JP2018054066A - 無段変速機 - Google Patents

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Toshihiko Takeda
俊彦 竹田
高平 大山
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高平 大山
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Abstract

【課題】アイドリングストップ機能を有する車両において、停止前の減速中にエンジンが停止される場合でも電動オイルポンプのエアの吸い込みを抑制することが可能な無段変速機を提供する。
【解決手段】アイドリングストップ機能を有する車両に搭載される無段変速機1であって、プライマリプーリ24のプライマリ駆動油室24cと、セカンダリプーリ25のセカンダリ駆動油室25c及びセカンダリバランス油室25dと、油圧回路70と、オイルを第1吸入油路41を介して吸入する機械式オイルポンプ40と、オイルを第2吸入油路53を介して吸入する電動オイルポンプ50とを備え、油圧回路70は、ダウンシフト時に、プライマリ駆動油室24c及びセカンダリバランス油室25dからオイルを排出させ、プライマリ駆動油室24cから排出されるオイルとセカンダリバランス油室25dから排出されるオイルのうち少なくとも一方を第2吸入油路53に供給する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、アイドリングストップ機能を有する車両に搭載される無段変速機に関する。
近年、車両の燃費向上や排気ガス低減の観点から、例えば、交差点で信号待ちをしているときなどに、エンジンを自動的に停止するアイドリングストップ機能を有する車両が実用化されている。
通常、車両の無段変速機では、エンジンにより駆動されるオイルポンプ(機械式オイルポンプ)から吐出される高圧の油圧が油圧回路に供給され、この油圧回路により変速等の動作が制御される。しかしながら、アイドリングストップ機能を有する車両に無段変速機が搭載される場合、アイドリングストップ中、エンジンが停止されるため、エンジンによって駆動される機械式オイルポンプが停止し、無段変速機の油圧回路に油圧が供給されなくなる。そのため、アイドリングストップの終了後、エンジンが再始動されて車両が発進する際に、発進応答性が悪化したり、発進ショックが発生するおそれがある。
この問題点を解決するために、アイドリングストップ機能を有する車両には、機械式オイルポンプと、アイドリングストップ中に油圧回路に油圧を供給する電動オイルポンプと、を備えるものがある。(例えば、特許文献1参照)
特開2012−13202号公報
ところで、アイドリングストップ機能では、更なる燃費向上等を目的として、車両が停止する前にエンジンを停止させる場合がある。この場合、車両が停止する前の減速中に、電動オイルポンプを駆動させる。減速中、車両には減速度が発生するので、この減速度に応じてオイルパンに溜まっているオイルの油面が傾くことがあり得る。そのため、減速中に駆動される電動オイルポンプでは、停止中に比べてオイルと共にエアを吸い込み易くなり、吸い込んだエアにより異音が発生するおそれがある。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、アイドリングストップ機能を有する車両において、停止前の減速中にエンジンが停止される場合でも電動オイルポンプのエアの吸い込みを抑制することが可能な無段変速機を提供することを目的とする。
本発明に係る無段変速機は、アイドリングストップ機能を有する車両に搭載され、プライマリ軸に軸支される溝幅が可変のプライマリプーリと、セカンダリ軸に軸支される溝幅が可変のセカンダリプーリと、プライマリプーリとセカンダリプーリとの間に巻装される駆動力伝達部材とを備える無段変速機であって、プライマリプーリの可動プーリに駆動油圧を加えるプライマリ駆動油室と、セカンダリプーリの可動プーリに駆動油圧を加えるセカンダリ駆動油室と、プライマリ駆動油室とセカンダリ駆動油室のうちの少なくとも一方の駆動油室で発生する遠心油圧をバランスさせるバランス油室と、プライマリ駆動油室、セカンダリ駆動油室及びバランス油室の各油圧を調整する油圧回路と、オイルパンに貯留されたオイルを第1吸入油路を介して吸入し、当該吸入したオイルを昇圧して油圧回路に供給する機械式オイルポンプと、アイドリングストップ時にオイルパンに貯留されたオイルを第2吸入油路を介して吸入し、当該吸入したオイルを昇圧して油圧回路に供給する電動オイルポンプと、を備え、バランス油室は、少なくともダウンシフト時にオイルを排出するバランス油室であり、油圧回路は、ダウンシフト時に、プライマリ駆動油室からオイルを排出させると共にバランス油室からオイルを排出させ、プライマリ駆動油室から排出されるオイルとバランス油室から排出されるオイルのうちの少なくとも一方を第2吸入油路に供給することを特徴とする。
本発明に係る無段変速機では、停止前の減速中にアイドリングストップによりエンジンが停止された場合に、電動オイルポンプが駆動される。この場合、本発明に係る無段変速機では、減速中でダウンシフト状態であるので、油圧回路によりプライマリ駆動油室及びバランス油室からオイルを排出させる。特に、本発明に係る無段変速機では、この排出されるオイルの何れか一方が電動オイルポンプの第2吸入油路に供給される。これにより、第2吸入油路には、排出オイルが充填される。そのため、減速中にオイルパンに溜まっているオイルの油面が傾いても、電動オイルポンプにオイルを確実に吸い込ませることができる。このように、本発明に係る無段変速機によれば、停止前の減速中にエンジンが停止される場合でも電動オイルポンプのエアの吸い込みを抑制することができる。これにより、電動オイルポンプでの吸い込んだエアによる異音の発生を抑制することができる。
