JP2018052791A - 炭素/炭素複合材料の前駆体用マトリックス組成物およびそれを使用したプリプレグの製造方法 - Google Patents

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関戸 俊英
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Abstract

【課題】主としてレジンチャー法による炭素/炭素複合材料の製造工程において、炭素/炭素複合材料の前駆体として所定の形状に賦形する工程において、極めて短時間の加熱によって、炭素/炭素複合材料の前駆体として所定の形状に賦形することが可能であり、かつ、高密度化処理を必要としない、あるいは高密度化処理が必要であるとしてもその処理回数を低減することができる、炭素/炭素複合材料の前駆体用マトリックス組成物およびそれを使用したプリプレグの製造方法を提供する。【解決手段】炭素/炭素複合材料の前駆体用マトリックス組成物であって、ピッチと芳香族系有機溶剤からなる混合溶液Aと、レゾール型フェノール樹脂と熱解離型酸発生剤とアルコール系有機溶剤からなる混合溶液Bとを混合して得られるマトリックス組成物。混合溶液Aと混合溶液Bとを混合する際に界面活性剤を添加することが好ましい、マトリックス組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、炭素/炭素複合材料の前駆体を製造するために好適なマトリックス組成物と、そのマトリックス組成物を使用したプリプレグの製造方法に係り、更に詳細には、主としてレジンチャー法による炭素/炭素複合材料の製造工程において形成される前駆体において、当該前駆体のマトリックス部分を形成することになる組成物と、そのマトリックス組成物を使用したプリプレグの製造方法に係る。
炭素/炭素複合材料(C/Cコンポジット材料とも呼ばれている)は、従来の炭素材料、あるいは黒鉛材料に比べ数倍の強度、弾性率を備えると共に、耐熱性、耐摩耗性、靱性に優れていることから、宇宙往還機等のノーズキャップや翼のリーディングエッジ等、ジェットエンジンやガスタービンの耐熱部品、人工関節用材料、航空機、レーシングカー、新幹線車両、大型重量車両等のブレーキ、熱処理炉の炉内構造材、トレイ、ヒーター、半導体製造炉や太陽電池製造炉における製品ハンドリングフォーク、金属加工用の高温治具等に使用されてきており、その用途は一般工業用に広く拡大してきている。
代表的な炭素/炭素複合材料の製造方法として、CVD法やレジンチャー法、あるいはこれらの製造方法を組み合わせた方法が採用されてきている。
例えば、CVD法により炭素/炭素複合材料を製造する場合、まず、炭素繊維で所定形状(例えば、板状、棒状、ブロック状、円筒状の形状)の構造物を形成し、この炭素繊維構造物を炉内で高温に加熱した上で、例えば水素ガスをキャリアーガスとし、炭化水素ガスを炉内に導入して熱分解させる。
熱分解した炭素は、炭素繊維表面に蒸着していくため、炭素繊維の間の空間を蒸着した炭素で埋めていくことができる。 このようにして炭素繊維の間の空間に熱分解炭素が蒸着していくことにより炭素繊維の間の空間に炭素マトリックスが充填された状態の炭素/炭素複合材料が形成される。
このようにして製造された炭素/炭素複合材料は、使用目的に応じて、炭素を蒸着させた温度よりも更に高温(例えば2000〜3000℃)に加熱処理することにより、炭素/炭素複合材料を構成する炭素をグラファイト化(黒鉛結晶化)処理した上で使用される場合もある。
しかし、CVD法により炭素/炭素複合材料を製造する場合、炉内で炭化水素ガスが適切に熱分解される条件を維持できるように炉内雰囲気を制御することが難しく、また、熱分解した炭素を炭素繊維表面に均一に蒸着させるためのガスの流れを制御することにも高度な技術を要し、炭素/炭素複合材料の内部に炭素を十分蒸着させるためには、単位時間当たりの炭素の蒸着量を極めて少量になるように設定しなければならなかった。
したがって、CVD法によりC/Cコンポジット材を製造するには、高価な設備が必要になると共に、高密度化に長時間を要し、極めて生産性が低いという問題があった。
一方、レジンチャー法により炭素/炭素複合材料を製造する場合、代表的には以下のような工程を経て炭素/炭素複合材料が製造されている。
(1)炭素繊維にフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させ、揮発成分を乾燥除去したプリプレグを製造し、
