JP2018054359A - 陰イオン検出システム - Google Patents

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Abstract

【課題】装置を大型化することなく、陽イオンと揮発性ガスを除去して、陰イオンを確実に検出できる陰イオン検出システムを提供する。
【解決手段】イオン交換装置と、沸騰式の脱ガス装置90と、電気伝導率計70とを備え、前記イオン交換装置は、大気圧以上の圧力で試料水が流入し、脱カチオン水として流出する陽極室15と、大気圧以上の圧力で純水または試料水が流入流出する陰極室16と、前記陽極室15と陰極室16とを仕切る陽イオン交換膜40と、前記陽極室15に配置された陽極と、前記陰極室16に配置された陰極と、を有し、前記陽極室15から排出された脱カチオン水が前記脱ガス装置90に供給され、脱ガス装置90で処理された脱ガス脱カチオン水が電気伝導率計70に供給されるように構成されていることを特徴とする陰イオン検出システム。
【選択図】図1

Description

本発明は、イオン交換装置と脱ガス装置で処理した試料水の電気伝導率を測定する陰イオン検出システムに関する。
火力発電所、原子力発電所等においては、水をボイラで加熱して水蒸気とし、蒸気タービンを通過した水蒸気を復水器で凝縮して水とし、ボイラに戻すことが行われる。ボイラと復水器との間で循環する水および水蒸気は、循環水と呼ばれる。循環水が塩分等で汚染されると、ボイラ系統が腐食し減肉や亀裂等を生じることがある。このため循環水の水質を常時監視し塩分等汚染物質を検知する必要がある。復水器においては、水蒸気を水に凝縮させる冷却水として海水が用いられる。復水器の細管にピンホール等が発生した場合、循環水に海水が混入し、循環水中の塩分等汚染物質の濃度が高くなる。
循環水中の汚染物質を検知する方法としては、循環水の電気伝導率または比抵抗を測定する方法が知られている(特許文献1等)。循環水の電気伝導率または比抵抗を測定する方法においては、測定対象として循環水の一部をサンプリングして試料水とし、海水リーク等の汚染物質が及ぼす影響を試料水の電気伝導率または比抵抗の変化として観測する。したがって、試料水の電気伝導率または比抵抗に影響を与える汚染物質以外の成分を除去して、試料水の電気伝導率または比抵抗を観測する必要がある。
試料水の電気伝導率または比抵抗に影響を及ぼす汚染物質以外の成分としては、(1)循環系内の腐食を抑えるために添加されたアンモニアの陽イオン化物、及び(2)試料水に溶け込んでいる二酸化炭素等の揮発性ガスが存在する。
試料水の電気伝導率または比抵抗に影響を及ぼす汚染物質の成分としては、Na等の金属イオン等の陽イオン、及びCl、SO 2−等の陰イオンが存在する。
試料水中のアンモニア等の陽イオン化物は、イオン交換装置を用いて取り除かれる。
また、試料水に溶存している二酸化炭素等の揮発性ガスは、脱ガス装置を用いて取り除かれる。
試料水(循環水)に海水が混入していた場合、試料水中にはNaClやNaSO等が含まれており、Na等の陽イオン、及びCl、SO 2−等の陰イオンに電離している。上記のように、イオン交換装置により試料水を処理すると、海水に由来するNa等の陽イオンは除去される。海水に由来するCl、SO 2−等の陰イオンの対イオンはHとなり、試料水は塩酸や硫酸の水溶液となる。このようにイオン交換により生じた塩酸や硫酸の水溶液は、イオン交換前の試料水と比較して電気伝導率または比抵抗の変化が大きいため、海水リークを高い感度で検知できる。
イオン交換装置と脱ガス装置を備える陰イオン検出システムとして、非特許文献1には、強酸性陽イオン交換樹脂を充填したカチオン樹脂筒と沸騰式脱ガス装置とを組み合わせた陰イオン検出システム、及びカチオン樹脂筒と脱気膜式脱ガス装置とを組み合わせた陰イオン検出システムが開示されている。また、カチオン樹脂筒の代わりに、電気式カチオン交換器を使用してもよいことが記載されている。
電気式カチオン交換器を用いた陰イオン検出システムとしては、対向配置された陽極および陰極と、陽極および陰極が配置された空間を陽極室および陰極室に仕切る1枚の陽イオン交換膜とを備え、陽極室で処理された脱カチオン水が電気伝導率計で測定された後、陰極室に導入されるものが知られている(特許文献1)。
特許第3704289号公報
JIS B8224 附属書C
カチオン樹脂筒には、上記のように強酸性陽イオン交換樹脂が用いられているが、この樹脂は、所定量の陽イオンを吸着するとその効果を発揮しなくなるので、樹脂の再生または交換が必要である。そのため、作業負荷や樹脂のコストなどの問題がある。
そこで本発明者らは、非特許文献1の陰イオン検出システムにおいて、カチオン樹脂筒の代わりに、特許文献1の電気式カチオン交換器を使用することを検討した。ところが、特許文献1の電気式カチオン交換器は、沸騰式脱ガス装置と組み合わせできないことが分った。
