JP2018048914A - 白色干渉装置及び白色干渉装置の計測方法 - Google Patents

白色干渉装置及び白色干渉装置の計測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】測定対象物の厚みと屈折率とを同時に測定可能な白色干渉装置及びこの白色干渉装置の計測方法を提供する。【解決手段】白色光源から出射した白色光を測定光と参照光とに分割する光分割部と、光分割部と、測定光路に配置された測定対象物との間の測定光の距離を変化させる距離変化部と、距離変化部による距離の変化が実行されている場合に干渉信号を検出する干渉信号検出部と、測定対象物の第1面に測定光の焦点が合う第1距離と、測定対象物の第2面に測定光の焦点が合う第2距離と、を検出する第1検出部と、第1面で反射された測定光に対応する干渉信号のピークが検出される第3距離と、第2面で反射された測定光に対応する干渉信号のピークが検出される第4距離と、を検出する第2検出部と、測定対象物の屈折率、及び厚みを演算する演算部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、測定対象物の屈折率及び厚みを計測する白色干渉装置及びこの白色干渉装置の計測方法に関する。
コヒーレントな光の干渉によって生じる干渉縞を検出する所謂干渉法を用いた干渉計が知られている。干渉法とは、単一の波長をマイケルソン干渉計などの光学干渉計によって干渉させた際に、波長の整数倍に近付くに従って輝度が高くなり、その中間に近付くに従って輝度が低くなる特性を利用して、干渉光の波長及び位相差を長さ測定に応用する技術である。
このような干渉法のうち白色干渉法(低コヒーレンス干渉法)は、コヒーレンス長(干渉縞を得ることのできる最大の光路差)の短い白色光源を用いる手法であり、測定対象物の微細な形状を非接触で測定する場合によく利用されている。この白色干渉法を用いた白色干渉装置では、白色光源から出射された白色光を測定光と参照光とに分割し、測定光を測定対象物に出射すると共に参照光を参照ミラーに出射して、測定対象物にて反射された測定光と、参照ミラーで反射された参照光との干渉信号を撮像素子で検出する。そして、近年では、この白色干渉装置を用いて測定対象物の厚みの計測が行われている(特許文献1及び非特許文献1〜3参照)。
特開2013−2934号公報
"反射分光膜厚測定"、[online]、[平成28年7月31日検索]、インターネット〈http://www.lasertec.co.jp/products/special/hybrid/measurement/reflect.html?gclid=CMzusdSasssCFYEIvAodiB0HJg〉 "光干渉法による透明膜の測定"、[online]、[平成28年7月31日検索]、インターネット〈http://kitagawa.image.coocan.jp/SP-tech4.pdf〉 "白色光干渉計膜厚測定装置(OPTOSCOPE WLI)"、[online]、[平成28年7月31日検索]、インターネット〈https://www.altech.co.jp/item/mahlo〉
しかしながら、上記特許文献1及び非特許文献1〜3に記載の白色干渉装置では、屈折率が既知の測定対象物を厚み計測の対象としている。このため、各文献に記載の白色干渉装置では、正確な屈折率が未知の測定対象物の厚み計測を行う場合に、屈折率の推定値を用いる必要があり、厚み計測の結果に誤差が生じるという問題が生じていた。また、屈折率が1以外の測定対象物の厚み計測を行う場合、屈折率に対する光学系の焦点距離の変化率と、屈折率に対する測定光の光路長の変化率とが異なるため、白色干渉法による厚み計測が困難であるという問題が生じていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、測定対象物の厚みと屈折率とを同時に測定可能な白色干渉装置及びこの白色干渉装置の計測方法を提供することを目的とする。
本発明の目的を達成するための白色干渉装置は、白色光を出射する白色光源と、白色光源から出射した白色光を測定光と参照光とに分割して、測定光を測定光路に出射し、且つ参照光を参照光路に出射する光分割部と、光分割部と、測定光路に配置された測定対象物との間の測定光の距離を変化させる距離変化部と、測定対象物にて反射された測定光と、参照光路を経た参照光との干渉信号を検出する干渉信号検出部であって、且つ距離変化部による距離の変化が実行されている場合に干渉信号を検出する干渉信号検出部と、干渉信号検出部が検出した距離ごとの干渉信号に基づき、測定対象物の測定光が入射する側の第1面に測定光の焦点が合う第1距離と、測定対象物の第1面とは反対側の第2面に測定光の焦点が合う第2距離と、を検出する第1検出部と、干渉信号検出部が検出した距離ごとの干渉信号に基づき、第1面で反射された測定光に対応する干渉信号のピークが検出される第3距離と、第2面で反射された測定光に対応する干渉信号のピークが検出される第4距離と、を検出する第2検出部と、第1検出部及び第2検出部の双方の検出結果に基づき、測定対象物の屈折率、及び測定対象物の第1面と第2面との間の厚みを演算する演算部と、を備える。
この白色干渉装置によれば、屈折率が未知の測定対象物であってもその屈折率及び厚みを同時に計測することができる。
本発明の他の態様に係る白色干渉装置において、干渉信号検出部は、複数の画素を有する撮像素子であり、撮像素子の画素毎に干渉信号を検出し、第1検出部は、画素毎の干渉信号に基づき、画素毎に第1距離及び第2距離を検出し、第2検出部は、画素毎の干渉信号に基づき、画素毎に第3距離及び第4距離を検出し、演算部は、屈折率及び厚みを画素毎に演算する。これにより、測定対象物の屈折率分布及び厚み分布を把握することができる。
本発明の他の態様に係る白色干渉装置において、第1検出部が検出した画素毎の第1距離及び第2距離に基づき、撮像素子が画素毎に検出した干渉信号から、測定対象物の第1面及び第2面の全焦点画像を生成する全焦点画像生成部を備える。これにより、測定対象物の屈折率及び厚みの計測に加えて、第1面及び第2面の全焦点画像を同時に生成することができる。
本発明の他の態様に係る白色干渉装置において、第2検出部が検出した画素毎の第3距離に基づき、測定対象物の第1面の三次元形状データを生成し、且つ第2検出部が検出した画素毎の第4距離に基づき、測定対象物の第2面の三次元形状データを生成する三次元形状データ生成部を備える。これにより、測定対象物の屈折率及び厚みの計測に加えて、第1面及び第2面の三次元形状データを同時に生成することができる。
本発明の他の態様に係る白色干渉装置において、第1距離をLとし、第2距離をL+ΔLとし、第3距離をRとし、第4距離をR+ΔRとし、屈折率をnとし、厚みをtとした場合、演算部は、屈折率及び厚みを下記の式、
n=ΔR/ΔL
t=ΔR/ΔL(ΔR−ΔL)
を用いて演算する。これにより、測定対象物の屈折率及び厚みを同時に計測することができる。
本発明の他の態様に係る白色干渉装置において、測定対象物が複数層積層されている場合、第1検出部は、第1距離及び第2距離を測定対象物の層毎に検出し、第2検出部は、第3距離及び第4距離を測定対象物の層毎に検出し、演算部は、屈折率及び厚みを測定対象物の層毎に演算する。これにより、屈折率が未知の測定対象物が複数層積層されている積層体であってもその層毎に屈折率及び厚みを同時計測することができる。
本発明の他の態様に係る白色干渉装置において、任意の自然数をKとし、測定光が入射する側から第K層目の測定対象物の屈折率及び厚みをそれぞれnK及びtKとした場合、第K層目の測定対象物の第1距離が下記(1)式で表され、且つ第2距離が下記(2)式で表され、且つ第3距離が下記(3)式で表され、且つ第4距離が下記(4)式で表され、演算部は、第K層目の測定対象物の屈折率及び厚みを、下記の(5)式及び(6)式、
