JP2018052825A - ハイドロキシアパタイトゾル細胞増殖障害の治療剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】 副作用の少ない細胞増殖障害の治療剤及びその製造方法を提供する。【解決手段】 短軸および長軸方向の平均結晶子サイズが,3nm以上50nmであるハイドロキシアパタイトゾルを有効成分とする細胞増殖障害の治療剤。(1)水酸化カルシウム,(2)リン酸又はリン酸の塩,及び(3)炭酸ガス又は炭酸塩を作用させ,ハイドロキシアパタイトゾルを得る工程と,前記工程で得られたハイドロキシアパタイトゾルを用いて,細胞増殖障害の治療剤を得る工程を含む,細胞増殖障害の治療剤の製造方法【選択図】 なし
Description
本発明は,ハイドロキシアパタイトゾルを有効成分として含む細胞増殖障害の治療剤に関する。
下記非特許文献1及び2には,がん細胞や白血病細胞が培養されている培養液中にハイドロキシアパタイト微結晶が水中で懸濁しているゾル状液体物であるハイドロキシアパタイトゾル(HAp−sol)を投入すると細胞増殖が抑制されることが報告されている。非特許文献3には,白血病に罹患しているネズミの腹腔内にハイドロキシアパタイトゾルを投入すると延命効果が得られたことが報告されている。また,ハイドロキシアパタイト粒子を薬剤徐放担体として応用した研究報告や特許は枚挙にいとまがない。たとえば,非特許文献4には,水酸アパタイト(ハイドロキシアパタイト)細粒に抗がん剤「レンチナン」を含浸させてラットの癌性腹膜炎の治療に利用して効果があったことが記載されている。このハイドロキシアパタイト細粒は単に薬剤キャリアーとして利用されている。非特許文献5には,ハイドロキシアパタイト微結晶がエイズウイルスを破壊することが記載されている。
一方,非特許文献6には,ハイドロキシアパタイトゾルは,毒性があることが示唆されている。具体的に説明すると,この文献では,ハイドロキシアパタイトゾルを,ネズミの大腿静脈へ注入し急性毒性試験を実施し,半数致死量LD50を測定した結果,160mg/kgであることが報告されている。解剖所見からこの致死の原因は,ハイドロキシアパタイト結晶やその結晶が凝集して大きくなった二次粒子,さらに血液中のタンパク質などと結合した三次粒子が,肺静脈を閉塞し呼吸停止,脳血管を閉塞し脳梗塞の誘発,さらに血液中の電解質イオン濃度に変化を来たし心筋梗塞を惹起することが推測される。この危険性に加えて,ハイドロキシアパタイトは無機化合物で,陶磁器などのセラミックスの原料でもあり,比重が3.16とガラスの主成分であるシリカの2.2に比べて大きい。溶解度も小さく,凝集もし易いので血管内や体内の局所に沈殿しやすい。これらの理由から,ハイドロキシアパタイトゾルの体内投与剤として直接的臨床応用は考えられずに実用化もされなかった。
青木秀希,大柿真毅,他:HAp-solの扁平上皮癌細胞Ca9の増殖に及ぼす影響,医用器材研究所報告,27:39-44,1993年。
Ge Li, Hideki Aoki, et al: In vitro study on influence of a discrete nano-hydroxyapatite on leukemia P388 cell behavior, Biomed Mater Eng. 2007;17(5):321-7.
Ge Li, Huang Jian-ming, Hideki Aoki, et al: In vivo study on influence of a discrete nano-hydroxyapatite on leukemia P388 tissue in BALB/C mice, Chin J Pediatr, September 2007, Vol45(9): 692-6.
水野勇,谷口正哲,青木秀希,他:薬剤 carrier としての水酸アパタイト細粒を用いた徐放化レンチナンによる癌性腹膜炎の治療に関する実験的検討,人工臓器22(2):339-343,1993.
Hideki Aoki: Medical Applications of Hydroxyapatite, Ishiyaku EuroAmerica, Inc.1994, p.114-120.
