以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等にあわせて適宜変更することができる。また、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの構成を適宜に組み合わせて用いることは当初から想定されている。
図1は、本発明の一実施形態である容器移送装置10を上方から見た平面図である。図1では、筒状フィルム体を容器Cに被嵌するためのフィルム被嵌装置の図示が省略されている。
容器移送装置10は、コンベヤ12に対して設置される。コンベヤ12は、連続駆動されることで、容器Cを矢印A方向に連続的に搬送することができる。コンベヤ12は、フィルム被嵌位置αを通って直線状に延びている。フィルム被嵌位置αは、フィルム被嵌装置70(図7参照)によって、筒状フィルム体Fが容器Cの周囲に被嵌される位置である。
本実施形態では、コンベヤ12は、2列のコンベヤ部分12a,12bによって構成される。2列のコンベヤ部分12a,12bは、互いに平行に並進移動するように構成されている。2列のコンベヤ部分12a,12bの間には、空間Sが形成されている。空間Sには、後述する昇降台や回転台などを配置することができる。各コンベヤ部分12a,12bは、例えば、樹脂ブロックがチェーン状に連なってそれぞれ構成されており、容器Cの底面に対して滑り性が良好になっている。
なお、本実施形態ではコンベヤ12を2列のコンベヤ部分12a,12bによって構成した例を説明するが、これに限定されるものではなく、1列のコンベヤで構成されてもよい。
容器移送装置10は、平面視で長方形状をなす基台11を備える。基台11上であって、コンベヤ12の容器搬送方向Aの上流側には、一対のゲート部材14が設置されている。各ゲート部材14は、平面視でL字状をなすレバー16の一端にそれぞれ連結されている。各レバー16は、基台11上に立設された回動軸17を中心に回動可能に軸支されている。また、各レバー16の他端は、ボールジョイント18を介してエアシリンダ19の駆動軸にそれぞれ連結されている。
各ゲート部材14は、エアシリンダ19が非作動状態のとき、実線で示す位置にある。この位置では、一対のゲート部材14の各先端部がコンベヤ部分12a,12bの上方にそれぞれ位置している。したがって、コンベヤ12によって容器移送装置10に搬送されてきた容器Cは、一対のゲート部材14によって停止させられて、数珠つなぎに隣接した状態になる。この状態で、コンベヤ12を構成する2列のコンベヤ部分12a,12bは連続駆動されているため、各コンベヤ部分12a,12bは容器Cの底面に対して滑りながら移動している。
これに対し、一対のゲート部材14は、後述するクランプ部材の動作と同期してエアシリンダ19が駆動されることによって一点鎖線で示す位置に一旦回動された後、再び実線位置に戻るように動作する。これにより、数珠つなぎで並んだ容器Cのうち先頭(すなわち容器搬送方向Aの最下流側)に位置する1つの容器Cが解放される。その結果、この解放された容器Cは、コンベヤ12によって下流側へ搬送される。一対のゲート部材14は、このような回動動作を所定間隔で繰り返すことで、容器Cは数珠つなぎの容器列から1つずつ分離されてコンベヤ12で下流側へ搬送される。
なお、本実施形態では、一対のゲート部材14を設けて数珠つなぎに並んだ容器列から容器Cを1つずつ分離しながら下流側へ搬送するものとして説明するが、これに限定されるものではない。例えば、コンベヤ12によって容器Cが一定の間隔を置いた状態で容器移送装置10へ搬送されてもよい。この場合、一対のゲート部材14及びこれを駆動するための機構16〜19を省略することができる。
本実施形態の容器移送装置10は、基台11上にストッパ装置20及びクランプ移送装置30を備える。図2は、図1に示したストッパ装置20に含まれる一対のストッパ部材20a,20b及びクランプ移送装置30に含まれる一対のクランプ部材32a,32bを示す斜視図である。
