JP2014201494A - 線引き用光ファイバプリフォーム、コネクタ付き線引き用光ファイバプリフォーム、および線引き方法 - Google Patents

線引き用光ファイバプリフォーム、コネクタ付き線引き用光ファイバプリフォーム、および線引き方法 Download PDF

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Abstract

【課題】線引き時のプリフォーム内圧力調整のため、ダミー管にコネクタを装着する場合において、コネクタの大型化やダミー管の長尺化を招かずに、コネクタに加わる熱を有効に低減し得るプリフォームを提供する。【解決手段】製品の光ファイバ裸線部分となる母材有効部における線引き側に対し反対側の端部に、軸線方向に沿う中空部を有する管状ガラスからなるダミー部の一端が溶着接合され、前記中空部が母材有効部の内部に連通するように構成され、ダミー部における線引き側に対し反対側の端部に、中空部に連通するコネクタが取り付けられるようにした線引き用光ファイバプリフォームにおいて、ダミー部における線引き側の端部とコネクタ取り付け側の端部との間の中途部分に、外径と内径の少なくとも一方が変化する1または2以上の径変化部が形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、石英ガラス系光ファイバで代表される光ファイバの製造技術に関するものであり、とりわけ、線引きによって光ファイバ裸線とするための光ファイバプリフォーム(光ファイバ母材)と、コネクタ付き光ファイバプリフォーム、およびそのプリフォームの線引き方法に関するものである。
一般に石英ガラス系光ファイバ素線の製造装置としては、図11に示すような装置が広く使用されている。この光ファイバ素線製造装置10は、石英系ガラス等からなるプリフォーム(光ファイバ母材)12を加熱溶融させるための紡糸用加熱炉14と、紡糸用加熱炉14から下方に向けて線引き(線状に引き出し)された光ファイバ裸線16を冷却するための冷却装置18と、冷却された光ファイバ裸線16を保護被覆用の樹脂により被覆するための樹脂被覆装置(コーティング装置)20と、その樹脂被覆装置20により被覆された樹脂を硬化させるために必要に応じて設けられる硬化装置22と、保護被覆用の樹脂が硬化された状態の光ファイバ素線24を引き取るための引取装置26とを備えた構成とされている。
このような光ファイバ素線製造装置によって光ファイバ素線を製造するにあたっては、光ファイバ裸線16の元になるプリフォーム(光ファイバ母材)12を紡糸用加熱炉14において2000℃以上の高温に加熱して溶融させ、その紡糸用加熱炉14の下部から、高温状態で光ファイバ裸線16として伸長させながら下方に引き出し、その光ファイバ裸線16を、樹脂によりコーティング可能となる温度まで冷却装置18により冷却する。そして所要の温度まで冷却された光ファイバ裸線16には、樹脂被覆装置20において保護のための樹脂が未硬化状態で被覆され、さらにその被覆樹脂が、硬化装置22において加熱硬化あるいは紫外線硬化などの樹脂の種類に応じた適宜の硬化手段により硬化され、保護被覆層を備えた光ファイバ素線24となって、ターンプーリ28を経て引取装置26によって所定速度で引き取られる。
ところで、各種の光ファイバのうちでも、偏波面保存光ファイバ、ホーリーファイバ、マルチコア光ファイバなどの特殊光ファイバは、単純に1つのコアを有するような通常の光ファイバでは得られない特徴を有しており、既に種々開発、製品化が進められている。これらの特殊光ファイバは、複雑な内部構造を有しているため、通常の光ファイバとは異なる製造方法、特に線引きについての異なる方法によって製造されることが多い。
例えば、偏波面保存光ファイバの場合、中心にコアを有するプリフォームの両側に2つの空孔を設け、その空孔に応力付与部と称される棒材を挿入し、真空に引きながら線引きを行うことによって、コアの両側に応力付与部を有する偏波面保存光ファイバを作製する方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
また、ホーリーファイバの場合、プリフォームの所望の位置に空孔を設け、その空孔に圧力を加えながら線引きすることによって、空孔を有するホーリーファイバを作製する方法が知られている(例えば特許文献2参照)。
さらに、マルチコア光ファイバの場合、石英管内にコアを有する棒材を複数本詰め込み、真空に引きながら線引きを行うことによって、複数のコアを有するマルチコア光ファイバを製造することが知られている(例えば特許文献3参照)。
また一方、上記のような特殊光ファイバ以外の、シングルモード光ファイバ、マルチモード光ファイバ、分散シフト光ファイバなどの単純な構造を有する光ファイバにおいても、製造コストの低コスト化、プリフォームの大型化のため、石英管にコア材を挿入し、真空に引きながら線引きする方法を適用することがある(例えば特許文献4参照)。
このように、光ファイバの製造においては、プリフォーム(光ファイバ母材)の線引き中に、プリフォームの内部を加圧若しくは減圧(真空引き)すること、すなわち圧力調整を行なうことが多い。このように圧力調整しながら線引きするための具体的な方法としては、従来は、図12に示すようなプリフォーム12を用いて、図13に示すように線引きすることが行なわれている。
すなわち、図12に示すように、プリフォーム12における、光ファイバの製品における光ファイバ裸線となるべき部分(母材有効部)30における線引き端とは逆端側に、製品部分とはならない(すなわちダミーとなる)中空のガラス管32を溶着しておき、そのガラス管(以下ダミー管と記す)32の末端に、コネクタ34を取り付けて、そのコネクタ34を、圧力調整配管(ガス配管)36を介して図示しない加圧装置もしくは真空ポンプなどの圧力調整手段に接続しておく。そして図13に示すように、紡糸用加熱炉14内に母材有効部30を挿入して、紡糸用加熱炉14のヒータ15によって母材有効部30を加熱しながらの線引き中に、コネクタ34およびダミー管32の中空部33を介して母材有効部30の内部の圧力を調整することが行なわれている。ここで、ダミー管32の末端に装着されるコネクタ34の材料としては、ステンレス鋼などの金属や、フッ素系樹脂などの耐熱樹脂を用いるのが一般的である。
