JP2018052050A - 防汚性透明積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】薬品耐性および透明性を備え、かつ、スラッジ等の析出物が付着しにくい特性を備えた防汚性透明積層体を提供する。【解決手段】防汚性透明積層体は、ガラスをエッチングするエッチング液またはエッチング雰囲気に接触し得る箇所に配置される。この防汚性透明積層体は、エッチング液に対する耐性を備えた透明樹脂からなる本体1と、本体1におけるエッチング液との接触箇所に貼付されたポリメチルペンテンフィルム3とを含む。通常、ポリメチルペンテンフィルム3は、エッチング液との接触面の反対面に改質面を有し、改質面が透明粘着層2を介して本体1に貼り付けられるように構成される。【選択図】図8

Description

本発明は、ガラスをエッチングするエッチング液またはエッチング雰囲気に接触し得る箇所に配置される防汚性透明積層体に関する。
液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイにおいて薄型ガラス基板が広く利用されてきた。ガラス基板の薄型化は、通常、機械研磨方式または化学研磨方式(エッチング)によって行われている。特に、化学研磨方式(エッチング)は、ガラス基板の薄型化加工の際に傷を発生させることがなく、薄型化加工後のガラス基板の強度を高めることが可能であるため、近年ますます好まれるようになっている。
ところが、ガラスに対して化学研磨方式(エッチング)を行うエッチング装置では、腐食性の強いフッ酸を含むエッチング液を使用することが余儀なくされる。このため、エッチング装置を構成する部品は耐エッチング性を備えることが求められる。十分な耐エッチング性を備えない素材を用いた場合、エッチング装置の腐食による劣化が著しくなり、エッチング装置のライフを大幅に縮めてしまうというリスクがあった。
そこで、従来のエッチング装置においては、フッ酸等のエッチング液と触れる場所には、耐エッチング性を備えた材料(塩化ビニル系樹脂やポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂)が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。このように、エッチング装置において、配管、隔壁、その他エッチング液と接触する箇所やエッチング雰囲気の箇所に適切に耐エッチング性部材を配置することにより、エッチング装置の劣化等の不都合の発生を抑制してきた。
特許5518133号
しかしながら、塩化ビニル系樹脂は、機械的剛性や透明化可能性に優れる一方で、エッチング液に対する耐性面においてフッ素樹脂に劣る。このため、長期間の使用において劣化が発生する可能性があり、頻度の高いメンテナンスが必要となる。また、フッ素樹脂は、エッチング液に対する耐性面に優れる一方で、材料コストや加工性(溶着および溶接等)の問題があり、さらに透明化することが極めて困難であるといった不都合があった。
エッチング装置の配管や隔壁やその他エッチング液と接触する箇所には、エッチング液に対する耐性に優れた部材が好ましいことは当然として、ガラスから溶解した化合物が析出することによって発生するスラッジ等の析出物の視認性を高めるために透明部材を用いることが好ましい。さらに好ましくは、スラッジ等の析出物が付着しにくい特性を有することである。
本発明の目的は、薬品耐性および透明性を備え、かつ、スラッジ等の析出物が付着しにくい特性を備えた防汚性透明積層体を提供することである。
この発明に係る防汚性透明積層体は、ガラスをエッチングするエッチング液やエッチング雰囲気に接触し得る箇所に配置可能に構成される。ガラスをエッチングするエッチング液の例としては、フッ酸や塩酸を含む薬液が挙げられる。また、防汚性透明積層体の配置位置の例としては、エッチング液を通液する配管、エッチング液を吐出するノズル、エッチング雰囲気に触れる位置の隔壁や点検窓等が挙げられるがこれらには限定されない。
