JP2018052775A - マルチコアファイバ母材の製造方法及びマルチコアファイバの製造方法 - Google Patents

マルチコアファイバ母材の製造方法及びマルチコアファイバの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018052775A
JP2018052775A JP2016191693A JP2016191693A JP2018052775A JP 2018052775 A JP2018052775 A JP 2018052775A JP 2016191693 A JP2016191693 A JP 2016191693A JP 2016191693 A JP2016191693 A JP 2016191693A JP 2018052775 A JP2018052775 A JP 2018052775A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
base material
cylindrical member
clad
core fiber
preform
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016191693A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6560178B2 (ja
Inventor
智洋 権田
Tomohiro Gonda
智洋 権田
妙子 渋田
Taeko Shibuta
妙子 渋田
勝徳 今村
Katsunori Imamura
勝徳 今村
杉崎 隆一
Ryuichi Sugizaki
隆一 杉崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furukawa Electric Co Ltd filed Critical Furukawa Electric Co Ltd
Priority to JP2016191693A priority Critical patent/JP6560178B2/ja
Publication of JP2018052775A publication Critical patent/JP2018052775A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6560178B2 publication Critical patent/JP6560178B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
  • Manufacture, Treatment Of Glass Fibers (AREA)

Abstract

【課題】マルチコアファイバ母材の製造において、クラッド母材と円筒部材との接合強度を増加させつつ、クラッド母材と各コア母材との隙間を効率的に減圧させること。【解決手段】マルチコアファイバ母材の製造方法は、円柱状のガラス母材に、該ガラス母材の長手方向に延びる複数の貫通孔が形成されたクラッド母材を準備する準備工程と、前記クラッド母材の一方の端部に、該クラッド母材と同軸で円筒部材を接続する接続工程と、前記クラッド母材の複数の貫通孔のそれぞれにコア母材を挿入する挿入工程と、を含み、前記円筒部材の内径は、前記クラッド母材に形成された前記複数の貫通孔のうち最外周側に位置する貫通孔の外接円の直径よりも小さく、前記準備工程において、前記クラッド母材には、前記複数の貫通孔のうち上面視で前記円筒部材と少なくとも一部が重なる貫通孔と、前記円筒部材の内部と、を連通させるための連通構造が形成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、マルチコアファイバ母材の製造方法及びこれを用いたマルチコアファイバの製造方法に関するものである。
マルチコアファイバとは、長手方向の軸に沿って延びる複数のコア部を有する光ファイバである。マルチコアファイバの複数のコア部のそれぞれで信号光を伝送することで、空間多重伝送が実現される。この種のマルチコアファイバは、大容量伝送や、データセンタにおける高密度配線などへの適用が期待されている。
マルチコアファイバを製造するための光ファイバ母材であるマルチコアファイバ母材の製造方法として、穿孔法を用いるものが知られている。穿孔法を用いたマルチコアファイバ母材の製造方法では、たとえば、はじめに円柱状のガラス母材をドリル加工などによって穿孔することで、ガラス母材の長手方向に延びる複数の貫通孔を形成し、クラッド母材とする。つづいて、クラッド母材の貫通孔のそれぞれにコア母材を挿入し、加熱一体化させることにより、マルチコアファイバ母材を作製する。穿孔法のうち、線引炉により加熱一体化しながら線引きすることにより、マルチコアファイバを製造する方法は線引き一体化法とも呼ばれる。
ここで、製造歩留まりや製造性を向上させるため、クラッド母材の貫通孔の内径は、コア母材を確実に挿入できるようにコア母材の外径よりもわずかに大きく形成されている。その結果、マルチコアファイバ母材においてはコア母材とクラッド母材との間にわずかに隙間ができる。このような隙間に空気が残存していると、線引き後にマルチコアファイバ内に気泡が存在する等の不具合が生じる虞がある。そのため、通常、線引き一体化法においては、コア母材とクラッド母材とを一体化する際に、コア母材とクラッド母材との隙間を真空ポンプ等で吸引し、隙間内を真空又は減圧状態としている。
そこで、隙間の吸引をするために、クラッド母材の一端に円筒部材を溶着接続し、この円筒部材を介して各コア母材とクラッド母材との隙間を一括して吸引する技術が知られている(特許文献1参照)。なお、円筒部材は貫通孔を塞がないようにクラッド母材に溶着接続される。
特開2015−151279号公報
ところで、近年、光ファイバに対する長尺化、低コスト化等の要求に応じて、光ファイバ母材の大型化(直径や長さの増加)の要求が高まっている。
しかしながら、光ファイバ母材は大型化するほどその重量も増加する。特に、上記のようなマルチコアファイバ母材の場合、重量が増加するとクラッド母材と円筒部材との接合強度不足が懸念されるという問題がある。円筒部材の厚さ(すなわち外径と内径との差)を厚くすれば、クラッド母材と円筒部材との接合面積を増加させ、接合強度も増加させることはできる。