すなわち、特許文献1の陰イオン検出システムでは、電気伝導率計で測定された後の脱カチオン水を陰極室に導入して流通させるため、脱カチオン水にはある程度の圧力が必要である。ところが、沸騰式脱ガス装置は、原理上試料水の出口圧力が大気圧となる。そのため、電気式カチオン交換器、次いで沸騰式脱ガス装置で処理された脱ガス脱カチオン水は、電気伝導率計までは到達できるものの、その後電気式カチオン交換器の陰極室内を流通することができない。大気圧にまで圧力の落ちた脱ガス脱カチオン水を、ポンプを用いて強制的に送液することも考えられるが、装置が複雑になり大型になるという問題があり、好ましくない。
一方、特許文献1の電気式カチオン交換器に、脱気膜式脱ガス装置を組み合わせることは可能である。しかし、脱気膜式脱ガス装置は、大型の真空ポンプを内蔵させることが必要であり、装置が大型である。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、装置を大型化することなく、陽イオンと揮発性ガスを除去して、陰イオンを確実に検出できる陰イオン検出システムを提供する。
上記の課題を達成するために、本発明は、以下の構成を採用した。
[1]イオン交換装置と、沸騰式脱ガス装置と、電気伝導率または比抵抗を測定する測定器とを備え、
前記イオン交換装置は、
大気圧以上の圧力で試料水が流入し、脱カチオン水として流出する陽極室と、
大気圧以上の圧力で純水または試料水が流入流出する陰極室と、
前記陽極室と陰極室とを仕切る陽イオン交換膜と、
前記陽極室に配置された陽極と、前記陰極室に配置された陰極と、
を有し、
前記陽極室から排出された脱カチオン水が前記沸騰式脱ガス装置に供給され、
前記沸騰式脱ガス装置で処理された脱ガス脱カチオン水が前記測定器に供給されるように構成されていることを特徴とする陰イオン検出システム。
[2]さらに冷却装置を備え、前記冷却装置は、前記沸騰式脱ガス装置と前記測定器との間に設けられている、[1]に記載の陰イオン検出システム。
[3]さらに、前記測定器の上流側に、前記イオン交換装置の前記陽極室から排出された脱カチオン水中に残存する陽イオンを除去するカチオン樹脂筒を備えた、[1]または[2]に記載の陰イオン検出システム。
本発明の陰イオン検出システムによれば、装置を大型化することなく、陽イオンと揮発性ガスを除去して、陰イオンを確実に検出できる。
本発明の陰イオン検出システムの第1実施形態を示す概略構成図である。 本発明の陰イオン検出システムにおけるイオン交換装置の本体部の一例を示す断面図(図3のI−I断面図)である。 図2のII−II断面図である。 本発明の陰イオン検出システムにおける沸騰式脱ガス装置の一例を示す断面図である。 本発明の陰イオン検出システムの第2実施形態を示す概略構成図である。
<第1実施形態>
以下、図1に沿って本発明の第1実施形態に係る陰イオン検出システム100について説明する。
本実施形態の陰イオン検出システム100は、イオン交換装置の本体部1、配管L11〜L17、弁V11〜V15、電気伝導率計70、圧力計71、72、フローメーター73、74、温度スイッチ75、フィルタ76、カチオン樹脂筒78、脱ガス装置90、冷却装置95および制御装置80とから概略構成されている。なお、弁V11〜V15の内、弁V12は安全弁であり、他はニードルストップバルブである。
本実施形態の陰イオン検出システム100の内、カチオン樹脂筒78以降を除く部分(カチオン樹脂筒78、脱ガス装置90、冷却器95、電気伝導率計70を除く部分)が、本実施形態におけるイオン交換装置である。
配管L11は、試料水の入口に設けられた弁V11から本体部1の陽極室入口13aに至る配管である。配管L11には、上流側から順に、フィルタ76、フローメーター73、圧力計71が設けられている。また、フィルタ76の上流側の分岐点P11からは、排水口に至る配管L12が分岐して設けられており、配管L12には、安全弁である弁V12が設けられている。
配管L13は、本体部1の陽極室出口17aから排水口に至る配管である。配管L13には、上流側から順に、温度スイッチ75、弁V13、カチオン樹脂筒78、脱ガス装置90、冷却装置95、電気伝導率計70が設けられている。配管L13は、合流点P14において排水口に至る配管L17に合流している。配管L17の上流端には、ベントB2が設けられている。
配管L14は、陰極室に流入させる水としての純水の入口に設けられた弁V14から本体部1の陰極室入口14aに至る配管である。配管L14には、上流側から順に、フローメーター74、弁V15、圧力計72が設けられている。
配管L15は、本体部1の陰極室出口18aから水を排出する配管である。配管L15は、合流点P12において排水口に至る配管L16に合流している。配管L16の上流端には、ベントB1が設けられている。
[イオン交換装置の本体部]
図2および図3は、本体部1の一例を示す断面図である。本体部1は、内部に空間10を有する箱状の室枠20と;室枠20の空間10内に室枠20の内壁に接して対向配置された陽極31および陰極32と;周縁が室枠20に固定された状態で、陽極31および陰極32に対向するようにこれらの間に配置され、室枠20の空間10を陽極31側の第1の空間11および陰極32側の第2の空間12に仕切る陽イオン交換膜40と;第1の空間11を陽極前室13、陽極31を含む陽極室15、および陽極後室17に仕切る2枚の陽極室フィルタ51と;第2の空間12を陰極前室14、陰極32を含む陰極室16、および陰極後室18に仕切る2枚の陰極室フィルタ52と;陽極室15に充填された第1の陽イオン交換体61と;陰極室16に充填された第2の陽イオン交換体62とを備える。