を用いて演算する。これにより、屈折率が未知の測定対象物が複数層積層されている積層体であってもその層毎に屈折率及び厚みを同時計測することができる。
本発明の目的を達成するための白色干渉装置の計測方法は、白色光源から白色光を出射する出射ステップと、白色光源から出射した白色光を光分割部により測定光と参照光とに分割して、測定光を測定光路に出射し、且つ参照光を参照光路に出射する光分割ステップと、光分割部と、測定光路に配置された測定対象物との間の測定光の距離を変化させる距離変化ステップと、測定対象物にて反射された測定光と、参照光路を経た参照光との干渉信号を検出する干渉信号検出ステップであって、且つ距離変化ステップで距離の変化が実行されている場合に干渉信号を検出する干渉信号検出ステップと、干渉信号検出ステップで検出した距離ごとの干渉信号に基づき、測定対象物の測定光が入射する側の第1面に測定光の焦点が合う第1距離と、測定対象物の第1面とは反対側の第2面に測定光の焦点が合う第2距離と、を検出する第1検出ステップと、干渉信号検出ステップで検出した距離ごとの干渉信号に基づき、第1面で反射された測定光に対応する干渉信号のピークが検出される第3距離と、第2面で反射された測定光に対応する干渉信号のピークが検出される第4距離と、を検出する第2検出ステップと、第1検出ステップ及び第2検出ステップの双方の検出結果に基づき、測定対象物の屈折率、及び測定対象物の第1面と第2面との間の厚みを演算する演算ステップと、を有する。
本発明の白色干渉装置及び白色干渉装置の計測方法は、測定対象物の厚みと屈折率とを同時に測定することができる。
本発明の第1実施形態の白色干渉装置の構成を示す概略図である。 白色光源から出射される白色光の波長スペクトルの一例を示した説明図である。 撮像素子の撮像面の画素毎に得られる干渉信号の強度(縦軸)と、測定光及び参照光の距離差(横軸)との関係を示したグラフである。 第1面で焦点高さ位置と干渉ピーク高さ位置とが一致する状態を説明するための説明図である。 一定の厚みの測定対象物の屈折率に対する計測光学系の焦点距離、及び屈折率に対する計測光学系から第2面までの測定光の光路長の関係を示したグラフである。 制御装置の機能ブロック図である。 第1実施形態の白色干渉装置による屈折率及び厚みの計測処理の流れを示すフローチャートである。 第2実施形態の白色干渉装置における屈折率及び厚みの計測対象を説明するための説明図である。 積層体から第2ビームスプリッタへ反射される測定光を説明するための説明図である。 計測光学系を上方向側から下方向側に移動させた場合に、測定光の焦点が合う計測光学系の焦点高さ位置と、反射した各測定光に対応する干渉信号の干渉ピークが検出される計測光学系の干渉ピーク高さ位置とを説明するための説明図である。 第2実施形態の白色干渉装置による屈折率及び厚みの計測処理の流れを示すフローチャートである。 第3実施形態の白色干渉装置の制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 全焦点画像及び三次元形状データの生成を説明するための説明図である。
[第1実施形態の白色干渉装置の構成]
図1は、本発明の第1実施形態の白色干渉装置10の構成を示す概略図である。図1に示すように、白色干渉装置10は、白色干渉法を用いて測定対象物11の屈折率及び厚みを同時計測(測定)する。
白色干渉装置10は、ステージ13と、白色光源14と、ライトガイド15と、計測光学系16と、移動機構17と、制御装置18と、を備える。
ステージ13上には、透明な略平板状の測定対象物11が配置される。なお、ここでいう透明とは、後述の白色光源14から出射される白色光Bに対する光透過性を有していることであり、必ずしも無色透明である必要はない。
図2は、白色光源14から出射される白色光Bの波長スペクトルの一例を示した説明図である。白色光源14は、可視光領域の光(波長約400nm−800nm)として、例えば図2に示した波長スペクトルの白色光B(広帯域光ともいう)をライトガイド15へ出射する。なお、白色光源14から出射される白色光Bの波長スペクトルは、図2に示した例に限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
図1に戻って、ライトガイド15は、その一端が白色光源14に接続し、且つその他端が計測光学系16(コリメータ23)に接続した光ファイバケーブルである。このライトガイド15は、白色光源14から出射した白色光Bを、計測光学系16(コリメータ23)に入射させる。
計測光学系16は、筐体21と、鏡筒22と、コリメータ23と、第1ビームスプリッタ24と、第2ビームスプリッタ25と、参照ミラー26と、撮像素子27とを備えており、後述の移動機構17により上下方向に移動自在に保持されている。
筐体21の内部には、測定対象物11の鉛直上方側の位置において、鏡筒22が上下方向に平行な姿勢で保持される。また、筐体21の測定対象物11に対向する対向面(下面)には、第2ビームスプリッタ25が、鏡筒22と測定対象物11との間に位置するように固定されている。さらに、筐体21の対向面には、第2ビームスプリッタ25から上下方向に対して垂直方向にずれた位置に参照ミラー26が固定されている。さらにまた、筐体21は、鏡筒22内の第1ビームスプリッタ24から垂直方向にずれた位置にコリメータ23を保持している。
コリメータ23は、ライトガイド15を介して白色光源14から入射された白色光B(拡散光)を平行光に変換し、平行光に変換した白色光Bを鏡筒22内の第1ビームスプリッタ24に入射させる。
第1ビームスプリッタ24は、鏡筒22内で且つコリメータ23との接続部分に設けられている。第1ビームスプリッタ24は、コリメータ23から入射した白色光B(平行光)を鏡筒22の下方側に位置する第2ビームスプリッタ25に向けて反射する。また、第1ビームスプリッタ24は、後述の第2ビームスプリッタ25から入射する干渉光B3を鏡筒22内の上方側に位置する撮像素子27に向けてそのまま透過させる。
第2ビームスプリッタ25は、本発明の光分割部に相当するものである。第2ビームスプリッタ25は、第1ビームスプリッタ24から入射した白色光B(平行光)を測定光B1と参照光B2とに分割する。そして、第2ビームスプリッタ25は、測定光B1を第2ビームスプリッタ25の下方側に位置する測定対象物11に向けてそのまま透過させると共に、参照光B2を第2ビームスプリッタ25の側方側に位置する参照ミラー26に向けて反射する。
参照ミラー26は、筐体21の対向面上で且つ参照光B2の光路である参照光路VR上に配置されており、第2ビームスプリッタ25から入射した参照光B2を、第2ビームスプリッタ25に向けて反射する。
第2ビームスプリッタ25から出射した測定光B1は、第2ビームスプリッタ25の下方側で且つ測定光B1の光路である測定光路VM上に配置された測定対象物11の第1面11a(図中上面)に入射する。測定対象物11の第1面11aに入射した測定光B1の一部は第1面11aで反射された後、第2ビームスプリッタ25に入射する。
また、測定対象物11の第1面11aに入射した測定光B1の一部は、測定対象物11の内部を透過して測定対象物11の第1面11aとは反対側の第2面11b(図中下面)で反射された後、測定対象物11の内部を再び透過して第2ビームスプリッタ25に入射する。これにより、第2ビームスプリッタ25から第1ビームスプリッタ24に向けて、測定対象物11の第1面11a及び第2面11bで反射した測定光B1と、参照ミラー26で反射された参照光B2との干渉光B3が出射される。
第2ビームスプリッタ25から出射された干渉光B3は、鏡筒22内の図示しない光学系(例えばミウラ型対物レンズなどを含む)により、拡大平行光化、像面分解能の向上、及び像面湾曲等の収差補正がなされた後、第1ビームスプリッタ24に入射する。そして、干渉光B3は、第1ビームスプリッタ24を透過した後、図示しない結像光学系を介して鏡筒22内の上方側に位置する撮像素子27に入射する。