ところで線引きでは、プリフォームは2000℃以上の高温に加熱される。そのため、ダミー管32に圧力調整配管接続のためのコネクタ34を取り付けている場合、プリフォームの母材有効部30に加わる熱が、ダミー管32を介して伝熱されて、コネクタ34付近も高温となってしまう。そこで、金属製のコネクタの場合は、コネクタ内部を水循環などにより冷却するのが通常である。しかしながらその場合、コネクタ全体が著しく大型化し、取扱い性やコスト面などにおいて問題が生じる。一方、コネクタが耐熱樹脂製の場合には、母材有効部もしくはダミー管の長さを長くすることにより、熱源からコネクタまでの距離を伸ばすことによって、コネクタに加えられる熱を少なくすることが行なわれている。しかしながらダミー管を長尺化すれば、線引き装置などのスペース的問題により、製品長が制限される可能性がある。
したがって、プリフォームの母材有効部の内部圧力調整のために、ダミー管に圧力調整配管接続用のコネクタを装着する場合においては、線引き中にコネクタにできるだけ熱が加わらないようにすることが強く望まれるが、従来は、コネクタの大型化やダミー管の長尺化を招くことなく、コネクタに加わる熱を有効に低減することは困難であった。
特開平4−21533号公報 特開2012−184142号公報 特表2001−511538号公報 特開2010−173895号公報
本発明は以上の事情を背景としてなされたもので、線引き時においてプリフォームの母材有効部の内部圧力を調整するために、ダミー管に圧力調整配管接続用のコネクタを装着する場合において、コネクタの大型化やダミー管の長尺化、あるいは製品長の制約などの問題を招くことなく、コネクタに加わる熱を有効に低減しうるようにした線引き用光ファイバプリフォーム、およびコネクタ付きプリフォーム、さらにそのプリフォームを用いた線引き方法を提供することを課題としている。
本発明の基本的な態様(第1の態様)による線引き用光ファイバプリフォームは、
光ファイバ製品における光ファイバ裸線部分となるべき光ファイバ母材有効部における線引き側に対して反対側の端部に、軸線方向に沿って延びる中空部を有する管状のガラスからなるダミー部の一端が溶着接合され、かつ前記中空部が前記光ファイバ母材有効部の内部に連通するように構成され、前記ダミー部における線引き側に対し反対側の端部に、前記中空部に連通する圧力調整配管接続用のコネクタが取り付けられるようにした線引き用光ファイバプリフォームにおいて、前記ダミー部における線引き側の端部とコネクタ取り付け側の端部との間の中途部分に、外径と内径の少なくとも一方が変化する1または2以上の径変化部が形成されていることを特長とするものである。
また本発明の第2の態様による線引き用光ファイバプリフォームは、前記第1の態様の光ファイバプリフォームにおいて、前記径変化部が、線引き側の端部からコネクタ取り付け側の端部に向けてダミー部の断面積が小さくなる部位であることを特徴とするものである。
また本発明の第3の態様による線引き用光ファイバプリフォームは、前記第1もしくは第2の態様の光ファイバプリフォームにおいて、前記径変化部が、線引き側の端部からコネクタ取り付け側の端部に向けてダミー部の外径および内径が小さくなる部位であることを特徴とするものである。
また本発明の第4の態様による線引き用光ファイバプリフォーム装置は、前記第1もしくは第2の態様の光ファイバプリフォームにおいて、前記径変化部が、線引き側の端部からコネクタ取り付け側の端部に向けてダミー部の外径が小さくなる部位であることを特徴とするものである。
また本発明の第5の態様による線引き用光ファイバプリフォームは、前記第1もしくは第2の態様の光ファイバプリフォームにおいて、前記径変化部が、線引き側の端部からコネクタ取り付け側の端部に向けてダミー部の内径が大きくなる部位であることを特徴とするものである。
さらに本発明の第6の態様による線引き用光ファイバプリフォームは、前記第1〜第5のいずれかの態様の光ファイバプリフォームにおいて、前記ダミー部が、外径と内径とのうち少なくとも一方が異なる複数の単位ダミー管を直列状に溶着接合した構成とされ、かつ隣り合う単位ダミー管の溶着接合部分が前記径変化部とされていることを特徴とするものである。
さらに本発明の第7の態様による線引き用光ファイバプリフォームは、前記第1〜第5のいずれかの態様の光ファイバプリフォームにおいて、前記径変化部が、線引き側の端部からコネクタ取り付け側の端部に向けて、ダミー部の外周面と内周面とのうち少なくとも一方がテーパー状に変化する部位であることを特徴とするものである。
さらに本発明の第8の態様による線引き用光ファイバプリフォームは、前記第1〜第7のいずれかの態様の光ファイバプリフォームにおいて、前記ダミー部における線引き側の端部の外径が、前記光ファイバ母材有効部の外径と同等とされていることを特徴とするものである。
さらに本発明の第9の態様による線引き用光ファイバプリフォームは、前記第1〜第8のいずれかの態様の光ファイバプリフォームにおいて、前記ダミー部の中空部が、コネクタ取り付け側の端部においてその端面に開口しており、その開口部に前記コネクタが取り付けられるように構成したことを特徴とするものである。
さらに本発明の第10の態様による線引き用光ファイバプリフォームは、前記第1〜第8のいずれかの態様の光ファイバプリフォームにおいて、前記ダミー部の中空部が、コネクタ取り付け側の端部においてその外周面に開口しており、その開口部に連通する前記コネクタが、前記ダミー部の外周面に取り付けられるように構成したことを特徴とするものである。
