JP2016041469A - 姿勢保持具 - Google Patents
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Abstract
Description
これにより、作業者が上体を前方下方に曲げた場合、弾性材が引き延ばされて、弾性材が作業者の上体を持ち上げようとするのであり、特許文献1の図1(B)に示すように、作業者が上体を前方下方に曲げた状態(前屈)を保持する場合に、弾性体が作業者を助けることになる。
(構成)
本発明の第1特徴は、姿勢保持具において次のように構成することにある。
作業者に取り付けられる本体部を備え、前記本体部に近接する作業者の関節部から延びる腕部又は足部に取り付けられるアーム部を前記本体部に備えて、
前記アーム部に取り付けられる作業者の腕部又は足部の動作に伴う前記アーム部の動作を許容する許容状態と、前記本体部に対してアーム部を所望の位置で保持する保持状態とに切換自在な保持機構を備え、
作業者に操作されることにより前記保持機構を操作する操作部を備えている。
[I]−1
本発明の第1特徴によると、姿勢保持具を装着した状態において、保持機構の許容状態により、作業者が腕部(足部)を動かすのに伴ってアーム部が腕部(足部)に追従するように動く状態となる。
これにより、腕部(足部)の動作に対してアーム部が抵抗になることはないので、姿勢保持具を装着した状態において、作業者は腕部(足部)を楽に動かすことができるのであり、腕部(足部)を所望の位置に楽に動かすことができるようになって、姿勢保持具の作業性を向上させることができる。
次に作業者が腕部(足部)を所望の位置に動かした後、作業者が保持機構を保持状態に操作すると、アーム部が所望の位置に保持されるので、作業者は腕部(足部)をアーム部に預けることにより所望の位置に楽に保持することができる。さらに作業者が腕部(足部)を別の所望の位置に動かした後に、作業者が保持機構を保持状態に操作すれば、前述と同様に作業者は腕部(足部)を別の所望の位置に楽に保持することができる。
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の姿勢保持具において次のように構成することにある。
前記保持機構が、
前記アーム部に取り付けられる作業者の腕部又は足部の動作に伴う前記アーム部の上方への動作を許容し、且つ前記アーム部の下方への動作を阻止して前記アーム部を所望の位置で保持する一方向機構と、
前記一方向機構による前記アーム部の下方への動作の阻止を解除して、前記アーム部の下方への動作を許容する解除機構とを備えて構成され、
前記操作部が、前記解除機構を操作するものである。
本発明の第3特徴は、本発明の第1特徴の姿勢保持具において次のように構成することにある。
前記保持機構が、
前記アーム部に取り付けられる作業者の腕部又は足部の動作に伴う前記アーム部の上方への動作を許容し、且つ前記アーム部の下方への動作を阻止して前記アーム部を所望の位置で保持する一方向機構と、
前記本体部と前記アーム部とを接続して前記一方向機構を機能させる接続状態と、前記本体部と前記アーム部とを遮断して前記アーム部の動作を許容する遮断状態とに切換自在な接続機構とを備えて構成され、
前記操作部が、前記接続機構を操作するものである。
[II]−1
前項[I]−2に記載のように、姿勢保持具を装着した状態において、作業者が腕部(足部)をアーム部に預けて所望の位置に保持する場合、腕部(足部)をアーム部によって受け止めてもらうと、作業者にとって楽に作業を行うことができる。
この場合、本発明の第2特徴(第3特徴)によると、一方向機構と解除機構(接続機構)とを備えて、姿勢保持具の保持機構を構成している。
これにより、姿勢保持具を装着した状態において、作業者は操作部により解除機構(接続機構)を操作しなくても、腕部(足部)を上方へ動かすことができるので(一方向機構によりアーム部の上方への動作が許容されることによる)、姿勢保持具の作業性を向上させることができる。
