JP2022070103A - 陽イオン除去装置と陽イオン除去方法と陰イオン検出装置 - Google Patents

陽イオン除去装置と陽イオン除去方法と陰イオン検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】陽イオン濃度が大きく変動する循環水に対して適用可能な陽イオン除去装置と陽イオン除去方法と陰イオン検出装置とを提供する。【解決手段】本発明にかかる陽イオン除去装置2-2Cは、試料水から陽イオンを除去する陽極室12と、陽極室から移動した陽イオンを排出する陰極室13と、陽極室と陰極室とを仕切る陽イオン交換膜14と、陽極室に配置される陽極15と、陰極室に配置される陰極16と、陽極と陰極との間に電圧を印加する電源34,34B,34Cと、試料水の陽イオン濃度、および/または、陽イオン濃度に応じて変動する試料水の物性値、の測定結果を取得する取得部43,43Cと、取得部に取得された測定結果に基づいて、電源の動作を制御する制御信号を生成する信号生成部44,44B,44Cと、を有してなる。電源は、制御信号に基づいて、電圧を変化させる。【選択図】図1

Description

本発明は、陽イオン除去装置と陽イオン除去方法と陰イオン検出装置とに関する。
火力発電所や原子力発電所などの蒸気タービンを用いて発電する発電所では、ボイラで生成された高温高圧の水蒸気が蒸気タービンに導入される。蒸気タービンから排出された水蒸気は復水器で凝集されて水となり、その水がボイラに供給される。発電所の復水器において、水蒸気を凝集させるために用いられる冷却水として、海水が用いられる。そのため、復水器にピンホールが生じると、ボイラと復水器との間で循環される水(循環水)に海水が混入し、循環水に含まれる塩分の濃度が高くなる。このように、循環水には、循環水の循環系統(配管)を腐食させる汚染物質が蓄積され得る。循環系統が腐食されると、循環系統の配管の腐食、減肉、亀裂などの不具合が生じ得る。したがって、循環水の水質は、常時監視される。
循環水の水質を監視する方法として、循環水の電気伝導率(または比抵抗)を測定する方法が、用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1記載の方法は、循環水の一部を試料水としてサンプリングして、試料水の電気伝導率の変化を観測することにより、循環水に含まれる汚染物質を検出する(すなわち、循環水の水質が監視される)。同方法では、試料水に含まれる成分のうち、汚染物質以外に試料水の電気伝導率に影響を与える成分は、試料水の電気伝導率の測定前に、予め除去される。
循環水には、水の循環系統の腐食を抑制するために、循環水をアルカリ性にするアンモニアと、循環水に含まれる酸素濃度を低減させるヒドラジンと、が添加される。そして、近年、発癌性を有するヒドラジンの使用は控えられ、代わりに循環水に添加されるアンモニアの量は増加している。すなわち、循環水には、常に所定濃度以上のアンモニア(イオン化したアンモニウムイオン:NH )が含まれる。仮に、復水器において、海水のリークが発生しても、循環水に混入される海水は微量であり、循環水に含まれる塩分濃度(すなわち、汚染物質の量)はアンモニア濃度よりも十分に低い。そのため、復水器における海水のリークを電気伝導率の変化で検知する場合、試料水に含まれるアンモニア(すなわち、NH )は、電気伝導率の測定前に、陽イオン交換器により除去される。
陽イオン交換器は、通常、相互に対向して配置される陽極および陰極と、陽極が配置される陽極室と、陰極が配置される陰極室と、陽極室と陰極室とを仕切る陽イオン交換膜と、を備える。試料水は、陽極室に供給される。試料水に含まれる陽イオンは、陽極室で除去されて、陽イオン交換膜を介して陰極室に移動する。陽極室に移動した陽イオンは、陰極室内を流れる水と共に排出される。
試料水に海水が混入している場合、試料水には、NaClやNaSOなどの海水由来の成分が含まれる。これらの成分は、試料水内で、Naなどの陽イオンと、Cl,SO 2-などの陰イオンと、にイオン化する。前述のとおり、試料水が陽イオン交換器により処理されると、Naなどの陽イオンはNH と共にHと交換され、除去される。その結果、Cl,SO 2-などの陰イオンの対イオンは、Hとなる。すなわち、試料水は、塩酸や硫酸の水溶液となる。これらの水溶液の電気伝導率の変化は、イオン交換前の試料水の電気伝導率の変化よりも大きい。そのため、海水の混入は、高感度で検知される。
ところで、近年、太陽光発電などの環境発電が広く普及し、火力発電所や原子力発電所などの発電所は、環境発電に応じて、こまめに発電量を変動させるように運用され得る。また、ボイラにおける薬注装置は日々進歩しており、新しい水処理技術がボイラに導入され得る。その結果、将来の循環水における陽イオン(NH )濃度(pH)は、現在よりも大きく変動することが予想される。
ここで、特許文献1記載のような従来の方法では、陽イオンを除去する処理の前提として、処理水に含まれる陽イオン濃度は、ほとんど変動しない。そのため、陽イオンを除去するために陽極と陰極との間に流される電流値(陽極と陰極との間に印加される電圧)は、予め陽イオン濃度に応じた値に決定される。その結果、試料水に含まれる陽イオン濃度が高くなると陽イオンの除去が不十分となり、同陽イオン濃度が低くなると大量の気泡(陽極における酸素、陰極における水素)が発生する。このように、従来の方法は、陽イオン濃度が大きく変動する循環水に対して、適用できない。
国際公開第2000/057165号
本発明は、陽イオン濃度が大きく変動する循環水に対して適用可能な陽イオン除去装置と陽イオン除去方法と陰イオン検出装置とを提供することを目的とする。
本発明にかかる陽イオン除去装置は、試料水が供給され、試料水から陽イオンを除去する陽極室と、陽極室から移動した陽イオンを排出する陰極室と、陽極室と陰極室とを仕切る陽イオン交換膜と、陽極室に配置される陽極と、陰極室に配置される陰極と、陽極と陰極とに接続され、陽極と陰極との間に電圧を印加する電源と、試料水の陽イオン濃度、および/または、陽イオン濃度に応じて変動する試料水の物性値、の測定結果を取得する取得部と、取得部に取得された測定結果に基づいて、電源の動作を制御する制御信号を生成する信号生成部と、を有してなり、電源は、制御信号に基づいて、電圧を変化させる、ことを特徴とする。
本発明によれば、陽イオン濃度が大きく変動する循環水に対して適用可能な陽イオン除去装置と陽イオン除去方法と陰イオン検出装置とを提供できる。
本発明にかかる陰イオン検出装置の実施の形態を示す模式構成図である。 本発明にかかる陽イオン除去装置が備える陽イオン交換器の模式断面図である。 本発明にかかる陰イオン検出装置の別の実施の形態を示す模式構成図である。 本発明にかかる陰イオン検出装置のさらに別の実施の形態を示す模式構成図である。 本発明にかかる陽イオン除去装置が備える別の陽イオン交換器の模式断面図である。 本発明にかかる陰イオン検出装置のさらに別の実施の形態を示す模式構成図である。
以下、図面を参照しながら、本発明にかかる陽イオン除去装置(以下「本除去装置」という。)と、陽イオン除去方法(以下「本方法」という。)と、陰イオン検出装置(以下「本検出装置」という。)と、の実施の形態について説明する。各図において、同一の部材と要素とについては同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
以下に説明する各実施の形態において、本検出装置は発電所に設置されるボイラサンプリング装置に組み込まれており、ボイラサンプリング装置により処理されたボイラ水(処理ボイラ水)は試料水として本検出装置に供給される。すなわち、処理ボイラ水は、本発明における試料水の例である。