さらに本発明の第11の態様によるコネクタ付き線引き用光ファイバプリフォームは、前記第9の態様の線引き用光ファイバプリフォームにおける、前記ダミー部のコネクタ取り付け側の端部に、その端面を覆うように前記コネクタが取り付けられてなることを特徴とするものである。
さらに本発明の第12の態様によるコネクタ付き線引き用光ファイバプリフォームは、前記第10の態様の線引き用光ファイバプリフォームにおける、前記ダミー部のコネクタ取り付け側の端部の外周面に前記コネクタが取り付けられてなることを特徴とするものである。
さらに本発明の第13の態様による線引き方法は、前記第11、第12のいずれかの態様のコネクタ付き線引き用光ファイバプリフォームを用いて線引きする方法であって、気体圧力を調整するための圧力調整手段を、圧力調整配管および前記コネクタを介して前記ダミー部に接続し、前記中空部を介して前記光ファイバ母材有効部の内部圧力を調整しながら、紡糸用加熱炉内において前記光ファイバ母材有効部を加熱溶融させて線引きすることを特徴とするものである。
さらに本発明の第14の態様による線引き方法は、前記第13の態様の線引き方法において、前記圧力調整手段が、加圧手段であることを特徴とするものである。
さらに本発明の第15の態様による線引き方法は、前記第13の態様の線引き方法において、前記圧力調整手段が、減圧手段であることを特徴とするものである。
本発明によれば、プリフォームにおける製品となるべき光ファイバ母材有効部の内部圧力調整のために、母材有効部に溶着接合されたダミー管に圧力調整配管用のコネクタを装着する場合において、コネクタを冷却したりダミー管をいたずらに長尺化させたりすることなく、コネクタに加わる熱を有効に低減して、コネクタの過加熱を防止することができる。したがって本発明によれば、コネクタ冷却のためにコネクタが大型化して取り扱い性やコストの問題が生じずに、しかもダミー管の長尺化によって製品長が制約されるなどの問題も生じずに、コネクタの過加熱を有効に防止することができる。
本発明の一実施形態の線引き用光ファイバプリフォームを、コネクタを取り付けた状態で示す断面図である。 図1の要部を拡大して示す断面図である。 図1に示される光ファイバプリフォームを用いて線引きする状況を示す模式図である。 本発明の線引き用光ファイバプリフォームにおけるダミー部の径変化部の第1のパターンを示す断面図である。 本発明の線引き用光ファイバプリフォームにおけるダミー部の径変化部の第2のパターンを示す断面である。 本発明の線引き用光ファイバプリフォームにおけるダミー部の径変化部の第3のパターンを示す断面である。 本発明の線引き用光ファイバプリフォームにおけるダミー部の径変化部の第4のパターンを示す断面図である。 本発明の線引き用光ファイバプリフォームにおけるダミー部の径変化部の第5のパターンを示す断面図である。 本発明の線引き用光ファイバプリフォームにおけるダミー部の径変化部の第6のパターンを示す断面図である。 本発明の線引き用光ファイバプリフォームにおけるダミー部の径変化部の第7のパターンを示す断面図である。 本発明の線引き用光ファイバプリフォームにおけるダミー部の径変化部の第8のパターンを示す断面図である。 本発明の線引き用光ファイバプリフォームにおけるダミー部の径変化部の第9のパターンを示す断面図である。 本発明の線引き用光ファイバプリフォームにおけるダミー部の径変化部の第10のパターンを示す断面図である。 本発明の線引き用光ファイバプリフォームにおけるダミー部のコネクタ取り付け側端部の別の例を示す断面図である。 本発明の線引き用光ファイバプリフォームにおけるダミー部のコネクタ取り付け側端部のさらに別の例を示す断面図である。 図8Aに示されるダミー部のコネクタ取り付け側端部にコネクタを取り付けてなるコネクタ付き線引き用光ファイバプリフォームの一例を示す断面図である。 図9に示されるコネクタ付き線引き用光ファイバプリフォームを用いて線引きする状況を示す模式図である。 光ファイバ製造装置の一例の全体構成を示す略解図である。 線引き時に光ファイバ母材内の圧力調整を行なう場合の従来のコネクタ付き線引き用光ファイバプリフォームの一例を示す断面図である。 図12に示される従来のコネクタ付き光ファイバプリフォームを用いて線引きする状況を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1、図2には、本発明の一実施形態の線引き用光ファイバプリフォーム41の全体構成(但し圧力調整配管接続用コネクタ53を取り付けたコネクタ付き光ファイバプリフォームの状態)を示し、図2にはその要部を拡大して示す。なお本実施形態は、ホーリーファイバ(空孔付き光ファイバ)を製造するための線引き用光ファイバプリフォームとして示している。
図1、図2において、最終的な光ファイバ製品における光ファイバ裸線部分となるべき部分、すなわち光ファイバ母材有効部43は、石英系ガラスによって全体として丸棒状をなすように作られ、かつその軸線方向に沿って貫通する複数の空孔45が形成されている。これらの空孔45は最終製品であるホーリーファイバの空孔部分となる部分である。
光ファイバ母材有効部43の先端部(図1、図2の左方:線引き側の端部)には、テーパー部47が形成されている。このテーパー部47は、線引き時の引き出し側ダミー部分を構成するものであり、円錐状のガラス体を光ファイバ母材有効部43の先端面に溶着して形成したり、あるいは光ファイバ母材有効部43の先端部を切削したり、引き伸ばしたりすることによって形成されていればよく、そのテーパー部47の形成方法は従来と同様であれば良い。
