JP2018051473A - 塗工物の製造方法及び硬化性組成物セット - Google Patents

塗工物の製造方法及び硬化性組成物セット Download PDF

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Abstract

【課題】浸透性基材に光沢感を付与することができ、かつ、浸透性基材に対しても透き通しの発生を抑制することができる、塗工物の製造方法を提供する。【解決手段】浸透性基材に第1組成物を塗布する工程、及び前記第1組成物が塗布された前記浸透性基材に第2組成物を塗布する工程を含み、前記第1組成物は、沸点150℃以下の溶媒、及び前記沸点150℃以下の溶媒に可溶性である固体樹脂Aを含み、前記第2組成物は、重合性化合物、及び、前記重合性化合物に可溶性である固体樹脂Bを含み、前記第2組成物の前記重合性化合物と前記第1組成物の前記沸点150℃以下の溶媒とは互いに相溶性を有し、 前記固体樹脂Aは、前記第2組成物の前記重合性化合物に不溶性であり、前記固体樹脂Bは、前記第1組成物の前記沸点150℃以下の溶媒に不溶性である、 塗工物の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明の実施形態は、塗工物の製造方法及び硬化性組成物セットに関する。
印刷物に光沢感を付与する手法として、ニスによる透明オーバーコートの形成が挙げられる。中でも紫外線(UV)硬化型ニスなどの活性エネルギー線硬化型ニスは、揮発成分を含まないため、塗工量の低減、速乾性の観点から有用な方法である。特に、光源として発光ダイオード(以下、LEDともいう)を使用すると消費電力の低減や、装置の立ち上げ速度の向上、排気設備の不要化が可能となる。
特許文献1は、油性インクによるオフセット印刷と、紙面を平滑にしかつ紙面に光沢を与える加工処理とをインライン方式で行う場合に、印刷及び加工処理を高速化することを課題とし、紫外線硬化型組成物を含みかつ油性インクに対し相溶性が抑えてあるオーバープリントニスからなるアンカー剤と、紫外線硬化型組成物を含むクリアーニスからなるトップコート剤の2液を用いる技術を提案している。
特許文献2は、インラインコーティングにおいて、塗工皮膜が薄膜であっても、油性インク印刷面上ではじかれずに、目的とする光沢印刷物が製造できる紫外線硬化型オーバープリントニス組成物として、(メタ)アクリロイル基を少なくとも1個有する光重合性化合物、ガラス転移温度0〜100℃、重量平均分子量5,000〜50,000のアクリル系樹脂、融点0〜100℃、重量平均分子量1,000〜3,000のエポキシアクリレート樹脂、光重合性開始剤、及びシリコン系界面活性剤を含有す組成物を開示している。
特許文献3は、ラベル等のカールの減少等を目的として、ラベル等の上層に塗工する透明な紫外線硬化型ハイグロスワニスにおいて、ハイグロスワニスに配合されたウレタンアクリレートを8〜10%とすることを提案している。
特開平8−132594号公報 特開2008−201893号公報 特開平9−53046号公報
ニスによるオーバーコートによって光沢感を得るためには、オーバーコートの表面が平滑であることが望まれる。
一方、普通紙のように、浸透性が高い基材、及び/または表面に凹凸がある基材に対しては、平滑な表面をもつニス層を形成しにくく、このため光沢感が得られにくい。また、浸透性が高い基材では、基材内部に浸透したニス成分に活性エネルギー線が到達しないことによるニスの硬化不良が起こり得ることから、残留モノマーによる印刷画像のにじみや、身体への安全性が懸念される。
これらに対応する手段として、ニスの塗工量を増やす手法、及び、ニスの粘度を上げてニスの基材への浸透を防止する手法がある。しかし、ニスの塗工量を増やすと、浸透性基材の間隙中にニスがしみ込んで光が散乱しないために基材の下にあるものが透けて見える状態(所謂「透き通し」)、またはニス層の黄変が生じる場合がある。また、ニスの粘度を上げると、塗工方式が限定される上、塗工量のコントロールが難しくなるために、過剰な量のニスを塗工してしまうことがある。構造粘性があるニスを使用する手段もあるが、材料が限定される上、ニスに含まれる分散成分によるニス被膜の白濁が起こる場合がある。
また、硬化速度を向上するための手法として、多官能重合性化合物を使用することが知られている。重合性化合物は官能基数が多い程硬化速度が良好になるため、多官能重合性化合物の使用は、硬化速度を向上する手法としては有用でありうるが、官能基数が増える程に硬化収縮が起きやすい傾向があり、カールなどの用紙変形を起こしてしまうことがある。また、硬化被膜の柔軟性にも乏しい傾向があり、曲げると、ひび割れが生じてしまうことがある。
本発明の一目的は、浸透性基材に光沢感を付与することができ、かつ、浸透性基材に対しても透き通しの発生を抑制することができる、塗工物の製造方法を提供することにある。
本発明の一側面は、下記の塗工物の製造方法に関する。
<1> 浸透性基材に第1組成物を塗布する工程、及び
前記第1組成物が塗布された前記浸透性基材に第2組成物を塗布する工程を含み、
前記第1組成物は、沸点150℃以下の溶媒、及び前記沸点150℃以下の溶媒に可溶性である固体樹脂Aを含み、
前記第2組成物は、重合性化合物、及び、前記重合性化合物に可溶性である固体樹脂Bを含み、
前記第2組成物の前記重合性化合物と前記第1組成物の前記沸点150℃以下の溶媒とは互いに相溶性を有し、
前記固体樹脂Aは、前記第2組成物の前記重合性化合物に不溶性であり、
前記固体樹脂Bは、前記第1組成物の前記沸点150℃以下の溶媒に不溶性である、
塗工物の製造方法。
<2> 前記第2組成物を塗布する工程の後に、前記浸透性基材に活性エネルギー線を照射する工程をさらに含む、
<1>に記載の塗工物の製造方法。
<3> 前記第2組成物が、さらに光重合開始剤を含む、<2>に記載の塗工物の製造方法。
<4> 前記光重合開始剤が、モノアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤を含む、<3>に記載の塗工物の製造方法。
<5> 前記重合性化合物が、(メタ)アクリルアミド化合物を含む、<1>〜<4>のいずれか1項に記載の塗工物の製造方法。
<6> 前記固体樹脂Bが、ロジンエステル樹脂を含む、<1>〜<5>のいずれか1項に記載の塗工物の製造方法。
<7> 前記沸点150℃以下の溶媒が、水を含む、<1>〜<6>のいずれか1項に記載の塗工物の製造方法。
<8> 前記固体樹脂Aが、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース又はその塩、及びデンプンからなる群から選択される少なくとも1種を含む、<1>〜<7>のいずれか1項に記載の塗工物の製造方法。
<9> 前記第1組成物を塗布する工程の前に、
前記浸透性基材に油性インクによって画像を形成する工程をさらに含む、
<1>〜<8>のいずれか1項に記載の塗工物の製造方法。
<10> 沸点150℃以下の溶媒、及び、前記溶媒に可溶性である固体樹脂Aを含む、第1組成物と、
重合性化合物、及び、前記重合性化合物に可溶性である固体樹脂Bを含む、第2組成物と、含み、
前記第2組成物の前記重合性化合物と前記第1組成物の前記沸点150℃以下の溶媒とは互いに相溶性を有し、