撮像素子27は、本発明の干渉信号検出部に相当するものであり、鏡筒22内で前述の第1ビームスプリッタ24の上方側に配置されている。この撮像素子27は、CCD(Charge Coupled Device)型又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型のイメージセンサであり、光電変換素子を含む画素が2次元アレイ状に配置された撮像面を有している。そして、撮像素子27は、白色光源14から出射された干渉光B3を撮像面の画素毎に受光し、この干渉光B3を電気信号である干渉信号Sに変換する。
移動機構17は、本発明の距離変化部に相当するものであり、例えばモータ及びギヤ等で構成されている。この移動機構17は、制御装置18の制御の下、計測光学系16を上下方向、すなわち測定光B1の光軸に平行な方向(第1面11a及び第2面11bに垂直な方向)に一体的に移動(走査)させる。これにより、測定対象物11に対する計測光学系16(第2ビームスプリッタ25)の高さ位置、すなわち計測光学系16(第2ビームスプリッタ25)と測定対象物11との間の測定光B1の距離hを変更することができる。なお、移動機構17による計測光学系16の移動は、例えば上下方向に往復移動させてもよいし、上方向から下方向へ或いはその逆方向へ一方向移動させてもよい。
前述の撮像素子27は、移動機構17により計測光学系16を上下方向に移動させている間、干渉光B3を撮像面の画素毎に受光する。これにより、撮像素子27によって、計測光学系16の上下方向の1移動分(1走査分)の干渉信号Sが、撮像面の画素毎に得られる。すなわち、測定対象物11の測定光B1の照射範囲内の各位置に対応する撮像面の画素毎に、1移動分の干渉信号Sが得られる。そして、撮像素子27から制御装置18に対して画素毎の1移動分の干渉信号Sが制御装置18へ出力される。
図3は、撮像素子27の撮像面の画素毎に得られる干渉信号Sの強度(縦軸)と、測定光B1及び参照光B2の距離差(横軸)との関係を示したグラフである。図3に示すように、干渉信号Sの強度は、測定光B1及び参照光B2の距離差がゼロ(ほぼゼロを含む)となる場合に最大強度(干渉ピーク)となる。このため、画素毎に干渉信号Sの強度が最大となる計測光学系16の高さ位置に基づき、詳しくは後述するが、測定対象物11の第1面11a及び第2面11bの三次元形状情報が得られる。
図1に戻って、計測光学系16の筐体21の側面には、上下方向に延びたリニアスケール28が形成されている。また、この筐体21の側方には、リニアスケール28と対向する位置にスケールヘッド29が設けられている。スケールヘッド29は、リニアスケール28の目盛りを読み取って、所定の基準位置(例えばステージ13)に対する計測光学系16(第2ビームスプリッタ25)の高さ位置を検出する。スケールヘッド29が検出する計測光学系16の高さ位置は前述の距離hを示す情報であり、この高さ位置と距離hとの間には1対1の関係が成り立つ。そして、スケールヘッド29は、計測光学系16の高さ位置の検出結果を制御装置18へ出力する。
制御装置18は、パーソナルコンピュータ或いは各種の演算処理装置等が用いられ、白色干渉装置10の各部の動作を統括的に制御する。また、制御装置18は、撮像素子27から出力された撮像信号と、スケールヘッド29から出力された計測光学系16の高さ位置とに基づき、測定対象物11の厚み及び屈折率を演算する。
<屈折率に対する焦点距離及び距離の関係>
本実施形態では、測定対象物11の厚み及び屈折率を演算するため、詳しくは後述するが、計測光学系16を上下方向に移動させながら、第1面11a及び第2面11bにそれぞれ測定光B1の焦点が合う(合焦する)計測光学系16の2種類の高さ位置(距離h)を検出する。また、本実施形態では、第1面11a及び第2面11bにてそれぞれ反射した測定光B1に対応する干渉信号Sの干渉ピークが検出される計測光学系16の2種類の高さ位置(距離h)を検出する。
ここで、本実施形態では、計測光学系16の不図示の対物光学系の焦点距離と、第2ビームスプリッタ25から参照ミラー26までの参照光路VRの距離とが等しくなる。このため、第1面11aに測定光B1の焦点が合う計測光学系16の焦点高さ位置Lと、第1面11aにて反射した測定光B1に対応する干渉信号Sの干渉ピークが検出される計測光学系16の干渉ピーク高さ位置Rとは同じ位置になる。
図4は、第1面11aで焦点高さ位置Lと干渉ピーク高さ位置Rとが一致する状態を説明するための説明図である。図4に示すように、撮像素子27で干渉光B3を撮像して得られた干渉信号Sに基づく撮影画像50内では、干渉信号Sの干渉ピークが干渉縞50aとして現れる。一方、撮影画像50内の干渉縞50aが発生している第1面11a内の領域の像はボケておらず、この領域内では測定光B1の焦点が合っている。このような場合、第1面11a内の干渉縞50aが発生している領域では、焦点高さ位置Lと干渉ピーク高さ位置Rとが同じ位置として検出される。
一方、測定対象物11の第2面11bに測定光B1の焦点が合う計測光学系16の焦点高さ位置L+ΔLと、第2面11bにて反射した測定光B1に対応する干渉信号Sの干渉ピークが検出される計測光学系16の干渉ピーク高さ位置R+ΔRとは、測定光B1が透過する測定対象物11の屈折率の大きさに応じて異なる。
図5は、一定の厚みの測定対象物11の屈折率に対する計測光学系16の焦点距離、及び屈折率に対する計測光学系16から第2面11bまでの測定光B1の光路長の関係を示したグラフである。図5に示すように、測定対象物11の屈折率が1よりも大きくなるのに従って、焦点距離と光路長との差が大きくなる。このため、測定対象物11の屈折率の大きさに応じて、前述の焦点高さ位置L+ΔLと干渉ピーク高さ位置R+ΔRとが異なる位置となる。
従って、制御装置18は、焦点高さ位置Lに対する焦点高さ位置L+ΔLの変化量である焦点高さ位置変化量ΔLと、干渉ピーク高さ位置Rに対する干渉ピーク高さ位置R+ΔRの変化量である干渉ピーク高さ位置変化量ΔRとを求めることで、後述のように、測定対象物11の屈折率及び厚みを演算する。
<制御装置の機能>
図6は、制御装置18の機能ブロック図である。図6に示すように、制御装置18は、例えばCPU(Central Processing Unit)或いはFPGA(field-programmable gate array)を含む各種の演算部と処理部とメモリ等により構成されている。この制御装置18は、メモリ等から読み出した不図示の制御プログラムを実行することで、光源制御部31と、移動制御部32と、干渉信号取得部33と、高さ位置取得部34と、焦点位置検出部35と、干渉ピーク位置検出部36と、焦点位置変化量検出部37と、ピーク位置変化量検出部38と、演算部39と、記憶部40として機能する。
光源制御部31は、白色光源14からの白色光Bの出射を制御する。この光源制御部31は、例えばユーザにより計測開始操作がなされた場合に、白色光源14を起動して白色光源14から白色光Bを出射させる。これにより、撮像素子27にて干渉光B3が受光され、撮像素子27から干渉信号取得部33に対して干渉信号Sが出力される。
移動制御部32は、移動機構17の駆動を制御する。この移動制御部32は、例えばユーザにより計測開始操作がなされた場合に、移動機構17を駆動して、計測光学系16を上下方向に移動(往復移動、一方向移動のいずれでも可)させる。これにより、撮像素子27によって、計測光学系16の上下方向の1移動分(1走査分)の干渉信号Sが、撮像面の画素毎に得られ、画素毎の1移動分の干渉信号Sが撮像素子27から干渉信号取得部33に対して出力される。
干渉信号取得部33は、不図示の有線又は無線の通信インタフェースを介して、撮像素子27から画素毎の1移動分の干渉信号Sを取得し、取得した干渉信号Sを、焦点位置検出部35と干渉ピーク位置検出部36とにそれぞれ出力する。
