JP2018053135A - ナフタロシアニン化合物ナノ粒子の製造方法、並びに該ナノ粒子の用途 - Google Patents
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Abstract
Description
[式(1)中、R1〜R24は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ニトロ基、ジアルキルアミノ基、アルコキシアルキル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアミノ基を表す。Mは2個の水素原子、金属元素、金属酸化物、金属水酸化物又は金属ハロゲン化物を表す。]
前記ナフタロシアニン化合物は、
第一工程:塩基性触媒を含む有機溶媒中にて、式(2)の化合物、式(3)の化合物、またはそれらの混合物、
[式中、R27〜R29は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ニトロ基、ジアルキルアミノ基、アルコキシアルキル基、アリールオキシ基、アリールアミノ基を表し、jは0〜6、k及びlは0〜5の整数であり、
R25及びR26はシアノ基または一緒になって以下の式の基を形成する。]
あるいは、尿素と式(4)の化合物、式(5)の化合物、またはそれらの混合物
[式中、R27〜R29、並びにj、k及びlは前記と同じ意味を表し、R30及びR31はカルボキシまたはカルボキサミドであるか、一緒になって以下の式の基を形成する。]
に紫外線を照射してナフタロシアニン前躯体を合成する工程と、
第二工程
ノニオン性界面活性剤とイオン性界面活性剤とに、2種類の混じり合わない有機溶媒と前記ナフタロシアニン前躯体と金属塩(必要な場合)とを混合することでミセルを形成する工程と、
第三工程
前記ミセルに対して紫外線を照射して顔料粒子を形成し、得られた粗ナフタロシアニン粒子を必要によりケトン溶媒にて処理する工程
を有するナフタロシアニン化合物粒子の製造方法である。
さらに、前記該ナフタロシアニンナノ粒子を用いた含む近赤外線吸収材料、着色組成物、分散インキ、セキュリティインク、近赤外線吸収フィルタ、熱線遮蔽材フィルム、及びフラッシュトナーである。
(ナフタロシアニン粒子の製造方法)
本実施形態に係るナフタロシアニン粒子は、下記一般式(1)で表されるナフタロシアニン化合物からなる。
[式(1)中、R1〜R24は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ニトロ基、ジアルキルアミノ基、アルコキシアルキル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアミノ基を表す。Mは2個の水素原子、金属元素、金属酸化物、金属水酸化物又は金属ハロゲン化物を表す。]
R1〜R24がアルキル基である場合は炭素数1〜15の直鎖又は分岐アルキル基が好ましく、炭素数1〜8の直鎖又は分岐アルキル基が特に好ましい。例としてメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロヘキシル基、tert−ペンチル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。
R1〜R24がアリール基である場合はフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基が好ましい。
R1〜R24がアリールチオ基である場合はフェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基、p−tert−ブチルフェニルチオ基、ナフチルチオ基等が挙げられる。
その他の好ましいR1〜R24の具体例としては、ニトロ基も挙げられる。
一般式(1)で表されるナフタロシアニン化合物の具体例としては、例えば、以下の化合
物を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
第一工程
塩基性触媒を含む有機溶媒中にて、式(2)の化合物、式(3)の化合物、またはそれらの混合物、
[式中、R27〜R29は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ニトロ基、ジアルキルアミノ基、アルコキシアルキル基、アリールオキシ基、アリールアミノ基を表し、jは0〜6、k及びlは0〜5の整数であり、R25及びR26はシアノ基または一緒になって以下の式の基を形成する。]
あるいは、尿素と式(4)の化合物、式(5)の化合物、またはそれらの混合物
[式中、R27〜R29並びにj、k及びlは前記と同じ意味を表し、R30及びR31はカルボキシまたはカルボキサミドであるか、一緒になって以下の式の基を形成する。]
に紫外線を照射してナフタロシアニン前躯体を合成する工程と
混じり合わない2種類の有機溶媒からなる混合溶媒と、ナフタロシアニン前躯体と、ノニオン性界面活性剤と、イオン性界面活性剤と、金属塩(必要な場合)とを混合することでミセルを形成する工程