前項[II]−1に記載の状態において、作業者が腕部(足部)の上方への動作を止めると、止めた位置からアーム部の下方への操作が一方向機構によって阻止されるので、この止めた位置においてアーム部が保持された状態となる。これにより、作業者は腕部(足部)(アーム部)を所望の位置に保持することができる。
(構成)
本発明の第4特徴は、本発明の第1〜第3特徴の姿勢保持具うちのいずれか一つにおいて次のように構成することある。
前記本体部が作業者の胴体部又は肩部に取り付けられるものであり、前記アーム部が作業者の上腕部に取り付けられるものである。
例えば果樹園では、作業者の身長よりも少し高い程度の棚が張り巡らされ、この棚にブドウ等の果樹を栽培することが多くある。このような果樹園において、作業者は上腕部を略水平に向けた状態で前腕部を上方に向けて、上方の棚の果樹に対して作業を行うことが多い。例えば建物内での配管及び配線作業を行う場合も同様に、作業者は上腕部を略水平に向けた状態で前腕部を上方に向けて、上方の天井部の配管及び配線に対して作業を行うことがある。
これにより、前述のような作業において、作業者が上腕部を略水平に向けた状態で上方の果樹や配管及び配線に対して作業を行う場合、作業者は上腕部をアーム部により略水平に向けた位置に保持し、前腕部を上方に向けることにより、上方の果樹や配管及び配線に対して楽に作業を行うことができる。従って、果樹園や建物内での作業に適した姿勢保持具を得ることができる。
(構成)
本発明の第5特徴は、本発明の第4特徴の姿勢保持具において次のように構成することにある。
前記操作部が作業者の前腕部の動作により操作されるように前記アーム部に備えられている。
本発明の第5特徴によると、前項[III]に記載のように、姿勢保持具を装着した状態において、作業者の上腕部がアーム部に取り付けられている場合、作業者の前腕部は比較的自由に動かすことができる。
これにより、作業者が上腕部をアーム部に預けることで所望の位置に保持している状態において、アーム部の位置を変更する場合、比較的自由に動かすことができる前腕部により操作部を操作することによって、保持機構を許容状態に容易に操作することができる。
この後、作業者が上腕部を動かすことによってアーム部の位置を変更することができるのであり、比較的自由に動かすことができる前腕部により操作部を操作することにより、保持機構を保持状態に容易に操作することができる。従って、果樹園や建物内での作業に適した姿勢保持具を得ることができる。
(構成)
本発明の第6特徴は、本発明の第4又は第5特徴の姿勢保持具において次のように構成することにある。
水平位置から上方に設定された上方設定位置よりも上方の範囲において、前記操作部の操作に関わらず前記アーム部の動作が許容されるように、前記保持機構を構成している。
本発明の第7特徴は、本発明の第4〜第6特徴の姿勢保持具うちのいずれか一つにおいて次のように構成することある。
水平位置から下方に設定された下方設定位置よりも下方の範囲において、前記操作部の操作に関わらず前記アーム部の動作が許容されるように、前記保持機構を構成している。
前項[III][IV]に記載のように、例えば果樹園や建物内で作業を行う場合、棚や天井部の高さは略一定であるので、姿勢保持具を装着した状態において、姿勢保持具のアーム部を略水平位置に保持しておけば、上方の果樹や配管及び配線に対する作業は行える。
このことについて言い換えると、姿勢保持具を装着した状態において、アーム部を略水平位置から大きく上方又は下方の位置に変更した場合には、上方の果樹や配管及び配線に対する作業以外の作業を行う状態であることが想定される。
図1,2,3に示すように、姿勢保持具は下フレーム部1(本体部に相当)、右及び左の縦フレーム部2(本体部に相当)、右及び左の第1横フレーム部3(本体部に相当)、右及び左の第2横フレーム部4(本体部に相当)、右及び左の第1アーム部5(アーム部に相当)、右及び左の第2アーム部6(アーム部に相当)、右及び左の保持機構7(図6参照)、作業者の腰部への固定用の右及び左のベルト8、パッド9、作業者の肩部への固定用の右及び左のベルト10等を備えて構成されている。