光ファイバ母材有効部43の後端部(図1、図2の右方:線引き側に対して反対側の端部)には、軸線方向に沿って貫通する中空部51を有して全体として中空管状をなすダミー部49が、光ファイバ母材有効部43の軸線の延長線を軸線とするように配設されて、その先端面が光ファイバ母材有効部43の後端面に溶着により接続されている。ここで、ダミー部49の中空部51は、光ファイバ母材有効部43との溶着接合部分において、光ファイバ母材有効部43の複数の空孔45に連通している。
ダミー部49は、本実施形態では、それぞれ中空なガラス管からなる複数本(図示の例では3本)の単位ダミー管49A、49B、49Cを直列状に配列して、それぞれの端面間を溶着して一体化した構成とされている。そしてダミー部49の後端部(線引き側に対して反対側の端部)には、圧力調整配管接続用のコネクタ53が取り付けられており、このコネクタ53には、ガス配管(圧力調整配管)55を介して図示しない圧力調整手段が接続されている。この圧力調整手段は、ダミー部49の中空部51およびそれに連通する光ファイバ母材有効部43内部の圧力を調整するためのものであり、ホーリーファイバを対象としている本実施形態では、ダミー部49の中空部51およびそれに連通する光ファイバ母材有効部43の複数の空孔45内を加圧するための加圧手段(加圧圧力制御手段)によって構成されている。すなわちNやArガスなどの不活性ガスを加圧して、ガス配管55およびコネクタ53を介してダミー部49の中空部51にその後端から送り込むようになっている。
さらに本実施形態におけるダミー部49の各単位ダミー管49A、49B、49Cおよびコネクタ53の部分について詳細に説明する。
ダミー部49を構成する各単位ダミー管49A、49B、49Cのうち、最も先端部側に位置する単位ダミー管49Aを第1の単位ダミー管49A、中間の単位ダミー管49Bを第2の単位ダミー管49B、最も後端部側に位置する単位ダミー管49Cを第3の単位ダミー管49Cとする。そして光ファイバ母材有効部43の外径をD0、第1の単位ダミー管49Aの外径D11、内径をD12とし、第2の単位ダミー管49Bの外径をD21、内径をD22、第3の単位ダミー管49Cの外径をD31、内径をD32とする。
図1、図2に示す本実施形態では、これらの各径の関係は、次のように定められている。
D11=D0 ・・・(1)
D11>D21>D31 ・・・(2)
D12>D22>D32 ・・・(3)
したがって第1の単位ダミー管49Aの外径D11は光ファイバ母材有効部43の外径をD0と同じであるが、ダミー部49内においては、先端部側から後端部側に向かって、外径および内径が順次小さくなるように構成されている。
ここで、ダミー部49内における外径と内径のうち、少なくとも一方が変化する部分を径変化部と称することとすれば、本実施形態においては、第1の単位ダミー管49Aと第2の単位ダミー管49Bとの溶着部分(接合部分)は、第1の単位ダミー管49Aから第2の単位ダミー管49Bへ向かって外径および内径が小さくなる第1の径変化部57Aとなっている。そして第2の単位ダミー管49Bと第3の単位ダミー管49Cとの溶着部分(接合部分)は、第2の単位ダミー管49Bから第3の単位ダミー管49Cへ向かって外径および内径が小さくなる第2の径変化部57Bとなっている。
さらに、第1の単位ダミー管49Aの断面積(中空部分を除いた切断端面の面積)をS1、第2の単位ダミー管49Bの断面積(中空部51を除いた切断端面の面積)をS2、第3の単位ダミー管49Cの断面積(中空部51を除いた切断端面の面積)をS3とすれば、
S1=π×[{D11/2}−{D12/2}] ・・・(4)
S2=π×[{D21/2}−{D22/2}] ・・・(5)
S3=π×[{D31/2}−{D32/2}] ・・・(6)
と表されるが、これらの断面積S1、S2、S3は、次のように定められている。
S1>S2>S3 ・・・(7)
すなわちダミー部49内においては、先端部側から後端部側に向かって、断面積S1、S2、S3が順次小さくなるように構成されている。
コネクタ53は、ステンレス鋼などの金属、あるいはフッ素樹脂などの耐熱性樹脂によって作られたものであって、図2に示しているように、第3の単位ダミー管49Cの後端面における中空部分51の開口部51Aを覆うカバー形状に作られるとともに、中央に第3の単位ダミー管49Cの中空部51に連通する貫通孔53Aが形成され、さらにその外部側には、ガス配管取り付け部53Bが形成されている。このようなコネクタ53は、第3の単位ダミー管49Cの後端面をカバーするように第3の単位ダミー管49Cの後端部に取り付けられて、Oリング59によりシールされるとともに、ガス配管取り付け部53Bにガス配管(圧力調整配管)が取り付けられる。
このような線引き用光ファイバプリフォーム41を用いて実際に線引きを行なうにあたっては、図3に示しているように、紡糸用加熱炉14内に母材有効部分43を挿入して、紡糸用加熱炉14のヒータ15によって母材有効部分43を2000℃程度以上の高温に加熱して軟化・溶融させながら、自重および下方からの光ファイバ素線牽引力によって細く線引きする。この際、ヒータ15によって高温に加熱された母材有効部分43からの輻射による熱および熱伝導による熱が、ダミー部49を経てコネクタ53に伝達されることになるが、本実施形態の線引き用光ファイバプリフォーム41では、線引き時において加熱される光ファイバ母材有効部43からの輻射による熱および熱伝導による熱が、コネクタ53が取り付けられた後端部位まで伝達されにくくなり、そのためコネクタが過加熱されるような事態が発生することを有効に防止することができる。その理由は次の通りである。
すなわち図1、図2に示される実施形態においては、ダミー部49における、光ファイバ母材有効部43からコネクタ53に至るまでの間、すなわちダミー部49の先端部から後端部までの間に、各単位ダミー管49A、49B、49Cの接合部位(溶着部位)として、外径および内径が変化する径変化部57A、57Bが存在している。また各単位ダミー管49A、49B、49Cの接合部位(溶着部位)である径変化部57A、57Bでは、径のみならず断面積S1、S2、S3も、先端部から後端部に向かって小さくなっている。そしてこのような構成とすることによって、光ファイバ母材有効部43からの熱は、コネクタ53に至るまでの間において大幅に減衰し、その結果、コネクタ53が過加熱されることが防止される。