この防汚性透明積層体は、エッチング液やエッチング雰囲気に対する耐性を備えた透明樹脂からなる本体と、本体におけるエッチング液やエッチング雰囲気との接触箇所に貼付されたポリメチルペンテンフィルムとを少なくとも備える。ポリメチルペンテンは、耐薬品性、透明性、低表面張力性を持つ樹脂材料であり、これをフィルムにした場合でもその特性は変わりがない。このため、ポリメチルペンテンフィルムが添付された本体は、薬品耐性および透明性を備えることになる。また、スラッジが付着しにくい特性も備えることになり、防汚性にも優れるようになる。
上述の防汚性透明積層体は、ポリメチルペンテンフィルムが、エッチング液やエッチング雰囲気との接触面の反対面に改質面を有し、改質面が透明粘着層を介して本体に貼り付けられるように構成されることが好ましい。その理由は、ポリメチルペンテンは、一般的に、低表面張力性という特性を有し、物が付着しにくいため、他の材料に付着させることが難しいからである。例えば、ポリメチルペンテンフィルムの表面にコロナ処理等の表面改質処理を施すことによって、改質面に粘着剤を塗布し易くなる。
粘着剤が塗布されることによって粘着層が形成されたポリメチルペンテンフィルムは、透明塩化ビニル樹脂等のからなる本体に貼り付け易くなる。このようにして構成された積層体は、薬品耐性および透明性が高くなる。さらに、エッチング液やエッチング雰囲気に接触する可能性のある箇所が、物が付着しにくいポリメチルペンテンによって構成されているため、スラッジ等の析出物が付着しにくい特性を備えることになる。しかも、ポリメチルペンテンはフッ素樹脂に比較して安価であり、かつ、積層体の大部分をポリメチルペンテンよりも安価な材料で構成することも可能であるため、防汚性透明積層体の生産コストが抑えられる。
この発明によれば、薬品耐性および透明性を備え、かつ、スラッジ等の析出物が付着しにくい特性を備えた防汚性透明積層体を実現することが可能になる。
本発明に係る防汚性透明積層体が適用されるスプレイエッチング装置の構成の一例を示す図である。 本発明に係る防汚性透明積層体が適用されるエッチングチャンバの構成の一例を示す図である。 本発明に係る防汚性透明積層体が適用されるエッチングチャンバの構成の一例を示す図である。 スプレイエッチング装置の駆動ユニットの概略構成を示す図である。 本発明に係る防汚性透明積層体が適用されるスプレイ配管ユニットの構成の一例を示す図である。 本発明に係る防汚性透明積層体が適用されるスプレイ配管ユニットの構成の一例を示す図である。 本発明に係る防汚性透明積層体の概略構成の一例を示す図である。 本発明に係る防汚性透明積層体の概略構成の一例を示す図である。
以下、図を用いて本発明に係るスプレイエッチング装置の一実施形態を説明する。図1(A)および図1(B)に示すように、スプレイエッチング装置10は、導入部12、前処理チャンバ14、5つのエッチングチャンバ16、洗浄チャンバ18、および排出部20を備える。前処理チャンバ14、エッチングチャンバ16、および洗浄チャンバ18にはそれぞれ、隔壁の一部にガラス基板100が通過可能なスリット状の開口部が形成されている。以下の実施形態では、被処理基板がガラス基板100である例を説明するが、ガラス基板100以外の基板(例:セラミック基板、プリント基板、半導体基板等)の処理にスプレイエッチング装置10を用いることも可能である。
スプレイエッチング装置10は、最上流位置の導入部12から最下流位置の排出部20にかけて配列された複数の搬送ローラ30を備えている。搬送ローラ30は、導入部12にセット(ローディング)されたガラス基板100を前処理チャンバ14、エッチングチャンバ16、および洗浄チャンバ18を順次経由させつつ排出部20まで搬送するように構成される。
前処理チャンバ14は、エッチングチャンバ16に導入される前のガラス基板100を洗浄するように構成される。この実施形態では、前処理チャンバ14においてガラス基板100に対して上下から洗浄水が噴きつけられることによってガラス基板100が水洗いされる。エッチングチャンバ16は、ガラス基板100に対してエッチング液を噴きつけることによってガラス基板100を薄型化するように構成される。この実施形態では、スプレイエッチング装置10は5つのエッチングチャンバ16を備えているが、エッチングチャンバ16の数は適宜増減させることが可能である。エッチングチャンバ16の構成については後述する。
