つの太陽電池セル10と離間する方向に屈曲している。これにより、絶縁部材431が平面視において、導電性光反射膜432よりも外側へ延びていないが、図6に示される点線の矢印のように、導電性光反射膜432と太陽電池セル10との沿面距離を延ばすことができる。
このように、本実施の形態に係る太陽電池モジュール5は、隣り合う2つの太陽電池セル10と、2つの太陽電池セル10のうちの一方の太陽電池セル10から他方の太陽電池セル10へ隙間を跨って覆う光反射部材430と、を備える。光反射部材430は、2つの太陽電池セル10の表面に配置される絶縁部材431と、絶縁部材431の表面に形成された導電性光反射膜432とを備える。絶縁部材431の端部は、2つの太陽電池セル10と離間する方向に屈曲している。
これにより、実施の形態1の光反射部材30のように、絶縁部材31が導電性光反射膜32よりも平面視において外側に延びる形状に加工する必要がないため、光反射部材430に掛かるコストを抑制することができる。また、絶縁部材431を介さずに太陽電池セル10に入射する光が増えるため、太陽電池セル10の発電効率の低下を抑制することができる。さらに、導電性光反射膜432と太陽電池セル10との沿面距離を延ばすことができ、導電性光反射膜432を有する光反射部材430を太陽電池セル10間に配置しても太陽電池セル10間の絶縁性を十分に確保することができる。
(その他の実施の形態)
以上、本発明に係る太陽電池モジュールについて、上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、実施の形態1〜4では、絶縁部材は、2つの太陽電池セル10が隣り合う方向において、導電性光反射膜よりも外側へ延びているが、これに限らない。例えば、絶縁部材は、2つの太陽電池セル10が隣り合う方向と垂直な方向(X軸方向)において導電性光反射膜よりも外側へ延びていてもよい。
また、例えば、実施の形態4では、絶縁部材331の端部は、折り返されたが、これに限らない。例えば、絶縁部材331の端部は、実施の形態5の絶縁部材431のように、2つの太陽電池セル10と離間する方向に浮き上がって屈曲するだけでもよい。
また、例えば、上記実施の形態では、光反射部材は、平坦な表面を有する絶縁部材と、絶縁部材の平坦な表面に形成された導電性光反射膜とを有したが、これに限らない。例えば、光反射部材の形状は、図8に示されるような形状であってもよい。
図8は、その他の実施の形態に係る太陽電池モジュールの光反射部材530周辺の拡大断面図である。
図8に示されるように、光反射部材530が有する絶縁部材531の表面には凹凸が形成されていてもよい。また、光反射部材530が有する導電性光反射膜532は、例えば蒸着等によってこの凹凸の表面に形成されていてもよい。したがって、導電性光反射膜532の表面形状は、絶縁部材531の凹凸形状に倣って凹凸形状となる。光反射部材530における凹凸の形状は、例えば、X軸方向に沿った三角溝形状である。導電性光反射膜532の凹凸形状によって、光反射部材530に入射した光を2つの太陽電池セル10の方向に拡散反射させることができる。凹凸は、例えば、凹部(谷部)と凸部(山部)との間の高さが5μm以上100μm以下であり、隣り合う凸部の間隔(ピッチ)が20μm以上400μm以下である。例えば光反射部材530では、凹部と凸部との間の高さが12μmであり、隣り合う凸部の間隔(ピッチ)が40μmである。
なお、光反射部材530における凹凸の形状は、X軸方向に沿った三角溝形状としたが、これに限定されるものではなく、光を散乱させることができるものであれば、円錐形状、四角錐形状又は多角錐形状、あるいは、これらの形状の組み合わせ等であってもよい。
また、例えば、上記実施の形態では、光反射部材は、隣り合う2つのストリング10Sの間に設けられたが、これに限らない。例えば、光反射部材は、図9に示されるように設けられてもよい。
図9は、その他の実施の形態に係る太陽電池モジュールの一部拡大平面図である。
図9に示されるように、光反射部材30は、ストリング10S内で隣り合う太陽電池セル10間に設けられてもよい。この場合においても、平面視において絶縁部材31が導電性光反射膜32よりも外側へ延びることで、導電性光反射膜32と太陽電池セル10及びタブ配線20との沿面距離を延ばすことができるため、導電性光反射膜32を有する光反射部材30を太陽電池セル10間に配置しても太陽電池セル10間の電気的な導通を抑制できる。
また、例えば、上記実施の形態では、光反射部材は、隣り合う2つのストリング10Sの間の隙間において、ストリング10Sの長手方向に沿って隣接する太陽電池セル10の隙間ごとに複数設けられていたが、これに限らない。例えば、光反射部材は、図10に示されるように設けられてもよい。
図10は、その他の実施の形態に係る2つのストリングの平面図である。
