JP2018050609A - 腕支持器具 - Google Patents

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将史 保田
Masashi Yasuda
将史 保田
久雄 大西
Hisao Onishi
久雄 大西
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Abstract

【課題】作業者の腕を支える際に、角度によって発生し得る痛みを軽減する。【解決手段】装着者の腕を支持するための腕支持器具100であって、装着者の腕に装着するため、腕の延長方向に沿って延長された腕支持部20と、腕支持部20の一端に連結された、腕と当接されて支えるための腕受け部40と、腕支持部20の他端と、第一回転軸31を中心に回転自在に連結された回転支持部30と、回転支持部30と連結された、装着者の胴体に固定するための胴固定部10とを備え、回転支持部30と腕支持部20は、第一回転軸31を中心として、既定の回転角度にて保持可能な回転角保持機構を備え、腕受け部40を、腕支持部20との間で、揺動軸46を中心に揺動自在に連結する。【選択図】図1

Description

本発明は、腕支持器具に関する。
従来、ブドウ、ナシ等の棚栽培果樹に対する作業の機械化は然程進んでおらず、剪定、誘引、摘果、摘房、摘粒、袋掛け、収穫などの多くの作業は手作業で行われている。これらの作業において、作業者は、肩の高さより腕を上げた状態で長時間作業しなければならず、作業負担が大きい。また農業分野に限らず、天井など、上向きの作業が求められる分野がある。例えば造船所や鉄工所で溶接機等の機械を作業者が腕を肩よりも上げた状態で長時間作業することがあり、同様に作業負担を強いられていた。このため、最近では、上げた状態の腕を支持して、このような作業負担を軽減する器具の開発が進められている。
例えば、特許文献1には腕を上げた状態での作業において作業者が作業しやすく、作業負担を軽減した腕支持器具1200が開示されている。この腕支持器具1200は、図12に示すように、作業者の胴体に固定される胴体固定部110と、作業者の腕に装着される右腕受け部120A、左腕受け部120Bと、胴体固定部110の一部と腕受け部120A、120Bの作業者の肩側の一端部近傍とを接続し、作業者の腕の動きにあわせて、腕受け部120A、120Bの胴体固定部110に対する姿勢変化を許容する連結機構130A、130Bと、胴体固定部110と腕受け部120A、120Bとの間に設けられ、作業者が肘を所定以上胴体側に寄せた状態又は前記作業者が肘を所定以上胴体から遠ざけた状態で腕受け部120A、120Bの胴体固定部110に対する姿勢を抗重力的に維持し、作業者の腕を支持する姿勢維持機構140A、140Bとを備えている。
またこの腕支持器具1200では、図13の拡大図に示すように、作業者の体型に合わせて右腕受け部120Aの全長を調整できるよう、第1筒状部材122に第2筒状部材124をスライド式を挿入し、一定のスライド量が定まったところでネジ孔122aにネジを締め込むことで、第1筒状部材122と第2筒状部材124を固定している。さらに右腕受け部120Aの先端には受け具126が固定されている。受け具126は、上方向に開いた断面U字状の形状を有している。受け具126は、作業者の右上腕部の肘近傍に接触するようにして、作業者の腕を下から支えるようにして保持する。また連結機構130Aは、第1連結部材132と、第2連結部材134を備える。さらに第1連結部材132は、固定支持棒114Aに設けられた軸114aを介して回転可能となっている。さらにまた姿勢維持機構140Aは、固定支持棒114Aの上端部近傍に設けられた溝板部材142と、右腕受け部120Aの第1筒状部材122の端部近傍に設けられた第2部分としての爪部材144とを有する。この姿勢維持機構140Aは、溝板部材142と爪部材144とを係止させて、右腕受け部120Aは固定支持棒114A(胴体固定部110)に対する姿勢を抗重力的に維持している。この結果、図14に示すように作業者が腕支持器具1000を装着した状態で、姿勢維持機構140Aでもって作業者の右腕は下がらなくなる。
