以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態に係る照明装置10の構成を示すブロック図である。
図1において、照明装置10は、商用交流電源11に接続されている。商用交流電源11は、外部の常用電源の例である。なお、照明装置10は、商用交流電源11の代わりに、他の種類の交流電源、あるいは、直流電源に接続されていてもよい。直流電源の場合、後述する直流生成回路13の整流回路31、コンデンサ32は不要となる。
照明装置10は、光源12、直流生成回路13、光源点灯回路14、非常用電源回路16、非常用点灯回路17、接点51,52を備えている。
光源12は、複数のLEDの直列回路で構成されている。なお、光源12は、単体のLEDで構成されていてもよいし、単体又は複数の有機ELあるいはその他の固体光源で構成されていてもよい。
直流生成回路13は、商用交流電源11から電力が供給されている場合(即ち、通常時)に、商用交流電源11から所定の直流電圧を生成する。直流生成回路13は、整流回路31(例えば、ダイオードブリッジ)、コンデンサ32,33、コイル34、ダイオード35、スイッチング素子36(例えば、MOSFET)、制御回路37を備えている。整流回路31は、商用交流電源11により供給される交流電力を脈流電力に変換してコンデンサ32に供給する。コンデンサ32は、整流回路31により供給される脈流電力を平滑して直流電力を出力する。コイル34、ダイオード35、スイッチング素子36、制御回路37は、ブーストコンバータを構成している。このブーストコンバータは、コンデンサ32から出力される直流電力を入力して昇圧することで、入力電圧より高い電圧の直流電力をコンデンサ33から出力する。
光源点灯回路14は、通常時に、直流生成回路13の出力から所定の直流電流を光源12に供給する。光源点灯回路14は、スイッチング素子41(例えば、MOSFET)、制御回路42、コイル43、ダイオード44、コンデンサ45,46を備えている。スイッチング素子41、制御回路42、コイル43、ダイオード44、コンデンサ45は、バックコンバータを構成している。このバックコンバータは、直流生成回路13から出力される直流電力を入力して降圧することで、入力電圧より低い電圧の直流電力をコンデンサ45から出力する。コンデンサ46は、コンデンサ45より大容量であり、コンデンサ45から出力される直流電力により充電されて光源12に直流電力を供給する。
光源点灯回路14のバックコンバータ(特に、コンデンサ45)は、常用電力生成部の例である。常用電力生成部は、外部の常用電源(商用交流電源11)により供給される電力から、光源12に供給する電力を生成する。
光源点灯回路14のバックコンバータが有するコンデンサ45は、常用一次コンデンサの例である。常用一次コンデンサは、光源12に供給する電力として直流電力を生成するコンデンサである。光源点灯回路14のコンデンサ46は、常用二次コンデンサの例である。常用二次コンデンサは、常用一次コンデンサ(コンデンサ45)より大容量のコンデンサである。
非常用電源回路16は、商用交流電源11の停電あるいは点検スイッチ(図示していない)による電源断が発生している場合(即ち、非常時)に、所定の直流電圧を生成する。非常用電源回路16は、停電切替回路61、充電回路62、電池63、スイッチング素子64、制御回路65、トランス66、ダイオード67、コンデンサ68を備えている。停電切替回路61は、商用交流電源11の停電あるいは点検スイッチによる電源断を検知して制御回路65を作動させる。なお、停電切替回路61は、商用交流電源11の電圧や出力波形等を監視して商用交流電源11の停電等を検知するICで構成されていてもよいし、商用交流電源11により作動するリレーの接点(図8参照)で構成されてもよい。充電回路62は、絶縁トランス等の手段を用いて電池63を充電する。電池63は、制御回路65の作動中に直流電力を出力する。スイッチング素子64、制御回路65、トランス66、ダイオード67、コンデンサ68は、フライバックコンバータを構成している。このフライバックコンバータは、電池63から出力される直流電力を入力して昇圧することで、入力電圧より高い電圧の直流電力をコンデンサ68から出力する。
非常用電源回路16の停電切替回路61は、停電検知部の例である。停電検知部は、常用電源(商用交流電源11)の停電を検知する。
非常用電源回路16の電池63は、非常用電源の例である。非常用電源は、常用電源(商用交流電源11)により供給される電力の一部を蓄積する。