本発明に係る無段変速機では、油圧回路は、プライマリ駆動油室と連通する第1油路と、第2吸入油路と連通する第2油路と、第1油路及び第2油路が接続され、アップシフト時に第1油路と第2油路との連通を遮断し、ダウンシフト時に第1油路と第2油路とを連通してプライマリ駆動油室から排出されるオイルを第2吸入油路に供給するダウンシフトバルブと、を有することが好ましい。このように構成することにより、停止前の減速中にアイドリングストップによりエンジンが停止された場合でも、ダウンシフトバルブによりプライマリ駆動油室から排出されるオイルを第2油路を介して第2吸入油路に供給することができる。
本発明に係る無段変速機では、油圧回路は、バランス油室と連通する第3油路と、第2吸入油路と連通する第4油路と、所定油圧のオイルが流れる第5油路と、第3油路、第4油路及び第5油路が接続され、アップシフト時に第3油路と第5油路とを連通してバランス油室にオイルを供給し、ダウンシフト時に第3油路と第4油路とを連通してバランス油室から排出されるオイルを第2吸入油路に供給する切替バルブと、を有することが好ましい。このように構成することにより、停止前の減速中にアイドリングストップによりエンジンが停止された場合でも、切替バルブによりバランス油室から排出されるオイルを第4油路を介して第2吸入油路に供給することができる。
本発明に係る無段変速機では、油圧回路は、パイロット圧を調圧した制御圧をダウンシフトバルブに供給して、ダウンシフトバルブを駆動制御するソレノイドバルブを有し、ソレノイドバルブは、切替バルブに制御圧を供給して駆動制御することが好ましい。このように構成することにより、ダウンシフトバルブを駆動制御するソレノイドバルブを利用して切替バルブも駆動制御するので、切替バルブを駆動制御するソレノイドバルブを別途に設ける必要がない。
本発明に係る無段変速機では、第3油路の一端に配設され、バランス油室が設けられるプーリの軸を支持するベアリングにオイルを供給するための孔が形成されたオイルガイドを備えることが好ましい。このように構成することで、オイルガイドによりバランス油室から排出されるオイルを潤滑用としてベアリングにも確実に供給することができる。
本発明に係る無段変速機では、オイルパン内に配設され、第1吸入油路の一端に接続される第1ストレーナと、オイルパン内に配設され、第2吸入油路の一端に接続される第2ストレーナと、を備えることが好ましい。このように構成することにより、機械式オイルポンプは電動オイルポンプとは別途の第1ストレーナからオイルを吸い込むので、ダウンシフト時に機械式オイルポンプ側では第2供給油路に供給される排出オイルの影響を受けない。
本発明に係る無段変速機では、第2ストレーナは、車両の前後方向において第1ストレーナよりも後方側に配置されることが好ましい。このように構成することで、停止前の減速中にアイドリングストップによりエンジンが停止されたときに、オイルパンの油面が傾いて後方側が低くなっているが、この後方側に配置される第2ストレーナに接続される第2吸入油路には排出オイルが充填されているので、第2ストレーナからオイルを吸い込む電動オイルポンプでのエアの吸い込みを抑制することができる。
本発明によれば、アイドリングストップ機能を有する車両において、停止前の減速中にエンジンが停止される場合でも電動オイルポンプのエアの吸い込みを抑制することが可能となる。
第1実施形態に係る無段変速機の構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係る無段変速機のプライマリプーリの半断面図である。 第1実施形態に係る無段変速機のセカンダリプーリの半断面図である。 第1実施形態に係る無段変速機のバルブボディの油圧回路の要部の構成を示す図である。 第2実施形態に係る無段変速機の構成を示すブロック図である。 第2実施形態に係る無段変速機のセカンダリプーリの半断面図である。 第2実施形態に係る無段変速機のバルブボディの油圧回路の要部の構成を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図中、同一又は相当部分には同一符号を用いることとする。また、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
本実施形態では、チェーン式の無段変速機に適用する。本実施形態に係る無段変速機は、交差点で信号待ちをしているときなどにエンジンを自動的に停止(特に、車両停止前の減速中に停止)させるアイドリングストップ機能を有する車両に搭載される。以下では、電動オイルポンプの第2吸入油路に排出オイルを供給する構成が異なる各実施形態に係る無段変速機1,2について説明する。
まず、図1〜図4を参照して、第1実施形態に係る無段変速機1について説明する。図1は、第1実施形態に係る無段変速機1の構成を示すブロック図である。図2は第1実施形態に係る無段変速機1のプライマリプーリ24の半断面図である。図3は、第1実施形態に係る無段変速機1のセカンダリプーリ25の半断面図である。図4は、第1実施形態に係る無段変速機1のバルブボディ30の油圧回路の要部の構成を示す図である。
無段変速機1について説明する前に、車両に搭載されるエンジン4及びアイドリングストップ機能について説明する。エンジン4は、どのような形式のものでもよいが、例えば、水平対向型の4気筒ガソリンエンジンである。エンジン4のクランク軸(出力軸)4aには、無段変速機1が接続されている。エンジン4は、エンジン・コントロールユニット(以下では「ECU(Engine Control Unit)」と呼ぶ)5によって制御される。