しかしながら、従来技術では、円筒部材の厚さをあまり厚くすると、クラッド母材の貫通孔、特にクラッド母材の最外周側の貫通孔が、円筒部材によって一部又は全部が塞がれ、塞がれた貫通孔に対する吸引による隙間の減圧が効率的にできない又は不可能となる虞がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、クラッド母材と円筒部材との接合強度を増加させつつ、クラッド母材と各コア母材との隙間を効率的に減圧させることができるマルチコアファイバ母材の製造方法及びこれを用いたマルチコアファイバの製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係るマルチコアファイバ母材の製造方法は、円柱状のガラス母材に、該ガラス母材の長手方向に延びる複数の貫通孔が形成されたクラッド母材を準備する準備工程と、前記クラッド母材の一方の端部に、該クラッド母材と同軸で円筒部材を接続する接続工程と、前記クラッド母材の複数の貫通孔のそれぞれにコア母材を挿入する挿入工程と、を含むマルチコアファイバ母材の製造方法であって、前記円筒部材の内径は、前記クラッド母材に形成された前記複数の貫通孔のうち最外周側に位置する貫通孔の外接円の直径よりも小さく、前記準備工程において、前記クラッド母材には、前記複数の貫通孔のうち上面視で前記円筒部材と少なくとも一部が重なる貫通孔と、前記円筒部材の内部と、を連通させるための連通構造が形成されていることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るマルチコアファイバ母材の製造方法は、前記連通構造は、前記クラッド母材の前記一方の端部に形成された凹部により構成されていることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るマルチコアファイバ母材の製造方法は、前記凹部は、環状の溝部であることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るマルチコアファイバ母材の製造方法は、前記凹部は、円状の凹部であることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るマルチコアファイバ母材の製造方法は、前記凹部は、上面視で前記円筒部材と少なくとも一部が重なる貫通孔と、上面視で前記円筒部材と重ならない貫通孔と、を連通する連通溝部により構成されていることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るマルチコアファイバ母材の製造方法は、前記連通構造は、前記クラッド母材の前記一方の端部側に設けられた連通部により形成されていることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るマルチコアファイバ母材の製造方法は、前記連通構造は、前記連通部において、前記円筒部材の内部に対して開放されるように設けられた開口部と、それぞれの一端が前記貫通孔のそれぞれと接続され、それぞれの他端が前記開口部に接続された複数の連通孔とにより構成されていることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るマルチコアファイバ母材の製造方法は、前記連通構造は、前記連通部において、前記円筒部材の内部に対して開放されるように設けられた開口部と、前記複数の貫通孔と前記開口部とを一括して連通する連通空間と、により構成されていることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るマルチコアファイバ母材の製造方法は、前記連通部の外径が前記クラッド母材の外径より大きいことを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るマルチコアファイバの製造方法は、本発明の一態様に係るマルチコアファイバ母材の製造方法により製造されたマルチコアファイバ母材の前記貫通孔と前記クラッド母材との隙間を、前記円筒部材を介して減圧しながら、前記マルチコアファイバ母材の前記一方の端部とは反対に位置する他の端部を加熱溶融し、前記他の端部から、長手方向の軸に沿って延びる複数のコア部を有するマルチコアファイバを線引きすることを特徴とする。
本発明によれば、クラッド母材と円筒部材との接合強度を増加させつつ、クラッド母材と各コア母材との隙間を効率的に減圧させることができるという効果を奏する。
図1は、実施形態1に係るマルチコアファイバの製造方法によって製造するマルチコアファイバの模式的な断面図である。 図2は、実施形態1に係る製造方法のフロー図である。 図3は、クラッド母材を説明する模式図である。 図4は、接続工程を説明する模式図である。 図5は、コア母材の挿入工程を説明する模式図である。 図6は、線引工程を説明する模式図である。 図7は、挿入工程後のマルチコアファイバ母材の構成を示す模式図である。 図8は、変形例1における挿入工程後のマルチコアファイバ母材の構成を示す模式図である。 図9は、変形例2における挿入工程後のマルチコアファイバ母材の構成を示す模式図である。 図10は、変形例3における挿入工程後のマルチコアファイバ母材の構成を示す模式図である。 図11は、変形例4における挿入工程後のマルチコアファイバ母材の構成を示す模式図である。 図12は、変形例5、6における挿入工程後のマルチコアファイバ母材の構成を示す模式図である。
以下に、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、各図面において、同一又は対応する要素には適宜同一の符号を付している。
また、本明細書において特に定義しない用語については、ITU−T(国際電気通信連合)G.650.1及びG.650.2における定義、測定方法に従うものとする。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る製造方法によって製造するマルチコアファイバの、長手方向と垂直な断面における模式的な断面図である。図1に示すように、被覆されたマルチコアファイバ1は、ガラスからなるマルチコアファイバ2の外周に樹脂などからなる被覆3が形成されたものである。マルチコアファイバ2は、断面が略円形の複数のコア部2aと、コア部2aの外周に形成された、断面が略円形のクラッド部2bとを備える。複数のコア部2aは、正方格子状に配列しており、コア部2aa、2ab、2acからなる。コア部2aaはマルチコアファイバ2において最外周側に位置し、マルチコアファイバ2の中心軸から等距離にある8個のコア部である。コア部2abはコア部2aaよりも少し内周側に位置し、マルチコアファイバ2の中心軸から等距離にある4個のコア部である。コア部2acはコア部2abよりもさらに内周側に位置する、正方格子状に配列した9個のコア部である。
コア部2aは、いずれもゲルマニウム(Ge)などの屈折率を高めるためのドーパントが添加された石英系ガラスからなる。クラッド部2bは、コア部2aよりも屈折率が低い石英系ガラス、たとえば屈折率調整用のドーパントを含まない純石英ガラスからなる。
つぎに、本実施形態1に係る製造方法の概略を説明する。図2は、実施形態1に係る製造方法のフロー図である。本製造方法では、はじめに、クラッド母材を準備する準備工程を行う(ステップS101)。クラッド母材は、円柱状のガラス母材に、該ガラス母材の長手方向に延びる複数の貫通孔が形成されたものである。つづいて、クラッド母材の一方の端部に円筒部材を接続する接続工程を行う(ステップS102)。つづいて、クラッド母材の複数の貫通孔のそれぞれにコア母材を挿入する挿入工程を行う(ステップS103)。つづいて、クラッド母材の端部のうち円筒部材を接続した一方の端部とは反対に位置する他の端部を封止する封止工程を行う(ステップS104)。これによりマルチコアファイバ母材が作製される。つづいて、マルチコアファイバ母材の封止した他の端部を加熱溶融し、マルチコアファイバを線引きする線引工程を行う(ステップS105)。これによりマルチコアファイバ2が線引きされる。線引きされたマルチコアファイバ2に被覆3が形成され、被覆されたマルチコアファイバ1が製造される。
