JP2018055444A - Ｗｅｂ発注管理システムおよび方法 - Google Patents

Abstract

【課題】ガス器具に関する発注から支払いまでの一連の処理は、原則として紙ベースの帳票類でのやり取りであり、効率化が望まれている。一方で、図面ソフトのＷｅｂ化も進み、Ｗｅｂサイト上で図面を作成することが可能となっている。このような現状を踏まえ、ガス器具に関する発注から支払いまでの一連の処理を、Ｗｅｂサイトを介して行なうシステムおよび方法が求められている。
【解決手段】ガス事業者からのガス器具およびその設置工事の発注、仕入先からの完了報告、完了報告に対する承認、および仕入先への支払いを、Ｗｅｂサイトを介して行なう。
【選択図】図２

Description

本発明は、Ｗｅｂ発注管理システムおよび方法に関する。より詳細には、ガス事業者からのガス器具およびその設置工事の発注、仕入先からの工事完了報告、工事完了報告に対する承認、ならびに仕入先への支払いを、Ｗｅｂサイトを介して行なうシステムおよび方法に関する。

都市ガスやＬＰガスなどのガス事業者は、需要家からガス器具の購入依頼を受けると、ガス器具（ガスコンロや警報器、ガスファンヒーターなど）およびその設置工事の発注を行なう。なお、ガス器具の発注はメーカーに、設置工事の発注は工事会社に対して行なわれる（メーカーと工事会社が同一会社の場合もあり得る）。注文を受けたメーカーは在庫確認、工事会社は作業者の予定調整をそれぞれ行なう。納期調整が必要な場合、メーカーおよび工事会社（以下、まとめて「仕入先」という）はＦＡＸやメールなどによりガス事業者に対して納期回答（ガス器具の納品予定の回答、または設置工事の作業予定の回答）を行ない、納期調整を行なう。仕入先は工事の完了後、ガス事業者に対して工事完了報告を行なう場合がある。なお、ガス器具の設置工事に関する完了報告では、施工写真や図面の提出が義務付けられる場合もある。ガス事業者は完了報告に対する承認を行ない、仕入先への支払いが行なわれる。また、各仕入先には、支払い予定の注文を月締めごとにまとめてリスト化した支払通知書がＦＡＸまたはメールなどを用いて通知される。なお、完了報告に不備がある場合は、仕入先に完了報告を否認として差し戻し、仕入先は否認時に指摘された不備を解消した後、再度完了報告を行なう。

現状、施工写真や図面の提出は、工事会社の担当者が自社のコンピュータ端末にインストールされた図面ソフトを使用して作成した図面や写真データを、電子記憶媒体を用いてガス事業者に納品している。また、完了報告に対する承認結果は、ガス事業者から仕入先に対して、ＦＡＸやメールなどを用いて通知されている。

しかしながら、このような、ガス器具に関する発注から支払いまでの一連の処理は、施工図面こそＣＡＤツールなどの図面ソフトにより電子ファイルの作成がされているものの、上述したように原則として紙ベースの帳票類でのやり取りであり、効率化が望まれている。一方で、図面ソフトのＷｅｂ化も進み、ＷｅｂサーバアプリケーションをインストールしたＷｅｂサーバコンピュータにより提供されるＷｅｂサイト上で、クライアント端末におけるブラウザを介して図面を作成することが可能となっている。このような現状を踏まえ、ガス器具に関する発注から支払いまでの一連の処理を、Ｗｅｂサイトを介して行なうシステムおよび方法が求められている。なお、本明細書ではガス器具（設備）に特化した記載としているが、ガス器具のみならず、消防設備、電気設備、建築設備など、設置工事が必要な器具（設備）に関する発注から支払いまでの一連の処理に対しても同様にＷｅｂ化が望まれている。

本発明は、このような目的を達成するために、ガス器具およびその設置工事の発注を管理するサーバコンピュータであって、前記サーバコンピュータは、
発注担当者が利用する第１のコンピュータから、発注内容を示す発注データを受信し、
少なくとも前記発注データに基づいて、前記設置工事に関するスケジュールデータを作成し、
前記ガス器具または前記設置工事の発注を受注した仕入先の担当者が利用する第２のコンピュータから、前記設置工事の完了に関する報告内容を示す完了報告データを受信し、
承認担当者が利用する前記第１のコンピュータまたは第３のコンピュータから、前記報告内容に対する承認結果を示す承認結果データを受信し、
前記承認結果が承認を示す場合、前記発注に対する前記仕入先への支払内容を示す支払データを作成する
ように構成されることを特徴とする。

