JP2018053054A - 加飾用フィルム - Google Patents

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【課題】実際の接触冷温感が見た目の印象に近似する加飾用フィルムを提供する。【解決手段】樹脂材料により形成された加飾用フィルム1は、フィルムに混合され、フィルムの装飾柄の基礎となる素材の接触冷温感に実際の接触冷温感を近似させるための熱伝導性フィラー7を備える。【選択図】図1

Description

本発明は加飾用フィルムに係り、特に、基材の表面に貼設されてその基材表面を装飾する加飾用フィルムに関する。
この種の加飾用フィルムは様々な内装材に使用されており、例えば、自動車用内装材に使用されている。自動車用内装材に対する品質向上の要請が高まる中、内装材には木目、金属、カーボン、ピアノブラックなどの様々な柄の加飾が施されている。また昨今は、木目とクロムメッキを隣接させたものをはじめとして、異素材複合の加飾が増えてきている。
かかる現状において、加飾用フィルムには、本物素材をフィルム化したものがある。例えば木目調フィルムの場合では、薄膜化した木材を使用してフィルムが作製される。また、メタリック調フィルムの場合では、薄膜化した金属を使用してフィルムが作製される。
特開2001−57478号公報
しかし、本物素材をフィルム化した場合、どうしても高価なフィルムとなりがちである。そこで、見た目は本物と類似するが、実際には樹脂材料から作られた所謂フェイクのフィルムが広く普及に至っている。この樹脂製フィルムにおいても、見た目の本物らしさを追求する試みが種々なされている。
その一方で、見た目だけではなく、肌が触れた時に感じる温度、すなわち接触冷温感についても、本物らしさを追求することで、内装材の品質を向上できることを本発明者らは新たに見出した。そこで本発明者らは、接触冷温感が素材毎に異なることを踏まえ、素材を似せて作った装飾柄毎に、接触冷温感の異なる加飾用フィルムを開発することに思い至った。
そこで本発明は、かかる事情に鑑みて創案され、その目的は、実際の接触冷温感が見た目の印象に近似する加飾用フィルムを提供することにある。
本発明の一の態様によれば、
樹脂材料により形成された加飾用フィルムであって、
前記フィルムに混合され、前記フィルムの装飾柄の基礎となる素材の接触冷温感に実際の接触冷温感を近似させるための熱伝導性フィラーを備えた
ことを特徴とする加飾用フィルムが提供される。
好ましくは、前記熱伝導性フィラーは、前記素材の熱伝導率に前記フィルムの表面部の熱伝導率を近似させるよう、前記フィルムに混合されている。
好ましくは、前記熱伝導性フィラーは、前記素材の熱伝導率より高い熱伝導率を有する。
好ましくは、前記熱伝導性フィラーは、前記素材の熱伝導率が高いほど多い混合割合で前記フィルムに混合されている。
好ましくは、前記熱伝導性フィラーは、カーボンナノチューブおよびダイヤモンドの1種もしくは2種からなる。
好ましくは、前記フィルムは、その表面部にクリア層を備え、前記熱伝導性フィラーは前記クリア層に混合されている。
好ましくは、前記フィルムは、その表面部に、前記装飾柄を有する装飾層を備え、前記熱伝導性フィラーは前記装飾層に混合されている。
本発明によれば、実際の接触冷温感が見た目の印象に近似する加飾用フィルムを提供できる。
本発明の実施形態に係る加飾用フィルムを示す断面図である。 変形例に係る加飾用フィルムを示す断面図である。 本実施形態のフィルムの適用例を示す外観図である。 様々な材料とその熱伝導率を示す表である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1に、本実施形態に係る加飾用フィルム1を示す。フィルム1は、基材2の表面3に貼設されてその基材表面3を装飾するように適用される。本実施形態のフィルム1は、自動車の内装材、特に内装パネルに適用されるように構成されており、後述するような様々な装飾柄が施されている。従って、基材2は具体的には自動車の内装パネルであり、これは、樹脂材料により板状に形成され、車両側の構造物、例えばドアパネルに取り付けられる。
図1において、上側が室内から見える表面側、下側が室内から見えない裏面側である。便宜上、表面側を上、裏面側を下というときもある。