「ボイラ水」は、例えば、発電所に設置されるボイラと、発電所で使用されたボイラからの水蒸気を凝集して水にする復水器と、の間の循環系統を循環する循環水である。
●陰イオン検出装置(1)●
●陰イオン検出装置(1)の構成
先ず、本検出装置の実施の形態(第1実施形態)について説明する。
図1は、本検出装置の実施の形態を示す模式構成図である。
同図は、本検出装置1がボイラサンプリング装置100の配管Lに接続されていることを示す。また、同図は、配管L内を流れる処理ボイラ水のpHを計測するpHメータ101からの出力が本検出装置1に入力されることを示す。
ボイラサンプリング装置100は、循環水の一部を取得・冷却・減圧して、本検出装置1による陰イオンの検出に適した温度・圧力を有する処理ボイラ水(試料水)を生成する。pHメータ101は、本発明における測定器である。
本検出装置1は、試料水に含まれる陽イオンを除去して、陽イオンが除去された試料水に含まれる陰イオンを検出する。本検出装置1は、本除去装置2と電気伝導率計C11とを有してなる。
「陽イオン」は、例えば、ボイラ水に添加される水質調整剤(アンモニア、ヒドラジン)由来の陽イオン(NH ,N +)や、ボイラ水に混入し得る不純物(例えば、ボイラ水に混入した海水など)由来の陽イオン(Na,Ca2+)などである。
「陰イオン」は、例えば、ボイラ水に混入し得る不純物由来の陰イオン(Cl,SO 2-)などである。
本除去装置2は、試料水に含まれる陽イオンを除去する。本除去装置2は、陽イオン交換器10と、制御ユニット30と、信号ユニット40と、配管L11,L12,L13,L14,L15,L16と、弁V11,V12と、フィルタFと、フローメータFL11,FL12と、ベントB11と、を備える。
図2は、陽イオン交換器10の模式断面図である。
陽イオン交換器10は、試料水に含まれる陽イオンを除去する。陽イオン交換器10は、筐体11と、陽極室12と、陰極室13と、陽イオン交換膜14と、陽極15と、陰極16と、を備える。
筐体11は、陽極15と陰極16とを収容して、陽イオン交換膜14と共に陽極室12と陰極室13とを形成する。筐体11は、例えば、ポリプロピレンなどの合成樹脂製である。筐体11は、第1半体11aと第2半体11bとを備える。
第1半体11aは、陽極室12を形成する直方体状の凹部を有する箱状である。第1半体11aは、陽極室12に供給される試料水の入口である陽極室入口12aと、陽極室12から排出される試料水(後述する処理水)の出口である陽極室出口12bと、を備える。
第2半体11bは、陰極室13を形成する直方体状の凹部を有する箱状である。第2半体11bは、陰極室13に供給される陰極水の入口である陰極室入口13aと、陰極室13から排出される陰極水の出口である陰極室出口13bと、を備える。第2半体11bの形状は、第1半体11aの形状と共通する。
「陰極水」は、陰極室13に供給されて、陽極室12から移動した陽イオンを陰極室13から排出する水である。本実施の形態では、陰極水として試料水の一部が供給される。
陽極室12は、陽極15を収容して、試料水から陽イオンを除去する領域である。
陰極室13は、陰極16を収容して、陽極室12から移動した陽イオンを陰極水を介して排出する領域である。
陽イオン交換膜14は、第1半体11aと第2半体11bとに挟持され、第1半体11aと共に陽極室12を形成し、第2半体11bと共に陰極室13を形成する。すなわち、陽イオン交換膜14は、陽極室12と陰極室13とを仕切る。陽イオン交換膜14は、膜状の公知の陽イオン交換樹脂(例えば、スチレン-ジビニルベンゼン共重合体にスルホン酸基を導入した樹脂)である。
陽極15と陰極16とは、試料水に対して、イオン交換に必要な電流を流す電極である。陽極15は、陽極室12に配置される。陽極15は、例えば、白金が塗布されたチタン板などの公知の電極である。陰極16は、陰極室13に配置される。陰極16は、例えば、ステンレス鋼板などの公知の電極である。
陽極15と陰極16それぞれの面積は、例えば、陽イオン交換器10においてイオン交換に必要な陽極15と陰極16との間の電流密度に応じて設定される。陽極15は陽極室12に配置され、陰極16は陽極15と対向するように陰極室13に配置される。陽極15と陰極16との間の間隔は、例えば、陽イオン交換器10においてイオン交換に必要な陽極15と陰極16との間の電位勾配に応じて設定される。
陽極室12において、陽イオン交換膜14と陽極15との間には、公知の陽イオン交換樹脂(不図示)が充填される。陰極室13において、陽イオン交換膜14と陰極16との間には、公知の陽イオン交換樹脂(不図示)が充填される。各陽イオン交換樹脂の充填率は、例えば、試料水と陰極水それぞれの流路、陽イオンの移動の割合、により設定される。
図1に戻る。
制御ユニット30は、本検出装置1全体の動作を制御する。制御ユニット30は、接続部31と制御部32と記憶部33と電源部34とを備える。
接続部31は、信号ユニット40に電気的に接続されるインターフェイスである。
制御部32は、例えば、記憶部33に記憶された各種設定や、フローメータFL11,FL12や温度計(不図示)などの情報に基づいて、試料水や陰極水の管理・調整などを行う。制御部32は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサと、ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)などのメモリと、により構成される。
記憶部33は、制御ユニット30の動作に必要な情報を記憶する。記憶部33は、例えば、RAMやSD(Secure Digital)メモリカードなどのメモリである。
電源部34は、陽極15と陰極16とに接続され、陽極15と陰極16との間に、イオン交換に必要な電圧(陽極15と陰極16との間に後述する目標電流値の電流を流す電圧)を印加する。電源部34は、例えば、公知の直流電源ユニットである。電源部34は、本発明における電源である。電源部34は、電源部34が出力する電圧(電流)を制御する制御基板(不図示)を備える。
信号ユニット40は、pHメータ101の測定結果を取得し、制御信号を生成する。信号ユニット40は、接続部41と記憶部42と取得部43と信号生成部44とを備える。
接続部41は、pHメータ101と制御ユニット30とに接続されるインターフェイスである。
記憶部42は、pHメータの測定結果を記憶する。記憶部42は、例えば、RAMやSDメモリカードなどのメモリである。
取得部43は、試料水内の陽イオン濃度に応じて変動する試料水の物性値の測定結果を取得する。取得部43の具体的な動作は、後述する。
「物性値」は、例えば、試料水のpH、電気伝導率、比抵抗など、物質(試料水)が有する性質の大小を示す値である。本実施の形態では、物性値は、pHメータ101が測定した試料水のpHの値である。
信号生成部44は、取得部43が取得した測定結果に基づいて、制御信号を生成する。信号生成部44の具体的な動作と、制御信号と、については、後述する。
取得部43と信号生成部44とは、例えば、CPUなどのプロセッサと、ROM,RAMなどのメモリと、により構成される。
電気伝導率計C11は、後述する処理水の電気伝導率を測定する。電気伝導率計C11は、例えば、フローセルタイプ交流2電極方式などの公知の電気伝導率計である。電気伝導率計C11は、本発明における処理水測定器である。