洗浄チャンバ18は、エッチングチャンバ16にてエッチング処理がされたガラス基板100を洗浄するように構成される。洗浄チャンバ18においても、前処理チャンバ14と同様、ガラス基板100に対して上下から洗浄水が噴きつけられることによってガラス基板100が水洗いされる。排出部20には、エッチング処理および洗浄処理がされたガラス基板100が排出される。排出部20においてガラス基板100の取り出し(アンローディング)が行われる。
図1(B)に示すように、エッチングチャンバ16および洗浄チャンバ18には、ガラス基板100上の液体を除去するための乾燥手段(例:エアナイフ、脱水ローラ等)が設けられており、適宜、エッチング液の除去および洗浄水の除去が行われる。また、スプレイエッチング装置10には、スクラバ等を含む排気システム(図示省略)およびフィルタープレス等を含む排水系システム(図示省略)に接続されており、排気および排水が適切に行われている。
続いて、図2を用いてエッチングチャンバ16の構成を説明する。5つのエッチングチャンバ16は原則として同一構成であるため、ここでは単一のエッチングチャンバ16について説明する。エッチングチャンバ16は、上側スプレイ配管ユニット162、下側スプレイ配管ユニット164、上側ホースユニット166、下側ホースユニット167(図3参照。)およびガイドシャフト58を少なくとも備える。
上側スプレイ配管ユニット162は、搬送ローラ30上を搬送されるガラス基板100の上方に所定の距離を設けて配置される。上側スプレイ配管ユニット162は、エッチング液を吐出する吐出ノズルを複数備えた配管を並列的に複数配置するように構成される。この実施形態では、並行に5本配置された各配管に6個の吐出ノズルが設けられる例を説明するが、配管や吐出ノズルの数はこれに限定されるものではない。
ここでは、上側スプレイ配管ユニット162のフレーム部材、吐出ノズル、および配管がポリ塩化ビニルを基体とする複合透明樹脂材料によって構成されているが、その詳細については後述する。下側スプレイ配管ユニット164は、搬送ローラ30上を搬送されるガラス基板100の下方に所定の距離を設けて配置される。下側スプレイ配管ユニット164の基本的構成は上側スプレイ配管ユニット162と同一であるため、説明を割愛する。
上側スプレイ配管ユニット162および下側スプレイ配管ユニット164はそれぞれ底部の4箇所(この実施形態では、4つの角部)に、脚部となるベース部材170を備えている。このベース部材170は、エッチングチャンバ16内の所定位置に設けられた8つのガイド部材172にスライド可能な状態で支持されている。ベース部材170は、その底部がテーパ加工されており、ガイド部材172は、ベース部材170の底部にフィットする形状の溝部を有している。ベース部材170がガイド部材172の溝部に沿って往復直線移動することにより、上側スプレイ配管ユニット162および下側スプレイ配管ユニット164がガラス基板100の搬送方向に直交する幅方向において往復直線移動をすることになる。
ベース部材170およびガイド部材172は常時互いに擦れ合うため、耐酸性を備え、かつ、摺動特性や耐摩耗性が高い素材を用いることが好ましい。この実施形態では、ベース部材170にポリテトラフルオロエチレン、ガイド部材172に超高分子量ポリエチレン樹脂(U−PE)を採用しているが、素材についてはこれらに限定されるものではない。例えば、フレーム部材、吐出ノズル、および配管に採用されている複合透明樹脂材料を用いることも可能である。
上側ホースユニット166は、可撓性を備えた耐酸性ホースの束で構成されており、上側スプレイ配管ユニット162と送液ユニット40とを接続するように構成される。下側ホースユニット167は、可撓性を備えた耐酸性ホースの束で構成されており、下側スプレイ配管ユニット164と送液ユニット40とを接続するように構成される(図5参照。)。ガイドシャフト58は、駆動ユニット50からの駆動力を上側スプレイ配管ユニット162および下側スプレイ配管ユニット164に伝達するように構成される。