より具体的に説明すれば、先ず輻射熱については、光ファイバ母材有効部43からの輻射熱は、主としてダミー部49の管壁内(管壁の肉厚内)を、その軸線方向に沿って後端部側に向けて伝熱されるが、径変化部57A、57Bにおいて、その輻射方向が変化して散乱あるいは反射し、さらにダミー部49の管壁外に放出され、その結果、ダミー管49の管壁内を伝わる輻射熱が減衰される。特に本実施形態の場合、径変化部57A、57Bは、単位ダミー管相互間の溶着部(接合部)となっているため、その部分での散乱、反射、外部放射も大きくなって、管壁内を伝わる輻射熱の減衰度合いが大きくなる。
また熱伝導についても、光ファイバ母材有効部43からの熱伝導による熱は、主としてダミー部49の管壁内(管壁の肉厚内)を伝わるが、本実施形態では、径変化部57A、57Bにおいてダミー管49の断面積が後端部側に向かって小さくなっており、このことは熱伝導に寄与する有効断面積が後端部側に向かって小さくなっていることを意味し、したがって熱伝導による伝熱も後端部側に向かって小さくなる。
したがってこれらの作用が相俟って、光ファイバ母材有効部43からの熱は、コネクタ53に至るまでの間において大幅に減衰し、その結果、コネクタ53が過加熱されることが防止される。そのため、コネクタ53に水冷などの冷却構造を組み込むことが不要となり、コネクタ部分の大型化やコスト上昇を回避することができる。また、コネクタの過加熱を防止するために、いたずらにダミー部を長尺化して、ダミー部の長さによって伝熱を減衰させる必要性も少なくなる。
なお本実施形態では、第1の単位ダミー管49Aの外径D11を、光ファイバ母材有効部43の外径D0と等しい径としているが、第1の単位ダミー管49Aの外径D11を、光ファイバ母材有効部43の外径D0よりも小さい径として、光ファイバ母材有効部43と第1の単位ダミー管49Aとの溶着部分(接合部分)をも、径変化部とすることも、場合によっては許容される。しかしながら、第1の単位ダミー管49Aの外径D11を、光ファイバ母材有効部43の外径D0と等しい径としておけば、図3に示しているように、線引き時においてファイバ母材有効部43の外周面と紡糸用加熱炉14の内壁面14Aとの間の隙間SAの寸法と、ダミー部49における紡糸用加熱炉14への挿入部分(本実施形態では第1のダミー管49A)の外周面と紡糸用加熱炉14の内壁面14Aとの間の隙間SBとが同じ寸法となる。すなわち、隙間SAと隙間SBとの間に段差がない状態となるため、紡糸用加熱炉14内の隙間に温度分布均一化のために希ガスなどのガスを導入する場合でも、上記の隙間でガスの乱流が生じるおそれが少なくなる。その結果、ガス導入による温度分布均一化の効果を確実に発揮させることが可能となる。したがって、上述のように第1のダミー管49Aの外径D11は、光ファイバ母材有効部43の外径D0と等しい寸法とすることが望ましい。
以上のところにおいて、図1、図2に示す実施形態では、各各単位ダミー管49A、49B、49Cの接合部位(溶着部位)である径変化部57A、57Bについて、外径と内径との両者がダミー部49の先端部側から後端部側に向かって小さくなるものとしているが、径変化部は、既に述べたように、ダミー部49内における外径と内径のうち、少なくとも一方が変化する部分であれば良い。そこで、径変化部において径が変化する代表的な3種のパターンを、図1、図2に示した場合のパターンを含め、図4A〜図4Cに示す。
なおここでは第1の径変化部57A、すなわち第1の単位ダミー管49Aと第2の単位ダミー管49Bとの先端面同士の溶着部分についてのみ示しているが、図1、図2に示すように、3本もしくはそれ以上の本数の単位ダミー管を用いて、2以上の径変化部57A、57Bが存在する場合についての、図示した第1の径変化部57A以外の径変化部のパターンも、図4A〜図4Cと同様に考えれば良い。
図4Aには、図1、図2に示した実施形態のパターンに相当する径変化パターンを示す。すなわち、ダミー部49の先端部側から後端部側に向かって、各単位ダミー管の外径および内径が小さくなるパターンであり、次のように表される。
D11>D21 ・・・(8)
D12>D22 ・・・(9)
S1>S2 ・・・(10)
次に図4Bは、ダミー部49の先端部側から後端部側に向かって、各単位ダミー管の外径が小さくなる一方、内径は変化しないパターンであり、次のように表される。
D11>D21 ・・・(11)
D12=D22 ・・・(12)
S1>S2 ・・・(13)
なおこのパターンでは、上記の(11)式および(12)式を満たすことによって、(13)式は必然的に満たされることになる。
さらに図4Cは、ダミー部49の先端部側から後端部側に向かって、各単位ダミー管の内径が大きくなる一方、外径は変化しないパターンであり、次のように表される。
D11=D21 ・・・(14)
D12<D22 ・・・(15)
S1>S2 ・・・(16)
なおこのパターンでは、上記の(14)式および(15)式を満たすことによって、(16)式は必然的に満たされることになる。
ここで、図4A〜図4Cのいずれのパターンでも、ダミー部49の先端部側から後端部側に向かって、各単位ダミー管の断面積が小さくなることとしている。例えば第1の単位ダミー管49Aの断面積S1よりも第2の単位ダミー管49Bの断面積S2が小さいこととしている。しかしながら、場合によっては各単位ダミー管の外径および/または内径は小さくなっても、断面積は変わらないようにすることも許容される。すなわちその場合でも、既に述べたような母材有効部分43からコネクタ53までの間におけるダミー部49内での伝達熱の二つの減衰要因(輻射熱の減衰および伝導熱の減衰)のうち、輻射熱の減衰には効果があるからである。但し、実際上は、輻射熱の減衰に加え、伝導熱の減衰の効果も得るために、各単位ダミー管の断面積も、ダミー管49の先端部側から後端部側に向けて小さくすることが望ましい。