しかしながら、この構造の腕支持器具1200では、第1連結部材132の回転軸114aと、作業者の腕の回転軸すなわち肩関節とを、完全に一致させることができない。この結果、図14の側面図に示すように腕を正面に突き出した状態から、図15の側面図に示すように腕を上方に持ち上げていくと、上腕を支えるべき右腕受け部120Aの先端に固定された受け具126の角度が、徐々に上向き(図において右上)に傾斜されていく。この結果、受け具126の端縁すなわちエッジ部分が徐々に立ち上がる姿勢となり、図15において破線の円で囲んだ領域で示すように、作業者の上腕部にエッジ部分が当接して、上腕を支える部分に痛みを生じるという問題があった。
特許5973980号公報
本発明はこのような背景に鑑みてなされたものであり、その目的の一は、作業者の腕を支える際に発生する痛みを軽減するようにした腕支持器具を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の第1の形態に係る腕支持器具によれば、装着者の腕を支持するための腕支持器具であって、装着者の腕に装着するため、腕の延長方向に沿って延長された腕支持部と、前記腕支持部の一端に連結された、腕と当接されて支えるための腕受け部と、前記腕支持部の他端と、第一回転軸を中心に回転自在に連結された回転支持部と、前記回転支持部と連結された、装着者の胴体に固定するための胴固定部とを備え、前記回転支持部と腕支持部は、前記第一回転軸を中心として、既定の回転角度にて保持可能な回転角保持機構を備え、前記腕受け部を、前記腕支持部との間で、揺動軸を中心に揺動自在に連結することができる。上記構成により、第一回転軸と、装着者の肩関節とが一致しないことにより腕支持部が装着者の腕に十分に追従しない角度となっても、装着者の腕に触れる部分である腕受け部と腕支持部とを一定の姿勢で固定せず、揺動自在としたことで、腕受け部は広い面積で腕を受けることが可能となり、従来問題となっていた腕受け部の端縁が立ち上がって応力が集中する事態を解消、軽減でき、腕への負荷の少ない腕支持器具を実現できる。
また、第2の形態に係る腕支持器具によれば、前記腕受け部と腕支持部との揺動軸を、前記第一回転軸と平行な姿勢に設けることができる。上記構成により、腕支持部の回転角度の増減に応じて、これと平行な腕受け部の揺動軸の揺動角度を調整することで、腕受け部の傾斜を調整できるので、腕受け部の端縁が装着者の腕に当接する事態を効果的に軽減できる。
さらに、第3の形態に係る腕支持器具によれば、前記腕受け部を、装着者の袖側の端縁部分を曲面状に拡開させることができる。上記構成により、腕受け部の端縁部分を拡開するように曲面状としたことで、さらに腕に触れる部分の負荷を軽減して快適な腕支持が実現される。
さらにまた、第4の形態に係る腕支持器具によれば、前記腕受け部が、装着者の上腕に捲回して保持するための腕サポート部材を有することができる。
さらにまた、第5の形態に係る腕支持器具によれば、さらに前記腕支持部と胴固定部とを連結するため、該胴固定部から装着者の胴体に沿うように延長された支持棒とを備えることができる。
さらにまた、第6の形態に係る腕支持器具によれば、前記腕支持部の他端を、前記回転支持部に対して、前記第一回転軸と直交する第二回転軸を中心に回転自在に構成できる。
さらにまた、第7の形態に係る腕支持器具によれば、前記回転角保持機構は、前記腕支持部を前記回転支持部に当接させた状態で保持状態とし、前記腕支持部を前記第二回転軸を中心に前記回転支持部から離間させるように移動させることで保持状態を解除するよう構成できる。上記構成により、腕を所望の回転角度に保持する保持状態と、これを解除する解除状態とを容易に切り替え可能として、装着者の操作性を向上できる。
さらにまた、第8の形態に係る腕支持器具によれば、前記回転角保持機構は、前記回転支持部に同心円状に設けられた複数の係止溝と、前記腕支持部に設けられた、前記複数の係止溝の何れかに係止されて保持される係止爪とで構成できる。上記構成により、腕支持部を任意の角度で固定する際には、この角度に対応する回転支持部の係止溝に、腕支持部の爪を係止することで、容易に腕支持部を保持状態に維持できる。