図3に示すように、駆動ユニット50は、上側スプレイ配管ユニット162および下側スプレイ配管ユニット164に対してガイドシャフト56を介して駆動力を伝達するように構成される。ガイドシャフト58は、エッチングチャンバ16の側壁を貫通することになるため、水密性および気密性を保つためシール軸受58等のシール機構が用いられる。シール軸受58は、ガイドシャフト56をスライド自在に支持するように構成される。ガイドシャフト56の一端は上側スプレイ配管ユニット162または下側スプレイ配管ユニット164に接続されている。ガイドシャフト56の他端は、LMガイド(Linear Motion Guide)64にスライド自在に支持された可動フレーム60に接続されている。
駆動ユニット50は、駆動源としてのモータやその駆動回路等を有するモータユニット52を備えている。モータユニット52には回転シャフト54が接続される。回転シャフト54の両端部には回転円板70が取り付けられている。
図4(A)に示すように、回転円板70には、カムフォロア72が取り付けられている。一方で、可動フレーム60には、カムフォロア72がフィットするサイズの溝が形成されたガイド部材62が取り付けられている。図4(A)においては、説明の便宜上、回転円板70のカムフォロア72と可動フレームのガイド部材62とが分離した状態を示しているが、実際の使用時においてはカムフォロア72がガイド部材62にスライド自在な状態で嵌っている。
モータユニット52の駆動力により回転シャフト54が回転すると、回転円板70の回転力が可動フレーム60を往復移動させるための駆動力として可動フレーム60に伝達する。可動フレーム60に伝達した駆動力は、ガイドシャフト56を介して上側スプレイ配管ユニット162および下側スプレイ配管ユニット164に伝達する。
上述した駆動ユニット50の構成は一例であり、これに限定されるものではない。例えば、図4(B)に示すように、回転円板70に代えて、所望の長径と短径との差を有するカム板74を用いることの可能である。この場合は、可動フレーム60に所定の方向に常に力を加え(弾性部材や磁性部材等による付勢力)、この力に抗してカム板74が可動フレーム60を押圧するような構成を採用すると良い。その他にも適宜最適なカム機構を選択することも可能である。
上側ホースユニット166は、送液ユニット40からのエッチング液を上側スプレイ配管ユニット162に供給するように構成される。下側ホースユニット167は、送液ユニット40からのエッチング液を下側スプレイ配管ユニット164に供給するように構成される。上側ホースユニット166および下側ホースユニット167は、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等の耐酸性部材からなる。上側ホースユニット166および下側ホースユニット167として、上記複合透明樹脂材料を用いることも可能であり、またこれ以外の耐酸可撓性素材を用いても良い。上側ホースユニット166および下側ホースユニット167は、上側スプレイ配管ユニット162および下側スプレイ配管ユニット164のスライド動作によって送液ユニット40と上側スプレイ配管ユニット162および下側スプレイ配管ユニット164との距離が変化した場合であっても、この変化を吸収できるように十分な撓みを有するように必要量よりも十分長めに設計されている(図5および図6を参照。)。
この実施形態では、上側ホースユニット166は送液ユニット40の下部と上側スプレイ配管ユニット162を接続する一方で、下側ホースユニット167は送液ユニット40の上部と下側スプレイ配管ユニット164を接続するように構成している。その理由は、上側ホースユニット166と下側ホースユニット167との長さを長くすることができ、上側スプレイ配管ユニット162および下側スプレイ配管ユニット164が往復スライド移動する場合に、上側ホースユニット166と下側ホースユニット167が撓みやすくなるからである。
