JP2018051878A - 成形品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明によれば、溶融樹脂を成形することによって、一端に閉塞部が設けられた筒部を有する成形体を形成する成形体形成工程と、前記筒部を切断することによって前記閉塞部を切除する切除工程を備え、前記切除工程において、前記切除は、外力により前記筒部の側壁を面内で歪ませた状態で行われる、成形品の製造方法が提供される。
【選択図】図1
Description
好ましくは、前記筒部の側壁は、一対の角部を有する断面形状を有し、前記切除工程において、前記一対の角部の中央が前記閉塞部から離れる方向に向かうように前記筒部の側壁が面内で歪まされる。
好ましくは、前記筒部の側壁は、互いに対向する一対の長辺部と、前記一対の長辺部を連結するように設けられる一対の短辺部を備え、前記切除工程において、前記長辺部の中央が前記閉塞部から離れる方向に向かうように前記長辺部が前記面内で歪まされる。
好ましくは、前記成形体は、基部を備え、前記筒部は、前記基部から立ち上がるように設けられる。
好ましくは、前記基部は、前記筒部の周縁に設けられた周縁部と、前記周縁部に隣接して設けられた隣接壁を備え、前記隣接壁は、周縁部に対する角度が75度以下である。
好ましくは、前記切除工程において、前記基部を押圧することによって前記筒部の側壁が面内で歪まされる。
好ましくは、前記基部は、前記筒部の周縁に周縁部を備え、前記周縁部は、前記筒部の立ち上がり方向に膨らむように湾曲されており、前記切除工程において、前記周縁部を押圧することによって前記筒部の側壁が面内で歪まされる。
好ましくは、前記切除工程は、切除治具に前記成形体を設置し、その状態で前記閉塞部を切除する工程を備え、前記切除治具は、前記筒部を収容可能な治具開口部を備え、前記成形体は、前記筒部が前記治具開口部に収容され且つ前記周縁部が前記切除治具に当接するように設置され、前記閉塞部は、前記周縁部を前記切除治具に押し付けて変形させた状態で切除される。
好ましくは、前記切除工程において、前記成形体が直線的に切断される。
好ましくは、前記成形体は、ブロー成形によって形成される。
好ましくは、前記溶融樹脂が発泡剤を含有し、前記成形体は、発泡成形体である。
最初に、図1を用いて、本発明の一実施形態の成形品の製造方法の実施に利用可能な成形機1について説明する。成形機1は、樹脂供給装置2と、ヘッド18と、分割金型19を備える。樹脂供給装置2は、ホッパー12と、押出機13と、インジェクタ16と、アキュームレータ17を備える。押出機13とアキュームレータ17は、連結管25を介して連結される。アキュームレータ17とヘッド18は、連結管27を介して連結される。
以下、各構成について詳細に説明する。
ホッパー12は、原料樹脂11を押出機13のシリンダ13a内に投入するために用いられる。原料樹脂11の形態は、特に限定されないが、通常は、ペレット状である。原料樹脂11は、例えばポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂であり、ポリオレフィンとしては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体及びその混合物などが挙げられる。原料樹脂11は、ホッパー12からシリンダ13a内に投入された後、シリンダ13a内で加熱されることによって溶融されて溶融樹脂になる。また、シリンダ13a内に配置されたスクリューの回転によってシリンダ13aの先端に向けて搬送される。スクリューは、シリンダ13a内に配置され、その回転によって溶融樹脂を混練しながら搬送する。スクリューの基端にはギア装置が設けられており、ギア装置によってスクリューが回転駆動される。シリンダ13a内に配置されるスクリューの数は、1本でもよく、2本以上であってもよい。