以下に、各部の構造について説明する。この場合、説明中の「上」「下」「右」「左」「前」「後」は、作業者が姿勢保持具を装着した状態において、作業者から見て上、下、右、左、前、後を意味している。
下フレーム部1、右及び左の縦フレーム部2について説明する。
図1,2,3に示すように、下フレーム部1は板金製で箱状に構成されており、保持機構7(ソレノイド23)に電力を供給するバッテリー18が取り付けられ、作業者の腰部への固定用で布製のベルト8が、下フレーム部1の右及び左横部に取り付けられている。合成樹脂製のカバー15が下フレーム部1の後側部に取り付けられており、カバー15によりバッテリー18やベルト8の下フレーム部1への取付部分、後述する縦フレーム部2の下フレーム部1への連結部分が覆われている。
次に、右及び左の第1横フレーム部3、右及び左の第2横フレーム部4について説明する。
図2,3,4に示すように、金属製の第1横フレーム部3がボルト13により縦フレーム部2に連結されて右及び左横外方に延出されている。縦フレーム部2の上部に上下方向の長孔2aが形成されて、ボルト13が縦フレーム部2の長孔2aに挿入されて締め付けられており、縦フレーム部2に対する第1横フレーム部3の位置を、縦フレーム部2の長孔2aに沿って上下方向に調節することができる。
これにより、第1横フレーム部3に対する第2横フレーム部4の位置を、第2横フレーム部4及び支持部材14の長孔4b,14aに沿って左右方向(横方向)に調節することができるのであり、第1横フレーム部3に対する第1及び第2アーム部5,6(第2横フレーム4に支持される)の位置を、左右方向(横方向)に調節することができる。
次に、右及び左の第1アーム部5、保持機構7について説明する。
図5及び図6に示すように、第2横フレーム部4の前部4cに基板19が連結されて、第2横フレーム部4の前部4c及び基板19に同芯状の開口部4d,19aが形成されており、基板19の開口部19aの内周部に凸部19bが形成されている。
係合爪部21が被係合部20に係合する範囲において、第1アーム部5が下方に操作されようとしても、係合爪部21と被係合部20との係合により、第1アーム部5の下方への動作は阻止される(保持状態)。ソレノイド23に通電し収縮作動させて係合爪部21を被係合部20から離し操作すると、第1アーム部5を自由に上方及び下方に操作することができる。
次に、右及び左の第2アーム部6について説明する。
図7に示すように、第2アーム部6の上及び下の縁部にレール部6aが構成されて、第2アーム部6の上及び下のレール部6aが第1アーム部5の上及び下の縁部5dに嵌め込まれており、第2アーム部6が第1アーム部5の長手方向(前後方向)に沿ってスライド自在に支持されている。第1アーム部5に対して第2アーム部6を所望の取付位置で固定するノブ付きボルト26が備えられている。このように、第1アーム部5に対する第2アーム部6の位置を前後方向に調節することによって、第1横フレーム部3に対する第2アーム部6の位置を前後方向に調節することができる。
次に、姿勢保持具の装着について説明する。
図1及び図2に示すように、作業者は姿勢保持具を背負うようにして、作業者の肩部にベルト10を取り付け、パッド9を作業者の背中部に当て付けて、下フレーム部1を作業者の腰部に当て付ける。ベルト8に面ファスナー(図示せず)(商品名・マジックテープ)が備えられているので、作業者はベルト8を作業者の腰部に巻き付けて面ファスナーにより、下フレーム部1及びベルト8を作業者の腰部に取り付ける。
作業者の肘部が縦受け部27、下受け部28及び上受け部29の少し前方に位置して、作業者の前腕部の曲げ伸ばし動作が支障なく行えるように、第1横フレーム部3に対する第2アーム部6の取付位置を事前に前後方向に調節しておく(前項[5]参照)。
次に、姿勢保持具の操作について説明する(その1)。
図1及び図2に示すように、作業者が姿勢保持具を装着した状態で、作業者が上腕部を第2アーム部6(下受け部28)に預けても、図6に示すように、係合爪部21が被係合部20に係合することによって、第1及び第2アーム部5,6の下方への動作は阻止されるのであり、作業者は上腕部を所望の位置に保持することができる。