図1及び図2に示すように、ストッパ装置20は、コンベヤ12の上方に配置された一対のストッパ部材20a,20bを含んで構成される。各ストッパ部材20a,20bは、例えば、樹脂部材によって構成される。各ストッパ部材20a,20bは、コンベヤ部分12a,12bの上方位置から退避した実線位置と、コンベヤ部分12a,12bの上方位置に突き出した破線位置との間で進退移動するようになっている。このようなストッパ部材20a,20bの進退動作は、例えば、カム機構、エアシリンダなどの駆動機構によって実現できる。
図1及び図2では、容器Cが円柱状の外形を有する例が示される。したがって、このような容器Cの外形に対応して、各ストッパ部材20a,20bは、先端部の側縁が容器搬送方向の上流側(図1中の左側)に面する円弧状をなしている。これにより、各ストッパ部材20a,20bが前進して先端部が容器Cの上部に当接したとき、容器Cの外周面に沿って接触し、容器Cを安定した状態で停止させることができる。
一対のゲート部材14によって容器列から分離して搬送されてきた容器Cが一対のストッパ部材20a,20bの間に到達する直前に、一対のストッパ部材20a,20bが互いに接近する方向へ破線位置まで前進移動する。これにより、容器Cは、連続駆動される2列のコンベヤ部分12a,12bに対してスリップした状態となって、一対のストッパ部材20a,20bにより停止させられる。この容器停止位置が、後述する一対のクランプ部材32a,32bで最初にクランプされる所定位置βとなる。また、一対のストッパ部材20a,20bは、後述するクランプ移送装置30によって容器Cが所定位置βから移送されるとき、後退移動して容器Cを解放する。
図1及び図2に示すように、クランプ移送装置30は、コンベヤ12を挟んだ両側に配置された一対のクランプ部材32a,32bを含む。一対のクランプ部材32a,32bは、コンベヤ部分12a,12bにそれぞれ沿って配置されている。各クランプ部材32a,32bは、例えば、樹脂部材によって構成される。一対のクランプ部材32a,32bにおいて互いに対向する各端縁部には、略半円弧状にそれぞれ湾曲した凹部34a,34b,34cが形成されている。各凹部34a,34b,34cは、容器Cの間欠移送ピッチに相当する所定ピッチpだけ離れてそれぞれ形成されている。したがって、凹部34aと凹部34cとは、所定ピッチpの2倍(すなわちp×2)だけ離れて形成されている。以下では、凹部34aと凹部34cとからそれぞれ所定ピッチpだけ離れた凹部34bに対応する位置を中間位置γという。
なお、上記では容器Cが円柱状の外形を有する場合について説明するが、図3(a)に示すように、容器Cが略正方形断面を有する角形容器であって、容器Cが断面の対角線が容器搬送方向Aに沿う向きに移送される場合には、クランプ部材32a,32bに形成される凹部34a,34b,34dは略三角状に形成されるのが好適である。また、図3(b)に示すように、容器Cが略正方形断面を有する角形容器であって、容器Cの平行な両側側面が容器搬送方向Aに沿う向きに移送される場合には、クランプ部材32a,32bに形成される凹部34a,34b,34dは略台形状に形成されるのが好適である。
図1を再び参照すると、一対のクランプ部材32a,32bには、2つのスライド部材36がそれぞれ取り付けられている。スライド部材36は、クランプ部材32a,32bにおいて凹部34a,34b,34cとは反対側の側面に固定されている。各スライド部材36は、基台11上に容器搬送方向Aと直交する方向にスライド移動可能に設置されたガイド部材38のガイド溝39に係合している。各ガイド溝39は、容器搬送方向Aに沿って延びている。
ガイド部材38の下面には、図示しないボールジョイントを介してロッド40の一端が連結されている。ロッド40の他端は、ボールジョイント42を介してレバー44の先端部に連結されている。レバー44の基端部は、基台11上に突出した回動軸46に固定されている。これにより、図示しないカム機構等の駆動手段によって回動軸が所定の角度範囲で回動されるとレバー44が揺動し、その結果、ロッド40で連結された一対のクランプ部材32a,32bが互いに接近する方向(矢印D1)またはその反対方向(矢印D2)に進退動作する。このように一対のクランプ部材32a,32bが進退動作することで、容器Cが凹部34a,34b,34cにおいて把持または解放されるようになっている。