ECU5は、エンジン4を総合的に制御する制御装置である。ECU5は、演算を行うマイクロプロセッサ、マイクロプロセッサに各処理を実行させるためのプログラムなどを記憶するROM、演算結果などの各種データを記憶するRAM、EEPROM及び入出力I/Fなどを有して構成されている。ECU5は、制御に必要な情報を取得するために各種センサが接続されており、各種センサから検出値が取得する。ECU5は、この検出値に基づいてエンジン回転数等の各種情報を算出する。ECU5は、これらの各種センサから取得した検出値や算出した各種情報に基づいて、燃料噴射量や点火時期等を制御する。
特に、ECU5は、車両の燃費向上や排気ガス低減の観点から、交差点の信号待ちなどで車両が停止するときにエンジン4を自動的に停止させるアイドリングストップ機能を有している。特に、このアイドリングストップ機能では、更なる燃費向上等を目的として、車両が停止する前の減速中にエンジンを停止させる。ECU5は、所定のアイドリングストップ条件を満たした場合にエンジン4を自動的に停止する。より詳細には、ECU5では、例えば、シフトポジションがドライブレンジ又はニュートラルレンジであり、ブレーキペダルが踏み込まれており、車速が所定車速以下になった場合にエンジン4に対する燃料噴射及び点火を停止する。このアイドリングストップによるエンジン4の停止中に、ECU5では、所定のアイドリングストップ解除条件を満たした場合にエンジン4を再始動する。
ECU5で取得した各種センサの検出値やECU5で算出した各種情報及びECU5でのアイドリングストップ情報(例えば、アイドリングストップによってエンジン4が停止中か否か)等は、CAN(Controller Area Network)6を介して、後述するトランスミッション・コントロールユニット(以下では「TCU(Transmission Control Unit)」と呼ぶ)10に送信される。なお、アイドリングストップによってエンジン4が停止しているか否かは、TCU10側で判断する構成としてもよい。
それでは、無段変速機1について説明する。無段変速機1は、エンジン4からの駆動力を変換して出力する。無段変速機1は、トルクコンバータ20と、前後進切替機構21と、を備えている。トルクコンバータ20は、クラッチ機能とトルク増幅機能を有している。前後進切替機構21は、駆動輪の正転と逆転(車両の前進と後進)とを切り替える機能を有している。また、無段変速機1は、トルクコンバータ20及び前後進切替機構21を介してエンジン4のクランク軸4aと接続されるプライマリ軸22と、プライマリ軸22と平行に配設されたセカンダリ軸23と、を備えている。
プライマリ軸22には、プライマリプーリ24が設けられている。プライマリプーリ24は、プライマリ軸22に軸支される。プライマリプーリ24は、固定プーリ24aと、可動プーリ24bとを有している。固定プーリ24aは、プライマリ軸22に接合されている。可動プーリ24bは、固定プーリ24aに対向し、プライマリ軸22の軸方向に摺動自在かつ相対回転不能に装着されている。プライマリプーリ24は、固定プーリ24aと可動プーリ24bとの間のコーン面間隔(すなわち、プーリ溝幅)を変更できるように構成されている。
セカンダリ軸23には、セカンダリプーリ25が設けられている。セカンダリプーリ25は、セカンダリ軸23に軸支される。セカンダリプーリ25は、固定プーリ25aと、可動プーリ25bとを有している。固定プーリ25aは、セカンダリ軸23に接合されている。可動プーリ25bは、固定プーリ25aに対向し、セカンダリ軸23の軸方向に摺動自在かつ相対回転不能に装着されている。セカンダリプーリ25は、固定プーリ25aと可動プーリ25bとの間のプーリ溝幅を変更できるように構成されている。
プライマリプーリ24とセカンダリプーリ25との間には、駆動力を伝達するチェーン26(特許請求の範囲に記載の駆動力伝達部材に相当)が掛け渡されている。このプライマリプーリ24とセカンダリプーリ25及びチェーン26により、バリエータ27が構成される。バリエータ27では、プライマリプーリ24とセカンダリプーリ25の各プーリ溝幅を変化させて、各プーリ24,25に対するチェーン26の巻き付け径の比率(プーリ比)を変化させることで変速比を無段階で変更する。なお、チェーン26のプライマリプーリ24に対する巻き付け径をRpとし、セカンダリプーリ25に対する巻き付け径をRsとすると、変速比iは、i=Rs/Rpで表される。
プライマリプーリ24の可動プーリ24bの背面には、プライマリ駆動油室(油圧シリンダ室)24cが形成されている。このプライマリ駆動油室24cの背面には、プランジャ24dが設けられている。
セカンダリプーリ25の可動プーリ25bの背面には、セカンダリ駆動油室(油圧シリンダ室)25cが形成されている。このセカンダリ駆動油室25cの背面には、プランジャ25eを介してセカンダリバランス油室25dが形成されている。
変速比は、プライマリプーリ24のプーリ溝幅とセカンダリプーリ25のプーリ溝幅とによって決まる。この各プーリ溝幅は、プライマリ駆動油室24cの油圧とセカンダリ駆動油室25cの油圧とを調整することによって変更される。
アップシフトの場合、プライマリ駆動油室24cは、オイル(作動油)が供給されて、容積が大きくなる(油圧が大きくなる)。このプライマリ駆動油室24cのプライマリ油圧に応じて、プライマリプーリ24の可動プーリ24bは、駆動されて固定プーリ24a側に移動し、プーリ溝幅が狭くなる。一方、セカンダリ駆動油室25cは、オイルが排出されて、容積が小さくなる(油圧が小さくなる)。これに応じて、セカンダリプーリ25の可動プーリ25bは、固定プーリ25aから離れる側に移動し、プーリ溝幅が広くなる。