この場合、作業者が上腕部を上方に動かしても、上受け部29が上方に開いて作業者の上腕部が縦受け部27、下受け部28及び上受け部29から上方に外れずに、第1及び第2アーム部5,6が作業者の上腕部に追従するように、バネ30の付勢力が設定されている。
これにより、作業者が上腕部を上方及び下方に動かすと、第1及び第2アーム部5,6が作業者の上腕部に追従するように上方及び下方に動くのであり、作業者が操作部31の上方への操作を止めると、ソレノイド23への通電が止められて、前述のようにバネ22の付勢力により係合爪部21が被係合部20に係合する。
次に、姿勢保持具の操作について説明する(その2)。
図5及び図6に示すように、被係合部20においてギヤ歯が存在する領域は限られており、被係合部20においてギヤ歯が存在しない領域(係合爪部21が被係合部20(ギヤ歯)に係合しない領域)が、被係合部20の上側及び下側に存在する。被係合部20においてギヤ歯が存在しない領域において、ソレノイド23に関係なく係合爪部21は機能しない状態となる。
この場合、水平位置A1と下方設定位置A3との間の角度よりも、水平位置A1と上方設定角度A2との間の角度とが大きなものとなるように、上方設定角度A2が高い位置に設定されている。
この場合、図10の一点鎖線に示すように、作業者の上腕部(第1及び第2アーム部5,6)が右(左)の横外側に開こうとすると、架設部材11,12が曲がる状態となり、これに伴って縦フレーム部2が上下軸芯周りに捩られる状態(曲がる状態)となるので、架設部材11,12及び縦フレーム部2の抵抗により、作業者の上腕部(第1及び第2アーム部5,6)が右(左)の横外側に開こうとする状態が抑えられる。
前述の[発明を実施するための形態]の被係合部20、係合爪部21、バネ22及びソレノイド23等に代えて、以下に示すようにして保持機構7を構成してもよい。
図11に示すように、第2横フレーム部4に支持軸35が摩擦式の電磁クラッチ36(接続機構に相当)を介して支持されており、第1及び第2アーム部5,6の上方への動作を許容し、且つ、第1及び第2アーム部5,6の下方への動作を阻止するワンウェイクラッチ37(一方向機構に相当)を介して、第1及び第2アーム部5,6が支持軸35に取り付けられている。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]において、操作部31を上受け部29に備えるのではなく、操作部31を縦受け部27や下受け部28に備えてもよい。第2横フレーム部4や第2アーム部6からハーネス(図示せず)を延長し、ハーネスの端部に操作部31を接続して、作業者が掌で操作部31を握って操作するように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態][発明の実施の第2別形態]において、上受け部29を前後軸芯P3周りに揺動自在に支持するのではなく、上受け部29を縦受け部27に揺動しないように固定してもよい。このように構成した場合、上受け部29と下受け部38との間の開放部分の間隔を少し大きく設定して、作業者が上腕部を縦受け部27、下受け部28及び上受け部29の中に容易に入れることができるように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第3別形態]において、支持部材14を厚みの異なるものに変更することにより、第1横フレーム部3に対する第2横フレーム部4、第1及び第2アーム部5,6の位置を前後方向に調節できるように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第4別形態]において、縦受け部27、下受け部28及び上受け部29が一体で、第2アーム部6の前部の左右軸芯周りに上下角度を変更できるように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第5別形態]において、下フレーム部1、縦フレーム部2、第1及び第2横フレーム部3,4を作業者の胴体部に取り付けるのではなく、下フレーム部1及び縦フレーム部2を廃止して、第1及び第2横フレーム部3,4を作業者の背中部又は肩部に取り付け、第1及び第2アーム部5,6を作業者の上腕部に取り付けるように構成してもよい。
