JP2018053977A - 緩衝器 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は、ベースバルブの開弁圧を高めずに伸側室が負圧になるのを防止でき、緩衝器の収縮作動時のソフト減衰力が高くならない緩衝器の提供を目的とする。
【解決手段】
シリンダ10と、シリンダ10内に軸方向に移動自在に挿入されるロッド12と、ロッド12の先端に連結されるとともに、シリンダ10内に摺動自在に挿入されてシリンダ10内を伸側室R1と圧側室R2に区画するピストン11と、リザーバRと、リザーバRと圧側室R2とを連通するとともに、圧側室R2からリザーバRへ向かう液体の流れに抵抗を与える排出通路22と、リザーバRから圧側室R2へ向かう液体の流れのみを許容する吸込通路21と、伸側室R1と圧側室R2とを連通する通路14,15と、通路14,15に設けられた減衰力調整バルブVと、リザーバRから伸側室R1へ向かう液体の流れのみを許容する供給通路16とを備えることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、緩衝器に関する。
緩衝器は、車両の車体と車輪の間に介装されて、車輪に入力された振動を減衰して車体の揺れを抑制する。そして、上記緩衝器には、乗り心地向上等を目的として、減衰力調整を可能にしたものがある。
このような緩衝器は、たとえば、シリンダと、前記シリンダ内を移動自在に挿入されるロッドと、前記ロッドの一端に連結され、前記シリンダ内を伸側室と圧側室に区画するとともにシリンダ内周に摺接するピストンと、前記シリンダを収容する外筒と、前記外筒と前記シリンダとの間に形成されるリザーバと、前記圧側室と前記リザーバを区画するバルブケースとを備えて構成される。そして、前記ピストンには、前記伸側室と前記圧側室とを連通する伸側通路と圧側通路が形成されるとともに、前記伸側通路と前記圧側通路を通過する液体の流れに調整可能な抵抗を与える減衰力調整バルブが設けられている。さらに、前記バルブケースには、前記圧側室と前記リザーバを連通するとともに、前記圧側室から前記リザーバへ向かう液体の流れに抵抗を与える排出通路と、前記リザーバから前記圧側室へ向かう液体の流れのみを許容する吸込通路が並列されている。(たとえば、特許文献1を参照)
上記緩衝器は、緩衝器の伸長作動時には、伸側通路を介して伸側室から圧側室に向けて流れる液体の流れに減衰力調整バルブで抵抗を与えて、伸側減衰力を発揮する。
対して緩衝器の収縮作動時には、圧側室の液体が圧側通路を介して伸側室に向けて流れるとともに、ロッド侵入体積分の液体がベースバルブを開弁してリザーバに排出される。そのため、緩衝器は、圧側通路を通過する液体の流れに減衰力調整バルブで抵抗を与えるとともに、リザーバへ排出される液体の流れにベースバルブで抵抗を与えて、圧側減衰力を発揮する。
したがって、このような緩衝器では、減衰力調整バルブで液体の流れに与える抵抗を調節することで、伸側減衰力と圧側減衰力をソフトからハードまで調節できる。
特開2010−14281
減衰力調整バルブで緩衝器の収縮作動時の減衰力である圧側減衰力をハードに設定した場合、圧側室から伸側室へ液体が移動しにくくなる。そのため、ベースバルブの開弁圧が低いと、圧側室の圧力がベースバルブを介してリザーバへ逃げてしまうため、伸側室が大気圧以下となる負圧となってしまう。したがって、従来の緩衝器では、伸側室を負圧にしないためにベースバルブの開弁圧を高く設定しておく必要があった。
このように、ベースバルブの開弁圧を高く設定すると、減衰力調整バルブで圧側減衰力をソフトにしようとしても、ベースバルブが開弁しにくいので、シリンダ内の圧力を低くできず圧側減衰力の調整幅の下限が高くなってしまう。したがって、従来の緩衝器では、圧側の減衰力調整幅を確保しようとしてもソフト減衰力も大きくなってしまう。つまり、圧側減衰力の調整幅の上限を高くすると調整幅の下限が高くなってしまい圧側の減衰力調整幅を確保できない。
