JP2018048505A - 充填材漏れ防止治具および同治具を用いた合成杭の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】充填材の漏れを確実に防止することにより、さらに高品質の合成杭を提供することができる、充填材漏れ防止治具および同治具を用いた合成杭の製造方法を提供する。【解決手段】PHC杭1と、PHC杭1の外周に隙間Sを確保し頭部を揃えて同心配置に設けられる鋼管2と、前記隙間Sに充填される充填材3とからなる合成杭10の製造方法に用いる充填材漏れ防止治具20である。この治具20は、前記PHC杭1の頭部に設けられた端板1aにボルト接合可能で、前記隙間Sの開口部を閉塞するリング状又は円盤状の平板部11と、前記平板部11から前記鋼管2の外周面に沿って立ち上がる円筒部12と、前記円筒部12の外周面に突設され前記鋼管2とボルト接合可能なボルト取付部13とからなる。【選択図】図3

Description

この発明は、コンクリート強度が85N/mm以上の高強度を発揮するコンクリート杭(以下、PHC杭という。)と、同PHC杭の外周に隙間を確保し頭部を揃えて同心配置に設けられる鋼管と、前記隙間に充填される充填材とからなる合成杭の技術分野に属し、さらにいえば、前記合成杭の製造方法と同方法に用いる充填材漏れ防止治具に関する。
コンクリート杭(PHC杭含む。)は、大きな軸応力(圧縮力)を保持できるものの、水平力(曲げ応力とせん断応力)に対しては脆性的に破壊するため、構造物(特には高層構造物、超高層建物)の基礎として使用した場合の水平力に十分耐えるとは言い難い。
一方、鋼管杭は、曲げ強度とせん断強度は大きいが、大きな軸応力を保持するには厚肉のものを使用しなければならず、経済的な問題がある。また、杭径が大きくなると局部座屈が発生するなどの問題もある。
そこで、これらの問題点を補う方法の一つとして、コンクリート杭と鋼管とを組み合わせてなる外殻鋼管付きコンクリート杭(以下適宜、SC杭という。)がある。
このSC杭は、高強度コンクリートを鋼管の中空部に注入し、遠心成形法(遠心締固め)によって一体的に製造され、軸応力と曲げ応力とせん断応力に対し一体的に抵抗する。
このSC杭は、軸応力に強いコンクリート杭の長所と曲げ応力、せん断応力に強い鋼管の長所とを併せもち、大きな曲げ変形を生じても、コンクリートが鋼管の局部座屈を防止し、コンクリートは鋼管により拘束されているので大きな靭性を有する利点があり、近年その需要も増大している。
しかし、前記SC杭は、上述したように、軸応力と曲げ応力とせん断応力に対し一体的に抵抗する構成であるが故に、必然的に、SC杭を構成するコンクリート杭に、軸応力のほか曲げ応力及びせん断応力も負担させることになる。具体的には、構造物に地震等の水平力(短期荷重)が作用した場合、前記コンクリート杭は、構造物の軸応力(長期鉛直荷重)を負担している状態で、曲げ応力及びせん断応力を負担することとなり、SC杭内部のコンクリート杭が、曲げ応力やせん断応力をどの程度負担しているのか不明であった。ひいては前記コンクリート杭の破壊性状が不明であった。
よって、前記SC杭は、軸応力はコンクリート杭が負担し、曲げ応力及びせん断応力は鋼管が負担するという役割分担(機能分担)が明確でないという問題があった。
建築構造物において、高層構造物又は超高層構造物は、2次設計(保有水平耐力法、時刻歴応答解析)が必須であり、構造物の許容応力度だけでなく終局耐力、靱性の評価等が設計上の重要項目となっている。そのため、杭の部材としての性能が不明(曖昧)なものは設計が難しく、且つ確たる設計方針での設計ができないという問題があった。
要するに、前記SC杭は、軸応力はコンクリート杭が負担し、曲げ応力及びせん断応力は鋼管が負担するという役割分担(機能分担)が明確でない以上、2次設計に十分対応できるだけの杭体の性能保証がされていない状況にあった。
ところで、上述したSC杭のほかに、コンクリート杭と鋼管とを併用して杭を施工する発明は、種々開示されている(例えば、特許文献1〜5を参照)。
しかしながら、前記特許文献1〜5に係る発明は、軸応力、曲げ応力、及びせん断応力の役割分担を明確にすることを目的(課題)、構成としておらず、よって、軸応力はコンクリート杭が負担し、曲げ応力及びせん断応力は鋼管が負担するという役割分担を明確化できる構成の杭ではない(詳しくは、以下の特許文献6、7に係る[発明が解決しようとする課題]の項を参照)。
そこで、本出願人は、特許文献6、7に示したように、軸応力と、曲げ応力及びせん断応力との役割分担を明確化できる、PHC杭と鋼管とを組み合わせた合成杭を開発した。