フィルム1は樹脂材料により形成されている。具体的にはフィルム1は、少なくとも表面に装飾柄を有する装飾層4と、装飾層4の表面に積層して形成されたクリア層5とを備える。この場合、フィルム1はその表面部9にクリア層5を備え、言い換えればフィルム表面部9はクリア層5により形成されることとなる。装飾層4とクリア層5のいずれも樹脂材料により形成されている。クリア層5は透明であり、外部から装飾層4の装飾柄が見えるのを許容すると共に、装飾柄に一層の艶を与える効果を有する。ここで装飾柄とは、何等かの模様が描かれている場合に限らず、無模様単色の場合も含んで解釈される。
本実施形態において、クリア層5の表面は平滑に仕上げられ、高い艶出し効果を与えるようになっている。しかしながら図中仮想線Mで示すように、クリア層5の表面に敢えて微細な凹凸を設け、艶消し効果を与えてもよい。
ここでいう透明とは、装飾層4の装飾柄が見える程度に透明であることを意味し、完全な無色透明のみならず、半透明および着色透明をも含む広義の意味に解釈される。
装飾層4は、フィルム1の本体部分をなすもので、その表面には、後述するような様々な装飾柄が施されている。
フィルム1は、装飾層4の裏面に積層して形成された接着層6をも備える。接着層6は接着剤もしくは粘着材を含み、フィルム1を基材表面3に接着もしくは粘着させる役割を果たす。この場合、フィルム1はその裏面部10に接着層6を備えることとなる。結局フィルム1は、表面側から順に積層されたクリア層5、装飾層4および接着層6を有する三層構造とされる。
この接着もしくは粘着と共に、あるいはそれに代えて、フィルム1は、例えば周知のTOM(Three-dimension Overlay Method:三次元熱被膜)成形法により、基材表面3に一体的に接合することができる。
フィルム1は、これに混合され、フィルム1の装飾柄の基礎となる素材の接触冷温感に実際の接触冷温感を近似させるための熱伝導性フィラー7を備えている。
熱伝導性フィラー7は、広義には、これが混合される被混合材料(本実施形態では樹脂材料)の熱伝導率を調整するための混合材料として解釈される。熱伝導性フィラー7は、微細な粉末状、粒状、あるいはチップ状の固体の形態であってもよく、あるいは、その固体を水等の溶媒中に分散した液体の形態であってもよい。液体の場合、溶媒はフィルム作製時の加熱工程で実質的に蒸発消失される。熱伝導性フィラー7は、フィルム作製時に溶融された樹脂材料の中に分散して混合される。
ここで、「素材の接触冷温感に実際の接触冷温感を近似させる」とは、熱伝導性フィラー混合後の被混合材料の実際の接触冷温感が素材の接触冷温感と同等レベルになることをいう。また「フィルムの装飾柄の基礎となる素材」とは、ある素材に似せて装飾柄を作成した場合の当該素材をいう。例えば装飾柄が木目調の場合、素材は木材である。
本実施形態において、熱伝導性フィラー7は、素材の熱伝導率にフィルム1の表面部9の熱伝導率を近似させるよう、フィルム1に混合されている。本実施形態の場合、熱伝導性フィラー7は、クリア層5に混合されている。人が触れるフィルム表面部9のクリア層5に熱伝導性フィラー7を混合したので、フィルム表面部9の熱伝導率を最小量の熱伝導性フィラー7で効率よく調整し、素材の熱伝導率に近似させることができる。
フィルム表面部9の熱伝導率が高いほど、フィルム表面部9に触れた肌からフィルム表面部9に伝わる熱伝達量が多くなり、人は冷たい感覚(ひんやり感)を感じる。逆に、フィルム表面部9の熱伝導率が低いほど、フィルム表面部9に触れた肌からフィルム表面部9に伝わる熱伝達量が少なくなり、人は温かい感覚(ぬくもり感)を感じる。本実施形態の場合、クリア層5の樹脂材料に対する熱伝導性フィラー7の混合割合を最適に調整することで、クリア層5の熱伝導率を素材の熱伝導率に好適に近似させ、その結果、実際の接触冷温感を素材の接触冷温感に好適に近似させることができる。
ここで、「素材の熱伝導率にフィルム表面部9の熱伝導率を近似させる」とは、前者の熱伝導率に後者の熱伝導率が等しい場合と、その付近である場合とを含む。あくまで一例であり限定的ではないが、後者の熱伝導率は、好ましくは前者の熱伝導率の±30%以内、より好ましくは±20%以内、より好ましくは±10%以内である。
なお、図1に仮想線で示すように、熱伝導性フィラー7は、クリア層5に加えてあるいはこれに代わり、装飾層4に混合させてもよい。例えば熱伝導性フィラー7を装飾層4のみに混合させても、クリア層5が極薄い場合などには一定の効果があるものと考えられる。
