JP2018052219A - 運転交代制御装置、及び運転交代制御方法 - Google Patents

運転交代制御装置、及び運転交代制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】運転者によるオーバーライドが可能な状態を維持しつつ、運転交代直後のペダルの誤操作を低減させることができる運転交代制御装置及び運転交代制御方法の提供。【解決手段】HCU100は、自動運転機能を備える車両Aにおいて、運転交代を制御する運転交代制御装置として機能する。車両Aのアクセルペダル及びブレーキペダルには、踏み込み操作が車両Aの挙動に反映されない遊び領域が設定されている。HCU100は、運転交代期間にて、各ペダルに順に足を置くよう運転者へ向けた指示を行わせ、これらのペダルに運転者が足を置いているか否かを示す検知情報を取得する。指示された特定ペダルに運転者の足が置かれたと判定された場合、運転者への制御権の引き渡しが許可される。加えてHCU100は、各ペダルに入力される遊び領域を超えた踏み込み操作が車両Aの挙動に反映される状態を運転交代期間においても維持させる。【選択図】図1

Description

この明細書による開示は、運転者と自動運転機能との間における運転交代を制御する技術に関する。
近年、車両の運転操作を運転者に代わって実施可能な自動運転機能を備える車両の開発が推し進められている。こうした車両では、運転者と自動運転機能との間における運転交代が実施される。例えば特許文献1では、自動運転機能から運転者に運転操作の制御権が引き渡される前に、運転操作が適切な運転操作を行い得るかどうかが判定される。
具体的に、特許文献1の自動運転制御装置は、自動運転が完全に解除される前に、運転者に模擬的な運転操作を行わせる。こうした模擬的な運転操作が、最適な運転操作と比較して一定時間、一定値以内であった場合、運転者が運転操作の感覚を取り戻すことができたと推定して、運転者への運転交代が許可される。
特開2007‐196809号公報
しかし、特許文献1の自動運転制御装置では、運転者に模擬的な運転操作を行わせる期間にて、アクセルペダル及びブレーキペダルの踏み込み量を検出するセンサが、電子制御ユニットと切り離された状態となっている。即ち、運転者が模擬的な運転操作を行っている期間では、運転者によるペダル操作は、車両の挙動に反映されなくなる。そのため、緊急性の高い状況が生じた場合でも、運転者は、各ペダルの操作によって運転操作の制御権を取得し、状況に迅速に対応することが実質的に不可能であった。
本開示は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、運転者によるオーバーライドが可能な状態を維持しつつ、運転交代直後のペダルの誤操作を低減させることができる運転交代の制御装置及び制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、開示された第一の態様は、運転者に代わって運転操作を実施可能な自動運転機能を備える車両(A)において、運転者と自動運転機能との間における運転交代を制御する運転交代制御装置であって、自動運転機能から運転者に運転操作の制御権が引き渡される以前に規定された運転交代期間(ST)にて、踏み込み操作が車両の挙動に反映されない遊び領域(AR)を設定されたアクセルペダル(11)及びブレーキペダル(12)に順に足を置くよう、運転者へ向けた指示を行わせる指示制御部(76)と、アクセルペダル及びブレーキペダルに入力される遊び領域を超えた踏み込み操作が車両の挙動に反映される状態を運転交代期間において維持させる操作制御部(75)と、アクセルペダル及びブレーキペダルに運転者が足を置いているか否かを示す検知情報を取得する情報取得部(71)と、検知情報に基づき、アクセルペダル及びブレーキペダルのうちで指示制御部にて指示された特定ペダルに運転者の足が置かれたと判定した場合に、運転者への制御権の引き渡しを許可する交代制御部(77)と、を備える運転交代制御装置とされる。
また、開示された第二の態様は、運転者に代わって運転操作を実施可能な自動運転機能を備える車両(A)において、運転者と自動運転機能との間における運転交代を制御する運転交代制御方法であって、少なくとも一つの処理部(60)により、自動運転機能から運転者に運転操作の制御権が引き渡される以前に規定された運転交代期間(ST)にて、踏み込み操作が車両の挙動に反映されない遊び領域(AR)を設定されたアクセルペダル(11)及びブレーキペダル(12)に順に足を置くよう、運転者へ向けた指示を行わせ(S121,S125,S129,S141,S145,S149)、アクセルペダル及びブレーキペダルに入力される遊び領域を超えた踏み込み操作が車両の挙動に反映される状態を運転交代期間において維持させ(S120,S140)、アクセルペダル及びブレーキペダルに運転者が足を置いているか否かを示す検知情報を取得し(S122,S126,S130,S142,S146,S150)、検知情報に基づき、アクセルペダル及びブレーキペダルのうちで足を置くことを指示された特定ペダルに運転者の足が置かれたと判定した場合に、運転者への制御権の引き渡しを許可する(S134,S154)、運転交代制御方法とされる。
これらの態様では、運転操作の制御権が引き渡される以前に規定された運転交代期間において、アクセルペダル及びブレーキペダルに順に足を置くような指示が行われる。そして、指示に従って運転者が正しいペダルに足を置いた場合には、自動運転機能から運転者への制御権の引き渡しが許可される。以上によれば、運転者は、自らへの運転交代が完了する前に、アクセルペダル及びブレーキペダルの正しい位置を意識できる。故に、運転交代の完了後におけるペダルの誤操作は、低減され得る。
加えて、運転交代期間においても、遊び領域を超えた踏み込み操作が入力された場合、運転者によるペダル操作は、車両の挙動に反映される。故に、運転交代期間にて緊急性の高い状況が生じた場合、運転者は、各ペダルの操作によって制御権を取得し、状況に迅速に対応可能となる。