非常用点灯回路17は、非常時に、非常用電源回路16の出力から所定の直流電流を光源12に供給する。非常用点灯回路17は、スイッチング素子71、制御回路72、コイル73、ダイオード74、コンデンサ75,76を備えている。スイッチング素子71、制御回路72、コイル73、ダイオード74、コンデンサ75は、バックコンバータを構成している。このバックコンバータは、非常用電源回路16から出力される直流電力を入力して降圧することで、入力電圧より低い電圧の直流電力をコンデンサ75から出力する。コンデンサ76は、コンデンサ75より大容量であり、コンデンサ75から出力される直流電力により充電されて光源12に直流電力を供給する。
非常用点灯回路17のバックコンバータ(特に、コンデンサ75)は、非常用電力生成部の例である。非常用電力生成部は、停電検知部(停電切替回路61)により常用電源(商用交流電源11)の停電が検知されると、非常用電源(電池63)に蓄積された電力から、光源12に供給する電力を生成する。
非常用点灯回路17のバックコンバータが有するコンデンサ75は、非常用一次コンデンサの例である。非常用一次コンデンサは、光源12に供給する電力として直流電力を生成するコンデンサである。非常用点灯回路17のコンデンサ76は、非常用二次コンデンサの例である。非常用二次コンデンサは、非常用一次コンデンサ(コンデンサ75)より大容量のコンデンサである。
接点51,52は、商用交流電源11により作動するリレー(図示していない)の接点である。光源点灯回路14のコンデンサ45は、低電位側が直接、高電位側が接点51(のA側)を介してコンデンサ46に接続されている。同様に、非常用点灯回路17のコンデンサ75は、低電位側が直接、高電位側が接点51(のB側)を介してコンデンサ76に接続されている。また、光源点灯回路14のコンデンサ46は、高電位側が直接、低電位側が接点52(のA側)を介して光源12に接続されている。同様に、非常用点灯回路17のコンデンサ76は、高電位側が直接、低電位側が接点52(のB側)を介して光源12に接続されている。
通常時は、接点51,52のA側が接続されるので、光源点灯回路14のコンデンサ45からコンデンサ46を介して光源12に電力が供給され、光源12が点灯する。非常時は、接点51,52のB側が接続されるので、非常用点灯回路17のコンデンサ75からコンデンサ76を介して光源12に電力が供給され、光源12が点灯する。
接点51,52は、電流の流路を分岐して切り替える切替素子の例であり、照明装置10の電流阻止部を構成している。電流阻止部は、2つの切替素子(接点51,52)を用いて、非常用電力生成部(非常用点灯回路17のバックコンバータ)から常用電力生成部(光源点灯回路14のバックコンバータ)に電流が流れることを阻止するとともに、常用電力生成部(光源点灯回路14のバックコンバータ)から非常用電力生成部(非常用点灯回路17のバックコンバータ)に電流が流れることを阻止する。
本実施の形態では、2つの切替素子のうち1つ(接点51)が、停電検知部(停電切替回路61)により常用電源(商用交流電源11)の停電が検知されているか否かに応じて、常用一次コンデンサ(コンデンサ45)に常用二次コンデンサ(コンデンサ46)が並列に接続される状態(接点51のA側が接続される状態)と、非常用一次コンデンサ(コンデンサ75)に非常用二次コンデンサ(コンデンサ76)が並列に接続される状態(接点51のB側が接続される状態)とを切り替える。
また、2つの切替素子のうち他の1つ(接点52)が、停電検知部(停電切替回路61)により常用電源(商用交流電源11)の停電が検知されているか否かに応じて、常用二次コンデンサ(コンデンサ46)に光源12が並列に接続される状態(接点52のA側が接続される状態)と、非常用二次コンデンサ(コンデンサ76)に光源12が並列に接続される状態(接点52のB側が接続される状態)とを切り替える。
非常時になると、2つの切替素子のうち1つ(接点51)により、常用一次コンデンサ(コンデンサ45)から常用二次コンデンサ(コンデンサ46)が切り離される。そのため、非常時から短時間で通常時に戻り、2つの切替素子(接点51,52)により、常用一次コンデンサ(コンデンサ45)に常用二次コンデンサ(コンデンサ46)が並列に接続され、常用二次コンデンサ(コンデンサ46)に光源12が並列に接続された場合に、常用一次コンデンサ(コンデンサ45)の電圧が上昇していても、常用一次コンデンサ(コンデンサ45)から光源12に過大な電流が流れない。よって、本実施の形態によれば、常用点灯・非常用点灯の切替動作を安全に行うことができる。
本実施の形態において、通常時は、接点51がA側で接続されるので、光源点灯回路14のコンデンサ45からの出力が接点51を介してコンデンサ46に供給される。さらに、接点52がA側で接続されるので、光源12が光源点灯回路14のコンデンサ46からの通常の出力にて点灯する。