図2にはフィルムの変形例を示す。この変形例のフィルム1Aでは、クリア層5が省略され、フィルム1Aが装飾層4および接着層6のみからなる二層構造とされる。この場合、フィルム1Aはその表面部9に装飾層4を備え、フィルム表面部9は装飾層4により形成される。熱伝導性フィラー7は装飾層4に混合される。このフィルム1Aは、例えば、装飾層4の装飾柄に艶を与えるよりもむしろ、素材本来の柄を強調した所謂むき出し感を与えたい場合に使用される。
便宜上、以下においては、図1に示した本実施形態の基本実施例を前提として説明を進め、変形例については必要な場合にのみ述べる。
次に、種々の装飾柄を有する各フィルムについて説明する。
図4には、様々な材料とその熱伝導率(単位はW/(mK))を示す。なお図4の表は“https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%86%B1%E4%BC%9D%E5%B0%8E%E7%8E%87”に掲載のものを一部使用したものである。以下の説明において、材料に対応した熱伝導率の値を括弧書きで付記する場合がある。例えば材料がカーボンナノチューブの場合、カーボンナノチューブ(3000−5500)といった具合である。
装飾層4とクリア層5を形成する樹脂材料は、例えばエポキシ樹脂(0.21)である。なお他の樹脂材料であってもよく、例えばポリエチレン(0.41)であってもよい。複数種の樹脂材料を混合してなる樹脂材料であってもよい。層毎に樹脂材料の種類を変えてもよい。
例えば、装飾層4の装飾柄が木目調である場合、木目調の基礎となる素材は木材(0.15−0.25)である。エポキシ樹脂と木材の熱伝導率が近似しているため、木目調のときは熱伝導性フィラー7の混合は不要か、あるいは混合するとしても微量の混合割合ないし混合量で済むと考えられる。
次に、装飾柄が金属調である場合を説明する。
装飾柄がアルミ調である場合、アルミ調の基礎となる素材はアルミニウム(236)である。この場合、アルミニウムの熱伝導率はエポキシ樹脂の熱伝導率に比べてかなり高い。従って、クリア層5の熱伝導率をアルミニウムの熱伝導率に近似させるよう、クリア層5に熱伝導性フィラー7が混合される。
このとき、アルミニウムの熱伝導率より高い熱伝導率を有する材料からなる熱伝導性フィラー7が用いられる。元々のエポキシ樹脂(0.21)の熱伝導率を、熱伝導性フィラー7との混合物全体として、アルミニウム(236)の熱伝導率付近まで高める必要があるからである。
このとき、可能な限り高い熱伝導率を有する材料からなる熱伝導性フィラー7を用いるのが好ましい。熱伝導性フィラー7の混合割合ないし混合量を少なくすることができるからである。これにより例えば、装飾柄の見た目に与える影響を少なくすることができる。また材料費を低減できる。
本実施形態において、熱伝導性フィラー7は、カーボンナノチューブ(3000−5000)およびダイヤモンド(1000−2000)の1種もしくは2種からなる。すなわち熱伝導性フィラー7は、カーボンナノチューブの単品からなってもよいし、ダイヤモンド(特にナノダイヤモンド)の単品からなってもよいし、両者の混合品からなってもよい。これらはいずれも極めて高い熱伝導率を有する。従って熱伝導性フィラー7を両者の少なくとも一方とすることで、熱伝導性フィラー7の混合割合ないし混合量を著しく低減できる。なお同様の理由でフラーレンからなる熱伝導性フィラー7も好ましい。
熱伝導性フィラー7については、当然に、装飾柄の見た目に与える影響が可能な限り少なくなるよう、材料、形態、混合割合を選定するのが好ましい。
熱伝導性フィラー7は、エポキシ樹脂と熱伝導性フィラー7との混合物からなるクリア層5の熱伝導率が、アルミニウム(236)の熱伝導率に近似するような混合割合で、クリア層5に混合される。これにより、フィルム表面部9の熱伝導率をアルミニウムの熱伝導率に近似させることができ、実際の接触冷温感が見た目の印象に近似するフィルム1を提供することができる。そして人が触れたときに、見た目通りのひんやり感を与えるフィルム1を提供することができる。
次に、装飾柄がクロムメッキ調である場合、クロムメッキ調の基礎となる素材はクロム(93.9)である。この場合、クロムの熱伝導率もエポキシ樹脂の熱伝導率に比べてかなり高い。従って、クリア層5の熱伝導率をクロムの熱伝導率に近似させるような混合割合で、クリア層5に熱伝導性フィラー7が混合される。これによってアルミ調の場合と同様の作用効果をもたらすフィルム1を提供できる。