したがって、運転交代制御装置は、運転者によるオーバーライドが可能な状態を維持しつつ、運転交代の完了後におけるペダルの誤操作を低減させることができる。
尚、上記括弧内の参照番号は、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、技術的範囲を何ら制限するものではない。
運転席周辺の操作系及び表示系のレイアウトを示す図である。 車両に搭載された自動運転に関連する構成の全体像を示すブロック図である。 アクセルペダル及びブレーキペダルに設定された遊び領域及び反力発生領域の詳細を示す図である。 運転交代の推移の詳細と各ペダルの遊び領域の調整態様を示すタイムチャートである。 模擬操作の実施の可否を決定する処理の詳細を示すフローチャートである。 模擬操作において足を置くペダルの順序を設定する処理の詳細を示すフローチャートである。 ブレーキペダルから順に足を置く模擬操作の処理の詳細を示すフローチャートである。 アクセルペダルから順に足を置く模擬操作の処理の詳細を示すフローチャートである。 オーバーライドに伴ってヘッドレストを動作させる処理の詳細を示すフローチャートである。 ブレーキペダルへ足を置く指示を提示する指示表示である。 ブレーキペダルに正しく足が置かれた場合の指示表示である。 誤ってアクセルペダルに足が置かれた場合の指示表示である。 アクセルペダルへ足を置く指示を提示する指示表示である。 アクセルペダルに正しく足が置かれた場合の指示表示である。 誤ってブレーキペダルに足が置かれた場合の指示表示である。 手動運転への切り替えを通知する通知表示である。 手動運転への切り替えを通知する通知表示である。
図1及び図2に示す本開示の一実施形態によるHCU(HMI(Human Machine Interface)Control Unit)100は、車両Aに搭載されている。HCU100は、運転者と自動運転機能との間における運転交代を制御する運転交代制御装置として機能する。HCU100は、車両Aに搭載された車両制御装置20、運転交代スイッチ15、二つの操作検出部31,32、ヘッドアップディスプレイ装置40、及びヘッドレスト駆動装置46等と電気的に接続されている。
車両制御装置20は、車両Aの走行を統合的に制御する電子制御ユニットである。車両制御装置20は、少なくとも一つのプロセッサ、RAM、書き換え可能な不揮発性の記憶媒体、情報の入出力を行う入出力インターフェース、及びこれらを接続するバス等によって構成されている。車両制御装置20は、記憶媒体に記憶された自動運転プログラムをプロセッサによって実行することにより、自動運転機能部21、制御権設定部22、及び挙動制御部23を機能ブロックとして有する。
自動運転機能部21は、ステアリングホイール10に入力される操舵操作、並びにアクセルペダル11及びブレーキペダル12に入力される加減速操作等の運転操作を、運転者に代わって制御可能である。自動運転機能部21は、車両Aに搭載された多数の自律センサの検出情報、及びHCU100から取得する走行計画(後述する)等に基づき、操舵操作及び加減速操作の操作量を演算する。
制御権設定部22は、車両Aの運転操作の制御権を、運転者及び自動運転機能のいずれか一方に設定する。制御権設定部22は、HCU100と連携して、運転者と自動運転機能との間における運転交代を制御する。運転交代は、運転者及び自動運転システムのいずれの判断によっても実行され得る。運転交代には、運転者の判断に基づき、運転者から自動運転機能に制御権が引き渡される場合と、運転者の判断に基づき、自動運転機能から運転者に制御権を取り戻す場合(オーバーライド)とがある。さらに運転交代には、自動運転システムの判断に基づき、運転者から自動運転機能に制御権を移譲する場合(緊急退避等)と、自動運転システムの判断に基づき、自動運転機能から運転者に制御権を移譲する場合とがある。
制御権設定部22は、運転者の異常を示す異常情報をHCU100から取得している場合に、運転者によるオーバーライドを不可能な状態にできる。加えて制御権設定部22は、HCU100から運転者への運転交代を許可する旨の許可情報を取得した場合に限り、自動運転システムの判断に基づく自動運転機能から運転者への制御権の移譲を実行させる。
挙動制御部23は、車両Aのパワートレイン、ブレーキシステム、及びステアリングシステムを統合的に制御する機能を備えている。制御権設定部22にて制御権が運転者にあると設定されている場合、挙動制御部23は、運転者による各ペダル11,12並びにステアリングホイール10の各操作状態を示す検知情報に従い、車両Aの挙動を制御する。一方、制御権設定部22にて制御権が自動運転機能にあると設定されている場合、挙動制御部23は、自動運転機能部21にて演算された操作量に従い、車両Aの挙動を制御する。
以上のように、自動運転機能部21及び挙動制御部23は協働で、運転操作を運転者に代わって実施可能な車両Aの自動運転機能を実現している。具体的には、全車速ACC(Adaptive Cruise Control)、レーントレースコントロール、自動レーンチェンジ、及び自動合流等の自動運転機能又は高度運転支援機能が、自動運転機能部21及び挙動制御部23によって実現される。
運転交代スイッチ15は、自動運転機能と運転者との間における運転交代を確定させる入力部である。運転者は、手動運転中における運転交代スイッチ15への押圧操作の入力により、自動運転機能に制御権を引き渡し可能である。加えて、自動運転システムからの制御権の引き渡し要求があった場合、運転者は、運転交代スイッチ15への押圧操作の入力により、自動運転機能からの自らへの制御権の移譲を承認できる。運転交代スイッチ15は、インスツルメントパネル19のセンタークラスタ又はセンターコンソール等、運転者による押圧操作が容易な位置に設置されている。