なお、本実施形態1では、取り扱い性の観点から、接続工程(ステップS102)後に挿入工程(ステップS103)を設けているが、挿入工程と接続工程の順序は逆にしてもよい。すなわち、クラッド母材の複数の貫通孔のそれぞれにコア母材を挿入した後、一方の端部に円筒部材を接続してもよい。
つぎに、本製造方法について具体的に説明する。図3は、ステップS101において準備するクラッド母材を説明する模式図である。クラッド母材4は以下のように準備される。まず、図3(a)に示す、クラッド部2bと同じガラス材料からなる円柱状のガラス材4´に、ドリルなどを用いて、図3(b)に上面図を示すように、ガラス材4´の長手方向に延びる複数の貫通孔4aを形成する。つづいて、図3(c)に上面図、図3(d)に斜視図を示すように、環状の溝部としての溝部4bをガラス材4´の一方の端部4caに形成し、クラッド母材4とする。なお、溝部4bは端部4caに対する機械的加工等で形成することができる。
複数の貫通孔4aは、図1に示すマルチコアファイバ2におけるコア部2aa、2ab、2acの配列と同じ、正方格子状の配列で形成される。複数の貫通孔4aは、貫通孔4aa、4ab、4acからなる。貫通孔4aaはクラッド母材4において最外周側に位置し、クラッド母材4の中心軸から等距離にある8個の貫通孔である。貫通孔4abは貫通孔4aaよりも少し内周側に位置し、クラッド母材4の中心軸から等距離にある4個の貫通孔である。貫通孔4acは貫通孔4abよりもさらに内周側に位置する、正方格子状に配列した9個の貫通孔である。
溝部4bは、クラッド母材4と略同軸に形成される。
また、図3(c)に示す外接円C1は、複数の貫通孔4aのうち最外周側に位置する貫通孔4aaの外接円を示している。外接円C1もクラッド母材4と略同軸である。溝部4bの外径は外接円C1の直径D1よりも小さくなっているが、これについては後ほど詳述する。
図4は、ステップS102の接続工程を説明する模式図である。この工程では、図4に示すように、クラッド母材4の、溝部4bが形成された一方の端部4caに、クラッド母材4と略同軸で円筒部材5を接続する。接続はたとえば溶着接続によって行うことができる。溶着によって接続を行う場合は、円筒部材5はクラッド母材4と同じガラス材料からなるものであることが好ましい。また、円筒部材5は、外径がクラッド母材4の外径と略等しいものであるが、クラッド母材4の外径よりも大きい外径を有していてもよい。ここで、円筒部材5の内径をD2とする。
図5は、ステップS103の挿入工程を説明する模式図である。この工程では、図5に示すように、クラッド母材4の複数の貫通孔4aのそれぞれにコア母材6を挿入する。なお、図5では図面の簡略化のために貫通孔4a及び挿入されるコア母材6のうちそれぞれ一つのみ示している。コア母材6は、本実施形態1では、マルチコアファイバ2においてコア部2aとなるコア形成部と、コア形成部の外周に形成され、マルチコアファイバ2においてクラッド部2bの一部となるクラッド形成部とを備えるものである。このようなコア母材6は、VAD(Vapor phase Axial Deposition)法、OVD(Outside Vapor Deposition)法、MCVD(Modified Chemical Vapor Deposition)法などの周知の方法を用いて作製できるものである。その後、クラッド母材4の端部のうち円筒部材5を接続した一方の端部4caとは反対に位置する他の端部4cbを加熱溶融して封止する。これによりマルチコアファイバ母材10が作製される。
つぎに、このマルチコアファイバ母材10からマルチコアファイバ2を線引きする。図6は、線引工程を説明する模式図である。図6に示す線引装置100は、ヒータ101aを有する線引加熱炉101と、吸引機構102と、外径測定器103と、被覆樹脂塗布装置104と、樹脂硬化装置105と、キャプスタンローラ106と、ガイドロール107と、制御器Cとを備える。なお、線引装置100は、マルチコアファイバ母材10の回転昇降機構(図示せず)も備えている。吸引機構102は、吸引用コネクタ102aと、吸引用コネクタ102aに接続した吸引路102bと、吸引路102bに接続した吸引装置102cとを備える。吸引装置102cはたとえば真空ポンプで構成される。
以下、マルチコアファイバ2の線引工程をより具体的に説明する。
はじめに、マルチコアファイバ母材10を線引加熱炉101にセットし、マルチコアファイバ母材10の上端にある円筒部材5に吸引用コネクタ102aを接続する。つぎに、マルチコアファイバ母材10の下端(端部4cb側)をヒータ101aにて加熱溶融して、線引きする。これによって、マルチコアファイバ母材10からマルチコアファイバ2が線引きされる。
線引きの間、マルチコアファイバ母材10のコア母材とクラッド母材との隙間は減圧状態とされる。減圧は、吸引装置102cが吸引路102b、吸引用コネクタ102a、円筒部材5を介して、矢印Y1の方向に隙間内の気体を吸引することにより実現される。吸引装置102cの動作は制御器Cによって制御される。
線引きされたマルチコアファイバ2は、公知の被覆樹脂塗布装置104と樹脂硬化装置105とによって被覆を形成されて、被覆されたマルチコアファイバ1となる。被覆されたマルチコアファイバ1は、その後、キャプスタンローラ106とガイドロール107とによって送られ、不図示の巻取り器に巻取られる。制御器Cは、外径測定器103によって測定されるマルチコアファイバ2の外径が所望の値になるようにキャプスタンローラ106の回転速度(すなわちマルチコアファイバ2の線引き速度)及び回転昇降機構によるマルチコアファイバ母材10の昇降速度を制御する。
ここで、本製造方法では、円筒部材5の内径D2が、クラッド母材4の最外周側に位置する貫通孔4aaの外接円C1の直径D1よりも小さいので、従来技術のように内径D2が直径D1以上の場合と比較して、円筒部材5とクラッド母材4との接合面積が大きい。その結果、円筒部材5とクラッド母材4との接合強度を増加させることができる。したがって、クラッド母材4を大型化できる。
さらに、本製造方法では、クラッド母材4には、複数の貫通孔4aのうち上面視で円筒部材5と少なくとも一部が重なる貫通孔4aaと、円筒部材5の内部と、を連通させるための連通構造を構成する凹部としての溝部4bが、クラッド母材4の端部4caに形成されている。その結果、クラッド母材4と各コア母材6との隙間を効率的に減圧させることができる。
ここで、上面視とは、クラッド母材4を、その中心軸に沿って、円筒部材5を接続する端部側から視ることを意味する。
以下、具体的に説明する。図7は、挿入工程後のマルチコアファイバ母材10の構成を示す模式図である。図7(a)は端部4ca側からみた上面図、図7(b)は図7(a)のA−A線一部断面図、図7(c)は図7(a)のB−B線一部断面図である。図7(a)において、符号4baは溝部4bの外径を規定する内壁、符号4bbは溝部4bの内径を規定する内壁を示している。したがって、溝部4bの幅w1は、(溝部4bの外径−溝部4bの内径)/2、すなわち内壁4baと内壁4bbとの距離となる。また、溝部4bは、最外周側に位置する貫通孔4aaと一部が重なり、貫通孔4aaよりも少し内周側に位置する貫通孔4abと完全に重なり、貫通孔4abよりもさらに内周側に位置する貫通孔4acとは重ならないように形成されている。また、符号5aは円筒部材5の内壁を示している。本実施形態1では、溝部4bの内壁4baと円筒部材の内壁5aが図7(c)において一致しており、溝部4bの外径と円筒部材5の内径D2とが同じである。また、図7(b)に示すように、貫通孔4aを含め、複数の貫通孔4aの直径はそれぞれdである。また、図7(c)では貫通孔4aの外接円C1の位置も示してある。