(2)このプリプレグを積層し、あるいは金型内入れて、加熱・加圧することより熱硬化性樹脂を架橋反応させて硬化し、所定の形状(例えば、板状、棒状、ブロック状、円筒状の形状)に賦形された炭素/炭素複合材料の前駆体を得る。
(3)強化繊維としての炭素繊維と、マトリックス材料としての硬化樹脂から成る上記前駆体を不活性ガス雰囲気下で加熱(数百〜1000℃程度)し炭化処理し、必要に応じて更に黒鉛化処理(2000〜3000℃程度)する。
(4)上記前駆体を炭化処理して得られた成形体、あるいは更に黒鉛化処理して得られた成形体に、ピッチ又はフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸し、
(5)ピッチ又は樹脂を含浸した成形体を更に炭化処理し、必要に応じて黒鉛化処理する。
そして、成形体の密度が所定のレベルに到達するまで、(4)および(5)の工程を繰り返すことによって所望する炭素/炭素複合材料の成形体が得られる。
このようなレジンチャー法による炭素/炭素複合材料の製造方法においては、熱硬化性樹脂を架橋反応させて硬化させる工程においては、所定の形状を有する前駆体に賦形するために、熱硬化性樹脂の架橋反応が完了するまで、所定の圧力を加えつつ所定の温度に維持することが必要となる。 従って、炭素/炭素複合材料の前駆体として所定の形状に賦形する工程において、長い処理時間が必要になるという問題があった。
更に、レジンチャー法による炭素/炭素複合材料の製造方法においては、炭素繊維とマトリックス材料としての硬化樹脂から成る前駆体を炭化処理、黒鉛化処理する工程においては、マトリックス材料(熱硬化性樹脂の硬化樹脂)の一部がガス化して消失し、マトリックス材料の一部のみが炭素質マトリックス、あるいは黒鉛質マトリックスとして残存することになる。
したがって、炭化処理、黒鉛化処理が終了した後のマトリックス部分は多孔質な状態として残るため、炭素/炭素複合材料としての構成は備えているものの、炭素繊維と炭素質又は黒鉛質マトリックスとの結合力は弱く、十分な強度、弾性率等の特性を持つ炭素/炭素複合材料とはならない。
そこで、多孔質なマトリックスの空洞部分に、ピッチ粉末又は熱硬化性樹脂を加熱して溶融状態にしたピッチ又は熱硬化性樹脂(例えば、フェノール樹脂)を含浸させて炭化処理、黒鉛化処理を行う工程(マトリックスの空孔率を下げるための工程であり、高密度化処理ともいう)を行うのが一般的である。
一般的には、この高密度化処理は、各用途において必要とする炭素/炭素複合材料の特性を満たすようになるまで繰り返し実施される。 従って、炭素/炭素複合材料の前駆体用マトリックスとしては、炭化処理後の残炭率(マトリックス材料の炭化後に残存する重量÷マトリックス材料の初期重量×100(%))が高い樹脂を使用することにより、マトリックスの空孔率を低減でき、その結果、高密度化処理の回数を低減することができる。
このような観点から、従来、レジンチャー法による炭素/炭素複合材料の前駆体用のマトリックス材料として、残炭率の高い熱硬化性樹脂(熱硬化性樹脂の残炭率は40〜50%)が多用されてきたが、残炭率の高い熱硬化性樹脂を炭素/炭素複合材料の前駆体用のマトリックス材料として使用したとしても、上述した高密度化処理のために、炭素/炭素複合材料の製造工程が長くなり、コスト高になるという問題があった。
特開2000−247757号公報 特開2004−244258号公報
本発明は、かかる観点からなされたものであり、その課題は、主としてレジンチャー法による炭素/炭素複合材料の製造工程において、炭素/炭素複合材料の前駆体として所定の形状に賦形する工程において、極めて短時間の加熱によって、炭素/炭素複合材料の前駆体として所定の形状に賦形することが可能であり、かつ、高密度化処理を必要としない、あるいは高密度化処理が必要であるとしてもその処理回数を低減することができる、炭素/炭素複合材料の前駆体用マトリックス組成物およびそれを使用したプリプレグの製造方法を提供することである。
上述したような課題を解決するために、第1の観点にかかる発明では、炭素/炭素複合材料の前駆体用マトリックス組成物であって、ピッチと芳香族系有機溶剤からなる混合溶液Aと、レゾール型フェノール樹脂と熱解離型酸発生剤とアルコール系有機溶剤からなる混合溶液Bとを混合して得られるマトリックス組成物とした。