配管L11は、配管Lからの試料水の入口である弁V11と、フローメータFL11,FL12と、を接続する管である。配管L11には、試料水に含まれる異物を除去するフィルタFが接続される。配管L11のうち、弁V11とフィルタFとの間には、分岐点P11が配置される。配管L12は、分岐点P11と排水口(不図示)とを接続する管である。配管L12には、安全弁である弁V12が接続される。配管L11のうち、フィルタFよりも下流側には、分岐点P12が配置される。配管L11のうち、分岐点P12から下流側は、配管L13と配管L14とに分岐する。
配管L13は、分岐点P12と陽極室入口12aとを接続する管である。配管L13には、陽極室入口12aに供給される試料水の流量を調整するフローメータFL11が接続される。配管L14は、分岐点P12と陰極室入口13aとを接続する管である。配管L14には、陰極室入口13aに供給される試料水(陰極水)の流量を調整するフローメータFL12が接続される。
配管L15は、陽極室出口12bと排水口(不図示)とを接続する管である。配管L15には、電気伝導率計C11が接続される。配管L16は、陰極室出口13bと排水口(不図示)とを接続する管である。配管L16には、分岐点P13が配置される。分岐点P13には、配管L16内の陰極水に含まれる気体を排出するベントB11が接続される。
●陰イオン検出装置(1)の動作
次に、本検出装置1(本除去装置2)の動作について、説明する。本検出装置1は、本除去装置2を用いて試料水から陽イオンを除去し、陽イオンが除去された試料水(以下「処理水」という。)の電気伝導率を測定し、電気伝導率の変化から試料水に含まれる陰イオンを検出する。
先ず、本除去装置2を用いて試料水に含まれる陽イオンを除去する方法(すなわち、本方法)について、説明する。
弁V11から配管L11に導入された試料水は、フィルタFを通過して分岐点P12に供給され、分岐点P12から配管L13,L14に供給される。配管L13に供給された試料水は、フローメータFL11により流量調整されて、陽極室入口12aから陽極室12へ供給される。一方、配管L14に供給された試料水は、フローメータFL12により流量調整されて、陰極水として陰極室入口13aから陰極室13へ供給される。
次いで、陽極室12に供給された試料水は、陽極室12内の陽イオン交換樹脂を通過する。このとき、試料水に含まれる陽イオンは、陽イオン交換樹脂に吸着され、除去される。陽イオンが除去された試料水は、処理水として陽極室出口12bから配管L15に排出される。
次いで、電気伝導率計C11は、配管L15内の処理水の電気伝導率を測定する。電気伝導率計C11は、例えば、常時、電気伝導率を測定する。
一方、陰極室13に供給された陰極水は、陰極室13に充填された陽イオン交換樹脂を通過して、陰極室出口13bから配管L16に排出される。
このように、試料水と陰極水とが、陽イオン交換器10に供給される。次いで、取得部43は、接続部41を介して、ボイラサンプリング装置100のpHメータ101により測定された試料水のpHを、測定結果として取得する。測定結果(pH)は、例えば、記憶部42に記憶される。ここで、pHメータ101は、例えば、常時、pHを測定する。
次いで、信号生成部44は、取得部43が取得した測定結果に基づいて、制御信号を生成する。制御信号は、接続部31,41を介して、制御ユニット30の制御部32に伝送される。
「制御信号」は、本実施の形態において、陽極15と陰極16との間に流れる電流の目標となる電流値(以下「目標電流値」という。)を定める信号である。すなわち、制御信号は、陽極15と陰極16との間に目標電流値の電流が流れるように、電源部34に陽極15と陰極16との間に電圧を印加させる信号である。換言すれば、制御信号は、電源部34の動作を制御する信号である。具体的には、制御信号は、例えば、取得部43が取得した測定結果が制御ユニット30を受信可能な形式に変換した信号である。目標電流値は、試料水の陽イオン濃度に応じて定まり、例えば、制御部32により算出される。目標電流値は、例えば、「0」以上の値である。
次いで、電源部34は、陽極15と陰極16との間に目標電流値の電流が流れるように、陽極15と陰極16との間に電圧を印加する。このように、電源部34は、制御信号に基づいて算出された目標電流値に応じて、陽極15と陰極16との間に電圧を印加する。換言すれば、電源部34は、制御信号に基づいて、陽極15と陰極16との間に電圧を印加する。
陽極15と陰極16との間に電圧が印加されたとき、陽極室12内の陽イオン交換樹脂に吸着された陽イオンは、陽イオン交換膜14を通過して隣接する陽イオン交換樹脂への移動を繰り返し、陰極室13内の陽イオン交換樹脂へと移動する。すなわち、陽極室12と陰極室13それぞれの陽イオン交換樹脂は、陽イオンの移動の媒体として機能する。その結果、陽極15と陰極16との間に印加される電圧を過剰に高めることなく、陽イオンは、陽極室12から陰極室13へスムーズに移動できる。
一方、陰極室13内に移動した陽イオンは、陰極水に混入される。陽極室12から移動した陽イオンが混入された陰極水は、陰極室出口13bから配管L16へ順次排出される。そのため、陰極室13内の陰極水に含まれる陽イオンの量は、一定量以下に抑制される。その結果、陽イオンは、陽極室12から陰極室13へスムーズに移動できる。
このように、本検出装置1(本除去装置2)は、試料水に含まれる陽イオンを除去できる。
次に、本検出装置1を用いて試料水(処理水)に含まれる陰イオンを検出する方法について説明する。
不純物由来の成分(NaCl,NaSOなど)が試料水に含まれているとき、陽極室12内の陽イオン交換樹脂は、不純物由来の陽イオン(Na,Ca2+など)を吸着して、Hと交換する。すなわち、配管L15に排出される処理水は、不純物由来の陰イオン(Cl,SO 2-など)と、その対イオンとなるHと、を含む。その結果、Cl,SO 2-などの陰イオンの対イオンは、Hとなる。すなわち、処理水は、塩酸や硫酸を含む水溶液となる。これらの水溶液の電気伝導率の変化は、イオン交換前の試料水の電気伝導率の変化よりも大きい。そのため、本検出装置1は、処理水の電気伝導率の変化(増加)を検知することにより、処理水に含まれる陰イオンを検出できる。その結果、本検出装置1は、処理水に含まれる陰イオンの濃度を推定でき、試料水(すなわち、ボイラ水)への海水の混入を検知できる。
次いで、本検出装置1は、処理水のpH(測定結果)の取得と、測定結果に基づく制御信号の生成と、制御信号に基づく電圧の印加と、を繰り返し実行して、試料水に含まれる陽イオンの除去と、電気伝導率の測定(陰イオンの検出)と、を繰り返し実行する。その結果、本検出装置1と本除去装置2それぞれは、試料水に含まれる陽イオン(特に、アンモニウムイオン:NH )濃度に応じて変動するpHの測定結果に基づいて、陽極15と陰極16との間に陽イオンの除去に適切な目標電流値の電流が流れるように、陽極15と陰極16との間に電圧を印加できる。すなわち、例えば、処理水のpH(陽イオン濃度)が高いとき、制御部32は、制御信号に基づいて目標電流値を増加させ、電源部34は、目標電流値に基づいて電圧を増加させる。一方、処理水のpH(陽イオン濃度)が低いとき、制御部32は、制御信号に基づいて目標電流値を低下させ、電源部34は、目標電流値に基づいて電圧を低下させる。換言すれば、電源部34は、制御信号に基づいて、陽極15と陰極16との間に印加される電圧を変化させる。
●まとめ(1)
以上説明した実施の形態によれば、信号生成部44は、試料水のpHの測定結果に基づいて、制御信号を生成する。電源部34は、制御信号に基づいて、陽極15と陰極16との間に印加する電圧を変化させる。すなわち、本検出装置1と本除去装置2それぞれは、試料水のpHの測定結果に基づいて、陽極15と陰極16との間に目標電流値の電流が流れるように、陽極15と陰極16との間に印加される電圧を制御する。その結果、本検出装置1と本除去装置2それぞれは、陽イオン濃度が大きく変動する試料水に対して、陽イオンの除去に適切な電圧を印加できる。したがって、本検出装置1は、陽イオン濃度が大きく変動する試料水に含まれる陰イオンを適切に検出できる。つまり、本検出装置1と本除去装置2それぞれは、陽イオン濃度が大きく変動する試料水(循環水)に対して適用できる。