図10に示されるように、光反射部材30は、隣り合う2つのストリング10Sの間において、ストリング10Sの長手方向に沿って複数の太陽電池セル10に跨るように設けられていてもよい。例えば、光反射部材30は、ストリング10Sの全体にわたる1枚の長尺状の光反射シートであってもよい。同様に、光反射部材30は、ストリング10S内で隣り合う太陽電池セル10間において、ストリング10Sの長手方向と垂直な方向に沿って複数の太陽電池セル10に跨るように設けられていてもよい。
また、例えば、上記実施の形態では、光反射部材は、全ての太陽電池セル10に対応するように設けられていたが、一部の太陽電池セル10のみに対して設けられていてもよい。つまり、光反射部材30が設けられていない太陽電池セル10があってもよい。
また、例えば、上記実施の形態では、隣り合う2つの太陽電池セル10の間に設けられる光反射部材の数は、1つであったが、これに限らず、2つ以上の複数であってもよい。
また、例えば、上記実施の形態では、太陽電池セル10の半導体基板はn型半導体基板であったが、これに限らず、p型半導体基板であってもよい。
また、例えば、上記実施の形態では、太陽電池モジュールは、表面保護部材40のみを受光面とする片面受光型であったが、これに限らず、表面保護部材40及び裏面保護部材50の両方を受光面とする両面受光型であってもよい。
また、例えば、上記実施の形態では、太陽電池セル10の光電変換部の半導体材料としてシリコンを用いたが、これに限らず、ガリウム砒素(GaAs)又はインジウムリン(InP)等を用いてもよい。
その他、上記実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
1、2、3、4、5 太陽電池モジュール
10 太陽電池セル
30、130、230、330、430、530 光反射部材
31、131、231a、231b、331、431、531 絶縁部材(第1の絶縁部材、第2の絶縁部材)
32、132、232、332、432、532 導電性光反射膜

Claims (7)

  1. 隙間を空けて隣り合う2つの太陽電池セルと、
    前記2つの太陽電池セルのうちの一方の太陽電池セルから他方の太陽電池セルへ前記隙間を跨って覆う光反射部材と、を備え、
    前記光反射部材は、前記2つの太陽電池セルの表面に配置される絶縁部材と、前記絶縁部材の表面に形成された導電性光反射膜と、を備え、
    前記絶縁部材は、前記2つの太陽電池セルの平面視において、前記導電性光反射膜よりも外側へ延びている
    太陽電池モジュール。
  2. 前記光反射部材は、前記2つの太陽電池セルの平面視において、前記導電性光反射膜が前記2つの太陽電池セルそれぞれに重畳するように設けられる
    請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記2つの太陽電池セルと、前記絶縁部材と、前記導電性光反射膜とが前記平面視において重なる領域における当該絶縁部材の厚みと、当該絶縁部材が当該導電性光反射膜よりも外側へ延びている領域における当該絶縁部材の厚みとは、異なる
    請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
  4. 前記絶縁部材は、第1の絶縁部材と第2の絶縁部材とで構成され、
    前記第1の絶縁部材は、前記2つの太陽電池セルにそれぞれ設けられ、
    前記第2の絶縁部材は、前記2つの太陽電池セルのうちの一方の太陽電池セルに設けられた前記第1の絶縁部材から他方の太陽電池セルに設けられた前記第1の絶縁部材へ前記隙間を跨って覆い、
    前記導電性光反射膜は、前記第2の絶縁部材の表面に形成され、
    前記第1の絶縁部材は、前記平面視において、前記導電性光反射膜よりも外側へ延びている
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  5. 前記絶縁部材の端部は、前記2つの太陽電池セルの表面と離間する方向に屈曲している
    請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
  6. 隙間を空けて隣り合う2つの太陽電池セルと、
    前記2つの太陽電池セルのうちの一方の太陽電池セルから他方の太陽電池セルへ前記隙間を跨って覆う光反射部材と、を備え、
    前記光反射部材は、前記2つの太陽電池セルの表面に配置される絶縁部材と、前記絶縁部材の表面に形成された導電性光反射膜と、を備え、
    前記絶縁部材の端部は、前記2つの太陽電池セルと離間する方向に屈曲している
    太陽電池モジュール。
  7. 前記絶縁部材は、前記2つの太陽電池セルが隣り合う方向において、前記導電性光反射膜よりも外側へ延びている
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
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