そこで、本発明では、ベースバルブの開弁圧を高めずに伸側室が負圧になるのを防止でき、緩衝器の収縮作動時のソフト減衰力が高くならない緩衝器の提供を目的とする。
前記課題を解決するための手段は、シリンダ内に軸方向に移動自在に挿入されるロッドの先端に連結されたシリンダ内を伸側室と圧側室に区画するピストンと、リザーバと、前記リザーバと前記圧側室とを連通するとともに、前記圧側室から前記リザーバへ向かう液体の流れに抵抗を与える排出通路と前記リザーバから前記圧側室へ向かう液体の流れのみを許容する吸込通路と、前記伸側室と前記圧側室とを連通する通路に設けられた減衰力調整バルブと、前記リザーバから前記伸側室へ向かう液体の流れのみを許容する供給通路とを備えたことを特徴とする。
また、前記供給通路に、前記リザーバから前記伸側室へ向かう液体の流れのみを許容して、前記伸側室の内部圧力を大気圧以上に維持する逆止弁を設けるようにしてもよい。この構成によると、伸側室内が負圧になる前に逆止弁が開弁してリザーバと伸側室が連通するため、伸側室の内部圧力がリザーバ圧となり、伸側室が負圧になるのを防止できる。
また、前記シリンダを収容する外筒を設け、前記外筒と前記シリンダとの間に前記リザーバを形成し、前記外筒と前記シリンダとの間に中間筒を設け、前記シリンダと前記中間筒とで前記供給通路を形成するようにしてもよい。この構成によると、緩衝器にリザーバと伸側室を連通する吸込通路を容易に形成できる。
また、前記供給通路の前記リザーバ側開口が前記リザーバの底部側に開口し、前記供給通路の前記伸側室側開口が前記伸側室の前記ピストンのストローク範囲外の位置に開口するようにしてもよい。この構成によると、供給通路は、リザーバ内の気体から最も離れた位置の液体を吸込むため、気体が混合した液体を吸込む恐れがない。また、緩衝器が最伸長しても供給通路と圧側室が連通しないようになっている。
本発明の緩衝器によれば、リザーバと伸側室を連通する供給通路によって伸側室が負圧になるのを防止するため、圧側減衰力の調整幅の上限を高くしても、調整幅の下限が高くならず、圧側減衰力の可変幅を確保できる。よって、緩衝器がソフトな減衰力を発揮する際の車両の乗り心地が向上するとともに操縦安定性が向上する。
本実施の形態に係る緩衝器の全体を示す全体概略図である。 図1の供給通路に設けられる逆止弁の一例を示す一部拡大断面図である。 図2の第一変形例を示す断面図である。
以下に、図面を参照しながら本実施の形態について説明する。いくつかの図面を通して付された同じ符号は、同じ部品か対応する部品を示す。
本実施の形態に係る緩衝器Dは、図1に示すように、シリンダ10と、シリンダ10内に軸方向に移動自在に挿入されるロッド12と、ロッド12の先端に連結されるとともに、シリンダ10内に摺動自在に挿入されてシリンダ10内を伸側室R1と圧側室R2に区画するピストン11と、リザーバRと、リザーバRと圧側室R2とを連通するとともに、圧側室R2からリザーバRへ向かう液体の流れに抵抗を与える排出通路22と、リザーバRから圧側室R2へ向かう液体の流れのみを許容する吸込通路21と、伸側室R1と圧側室R2とを連通する通路14,15と、通路14,15に設けられた減衰力調整バルブVと、リザーバRから伸側室R1へ向かう液体の流れのみを許容する供給通路16とを備える。
以下、緩衝器Dの各部について詳細に説明する。図1に示すように、本実施の形態に係る緩衝器Dは、シリンダ10を収容する外筒1を備えており、外筒1とシリンダ10との間にリザーバRが形成されている。そして、リザーバRには、作動油などの液体と大気圧以上の気体Gが充填されている。
また、ピストン11には、伸側室R1と圧側室R2とを連通する通路である伸側通路14および圧側通路15と、これらの通路14,15を通過する液体の流れに抵抗を与える減衰力調整バルブVが設けられている。