この合成杭は、PHC杭と、PHC杭の外周に隙間を確保して同心配置に設けられる鋼管と、前記隙間に充填される充填材とからなり、前記PHC杭と前記鋼管とを、平坦部上に載置した剥離板の上面に同心配置で鉛直方向に起立させ、前記PHC杭の外周面と前記鋼管の内周面との間に形成した隙間に、上方から、充填材を前記鋼管と同等高さまで充填し、当該充填材を養生させて製造する(特許文献7の請求項1等を参照)。
特開平9−170232号公報 特開昭61−176717号公報 特開平5−280046号公報 特開平7−11636号公報 特開2010−265702号公報 再表2012/147690号公報 特許第5805182号公報
ちなみに、従来、所謂合成杭は横向きに置いた状態で製造するのが主流で、充填材を鋼管とPHC杭との間に均等に充填することは難しかった。このため、PHC杭等の杭素材を傾斜させて充填性を高める工夫が施されてはいたが、位置決め作業等に難渋し、製造効率を上げることができなかった。特に、充填材にセメントミルクやモルタル等のセメント系の材料を使う場合には均等な充填が難しく、流動性の確保が必要になったり、ブリージングによる空隙の発生も懸念されていた。
このような課題を踏まえ、本出願人が開発した上記特許文献7に係る合成杭は、PHC杭と鋼管との向きを実使用時とは逆に、頭部を下向きにして製造する。すなわち、剥離板の上にPHC杭と鋼管とを同心配置に起立させ、上方から充填材を充填して製造するので、簡易、確実、かつ良好に充填作業を行うことができ、よって、施工性に優れ、高品質の合成杭を製造できる等の利点がある。
しかしながら、剥離板の上にPHC杭と鋼管を載置し各自重に任せて当該PHC杭と鋼管とが形成する隙間に充填材を充填すると、剥離板とPHC杭及び鋼管とが何ら拘束されていない構成で充填する構成であるが故に、充填材の充填圧等により、剥離板とPHC杭又は鋼管との間から充填材が漏れることが懸念され、製造する合成杭の品質に悪影響を及ぼす虞が少なからずあった。
よって、前記充填材の漏れを確実に防止することができれば、より一層、高品質の合成杭を提供できることは明らかである。
本発明は、上述した背景技術の課題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、前記特許文献7に係る発明の利点を保持しつつ、さらに、充填材の漏れを確実に防止することにより、さらに高品質の合成杭を提供することができる、充填材漏れ防止治具および同治具を用いた合成杭の製造方法を提供することにある。
上記背景技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る充填材漏れ防止治具は、PHC杭と、PHC杭の外周に隙間を確保し頭部を揃えて同心配置に設けられる鋼管と、前記隙間に充填される充填材とからなる合成杭の製造方法に用いる充填材漏れ防止治具であって、
前記PHC杭の頭部に設けられた端板にボルト接合可能で、前記隙間の開口部を閉塞するリング状又は円盤状の平板部と、前記平板部から前記鋼管の外周面に沿って立ち上がる円筒部と、前記円筒部の外周面に突設され前記鋼管とボルト接合可能なボルト取付部とからなることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した充填材漏れ防止治具において、前記平板部の上面に、前記隙間の開口部を塞ぐゴムパッキン等の止水材が設けられていることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載した充填材漏れ防止治具において、前記PHC杭の頭部に設けられた端板に接合されたボルトの突き出し寸法よりも高い嵩上げ部を備えていることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載した充填材漏れ防止治具において、前記ボルト取付部には予め、前記鋼管の軸方向に回動自在なデンデンボルト又はアイボルトが設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載した発明に係る合成杭の製造方法は、PHC杭と、PHC杭の外周に隙間を確保し頭部を揃えて同心配置に設けられる鋼管と、前記隙間に充填される充填材とからなる合成杭の製造方法であって、