高さ位置取得部34は、計測光学系16の上下方向の移動が行われている間、不図示の有線又は無線の通信インタフェースを介して、スケールヘッド29から計測光学系16の高さ位置を取得し、取得した計測光学系16の高さ位置を示す情報を、焦点位置検出部35と干渉ピーク位置検出部36とにそれぞれ出力する。これにより、焦点位置検出部35及び干渉ピーク位置検出部36は、画素毎の1移動分の干渉信号Sの各々と、計測光学系16の高さ位置(距離h)との対応関係、すなわち、各干渉信号Sがそれぞれ得られた際の計測光学系16の高さ位置を判別することができる。
焦点位置検出部35は、本発明の第1検出部に相当するものである。この焦点位置検出部35は、干渉信号取得部33から取得した画素毎の1移動分の干渉信号Sを画像解析して、第1面11aに測定光B1の焦点が合う計測光学系16の焦点高さ位置Lと、第2面11bに測定光B1の焦点が合う計測光学系16の焦点高さ位置L+ΔLとを画素毎に検出する。
具体的に、焦点位置検出部35は、画素毎の1移動分の干渉信号Sにそれぞれ基づく測定対象物11の撮影画像50を解析して、第1面11aに測定光B1の焦点が合っている干渉信号S(以下、第1干渉信号Sという)と、第2面11bに測定光B1の焦点が合っている干渉信号S(以下、第2干渉信号Sという)と、を画素毎に検出する。なお、測定光B1が第1面11a又は第2面11bにそれぞれ合焦しているか否かを画像解析により判別する方法は公知技術であるので、ここでは詳細な説明は省略する。また、計測光学系16を上下方向に移動させる際の移動方向も既知であるため、干渉信号Sの取得順序等から、第1干渉信号Sと第2干渉信号Sとを区別して検出することができる。
次いで、焦点位置検出部35は、前述の高さ位置取得部34から入力された情報に基づき、第1干渉信号Sが得られた焦点高さ位置Lと、第2干渉信号Sが得られた焦点高さ位置L+ΔLと、を画素毎に検出する。なお、焦点高さ位置Lは本発明の第1距離に相当する情報であり、焦点高さ位置L+ΔLは本発明の第2距離に相当する情報である。そして、焦点位置検出部35は、画素毎の焦点高さ位置L,L+ΔLの検出結果を、焦点位置変化量検出部37へ出力する。
干渉ピーク位置検出部36は、本発明の第2検出部に相当するものである。干渉ピーク位置検出部36は、画素毎の1移動分の干渉信号Sを解析して、第1面11aにて反射した測定光B1に対応する干渉信号Sの干渉ピークが検出される計測光学系16の干渉ピーク高さ位置Rと、第2面11bにて反射した測定光B1に対応する干渉信号Sの干渉ピークが検出される計測光学系16の干渉ピーク高さ位置R+ΔRと、を画素毎に検出する。
具体的に、干渉ピーク位置検出部36は、画素毎の1移動分の各干渉信号Sの信号強度を解析して、第1面11aにて反射した測定光B1に対応する干渉信号Sの中で干渉ピークが得られる干渉信号S(以下、第3干渉信号Sという)と、第2面11bにて反射した測定光B1に対応する干渉信号Sの中で干渉ピークが得られる干渉信号S(以下、第4干渉信号Sという)と、を画素毎に検出する。なお、計測光学系16を上下方向に移動させる際の移動方向は既知であるため、干渉信号Sの取得順序等から、第3干渉信号Sと第4干渉信号Sとを区別して検出することができる。
次いで、干渉ピーク位置検出部36は、前述の高さ位置取得部34から入力された情報に基づき、第3干渉信号Sが得られた干渉ピーク高さ位置Rと、第4干渉信号Sが得られた干渉ピーク高さ位置R+ΔRと、を画素毎に検出する。なお、干渉ピーク高さ位置Rは本発明の第3距離に相当する情報であり、干渉ピーク高さ位置R+ΔRは本発明の第4距離に相当する情報である。そして、干渉ピーク位置検出部36は、画素毎の干渉ピーク高さ位置R,R+ΔRの検出結果を、ピーク位置変化量検出部38へ出力する。
焦点位置変化量検出部37は、焦点位置検出部35から入力される画素毎の焦点高さ位置L,L+ΔLに基づき、焦点高さ位置Lに対する焦点高さ位置L+ΔLの変化量である焦点高さ位置変化量ΔLを画素毎に検出し、この焦点高さ位置変化量ΔLを演算部39へ出力する。
ピーク位置変化量検出部38は、干渉ピーク位置検出部36から入力される画素毎の干渉ピーク高さ位置R,R+ΔRに基づき、干渉ピーク高さ位置Rに対する干渉ピーク高さ位置R+ΔRの変化量である干渉ピーク高さ位置変化量ΔRを画素毎に検出し、この干渉ピーク高さ位置変化量ΔRを演算部39へ出力する。
演算部39は、前述の焦点位置変化量検出部37及びピーク位置変化量検出部38と共に、本発明の演算部を構成する。この演算部39は、焦点位置変化量検出部37から入力された焦点高さ位置変化量ΔLと、ピーク位置変化量検出部38から入力された干渉ピーク高さ位置変化量ΔRとに基づき、測定対象物11の屈折率と、第1面11aと第2面11bとの間の厚みを画素毎に演算する。以下、屈折率及び厚みを演算するための演算式について説明する。
<屈折率及び厚みの演算式>
測定対象物11の厚みをtとし、屈折率をnとした場合、前述の焦点高さ位置変化量ΔLは下記の[数1]式で表される。また、前述の干渉ピーク高さ位置変化量ΔRは下記の[数2]式で表される。
上記[数2]式を変形すると、厚みtは下記の[数3]式のように表される。そして、下記の[数3]式の厚みtを上記[数1]式に代入することにより、焦点高さ位置変化量ΔLは下記の[数4]式の上段で表される。その結果、下記の[数4]式の下段に示すように、屈折率nが焦点高さ位置変化量ΔL及び干渉ピーク高さ位置変化量ΔRを変数とする式で表される。
そして、上記[数4]式の下段で表される屈折率nを上記[数3]式に代入することで、下記の[数5]式に示すように、厚みtが焦点高さ位置変化量ΔL及び干渉ピーク高さ位置変化量ΔRを変数とする式で表される。
上記[数4]式及び上記[数5]式に示すように、測定対象物11の屈折率n及び厚みtは焦点高さ位置変化量ΔL及び干渉ピーク高さ位置変化量ΔRを変数とする式で表される。このため、演算部39は、画素毎の焦点高さ位置変化量ΔL及び干渉ピーク高さ位置変化量ΔRをそれぞれ上記[数4]式及び上記[数5]式に代入することで、測定対象物11の屈折率及び厚みをそれぞれ画素毎に演算することができる。ここで、画素毎の焦点高さ位置変化量ΔL及び干渉ピーク高さ位置変化量ΔRは、画素毎の焦点高さ位置L,L+ΔL及び干渉ピーク高さ位置R,R+ΔRから得られる測定値であるため、1回の測定(計測光学系16の上下方向の移動)で、測定対象物11の屈折率及び厚みを同時に演算することができる。
演算部39は、測定対象物11に対する画素毎の屈折率及び厚みの演算結果を、記憶部40及び表示部42(無線端末でも可)へそれぞれ出力する。これにより、画素毎の屈折率及び厚みの演算結果が記憶部40に記憶されると共に、表示部42に表示される。なお、画素毎の屈折率及び厚みの演算結果の表示形式は、数値、或いは色分布(明度、彩度、色相のうちのいずれかの要素を演算値に応じて変更)等の各種表示方式が採用される。
[第1実施形態の白色干渉装置の作用]
次に、図7を用いて上記構成の白色干渉装置10による屈折率及び厚みの計測処理について詳しく説明する。図7は、第1実施形態の白色干渉装置10による屈折率及び厚みの計測処理(計測方法)の流れを示すフローチャートである。
ユーザは、測定対象物11をステージ13上の所定位置にセットした後、不図示の操作部により計測開始装置を行う。これにより、制御装置18の光源制御部31が白色光源14を起動して、白色光源14から白色光Bを出射させる(ステップS1、本発明の出射ステップに相当)。
白色光源14から出射された白色光Bは、ライトガイド15を経てコリメータ23に入射し、このコリメータ23で平行光化された後、第1ビームスプリッタ24にて第2ビームスプリッタ25に向けて反射される。そして、第2ビームスプリッタ25に入射した白色光Bは、第2ビームスプリッタ25にて測定光B1と参照光B2とに分割される(本発明の光分割ステップに相当)。