また、図1に示すように、一対のクランプ部材32a,32bは、容器搬送方向Aの上流側端部(図1中の右側)に延出部48をそれぞれ有する。各延出部48には、カム溝を有するカム部50が設けられている。カム部50のカム溝には、例えば、ベアリング等からなるカムフォロワ52が嵌り込んで配置されている。カムフォロワ52は、レバー54の端部に回転可能に軸支されている。そして、レバー54の基端部は、基台11上に突出した回動軸56に固定されている。
このように構成されることで、回動軸56が図示しないカム機構等の駆動手段によって所定の角度範囲で回動されると、レバー54が揺動する。レバー54の先端部が容器搬送方向上流側へ向かって回動すると、各クランプ部材32a,32bはカムフォロワ52、カム部50及び延出部48を介して引っ張られる。その結果、クランプ部材32a,32bは、スライド部材36が係合したガイド溝39で直線状にガイドされながら、容器搬送方向下流側(矢印A1方向)に移動し、他方、レバー54が反対方向に回動すると容器搬送方向上流側(矢印A2方向)に移動する。
上記のように構成されるクランプ移送装置30では、容器Cの間欠移送が次のようにして行われる。図4は、クランプ移送装置30による容器Cの間欠移送動作について説明する図である。図4(a)〜(d)は一対のクランプ部材32a,32bの動作を示す図である。なお、図4(a)の上方には、コンベヤ12上で容器Cがストッパ装置20によって停止されるとともに一対のクランプ部材32a,32bでクランプされる所定位置β、中間位置γ、及び、フィルム被嵌位置αがそれぞれ示される。これらの位置α,β,γは、図4(a)〜(d)において共通である。
図2および図4(a)に示すように、3つの容器Cが所定ピッチpで離れて並んでいる。この状態で、図4(b)に示すように、一対のクランプ部材32a,32bが矢印D1方向に前進移動する。これにより、3つの容器Cが各クランプ部材32a,32bの凹部34a,34b,34cで把持される。
この状態で、一対のクランプ部材32a,32bは、図4(c)に示すように、所定ピッチpだけ矢印A1方向、すなわち容器搬送方向上流側へ移動する。そして、図4(d)に示すように一対のクランプ部材32a,32bが互いに離れるように矢印D2方向に移動することで、3つの容器Cが解放される。このとき、図4(a)に示す容器位置と対比すると、3つの容器Cは容器搬送方向上流側(矢印A方向)にそれぞれ所定ピッチpだけ移送されている。
その後、一対のクランプ部材32a,32bは、図4(d)に示すように、矢印A2方向に移動して図4(a)に示す位置に戻る。これにより、次に間欠移送動作の準備が整う。このように一対のクランプ部材32a,32bが繰返し動作することで、フィルム被嵌位置αに容器Cを順次に間欠移送することができる。
なお、本実施形態では、一対のクランプ部材32a,32bにおいて容器搬送方向の最下流側に形成された凹部34cが他の凹部34a,34bと同様に略円弧状に凹んだ形状に形成される例について説明した。このような凹部34cの場合、一対のクランプ部材32a,32bによる容器Cの把持状態が安定する利点がある。ただし、これに限定されるものではない。図2において二点鎖線で示すように、略円弧状の凹部34cに代えて、四半円弧状に湾曲して容器搬送方向Aの下流側に向かって開放した形状としてもよい。凹部34cが半円弧状の場合、図4(c)に示す位置で一対のクランプ部材32a,32bが筒状フィルム被嵌済の容器Cを解放したときに容器Cがコンベヤ12によって下流側へ搬送され始めたとき、略円弧状の凹部では筒状フィルム体Fが凹部の下流側縁部に接触することで容器Cの周方向にずれることがある。そのため、上記のように半円弧状の凹部34cに代えて、下流側に開放した形状の湾曲部とすれば、そのような筒状フィルム体Fのずれを抑制できる利点がある。
図1を再び参照すると、容器移送装置10は、フィルム被嵌位置αにおいてコンベヤ12の上方を覆って静止状態に設けられた静止プレート60を更に備える。静止プレート60は、クランプ移送装置30によってフィルム被嵌位置αに移送された容器Cが静止状態で載置されるものである。このような静止プレート60が設置されることで、フィルム被嵌位置α(及び中間位置γ)において、容器Cが容器搬送方向に移動することなく静止状態を維持することができる。