前記請求項1〜4のいずれかに記載した充填材漏れ防止治具の平板部を前記PHC杭の頭部に設けられた端板にボルト接合すると共に、前記ボルト取付部と、前記鋼管の外周面に突設したボルト取付部とをボルト及びナットを用いてボルト接合することにより、同心配置とした前記PHC杭と鋼管とが形成する隙間の開口部を前記平板部で閉塞し、当該充填材漏れ防止治具を下向きとして前記PHC杭と鋼管とを同心配置で鉛直方向に起立させること、
前記隙間に上方から充填材を充填し、充填材が養生した後に、前記したすべてのボルト接合状態を解いて前記充填材漏れ防止治具を撤去してなることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、請求項5に記載した合成杭の製造方法において、前記したすべてのボルト接合状態を解いた後に、前記鋼管の外周面に突設したボルト取付部を撤去することを特徴とする。
請求項7に記載した発明は、請求項5又は6に記載した合成杭の製造方法において、前記鋼管の軸方向長さは、前記PHC杭の軸方向長さよりも短いことを特徴とする。
請求項8に記載した発明は、請求項5〜7のいずれか1項に記載した合成杭の製造方法において、前記充填材は、セメントミルク、ソイルセメント、モルタル、樹脂モルタル、アスファルトコンクリート、又は相対密度が80%以上の密詰めの砂とすることを特徴とする。
請求項9に記載した発明は、請求項5〜8のいずれか1項に記載した合成杭の製造方法において、前記充填材は、前記鋼管に曲げ変形が生じても当該鋼管の局部座屈を防止できる強度及び剛性を有し、かつ前記PHC杭よりも強度及び剛性が小さい材料からなる充填材とすることを特徴とする。
本発明に係る充填材漏れ防止治具20および同治具20を用いた合成杭10の製造方法によれば、以下の作用効果を奏する。
(1)PHC杭1と鋼管2とを充填材漏れ防止治具20を介して一体的にボルト接合できる上に、前記ボルト接合作業が完了すると同時に、自動的に、PHC杭1と鋼管2とを同心配置に位置決め固定できる。すなわち、従来面倒であった同心配置の位置決め作業を容易、確実、かつ迅速に行うことができるので、施工性に優れている。
(2)PHC杭1と鋼管2とが形成する隙間3内に充填された充填材3は、前記隙間Sの下端部が治具20の平板部11で閉塞され、しかも同下端部の内径方向は、その全周にわたり、PHC杭1と平板部11とのボルト接合効果により確実に閉塞され、同下端部の外径方向は、その全周にわたり、鋼管2と平板部11とのボルト接合効果により確実に閉塞されるので、充填圧による漏れ(主に液漏れ)が生じる虞のない密閉状態を確実に実現できる。充填材漏れ防止治具20の平板部11にゴムパッキン等の止水材を装着して実施すれば、さらに気密性の高い密閉状態を実現できる。よって、高品質の合成杭を実現することができる。
(3)充填材漏れ防止治具20は、PHC杭1、鋼管2のそれぞれに対してボルトのみで機械的に接合されているので、充填材3の養生後はボルトを取り外せば接合状態を容易に解除でき、速やかに撤去(回収)できる。よって、施工性に優れている。
Aは、本発明に係る合成杭の製造方法により製造した合成杭の使用状態を示した立断面図であり、Bは、AのB−B線矢視断面図であり、Cは、Aの平面図である。 Aは、本発明に係る合成杭の製造方法の充填準備工程を示した正面図であり、Bは、同断面図である。 A、Bはそれぞれ、図2A、Bの下部の拡大図である。 図3AのA−A線矢視断面図である。 Aは、本発明に係る充填材漏れ防止治具の実施例を示した平面図であり、Bは、同正面図であり、Cは、AのC−C線矢視断面図である。 Aは、図5に係る充填材漏れ防止治具の底面図であり、Bは、同右側面図である。 本発明に係る充填材漏れ防止治具のPHC杭および鋼管への取付手法の一例を示した説明図である。 本発明に係る充填材漏れ防止治具の異なる実施例を示した立断面図である。
次に、本発明に係る合成杭の製造方法と、同製造方法に用いる充填材漏れ防止治具の実施例を図面に基づいて説明する。
(本発明に係る合成杭の製造方法により製造した合成杭について)
先ず、図1A〜Cに基づいて、本発明に係る合成杭の製造方法により製造した合成杭について説明する。
この合成杭10は、PHC杭1と、PHC杭1の外周に隙間S(図2〜図4参照)を確保し頭部を揃えて同心配置に設けられた鋼管2と、前記隙間Sに充填された充填材3とからなり、地盤G中に建て込まれ、その上に構造物の基礎(図示省略)が構築される。
前記鋼管2は、その上端部が構造物の基礎と水平力を伝達可能な構成で接合される。鋼管2の上端部を構造物の基礎に接合する手段は種々あるが、例えば、前記鋼管2の上端部の外周面に上方へ突き出る鉄筋(ひげ鉄筋)を溶接接合し、基礎コンクリートを打設して鋼管2の上端部と構造物の基礎とを水平力を伝達可能に接合する。