第2ビームスプリッタ25により分割された測定光B1は、この第2ビームスプリッタ25を透過して測定対象物11の第1面11aに入射する。第1面11aに入射した測定光B1は、一部が第1面11aで反射された後、第2ビームスプリッタ25に入射すると共に、一部が測定対象物11の内部を透過して測定対象物11の第2面11bで反射された後、測定対象物11の内部を再び透過して第2ビームスプリッタ25に入射する。
一方、参照光B2は、第2ビームスプリッタ25にて参照ミラー26に向けて反射された後、この参照ミラー26により第2ビームスプリッタ25に向けて反射されて、第2ビームスプリッタ25に入射する。これにより、第2ビームスプリッタ25から第1ビームスプリッタ24に向けて、第1面11a及び第2面11bでそれぞれ反射した測定光B1と、参照ミラー26で反射された参照光B2との干渉光B3が出射される。この干渉光B3は、撮像素子27の撮像面に入射する。
次いで、制御装置18の移動制御部32は、移動機構17を駆動して計測光学系16の上下方向の移動(往復移動、一方向移動のいずれでも可)を開始させる(ステップS2、本発明の距離変化ステップに相当)。また同時に制御装置18は、撮像素子27及びスケールヘッド29の駆動を開始する。これにより、計測光学系16が上下方向に移動している間、撮像素子27が干渉光B3を撮像面の画素ごとに受光し、画素ごとの干渉信号Sを互いに異なる計測光学系16の高さ位置ごと(距離hごと)に順次出力する。これにより、干渉信号取得部33にて画素ごとの干渉信号Sが順次取得される(ステップS3、本発明の干渉信号検出ステップに相当)。
一方、スケールヘッド29は、計測光学系16が上下方向に移動している間、リニアスケール28の目盛りを読み取って、計測光学系16の高さ位置を示す情報を高さ位置取得部34へ順次出力する(ステップS4)。
以下、計測光学系16が上下方向の移動が終了するまでの間、撮像素子27からの画素ごとの干渉信号Sの出力と、スケールヘッド29からの計測光学系16の高さ位置を示す情報の出力と、が継続して実行される(ステップS5でNO)。これにより、干渉信号取得部33にて画素毎の1移動分の干渉信号Sが取得され、これら干渉信号Sが焦点位置検出部35と干渉ピーク位置検出部36とにそれぞれ出力される。また、高さ位置取得部34にて計測光学系16の移動中の高さ位置を示す情報が取得され、これら高さ位置を示す情報が焦点位置検出部35と干渉ピーク位置検出部36とにそれぞれ出力される。
焦点位置検出部35及び干渉ピーク位置検出部36は、干渉信号取得部33から新たな干渉信号Sが入力される毎に、高さ位置取得部34から入力された高さ位置を示す情報を関連付けて記憶する。これにより、焦点位置検出部35及び干渉ピーク位置検出部36は、画素毎の1移動分の干渉信号Sの各々と、計測光学系16の高さ位置(距離h)との対応関係を判別することができる。
ここで、計測光学系16を上下方向に移動させる移動範囲は、焦点高さ位置L及び焦点高さ位置L+ΔLと、干渉ピーク高さ位置R及び干渉ピーク高さ位置R+ΔRとが確実に検出できるように、余裕を持って設定されている。なお、焦点位置検出部35及び干渉ピーク位置検出部36において各高さ位置の全てが検出された時点で、計測光学系16の上下方向の移動を停止してもよい。
計測光学系16の上下方向の移動が終了すると(ステップS5でYES)、焦点位置検出部35は、画素毎の1移動分の干渉信号Sのにそれぞれ基づく測定対象物11の撮影画像50を公知の手法で解析して、第1干渉信号S及び第2干渉信号Sを画素毎に検出する。次いで、焦点位置検出部35は、前述の高さ位置取得部34から入力された情報に基づき、第1干渉信号Sが得られた焦点高さ位置Lと、第2干渉信号Sが得られた焦点高さ位置L+ΔLとを画素毎に検出し、これらの検出結果を焦点位置変化量検出部37へ出力する(ステップS6、本発明の第1検出ステップに相当)。そして、焦点位置変化量検出部37は、画素毎の焦点高さ位置L,L+ΔLに基づき、焦点高さ位置変化量ΔLを画素毎に検出し、この検出結果を演算部39へ出力する(ステップS7)。
一方、干渉ピーク位置検出部36は、画素毎の1移動分の干渉信号Sを解析して、第3干渉信号S及び第4干渉信号Sを画素毎に検出する。次いで、干渉ピーク位置検出部36は、前述の高さ位置取得部34から入力された情報に基づき、第3干渉信号Sが得られた干渉ピーク高さ位置Rと、第4干渉信号Sが得られた干渉ピーク高さ位置R+ΔRとを画素毎に検出し、これらの検出結果をピーク位置変化量検出部38へ出力する(ステップS8、本発明の第2検出ステップに相当)。そして、ピーク位置変化量検出部38は、画素毎の干渉ピーク高さ位置R,R+ΔRに基づき干渉ピーク高さ位置変化量ΔRを画素毎に検出し、この検出結果を演算部39に出力する(ステップS9)。
なお、本実施形態では、計測光学系16の上下方向の移動が終了した後で、焦点位置検出部35及び干渉ピーク位置検出部36の双方の検出を実行しているが、計測光学系16の上下方向の移動が実行されている間に、双方の検出を並行して行ってもよい。
次いで、演算部39は、焦点位置変化量検出部37から入力された画素毎の焦点高さ位置変化量ΔLと、ピーク位置変化量検出部38から入力された画素毎の干渉ピーク高さ位置変化量ΔRとに基づき、上記の[数4]式及び[数5]式を用いて、測定対象物11の屈折率及び厚みを画素毎に演算する(ステップS10、本発明の演算ステップに相当)。
そして、演算部39は、測定対象物11の屈折率及び厚みの画素毎の演算結果を、記憶部40及び表示部42に出力する。これにより、画素毎の屈折率及び厚みの演算結果が記憶部40に記憶されると共に、表示部42に表示される。
なお、測定対象物11に対する測定光B1の照射範囲が測定対象物11の面積よりも狭い場合は、ステージ13及び計測光学系16の一方に対して他方を、測定光B1の光軸方向(上下方向)に対して垂直方向に相対移動させた上で、前述のステップS1からステップS10までの処理を繰り返し実行する。これにより、測定対象物11を複数の領域に分割して、個々の領域毎に屈折率及び厚みを演算することができる。その結果、大型の測定対象物11であってもその全領域の屈折率及び厚みを演算することができる。
[第1実施形態の白色干渉装置の効果]
以上のように第1実施形態の白色干渉装置10では、計測光学系16を上下方向に移動させながら撮像素子27により干渉信号Sを検出した結果に基づき、測定対象物11の屈折率及び厚みを同時計測することができる。このため、屈折率が未知の測定対象物11であってもその厚みを計測することができるので、上記特許文献1及び非特許文献1〜3に記載の装置と比較して、白色干渉法による厚みの計測をより正確に行うことができる。
また、第1実施形態の白色干渉装置10では、測定対象物11の屈折率及び厚みを撮像素子27の撮像面の画素毎に計測することができるため、測定対象物11の屈折率分布及び厚み分布を把握することができる。
[第2実施形態の白色干渉装置の構成]
図8は、第2実施形態の白色干渉装置10における屈折率及び厚みの計測対象を説明するための説明図である。上記第1実施形態の白色干渉装置10では、単層の測定対象物11の屈折率及び厚みを計測している。これに対して、図8に示すように、第2実施形態では、複数種類の測定対象物11が複数層積層されてなる積層体11Lを計測対象とし、この積層体11Lの層毎(測定対象物11毎)に屈折率及び厚みを計測する。
なお、第2実施形態の白色干渉装置10は、上記第1実施形態と基本的に同じ構成であるので、上記第1実施形態と機能又は構成上同一のものについては、同一符号を付してその説明は省略する。
図9は、積層体11Lから第2ビームスプリッタ25へ反射される測定光B1を説明するための説明図である。図9に示すように、第2ビームスプリッタ25から積層体11Lに入射した測定光B1は、第1層目の測定対象物11の第1面11aで反射されると共に、積層体11Lの各層を順次透過して、各層の境界と、最下層の測定対象物11の第2面11bとで順次反射される。なお、各層の境界とは、例えば任意の自然数をKとした場合、第K層目の測定対象物11の第2面11b及び第K+1層目の測定対象物11の第1面11aである。