図5は、静止プレート60の(a)平面図、(b)正面図、及び、(c)側面図である。静止プレート60は、天板部62と、天板部62の両側縁部から略垂直に折れ曲がった2つの側壁部64とを有する。天板部62は、容器搬送方向Aに長い長方形状をなす。天板部62の長手方向の端部であって幅方向中央には、ガイド片66aが突設されている。ガイド片66aは、静止プレート60がコンベヤ12の上方を覆って設置された状態で、下方傾斜姿勢で僅かに湾曲した形状に形成されている。また、天板部62の長手方向端部であって幅方向の両側には、2つの突片66b,66cが形成されている。また、天板部62の幅方向両側の裏面には、板状の台座部69が例えば溶接などによって固定されている。天板部62や側壁部64は、例えば、ステンレス板によって形成される。これに対し、台座部69は、永久磁石により吸着可能な鉄板等の磁性材で形成されている。さらに、静止プレート60の天板部62には、長手方向中央部の幅方向両側に位置決め孔68がそれぞれ形成されている。位置決め孔68は、台座部69も貫通して形成されている。
図6は、コンベヤ12への静止プレート60の取り付け方を示す斜視図である。静止プレート60は、天板部62がコンベヤ12を構成する2列のコンベヤ部分12a,12bの上方を隙間をあけて覆うように設置される。このとき、ガイド片66aは、2列のコンベヤ部分12a,12bの間の空間Sに先端部が嵌り込むように配置される。また、天板部62の2つの突片66b,66cは、ガイド片66aと同様の下方傾斜形状に形成されており、各コンベヤ部分12a,12bの外側に嵌まり込む。このようにガイド片66aが2列のコンベヤ部分12a,12bの間に嵌まり込むことで、クランプ移送装置30によって移送されて来た容器Cがガイド片66a上を滑って天板部62上に乗り上げて載置された状態になる。
また、図示を省略しているが、コンベヤ12の幅方向外側にはフレームが設けられ、このフレームには2つの突起が形成されている。これらの突起が天板部62の位置決め孔68に挿入されることで、静止プレート60がコンベヤ12に対して位置決めされて設置される。また、コンベヤ12のフレームには永久磁石が設けられており、天板部62の裏面に固定した磁性材からなる台座部69が上記永久磁石の磁力によって吸着保持される。このように位置決め孔68を形成するとともに磁性材からなる台座部69を設けたことで、静止プレート60を正確な位置に且つ容易に取り付けることができる。但し、静止プレート60は、磁力による固定に限定されるものではなく、例えば側壁部64に貫通孔を形成してネジ等の締結手段でフレームに締結固定されてもよい。また、静止プレート60の台座部69を磁石シートで構成し、磁性材からなるコンベヤフレームに吸着させてもよい。
次に、図7を参照して、本実施形態の容器移送装置10によって容器Cがフィルム被嵌位置αへ移送される動作を説明する。図7は、図1中のB−B断面図である。図7には、無端状をなすコンベヤ部分12aのうち矢印E方向に戻る部分が下側に示されている。
図4を参照して上述したように、ストッパ装置20によって所定位置βで停止された容器Cは、一対のクランプ部材32a,32bで把持されて所定ピッチpずつ間欠的に移送される。より詳しくは、図7に示すように、容器Cはまず所定位置βから中間位置γに所定ピッチpだけ移送される。このとき、容器Cは静止プレート60の一方のガイド片66a上を滑って静止プレート60に乗り上がり、天板部62上に載置される。静止プレート60は、天板部62はコンベヤ12の上方を覆って静止状態で配置されるため、中間位置でクランプ部材32a,32bによる把持状態が解放されても、容器Cは静止プレート60によってその位置に留まっている。
そして、次のクランプ部材32a,32bによる間欠移送動作によって、中間位置γにある容器Cは、所定ピッチpだけ移送されてフィルム被嵌位置αに到達する。このフィルム被嵌位置αでも容器Cは静止プレート60の天板部62上に載置されている。したがって、フィルム被嵌位置αでクランプ部材32a,32bによる把持から解放されても、容器Cはフィルム被嵌位置αに留まっている。