青木秀夫,青木秀希:ラット静脈内投与によるハイドロキシアパタイト微粒子懸濁液の急性毒性,医用器材研究所報告,29:32-38,1995年。
本発明は,毒性や副作用の少ないハイドロキシアパタイトゾルを含む細胞増殖障害の治療剤を提供することを目的とする。
本発明は,上記の細胞増殖障害の治療剤ハイドロキシアパタイトゾルの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の側面は,ハイドロキシアパタイトゾルを有効成分とする細胞増殖障害の治療剤に関する。
細胞増殖障害の治療剤細胞増殖障害の治療剤は,ハイドロキシアパタイトゾルを有効成分とする。ハイドロキシアパタイトゾルは,短軸および長軸方向の平均結晶子サイズが,3nm以上50nm以下(好ましくは5nm以上30nm以下)であるハイドロキシアパタイトゾルを有効成分とする。ハイドロキシアパタイトは,凝集している場合もある。ここにいう結晶子サイズは,一次粒子であるハイドロキシアパタイトが凝集して二次粒子を形成している場合は,その一次粒子であるハイドロキシアパタイト結晶のサイズを意味する。ハイドロキシアパタイト結晶の外形は通常は六角板状あるいは六角柱状をしている。そのうち最も長い軸を長軸とし,それと垂直に交わる軸を短軸としたときに,長軸と短軸との長さの平均が,平均結晶子サイズである。
細胞増殖障害の治療剤細胞増殖障害の治療剤は,ハイドロキシアパタイトゾルを有効成分とする。ハイドロキシアパタイトゾルは,短軸および長軸方向の平均結晶子サイズが,3nm以上50nm以下(好ましくは5nm以上30nm以下)であるハイドロキシアパタイトゾルを有効成分とする。ハイドロキシアパタイトは,凝集している場合もある。ここにいう結晶子サイズは,一次粒子であるハイドロキシアパタイトが凝集して二次粒子を形成している場合は,その一次粒子であるハイドロキシアパタイト結晶のサイズを意味する。ハイドロキシアパタイト結晶の外形は通常は六角板状あるいは六角柱状をしている。そのうち最も長い軸を長軸とし,それと垂直に交わる軸を短軸としたときに,長軸と短軸との長さの平均が,平均結晶子サイズである。
ハイドロキシアパタイトゾルは,0.1重量%〜5重量%の炭酸イオンを含むものが好ましい。後述するとおり,純粋なハイドロキシアパタイトではなく,炭酸イオンを含むことで,結晶子の大きさを小さくすることができ,その結果,治療効果を高めることができるほか,副作用を軽減できる。
この細胞増殖障害の治療剤は,担体又は希釈材として生理的食塩水又はリンゲル液を含むものが好ましい。その結果,ハイドロキシアパタイト濃度が0.005重量%以上5重量%となるものが好ましい。ハイドロキシアパタイト濃度は,0.01重量以上1.0重量%以下であるものがより好ましい。
細胞増殖障害の治療剤細胞増殖障害の治療剤は,抗癌剤,白血病叉は炎症の治療剤であることが好ましい。
本発明の第2の側面は,細胞増殖障害の治療剤の製造方法に関する。この方法は,(1)水酸化カルシウム,(2)リン酸又はリン酸の塩,及び(3)炭酸ガス又は炭酸塩を作用させ,ハイドロキシアパタイトゾルを得る工程を有する。炭酸ガスは,二酸化炭素の気体である。炭酸を作用させるためには,例えば,(1)水酸化カルシウム及び(2)リン酸又はリン酸の塩を作用させた水溶液に,気体の二酸化炭素(炭酸ガス)を作用させればよい。また,炭酸塩の例は,炭酸ナトリウム,炭酸水素ナトリウム,及び炭酸カルシウムである。ハイドロキシアパタイトを製造する方法は公知である。(1)水酸化カルシウム及び(2)リン酸又はリン酸の塩の量は,公知のハイドロキシアパタイトの製造方法に従って調整すればよく,(1)水酸化カルシウム,(2)リン酸又はリン酸の塩のモル比は,例えば,1:2〜2:1の範囲で調整すればよい。炭酸ガス又は炭酸塩を作用させることで,結晶子や凝集径が大きくなりにくいハイドロキシアパタイト結晶を有するハイドロキシアパタイトゾルを得ることができる。
ハイドロキシアパタイトゾルを得る工程は,室温より低温(溶液が凍結する温度以上であって,例えば15℃以下,好ましくは10℃以下,さらに好ましくは5℃以下)で行われることが好ましい。
この胞増殖障害の治療剤の製造方法は,得られたハイドロキシアパタイトゾルを用いて,細胞増殖障害の治療剤を得る工程を含む。具体的には,ハイドロキシアパタイトゾルに生理食塩水及びリンゲル液のいずれか又は両方を添加し,ハイドロキシアパタイト濃度が0.005重量%以上5重量%以下とする。
ハイドロキシアパタイトゾルを,ネズミの大腿静脈へ注入し急性毒性試験を実施し,半数致死量LD50を測定すると,160mg/kgであることが報告されているが,この致死の原因は,ハイドロキシアパタイトの結晶子(一次粒子)が凝集して大きくなった二次粒子やこの二次粒子がさらにアルブミンなどのタンパク質と凝集した三次粒子が肺静脈を閉塞し呼吸停止,脳血管を閉塞し脳梗塞の誘発,さらに血液中のカルシウムやカリウムなどの電解質イオン濃度に変化を来たし心筋梗塞を惹起するためと推測される。