このように第2実施形態では、第2ビームスプリッタ25から撮像素子27に向けて、第1層目の測定対象物11の第1面11aで反射した測定光B1、各層の測定対象物11の境界で反射した測定光B1、及び最下層の測定対象物11の第2面11bで反射した測定光B1の各々と、前述の参照光B2との干渉光B3が出射される。
図10は、計測光学系16を上方向側から下方向側に移動させた場合に、測定光B1の焦点が合う計測光学系16の焦点高さ位置と、反射した各測定光B1に対応する干渉信号Sの干渉ピークが検出される計測光学系16の干渉ピーク高さ位置とを説明するための説明図である。図10に示すように、第1層目の測定対象物11の第1面11aに測定光B1の焦点が合う計測光学系16の焦点高さ位置Lと、この第1面11aにて反射した測定光B1に対応する干渉信号Sの干渉ピークが検出される計測光学系16の干渉ピーク高さ位置Rとは同じ位置になる(図4参照)。
そして、計測光学系16の下方向の移動を継続すると、第1層目の測定対象物11の第2面11b(第2層目の測定対象物11の第1面11a)に測定光B1の焦点が合う計測光学系16の焦点高さ位置L+ΔL1と、この第2面11bにて反射した測定光B1に対応する干渉信号Sの干渉ピークが検出される計測光学系16の干渉ピーク高さ位置R+ΔR1とがそれぞれ異なる位置で検出される。なお、図中の焦点高さ位置と干渉ピーク高さ位置との位置関係は例示である。
さらに、計測光学系16を下方向の移動を継続すると、第2層目の測定対象物11の第2面11b(第3層目の測定対象物11の第1面11a)に測定光B1の焦点が合う計測光学系16の焦点高さ位置L+ΔL1+ΔL2と、この第2面11bにて反射した測定光B1に対応する干渉信号Sの干渉ピークが検出される計測光学系16の干渉ピーク高さ位置R+ΔR1+ΔR2とがそれぞれ異なる位置で検出される。
以下同様に、計測光学系16の下方向への移動を継続すると、第K層目の測定対象物11の第2面11b(第K+1層目の測定対象物11の第1面11a)に測定光B1の焦点が合う計測光学系16の焦点高さ位置L+ΔL1・・・+ΔLKと、この第2面11bにて反射した測定光B1に対応する干渉信号Sの干渉ピークが検出される計測光学系16の干渉ピーク高さ位置R+ΔR1・・・+ΔRKとがそれぞれ異なる位置で検出される。
第2実施形態の制御装置18の各部の機能は、既述の図6に示した第1実施形態と基本的に同じである。ただし、第2実施形態の焦点位置検出部35は、干渉信号取得部33から取得した画素毎の1移動分の干渉信号Sを画像解析して、測定対象物11の層毎に、各層の第1面11a及び第2面11bにそれぞれ測定光B1の焦点が合う計測光学系16の焦点高さ位置(画素毎)を順次検出する。なお、第K層目の第2面11bに対応する焦点高さ位置と、第K+1層目の第1面11aに対応する焦点高さ位置とは同じ位置であるので、これらの検出は同時に行われる。
第2実施形態の干渉ピーク位置検出部36は、干渉信号取得部33から取得した画素毎の1移動分の干渉信号Sを解析して、測定対象物11の層毎に、各層の第1面11a及び第2面11bにてそれぞれ反射された測定光B1に対応する干渉信号Sの干渉ピークが検出される計測光学系16の干渉ピーク高さ位置(画素毎)を順次検出する。なお、第K層目の第2面11bに対応する干渉ピーク高さ位置と、第K+1層目の第1面11aに対応する干渉ピーク高さ位置とは同じ位置であるので、これらの検出は同時に行われる。
第2実施形態の焦点位置変化量検出部37は、測定対象物11の層毎に、焦点高さ位置変化量(第K層目の第1面11aに対応する焦点高さ位置と、第2面11bに対応する焦点高さ位置の差分)を検出する。また、第2実施形態のピーク位置変化量検出部38は、測定対象物11の層毎に、干渉ピーク高さ位置変化量(第K層目の第1面11aに対応する干渉ピーク高さ位置と、第2面11bに対応する干渉ピーク高さ位置の差分)を検出する。
第2実施形態の演算部39は、測定対象物11の層毎の焦点高さ位置変化量及び干渉ピーク高さ位置変化量に基づき、測定対象物11の層毎に屈折率及び厚みを演算する。以下、測定対象物11の層毎の屈折率及び厚みを演算するための演算式について説明する。
<第2実施形態の屈折率及び厚みの演算式>
第1層目の測定対象物11の厚みをt1とし、屈折率をn1とした場合、第1層目の測定対象物11に対応する焦点高さ位置変化量ΔL1は下記の[数6]式で表される。また、第1層目の測定対象物11に対応する干渉ピーク高さ位置変化量ΔRは下記の[数7]式で表される。
上記[数7]式を変形すると、厚みt1は下記の[数8]式のように表される。そして、下記の[数8]式を上記[数6]式に代入することにより、焦点高さ位置変化量ΔLは下記の[数9]式の上段で表される。その結果、下記の[数9]式の下段に示すように、屈折率n1が焦点高さ位置変化量ΔL1及び干渉ピーク高さ位置変化量ΔR1を変数とする式で表される。
そして、上記[数9]式の下段で表される屈折率n1を上記[数8]式に代入することで、下記の[数10]式に示すように、厚みt1が焦点高さ位置変化量ΔL1及び干渉ピーク高さ位置変化量ΔR1を変数とする式で表される。
第2層目の測定対象物11の第2面11bに対応する焦点高さ位置はL+ΔL1+ΔL2で表され、この第2面11bに対応する干渉ピーク高さ位置はR+ΔR1+ΔR2で表される。ここで、第2層目の測定対象物11の厚みをt2とし、屈折率をn2とし、且つ第1層目の測定対象物11の第1面11aを基準とした場合、第2層目の測定対象物11の第2面11bに対応する焦点高さ位置変化量ΔL1+ΔL2及び干渉ピーク高さ位置変化量ΔR1+ΔR2は、下記の[数11]式及び[数12]式でそれぞれ表される。
ここで、ΔL2=t2×(1−1/n2)であり、ΔR2=t2×(n2−1)である。このため、上記の屈折率n1の演算と同様に、後者の式を変形したt2=ΔR2/(n2−1)を前者の式に代入することにより、下記の[数13]式に示すように、屈折率n2が、焦点高さ位置変化量ΔL2及び干渉ピーク高さ位置変化量ΔR2を変数とする式で表される。
そして、上記[数13]式で表される屈折率n2に基づき、上記の厚みt1の演算と同様に、下記の[数14]式に示すように、厚みt2が、焦点高さ位置変化量ΔL2及び干渉ピーク高さ位置変化量ΔR2を変数とする式で表される。
以下、同様に第K層目の測定対象物11の厚みをtKとし、屈折率をnKとした場合、第K層目の測定対象物11の第1面11aに対応する焦点高さ位置(第1距離)が下記の[数15]式の(1)で表され、第2面11bに対応する焦点高さ位置(第2距離)が下記の[数15]式の(2)で表される。また、第K層目の測定対象物11の第1面11aに対応する干渉ピーク高さ位置(第3距離)が下記の[数15]式の(3)で表され、第2面11bに対応する干渉ピーク高さ位置(第4距離)が下記の[数15]式の(4)で表される。
そして、第K層目の測定対象物11の屈折率nK及び厚みtKが、下記の[数15]式の(5)及び(6)で示すように、焦点高さ位置変化量ΔLK及び干渉ピーク高さ位置変化量ΔRKを変数とする式で表される。
以上のように、第K層目の測定対象物11の屈折率nK及び厚みtKは焦点高さ位置変化量ΔLK及び干渉ピーク高さ位置変化量ΔRKを変数とする式で表される。このため、第2実施形態の演算部39は、画素毎の焦点高さ位置変化量ΔLK及び干渉ピーク高さ位置変化量ΔRKに基づき、第K層目の測定対象物11の屈折率nK及び厚みtKをそれぞれ画素毎に演算することができる。
[第2実施形態の白色干渉装置の作用]