図7(a)、(c)に示すように、円筒部材5の内径D2は、外接円C1の直径D1よりも小さい。したがって、内径D2と直径D1とが等しい場合と比較して、(直径D1−内径D2)/2の幅である幅W1の環状領域から、貫通孔4aaと重なる部分を除いた領域(図7(a)において斜線を付した領域)の面積だけ、円筒部材5とクラッド母材4との接合面積が増加し、接合強度も増加する。
しかし、内径D2が直径D1よりも小さい場合、図7(b)に示すように、貫通孔4aaの一部が円筒部材5によって塞がれてしまう。これに対して、本実施形態1では、クラッド母材4には、貫通孔4aaと円筒部材5の内部とを連通させる溝部4bが形成されている。また、貫通孔4aaは溝部4bを介して、円筒部材5で塞がれていない貫通孔4abとも連通している。その結果、溝部4bや貫通孔4abを介して、貫通孔4aaにおけるクラッド母材4と各コア母材6との隙間が効率的に吸引され、減圧される。また、その他の貫通孔4ab、4acは、円筒部材5で塞がれることなくクラッド母材4と各コア母材6との隙間が効率的に減圧される。このようにして、全ての隙間が効率的に減圧されるので、線引き後にマルチコアファイバ1内に気泡が存在する等の不具合を抑制又は防止できる。さらに、隙間が効率的に減圧されることにより、線引き時の母材破損、変形等抑制又は防止にも寄与する。
なお、溝部4bについては、その外径が外接円C1の直径D1より小さく、かつその内径が円筒部材5の内径D2より小さいと、接合面積及び接合強度の増加と、効率的な減圧とを両立できるので好ましい。
(変形例1)
つぎに、上記実施形態1に係る製造方法の変形例1〜6について説明する。まず、変形例1に係る製造方法について説明する。実施形態1の製造方法と変形例1に係る製造方法とでは、準備工程において準備するクラッド母材の構成が異なり、それ以外の接続工程、挿入工程、封止工程及び線引工程は同じである。
図8は、変形例1における挿入工程後のマルチコアファイバ母材10Aの構成を示す模式図である。図8(a)は端部4ca側からみた上面図、図8(b)は図8(a)のC−C線一部断面図、図8(c)は図8(a)のD−D線一部断面図である。図8に示すように、変形例1に係る製造方法において準備するクラッド母材4Aでは、実施形態1に係る製造方法におけるクラッド母材4の溝部4bと比較して、連通構造を構成する凹部としての環状の溝部である溝部4Abの外径及び内径が大きく形成されている。具体的には、溝部4Abの外径は、円筒部材5の内径D2よりも大きい。ただし、(溝部4Abの外径−溝部4Abの内径)/2、すなわち溝部4Abの内壁4Abaと内壁4Abbとの距離である溝部4Abの幅は、溝部4bと同じw1である。
本変形例1においても、図8(a)、(c)に示すように、円筒部材5の内径D2は、外接円C1の直径D1よりも小さい。したがって、内径D2と直径D1とが等しい場合と比較して、(直径D1−溝部4Abの外径)/2の幅である幅W2の環状領域から、貫通孔4aaと重なる部分を除いた領域(図8(a)において斜線を付した領域)の面積だけ、円筒部材5とクラッド母材4Aとの接合面積が増加し、接合強度も増加する。したがって、クラッド母材4Aを大型化できる。
また、クラッド母材4Aには、貫通孔4aaと円筒部材5の内部とを連通させる溝部4Abが形成されている。貫通孔4aaは溝部4Abを介して、円筒部材5で塞がれていない貫通孔4abとも連通している。その結果、溝部4Abや貫通孔4abを介して、貫通孔4aaにおけるクラッド母材4Aと各コア母材6との隙間が効率的に吸引され、減圧される。また、実施形態1の場合と同様に、その他の貫通孔4ab、4acについても隙間が効率的に減圧される。このようにして、全ての隙間が効率的に減圧されるので、線引き後にマルチコアファイバ1内に気泡が存在する等の不具合を抑制又は防止できる。さらに、隙間が効率的に減圧されることにより、線引き時の母材破損、変形等抑制又は防止にも寄与する。
(変形例2)
実施形態1の製造方法と変形例2に係る製造方法とでは、準備工程において準備するクラッド母材の構成が異なり、それ以外の接続工程、挿入工程、封止工程及び線引工程は同じである。
図9は、変形例2における挿入工程後のマルチコアファイバ母材10Bの構成を示す模式図である。図9(a)は端部4ca側からみた上面図、図9(b)は図9(a)のE−E線一部断面図、図9(c)は図9(a)のF−F線一部断面図である。図9に示すように、変形例2に係る製造方法において準備するクラッド母材4Bでは、実施形態1に係る製造方法におけるクラッド母材4の溝部4bと比較して、連通構造を構成する凹部としての環状の溝部である溝部4Bbの外径が小さく、かつ内径が大きく形成されている。具体的には、溝部4Bbの外径は、円筒部材5の内径D2よりも小さい。さらには、図9(a)に示すように溝部4Bbの内壁4Bba、4Bbb間の距離である幅w2が、貫通孔4aaの直径dよりも小さくなっている(図9(b)も参照)。
本変形例2においても、図9(a)、(c)に示すように、円筒部材5の内径D2は、外接円C1の直径D1よりも小さい。したがって、内径D2と直径D1とが等しい場合と比較して、(直径D1−内径D2)/2の幅である幅W3の環状領域から、貫通孔4aaと重なる部分を除いた領域(図9(a)において斜線を付した領域)の面積だけ、円筒部材5とクラッド母材4Bとの接合面積が増加し、接合強度も増加する。したがって、クラッド母材4Bを大型化できる。
また、クラッド母材4Bには、貫通孔4aaと円筒部材5の内部とを連通させる溝部4Bbが形成されている。また、貫通孔4aaは溝部4Bbを介して、円筒部材5で塞がれていない貫通孔4abとも連通している。その結果、溝部4Bbや貫通孔4abを介して、貫通孔4aaにおけるクラッド母材4Bと各コア母材6との隙間が効率的に吸引され、減圧される。また、実施形態1の場合と同様に、その他の貫通孔4ab、4acについても隙間が効率的に吸引される。このようにして、全ての隙間が効率的に減圧されるので、線引き後にマルチコアファイバ1内に気泡が存在する等の不具合を抑制又は防止できる。さらに、隙間が効率的に減圧されることにより、線引き時の母材破損、変形等抑制又は防止にも寄与する。
(変形例3)
実施形態1の製造方法と変形例3に係る製造方法とでは、準備工程において準備するクラッド母材の構成が異なり、それ以外の接続工程、挿入工程、封止工程及び線引工程は同じである。
図10は、変形例3における挿入工程後のマルチコアファイバ母材10Cの構成を示す模式図である。図10(a)は端部4ca側からみた上面図、図10(b)は図10(a)のG−G線一部断面図、図10(c)は図10(a)のH−H線一部断面図である。図10に示すように、変形例3に係る製造方法において準備するクラッド母材4Cでは、実施形態1に係る製造方法におけるクラッド母材4と比較して、端部4caにおいて溝部4bの代わりに凹部4Cbが形成されている。凹部4Cbは、連通構造を構成する凹部であって、上面視で円状であり、直径が深さ方向にわたって略一定の凹部である。凹部4Cbの直径は本変形例3では円筒部材5の内径D2と同じであるが、凹部4Cbの直径は外接円C1の直径D1より小さく、貫通孔4aaと連通できる程度の直径であることが好ましい。なお、凹部4Cbは端部4caに対する機械的加工等で形成することができる。