シリンダ13aには、シリンダ13a内に発泡剤を注入するためのインジェクタ16が設けられる。原料樹脂11を発泡させない場合は、インジェクタ16は省略可能である。インジェクタ16から注入される発泡剤は、物理発泡剤、化学発泡剤、及びその混合物が挙げられるが、物理発泡剤が好ましい。物理発泡剤としては、空気、炭酸ガス、窒素ガス、水等の無機系物理発泡剤、およびブタン、ペンタン、ヘキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタン等の有機系物理発泡剤、さらにはそれらの超臨界流体を用いることができる。超臨界流体としては、二酸化炭素、窒素などを用いて作ることが好ましく、窒素であれば臨界温度−149.1℃、臨界圧力3.4MPa以上、二酸化炭素であれば臨界温度31℃、臨界圧力7.4MPa以上とすることにより得られる。化学発泡剤としては、酸(例:クエン酸又はその塩)と塩基(例:重曹)との化学反応により炭酸ガスを発生させるものが挙げられる。化学発泡剤は、インジェクタ16から注入する代わりに、ホッパー12から投入してもよい。
発泡剤が添加されている又は添加されていない溶融樹脂11aは、シリンダ13aの樹脂押出口から押し出され、連結管25を通じてアキュームレータ17内に注入される。アキュームレータ17は、シリンダ17aとその内部で摺動可能なピストン17bを備えており、シリンダ17a内に溶融樹脂11aが貯留可能になっている。そして、シリンダ17a内に溶融樹脂11aが所定量貯留された後にピストン17bを移動させることによって、連結管27を通じて溶融樹脂11aをヘッド18内に設けられたダイスリットから押し出して垂下させてパリソン23を形成する。パリソン23の形状は、特に限定されず、円筒状であってもよく、シート状であってもよい。
パリソン23は、一対の分割金型19間に導かれる。分割金型19を用いてパリソン23の成形を行うことによって、図2に示すような成形体10が得られる。分割金型19を用いた成形の方法は特に限定されず、分割金型19のキャビティ内にエアーを吹き込んで成形を行うブロー成形であってもよく、分割金型19のキャビティの内面からキャビティ内を減圧してパリソン23の成形を行う真空成形であってもよく、その組み合わせであってもよい。溶融樹脂が発泡剤を含有する場合、パリソン23は、発泡パリソンとなり、成形体10は、発泡成形体となる。
ここで、図1〜図19を用いて、本発明の一実施形態の成形品の製造方法について説明する。本実施形態の方法は、成形体形成工程と切除工程を備える。以下、詳細に説明する。
この工程では、図1〜図3に示すように、溶融樹脂11aを成形することによって、一端に閉塞部3a,4aが設けられた筒部3,4を有する成形体10を形成する。この工程は、上述の成形機1を用いて実施することができる。成形体10がソリッドの成形体と発泡成形体の何れの場合でも本発明の効果は得られるが、成形体10が発泡成形体である場合には、閉塞部3a,4aの切除による筒部3,4の形状変化が顕著であるので、成形体10が発泡成形体である場合に、本発明を適用する技術的意義が特に大きい。発泡成形体の発泡倍率は、例えば、例えば1.5〜5倍であり、2〜4倍が好ましく、具体的には例えば、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5倍であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。発泡成形体の肉厚は、例えば、1〜7mmであり、好ましくは1.5〜5mmであり、具体的には例えば、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7mmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
この工程では、図2〜図3に示すように、一点鎖線で示す直線状の切断線Sに沿って筒部3,4を切断することによって閉塞部3a,4aを切除する。これによって、図4〜図5に示すように、筒部3,4に開口部3b,4bが形成されて成形品5が得られる。
図10(a)は、図8と同じ成形体10を示し、閉塞部4a及び周縁部6aが筒部4の立ち上がり方向に膨らむように湾曲されている。基部6は、筒部4が設けられたベース壁6dと、これに対向する対向壁6cを備えており、成形体10は、対向壁6cが載置面に当接するように載置される。