また、前段落に記載のサーバコンピュータは、前記設置工事の完了に関する報告内容を示す前記完了報告データに、前記設置工事に対する施工図面データおよび／または施工写真データが含まれていない場合、完了報告できないようにさらに構成されたことを特徴とする。

さらに、前３段落に記載のサーバコンピュータにおいて、前記第２のコンピュータから、前記ガス器具の納品予定または前記設置工事の作業予定を示す納品予定データを受信するようにさらに構成され、前記納品予定データは、前記発注データにさらに基づいて作成されることを特徴とする。

また、前４段落に記載のサーバコンピュータは、前記支払データを、前記第２のコンピュータに送信するようにさらに構成されることを特徴とする。

また本発明は、別の実施形態において、ガス器具およびその設置工事の発注を管理する方法であって、前記方法は、
発注担当者が利用する第１のコンピュータから、発注内容を示す発注データを受信するステップと、
少なくとも前記発注データに基づいて、前記設置工事に関するスケジュールデータを作成するステップと、
前記ガス器具または前記設置工事の発注を受注した仕入先の担当者が利用する第２のコンピュータから、前記設置工事の完了に関する報告内容を示す完了報告データを受信するステップと、
承認担当者が利用する前記第１のコンピュータまたは第３のコンピュータから、前記報告内容に対する承認結果を示す承認結果データを受信するステップと、
前記承認結果が承認を示す場合、前記発注に対する前記仕入先への支払内容を示す支払データを作成するステップと
を備えたことを特徴とする。

さらに本発明は、さらに別の実施形態において、ガス器具およびその設置工事の発注を管理する方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムは前記コンピュータによって実行されると、
発注担当者が利用する第１のコンピュータから、発注内容を示す発注データを受信するステップと、
少なくとも前記発注データに基づいて、前記設置工事に関するスケジュールデータを作成するステップと、
前記ガス器具または前記設置工事の発注を受注した仕入先の担当者が利用する第２のコンピュータから、前記設置工事の完了に関する報告内容を示す完了報告データを受信するステップと、
承認担当者が利用する前記第１のコンピュータまたは第３のコンピュータから、前記報告内容に対する承認結果を示す承認結果データを受信するステップと、
前記承認結果が承認を示す場合、前記発注に対する前記仕入先への支払内容を示す支払データを作成するステップと
を前記コンピュータに実行させることを特徴とする。

以上説明したように、本発明によれば、ガス事業者からのガス器具およびその設置工事の発注、仕入先からの完了報告、完了報告に対する承認、および仕入先への支払いを、Ｗｅｂサイトを介して行なうことができる。より詳細には、工事会社はブラウザを介してＷｅｂサイト上で図面作成およびアップロードすることにより、ガス事業者に対し納品依頼を行なうことができる。また、ガス事業者はＷｅｂサイト上で完了報告に対する承認状況を管理することにより、仕入先は承認状況をリアルタイムに把握することができ、特に否認時に早急な是正処置を行なうことができる。さらに、仕入先は月締めごとの支払通知書を待たずに、Ｗｅｂサイト上で各注文に対する支払状況をリアルタイムに把握することができる。

本発明の一実施形態に係るシステム構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係るガス器具およびその設置工事に関する発注から支払いまでの一連の処理を示すフロー図である。 本発明の一実施形態に係る仕入先データ記憶部に格納されたデータを示す図である。 本発明の一実施形態に係る発注データ記憶部に格納されたデータを示す図である。 本発明の一実施形態に係る納品予定データ記憶部に格納されたデータを示す図である。 本発明の一実施形態に係るスケジュールデータ記憶部に格納されたデータを示す図である。 本発明の一実施形態に係る完了報告データ記憶部に格納されたデータを示す図である。 本発明の一実施形態に係る承認結果データ記憶部に格納されたデータを示す図である。 本発明の一実施形態に係る支払データ記憶部に格納されたデータを示す図である。

以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態に係るシステムおよび方法を詳細に説明する。図１は、本発明の一実施形態に係るシステム構成を示す図である。データセンタなどに設置された発注管理サーバ１００は、ネットワーク１０１（例えば、イントラネット）を介してガス事業者事務所内などに設置された発注者端末１０３や承認者端末１０４と、ネットワーク１０２（例えば、インターネット）を介してメーカーや工事会社の会社内などに設置されたメーカー担当者端末１０５や工事会社担当者端末１０６と通信を行うように構成されている。なお、図１では、発注管理サーバ１００を１つのサーバコンピュータとして表しているが、複数のサーバコンピュータによる分散型コンピューティングシステムとして構築することもできる。発注管理サーバ１００は、各端末からの要求に応答して、ガス器具などの発注から支払いを行なうためのＷｅｂサイトを各端末に対して提供する。なお、発注管理サーバ１００は各端末に対して当該Ｗｅｂサイトへのログイン認証を要求することや、当該Ｗｅｂサイトにアクセスするログインユーザや端末によって、使用可能な機能を制限することができる。