また図4A〜図4Cでは、それぞれ一つの径変化部についての径変化パターンを示しているが、ダミー部49を3本以上の単位ダミー管によって構成する場合(すなわち2以上の径変化部が存在する場合)には、すべての径変化部の径変化パターンを同一のパターンとする必要はなく、異なる2以上のパターンを適用してもよい。
さらに、図1、図2に示した実施形態では、各単位ダミー管の接合部位(溶着部位)において、隣り合う単位ダミー管の端面同士を突き合わせて、その端面同士を溶着した構成としているが、必ずしも端面同士を突き合わせて溶着する必要はなく、隣り合う二つの単位ダミー管のうち、一方の単位ダミー管の端部の内側に、他方の単位ダミー管の端部を挿入して溶着する構成としても良い。その場合の代表的な例を、第1のダミー管49Aと第2のダミー管49Bとの接合部位(溶着部位:第1の径変化部57Aに相当)に関して、図5A〜図5Cに示し、これらについて次に説明する。
図5Aの場合は、第2のダミー管49Bの外径D21が第1のダミー管49Aの内径D12と実質的に同一に定められ、第1のダミー管49Aの端部内側に、第2のダミー管49Bの端部が挿入されて、第1のダミー管49Aの端部の内周面と第2のダミー管49Bの端部の外周面とが溶着接合されている。そしてこの溶着接合部分の領域が、前述の径変化部57Aを構成している。
また図5Bの場合は、第2のダミー管49Bの外径D21が第1のダミー管49Aの内径D12より小さく定められ、第1のダミー管49Aの端部内側に、内向きに突出する内向き隆起部61が形成され、その内向き隆起部61の内面側に、第2のダミー管49Bの端部が挿入されて、第1のダミー管49Aの内向き隆起部61の内周面と第2のダミー管49Bの端部の外周面とが溶着接合されている。そしてこの溶着接合部分の領域が、前述の径変化部57Aを構成している。
さらに図5Cの場合は、第1のダミー管49Aの後端部近くの部分が、後端に向かって外径および内径がテーパー状に縮小される縮径部63とされ、一方第2のダミー管49Bの外径21は、縮径部63の最小内径と実質的に等しい径とされている。そして、第1のダミー管49Aの縮径部63の内側に、第2のダミー管49Bの端部が挿入されて、第1のダミー管49Aの縮径部63の内周面と第2のダミー管49Bの端部の外周面とが溶着接合されている。そして、その溶着接合部分を含む第1のダミー管49Aの縮径部63が、前述の径変化部57Aを構成している。
これらの図5A〜図5Cの各例の場合も、既に述べたような径変化部のいずれかの径変化パターン条件を満たすことによって、光ファイバ母材有効部43からの熱を、コネクタ53に至るまでの間において大幅に減衰させ、その結果、コネクタ53の過加熱を防止することができる。
また、ダミー部49を3本以上の単位ダミー管によって構成する場合(すなわち2以上の径変化部が存在する場合)には、これらの図5A〜図5Cの各例のうちのいずれか1以上と、図4A〜図4Cに示したような隣り合う単位ダミー管の端面同士を付き合わせる態様とを併用しても良い。
さらに、以上の各例では、ダミー部49を外径および/または内径が異なる複数の単位ダミー管を直列状に配列して、隣り合う単位ダミー管の端部の溶着接合によってダミー部49における径変化部を形成しているが、場合によっては、ダミー部49を単一のダミー管によって構成し、その単一のダミー管の一部、すなわち光ファイバ母材有効部43の側(先端部側)からコネクタ53の取り付け位置の側(後端部側)に至るまでの中途の箇所に、径変化部を形成しても良い。その場合の代表的な例を、図6A〜図6Cに示し、次にこれらの例を説明する。なお、図6A〜図6Cの各図において、単一のダミー管490における左側の部分490Aが、光ファイバ母材有効部43に近い側(先端部側)とし、その先端部側の部分490Aの外径、内径について、便宜状、図2に示した第1の単位ダミー管49Aの外径、内径と同じくD11、D12と示している。また単一のダミー管490における右側の部分490Bが、光ファイバ母材有効部43から遠いコネクタ側(後端部側)とし、その後端部側の部分490Bの外径、内径を、便宜状、図2に示した第2の単位ダミー管49Bの外径、内径と同じくD21、D22と示している。
図6Aに示す例では、単一のダミー管490における先端部側の部分490Aと、後端部側の部分490Bとの間に、先端部側から後端部側に向かって外径および内径が縮小するテーパー状の径変化部570が形成されている。この場合、既に図4Aについて述べた、(8)式、(9)式を満たしている。なおこの場合も、後端部側の部分490Bの断面積が、先端部側の部分490Aの断面積よりも小さくなるように定めることが望ましい。
図6Bに示す例では、単一のダミー管490における先端部側の部分490Aと、後端部側の部分490Bとの間に、先端部側から後端部側に向かって外径が縮小するテーパー状外面を有する径変化部570が形成されている。この場合、既に図4Bについて述べた、(11)式、(12)式を満たしている。なおこの場合、後端部側の部分490Bの断面積は、先端部側の部分490Aの断面積よりも必然的に小さくなる。
図6Cに示す例では、単一のダミー管490における先端部側の部分490Aと、後端部側の部分490Bとの間に、先端部側から後端部側に向かって内径が拡大するテーパー状内面を有する径変化部570が形成されている。この場合、既に図4Cについて述べた、(14)式、(15)式を満たしている。なおこの場合も、後端部側の部分490Bの断面積は、先端部側の部分490Aの断面積よりも必然的に小さくなる。