本例では、図1に示すように、減衰力調整バルブVは、伸側通路14に設けられ伸側室R1から圧側室R2に向けて移動する液体の流れに抵抗を与える伸側減衰弁V1と、圧側通路15に設けられ圧側室R2から伸側室R1に向けて移動する液体の流れに抵抗を与える圧側減衰弁V2とで構成されている。
伸側減衰弁V1は、本例では電磁弁であって、伸側通路14の途中に設けた弁体30と、伸側通路14を遮断するように弁体30を附勢するバネ31と、通電時にバネ31に対抗する推力を発生するソレノイド32とを備えて構成される。これにより、ソレノイド32に流れる電流量を調整すると伸側減衰弁V1の開弁圧を調整できるようになっている。
また、圧側減衰弁V2も同様に、本例では電磁弁であって、圧側通路15の途中に設けた弁体40と、圧側通路15を遮断するように弁体40を附勢するバネ41と、通電時にバネ41に対抗する推力を発生するソレノイド42とを備えて構成される。これにより、ソレノイド42に流れる電流量を調整すると圧側減衰弁V2の開弁圧を調整できるようになっている。
また、減衰力調整バルブVは、本例のようなソレノイドバルブでなくとも、減衰力を可変にできるバルブであればよく、例えばロータリバルブや電磁絞り弁であってもよい。
また、図1に示すように、シリンダ10の図中下端には、リザーバRと圧側室R2とを区画するバルブケース20が装着されている。バルブケース20には、圧側室R2とリザーバRとを連通する吸込通路21と排出通路22が並列に設けられている。そして、吸込通路21の途中には、リザーバRから圧側室R2へ向かう液体の流れのみを許容する吸込用逆止弁13が設けられている。また、排出通路22の途中には、圧側室R2からリザーバRへ向かう液体の流れに抵抗を与えるベースバルブ23が設けられている。
また、本例では供給通路16は、外筒1とシリンダ10との間に設けられた中間筒3によって形成されている。中間筒3は、シリンダ10の外側に設けられており、シリンダ10との間に供給通路16を形成している。そして、供給通路16は、リザーバRから伸側室R1へ向かう流体の流れのみを許容する逆止弁17を備えており、一方通行の流路となっている。さらに、供給通路16は、入口であるリザーバ側開口がリザーバRの底部付近に開口し、出口である伸側室側開口が、伸側室R1のピストン11のシリンダ10に対してストロークする範囲より上方に開口してリザーバRと伸側室R1を連通させている。つまり、供給通路16の伸側室側開口は、シリンダ10におけるピストン11のストローク範囲外に開口している。
次に供給通路16に設けられた逆止弁17の具体的な構造の例を図2を用いて説明する。本例では、シリンダ10の図1中上端にはロッド12の軸方向の移動をガイドする環状のロッドガイド2が設けられている。図2に示すように、ロッドガイド2は下端に小径部2aを有して、外径が途中で異なっており、境界に段部2bが設けられている。そして、図2に示すように、中間筒3およびシリンダ10とロッドガイド2の段部2bとの間に、逆止弁17が設けられている。
図2の逆止弁17は、中間筒3およびシリンダ10とロッドガイド2の段部2bとの間に介装されるとともに外周に環状凹部18cを備えるバルブシート部材18と、バルブシート部材18の外周に装着されたカバー19と、カバー19内に収容された環状の弁体17aと弁体17aを附勢するスプリング17bとを備えて構成される。
バルブシート部材18は、図2に示すように、ロッドガイド2の小径部2aの外径とほぼ等しい内径を有する上方嵌合部18aと、内径がシリンダ10の外径とほぼ等しく外径が中間筒3の上端部の内径とほぼ等しく成形された下方嵌合部18bを備える。そして、本例では下方嵌合部18bを中間筒3およびシリンダ10の間に嵌合し、上方嵌合部18aを小径部2aの外周に嵌合することで、バルブシート部材18は、中間筒3およびシリンダ10とロッドガイド2との間に介装されている。