前記固体樹脂Aは、前記第2組成物の重合性化合物に不溶性であり、
前記固体樹脂Bは、前記第1組成物の前記沸点150℃以下の溶媒に不溶性である、
硬化性組成物セット。
本発明によれば、浸透性基材に光沢感を付与することができ、浸透性基材に対しても透き通しの発生を抑制することができる、塗工物の製造方法を提供することができる。
本実施形態の塗工物の製造方法は、浸透性基材に第1組成物を塗布する工程、及び、第1組成物が塗布された浸透性基材に第2組成物を塗布する工程を含み、第1組成物は、沸点150℃以下の溶媒、及び、前記沸点150℃以下の溶媒に可溶性である固体樹脂Aを含み、第2組成物は、重合性化合物、及び、前記重合性化合物に可溶性である固体樹脂Bを含み、第2組成物の重合性化合物と第1組成物の沸点150℃以下の溶媒とは互いに相溶性を有し、固体樹脂Aは、第2組成物の重合性化合物に不溶性であり、固体樹脂Bは、第1組成物の沸点150℃以下の溶媒に不溶性である、塗工物の製造方法である。
重合性化合物と溶媒とが互いに相溶性を有するとは、重合性化合物と溶媒とを質量比1:1で混合し、70℃で5時間加熱し、加熱完了後、1時間以上撹拌して23℃に冷却したとき、23℃に冷却された状態で、混合物が分離せずに1つの相を形成していることを意味する。
固体樹脂が溶媒または重合性化合物に可溶性であるとは、固体樹脂と溶媒または重合性化合物とを混合し、70℃で5時間加熱し、加熱完了後、1時間以上撹拌して23℃に冷却したとき、23℃に冷却された状態での、重合性化合物に対する固体樹脂の溶解度が30質量%以上であることをいう。ここで、溶解度30質量%以上とは、溶媒または重合性化合物に溶解している固体樹脂の量が、溶媒または重合性化合物100gあたり30g以上であることを意味する。
また、固体樹脂が溶媒または重合性化合物に不溶性であるとは、固体樹脂と溶媒または重合性化合物とを混合し、70℃で5時間加熱し、加熱完了後、1時間以上撹拌して23℃に冷却したとき、23℃に冷却された状態での、溶媒または重合性化合物に対する固体樹脂の溶解度が5質量%以下、つまり、溶媒または重合性化合物に溶解している固体樹脂の量が、溶媒または重合性化合物100gあたり5g以下であることを意味する。
実施形態の塗工物の製造方法は、浸透性基材に第1組成物を塗布する工程(以下、「第1組成物塗布工程」ともいう場合がある。)、及び、第1組成物が塗布された浸透性基材に第2組成物を塗布する工程(以下、「第2組成物塗布工程」ともいう場合がある。)を含む。実施形態の塗工物の製造方法によれば、基材上に塗布された第1組成物と第2組成物との界面において、第2組成物の重合性化合物と第1組成物の沸点150℃以下の溶媒とが混和し、これにより、第1組成物の沸点150℃以下の溶媒に不溶性である固体樹脂B、及び、第2組成物の重合性化合物に不溶性である固体樹脂Aとが急速に析出し、タックの強いゲルが生成する。このゲルが、ニスの役割を有する第2組成物の、浸透性基材内部への浸透を抑制するために、第2組成物が塗工容易な低粘度のものであっても、浸透性の高い基材に第2組成物の成分が浸透することを抑制することができ、基材上に平滑な表面を有する層を形成することが可能となり、基材に光沢感を付与することが出来ると考えられる。
また、上述のように、第2組成物が基材内部に浸透しにくいこと、及び、第1組成物の溶媒が沸点150℃以下の比較的揮発しやすい溶媒であり、第1組成物が基材に塗布された後に速やかに揮発して基材内部から出ていくことで、透き通しの発生が抑制される。
実施形態の塗工物の製造方法は、さらに、例えば、浸透性基材に活性エネルギー線を照射する工程(以下、「活性エネルギー線照射工程」ともいう。)、及び、浸透性基材に油性インクで画像を形成する工程(以下、「画像形成工程」ともいう。)、などの、その他の工程を含んでもよい。
以下に、各工程について説明する。
<第1組成物塗布工程>
第1組成物塗布工程においては、浸透性基材に第1組成物を塗布する。
実施形態において、第1組成物は、沸点150℃以下の溶媒、及び、前記沸点150℃以下の溶媒に可溶性である固体樹脂Aを含む。
第1組成物の沸点150℃以上の溶媒について説明する。
実施形態において、第1組成物の沸点150℃以下の溶媒と後述する第2組成物の重合性化合物とは互いに相溶性を有し、第1組成物の沸点150℃以下の溶媒に第1組成物の固体樹脂Aが可溶性であり、第1組成物の沸点150℃以下の溶媒に後述する第2組成物の固体樹脂Bが不溶性である。
第1組成物の溶媒の沸点は、透き通しの発生の抑制の観点から、150℃以下であることが好ましく、130℃以下であることが好ましく、110℃以下であることがより好ましい。また、第1組成物の溶媒の沸点は、50℃以上であることが好ましく、70℃以上であることがより好ましい。
沸点150℃以下の溶媒として、例えば、水、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチルが挙げられるが、なかでも、水、エタノール、イソプロパノールが好ましい。また、有機物ではなく黄変を起こしにくいこと、安全性、コスト、及び、基材が紙である場合、セルロースとの親和性が高く、第2組成物との接触による固体樹脂A及び固体樹脂Bの析出の発生前に溶媒が蒸発することを防ぐ、等の点から、水がより好ましい。
沸点150℃以下の溶媒は、単独で、または2以上を組合せて用いることができる。
沸点150℃以下の溶媒の含有量は、第1組成物全量に対して60〜99質量%が好ましく、70〜97質量%がより好ましく、80〜95質量がさらに好ましい。
第1組成物の固体樹脂Aについて説明する。
実施形態において、第1組成物の固体樹脂Aは、第1組成物の沸点150℃以下の溶媒に可溶性であり、第2組成物の重合性化合物に不溶性である。
第1組成物の固体樹脂Aが、第1組成物の沸点150℃以下の溶媒に可溶性であるとは、上述のとおり、固体樹脂Aと沸点150℃以下の溶媒とを混合し、70℃で5時間加熱し、加熱完了後、1時間以上撹拌して23℃に冷却したとき、23℃に冷却された状態での、沸点150℃以下の溶媒に対する固体樹脂Aの溶解度が30質量%以上であることを意味するが、このときの沸点150℃以下の溶媒に対する固体樹脂Aの溶解度は、30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましい。
また、第1組成物の固体樹脂Aが、第2組成物の重合性化合物に不溶性であるとは、上述の通り、固体樹脂Aと重合性化合物とを混合して70℃で5時間加熱し、5時間加熱完了後、1時間以上撹拌して23℃に冷却したとき、23℃に冷却された状態での、重合性化合物に対する固体樹脂Aの溶解度が5質量%以下であることを意味するが、このときの重合性化合物に対する固体樹脂Aの溶解度は、4質量%以下がより好ましく、3質量%以下がより好ましい。
固体樹脂Aは、室温(23℃)で固体状の樹脂であることが好ましい。固体樹脂Aのガラス転移温度(Tg)は、基材を折り曲げた際の割れ抑制の観点から、150℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましい。
また、固体樹脂Aのガラス転移温度は、0℃以上が好ましく、20℃以上がより好ましい。
固体樹脂Aの質量平均分子量は、例えば、1000〜500000が好ましく、5000〜100000がより好ましい。