操作検出部31は、アクセルペダル11と一体で設けられている。操作検出部31は、アクセルペダル11の変位量を計測する。操作検出部31は、計測した変位量を、アクセルペダル11の検知情報として、車両制御装置20及びHCU100へ向けて出力する。操作検出部31による検知情報は、アクセルペダル11に足を置く動作及びアクセルペダル11を踏み込む操作を検知した情報となる。
操作検出部32は、ブレーキペダル12と一体で設けられている。操作検出部32は、ブレーキペダル12の変位量を計測する。操作検出部32は、計測した変位量を、ブレーキペダル12の検知情報として、車両制御装置20及びHCU100へ向けて出力する。操作検出部32による検知情報は、ブレーキペダル12に足を置く動作及びブレーキペダル12を踏み込む操作を検知した情報となる。
アクセルペダル11及びブレーキペダル12のそれぞれには、遊び領域AR及び反力発生領域RRが設定されている(図3参照)。反力発生領域RRは、各ペダル11,12の全ストローク範囲FSRのうちで遊び領域ARを除く領域である。反力発生領域RRは、各ペダル11,12を踏み込む操作方向において、遊び領域ARよりも奥側に設定されている。遊び領域AR内での踏み込み操作は、制御権が運転者にある手動運転中であっても、車両Aの挙動には反映されない。遊び領域ARでは、各ペダル11,12から運転者の足に作用する反力は、僅かとなる。一方、反力発生領域RRに到達した踏み込み操作は、車両Aの挙動に反映される。反力発生領域RRでは、各ペダル11,12の踏み込み量が大きくなるに従って、運転者の足に作用する反力も大きくなる。
アクセルペダル11及びブレーキペダル12に運転者が足を置くような場合、各ペダル11,12の変位量は、遊び領域AR内に収まり得る。そのため以下の説明では、各ペダル11,12の変位量が遊び領域ARの範囲内に留まっている状態を、運転者が各ペダル11,12に足を置いた状態とする。
ヘッドアップディスプレイ(Head-Up Display(HUD))装置40は、HCU100から取得する表示信号に基づく画像の光を、ウインドシールド13に規定された投影領域14へ投影する。投影領域14は、ウインドシールド13のうちで運転席17に着座する運転者の正面に規定されている。HUD装置40によって投影された画像の光は、投影領域14にて車室内側に反射され、運転席17に着座する運転者によって知覚される。運転者は、HUD装置40によって投影された画像の虚像を、車両Aの前景と重ねて視認可能となる。HUD装置40は、視覚を通じて運転者に情報を提示する。
ヘッドレスト駆動装置46は、運転者の着座する運転席17のバックレスト又はヘッドレストに内蔵されている。ヘッドレスト駆動装置46は、HCU100から取得する作動信号に基づき、バックレストに対してヘッドレストを車両Aの前後方向に沿って相対変位させる。ヘッドレスト駆動装置46は、触覚を通じて運転者に情報を提示する。
HCU100は、運転者への情報の提示と、運転者による操作入力の処理とを統合的に制御する電子制御ユニットである。HCU100に設けられた制御回路60は、少なくとも一つのプロセッサ、RAM、書き換え可能な不揮発性の記憶媒体、情報の入出力を行う入出力インターフェース、及びこれらを接続するバス等によって構成されている。制御回路60の記憶媒体には、運転交代制御プログラム等の自動運転に関連した多数のプログラムが格納されている。これらプログラムをプロセッサにより実行することで、制御回路60には、走行計画策定部61、情報取得部71、踏み込み判定部72、継続判定部73、ペダル推定部74、操作制御部75、指示制御部76、及び交代制御部77等の機能ブロックが構築される。
走行計画策定部61は、自動運転機能によって車両Aを走行させるための走行計画を生成する。走行計画策定部61にて生成された走行計画は、自動運転機能部21に取得される。走行計画策定部61は、車両Aの現在の位置情報、車両Aに設定された目的地情報、現在位置及び目的地の間の地図情報、並びに交通情報等を取得可能である。走行計画策定部61は、取得した種々の情報に基づき、現在地から目的地までの推奨経路を規定した走行計画を策定する。
図2〜図4に示すように、走行計画策定部61は、自動運転可能なエリアの終了地点を基準として、自動運転機能から運転者に制御権が引き渡される移譲地点を、終了地点よりも手前側に設定する。さらに走行計画策定部61は、移譲地点に到達する以前の区間に、運転交代期間STを規定する。運転交代期間STでは、運転交代を要求する通知と、模擬操作の指示による運転感覚の回復度合いの評価とが、運転者に対して順に行われる。
情報取得部71は、操作検出部31,32のそれぞれから検知情報を取得する。検知情報は、各ペダル11,12に運転者が足を置いているか否かと、運転者による各ペダル11,12の踏み込み量とを示す情報である。
踏み込み判定部72は、情報取得部71にて取得される検知情報に基づき、アクセルペダル11及びブレーキペダル12のいずれかに運転者が足を置いているか否かを判定する。各ペダル11,12の一方である特定ペダルに変位が生じており、且つ特定ペダルの変位量が遊び領域AR内に留まっている場合に、踏み込み判定部72は、特定ペダルに運転者が足を置いていると判定する。加えて踏み込み判定部72は、検知情報に基づき、アクセルペダル11及びブレーキペダル12の少なくとも一方に、遊び領域ARを超える踏み込み操作が行われたか否かを判定する。
踏み込み判定部72は、各ペダル11,12に設定された遊び領域ARの大きさを、制御的に調整することができる。詳記すると、各ペダル11,12の遊び領域ARは、各ペダル11,12に設けられた機械的な遊び分と、踏み込み判定部72によって意図的に制御上の不感帯とされた遊び分との合計とされている。踏み込み判定部72は、各ペダル11,12に設けられた制御上の遊び分を増減させることにより、遊び領域ARの大きさを調整可能である。
具体的に、踏み込み判定部72は、運転交代期間STを含む自動運転期間APTにおける遊び領域ARを、運転者が制御権を有する手動運転期間MDTの遊び領域ARよりも、大きく設定する。一例として、基準値である手動運転期間MDTの遊び領域ARは、0.5〜2.0mm程度とされ、調整値である自動運転期間APTの遊び領域ARは、2.5〜4.0mm程度とされる(図3参照)。踏み込み判定部72は、移譲地点での制御権の引き渡しに伴い、各ペダル11,12に設定した遊び領域ARの大きさを、例えば10分程度の時間をかけて、調整値から基準値まで連続的に小さく変更する。