本発明のハイドロキシアパタイトゾルは,ナノサイズのハイドロキシアパタイト結晶が電解質イオンを含む生理食塩液,リンゲル液やアミノ酸液などの輸液中でよく分散されて懸濁されているゾル状液体物である。本発明のハイドロキシアパタイトゾルの結晶子や二次粒子の大きさは小さく,アミノ酸吸着によりタンパク質との凝集も少ないため,分散性や流動性もよく血管閉塞や脳梗塞などの誘発の副作用も少ない。さらに電解質イオンを含む生理食塩液やリンゲル液で分散されているため,血液や体内の電解質イオン濃度に大きな変化を及ぼさないので心筋梗塞などを誘発する危険性も少ない細胞増殖障害の治療剤を提供できる。
純粋なハイドロキシアパタイトの化学式は,Ca10(PO4)6(OH)2で表される。しかしハイドロキシアパタイトを通常の水溶液反応により合成するときに空気中の炭酸ガスがハイドロキシアパタイト結晶中,特にリン酸イオンの代わりに炭酸イオンとして取り込まれる。血液中にも炭酸ガスが多いので骨を形成するハイドロキシアパタイト微結晶も数%の炭酸イオンを含む。この炭酸イオンはハイドロキシアパタイトの結晶子を小さくする効果がある。一方,炭酸ガスフリーにした合成条件で純粋なハイドロキシアパタイトを合成すると針状結晶になりやすく結晶子も大きくなる傾向にあった。本発明のハイドロキシアパタイトゾルは,結晶中に0.1〜5重量%の炭酸イオンを含むことが好ましい。
本発明のハイドロキシアパタイト超微結晶を得るためには,大気中,室温付近あるいはそれ以下の低温度で,カルシウム塩およびリン酸水溶液の反応によりハイドロキシアパタイトが生成する濃度を20重量%以下にすることが好ましい。この濃度を超えた状態で,ハイドロキシアパタイトゲルを製造すると,凝集状態のハイドロキシアパタイトゲルが得られる。合成後,生理食塩液やリンゲル液で15%以下の所望の濃度に希釈し,撹拌後,数時間以上静置し,結晶子サイズや二次粒子が大きくなり沈降したハイドロキシアパタイトゾルを除去することで,結晶子が小さく分散性のよいハイドロキシアパタイトゾルを採取して得ることができる。さらに,室温以下の反応温度で合成すると5nm以上50nm以下のハイドロキシアパタイトの結晶子を得ることができる。二次粒子の大きさは200nm以下で,沈降性あるいは従来のハイドロキシアパタイトゾルの1000nm以上より小さいものを得ることができる。
結晶子の大きさは,結晶の大きさとほぼ同義語である。JIS H7803:2005(金属触媒の粒子径及び結晶子径測定方法通則)に従ってX線回折法やJIS7804:2005(電子顕微鏡による金属触媒の粒子径測定方法)を用いて測定できる。
本発明の細胞増殖障害の治療剤は,たとえば,注射剤,又は灌流剤として注射器やカテーテルによって体内の局所や血管に投与する。そのために体内や血液中の電解質イオン濃度に大きな変化を与えないように,またハイドロキシアパタイトゾルの分散性や流動性を改善するために生理食塩液,電解質イオンを含むリンゲル液やアミノ酸を含むアミノ酸液などの輸液で,ハイドロキシアパタイト濃度が重量%で0.005〜5.0%,好ましくは0.01〜1.0%に調製されればよい。
本発明のハイドロキシアパタイトゾルは,従来の水中で懸濁されているハイドロキシアパタイトゾルと異なり,生理食塩液,リンゲル液などの電解質を含んだ輸液中あるいは溶液中で懸濁されているゾル状液体物である。本細胞増殖障害の治療剤は,血管内の電解質イオン濃度に大きな変化を及ぼすことなく,さらに電解質イオンによりハイドロキシアパタイト微結晶が安定的に分散されている。
この細胞増殖障害の治療剤は,抗癌剤であるか,白血病又は炎症の治療剤であることが好ましい。
本発明の細胞増殖障害の治療剤は,たとえば,注射剤,又は灌流剤として注射器やカテーテルによって体内の局所や血管に投与することができる。
本発明は,毒性および副作用の少ないハイドロキシアパタイトゾルを有効成分とする細胞増殖障害の治療剤を提供することができる。
本発明は,上記の細胞増殖障害の治療剤の製造方法を提供できる。
本発明の第1の側面は,生理食塩液,リンゲル液やアミノ酸液などの輸液で分散されたハイドロキシアパタイトゾルを有効成分とする細胞増殖障害の治療剤に関する。