さらにまた、第9の形態に係る腕支持器具によれば、前記係止爪の厚さを、前記係止溝の幅よりも小さく形成できる。上記構成により、係止爪と係止溝の係止状態をより確実に発揮することができる。
さらにまた、第10の形態に係る腕支持器具によれば、前記第一回転軸を、装着者の肩関節の近傍で下方に位置させるよう、前記胴固定部でもって腕支持器具を装着者に装着するよう構成できる。上記構成により、第一回転軸を装着者の肩関節の近傍に位置させるように腕支持器具を装着して、腕支持部が極力装着者の腕の動きに沿うようにできる。特に第一回転軸を肩関節の下方に配置させ、ここから腕支持部を延長させることで、腕支持部を上腕の下方に位置させて下支えすることか可能となり、効果的なサポート力を発揮できる。
本発明の一実施形態に係る腕支持器具の斜視図である。 図1の腕支持器具の分解斜視図である。 図1の腕支持器具を背面側の斜め下方から見た斜視図である。 図1の腕支持器具の右側面図である。 図1の腕支持器具の正面図である。 図1の腕支持器具を装着した装着者が腕を前に伸ばす状態を示す側面図である。 図6の状態から装着者が腕をさらに上方に上げた状態を示す側面図である。 図1の腕支持器具で左腕の腕支持部を水平方向に開いた状態を示す斜視図である。 回転角保持機構を正面から見た拡大図である。 変形例に係る腕支持器具を背面側から見た斜視図である。 さらに他の変形例に係る腕支持器具を背面側から見た斜視図である。 従来の腕支持器具を背面側から見た斜視図である。 図12の腕支持器具の要部拡大図である。 図12の腕支持器具を装着した作業者が上腕を前方に持ち上げた状態を示す側面図である。 図14の状態からさらに作業者が上腕を上方に持ち上げた状態を示す側面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための例示であって、本発明は以下のものに特定されない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
本発明の一実施形態に係る腕支持器具を図1〜図7に示す。これらの図において、図1は、本発明の一実施形態に係る腕支持器具100の斜視図、図2は、図1の腕支持器具100の分解斜視図、図3は、図1の腕支持器具100を背面側の斜め下方から見た斜視図、図4は、図1の腕支持器具100の右側面図、図5は、図1の腕支持器具100の正面図、図6は、図1の腕支持器具100を装着した装着者が腕を前に伸ばす状態を示す側面図、図7は、図6の状態から装着者が腕をさらに上方に上げた状態を示す側面図を、それぞれ示している。
ここでは、腕支持器具100として、主に溶接作業に用いる腕支持器具を例に挙げて説明する。例えば造船所では、船底部分の溶接のため、見上げる姿勢で天面を溶接する作業が生じる。このような作業において、本実施形態に係る腕支持器具を装着することで、装着者の作業時における上げた腕を支持するために利用できる。
図1〜図7に示す腕支持器具100は、装着者の胴体に固定するための胴固定部10と、胴固定部10から延長された支持棒50と、支持棒50の先端に回転自在に連結された腕支持部20とを備える。この腕支持器具100は、左右の腕をそれぞれ支持するため、腕支持部20や支持棒50を一対設けている。これらの左腕用腕支持部20A、右腕用腕支持部20Bや左腕用支持棒50A、右腕用支持棒50Bはそれぞれ、左右で対称系であることを除き、同様の構成を有している。以下の説明では、一方(例えば左腕用の腕支持部20A)のみを説明をして、他方の説明を適宜省略する。また図1等の例では、左腕用腕支持部20A、右腕用腕支持部20Bにそれぞれ設けられた腕受け部40の形状を同じとしているが、左腕用腕支持部20A用、右腕用腕支持部20B用で互いに左右を対称とした腕受け部としてもよいことはいうまでもない。
(胴固定部10)