非常時は、非常用点灯回路17のスイッチング素子64が動作するので、電池63からの直流電力がトランス66を介してコンデンサ68に供給される。さらに、非常用点灯回路17のスイッチング素子71が動作するので、コンデンサ68からの出力によりコンデンサ75が充電される。接点51がB側で接続されるので、非常用点灯回路17のコンデンサ75からの出力が接点51を介してコンデンサ76に供給される。さらに、接点52がB側で接続されるので、光源12が非常用点灯回路17のコンデンサ76からの出力(前述した通常の出力と同じ出力でもよいし、異なる出力でもよい)にて点灯する。
このように、本実施の形態では、非常時の光源12の直流電流も予め定めた電流値となるように非常用点灯回路17の制御回路72がスイッチング素子71を動作させる。即ち、通常時、非常時ともに所定の出力電流を光源12に供給して光源12を点灯させる。
例えば、点検スイッチにより商用交流電源11からの給電が停止されると、定電流的な特性を有する光源点灯回路14は、接点51,52により光源12が切り離された状態(無負荷)となるため、仮にコンデンサ46が接続されたままだとすると、コンデンサ46の端子電圧が上昇する。その後、すぐに点検スイッチが操作されて商用交流電源11からの給電が再開されると、端子電圧が上昇したコンデンサ46から光源12に過大な電流が流れてしまう。しかし、本実施の形態では、光源12が接点51,52により切り離されると、コンデンサ46が光源点灯回路14から切り離され、コンデンサ46に過大な電圧が充電されることがなくなるため、光源12へ過大な電流が流れることを防止できる。光源点灯回路14のコンデンサ45としては、光源12が再接続された際に光源12にダメージを与えない程度の小容量のコンデンサが選択されるものとする。このコンデンサ45の存在は、接点51,52により通常時・非常時の切替動作が行われた瞬間に光源点灯回路14でまだ出力が発生している場合において、コンデンサ45を有するバックコンバータの動作の安定に寄与する。
実施の形態2.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
図2は、本実施の形態に係る照明装置10の構成を示すブロック図である。
図2において、接点52は、接点51に続いて接続され、通常時に動作する光源点灯回路14と非常時に動作する非常用点灯回路17の低電位側は直接接続されている。
光源点灯回路14のコンデンサ45は、低電位側が直接、高電位側が接点51,52(のA側)を介してコンデンサ46に接続されている。同様に、非常用点灯回路17のコンデンサ75は、低電位側が直接、高電位側が接点51,52(のB側)を介してコンデンサ76に接続されている。また、光源点灯回路14のコンデンサ46は、低電位側が直接、高電位側が接点52(のA側)を介して光源12に接続されている。同様に、非常用点灯回路17のコンデンサ76は、低電位側が直接、高電位側が接点52(のB側)を介して光源12に接続されている。
本実施の形態では、2つの切替素子のうち1つ(接点51)だけでなく、他の1つ(接点52)も、停電検知部(停電切替回路61)により常用電源(商用交流電源11)の停電が検知されているか否かに応じて、常用一次コンデンサ(コンデンサ45)に常用二次コンデンサ(コンデンサ46)が並列に接続される状態(接点52のA側が接続される状態)と、非常用一次コンデンサ(コンデンサ75)に非常用二次コンデンサ(コンデンサ76)が並列に接続される状態(接点52のB側が接続される状態)とを切り替える。
なお、本実施の形態でも、実施の形態1と同様に、2つの切替素子のうち他の1つ(接点52)が、停電検知部(停電切替回路61)により常用電源(商用交流電源11)の停電が検知されているか否かに応じて、常用二次コンデンサ(コンデンサ46)に光源12が並列に接続される状態(接点52のA側が接続される状態)と、非常用二次コンデンサ(コンデンサ76)に光源12が並列に接続される状態(接点52のB側が接続される状態)とを切り替える。
非常時になると、2つの切替素子(接点51,52)により、常用一次コンデンサ(コンデンサ45)から常用二次コンデンサ(コンデンサ46)が切り離される。そのため、実施の形態1と同様に、非常時から短時間で通常時に戻り、2つの切替素子(接点51,52)により、常用一次コンデンサ(コンデンサ45)に常用二次コンデンサ(コンデンサ46)が並列に接続され、常用二次コンデンサ(コンデンサ46)に光源12が並列に接続された場合に、常用一次コンデンサ(コンデンサ45)の電圧が上昇していても、常用一次コンデンサ(コンデンサ45)から光源12に過大な電流が流れない。よって、本実施の形態によれば、実施の形態1と同様に、常用点灯・非常用点灯の切替動作を安全に行うことができる。