第三工程
前記ミセルに対して紫外線を照射して顔料粒子を形成し、得られた粗ナフタロシアニン粒子を所望によりケトン溶媒にて処理する工程を有する。
式(2)の化合物、式(3)の化合物、式(4)の化合物あるいは式(5)の化合物の例を以下に示す。
例えば無水2,3−ナフタレンジカルボン酸化合物、2,3−ナフタレンジカルボン酸化合物、2,3−ナフタレンジアミド化合物、2,3−ナフタレンイミド化合物、2,3−ナフタレンジニトリル化合物、無水1−フェニル-2,3−ナフタレンジカルボン酸化合物1−フェニル-2,3−ナフタレンジカルボン酸化合物、1−フェニル-2,3−ナフタレンジアミド化合物、1−フェニル-2,3−ナフタレンイミド化合物、2,3−ナフタレンジニトリル化合物、1−フェニル-2,3−ナフタレンジニトリル化合物が挙げられる。
R27〜R29がアルキル基である場合は炭素数1〜15の直鎖又は分岐アルキル基が好ましく、炭素数1〜8の直鎖又は分岐アルキル基が特に好ましい。例としてメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロヘキシル基、tert−ペンチル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、2−エチルヘキシル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
R27〜R29がアルコキシ基である場合は総炭素数1〜15のアルコキシ基が好ましく、特に総炭素数1〜8のアルコキシ基が好ましい。例としてメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−ヘプチル基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、メトキシエトキシ基、メトキシプロポキシ基、メトキシブトキシ基、エトキシエトキシ基、エトキシプロポキシ基、エトキシブトキシ基、n−プロポキシエトキシ基、イソプロポキシエトキシ基、(2−メトキシエトキシ)メトキシ基、(2−エトキシエトキシ)メトキシ基、2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ基、2−(1−メトキシエトキシ)エトキシ基、−(2−エトキシエトキシ)エトキシ基、2−(2−プロポキシエトキシ)エトキシ基、3−(2−メトキシエトキシ)プロポキシ基、3−(2−エトキシエトキシ)プロポキシ基、2−メチルチオエトキシ基、2−エチルチオエトキシ基、2−ジメチルアミノエトキシ基、2−ジエチルアミノエトキシ基等が挙げられる。
R27〜R29がアリールチオ基である場合はフェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基、p−tert−ブチルフェニルチオ基、ナフチルチオ基等が挙げられる。
R27〜R29がアリールアミノ基である場合は、アニリノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、o−トルイジノ基、m−トルイジノ基、p−トルイジノ基、2−ビフェニルアミノ基、3−ビフェニルアミノ基、4−ビフェニルアミノ基、1−フルオレンアミノ基、2−フルオレンアミノ基、2−チアゾールアミノ基、p−ターフェニルアミノ基等が挙げられる。
その他の好ましいR27〜R29の具体例としては、ニトロ基も挙げられる。
これらのナフタルアミド化合物誘導体は、単独で用いても、二種類以上を組み合わせて用いることも可能である。
ウンデセン、ジアザビシクロノネン、1,5,7−トリアザビシクロデセン等を用いること
が可能である。これらの塩基性触媒は、単独で用いても、二種類以上を組み合わせて用い
ることも可能である。
式(2)の化合物または式(3)のナフタルアミド化合物を出発原料とするナフタロシアニン前躯体は、ナフタルアミド化合物と塩基性触媒を含む有機溶媒溶液(極性非プロトン性溶媒)を混合し、加熱または紫外線照射により合成する。また、ナフタル酸化合物と尿素を出発原料とするナフタロシアニン前駆体は、ナフタル酸化合物と尿素を有機溶媒に溶解後、加熱し、中間生成物(ナフタルイミドまたはナフタル酸ジアミド)を形成する。次に塩基性触媒を含む有機溶液を混合し、加熱または紫外線照射により合成する。
紫外線は200から400nm、好ましくは320から380nmの波長範囲が好適である。この波長範囲の紫外線を発生させるランプや光源を有する紫外線照射装置を特に限定なく使用することができる。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキルエーテルや両親媒性のブロック共重合体など特に限定なく、公知のものを用いることが可能である。
ポリオキシアルキルエーテルとしては、例えば、テトラエチレングリコールモノドデシ
ルエーテル、ペンタエチレングリコールモノドデシルエーテル、オクタエチレングリコー
ルモノドデシルエーテル、ニューコール(日本乳化剤株式会社製)、エマルゲン(登録商