また、カバー19は、有底筒状であって、ロッドガイド2の段部2bとバルブシート部材18との間で底部19aが挟持されてバルブシート部材18の外周に装着されている。
また、弁体17aは、環状凹部18cのシリンダ10側端面であるシート面18dに積層され、スプリング17bは、カバー19の底部19aと弁体17aとの間に介装され、弁体17aをシリンダ側に附勢する。
さらに、バルブシート部材18には、シート面18dに開口し中間筒3内とカバー19内を連通する縦孔18eと、カバー19内と伸側室R1を連通する横孔18fが設けられている。これにより、逆止弁17は、リザーバRから中間筒3内を介して伸側室R1に移動する液体の流れのみを許容する。
以上より、本例では、リザーバRと伸側室R1を連通する供給通路16は、中間筒3内、縦孔18e、カバー19内、横孔18fとで形成される。
なお、逆止弁17は、少なくとも伸側室R1の内部圧力が大気圧以下、すなわち負圧になる前には開いてリザーバRと伸側室R1を連通させる開弁圧には設定されており、この開弁圧は、スプリング17bのばね定数を変更するなどして調整できる。
また、図3に示すように中間筒3と下方嵌合部18bとの間、あるいは、図示しないが、カバー19と下方嵌合部18bとの間にOリング等の環状シール50を設けるようにしてもよい。この構成によれば、リザーバR内に封入された気体Gが供給通路16内に入り込むのを確実に防止できる。
また、図2,図3の構成では、逆止弁17をシリンダ10と中間筒3の間に嵌合して、シリンダ10、中間筒3および逆止弁17をアッセンブリ化したシリンダアッシとされている。
なお、上述した図2,図3の逆止弁17の構造は一例であって、本発明の構造はこれに限定されるものではない。
次に、本実施の形態に係る緩衝器Dの作動を説明する。緩衝器Dが伸長すると、伸側室R1が圧縮され、圧側室R2が拡大するため、液体が伸側減衰弁V1を途中に設けた伸側通路14を通って圧側室R2に移動する。この際、伸側室R1から圧側室R2に移動する液体の流れには、伸側減衰弁V1の開弁圧に基づく抵抗が与えられて緩衝器Dは伸側減衰力を発揮する。ここで、伸側減衰弁V1の開弁圧はソレノイド32に流れる電流量によって決定されるため、緩衝器Dの伸側減衰力は、ソレノイド32への通電量によって調節される。また、この際、ロッド退出体積分の液体が吸込通路21を介してリザーバRからシリンダ10内に流入するため、シリンダ内容積変化を補償できる。
なお、緩衝器Dの伸長作動時においては、伸側室R1は圧縮されて加圧されており、伸側室R1の内部圧力はリザーバRの内部圧力よりも高くなっているため、供給通路16に設けられた逆止弁17は開弁しない。
反対に、緩衝器Dが収縮すると、伸側室R1が拡大され、圧側室R2が圧縮されるため、圧側室R2内の液体が圧側減衰弁V2を途中に設けた圧側通路15を通って伸側室R1に移動する。さらに、シリンダ10内で過剰となったロッド侵入体積分の液体は、ベースバルブ23を押し開いてシリンダ10内からリザーバRに排出される。
ここで、圧側減衰弁V2の開弁圧を高めて、減衰力をハードに設定した場合には、圧側室R2から伸側室R1へ液体が移動しにくくなるため、伸側室R1の体積が拡大するのに対して液体が不足して伸側室R1の内部圧力が低下する。すると、リザーバRの内部圧力に押されて供給通路16に設けられた逆止弁17が開弁して、供給通路16を介してリザーバRから伸側室R1へ液体が供給される。
これにより、伸側室R1内の内部圧力は大気圧以上に保たれるため、減衰力調整バルブVで圧側減衰力をハードにしても伸側室R1は負圧にならない。
そのため、ベースバルブ23の開弁圧を高く設定せずとも負圧を防げる。換言すれば、伸側室が負圧になるのを防止するために高く設定されていた従来のベースバルブの開弁圧に比べて、ベースバルブ23の開弁圧を低く設定できるので、ソフト減衰力の調整幅の下限も低くなる。