ちなみに図1は、合成杭10を地盤Gからの深度が深い(例えば30m程度の)支持層Jに支持杭として適用する場合の実施例を示している。この場合、前記合成杭10の下方には、通常の単なるPHC杭1が継ぎ足されている。つまり、前記合成杭10は、支持杭の最上位に設けられる。
図示例に係る合成杭10の天端は、地盤Gの上面から若干突き出した構成で実施しているが、構造物基礎の施工法に応じ、例えば地盤Gレベルと同等レベル、又はそれよりも低いレベルに設定した構成で実施することも勿論できる。
前記構造物は、低層構造物でも、高層構造物あるいは超高層構造物でもよい。前記合成杭10を含む支持杭は、支持層Jに到達しない構成でももちろん実施できる。
前記合成杭10を構成するPHC杭1は、その軸方向両端部にリング状の端板1aを備えており、大きな鉛直荷重を支持できる100N/mm以上の強度(Fc)を有するものが好適に用いられる。前記PHC杭1は、一般に、外径(D)が300〜1200mm程度、長さ(L)が5〜15m程度で製造されている。
なお、前記PHC杭1の大きさは勿論これに限定されず、支持する構造物の形態、或いは地盤Gの性状等に応じて適宜設計変更可能である。
前記合成杭10を構成する鋼管2は、外径(D)が400〜1400mm程度、肉厚(t)が6〜25mm程度、長さ(L)が3〜15m程度の大きさが好適に用いられる。
具体的に、外径が600mm程度のPHC杭1を用いるときは、外径が700〜800mm程度の鋼管2を用い、外径が1200mm程度のPHC杭1を用いるときは、外径が1300〜1400mm程度の鋼管2を用いる等、充填材3を充填する隙間Sを20〜100mm程度確保した同心配置に鋼管2を配設する。
なお、前記鋼管2の長さは、合成杭10が支持する構造物の形態、或いは構造物に作用する水平力(曲げ応力及びせん断応力)に対し、効果的に抵抗できる長さとされる。目安として、PHC杭1の杭径の5倍程度が好ましいとされるが、地盤Gの性状に応じて適宜設計変更される。
前記鋼管2の軸方向長さは、前記PHC杭1の軸方向長さよりも短尺で実施することが好ましい。その理由は、経済的であることは勿論のこと、図1Aに示したように、支持層Jまでの深さが深くて通常のPHC杭1と工場等で製造した合成杭10とを現場で継ぎ足す必要がある場合、鋼管2が邪魔にならないスムーズな継ぎ足し作業を行い得るからである。
また、充填材3を充填する隙間Sの大きさは、前記20〜100mm程度に限定されるものではなく、合成杭10に作用する水平力(曲げ応力及びせん断応力)の大きさに応じて適宜設計変更される。
前記合成杭10を構成する充填材3は、前記PHC杭1の外周面と前記鋼管2の内周面とが形成する隙間Sに、当該鋼管2のほぼ全長にわたって密実に充填されている。
本実施例に係る充填材3は、セメントミルク、ソイルセメント、モルタル、樹脂モルタル、アスファルトコンクリート、又は相対密度が80%以上の密詰めの砂が好適に用いられる。前記充填材3として塑性性能を有する樹脂モルタルを用いれば、エネルギー吸収材としての機能をさらに期待できる。また、前記密詰めの砂を用いれば、圧縮特性が高く、かつ鋼管2とPHC杭1との間で発生するせん断応力に対してダイレタンシー効果によって体積圧縮を防ぐこともできる。
さらに、前記充填材3は、前記PHC杭1よりも強度及び剛性が低い材料(目安として20〜50N/mm程度の強度)とすることが好ましい。また、一定の靱性をもち、鋼管2の局部座屈を防止できる程度の強度及び剛性を有していることが好ましい。
前記した材料からなる前記充填材3は、PHC杭1の強度及び剛性よりも小さな材質を有することで鋼管2の曲げ応力(曲げモーメント)、及びせん断応力を効果的に吸収し、隣接するPHC杭1へ伝達し難くする構成を実現できる。また、前記充填材3は、PHC杭1よりも剛性(鉛直剛性)が小さいので、構造物の鉛直荷重の大部分をPHC杭1のみで負担させる構成を実現できる。
前記合成杭10は、現場で構築することもできるし、予め工場等で製造しておき現場へ搬入することもできる。
(本発明に係る合成杭の製造方法に用いる充填材漏れ防止治具について)
次に、図2〜図6に基づいて、本発明に係る合成杭の製造方法に用いる充填材漏れ防止治具について説明する。
この充填材漏れ防止治具20は、金属製が好適であり、前記PHC杭1の頭部に設けられたリング状の端板1aにボルト接合可能で、前記PHC杭1と鋼管2とが形成する隙間Sの開口部を閉塞するリング状の平板部11と、前記平板部11から前記鋼管2の外周面に沿って立ち上がる円筒部12と、前記円筒部12の外周面に突設され前記鋼管2とボルト接合可能なボルト取付部13とからなる。