発注者端末１０３および承認者端末１０４は、ガス事業者の営業所などに設置され、ブラウザアプリケーションがインストールされたコンピュータ端末である。発注者端末１０３はガス器具およびその設置工事の発注を行なう発注者、承認者端末１０４は仕入先からの完了報告の承認を行なう承認者がそれぞれ使用する端末である。なお、発注者と承認者が同一である場合など、発注者端末１０３および承認者端末１０４は同一端末であってもよい。また、複数人が承認を行なう場合は、複数の承認者端末１０４があってもよい。これらの端末は各担当者が携帯するモバイル端末であってもよい。発注者は、発注者端末１０３におけるブラウザ上に表示される、発注管理サーバ１００が提供するＷｅｂサイトを操作し、仕入先に対する発注処理を行なう。承認者は、承認者端末１０４上に表示されるＷｅｂサイトを操作し、仕入先からの完了報告を確認し、承認処理を行なう。

メーカー担当者端末１０５や工事会社担当者端末１０６は、それぞれ、メーカーや工事会社に設置され、ブラウザアプリケーションがインストールされたコンピュータである。メーカー担当者端末１０５はガス器具の発注を受注したメーカーの担当者、工事会社担当者端末１０６はガス器具の設置工事の発注を受注した工事会社の担当者がそれぞれ使用する端末である。なお、ガス器具およびその設置工事を同一会社に発注する場合など、メーカー担当者端末１０５および工事会社担当者端末１０６が同一端末であることもありえる。また、これらの端末も各担当者が携帯するモバイル端末であってもよい。メーカー担当者は、メーカー担当者端末１０５におけるブラウザ上に表示される、発注管理サーバ１００が提供するＷｅｂサイトを操作し、ガス器具発注に関する内容確認および納品予定の入力を行なう。同様に、工事会社担当者は、工事会社担当者端末１０６におけるブラウザ上に表示されるＷｅｂサイトを操作し、ガス器具の設置工事発注に関する内容確認、作業予定の入力およびガス器具設置工事後の工事完了処理を行なう。

次に、発注管理サーバ１００の構成を詳細に説明する。なお、図１では、単一のサーバコンピューティングシステムを想定し、必要な構成だけを示している。発注管理サーバ１００は、それぞれがシステムバス１１５を介して接続された、ＣＰＵ１１０、ＲＡＭ１１１、入力装置１１２、出力装置１１３、通信制御装置１１４、および記憶装置１１６を備えている。記憶装置１１６は不揮発性記憶媒体（ＲＯＭやＨＤＤなど）で構成され、発注管理処理に関連するソフトウェアプログラムを格納したプログラム格納領域と、当該ソフトウェアプログラムで取り扱うデータを格納したデータ格納領域とを備えている。以下に説明するプログラム格納領域の各手段は、実際は独立したソフトウェアプログラム、そのルーチンやコンポーネントなどであり、記憶装置１１６に格納されている。各手段は、実行時にＣＰＵ１１０によって記憶装置１１６から呼び出されＲＡＭ１１１のワークエリアに展開されることで、データベースなどに適宜アクセスしながら各機能を発揮することができる。

記憶装置１１６におけるプログラム格納領域に格納されたソフトウェアプログラムは、本発明に関連するものだけを列挙すると、発注管理手段１２０、納品予定管理手段１２１、納品管理手段１２２、および支払管理手段１２３を備えている。これらの手段は、ＣＰＵ１１０によって実行される。また、図示していないが、記憶装置１１６にはＷｅｂサーバアプリケーションに関するプログラムも格納されており、発注管理サーバ１００はＷｅｂサーバ機能を備えている。

発注管理手段１２０は、ガス器具の設置工事などの発注内容を示す発注データを、発注者端末１０３から受信し、発注データ記憶部１３１に格納する。また、発注管理手段１２０は、メーカー担当者端末１０５などからの要求に応答して、対象メーカーへの発注データを発注データ記憶部１３１から取得し、要求のあったメーカー担当者端末１０５などに送信する。