質量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)を用いてポリスチレン換算で得られた値である。
固体樹脂Aとしては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、デンプン、カルボキシメチルセルロースまたはその塩等が挙げられる。
カルボキシメチルセルロースの塩としては、例えば、金属イオン、又はアンモニウムイオン等の塩が挙げられる。金属イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオンが挙げられる。カルボキシメチルセルロースの塩としては、金属イオンの塩が好ましく、アルカリ金属イオンの塩がより好ましく、ナトリウムイオンがさらに好ましい。
ポリビニルアルコールの質量平均分子量は、例えば、10000〜100000が好ましい。
第1組成物の溶媒が水であるときは、固体樹脂Aとして、例えば、ポリビニルアルコール、デンプン、カルボキシメチルセルロースまたはその塩、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンオキサイドが好ましく用いられる。これらの樹脂は、比較的安価で、入手しやすい点でも有用である。
第1組成物には、固体樹脂Aとして、1つを単独で、または2以上を組み合わせて用いることができる。
固体樹脂Aの含有量は、光沢感付与及び透き通し抑制の観点から、第1組成物全量に対して1質量%以上が好ましい。また、塗工の容易さの観点から、固体樹脂Aの含有量は、第1組成物全量に対して、40質量%以下が好ましい。固体樹脂Aの含有量は、第1組成物全量に対して、1〜40質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましく、5〜20質量%がより一層好ましい。
第1組成物は、必要に応じて、適宜その他の成分を含んでもよい。その他の成分として、例えば、レベリング剤、酸化防止剤、抗菌剤、防カビ剤、重合禁止剤、pH調整剤、体質顔料、などが挙げられる。
第1組成物の製造方法はとくに限定されない。例えば、溶媒と固体樹脂Aとその他の成分とを混合し、40〜80℃程度で加熱し、さらに撹拌することを含む方法により得ることができる。
第1組成物の粘度は特に限定されないが、23℃において2〜1000mPa・sであることが好ましく、10〜500mPa・sであることがより好ましい。ここで粘度は、23℃における値を表す。
第1組成物塗布工程において、浸透性基材に第1組成物を塗布する手法としては、特に制限はなく、公知の塗工法を適用することができる。例えば、スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、シリンジ、ディスペンサー、ノズル、アプリケーター、コーター、ハンドポンプなど、ロール塗工が挙げられる。第1組成物は、例えば、ヘラを用いて塗布してもよい。
第1組成物は、例えば、浸透性基材の片面に塗布してもよく、浸透性基材の両面に塗布してもよい。また、例えば、浸透性基材の片面または両面の全体に塗布してもよく、浸透性基材の片面または両面の一部のみに塗布してもよい。塗工物の製造方法が、第1組成物塗布工程の前に、浸透性基材に画像を形成する画像形成工程をさらに含む場合には、第1組成物は、少なくとも画像が形成された面に塗布することが好ましい。
第1組成物の塗布量及び塗布層の厚さは、とくに限定されないが、第1組成物の塗布層の厚さは、例えば、1μm〜30μmが好ましく、2μm〜20μmがより好ましく、3μm〜15μmがより一層好ましい。
浸透性基材としては、後述する非水系溶剤を被印刷面に浸透させるものであれば、特に限定されるものではなく、普通紙、コート紙及び特殊紙等の印刷用紙、綿、ナイロン、アクリル、ポリエステルなどの繊維でできた織布、不織布等の布、並びに、無機質シート、フィルム及びOHPシート等の被印刷面にインク受理層を備えた基材などを用いることができる。これらの中でも、普通紙及びコート紙等の印刷用紙を好ましく用いることができる。
普通紙は、その面上にインク受容層やフィルム層等が形成されていない印刷用紙である。普通紙の一例としては、上質紙、中質紙、PPC用紙、更紙及び再生紙等を挙げることができる。また、コート紙としては、いわゆる塗工印刷用紙やインクジェット用コート紙を好ましく用いることができる。塗工印刷用紙とは、従来、凸版印刷、オフセット印刷及びグラビア印刷等で使用されている印刷用紙であって、クレーや炭酸カルシウム等の無機顔料と澱粉等のバインダーを含む塗料を用いて、上質紙や中質紙の表面に塗工層を設けた印刷用紙である。塗工印刷用紙は、塗料の塗工量や塗工方法により、微塗工紙、上質軽量コート紙、中質軽量コート紙、上質コート紙、中質コート紙、アート紙及びキャストコート紙等に分類される。インクジェット用コート紙としては、マット紙及びフォト光沢紙等を挙げることができる。
具体的な市販品の一例としては、理想用紙薄口(普通紙、理想科学工業株式会社製)、ニューNPI上質(普通紙、日本製紙株式会社製)、NPiフォームNEXT−IJ<90> (日本製紙株式会社製)、理想用紙IJマット(マット紙、理想科学工業株式会社製)、ピレーヌDX(微塗工紙、日本製紙株式会社製)、マルチペーパースーパーエコノミー(普通紙、アスクル社製)、薄口フルカラーPPC用紙タイプ6000(普通紙、リコー社製)、アート紙(レザック66)などを好ましく用いることができる。
<第2組成物塗布工程>
第2組成物塗布工程においては、第1組成物が塗布された浸透性基材に、第2組成物を塗工する。
実施形態において、第2組成物は、重合性化合物及び前記重合性化合物に可溶性である固体樹脂Bを含む。
第2組成物の重合性化合物について説明する。
実施形態において、第2組成物の重合性化合物と第1組成物の沸点150℃以下の溶媒とは互いに相溶性を有し、第2組成物の重合性化合物に、第2組成物の固体樹脂Bは可溶性であり、第2組成物の重合性化合物に、第1組成物の固体樹脂Aは不溶性である。
第2組成物の重合性化合物は、重合性官能基を有する化合物であり、例えば、重合性不飽和結合を有する化合物が挙げられる。このような化合物の例としては、例えば、(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリルアミド化合物、ビニル化合物、ビニルエーテル化合物等が挙げられる。
重合性化合物は、重合性官能基を1つ有する単官能重合性化合物、及び、重合性官能基を2以上有する多官能重合性化合物に、大きく分類される。第2組成物の重合性化合物としては、単官能重合性化合物、多官能重合性化合物のいずれを用いてもよい。
(メタ)アクリレート化合物は、分子内に1個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物であるが、例えば、分子内に1個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単官能(メタ)アクリレート化合物、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