さらに、ダミー部49として単一のダミー管490を用いた場合における径変化部570の別の例を、図7に示す。この例では、単一のダミー管490における先端部側の部分490Aと、後端部側の部分490Bとの間に、外周方向に向けて凸彎曲状(波状若しくは皺状)に屈曲する屈曲部65が形成されている。すなわちこの屈曲部65においては、単一のダミー管490における先端部側から後端部側に向けて、外径および内径が、D11、D12からD41、D42に一旦拡大し、引き続いて再びD11、D12に戻る径変化部570となっている。このような径変化部570を有するダミー管490を用いて線引きした場合も、母材有効部分43からの輻射熱が、径変化部570において散乱、反射、外部放射されて、前記と同様な輻射熱減衰効果を得ることができる。
図8A、図8Bには、ダミー部49におけるコネクタ取り付け部分についての別の例を示す。
すなわち、図1、図2に示した実施形態の場合は、コネクタ53を、ダミー部49の延長方向に位置するように、ダミー部49の後端面(たとえば第3のダミー管49Cの後端面)に対向して取り付けているが、図8A、図8Bの例では、コネクタ53をダミー部49の後端部の外周面(たとえば第3のダミー管49Cの後端部の外周面)に取り付けることによって、コネクタ53の設置位置をダミー部49の延長位置から外し得るように、ダミー部49の内部の中空部を構成している。
具体的には、図8Aの場合、ダミー部49の最後端のダミー管(第3のダミー管)49C内における中空部51として、その第3のダミー管49Cの前端から軸線方向に連続する軸方向中空部510を第3のダミー管49Cの後端面に開口させずに、第3のダミー管49Cの後端を閉塞した構成としておき、軸方向中空部510の後部から、その軸方向中空部510に連続しかつダミー管49Cの外周面に向かう曲がり中空部512を形成し、その曲がり中空部512を、第3のダミー管49Cの外周面の一部に開口させた構成としている。
この場合、例えば図9、図10に示すように、第3のダミー管49Cの後端部の外周面を取り囲むようにコネクタ53を取り付けて、前記曲がり中空部512の開口端をガス配管55と連通させれば良い。このようなコネクタ取り付け構成によれば、ダミー部49の管壁内に伝達される輻射熱の進行方向(すなわちダミー部49の軸線方向に沿った方向)の延長位置から外れるため、輻射熱によってコネクタ53が加熱されることを防止でき、したがってコネクタ53の過過熱を抑制する効果が一層向上する。
なお図8Aの例では、ダミー部49の径変化部について、単位ダミー管の溶着接合部とし、かつ図2、図4Aに示したものと同様な径変化パターン、構造を適用しているが、ダミー部49の径変化部については、図4B、図4Cに示すような径変化パターン、または図5A〜図5Cに示すような構造を適用しても構わない。例えば、図5Cに示す径変化部構造を適用した場合について、上記と同様にコネクタ53の設置位置をダミー部49の延長位置から外した構造を適用した例を図8Bに示している。
さらに、ダミー部49を単一のダミー管によって構成して、その中途に径変化部を形成した場合、例えば図6A〜図6C、図7に示した各例の場合においても、その単一のダミー管490の後端のコネクタ取り付け部分を図8Aと同様な構成として、コネクタ53の設置位置をダミー部49の延長位置から外しても良いことはもちろんである。
なお前述の説明では、光ファイバ母材有効部43は、ホーリーファイバを製造する場合を想定して、その光ファイバ母材有効部43内の複数の空孔45を加圧するものとしたが、本発明の適用対象は、ホーリーファイバを製造する場合に限定されるものではなく、線引き中に光ファイバ母材有効部43内を加圧する必要がある場合にはすべて適用可能である。
また、偏波面保存光ファイバや、マルチコア光ファイバを製造する場合、逆に光ファイバ母材有効部43内を真空引き(減圧)しながら線引きすることが行なわれているが、このような場合にも本発明を適用し得ることはもちろんである。
以下に本発明の一実施形態の線引き用光ファイバプリフォームを使用して実際に線引きを行なった実験例(本発明実験例1、本発明実験例2)、および従来の線引き用光ファイバプリフォームを使用して線引きを行なった実験例(比較実験例)を示す。
〔比較実験例〕
図12に示すように、外径が80mmの母材有効部30に、径変化部のない均一な径の石英系ガラス管からなるダミー管32を溶着し、さらにそのダミー管32の端部に、圧力調整配管用コネクタ34を直接装着してなるコネクタ付きプリフォームを用い、図13に示すように防止用加熱炉14に挿入して、ダミー管32内にアルゴンガスによって1kPaの圧力を加えながら、2000℃以上に加熱しての線引きを行った。なおコネクタ36の材質はフッ素樹脂とし、このダミー管32の長さは700mm、外径は80mm、内径は50mmとした。
この比較実験例では、コネクタ36の温度が200℃を超えてしまい、フッ素樹脂からなるコネクタの耐熱温度を越えたため、線引きを中止せざるを得なかった。
〔本発明実験例1〕
径変化部を有するダミー部を母材有効部に溶着し、かつそのダミー部の端部に圧力調整配管用コネクタを直接装着してなるコネクタ付きプリフォームを用いた。具体的なコネクタ付きプリフォームとしては、それぞれ石英系ガラス管からなりかつ外径および内径が異なる二つの単位ダミー管を直列に溶着接合し、第2のダミー管の端面を覆うように前記と同様なフッ素樹脂からなるコネクタを取り付けたものである。言い換えれば、図1、図2に示されるプリフォームのダミー部49を構成する単位ダミー管の数を、2本に変更したものである。ここで母材有効部側の第1のダミー管の外径は、母材有効部の外径と同じく80mm、内径は40mmとし、コネクタ側の第2の単位ダミー管の外径は50mm、内径は30mmとした。ダミー部49の全長は、比較実験例と同じく700mmとした。
そして比較実験例と同様な条件で、図3に倣って線引きを実施した。
この本発明実験例1では、コネクタの温度は180℃以下に抑えることができ、この温度はフッ素樹脂の耐熱温度より低いため、連続して線引きを行なうことができた。