また、第2の観点に係る発明では、第1の観点に係る発明の炭素/炭素複合材料の前駆体用マトリックス組成物であって、混合溶液Aにおける、ピッチの重量に対する芳香族系有機溶剤の重量の百分率は10〜30wt%であり、混合溶液Bにおける、レゾール型フェノール樹脂の重量に対するアルコール系有機溶剤の重量の百分率は10〜30wt%であり、レゾール型フェノール樹脂の重量に対する熱解離型酸発生剤の重量の百分率は1〜15wt%であり、混合溶液Aと混合溶液Bを混合する際の重量比率は、[混合溶液A中のピッチの重量]:[混合溶液B中のレゾール型フェノール樹脂の重量]の比が、30:70〜70:30の範囲の比率である構成のマトリックス組成物とした。
また、第3の観点に係る発明では、第1又は第2の観点に係る発明の炭素/炭素複合材料の前駆体用マトリックス組成物であって、混合溶液Aと混合溶液Bとを混合する際に界面活性剤を添加し、混合溶液A中のピッチの重量と混合溶液B中のレゾール型フェノール樹脂の重量の合計に対し添加する界面活性剤の重量の百分率を0.1〜5.0wt%とした構成のマトリックス組成物とした。
また、第4の観点に係る発明では、第1乃至第3のいずれかの観点に係る発明の炭素/炭素複合材料の前駆体用マトリックス組成物であって、熱解離型酸発生剤が1−アルコキシエタノールとカルボン酸との脱水縮合物である構成のマトリックス組成物とした。
更に、第5の観点に係る発明では、第1乃至第4のいずれかの観点に係る発明の炭素/炭素複合材料の前駆体用マトリックス組成物を使用した炭素/炭素複合材料の前駆体用プリプレグの製造方法であって、炭素繊維構成物にマトリックス組成物を含浸する工程と、マトリックス組成物を含浸した炭素繊維構成物を乾燥させて芳香族系有機溶剤およびアルコール系有機溶剤を除去する工程とから構成されるプリプレグの製造方法とした。
また、第6の観点に係る発明では、第5の観点に係る発明の炭素/炭素複合材料の前駆体用プリプレグの製造方法であって、炭素繊維構成物が炭素繊維のトウ、炭素繊維の織布、炭素繊維のテープ、炭素繊維の編組、および炭素繊維の不織布の何れかである構成のプリプレグの製造方法とした。
また、第7の観点に係る発明では、第6の観点に係る発明のプリプレグを使用した炭素/炭素複合材料用の成形された前駆体を、炭化処理、あるいは炭化処理と黒鉛化処理することにより炭素/炭素複合材料を形成する製造方法において、炭化処理が真空環境下または減圧環境下において行われる構成の炭素/炭素複合材料の製造方法とした。
本発明においては、上述したような構成の炭素/炭素複合材料の前駆体用マトリックス組成物およびそれを使用したプリプレグの製造方法としたことにより、主としてレジンチャー法により炭素/炭素複合材料を製造する際に、炭素/炭素複合材料の前駆体として所定の形状に賦形する工程において、極めて短時間の加熱によって、炭素/炭素複合材料の前駆体として所定の形状に賦形することが可能であり、かつ、高密度化処理を必要としない、あるいは高密度化処理が必要であるとしてもその処理回数を低減することができる。
従って、短時間でかつ簡素な工程により炭素/炭素複合材料を製造することが可能となり、その結果炭素/炭素複合材料の製造コストを大幅に低減することが可能となった。
図1は、本発明に係るマトリックス組成物の製造工程を含めた、炭素/炭素複合材料の前駆体用プリプレグの製造工程のフローを示したものである。
以下、本発明の実施の形態について説明する。 なお、ここで説明する本発明の実施の形態は、本発明を例示するものであって、これらによって限定されるものではない。 なお、本発明において使用する「前駆体」という用語は、炭素/炭素複合材料を形成する途中工程における形態を意味し、炭素繊維を強化繊維とし、炭素繊維を硬化反応済の熱硬化性樹脂を含むマトリックス材料によって固めた成形体をいうものとする。
前述したように、従来のレジンチャー法による炭素/炭素複合材料の製造方法においては、その前駆体用のマトリックス材料として熱硬化性樹脂を使用して、これを加圧、加熱することにより架橋反応を促進させて硬化させ、前駆体としての形状に賦形していた。 熱硬化性樹脂は加熱するだけで架橋反応を進行させることはできるが、その反応速度は遅く、架橋反応を完結させるためには、長時間の加熱が不可欠であった。
発明者らは、熱硬化性樹脂の一種であるレゾール型フェノール樹脂は、加熱するだけでも架橋反応が進行するが、酸触媒を添加することによっても室温で架橋反応を進行させることが可能であることに着目し、本発明に至った。