胴固定部10は、装着者の腰部の近傍に捲回されて腕支持部20を固定するための部材である。図1、図2等の例では、装着者の腰部の背面から側面にかけて延長された平面視U字状の腰サポート部材11と、U字状の開放部分から胴体を挿入した後、開放部分を含めて柔軟な腰ベルト部材12で締結する構成としている。腰サポート部材11は弾性変形して作業者の腰部にフィットするよう、樹脂部材や金属板等で構成することが好ましい。また腰ベルト部材12は、ポリプロピレンやナイロン、皮革などの柔軟性を持つ素材が好適に利用できる。なお、腰サポート部材もこのような柔軟性のある部材で構成してもよい。さらに腰ベルト部材12は、作業者のウエストに合わせて長さを調整可能としている。例えばバックルや面ファスナ等を用いることで、腰ベルト部材12の長さの調整機構を実現できる。
また胴固定部10には、装着者の側面位置となる部分(左右の腰位置)に、支持棒50を取り付けるための棒取付具13が設けられている。図2の分解斜視図に示すように、棒取付具13は、筒状に構成され、支持棒50の下端を挿入可能としている。筒状の外形は、角柱状、円柱状等とする。また内面は、支持棒50の下端の外形に応じて円柱状や角柱状とする。この際、支持棒50の下端を一定の姿勢で挿入できるように、支持棒50の断面を非点対称、例えば断面視円形の一部を切り欠いたオリエンテーションフラット面を形成する等としてもよい。棒取付具13は金属製等、十分な強度を発揮できる材質で構成し、例えば筒状の左右に平板状の部分を一体的に設け、この平板状の左右にベルトを通すための部位、例えばスリット等を形成する。
(支持棒50)
支持棒50は、腕支持部20と胴固定部10とを連結するための部材であり、胴固定部10から装着者の胴体に沿うように延長されている。支持棒50は、図1、図2、図3等に示すように、全体を直線状としつつ、回転支持部30を設けた端部を折曲させている。具体的には、支持棒50を胴固定部10から垂直姿勢に立てた状態で、支持棒50の上端側を装着者の背面側に折曲させて折曲端51とし、折曲端51を水平姿勢に近づけつつ、回転支持部30を設けている。回転支持部30には第一回転軸31が設けられている。このため第一回転軸31を、装着者の肩関節の近傍で下方に位置させるように、折曲された支持棒50でもってガイドできる。第一回転軸31を肩関節の下方に配置し、ここから腕支持部20を延長させることで、必然的に腕支持部20は上腕の下方に位置することとなり、腕支持部20を既定の角度で保持すれば、装着者の腕を腕支持部20でもって下支えることができ、腕を上げたままの姿勢を維持する際のサポート力を提供できる。また、支持棒50先端をL字状に折曲させた折曲端51は、直角状に折曲させずに曲面を描くように折曲させることが好ましい。これにより装着者が折曲部分に触れても角部分のエッジで圧迫等されることがないようにして触感を向上させ、装着時の不快感を軽減できる。
一方支持棒50の下端は円柱状の挿入部52として、胴固定部10のパイプ状の棒取付具13に挿入可能としている。また挿入部52を棒取付具13に挿入した状態でロックできるよう、挿入部52の側面には弾性的に突出するストッパ53を設けている。ストッパ53は、ばねなどで側面に突出するよう付勢されており、棒取付具13に開口された穴から突出することで、支持棒50が棒取付具13から抜け落ちないようにロックできる。また棒取付具13の長さ方向に沿って所定の間隔でストップ穴14を複数開口することで、ストッパ53の係止位置を変更可能とでき、これによって支持棒50の高さが調整可能となる。例えば装着者の身長や体格に応じて、支持棒50の固定位置を変更し、回転支持部30が装着者の肩関節の下方となるように調整できる。
(腕支持部20)
腕支持部20は、主に装着者の上腕部分を保持するよう構成されている。いいかえると、装着者の前腕部分は規制なく自由に動かせるようにしている。この腕支持部20は、腕を支持するための部材であり、装着者の腕に沿って延長されている。なお方向の説明のため図1、図3において、装着者の前後方向をx軸方向、左右方向をy軸方向、上下方向をz軸とする。腕支持部20はx軸方向に延長されている。