継続判定部73は、走行計画策定部61による運転交代期間STの設定に基づき、運転者から自動運転機能への運転交代が実施されたときから、現在までの経過時間PTと走行距離TDとを計測する(図5 S101)。継続判定部73は、自動運転開始後の経過時間PTが所定の時間閾値を超えたか否かを判定する(図5 S102)。加えて継続判定部73は、自動運転開始後の走行距離TDが所定の距離閾値を超えたか否かを判定する(図5 S103)。時間閾値及び距離閾値は、各ペダル11,12の操作感覚を運転者が失う傾向にある時間及び距離に設定されている。各閾値は、予め設定された設計上の固定値であってもよく、運転者によって調整可能な入力値であってもよい。
ペダル推定部74は、模擬操作の指示が開始される以前に、制御権の引き渡し時に運転者が操作している操作ペダルを推定する。継続判定部73は、自動運転の開始指示又は運転交代期間STの設定に基づき、走行計画及び地図情報等を取得する(図6 S111)。ペダル推定部74は、取得した走行計画及び地図情報等を用いて、制御権の移譲時における操作ペダルを推定する(図6 S112)。手動運転への切り替え後も速度を維持したままの走行継続が想定される場合、ペダル推定部74は、アクセルペダル11を移譲時の操作ペダルとして推定する(図6 S113 NO)。一方、手動運転への切り替え後に減速が想定される場合、ペダル推定部74は、ブレーキペダル12を移譲時の操作ペダルとして推定する(図6 S113 YES)。例えば、自動運転可能エリアの終了後にカーブ区間の走行や高速道路からの離脱が予定されている場合には、ブレーキペダル12が操作ペダルとして推定される。
以上のペダル推定部74にて、自動運転の開始時までに操作ペダルが推定される場合、操作ペダルの推定結果に基づき、踏み込み判定部72は、各ペダル11,12の各遊び領域ARを互いに異なる大きさに設定可能である。具体的に、踏み込み判定部72は、アクセルペダル11及びブレーキペダル12のうちで、操作ペダルと推定されなかった非操作ペダルの遊び領域ARを、操作ペダルの遊び領域ARよりも大きく設定する。一例として、操作ペダルの遊び領域ARの大きさは、基準値+2mm程度に設定され、非操作ペダルの遊び領域ARの大きさは、基準値+3mm程度に設定される。
操作制御部75は、例えば車両Aに搭載されたドライバステータスモニタ、及び運転者が装着しているウェアラブルデバイス等から取得する情報に基づき、運転者が運転困難な状態にあるか否かを判定する。操作制御部75は、運転者の状態判定に基づき、制御権設定部22と連携して、オーバーライドの可否を設定する。操作制御部75は、運転者が運転困難な状態であると判定した場合、制御権設定部22へ向けた異常情報の出力により、運転者によるオーバーライドを禁止させる。一方、運転者が運転困難な状態ではない場合、操作制御部75は、運転交代期間STを含めた自動運転期間APTの全体において、運転者によるオーバーライドが可能な状態を維持する。以上により、運転交代期間STでも、遊び領域ARを超えた各ペダル11,12への踏み込み操作が車両Aの挙動に反映される。
指示制御部76は、ペダル操作の位置感覚を回復させる模擬操作として、アクセルペダル11及びブレーキペダル12に順に足を置くよう、運転者へ向けた指示を行わせる。指示制御部76は、運転交代期間STにて、模擬操作のための情報提示として、指示表示41を投影領域14に表示させる(図1参照)。指示表示41は、運転者が足を置くべき特定ペダルを、画像によって運転者に指示する(図10〜図17参照)。情報取得部71は、指示表示41を表示させるための表示信号を生成し、生成した表示信号をHUD装置40へ向けて出力する。
指示制御部76は、経過時間PTが時間閾値を超えていると判定され(図5 S102 YES)、走行距離TDが距離閾値を超えていると判定された場合(図5 S103 YES)に、運転者へ向けた感覚回復のための情報提示を実施する(図5 S104)。一方、経過時間PTが時間閾値以下であると判定された場合(図5 S102 NO)、又は走行距離TDが距離閾値以下であると判定された場合(図5 S103 NO)には、指示制御部76は、感覚回復のための情報提示を中止する(図5 S105)。
指示制御部76は、ペダル推定部74によって推定された操作ペダルがアクセルペダル11である場合とブレーキペダル12である場合とで、運転者に足を置かせる特定ペダルの設定順序を変更する。指示制御部76は、移譲時の操作ペダルがアクセルペダル11であると推定された場合(図6 S113 NO)、アクセルペダル11から模擬操作を開始させる(図6 S115)。この模擬操作では、アクセルペダル11、ブレーキペダル12、及びアクセルペダル11の順に足を置かせる指示が指示表示41によって行われる(図7参照)。一方で、移譲時の操作ペダルがブレーキペダル12であると推定された場合(図6 S113 YES)、指示制御部76は、ブレーキペダル12から模擬操作を開始させる(図6 S114)。この模擬操作では、ブレーキペダル12、アクセルペダル11、及びブレーキペダル12の順に足を置かせる指示が指示表示41によって行われる(図8参照)。
指示制御部76は、運転者によるオーバーライドが実施された場合に、ヘッドレスト駆動装置46を用いて、オーバーライドが受け付けられたことを運転者に通知する。オーバーライドに伴うヘッドレストの移動方向は、踏み込み操作の入力されたペダルに関連付けられている。詳記すると、運転交代期間STにて遊び領域ARを超えた踏み込み操作がアクセルペダル11に入力された場合、指示制御部76は、ヘッドレスト駆動装置46へ向けた作動信号の出力により、ヘッドレストを車両Aの前方へ動かす(図9 S163)。一方で、運転交代期間STにて遊び領域ARを超えた踏み込み操作がブレーキペダル12に入力された場合、指示制御部76は、ヘッドレスト駆動装置46へ向けた作動信号の出力により、ヘッドレストを車両Aの後方へ動かす(図9 S166)。