このように構成すると、作業者の大腿部に対して、作業者の上体の上方への動作が許容され、作業者の上体の下方への動作が阻止されて作業者の上体が支持されるようになるのであり、作業者の腰部への負荷を軽減することができる。
このように構成すると、作業者のふくらはぎ部に対して、作業者の大腿部の上方への動作が許容され、作業者の大腿部の下方への動作が阻止されて作業者の上体が支持されるようになるのであり、作業者の膝部への負荷を軽減することができる。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第6別形態]において、右及び左の両方に第1及び第2横フレーム部3,4、第1及び第2アーム部5,6等を備えるのではなく、第1及び第2横フレーム部3,4、第1及び第2アーム部5,6等を右又は左にのみ備えるように構成してもよい。
5,6 アーム部
7 保持機構
31 操作部
20,21,22 一方向機構
23 解除機構
36 接続機構
37 一方向機構
A1 水平位置
A2 上方設定位置
A3 下方設定位置
これにより、作業者が上体を前方下方に曲げた場合、弾性材が引き延ばされて、弾性材が作業者の上体を持ち上げようとするのであり、特許文献1の図1(B)に示すように、作業者が上体を前方下方に曲げた状態(前屈)を保持する場合に、弾性体が作業者を助けることになる。
作業者に取り付けられる本体部と、
作業者の肩部から延びる腕部に取り付けられるアーム部と、
前記アーム部に取り付けられる作業者の腕部の動作に伴う前記アーム部の動作を許容する許容状態と、前記本体部に対して前記アーム部を保持する保持状態とに切換自在な保持機構と、を備え、
前記アーム部が作業者の上腕部に取り付けられるものであり、
前記アーム部が作業者の肩部から前向きに延びるとともに、前記アーム部の端部が作業者の肘部よりも肩部側に位置するように設定されて作業者の前腕部を自由に動かすことが可能となっているものである。
これにより、腕部の動作に対してアーム部が抵抗になることはないので、姿勢保持具を装着した状態において、作業者は腕部を楽に動かすことができるのであり、腕部を所望(任意)の位置に楽に動かすことができるようになって、姿勢保持具の作業性を向上させることができる。
前記本体部が作業者の腰部に取り付けられるものであり、
前記本体部から上方に延出される縦フレーム部を備え、
前記アーム部が、前記縦フレーム部に対して上下に揺動自在となるように支持されていると好適である。
前記保持機構が、
前記アーム部に取り付けられる作業者の腕部の動作に伴う前記アーム部の上方への動作を許容し、且つ、前記アーム部の下方への動作を阻止して前記アーム部を任意の位置で保持する一方向機構と、
前記縦フレーム部と前記アーム部とを接続して前記一方向機構を機能させる接続状態と、前記縦フレーム部と前記アーム部とを遮断して前記アーム部の動作を許容する遮断状態とに切換自在な接続機構と、を備えていると好適である。
この場合、一方向機構と接続機構とを備えて、姿勢保持具の保持機構を構成している。
これにより、姿勢保持具を装着した状態において、作業者は接続機構を操作しなくても、腕部を上方へ動かすことができるので(一方向機構によりアーム部の上方への動作が許容されることによる)、姿勢保持具の作業性を向上させることができる。
前記保持機構が、前記アーム部を任意の位置で保持可能に構成されていると好適である。
前記保持機構が、水平位置から上方に設定された上方設定位置よりも上方の範囲における前記アーム部の動作を許容するように構成されていると好適である。
前記保持機構が、水平位置から下方に設定された下方設定位置よりも下方の範囲における前記アーム部の動作を許容するように構成されていると好適である。
このことについて言い換えると、姿勢保持具を装着した状態において、アーム部を略水平位置から大きく上方又は下方の位置に変更した場合には、上方の果樹や配管及び配線に対する作業以外の作業を行う状態であることが想定される。