単官能の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、4-ヒドロキシブチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ジシクロペンテニルエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ラウリルアクリレートが挙げられる。多官能の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、PEG600#ジアクリレート(2官能)、1.9−ノナンジオールジアクリレート(2官能)、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリメチールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド化合物は、分子内に1個以上の(メタ)アクリルアミド基を有する化合物であるが、例えば、分子内に1個の(メタ)アクリルアミド基を有する単官能(メタ)アクリアミド化合物、分子内に2個以上の(メタ)アクリルアミド基を有する多官能(メタ)アクリルアミド化合物が挙げられる。
単官能(メタ)アクリルアミド化合物としては、例えば、アクリロイルモルフォリン、ヒドロキシエチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ジメチルアクリルアミドが挙げられる。多官能(メタ)アクリルアミド化合物としては、例えば、N,N'−メチレンビス(アクリルアミド)、N,N'−エチレンビス(アクリルアミド)、N,N'−[エチレンビス(オキシメチレン)]ビス(アクリルアミド)、N,N'−(オキシビスメチレン)ビスアクリルアミド 、N,N'−ビス(アクリロイル)シスタミン、N,N'−(1,2-ジヒドロキシエチレン)ビスアクリルアミドが挙げられる。
第2組成物において、重合性化合物としては、1つの化合物を単独で、または2以上を組み合わせて用いることができる。
第2組成物の重合性化合物としては、ラジカル重合性が高い(メタ)アクリレート化合物または(メタ)アクリルアミド化合物が好ましく用いられる。
ところで、多官能重合性化合物は硬化速度が早い傾向があるが、含有量によっては硬化収縮に伴う基材のカールが発生しやすい場合がある。一方、単官能重合性化合物はカールが比較的起きにくいが、化合物の種類によっては硬化速度が遅い場合がある。光沢感の付与及び透き通しの抑制の観点から、第2組成物が硬化する前に基材に浸透することを抑制することが好ましく、この点で、第2組成物の硬化速度は速いことが好ましい。
硬化速度向上の観点から、重合性化合物として(メタ)アクリルアミド化合物を用いることが好ましく、この場合、さらに、カールの低減の観点から、単官能(メタ)アクリルアミド化合物を用いることがより好ましい。
多官能重合性化合物を用いるときは、多官能重合性化合物の含有量は、カール抑制の観点から、第2組成物の重合性化合物の全量に対して、50質量以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下がより一層好ましい。
重合性化合物の含有量は特に限定されないが、被膜の耐久性や樹脂の溶解度の観点から、第2組成物全量に対して、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましい。重合性化合物の含有量は、第2組成物全量に対して、99質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、85質量%以下がさらに好ましい。
第2組成物の固体樹脂Bについて説明する。
実施形態において、第2組成物の固体樹脂Bは、第2組成物の重合性化合物に可溶性であり、第1組成物の沸点150℃以下の溶媒に不溶性である。
第2組成物の固体樹脂Bが、第2組成物の重合性化合物に可溶性であるとは、上述のとおり、固体樹脂Bと重合性化合物とを混合し、70℃で5時間加熱し、加熱完了後、1時間以上撹拌して23℃に冷却したとき、23℃に冷却された状態での、重合性化合物に対する固体樹脂Bの溶解度が30質量%以上であることを意味するが、このときの重合性化合物に対する固体樹脂Bの溶解度は、30質量%以上が好ましく、40質量以上がより好ましい。
第2組成物の固体樹脂Bが第1組成物の沸点150℃以下の溶媒に不溶性であるとは、上述のとおり、第2組成物の固体樹脂Bと第1組成物の沸点150℃以下の溶媒とを混合して70℃で5時間加熱し、加熱完了後、1時間以上撹拌して23℃に冷却したとき、23℃に冷却された状態での、沸点150℃以下の溶媒に対する固体樹脂Bの溶解度が5質量%以下であることを意味するが、このときの重合性化合物に対する固体樹脂Bの溶解度は4質量%以下がより好ましく、3質量%以下がより一層好ましい。
固体樹脂Bは、室温(23℃)で固体状の樹脂であることが好ましい。固体樹脂Bのガラス転移温度(Tg)は、モノマー組成にもよるが固体樹脂Bの質量平均分子量は、例えば、1000〜500000が好ましく、5000〜100000がより好ましい。
第2組成物の固体樹脂Bとしては、例えば、ロジンエステル樹脂、エステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、アリル樹脂、スチレン樹脂、メラミン樹脂が挙げられる。これらは、単独で、または2以上を組み合わせて用いることができる。
ロジンエステル樹脂とは、アビエチン酸、ピマール酸、パラストリン酸、ネオアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸などのロジン酸をエステル化したものである。
ロジン酸のエステル化はポリオールとの反応で合成することが一般的である。ポリオールとしては、ペンタエリトリトール等のテトラオール、グリセリン等のトリオール、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール等のジオール、ソルビトール、キシリトール、トレハロース等の糖アルコール、PVA、でんぷん等の高分子が挙げられる。また、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂との反応でもロジンエステルを得ることができる。
第2組成物の固体樹脂Bは、第2組成物の重合性化合物への溶解性が高く、かつ、第1組成物の沸点150℃以下の溶媒への溶解性が低いものが好ましい。この観点から、第2組成物の固体樹脂Bとしては、ロジンエステル樹脂が好ましい。ロジンエステル樹脂は、モノマーと相溶性が高い傾向にあり、また、第1組成物の沸点150℃以下の溶媒が水の場合には、水への溶解性も低い傾向にある。また、ロジンエステル樹脂は、透明性が高いため黄変の原因になりにくい。
第2組成物には、固体樹脂Bとして、1つを単独で、または2以上を組み合わせて用いることができる。
固体樹脂Bの含有量は、特に限定されないが、塗布の容易さの観点から、第2組成物全量に対して30質量%以下が好ましく、25質量%以下がさらに好ましい。また、光沢感付与及び透き通し抑制の観点から、第2組成物全量に対して10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましい。
第2組成物は、重合開始剤を含むことが好ましい。