本実施の形態において、低電位回路中には切替素子が含まれない。したがって、装置の動作の信頼性が高まる。
実施の形態3.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
図3は、本実施の形態に係る照明装置10の構成を示すブロック図である。
図3において、照明装置10は、図1に示した実施の形態1の構成と異なり、接点52を備えていない。また、照明装置10は、コンデンサ46,76の同時充電を防止するためのダイオード81,82を備えている。
通常時に動作する光源点灯回路14のコンデンサ45は、実施の形態1と同様に、低電位側が直接、高電位側が接点51(のA側)を介してコンデンサ46に接続されている。同様に、非常用点灯回路17のコンデンサ75は、低電位側が直接、高電位側が接点51(のB側)を介してコンデンサ76に接続されている。光源点灯回路14のコンデンサ46は、実施の形態1と異なり、高電位側が直接、低電位側がダイオード81を介して光源12に接続されている。同様に、非常用点灯回路17のコンデンサ76は、高電位側が直接、低電位側がダイオード82を介して光源12に接続されている。
ダイオード81は、非常用二次コンデンサ(コンデンサ76)から常用二次コンデンサ(コンデンサ46)に電流が流れることを阻止する整流素子の例である。ダイオード82は、常用二次コンデンサ(コンデンサ46)から非常用二次コンデンサ(コンデンサ76)に電流が流れることを阻止する整流素子の例である。接点51、ダイオード81,82は、照明装置10の電流阻止部を構成している。電流阻止部は、1つの切替素子(接点51)と2つのダイオード81,82とを用いて、非常用電力生成部(非常用点灯回路17のバックコンバータ)から常用電力生成部(光源点灯回路14のバックコンバータ)に電流が流れることを阻止するとともに、常用電力生成部(光源点灯回路14のバックコンバータ)から非常用電力生成部(非常用点灯回路17のバックコンバータ)に電流が流れることを阻止する。
本実施の形態では、1つの切替素子(接点51)が、停電検知部(停電切替回路61)により常用電源(商用交流電源11)の停電が検知されているか否かに応じて、常用一次コンデンサ(コンデンサ45)に常用二次コンデンサ(コンデンサ46)が並列に接続される状態(接点51のA側が接続される状態)と、非常用一次コンデンサ(コンデンサ75)に非常用二次コンデンサ(コンデンサ76)が並列に接続される状態(接点51のB側が接続される状態)とを切り替える。
非常時になると、切替素子(接点51)により、常用一次コンデンサ(コンデンサ45)から常用二次コンデンサ(コンデンサ46)が切り離される。そのため、実施の形態1と同様に、非常時から短時間で通常時に戻り、切替素子(接点51)により、常用一次コンデンサ(コンデンサ45)に常用二次コンデンサ(コンデンサ46)が並列に接続された場合に、常用一次コンデンサ(コンデンサ45)の電圧が上昇していても、常用一次コンデンサ(コンデンサ45)から光源12に過大な電流が流れない。よって、本実施の形態によれば、実施の形態1と同様に、常用点灯・非常用点灯の切替動作を安全に行うことができる。なお、非常時になったとき、ダイオード81により、非常用二次コンデンサ(コンデンサ76)から常用二次コンデンサ(コンデンサ46)に電流が流れることが阻止されるため、実施の形態1のように、常用二次コンデンサ(コンデンサ46)から光源12を切り離す必要はない。
本実施の形態において、通常時は接点51のA側から電力が供給されており、光源点灯回路14の出力は光源12に流れ、かつ、光源点灯回路14のコンデンサ46を充電し、さらにコンデンサ46からダイオード81を通って光源12に電流が供給される。このとき、非常用点灯回路17のコンデンサ76にはダイオード82が阻止するので電流が流れない。非常時には接点51のB側から非常用点灯回路17の電力が供給され、非常用点灯回路17のコンデンサ76はダイオード82の作用により光源12に電流を供給する。本実施の形態では、接点51が1つでもダイオード81,82の作用によりコンデンサ46,76を分離することができる。また、光源点灯回路14のコンデンサ46が短絡故障したときでもダイオード81により分離されているので非常用点灯回路17からの点灯が支障なく行える。
実施の形態4.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
図4は、本実施の形態に係る照明装置10の構成を示すブロック図である。
図4において、照明装置10は、図1に示した実施の形態1の構成と異なり、非常用点灯回路17、接点52を備えていない。また、照明装置10は、コンデンサ46,69の同時充電を防止するためのダイオード81,82を備えている。
