JP2018052637A - 巻上機及びエレベーター - Google Patents

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【課題】速度検出器(エンコーダ)を大型化することなく、速度検出器(エンコーダ)に対する直射日光の影響を抑制することができる巻上機及びエレベーターを提供する。【解決手段】巻上機1は、主軸2と、回転部材3と、継軸5と、速度検出器6と、カバー7と、ブラケット14とを備える。ブラケット14は、主軸2の一端部に接続され、主軸2の一端に達する収容凹部が形成されている。回転部材3は、主軸2の他端部に回転可能に支持されており、綱車4が取り付けられている。継軸5は、回転部材3に接続され、主軸2の他端から収容凹部11まで貫通する。速度検出器6は、継軸5に連結され、収容凹部11に配置されている。カバー7は、ブラケット14に固定され、収容凹部11を塞の開口の一部を塞ぎ、主軸2の軸方向において速度検出器6と対向する。【選択図】図1

Description

本発明は、巻上機及びエレベーターに関する。
近年、エレベーターに用いられる巻上機は、省スペース化のために小型化、薄型化が図られている。また、巻上機の一構成部品である速度検出器(エンコーダ)も、小型化、薄型化が要求されている。特許文献1には、速度検出器(エンコーダ)の取付装置が開示されている。
特許文献1に記載された速度検出器(エンコーダ)の取付装置では、速度検出器がカップリングを介してモータ回転軸に配置されている。速度検出器におけるモータの反対側には、フランジが設けられており、そのフランジがベローズカップリングによって支持体に連結されている。
特開2001−289721号公報
しかしながら、特許文献1に記載された速度検出器(エンコーダ)の取付装置では、速度検出器がフランジで覆われているものの、速度検出器に対する直射日光の影響については不明である。また、特許文献1に記載されているように速度検出器(エンコーダ)を遮光性のあるフランジで覆う構成とすると、速度検出器(エンコーダ)の外周に遮光カバーを取り付けることになるため、速度検出器(エンコーダ)が大型化してしまう。この大型化に伴い、例えば速度検出器(エンコーダ)周辺の部材の寸法を設計変更しなければならなくなる恐れがある。
本発明の目的は、上記従来技術における実情を考慮し、速度検出器(エンコーダ)を大型化することなく、速度検出器(エンコーダ)に対する直射日光の影響を抑制することができる巻上機及びエレベーターを提供することにある。
本発明は、主軸と、ブラケットと、回転部材と、継軸と、速度検出器と、カバーとを備える。
ブラケットは、主軸の一端部に接続され、主軸の一端に達する収容凹部が形成されている。
回転部材は、主軸の他端部に回転可能に支持されており、綱車が取り付けられている。
継軸は、回転部材に接続され、主軸の他端から収容凹部まで貫通する。
速度検出器は、継軸に連結され、収容凹部に配置されている。
カバーは、ブラケットに固定され、収容凹部の開口の一部を塞ぎ、主軸の軸方向において速度検出器と対向する。
本発明の巻上機及びエレベーターによれば、速度検出器を大型化することなく、速度検出器(エンコーダ)に対する直射日光の影響を抑制することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。
本発明の一実施形態に係る巻上機の構成図である。 本発明の一実施形態に係る巻上機におけるカバーの正面図である。 本発明の一実施形態に係る巻上機におけるカバーの側面図である。 本発明の一実施形態に係る巻上機におけるカバーを取り付けた状態を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る巻上機の水平方向と平行な断面を上方から見た断面図である。 本発明の一実施形態に係るエレベーターの概略図である。
以下、本発明の巻上機及びエレベーターを実施するための形態について、図1〜図6を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
<巻上機の構成>
まず、巻上機の構成について、図1を参照して説明する。
図1は、巻上機の構成図である。
図1に示すように、巻上機1は、主軸2と、回転部材3と、綱車4と、継軸5と、速度検出器6と、カバー7と、緩衝材8と、ブラケット14とを備えている。主軸2は、円柱状に形成されており、軸方向の一端面から他端面まで延びる貫通孔13を有している。この貫通孔13には、継軸5の後述する軸部5bが貫通する。