(室枠)
室枠20は、陽極室15を含む第1の空間11となる凹部が形成された第1の室枠部材21と;陰極室16を含む第2の空間12となる凹部が形成された第2の室枠部材22と;第1の室枠部材21の陽イオン交換膜40と接する面に設けられた枠状の第1のシール材23と;第2の室枠部材22の陽イオン交換膜40と接する面に設けられた枠状の第2のシール材24と;陽イオン交換膜40を第1のシール材23および第2のシール材24で挟むように、かつ凹部同士が向き合うように重ね合わされた第1の室枠部材21および第2の室枠部材22を挟むように配置された第1のステンレス鋼板25および第2のステンレス鋼板26と;第1のステンレス鋼板25、第1の室枠部材21、第1のシール材23、陽イオン交換膜40、第2のシール材24、第2の室枠部材22および第2のステンレス鋼板26を貫通した状態で締結された複数組のボルト27およびナット28とを備える。
第1の室枠部材21には、陽極前室13に被処理液として試料水を供給する陽極室入口13aと;陽極後室17から試料水を排出する陽極室出口17aとが形成されている。
第2の室枠部材22には、陰極前室14に水(以下陰極室に流入流出する水を「陰極水」という場合がある。)を供給する陰極室入口14aと;陰極後室18から排水を排出する陰極室出口18aとが形成されている。本実施形態では、陰極水として純水が供給されるようになっている。
第1のステンレス鋼板25には、陽極室入口13aおよび陽極室出口17aをそれぞれ通すための複数の貫通孔が形成されている。
第2のステンレス鋼板26には、陰極室入口14aおよび陰極室出口18aをそれぞれ通すための複数の貫通孔が形成されている。
第1の室枠部材21および第2の室枠部材22の材料は、絶縁性を有するものであればよい。該材料としては、例えば、プラスチック(ポリプロピレン等)、セラミックス等が挙げられる。
第1のシール材23および第2のシール材24としては、公知のシール材、例えば、ゴムパッキン等が挙げられる。
(電極)
陽極31および陰極32の面積は、イオン交換に必要とされる電極間の電流密度(電極の単位面積あたりの電流)に応じて適宜設定される。通常の電流密度は、例えば、3〜11mA/cm程度である。
陽極31と陰極32との距離は、イオン交換に必要とされる電極間の電位勾配(電極間の単位距離あたりの印加電圧)に応じて適宜設定される。通常の電位勾配は、例えば、4〜20V/cm程度である。
陽極31としては、公知のイオン交換装置の陽極、例えば、チタン板の表面に白金を被覆したもの等が挙げられる。
陰極32としては、公知のイオン交換装置の陰極、例えば、ステンレス鋼板等が挙げられる。
(陽イオン交換膜)
陽イオン交換膜40は、陽イオン交換樹脂を膜状にしたものである。
陽イオン交換樹脂としては、公知の陽イオン交換樹脂、例えば、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体にスルホン酸基を導入したもの等が挙げられる。
陽イオン交換膜40の面積は、電極面積、室枠20の面積等に応じて適宜設定される。
陽イオン交換膜40と電極(陽極31または陰極32)との距離は、特に限定されないが、例えば、1〜3mmである。陽イオン交換膜40と電極との距離が1mm以上であれば、試料水および陰極水の流路を充分に確保できる。また、陽イオン交換膜40と電極とが接触しにくい。陽イオン交換膜40と電極との距離が3mm以下であれば、陽極31と陰極32との間に電流を流しやすく、印加電圧を低くできる。
(フィルタ)
陽極室フィルタ51および陰極室フィルタ52(以下、まとめてフィルタとも記す。)は、第1の陽イオン交換体61または第2の陽イオン交換体62(以下、まとめて陽イオン交換体とも記す。)の流失を防ぐとともに、陽極室15や陰極室16における試料水や陰極水の流れを均一化するものである。
フィルタとしては、試料水や陰極水を通し、陽イオン交換体を通さないものであればよい。該フィルタとしては、例えば、不織布、網、多孔質体等が挙げられる。
(陽イオン交換体)
陽イオン交換体は、陽イオン交換樹脂を含む成形体である。
陽イオン交換体としては、試料水や陰極水の流れを妨げない点から、粒状の陽イオン交換樹脂、または陽イオン交換樹脂を含む多孔質体が好ましい。
陽イオン交換樹脂を含む多孔質体としては、連続気泡を有する板状またはブロック状の多孔質体、陽イオン交換樹脂の繊維を集積した多孔質体、粒状の陽イオン交換樹脂をバインダ樹脂で結着させた多孔質体等が挙げられる。
下記式(I)から求めた陽極室の陽イオン交換体の充填率および下記式(II)から求めた陰極室の陽イオン交換体の充填率は、各々60〜90体積%が好ましく、75〜80体積%がより好ましい。