納品予定管理手段１２１は、発注内容（納品希望日など）に対する納品予定を示す納品予定データを、メーカー担当者端末１０５および工事会社担当者端末１０６から受信し、納品予定データ記憶部１３２に格納する。なお、発注内容で納品可能である場合は、納品予定データの受信を省略することもできる。そして、発注管理手段１２０は、受信した発注データおよび／または納品予定データに基づいてスケジュールデータを作成し、スケジュールデータ記憶部１３３に格納する。また、発注管理手段１２０は、発注者端末１０３などからの要求に応答して、作成したスケジュールデータをスケジュールデータ記憶部１３３から取得し、要求のあった発注者端末１０３などに送信する。

納品管理手段１２２は、ガス器具の設置工事完了に関する報告内容を示す完了報告データを、工事会社担当者端末１０６から受信し、完了報告データ記憶部１３４に格納する。また、納品管理手段１２２は、完了報告に対する承認結果を示す承認結果データを、承認者端末１０４から受信し、承認結果データ記憶部１３５に格納する。さらに、納品管理手段１２２は、工事会社担当者端末１０６などからの要求に応答して、対象工事会社への承認結果データを承認結果データ記憶部１３５から取得し、要求のあった工事会社担当者端末１０６などに送信する。また、納品管理手段１２２は、受信した完了報告データに、必要な施工図面などが添付されていない場合、自動的に否認することもできる。

支払管理手段１２３は、完了報告に対する承認結果が承認を示す場合、仕入先（ガス器具納品に対する支払いであればメーカー、ガス器具設置工事に対する支払いであれば工事会社）への支払内容を示す支払データを作成し、支払データ記憶部１３６に格納する。また、支払管理手段１２３は、作成した支払データを仕入先ごとにリスト化し（例えば、任意の支払通知書フォーマットのＰＤＦファイル）、それぞれのメーカー担当者端末１０５や工事会社担当者端末１０６に送信する。または、仕入先の各担当者がメーカー担当者端末１０５や工事会社担当者端末１０６を介して、任意のフォーマットで支払通知書をＷｅｂサイト上でダウンロードすることもできる。

次に、記憶装置１１６におけるデータ格納領域は、本発明に関連するものだけを列挙すると、仕入先データ記憶部１３０、発注データ記憶部１３１、納品予定データ記憶部１３２、スケジュールデータ記憶部１３３、完了報告データ記憶部１３４、承認結果データ記憶部１３５、および支払データ記憶部１３６を備える。いずれも、記憶装置１１６内に確保された一定の記憶領域である。

仕入先データ記憶部１３０は、ガス器具やその設置工事の発注を受注するメーカーおよび工事会社に関するデータを格納する。図３は、本発明の一実施形態に係る仕入先データ記憶部１３０に格納されたデータを示す図である。図３における仕入先データには、メーカーおよび工事会社を一意に示す「仕入先コード」、メーカーおよび工事会社の名称およびその読み仮名を示す「仕入先名」および「仕入先名カナ」、メーカーおよび工事会社の郵便番号および住所を示す「郵便番号」および「住所」、ならびにメーカーおよび工事会社の決済用口座情報を示す「口座番号」および「口座名義人」に関するデータを格納することができる。

発注データ記憶部１３１は、ガス事業者から仕入先に向けた発注内容に関するデータを格納する。図４は、本発明の一実施形態に係る発注データ記憶部１３１に格納されたデータを示す図である。図４における発注データには、本データを一意に示す「注文番号」および「注文番号枝番」（詳細については後述する）、発注した日を示す「発注日」、工事内容またはガス器具の商品名を示す「工事・商品名」、ガス器具発注の場合のガス器具の型式を示す「器具型式」、設置工事またはガス器具の発注数およびその単価を示す「発注数」および「発注単価」、ガス器具納品または設置工事実施の希望日を示す「納品希望日」、発注先を一意に示す「発注先コード」、設置工事の場合で施工図面の提出が義務付けられるかを示す「図面工事対象区分」、ならびにガス器具の納品先または設置工事の施工先情報を示す「納品先郵便番号」、「納品先住所」、および「納品先ＴＥＬ」に関するデータを格納することができる。本データは、「注文番号」および「注文番号枝番」の組み合わせで一意になり、図４の１および２レコード目に示されるように、例えば、ガスコンロ設置工事の場合は、ガスコンロ設置工事に関する工事会社に向けた発注と、設置するガスコンロに関するメーカーに向けた発注とを、同一の「注文番号」および異なる「注文番号枝番」で管理することができる。「発注先コード」は、仕入先データ（図３）における「仕入先コード」と同一のコードを格納することにより、両データを紐付けることができる。「納品希望日」は、図４では日までしか指定されていないが、例えば、納品希望日時として時間や時間帯まで指定することができる（時間帯まで指定する場合は、「開始予定時刻」や「終了予定時刻」などといったデータ項目を追加することもできる）。「図面工事対象区分」には、例えば、対象の設置工事に対して、施工図面の提出が義務付けられていない場合は「1」、そうでない場合は「2」を設定することができる。これにより、工事会社からの設置工事作業完了報告の際に、施工図面が義務付けられているにも関わらず添付されていない場合は完了報告できないなどといった制御をすることができる。なお、施工図面の他、施工写真に対しても同様の制御をすることもできる。また、図４における発注データは、あるガス事業者からの発注を想定したデータとしているが、別の実施形態では、発注元のガス事業者を一意に示す「発注元コード」を追加することで、複数のガス事業者からの発注データを管理することができる。