重合開始剤としては光ラジカル重合性の開始剤(以下、「光重合開始剤」という。)が好ましい。光重合開始剤は、第1組成物中の溶媒による硬化阻害を起こしにくいため、より迅速な硬化、及びより高い光沢感が得られる。
光重合開始剤としては、例えば、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、チオキサントン系化合物、アセトフェノン系化合物及びベンゾフェノン系化合物等が挙げられる。
アシルフォスフィンオキサイド系化合物としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、エチル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィネート及びビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
チオキサントン系化合物としては、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロピルチオキサントン、3−[3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサントン−2−イル−オキシ]−2−ヒドロキシプロピル−N,N,N―トリメチルアンモニウムクロライド及びフルオロチオキサントン等が挙げられる。
アセトフェノン系化合物としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノン}及び2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル〕フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]1−ブタノン等が挙げられる。
ベンゾフェノン系化合物としては、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、メチル−o−ベンゾイルベンゾエート、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルファイド及び1−[4−(4−ベンゾイルフェニル)チオ]フェニル]−2−メチル−2−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1−プロパノン等が挙げられる。
これら化合物の中でも、硬化物の黄変を抑制する観点から、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドなどのモノアシルフォスフィンオキサイド系化合物が、好ましい。
光重合開始剤の含有量は第2組成物全量に対し、0.1〜10質量%が好ましく、1〜8質量%がより好ましく、2〜5質量%がより一層好ましい。光重合開始剤の第2組成物全量に対する含有量は、酵素阻害の影響及び反応残留モノマーの発生を低減する観点から、0.1質量%以上が好ましく、黄変の発生の低減、及びマシン内での安定性確保の観点から、10質量%以下が好ましい。
第2組成物において、光重合開始剤は、1つを単独で、または、2以上を組み合わせて用いることができる。
光重合開始剤によって、吸収波長領域が異なるため、表面または内部での硬化状態が異なる。例えば、短波長光で重合を開始する光重合開始剤は、表面硬化が良好となる傾向を有し、長波長光で重合を開始する開始剤は内部硬化性が良好となる傾向を有する。これらを組み合わせることで、表面及び内部の両方の硬化性を良好とすることができる。また、ランプに対する汎用性も高くなるほか、エネルギー移動等の増感剤としての効果も期待できる。
第2組成物には、さらに、必要に応じて、レベリング剤、酸化防止剤、抗菌剤、防カビ剤、重合禁止剤、pH調整剤、体質顔料などを配合することができる。
また、第2組成物は、必要に応じて水、有機溶剤などの溶媒を含んでもよいが、被膜の耐久性や樹脂の溶解度の観点から、溶媒の含有量はインク全量に対して20質量%以下であることがよい。
第2組成物の製造方法はとくに限定されない。例えば、モノマーと、固体樹脂Bと、その他の成分とを混合し、40〜80℃程度で加熱し、さらに撹拌することを含む方法により得ることができる。
第2組成物の粘度は特に限定されないが、23℃において5〜1000mPa・sであることが好ましく、10〜500mPa・sであることがより好ましい。ここで粘度は、23℃における値を表す。
第2組成物塗布工程において、浸透性基材に第2組成物を塗布する手法としては、特に制限はなく、公知の塗布法を適用することができる。例えば、スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、シリンジ、ディスペンサー、ノズル、アプリケーター、コーター、ハンドポンプなど、ロール塗工が挙げられる。
第2組成物塗布工程では、第1組成物が塗布された浸透性基材に、第2組成物が塗布される。
浸透性基材の、第1組成物及び第2組成物が塗布された面において、第1組成物の塗布領域と第2組成物の塗布領域とは、その少なくとも一部が重複することが好ましく、第2組成物塗布領域の全体が、第1組成物塗布領域に含まれることがより好ましい。
第2組成物は、例えば、浸透性基材の片面に塗布してもよく、浸透性基材の両面に塗布してもよい。また、例えば、浸透性基材の片面または両面の全体に塗布してもよく、浸透性基材の片面または両面の一部のみに塗布してもよい。塗工物の製造方法が、第1組成物塗布工程の前に、浸透性基材に画像を形成する画像形成工程をさらに含む場合には、第2組成物は、少なくとも画像が形成された面に塗布することが好ましい。
第2組成物の塗布量及び塗布層の厚さは、とくに限定されないが、第2組成物の塗布層の厚さは、例えば、1μm〜30μmが好ましく、3μm〜20μmがより好ましく、5μm〜15μmがより一層好ましい。
<活性エネルギー線照射工程>
実施形態の塗工物の製造方法は、浸透性基材に活性エネルギー線を照射する工程(活性エネルギー線照射工程)を、さらに含んでもよい。活性エネルギー線照射工程は、第2組成物塗布工程の後に行われることが好ましい。活性エネルギー線照射によって、浸透性基材上の第2組成物の塗布による塗布層を硬化することができる。
活性エネルギー線としては、紫外線、X線、電子線、可視光等が挙げられるが、中でも、紫外線が好ましい。
紫外線を照射する光源としては、350〜420nmの紫外線を出射するUV−LED、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を挙げることができる。
第2組成物塗布工程が終了してから、活性エネルギー線照射工程を開始するまでの時間、すなわち浸透性基材の塗工面に第2組成物が塗布されてから、活性エネルギー線を照射するまでの時間としては、5秒以下が好ましく、1秒以下がより好ましく、0.5秒以下がより一層好ましい。
第2組成物塗布工程が終了してから速やかに活性エネルギー線照射工程を行う観点からは、第2組成物塗布工程及び活性エネルギー線照射工程は同じ装置内又は同じ搬送系内で実行することが好ましい。
<画像形成工程>
実施形態の塗工物の製造方法は、さらに、基材に油性インクで画像を形成する工程(画像形成工程)を含んでもよい。