標、花王株式会社製)などを用いることが可能である。
両親媒性のブロック共重合体としては、例えば、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロ
ピレン−ポリオキシエチレンからなるブロック共重合体Pluronic(登録商標、B
ASF社製)を用いることが可能である。
ラメチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、ドデシルジメチル
ベンジルアンモニウムクロリド、アルキルトリメチルアンモニウムクロリド、オクチルト
リメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、セチル
トリメチルアンモニウムブロミド、アルキルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデ
シルトリメチルアンモニウムブロミド、ベンザルコニウムブロミド、ドデシル硫酸ナトリ
ウム、ラウリル硫酸ナトリウム、などを用いることが可能である。
ミセルはノニオン性界面活性剤及びイオン性界面活性剤に、2種類の混じり合わない有機溶媒とフタロシアニン前躯体と金属塩とを混合することで形成する。
混合方法としては、マグネチックスーラー、メカニカルスターラー、プロペラ攪拌機、ホモジナイザーなどを用いることが可能である。
ミセルに対して紫外線を照射して顔料粒子を形成する。
紫外線は200から400nm、好ましくは320から380nmの波長範囲が好適である。この波長範囲の紫外線を発生させるランプや光源を有する紫外線照射装置を特に限定なく使用することができる。フローセルを使用した流通プロセスを使用することは紫外線照射の効率が向上し、スケールアップの際、極めて有効な手段である。
得られた粗ナフタロシアニン粒子をケトン系溶媒にて分散処理することにより高純度なナフタロシアニンナノ粒子を得る。
ケトン系溶媒としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
一般に、フィルタの透明性は、使用するフィルタ用分散インキ中での分散状態における顔料の粒径に依存する。近年、フィルタに求められている高透明性を達成するためには、粒子径は300nm以下が好ましい。粒子径が300nmを超える場合は、これを使用したフィルタの透明性が低下してしまう。
以下、分散インキについて説明する。分散インキは顔料粒子と樹脂またはその前躯体と有機溶剤からなる混合物であり、顔料粒子5〜20重量部、樹脂またはその前躯体5〜30重量部、有機溶剤60〜90重量部を含む。樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、感光性樹脂等を用いることが可能である。また、樹脂の前躯体としては、紫外線照射により硬化して樹脂を生成するモノマーまたはオリゴマーがあげられ、これらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどがあげられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂などがあげられる。
フィルタ用顔料分散インキの場合、使用する樹脂として、可視光領域400〜700nmの全波長領域において透過率が80%以上の透明樹脂を用いることが好ましく、さらには95%以上の透明樹脂を用いることが最適である。また、感光性を付与しフォトリソグラフィ法にて所定のパターンでカラーフィルタを形成する場合には、アクリル樹脂5〜30重量部に対して、更に、光重合性モノマーまたはオリゴマーを20〜150重量部と、光重合開始剤を5〜50重量部添加し、感光性分散インキとする。
アクリル樹脂としては、例えば(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸エステルモノマーや(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルモノマーなどから選ばれるモノマーを二種以上、好ましくは3〜5種程度用いて、重量平均分子量5,000〜100,000程度に重合した樹脂を使用することができる。
尚、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」なる用語は、アクリル酸とメタクリル酸の総称として用いる。
また、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−4−ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル類、前記(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル類のε−カプロラクトン縮合物、モノ(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、モノ(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル、トリ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール、ペンタ(メタ)アクリル酸ジペンタエリスリトール等がある。