ブラケット14は、主軸2の軸方向の一端部に嵌合して接続されている。このブラケット14は、適当な厚みを有する円環状に形成されている。ブラケット14には、主軸2の軸方向の一端面に達する収容凹部11が形成されている。収容凹部11には、速度検出器6が収納される。また、収容凹部11の下部には、油受け部12が設けられている。また、ブラケット14には、固定子15が固定されている。
回転部材3は、主軸2の軸方向の他端部に軸受け16を介して回転可能に支持されている。この回転部材3は、主軸2に回転可能に支持されたボス部3aと、ボス部3aに連続する円環部3bと、円環部3bに連続する突出片3cとを有している。ボス部3aは、円筒状に形成されている。ボス部3aの内径は、主軸2の外径よりも大きく、ボス部3aの内側に主軸2の軸方向の他端部が挿入されている。
軸受け16は、ボス部3aの内周面と主軸2の外周面との間に介在されている。軸受け16を設けることにより、回転部材3は、主軸2の軸周りを円滑に回転することができる。また、ボス部3aの外周面には、綱車4が取り付けられている。綱車4には、複数の溝部が形成されている。綱車4の複数の溝部には、後述するエレベーター100の複数本のロープが巻き掛けられる。
円環部3bは、ボス部3aの軸方向の一端部に連続しており、ボス部3aの径方向であってボス部3aの軸心から離れる方に延びている。この円環部3bは、円環状に形成されており、ボス部3a(主軸2)の軸方向において、主軸2のブラケット14と対向している。そして、円環部3bとブラケット14との間には、上述した固定子15が配置されている。
突出片3cは、円環部3bの外縁に連続しており、ボス部3aの軸方向に突出している。この突出片3cには、固定子15と適当な距離を空けて対向する磁石17が取り付けられている。磁石17のN極とS極は、主軸2(ボス部3a)の軸周りに沿って交互に並んでいる。固定子15と磁石17は、電磁力により回転力を生み出す電動機を構成している。
継軸5は、回転部材3のボス部3aに接続されている。この継軸5は、ボス部3aに接続された接続部5aと、接続部5aから突出した軸部5bとを有している。接続部5aは、適当な厚みを有する板状に形成されており、一方の平面がボス部3aの軸方向の他端面に接続されている。
軸部5bは、接続部5aの一方の面から略垂直に突出しており、上述した主軸2の貫通孔13を貫通している。すなわち、軸部5bは、主軸2の他端から収容凹部11まで貫通している。また、軸部5bの先端は、上述したブラケット14の収容凹部11に到達している。速度検出器6は、例えば、エンコーダであり、継軸5の軸部5bの先端に連結されている。
ボス部3aと主軸2との間には、軸受け16とオイルシール18とが介在されている。軸受け16には、グリースなどの潤滑剤が充填されている。軸受けの潤滑剤がオイルシール18によって阻まれることなく、油溝19を通って収容凹部11へ向かった場合は、その潤滑剤がブラケット14の油受け部12に貯まる。これにより、潤滑剤が速度検出器6に付着したり、ブラケット14から昇降路内に落下したりすることを防いでいる。
図2は、カバーの正面図である。図3は、カバーの側面図である。図4は、カバーを主軸に取り付けた状態を示す説明図である。図5は、巻上機の水平方向と平行な断面を上方から見た断面図である。
カバー7は、鋼板により形成されている。図2及び図3に示すように、カバー7は、縦に長い略長方形の塞ぎ板部21と、塞ぎ板部21の3つの辺にそれぞれ連続する補強片22a,22b,22cとを有している。
塞ぎ板部21の一方の平面は、速度検出器6に対向する(図1参照)。図4及び図5に示すように、塞ぎ板部21の外形は、ブラケット14に設けた収容凹部11の開口の一部を塞ぐ形状に設定されている。そのため、ブラケット14にカバー7を固定した状態において、収容凹部11は、ブラケット14の外部の空間と連通している。
塞ぎ板部21の下部は、収容凹部11の下部に設けられた油受け部12の蓋を兼ねている。すなわち、塞ぎ板部21の上部は、速度検出器6に対向しており、塞ぎ板部21の下部は、油受け部12に対向している(図1参照)。また、塞ぎ板部21の下部には、カバー7をブラケット14に締結するためのねじが貫通するねじ貫通孔23が形成されている。
補強片22a,22b,22cは、折り曲げ加工により形成されている。補強片22aは、塞ぎ板部21の上部に連続しており、塞ぎ板部21に略直行する方向に延びている。補強片22b,22cは、塞ぎ板部21の左右の側部にそれぞれ連続しており、補強片22aと同じ方向に延びている。