要するに、本発明に係る充填材漏れ防止治具20は、前記平板部11にPHC杭1とのボルト接合手段を備え、前記円筒部12に鋼管2とのボルト接合手段を備えた構成で実施される。
なお、前記平板部11はリング状のほか、図8に示したように、円盤状でも実施できる(符号11’参照)。
<平板部11について>
前記リング状の平板部11は、同心配置に位置決めされる前記PHC杭1と鋼管2との頭部へ設置(面タッチ)可能な大きさで実施される。ちなみに、図示例に係るリング状の平板部11は、一例として内径が460mm、外径が808mm、板厚が19mmの大きさで実施される。このサイズの平板部11に対し、本実施例では、一例として杭径(外径)が700mm(内径500mm)のPHC杭1と、外径が800mm(肉厚9mm)の鋼管2が、隙間S=41mmを確保して同心配置に載置される。すなわち、図3B等に示したように、前記リング状の平板部11の内径と外径との間に、前記PHC杭1と鋼管2が収まる形態で実施される。
ちなみに、前記リング状の平板部11の内径側(内周縁部)には、周方向に連続する立ち上がりリブ14(一例として平板部11の上面からの高さが40mm)が形成されている。
なお、図示は省略したが、漏れ(主に液漏れ)防止効果を更に高めるべく、前記リング状の平板部11の内径と外径との間の全面、又は少なくとも前記隙間Sに対応する部位に、前記隙間Sの開口部を塞ぐリング状のゴムパッキン等の止水材を貼着する等して設けておくことが好ましい。
また、前記平板部11は、前記PHC杭1の端板1aに予め設けられているネジ孔を利用して接合するべく、当該ネジ孔のうち複数のネジ孔に対応する部位に、バランスよく(図示例では5個)、ボルト通し孔(貫通孔)11aが設けられている(図5A等参照)。 なお、前記端板1aの既設のネジ孔は、通常、PC鋼線設置位置に対応する箇所に所定のピッチで相当数(杭径に応じて8〜32個程度)設けられている。前記ボルト通し孔11aの数量は5個で実施しているが、勿論これに限定されず、前記平板部11を前記端板1aへ強固に定着でき、かつ、前記隙間Sに充填する充填材3の漏れを防止できることを条件に適宜設計変更(増減)可能である。
<円筒部12について>
前記リング状の平板部11の外径側(外周縁部)には、ほぼ直角方向に立ち上がる円筒部12が溶接等の接合手段で周方向に連続する形態で設けられている。この円筒部12は、合成杭10の外周を構成する鋼管2の位置決め作業を良好に行うほか、前記ボルト取付部13を強固に定着させるために設けられる。ちなみに図示例に係る円筒部12は、一例として平板部11の上面からの高さが80mm程度で実施されている。
前記円筒部12は、本実施例では、嵩上げ部15を兼ねた合理的な構成で実施している。すなわち、図3B等に示したように、内径が前記平板部11の外径と略一致する808mm、外径が832mm、肉厚が12mmで、高さが120mm程度の円筒部12を、前記平板部11の外周縁部に沿って外付けする際に、当該円筒部12の内壁面の若干下寄り位置に(嵩上げ寸法H(図3B参照)を20mm確保した位置に)前記平板部11を位置決めし、溶接等の接合手段で一体的に接合して実施している。
この嵩上げ部15は、平板部11を介して前記PHC杭1の端板1aにボルト接合するためのボルト21の頭部よりも若干高く形成することで、充填材漏れ防止治具20を下向きにして地面等の平坦部に設置する際に、当該治具20がガタツキのない安定した水平姿勢を保持する役割を果たすほか、ボルト21の破損防止の役割も果たす。
なお、この嵩上げ部15は、上記したような、下部に嵩上げの役割を持たせた長尺の円筒部12を用いて実施するほか、円筒部12とは別々に設けて実施することも勿論できる。例えば、平板部11の下面に、前記ボルト21の頭部よりも若干せいが高いリング状又は方形状の嵩上げ部(リブ)を設けたり、角材や脚部材等の突設部材をバランスよく点在させたりして実施することもできる。
<ボルト取付部13について>
前記円筒部12の外周面には、ボルト取付部13が突設されている。本実施例に係るボルト取付部13は、前記円筒部12の外周面の四方にバランスよく計4箇所設けて実施している(図5A等参照)。本実施例に係るボルト取付部13は、平行する2枚の金属製プレートからなる所謂ブラケットであり、一例として、縦70mm、横75mm、板厚9mの略方形状の一対の金属製プレートを、20mm程度の間隔をあけて、前記円筒部12の外周面に両腕状に配置して溶接等の接合手段で一体的に設けられている。この2枚の金属製プレートにはそれぞれ、略中央部に、ボルト16を貫通させるためのボルト通し孔が設けられている。