多官能モノマーを使用することができる。単官能モノマーとしては、アクリル酸ノニルフェニルカルビトール、アクリル酸−2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル、2−エチルヘキシルカルビトール等を使用することができ、2官能モノマーとしては、ジアクリル酸トリプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール等を使用することができ、3官能モノマーとしては、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン、トリ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート等を使用することができる。
、光重合開始剤の種類等に応じて適宜選択する。通常は、トルエン、キシレン、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、エタノール、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジグライム、シクロヘキサノン等から選ばれる一種または複数種を使用する。
一般式(1)で表されるナフタロシアニン化合物からなるナフタロシアニン粒子は、近赤外線吸収材として使用することができ、近赤外線吸収インク、特に手書き入力システム用ペン型入力装置検出マーカー用近赤外線吸収インクとして使用することもできる。
可視領域には着色の少ない隠しインクとしてインクジェット記録用に使用されるが、インクジェット記録方式は特に限定されず、サーマル方式やピエゾ方式等のいずれの方式のインクジェット印刷にも用いることができる。インクの性状は、記録方式により異なるが、通常、粘度は1〜20mPa・s、表面張力は25〜50mN/m、pHは5〜12の範囲である。また、インク中のナフタロシアニンは、印刷システム等によって異なるが、通常0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%である。
更に、本願発明における近赤外線吸収インクは、インクジェット記録用顔料インクに用いられる手法として、ナフタロシアニンを表面処理やマイクロカプセル化して用いることもできる。本願発明の近赤外線吸収インクで印刷された印刷物は、可視領域での着色が少なく目立たないため、目視或いは可視センサーでは検出しにくい。近赤外線発振・検出器を用いることで検出する事ができる。
オフィスなどで文書の印刷、複写などを行う画像形成装置としては、エレクトロフォトグラフィやイオノグラフィ方式を描画原理としたものが常用されている。
上記2つの画像形成方式について定着プロセスは略同様であり、記録媒体上に形成されたトナー粉像は、加圧、加熱、溶剤蒸気、光等により溶融されて、記録媒体に固着される。最近、この定着プロセスに関して、トナー粉像に強力な光を照射しトナーを溶融させる光定着方式が、注目を集めている。
なお、現在、この光定着方式において最も一般的な方法は光源にキセノンフラッシュランプを使用するフラッシュ定着法である。
前記フラッシュ定着法においてトナーが記録紙に定着する過程は次の通りある。トナー画像が感光体ドラム等から記録紙等の記録媒体( 以下、単に記録紙とする) 上に転写される。上記トナー粉像に、キセノンフラッシュ等のフラッシュ光(閃光) を照射すると、トナーは閃光の光エネルギを吸収することで、昇温して軟化し、記録紙に密着する。閃光照射後に温度が下がると、トナー像は固化し、定着像が完成する。
また、光定着法に一般的に用いられるキセノンフラッシュランプは、紫外から赤外まで広い領域に渡って発光分布を有する。特に発光強度が強いのは8 0 0 〜 10 5 0 n m の近赤外線領域であり、定着性能が高いトナーの開発のためには、この近赤外線領域の光エネルギを効率よく利用する技術、すなわち使用する光エネルギを低減させる技術の確立も求められている。トナーとして、バインダー樹脂、着色剤および前記一般式(1)で表されるナフタロシアニンを含有するフラッシュ固定トナー(flash fixing toner)が好適に挙げられる。ここで、一般式(I)で表されるナフタロシアニンの含有量としては、トナーの総質量に対して約0.01〜5.0質量%(より好ましくは0.1〜3.0質量%)が好ましい。