陽極室の陽イオン交換体の充填率=陽極室に充填された陽イオン交換体の膨潤状態での体積/陽極室の容積×100 ・・・(I)
陰極室の陽イオン交換体の充填率=陰極室に充填された陽イオン交換体の膨潤状態での体積/陰極室の容積×100 ・・・(II)
各々の陽イオン交換体の充填率が前記範囲の下限値以上であれば、陽イオンを陽極室15から陰極室16によりスムーズに移動させることができる。各々の陽イオン交換体の充填率が前記範囲の上限値以下であれば、試料水や陰極水の流路を充分に確保できる。
また、陰極室の陽イオン交換体の充填率に対する陽極室の陽イオン交換体の充填率の比率は0.8〜1.25であることが好ましく、同じであることがより好ましい。
[カチオン樹脂筒]
カチオン樹脂筒78は、イオン交換装置の陽極室15から排出された脱カチオン水中に残存する陽イオンを除去するためのものである。カチオン樹脂筒78には陽イオン交換体が充填されている。カチオン樹脂筒78の陽イオン交換体としては、本体部1に充填された陽イオン交換体と同様のものが使用できる。
カチオン樹脂筒78に流入する試料水中には、陽イオンは含まれていないか、含まれていてもごくわずかであるため、カチオン樹脂筒78内の陽イオン交換体は、長期間再生処理を行うことなく使用できるようになっている。
[脱ガス装置]
図4は脱ガス装置90の一例を示す断面図である。図4の脱ガス装置90は沸騰式の脱ガス装置であり、円筒型のオーバーフロー槽2と、円筒型の受水槽3と、被処理水を加熱する加熱装置4を有する。脱ガス装置90は、オーバーフロー槽2の開口端5を含む上方が受水槽3の下端から挿入された二重構造となっている。
オーバーフロー槽2は上方に開口端5を有し、受水槽3に挿入されていない下方に入口6を有する。入口6には、被処理水としてカチオン樹脂筒78で処理された後の脱カチオン水が導入されるようになっている。
受水槽3は、オーバーフロー槽2の開口端5からオーバーフローした被処理水を受ける槽である。受水槽3は下方に出口7及び上方に開口端8を有する。受水槽3は、受水槽3の被処理水の液面高さを監視するための液面計(図示省略)を有している。
オーバーフロー槽2の開口端5は、受水槽3の開口端8よりも下方に存在する。
オーバーフロー槽2の開口端5及び受水槽3の開口端8は大気圧下に解放されている。
加熱装置4は円柱形の加熱部4aと基材4bとからなる。基材4bはオーバーフロー槽2の下端に配置されている。加熱部4aは基材4b中央に立設され、オーバーフロー槽2の内側にオーバーフロー槽2の軸方向に沿って挿入されている。加熱部4a、オーバーフロー槽2、及び受水槽3は同軸上に配置されている。
被処理水は、入口6からオーバーフロー槽2に入り、加熱装置4により加熱されながらオーバーフロー槽2の開口端5に至るようになっている。また、開口端5に至った被処理水は、落下して受水槽3に至り、受水槽3の出口7から脱ガス脱カチオン水として排出されるようになっている。
このように、脱ガス装置90には、被処理水が、オーバーフロー槽2の入口6から開口端5に至り、開口端5から受水槽3に落下する被処理水流路が形成されている。
[冷却装置]
冷却装置95としては、脱ガス装置90から排出された脱ガス脱カチオン水を冷却できるものであれば特に限定されない。たとえば工業用水を冷却媒体として用いるものが挙げられる。
[電気伝導率計]
電気伝導率計70は、脱ガス脱カチオン水の電気伝導率を測定するものである。
電気伝導率計70は、脱ガス脱カチオン水の電気伝導率を測定できるものであればよい。電気伝導率計70としては、市販の電気伝導率計が挙げられる。中でもフローセルタイプの交流2電極方式のものが好ましい。
[圧力計]
圧力計71は、陽極室15の圧力を測定するものである。また、圧力計72は陰極室16の圧力を測定するものである。圧力計71、72としては、弾性管式圧力計等の市販の圧力計が挙げられる。また、圧力計の代わりに差圧計を用いてもよい。
[フローメーター]
フローメーター73は、陽極室15に流入する被処理液(本実施形態では試料水)の流量を測定するものである。また、フローメーター74は陰極室16に流入する水(本実施形態では純水)の流量を測定するものである。フローメーター73、74としては、浮子式流量計等の市販のフローメーターが挙げられる。
[温度スイッチ]
温度スイッチ75は、セル内部の高温による破損を回避するため、セル出口の試料水温度を検知するものである。
[フィルタ]
フィルタ76は、試料水中の異物を除去するためのものである。
フィルタ76は、試料水中の異物を除去できるものであればよい。フィルタ76としては、公知の配管用異物除去フィルタが挙げられる。
[制御装置]
制御装置80は、電源部(図示略)と制御部(図示略)とを備える。
電源部は、本体部1の電源も兼ねている。電源部は、本体部1の陽極31および陰極32に導線を介して電気的に接続されている。
制御部は、処理部(図示略)、インターフェイス部(図示略)、記憶部(図示略)等を備える。
インターフェイス部は、電気伝導率計70、圧力計71、72、フローメーター73、74、温度スイッチ75等と処理部との間を電気的に接続するものである。