本変形例3においても、図10(a)、(c)に示すように、円筒部材5の内径D2は、外接円C1の直径D1よりも小さい。したがって、内径D2と直径D1とが等しい場合と比較して、(直径D1−内径D2)/2の幅である幅W4の環状領域から、貫通孔4aaと重なる部分を除いた領域(図10(a)において斜線を付した領域)の面積だけ、円筒部材5とクラッド母材4Cとの接合面積が増加し、接合強度も増加する。したがって、クラッド母材4Cを大型化できる。
また、クラッド母材4Cには、貫通孔4aaと円筒部材5の内部とを連通させる凹部4Cbが形成されている。また、貫通孔4aaは凹部4Cbを介して、円筒部材5で塞がれていない貫通孔4ab、4acとも連通している。その結果、凹部4Cbや貫通孔4ab、4acを介して、貫通孔4aaにおけるクラッド母材4Cと各コア母材6との隙間が効率的に吸引され、減圧される。また、実施形態1の場合と同様に、その他の貫通孔4ab、4acについても隙間が効率的に吸引される。このようにして、全ての隙間が効率的に減圧されるので、線引き後にマルチコアファイバ1内に気泡が存在する等の不具合を抑制又は防止できる。さらに、隙間が効率的に減圧されることにより、線引き時の母材破損、変形等抑制又は防止にも寄与する。
(変形例4)
実施形態1の製造方法と変形例4に係る製造方法とでは、準備工程において準備するクラッド母材の構成及び円筒部材の構成が異なり、それ以外の接続工程、挿入工程、封止工程及び線引工程は同じである。
図11は、変形例4における挿入工程後のマルチコアファイバ母材10Dの構成を示す模式図である。図11(a)は端部4ca側からみた上面図、図11(b)は図11(a)のI−I線一部断面図である。図11に示すように、変形例4に係る製造方法において準備する円筒部材5Dは、内径D3が円筒部材5の内径D2より小さい点で異なるが、外径及び構成材料は円筒部材5と同じものである。変形例4に係る製造方法において準備するクラッド母材4Dでは、実施形態1に係る製造方法におけるクラッド母材4と比較して、端部4caにおいて溝部4bの代わりに、連通構造を構成する凹部としての溝部である複数の連通溝部4Dbが形成されている。
連通溝部4Dbは、貫通孔4aのうち、上面視で円筒部材5Dと少なくとも一部が重なる貫通孔と、上面視で円筒部材5Dと重ならない貫通孔と、を連通する溝である。具体的には、連通溝部4Dbは、図11(a)に示すように、円筒部材5Dと完全に重なる貫通孔4aaと、円筒部材5Dと重ならない貫通孔4acと、を連通する溝、又は、円筒部材5Dと一部が重なる貫通孔4abと、円筒部材5Dと重ならない貫通孔4acと、を連通する溝である。なお、連通溝部4Dbは端部4caに対する機械的加工等で形成することができる。
本変形例4においても、図11(a)、(b)に示すように、円筒部材5Dの内径D3は、外接円C1の直径D1よりも小さい。したがって、内径D3と直径D1とが等しい場合と比較して、(直径D1−内径D3)/2の幅である幅W5の環状領域から、貫通孔4aa、4abと重なる部分を除いた領域(図11(a)において斜線を付した領域)の面積だけ、円筒部材5Dとクラッド母材4Dとの接合面積が増加し、接合強度も増加する。したがって、クラッド母材4Dを大型化できる。
また、クラッド母材4Dに形成された連通溝部4Dbは、円筒部材5Dによって完全に塞がれる貫通孔4aaと貫通孔4acとを連通している、又は、円筒部材5Dによって一部が塞がれる貫通孔4abと貫通孔4acとを連通している。その結果、図11(b)に貫通孔4aaに関して示すように、矢印Y2のように、連通溝部4Db及び貫通孔4acを介して、貫通孔4aaにおけるクラッド母材4Dと各コア母材6との隙間が効率的に吸引され、減圧される。同様にして、連通溝部4Db及び貫通孔4acを介して、貫通孔4abにおけるクラッド母材4Dと各コア母材6との隙間も効率的に吸引され、減圧される。また、実施形態1の場合と同様に、貫通孔4acについても隙間が効率的に吸引される。このようにして、全ての隙間が効率的に減圧されるので、線引き後にマルチコアファイバ1内に気泡が存在する等の不具合を抑制又は防止できる。さらに、隙間が効率的に減圧されることにより、線引き時の母材破損、変形等抑制又は防止にも寄与する。
(変形例5、6)
実施形態1の製造方法と変形例5、6に係る製造方法とでは、準備工程において準備するクラッド母材の構成及び円筒部材の構成が異なり、それ以外の接続工程、挿入工程、封止工程及び線引工程は同じである。
図12は、変形例5、6における挿入工程後のマルチコアファイバ母材の構成を示す模式図である。図12(a)は変形例5のマルチコアファイバ母材10Eについて、図12(b)は変形例6のマルチコアファイバ母材10Fについて、クラッド母材4の中心軸と貫通孔4aaの中心軸とを通る面における断面図を示す。変形例5、6は、クラッド母材の一方の端部側に連通部が設けられており、連通構造がその連通部により形成されている点で共通している。
はじめに、変形例5について説明する。図12(a)に示すように、変形例5に係る製造方法において準備する円筒部材5Eは、内径D4が円筒部材5の内径D2より小さく、外径が円筒部材5の外径よりも大きい点で異なるが、構成材料は円筒部材5と同じものである。変形例5に係る製造方法において準備するクラッド母材4Eは、実施形態1に係る製造方法におけるクラッド母材4の一方の端部4ca側に、外径が円柱状の連通部4Edを設けたものである。連通部4Edは、たとえばクラッド母材4と同一のガラス材料からなるガラス体を機械加工して作製したものをクラッド母材4に溶着接続することで設けることができる。また、円筒部材5Eはクラッド母材4Eの一方の端部である端部4Ecaに接続される。ここで、連通部4Edの外径はクラッド母材4の外径よりも大きい。また円筒部材5Eの外径は連通部4Edの外径と同じである。
連通部4Edにおいては、連通構造は、開口部4Edaと複数の連通孔4Edbとにより構成されている。開口部4Edaは、円筒部材5Eの内部に対して開放されるように設けられている。複数の連通孔4Edbは、それぞれの一端が貫通孔4aa、図12(a)では不図示の貫通孔4ab、又は貫通孔4acとそれぞれ接続され、それぞれの他端が開口部4Edaに接続されている。連通孔4Edbは、端部4Ecaに近づく程、互いの距離が小さくなる形状とされており、やがて合流して開口部4Edaに接続している。開口部4Edaの形状は本変形例5では円形であるが、特に限定はされない。なお、連通部4Edとクラッド母材4との接合面積は、クラッド母材4の端部4caにおいて貫通孔4aa、4ab、4acを除いた部分の面積となる。したがって、連通部4Edとクラッド母材4との接合面積及び接合強度は十分に大きい。