前記ワックスは、ポリオレフィンタイプまたは天然ワックス、例えばカルナウバワックス、モンタンワックスおよび天然パラフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−ブテンコポリマー、エチレン−ペンテンコポリマー、エチレン−3−メチル−1−ブテンコポリマー並びに、オレフィン類と他のモノマー、例えばビニルエステル類、ハロ−オレフィン類、(メタ)アクリル酸エステル、および(メタ)アクリル酸または誘導体とのコポリマーであってもよい。ワックスの重量平均分子量は1,000〜45,000ダルトンであるのが好ましい。前記電荷制御剤の例としては、ニグロシン(nigrosine)、モノアゾ染料、亜鉛、ヘキサデシルスクシネート、ナフトエ酸のアルキルエステル若しくはアルキルアミド、ニトロフミン酸、N,N−テトラメチルジアミンベンゾフェノン、N,N−テトラメチルベンジジン、トリアジン類およびサリチル酸の金属錯体が挙げられる。黒以外の着色剤の場合には、電荷制御剤が実質的に無色であるのが好ましい。 前記易流動性剤の例としては、無機物質、例えば、コロイダルシリカ、疎水性シリカ、疎水性チタニア、疎水性ジルコニアおよびタルクの微粒子、並びに有機物質、例えばポリスチレンビーズおよび(メタ)アクリル酸ビーズの微粒子が挙げられる。 ナフタロシアニンがバインダー樹脂に可溶性または分散可能である場合、カップリング剤およびナフタロシアニン(並びに上記の任意の他の成分)をコンパウンドし、共に混練りするのが好ましい。得られた混合物を冷却し、粉砕化した後、粒子を分類する。
ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、カメラ機能付き携帯電話などには、カラー画像の固体撮像素子であるCCD(電荷結合素子)やCMOS(相補型金属酸化膜半導体)イメージセンサが用いられている。これら固体撮像素子は、その受光部において近赤外線に感度を有するシリコンフォトダイオードを使用しているために、視感度補正を行うことが必要であり、その際近赤外線吸収フィルタを用いることが多い。
近赤外線吸収フィルタは、光透過率が以下の(1)〜(6)のうちの少なくとも1つの条件を満たすことが好ましく、(1)〜(6)のすべての条件を満たすことがさらに好ましい。 (1)波長500nmでの光透過率は70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましく、99.9%以上が特に好ましい。 (2)波長600nmでの光透過率は70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましく、99.9%以上が特に好ましい。 (3)波長700nmでの光透過率は30%以下が好ましく、20%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましく、0.1%以下が特に好ましい。 (4)波長750nmでの光透過率は30%以下が好ましく、20%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましく、0.1%以下が特に好ましい。 (5)波長800nmでの光透過率は30%以下が好ましく、20%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましく、0.1%以下が特に好ましい。 (6)波長900nmでの光透過率は30%以下が好ましく、20%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましく、0.1%以下が特に好ましい。
実施例のみに限定されるものではない。実施例及び比較例に使用した具体的な材料および合成方法等について、以下に記載する。
(実施例1)銅-ナフタロシアニンの製造:具体例1
1,3-ジイミノベンゾイソインドリン48.8mg、1,8−ジアゾビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン20.0mgおよびDMSO 1500mgを試験管に投入した。このDMSO溶液を攪拌しながら、紫外光(365nm、23mW/cm2)を10分間照射して、ナフタロシアニン前躯体を得た。このナフタロシアニン前躯体のDMSO溶液にメタノール250mgおよびヘキサン5000mgの混合溶媒中にヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド250mgを溶解させた界面活性剤溶液を加えた。その後、テトラエチレングリコールモノドデシルエーテル550mgおよび塩化銅(II)二水和物21.0mgを溶解させたメタノール溶液を加えた。その後再び紫外光(365nm、23mW/cm2)を6時間照射した。反応時間経過後、反応液にキシレン4mlと水20mlを加えた。加えた後撹拌すると水層および油層の中間に黄褐色の中間層が生成する。この中間層を回収し、MALDI(マトリックス支援レーザー脱離イオン化法)MS分析にて目的物である具体例1の化合物であることを確認した。また反応中間体である原料2量体の残存を確認した。アセトン10mlおよびヘキサン5mlにて5分間撹拌後、遠心分離(6200rpm、30sec)した。この作業を3回繰り返し、その沈殿物のMALDI(マトリックス支援レーザー脱離イオン化法)MS分析により反応中間体が除去されたことを確認した。
最後に10g/lポリエチレングリコール水溶液10ml中に分散させ、ろ過(孔径200nm)しナフタロシアニン化合物分散水溶液を得た。遠心分離器にて分離後凍結乾燥し、緑褐色粉末20mg得た。