処理部は、記憶部に記憶された各種設定、電気伝導率計70、圧力計71、72、フローメーター73、74、温度スイッチ75等からの情報等に基づいて陽極室および陰極室の圧力、試料水や陰極水の流量、温度の制御等を行うものである。
処理部は、専用のハードウエアによって実現されるものであってもよく、メモリおよび中央演算装置(CPU)によって構成され、処理部の機能を実現するためのプログラムをメモリにロードして実行することによってその機能を実現させるものであってもよい。
制御部には、周辺機器として、入力装置、表示装置等が接続されていてもよい。入力装置としては、ディスプレイタッチパネル、スイッチパネル、キーボード等の入力デバイスが挙げられ、表示装置としては、液晶表示装置、CRT等が挙げられる。
[圧力調整手段]
本実施形態の陰イオン検出システム100は、陽極室15の圧力を陰極室16の圧力より高くする圧力調整手段を有している。本実施形態の圧力調整手段は、主として、弁V13、弁V15により構成されている。
弁V13は、配管L13の流れを絞ることにより、陽極室15から流出する脱カチオン水に背圧を与え、もって、陽極室15の圧力を上昇させるようになっている。また、弁V15は、配管L14の流れを絞ることにより、陰極室16の圧力を低くするようになっている。
弁V13、弁V15は、手動で調整するようにしてもよいし、制御装置80により調整してもよい。
弁V13、弁V15は、圧力計71の圧力が、圧力計72の圧力を上回るように調整される。圧力計71の圧力(陽極室15の圧力)と圧力計72の圧力(陰極室16の圧力)との差は、0.05〜0.2MPaであることが好ましく、0.1〜0.15MPaであることがより好ましい。圧力差が好ましい下限値以上とされることにより、陽イオン除去の効率が充分に上昇する。また、圧力差が好ましい上限値以下とされることにより、陽イオン交換膜40に対する負荷が抑制される。
弁V13、弁V15の調整は、基本的には、圧力計71、圧力計72の測定値に基づき行うが、フローメーター73、74の測定値も参照することが好ましい。
なお、弁V11は、配管L11の流路の開閉に用いられ、弁V14は、配管L14の流路の開閉に用いられるが、各々各配管の流れの絞りとして使用してもよい。その場合、これらの弁も、圧力調整手段の一部として機能する。
[陰イオン検出方法]
陰イオン検出システム100を用いることによって、試料水中の陰イオンを検出することができる。
試料水は、陰イオンを検出し、定量する必要のある水であればよく、特に制限されない。試料水としては、例えば、火力発電所、原子力発電所等においてボイラと復水器との間を循環する循環水等が挙げられる。
試料水から陽イオンを除去する方法について説明する。
配管L11を経由して陽極室入口13aから陽極前室13に供給された試料水は、陽極室フィルタ51を通過し、陽極室15に流入する。
なお、万一、配管L11内の試料水の圧力が著しく上昇した場合は、弁V12が開き、配管L12に試料水を逃すことができる。
陽極室15に流入した試料水中の陽イオンは、陽極室15に充填された第1の陽イオン交換体61の陽イオン交換基(スルホン酸基)に吸着される。この際、陽極31と陰極32との間に電圧が印加されている場合、陽イオンは、隣接する陽イオン交換基に次々に移動し、陽極室15の第1の陽イオン交換体61から陽イオン交換膜40を介して陰極室16の第2の陽イオン交換体62へと電気的に泳動する。すなわち、陽イオン交換体が陽イオンの移動の橋渡し役となり、陽極31と陰極32との間の印加電圧を高くしなくても陽イオンを陽極室15から陰極室16にスムーズに移動させることができる。
なお、試料水が陰イオンを含む場合、陰イオンは陽イオン交換膜40を通過できないため、そのまま試料水に残る。
一方、配管L14を経由して陰極室入口14aから陰極室16に流入した純水には、陽極室15から陽イオン交換膜40を介して陰極室16に移動した陽イオンが混入する。陰極室16に流入した純水中の陽イオン濃度は、当然ながら陽極室15に流入した試料水中の陽イオン濃度よりも低い。また、陽極室15から陽イオンが陰極室16に移動してきても、陽イオンを受け取った陰極水は、陰極室出口18aから順次排出されるので、陰極水中の陽イオン濃度は、一定の濃度以下に抑制される。そのため、陽イオン交換膜40を介した陽イオンの陰極室16への移動がスムーズに行われる。
陰極室16に移動した陽イオンも、第2の陽イオン交換体62が陽イオンの移動の橋渡し役となるので、陰極水である純水の抵抗値が高くても、陰極室16への陽イオンの移動が妨げられない。
また、陽極室15の圧力が陰極室16の圧力よりも高いことにより、理由は定かではないが、陽イオン交換膜40を介して陰極室16に陽イオンがより一層移動しやすい。
また、陽極室15の圧力が陰極室16の圧力よりも高くても、陽極室15と陰極室16の両方に陽イオン交換体が充填されているため、陽イオン交換膜40が圧力差により大きく撓むことはない。そのため、陽イオン交換膜40が陽極31や陰極32に接触しにくくなり、安定してイオン交換を行うことができる。