すなわち,上記の非特許文献に開示され実証されるとおり,ハイドロキシアパタイト微結晶が輸液中で懸濁しているゾル状液体ハイドロキシアパタイトゾル(HAp−sol)には,例えば抗癌作用といった細胞増殖障害治療作用が存在する。本発明の剤の有効成分は,ハイドロキシアパタイトである。ハイドロキシアパタイトゾルには,ハイドロシキアパタイトが含まれている。ハイドロキシアパタイトゾルは,ゾル状であっても良いし,懸濁液であってもよい。ハイドロキシアパタイトの水中での溶解度は約0.001%(10ppm)であるが,生理食塩液での溶解度は約0.003%であるので,ハイドロキシアパタイトゾル濃度が0.003%以下であるとハイドロキシアパタイト結晶は全て溶解し消えてしまう。また,ハイドロキシアパタイト濃度が20%以上になるとゲル状となり,流動性が悪く,血管閉塞や脳梗塞などを誘発する毒性など副作用が増大する。
本発明により,すなわちカルシウムおよびリン酸水溶液を大気中,室温付近あるいはそれ以下の温度で無菌的に反応させてハイドロキシアパタイトゾルが製造される。このとき大気中の炭酸ガスが反応溶液中に溶解した炭酸イオンにより,ハイドロキシアパタイトの組成の一部として数%(重量%)以下の炭酸イオンを含む。一方,炭酸イオンをフリーにしてハイドロキシアパタイトを合成するとハイドロキシアパタイト結晶は成長し針状結晶となりやすいことを見出した。炭酸イオンはハイドロキシアパタイトの結晶子の大きさを小さくする効果がある。しかし,ハイドロキシアパタイト中の過剰の炭酸イオンは体内や血管内に自然に放出されて組成が変化する場合がある。
さらに,合成されたハイドロキシアパタイトゾルを生理食塩液やリンゲル液で所望の濃度に調製し,静置すると,凝集した沈降性のハイドロキシアパタイトゾルは下部に,分散した浮遊性のハイドロキシアパタイトゾルは上部に分離される。浮遊性のハイドロキシアパタイト結晶は,沈降性のハイドロキシアパタイトに比べて結晶子サイズや二次粒子サイズ(凝集サイズ)は小さい。浮遊性のハイドロキシアパタイトゾルは,平均結晶子サイズが5〜50nmのナノサイズの結晶が安定的に分散している。結晶子の大きさは,X線回折法や電子顕微鏡を用いて測定できる。
本発明のハイドロキシアパタイトゾルは,電解質イオンを含む生理食塩液やリンゲル液やアミノ酸輸液でハイドロキシアパタイト濃度が重量%で0.005〜5.0%,好ましくは0.01〜1.0%に調製されている。
本発明のハイドロキシアパタイトゾルの有効成分であるハイドロキシアパタイトの結晶子を小さくし,輸液で分散し,流動性の良い濃度を選択することにより,本細胞増殖障害の治療剤は毛細血管などを閉塞し,電解質イオン濃度変化による心筋梗塞の誘発などが大幅に軽減された。致死量も大幅に増大し安全なものとなった。
細胞増殖障害は,良性または悪性の,固形腫瘍または液体腫瘍(例えば,転移性または非転移性の肉腫または癌腫,あるいは骨髄腫,リンパ腫,または白血病のような造血性の癌などを含む。さらなる特定の局面において,細胞増殖障害を含む細胞の少なくとも一部は,血液,胸部,肺,甲状腺,頭部または頸部,脳,リンパ,胃腸管,鼻咽頭,尿生殖器管,膀胱,腎臓,すい臓,肝臓,骨,筋肉,あるいは皮膚の中に局在する。
ハイドロキシアパタイトは弱アルカリ性で炎症により引き起こされる酸性反応を中和し炎症を緩和して炎症細胞の増殖を抑制する。ハイドロキシアパタイト結晶,炭酸含有ハイドロキシアパタイト,ハイドロキシアパタイトゾル及びそれらの製造方法は,先に説明した非特許文献のとおり公知である。また,ハイドロキシアパタイトのゾルが細胞増殖障害治療作用を有する点も,先に説明した非特許文献のとおり公知である。しかし,これら公知の製造方法で得られたハイドロキシアパタイトゾルは電解質を含まない水中懸濁物で,血管内に投入されると血中のアルブミンなどのタンパク質と吸着誌,また電解質イオン濃度に変化を来たし血管閉塞や心筋梗塞などの副作用を来たす恐れがあった。またハイドロキシアパタイトの結晶子サイズは50〜100nm前後で比較的大きい。一方,本発明のハイドロキシアパタイトゾルは生理食塩液やリンゲル液中で懸濁されており血中の電解質イオン濃度に変化を来たすことはない。さらに,ハイドロキシアパタイトの結晶子サイズは3〜50nmと小さく血管閉塞や脳梗塞を誘発する危険性は極めて小さくなった。好ましいハイドロキシアパタイトの結晶子サイズは,3〜30nmであってもよいし,5nm〜30nmであってもよいし,3〜15nmであってもよいし,5〜15nmであってもよいし,3〜10nmであってもよいし,5〜10nmであってもよい。なお,結晶の長軸が20nm以下であることが好ましい。
さらにハイドロキシアパタイト懸濁液中に微量のアミノ酸を添加することによりタンパク質の吸着量が減少した。アミノ酸は市販のアミノ酸輸液などを利用しても良い。
電解質を含む輸液で希釈することでハイドロキシアパタイトが血液中のカルシウムイオンなどの電解質濃度を低下することが抑制できた.その結果,半数致死量の数値も増大した。
この細胞増殖障害の治療剤は,無菌室で無菌的に製造される。必要に応じて合成反応後,メンブレンフィルターを利用した濾過滅菌または公知のガンマー線照射機を用いて滅菌を行うこともできる。