納品予定データ記憶部１３２は、ガス事業者からの発注に対して仕入先が回答する納品予定または作業予定に関するデータを格納する。図５は、本発明の一実施形態に係る納品予定データ記憶部１３２に格納されたデータを示す図である。図５における納品予定データには、ガス器具やその設置工事の発注を受注したメーカーおよび工事会社を一意に示す「仕入先コード」、対応する発注内容を一意に示す「注文番号」および「注文番号枝番」、納品予定の日を示す「納品予定日」、分納を行なう場合に使用する「納品予定枝番」（詳細については後述する）、ならびに納品予定の数量を示す「納品予定数」に関するデータを格納することができる。「仕入先コード」は、仕入先データ（図３）における「仕入先コード」と同一のコードを格納することにより、両データを紐付けることができる。「注文番号」および「注文番号枝番」も同様に、発注データ（図４）における「注文番号」および「注文番号枝番」と紐付けることができる。「納品予定枝番」は、分納を行なう場合に使用する。例えば、図５における２つのレコードは、図４の発注データの４レコード目（注文番号「1000000003」）に対応する納品予定データであり、発注数３０に対し、納品予定数２０、１０と２回に分けて納品することを示している。そのため、本データは、「注文番号」、「注文番号枝番」、「納品予定日」、および「納品予定枝番」の４つで一意に示される。なお、発注データ（図４）によって示される発注内容（納品希望日や発注数など）で納品可能である場合は、本データを作成しなくてもよい。

スケジュールデータ記憶部１３３は、工事会社の設置工事のスケジュールに関するデータを格納する。図６は、本発明の一実施形態に係るスケジュールデータ記憶部１３３に格納されたデータを示す図である。図６におけるスケジュールデータには、対応する発注データを一意に示すための「注文番号」、「注文番号枝番」、ガス器具設置工事の作業予定日時示す「工事予定日」、「開始予定時刻」、および「終了予定時刻」、ならびに設置工事を行なう工事会社およびその担当者を一意に示す「工事会社コード」および「工事会社担当者コード」に関するデータを格納することができる。本データも図４の発注データについて上述したように、ガス器具の設置工事とそのガス器具の注文番号を同一にして管理することができる。そして、「注文番号」および「注文番号枝番」は、発注データ（図４）における「注文番号」および「注文番号枝番」に対応している。なお、１つの設置工事に関する発注に対して、複数種類のガス器具を設置する場合は、「注文番号枝番１」、「注文番号枝番２」、「注文番号枝番３」・・・などとデータ項目を増やしたり、それぞれで別レコードを作成したりすることにより対応することができる。また、図６のスケジュールデータは、ガス器具の設置工事に関するスケジュールに特化した記載としているが、工事会社や工事会社担当者の休みに関するデータを格納し、工事会社のスケジュール管理を行なうこともできる。

完了報告データ記憶部１３４は、工事会社からの設置工事完了の報告に関するデータを格納する。図７は、本発明の一実施形態に係る完了報告データ記憶部１３４に格納されたデータを示す図である。図７における完了報告データには、対応する発注内容を一意に示す「注文番号」および「注文番号枝番」、作業完了日を示す「完了日」、作業に対する請求金額を示す「請求金額」、完了報告を行なう仕入先およびその担当者を一意に示す「仕入先コード」および「仕入先担当者コード」、ならびに施工写真ファイル、図面ファイル、および設備工事記録ファイル（設備工事の報告書）をそれぞれ格納するための、またはそれぞれの格納先を示す「施工写真ファイル」、「施工図面ファイル」、および「設備工事記録ファイル」に関するデータを格納することができる。「施工写真ファイル」、「施工図面ファイル」、および「設備工事記録ファイル」は、それぞれのファイルそのもの（例えば、画像データファイルや図面データファイル、ＰＤＦファイル）であってもよいし、データファイルの格納先のアドレスなどであってもよい。なお、完了報告が否認された場合、否認を受けた仕入先は是正処置を行ない、本データを修正することにより、再度の完了報告を行なう。または、完了報告の度に本データにおいて新規レコードを作成することもできる。ただし、この場合、本データを一意に示すための「申請回数」などといったデータ項目を追加することが必要になる。

