JP2018053953A - ガス流通ローラ - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1の冷却用のローラは、長尺のフィルムなどの表面処理を行なう装置において、上記フィルムを巻き付けて搬送しながら、このフィルムを冷却するためのものである。そして、上記フィルムが巻き付けられた部分のみにガスを噴出するようにしている。
このように特定の範囲のみからガスを噴出する上記ローラは、図5,6のように構成されていた。
そして、支持部材2の外周には、断面略扇形状を有するガス噴出防止部材3の基端を固定し、このガス噴出防止部材3の先端側には、上記回転筒体1の内周面に当接するシール部材4を設けている。
このように、上記シール部材4が、回転筒体1の内周面に接触した部分(範囲α)に形成されたガス噴出孔を閉鎖することによって、上記支持部材2に設けたガス供給管5から上記回転筒体1内に供給されたガスが、上記範囲α以外の部分(範囲β)の噴出孔から噴出するようにしている。そして、回転筒体1において、上記シール部材4が接触していない範囲βにフィルムを接触させることで、回転筒体1に巻き付けられたフィルムの裏面にのみガスを噴射できるようにしている。
特に、ガスを噴射させる範囲βが小さい場合には、相対的にシール部材4の接触面積が大きくなるため、回転筒体1の回転抵抗が大きくなって、回転筒体1を回転させるために、大きな駆動力が必要になってしまう。
上記のような問題を考慮し、図7に示すように、ガスを噴射させない領域αにおける摺動抵抗を小さくするため、上記ガス噴出防止部材3の円周方向両端のみに、軸線方向に伸びるシール部材6,7を設けた構造も知られている。この構造では、シール部材6,7が上記回転筒体1の内周面に接触する面積が、図5に示す構造と比べて小さいため、その分、回転抵抗を小さくできるメリットがある。
そのため、上記ガス供給管5から供給されたガスが、上記開口s1,s2から上記空間S内に流れ込み、この空間Sを介して回転筒体1の噴出孔から噴出してしまう。
さらに、上記支持部材の外周には、上記給排孔を囲んでガスの流通エリアを区画する区画用凸部が設けられ、上記流通エリアを介して上記回転筒体からガスを噴出させたり、吸引したりすることを特徴とする。
そのため、支持部材のガス通路にガス供給手段を接続したとき、流通エリアに供給されたガスは、非流通エリアへ流出せずに、ガス流通エリアのみから回転筒体の外へ噴射できる。
また、支持部材のガス通路に吸引手段を接続したときには、上記流通エリアのみから外部のガスを吸引できる。
つまり、回転しているローラから、目的の個所にガスを噴射したり、目的の個所からガスを吸引したりすることができる。
また、図7に示す従来例のように、一対のシール部材で囲まれた非流通エリアが流通エリアと連通することもないので、流通エリアの区画を明確にすることもできる。
さらにまた、この発明では、上記区画用凸部で囲うことによって、流通エリアが区画されるので、目的に応じて、流通エリアの形状や面積、数を自由に設定できる。
この実施形態のガス流通ローラは、図1,2に示すように、円筒状の回転筒体11の内側に、ベアリング13を介して筒状の支持部材12を設け、上記回転筒体11と支持部材12とを相対回転可能にしたものである。
上記回転筒体11は、ガスの流通を許容する多孔質の円筒部材からなり、例えば、焼結セラミックや、連続気泡を備えた発泡樹脂などで形成することができる。そして、上記多孔質材料の気泡部分が、この発明のガス流通孔である。
また、上記チャンバ部12aの外周には、この発明の流通エリアE1となる特定の範囲内に複数の給排孔12cが形成されている。
上記給排孔12cが形成されている範囲は、図2に示すように、回転筒体11の回転角度θ分に対応する範囲である。
なお、図3は、上記支持部材12のチャンバ部12aを軸線に沿った直線で切り開いた展開図である。
そして、図3に示すように、上記給排孔12cは、チャンバ部12aの外周面に矩形に配置されているが、このように給排孔12cが形成された矩形の範囲をガスの流通エリアE1とし、上記区画用凸部15で区画し、その外側を非流通エリアE2としている。
そのため、回転筒体11が回転する際には、上記区画用凸部15と回転筒体11との間に摺動抵抗が発生することはない。
ただし、区画用凸部15の先端と回転筒体11の内周面との間の隙間は、微小であり、上記流通エリアE1と非流通エリアE2との間を流通するガスに対して流動抵抗を付与する大きさになっている。
そして、上記区画用凸部15は、支持部材12のチャンバ部12aの外周に、支持部材12と一体的に形成してもよいし、凸部を構成する別部材をチャンバ部12aの外周面に固定するようにしてもよい。例えば、チャンバ部12aの外周に、上記ガス流通エリアE1を囲む線状溝を形成し、この溝にシールリングのような部材を嵌め込むようにしてもよい。
先ず、上記回転筒体11内に上記支持部材12を挿入し、回転筒体11の軸方向両端から支持部材12の軸部12bを突出させる。次に、上記軸部12bと上記回転筒体11との間にベアリング13を嵌め込む。このとき、ベアリング13の内輪13aに上記軸部12bが圧入されるとともに、ベアリング13の外輪13bが上記回転筒体11に圧入される寸法関係を備えている。
しかも、この実施形態では、回転筒体11の内周面に上記区画凸部15などが接触していないので、回転筒体11の回転時に摺動抵抗が回転抵抗として作用することがない。そのため、回転筒体11のスムーズな回転を実現するために、特別に駆動源を大きくする必要もない。