●陰イオン検出装置(2)●
次に、本検出装置の別の実施の形態(第2実施形態)について、先に説明した第1実施形態とは異なる部分を中心に説明する。第2実施形態の陰イオン検出装置は、陰極水として処理水を用いる点において、第1実施形態の陰イオン検出装置と異なる。
●陰イオン検出装置(2)の構成
図3は、本検出装置の別の実施の形態を示す模式構成図である。
本検出装置1Aは、試料水に含まれる陽イオンを除去して、陽イオンが除去された試料水に含まれる陰イオンを検出する。
本検出装置1Aは、陽イオン交換器10と、制御ユニット30と、信号ユニット40と、電気伝導率計C11と、配管L11A,L12,L15A,L16と、弁V11,V12と、フィルタFと、フローメータFL11と、ベントB11と、を有してなる。本実施の形態において、本検出装置1Aは、本除去装置2Aでもある。
配管L11Aは、弁V11と陽極室入口12aとを接続する管である。配管L11Aの上流側にはフィルタFが接続され、フィルタFよりも下流側にはフローメータFL11が接続される。配管L15Aは、陽極室出口12bと陰極室入口13aとを接続する管である。すなわち、陽極室出口12bから排出される処理水は、陰極水として陰極室入口13aから陰極室13に供給される。配管L15Aには、電気伝導率計C11が接続される。
●陰イオン検出装置(2)の動作
次に、本検出装置1A(本除去装置2A)の動作について、説明する。本検出装置1A(本除去装置2A)は、試料水から陽イオンを除去し、陽イオンが除去された試料水(処理水)の電気伝導率を測定し、試料水に含まれる陰イオンを検出する。
弁V11から配管L11Aに導入された試料水は、フィルタFを通過して、フローメータFL11により流量調整され、陽極室入口12aから陽極室12へ供給される。
次いで、陽極室12に供給された試料水は、陽極室12内の陽イオン交換樹脂を通過する。このとき、試料水に含まれる陽イオンは、陽イオン交換樹脂に吸着される。すなわち、試料水に含まれる陽イオンは、除去される。陽イオンが除去された試料水は、処理水として、陽極室出口12bから配管L15Aに排出される。
次いで、電気伝導率計C11は、第1実施形態における処理水の電気伝導率の測定と同様に、配管L15A内の処理水の電気伝導率を測定する。
次いで、配管L15A内の処理水は、陰極室入口13aから陰極室13へ供給される。陰極室13に供給された陰極水は、陰極室13に充填された陽イオン交換樹脂を通過して、陰極室出口13bから配管L16に排出される。
このように、試料水と陰極水とが、陽イオン交換器10に供給される。次いで、本検出装置1Aは、第1実施形態の本検出装置1と同様に、処理水のpH(測定結果)の取得と、測定結果に基づく制御信号の生成と、制御信号に基づく電圧の印加と、を繰り返し実行して、試料水に含まれる陽イオンの除去と、電気伝導率の測定(陰イオンの検出)と、を繰り返し実行する。その結果、本検出装置1Aと本除去装置2Aそれぞれは、第1実施形態の本検出装置1と本除去装置2と同様に、陽極15と陰極16との間に陽イオンの除去に適切な目標電流値の電流が流れるように、陽極15と陰極16との間に印加される電圧を制御できる。
ここで、前述のとおり、陽極室出口12bから配管L15Aに排出された処理水は、陰極室入口13aから陰極室13に供給される。また、前述のとおり、陰極室13に供給された処理水(陰極水)に含まれる陽イオン濃度は、陽極室12に供給される試料水に含まれる陽イオン濃度よりも低い。そのため、陽イオンが陽極室12から陰極室13に移動しても、陰極水に含まれる陽イオン濃度は、陽極室12に供給された試料水に含まれる陽イオン濃度以上にはならない。その結果、陽イオンは、陽極室12から陰極室13へスムーズに移動できる。また、本検出装置1Aでは、処理水が陰極水として用いられる。そのため、本検出装置1Aに必要な処理水の量は、第1実施形態の本検出装置1の半量となる。
●まとめ(2)
以上説明した実施の形態によれば、本検出装置1Aと本除去装置2Aそれぞれは、陽イオン濃度が大きく変動する試料水に対して、第1実施形態の本検出装置1と本除去装置2と同様に、陽イオンの除去に適切な電圧を印加できる。したがって、本検出装置1Aは、陽イオン濃度が大きく変動する試料水に含まれる陰イオンを適切に検出できる。つまり、本検出装置1Aと本除去装置2Aそれぞれは、陽イオン濃度が大きく変動する試料水(循環水)に対して適用できる。
●陰イオン検出装置(3)●
次に、本検出装置のさらに別の実施の形態(第3実施形態)について、先に説明した第1実施形態とは異なる部分を中心に説明する。第3実施形態の陰イオン検出装置は、2つの陽イオン交換器を備える点において、第1実施形態の陰イオン検出装置と異なる。
●陰イオン検出装置(3)の構成
図4は、本検出装置のさらに別の実施の形態を示す模式構成図である。
本検出装置1Bは、試料水に含まれる陽イオンを除去して、陽イオンが除去された試料水に含まれる陰イオンを検出する。本検出装置1Bは、本除去装置2Bと電気伝導率計C11とを有してなる。
本除去装置2Bは、試料水に含まれる陽イオンを除去する。本除去装置2Bは、陽イオン交換器10,20と、制御ユニット30Bと、信号ユニット40Bと、配管L11B,L12,L13,L14,L15B,L16,L17,L18,L19と、弁V11,V12と、フィルタFと、フローメータFL11,FL12,FL13と、ベントB11,B12と、を有してなる。
図5は、陽イオン交換器20の模式断面図である。
陽イオン交換器20は、陽イオン交換器10により陽イオンが除去された処理水(以下「脱イオン水」という。)に含まれる(残留している)陽イオンを除去する。陽イオン交換器20は、筐体21と、陽極室22と、陰極室23と、陽イオン交換膜24と、陽極25と、陰極26と、を備える。
筐体21は、陽極25と陰極26とを収容して、陽イオン交換膜24と共に陽極室22と陰極室23とを形成する。筐体21は、例えば、ポリプロピレンなどの合成樹脂製である。筐体21は、第1半体21aと第2半体21bとを備える。
第1半体21aは、陽極室22を形成する直方体状の凹部を有する箱状である。第1半体21aは、陽極室22に供給される脱イオン水の入口である陽極室入口22aと、陽極室22から排出される脱イオン水(処理水)の出口である陽極室出口22bと、を備える。
第2半体21bは、陰極室23を形成する直方体状の凹部を有する箱状である。第1半体21aは、陰極室23に供給される第2陰極水の入口である陰極室入口23aと、陰極室23から排出される第2陰極水の出口である陰極室出口23bと、を備える。第2半体21bの形状は、第1半体21aの形状と共通する。
「第2陰極水」は、陰極室23に供給されて、陽極室22から移動した陽イオンを陰極室23から排出する水である。本実施の形態では、試料水の一部が第2陰極水として供給される。
陽極室22は、陽極25を収容して、脱イオン水から陽イオンを除去する領域である。陽極室22は、本発明における第2陽極室である。
陰極室23は、陰極26を収容して、陽極室22から移動した陽イオンを第2陰極水を介して排出する領域である。陰極室23は、本発明における第2陰極室である。