図1,2,3に示すように、姿勢保持具は下フレーム部1(本体部に相当)、右及び左の縦フレーム部2、右及び左の第1横フレーム部3、右及び左の第2横フレーム部4、右及び左の第1アーム部5(アーム部に相当)、右及び左の第2アーム部6(アーム部に相当)、右及び左の保持機構7(図6参照)、作業者の腰部への固定用の右及び左のベルト8、パッド9、作業者の肩部への固定用の右及び左のベルト10等を備えて構成されている。
以下に、各部の構造について説明する。この場合、説明中の「上」「下」「右」「左」「前」「後」は、作業者が姿勢保持具を装着した状態において、作業者から見て上、下、右、左、前、後を意味している。
下フレーム部1、右及び左の縦フレーム部2について説明する。
図1,2,3に示すように、下フレーム部1は板金製で箱状に構成されており、保持機構7(ソレノイド23)に電力を供給するバッテリー18が取り付けられ、作業者の腰部への固定用で布製のベルト8が、下フレーム部1の右及び左横部に取り付けられている。合成樹脂製のカバー15が下フレーム部1の後側部に取り付けられており、カバー15によりバッテリー18やベルト8の下フレーム部1への取付部分、後述する縦フレーム部2の下フレーム部1への連結部分が覆われている。
次に、右及び左の第1横フレーム部3、右及び左の第2横フレーム部4について説明する。
図2,3,4に示すように、金属製の第1横フレーム部3がボルト13により縦フレーム部2に連結されて右及び左横外方に延出されている。縦フレーム部2の上部に上下方向の長孔2aが形成されて、ボルト13が縦フレーム部2の長孔2aに挿入されて締め付けられており、縦フレーム部2に対する第1横フレーム部3の位置を、縦フレーム部2の長孔2aに沿って上下方向に調節することができる。
これにより、第1横フレーム部3に対する第2横フレーム部4の位置を、第2横フレーム部4及び支持部材14の長孔4b,14aに沿って左右方向(横方向)に調節することができるのであり、第1横フレーム部3に対する第1及び第2アーム部5,6(第2横フレーム部4に支持される)の位置を、左右方向(横方向)に調節することができる。
次に、右及び左の第1アーム部5、保持機構7について説明する。
図5及び図6に示すように、第2横フレーム部4の前部4cに基板19が連結されて、第2横フレーム部4の前部4c及び基板19に同芯状の開口部4d,19aが形成されており、基板19の開口部19aの内周部に凸部19bが形成されている。
係合爪部21が被係合部20に係合する範囲において、第1アーム部5が下方に操作されようとしても、係合爪部21と被係合部20との係合により、第1アーム部5の下方への動作は阻止される(保持状態)。ソレノイド23に通電し収縮作動させて係合爪部21を被係合部20から離し操作すると、第1アーム部5を自由に上方及び下方に操作することができる。
次に、右及び左の第2アーム部6について説明する。
図7に示すように、第2アーム部6の上及び下の縁部にレール部6aが構成されて、第2アーム部6の上及び下のレール部6aが第1アーム部5の上及び下の縁部5dに嵌め込まれており、第2アーム部6が第1アーム部5の長手方向(前後方向)に沿ってスライド自在に支持されている。第1アーム部5に対して第2アーム部6を所望の取付位置で固定するノブ付きボルト26が備えられている。このように、第1アーム部5に対する第2アーム部6の位置を前後方向に調節することによって、第1横フレーム部3に対する第2アーム部6の位置を前後方向に調節することができる。
次に、姿勢保持具の装着について説明する。
図1及び図2に示すように、作業者は姿勢保持具を背負うようにして、作業者の肩部にベルト10を取り付け、パッド9を作業者の背中部に当て付けて、下フレーム部1を作業者の腰部に当て付ける。ベルト8に面ファスナー(図示せず)(商品名・マジックテープ(登録商標))が備えられているので、作業者はベルト8を作業者の腰部に巻き付けて面ファスナーにより、下フレーム部1及びベルト8を作業者の腰部に取り付ける。