したがって、回転筒体11をスムーズに回転させながら、目的の個所にガスを噴射したり、目的の個所からガスを吸引したりできる。
ただし、流通エリアE1内に形成される給排孔12cの数は、特に限定されない。流通エリアE1にガスを供給したり、流通エリアE1内のガスを吸引したりできれば、給排孔の数は、例えば1つでもかまわない。
さらに、ガスの流通エリアE1は、それを囲む区画用凸部15によって区画されるので、区画用凸部15の配置によって様々な形状の流通エリアE1を形成することができる。したがって、用途に応じて、流通エリアE1の形状や大きさなどを自由に設定することができる。
例えば、上記支持部材12の円周方向や、軸線方向に、複数の流通エリアを断続的に形成することもできる。
いずれにしてもガスの噴射範囲を絞ることができるため、噴射ガスの消費量を抑えることができる。特に、希少ガスを使用する場合には、その経済的なメリットも大きい。
さらに、噴射範囲を絞ることによって、ガス供給手段を大型化しなくても、噴射の勢いを保つことができ、例えば噴射ガスによって異物などを吹き飛ばすような場合にも、効率的な噴射ができる。
また、有毒ガスなど、やたらに分散させたくない用途にも有用である。
さらにまた、移動中の物体に接触して、その表面の特定の範囲からガスを吸引することもできる。
図4は、処理ローラ16に接触して搬送されるフィルムFをガス置換放電のエネルギーによって処理する表面処理装置である。フィルムFを介して処理ローラ16と対向する位置には、処理チャンバ17が設けられている。この処理チャンバ17は、上記処理ローラ16と対向し、フィルムFの幅をまたぐ長さの棒状の放電電極18が電極ホルダ19及び碍子20を介して固定される天井21と、この天井21の両脇に接続され、上記放電電極18を挟んで対向する一対の側壁22,23と、処理ローラ16の軸方向端部側で、上記側壁22,23の端部を接続して放電電極18を囲う図示しない一対の端面側の側壁とを備えている。つまり、上記処理チャンバ17も、フィルムFの幅をまたぐ長さを備えた形状である。
上記ガス流通ローラR1,R2は、上記回転筒体11が自由回転可能に支持されるとともに、回転筒体11を、上記フィルムFに接触させている。したがって、回転筒体11は、回転方向xに回転する処理ローラ16で矢印a方向に移動するフィルムにしたがって回転方向yに回転する。
また、ガス流通ローラR1,R2の支持部材12に接続された上記配管14には、置換ガスを供給するためのガス供給手段を接続し、ガス流通ローラR1,R2からは、流通エリアE1を介して処理チャンバ17内の放電電極18の放電部に向かって置換ガスが噴射される構成にしている。このように、置換ガスが放電部に向かって噴射されるので、供給された置換ガスが、無駄なく有効に、ガス置換放電に利用されることになる。
例えば、処理チャンバ17の上流側のガス流通ローラR1は、接点P1によって外気の同伴流bを遮断し、処理チャンバ17内に外気が流入することを防止できる。
一方、下流側のガス流通ローラR2は、接点P2によってフィルムFに同伴して処理チャンバ17から外部へ流出する置換ガスを遮断することができる。
このように、この実施形態のガス流通ローラを用いれば、置換ガスを効率的に供給しながら、同伴流を遮断して、外部ガスの流入や置換ガスの流出も防止できる。
12 支持部材
12a チャンバ部
12b 軸部
12c 給排孔
15 区画用凸部
E1 流通エリア
E2 非流通エリア
R1,R2 ガス流通ローラ
Claims (3)
- 内部にガス通路を形成した支持部材と、
この支持部材の周面を覆うとともに上記支持部材と相対回転可能に設けられ、全周に複数のガス流通孔が形成された回転筒体とからなり、
上記支持部材の外周の所定箇所には、
ガスを噴出もしくは吸引するための給排孔が設けられるとともに、この給排孔は上記支持部材のガス通路を介してガス供給手段あるいは吸引手段に接続され、
さらに、上記支持部材の外周には、
上記給排孔を囲んでガスの流通エリアを区画する区画用凸部が設けられ、
上記流通エリアを介して上記回転筒体からガスを噴出させたり、吸引したりするガス流通ローラ。 - 上記区画用凸部の先端と上記回転筒体の内周面との間に微小隙間が保持され、この微小隙間が、上記流通エリアとその外側の非流通エリアとの間のガス流に対して流動抵抗を付与する絞りを構成した請求項1に記載のガス流通ローラ。
- 上記固定筒体の外周面には、上記流通エリア全体にわたって複数の給排孔が設けられた請求項1又は2に記載のガス流通ローラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016188106A JP2018053953A (ja) | 2016-09-27 | 2016-09-27 | ガス流通ローラ |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP2016188106A Pending JP2018053953A (ja) | 2016-09-27 | 2016-09-27 | ガス流通ローラ |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2018053953A (ja) |
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2016
- 2016-09-27 JP JP2016188106A patent/JP2018053953A/ja active Pending
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