承認結果データ記憶部１３５は、仕入先からの完了報告に対するガス事業者の承認結果に関するデータを格納する。図８は、本発明の一実施形態に係る承認結果データ記憶部１３５に格納されたデータを示す図である。図８における承認結果データには、本データを一意に示すための「承認申請番号」および「承認申請番号枝番」（詳細については後述する）、承認処理を行なった完了報告に対応する発注内容を一意に示す「注文番号」および「注文番号枝番」、承認結果を示す「承認区分」、承認または否認した日を示す「承認日（否認日）」、承認した場合の承認を行なったガス事業会社およびその担当者を一意に示す「承認会社コード」および「承認会社担当者コード」、ならびに否認した場合の否認理由などを示す「否認コメント」に関するデータを格納することができる。「承認申請番号」および「承認申請番号枝番」について、例えば、否認を受けて再度の完了報告に対する承認結果の場合、「承認申請番号」は否認を受けた前回の番号と同一であるが、「承認申請番号枝番」は前回の番号と異なる番号となる。こうすることで、本データを履歴データとして管理することができる。「承認区分」には、例えば、承認結果が承認である場合は「1」、否認である場合は「2」を設定することができる。なお、承認者が複数人いる場合は、本データに、一次承認用、二次承認用、三次承認用・・・のそれぞれの承認区分を示す「一次承認区分」、「二次承認区分」、「三次承認区分」・・・などといったデータ項目を追加し、複数の承認結果を保持することもできる。この際、「承認会社担当者コード」も、「一次承認会社担当者コード」、「二次承認会社担当者コード」、「三次承認会社担当者コード」・・・などと複数保持することができる。なお、複数の承認者による承認を行なう場合、全ての承認結果が承認を示さない限り、承認結果を承認中と判断することもできる。また、承認結果が否認を示す場合、対象の発注に対する仕入先への支払いは実行されないように制御することができる。

支払データ記憶部１３６は、ガス器具納品および設置工事作業に対する支払いに関するデータを格納する。図９は、本発明の一実施形態に係る支払データ記憶部１３６に格納されたデータを示す図である。図９における支払データには、支払対象の発注データ（図４）を一意に示すための「注文番号」および「注文番号枝番」、納品または作業完了日を示す「納品日」、設置工事またはガス器具の納品数およびその単価を示す「納品数」および「納品単価」、納品数×納品単価で計算される支払金額を示す「支払金額」、支払先のメーカーおよび工事会社を一意に示す「支払先コード」、ならびに支払いが確定する年月を示す「支払締年月」に関するデータを格納することができる。なお、図９における支払データでは、異なる支払先に関するデータをまとめて保持するように記載しているが、本データを各会社に送信する場合は、送信先の会社に限定したデータのみ送信することになる。

次に、図２のフローチャート、および図３−９のデータを参照して、本発明の一実施形態に係る発注管理処理を流れに沿って説明する。本処理は、ガス器具に関する発注から支払いまでの一連の処理を、Ｗｅｂサイトを介して行なうものである。

図２は、本発明の一実施形態に係るガス器具およびその設置工事に関する発注から支払いまでの一連の処理を示すフロー図である。本実施形態では、発注管理サーバ１００が提供するＷｅｂサイトに、ガス事業者、メーカー、および工事会社の各担当者がコンピュータ端末を使用してアクセスし、ガス器具およびその設置工事に関する発注から支払いまでの一連の処理を実行することを想定している。

まず、ステップ２０１にて、発注管理手段１２０は、ガス器具およびその設置工事の発注内容を示す発注データ（図４）を、発注者端末１０３から受信し、発注データ記憶部１３１に格納する。当該発注データは、ガス事業者の発注担当者が発注者端末１０３を使用して、例えば、Ｗｅｂサイト上の発注処理画面に必要データを入力したり、仕入先データ（図３）を用いて表示されるメーカーや工事会社のリストから発注を行なう仕入先を選択したりするなどして作成される。メーカーや工事会社の担当者は、メーカー担当者端末１０５や工事会社担当者端末１０６を使用して、Ｗｅｂサイトに表示される発注データを参照し、自社への発注内容を確認する。なお、発注管理サーバ１００は、発注データ（図４）における「発注先コード」を用いて、各社の担当者が参照できる発注データを自社分のみとするようにアクセス制御することができる。