本明細書は,細胞増殖障害の治療剤を対象に投与する細胞増殖障害の治療方法をも提供する。
本発明の細胞増殖障害の治療剤は,たとえば,注射剤,又は灌流剤として局所投与することができる。
ハイドロキシアパタイトゾルの合成と食塩添加
1モルの水酸化カルシウムと0.6モルのリン酸の各1Lの水溶液を,反応温度10℃,20℃および40℃でおのおの30分から1時間撹拌しながら中和反応させてハイドロキシアパタイトゾルを合成した。得られたハイドロキシアパタイトゾルの濃度は5%(重量%)であった。これに18gの食塩を加え0.9%の生理食塩液の濃度に調製したもの及び食塩無添加のゾルを一定温度で1日間静置した。いずれのゾルも静置後沈降性,浮遊性および透明性部分に分離していたが,食塩を添加したものは分離が早く明確に3層に分かれていた。
1モルの水酸化カルシウムと0.6モルのリン酸の各1Lの水溶液を,反応温度10℃,20℃および40℃でおのおの30分から1時間撹拌しながら中和反応させてハイドロキシアパタイトゾルを合成した。得られたハイドロキシアパタイトゾルの濃度は5%(重量%)であった。これに18gの食塩を加え0.9%の生理食塩液の濃度に調製したもの及び食塩無添加のゾルを一定温度で1日間静置した。いずれのゾルも静置後沈降性,浮遊性および透明性部分に分離していたが,食塩を添加したものは分離が早く明確に3層に分かれていた。
ハイドロキシアパタイトゾルの合成とリンゲル液
実施例1に準じて,1モルの水酸化カルシウムと0.6モルのリン酸の各1Lの水溶液を,反応温度10℃,20℃および40℃でおのおの30分から1時間撹拌しながら中和反応させて5%濃度のハイドロキシアパタイトゾルを合成した。この100mLに900mLのリンゲル液を加えてハイドロキシアパタイトの0.5%濃度とし,これを10分間撹拌後,1日間静置し上部の浮遊性のハイドロキシアパタイトゾルを採取するとハイドロキシアパタイト濃度は0.1%(重量%)であった。
実施例1に準じて,1モルの水酸化カルシウムと0.6モルのリン酸の各1Lの水溶液を,反応温度10℃,20℃および40℃でおのおの30分から1時間撹拌しながら中和反応させて5%濃度のハイドロキシアパタイトゾルを合成した。この100mLに900mLのリンゲル液を加えてハイドロキシアパタイトの0.5%濃度とし,これを10分間撹拌後,1日間静置し上部の浮遊性のハイドロキシアパタイトゾルを採取するとハイドロキシアパタイト濃度は0.1%(重量%)であった。
食塩とリンゲル液添加と無添加の結晶子の変化
実施例1および実施例2で合成された食塩添加,食塩無添加およびリンゲル液添加の沈降性と浮遊性のゾルをろ過・乾燥後の粉末を,JIS H7803:2005(金属触媒の粒子径及び結晶子径測定方法通則)に準じてX線回折法で測定した。具体的には粉末X線回折パターンの各回折幅の半価値(ラジアン)を測定しシェラーの式から結晶子の大きさを計算した。ハイドロキシアパタイトの結晶子の短軸および長軸方向の大きさの平均値は,合成条件によって3〜200nmの範囲であった。低温の10℃で合成し,食塩やリンゲル液を添加し,さらに浮遊性のハイドロキシアパタイトゾルを選択すれば結晶子は小さく,20℃になると結晶子は少し大きくなり,40℃になるとさらに大きく上限に近づく。
実施例1および実施例2で合成された食塩添加,食塩無添加およびリンゲル液添加の沈降性と浮遊性のゾルをろ過・乾燥後の粉末を,JIS H7803:2005(金属触媒の粒子径及び結晶子径測定方法通則)に準じてX線回折法で測定した。具体的には粉末X線回折パターンの各回折幅の半価値(ラジアン)を測定しシェラーの式から結晶子の大きさを計算した。ハイドロキシアパタイトの結晶子の短軸および長軸方向の大きさの平均値は,合成条件によって3〜200nmの範囲であった。低温の10℃で合成し,食塩やリンゲル液を添加し,さらに浮遊性のハイドロキシアパタイトゾルを選択すれば結晶子は小さく,20℃になると結晶子は少し大きくなり,40℃になるとさらに大きく上限に近づく。
炭酸イオンの効果
実施例1に準じて,1モルの水酸化カルシウムと0.6モルのリン酸の各1Lの水溶液に窒素ガスを吹き込み炭酸イオンフリーにして,窒素雰囲気中で,反応温度20℃で30分から1時間撹拌しながら中和反応させてハイドロキシアパタイトゾルを合成した。透過電子顕微鏡で観察するとハイドロキシアパタイトの結晶形態はシャープな針状結晶で短軸方向の長さは5〜20nmで長軸方向は100〜1000nmと大きかった。赤外線吸収スペクトルで観察すると,炭酸イオンの存在は認められなかった。純粋なハイドロキシアパタイトと確認された。