光源点灯回路14は、図1に示したコイル43の代わりに、電力の入力側(一次側)と出力側(二次側)とを絶縁するトランス47を備えている。スイッチング素子41、制御回路42、ダイオード44、コンデンサ45、トランス47は、フライバックコンバータを構成している。即ち、光源点灯回路14は、バックコンバータではなく、フライバックコンバータを備えている。
光源点灯回路14のフライバックコンバータ(特に、コンデンサ45)は、常用電力生成部の例である。
非常用電源回路16は、図1に示した停電切替回路61、充電回路62、電池63、スイッチング素子64、制御回路65、トランス66、ダイオード67、コンデンサ68に加えて、コンデンサ69を備えている。コンデンサ69は、コンデンサ68より大容量であり、コンデンサ68から出力される直流電力により充電されて光源12に直流電力を供給する。
本実施の形態では、非常点灯用のバックコンバータを使用していないが、非常用電源回路16のフライバックコンバータが予め設定された電流を光源12に供給するようになっている。
非常用電源回路16のフライバックコンバータ(特に、コンデンサ68)は、非常用電力生成部の例である。非常用電力生成部は、停電検知部(停電切替回路61)により常用電源(商用交流電源11)の停電が検知されると、非常用電源(電池63)に蓄積された電力から、光源12に供給する電力を生成する。
非常用電源回路16のフライバックコンバータが有するコンデンサ68は、非常用一次コンデンサの例である。非常用一次コンデンサは、光源12に供給する電力として直流電力を生成するコンデンサである。非常用電源回路16のコンデンサ69は、非常用二次コンデンサの例である。非常用二次コンデンサは、非常用一次コンデンサ(コンデンサ68)より大容量のコンデンサである。
通常時に動作する光源点灯回路14のコンデンサ45は、高電位側が直接、低電位側が接点51(のA側)を介してコンデンサ46に接続されている。同様に、非常用電源回路16のコンデンサ68は、高電位側が直接、低電位側が接点51(のB側)を介してコンデンサ69に接続されている。光源点灯回路14のコンデンサ46は、低電位側が直接、高電位側がダイオード81を介して光源12に接続されている。同様に、非常用電源回路16のコンデンサ69は、低電位側が直接、高電位側がダイオード82を介して光源12に接続されている。なお、光源点灯回路14のコンデンサ45は、実施の形態1と同様に、低電位側が直接、高電位側が接点51(のA側)を介してコンデンサ46に接続されていてもよい。この場合、非常用電源回路16のコンデンサ68も、低電位側が直接、高電位側が接点51(のB側)を介してコンデンサ69に接続される。
ダイオード81は、非常用二次コンデンサ(コンデンサ69)から常用二次コンデンサ(コンデンサ46)に電流が流れることを阻止する整流素子の例である。ダイオード82は、常用二次コンデンサ(コンデンサ46)から非常用二次コンデンサ(コンデンサ69)に電流が流れることを阻止する整流素子の例である。接点51、ダイオード81,82は、照明装置10の電流阻止部を構成している。電流阻止部は、1つの切替素子(接点51)と2つのダイオード81,82とを用いて、非常用電力生成部(非常用電源回路16のフライバックコンバータ)から常用電力生成部(光源点灯回路14のフライバックコンバータ)に電流が流れることを阻止するとともに、常用電力生成部(光源点灯回路14のフライバックコンバータ)から非常用電力生成部(非常用電源回路16のフライバックコンバータ)に電流が流れることを阻止する。
本実施の形態では、実施の形態3と同様に、1つの切替素子(接点51)が、停電検知部(停電切替回路61)により常用電源(商用交流電源11)の停電が検知されているか否かに応じて、常用一次コンデンサ(コンデンサ45)に常用二次コンデンサ(コンデンサ46)が並列に接続される状態(接点51のA側が接続される状態)と、非常用一次コンデンサ(コンデンサ68)に非常用二次コンデンサ(コンデンサ69)が並列に接続される状態(接点51のB側が接続される状態)とを切り替える。よって、実施の形態3と同様の効果が得られる。
本実施の形態において、通常時・非常時で光源12を点灯する回路は、両方ともトランス47,66を用いた絶縁回路となっている。そのため、光源12の絶縁性が高まる。また、通常時・非常時で光源12を点灯する回路の少なくとも片方を絶縁形の構成にすることで、接点51を用いた切替の構成を簡易化できる。さらに、本実施の形態では、実施の形態3と同様に、光源点灯回路14のコンデンサ46が短絡故障したときでもダイオード81により分離されているので非常用電源回路16からの点灯が支障なく行える。
実施の形態5.