この結果、比較的硬めのフッ素系樹脂を用いる場合であっても上側ホースユニット166および下側ホースユニット167が本来の機能を発揮し易くなる。また、上側ホースユニット166と下側ホースユニット167との長さ(特に、上側スプレイ配管ユニット162および下側スプレイ配管ユニット164の外側に位置する部分の長さ)を長くすることが可能になる。そして、上側ホースユニット166と下側ホースユニット167がエッチング液のスプレイ領域に垂れ下がることを確実に防止できるようになる。
上述のスプレイエッチング装置10において、オペレータまたはロボット等によってガラス基板100が導入部12にローディングされる。ガラス基板100は、適度な間隔を設けて順次的に導入部12にローディングされる。ガラス基板100は、導入部12からスリット状の開口部を通過して前処理チャンバ14に導入され、ここで全面が洗浄水によって洗浄される。続いて、ガラス基板100は、前処理チャンバ14からスリット状の開口部を通過してエッチングチャンバ16へと導入される。
エッチングチャンバ16において、上側スプレイ配管ユニット162および下側スプレイ配管ユニット164からガラス基板100の上面および下面にそれぞれエッチング液がスプレイされる。このエッチング処理時において、図6(A)および図6(B)に示すように、上側スプレイ配管ユニット162および下側スプレイ配管ユニット164は幅方向に往復移動を繰り返すため、エッチング液のスプレイ角度が随時変化することになる。この結果、ガラス基板100の上面においてスプレイされたエッチング液の滞留が発生しにくくなる。
ガラス基板100は、複数のエッチングチャンバ16を順次通過しながら薄型化される。そして、最下流に配置されたエッチングチャンバ16を通過した後に、エアナイフ等によって液切りがされた上で洗浄チャンバ18に導入される。ガラス基板100は、洗浄チャンバ18において洗浄水によって洗浄される。その後エアナイフ等によって脱水処理がされてから排出部20に排出される。排出部20に排出されたガラス基板100は、オペレータまたはロボットによって回収されて後段の工程に移行される。
上述のような手順で、スプレイエッチング装置10は大量(例えば、500枚/日以上)のガラス基板100に対してスプレイエッチング処理を行うことができる。この実施形態では、ガラス基板100の薄型化の例を説明しているが、所望のパターニングを有する耐エッチング性のマスキング剤を併用することで、ガラス基板100の切断処理や端面平滑化処理等を行うことも可能である。
スプレイエッチング装置10のメンテナンス性を考慮すると、エッチングチャンバ16の天板は開閉可能、または、取り外し可能に構成されていることが好ましい。上側スプレイ配管ユニット162は、上側ホースユニット166およびガイドシャフト58を取り外すことにより、容易にエッチングチャンバ16の天井部から装置外に持ち出すことが可能となる。このとき、上側スプレイ配管ユニット162と、上側ホースユニット166およびガイドシャフト58とは、任意に脱着可能な構成(ねじ止め、解除機能付きロック機構等)を介して接続されることが好ましい。
また、搬送ローラ30群も駆動伝達部との連結を容易に解除できるようにしておくことにより、容易に装置外に持ち出すことが可能となる。さらには、下側スプレイ配管ユニット164についても上側スプレイ配管ユニット162と同様に天井部から装置外に持ち出すことが可能となる。装置外において上側スプレイ配管ユニット162と下側スプレイ配管ユニット164とに対してスラッジ等の析出物を除去する等のメンテナンス作業を行うことによりメンテナンス性が向上する。また、スペアの上側スプレイ配管ユニット162と下側スプレイ配管ユニット164を用意しておけば、スプレイエッチング装置10の操業を停止する時間を最小限に抑えることが可能となる。