次に、発注管理手段１２０は、発注のあったガス器具の納品予定または設置工事の作業予定を示す納品予定データ（図５）を、メーカー担当者端末１０５または工事会社担当者端末１０６から受信し、納品予定データ記憶部１３２に格納する（ステップ２０２）。当該納品予定データは、メーカーまたは工事会社の担当者がメーカー担当者端末１０５または工事会社担当者端末１０６を使用して、例えば、Ｗｅｂサイト上の納品回答画面に必要データを入力するなどして作成される。なお、メーカーまたは工事会社の担当者は、発注データ（図４）によって示される発注内容（納品希望日や発注数など）で納品可能または作業可能である場合は、納品予定データの入力（作成）を省略することもできる。この場合、発注管理サーバ１００は、例えば、発注があってから所定期間の間に納品回答がない場合（対象の納品予定データを受信しない場合）、発注データの内容に基づいて納品が行なわれるものとして、次ステップに進むことができる。なお、設置工事を伴わないガス器具の納品のみ注文の場合で、特に発注元であるガス事業者の承認が不要な場合は、次ステップに進まず、例えば、納品予定データ（図５）における「納品予定日」の経過を以って、ステップ２０８の支払データの作成に進むこともできる。

次に、発注管理手段１２０は、受信した発注データおよび／または納品予定データなどに基づいてスケジュールデータ（図６）を作成し、スケジュールデータ記憶部１３３に格納する（ステップ２０３）。作成されたスケジュールデータは、Ｗｅｂサイトを介して発注者端末１０３などから参照することができる。

次に、納品管理手段１２２は、ガス器具の設置工事完了に関する報告内容を示す完了報告データ（図７）を、メーカー担当者端末１０５または工事会社担当者端末１０６から受信し、完了報告データ記憶部１３４に格納する（ステップ２０４）。当該完了報告データは、工事会社の担当者が、設置工事の完了後に工事会社担当者端末１０６を使用して、例えば、Ｗｅｂサイト上の完了報告画面に必要データを入力するなどして作成される。さらに、工事会社の担当者は工事会社担当者端末１０６を使用して、Ｗｅｂサイト上で施工写真（画像ファイル）のアップロードや、Ｗｅｂサイトに組み込まれたＷｅｂ図面ソフトによって施工図面（図面データファイル）の作成およびアップロードを行なうことができる。施工写真および施工図面ファイルは、完了報告データ（図７）として、発注元であるガス事業者による承認対象となる。そのため、納品管理手段１２２は、必要な施工写真および施工図面ファイルの全てが揃っていない場合は完了報告できないように制御することができる。さらに別の実施形態では、例えば、施工図面の提出が義務付けられている場合（発注データ（図４）の「図面工事対象区分」が「1」（対象）の場合）で、完了報告データに施工図面ファイルが含まれていない場合など、自動的に否認し（例えば、「承認区分」に「2」（否認）、「否認コメント」に定型コメント「施工図面なし」などを設定した承認結果データ（図８）を作成し）、工事会社に差し戻すことができる（この場合、後述するステップ２０６のＮｏルートに進む）。なお、施工写真に対しても同様の自動否認を行なうことができる。

次に、納品管理手段１２２は、仕入先からの完了報告に対するガス事業者の承認結果を示す承認結果データ（図８）を、承認者端末１０４から受信し、承認結果データ記憶部１３５に格納する（ステップ２０５）。承認結果が否認（承認結果データの「承認区分」が「2」）である場合、ステップ２０６のＮｏルートに進み、否認を受けた仕入先の担当者は、是正処置を行ない、完了報告データ（図７）を修正する。修正された完了報告データは、メーカー担当者端末１０５または工事会社担当者端末１０６によって発注管理サーバ１００に送信され、納品管理手段１２２によって受信され、完了報告データ記憶部１３４に格納される（ステップ２０７）。ステップ２０７の後、ガス事業者の承認が得られるまで（承認結果データの「承認区分」が「1」となるまで）、ステップ２０５−２０７を繰り返す。なお、承認者が複数人いる場合は、全員の承認が得られるまでステップ２０５−２０７を繰り返す。