本実施の形態について、主に実施の形態4との差異を説明する。
図5は、本実施の形態に係る照明装置10の構成を示すブロック図である。
図5において、照明装置10は、図4に示した実施の形態4の構成と異なり、接点51を備えていない。
光源点灯回路14は、図4に示したコンデンサ46を備えていない。
光源点灯回路14のフライバックコンバータが有するコンデンサ45は、常用コンデンサの例である。常用コンデンサは、光源12に供給する電力として直流電力を生成するコンデンサである。
非常用電源回路16は、図4に示したコンデンサ69を備えていない。
非常用電源回路16のフライバックコンバータが有するコンデンサ68は、非常用コンデンサの例である。非常用コンデンサは、光源12に供給する電力として直流電力を生成するコンデンサである。
通常時に動作する光源点灯回路14のコンデンサ45は、低電位側が直接、高電位側がダイオード81を介して光源12に接続されている。同様に、非常用電源回路16のコンデンサ68は、低電位側が直接、高電位側がダイオード82を介して光源12に接続されている。
ダイオード81は、非常用コンデンサ(コンデンサ68)から常用コンデンサ(コンデンサ45)に電流が流れることを阻止する整流素子の例である。ダイオード82は、常用コンデンサ(コンデンサ45)から非常用コンデンサ(コンデンサ68)に電流が流れることを阻止する整流素子の例である。ダイオード81,82は、照明装置10の電流阻止部を構成している。電流阻止部は、2つのダイオード81,82を用いて、非常用電力生成部(非常用電源回路16のフライバックコンバータ)から常用電力生成部(光源点灯回路14のフライバックコンバータ)に電流が流れることを阻止するとともに、常用電力生成部(光源点灯回路14のフライバックコンバータ)から非常用電力生成部(非常用電源回路16のフライバックコンバータ)に電流が流れることを阻止する。
本実施の形態において、切替素子は不要である。この構成を実現するために、光源点灯回路14と非常用電源回路16の少なくとも片方の出力側に絶縁形のトランス47,66を使用している。したがって、点検スイッチ(図示していない)により停電動作を行うと、光源点灯回路14は、コンデンサ33からのエネルギー供給が続く限りは光源12に電力を供給し続け、非常用電源回路16も、電池63からの給電が始まれば光源12に電力を供給する。しかし、ダイオード81,82によって光源点灯回路14と非常用電源回路16は分離されているので、光源12への給電元が自動的に切り替わる。本実施の形態では、切替素子を使用しないので、光源12が常にコンデンサ45,68と接続された状態となるため、図4に示したコンデンサ46,69は不要となる。さらに、本実施の形態では、実施の形態4と同様に、光源点灯回路14のコンデンサ45が短絡故障したときでもダイオード81により分離されているので非常用電源回路16からの点灯が支障なく行える。
実施の形態6.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
図6は、本実施の形態に係る照明装置10の構成を示すブロック図である。
図6において、照明装置10は、図1に示した実施の形態1の構成と異なり、停電検知回路18、コンデンサ83を備えている。
光源点灯回路14は、図1に示したコンデンサ46を備えていない。
非常用電源回路16は、図1に示したものと異なり、リレーの接点で構成される停電切替回路61を備えている。
非常用点灯回路17は、図1に示したコンデンサ76を備えていない。
停電検知回路18は、停電検知部の例である。停電検知部は、常用電源(商用交流電源11)の停電を検知していなければ、常用電力生成部(光源点灯回路14のバックコンバータ)に直流電力を生成させる。一方、停電検知部は、常用電源(商用交流電源11)の停電を検知していれば、常用電力生成部(光源点灯回路14のバックコンバータ)の動作を停止させて、非常用電力生成部(非常用点灯回路17のバックコンバータ)に直流電力を生成させる。
コンデンサ83には、光源12が並列に接続されている。コンデンサ83は、共用二次コンデンサの例である。共用二次コンデンサは、常用一次コンデンサ(コンデンサ45)及び非常用一次コンデンサ(コンデンサ75)より大容量のコンデンサである。