すなわち、レゾール型フェノール樹脂に熱解離型酸発生剤を加え、この混合物を熱解離型酸発生剤が解離する温度以上に一旦加熱することにより酸が発生し、この酸によってレゾール型フェノール樹脂の架橋反応が進行するため、室温においてレゾール型フェノール樹脂の硬化反応を完結させることができる。
また、ピッチの熱可塑的性質を利用し、ピッチの融点以上に加熱してピッチが溶融一体化した後、すぐにピッチの融点以下に冷却して一瞬で固化させることができる。 但し、この時点でもし再度融点以上に加熱するとピッチが再び溶融して形状は崩れてしまう。しかし、本発明では、このとき同時に共存している熱解離型酸発生剤の分解により酸が発生し、レゾール型フェノール樹脂の硬化反応を開始するため、形状保持させたまま室温に戻しても反応は進行し、最終的に架橋体を形成する。 架橋体になってしまえば、再加熱してももはや溶融することはなく、従って型崩れはしないという特性を有する。
更に、熱硬化性樹脂の一種であるレゾール型フェノール樹脂は残炭率が高く(40〜50%)レゾール型フェノール樹脂だけでも炭素/炭素複合材料の前駆体用のマトリックス材料として使用することは可能であるが、マトリックス材料としてレゾール型フェノール樹脂にピッチを添加することにより、レゾール型フェノール樹脂だけで構成されたマトリックス材料よりも高い残炭率を得ることができることに着目し、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る炭素/炭素複合材料の前駆体用マトリックス組成物は、ピッチと芳香族系有機溶剤からなる混合溶液Aと、レゾール型フェノール樹脂と熱解離型酸発生剤とアルコール系有機溶剤からなる混合溶液Bとを混合することにより得られる。
本発明において使用するピッチは、石炭系ピッチまたは石油系ピッチのいずれであっても良い。 石油系ピッチは、石油の常圧残油、減圧残油、接触分触オイル等の石油系重質油を高温下(350〜500℃)で加熱処理した際に得られるものであり、石炭系ピッチは石炭タール、オイルサンド油等の石炭系重質油を同様に高温下で加熱処理した際に得られるものである。
このようにして得られるピッチは数環程度の縮合環芳香族化合物を単位構造とした類似成分の混合体であり、複雑な分子構造且つ広い分子量分布を有しており、ピッチそのものの性状は室温では固体で、ある温度範囲で融解する。また、ピッチは縮合環芳香族化合物を単位構造としているため、50%を遥かに超える高い残炭率を有している。
一般に、ピッチは、1分子中の芳香環の数が多すぎると溶融温度が高く、残炭率が高くなるが、溶剤に対する溶解性が低くなり、マトリックス組成物を製造する際の作業性の低下を引き起こす。 逆に、ピッチ1分子中の芳香環の数が少なすぎると溶剤に対する溶解性が高くなり、作業性は良好になるが、残炭率が低くなるという問題がある。
本発明のマトリックス組成物の場合、マトリックス組成物を硬化させ炭素/炭素複合材料の前駆体を成形する際に、後述するように、マトリックス組成物の温度を熱解離型酸発生剤が解離して酸が発生する温度以上に上げることが必要であり、この温度までマトリックス組成物を加熱するとピッチが低粘度化しすぎてマトリックス組成物の流動性が高まり、前駆体の成形がうまくできないという問題がある。 従って、溶融温度が好ましくは100〜200℃、更に好ましくは130〜170℃のピッチを用いることが必要である。
芳香族系有機溶剤は、常温で固体であるピッチを溶解するために使用するものであり、芳香環を主体とする有機溶剤がこれに該当する。 具体的にはベンゼン、トルエン、キシレンなどを芳香族系有機溶剤として使用することができるが、トルエンが汎用性が高く、工業的に広く利用されている点及び沸点以下の温度でも揮発させやすく好ましい。
混合溶液Aは、芳香族系有機溶剤によりピッチを溶解した溶液であり、ピッチの重量に対する芳香族系有機溶剤の重量の百分率を、好ましくは10〜30wt%、更に好ましくは15〜25wt%とする必要がある。 芳香族系有機溶剤の量がこれより少なすぎるとピッチを完全に溶解することができない恐れがあり、これより多すぎるとプリプレグを製造する際に炭素繊維に付着するマトリックス組成物の量が少なくなりすぎて、適切なプリプレグを製造できない恐れがある。