ダウンシフトの場合、プライマリ駆動油室24cは、オイルが排出されて、容積が小さくなる(油圧が小さくなる)。これに応じて、プライマリプーリ24の可動プーリ24bは、固定プーリ24aから離れる側に移動し、プーリ溝幅が広くなる。一方、セカンダリ駆動油室25cは、オイルが供給されて、容積が大きくなる(油圧が大きくなる)。このセカンダリ駆動油室25cのセカンダリ油圧に応じて、セカンダリプーリ25の可動プーリ25bは、駆動されて固定プーリ25a側に移動し、プーリ溝幅が狭くなる。
プライマリ駆動油室24cには、プライマリプーリ24の回転によって遠心油圧が発生する。この遠心油圧は、プライマリプーリ24のプーリ溝幅を狭くする方向(アップシフトする方向)に作用する。また、セカンダリ駆動油室25cには、セカンダリプーリ25の回転によって遠心油圧が発生する。この遠心油圧は、セカンダリプーリ25のプーリ溝幅を狭くする方向(ダウンシフトする方向)に作用する。この方向の遠心油圧をバランスさせるために、セカンダリバランス油室25dにオイルが充填されている。
アップシフトの場合、セカンダリバランス油室25dは、オイルが供給されて、容積が大きくなる。ダウンシフトの場合、セカンダリバランス油室25dは、オイルが排出されて、容積が小さくなる。
無段変速機1は、各油圧を供給するためにバルブボディ30を備えている。バルブボディ30には、コントロールバルブ機構が組み込まれている。このコントロールバルブ機構は、例えば、油圧回路に設けられた複数のスプールバルブと当該スプールバルブを動かすソレノイドバルブを用いて油路を開閉することで、後述するオイルポンプから吐出された油圧(ライン圧)を調圧した各油圧を発生する。バルブボディ30では、各駆動油室24c,25cに供給/排出するオイル(作動油)の量を調整(調圧)する。また、バルブボディ30では、セカンダリバランス油室25dに供給するオイル(潤滑油)の量を調整する。なお、バルブボディ30は、例えば、前後進切替機構21の各クラッチの油室等に供給/排出するオイルの量も調整する。
無段変速機1は、バルブボディ30にオイルを供給する機械式オイルポンプ40を備えている。機械式オイルポンプ40は、エンジン4によって駆動される。機械式オイルポンプ40には、第1吸入油路41が接続されている。第1吸入油路41の一端には、第1ストレーナ42が接続されている。第1ストレーナ42は、オイルパン60内の所定の箇所に配設され、機械式オイルポンプ40に吸い込まれるオイル中の異物(コンタミネーション)を捕捉する。オイルパン60には、オイル(ATF(Automatic Transmission Fluid)が貯留されている。機械式オイルポンプ40は、第1吸入油路41を介して第1ストレーナ42からオイルパン60内のオイルを吸入し、このオイルを昇圧してバルブボディ30に供給する。なお、機械式オイルポンプ40は、例えば、ベーンタイプのオイルポンプ、トロコイドタイプのオイルポンプである。
アイドリングストップによってエンジン4の停止中、機械式オイルポンプ40が駆動されない。そこで、このアイドリングストップ中に、油圧を保持し、車両の再発進時の発進応答性を高めると共に発進ショックを低減するために、無段変速機1は、バルブボディ40にオイルを供給する電動オイルポンプ50を備えている。電動オイルポンプ50は、電動モータ51と、ポンプ52とを有している。電動オイルポンプ50は、電動モータ51がTCU10に接続されており、TCU10によって制御される。ポンプ52は、電動モータ51によって駆動される。ポンプ52には、第2吸入油路53が接続されている。第2吸入油路53の一端には、第2ストレーナ54が接続されている。第2ストレーナ54は、オイルパン60内の所定の箇所に配置され、電動オイルポンプ50に吸い込まれるオイル中の異物を捕捉する。第2ストレーナ54は、車両の前後方向において第1ストレーナ52よりも後方側に配置される。電動オイルポンプ50は、第2吸入油路53を介して第2ストレーナ54からオイルパン60内のオイルを吸入し、このオイルを昇圧してバルブボディ30に供給する。
無段変速機1は、無段変速機1を総合的に制御するTCU10を備えている。TCU10は、ECU5と同様に、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、バックアップRAM及び入出力I/Fなどを有して構成されている。
TCU10は、制御に必要な情報(例えば、プライマリプーリ24(プライマリ軸22)の回転数、セカンダリプーリ25(セカンダリ軸23)の回転数)を取得するために各種センサが接続されている。また、TCU10は、CAN6を介して、ECU5からエンジン回転数、アイドリングストップ情報などの各種情報を受信する。
TCU10は、変速マップに従い、車両の運転状態に応じて自動で変速比を無段階に変速する制御を行う。この制御では、例えば、所定の変速比となるようにプライマリプーリ24の回転数の目標値を設定し、実際のプライマリプーリ24の回転数がその目標値になるようにバルブボディ30の各ソレノイドバルブを制御することで各油圧を発生させ、変速比を変化させる。特に、アップシフトの場合、TCU10では、プライマリ駆動油室24cにオイルを供給すると共にセカンダリ駆動油室25cからオイルを排出させるようにバルブボディ30の各ソレノイドバルブを制御する。また、TCU10では、セカンダリバランス油室25dにオイルを供給するようにバルブボディ30のソレノイドバルブを制御する。一方、ダウンシフトの場合、TCU10では、プライマリ駆動油室24cからオイルを排出させると共にセカンダリ駆動油室25cにオイルを供給するようにバルブボディ30の各ソレノイドバルブを制御する。この制御によってセカンダリ駆動油室25cに供給されるオイルに応じて可動プーリ25bが動くことでセカンダリバランス油室25dが狭くなり、この狭くなったセカンダリバランス油室25dから押し出されることでオイルが排出される。なお、変速マップは、TCU10内のROMに格納されている。