交代制御部77は、情報取得部71にて取得される検知情報と、踏み込み判定部72の判定結果とに基づき、自動運転機能と運転者との間の運転交代を制御する。具体的に、交代制御部77は、運転交代期間STにて遊び領域ARを超えた踏み込み操作がアクセルペダル11又はブレーキペダル12に対し入力された場合に、制御権設定部22に自動運転を解除させる。以上により、制御権設定部22は、自動運転機能から運転者への制御権の移譲を直ちに実施し、運転者によるオーバーライドを成立させる。
交代制御部77は、指示制御部76によって順番に指示された特定ペダルに、運転者の足が正しく置かれているか否かを判定する。交代制御部77は、踏み込み判定部72の判定結果に基づき、指示された特定ペダルに足が正しく置かれ続けたと判定した場合に、自動運転機能から運転者への制御権の引き渡しを許可する。こうした判断に基づく許可情報が制御権設定部22に取得されることで、自動運転機能から運転者への制御権の移譲が移譲地点にて実行される。
次に、ここまで説明したHCU100によって運転者に実施が要求される模擬操作の詳細を、図7及び図8に基づき、図2を参照しつつ説明する。図7のフローチャートに示す提示処理は、図5に示す処理にて情報提示の実施が決定され、且つ、図6に示す処理にてブレーキペダル12からの模擬操作の開始が決定された場合に、交代要求の通知の終了に伴って開始される。
S120では、制御権設定部22にオーバーライド可能な状態を維持させ、S121に進む。S121では、指示表示41(図10参照)により、ブレーキペダル12に足を置く指示を運転者に対して提示し、S122に進む。S122では、S121の指示に従ってブレーキペダル12に足が置かれたか否かを判定する。S122にて、ブレーキペダル12に足が置かれたと判定した場合、S123に進む。S123では、正しく足が置かれたことを指示表示41(図11参照)によって通知し、S125に進む。一方、S122にて、誤ってアクセルペダル11に足が置かれたと判定した場合、S124に進む。S124では、足を置くペダルの間違いを指示表示41(図12参照)によって通知し、S121に戻る。
S125では、指示表示41(図13参照)により、アクセルペダル11に足を置く指示を運転者に対して提示し、S126に進む。S126では、S125の指示に従ってアクセルペダル11に足が置かれたか否かを判定する。S126にて、アクセルペダル11に足が置かれたと判定した場合、S127に進む。S127では、正しく足が置かれたことを指示表示41(図14参照)によって通知し、S129に進む。一方、S126にて、誤ってブレーキペダル12に足が置かれたと判定した場合、S128に進む。S128では、足を置くペダルの間違いを指示表示41(図15参照)によって通知し、S125に戻る。
S129及びS130では、により、ブレーキペダル12に再び足を置く指示表示41(図10参照)を再び運転者に対して提示し、ブレーキペダル12に足が置かれたか否かを判定する。S130にて、誤ってアクセルペダル11に足が置かれたと判定した場合、S132に進む。S132では、足を置くペダルの間違いを指示表示41(図12参照)によって通知し、S129に戻る。
一方、S130にて、ブレーキペダル12に足が置かれたと判定した場合、S131に進む。S131では、正しく足が置かれたことを通知表示45(図16参照)によって通知し、S133に進む。S133では、通知表示45によって手動運転への移行を運転者に通知すると共に、通知表示45にブレーキアイコン43を表示させることで、ブレーキペダル12に足を置いた状態の維持を運転者に促す。そして、S134では、運転者への制御権の移譲を許可し、一連の処理を終了する。以上により、ブレーキペダル12に足を置く指示が継続された状態で、移譲地点にて手動運転への切り替えが実行される。
図8のフローチャートに示す提示処理は、図5に示す処理にて情報提示の実施が決定され、且つ、図6に示す処理にてアクセルペダル11からの模擬操作の開始が決定された場合に、交代要求の通知の終了に伴って開始される。
S140では、制御権設定部22にオーバーライド可能な状態を維持させ、S141に進む。S141では、指示表示41(図13参照)により、アクセルペダル11に足を置く指示を運転者に対して提示し、S142に進む。S142では、S141の指示に従ってアクセルペダル11に足が置かれたか否かを判定する。S142にて、アクセルペダル11に足が置かれたと判定した場合、S143に進む。S143では、正しく足が置かれたことを指示表示41(図14参照)によって通知し、S145に進む。一方、S142にて、誤ってブレーキペダル12に足が置かれたと判定した場合、S144に進む。S144では、足を置くペダルの間違いを指示表示41(図15参照)によって通知し、S141に戻る。
S145では、指示表示41(図10参照)により、ブレーキペダル12に足を置く指示を運転者に対して提示し、S146に進む。S146では、S145の指示に従ってブレーキペダル12に足が置かれたか否かを判定する。S146にて、ブレーキペダル12に足が置かれたと判定した場合、S147に進む。S147では、正しく足が置かれたことを指示表示41(図11参照)によって通知し、S149に進む。一方、S146にて、誤ってアクセルペダル11に足が置かれたと判定した場合、S148に進む。S148では、足を置くペダルの間違いを指示表示41(図12参照)によって通知し、S145に戻る。
S149及びS150では、により、アクセルペダル11に再び足を置く指示表示41(図13参照)を再び運転者に対して提示し、アクセルペダル11に足が置かれたか否かを判定する。S150にて、誤ってブレーキペダル12に足が置かれたと判定した場合、S152に進む。S152では、足を置くペダルの間違いを指示表示41(図15参照)によって通知し、S149に戻る。