ちなみに本実施例では、2枚の金属製プレートの間にデンデンボルト18(アイボルトでも可)を配置し、各金属製プレートに設けた前記ボルト通し孔と、デンデンボルトのボルト通し孔(芯孔)との芯を一致させ、当該芯が一致した3つのボルト通し孔にボルト16を通し、同ボルト16の両端部にワッシャを通してナット17、17を締め付けることにより、前記デンデンボルト18が、そのボルト通し孔(芯孔)を基点として鋼管2の軸方向(上下方向)に回動自在な構成で実施されている。
なお、前記ボルト取付部13は、四方に計4箇所設けて実施しているが、勿論これに限定されず、前記鋼管2と良好にボルト接合でき、かつ、前記隙間Sに充填する充填材3の漏れを防止できることを条件に適宜設計変更(増減)可能である。
また、前記デンデンボルト18の長さは、一例として、孔芯から130mm程度で実施しているが、勿論これに限定されず、鋼管2側に設けるボルト取付部19(後述)と良好な接合状態を実現するのに適正な長さで実施される。
(上述した本発明に係る充填材漏れ防止治具を用いた合成杭の製造方法について)
次に、上記構成の充填材漏れ防止治具20を用いた合成杭10の製造方法について説明する。
この合成杭10の製造方法は、先ず、前記充填材漏れ防止治具20の平板部11を前記PHC杭1の頭部に設けられた端板1aにボルト接合すると共に、前記ボルト取付部13と、前記鋼管2の外周面に突設したボルト取付部19とをボルト(デンデンボルト18)及びナット22を用いてボルト接合することにより、同心配置とした前記PHC杭1と鋼管2とが形成する隙間Sの開口部を前記平板部11で閉塞し、当該充填材漏れ防止治具20を下向きとして前記PHC杭1と鋼管2とを同心配置で鉛直方向に起立させる(充填準備工程)。
しかる後、前記隙間Sに上方から充填材3を充填し、前記充填材3が養生した後に、前記したすべてのボルト接合状態を解いて前記充填材漏れ防止治具20を撤去してなる(充填作業等工程)。
<充填準備工程について>
前記充填準備工程は、要するに、PHC杭1と鋼管2とを充填材漏れ防止治具20を介して同心配置で一体的にボルト接合する工程をいう。
すなわち、前記充填材漏れ防止治具20(以下適宜、治具20と略す。)は、充填材3の漏れを防止する本来の役割に加え、PHC杭1と鋼管2とを同心配置に位置決め固定する役割も果たす。
前記治具20を前記PHC杭1及び鋼管2にボルト接合する手法は種々ある。例えば本実施例では、図7に示したように、工場や現場で、支持台(例えばH形鋼)32の上に設置した鋼管2に、作業員が、PHC杭1をナイロンスリングを利用して重機で吊り上げる等して貫通させる作業を行い、当該貫通させたPHC杭1の両端部にも支持台(例えばH形鋼)31を設置する。
ここで、前記支持台31の高さは、支持台32の高さよりも若干(理想的には、形成する隙間Sの分だけ)高いものを用いることにより、前記PHC杭1と鋼管2とを略同心配置とすることが好ましい。また、支持台31、32上における前記PHC杭1、鋼管2の両脇には、揺動(回動)防止用のずれ止め材(例えば角材)を載置しておいた方が好ましい。
なお、前記鋼管2は予め、その外周面における前記治具20側に設けたボルト取付部13に対応する部位に、同数(本実施例では四方に計4個)のボルト取付部19を溶接等の接合手段で設けておく。
前記ボルト取付部19は、本実施例では、一例として、長さ(突き出し寸法)が80mm程度で、ウエブが75mm、フランジが40mmのチャンネル材(C形鋼)を用い、そのウエブの外方中央部に、前記デンデンボルト18のボルト軸を受け入れ可能な切欠部19aが形成されている(図3A、図4参照)。ちなみに、このボルト取付部19の鋼管2への取り付け部位は、当該鋼管2の外周面の曲率に合わせた形状とする等の工夫は適宜行われるところである。
続いて、前記治具20を、その平板部11を前記PHC杭1の頭部に設けられた端板1aにボルト21で接合(5箇所止め)して固定する。その後、治具20を頭部に装着したPHC杭1を、必要に応じて重機を用いる等して鋼管2側へ移動させ(又は、鋼管2をPHC杭1側へ移動させ)、治具20の平板部11を鋼管2の頭部へ当接させる。そうすると、必然的に、前記PHC杭1と鋼管2の頭部が揃えられる(図3Bを援用して参照)。