本変形例5においても、図12(a)に示すように、円筒部材5Eの内径D4は、外接円C1の直径D1よりも小さい。さらに、連通部4Ed及び円筒部材5Eの外径はクラッド母材4の外径よりも大きい。したがって、内径D4と直径D1とが等しい場合と比較して、(直径D1−内径D4)/2の幅の環状領域の面積と、(連通部4Edの端部4Ecaにおける外径−クラッド母材4の外径)/2の幅の環状領域の面積とを加算した分だけ、円筒部材5Eとクラッド母材4Eとの接合面積が増加し、接合強度も増加する。また、上述したように、連通部4Edとクラッド母材4との接合面積及び接合強度は十分に大きい。したがって、クラッド母材4Eを大型化できる。
また、図12(a)からもわかるように、上面視で円筒部材5Eと貫通孔4aaとは完全に重なるが、貫通孔4aaと接続された連通孔4Edbと開口部4Edaとを介して、貫通孔4aaにおけるクラッド母材4Eと各コア母材6との隙間が効率的に吸引され、減圧される。また、その他の貫通孔4ab、4acについても連通孔4Edbと開口部4Edaとを介して隙間が効率的に吸引される。このような構成により、いずれの貫通孔も塞がれず、全ての隙間が効率的に減圧されるので、線引き後にマルチコアファイバ1内に気泡が存在する等の不具合を抑制又は防止できる。さらに、隙間が効率的に減圧されることにより、線引き時の母材破損、変形等抑制又は防止にも寄与する。
なお、本変形例5では、複数の連通孔4Edbが合流して1つの開口部4Edaに接続しているが、複数の連通孔4Edbが合流せずに、円筒部材5Eの内部に対して開放されるように各連通孔4Edbに対して個別に設けられた開口部に接続していてもよい。さらには、開口部4Eda及び連通孔4Edbは、各貫通孔4ab、4acが円筒部材5Eの内部に対して、円筒部材5Eで塞がれない状態で開放されるように構成されていれば、その形状は特に限定はされない。
つぎに、変形例6について説明する。図12(b)に示すように、変形例6に係る製造方法において準備する円筒部材5Fは、内径D5が円筒部材5の内径D2より小さく、外径が円筒部材5の外径よりも大きい点で異なるが、構成材料は円筒部材5と同じものである。変形例6に係る製造方法において準備するクラッド母材4Fは、実施形態1に係る製造方法におけるクラッド母材4の一方の端部側に、外径が円柱状の連通部4Fdを設けたものである。連通部4Fdは、たとえばクラッド母材4と同一のガラス材料からなるガラス体を機械加工して作製したものをクラッド母材4に溶着接続することで設けることができる。また、円筒部材5Fはクラッド母材4Fの一方の端部である端部4Fcaに接続される。ここで、連通部4Fdの外径はクラッド母材4の外径よりも大きい。また円筒部材5Fの外径は連通部4Fdの外径と同じである。
連通部4Fdにおいては、連通構造は、開口部4Fdaと連通空間4Fdbとにより構成されている。開口部4Fdaは、円筒部材5Fの内部に対して開放されるように設けられている。連通空間4Fdbは、貫通孔4aa、図12(b)では不図示の貫通孔4ab、及び貫通孔4acと開口部4Fdaとを一括して連通するように構成されている。開口部4Fdaの形状は本変形例6では円形であるが、特に限定はされない。また、連通空間4Fdbの形状は本変形例6では円柱形状であるが、特に限定はされない。連通空間4Fdbの直径は、連通部4Fdによって最外周側の貫通孔4aaが塞がれないように、外接円C1の直径D1と同じ程度であることが好ましい。なお、連通部4Fdとクラッド母材4との接合面積は、クラッド母材4の端部4caにおいて貫通孔4aa、4ab、4acを除いた部分の面積となる。したがって、連通部4Fdとクラッド母材4との接合面積及び接合強度は十分に大きい。
本変形例6においても、図12(b)に示すように、円筒部材5Fの内径D5は、外接円C1の直径D1よりも小さい。さらに、連通部4Fd及び円筒部材5Fの外径はクラッド母材4の外径よりも大きい。したがって、内径D5と直径D1とが等しい場合と比較して、(直径D1−内径D5)/2の幅の環状領域の面積と、(連通部4Fdの端部4Fcaにおける外径−クラッド母材4の外径)/2の幅の環状領域の面積とを加算した分だけ、円筒部材5Fとクラッド母材4Fとの接合面積が増加し、接合強度も増加する。また、上述したように、連通部4Fdとクラッド母材4との接合面積及び接合強度は十分に大きい。したがって、クラッド母材4Fを大型化できる。
また、図12(b)からもわかるように、上面視で円筒部材5Fと貫通孔4aaとは完全に重なるが、連通空間4Fdbと開口部4Fdaとを介して貫通孔4aa、4ab、4acにおけるクラッド母材4Fと各コア母材6との隙間が一括して効率的に吸引され、減圧される。このような構成により、いずれの貫通孔も塞がれず、全ての隙間が効率的に減圧されるので、線引き後にマルチコアファイバ1内に気泡が存在する等の不具合を抑制又は防止できる。さらに、隙間が効率的に減圧されることにより、線引き時の母材破損、変形等抑制又は防止にも寄与する。
なお、上記実施形態及びその変形例における溝の内外径、凹部の直径、及び円筒部材の内径、連通部における開口部、連通孔及び連通空間の形状、サイズは、クラッド母材の重量及び貫通孔の直径、数、及び配列等を考慮して、円筒部材とクラッド母材との間で所望の接合強度が得られ、かつ隙間に対する吸引、減圧が所望の効率で実現できるように適宜設定すればよい。吸引、減圧の効率は、たとえば、図6における吸引装置102cの動作開始時刻から吸引路102b内が所望の気圧まで減圧される時刻までの時間を指標とすることができる。
また、上記実施形態及びその変形例では、コア部が正方格子状に配列しているが、本発明はコア部の配列にかかわらず適用できる。たとえば、本発明は、コア部が円状、同心円状、三角格子状などの規則的な配列、又は不規則な配列をしているマルチコアファイバ母材又はマルチコアファイバを製造する際にも適用できる。また、上記実施形態及びその変形例では、コア部の数は21個であるが、本発明はコア部の数にかかわらず適用できる。たとえば、本発明は、コア部の数が4、5、6、7、8、9、12、16、19、24、25・・・等公知のマルチコアファイバ母材又はマルチコアファイバを製造する際にも適用できる(当然、例示したコア部の数に限定されるものではない。)。
また、上記実施形態及びその変形例により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
1 被覆されたマルチコアファイバ
2 マルチコアファイバ
2a、2aa、2ab、2ac コア部
2b クラッド部
3 被覆
4、4A、4B、4C、4D、4E、4F クラッド母材
4b、4Ab、4Bb 溝部
4ba、4bb、4Aba、4Abb、4Bba、4Bbb、5a 内壁
4Cb 凹部
4Db 連通溝部
4Ed、4Fd 連通部
4ca、4cb、4Eca、4Fca 端部
4Eda、4Fda 開口部
4Edb 連通孔
4Fdb 連通空間
4a、4aa、4ab、4ac 貫通孔
4´ ガラス材
5、5D、5E、5F 円筒部材
6 コア母材
10、10A、10B、10C、10D、10E、10F マルチコアファイバ母材
100 線引装置
101 線引加熱炉
101a ヒータ
102 吸引機構
102a 吸引用コネクタ
102b 吸引路
102c 吸引装置
103 外径測定器
104 被覆樹脂塗布装置
105 樹脂硬化装置
106 キャプスタンローラ
107 ガイドロール
C 制御器
C1 外接円
Y1、Y2 矢印