レゾール型フェノール樹脂はフェノール樹脂の一種であり、フェノール、クレゾールなどのフェノール類を塩基性触媒下でホルムアルデヒドと反応させたものである。 レゾール型フェノール樹脂は単に加熱するだけでも硬化を進行させることができるが、室温では反応は進行しない。 しかし、レゾール型フェノール樹脂に酸触媒を添加することにより、この酸触媒が硬化促進剤として作用し、ゆっくりとした反応ではあるものの室温でレゾール型フェノール樹脂を硬化させることができる。
本発明のマトリックス組成物には、一般的なレゾール型フェノール樹脂であれば、いずれのレゾール型フェノール樹脂であっても使用することができるが、室温で固形であれば取扱い性に優れるため、分子量のある程度大きい固形レゾール型フェノール樹脂が望ましい。
熱解離型酸発生剤は、レゾール型フェノール樹脂の硬化促進剤として作用する酸を供給するためのものである。 熱解離型酸発生剤としては1−アルコキシエタノールとカルボン酸との脱水縮合物が望ましく、1−アルコキシエタノールとしては、例えば1−プロポキシエタノールが望ましく、また、カルボン酸としては、例えばイソシアヌル酸トリス(2−カルボキシエチル)が望ましい。
熱解離型酸発生剤は、所定の温度に加熱されると解離して酸を発生する。 数式1は、熱解離型酸発生剤である1−アルコキシエタノールとカルボン酸との脱水縮合物が加熱された際に酸(カルボン酸)が生成される反応を示したものである。

熱解離型酸発生剤を加熱することによって生成されるカルボン酸は、レゾール型フェノール樹脂の硬化促進剤として作用するため、マトリックス組成物としてレゾール型フェノール樹脂を使用し、そこにカルボン酸のような酸を存在させることによりレゾール型フェノール樹脂の硬化は進行し、硬化反応を完結させることができる。 熱解離型酸発生剤である1−アルコキシエタノールとカルボン酸との脱水縮合物は加熱されなければカルボン酸を生成しないから、室温においてレゾール型フェノール樹脂と熱解離型酸発生剤を混合したとしてもレゾール型フェノール樹脂の硬化反応は生じない。
すなわち、熱解離型酸発生剤をレゾール型フェノール樹脂に添加し、混合したとしても、室温で保管している間は全く硬化反応を開始しないが、熱解離型酸発生剤が解離して酸を生成する温度以上に加熱されると、レゾール型フェノール樹脂の硬化反応が開始され、たとえ反応が終結する前にレゾール型フェノール樹脂と熱解離型酸発生剤の混合物の温度を室温まで冷却したとしても、一旦酸が発生してしまうと室温においてでもレゾール型フェノール樹脂の硬化反応を進行させることができる。
熱解離型酸発生剤である1−アルコキシエタノールとカルボン酸との脱水縮合物を熱解離させるためには、好ましくは100℃以上、更に好ましくは130℃以上の温度に加熱する必要がある。
レゾール型フェノール樹脂の重量に対する熱解離型酸発生剤である1−アルコキシエタノールとカルボン酸との脱水縮合物の重量の百分率は、1〜15wt%、好ましくは2〜10wt%、更に好ましくは3〜5wt%とする必要がある。
アルコール系有機溶剤は、レゾール型フェノール樹脂と熱解離型酸発生剤を溶解させて、より均一に混合するために使用するものであり、一般的なアルコール系有機溶剤であれば全て使用することが可能である。 後で説明するように、最終的にはレゾール型フェノール樹脂とピッチとを乳化させて、安定なエマルションを作るようにする必要があり、そのためには、このアルコール系有機溶剤と前述したピッチを溶解させる芳香族系有機溶剤との相溶性が高くない方が好ましい。 そのため、ここで使用するアルコール系有機溶剤としては炭素数がなるべく少ないものが好ましく、メタノールが最も好ましい。
混合溶液Bは、アルコール系有機溶剤によりレゾール型フェノール樹脂と熱解離型酸発生剤を溶解した溶液であり、レゾール型フェノール樹脂の重量に対するアルコール系有機溶剤の重量の百分率を、好ましくは10〜30wt%、更に好ましくは15〜25wt%とする必要がある。 アルコール系有機溶剤の量がこれより少ないとフェノール樹脂を完全に溶解することができない恐れがあり、これより多すぎると、ここで説明したマトリックス組成物を使用してプリプレグを製造する際に、炭素繊維に付着するマトリックス組成物の量が少なくなりすぎ、適切なプリプレグを製造することができない恐れがある。
なお、本発明では、レゾール型フェノール樹脂とピッチとを乳化させて、安定なエマルションを作るために、混合溶液Aと混合溶液Bを各々別に作った後に、混合溶液Aと混合溶液Bを混合、撹拌することによりマトリックス組成物を得るようにしている。 混合溶液Aと混合溶液Bを混合、撹拌する際、より均一なエマルションを得るためにホモジナイザーを使用して高速撹拌することが望ましい。