容器Cがフィルム被嵌位置αに移送されてクランプ部材32a,32bが容器Cを解放した後、その上方に設置されたフィルム被嵌装置70のマンドレル72の下端部から、開口状態にある筒状フィルム体Fがショットローラ74によって下方に送り出される。これにより、フィルム被嵌位置αにある容器Cの周囲に筒状フィルム体Fが被嵌される。
このように筒状フィルム体Fが被嵌された容器Cは、クランプ部材32a,32bの次の移送動作によって、フィルム被嵌位置αから容器搬送方向Aの上流側に所定ピッチpだけ移送される。このとき、筒状フィルム体Fが被嵌された容器Cは、静止プレート60の天板部62上及び他方のガイド片66a上を滑って、2列のコンベヤ部分12a,12b上に載置される。これにより、連続駆動されている2列のコンベヤ部分12a,12bによって、筒状フィルム体Fが被嵌された容器Cが下流側(矢印A方向)へ搬送される。そして、容器Cはコンベヤ12によって加熱装置(図示せず)内を搬送されることで加熱される。その結果、熱収縮性フィルムからなる筒状フィルム体Fが収縮して、容器Cの周囲に密着した状態に装着される。
上述したように本実施形態の容器移送装置10によれば、ストッパ装置20及びクランプ移送装置30を付加するとともに、フィルム被嵌位置αを通って連続駆動されるコンベヤ12の上方を覆って静止プレート60を取り付けることで、容器連続搬送方式のフィルム被嵌装置で容器間欠移送方式によるフィルム被嵌動作を行うことができる。したがって、連続搬送コンベヤ12をそのまま使いながら、容器間欠移送方式への改造が比較的容易かつ低コストで実現できる。また、静止プレート60を取り外すとともにストッパ装置20及びクランプ移送装置30を作動させなければ、容器連続搬送によるフィルム被嵌動作を行うことができ、フィルム被嵌装置の汎用性が向上する。
次に、図8を参照して、静止プレートの変形例について説明する。図8(a)は昇降台80が設けられた静止プレート60Aを示す平面図、(b)は昇降台80が上昇した状態を示す図である。
図8(a)に示すように、静止プレート60Aは、コンベヤ12に取り付けられた状態でフィルム被嵌位置αに対応する位置に開口部61を有し、この開口部61には昇降台80が静止プレート60Aの天板部62との上面と同じ高さで配置されている。静止プレート60Aの他の構成は、上述した静止プレート60と同様である。
昇降台80は、静止プレート60Aの開口部61より一回り小さい形状の載置板82と、載置板82が上面に取り付けれて昇降移動可能な昇降部材84とを含む。昇降部材84は、板状をなし、2列のコンベヤ部分12a,12bの間の空間S(図1参照)内で上下方向に昇降移動する。
図8(b)に示すように、昇降台80は、容器Cに筒状フィルム体Fが被嵌されるときだけ、フィルム被嵌位置αの上方に設置されたフィルム被嵌装置70に向かって容器Cを上昇移動させる。具体的には、フィルム被嵌位置αにおいて昇降台80上に容器Cが載置されたとき、昇降台80が所定距離だけ上昇する。これにより、容器Cの上端部がマンドレル72に近接した状態になる。その結果、マンドレル72から送出される開口した筒状フィルム体Fを容器Cの周囲により確実に被嵌することが可能になる。このように容器Cをマンドレル72に近接させて筒状フィルム体Fを被嵌する構成は、例えば容器が上端部にキャップ部を有し、キャップ部から下方へ向かって直径が大きくなる肩部を有する容器形状の場合、容器の肩部に筒状フィルム体Fの下端縁部が接触することで被嵌され難い場合があるため特に有効である。なお、筒状フィルム体Fが被嵌された後、昇降台80は、上面が天板部62と同じ高さまで下降移動する。
次に、図9を参照して静止プレートの別の変形例について説明する。図9(a)は昇降台80及び回転台90が設けられた静止プレート60Bを示す平面図、図9(b)は回転台90の動作状態を示す図である。