本実施の形態では、2つの切替素子(接点51,52)が、停電検知部(停電検知回路18)により常用電源(商用交流電源11)の停電が検知されているか否かに応じて、常用一次コンデンサ(コンデンサ45)に共用二次コンデンサ(コンデンサ83)が並列に接続される状態と、非常用一次コンデンサ(コンデンサ75)に共用二次コンデンサ(コンデンサ83)が並列に接続される状態とを切り替える。
本実施の形態において、停電検知回路18は、点検スイッチ(図示していない)での停電を検知すると、直流生成回路13のコンデンサ33に電荷が蓄積されていても、速やかに光源点灯回路14のスイッチング素子41の動作を停止させる。これにより停電時に光源点灯回路14からの出力を速やかに停止させることができる。停電検知回路18は、例えば、商用交流電源11の電圧等を判別するもので構成できる。非常用電源回路16の停電切替回路61は、前述したように、リレーの接点として作動し、停電等の非常時に電池63の電力の供給を開始する。コンデンサ83は、通常時・非常時の両方で光源12に電流を供給するための動作を行う。
通常時は、共用のコンデンサ83を利用して光源12に電流が供給され、光源12が点灯する。停電になると、非常用電源回路16からの給電により所定の出力で光源12が点灯するが、コンデンサ83が共用されているので、停電動作に切り替わったときには、容量の小さなコンデンサ45からの供給が停止しても短時間は共用のコンデンサ83から電流が供給され続けており、共用のコンデンサ83の電圧は光源12を点灯し得る電圧に近い状態である。このときに、非常用電源回路16からの給電に切り替わると、実施の形態5等で非常点灯用のコンデンサ(コンデンサ68等)を充電するために必要な時間がかからないため、非常点灯の開始にかかる時間を大幅に短縮できる。即ち、共用のコンデンサ83を用いることで、非常時に速やかに光源12を点灯させることができる。
なお、本実施の形態において、光源点灯回路14と非常用点灯回路17とのうち少なくとも片方に絶縁されたトランスを使用するのであれば、両方の回路の低電位側を直接接続することが可能となり、その場合は接点52が不要となる。
実施の形態7.
本実施の形態について、主に実施の形態5との差異を説明する。
図7は、本実施の形態に係る照明装置10の構成を示すブロック図である。
図7において、照明装置10は、図5に示した実施の形態5の構成と異なり、ダイオード81,82を備えていない。また、照明装置10は、コンデンサ83を備えている。
光源点灯回路14のフライバックコンバータは、図5に示したコンデンサ45の代わりに、共用のコンデンサ83を有している。即ち、光源点灯回路14のフライバックコンバータは、スイッチング素子41、制御回路42、ダイオード44、コンデンサ83、トランス47で構成されている。
光源点灯回路14のトランス47は、常用トランスの例である。光源点灯回路14のダイオード44は、整流素子の例である。
非常用電源回路16のフライバックコンバータは、図5に示したコンデンサ68の代わりに、共用のコンデンサ83を有している。即ち、非常用電源回路16のフライバックコンバータは、スイッチング素子64、制御回路65、トランス66、ダイオード67、コンデンサ83で構成されている。
非常用電源回路16のトランス66は、非常用トランスの例である。非常用電源回路16のダイオード67は、整流素子の例である。
コンデンサ83には、光源12が並列に接続されている。
本実施の形態では、ダイオード44が、非常用トランス(トランス66)から常用トランス(トランス47)に電流が流れることを阻止し、ダイオード67が、常用トランス(トランス47)から非常用トランス(トランス66)に電流が流れることを阻止する。
本実施の形態において、ダイオード44,67は、整流機能と共用のコンデンサ83への給電の分離機能を果たしている。通常時・非常時に、光源12には所定の直流電流が供給され、光源12が点灯する。本実施の形態では、切替手段としてのリレー接点が不要であり、接点を使用したときの切替動作での光源12への供給電流によるアーク発生を防止することができる。さらに、共用のコンデンサ83には光源12が接続されているので、点検スイッチ(図示していない)での点検動作時に光源点灯回路14が無負荷状態となって出力側のコンデンサに高い電圧が充電されることを回避できる。