一方、S150にて、アクセルペダル11に足が置かれたと判定した場合、S151に進む。S151では、正しく足が置かれたことを通知表示45(図17参照)によって通知し、S153に進む。S153では、通知表示45によって手動運転への移行を運転者に通知すると共に、通知表示45にアクセルアイコン42を表示させることで、アクセルペダル11に足を置いた状態の維持を運転者に促す。そして、S154では、運転者への制御権の移譲を許可し、一連の処理を終了する。以上により、アクセルペダル11に足を置く指示が継続された状態で、移譲地点にて手動運転への切り替えが実行される。
以上の図7及び図8に示す各処理において、各ペダル11,12に足を置く旨の指示の開始から予め規定した時間が経過した場合、交代制御部77は、運転交代のタイムアウトを判定可能である。交代制御部77は、タイムアウトの判定に基づき、運転者への権限移譲を中断し、自動運転機能によって車両Aを停止させる制御を車両制御装置20に開始させる。
次に、オーバーライドが受け付けられた場合に、どちらのペダルを操作しているのかを運転者に通知する処理の詳細を、図9に基づき、図1及び図2を参照しつつ説明する。図9に示すフローチャートは、アクセルペダル11及びブレーキペダル12の少なくとも一方に足が置かれたとの判定に基づき、交代制御部77によって開始される。
S161では、アクセルペダル11の踏み込み量の判定結果を取得し、S162に進む。S162では、S161にて取得した判定結果に基づき、アクセルペダル11の踏み込み量が遊び領域ARを超えているか否かを判定する。S162にて、アクセルペダル11の踏み込み量が遊び領域ARを超えていると判定した場合、S163に進む。S163では、ヘッドレスト駆動装置46へ向けた作動信号の出力により、ヘッドレストを前方に動かし、オーバーライドを通知する処理を終了する。
一方、S162にて、アクセルペダル11の踏み込み量が遊び領域ARを超えていないと判定した場合、S164に進む。S164では、ブレーキペダル12の踏み込み量の判定結果を取得し、S165に進む。S165では、S164にて取得した判定結果に基づき、ブレーキペダル12の踏み込み量が遊び領域ARを超えているか否かを判定する。
S165にて、ブレーキペダル12の踏み込み量が遊び領域ARを超えていないと判定した場合、ヘッドレストを作動させることなく、オーバーライドを通知する処理を終了する。一方、ブレーキペダル12の踏み込み量が遊び領域ARを超えていると判定した場合、S166に進む。S166では、ヘッドレスト駆動装置46へ向けた作動信号の出力により、ヘッドレストを後方に動かし、オーバーライドを通知する処理を終了する。
次に、図7及び図8に示す各処理によって提示される指示表示41及び通知表示45の詳細を説明する。図10〜図15に示す指示表示41は、アクセルペダル11(図1参照)を示すアクセルアイコン42、ブレーキペダル12(図1参照)を示すブレーキアイコン43、及び足を置く特定ペダルを運転者に指示するメッセージ部44等によって構成されている。
ブレーキペダル12に足を置く指示を行う指示表示41では、ブレーキアイコン43をハイライト等によって明確に提示する一方で、アクセルアイコン42をトーンダウンさせている(図10参照)。同様に、アクセルペダル11に足を置く指示を行う指示表示41は、アクセルアイコン42をハイライト等によって明確に提示する一方で、ブレーキアイコン43をトーンダウンさせている(図13参照)。
さらに、指示された特定ペダルに正しく足が置かれた場合、アクセルアイコン42又はブレーキアイコン43には、「○(マル)」形状の画像が重畳される(図11及び図14参照)。反対に、誤ったペダルに足が置かれた場合、アクセルアイコン42又はブレーキアイコン43には、「×(バツ)」形状の画像が重畳される(図12及び図15参照)。
図16及び図17に示す通知表示45は、手動運転への切り替わりを通知する表示である。通知表示45は、メッセージ部44によって正しいペダルに足が置かれていることを運転者に通知した後、アクセルアイコン42及びブレーキアイコン43を表示する。通知表示45は、アクセルアイコン42及びブレーキアイコン43のうちで、操作ペダルに対応した一方のアイコンを明確に表示すると共に、非操作ペダルに対応した他方のアイコンを目立たなく表示させている。
ここまで説明した本実施形態によれば、制御権の引き渡し以前に規定された運転交代期間STにて、アクセルペダル11及びブレーキペダル12に順に足を置くような指示が行われる。そして、運転者が指示に従って正しいペダルに足を置いた場合には、自動運転機能から運転者への制御権の引き渡しが許可される。以上によれば、運転者は、自らへの運転交代が完了する前に、アクセルペダル11及びブレーキペダル12の正しい位置を意識できる。こうして運転者に各ペダル11,12の位置感覚を取り戻させることで、運転交代の完了後におけるペダルの誤操作は、低減され得る。
加えて、運転交代期間STにおいても、遊び領域ARを超えた踏み込み操作が入力された場合、運転者によるペダル操作は、車両Aの挙動に反映される。故に、運転交代期間STにて緊急性の高い状況が生じた場合、運転者は、各ペダル11,12の操作によって制御権を取得し、状況に迅速に対応可能となる。
したがって、HCU100は、運転者によるオーバーライドが可能な状態を維持しつつ、運転交代の完了後における各ペダル11,12の誤操作を低減させることができる。
また本実施形態によれば、運転交代期間STにて各ペダル11,12に設定される遊び領域ARは、手動運転期間MDTよりも大きくされる。こうした遊び領域ARの拡大によれば、足を置こうとした動作によって各ペダル11,12を誤って踏み込んでしまい、運転者の意図しないオーバーライドが実行されてしまう事態は、低減される。
さらに本実施形態では、各ペダル11,12に設定された遊び領域ARの大きさは、自動運転機能から運転者への制御権の引き渡しに伴い、時間をかけて連続的に小さく変更される。以上の制御によれば、遊び領域ARの変化は、運転者に意識され難くなる。加えて、運転交代期間STと手動運転期間MDTとの間での遊び領域ARの急変が回避されることで、各ペダル11,12の踏みすぎに起因した誤操作は、低減され得る。