作業者の肘部が縦受け部27、下受け部28及び上受け部29の少し前方に位置して、作業者の前腕部の曲げ伸ばし動作が支障なく行えるように、第1横フレーム部3に対する第2アーム部6の取付位置を事前に前後方向に調節しておく(前項[5]参照)。
次に、姿勢保持具の操作について説明する(その1)。
図1及び図2に示すように、作業者が姿勢保持具を装着した状態で、作業者が上腕部を第2アーム部6(下受け部28)に預けても、図6に示すように、係合爪部21が被係合部20に係合することによって、第1及び第2アーム部5,6の下方への動作は阻止されるのであり、作業者は上腕部を所望の位置に保持することができる。
この場合、作業者が上腕部を上方に動かしても、上受け部29が上方に開いて作業者の上腕部が縦受け部27、下受け部28及び上受け部29から上方に外れずに、第1及び第2アーム部5,6が作業者の上腕部に追従するように、バネ30の付勢力が設定されている。
これにより、作業者が上腕部を上方及び下方に動かすと、第1及び第2アーム部5,6が作業者の上腕部に追従するように上方及び下方に動くのであり、作業者が操作部31の上方への操作を止めると、ソレノイド23への通電が止められて、前述のようにバネ22の付勢力により係合爪部21が被係合部20に係合する。
次に、姿勢保持具の操作について説明する(その2)。
図5及び図6に示すように、被係合部20においてギヤ歯が存在する領域は限られており、被係合部20においてギヤ歯が存在しない領域(係合爪部21が被係合部20(ギヤ歯)に係合しない領域)が、被係合部20の上側及び下側に存在する。被係合部20においてギヤ歯が存在しない領域において、ソレノイド23に関係なく係合爪部21は機能しない状態となる。
この場合、水平位置A1と下方設定位置A3との間の角度よりも、水平位置A1と上方設定位置A2との間の角度とが大きなものとなるように、上方設定位置A2が高い位置に設定されている。
この場合、図10の一点鎖線に示すように、作業者の上腕部(第1及び第2アーム部5,6)が右(左)の横外側に開こうとすると、架設部材11,12が曲がる状態となり、これに伴って縦フレーム部2が上下軸芯周りに捩られる状態(曲がる状態)となるので、架設部材11,12及び縦フレーム部2の抵抗により、作業者の上腕部(第1及び第2アーム部5,6)が右(左)の横外側に開こうとする状態が抑えられる。
前述の[発明を実施するための形態]の被係合部20、係合爪部21、バネ22及びソレノイド23等に代えて、以下に示すようにして保持機構7を構成してもよい。
図11に示すように、第2横フレーム部4に支持軸35が摩擦式の電磁クラッチ36(接続機構に相当)を介して支持されており、第1及び第2アーム部5,6の上方への動作を許容し、且つ、第1及び第2アーム部5,6の下方への動作を阻止するワンウェイクラッチ37(一方向機構に相当)を介して、第1及び第2アーム部5,6が支持軸35に取り付けられている。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]において、操作部31を上受け部29に備えるのではなく、操作部31を縦受け部27や下受け部28に備えてもよい。第2横フレーム部4や第2アーム部6からハーネス(図示せず)を延長し、ハーネスの端部に操作部31を接続して、作業者が掌で操作部31を握って操作するように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態][発明の実施の第2別形態]において、上受け部29を前後軸芯P3周りに揺動自在に支持するのではなく、上受け部29を縦受け部27に揺動しないように固定してもよい。