ここで、図7および図8を用いて、上述のスプレイエッチング装置10の各所に適用可能な複合透明樹脂材料について説明する。この複合透明樹脂材料は、透明なポリ塩化ビニルからなる本体1、本体1におけるエッチング液と触れる可能性がある領域に貼付されたポリメチルペンテンフィルム(以下、PMPフィルムという。)3、本体1とPMPフィルム3との間に介在するアクリル系の透明粘着層2を備えている。図7(A)では、複合樹脂材料を配管部品5として利用している例を示している。この配管部品5は、内径25mm程度の本体1に、2〜30μm(通常は15μm程度)の透明粘着層2を介して、20〜200μm(通常は50μm程度)のPMPフィルム3が貼りつけられて構成されている。このような配管部品5は、スプレイ配管ユニットや送液ユニット等の各所において利用することが可能である。
また、図7(B)では、複合樹脂材料をノズル部品6として利用している例を示している。このノズル部品6は、ノズルを構成する透明樹脂材料からなる本体1に、10μm程度のアクリル系の透明粘着層2を介して、20〜50μmのPMPフィルム3が貼りつけられて構成されている。このようなノズル部品6は、主として、スプレイ配管ユニットの吐出ノズルにおいて利用することが可能である。
配管部品5やノズル部品6は、ガラスをエッチングするエッチング液が通る通液路構造体であり、直接的にエッチング液と触れる箇所であるが、薬品耐性の強いPMPフィルム3によって覆われているため、エッチング液による腐食がほとんど発生しない。このため、通液路構造体の長寿命化が実現する。また、通液路構造体が透明性を備えることにより、通液路構造体内部にスラッジ等が発生した場合でも早期に発見することが可能であるため、メンテナンス性に優れトラブルの少ないエッチング装置を実現することが可能になる。
図8(A)および図8(B)では、スプレイエッチング装置10のエッチングチャンバ16や駆動ユニット50の隔壁の点検窓として機能する透明隔壁部品7の例を示している。この透明隔壁部品7は、板厚5〜20mm程度の本体1に、2〜30μm(通常は15μm程度)の透明粘着層2を介して、20〜200μm(通常は50μm程度)のPMPフィルム3が貼りつけられて構成されている。このような透明隔壁部品7は、エッチングチャンバ16のように直接エッチング液に触れる可能性のある箇所や、その他、間接的にエッチング雰囲気の影響を受け得る箇所に配置すると良い。
透明隔壁部品7は、薬品耐性の強いPMPフィルム3によって覆われているため、エッチング液による腐食がほとんど発生せず、スラッジ等の析出物が付着しにくいため、長期間にわたって透明性を維持し易い。このため、スプレイエッチング装置10の内部を点検するための点検窓として極めて好適な機能を発揮することができる。
上述の実施形態において、PMPフィルム3は、ポリメチルペンテン樹脂を引き延ばし、適用する部品に好適な所定の大きさに裁断された後、コロナ表面処理機によって表面改質処理が施される。表面改質処理は、真空管方式、サイリスター方式等の公知のコロナ放電処理装置を使用して行うことができる。この実施形態では、放電電極とPMPフィルムとの間に0.1〜10mm程度の距離を設け、印加電圧を0.1〜50kVをかけて処理している。PMPフィルム3における表面改質処理が施された面が他の透明樹脂との貼り付け面となり、その反対側の面がエッチング液またはエッチング雰囲気に接する面となる。
本発明に係る防汚性透明積層体を用いることにより、フッ酸などの薬品に侵されにくい装置を提供できる。また、スラッジや汚れの付着を防止したり、たとえ付着しても簡単に除去したりすることが可能になる。さらに、透明性を維持できることにより、トラブルの原因が発見し易くなり、メンテナンスが容易になるため、装置の安定稼働に寄与できる。
防汚性透明積層体は新規に装置を設計するときだけでなく、既存の装置にもその仕様を変更することなく適用することが可能である。また、フッ素樹脂に相当する薬品耐性を低コストで実現できるため、装置コストを低減することが可能になる。
生産コストに余裕があれば、ポリメチルペンテン材自体でノズル、パイプ、キャップ、その他の配管等の通液路構造体やその他の部品を成型することも可能である。この場合、複数の樹脂を用いた積層体を構成するよりも、軽量性や透明性に優れた特性を実現することが可能になる。