加えて本実施形態では、自動運転開始後の経過時間PTが時間閾値を超えない場合、及び自動運転開始後の走行距離TDが距離閾値を超えない場合は、模擬操作は実施されない。このように、直前まで運転を継続しており、運転感覚を保持したままの運転者が、遊び領域ARを拡大された各ペダル11,12を操作してしまうと、運転者のイメージする操作感と実際の操作感とが相違してしまう。こうした違和感の発生を回避するために、経過時間PT及び走行距離TDに基づいて模擬操作の実施を中止する処理は、有効となる。
また本実施形態では、移譲時における操作ペダルを考慮して、模擬操作にて各ペダル11,12に足を置く順序が設定される。このような設定によれば、運転者は、各ペダル11,12の位置を確認する模擬的なペダル操作から、運転交代完了後の実際のペダル操作へと、円滑に移行できる。
さらに本実施形態では、手動運転への切り替え時に踏まれる操作ペダルの遊び領域ARよりも、非操作ペダルの遊び領域ARが大きく設定される。こうした遊び領域ARの調整によれば、運転者は、仮に運転交代直後に踏むべきペダルを間違えたとしても、拡大された遊び領域AR内で踏み間違いに気付き、正しいペダルを踏む操作に移行可能となる。以上のように、切り替え直後に踏むペダルを考慮して遊び領域ARの大きさが設定されれば、運転交代直後の誤操作は、いっそう低減され得る。
加えて本実施形態では、各ペダル11,12の踏み込み量が遊び領域ARを超えた場合、直ちに自動運転機能が解除される。こうしたオーバーライドの実現により、運転交代期間STであっても、状況への迅速な対処が可能となる。
また本実施形態では、各ペダル11,12の踏み込み操作によってオーバーライドが実施された場合、踏み込まれたペダルに関連付けられた方向に、ヘッドレストが移動する。こうした通知によれば、運転者は、意図したペダルを踏んでいるのか否かを迅速に把握できる。したがって、オーバーライド時におけるペダルの踏み間違いの影響は、最小限に抑えられる。
尚、本実施形態では、制御回路60が「処理部」に相当し、継続判定部73が「継続時間判定部」及び「継続距離判定部」に相当し、HCU100が「運転交代制御装置」に相当する。
(他の実施形態)
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
上記実施形態の変形例1では、各ペダル11,12の遊び領域は、段階的に小さくされる。具体的に、変形例1の踏み込み判定部は、各ペダルが操作される度に、遊び領域の大きさを例えば0.05mmずつ、調整値から基準値に近づけていく。各ペダルの操作回数に応じた制御であれば、各ペダルの操作中に遊び領域の大きさは変化しない。その結果、遊び領域ARの増減に起因した違和感が運転者に惹起される事態は、回避される。尚、運転者が車両Aから降りる等、運転が明確に中断されたような場合では、各ペダルの遊び領域は、基準値にリセットされてよい。
上記実施形態では、ペダルに置かれた足を検出するために、各ペダルの変位量が検出されていた。しかし、ペダルに足が置かれたことを検出するための検出手段は、適宜変更可能である。例えば、各ペダルに作用する踏力が検出されてもよい。さらに、踏み込み判定部は、運転席の足元を撮影するカメラ等の撮像装置の画像を解析することにより、各ペダルに足が置かれたか否かを判別してもよい。
上記実施形態では、運転交代期間STを含む自動運転期間APTと、手動運転期間MDTとにおいて、遊び領域は、異なる大きさに調整されていた。しかし、例えば運転交代期間STと、運転交代期間STを除く自動運転期間APTとの間で、遊び領域の大きさが変更されてもよい。さらに、遊び領域の大きさは、自動運転期間APT及び手動運転期間MDTを通じて、常に一定であってもよい。また、操作ペダルと非操作ペダルの遊び領域の大きさは、互いに同一に設定されてもよい。
上記実施形態では、踏み込み判定部によって制御的に遊び領域の増減されていた。しかし、例えば各ペダル及び各操作検出部に設けられた機構により、機械的に遊び領域の増減が実現されていてもよい。
上記実施形態にて例示したペダルに足を置く順序は、固定ではなく、適宜変更されてよい。運転者のペダルの位置感覚を回復させることができれば、ペダルに足を置く回数及び順序は、例えば自動運転の継続時間又は運転者のスキル等に応じて、或いはランダムに変更されてよい。
上記実施形態では、自動運転開始後の経過時間及び走行距離が短い場合に、模擬操作が中止されていた。こうした経過時間及び走行距離は、適宜調整されてよい。一例として、時間閾値は、数分程度であってもよい。また、距離閾値は、特定の自動運転区間の距離(例えば80km等)に設定されていてもよい。さらに、経過時間及び走行距離に係らず、模擬操作が常に行われてもよい。
上記実施形態では、ヘッドレストの動きによって、オーバーライド時に踏んでいるペダルが運転者に通知された。こうした通知は、運転交代期間STに限って実施されてもよく、又は自動運転期間APTの全体で実施されてもよい。また、ヘッドレストの動作以外の通知手段を用いて、踏まれているペダルが運転者に通知されてもよい。
上記実施形態では、HUD装置を用いた指示表示により、足を置くペダルが指示されていた。しかし、指示表示に用いられる表示デバイスは、インスツルメントパネルの中央に設けられたセンターディスプレイや、運転席の正面に設けられたコンビネーションメータの液晶表示パネル等であってもよい。さらに、車室内に再生させる音声により、模擬操作にて足を置くペダルが指示されてもよい。
運転交代制御装置の機能は、上記のHCU100とは異なる構成によって実現されてもよい。例えば、車両制御装置及び自動運転ECU等に設けられた処理部が、本開示による運転交代制御方法を実施してもよい。以上のように、運転交代に関連する各機能は、車両に搭載された種々の電子制御ユニットによって適宜実現されてよい。さらに、フラッシュメモリ及びハードディスク等の種々の非遷移的実体的記憶媒体が、各処理部によって実行される運転交代プログラム等を格納する構成として採用可能である。