MALDI(マトリックス支援レーザー脱離イオン化法)MS分析: m/z M+776 水分散液の吸収波長は、紫外線可視光光度計(日本分光製V−670)を用いて測定し、λmax 700nmであった。顔料粒子の分散液の紫外・可視分光分析(UV−vis測定)結果を図-2に示す。
平均粒子径は、動的光散乱式粒子径分布計(マルバーン製ゼータサイザー ナノ ZS)を用いて測定:粒径174±64nm
顔料粒子の形状は、透過型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製H−7650)を用
いて観察し、撮影した画像から、顔料粒子の長径と短径を測長し、アスペクト比(=長径
/短径)=3.3であった。
分析の結果、具体例 のナノ粒子であることを確認した。
アセトン処理前の中間層の分析
MALDI(マトリックス支援レーザー脱離イオン化法)MS分析: m/z M+776
反応中間体 m/z M+383
4-フェニル−1,3−ジイミノベンゾイソインドリン67.75mg、1,8−ジアゾビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン20.0mgおよびDMSO 1500mgを試験管に投入した。このDMSO溶液を攪拌しながら、紫外光(365nm、23mW/cm2)を10分間照射して、ナフタロシアニン前躯体を得た。このナフタロシアニン前躯体のDMSO溶液にメタノール250mgおよびヘキサン5000mgの混合溶媒中にヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド250mgを溶解させた界面活性剤溶液を加えた。その後、テトラエチレングリコールモノドデシルエーテル550mgおよび塩化銅(II)二水和物21.0mgを溶解させたメタノール溶液を加えた。その溶液を図―1に示すシリンジポンプにセットし流速 0.01ml/minで フローセル(流路)に導入、そのフローセルに紫外光(365nm、23mW/cm2)を照射した。その反応液を再度シリンジポンプにセットし同様の操作を10回行った。その後得られた反応液にキシレン4mlと水20mlを加えた。加えた後撹拌すると水層および油層の中間に黄褐色の中間層が生成する。この中間層を回収し、MALDI(マトリックス支援レーザー脱離イオン化法)MS分析にて目的物である具体例3の化合物であることを確認した。また反応中間体である原料2量体の残存を確認した。アセトン10mlおよびヘキサン5mlにて5分間撹拌後、遠心分離(6200rpm、30sec)した。この作業を3回繰り返し、その沈殿物のMALDI(マトリックス支援レーザー脱離イオン化法)MS分析により反応中間体が除去されたことを確認した。
最後に10g/lポリエチレングリコール水溶液10ml中に分散させ、ろ過(孔径200nm)しナフタロシアニン化合物分散水溶液を得た。遠心分離器にて分離後凍結乾燥し、緑褐色粉末15mg得た。
MALDI(マトリックス支援レーザー脱離イオン化法)MS分析: m/z M+1081
反応中間体 m/z M+535
水分散液の吸収波長は、紫外線可視光光度計(日本分光製V−670)を用いて測定し、λmax 720nmであった。
平均粒子径は、動的光散乱式粒子径分布計(マルバーン製ゼータサイザー ナノ ZS)を用いて測定した。:粒径142±48nm
顔料粒子の形状は、透過型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製H−7650)を用
いて観察し、撮影した画像から、顔料粒子の長径と短径を測長し、アスペクト比(=長径
/短径)=3.1であった。
実施例1において、塩化銅(II)二水和物42.0mgの代わりに塩化亜鉛33.6mgを用いた以外は実施例1と同様に行って緑褐色粉末20mgを得た。
分析結果
MALDI(マトリックス支援レーザー脱離イオン化法)MS分析: m/z M+778
水分散液の吸収波長は、紫外線可視光光度計(日本分光製V−670)を用いて測定し、λmax700nm,790nmであった。
平均粒子径は、動的光散乱式粒子径分布計(マルバーン製ゼータサイザー ナノ ZS)を用いて測定した。:粒径155±29nm
顔料粒子の形状は、透過型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製H−7650)を用
いて観察し、撮影した画像から、顔料粒子の長径と短径を測長し、アスペクト比(=長径
/短径)=3.2であった。
1,3-ジイミノベンゾイソインドリン48.8mg、1,8−ジアゾビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン20.0mgおよび実施例1で使用したDMSO の代わりに特開2016−79218号公報記載のメタノール1500mgを試験管に投入した。このメタノール溶液を攪拌しながら、紫外光(365nm、23mW/cm2)を10分間照射したが、1,3−ジイミノベンゾイソインドリンに変化はなく、ナフタロシアニン前駆体を得ることはできなかった。