次に、図11を用いて第2実施形態の白色干渉装置10による積層体11Lの各層(測定対象物11)の屈折率及び厚みの計測処理について説明する。図11は、第2実施形態の白色干渉装置10による屈折率及び厚みの計測処理(計測方法)の流れを示すフローチャートである。
なお、ステップS1からステップS9までの処理は、既述の図7で説明した第1実施形態と基本的に同じであるので具体的な説明は省略する。ただし、ステップS6において、焦点位置検出部35は、測定対象物11の層毎に、各層の第1面11a及び第2面11bにそれぞれ測定光B1の焦点が合う計測光学系16の焦点高さ位置を順次検出する。また、ステップS7において、焦点位置変化量検出部37は、測定対象物11の層毎に、焦点高さ位置変化量ΔLKを検出する。
さらに、ステップS8において、干渉ピーク位置検出部36は、測定対象物11の層毎に、第1面11a及び第2面11bにてそれぞれ反射された測定光B1に対応する干渉信号Sの干渉ピークが検出される計測光学系16の干渉ピーク高さ位置を順次検出する。さらにまた、ステップS9において、ピーク位置変化量検出部38は、測定対象物11の層毎に、干渉ピーク高さ位置変化量ΔRKを検出する。
なお、第2実施形態においても、計測光学系16の上下方向の移動が終了した後で、焦点位置検出部35及び干渉ピーク位置検出部36の双方の検出を実行する代わりに、計測光学系16が上下方向の移動されている間に、双方の検出を並行して行ってもよい。
次いで、第2実施形態の演算部39は、焦点位置変化量検出部37及びピーク位置変化量検出部38から入力された第1層目の測定対象物11に対応する画素毎の焦点高さ位置変化量ΔL1及び干渉ピーク高さ位置変化量ΔR1に基づき、上記[数9]式及び上記[数10]式を用いて、第1層目の測定対象物11の屈折率及び厚みを画素毎に演算する(ステップS11及びステップS12)。
以下同様に、第2実施形態の演算部39は、焦点位置変化量検出部37及びピーク位置変化量検出部38から入力された第K層目の測定対象物11に対応する画素毎の焦点高さ位置変化量ΔLK及び干渉ピーク高さ位置変化量ΔRKに基づき、上記[数15]式を用いて、第K層目の測定対象物11の屈折率及び厚みを画素毎に演算する(ステップS13でNO、ステップS14、ステップS12)。これにより、積層体11Lの全層の屈折率及び厚みが演算される(ステップS13でYES)。
そして、演算部39は、積層体11Lの層毎の屈折率及び厚みの演算結果を、記憶部40及び表示部42へ出力する。これにより、積層体11Lの層毎の屈折率及び厚みの演算結果が記憶部40に記憶されると共に、表示部42に表示される。
なお、第2実施形態において、積層体11Lを複数の領域に分割して、個々の領域毎に屈折率及び厚みを演算してもよい。その結果、大型の積層体11Lであってもその全領域の屈折率及び厚みを演算することができる。
[第2実施形態の白色干渉装置の効果]
以上のように第2実施形態の白色干渉装置10では、計測対象が積層体11Lであったとしても、計測光学系16を上下方向に移動させながら撮像素子27により干渉信号Sを検出した結果に基づき、積層体11Lの層毎(測定対象物11毎)に屈折率及び厚みを計測することができる。また、上記第1実施形態の同様の効果が得られる。
なお、上記第2実施形態では、積層体11Lの第1層側から層毎に焦点高さ位置と、干渉ピーク高さ位置と、焦点高さ位置変化量と、干渉ピーク高さ位置変化量と、屈折率及び厚みとを求めているが、これらを最下層側から第1層に向かって層毎に順番に求めてもよい。
[第3実施形態の白色干渉装置]
次に、第3実施形態の白色干渉装置10A(図12参照)について説明を行う。上記第1実施形態の白色干渉装置10では、測定対象物11の屈折率及び厚みの計測を行うが、第3実施形態の白色干渉装置10Aでは、既述の屈折率及び厚みの計測に加えて、測定対象物11の第1面11a及び第2面11bの全焦点画像51(図13参照)及び三次元形状データ52(図13参照)を生成する。
図12は、第3実施形態の白色干渉装置10Aの制御装置18Aの電気的構成を示すブロック図である。なお、第3実施形態の白色干渉装置10Aは、制御装置18Aが全焦点画像生成部45及び三次元形状データ生成部46として機能する点を除けば、上記第1実施形態の白色干渉装置10と基本的に同じ構成である。このため、上記第1実施形態と機能又は構成上同一のものについては、同一符号を付してその説明は省略する。
全焦点画像生成部45は、焦点位置検出部35が検出した画素毎の焦点高さ位置L(第1距離に相当)に基づき、測定対象物11の第1面11aの全焦点画像51(図13参照)を生成する。また、全焦点画像生成部45は、焦点位置検出部35が検出した画素毎の焦点高さ位置L+ΔL(第2距離に相当)に基づき、測定対象物11の第2面11bの全焦点画像51を生成する。
三次元形状データ生成部46は、干渉ピーク位置検出部36が検出した画素毎の干渉ピーク高さ位置R(第3距離に相当)に基づき、測定対象物11の第1面11aの三次元形状データ52(図13参照)を生成する。また、三次元形状データ生成部46は、干渉ピーク位置検出部36が検出した画素毎の干渉ピーク高さ位置R+ΔR(第4距離に相当)に基づき、測定対象物11の第2面11bの三次元形状データ52を生成する。
図13は、全焦点画像51及び三次元形状データ52の生成を説明するための説明図である。図13に示すように、全焦点画像生成部45は、焦点位置検出部35が検出した画素毎の焦点高さ位置Lに基づき、1移動分の干渉信号S(1移動分の測定対象物11の撮影画像50)の各々の同一画素の中から、最もコントラストが高くなる画素(第1面11aに焦点が合っている画素)を抽出する処理を画素別に繰り返し行う。これにより、第1面11aの全焦点画像51を生成することができる。また同様に、全焦点画像生成部45は、焦点位置検出部35が検出した画素毎の焦点高さ位置L+ΔLに基づき、最もコントラストが高くなる画素(第2面11bに焦点が合っている画素)を抽出する処理を画素別に繰り返し行うことで、第2面11bの全焦点画像51を生成することができる。
三次元形状データ生成部46は、干渉ピーク位置検出部36が検出した画素毎の干渉ピーク高さ位置Rに基づき、計測光学系16(第2ビームスプリッタ25)から第1面11aまでの距離を画素毎に算出する。これにより、第1面11aの表面形状情報(凹凸情報)が得られるため、三次元形状データ生成部46は、第1面11aの三次元形状データ52を生成することができる。また同様に、三次元形状データ生成部46は、画素毎の干渉ピーク高さ位置R+ΔRに基づき、第2面11bの表面形状情報(凹凸情報)を得ることで、第2面11bの三次元形状データ52を生成することができる。
全焦点画像生成部45が生成した第1面11a及び第2面11bの全焦点画像51、及び三次元形状データ生成部46が生成した第1面11a及び第2面11bの三次元形状データ52は、前述の記憶部40に記憶されると共に、表示部42に表示される。
[第3実施形態の白色干渉装置の効果]
以上のように第3実施形態の白色干渉装置10Aでは、計測光学系16を上下方向に移動させながら撮像素子27により干渉信号Sを検出した結果に基づき、屈折率n及び厚みtの計測の他に、全焦点画像51及び三次元形状データ52の生成を同時に行うことができる。
なお、第3実施形態の白色干渉装置10Aにおいて、第2実施形態の積層体11Lを計測する場合には、積層体11Lの層毎(測定対象物11毎)に得られる焦点位置検出部35及び干渉ピーク位置検出部36の検出結果に基づき、積層体11Lの層毎に、第1面11a及び第2面11bの全焦点画像51と三次元形状データ52とを生成することができる。
また、第3実施形態において、測定対象物11を複数の領域に分割して、個々の領域毎に全焦点画像51及び三次元形状データ52を演算してもよい。その結果、大型の測定対象物11であってもその全領域の全焦点画像51及び三次元形状データ52を演算することができる。
[その他]