実施例1に準じて,1モルの水酸化カルシウムと0.6モルのリン酸の各1Lの水溶液に窒素ガスを吹き込み炭酸イオンフリーにして,窒素雰囲気中で,反応温度20℃で30分から1時間撹拌しながら中和反応させてハイドロキシアパタイトゾルを合成した。透過電子顕微鏡で観察するとハイドロキシアパタイトの結晶形態はシャープな針状結晶で短軸方向の長さは5〜20nmで長軸方向は100〜1000nmと大きかった。赤外線吸収スペクトルで観察すると,炭酸イオンの存在は認められなかった。純粋なハイドロキシアパタイトと確認された。
Ca/Pと炭酸イオン濃度
ハイドロキシアパタイトゾル中に含まれる炭酸イオン濃度をカルシウムとリンの分析値から計算した。実施例1の10,20および40℃で合成されたハイドロキシアパタイトゾルおよび,実施例4で合成された炭酸イオンフリーのハイドロキシアパタイトゾルのCa/Pを蛍光X線分析装置で測定した。炭酸イオンの存在は赤外吸収スペクトル(FTIR)で確認した。炭酸イオンフリーのCa/Pは1.67で炭酸イオンが存在しない純粋なハイドロキシアパタイトの理論値であった。一方,炭酸イオンが増えるとCa/Pが理論値より大きくなり,リン酸基に炭酸イオンが置換したと仮定して,また電荷の補正も行って炭酸イオンの濃度を計算すると,10,20,40℃および炭酸イオンフリーではそれぞれ1.9(4.7%),1.8(2.9%),1.69(0.6%),1.67(0.0%)であった。ハイドロキシアパタイト中の炭酸イオン濃度を高めるためには合成反応溶液中の炭酸塩などを添加することにより可能である。
ハイドロキシアパタイトゾル中に含まれる炭酸イオン濃度をカルシウムとリンの分析値から計算した。実施例1の10,20および40℃で合成されたハイドロキシアパタイトゾルおよび,実施例4で合成された炭酸イオンフリーのハイドロキシアパタイトゾルのCa/Pを蛍光X線分析装置で測定した。炭酸イオンの存在は赤外吸収スペクトル(FTIR)で確認した。炭酸イオンフリーのCa/Pは1.67で炭酸イオンが存在しない純粋なハイドロキシアパタイトの理論値であった。一方,炭酸イオンが増えるとCa/Pが理論値より大きくなり,リン酸基に炭酸イオンが置換したと仮定して,また電荷の補正も行って炭酸イオンの濃度を計算すると,10,20,40℃および炭酸イオンフリーではそれぞれ1.9(4.7%),1.8(2.9%),1.69(0.6%),1.67(0.0%)であった。ハイドロキシアパタイト中の炭酸イオン濃度を高めるためには合成反応溶液中の炭酸塩などを添加することにより可能である。
食塩添加と無添加のLD50致死量の変化
実施例1の10℃,20℃および40℃で合成された沈降性と浮遊性の1%濃度を持つハイドロキシアパタイトゾルをネズミの大腿静脈にゆっくり注入し,半数致死量LD50を測定したところ,表1のようになった。
実施例1の10℃,20℃および40℃で合成された沈降性と浮遊性の1%濃度を持つハイドロキシアパタイトゾルをネズミの大腿静脈にゆっくり注入し,半数致死量LD50を測定したところ,表1のようになった。
LD50致死量は100mg/kgから550mg/kgの範囲であり,低温度で合成し,電解質の食塩を添加し,浮遊性のハイドロキシアパタイトゾルの結晶子は小さくなり,致死量は増大した。すなわちハイドロキシアパタイトゾルの毒性は小さくなった。血管内に注入するときは浮遊性のハイドロキシアパタイトゾルで結晶子の大きさはできるだけ小さい方が好ましい。
リンゲル液で調整したハイドロキシアパタイトゾルの毒性試験
実施例1の20℃で合成された沈降性のハイドロキシアパタイトゾル5%液の10mLに90mLの市販のリンゲル液で希釈し0.5%のハイドロキシアパタイトゾルを調製した。これによりネズミを用いてLD50致死量を測定した。390mg/kgとなり希釈前の160mg/kgや食塩添加の370mg/kgより多くなり,リンゲル液のカルシウムやカリウムなどの電解質イオンの効果が考えられた。
実施例1の20℃で合成された沈降性のハイドロキシアパタイトゾル5%液の10mLに90mLの市販のリンゲル液で希釈し0.5%のハイドロキシアパタイトゾルを調製した。これによりネズミを用いてLD50致死量を測定した。390mg/kgとなり希釈前の160mg/kgや食塩添加の370mg/kgより多くなり,リンゲル液のカルシウムやカリウムなどの電解質イオンの効果が考えられた。
電解質の効果
実施例1の20℃で製造された5%ハイドロキシアパタイトゾルの10mLを蒸留水90mLで希釈して得られた0.5%のハイドロキシアパタイトゾル10mLを体重10kgの犬の大腿静脈内に注入して注入直後に血液検査を行った。血中のカルシウムとカリウムイオンが数%減少した。心筋梗塞を惹起する可能性が示唆された。そこで同じ犬に,実施例4で製造されたリンゲル液添加の0.5%濃度のハイドロキシアパタイトゾルHAの10mLを大腿静脈に注入し直後の血液検査をするとカルシウムにもカリウムにも濃度変化は見られなかった。リンゲル液中に含まれるカルシウムやカリウムの効果が推定された。