試料水は、陽極室15において陽イオンが除去され、脱カチオン水として陽極室出口17aから排出され脱ガス装置90に送られる。陽極室15から排出される脱カチオン水には、陽イオンは含まれていないか、含まれていてもごくわずかである。また、わずかに残る陽イオンは脱ガス装置90に送られる前に、カチオン樹脂筒78で除去される。
脱ガス装置90では、二酸化炭素等の揮発性ガスが除去される。すなわち、被処理水として入口6から供給された脱カチオン水はオーバーフロー槽2の開口端5に至るまでに加熱装置4により加熱され沸騰する。脱ガス装置90では、沸騰した被処理水がオーバーフロー槽2の開口端5から受水槽3に落下する流水経路が形成されている。被処理水は、開口端5における液面だけでなく、この落下する流水経路においても大気圧の雰囲気に接触する。すなわち、被処理水が大気圧の雰囲気に接触する面積が開口端5の面積より大きくなっている。そのため、脱ガス装置90は脱ガスが効率に優れている。
試料水の落差、すなわちオーバーフロー槽の開口端から受水槽中の試料水液面までの距離は、50〜250mmであることが好ましい。
脱ガス装置90から排出される脱ガス脱カチオン水は、冷却装置95を経て電気伝導率計70に送られる。脱ガス脱カチオン水に、アンモニアのイオン化物等の陽イオンや二酸化炭素等に由来する陰イオンは含まれない。そして、試料水が海水に由来するCl、SO 2−等の陰イオンを含む場合は、電気伝導率計70に送られる脱ガス脱カチオン水には、海水に由来する陰イオンおよび対イオンであるHが含まれる。そのため、電気伝導率計70によって試料水の電気伝導率を測定すると、海水に由来する陰イオンに基づく電気伝導率の上昇を確認できる。すなわちこれら陰イオンに基づく電気伝導率の上昇を検出することによって、海水のリークを検知できる。
電気伝導率計70で測定した後の脱ガス脱カチオン水の圧力は既に大気圧となっているが、配管L17にベントB2が設けられているため、合流点P14と排水口との落差により、配管L17から脱ガス脱カチオン水を排出することができる。
<第2実施形態>
以下、図5に沿って本発明の第2実施形態に係る陰イオン検出システム200について説明する。なお、図5において、図1と同一の構成部材については、図1と同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
本実施形態の陰イオン検出システム200は、イオン交換装置の本体部1、配管L31〜L37、弁V31〜V33、V35、電気伝導率計70、圧力計71、72、フローメーター73、74、温度スイッチ75、フィルタ76、カチオン樹脂筒78、脱ガス装置90、冷却装置95および制御装置80とから概略構成されている。なお、弁V31〜V33、V35の内、弁V32は安全弁であり、他はニードルストップバルブである。
本実施形態の陰イオン検出システム200の内、カチオン樹脂筒78以降を除く部分(カチオン樹脂筒78、脱ガス装置90、冷却装置95、電気伝導率計70を除く部分)が、本実施形態におけるイオン交換装置である。
配管L31は、試料水の入口に設けられた弁V31から本体部1の陽極室入口13aに至る配管である。配管L31には、上流側から順に、フィルタ76、フローメーター73、圧力計71が設けられている。また、フィルタ76の上流側の分岐点P31からは、排水口に至る配管L32が分岐して設けられており、配管L32には、安全弁である弁V32が設けられている。
配管L33は、本体部1の陽極室出口17aから排水口に至る配管である。配管L33には、上流側から順に、温度スイッチ75、弁V33、カチオン樹脂筒78、脱ガス装置90、冷却装置95、電気伝導率計70が設けられている。配管L33は、合流点P34において排水口に至る配管L37に合流している。配管L37の上流端には、ベントB2が設けられている。
配管L34は、配管L31のフィルタ76とフローメーター73との間の分岐点P33から、本体部1の陰極室入口14aに至る配管である。配管L34には、上流側から順に、フローメーター74、弁V35、圧力計72が設けられている。
配管L35は、本体部1の陰極室出口18aから水を排出する配管である。配管L35は、合流点P32において排水口に至る配管L36に合流している。配管L36の上流端には、ベントB1が設けられている。
本実施形態の陰イオン検出システム200は、陽極室15の圧力を陰極室16の圧力より高くする圧力調整手段を有している。本実施形態の圧力調整手段は、主として、弁V33、弁V35により構成されている。弁V33は、配管L33の流れを絞ることにより、陽極室15から流出する脱カチオン水に背圧を与え、もって、陽極室15の圧力を上昇させるようになっている。また、弁V35は、配管L34の流れを絞ることにより、陰極室16の圧力を低くするようになっている。
弁V33、弁V35は、手動で調整するようにしてもよいし、制御装置80により調整してもよい。
弁V33、弁V35は、圧力計71の圧力が、圧力計72の圧力を上回るように調整される。圧力計71の圧力(陽極室15の圧力)と圧力計72の圧力(陰極室16の圧力)との好ましい圧力差は、第1実施形態の場合と同様である。