陽イオン交換膜24は、第1半体21aと第2半体21bとに挟持され、第1半体21aと共に陽極室22を形成し、第2半体21bと共に陰極室23を形成する。すなわち、陽イオン交換膜24は、陽極室22と陰極室23とを仕切る。陽イオン交換膜24は、膜状の公知の陽イオン交換樹脂(例えば、スチレン-ジビニルベンゼン共重合体にスルホン酸基を導入した樹脂)である。陽イオン交換膜24は、本発明における第2陽イオン交換膜である。
陽極25と陰極26とは、脱イオン水に対して、イオン交換に必要な電流を流す電極である。陽極25は、陽極室22に配置される。陽極25は、例えば、白金を塗布したチタン板などの公知の電極である。陰極26は、陰極室23に配置される。陰極26は、例えば、ステンレス鋼板などの公知の電極である。陽極25は本発明における第2陽極であり、陰極26は本発明における第2陰極である。
陽極25と陰極26それぞれの面積は、例えば、陽イオン交換器20においてイオン交換に必要な陽極25と陰極26との間の電流密度に応じて設定される。陽極25は陽極室22に配置され、陰極26は陽極25と対向するように陰極室23に配置される。陽極25と陰極26との間の間隔は、例えば、陽イオン交換器20においてイオン交換に必要な陽極25と陰極26との間の電位勾配に応じて設定される。
陽極室22において、陽イオン交換膜24と陽極25との間には、公知の陽イオン交換樹脂(不図示)が充填される。陰極室23において、陽イオン交換膜24と陰極26との間には、公知の陽イオン交換樹脂(不図示)が充填される。各陽イオン交換樹脂の充填率は、例えば、脱イオン水と第2陰極水それぞれの流路、陽イオンの移動の程度、により設定される。
図4に戻る。
制御ユニット30Bは、本検出装置1B全体の動作を制御する。制御ユニット30Bは、接続部31Bと制御部32Bと記憶部33と電源部34Bとを備える。
接続部31Bは、信号ユニット40Bに電気的に接続されるインターフェイスである。
制御部32Bは、例えば、記憶部33に記憶された各種設定や、フローメータFL11,FL12,FL13や温度計(不図示)などの情報に基づいて、試料水や陰極水の管理・調整などを行う。制御部32Bは、例えば、CPUなどのプロセッサと、ROM,RAMなどのメモリと、により構成される。
電源部34Bは、陽極15と陰極16とに接続され、陽極15と陰極16との間に、イオン交換に必要な電圧(後述する第1電圧)を印加する。また、電源部34Bは、陽極25と陰極26とに接続され、陽極25と陰極26との間に、イオン交換に必要な電圧(後述する第2電圧)を印加する。電源部34Bは、例えば、公知の直流電源ユニットである。電源部34Bは、本発明における電源である。電源部34Bは、電源部34Bが出力する電圧(電流)を制御する制御基板(不図示)を備える。
信号ユニット40Bは、pHメータ101の測定結果を取得し、制御信号を生成する。信号ユニット40Bは、接続部41Bと記憶部42と取得部43と信号生成部44Bとを備える。
接続部41Bは、pHメータ101と制御ユニット30Bとに接続されるインターフェイスである。
信号生成部44Bは、取得部43が取得した測定結果に基づいて、制御信号を生成する。信号生成部44Bは、例えば、取得部43と共通するCPUなどのプロセッサと、ROM,RAMなどのメモリと、により構成される。信号生成部44Bの具体的な動作については、後述する。
配管L11Bは、弁V11と、フローメータFL11-FL13と、を接続する管である。配管L11Bには、フィルタFが接続される。配管L11Bのうち、弁V11とフィルタFとの間には、分岐点P11が配置される。配管L11Bのうち、フィルタFよりも下流側には、分岐点P12Bが配置される。配管L11Bのうち、分岐点P12Bから下流側は、配管L13と配管L14と配管L17とに分岐する。
配管L15Bは、陽極室出口12bと陽極室入口22aとを接続する管である。配管L17は、分岐点P12Bと陰極室入口23aとを接続する管である。配管L17には、陰極室入口23aに供給される試料水(第2陰極水)の流量を調整するフローメータFL13が接続される。
配管L18は、陽極室出口22bと排水口(不図示)とを接続する管である。配管L18には、電気伝導率計C11が接続される。配管L19は、陰極室出口23bと排水口(不図示)とを接続する管である。配管L19には、分岐点P14が配置される。分岐点P14には、配管L19内を流れる第2陰極水に含まれる気体を排出するベントB12が接続される。
●陰イオン検出装置(3)の動作
次に、本検出装置1Bの動作について、説明する。本検出装置1Bは、本除去装置2Bを用いて試料水から陽イオンを除去し、電気伝導率計C11を用いて本除去装置2Bにより陽イオンが除去された試料水(処理水)の電気伝導率を測定し、電気伝導率の変化から試料水に含まれる陰イオンを検出する。
弁V11から配管L11Bに導入された試料水は、フィルタFを通過して分岐点P12Bに供給され、分岐点P12Bから配管L13,L14,L17に供給される。配管L13に供給された試料水は、陽極室12に供給される。配管L14に供給された試料水は、陰極水として陰極室13に供給される。配管L17に供給された試料水は、フローメータFL13により流量調整されて、第2陰極水として陰極室入口23aから陰極室23へ供給される。
次いで、陽極室12に供給された試料水は、陽極室12内の陽イオン交換樹脂を通過する。このとき、試料水に含まれる陽イオンは、陽イオン交換樹脂に吸着され、除去される。陽イオンが除去された試料水は、脱イオン水として陽極室出口12bから配管L15Bに排出される。
次いで、配管L15Bに排出された脱イオン水は、陽極室入口22aから陽極室22へ供給される。陽極室22に供給された試料水は、陽極室22内の陽イオン交換樹脂を通過する。このとき、脱イオン水に含まれる(残留している)陽イオンは、陽イオン交換樹脂に吸着され、除去される。陽イオンが除去された脱イオン水は、処理水として陽極室出口22bから配管L18に排出される。
次いで、電気伝導率計C11は、第1実施形態における処理水の電気伝導率の測定と同様に、配管L18内を流れる処理水の電気伝導率を測定する。
一方、陰極室23に供給された第2陰極水は、陰極室23に充填された陽イオン交換樹脂を通過して、陰極室出口23bから配管L19に排出される。このとき、陽極室22から移動した陽イオンは、第2陰極水と共に配管L19に排出される。
このように、試料水と陰極水とが陽イオン交換器10に供給され、脱イオン水と第2陰極水とが陽イオン交換器20に供給される。次いで、取得部43は、接続部41Bを介して、試料水のpHを測定結果として取得する。測定結果(pH)は、例えば、記憶部42に記憶される。
次いで、信号生成部44Bは、取得部43が取得した測定結果に基づいて、制御信号を生成する。制御信号は、接続部31B,41Bを介して、制御ユニット30Bの制御部32Bに伝送される。
「制御信号」は、本実施の形態において、陽極15と陰極16との間に流れる電流(以下「第1電流」という。)の目標となる電流値(以下「第1目標電流値」という。)と、陽極25と陰極26との間に流れる電流(以下「第2電流」という。)の目標となる電流値(以下「第2目標電流値」という。)と、を定める信号である。すなわち、本実施の形態において、制御信号は、陽極15と陰極16との間に第1目標電流値の第1電流が流れるように、陽極15と陰極16との間に電圧(以下「第1電圧」という。)を印加させ、陽極25と陰極26との間に第2目標電流値の第2電流が流れるように、陽極25と陰極26との間に電圧(以下「第2電圧」という。)を印加させる信号である。換言すれば、本実施の形態において、制御信号は、電源部34Bの動作を制御する信号である。第1目標電流値と第2目標電流値それぞれは、試料水の陽イオン濃度に応じて定まり、例えば、制御部32Bにより算出される。ここで、第1目標電流値と第2目標電流値それぞれは、例えば、「0」以上の値である。