実施例1において同様に行って反応液を得た。反応液にキシレン2mlと水10mlを加えた。加えた後撹拌すると水層および油層の中間に中間層が生成する。この中間層を回収し、MALDI(マトリックス支援レーザー脱離イオン化法)MS分析にて目的物である実施例1と同一の化合物であることを確認した。また反応中間体である原料2量体の残存を確認した。その中間層に実施例1で使用したアセトンの代わりに特開2016−79218号公報記載のヘキサン、メタノールおよび水を加え撹拌後、再度中間層を回収し、この作業を3回繰り返した。最後に10g/lポリエチレングリコール水溶液5ml中に中間層を分散させ、ろ過(孔径200nm)し遠心分離器にて分離後凍結乾燥し、緑褐色粉末43mg得た。
MALDI(マトリックス支援レーザー脱離イオン化法)MS分析
:m/zM+776
:m/zM+383 (反応中間体、原料2量体)
2種のピークを観測した。原料中間体が除かれていないことを確認した。
水分散液の吸収波長は、紫外線可視光光度計(日本分光製V−670)を用いて測定した。λmax 700nmであった。
平均粒子径は、動的光散乱式粒子径分布計(マルバーン製ゼータサイザー ナノ ZS)を用いて測定:粒径180±50nm
顔料粒子の形状は、透過型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製H−7650)を用
いて観察し、撮影した画像から、顔料粒子の長径と短径を測長し、アスペクト比(=長径
/短径)=4.0であった。
窒素気流下、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物60g、尿素137g、モリブデン酸アンモニウム4水和物1g、スルフォラン300g及び塩化銅10.0gを185〜190℃にて5時間攪拌した。100℃に冷却して濾過し、濾取物をメタノールで十分洗浄し乾燥して暗緑色粉末51gを得た。
MALDI(マトリックス支援レーザー脱離イオン化法)MS分析: m/zM+776
平均粒子径は、動的光散乱式粒子径分布計(マルバーン製ゼータサイザー ナノ ZS)を用いて測定した。:粒径1600±35nm
得られた粗顔料粒子を下記条件で3回、微粒化した
微粒化条件:
試験機:UVX-2(横型湿式超微粒分散粉砕器;アイメックス製)
容器及びディスク材質:ジルコニア製
容器の容量:2.2L
ディスク回転数:1430rpm
ビーズ:粒径0.3・(ジルコニア製)、1.57L充填
試料:比較例1のサンプル
溶媒:メタノール
吐出液量:200mL/min
結果:
平均粒径(nm)
処理前 1635
1・Pass 543
2・Pass 356
3・Pass 349
得られた分散液をエバポレーターにて乾燥した。
実施例1で作製した顔料粒子6.6g アクリル樹脂(ポリメタクリル酸(重量平均分子量10,000)、アクリル酸ヒドロキシエチルとメタクリル酸の共重合体(重量平均分子量30,000))12.6g、アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル、ペンタエリスリトールトリアクリレート 3g、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン 0.8g、トルエンおよびシクロヘキサンの混合溶剤 77gを混合し、回転式攪拌機(回転数:500〜1,000rpm、時間:5〜10分)で攪拌して分散インキを得た。
実施例5において実施例1で作製した顔料粒子6.6gの代わりに比較例2で作製した顔料粒子6.6gを用いた以外は実施例5と同様に行って分散インキを得た。
(比較例5):分散インキ−3
実施例5において実施例1で作製した顔料粒子6.6gの代わりに比較例3で作製した顔料粒子6.6gを用いた以外は実施例5と同様に行って分散インキを得た。
(実施例5):近赤外線吸収フィルタ−1
ガラス基板1の上に、実施例4で作製した分散インキ-1をスピンコート(3000rpm、10sec)し、乾燥させ、70℃で20分間プリベークし、露光した(50mJ/cm2)。 次に、2.5%炭酸ナトリウム水溶液で現像し、十分に水洗後、乾燥させ、230℃で1時間ベークし、近赤外線吸収フィルタ-1を作製した。
実施例5において実施例4で作製した分散インキ-1の代わりに比較例4で作製した分散インク-2を用いた以外は実施例5と同様に行って近赤外線吸収フィルタ-2を作製した。
実施例5において実施例4で作製した分散インキ-1の代わりに比較例5で作製した分散インク-3を用いた以外は実施例5と同様に行って近赤外線吸収フィルタ-3を作製した。
近赤外線吸収フィルタの評価結果
紫外線可視光光度計(日本分光製V−670)を用いて近赤外線吸収フィルタ透過スペクトルを測定した。
500nmの透過率
実施例5(近赤外線吸収フィルタ−1:顔料粒径175nm) 80%
比較例6(近赤外線吸収フィルタ−2:顔料粒径180nm) 79%
比較例7(近赤外線吸収フィルタ−3:顔料粒径350nm) 60%