弁V33、弁V35の調整は、基本的には、圧力計71、圧力計72の測定値に基づき行うが、フローメーター73、74の測定値も参照することが好ましい。
なお、弁V31は、配管L31の流路の開閉に用いられる。
陰イオン検出システム200を用いることによって、試料水中の陰イオンを検出することができる。
試料水は、陰イオンを検出し、定量する必要のある水であればよく、特に制限されない。試料水としては、例えば、火力発電所、原子力発電所等においてボイラと復水器との間を循環する循環水等が挙げられる。
試料水から陽イオンを除去する方法について説明する。
配管L31を経由して陽極室入口13aから陽極前室13に供給された試料水は、陽極室フィルタ51を通過し、陽極室15に流入する。
なお、万一、配管L31内の試料水の圧力が著しく上昇した場合は、弁V32が開き、配管L32に試料水を逃すことができる。
陽極室15に流入した試料水中の陽イオンは、第1実施形態の場合と同様に、第1の陽イオン交換体61を陽イオンの移動の橋渡し役として、陽イオン交換膜40を介して陰極室16に移動する。
なお、試料水が陰イオンを含む場合、陰イオンは陽イオン交換膜40を通過できないため、そのまま試料水に残る。
一方、試料水の一部は、配管L31から配管L34に分配され、陰極室入口14aから陰極水として陰極室16に流入する。陰極水には、陽極室15から陽イオン交換膜40を介して陰極室16に移動した陽イオンが混入する。そのため、陰極水中の陽イオン濃度は、陽極室15に流入した試料水の陽イオン濃度よりも高くなる。この点は、第1実施形態の陰イオン検出システム100よりも不利である。しかし、試料水を陰極水として使用できるため、純水の供給を要しない点が有利である。
陰極室16に移動した陽イオンも、第2の陽イオン交換体62が陽イオンの移動の橋渡し役となるので、陰極水の陽イオン濃度が高くても、陰極室16への陽イオンの移動が妨げられない。
また、陽極室15の圧力が陰極室16の圧力よりも高いことにより、理由は定かではないが、陽イオン交換膜40を介して陰極室16に陽イオンがより一層移動しやすい。
また、陽極室15の圧力が陰極室16の圧力よりも高くても、陽極室15と陰極室16の双方に陽イオン交換体が充填されているため、陽イオン交換膜40が圧力差により大きく撓むことはない。そのため、陽イオン交換膜40が陽極31や陰極32に接触しにくくなり、安定してイオン交換を行うことができる。
試料水は、陽極室15において陽イオンが除去され、脱カチオン水として陽極室出口17aから排出され脱ガス装置90に送られる。陽極室15から排出される脱カチオン水には、陽イオンは含まれていないか、含まれていてもごくわずかである。また、わずかに残る陽イオンは脱ガス装置90に送られる前に、カチオン樹脂筒78で除去される。
脱ガス装置90では、第1実施形態の陰イオン検出システム100の場合と同様にして二酸化炭素等の揮発性ガスが除去される。
そして、脱ガス装置90から排出される脱ガス脱カチオン水は、冷却装置95を経て電気伝導率計70に送られ、第1実施形態の陰イオン検出システム100の場合と同様に、海水に由来する陰イオンに基づく電気伝導率の上昇により、海水のリークを検知できる。
電気伝導率計70で測定した後の脱ガス脱カチオン水の圧力は既に大気圧となっているが、配管L37にベントB2が設けられているため、合流点P34と排水口との落差により、配管L37から脱ガス脱カチオン水を排出することができる。
<他の実施形態>
上記各実施形態では、何れも本体部1として図2、3に示す構造のものを用いたが、本体部の構造は、これに限定されない。例えば、上記各実施形態では、何れも本体部1の陽極室入口13aと陰極室入口14aを図示下側に設け、陽極室出口17aと陰極室出口18aを図示上側に設けた。すなわち、陽極室15内における被処理水の流れと、陰極室16における陰極水の流れを同じ方向(図示において下から上)とした。しかし、陽極室15内における被処理水の流れと、陰極室16における陰極水の流れを反対の方向としてもよい。例えば、本体部1の陽極室入口13aと陰極室出口18aを図示下側に設け、陽極室出口17aと陰極室入口14aを図示上側に設けてもよい。
なお、気泡の抜けやすさの点では、被処理水の流れと陰極水の流れの双方を下から上の方向とすることが有利である。
また、陽極室フィルタ51や陰極室フィルタ52は、陽極室入口13a、陰極室入口14a、陽極室出口17a、陰極室出口18aの各々を塞ぐように、第1の室枠部材21または第2の室枠部材22の内壁に沿わせて配置してもよい。
また、陽イオン交換体が陽イオン交換樹脂を含む多孔質体である場合は、陽極室フィルタや陰極室フィルタを設けなくてもよい。
また、陽イオン交換体は、陽極室15のみに充填され、陰極室16には充填されていなくてもよい。陽イオン交換体は、陽極室15と陰極室16の双方に充填されていなくてもよい。
また、室枠および電極の形状や面積、ならびに陽イオン交換膜の面積等は、任意に変更可能である。
また、上記各実施形態では、何れも陽極室から流出する被処理液に背圧を付与する手段としてニードルストップバルブを用いたが、ニードルストップバルブに代えて、チェック弁、背圧弁、オリフィス、細管等を用いてもよい。