上記各実施形態では、参照光路VRに参照ミラー26を配置しているが、参照ミラー26を配置する代わりに、参照光路VRとしてループ状の光ファイバケーブルを配置してもよい。また、計測光学系16の構成は、図1等に示した構成に限定されるものではなく、白色干渉法を用いた公知の白色干渉装置で利用される計測光学系に置き換えてもよい。
上記各実施形態では、移動機構17により計測光学系16を上下方向に移動させているが、測定光B1の光軸に平行な方向(第1面11a及び第2面11bに垂直な方向)であれば計測光学系16の移動方向は上下方向に限定されるものではなく、各種方向に移動させてもよい。また、上記各実施形態では、移動機構17により計測光学系16を移動させているが、例えば計測光学系16の代わりにステージ13(測定対象物11)を移動させるなど、ステージ13に対して計測光学系16を相対移動させることにより、距離hを変更するようにしてもよい。
上記各実施形態では、リニアスケール28とスケールヘッド29とにより計測光学系16の高さ位置(すなわち距離h)を検出しているが、この高さ位置(距離h)の検出方法は特に限定されず、各種の位置検出センサ又は距離計測センサ等を用いて検出を行ってもよい。例えば筐体21の測定対象物11と対向する対向面にレーザ測距センサ等を設けて距離hの変化を検出してもよい。また、上記各実施形態では、第2ビームスプリッタ25により白色光Bを測定光B1と参照光B2とに分割しているが、例えばファイバカプラなどの各種の光分割部を代わりに用いてもよい。
上記各実施形態では、略平板状の測定対象物11を計測対象としているが、非平板形状(各種形状を有する)の測定対象物11の屈折率及び厚みも計測することができる。また、上記各実施形態では、測定対象物11の屈折率及び厚みを画素毎に計測しているが、測定対象物11の平均又は代表点の屈折率及び厚みを計測してもよい。
10,10A…白色干渉装置,11…測定対象物,14…白色光源,16…計測光学系,17…移動機構,18,18A…制御装置,25…第2ビームスプリッタ,26…参照ミラー,27…撮像素子,28…リニアスケール,29…スケールヘッド,35…焦点位置検出部,36…干渉ピーク位置検出部,37…焦点位置変化量検出部,38…ピーク位置変化量検出部,39…演算部,45…全焦点画像生成部,46…三次元形状データ生成部

Claims (8)

  1. 白色光を出射する白色光源と、
    前記白色光源から出射した前記白色光を測定光と参照光とに分割して、前記測定光を測定光路に出射し、且つ前記参照光を参照光路に出射する光分割部と、
    前記光分割部と、前記測定光路に配置された測定対象物との間の前記測定光の距離を変化させる距離変化部と、
    前記測定対象物にて反射された前記測定光と、前記参照光路を経た前記参照光との干渉信号を検出する干渉信号検出部であって、且つ前記距離変化部による前記距離の変化が実行されている場合に前記干渉信号を検出する干渉信号検出部と、
    前記干渉信号検出部が検出した前記距離ごとの前記干渉信号に基づき、前記測定対象物の前記測定光が入射する側の第1面に前記測定光の焦点が合う第1距離と、前記測定対象物の前記第1面とは反対側の第2面に前記測定光の焦点が合う第2距離と、を検出する第1検出部と、
    前記干渉信号検出部が検出した前記距離ごとの前記干渉信号に基づき、前記第1面で反射された前記測定光に対応する前記干渉信号のピークが検出される第3距離と、前記第2面で反射された前記測定光に対応する前記干渉信号のピークが検出される第4距離と、を検出する第2検出部と、
    前記第1検出部及び前記第2検出部の双方の検出結果に基づき、前記測定対象物の屈折率、及び前記測定対象物の前記第1面と前記第2面との間の厚みを演算する演算部と、
    を備える白色干渉装置。
  2. 前記干渉信号検出部は、複数の画素を有する撮像素子であり、
    前記撮像素子の画素毎に前記干渉信号を検出し、
    前記第1検出部は、前記画素毎の前記干渉信号に基づき、当該画素毎に前記第1距離及び前記第2距離を検出し、
    前記第2検出部は、前記画素毎の前記干渉信号に基づき、当該画素毎に前記第3距離及び前記第4距離を検出し、
    前記演算部は、前記屈折率及び前記厚みを前記画素毎に演算する請求項1に記載の白色干渉装置。
  3. 前記第1検出部が検出した前記画素毎の前記第1距離及び前記第2距離に基づき、前記撮像素子が前記画素毎に検出した前記干渉信号から、前記測定対象物の前記第1面及び前記第2面の全焦点画像を生成する全焦点画像生成部を備える請求項2に記載の白色干渉装置。
  4. 前記第2検出部が検出した前記画素毎の前記第3距離に基づき、前記測定対象物の前記第1面の三次元形状データを生成し、且つ前記第2検出部が検出した前記画素毎の前記第4距離に基づき、前記測定対象物の前記第2面の三次元形状データを生成する三次元形状データ生成部を備える請求項2又は3に記載の白色干渉装置。
  5. 前記第1距離をLとし、前記第2距離をL+ΔLとし、前記第3距離をRとし、前記第4距離をR+ΔRとし、前記屈折率をnとし、前記厚みをtとした場合、前記演算部は、前記屈折率及び前記厚みを下記の式、
    n=ΔR/ΔL
    t=ΔR/ΔL(ΔR−ΔL)
    を用いて演算する請求項1から4のいずれか1項に記載の白色干渉装置。
  6. 前記測定対象物が複数層積層されている場合、
    前記第1検出部は、前記第1距離及び前記第2距離を前記測定対象物の層毎に検出し、
    前記第2検出部は、前記第3距離及び前記第4距離を前記測定対象物の層毎に検出し、
    前記演算部は、前記屈折率及び前記厚みを前記測定対象物の層毎に演算する請求項1から4のいずれか1項に記載の白色干渉装置。
  7. 任意の自然数をKとし、前記測定光が入射する側から第K層目の前記測定対象物の前記屈折率及び前記厚みをそれぞれnK及びtKとした場合、前記第K層目の前記測定対象物の前記第1距離が下記(1)式で表され、且つ前記第2距離が下記(2)式で表され、且つ前記第3距離が下記(3)式で表され、且つ前記第4距離が下記(4)式で表され、
    前記演算部は、第K層目の前記測定対象物の前記屈折率及び前記厚みを、下記の(5)式及び(6)式、
    を用いて演算する請求項6に記載の白色干渉装置。
  8. 白色光源から白色光を出射する出射ステップと、
    前記白色光源から出射した前記白色光を光分割部により測定光と参照光とに分割して、前記測定光を測定光路に出射し、且つ前記参照光を参照光路に出射する光分割ステップと、
    前記光分割部と、前記測定光路に配置された測定対象物との間の前記測定光の距離を変化させる距離変化ステップと、
    前記測定対象物にて反射された前記測定光と、前記参照光路を経た前記参照光との干渉信号を検出する干渉信号検出ステップであって、且つ前記距離変化ステップで前記距離の変化が実行されている場合に前記干渉信号を検出する干渉信号検出ステップと、
    前記干渉信号検出ステップで検出した前記距離ごとの前記干渉信号に基づき、前記測定対象物の前記測定光が入射する側の第1面に前記測定光の焦点が合う第1距離と、前記測定対象物の前記第1面とは反対側の第2面に前記測定光の焦点が合う第2距離と、を検出する第1検出ステップと、
    前記干渉信号検出ステップで検出した前記距離ごとの前記干渉信号に基づき、前記第1面で反射された前記測定光に対応する前記干渉信号のピークが検出される第3距離と、前記第2面で反射された前記測定光に対応する前記干渉信号のピークが検出される第4距離と、を検出する第2検出ステップと、
    前記第1検出ステップ及び第2検出ステップの双方の検出結果に基づき、前記測定対象物の屈折率、及び前記測定対象物の前記第1面と前記第2面との間の厚みを演算する演算ステップと、
    を有する白色干渉装置の計測方法。
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