さらに、従来の緩衝器では、リザーバ内の圧力を高く設定してベースバルブの開弁圧を高めて、伸側室が負圧にならないようにしていたが、本実施の形態に係る緩衝器Dによれば、リザーバR内の圧力を高くせずとも伸側室R1が負圧になるのを防止できる。
さらに、本実施の形態に係る緩衝器Dによると、ベースバルブ23の開弁圧を従来に比べて低くできるため、ベースバルブ23の開弁時の急激な圧力変動が抑制されて、急激な圧力変動に起因する異音の発生を抑制できる。
なお、減衰力をソフトに設定した場合には、圧側減衰弁V2の開弁圧が低く設定されるため、圧側室R2から伸側室R1へ移動する液体の流れに対して作用する抵抗が小さい。そのため、伸側室R1内の液体は不足せず、伸側室R1の内部圧力は低下しない。したがって、減衰力調整バルブVで圧側減衰力をソフトに設定した場合には、逆止弁17は開弁しない。
また、圧側室R2から伸側室R1に移動する液体の流れには、圧側減衰弁V2の開弁圧に基づく抵抗が与えられるとともに、シリンダ10内からリザーバRに排出される液体の流れには、ベースバルブ23により抵抗が与えられて緩衝器Dは圧側減衰力を発揮する。ここで、圧側減衰弁V2の開弁圧はソレノイド42に流れる電流量によって決定されるため、緩衝器Dの圧側減衰力は、ソレノイド42への通電量によって調節される。
よって、本実施の形態に係る緩衝器Dは、減衰力調整バルブVの開弁圧の調節により、緩衝器Dの伸側減衰力と圧側減衰力をソフトからハードまで調節できる。
また、本実施の形態に係る緩衝器Dは、シリンダ10と、シリンダ10内に軸方向に移動自在に挿入されるロッド12と、ロッド12の先端に連結されるとともに、シリンダ10内に摺動自在に挿入されてシリンダ10内を伸側室R1と圧側室R2に区画するピストン11と、リザーバRと、リザーバRと圧側室R2とを連通するとともに、圧側室R2からリザーバRへ向かう液体の流れに抵抗を与える排出通路22と、リザーバRから圧側室R2へ向かう液体の流れのみを許容する吸込通路21と、伸側室R1と圧側室R2とを連通する通路14,15と、通路14,15に設けられた減衰力調整バルブVと、リザーバRから伸側室R1へ向かう液体の流れのみを許容する供給通路16とを備えて構成されている。
この構成によると、リザーバRから伸側室R1に液体を供給可能な供給通路16が設けられているため、ベースバルブ23の開弁圧を高めに設定することなく、緩衝器Dの収縮作動時に伸側室R1が負圧になるのを防止できる。よって、緩衝器Dの収縮時のソフト減衰力が高くならず、緩衝器がソフトな減衰力を発揮する際の車両の乗り心地が向上するとともに操縦安定性が向上する。
また、本実施の形態においては、供給通路16に設けられた逆止弁17は、伸側室R1の内部圧力が大気圧以下になるより前に開弁するため、伸側室R1の内部圧力を大気圧以上に維持する。これにより、伸側室R1が負圧になるのを確実に防止できる。
また、本実施の形態においては、外筒1とシリンダ10の間に中間筒3を設け、シリンダ10と中間筒3とで供給通路16を形成している。しかしながら、供給通路16は、リザーバRと伸側室R1を連通する通路であればよいため、供給通路16を別の手段、例えば、リザーバRと伸側室R1を連通するパイプで形成するなどしてもよい。ただし、供給通路16をパイプで形成するよりも、外筒1とシリンダ10の間に中間筒3を設けて、シリンダ10の外周と中間筒3の内周とで供給通路16を形成した方が容易に形成できる上、組み立ても容易である。
また、本実施の形態においては、供給通路16のリザーバ側開口がリザーバRの底部側に開口し、供給通路16の伸側室側開口が伸側室R1のピストン11のストローク範囲外の位置に開口するようにしている。この構成によると、供給通路16は、リザーバR内の気体Gから最も離れた位置の液体を吸込むため、気体Gが混合した液体を吸込む恐れがない。また、緩衝器Dが最伸長しても供給通路16と圧側室R2が連通しないようになっている。