このように構成した場合、上受け部29と下受け部28との間の開放部分の間隔を少し大きく設定して、作業者が上腕部を縦受け部27、下受け部28及び上受け部29の中に容易に入れることができるように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第3別形態]において、支持部材14を厚みの異なるものに変更することにより、第1横フレーム部3に対する第2横フレーム部4、第1及び第2アーム部5,6の位置を前後方向に調節できるように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第4別形態]において、縦受け部27、下受け部28及び上受け部29が一体で、第2アーム部6の前部の左右軸芯周りに上下角度を変更できるように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第5別形態]において、下フレーム部1、縦フレーム部2、第1及び第2横フレーム部3,4を作業者の胴体部に取り付けるのではなく、下フレーム部1及び縦フレーム部2を廃止して、第1及び第2横フレーム部3,4を作業者の背中部又は肩部に取り付け、第1及び第2アーム部5,6を作業者の上腕部に取り付けるように構成してもよい。
このように構成すると、作業者の大腿部に対して、作業者の上体の上方への動作が許容され、作業者の上体の下方への動作が阻止されて作業者の上体が支持されるようになるのであり、作業者の腰部への負荷を軽減することができる。
このように構成すると、作業者のふくらはぎ部に対して、作業者の大腿部の上方への動作が許容され、作業者の大腿部の下方への動作が阻止されて作業者の上体が支持されるようになるのであり、作業者の膝部への負荷を軽減することができる。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第6別形態]において、右及び左の両方に第1及び第2横フレーム部3,4、第1及び第2アーム部5,6等を備えるのではなく、第1及び第2横フレーム部3,4、第1及び第2アーム部5,6等を右又は左にのみ備えるように構成してもよい。
2 縦フレーム部
5,6 アーム部
7 保持機構
36 接続機構
37 一方向機構
A1 水平位置
A2 上方設定位置
A3 下方設定位置
Claims (6)
- 作業者に取り付けられる本体部と、
作業者の肩部から延びる腕部に取り付けられるアーム部と、
前記アーム部に取り付けられる作業者の腕部の動作に伴う前記アーム部の動作を許容する許容状態と、前記本体部に対して前記アーム部を保持する保持状態とに切換自在な保持機構と、を備え、
前記アーム部が作業者の上腕部に取り付けられるものであり、
前記アーム部が作業者の肩部から前向きに延びるとともに、前記アーム部の端部が作業者の肘部よりも肩部側に位置するように設定されて作業者の前腕部を自由に動かすことが可能となっている姿勢保持具。 - 前記本体部が作業者の腰部に取り付けられるものであり、
前記本体部から上方に延出される縦フレーム部を備え、
前記アーム部が、前記縦フレーム部に対して上下に揺動自在となるように支持されている請求項1に記載の姿勢保持具。 - 前記保持機構が、
前記アーム部に取り付けられる作業者の腕部の動作に伴う前記アーム部の上方への動作を許容し、且つ、前記アーム部の下方への動作を阻止して前記アーム部を任意の位置で保持する一方向機構と、
前記縦フレーム部と前記アーム部とを接続して前記一方向機構を機能させる接続状態と、前記縦フレーム部と前記アーム部とを遮断して前記アーム部の動作を許容する遮断状態とに切換自在な接続機構と、を備えている請求項2に記載の姿勢保持具。 - 前記保持機構が、前記アーム部を任意の位置で保持可能に構成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の姿勢保持具。
- 前記保持機構が、水平位置から上方に設定された上方設定位置よりも上方の範囲における前記アーム部の動作を許容するように構成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の姿勢保持具。
- 前記保持機構が、水平位置から下方に設定された下方設定位置よりも下方の範囲における前記アーム部の動作を許容するように構成されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の姿勢保持具。
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