混合溶液Aと混合溶液Bを混合する際の重量比率は、[混合溶液A中のピッチの重量]:[混合溶液B中のレゾール型フェノール樹脂の重量]=30:70〜70:30の範囲の比率であることが好ましく、45:55〜55:45の範囲の比率であれば更に好ましい。 レゾール型フェノール樹脂の量に対して、ピッチの量が多すぎると、炭素/炭素複合材料の前駆体を炭化処理する際に、熱硬化性樹脂成分が少なすぎて型崩れを起こす恐れがある。 また、ピッチの量に対して、レゾール型フェノール樹脂の量が多すぎると、炭化処理、黒鉛化処理後のマトリックスの残炭率が小さくなり、十分な密度を有する炭素/炭素複合材料を得ることができない恐れがある。
また、混合溶液Aと混合溶液Bを混合、撹拌する際、相溶性の低い芳香族系有機溶剤の溶液とアルコール系有機溶剤の溶液を乳化させ、より均一なエマルションを得るために界面活性剤を添加するようにしても良い。 界面活性剤としては、芳香族系有機溶剤の溶液とアルコール系有機溶剤の溶液を乳化させるためのものであるため、非イオン性界面活性剤(ノニオン系界面活性剤)が望ましい。
なお、混合溶液Aと混合溶液Bとを混合する際に、界面活性剤を添加する量は、混合溶液A中のピッチの重量と混合溶液B中のレゾール型フェノール樹脂の重量の合計に対し界面活性剤の重量の百分率を、好ましくは0.1〜5.0wt%、更に好ましくは1.5〜2.5wt%に設定することが望ましい。
次に、本発明に係るマトリックス組成物を使用した炭素/炭素複合材料の前駆体用プリプレグの製造方法について説明する。
図1は、本発明に係るマトリックス組成物の製造工程を含め、炭素/炭素複合材料の前駆体用プリプレグの製造工程のフローを示したものである。
工程010は、前述したように、芳香族系有機溶剤によりピッチを溶解することにより混合溶液Aを得るための工程である。
また、工程020は、前述したように、アルコール系有機溶剤によりレゾール型フェノール樹脂と熱解離型酸発生剤を溶解することにより混合溶液Bを得るための工程である。
工程030は、工程010で得た混合溶液Aと工程020で得た混合溶液Bを加え、これらを混合、撹拌する工程である。 この工程においては、前述したように、相溶性の低い芳香族系有機溶剤の溶液とアルコール系有機溶剤の溶液を乳化させ、より均一なエマルションを得るために界面活性剤を添加するようにしても良い。 また、撹拌する際、より均一なエマルションを得るためにホモジナイザーを使用して高速撹拌するようにしても良い。
工程040は、炭素繊維構成物にマトリックス組成物を含浸する工程である。 本発明において、炭素繊維構成物とは、後述する種々の炭素繊維を使用したトウ、織布、テープ、編組、および不織布の形態にあるものをいう。
ここで、炭素繊維のトウとは、太さ数μm〜十数μmの単繊維(これをフィラメントと呼ぶ)を1,000本から数万本のフィラメントを集めた炭素繊維の束のことをいう。 また、炭素繊維の織布とは、炭素繊維のトウを経糸と緯糸として使用した織布であり、平織、朱子織等の織り方がある。 また、炭素繊維のテープとは、炭素繊維のフィラメントを所定幅を持ったテープ状に一方向に引き揃えて配置したものであり、取扱い性を良くするために、炭素繊維または炭素繊維以外の繊維を使用した緯糸で、軽く形状保持したものもある。(炭素繊維のテープをプリプレグにしたものを一方向強化材と呼ぶこともある。)
また、炭素繊維の編組は、炭素繊維のトウを網状に編み、細長い円筒状に形成した編み物である。 また、炭素繊維の不織布とは、炭素繊維を織らずに、炭素繊維の短繊維を絡み合わせたシート状のものをいい、炭素繊維紙、炭素繊維フェルトを含むものである。 不織布は繊維を熱・機械的または化学的な作用によって接着または絡み合わせる事で布状にしたものである。
炭素繊維構成物に使用する炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル系(PAN系)、およびピッチ系のいずれのものであってもよく、耐炎化処理糸、炭化処理糸、黒鉛化処理糸のいずれのものでも使用することができる。
なお、炭素繊維構成物にマトリックス組成物を含浸する際、プリプレグ全体に対するマトリックス組成物の含浸量の体積百分率を好ましくは30〜60vol%とし、更に好ましくは40〜50vol%とする。