本発明で製造されたナフタロシアニン化合物を用いた近赤外線吸収フィルタは可視透過性に優れていた。
耐光性試験:
実施例5及び比較例6で作製した近赤外線吸収フィルタにカーボンアークフェードメーター(スガ試験機製)で20時間露光した時の濃度変化(ΔE)を測定した。
ΔE
実施例5(近赤外線吸収フィルタ−1:顔料粒径175nm) 9.2%
比較例6(近赤外線吸収フィルタ−2:顔料粒径180nm) 12.3%
結果
本発明で製造されたナフタロシアニン化合物を用いた近赤外線吸収フィルタ耐光性に優れていた。
青トナーA 結着樹脂:ポリエステル樹脂(NCP−001J;日本カーバイド社製)91g、赤外光吸収剤:実施例1で合成したナフタロシアニン、 着色剤:銅フタロシアニン顔料(リオノールブルーES;東洋インキ製造社製)5g 負帯電制御剤:カリックスアレン
(ボントロンE-89;オリエント化学社製)2gをヘンシェルミキサへ投入し、予備混錬を行った後、エクストルーダにより混錬し、ついでハンマーミルにて粗粉砕した。さらに、これをジェットミルにて微粉砕し、気流分級機にて分級を行い、体積平均粒径が約8.5μmの青色トナーを得た。次いで、外添剤として疎水シリカ微粒子(H2000/4;クラリアント社製)を0.5重量部添加し、ヘンシェルミキサで外添処理を行い、外添剤を表面に被覆させた青色トナーを得た。上記青色トナー4.5gと、シリコーン系樹脂コートマグネタイトキャリア(関東電化工業社製)95.5gとをボールミルで混合したものを使用して2成分現像剤を製造した。キセノンフラッシュ定着方式を採用しているレーザプリンタ(PS2160;富士通社製)を用いて、1.8J/cm2、発光時間1500μ秒の光エネルギーを付与し、青色トナーの粉像を用紙上で溶融してから固化し、定着画像を得ることができた。
Claims (12)
- 下記一般式(1)で表されるナフタロシアニン化合物からなるナフタロシアニン粒子の製造方法であって、
[式(1)中、R1〜R24は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ニトロ基、ジアルキルアミノ基、アルコキシアルキル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアミノ基を表す。Mは2個の水素原子、金属元素、金属酸化物、金属水酸化物又は金属ハロゲン化物を表す。]
塩基性触媒を含む有機溶媒中にて、式(2)の化合物、式(3)の化合物、またはそれらの混合物、
[式中、R27〜R29は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ニトロ基、ジアルキルアミノ基、アルコキシアルキル基、アリールオキシ基、アリールアミノ基を表し、jは0〜6、k及びlは0〜5の整数であり、R25及びR26はシアノ基または一緒になって以下の式の基を形成する。]
あるいは、尿素と式(4)の化合物、式(5)の化合物、またはそれらの混合物
[式中、R27〜R29及びj、k及びlは前記と同じ意味を表し、R30及びR31はカルボキシまたはカルボキサミドであるか、一緒になって以下の式の基を形成する。]
に紫外線を照射してナフタロシアニン前躯体を合成する工程と;
混じり合わない2種類の有機溶媒からなる混合溶媒に、ノニオン性界面活性剤と、イオン性界面活性剤と、前記ナフタロシアニン前躯体と、さらに所望により金属塩とを混合することでミセルを形成する工程と;
前記ミセルに対して紫外光を照射してナフタロシアニン粒子を形成する工程と;
を備えるナフタロシアニン粒子の製造方法。 - 前記ナフタロシアニン前躯体を合成する工程において極性非プロトン性溶媒中でナフタロシアニン前駆体を形成する請求項1の製造方法。
- 極性非プロトン性溶媒がDMF、DMSO、DMAC、DMIである請求項2記載の製造方法。
- 前記ナフタロシアニンナノ粒子を形成する工程において、フローセル中で紫外線を照射してナフタロシアニンナノ粒子を形成する請求項1〜3いずれかの製造方法。
- 前記ナフタロシアニン粒子をさらにケトン系溶媒にて処理する請求項1〜4いずれかの製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかの製造方法にて得られるナフタロシアニン粒子であって、そのアスペクト比が10以下で、粒径が300nm以下であるナフタロシアニンナノ粒子。
- 前記ナフタロシアニンナノ粒子の表面が、さらに有機分子で被覆されてなる請求項6のナフタロシアニンナノ粒子。
- 請求項6または7のナフタロシアニンナノ粒子と、印刷インキ溶剤またはワニスとを含有する分散インキ。
- 請求項6または7記載のナフタロシアニンナノ粒子を含有する近赤外線吸収材料及び着色組成物。
- 請求項6または7記載のナフタロシアニンナノ粒子を含有するフラッシュトナー。
- 請求項6または7記載のナフタロシアニンナノ粒子を含有する近赤外線吸収フィルタ。
- 請求項6または7記載のナフタロシアニンナノ粒子を含有するセキュリティインク。
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