腕支持部20の一端(図1において先端側)には、腕受け部40が連結されている。また腕支持部20の他端(図1において後端側)には、第一回転軸31を中心に回転自在に連結された回転支持部30が設けられている。
(回転支持部30)
回転支持部30は、腕支持部20の後端に回転自在に連結されている。この回転軸を、本明細書では第一回転軸31と呼ぶ。これにより腕支持部20は、図1、図3においてy軸に沿った第一回転軸31を中心に、xz平面内を自由に旋回することができる。
一方で回転支持部30は、図8に示すように、腕支持部20を横方向に回転させるための第二回転軸32を備えている。これにより腕支持部20は、z軸に沿った第二回転軸32を中心に、xy平面内を自由に旋回することができる。これにより装着者は、腕支持器具100を装着した状態で、腕を上げ下げしたり、脇を開いたり閉じたりすることができる。すなわち、回転支持部30と腕支持部20とを連結する第一回転軸31、第二回転軸32でもって、装着者の腕の動きに応じて、腕に装着された腕支持部20を姿勢変化を許容している。
(回転角保持機構)
さらに回転支持部30と腕支持部20は、第一回転軸31を中心とする旋回に際して、既定の回転角度で保持するための回転角保持機構を備えている。回転角保持機構は、図8の斜視図や図9の拡大正面図等に示すように、回転支持部30に同心円状に設けられた複数の係止溝34と、腕支持部20に設けられた、係止溝34に係止されて保持される係止爪36とで構成されている。これにより、腕支持部20を任意の角度で固定する際には、この角度に対応する回転支持部30の係止溝34に、腕支持部20の爪を係止することで、容易に腕支持部20を保持状態に維持できる。また、保持状態を解除するには、脇や肘を開く方向(y軸方向)に腕を動かすことで、容易に係止爪36と係止溝34との係止状態を解除できる。これにより装着者は、腕を上げた状態で保持させる角度の調整を、脇を開けた状態で所望の角度に腕を上げて、保持したい角度で脇を閉めることにより、簡単に角度保持機構のON/OFFを切り替えることができ、快適に上腕の保持と解除とを操作して作業することが可能となる。
ここで回転角保持機構の詳細を説明する。回転支持部30と腕支持部20は、十分な強度を有する材質、例えば金属製とする。回転支持部30は、扇形の保持板33を垂直姿勢で支持棒50先端の折曲端51に固定している。さらに保持板33の、折曲端51と固定した面(折曲端固定面)とは反対側の面(腕支持部固定面)において、扇形の中心付近には、第一回転軸31を介して回転自在に、腕支持部20の後端が固定される。腕支持部20の後端には、第一連結部材21と、第二連結部材22が備えられる。第一連結部材21と保持板33とは、第一回転軸31で回転自在となるよう固定されている。また第一連結部材21と第二連結部材22とは、第一回転軸31と交差する第二回転軸32で回転自在に固定される。第二連結部材22は、他端を棒状に延長して、腕受け部40を固定している。
(係止爪36)
さらに第二連結部材22は、保持板33と対向する面に係止爪36を設けている。係止爪36は、第一連結部材21を第一回転軸31上で、保持可能な任意の回転角度で回転させた状態で、第二連結部材22を保持板33に接触させたとき、係止溝34に挿入される位置に、第二連結部材22上に設けられる。また第二連結部材22は、保持板33と対向する面を平面状に形成する。好ましくは、第二連結部材22の横断面は矩形状とする。
さらに係止爪36は、図9に示すように係止溝34に挿入できるよう、係止溝34の幅よりも小さい高さに形成する。また係止爪36の底面は平面状36aとし、上面は傾斜面36bとする。いいかえると、係止爪36は端縁を面状とせず、線状(断面視において点状)となるようにする。これにより、腕支持部20を所望の回転角に保持する際、装着者が任意の角度で脇を閉めるように腕を動かして、係止爪36が複数の係止溝34のいずれかに挿入しようとするときに、係止爪36が係止溝34の壁の上面に当接して挿入できなくなる事態を回避し易くできる。