これに対して、ポリメチルペンテン樹脂をフィルム化して透明ポリ塩化ビニル樹脂等の他の材料と組み合わせた場合、優れた薬品耐性や洗浄性等を享受しつつ低コスト化を実現できる。また、ポリ塩化ビニル樹脂等の機械的強度や溶接容易性に優れた特性の備えた材料と組み合わせることにより、薬品耐性、洗浄性、機械的強度、溶接容易性等の加工容易性のすべてに優れたハイブリッド材料を実現することが可能になる。
上述の実施形態では、スプレイエッチング装置の内部に適用する防汚性透明積層体を適用する例を説明したが、スプレイエッチング装置の周辺の装置にも適用することが好ましい。例えば、スクラバ等の排気システムの構成要素やフィルタープレス等の排水系システムの構成要素に防汚性透明積層体を適用することも可能である。
さらには、防汚性透明積層体はスプレイエッチング装置に適用する以外のその他の状況においてもその機能を発揮することができる。例えば、ポリメチルペンテンフィルムは、優れた防汚特性を有することから、野外設備や施設の耐候性向上にも寄与する事ができる。例えば、太陽光パネルは埃や雨水のステインによって汚れる。その場合、発電効率が低下し、年に数回のパネル洗浄が必要となる。また、野外であるために鳥糞や虫の死骸が部分的な抵抗の上昇を引き起こし、パネル破損の原因になる事がある。表面改質を行ったポリメチルペンテンフィルムを太陽光パネル表面に貼りつけることにより、汚濁の防止、鳥糞の雨中での自動洗浄が可能となり、太陽光パネルの安定化稼働およびランニングコスト削減に寄与する。
また、カーボン系材料とも組み合わせてハイブリッド部材を構成することが可能である。カーボン系材料は近年、構造的に高強度が必要とされる部位や部品に用いられている。しかしながら、フッ酸などの酸環境下では、金属同様に劣化が進行し、折れたり、破損したりするケースが発生し得る。前述のガラス研磨装置においても駆動部分に用いられているが、劣化とスラッジの固着により、破損する場合がある。このカーボン系材の表面に表面改質を行ったポリメチルペンテンフィルムを貼付することによって、その劣化や汚濁を防止することができ、装置の長寿命化に寄与することが可能になる。
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1−本体
2−透明粘着層
3−ポリメチルペンテン(PMP)フィルム
5−配管部品
6−ノズル部品
7−透明隔壁部品
10−スプレイエッチング装置
12−導入部
14−前処理チャンバ
16−エッチングチャンバ
18−洗浄チャンバ
20−排出部
30−搬送ローラ
40−送液ユニット
50−駆動ユニット
162−上側スプレイ配管ユニット
164−下側スプレイ配管ユニット
166−上側ホースユニット
167−下側ホースユニット

Claims (3)

  1. ガラスをエッチングするエッチング液またはエッチング雰囲気に接触し得る箇所に配置可能な防汚性透明積層体であって、
    エッチング液またはエッチング雰囲気に対する耐性を備えた透明樹脂からなる本体と、
    前記本体におけるエッチング液またはエッチング雰囲気との接触箇所に貼付されたポリメチルペンテンフィルムと、
    を含む防汚性透明積層体。
  2. 前記ポリメチルペンテンフィルムは、エッチング液またはエッチング雰囲気との接触面の反対面に改質面を有し、前記改質面が透明粘着層を介して前記本体に貼り付けられるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の防汚性透明積層体。
  3. 前記本体が透明ポリ塩化ビニル樹脂で構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の防汚性透明積層体。
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WO2020004569A1 (ja) * 2018-06-29 2020-01-02 株式会社Nsc エッチング装置

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