工程050は、所定量のマトリックス組成物を含浸した炭素繊維構成物を乾燥炉等を使用して熱風乾燥し、芳香族系有機溶剤およびアルコール系有機溶剤を除去する工程であり、この工程により、適切なタキネスを有する半硬化状態のプリプレグが得られる。
また、工程060は炭素繊維構成物のプリプレグが完成した状態を示すものである。
次に、本発明に係る炭素/炭素複合材料の前駆体用プリプレグを使用した炭素/炭素複合材料の製造方法について説明する。
本発明に係るプリプレグを使用して炭素/炭素複合材料の前駆体を成形する工程としては、熱硬化性樹脂を使用した一般的な繊維強化プラスチックを成形するためのホットプレス成形やオートクレーブ成形と類似した工程を採用することができる。
本発明に係るプリプレグを使用して炭素/炭素複合材料の前駆体を成形する工程と、熱硬化性樹脂を使用した一般的な繊維強化プラスチックを成形するための工程とが異なる点は、一般的な繊維強化プラスチックを成形する工程では、例えば、金型内に配置されたプリプレグに所定の圧力をかけつつ、熱硬化性樹脂の硬化反応温度以上の温度に、熱硬化性樹脂の硬化反応が完結するまでの長時間の間、プリプレグの温度を維持しておく必要がある。
一方、本発明に係るプリプレグを使用して炭素/炭素複合材料の前駆体を成形する工程では、金型内に配置されたプリプレグに所定の圧力をかけつつ、熱解離型酸発生剤の熱解離温度以上になるように、短時間の間、プリプレグを加熱するだけでよく、レゾール型フェノール樹脂の硬化反応が完結するまでプリプレグを加熱し続ける必要はない。 ピッチの熱可塑的性質を利用し、ピッチの融点以上に加熱してピッチが溶融一体化した後、すぐにピッチの融点以下に冷却することにより、一瞬で固化させることができるからである。
プリプレグの温度を熱解離型酸発生剤の熱解離温度以上に一旦加熱すれば、熱解離によって酸が発生し、その後プリプレグの温度が低下し、室温になったとしてもレゾール型フェノール樹脂の周りで生成された酸によってレゾール型フェノール樹脂の硬化反応が促進され、硬化反応を完結することができることと、前述したように、ピッチの熱可塑的性質を利用し、ピッチの融点以上に加熱してピッチが溶融一体化した後、すぐにピッチの融点以下に冷却することにより、一瞬で固化させることができる。
したがって、炭素/炭素複合材料の前駆体として所定の形状に賦形する工程において、極めて短時間の加熱によって、炭素/炭素複合材料の前駆体として所定の形状に賦形することが可能となる。
以上のような工程により炭素/炭素複合材料の前駆体を成形した後、この前駆体は炭化処理、必要に応じて黒鉛化処理されるが、炭化処理、黒鉛化処理の工程は、一般的なレジンチャー法と同様な工程によって行うと、前記前駆体のマトリックスはレゾール型フェノール樹脂とピッチの混合物であり、それぞれの焼成による残炭率が異なる、言い換えるとC元素以外の元素がガス化して抜けて行くガス流量が異なり、雰囲気が不活性ガスで充満しているとガス抜け量の多いフェノール樹脂から生じるガスが抜け難く、場合によってはそのガスの圧力上昇で破裂が生じることがある。従って、前記前駆体の最初の炭化処理時は前期ガスが抜け易いように炉内を真空(または減圧)状態にしておくことが必要である。さらに、フェノール樹脂の比率が高い場合は、炭化焼成時の加熱昇温速度を通常より緩やかに行う方が良い。
なお、本発明の炭素/炭素複合材料の前駆体用マトリックス組成物には、レゾール型フェノール樹脂の炭化収率より高い炭化収率を有するピッチが含まれているため、炭化処理、黒鉛化処理された炭素/炭素複合材料のマトリックス中の空孔率は小さくなり、高密度で、強度、弾性率の高い炭素/炭素複合材料を得ることが可能となる。
したがって、本発明に係るマトリックス組成物を使用することにより、高密度化処理を必要とすることなく、あるいは高密度化処理が必要であるとしてもその処理回数を低減した工程によって炭素/炭素複合材料を得ることが可能となる。
次に、本発明に係るマトリックス組成物、当該マトリックス組成物を使用したプリプレグ、当該プリプレグを使用した炭素/炭素複合材料の製造に係る実施例について説明する。

表1に示す、ピッチ、芳香族系有機溶剤、レゾール型フェノール樹脂、熱解離型酸発生剤、アルコール系有機溶剤、および界面活性剤を、表1に示す重量比になるようにして混合し、マトリックス組成物を得た。
次に、このマトリックス組成物を表1に示す炭素繊維構成物に含浸した。 このとき、プリプレグ全体に対するマトリックス組成物の含浸量の体積百分率を45vol%とした。