すなわち、係止させる対象を面と面との組み合わせとして対向させると、端縁が引っ掛かり易くなって係止爪36が係止溝34に入り難くなることが考えられるところ、面と線との組み合わせとすることで、最初に接触する部位の面積を小さくして当接の可能性を低減し、また当接しても、線接触であれば滑り易くなり、隣接する係止溝34に係止爪36が案内され易くなるからである。さらに係止状態の解除においても、腕支持部20を上方に押し上げる際、係止爪36上面の傾斜面36bに沿って上方の係止溝34の端縁を滑らせることで、上方の係止溝34に阻害されることなく腕支持部20を上方向に移動させることが可能となる。いいかえると、保持状態の解除と回転角度の変更動作を同時行える利点が得られる。また傾斜面36bを曲面状とすることで、腕を持ち上げる際に係止溝の端縁と曲面状の傾斜面36bとを一層滑り易くして、保持状態から腕上げに切り替える動作をスムーズに行える。さらに係止爪36の下面と上面の境界線、すなわち平面状36aと傾斜面36bとが接する部分を面取りすることが好ましい。これにより係止爪36を複数の係止溝34の一に挿入する際の当接感をさらに和らげ、滑り易くして挿入をスムーズに行える。
(係止溝34)
また保持板33は、腕支持部固定面において、扇形の円弧状部分に沿って、同心円状に複数の係止溝34を形成している。係止溝34は、一定の幅で壁状に並べて形成される。係止溝34の幅や数は、求められる腕支持部20を保持可能な角度のピッチ等に応じて決定される。
(腕受け部40)
一方で腕支持部20の他端には、上面に腕受け部40が設けられる。腕受け部40は、その下面において腕支持部20との間で、揺動軸46を中心に揺動自在に連結されている。この揺動軸46は、第一回転軸31と平行な姿勢に設けられている。いいかえると、揺動軸46は腕支持部20の延長方向と直交する姿勢に設けられている。これにより、図6及び図7に示すように、第一回転軸31と、装着者の肩関節とが一致しないことにより腕支持部20が装着者の腕に十分に追従しない角度となっても、装着者の腕に触れる部分である腕受け部40と腕支持部20とを一定の姿勢で固定せず、揺動軸46を設けて揺動自在としたことで、腕支持部20に対する腕受け部40の角度を変化可能となった結果、一定範囲であれば腕支持部20の回転角によらず腕受け部40と腕との姿勢を同一に維持できるので、腕を腕受け部40の広い面積でもって受けることが可能となり、図15に示したように従来問題となっていた腕受け部の端縁部分が起き上がってエッジ部分で応力が集中して腕に食い込む事態を解消、軽減でき、腕への負荷の少ない腕支持器具を実現できる。また、端縁部分の接触が軽減できることにより、係止溝34の数を増やして、腕をより上方へ上げたときのサポートも可能となる。
また揺動軸46を、第一回転軸31と平行としたことで、腕支持部20の回転角度の増減に応じて、これと平行な腕受け部40の揺動軸46の揺動角度を調整することで、腕受け部40の傾斜すなわち端縁部分の立ち上がりに対応できるので、腕受け部40の端縁部分が装着者の腕に当接する事態を効果的に軽減できる。
腕受け部40は、図1〜図5等に示すように、垂直断面視において半円状に折曲された腕サポート部材42と、この腕サポート部材42の開口端を閉塞するように設けられた腕ベルト部材41を備える。腕ベルト部材41も、面ファスナやバックルにより、長さを調整できるようにしている。この例では、2枚の腕ベルト部材41の対向する面に面ファスナをそれぞれ設けて着脱自在に貼付可能としている。この腕受け部40に装着者の上腕を装着するには、腕ベルト部材41を開いた状態で、上腕を腕サポート部材42に乗せて、上腕の上から腕ベルト部材41を重ね、長さを調整して巻き付ける。あるいは腕ベルト部材41を綴じた状態でリング状に大きめに開口された腕受け部40に上腕を通した後、腕ベルト部材41を締め付けて上腕に密着するよう調整する。
また腕サポート部材42の外面には、図3〜図5に示すように、腕の方向(x軸方向)に沿うように下方に突出させた突出プレート45を設けており、この突出プレート45を貫通するように揺動軸46を設けている。揺動軸46はy軸方向に沿って設けられ、腕受け部40をxz平面内で揺動させることができる。