また、TCU10は、アイドリングストップ情報がエンジン4の停止中の情報の場合、電動オイルポンプ50を駆動させるために電動モータ51に電力を供給する。TCU10は、アイドリングストップ情報がエンジン4の稼動中の情報の場合、電動オイルポンプ50を停止させるために電動モータ51への電力供給を停止する。
ところで、無段変速機1は、アイドリングストップ機能を有する車両に搭載されている。アイドリングストップ機能では、上述したように、車両が停止する前の減速中にエンジン4を自動的に停止させる。このエンジン4の停止中、電動オイルポンプ50は、TCU10の制御によって駆動される。このとき、減速中の車両には減速度が発生しているので、この減速度に応じてオイルパン60に溜まっているオイルの油面が傾く場合がある。この傾いた油面でオイルパン60の後方側が低くなった場合、電動オイルポンプ50は、オイルパン60の後方側に配置されているので、オイルパン60に溜まっているオイルと共にエア(空気)を吸い込み易くなる。
無段変速機1は、この電動オイルポンプ50でのエアの吸い込みを抑制するための構成を有している。以下で、このエアの吸い込みを抑制するための構成について説明する。無段変速機1では、減速中はダウンシフトしているので、ダウンシフト中にプライマリ駆動油室24cから排出されるオイルを利用して電動オイルポンプ50でのエアの吸い込みを抑制する。そこで、バルブボディ30に設けられる油圧回路のうち、プライマリ駆動油室24cに関する油圧回路70について説明する。なお、従来の無段変速機では、例えば、プライマリ駆動油室から排出されるオイルは油路を介してオイルパンに戻される。
油圧回路70は、プライマリプーリ24のアップシフト用の第1デューティソレノイドバルブ71及びアップシフトバルブ72と、プライマリプーリ24のダウンシフト用の第2デューティソレノイドバルブ73(特許請求の範囲に記載のソレノイドバルブに相当)及びダウンシフトバルブ74(特許請求の範囲に記載のダウンシフトバルブに相当)と、を有する。
第1デューティソレノイドバルブ71は、油路76aと、アップシフトバルブ72に連通する油路76bとが接続されている。油路76aには、パイロット圧のオイルが流れる。第1デューティソレノイドバルブ71は、TCU10に接続されている。第1デューティソレノイドバルブ71は、TCU10による通電/非通電のデューティ比に応じて制御され、アップシフト制御圧を変化させる。第1デューティソレノイドバルブ71は、アップシフトバルブ72に油路76bを介してアップシフト制御圧を供給する。
アップシフトバルブ72は、スプールバルブであり、軸方向に摺動するスプール72aと、スプール72aの一端側に配置されたスプリング72bとを有している。アップシフトバルブ72には、第1デューティソレノイドバルブ71に連通する油路76bと、油路76cと、油路76dとが接続されている。油路76cには、ライン圧のオイルが流れる。油路76dは、プライマリプーリ24内に形成された油路24fの端部24gに接続されている。この油路24fは、プライマリプーリ24の端部からプライマリ駆動油室24cに繋がる油路である。したがって、油路76dは、プライマリ駆動油室24cと連通する。
アップシフトバルブ72は、第1デューティソレノイドバルブ71から供給されるアップシフト制御圧に応じてスプール72aの軸方向への駆動(位置)が制御される。つまり、アップシフトバルブ72は、油路76bを介して供給されるアップシフト制御圧による押力(アップシフト制御圧×受圧面積)と、スプリング72bのバネ力(付勢力)と、ライン圧による押力(ライン圧×受圧面積)とのバランスに応じてスプール72aが軸方向に駆動される。アップシフトの場合、アップシフトバルブ72は、ライン圧を元圧としてプライマリ油圧を調圧し、油路76dを介してプライマリ駆動油室24cにオイルを供給する。これにより、プライマリ駆動油室24c内にオイルが充填され、所定の油圧になる。ダウンシフトの場合、アップシフトバルブ72は、プライマリ駆動油室24cへのオイルの供給を停止する。
第2デューティソレノイドバルブ73は、油路76aと、ダウンシフトバルブ74に連通する油路76eとが接続されている。第2デューティソレノイドバルブ73は、TCU10に接続されている。第2デューティソレノイドバルブ73は、TCU10による通電/非通電のデューティ比に応じて制御され、ダウンシフト制御圧を変化させる。第2デューティソレノイドバルブ73は、ダウンシフトバルブ74に油路76eを介してダウンシフト制御圧を供給する。
ダウンシフトバルブ74は、スプールバルブであり、軸方向に摺動するスプール74aと、スプール74aの一端側に配置されたスプリング74bとを有している。ダウンシフトバルブ74には、第2デューティソレノイドバルブ73に連通する油路76eと、油路76d(特許請求の範囲に記載の第1油路に相当)と、油路76f(特許請求の範囲に記載の第2油路に相当)とが接続されている。油路76fは、第2吸入油路53の所定の箇所に接続され、第2吸入油路53と連通する。
ダウンシフトバルブ74は、第2デューティソレノイドバルブ73から供給されるダウンシフト制御圧に応じてスプール74aの軸方向への駆動(位置)が制御される。つまり、ダウンシフトバルブ74は、油路76eを介して供給されるダウンシフト制御圧による押力(ダウンシフト制御圧×受圧面積)と、スプリング74bのバネ力(付勢力)とのバランスに応じてスプール74aが軸方向に駆動される。ダウンシフトの場合、ダウンシフトバルブ74は、油路76dと油路76fとを連通する。これにより、プライマリ駆動油室24cから排出されるオイルが、油路76fで導かれて、第2吸入通路53に供給される。アップシフトの場合、ダウンシフトバルブ74は、油路76dと油路76fとの連通を遮断する。