次いで、電源部34Bは、陽極15と陰極16との間に第1電流が流れるように、陽極15と陰極16との間に第1電圧を印加する。このとき、陽極室12内の陽イオン交換樹脂に吸着された陽イオンは、陰極室13内の陽イオン交換樹脂へと移動する。同様に、電源部34Bは、陽極25と陰極26との間に第2電流が流れるように、陽極25と陰極26との間に第2電圧を印加する。このとき、陽極室22内の陽イオン交換樹脂に吸着された陽イオンは、陰極室23内の陽イオン交換樹脂へと移動する。このように、電源部34Bは、制御信号に基づいて算出された第1目標電流値に応じて、陽極15と陰極16との間に第1電圧を印加し、制御信号に基づいて算出された第2目標電流値に応じて、陽極25と陰極26との間に第2電圧を印加する。換言すれば、電源部34Bは、制御信号に基づいて、陽極15と陰極16との間に第1電圧を印加し、陽極25と陰極26との間に第2電圧を印加する。
一方、陰極室13内に移動した陽イオンは、陰極水に混入され、陰極水と共に陰極室出口13bから配管L16へ順次排出される。同様に、陰極室23内に移動した陽イオンは、第2陰極水に混入され、第2陰極水と共に陰極室出口23bから配管L19へ順次排出される。その結果、陽イオンは、陽極室12から陰極室13へスムーズに移動でき、陽極室22から陰極室23へスムーズに移動できる。
このように、本検出装置1B(本除去装置2B)は、試料水に含まれる陽イオンを除去できる。
次いで、本検出装置1Bは、試料水のpH(測定結果)の取得と、測定結果に基づく制御信号の生成と、制御信号に基づく第1電圧の印加と第2電圧の印加と、を繰り返し実行して、試料水に含まれる陽イオンの除去と、陰イオンの検出と、を実行する。その結果、本検出装置1Bと本除去装置2Bそれぞれは、試料水に含まれる陽イオン(特に、アンモニウムイオン:NH )濃度に応じて変動するpHの測定結果に基づいて、陽極15と陰極16との間に陽イオンの除去に適切な第1目標電流値の電流が流れるように、陽極15と陰極16との間に第1電圧を印加でき、陽極25と陰極26との間に陽イオンの除去に適切な第2目標電流値の電流が流れるように、陽極25と陰極26との間に第2電圧を印加できる。すなわち、例えば、処理水のpH(陽イオン濃度)が高いとき、制御部32Bは、制御信号に基づいて第1目標電流値を増加させ、電源部34Bは、第1目標電流値に基づいて第1電圧を増加させる。および/または、制御部32Bは、制御信号に基づいて第2目標電流値を増加させ、電源部34Bは、第2目標電流値に基づいて第2電圧を増加させる。一方、処理水のpH(陽イオン濃度)が低いとき、制御部32Bは、制御信号に基づいて第2目標電流値を低下させ、電源部34Bは、第2目標電流値に基づいて第2電圧を低下させる。および/または、制御部32Bは、制御信号に基づいて第1目標電流値を低下させ、電源部34Bは、第1目標電流値に基づいて第1電圧を低下させる。換言すれば、電源部34Bは、制御信号に基づいて、第1電圧と第2電圧とを変化させる。
ここで、制御部32Bと電源部34Bそれぞれは、処理水のpH(陽イオン濃度)が高いとき、第1目標電流値と第1電圧とを変更せず、第2目標電流値と第2電圧のみ増加させてもよい。また、制御部32Bと電源部34Bそれぞれは、処理水のpH(陽イオン濃度)が低いとき、第2目標電流値と第2電圧とを「0」にして、陽イオン交換器10のみで陽イオンを除去してもよい。さらに、制御部32Bと電源部34Bそれぞれは、試料水のpH(陽イオン濃度)が低いとき、第1目標電流値と第1電圧とを「0」にして、陽イオン交換器20のみで陽イオンを除去してもよい。
●まとめ(3)
以上説明した実施の形態によれば、信号生成部44Bは、試料水のpHの測定結果に基づいて、制御信号を生成する。電源部34Bは、制御信号に基づいて、陽極15と陰極16との間に印加する第1電圧を変化させ、陽極25と陰極26との間に印加する第2電圧を変化させる。すなわち、本検出装置1Bと本除去装置2Bそれぞれは、試料水のpHの測定結果に基づいて、陽極15と陰極16との間に第1目標電流値の電流が流れるように、陽極15と陰極16との間に印加される第1電圧を制御し、陽極25と陰極26との間に第2目標電流値の電流が流れるように、陽極25と陰極26との間に印加される第2電圧を制御する。その結果、本検出装置1Bと本除去装置2Bそれぞれは、陽イオン濃度が大きく変動する試料水に対して、陽イオンの除去に適切な第1電圧と第2電圧とを印加できる。したがって、本検出装置1Bは、陽イオン濃度が大きく変動する試料水に含まれる陰イオンを適切に検出できる。つまり、本検出装置1Bと本除去装置2Bそれぞれは、陽イオン濃度が大きく変動する試料水(循環水)に対して適用できる。
●陰イオン検出装置(4)●
次に、本検出装置のさらに別の実施の形態(第4実施形態)について、先に説明した第3実施形態とは異なる部分を中心に説明する。第4実施形態の陰イオン検出装置は、2つの電気伝導率計を備える点と、電気伝導率計の測定結果に基づいて電源部の動作が制御される点と、において、第3実施形態の陰イオン検出装置と異なる。
●陰イオン検出装置(4)の構成
図6は、本検出装置のさらに別の実施の形態を示す模式構成図である。
本検出装置1Cは、試料水に含まれる陽イオンを除去して、陽イオンが除去された試料水に含まれる陰イオンを検出する。本検出装置1Cは、本除去装置2Cと電気伝導率計C11とを備える。
本除去装置2Cは、試料水に含まれる陽イオンを除去する。本除去装置2Cは、陽イオン交換器10,20と、制御ユニット30Cと、信号ユニット40Cと、電気伝導率計C12と、配管L11C,L12,L13,L14,L15C,L16,L17,L18,L19と、弁V11,V12と、フィルタFと、フローメータFL11,FL12,FL13と、ベントB11,B12と、を有してなる。
制御ユニット30Cは、本検出装置1C全体の動作を制御する。制御ユニット30Cは、接続部31Cと制御部32Cと記憶部33と電源部34Cとを備える。
接続部31Cは、信号ユニット40Cに電気的に接続されるインターフェイスである。
制御部32Cは、例えば、記憶部33に記憶された各種設定や、フローメータFL11,FL12,FL13や温度計(不図示)などの情報に基づいて、試料水や陰極水の管理・調整などを行う。制御部32Cは、例えば、CPUなどのプロセッサと、ROM,RAMなどのメモリと、により構成される。
電源部34Cの構成と動作とは、第3実施形態の電源部34Bと共通する。すなわち、電源部34Cは、陽極15と陰極16とに接続され、陽極15と陰極16との間に第1電圧を印加する。また、電源部34Cは、陽極25と陰極26とに接続され、陽極25と陰極26との間に第2電圧を印加する。電源部34Cは、本発明における電源である。
信号ユニット40Cは、電気伝導率計C12の測定結果を取得し、制御信号を生成する。信号ユニット40Bは、接続部41Cと記憶部42Cと取得部43Cと信号生成部44Cとを備える。
接続部41Cは、電気伝導率計C12と制御ユニット30Cとに接続されるインターフェイスである。
記憶部42Cは、電気伝導率計C12の測定結果を記憶する。記憶部42Cは、例えば、RAMやSDメモリカードなどのメモリである。
取得部43Cは、試料水内の陽イオン濃度に応じて変動する試料水の物性値の測定結果を取得する。取得部43の具体的な動作は、後述する。
信号生成部44Cは、取得部43Cが取得した測定結果に基づいて、制御信号を生成する。信号生成部44Cの具体的な動作については、後述する。