A 車両、MDT 手動運転期間、APT 自動運転期間、ST 運転交代期間、PT 経過時間、AR 遊び領域、11 アクセルペダル、12 ブレーキペダル、17 運転席、60 制御回路(処理部)、71 情報取得部、73 継続判定部(継続時間判定部,継続距離判定部)、74 ペダル推定部、75 操作制御部、76 指示制御部、77 交代制御部、100 HCU(運転交代制御装置)

Claims (11)

  1. 運転者に代わって運転操作を実施可能な自動運転機能を備える車両(A)において、前記運転者と前記自動運転機能との間における運転交代を制御する運転交代制御装置であって、
    前記自動運転機能から前記運転者に運転操作の制御権が引き渡される以前に規定された運転交代期間(ST)にて、踏み込み操作が前記車両の挙動に反映されない遊び領域(AR)を設定されたアクセルペダル(11)及びブレーキペダル(12)に順に足を置くよう、前記運転者へ向けた指示を行わせる指示制御部(76)と、
    前記アクセルペダル及び前記ブレーキペダルに入力される前記遊び領域を超えた踏み込み操作が前記車両の挙動に反映される状態を前記運転交代期間において維持させる操作制御部(75)と、
    前記アクセルペダル及び前記ブレーキペダルに前記運転者が足を置いているか否かを示す検知情報を取得する情報取得部(71)と、
    前記検知情報に基づき、前記アクセルペダル及び前記ブレーキペダルのうちで前記指示制御部にて指示された特定ペダルに前記運転者の足が置かれたと判定した場合に、前記運転者への前記制御権の引き渡しを許可する交代制御部(77)と、
    を備える運転交代制御装置。
  2. 前記運転交代期間における前記遊び領域は、前記運転者が前記制御権を有する手動運転期間(MDT)の前記遊び領域よりも、大きく設定される請求項1に記載の運転交代制御装置。
  3. 前記遊び領域の大きさは、前記自動運転機能から前記運転者への前記制御権の引き渡しに伴い、段階的に又は連続的に小さく変更される請求項2に記載の運転交代制御装置。
  4. 前記運転者から前記自動運転機能に運転交代されたときからの経過時間(PT)が、時間閾値を超えたか否かを判定する継続時間判定部(S102)、をさらに備え、
    前記指示制御部は、前記経過時間が前記時間閾値を超えていないと判定された場合に、前記運転者へ向けた指示の実施を中止する請求項1〜3のいずれか一項に記載の運転交代制御装置。
  5. 前記運転者から前記自動運転機能に運転交代されたときからの走行距離(TD)が、距離閾値を超えたか否かを判定する継続距離判定部(S103)、をさらに備え、
    前記指示制御部は、前記走行距離が前記距離閾値を超えていないと判定された場合に、前記運転者へ向けた指示の実施を中止する請求項1〜4のいずれか一項に記載の運転交代制御装置。
  6. 前記指示制御部による指示の開始以前に、前記制御権の引き渡し時に前記運転者が操作している操作ペダルを推定するペダル推定部(74)、をさらに備える請求項1〜5のいずれか一項に記載の運転交代制御装置。
  7. 前記指示制御部は、前記操作ペダルが前記アクセルペダルである場合と前記操作ペダルが前記ブレーキペダルである場合とで、前記運転者に足を置かせる前記特定ペダルの設定順序を変更する請求項6に記載の運転交代制御装置。
  8. 前記アクセルペダル及び前記ブレーキペダルのうちで、前記操作ペダルと推定されなかった非操作ペダルの前記遊び領域は、前記操作ペダルの前記遊び領域よりも大きく設定される請求項6又は7に記載の運転交代制御装置。
  9. 前記情報取得部は、前記運転者による前記アクセルペダル及び前記ブレーキペダルの踏み込み量を前記検知情報としてさらに取得し、
    前記交代制御部は、前記検知情報に基づき、前記運転交代期間にて前記遊び領域を超えた踏み込み操作が前記アクセルペダル又は前記ブレーキペダルに対し入力された場合に、前記自動運転機能による自動運転を解除させる請求項1〜8のいずれか一項に記載の運転交代制御装置。
  10. 前記指示制御部は、前記運転交代期間にて前記遊び領域を超えた踏み込み操作が前記アクセルペダル及び前記ブレーキペダルのうちの一方に対し入力された場合に、前記運転者の着座する運転席(17)のヘッドレストを、踏み込み操作が入力された前記一方のペダルに予め関連付けられた方向へ移動させる請求項1〜9のいずれか一項に記載の運転交代制御装置。
  11. 運転者に代わって運転操作を実施可能な自動運転機能を備える車両(A)において、前記運転者と前記自動運転機能との間における運転交代を制御する運転交代制御方法であって、
    少なくとも一つの処理部(60)により、
    前記自動運転機能から前記運転者に運転操作の制御権が引き渡される以前に規定された運転交代期間(ST)にて、踏み込み操作が前記車両の挙動に反映されない遊び領域(AR)を設定されたアクセルペダル(11)及びブレーキペダル(12)に順に足を置くよう、前記運転者へ向けた指示を行わせ(S121,S125,S129,S141,S145,S149)、
    前記アクセルペダル及び前記ブレーキペダルに入力される前記遊び領域を超えた踏み込み操作が前記車両の挙動に反映される状態を前記運転交代期間において維持させ(S120,S140)、
    前記アクセルペダル及び前記ブレーキペダルに前記運転者が足を置いているか否かを示す検知情報を取得し(S122,S126,S130,S142,S146,S150)、
    前記検知情報に基づき、前記アクセルペダル及び前記ブレーキペダルのうちで足を置くことを指示された特定ペダルに前記運転者の足が置かれたと判定した場合に、前記運転者への前記制御権の引き渡しを許可する(S134,S154)、運転交代制御方法。
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