このように構成された無段変速機1の作用について説明する。車両が停止する前の減速中、無段変速機1では、ダウンシフト状態であり、ダウンシフトバルブ74で油路76dと油路76fとを連通することで、油路76fを介してプライマリ駆動油室24cから排出されるオイルを第2吸入通路53に供給している。この減速中に車速が所定の車速まで低下すると、アイドリングストップ機能によりエンジン4が自動停止される。このエンジン4の停止に応じて機械式オイルポンプ40が停止されるので、無段変速機1では、電動オイルポンプ50(電動モータ51)を駆動する。駆動されると、電動オイルポンプ50のポンプ52では、第2ストレーナ54を吸入部としてオイルパン60からオイルを吸入する。
このとき、車両の減速度に応じて第2ストレーナ54周辺のオイルの油面が低くなっている場合、第2ストレーナ54からオイルと共にエアを吸い込み易い状態になる。しかし、無段変速機1では、第2ストレーナ54とポンプ52とを繋ぐ第2吸入油路53には、プライマリ駆動油室24cから排出されるオイルが充填されている。そのため、電動オイルポンプ50のポンプ52に、オイルを確実に吸い込ませることができる。
第1実施形態に係る無段変速機1によれば、アイドリングストップ機能により停止前の減速中にエンジン4が停止される場合でも、電動オイルポンプ50のエアの吸い込みを抑制することができる。これにより、電動オイルポンプ50のエアの吸い込みによる異音の発生を抑制することができる。
第1実施形態に係る無段変速機1によれば、機械式オイルポンプ40が電動オイルポンプ50とは別途の第1ストレーナ42からオイルを吸い込むので、ダウンシフト時に機械式オイルポンプ40側では第2吸入油路53に供給される排出オイルの影響を受けない。また、第1実施形態に係る無段変速機1によれば、停止前の減速中にエンジン4が停止されたときに、オイルパン60の油面が傾いてオイルパン60の後方側が低くなっているが、この後方側に配置される第2ストレーナ54に接続される第2吸入油路53には排出オイルが充填されているので、第2ストレーナ54からオイルを吸い込む電動オイルポンプ59ではエアを吸い込みが抑制される。
なお、電動オイルポンプ50のエアの吸い込みを抑制するために第1実施形態に係る無段変速機1のように構成することで、例えば、オイルパン60内に設けられる第2ストレーナ54(電動オイルポンプ50の吸入部)周辺にオイル溜め構造などを設ける必要がないので、オイルパン60等の構造が複雑化しない。また、トランスミッション用のオイルの油量を増量する必要がないので、油量の増加に伴う質量やコストの増加を招かない。
次に、図5〜図7を参照して、第2実施形態に係る無段変速機2について説明する。図5は、第2実施形態に係る無段変速機2の構成を示すブロック図である。図6は、第2実施形態に係る無段変速機2のセカンダリプーリ25の半断面図である。図7は、第2実施形態に係る無段変速機2のバルブボディ30の油圧回路の要部の構成を示す図である。
無段変速機2は、第1実施形態に係る無段変速機1と比較すると、電動オイルポンプ50でのエアの吸い込みを抑制するための構成としてダウンシフト中にプライマリ駆動油室24cから排出されるオイルとセカンダリバランス油室25d(特許請求の範囲に記載のバランス油室に相当)から排出されるオイルを利用する点が異なる。以下では、この異なる点について詳細に説明する。そこで、バルブボディ30に設けられる油圧回路のうち、プライマリ駆動油室24cとセカンダリバランス油室25dに関する油圧回路80について説明する。なお、従来の無段変速機では、例えば、プライマリ駆動油室から排出されるオイルは油路を介してオイルパンに戻され、セカンダリバランス油室から排出されるオイルはセカンダリプーリの後端から放出されてオイルパンに落ちる。
油圧回路80は、プライマリプーリ24のアップシフト用の第1デューティソレノイドバルブ71及びアップシフトバルブ72と、プライマリプーリ24のダウンシフト用の第2デューティソレノイドバルブ73(特許請求の範囲に記載のソレノイドバルブに相当)及びダウンシフトバルブ74(特許請求の範囲に記載のダウンシフトバルブに相当)と、セカンダリプーリ25の遠心油圧バランス用の切替バルブ85(特許請求の範囲に記載の切替バルブ)とを有する。この油圧回路80は、第1実施形態に係る油圧回路70と比較すると、切替バルブ85を追加した点が異なる。そこで、この切替バルブ85についてのみ説明する。
切替バルブ85は、スプールバルブであり、軸方向に摺動するスプール85aと、スプール85aの一端側に配置されたスプリング85bとを有している。切替バルブ85には、第2デューティソレノイドバルブ73に連通する油路86gと、油路86h(特許請求の範囲に記載の第5油路に相当)と、油路86i(特許請求の範囲に記載の第3油路に相当))と、油路86j(特許請求の範囲に記載の第4油路に相当)とが接続されている。油路86hには、潤滑用の所定圧のオイルが流れる。油路86iは、セカンダリプーリ25内に形成された油路25fの端部25gに接続されている。この油路25fは、セカンダリプーリ25の端部からセカンダリバランス油室25dに繋がる油路である。したがって、油路86iは、セカンダリバランス油室25dと連通する。油路86jは、第2吸入油路53の所定の箇所に接続され、第2吸入油路53と連通する。