取得部43Cと信号生成部44Cとは、例えば、CPUなどのプロセッサと、ROM,RAMなどのメモリと、により構成される。
電気伝導率計C12は、脱イオン水の電気伝導率を測定する。電気伝導率計C12は、例えば、フローセルタイプ交流2電極方式などの公知の電気伝導率計である。電気伝導率計C12は、本発明における測定器である。
配管L15Cは、陽極室出口12bと陽極室入口22aとを接続する管である。配管L15Cは、本発明における接続経路である。配管L15Cには、電気伝導率計C12が接続される。
●陰イオン検出装置(4)の動作
次に、本検出装置1Cの動作について、説明する。本検出装置1Cは、本除去装置2Cを用いて試料水から陽イオンを除去し、電気伝導率計C11を用いて本除去装置2Cにより陽イオンが除去された試料水(処理水)の電気伝導率を測定し、試料水に含まれる陰イオンを検出する。
弁V11から配管L11Cに導入された試料水は、配管L13,L14,L17に供給される。配管L13に供給された試料水は、陽極室12に供給される。配管L14に供給された試料水は、陰極水として陰極室13に供給される。配管L17に供給された試料水は、第2陰極水として陰極室入口23aから陰極室23へ供給される。
次いで、陽極室12に供給された試料水は、陽極室12内の陽イオン交換樹脂を通過する。このとき、試料水に含まれる陽イオンは、陽イオン交換樹脂に吸着される。陽イオンが除去された試料水は、脱イオン水として陽極室出口12bから配管L15Cに排出される。
次いで、配管L15Cに排出された脱イオン水は、陽極室入口22aから陽極室22へ供給される。このとき、電気伝導率計C12は、配管L15C内を流れる脱イオン水の電気伝導率を測定する。電気伝導率計C12は、例えば、常時、電気伝導率を測定する。測定された電気伝導率は、接続部41Cを介して、取得部43Cに伝送される。すなわち、取得部43Cは、接続部41Cを介して、電気伝導率計C12により測定された脱イオン水の電気伝導率を、測定結果として取得する。測定結果(電気伝導率)は、例えば、記憶部42に記憶される。
次いで、陽極室22に供給された脱イオン水は、陽極室22内の陽イオン交換樹脂を通過する。このとき、脱イオン水に含まれる陽イオンは、陽イオン交換樹脂に吸着される。陽イオンが除去された脱イオン水は、処理水として陽極室出口22bから配管L18に排出される。
次いで、電気伝導率計C11は、第1実施形態における処理水の電気伝導率の測定と同様に、配管L18内を流れる処理水の電気伝導率を測定する。
一方、陰極室23に供給された第2陰極水は、陰極室23に充填された陽イオン交換樹脂を通過して、陰極室出口23bから配管L19に排出される。このとき、陽極室22から移動した陽イオンは、第2陰極水と共に配管L19に排出される。
このように、試料水と陰極水とが陽イオン交換器10に供給され、脱イオン水と第2陰極水とが陽イオン交換器20に供給される。
次いで、信号生成部44Cは、取得部43Cが取得した測定結果に基づいて、制御信号を生成する。制御信号は、接続部31C,41Cを介して、制御ユニット30Cの制御部32Cに伝送される。
「制御信号」は、第2実施形態における制御信号と共通する。すなわち、本実施の形態において、制御信号は、陽極15と陰極16との間に第1目標電流値の第1電流が流れるように、陽極15と陰極16との間に第1電圧を印加させ、陽極25と陰極26との間に第2目標電流値の第2電流が流れるように、陽極25と陰極26との間に第2電圧を印加させる信号である。換言すれば、本実施の形態において、制御信号は、電源部34Cの動作を制御する信号である。第1目標電流値と第2目標電流値それぞれは、試料水の陽イオン濃度に応じて定まり、例えば、制御部32Cにより算出される。ここで、第1目標電流値と第2目標電流値それぞれは、例えば、「0」以上の値である。
次いで、電源部34Cは、陽極15と陰極16との間に第1電流が流れるように、陽極15と陰極16との間に第1電圧を印加する。このとき、陽極室12内の陽イオン交換樹脂に吸着された陽イオンは、陰極室13内の陽イオン交換樹脂へと移動する。同様に、電源部34Cは、陽極25と陰極26との間に第2電流が流れるように、陽極25と陰極26との間に第2電圧を印加する。このとき、陽極室22内の陽イオン交換樹脂に吸着された陽イオンは、陰極室23内の陽イオン交換樹脂へと移動する。このように、電源部34Cは、制御信号に基づいて算出された第1目標電流値に応じて、陽極15と陰極16との間に第1電圧を印加し、制御信号に基づいて算出された第2目標電流値に応じて、陽極25と陰極26との間に第2電圧を印加する。換言すれば、電源部34Cは、制御信号に基づいて、陽極15と陰極16との間に第1電圧を印加し、陽極25と陰極26との間に第2電圧を印加する。
一方、陰極室13内に移動した陽イオンは、陰極水に混入され、陰極水と共に陰極室出口13bから配管L16へ順次排出される。同様に、陰極室23内に移動した陽イオンは、第2陰極水に混入され、第2陰極水と共に陰極室出口23bから配管L19へ順次排出される。その結果、陽イオンは、陽極室12から陰極室13へスムーズに移動でき、陽極室22から陰極室23へスムーズに移動できる。
このように、本検出装置1C(本除去装置2C)は、試料水に含まれる陽イオンを除去できる。
次いで、本検出装置1Cは、脱イオン水の電気伝導率(測定結果)の取得と、測定結果に基づく制御信号の生成と、制御信号に基づく第1電圧の印加と第2電圧の印加と、を繰り返し実行して、試料水に含まれる陽イオンの除去と、電気伝導率の測定(陰イオンの検出)と、を繰り返し実行する。その結果、本検出装置1Cと本除去装置2Cそれぞれは、第3実施形態の本検出装置1Bと本除去装置2Bと同様に、脱イオン水に含まれる陽イオン(特に、アンモニウムイオン:NH )濃度に応じて変動する電気伝導率の測定結果に基づいて、陽極15と陰極16との間に陽イオンの除去に適切な第1目標電流値の電流が流れるように、陽極15と陰極16との間に第1電圧を印加でき、陽極25と陰極26との間に陽イオンの除去に適切な第2目標電流値の電流が流れるように、陽極25と陰極26との間に第2電圧を印加できる。
ここで、制御部32Cと電源部34Cそれぞれは、脱イオン水の電気伝導率(陽イオン濃度)が高いとき、第1目標電流値と第1電圧とを変更せず、第2目標電流値と第2電圧のみ増加させてもよい。また、制御部32Cと電源部34Cそれぞれは、脱イオン水の電気伝導率(陽イオン濃度)が低いとき、第2目標電流値と第2電圧とを「0」にして、陽イオン交換器10のみで陽イオンを除去してもよい。さらに、制御部32Cと電源部34Cそれぞれは、脱イオン水の電気伝導率(陽イオン濃度)が低いとき、第1目標電流値と第1電圧とを「0」にして、陽イオン交換器20のみで陽イオンを除去してもよい。
●まとめ(4)
以上説明した実施の形態によれば、信号生成部44Cは、脱イオン水の電気伝導率の測定結果に基づいて、制御信号を生成する。電源部34Cは、制御信号に基づいて、陽極15と陰極16との間に印加する第1電圧を変化させ、陽極25と陰極26との間に印加する第2電圧を変化させる。すなわち、本検出装置1Cと本除去装置2Cそれぞれは、脱イオン水の電気伝導率の測定結果に基づいて、陽極15と陰極16との間に第1目標電流値の電流が流れるように、陽極15と陰極16との間に印加される第1電圧を制御し、陽極25と陰極26との間に第2目標電流値の電流が流れるように、陽極25と陰極26との間に印加される第2電圧を制御する。その結果、本検出装置1Cと本除去装置2Cそれぞれは、陽イオン濃度が大きく変動する試料水に対して、陽イオンの除去に適切な第1電圧と第2電圧とを印加できる。したがって、本検出装置1Cは、陽イオン濃度が大きく変動する試料水に含まれる陰イオンを適切に検出できる。つまり、本検出装置1Cと本除去装置2Cそれぞれは、陽イオン濃度が大きく変動する試料水(循環水)に対して適用できる。