Claims (10)

  1. 円柱状のガラス母材に、該ガラス母材の長手方向に延びる複数の貫通孔が形成されたクラッド母材を準備する準備工程と、
    前記クラッド母材の一方の端部に、該クラッド母材と同軸で円筒部材を接続する接続工程と、
    前記クラッド母材の複数の貫通孔のそれぞれにコア母材を挿入する挿入工程と、
    を含むマルチコアファイバ母材の製造方法であって、
    前記円筒部材の内径は、前記クラッド母材に形成された前記複数の貫通孔のうち最外周側に位置する貫通孔の外接円の直径よりも小さく、
    前記準備工程において、前記クラッド母材には、前記複数の貫通孔のうち上面視で前記円筒部材と少なくとも一部が重なる貫通孔と、前記円筒部材の内部と、を連通させるための連通構造が形成されている
    ことを特徴とするマルチコアファイバ母材の製造方法。
  2. 前記連通構造は、前記クラッド母材の前記一方の端部に形成された凹部により構成されていることを特徴とする請求項1に記載のマルチコアファイバ母材の製造方法。
  3. 前記凹部は、環状の溝部であることを特徴とする請求項2に記載のマルチコアファイバ母材の製造方法。
  4. 前記凹部は、円状の凹部であることを特徴とする請求項2に記載のマルチコアファイバ母材の製造方法。
  5. 前記凹部は、上面視で前記円筒部材と少なくとも一部が重なる貫通孔と、上面視で前記円筒部材と重ならない貫通孔と、を連通する連通溝部により構成されていることを特徴とする請求項2に記載のマルチコアファイバ母材の製造方法。
  6. 前記連通構造は、前記クラッド母材の前記一方の端部側に設けられた連通部により形成されていることを特徴とする請求項1に記載のマルチコアファイバ母材の製造方法。
  7. 前記連通構造は、前記連通部において、前記円筒部材の内部に対して開放されるように設けられた開口部と、それぞれの一端が前記貫通孔のそれぞれと接続され、それぞれの他端が前記開口部に接続された複数の連通孔とにより構成されていることを特徴とする請求項6に記載のマルチコアファイバ母材の製造方法。
  8. 前記連通構造は、前記連通部において、前記円筒部材の内部に対して開放されるように設けられた開口部と、前記複数の貫通孔と前記開口部とを一括して連通する連通空間と、により構成されていることを特徴とする請求項6に記載のマルチコアファイバ母材の製造方法。
  9. 前記連通部の外径が前記クラッド母材の外径より大きいことを特徴とする請求項6〜8のいずれか一つに記載のマルチコアファイバ母材の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか一つに記載の製造方法により製造されたマルチコアファイバ母材の前記貫通孔と前記クラッド母材との隙間を、前記円筒部材を介して減圧しながら、前記マルチコアファイバ母材の前記一方の端部とは反対に位置する他の端部を加熱溶融し、前記他の端部から、長手方向の軸に沿って延びる複数のコア部を有するマルチコアファイバを線引きすることを特徴とするマルチコアファイバの製造方法。
JP2016191693A 2016-09-29 2016-09-29 マルチコアファイバ母材の製造方法及びマルチコアファイバの製造方法 Active JP6560178B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016191693A JP6560178B2 (ja) 2016-09-29 2016-09-29 マルチコアファイバ母材の製造方法及びマルチコアファイバの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016191693A JP6560178B2 (ja) 2016-09-29 2016-09-29 マルチコアファイバ母材の製造方法及びマルチコアファイバの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018052775A true JP2018052775A (ja) 2018-04-05
JP6560178B2 JP6560178B2 (ja) 2019-08-14