切替バルブ85は、第2デューティソレノイドバルブ73から供給されるダウンシフト制御圧に応じてスプール85aの軸方向への駆動(位置)が制御される。つまり、切替バルブ85は、油路86gを介して供給されるダウンシフト制御圧による押力(ダウンシフト制御圧×受圧面積)と、スプリング86bのバネ力(付勢力)とのバランスに応じてスプール85aが軸方向に駆動される。アップシフトの場合、切替バルブ85は、油路86hと油路86iとを連通する。これにより、セカンダリバランス油室25dには、潤滑用(遠心油圧のバランス用)のオイルが供給され、オイルが充填される。ダウンシフトの場合、切替バルブ85は、油路86iと油路86jとを連通する。これにより、セカンダリバランス油室25dから排出されるオイルが、油路86jで導かれて、第2吸入通路53に供給される。
油路86jをセカンダリプーリ25内の油路25fの端部25gに接続する場合、図6に示すように、この接続部分にオイルガイド87を設けることが好ましい。このオイルガイド87は、円筒状の部材であり、この円筒状の部材に孔87aが1個以上形成されている。このオイルガイド87を設けた場合、例えば、セカンダリバランス油室25dからオイルが排出されるときに、孔87aを通って一部のオイルが放出されることで、セカンダリ軸23を支持するベアリング25hに潤滑用のオイルを確実に供給することができる。
なお、第1実施形態に係る無段変速機1の構成では、潤滑用(遠心油圧のバランス用)のオイルが流れる油路86gが、セカンダリプーリ25内の油路25fの端部25gに直接接続されている。この構成の場合、ダウンシフト時に、セカンダリバランス油室25dから排出されるオイルが油路25fの端部25gから放出される。
このように構成された無段変速機2の作用について説明する。車両が停止する前の減速中、無段変速機2では、ダウンシフト状態であり、ダウンシフトバルブ74で油路76dと油路76fとを連通することで、油路76fを介してプライマリ駆動油室24cから排出されるオイルを第2吸入通路53に供給している。また、無段変速機2では、切替バルブ85で油路86iと油路86jとを連通することで、油路86jを介してセカンダリバランス油室25dから排出されるオイルを第2吸入通路53に供給している。この減速中に車速が所定の車速まで低下すると、アイドリングストップ機能によりエンジン4が自動停止される。このエンジン4の停止に応じて機械式オイルポンプ40が停止されるので、無段変速機2では、電動オイルポンプ50(電動モータ51)を駆動する。駆動されると、電動オイルポンプ50のポンプ52では、第2ストレーナ54を吸入部としてオイルパン60からオイルを吸入する。
このとき、車両の減速度に応じて第2ストレーナ54周辺のオイルの油面が低くなっている場合、第2ストレーナ54からオイルと共にエアを吸い込み易い状態になる。しかし、第2ストレーナ54とポンプ52とを繋ぐ第2吸入油路53には、プライマリ駆動油室24cから排出されるオイルとセカンダリバランス油室25dから排出されるオイルが充填されている。そのため、電動オイルポンプ50のポンプ52に、オイルを確実に吸い込ませることができる。
第2実施形態に係る無段変速機2によれば、第1実施形態に係る無段変速機1と同様の効果を奏する。特に、第2実施形態に係る無段変速機2によれば、プライマリ駆動油室24cから排出されるオイルに加えてセカンダリバランス油室25dから排出されるオイルを利用することで、第2吸入油路53により多くの量のオイルを供給でき、電動オイルポンプ50のエアの吸い込みの抑制効果を向上させることができる。
第2実施形態に係る無段変速機2によれば、切替バルブ85を駆動制御するためのソレノイドバルブとしてプライマリプーリ24のダウンシフト用の第2デューティソレノイドバルブ73を利用しているので、切替バルブ85を駆動制御するソレノイドバルブを別途に設ける必要がない。
なお、電動オイルポンプ50の規格やプライマリ駆動油室24cからのオイルの排出量などから、プライマリ駆動油室24cから排出されるオイルの量だけでは電動オイルポンプ50のエアの吸い込みを十分に抑制することができないと予測される場合に、無段変速機2の構成にするとよい。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態ではチェーン式の無段変速機3に適用したが、ベルト式などの他の無段変速機にも適用可能である。
上記実施形態では機械式オイルポンプ40と電動オイルポンプ50とで別体のストレーナ42,54を用いてオイルパン60からオイルを吸い込む構成としたが、機械式オイルポンプ40と電動オイルポンプ50とでストレーナ(吸入部)を共用する構成でもよい。この場合、アイドリングストップによってエンジン4が停止中以外のとき(機械式オイルポンプ40がエンジン4で駆動されているとき)にプライマリ駆動油室24c等の排出オイルによって機械式オイルポンプ40側のオイルの吸い込みが阻害されないようにすることが望ましい。例えば、排出オイルを第2吸入油路53を導く油路と第1吸入油路41に導く油路を設けると共にこの2つの油路をエンジン4が停止中か否かで切り換える切替手段を設ける構成としてもよいし、あるいは、排出オイルを第2吸入油路53を導く油路とオイルパン60に導く油路を設けると共にこの2つの油路をエンジン4が停止中か否かで切り換える切替手段を設ける構成としてもよい。
上記実施形態ではTCU10の制御に応じて各制御圧を発生させるソレノイドバルブとしてデューティソレノイドバルブ71,73を適用したが、リニアソレノイドバルブ等を適用してもよい。
上記実施形態では電動オイルポンプ50でのエアの吸い込みを抑制するために、ダウンシフト中にプライマリ駆動油室24cから排出されるオイルのみを利用する構成、又は、プライマリ駆動油室24cから排出されるオイルとセカンダリバランス油室25dから排出されるオイルを利用する構成を示したが、セカンダリバランス油室25dから排出されるオイルのみを利用する構成としてもよい。この構成とする場合、例えば、図7に示す油圧回路80において、ダウンシフトバルブ74に接続される油路76fをオイルパン60にオイルを排出する油路とすればよい。