図9(a)に示すように、静止プレート60Bは、コンベヤ12に取り付けられた状態で、所定位置β及びフィルム被嵌位置αからそれぞれ所定ピッチpだけ離れた中間位置γに対応する位置に開口部63を有する。この開口部63には、回転台90が静止プレート60Bの天板部62の上面と同じ高さで配置されている。静止プレート60Bの他の構成は、上述した静止プレート60Aと同様である。
図9(b)に示すように、回転台90は、円板状の回転板92と、回転板92の中心に連結されて下方に延びる回転軸94とを含む。回転軸94は、2列のコンベヤ部分12a,12b間の空間S内を通ってモータ96に連結されている。クランプ部材32a,32bによって容器Cが中間位置γに間欠移送されて回転台90上に載置されると、図示しないセンサによって容器Cの周方向位置を検知する。この検知結果に基づいて、モータ96を駆動して、回転台90を回転させる。このようにクランプ移送装置30によって容器Cが回転台90上に載置されたときに回転することで、次の移送位置であるフィルム被嵌位置αで被嵌される筒状フィルム体Fに対する容器Cの周方向位置を合せることができる。その結果、容器Cに対する筒状フィルム体Fに付された表示の周方向位置を揃えることができ、筒状フィルム体Fが装着された容器Cの外観が向上する。特に、容器Cがキャップ部を有する場合、キャップ部の向きと筒状フィルム体上に付された表示の向きとを合わせる必要がある場合などに有効である。
なお、この変形例の静止プレート60Bでは、昇降台80と回転台90の両方が設けられる例を示したが、これに限定されるものではなく、回転台90のみが設けられてもよい。
なお、本発明は上述した実施形態及びその変形例に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項及びその均等な範囲において種々の変更や改良が可能である。
例えば、上記では、クランプ移送装置30によって容器Cが所定位置β、中間位置γ、フィルム被嵌位置αの順に、所定ピッチpずつ移送される場合について説明したが、これに限定されるものでない。例えば、中間位置γを省略して、所定位置βとフィルム被嵌位置αとが所定ピッチpだけ離れて設けられてもよい。この場合、一対のクランプ部材32a,32bは、凹部34bの形成が不要となって容器搬送方向Aの長さが短くなり、また、静止プレート60の天板部62の容器搬送方向Aの長さもその分だけ短く形成されることになる。
また、上記では一対のクランプ部材32a,32bで容器Cを1箇所だけ把持して間欠移送する例について説明したが、図10に示すように、各クランプ部材32a,32bに、先端に略半円弧状の凹部34eを有する略L字状の上側クランプ部33をそれぞれ設け、一対のクランプ部材32a,32bによって容器Cの下部と中間部(または上部)の2箇所を把持する構成としてもよい。上側クランプ部33は、各クランプ部材32a,32bに一体形成されてもよいし、あるいは、別部材をネジ留めする等によって取り付けられてもよい。また、上側クランプ部33は、各凹部34a,34b,34cに対応する位置にだけ有ればよい。このように各クランプ部材32a,32bを構成すれば、容器Cの把持状態がより安定し、高さが比較的高い容器の場合に特に有効である。
また、上記では、コンベヤ12が2列のコンベヤ部分12a,12bによって構成され、静止プレート60にガイド片66a及び突片66b,66cを形成した例について説明したが、これに限定されない。容器を搬送するコンベヤが1本のコンベヤで構成され、その上に静止プレートが取り付けられる場合には、ガイド片66a及び突片66b,66cが無くてもよい。この場合、コンベヤ上から静止プレート上に容器が乗り上がり易くするために、静止プレートにおいて少なくとも容器搬送方向上流側に向いた天板部の縁部を面取してテーパー状に形成するのが好ましい。或いは、この場合、一対のクランプ部材32a,32bで把持して容器Cを間欠移送するとき、一対のクランプ部材32a,32bが容器Cを一旦持ち上げるようにして移送する構成とすれば、静止プレートの天板部に引っ掛からないよう移送することができる。
さらに、上記において筒状フィルム体Fが容器Cの胴部周囲に被嵌される例について説明したが、これに限定されるものではない。筒状フィルム体は、容器の上端部にあるキャップの周囲に被嵌されるキャップシールであってもよい。