アルミニウム(236)とクロム(93.9)を比較すると、アルミニウムの方がクロムよりも熱伝導率が高い。よって同種の熱伝導性フィラー7を用いる場合、アルミ調のときはクロムメッキ調のときよりも多い混合割合で熱伝導性フィラー7が混合される。
次に、装飾柄がゴールド調である場合、ゴールド調の基礎となる素材は金(320)である。金の熱伝導率もエポキシ樹脂の熱伝導率に比べてかなり高い。従って、クリア層5の熱伝導率を金の熱伝導率に近似させるような混合割合で、クリア層5に熱伝導性フィラー7が混合される。これによってアルミ調等の場合と同様の作用効果をもたらすフィルム1を提供できる。ゴールド調のときは、アルミ調およびクロムメッキ調のときよりも多い混合割合で熱伝導性フィラー7が混合される。
以下同様にして、様々な他の金属調フィルム1を作製することができる。例えばカッパー調の場合、素材は銅(398)であるので、アルミ調、クロムメッキ調およびゴールド調のときよりも多い混合割合で熱伝導性フィラー7が混合される。
また例えばホワイトゴールド調およびピンクゴールド調を挙げることもできる。周知のように、ホワイトゴールドおよびピンクゴールドは純金に他の割地金を混入させた金属であり、その熱伝導率は金に近いものと考えられる。従ってクリア層5の熱伝導率は金の熱伝導率に近似される。
また例えばプラチナ調の場合、その基礎となる素材は白金(70)である。前述の例と比べるとその熱伝導率は最も低い。よって熱伝導性フィラー7の混合割合も最も少なくされる。
次に、装飾柄が木目調以外の非金属調である場合を説明する。
装飾柄がカーボン調である場合、カーボン調の基礎となる素材を炭素(100−250)とみなすことができる。従って、クリア層5の熱伝導率を炭素の熱伝導率に近似させるような混合割合で熱伝導性フィラー7が混合される。これによって前記同様の作用効果がもたらされる。
なお、カーボン調の基礎となる素材をCFRP(炭素繊維強化プラスチック)とみなすこともできる。CFRPの熱伝導率をエポキシ樹脂の熱伝導率と同等とみなした場合、熱伝導性フィラー7を混合させなくてもよく、混合させるとしても微量の混合割合で混合させる。
次に装飾柄がピアノブラック調である場合を説明する。ピアノブラックとは、ピアノの表面に施された艶のある黒色塗装のことで、塗装面の表面を鏡面状に研磨して艶出ししたものである。ピアノブラックの原点が日本の黒色漆の調度品の模倣であることから、ピアノブラック調の基礎となる素材は漆とみなすことができる。漆の熱伝導率は例えば1.47であり、これはエポキシ樹脂(0.21)の熱伝導率より高い。従って、クリア層5の熱伝導率を漆の熱伝導率に近似させるような混合割合で熱伝導性フィラー7が混合される。
ピアノブラック調に類似して漆黒調なるものもある。漆黒はピアノブラックより濃く深みのある黒で、その名の通り、黒漆塗りの漆器のように艶のある黒である。この漆黒調の基礎となる素材も漆とみなすことができる。
次に、装飾柄が磁器調である場合を説明する。磁器調とは、例えば高級ティーカップやソーサーのような光沢のある磁器を模して作った装飾柄である。磁器の作製に際し、形作られた陶石が焼成され、その後釉薬が塗布、焼成されて磁器が完成する。釉薬がガラス質であることから、磁器調の基礎となる素材(磁器調の表層面素材)はガラス(1)とみなすことができる。従って、クリア層5の熱伝導率をガラスの熱伝導率に近似させるような混合割合で熱伝導性フィラー7が混合される。
なお、磁器調の基礎となる素材を磁器そのものとみなすこともできる。磁器の熱伝導率は例えば1.5であり、クリア層5の熱伝導率がそれに近似するよう熱伝導性フィラー7の混合割合が調節される。
装飾柄が陶器調である場合も同様である。その基礎となる素材はガラス(1)、または陶器そのものとみなすことができる。陶器の熱伝導率は例えば1−1.6である。
なお、図2に示した変形例のフィルム1Aにも同様の構成が適用可能である。
このように本実施形態によれば、フィルム1の装飾柄の基礎となる素材の接触冷温感に実際の接触冷温感を近似させるための熱伝導性フィラー7をフィルム1に混合させたので、実際の接触冷温感が見た目の印象に近似する好適なフィルム1を提供することができる。