・閉塞部4aの除去は、図11に示すような切除治具7を用いて行うことも可能である。切除治具7は、筒部4を収容可能に構成された治具開口部7aを備える。治具開口部7aは、筒部4の外形よりもわずかに大きい形状である。このため、図12(a)に示すように、筒部4が治具開口部7a内に収容されるように成形体10を切除治具7に設置すると、図12(b)に示すように、周縁部6aが切除治具7に当接する。この状態で、図13(b)に示すように、対向壁6cに外力Fを加えて周縁部6aを切除治具7に押し付けて周縁部6aが平坦になるように変形させると、図13(a)に示すように、長辺部4cも同様に変形して閉塞部4aが平坦になる。この状態で筒部4を切断して閉塞部4aを除去すると、外力Fを除いても周縁部6a及び長辺部4cは膨らんだ状態には戻らず、図10(c)に示すように、周縁部6a及び切断端4fが平坦な状態が維持される。
2 :樹脂供給装置
3 :筒部
3a :閉塞部
3b :開口部
4 :筒部
4a :閉塞部
4b :開口部
4c :長辺部
4d :短辺部
4e :角部
4f :切断端
5 :成形品
6 :基部
6a :周縁部
6b :隣接壁
6c :対向壁
6d :ベース壁
7 :切除治具
7a :治具開口部
10 :成形体
11 :原料樹脂
11a :溶融樹脂
12 :ホッパー
13 :押出機
13a :シリンダ
16 :インジェクタ
17 :アキュームレータ
17a :シリンダ
17b :ピストン
18 :ヘッド
19 :分割金型
23 :パリソン
25 :連結管
27 :連結管
F :外力
S :切断線
α :角度
Claims (11)
- 溶融樹脂を成形することによって、一端に閉塞部が設けられた筒部を有する成形体を形成する成形体形成工程と、
前記筒部を切断することによって前記閉塞部を切除する切除工程を備え、
前記切除工程において、前記切除は、外力により前記筒部の側壁を面内で歪ませた状態で行われる、成形品の製造方法。 - 前記筒部の側壁は、一対の角部を有する断面形状を有し、
前記切除工程において、前記一対の角部の中央が前記閉塞部から離れる方向に向かうように前記筒部の側壁が面内で歪まされる、請求項1に記載の方法。 - 前記筒部の側壁は、互いに対向する一対の長辺部と、前記一対の長辺部を連結するように設けられる一対の短辺部を備え、
前記切除工程において、前記長辺部の中央が前記閉塞部から離れる方向に向かうように前記長辺部が前記面内で歪まされる、請求項1又は請求項2に記載の方法。 - 前記成形体は、基部を備え、
前記筒部は、前記基部から立ち上がるように設けられる、請求項1〜請求項3の何れか1つに記載の方法。 - 前記基部は、前記筒部の周縁に設けられた周縁部と、前記周縁部に隣接して設けられた隣接壁を備え、前記隣接壁は、周縁部に対する角度が75度以下である、請求項4に記載の方法。
- 前記切除工程において、前記基部を押圧することによって前記筒部の側壁が面内で歪まされる、請求項4又は請求項5に記載の方法。
- 前記基部は、前記筒部の周縁に周縁部を備え、
前記周縁部は、前記筒部の立ち上がり方向に膨らむように湾曲されており、
前記切除工程において、前記周縁部を押圧することによって前記筒部の側壁が面内で歪まされる、請求項4〜請求項6の何れか1つに記載の方法。 - 前記切除工程は、切除治具に前記成形体を設置し、その状態で前記閉塞部を切除する工程を備え、
前記切除治具は、前記筒部を収容可能な治具開口部を備え、
前記成形体は、前記筒部が前記治具開口部に収容され且つ前記周縁部が前記切除治具に当接するように設置され、
前記閉塞部は、前記周縁部を前記切除治具に押し付けて変形させた状態で切除される、請求項7に記載の方法。 - 前記切除工程において、前記成形体が直線的に切断される、請求項1〜請求項8の何れか1つに記載の方法。
- 前記成形体は、ブロー成形によって形成される、請求項1〜請求項9の何れか1つに記載の方法。
- 前記溶融樹脂が発泡剤を含有し、
前記成形体は、発泡成形体である、請求項1〜請求項10の何れか1つに記載の方法。
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