緩衝材8は、塞ぎ板部21の一方の平面に取り付けられている(図3参照)。緩衝材8としては、耐熱性、絶縁性及び弾力性を有するものであればよく、例えば、発泡ゴムを挙げることができる。この緩衝材8は、速度検出器6に接触し、速度検出器6に対して適度な力で押圧されている(図4参照)。
このような構成を有する巻上機1では、主軸2に収容凹部11を設けて、その収容凹部11に速度検出器6を配置したため、ブラケット14の内部を効果的に活用することができる。これにより、速度検出器6を大型化することがなく、巻上機1全体の小型化、薄型化を図ることができる。
また、巻上機1では、カバー7が収容凹部11の一部を塞ぐと共に、収容凹部11に配置された速度検出器6に対向する。これにより、巻上機1が、例えば、機械室に設置されて明かり窓からの日光が入射する場合であっても、速度検出器6に向かう直射日光をカバー7によって遮光することができる。
また、巻上機1では、カバー7が収容凹部11を閉塞するのではなく、収容凹部11の開口の一部を塞ぐため、収容凹部11がブラケット14の外部の空間と連通している。これにより、収容凹部11の通気性を確保することができ、巻上機1自体の発熱に起因する収容凹部11内及び速度検出器6の温度上昇を抑制することができる。
継軸5の軸部5bの振動や振れが速度検出器6に伝達されると、その振動や振れが速度検出器6の出力信号に現れてしまうため、検出精度が低くなる。特に、綱車(シーブ)とは反対側にエンコーダを配置する巻上機の場合は、綱車(シーブ)側にエンコーダを配置する場合よりも継軸が長い構成となるため、継軸の振れ幅が大きくなり、検出精度が低くなる恐れがある。そこで、本実施形態に係る巻上機1では、カバー7と速度検出器6との間に緩衝材8を介在させ、その緩衝材8を速度検出器6に対して適度な力で押圧している。これにより、速度検出器6を介して軸部5bの振動や振れを抑制することができ、検出精度を向上させることができる。
また、近年は、電磁環境の両立性(Electro-Magnetic Compatibility)の要求がある。そこで、巻上機1では、カバー7が鋼板製であるため、外部から侵入する電磁波を遮断し、電磁環境の両立性を満たしている。
また、カバー7の剛性が低いと、巻上機1による振動によってカバー7が撓む。これによって下敷きを撓ませたときに生じるような撓み音(騒音)が発生する恐れがある。また、カバー7が撓むと、緩衝材8を介して付与している速度検出器6を抑える力が不均一になり、速度検出器6から安定した出力を得られなくなる。そこで、本実施形態に係る巻上機1では、カバー7の補強片22a,22b,22cを折り曲げ加工により形成した。これにより、カバー7の剛性を高めることができ、巻上機1の振動に伴う、カバー7のビビリ振動の問題はなくなる。
また、巻上機1では、収容凹部11の下部に油受け部12を設けた。そして、カバー7の塞ぎ板部21は、油受け部12の蓋を兼ねている。これにより、巻上機1の部品点数を削減することができると共に、組立工数の削減を図ることができる。
<巻上機の動作>
次に、巻上機1の動作を説明する。
固定子15に交流電流を流すと、周方向に回転変化する磁界が発生する。これにより、回転子である磁石17に電磁力が作用し、回転部材3に回転駆動力が発生する。そして、綱車4が、回転部材3と共に回転し、綱車4に巻回した複数本のロープが駆動する。その結果、複数本のロープに釣り下がっている乗りかご120及び釣合いおもり140(図6参照)が昇降及び下降する。
乗りかご120及び釣合いおもり140の昇降及び下降を停止させる場合は、固定子15への通電を遮断し、電磁ブレーキ装置(不図示)を作動させる。これにより、回転部材3及び綱車4の回転を制動する。その結果、綱車4が停止して、乗りかご120及び釣合いおもり140が昇降及び下降が停止する。
<エレベーターの構成>
次に、巻上機1を備えるエレベーターの構成について、図6を参照して説明する。
図6は、本発明の一実施形態に係るエレベーターの概略図である。
図6に示すように、エレベーター100は、建築構造物200内に形成された昇降路110に設置されている。エレベーター100は、人や荷物を載せる乗りかご120と、ロープ130と、つり合いおもり140と、巻上機1とを備える。昇降路110は、建築構造物200内に形成され、その頂部には機械室160が設けられている。
乗りかご120は、中空の略直方体状に形成されている。この乗りかご120には、人や荷物が載置される。また、乗りかご120は、昇降路110内に設けられたガイドレール(不図示)に摺動可能に支持されている。乗りかご120とつり合いおもり140は、ロープ130を介して連結されている。