実施例1の20℃で製造された5%ハイドロキシアパタイトゾルの10mLを蒸留水90mLで希釈して得られた0.5%のハイドロキシアパタイトゾル10mLを体重10kgの犬の大腿静脈内に注入して注入直後に血液検査を行った。血中のカルシウムとカリウムイオンが数%減少した。心筋梗塞を惹起する可能性が示唆された。そこで同じ犬に,実施例4で製造されたリンゲル液添加の0.5%濃度のハイドロキシアパタイトゾルHAの10mLを大腿静脈に注入し直後の血液検査をするとカルシウムにもカリウムにも濃度変化は見られなかった。リンゲル液中に含まれるカルシウムやカリウムの効果が推定された。
ハイドロキシアパタイトゾルを輸液で希釈
実施例1の20℃,食塩無添加で合成された5%ハイドロキシアパタイトゾルの10mLに蒸留水90mL加えて0.5%濃度のハイドロキシアパタイトゾル100mLを調製した。また生理食塩液90mLを加えて0.5%濃度のハイドロキシアパタイトゾル100mLを調製した。両者のハイドロキシアパタイトゾル中のカルシウムイオン濃度を測定すると,後者の方が3倍大きかった。食塩の強電解質イオンによりハイドロキシアパタイトの溶解度が3倍大きいことを証明した。すなわち,従来の水中で懸濁しているハイドロキシアパタイトゾルを生理食塩液やリンゲル液の点滴で希釈して患者に投与する方法はハイドロキシアパタイト濃度などや分散性などに変化を引き起こし濃度,分散性,凝集性や沈降性などに関して安定したハイドロキシアパタイトゾルが得られなかった。
実施例1の20℃,食塩無添加で合成された5%ハイドロキシアパタイトゾルの10mLに蒸留水90mL加えて0.5%濃度のハイドロキシアパタイトゾル100mLを調製した。また生理食塩液90mLを加えて0.5%濃度のハイドロキシアパタイトゾル100mLを調製した。両者のハイドロキシアパタイトゾル中のカルシウムイオン濃度を測定すると,後者の方が3倍大きかった。食塩の強電解質イオンによりハイドロキシアパタイトの溶解度が3倍大きいことを証明した。すなわち,従来の水中で懸濁しているハイドロキシアパタイトゾルを生理食塩液やリンゲル液の点滴で希釈して患者に投与する方法はハイドロキシアパタイト濃度などや分散性などに変化を引き起こし濃度,分散性,凝集性や沈降性などに関して安定したハイドロキシアパタイトゾルが得られなかった。
白血病細胞の増殖抑制
実施例1の20℃で製造された浮遊性のハイドロキシアパタイトゾルの40μgをP388白血病細胞が約5万個培養されている培地2mLに添加して,4日間5%炭酸ガスインキュベータ中で培養したところ無添加のコントロールに比べて細胞増殖が大幅に抑制されていた。
実施例1の20℃で製造された浮遊性のハイドロキシアパタイトゾルの40μgをP388白血病細胞が約5万個培養されている培地2mLに添加して,4日間5%炭酸ガスインキュベータ中で培養したところ無添加のコントロールに比べて細胞増殖が大幅に抑制されていた。
炎症の治療
ビーグル犬の左右第3大臼歯を抜歯し,3週間放置後,左右抜歯窩を直径3.0mmのドリルで円柱状に削った。そこに直径3.5mmのワンピースのチタン製インプラントを埋植した。左側の埋植部はそのままにして,右側の埋植部のインプラントと骨組織の隙間に実施例1の20℃で合成し食塩を添加した浮遊性の1%ハイドロキシアパタイトゾルの1mLを注入し,歯肉を縫合した。1週間後に病理組織像で検索すると,ハイドロキシアパタイトゾルを注入した部位には新生骨が形成され,炎症も回復していた。一方,無処理の方には新生骨は形成されず炎症も未回復であった。本発明のハイドロキシアパタイトゾルが炎症細胞の増殖を抑制したものと推定された。
ビーグル犬の左右第3大臼歯を抜歯し,3週間放置後,左右抜歯窩を直径3.0mmのドリルで円柱状に削った。そこに直径3.5mmのワンピースのチタン製インプラントを埋植した。左側の埋植部はそのままにして,右側の埋植部のインプラントと骨組織の隙間に実施例1の20℃で合成し食塩を添加した浮遊性の1%ハイドロキシアパタイトゾルの1mLを注入し,歯肉を縫合した。1週間後に病理組織像で検索すると,ハイドロキシアパタイトゾルを注入した部位には新生骨が形成され,炎症も回復していた。一方,無処理の方には新生骨は形成されず炎症も未回復であった。本発明のハイドロキシアパタイトゾルが炎症細胞の増殖を抑制したものと推定された。
アミノ酸添加によるタンパク質吸着量の減少