さらに腕サポート部材42の内面に、クッション性のある弾性部材44等を貼付してもよい。これにより、装着者の上腕を柔らかく押圧して快適な装着感が得られる。
また腕受け部40は、装着者の袖側の端縁において端縁部分43を曲面状に拡開させている。このようにすることで、腕受け部40の端縁部分43を拡開するように曲面状としたことで、さらに腕に触れる部分の負荷を軽減して快適な腕支持が実現される。また腕受け部40の端縁部分43は、袖側のみに限らず肩側の端縁部分においても同様に拡開するような曲面を形成してもよい。これにより、例えば腕支持器具の装着時に腕を腕受け部40に通す際、端縁に触れ難くなって挿入し易くできる。
さらに腕受け部40は、装着者の上腕に捲回して保持するための腕サポート部材42を有している。これにより、装着者の上腕に腕支持部20を外れ難いように装着して、上腕の動きに対する腕支持部20の追従性を高めることができる。この際、上述した腕受け部40の揺動機構によって、腕の角度によって腕受け部40の端縁部分43が装着者の上腕に食い込んだり押圧する事態を低減でき、装着感を向上させた快適な使用環境が提供される。
(使用方法)
次に、この腕支持器具100の使用方法を説明する。まず胴固定部10を装着者の腰に装着する。具体的には、腰の後ろに腰サポート部材11を当て、腰の前面から腰ベルト部材12を締結して締め付け力を調整し、腰固定部を腰部に固定する。
次に胴固定部10の左右に設けられたパイプ状の棒取付具13に、支持棒50の挿入部52を挿入し、固定する。必要に応じてストッパ53等を用いて、支持棒50上端の折曲端51に連結された第一回転軸31の高さを調整する。
さらに腕受け部40に装着者の上腕を固定する。腕受け部40の腕サポート部で上腕の下面を把持し、さらに上腕の上面を腕ベルト部材41で締結する。
このようにして腕支持器具100が装着者に装着される。この状態で装着者は所望の作業を行う。装着者が腕を上げる際には、脇を開いた状態で上腕を所望の角度に調整し、角度が決定されると脇を閉めるように上腕を動かす。これにより、腕支持部20の係止爪36が、回転支持部30の係止溝34のいずれかに係止されて保持状態となり、装着者が上腕の力を抜いても、腕支持部20が回転角保持機構によって上腕が支えられ、腕を上げた状態での作業をサポートすることが可能となる。また腕を下ろしたい場合や角度を変えた場合には、脇を開けるように肘を胴体から離すことで、係止爪36と係止溝34の係止状態が簡単に解除されて、腕の動きが阻害されずに自由に動かせるようになる。
(変形例)
なお、以上の例では、胴固定部10と腕支持部20との連結に、支持棒50を介在させる構成について説明した。ただ本発明は、必ずしも支持棒を必須とせず、胴固定部に直接腕支持部を連結するように構成してもよい。このような例を変形例として、図10に示す。この例では、腕支持器具200は、胴固定部10Bを腰に巻く腰ベルト状とせず、肩に背負うように構成している。胴固定部10Bは、一対の肩ベルト部材16と、肩ベルト部材16同士を渡すように固定された肩サポート部材17を備える。肩ベルト部材16は、装着者の両肩から腕にかけて捲回される。なお肩ベルト部材16は、それぞれ左右の肩に捲回される構成に加えて、あるいはこれに代えて、たすき掛け状に構成してもよい。肩サポート部材の両端から、L字状に折曲された折曲片18を介して、腕支持部20Bが装着される。
さらに、上述した肩ベルト部材と腰ベルト部材を併用してもよい。このような例を更なる変形例として図11に示す。このように肩ベルト部材16に腰ベルト部材10Cを付加することによって、腕支持器具300が一層安定的に装着者に固定される。
本発明の腕支持器具は、農作業や工場、建築現場、例えば棚栽培果樹や鉄工所、天井作業等で腕を上げたままの作業が求められる現場における、腕を上げた状態に支持するための器具として好適に利用できる。
100、200、300…腕支持器具
10、10B、10C…胴固定部
11…腰サポート部材
12…腰ベルト部材
13…棒取付具