上記実施形態ではセカンダリプーリ25にセカンダリバランス油室25dが設けられており、ダウンシフト時にセカンダリバランス油室25dからオイルが排出される構成の無段変速機1,2に適用し、第2実施形態ではこのセカンダリバランス油室25dから排出されるオイルを利用して電動オイルポンプ50でのエアの吸い込みを抑制する構成としたが、プライマリプーリにプライマリバランス油室が設けられており、ダウンシフト時にプライマリバランス油室からオイルが排出される構成の無段変速機の場合、このプライマリバランス油室から排出されるオイルを利用して電動オイルポンプでのエアの吸い込みを抑制する構成としてもよい。
1,2 無段変速機
4 エンジン
5 ECU
10 TCU
22 プライマリ軸
23 セカンダリ軸
24 プライマリプーリ
24a 固定プーリ
24b 可動プーリ
24c プライマリ駆動油室
25 セカンダリプーリ
25a 固定プーリ
25b 可動プーリ
25c セカンダリ駆動油室
25d セカンダリバランス油室
26 チェーン
27 バリエータ
30 バルブボディ
40 機械式オイルポンプ
41 第1吸入油路
42 第1ストレーナ
50 電動オイルポンプ
53 第2吸入油路
54 第2ストレーナ
60 オイルパン
70,80 油圧回路
71 第1デューティソレノイドバルブ
72 アップシフトバルブ
73 第2デューティソレノイドバルブ
74 ダウンシフトバルブ
85 切替バルブ
76a〜76f、86g〜86j 油路

Claims (7)

  1. アイドリングストップ機能を有する車両に搭載され、プライマリ軸に軸支される溝幅が可変のプライマリプーリと、セカンダリ軸に軸支される溝幅が可変のセカンダリプーリと、前記プライマリプーリと前記セカンダリプーリとの間に巻装される駆動力伝達部材とを備える無段変速機であって、
    前記プライマリプーリの可動プーリに駆動油圧を加えるプライマリ駆動油室と、
    前記セカンダリプーリの可動プーリに駆動油圧を加えるセカンダリ駆動油室と、
    前記プライマリ駆動油室と前記セカンダリ駆動油室のうちの少なくとも一方の駆動油室で発生する遠心油圧をバランスさせるバランス油室と、
    前記プライマリ駆動油室、前記セカンダリ駆動油室及び前記バランス油室の各油圧を調整する油圧回路と、
    オイルパンに貯留されたオイルを第1吸入油路を介して吸入し、当該吸入したオイルを昇圧して前記油圧回路に供給する機械式オイルポンプと、
    アイドリングストップ時に前記オイルパンに貯留されたオイルを第2吸入油路を介して吸入し、当該吸入したオイルを昇圧して前記油圧回路に供給する電動オイルポンプと、
    を備え、
    前記バランス油室は、少なくともダウンシフト時にオイルを排出するバランス油室であり、
    前記油圧回路は、ダウンシフト時に、前記プライマリ駆動油室からオイルを排出させると共に前記バランス油室からオイルを排出させ、前記プライマリ駆動油室から排出されるオイルと前記バランス油室から排出されるオイルのうちの少なくとも一方を前記第2吸入油路に供給することを特徴とする無段変速機。
  2. 前記油圧回路は、
    前記プライマリ駆動油室と連通する第1油路と、
    前記第2吸入油路と連通する第2油路と、
    前記第1油路及び前記第2油路が接続され、アップシフト時に前記第1油路と前記第2油路との連通を遮断し、ダウンシフト時に前記第1油路と前記第2油路とを連通して前記プライマリ駆動油室から排出されるオイルを前記第2吸入油路に供給するダウンシフトバルブと、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の無段変速機。
  3. 前記油圧回路は、
    前記バランス油室と連通する第3油路と、
    前記第2吸入油路と連通する第4油路と、
    所定油圧のオイルが流れる第5油路と、
    前記第3油路、前記第4油路及び前記第5油路が接続され、アップシフト時に前記第3油路と前記第5油路とを連通して前記バランス油室にオイルを供給し、ダウンシフト時に前記第3油路と前記第4油路とを連通して前記バランス油室から排出されるオイルを前記第2吸入油路に供給する切替バルブと、
    を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の無段変速機。
  4. 前記油圧回路は、パイロット圧を調圧した制御圧をダウンシフトバルブに供給して、前記ダウンシフトバルブを駆動制御するソレノイドバルブを有し、
    前記ソレノイドバルブは、前記切替バルブに前記制御圧を供給して駆動制御することを特徴とする請求項3に記載の無段変速機。
  5. 前記第3油路の一端に配設され、前記バランス油室が設けられる前記プーリの前記軸を支持するベアリングにオイルを供給するための孔が形成されたオイルガイドを備えることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の無段変速機。
  6. 前記オイルパン内に配設され、前記第1吸入油路の一端に接続される第1ストレーナと、
    前記オイルパン内に配設され、前記第2吸入油路の一端に接続される第2ストレーナと、
    を備えることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の無段変速機。
  7. 前記第2ストレーナは、車両の前後方向において前記第1ストレーナよりも後方側に配置されることを特徴とする請求項6に記載の無段変速機。
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