実施例4で製造されたリンゲル液添加の0.5%濃度のハイドロキシアパタイトゾル1Lおよび3%アミノ酸液の20mLがさらに添加されたハイドロキシアパタイトの1Lをカラムに充填した。成犬静脈から採取,分離した血清を1mMoLのリン酸カリウム(pH6.8)緩衝液にて溶解後,血清試料としてカラムに通過させた。通過前後には1mMolのリン酸カリウム緩衝液を通過させた。 血清試料を通過させた後,懸濁液および混合液をろ過・乾燥して粉末とした。これを500℃,空気中で加熱し,加熱前後の重量を測定するとアミノ酸液を添加したハイドロキシアパタイトの乾燥粉末がアミノ酸液無添加の乾燥粉末より重量減少は小さかった。すなわちアミノ酸液を添加すると血清中のタンパク質などが吸着しにくいことが推定された。
実施例4で製造されたリンゲル液添加の0.5%濃度のハイドロキシアパタイトゾル1Lおよび3%アミノ酸液の20mLがさらに添加されたハイドロキシアパタイトの1Lをカラムに充填した。成犬静脈から採取,分離した血清を1mMoLのリン酸カリウム(pH6.8)緩衝液にて溶解後,血清試料としてカラムに通過させた。通過前後には1mMolのリン酸カリウム緩衝液を通過させた。 血清試料を通過させた後,懸濁液および混合液をろ過・乾燥して粉末とした。これを500℃,空気中で加熱し,加熱前後の重量を測定するとアミノ酸液を添加したハイドロキシアパタイトの乾燥粉末がアミノ酸液無添加の乾燥粉末より重量減少は小さかった。すなわちアミノ酸液を添加すると血清中のタンパク質などが吸着しにくいことが推定された。
本発明は製薬業において利用されうる。
Claims (9)
- ハイドロキシアパタイトゾルを有効成分とする細胞増殖障害の治療剤であって,
前記ハイドロキシアパタイトゾルは,短軸および長軸方向の平均結晶子サイズが,3nm以上50nm以下であるハイドロキシアパタイトを含む,
細胞増殖障害の治療剤。 - 請求項1に記載の細胞増殖障害の治療剤であって,
前記ハイドロキシアパタイトの短軸および長軸方向の平均結晶子サイズが,5nm以上30nm以下である,細胞増殖障害の治療剤。 - 請求項1に記載の細胞増殖障害の治療剤であって,
ハイドロキシアパタイトゾルは,0.1重量%〜5重量%の炭酸イオンを含む,
細胞増殖障害の治療剤。 - 請求項1に記載の細胞増殖障害の治療剤であって,
生理的食塩水又はリンゲル液をさらに含み,ハイドロキシアパタイト濃度が0.005重量%以上5重量%以下である剤。 - 請求項1に記載の細胞増殖障害の治療剤であって,
生理的食塩水又はリンゲル液をさらに含み,ハイドロキシアパタイト濃度が0.01重量以上1.0重量%以下である剤。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の細胞増殖障害の治療剤であって,
前記細胞増殖障害の治療剤が,抗癌剤,白血病叉は炎症の治療剤である,
剤。 - (1)水酸化カルシウム,(2)リン酸又はリン酸の塩,及び(3)炭酸ガス又は炭酸塩を作用させ,ハイドロキシアパタイトゾルを得る工程と,
前記工程で得られたハイドロキシアパタイトゾルを用いて,細胞増殖障害の治療剤を得る工程を含む,
細胞増殖障害の治療剤の製造方法。 - 請求項7に記載の細胞増殖障害の治療剤の製造方法であって,前記ハイドロキシアパタイトゾルを得る工程は,15℃以下で行われる,細胞増殖障害の治療剤の製造方法。
- 請求項7に記載の細胞増殖障害の治療剤の製造方法であって,
前記細胞増殖障害の治療剤を得る工程は,前記ハイドロキシアパタイトゾルに生理食塩水及びリンゲル液のいずれか又は両方を添加し,ハイドロキシアパタイト濃度が0.005重量%以上5重量%以下とする工程を含む,
細胞増殖障害の治療剤の製造方法。
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JP2020029404A (ja) * | 2018-08-20 | 2020-02-27 | 秀希 青木 | 腸溶性組成物及びその製造方法 |
Citations (3)
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---|---|---|---|---|
JP2009298666A (ja) * | 2008-06-16 | 2009-12-24 | Okayama Prefecture | ヒドロキシアパタイト |
CN104825490A (zh) * | 2015-04-23 | 2015-08-12 | 华东理工大学 | 具有抗肿瘤活性的羟基磷灰石纳米粒子及其制备方法和应用 |
JP2015155392A (ja) * | 2014-02-20 | 2015-08-27 | 弘幸 中西 | グルコースと炭酸アパタイトを使用した抗癌剤 |
-
2016
- 2016-09-26 JP JP2016187543A patent/JP2018052825A/ja active Pending
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