出来上がったトウプリプレグを一方向に並べて配置し、ホットプレスにて150℃で1分間加熱した後、ホットプレスから取り出し、室温まで冷却し、1昼夜静置することにより、炭素/炭素複合材料の前駆体(一方向強化した板状体)を成形した。
成形した炭素/炭素複合材料の前駆体を、電気炉に入れて減圧しつつ、30℃/時の昇温速度で1000℃まで昇温し、その後1000℃で1時間保持することにより炭素/炭素複合材料の前駆体を炭化処理した。
1000℃にて炭化処理した、一方向強化板状体の炭素/炭素複合材料を室温まで冷却した後、300℃で溶融させた硬ピッチMCP250(JFEケミカル社製)を、減圧下にて、一方向強化板状体の炭素/炭素複合材料のマトリックス中の細孔に含浸させ、その後50気圧で加圧して含浸を完了させた。
そして、ピッチ含浸を行なった一方向強化板状体の炭素/炭素複合材料を80℃/時の昇温速度で2000℃まで昇温し、2000℃で1時間保持することにより、黒鉛化処理を行なった。
上述したピッチ含浸、黒鉛化処理を更に1回繰り返すことにより、最終的な炭素/炭素複合材料を得た。
ここで得た一方向強化板状体の炭素/炭素複合材料の比重、曲げ強度、曲げ弾性率を測定したところ、以下のような特性値を有することを確認し、炭素/炭素複合材料として優れた特性を有していることが分かった。
比重: 1.55
繊維方向の曲げ強さ: 160MPa
繊維方向の曲げ弾性率: 38GPa


Claims (7)

  1. 炭素/炭素複合材料の前駆体用マトリックス組成物であって、
    ピッチと芳香族系有機溶剤からなる混合溶液Aと、
    レゾール型フェノール樹脂と熱解離型酸発生剤とアルコール系有機溶剤からなる混合溶液Bとを混合して得られるマトリックス組成物。
  2. 請求項1に記載の炭素/炭素複合材料の前駆体用マトリックス組成物であって、
    混合溶液Aにおける、ピッチの重量に対する芳香族系有機溶剤の重量の百分率は10〜30wt%であり、
    混合溶液Bにおける、レゾール型フェノール樹脂の重量に対するアルコール系有機溶剤の重量の百分率は10〜30wt%であり、レゾール型フェノール樹脂の重量に対する熱解離型酸発生剤の重量の百分率は1〜15wt%であり、
    混合溶液Aと混合溶液Bを混合する際の重量比率は、[混合溶液A中のピッチの重量]:[混合溶液B中のレゾール型フェノール樹脂の重量]の比が、30:70〜70:30の範囲の比率である
    ことを特徴とするマトリックス組成物。
  3. 請求項1または2に記載の炭素/炭素複合材料の前駆体用マトリックス組成物であって、
    前記混合溶液Aと前記混合溶液Bとを混合する際に界面活性剤を添加し、混合溶液A中のピッチの重量と混合溶液B中のレゾール型フェノール樹脂の重量の合計に対し添加する界面活性剤の重量の百分率を0.1〜5.0wt%とした、
    ことを特徴とするマトリックス組成物。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の炭素/炭素複合材料の前駆体用マトリックス組成物であって、
    前記熱解離型酸発生剤が1−アルコキシエタノールとカルボン酸との脱水縮合物であることを特徴とするマトリックス組成物。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の炭素/炭素複合材料の前駆体用マトリックス組成物を使用した炭素/炭素複合材料の前駆体用プリプレグの製造方法であって、
    炭素繊維構成物に前記マトリックス組成物を含浸する工程と、
    前記マトリックス組成物を含浸した炭素繊維構成物を乾燥させて前記芳香族系有機溶剤およびアルコール系有機溶剤を除去する工程と
    からなることを特徴とするプリプレグの製造方法。
  6. 請求項5に記載の炭素/炭素複合材料の前駆体用プリプレグの製造方法であって、
    前記炭素繊維構成物が炭素繊維のトウ、炭素繊維の織布、炭素繊維のテープ、炭素繊維の編組、および炭素繊維の不織布の何れかであることを特徴とするプリプレグの製造方法。
  7. 請求項6に記載のプリプレグを使用した炭素/炭素複合材料用の成形された前駆体を、炭化処理、あるいは炭化処理と黒鉛化処理することにより炭素/炭素複合材料を形成する製造方法において、当該炭化処理が真空環境下または減圧環境下において行われることを特徴とする炭素/炭素複合材料の製造方法。


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