画像形成工程は、第1組成物塗布工程及び第2組成物塗布工程の前に行うことができる。
なお、第1組成物及び第2組成物は、画像形成工程の後、画像が形成された領域の一部に塗布してもよく、画像形成領域の全体に塗布してもよい。
油性インクは、連続印刷性に優れるものの、基材内部に浸透することで定着するため、浸透性基材に用いた場合には、光沢感が得られ難い。また、油性インクは、材料等によっては乾燥性が劣るため、オーバーコートを組み合わせると透き通しが発生する場合がある。実施形態の第1組成物及び第2組成物を用いた方法を組み合わせることで、油性インクで画像が形成された基材に、透き通しを抑制しつつ、光沢感を付与することができる。
油性インクは色材を含むこと好ましい。
色材としては、顔料若しくは染料又はこれらの混合物が挙げられる。顔料としてはアゾ顔料、フタロシアニン顔料、多環式顔料及び染付レーキ顔料等の有機顔料並びに無機顔料を用いることができる。アゾ顔料としては、溶性アゾレーキ顔料、不溶アゾ顔料及び縮合アゾ顔料等が挙げられる。フタロシアニン顔料としては、金属フタロシアニン顔料及び無金属フタロシアニン顔料等が挙げられる。多環式顔料としては、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、チオインジゴ系顔料、アンスラキノン系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料及びジケトピロロピロール(DPP)等が挙げられる。無機顔料としては、代表的にはカーボンブラック及び酸化チタン等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。また、染料としては、アゾ系、アントラキノン系、アジン系等の油溶性染料を使用できる。顔料、染料のいずれかを色材としても良いが、顔料を用いた場合は耐光性に優れたインクにすることができる。色材の含有量は、インク全量に対して0.1〜50質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。
油性インクは、非水系溶剤を含むことが好ましい。
非水系溶剤としては、非極性有機溶剤及び極性有機溶剤の何れも使用できる。これらは、単独で使用してもよく、組み合わせて使用することもできる。なお、本発明において、非水系溶剤とは、1気圧20℃において同容量の水と均一に混合しない有機溶剤をいう。
非極性有機溶剤としては、脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素溶剤、芳香族炭化水素溶剤等の石油系炭化水素溶剤を好ましく挙げることができる。脂肪族炭化水素溶剤及び脂環式炭化水素溶剤としては、パラフィン系、イソパラフィン系、ナフテン系等の非水系溶剤を挙げることができ、市販品としては、0号ソルベントL、0号ソルベントM、0号ソルベントH、カクタスノルマルパラフィンN−10、カクタスノルマルパラフィンN−11、カクタスノルマルパラフィンN−12、カクタスノルマルパラフィンN−13、カクタスノルマルパラフィンN−14、カクタスノルマルパラフィンN−15H、カクタスノルマルパラフィンYHNP、カクタスノルマルパラフィンSHNP、アイソゾール300、アイソゾール400、テクリーンN−16、テクリーンN−20、テクリーンN−22、AFソルベント4号、AFソルベント5号、AFソルベント6号、AFソルベント7号、ナフテゾール160、ナフテゾール200、ナフテゾール220(いずれもJX日鉱日石エネルギー株式会社製);アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM、エクソールD40、エクソールD60、エクソールD80、エクソールD95、エクソールD110、エクソールD130(いずれも東燃ゼネラル石油株式会社製)等を好ましく挙げることができる。芳香族炭化水素溶剤としては、グレードアルケンL、グレードアルケン200P(いずれもJX日鉱日石エネルギー株式会社製)、ソルベッソ100、ソルベッソ150、ソルベッソ200、ソルベッソ200ND(いずれも東燃ゼネラル石油株式会社製)等を好ましく挙げることができる。石油系炭化水素溶剤の蒸留初留点は、100℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることがいっそう好ましい。蒸留初留点はJIS K0066「化学製品の蒸留試験方法」に従って測定することができる。
極性有機溶剤としては、脂肪酸エステル系溶剤、高級アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤等を好ましく挙げることができる。例えば、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸ヘキシル、パルミチン酸イソオクチル、パルミチン酸イソステアリル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、オレイン酸ヘキシル、リノール酸メチル、リノール酸エチル、リノール酸イソブチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸イソオクチル、イソステアリン酸イソプロピル、ピバリン酸2−オクチルデシル、大豆油メチル、大豆油イソブチル、トール油メチル、トール油イソブチル等の1分子中の炭素数が13以上、好ましくは16〜30の脂肪酸エステル系溶剤;イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、イソエイコシルアルコール、デシルテトラデカノール等の1分子中の炭素数が6以上、好ましくは12〜20の高級アルコール系溶剤;ラウリン酸、イソミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、α−リノレン酸、リノール酸、オレイン酸、イソステアリン酸等の1分子中の炭素数が12以上、好ましくは14〜20の高級脂肪酸系溶剤等が挙げられる。
これらの非水系溶剤は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用することもできる。また、使用する非水系溶剤と単一相を形成できる範囲で他の有機溶剤を含ませてもよい。
さらに、油性インクには、上記以外の成分として、顔料分散剤、酸化防止剤、抗菌剤、防カビ剤、重合禁止剤、pH調整剤、表面張力調整剤、粘着成分等の添加剤成分を適宜含有させることができる。
画像形成工程において、浸透性基材に対して油性インクを用いて画像を形成する手法としては特に制限はなく、公知の印刷方法を適用することができる。例えば、インクジェット印刷、凸版印刷、凹版印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、転写印刷、オフセット印刷などの方法を用いることができる。
実施形態の塗工物の製造方法によって製造される塗工物は、浸透性基材上に、第1組成物及び第2組成物を用いて形成された層を有する。実施形態の塗工物の製造方法によれば、浸透性基材を用いながら、光沢感を有し、かつ、透き通しの発生が抑制された塗工物を製造することができる。