〔本発明実験例2〕
この本発明実験例2は、ダミー部の後端部分を、図8Aに示すような構成として、図9に示しているようにコネクタをダミー部の後端部の外周面に取り付けたコネクタ付きプリフォームを用いた。なおダミー部の長さ、ダミー部を構成する単位ダミー管の材質、本数、外径、内径は、いずれも本発明実験例1と同一である。
そして比較実験例、本発明実験例1と同様な条件で、図10に倣って線引きを実施した。
この本発明実験例2では、コネクタ36の温度は150℃以下に抑えることができ、フッ素樹脂の耐熱温度より十分に低いため、連続して線引きを行なうことができた。
以上、本発明の好ましい実施形態、実験例を説明したが、本発明はこれらの実施形態、実験例に限定されないことはもちろんである。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
14・・・紡糸用加熱炉、41・・・線引き用光ファイバプリフォーム、43・・・光ファイバ母材有効部、49・・・ダミー部、49A・・・第1のダミー管、49B・・・第2のダミー管、49C・・・第3のダミー管、490ダミー管、51・・・・・・中空部、53・・・圧力調整配管接続用コネクタ、57A・・・第1の径変化部、57B・・・第2の径変化部、570・・・径変化部。

Claims (15)

  1. 光ファイバ製品における光ファイバ裸線部分となるべき光ファイバ母材有効部における線引き側に対して反対側の端部に、軸線方向に沿って延びる中空部を有する管状のガラスからなるダミー部の一端が溶着接合され、かつ前記中空部が前記光ファイバ母材有効部の内部に連通するように構成され、前記ダミー部における線引き側に対し反対側の端部に、前記中空部に連通する圧力調整配管接続用のコネクタが取り付けられるようにした線引き用光ファイバプリフォームにおいて、
    前記ダミー部における線引き側の端部とコネクタ取り付け側の端部との間の中途部分に、外径と内径の少なくとも一方が変化する1または2以上の径変化部が形成されていることを特長とする線引き用光ファイバプリフォーム。
  2. 前記径変化部が、線引き側の端部からコネクタ取り付け側の端部に向けてダミー部の断面積が小さくなる部位であることを特徴とする請求項1に記載の線引き用光ファイバプリフォーム。
  3. 前記径変化部が、線引き側の端部からコネクタ取り付け側の端部に向けてダミー部の外径および内径が小さくなる部位であることを特徴とする請求項1、請求項2のいずれかの請求項に記載の線引き用光ファイバプリフォーム。
  4. 前記径変化部が、線引き側の端部からコネクタ取り付け側の端部に向けてダミー部の外径が小さくなる部位であることを特徴とする請求項1、請求項2のいずれかの請求項に記載の線引き用光ファイバプリフォーム。
  5. 前記径変化部が、線引き側の端部からコネクタ取り付け側の端部に向けてダミー部の内径が大きくなる部位であることを特徴とする請求項1、請求項2のいずれかの請求項に記載の線引き用光ファイバプリフォーム。
  6. 前記ダミー部が、外径と内径とのうち少なくとも一方が異なる複数の単位ダミー管を直列状に溶着接合した構成とされ、かつ隣り合う単位ダミー管の溶着接合部分が前記径変化部とされていることを特徴とする請求項1〜請求項5のうちのいずれかの請求項に記載の線引き用光ファイバプリフォーム。
  7. 前記径変化部が、線引き側の端部からコネクタ取り付け側の端部に向けて、ダミー部の外周面と内周面とのうち少なくとも一方がテーパー状に変化する部位であることを特徴とする請求項1〜請求項5のうちのいずれかの請求項に記載の線引き用光ファイバプリフォーム。
  8. 前記ダミー部における線引き側の端部の外径が、前記光ファイバ母材有効部の外径と同等とされていることを特徴とする請求項1〜請求項7のうちのいずれかの請求項に記載の線引き用光ファイバプリフォーム。
  9. 前記ダミー部の中空部が、コネクタ取り付け側の端部においてその端面に開口しており、その開口部に前記コネクタが取り付けられるように構成したことを特徴とする請求項1〜請求項8のうちのいずれかの請求項に記載の線引き用光ファイバプリフォーム。
  10. 前記ダミー部の中空部が、コネクタ取り付け側の端部においてその外周面に開口しており、その開口部に連通する前記コネクタが、前記ダミー部の外周面に取り付けられるように構成したことを特徴とする請求項1〜請求項8のうちのいずれかの請求項に記載の線引き用光ファイバプリフォーム。
  11. 請求項9に記載の線引き用光ファイバプリフォームにおける、前記ダミー部のコネクタ取り付け側の端部に、その端面を覆うように前記コネクタが取り付けられてなることを特徴とするコネクタ付き線引き用光ファイバプリフォーム。
  12. 請求項10に記載の線引き用光ファイバプリフォームにおける、前記ダミー部のコネクタ取り付け側の端部の外周面に前記コネクタが取り付けられてなることを特徴とするコネクタ付き線引き用光ファイバプリフォーム。
  13. 請求項11、請求項12のいずれかに記載のコネクタ付き線引き用光ファイバプリフォームを用いて線引きする方法であって、
    気体圧力を調整するための圧力調整手段を、圧力調整配管および前記コネクタを介して前記ダミー部に接続し、前記中空部を介して前記光ファイバ母材有効部の内部圧力を調整しながら、紡糸用加熱炉内において前記光ファイバ母材有効部を加熱溶融させて線引きすることを特徴とする光ファイバプリフォームの線引き方法。
  14. 前記圧力調整手段が、加圧手段であることを特徴とする請求項13に記載の光ファイバプリフォームの線引き方法。
  15. 前記圧力調整手段が、減圧手段であることを特徴とする請求項13に記載の光ファイバプリフォームの線引き方法。
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