続いて、前記治具20側に設けたボルト取付部13と、鋼管2側に設けたボルト取付部19とのボルト接合作業を横向き(水平)姿勢のまま行う。
このボルト接合作業は、先ず、前記ボルト取付部13とボルト取付部19との位置合わせを行った後、前記ボルト取付部13側のデンデンボルト18を、そのボルト軸が、対応する鋼管2側のボルト取付部19の切欠部19a内の奥端へ突き当たるまで回動させる。そして前記デンデンボルト18の先端部にワッシャを通してナット22を締め付けることにより、前記ボルト取付部13、19同士がボルト接合(結合)される。なお、前記ワッシャ及びナット22は予め、デンデンボルト18の先端部に装着しておいた方が作業上好ましい。
このボルト接合作業を、デンデンボルト18(ボルト取付部13)の個数に応じて繰り返し行うことにより、もって、前記治具20と鋼管2とがボルト接合され、ひいては、同心配置で、かつ頭部が揃えられたPHC杭1と鋼管2とが治具20を介して一体的にボルト接合される(図2B、図3Bを援用して参照)。
続いて、前記横向き姿勢の合成杭10の素材(PHC杭1、鋼管2)を、重機を利用して、地面等の平坦部に、治具20を下向きとして鉛直方向に起立させる。
前記治具20は、その下部に嵩上げ部15が形成されているので、ボルト21の存在如何にかかわらず、前記平坦部上に、ガタツキのない安定した水平姿勢を保持して設置することができる。
<充填作業等工程について>
次に、前記PHC杭1と鋼管2とが形成する円筒形状の隙間Sの空間内に、上方から前記充填材3を充填(圧入)する作業を行う。この充填作業は、未充填部が生じないように、充填量、充填速度を適宜調整しながら密実に行う。隙間3内に挿入可能な細径の注入管(サニーホース)を用いた落とし込み充填工法を採用したり、前記隙間Sの内部にセンサーを設けて自動的な注入管理を採用したりする等の工夫は適宜行われるところである。なお、前記充填作業は、通常、前記鋼管2と同等高さに達するまで行うが、これに限定されるものではない。
前記隙間3内に充填された充填材3は、前記隙間Sの下端部が治具20の平板部11で閉塞され、しかも同下端部の内径方向は、その全周にわたり、PHC杭1と平板部11とのボルト接合効果により確実に閉塞され、同下端部の外径方向は、その全周にわたり、鋼管2と平板部11とのボルト接合効果により確実に閉塞されているので、充填圧による漏れ(主に液漏れ)が生じる虞のない密閉状態を実現できる。前記ゴムパッキン等の止水材を装着して実施すれば、さらに気密性の高い密閉状態を実現できる。
次に、前記下端部が密閉状態を呈する隙間S内に密実に充填された充填材3の養生を待って、前記したすべてのボルト接合状態を解く。具体的には、前記5箇所止めのボルト21をすべて取り外してPHS杭1と治具20との接合状態を解除すると共に、前記4箇所止めのデンデンボルト18をナット22を緩めて回動させて鋼管2と治具20との接合状態を解除する。そして、すべての接合状態が解かれた治具20を撤去して回収する。
かくして、PHC杭1と、PHC杭1の外周に隙間Sを確保し頭部を揃えて同心配置に設けられた鋼管2と、前記隙間Sに充填された充填材3とからなる高品質の合成杭10を製造することができるのである。
なお、鋼管2の外周面に設けられたボルト取付部19は、その後、現場で支持杭を構成するにあたり、重機により地盤G中に建て込む際の吊り支点として利用等する場合はそのまま残してもよいし、適宜ガスバーナで切断して撤去してもよい。
以上、実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は、図示例の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
例えば、前記PHC杭1側のボルト取付部13と鋼管2側のボルト取付部19との構成を入れ替えて、鋼管2側のボルト取付部19をデンデンボルト18を備えた構成として実施することもできる。なお、前記ボルト取付部13、19の構造は図示例に限定されず、それぞれ、芯が一致するボルト貫通孔を有する鋼材とし、当該ボルト貫通孔にボルトをPHC杭1および鋼管2の軸線方向に通し、同ボルトの両端部にワッシャを通しナットで締め付ける構成で実施することもできる。
また、前記治具20の平板部11はリング状で実施しているが、図8に示したように、中央部に孔が形成されていない円盤状の平板部11’で実施することも勿論できる。