また、常用点灯から非常点灯に切り替わる際に、共用のコンデンサ83に電荷が残留していることが期待できるので、実施の形態6と同様に、非常点灯の開始にかかる時間を大幅に短縮できる。また、共用のコンデンサ83の充電を分離するためのダイオードとして、コンバータの整流用のダイオード44,67を流用することができる。コンバータがバックコンバータとして構成されている場合は、(図4のダイオード81,82のように)その出力側にダイオードを挿入すればよい。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、これらの実施の形態のうち、2つ以上を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、1つを部分的に実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、2つ以上を部分的に組み合わせて実施しても構わない。なお、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
図8は、実施の形態1に係る照明装置10の動作を示すタイミング図である。
図8において、商用交流電源11は時刻T1で停電になっている。光源点灯回路14は、通常時は直流生成回路13のコンデンサ33に蓄積されたエネルギーで停電後、時刻T2までしばらくの間は電力を供給し続ける。切替手段であるリレーの接点51,52により時刻T3で常用点灯から非常用点灯に切り替わる。非常用電源回路16からの電力供給が時刻T4で開始する。光源12は、通常時は大きな電流i1で、非常時はそれより小さな電流i2で点灯する。
このように常用点灯と非常用点灯が切り替えられるのが理想的であるが、常用点灯の出力が長く継続すると、接点51,52が先に切り替わってしまうおそれがある。即ち、時刻T2が時刻T3の後になってしまうことがある。その場合、接点51,52でアークが発生する可能性がある。例えば、実施の形態6のような停電検知回路18を用いて、常用点灯している光源点灯回路14の動作を強制的に停止させれば、アークが発生しないか、あるいは、発生しても短時間でアークを消滅させることができる。
非常時の点灯開始までに要する時間を短縮するには、実施の形態6のように、共用のコンデンサ83を用いることが有効である。また、例えば、非常用点灯で使用するコンデンサ76の容量を常用点灯で使用するコンデンサ46の容量より小さくすることも有効である。
直流生成回路13には、昇圧コンバータを使用した力率改善回路を用いているが、力率改善回路として他の構成を使用してもよい。整流回路の出力端子に小容量のコンデンサを備えたものや部分平滑回路等と称される高力率回路も使用できる。
光源点灯回路14には、バックコンバータ、フライバックコンバータ、あるいは、その他の構成を使用することができる。
非常用電源回路16には、電池63の電力を光源12に供給し非常時に点灯できる構成であれば、前述した構成以外を使用してもよい。
常用点灯・非常用点灯を行う点灯回路の両方又は片方に絶縁形の出力となっているものを使用した場合、切替手段(接点51,52)を簡素化(数の削減)等することができる。
光源12としては、LEDを使用した直管形状のもの、LEDを適宜照明器具に適するように基板上に配置したもの等、種々のものを使用できる。
実施の形態1〜4によれば、定電流的な特性を有する装置を光源点灯回路14に使用しても点検操作等により光源12のLEDが外れた側の装置の出力電圧が上昇してこれを充電保持してしまい再接続したときにLEDに過大な電流が流れることを防止できるばかりでなく、光源点灯回路14の出力コンデンサが短絡故障しても非常時には確実に点灯できるので信頼性が向上する。
実施の形態3,4によれば、さらに分離用のダイオード81,82を用いることで切替手段が一組で済むという装置の簡素化ができる。
実施の形態5によれば、さらに切替手段がなくても済む利点がある。
実施の形態6によれば、さらに光源12側に使用するコンデンサ83を常用・非常用で兼用するので装置が小形化できる。
通常時と非常時に光源12へ供給する直流電流は使用する光源や照明器具により適宜設定すればよく、例えば非常時には通常時の50%の出力比にするといったことが考えられる。また、通常時に調光できてもよい。例えば、光源12の電流を検出して、これを予め設定した目標電流値と比較して光源12の出力を制御する等の技術が使用できる。