実施形態の硬化性組成物セットは、沸点150℃以下の溶媒、及び前記沸点150℃以下の溶媒に可溶性である固体樹脂Aを含む第1組成物と、重合性化合物、及び前記重合性化合物に可溶性である固体樹脂Bを含む第2組成物と、含み、第2組成物の重合性化合物と第1組成物の沸点150℃以下の溶媒とは互いに相溶性を有し、固体樹脂Aは、第2組成物の重合性化合物に不溶性であり、固体樹脂Bは、第1組成物の沸点150℃以下の溶媒に不溶性である、硬化性組成物セットである。
第1組成物及び第2組成物については、実施形態の塗工物の製造方法における第1組成物及び第2組成物の説明が適用される。実施形態の硬化性組成物セットは、第1組成物及び第2組成物に加えて、必要に応じて、他の組成物などを含んでもよい。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
表1に記載の成分を表1に記載の含有比となるように混合したものを70℃に加熱し、ミックスローターで2時間撹拌して、表1に示す組成の組成物X(組成物X1〜X9)を調整した。
また、表2〜3に記載の成分を表2〜3に記載の含有比となるように混合したものを70℃に加熱し、ミックスローターで2時間撹拌して、表2〜3に示す組成の組成物Y(組成物Y1〜Y13)を調整した。
なお、表1〜3の各成分の数値は質量%である。また、表1〜3において、X1〜X9は組成物X1〜X9を表し、Y1〜Y13は組成物Y1〜Y13を表す。
Figure 2018051473
Figure 2018051473
Figure 2018051473
表1〜3に記載の各成分の詳細を以下に示す。
(1)溶媒
イオン交換水:沸点100℃/760mmHg(1気圧)
ミリスチン酸ブチル:東京化成工業株式会社製、沸点195℃/18mmHg
(2)モノマー
ACMO:KJケミカルズ株式会社製「ACMO」、アクリロイルモルフォリン、単官能
HEAA:KJケミカルズ株式会社製「HEAA」、ヒドロキシエチルアクリルアミド、単官能
DEAA:KJケミカルズ株式会社製「DEAA」、ジエチルアクリルアミド、単官能
4−HBA:大阪有機化学工業株式会社製「4−HBA」、4-ヒドロキシブチルアクリレート、単官能
14EG−A:共栄社化学株式会社製「ライトアクリレート14EG−A」、PEG600#ジアクリレート、二官能
1.9ND−A:共栄社化学株式会社製「ライトアクリレート1.9ND−A」、1.9−ノナンジオールジアクリレート、二官能
(3)樹脂
PVA217:株式会社クラレ「クラレポバールPVA217」、ポリビニルアルコール(けん化度:87.0〜89.0、重合度1700)固体樹脂(23℃で固体)
PVA205:株式会社クラレ「クラレポバールPVA205」、ポリビニルアルコール(けん化度:86.5〜89.0、重合度500)固体樹脂(23℃で固体)
PVA505:株式会社クラレ「クラレポバールPVA505」、ポリビニルアルコール(けん化度:72.5〜74.5、重合度500)固体樹脂(23℃で固体)
CMC:和光純薬工業株式会社製「カルボキシメチルセルロースナトリウム」
デンプン:株式会社J-オイルミルズ製「ワキシーコーンスターチY」、固体樹脂(23℃で固体)
PEG750:阪本薬品工業株式会社製「ポリグリセリン#750」、液体樹脂(23℃で液体)
QUINTONE D200:日本ゼオン株式会社製「QUINTONE D200」、脂肪族炭化水素樹脂、固体樹脂(23℃で固体)
KE−395:荒川化学工業株式会社製「KE−395」、ロジンエステル樹脂、固体樹脂(23℃で固体)
KE−311:荒川化学工業株式会社製「KE−311」、ロジンエステル樹脂、固体樹脂(23℃で固体)
PVP K−30:和光純薬工業株式会社製「ポリビニルピロリドン K−3
」、固体樹脂(23℃で固体)
(4)重合開始剤
IRGACURE TPO:BASF社製「IRGACURE TPO」、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド
IRGACURE 819:BASF社製「IRGACURE 819」、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド
IRGACURE 379:BASF社製「IRGACURE 379」、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]1−ブタノン
[評価]
組成物X(組成物X1〜X9)及び組成物Y(組成物Y1〜Y13)を、表4〜6に示すように組合せ、実施例1〜15及び比較例1〜9の組成物の組合せとした。
各実施例及び比較例について、以下に示す(1)〜(5)の評価を行い、結果を表4〜6に示す。
(1)溶解性
(1−a)組成物Yの重合性化合物と組成物Yの樹脂B
各実施例及び比較例について、組成物Yの重合性化合物と組成物Yの樹脂Bとを所定の割合で混合し、70℃で5時間加熱しとたき、5時間加熱完了後、1時間以上撹拌し、23℃に冷却した際に、23℃に冷却された状態で、重合性化合物が樹脂Bに溶解しているかどうかを目視で判断し、重合性化合物に対する樹脂Bの溶解度を求め、下記の基準で評価した。下記のAは、樹脂Bが重合性化合物に可溶性であることを意味する。結果を表4〜6の「樹脂B/重合性化合物」に示す。
A:重合性化合物に対する樹脂Bの溶解度が30質量%以上
B:重合性化合物に対する樹脂Bの溶解度が30質量%未満
(1−b)組成物Xの溶媒と組成物Xの樹脂A
各実施例及び比較例について、組成物Xの溶媒と組成物Xの樹脂Aとを所定の割合で混合し、70℃で5時間加熱し、5時間加熱完了後、1時間以上撹拌し、23℃に冷却した際に、23℃に冷却された状態で、樹脂Aが溶媒に溶解しているかどうかを目視で判断し、溶媒に対する樹脂Aの溶解度を求め、下記の基準で評価した。下記のAは、樹脂Aが溶媒に可溶性であることを意味する。結果を表4〜6の「樹脂A/溶媒」に示す。
A:溶媒に対する樹脂Bの溶解度が30質量%以上
B:溶媒に対する樹脂Bの溶解度が30質量%未満
(1−c)組成物Yの重合性化合物と組成物Xの溶媒
各実施例及び比較例について、組成物Yの重合性化合物と組成物Xの溶媒とを1:1の割合で混合し、70℃で5時間加熱し、加熱完了後、1時間以上撹拌して23℃に冷却したとき、23℃に冷却された状態で、混合物が分離せず1つの相となっているかを目視で判断した。下記のAは、重合性化合物と溶媒とが互いに相溶性を有することを意味する。結果を表4〜6の「重合性化合物/溶媒」に示す。
A:混合物が分離せずに1つの相となっている
B:混合物が分離し、1つの相ではない
(1−d)組成物Yの重合性化合物と組成物Xの樹脂A
各実施例及び比較例について、組成物Yの重合性化合物と組成物Xの樹脂Aとを所定の割合で混合し、70℃で5時間加熱し、加熱完了後、1時間以上撹拌して23℃に冷却したとき、23℃に冷却された状態で、樹脂Aが重合性化合物に溶解しているかどうかを目視で判断し、重合性化合物に対する樹脂Aの溶解度を求め、下記の基準で評価した。下記のAは、樹脂Aが重合性化合物に不溶性であることを意味する。結果を表4〜6の「樹脂A/重合性化合物」に示す。
A:重合性化合物に対する樹脂Bの溶解度が5質量%以下
B:重合性化合物に対する樹脂Bの溶解度が5質量%より大きい
(1−e)組成物Xの溶媒と組成物Yの樹脂B