14…ストップ穴
16…肩ベルト部材
17…肩サポート部材
18…折曲片
20…腕支持部;20A…左腕用腕支持部;20B…右腕用腕支持部
21…第一連結部材
22…第二連結部材
30…回転支持部
31…第一回転軸
32…第二回転軸
33…保持板
34…係止溝
36…係止爪;36a…平面状;36b…傾斜面
40…腕受け部
41…腕ベルト部材
42…腕サポート部材
43…端縁部分
44…弾性部材
45…突出プレート
46…揺動軸
50…支持棒;50A…左腕用支持棒;50B…右腕用支持棒
51…折曲端
52…挿入部
53…ストッパ
110…胴体固定部
114A…固定支持棒
114a…回転軸
120A…右腕受け部;120B…左腕受け部
122…筒状部材
122a…ネジ孔
124…筒状部材
126…受け具
130A、130B…連結機構
132…第1連結部材
134…第2連結部材
140A、140B…姿勢維持機構
142…溝板部材
144…爪部材
1200…従来の腕支持器具

Claims (10)

  1. 装着者の腕を支持するための腕支持器具であって、
    装着者の腕に装着するため、腕の延長方向に沿って延長された腕支持部と、
    前記腕支持部の一端に連結された、腕と当接されて支えるための腕受け部と、
    前記腕支持部の他端と、第一回転軸を中心に回転自在に連結された回転支持部と、
    前記回転支持部と連結された、装着者の胴体に固定するための胴固定部と、
    を備え、
    前記回転支持部と腕支持部は、前記第一回転軸を中心として、既定の回転角度にて保持可能な回転角保持機構を備え、
    前記腕受け部は、前記腕支持部との間で、揺動軸を中心に揺動自在に連結されてなる腕支持器具。
  2. 請求項1に記載の腕支持器具であって、
    前記腕受け部と腕支持部との揺動軸が、前記第一回転軸と平行な姿勢に設けられてなる腕支持器具。
  3. 請求項1又は2に記載の腕支持器具であって、
    前記腕受け部は、装着者の袖側の端縁部分を曲面状に拡開させてなる腕支持器具。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の腕支持器具であって、
    前記腕受け部は、装着者の上腕に捲回して保持するための腕サポート部材を有する腕支持器具。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の腕支持器具であって、さらに、
    前記腕支持部と胴固定部とを連結するため、該胴固定部から装着者の胴体に沿うように延長された支持棒とを備える腕支持器具。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の腕支持器具であって、
    前記腕支持部の他端は、前記回転支持部に対して、前記第一回転軸と直交する第二回転軸を中心に回転自在に構成されてなる腕支持器具。
  7. 請求項6に記載の腕支持器具であって、
    前記回転角保持機構は、前記腕支持部を前記回転支持部に当接させた状態で保持状態とし、前記腕支持部を前記第二回転軸を中心に前記回転支持部から離間させるように移動させることで保持状態を解除するよう構成してなる腕支持器具。
  8. 請求項7に記載の腕支持器具であって、
    前記回転角保持機構は、前記回転支持部に同心円状に設けられた複数の係止溝と、前記腕支持部に設けられた、前記複数の係止溝の何れかに係止されて保持される係止爪とで構成されてなる腕支持器具。
  9. 請求項8に記載の腕支持器具であって、
    前記係止爪の厚さが、前記係止溝の幅よりも小さく形成されてなる腕支持器具。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の腕支持器具であって、
    前記第一回転軸を、装着者の肩関節の近傍で下方に位置させるよう、前記胴固定部でもって腕支持器具を装着者に装着するよう構成してなる腕支持器具。
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