さらに、本実施例では、図7に示したように、治具20とPHC杭1、鋼管2とのボルト接合作業を横向きの姿勢で実施しているが、これに限定されず、図8に示すように、地盤等の平坦部上に略円柱状のベース部材33を設置し、この上に治具20を載せ、PHC杭1と鋼管2とを重機で吊り支持することにより、縦向き姿勢でボルト接合作業を実施することもできる。この場合、前記ベース部材33の形態は、作業員がボルト21の接合作業をスムーズに行えるように、外径はPHC杭1の内径よりも小さく、高さは良好な作業姿勢を確保できる高さで実施することが好ましい。
その他、前記合成杭10の製造方法は、所定の広さと深さを備えた合成杭製造用ピット(図示省略)内で行うと、当該ピットの深さ分だけ高所作業を低減化でき、充填材3の充填作業、重機の吊り上げ作業等の作業効率を高めることができる。この合成杭製造用ピットの広さは、製造する合成杭10の本数に応じて適宜設計変更され、深さは鋼管2の高さ程度が充填作業上好ましい。このピットは、作業効率を高めるほか、地上よりも温度を一定に保つことに優れている等、養生効果も期待でき、養生管理をより適正に行うことができる利点もある。
1 PHC杭
1a 端板
2 鋼管
S 隙間
3 充填材
10 合成杭
G 地盤
J 支持層
11 平板部
11a ボルト通し孔
12 円筒部
13 ボルト取付部
14 立ち上がりリブ
15 嵩上げ部
H 嵩上げ寸法
16 ボルト
17 ナット
18 デンデンボルト
19 ボルト取付部
19a 切欠部
20 充填材漏れ防止治具
21 ボルト
22 ナット
31 支持台
32 支持台
33 ベース部材

Claims (9)

  1. PHC杭と、PHC杭の外周に隙間を確保し頭部を揃えて同心配置に設けられる鋼管と、前記隙間に充填される充填材とからなる合成杭の製造方法に用いる充填材漏れ防止治具であって、
    前記PHC杭の頭部に設けられた端板にボルト接合可能で、前記隙間の開口部を閉塞するリング状又は円盤状の平板部と、前記平板部から前記鋼管の外周面に沿って立ち上がる円筒部と、前記円筒部の外周面に突設され前記鋼管とボルト接合可能なボルト取付部とからなることを特徴とする、充填材漏れ防止治具。
  2. 前記平板部の上面に、前記隙間の開口部を塞ぐゴムパッキン等の止水材が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載した充填材漏れ防止治具。
  3. 前記PHC杭の頭部に設けられた端板に接合されたボルトの突き出し寸法よりも高い嵩上げ部を備えていることを特徴とする、請求項1又は2に記載した充填材漏れ防止治具。
  4. 前記ボルト取付部には予め、前記鋼管の軸方向に回動自在なデンデンボルト又はアイボルトが設けられていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載した充填材漏れ防止治具。
  5. PHC杭と、PHC杭の外周に隙間を確保し頭部を揃えて同心配置に設けられる鋼管と、前記隙間に充填される充填材とからなる合成杭の製造方法であって、
    前記請求項1〜4のいずれかに記載した充填材漏れ防止治具の平板部を前記PHC杭の頭部に設けられた端板にボルト接合すると共に、前記ボルト取付部と、前記鋼管の外周面に突設したボルト取付部とをボルト及びナットを用いてボルト接合することにより、同心配置とした前記PHC杭と鋼管とが形成する隙間の開口部を前記平板部で閉塞し、当該充填材漏れ防止治具を下向きとして前記PHC杭と鋼管とを同心配置で鉛直方向に起立させること、
    前記隙間に上方から充填材を充填し、充填材が養生した後に、前記したすべてのボルト接合状態を解いて前記充填材漏れ防止治具を撤去してなることを特徴とする、合成杭の製造方法。
  6. 前記したすべてのボルト接合状態を解いた後に、前記鋼管の外周面に突設したボルト取付部を撤去することを特徴とする、請求項5に記載した合成杭の製造方法。
  7. 前記鋼管の軸方向長さは、前記PHC杭の軸方向長さよりも短いことを特徴とする、請求項5又は6に記載した合成杭の製造方法。
  8. 前記充填材は、セメントミルク、ソイルセメント、モルタル、樹脂モルタル、アスファルトコンクリート、又は相対密度が80%以上の密詰めの砂とすることを特徴とする、請求項5〜7のいずれか1項に記載した合成杭の製造方法。
  9. 前記充填材は、前記鋼管に曲げ変形が生じても当該鋼管の局部座屈を防止できる強度及び剛性を有し、かつ前記PHC杭よりも強度及び剛性が小さい材料からなる充填材とすることを特徴とする、請求項5〜8のいずれか1項に記載した合成杭の製造方法。
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