各実施例及び比較例について、組成物Xの溶媒と組成物Yの樹脂Bとを所定の割合で混合し、70℃で5時間加熱し、加熱完了後、1時間以上撹拌して23℃に冷却したとき、23℃に冷却された状態で、樹脂Bが溶媒に溶解しているかどうかを目視で判断し、溶媒に対する樹脂Bの溶解度を求め、下記の基準で評価した。下記のAは、樹脂Bが溶媒に不溶性であることを意味する。結果を表4〜6の「樹脂B/溶媒」に示す。
A:溶媒に対する樹脂Bの溶解度が5質量%以下
B:溶媒に対する樹脂Bが溶解度が5質量%より大きい
(2)光沢感
塗工物の作製
各実施例及び比較例について、普通紙(NPiフォームNEXT−IJ<90> 日本製紙株式会社製)に対し、10cm×10cmの領域に前組成物Xをヘラを用いて塗工した後、その上に、組成物Yを、アプリケーターを用いて、ギャップ12.5μmにて塗工した。次いで、この組成物X及び組成物Yが塗工された普通紙を搬送台に載せ、距離50mmから、LEDランプ(ウシオ電機株式会社製、ピーク波長385nm)で照射し、塗工物を作製した。
光沢感の評価
光沢度計(ミノルタ社製)を使用し、作製した塗工物の塗工膜表面の光沢度(測定角60℃)を測定し、以下の評価基準に従い、評価した。結果を表4〜6の「光沢感」に示す。
A:光沢度100以上
B:光沢度70以上100未満
C:光沢度70未満
(3)透き通し
各実施例及び比較例について、黒板(OD=1.8)に、上記で作製した塗工物を重ね、光学濃度(OD値)を測定し、以下の評価基準に従い、評価した。OD値の測定には、X−Rite製X−Rite eXactを使用した。結果を表4〜6の「透き通し」に示す。
A:OD値0.15未満
C:OD値0.15以上
(4)カール
各実施例及び比較例について、上記で作製した塗工物を23℃50%にて48時間放置後、塗工物を水平台に置き、用紙が最も浮いている部分と台の距離を測定し、以下の評価基準に従い、評価した。結果を表4〜6の「カール」に示す。
A:10mm未満
B:10mm以上20mm未満
C:20mm以上
(5)黄変
各実施例及び比較例について、上記で作製した塗工物を23℃50%にて48時間放置後、OD値を測定し、以下の評価基準に従い、評価した。OD値の測定には、X−Rite製X−Rite eXactを使用した。結果を表4〜6の「黄変」に示す。
A:OD値0.15未満
B:OD値0.15以上0.4未満
C:OD値0.4以上
Figure 2018051473
Figure 2018051473
Figure 2018051473
第1組成物に相当する組成物X、及び第2組成物に相当する組成物Yを用いた実施例1〜15では、光沢感、及び、透き通しのいずれの評価項目でも良好な結果が得られた。
一方、組成物Xまたは組成物Yのいずれかが固体樹脂を含まないか、または固体樹脂ではなく液体樹脂を含む、比較例1、4及び6では、光沢感、及び、透き通しのいずれの評価項目も、実施例1〜15に比べて結果が劣っていた。
溶解性の項目のいずれか1つ以上を満たさない比較例2、3、5〜7及び9は、光沢感において、実施例1〜15に比べて結果が劣り、このうち、比較例3〜6及び9では、さらに透き通しにおいても、実施例1〜15に比べて結果が劣っていた。
組成物Xの溶媒として、沸点150度を超える揮発性の低い溶媒を用いた比較例7及び8では、透き通しにおいて、実施例1〜15に比べて結果が劣っていた。
さらに、各実施例について、油性インク(理想科学工業株式会社製「RISO EXインクF ブラック」)によって普通紙(NPiフォームNEXT−IJ<90> 日本製紙株式会社製)に画像を形成した基材を用いた以外は、上記の塗工物の作製と同様にして、塗工物を作製した。作製した塗工物は、光沢感があり、透き通しが抑制されたものであり、良好な画像が視認された。

Claims (10)

  1. 浸透性基材に第1組成物を塗布する工程、及び
    前記第1組成物が塗布された前記浸透性基材に第2組成物を塗布する工程を含み、
    前記第1組成物は、沸点150℃以下の溶媒、及び前記沸点150℃以下の溶媒に可溶性である固体樹脂Aを含み、
    前記第2組成物は、重合性化合物、及び、前記重合性化合物に可溶性である固体樹脂Bを含み、
    前記第2組成物の前記重合性化合物と前記第1組成物の前記沸点150℃以下の溶媒とは互いに相溶性を有し、
    前記固体樹脂Aは、前記第2組成物の前記重合性化合物に不溶性であり、
    前記固体樹脂Bは、前記第1組成物の前記沸点150℃以下の溶媒に不溶性である、
    塗工物の製造方法。
  2. 前記第2組成物を塗布する工程の後に、前記浸透性基材に活性エネルギー線を照射する工程をさらに含む、
    請求項1に記載の塗工物の製造方法。
  3. 前記第2組成物が、さらに光重合開始剤を含む、請求項2に記載の塗工物の製造方法。
  4. 前記光重合開始剤が、モノアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤を含む、請求項3に記載の塗工物の製造方法。
  5. 前記重合性化合物が、(メタ)アクリルアミド化合物を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗工物の製造方法。
  6. 前記固体樹脂Bが、ロジンエステル樹脂を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の塗工物の製造方法。
  7. 前記沸点150℃以下の溶媒が、水を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の塗工物の製造方法。
  8. 前記固体樹脂Aが、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース又はその塩、及びデンプンからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の塗工物の製造方法。
  9. 前記第1組成物を塗布する工程の前に、
    前記浸透性基材に油性インクによって画像を形成する工程をさらに含む、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の塗工物の製造方法。
  10. 沸点150℃以下の溶媒、及び、前記沸点150℃以下の溶媒に可溶性である固体樹脂Aを含む、第1組成物と、
    重合性化合物、及び、前記重合性化合物に可溶性である固体樹脂Bを含む、第2組成物と、含み、
    前記第2組成物の前記重合性化合物と前記第1組成物の前記沸点150℃以下の溶媒とは互いに相溶性を有し、
    前記固体樹脂Aは、前記第2組成物の重合性化合物に不溶性であり、
    前記固体樹脂Bは、前記第1組成物の前記沸点150℃以下の溶媒に不溶性である、
    硬化性組成物セット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021245846A1 (ja) * 2020-06-03 2021-12-09 東洋インキScホールディングス株式会社 活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ及び印刷物

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