また、上記各実施形態では、何れも圧力調整手段が、陽極室から流出する被処理液に背圧を付与する手段を含む構成としたが、例えば、第1の実施形態の弁V13を、フローメーター73と圧力計71との間に移してもよい。
また、圧力調整手段はなくても差し支えない。すなわち、陽極室の圧力が陰極室の圧力より大きいことは必須ではない。
また、脱ガス装置の構造は、沸騰式であれば脱ガス装置90に限定されない。ただし、脱ガス装置90のように、被処理水をオーバーフロー槽の開口端でオーバーフローさせ、受水槽に落下させることができる形状であることが好ましい。
脱ガス装置がオーバーフロー槽と受水槽を有する構造の場合、各々の形状は円筒型に限られず、直方体型、その他の形状をとることができる。
また、加熱装置の加熱部は、オーバーフロー槽の内部にあってもよく、外部にあってもよい。オーバーフロー槽の開口端に至るまでに試料水を効率よく加熱するため、加熱部はオーバーフロー槽内部にあることが好ましい。加熱部は、基材の中央に立設されていてもよく、基材の中央以外に設置されていてもよい。
また、冷却装置95は必須ではない。
また、上記各実施形態では、電気伝導率計(電気伝導率を測定する測定器)を用いたが、被抵抗計(比抵抗を測定する測定器)を用いてもよい。
また、上記各実施形態の陰イオン検出装置は、いずれもカチオン樹脂筒78を備える構成としたが、カチオン樹脂筒78は省略してもよい。また、カチオン樹脂筒78は、脱ガス装置90の上流側ではなく、冷却装置95の下流側に配置してもよい。
本発明の陰イオン検出システムは、火力発電所、原子力発電所等においてボイラと復水器との間を循環する循環水への冷却水(海水)のリークを検知するための装置として有用である。
1 本体部、
10 空間、11 第1の空間、12 第2の空間、
13 陽極前室、13a 陽極室入口、14 陰極前室、14a 陰極室入口、
15 陽極室、16 陰極室、
17 陽極後室、17a 陽極室出口、18 陰極後室、18a 陰極室出口、
20 室枠、21 第1の室枠部材、22 第2の室枠部材、
23 第1のシール材、24 第2のシール材、
25 第1のステンレス鋼板、26 第2のステンレス鋼板、
27 ボルト、28 ナット、31 陽極、32 陰極、
40 陽イオン交換膜、51 陽極室フィルタ、52 陰極室フィルタ、
61 第1の陽イオン交換体、62 第2の陽イオン交換体、
70 電気伝導率計、71 圧力計、72 圧力計、73、74 フローメーター、
75 温度スイッチ、76 フィルタ、78 カチオン樹脂筒、80 制御装置、
90 、95 冷却装置、
100、200 陰イオン検出システム、
L11〜L17、L25、L26、L31〜L37 配管、
V11〜V15、V31〜V33、V35 弁
1 本体部、
10 空間、11 第1の空間、12 第2の空間、
13 陽極前室、13a 陽極室入口、14 陰極前室、14a 陰極室入口、
15 陽極室、16 陰極室、
17 陽極後室、17a 陽極室出口、18 陰極後室、18a 陰極室出口、
20 室枠、21 第1の室枠部材、22 第2の室枠部材、
23 第1のシール材、24 第2のシール材、
25 第1のステンレス鋼板、26 第2のステンレス鋼板、
27 ボルト、28 ナット、31 陽極、32 陰極、
40 陽イオン交換膜、51 陽極室フィルタ、52 陰極室フィルタ、
61 第1の陽イオン交換体、62 第2の陽イオン交換体、
70 電気伝導率計、71 圧力計、72 圧力計、73、74 フローメーター、
75 温度スイッチ、76 フィルタ、78 カチオン樹脂筒、80 制御装置、
90 脱ガス装置、95 冷却装置、
100、200 陰イオン検出システム、
L11〜L17、L25、L26、L31〜L37 配管、
V11〜V15、V31〜V33、V35 弁

Claims (3)

  1. イオン交換装置と、沸騰式脱ガス装置と、電気伝導率または比抵抗を測定する測定器とを備え、
    前記イオン交換装置は、
    大気圧以上の圧力で試料水が流入し、脱カチオン水として流出する陽極室と、
    大気圧以上の圧力で純水または試料水が流入流出する陰極室と、
    前記陽極室と陰極室とを仕切る陽イオン交換膜と、
    前記陽極室に配置された陽極と、前記陰極室に配置された陰極と、
    を有し、
    前記陽極室から排出された脱カチオン水が前記沸騰式脱ガス装置に供給され、
    前記沸騰式脱ガス装置で処理された脱ガス脱カチオン水が前記測定器に供給されるように構成されていることを特徴とする陰イオン検出システム。
  2. さらに冷却装置を備え、前記冷却装置は、前記沸騰式脱ガス装置と前記測定器との間に設けられている、請求項1に記載の陰イオン検出システム。
  3. さらに、前記測定器の上流側に、前記イオン交換装置の前記陽極室から排出された脱カチオン水中に残存する陽イオンを除去するカチオン樹脂筒を備えた、請求項1または2に記載の陰イオン検出システム。
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