巻上機1は、機械室160に設けた設置台180に設置されている。そして、巻上機1には、ロープ130が巻き掛けられている。この巻上機1が駆動し、ロープ130が駆動することで、乗りかご120が昇降路110内を昇降動作する。さらに、巻上機1の近傍には、ロープ130が装架された反らせ車150が設けられている。
以上、本発明の巻上機及びエレベーターの実施形態について、その作用効果も含めて説明した。しかしながら、本発明の巻上機及びエレベーターは、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、上述した実施形態に係る巻上機1では、カバー7が油受け部12の蓋を兼ねる構成にした。しかし、本発明に係る巻上機としては、速度検出器に対向するカバーとは別に油受け用の蓋を設けるようにしてもよい。この場合は、収容凹部に油受けを設けることに限定されず、収容凹部とは別の任意の位置に油受けを設けてもよい。
また、カバーとは別に油受け用の蓋を設ける場合に、油受け用の蓋を取り付けるためのねじが、カバーを取り付けるためのねじを兼ねるようにしてもよい。その場合に、すくなくとも一方のねじ貫通孔を細長い穴、いわゆる長孔にすることにより、カバー又は油受け部の蓋の取り付け位置を容易に調整することができる。
また、上述した実施形態に係る巻上機1では、カバー7を鋼板製にした。しかし、本発明に係るカバー7としては、鋼板以外の材料、例えば、樹脂、木材等を適用することもできる。
また、上述した実施形態に係る巻上機1では、カバー7が収容凹部11の開口の一部を塞ぐ構造にしたが、本発明に係る巻上機としては、カバー7が収容凹部11の開口を閉塞する構造にしてもよい。この場合は、収容凹部11に熱が籠らないようにするために主軸に通気孔を設けてもよい。
1…巻上機、 2…主軸、 3…回転部材、 3a…ボス部、 3b…円環部、 3c…突出片、 4…綱車、 5…継軸、 5a…接続部、 5b…軸部、 6…速度検出器、 7…カバー、 8…緩衝材、 11…収容凹部、 12…油受け部、 13…貫通孔、 14…ブラケット、 15…固定子、 17…磁石、18…オイルシール、 19…油溝、 21…塞ぎ板部、 22a,22b,22c…補強片、 100…エレベーター、 110…昇降路、 130…ロープ、 150…反らせ車、 160…機械室、 180…設置台、 200…建築構造物

Claims (6)

  1. 主軸と、
    前記主軸の一端部に接続され、前記主軸の一端に達する収容凹部が形成されたブラケットと、
    前記主軸の他端部に回転可能に支持されており、綱車が取り付けられた回転部材と、
    前記回転部材に接続され、前記主軸の他端から前記収容凹部まで貫通する継軸と、
    前記継軸に連結され、前記収容凹部に配置された速度検出器と、
    前記ブラケットに固定され、前記収容凹部の開口の一部を塞ぎ、前記主軸の軸方向において前記速度検出器と対向するカバーと、を備える
    ことを特徴とする巻上機。
  2. 前記カバーは、先端が折り曲げ加工されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の巻上機。
  3. 前記カバーと前記速度検出器との間に介在され、前記カバー及び前記速度検出器に接触する緩衝材を備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の巻上機。
  4. 前記カバーは、鋼板から形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の巻上機。
  5. 前記収容凹部には、油受け部が形成されており、
    前記カバーは、油受け部の蓋を兼ねる
    ことを特徴とする請求項1に記載の巻上機。
  6. 昇降路内に配置された乗りかごと、
    昇降路内に配置されたつり合いおもりと、
    前記乗りかごと前記つり合いおもりとを接続したロープと、
    前記ロープが巻き掛けられた巻上機と、を備え、
    前記巻上機は、
    主軸と、
    前記主軸の一端部に接続され、前記主軸の一端に達する収容凹部が形成されたブラケットと、
    前記主軸の他端部に回転可能に支持されており、綱車が取り付けられた回転部材と、
    前記回転部材に接続され、前記主軸の他端から前記収容凹部まで貫通する継軸と、
    前記継軸に連結され、前記収容凹部に配置された速度検出器と、
    前記ブラケットに固定され、前記収容凹部の開口の一部を塞ぎ、前記主軸の軸方向において前記速度検出器と対向するカバーと、を有する
    ことを特徴とするエレベーター。
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