図3は、本実施形態のフィルムの適用例を示す。この例においては、2種類の異なるフィルム1B,1C、例えば木目調フィルム1Bとクロムメッキ調フィルム1Cとが、自動車のドアトリムの一部をなす内装パネル11に適用されている。ここでは1枚の内装パネル11に2種類のフィルム1B,1Cが貼設されているが、フィルム毎に内装パネルを別体化し、これら内装パネルを互いに隣接させて設置してもよい。
図示するように、フィルム1B,1Cは互いに隣接されて配置されている。いわゆる異素材複合の加飾である。この場合、両方のフィルム1B,1Cに人の肌が同時に触れることがある。このとき人は、木目調フィルム1Bのある領域ではぬくもり感を感じ、クロムメッキ調フィルム1Cのある領域ではひんやり感を感じ、あたかも二種類の本物素材が並んで存在しているかの如く感じ取ることができる。従って人は、その内装材に高級感を感じることができる。
こうした異種隣接配置の場合、各フィルム1B,1Cの接触冷温感をそれぞれ本物素材の接触冷温感に合致させることよりもむしろ、両フィルム1B,1Cの間で接触冷温感をはっきり異ならせることが重要である。従ってそれを具現する熱伝導率も、必ずしも本物素材の熱伝導率に合致させなくてもよい。例えば木目調フィルム1Bに熱伝導性フィラー7を混合させない一方で、クロムメッキ調フィルム1Cについては、クロムの熱伝導率よりも低いが樹脂材料よりも明らかに高い熱伝導率となるように、熱伝導性フィラー7を混合させること、具体的には熱伝導性フィラー7の混合割合を調節することができる。こうすることで両フィルム1B,1Cの接触冷温感をはっきり異ならせることが可能である。しかもクロムメッキ調フィルム1Cへの熱伝導性フィラー7の混合割合を減らすことができ、材料費を低減できる。
他の装飾柄の組み合わせにおいても、両者間の熱伝導率差が異なる接触冷温感をもたらすように、熱伝導性フィラー7を混合させることが可能である。
以上、本発明の実施形態を詳細に述べたが、本発明は他の実施形態も可能である。例えば本発明に係る加飾用フィルムは、自動車内装材以外にも広く適用可能であり、例えばカー用品、建材、インテリア用品、家電品、おもちゃ、文房具等にも適用可能である。
本発明の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本発明に含まれる。従って本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
1 加飾用フィルム
5 クリア層
6 装飾層
7 熱伝導性フィラー
9 表面部

Claims (7)

  1. 樹脂材料により形成された加飾用フィルムであって、
    前記フィルムに混合され、前記フィルムの装飾柄の基礎となる素材の接触冷温感に実際の接触冷温感を近似させるための熱伝導性フィラーを備えた
    ことを特徴とする加飾用フィルム。
  2. 前記熱伝導性フィラーは、前記素材の熱伝導率に前記フィルムの表面部の熱伝導率を近似させるよう、前記フィルムに混合されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の加飾用フィルム。
  3. 前記熱伝導性フィラーは、前記素材の熱伝導率より高い熱伝導率を有する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の加飾用フィルム。
  4. 前記熱伝導性フィラーは、前記素材の熱伝導率が高いほど多い混合割合で前記フィルムに混合されている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の加飾用フィルム。
  5. 前記熱伝導性フィラーは、カーボンナノチューブおよびダイヤモンドの1種もしくは2種からなる
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の加飾用フィルム。
  6. 前記フィルムは、その表面部にクリア層を備え、前記熱伝導性フィラーは前記クリア層に混合されている
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の加飾用フィルム。
  7. 前記フィルムは、その表面部に、前記装飾柄を有する装飾層を備え、前記熱伝導性フィラーは前記装飾層に混合されている
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の加飾用フィルム。
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