また、図2、3に示すように、逆止弁17をシリンダ10と中間筒3の間に嵌合して、シリンダ10と中間筒3と逆止弁17とをアッセンブリ化したシリンダアッシとしてもよい。この構成によると、従来の緩衝器のシリンダの構造をシリンダアッシに変更すれば、供給通路16を備える緩衝器Dとなるため、シリンダ以外の部品の変更が必要なく、部品の共通化を図れる。
また、緩衝器をストラット型のサスペンションに利用する場合、入力されるモーメントに対応するために、ロッドの径が大きくなり、収縮作動時にシリンダ内からリザーバに排出される液体の流量が多くなる。流量が多くなるのに伴って、ベースバルブを通過する液体の流れに対する抵抗も大きくなるので、ストラット型のサスペンションに利用される場合、収縮作動時のソフト減衰力がストラット型のサスペンションに利用される以外の場合以上に大きくなって、車両の乗り心地がより悪化しやすい。
したがって、本発明の構成は、ストラット型のサスペンションに利用される場合、特に顕著な効果を発揮する。
なお、本実施の形態においては、緩衝器Dは複筒型であって、外筒1とシリンダ10の間にリザーバRを設けた緩衝器とされているが、本発明は、リザーバと、収縮作動時にリザーバに排出される液体の流れに抵抗を与えるベースバルブを備える緩衝器であればよい。本発明は、たとえば、タンクを別に設けて当該タンクをリザーバとした単筒型の緩衝器や、シリンダ内にフリーピストンで区画した液室とエア室からなるリザーバを設けた単筒型の緩衝器で実現されてもよい。
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱なく改造、変形及び変更ができるのは当然である。
1・・・外筒、3・・・中間筒、10・・・シリンダ、11・・・ピストン、12・・・ロッド、14・・・伸側通路,15・・・圧側通路、16・・・供給通路、17・・・逆止弁、21・・・吸込通路、22・・・排出通路、D・・・緩衝器、R・・・リザーバ、R1・・・伸側室、R2・・・圧側室、V・・・減衰力調整バルブ

Claims (4)

  1. シリンダと、
    前記シリンダ内に軸方向に移動自在に挿入されるロッドと、
    前記ロッドの先端に連結されるとともに、前記シリンダ内に摺動自在に挿入されて前記シリンダ内を伸側室と圧側室に区画するピストンと、
    リザーバと、
    前記リザーバと前記圧側室とを連通するとともに、前記圧側室から前記リザーバへ向かう液体の流れに抵抗を与える排出通路と、
    前記リザーバから前記圧側室へ向かう液体の流れのみを許容する吸込通路と、
    前記伸側室と前記圧側室とを連通する通路と、
    前記通路に設けられた減衰力調整バルブと、
    前記リザーバから前記伸側室へ向かう液体の流れのみを許容する供給通路とを備えたことを特徴とする緩衝器。
  2. 前記供給通路に、前記リザーバから前記伸側室へ向かう液体の流れのみを許容して、前記伸側室の内部圧力を大気圧以上に維持する逆止弁を設けたことを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
  3. 前記シリンダを収容する外筒を設け、前記外筒と前記シリンダとの間に前記リザーバを形成し、
    前記外筒と前記シリンダとの間に中間筒を設け、前記シリンダと前記中間筒とで前記供給通路を形成することを特徴とする請求項1または2に記載の緩衝器。
  4. 前記供給通路の前記リザーバ側開口が前記リザーバの底部側に開口し、前記供給通路の前記伸側室側開口が前記伸側室の前記ピストンのストローク範囲外の位置に開口することを特徴とする請求項3に記載の緩衝器。
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