●まとめ(その他)●
なお、本発明におけるpHメータが試料水のpHを測定する時間間隔は、第1-第3実施形態に限定されない。すなわち、例えば、pHメータは、ボイラサンプリング装置が稼働している間、所定の時間間隔でpHを測定してもよい。
また、本発明における電気伝導率計が処理水の電気伝導率を測定する時間間隔は、第1-第4実施形態に限定されない。すなわち、例えば、電気伝導率計は、試料水と陰極水それぞれが陽イオン交換器に供給されている間、所定の時間間隔で電気伝導率を測定してもよい。
さらに、本発明における信号生成部は、取得部が測定結果(pH,電気伝導率)を取得するごとに制御信号を生成してもよく、あるいは、所定の時間間隔で制御信号を生成してもよい。
さらにまた、第1-第4実施形態において、本発明における電気伝導率計は、電気伝導率に代えて、比抵抗を測定してもよい。
さらにまた、第1-第4実施形態において、本発明における制御部は、予め記憶部に記憶されているテーブルに基づいて、測定結果(pHまたは電気伝導率)から目標電流値、第1目標電流値、第2目標電流値を決定してもよい。
さらにまた、第1-第4実施形態において、本発明における電源部の制御基板が、制御信号に基づいて、目標電流値、第1目標電流値、第2目標電流値を算出してもよい。
さらにまた、第1-第4実施形態において、本発明における取得部は、試料水に含まれる陽イオン濃度(例えば、アンモニウムイオン濃度)を測定結果として取得してもよい。この場合、例えば、陽イオン濃度を測定する測定器は、ボイラサンプリング装置または本検出装置に備えられる。
さらにまた、第1-第4実施形態において、本発明における取得部は、試料水のpHに代えて、処理水の電気伝導率を測定結果として取得してもよい。
さらにまた、第3,第4実施形態において、本除去装置は、「3」以上の陽イオン交換器を備えてもよい。この場合、電気伝導率計は、例えば、各陽イオン交換器の陽極室出口と陽極室入口とを接続する配管に接続される。
さらにまた、本発明における測定器の測定結果は、接続部を介して、または、接続部を介することなく直接、電源部に出力されてもよい。この場合、例えば、電源部が備える制御基板が、本発明における取得部と信号生成部として機能してもよい。
さらにまた、第1,第3,第4実施形態において、本除去装置は、処理水の電気伝導率を測定する電気伝導率計を備えてもよい。すなわち、第1,第3,第4実施形態において、本除去装置は、本検出装置として機能してもよい。
さらにまた、第1-第3実施形態において、本発明における取得部は、処理ボイラ水(試料水)のpHに代えて、処理水の電気伝導率を測定結果として取得してもよい。
さらにまた、第1-第4実施形態において、本発明における取得部と信号生成部それぞれは、個別のプロセッサとメモリと、により構成されてもよい。
さらにまた、第1-第4実施形態において、本発明における制御ユニットと信号ユニットとは、1つのユニットとして構成されてもよい。
1 陰イオン検出装置
1A 陰イオン検出装置
1B 陰イオン検出装置
1C 陰イオン検出装置
2 陽イオン除去装置
2A 陽イオン除去装置
2B 陽イオン除去装置
2C 陽イオン除去装置
12 陽極室
13 陰極室
14 陽イオン交換膜
15 陽極
16 陰極
22 陽極室(第2陽極室)
23 陰極室(第2陰極室)
24 陽イオン交換膜(第2イオン交換膜)
25 陽極(第2陽極)
26 陰極(第2陰極)
34 電源部(電源)
34B 電源部(電源)
34C 電源部(電源)
43 取得部
43C 取得部
44 信号生成部
44B 信号生成部
44C 信号生成部
C11 電気伝導率計(処理水測定器)
C12 電気伝導率計(測定器)
L15C 配管(接続経路)

Claims (6)

  1. 試料水に含まれる陽イオンを除去する陽イオン除去装置であって、
    前記試料水が供給され、前記試料水から前記陽イオンを除去する陽極室と、
    前記陽極室から移動した前記陽イオンを排出する陰極室と、
    前記陽極室と前記陰極室とを仕切る陽イオン交換膜と、
    前記陽極室に配置される陽極と、
    前記陰極室に配置される陰極と、
    前記陽極と前記陰極とに接続され、前記陽極と前記陰極との間に電圧を印加する電源と、
    前記試料水の陽イオン濃度、および/または、前記陽イオン濃度に応じて変動する前記試料水の物性値、の測定結果を取得する取得部と、
    前記取得部に取得された前記測定結果に基づいて、前記電源の動作を制御する制御信号を生成する信号生成部と、
    を有してなり、
    前記電源は、前記制御信号に基づいて、前記電圧を変化させる、
    ことを特徴とする陽イオン除去装置。
  2. 前記陽極室から前記陽イオンが除去された前記試料水が脱イオン水として供給され、前記脱イオン水から前記陽イオンをさらに除去する第2陽極室と、
    前記第2陽極室から移動した前記陽イオンを排出する第2陰極室と、
    前記第2陽極室と前記第2陰極室とを仕切る第2陽イオン交換膜と、
    前記第2陽極室に配置される第2陽極と、
    前記第2陰極室に配置される第2陰極と、
    を有してなり、
    前記電源は、前記第2陽極と前記第2陰極とに接続され、前記第2陽極と前記第2陰極との間に第2電圧を印加し、
    前記電源は、前記制御信号に基づいて、前記電圧と前記第2電圧との少なくとも一方を変化させる、
    請求項1記載の陽イオン除去装置。
  3. 前記陽極室と前記第2陽極室とを接続する接続経路と、
    前記接続経路内の前記脱イオン水の電気伝導率または比抵抗を測定する測定器と、
    を有してなり、
    前記取得部は、前記測定器により測定された前記電気伝導率または前記比抵抗を前記測定結果として取得する、
    請求項2記載の陽イオン除去装置。
  4. 前記取得部は、前記試料水のpH、電気伝導率、比抵抗または前記陽イオン濃度、を前記測定結果として取得する、
    請求項1または2記載の陽イオン除去装置。
  5. 陽イオン除去装置と、
    前記陽イオン除去装置により陽イオンが除去された処理水の電気伝導率または比抵抗を測定する処理水測定器と、
    を有してなり、
    前記陽イオン除去装置は、請求項1乃至4のいずれかに記載の陽イオン除去装置である、
    ことを特徴とする陰イオン検出装置。
  6. 試料水が供給され、前記試料水から陽イオンを除去する陽極室と、
    前記陽極室から移動した前記陽イオンを排出する陰極室と、
    前記陽極室と前記陰極室とを仕切る陽イオン交換膜と、
    前記陽極室に配置される陽極と、
    前記陰極室に配置される陰極と、
    前記陽極と前記陰極とに接続され、前記陽極と前記陰極とに電圧を印加する電源と、
    を備える陽イオン除去装置により実行される、前記試料水に含まれる前記陽イオンを除去する陽イオン除去方法であって、
    前記陽イオン除去装置が、前記試料水の陽イオン濃度、または、前記陽イオン濃度に応じて変動する前記試料水の物性値、の測定結果を取得するステップと、
    前記陽イオン除去装置が、取得された前記測定結果に基づいて、前記電源の前記電圧を制御する制御信号を生成するステップと、
    前記陽イオン除去装置が、前記制御信号に基づいて、前記電圧を変化させるステップと、
    を有してなる、
    ことを特徴とする陽イオン除去方法。

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