一方、承認結果が承認（承認結果データの「承認区分」が「1」）である場合、ステップ２０６のＹｅｓルートに進み、支払管理手段１２３は、仕入先への支払内容を示す支払データ（図９）を作成し、支払データ記憶部１３６に格納する（ステップ２０８）。また、支払管理手段１２３は、各仕入先の支払データを所定のタイミングおよび任意のフォーマットで（例えば、支払通知書フォーマットのＰＤＦファイル）、メーカー担当者端末１０５や工事会社担当者端末１０６に送信することができる。別の実施形態では、支払データを仕入先に送信するのではなく、支払データを、メーカー担当者端末１０５や工事会社担当者端末１０６を介して、Ｗｅｂサイト上で確認およびダウンロードさせることもできる。ステップ２０８の後、本処理は終了する。

なお、この後（所定の実行日に）、支払データ（図９）に基づいて、仕入先データ（図３）に設定された各仕入先の決済用口座に対して支払い処理が実行される。

以上により、ガス事業者からのガス器具およびその設置工事の発注、仕入先からの完了報告、完了報告に対する承認、および仕入先への支払いを、Ｗｅｂサイトを介して行なうことができる。

Claims (7)

1. ガス器具およびその設置工事の発注を管理するサーバコンピュータであって、前記サーバコンピュータは、
   発注担当者が利用する第１のコンピュータから、発注内容を示す発注データを受信し、
   少なくとも前記発注データに基づいて、前記設置工事に関するスケジュールデータを作成し、
   前記ガス器具または前記設置工事の発注を受注した仕入先の担当者が利用する第２のコンピュータから、前記設置工事の完了に関する報告内容を示す完了報告データを受信し、
   承認担当者が利用する前記第１のコンピュータまたは第３のコンピュータから、前記報告内容に対する承認結果を示す承認結果データを受信し、
   前記承認結果が承認を示す場合、前記発注に対する前記仕入先への支払内容を示す支払データを作成する
   ように構成されたことを特徴とするサーバコンピュータ。
2. 前記設置工事の完了に関する報告内容を示す前記完了報告データに、前記設置工事に対する施工図面データおよび／または施工写真データが含まれていない場合、完了報告できないようにさらに構成されたことを特徴とする請求項１に記載のサーバコンピュータ。
3. 前記承認結果が否認を示す場合、前記第２のコンピュータから、修正された前記完了報告データを受信するようにさらに構成され、前記承認結果データは、前記修正された完了報告データに対する承認結果を示す承認結果データを含むことを特徴とする請求項１または２に記載のサーバコンピュータ。
4. 前記第２のコンピュータから、前記ガス器具の納品予定または前記設置工事の作業予定を示す納品予定データを受信するようにさらに構成され、前記納品予定データは、前記発注データにさらに基づいて作成されることを特徴とする請求項１乃至３のいずれかに記載のサーバコンピュータ。
5. 前記支払データを、前記第２のコンピュータに送信するようにさらに構成されることを特徴とする請求項１乃至４のいずれかに記載のサーバコンピュータ。
6. ガス器具およびその設置工事の発注を管理する方法であって、前記方法は、
   発注担当者が利用する第１のコンピュータから、発注内容を示す発注データを受信するステップと、
   少なくとも前記発注データに基づいて、前記設置工事に関するスケジュールデータを作成するステップと、
   前記ガス器具または前記設置工事の発注を受注した仕入先の担当者が利用する第２のコンピュータから、前記設置工事の完了に関する報告内容を示す完了報告データを受信するステップと、
   承認担当者が利用する前記第１のコンピュータまたは第３のコンピュータから、前記報告内容に対する承認結果を示す承認結果データを受信するステップと、
   前記承認結果が承認を示す場合、前記発注に対する前記仕入先への支払内容を示す支払データを作成するステップと
   を備えたことを特徴とする方法。
7. ガス器具およびその設置工事の発注を管理する方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムは前記コンピュータによって実行されると、
   発注担当者が利用する第１のコンピュータから、発注内容を示す発注データを受信するステップと、
   少なくとも前記発注データに基づいて、前記設置工事に関するスケジュールデータを作成するステップと、
   前記ガス器具または前記設置工事の発注を受注した仕入先の担当者が利用する第２のコンピュータから、前記設置工事の完了に関する報告内容を示す完了報告データを受信するステップと、
   承認担当者が利用する前記第１のコンピュータまたは第３のコンピュータから、前記報告内容に対する承認結果を示す承認結果データを受信するステップと、
   前記承認結果が承認を示す場合、前記発注に対する前記仕入先への支払内容を示す支払データを作成するステップと
   を前記コンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。

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