Family

ID=61835176

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016191693A Active JP6560178B2 (ja) 2016-09-29 2016-09-29 マルチコアファイバ母材の製造方法及びマルチコアファイバの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6560178B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP4129939A1 (de) 2021-08-03 2023-02-08 Heraeus Quarzglas GmbH & Co. KG Verfahren und halbzeug zur herstellung von mehrkernfasern

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0497920A (ja) * 1990-08-09 1992-03-30 Sumitomo Electric Ind Ltd 偏波保持光ファイバ用母材の製造方法
JP2014201494A (ja) * 2013-04-05 2014-10-27 株式会社フジクラ 線引き用光ファイバプリフォーム、コネクタ付き線引き用光ファイバプリフォーム、および線引き方法
JP2015151279A (ja) * 2014-02-12 2015-08-24 住友電気工業株式会社 マルチコア光ファイバ製造方法
JP2016175779A (ja) * 2015-03-18 2016-10-06 住友電気工業株式会社 光ファイバ製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0497920A (ja) * 1990-08-09 1992-03-30 Sumitomo Electric Ind Ltd 偏波保持光ファイバ用母材の製造方法
JP2014201494A (ja) * 2013-04-05 2014-10-27 株式会社フジクラ 線引き用光ファイバプリフォーム、コネクタ付き線引き用光ファイバプリフォーム、および線引き方法
JP2015151279A (ja) * 2014-02-12 2015-08-24 住友電気工業株式会社 マルチコア光ファイバ製造方法
JP2016175779A (ja) * 2015-03-18 2016-10-06 住友電気工業株式会社 光ファイバ製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP4129939A1 (de) 2021-08-03 2023-02-08 Heraeus Quarzglas GmbH & Co. KG Verfahren und halbzeug zur herstellung von mehrkernfasern
WO2023011840A1 (de) 2021-08-03 2023-02-09 Heraeus Quarzglas Gmbh & Co. Kg Verfahren und halbzeug zur herstellung von mehrkernfasern

Also Published As

Publication number Publication date
JP6560178B2 (ja) 2019-08-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7178471B2 (ja) 母材用の要素、ファイバ製造方法、および、母材から線引きされた光ファイバ
US20130294737A1 (en) Multicore optical fiber (variants)
US9604868B2 (en) Preform manufacturing method
JP5889350B2 (ja) 光ファイバ母材の製造方法および光ファイバの製造方法
CN108508528B (zh) 用于多芯光纤的制作方法
JP6291885B2 (ja) マルチコア光ファイバ製造方法
JP5932881B2 (ja) マルチコアファイバ及びそのマルチコアファイバの製造方法
US7841213B2 (en) Method of manufacturing photonic crystal fiber using structure-indicating rods or capillaries
JP6919228B2 (ja) マルチコア光ファイバの製造方法
JP2013072963A (ja) マルチコア光ファイバの製造方法及びマルチコア光ファイバコネクタの製造方法
JP6560178B2 (ja) マルチコアファイバ母材の製造方法及びマルチコアファイバの製造方法
JP5435504B2 (ja) 光ファイバ用プリフォームの製造方法
US20210300812A1 (en) Manufacturing method for preform of multi-core fiber and manufacturing method for multi-core fiber
CN110568549A (zh) 一种基于空气孔棒的多芯光纤及其制备方法
US20060062533A1 (en) Photonic crystal fiber, method of manufacturing the crystal fiber, and method of connecting the fiber
JP2012025625A (ja) 光ファイバの製造方法
JP5603286B2 (ja) ファイバ
CN115124231A (zh) 一种含空气包层抗弯曲多芯光纤及制造方法
JP4417212B2 (ja) 光ファイバの製造方法
JP6198225B2 (ja) フォトニッククリスタル光ファイバ母材の製造方法
JP2019104653A (ja) マルチコア光ファイバ母材の製造方法、及び、マルチコア光ファイバの製造方法
JP4616892B2 (ja) 光ファイバ製造方法
JP2015121642A (ja) マルチコアファイバの製造方法
US20170363804A1 (en) Multicore fiber having elliptical cores
JP4343066B2 (ja) 光ファイバの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180115

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181012

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181204

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190201

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190709

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190718

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6560178

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350