JP2018047494A - 鍛造方法および鍛造金型セット - Google Patents

鍛造方法および鍛造金型セット Download PDF

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Abstract

【課題】鍛造素材の前面を所定の突出形状に成形するときに、金型の特定位置に特定方向の荷重が集中することを抑制して、金型の破損のリスクを低減する鍛造方法を提供する。【解決手段】鍛造素材に荷重を加えることにより塑性流動を発生させ、鍛造素材の前面を所定の突出形状に成形する鍛造方法であって、突出形状の突出頂部に対応する箇所がへこんだ中央凹部21と、中央凹部21の周りの凸部22と、凸部22の周りの周囲凹部23とを有する予備金型2を用いることにより、中央凹部21、凸部22、および周囲凹部23にそれぞれ対応する中央凸部81、凹部82、および周囲凸部83を鍛造素材の前面に成形する予備成形工程と、所定の突出形状に対応した所定凹部形状を有する仕上げ金型4を用いることにより、周囲凸部83を凹部82よりもへこませて、鍛造素材の前面を所定の突出形状に成形する仕上げ成形工程と、を備えた。【選択図】図4

Description

本発明は、鍛造素材の前面を所定の突出形状に成形する鍛造方法、および、この鍛造方法に用いる鍛造金型セットに関する。
荷重を加えることにより鍛造素材に塑性流動を発生させて、所定形状に成形する鍛造方法が知られている。例えば、特許文献1のセンサー用シャフトの製造方法は、第1素材穴およびこれにつながる絞り穴を備えた絞りダイスと、内側に向かって凸条部が形成された第2素材穴を備えた上ダイスと、異形断面を先端に備えたパンチと、を用いて段付き丸棒を鍛造する。この製造方法によれば、段付き丸棒の前側の小径円筒部は、絞り穴に据え込まれて突出形状の小径部に成形される。また、段付き丸棒の後側の大径円筒部は、外側に軸方向溝が成形され、内側に異形の止まり穴が成形される。これにより、低コストで高精度なセンサー用シャフトを量産できる、とされている。
特許文献1に限らず、一般的な鍛造方法では、製品形状に対応する金型を用いて成形を行う。このとき、必要な荷重が大きいと、金型の内部応力が大きくなって破損しやすくなり、かつ金型の寿命も短くなる。特に、特許文献1に例示されるような突出形状の成形では、大きな荷重が必要となるため、金型が破損しやすい。このため、荷重が過大になる場合や1回の鍛造で最終形状までの成形が困難な場合に、複数セットの金型を用いて複数の鍛造工程により最終形状に仕上げる技術が普及している。
特開2003−311364号公報
ところで、特許文献1において、段付き丸棒の前側の小径円筒部を絞り穴に据え込むために、段付き丸棒の後方から大きな荷重を加える必要が有る。このため、必要となる鍛造設備が大型化して、イニシャルコストが高くなる。また、絞り穴の入口を拡げる方向に荷重が集中して作用するので、絞りダイスは、大きな内部応力が発生して破損しやすくなるとともに、その寿命も短くなる。したがって、金型に要するランニングコストが高くなる。
本発明は上記背景技術の問題点に鑑みてなされたものであり、鍛造素材の前面を所定の突出形状に成形するときに、金型の内部応力を抑制して、金型の破損のリスクを低減する鍛造方法を提供することを解決すべき課題とする。また、この鍛造方法に用いる鍛造金型セットを提供することを解決すべき課題とする。
本発明の鍛造方法は、鍛造素材に荷重を加えることにより塑性流動を発生させ、前記鍛造素材の前面を所定の突出形状に成形する鍛造方法であって、前記突出形状の突出頂部に対応する箇所がへこんだ中央凹部と、前記中央凹部の周りの凸部と、前記凸部の周りの周囲凹部とを有する予備金型を用いることにより、前記中央凹部、前記凸部、および前記周囲凹部にそれぞれ対応する中央凸部、凹部、および周囲凸部を前記鍛造素材の前面に成形する予備成形工程と、前記突出形状に対応した所定凹部形状を有する仕上げ金型を用いることにより、前記周囲凸部を前記凹部よりもへこませて、前記鍛造素材の前面を前記所定の突出形状に成形する仕上げ成形工程と、を備えた。
また、前記予備金型は、その中心に前記中央凹部を有し、かつ前記中央凹部が円形であり、前記凸部が円環形であり、前記周囲凹部が円環形であってもよい。
さらに、前記予備金型は、前記中央凹部および前記周囲凹部が同一平面上に位置することが好ましい。
また、前記突出形状は半球形状であってもよい。
本発明の鍛造金型セットは、上記した本発明の鍛造方法に用いる鍛造金型セットであって、前記した予備金型および仕上げ金型を含む。
本発明の鍛造方法では、中央凹部、その周りの凸部、さらにその周りの周囲凹部を有する予備金型を用いる予備成形工程と、所定凹部形状を有する仕上げ金型を用いる仕上げ成形工程とにより、鍛造素材の前面を所定の突出形状に成形する。ここで、予備金型の凸部は、鍛造素材の前面に最初に接触するため、比較的荷重が集中しやすい。それでも、鍛造素材の中央方向から作用する荷重と、鍛造素材の周囲方向から作用する荷重とが一部相殺されるので、凸部に発生する内部応力は比較的小さくて済む。この結果、特許文献1において絞り穴の入口を拡げる方向に荷重が集中する場合と比較して、予備金型の内部応力が抑制され、予備金型の破損のリスクが低減される。
また、予備成形工程において、突出頂部に近い形状の中央凸部および凹部が鍛造素材の前面に予め成形される。そして、仕上げ成形工程において、中央凸部および凹部が成形された前面を所定の突出形状に成形すればよく、平らな前面を1回で所定の突出形状に成形する必要がない。したがって、仕上げ成形工程において、所定の突出形状を成形するために要する塑性流動は比較的小規模となり、小さな荷重で済む。これにより、仕上げ金型に発生する内部応力が抑制され、仕上げ金型の破損のリスクが低減される。
また、予備金型の中心に円形の中央凹部があり、凸部および周囲凹部が円環形である態様では、予備成形工程で鍛造素材の前面を回転対称の予備形状に成形できる。したがって、回転対称の突出形状を成形するのに好適である。
さらに、予備金型の中央凹部および周囲凹部が同一平面上に位置する態様では、鍛造素材の中央方向から作用する荷重と、鍛造素材の周囲方向から作用する荷重との径方向の相殺効果が顕著になる。したがって、予備金型の凸部に発生する内部応力は、さらに一層抑制される。
また、所定の突出形状が半球形状である態様では、先端が半球形状の丸棒を製造できる。さらに、鍛造素材の前面および後面に同様の成形を行うことにより、低廉なコストで球体を量産できる。
本発明の鍛造金型セットによれば、本発明の鍛造方法と同様に、予備金型および仕上げ金型の破損のリスクが低減される。
実施形態の鍛造方法で製造する成形品の斜視図である。 予備成形工程で成形を実施した直後の状況を示す鍛造金型セットの断面図である。 予備成形品の前面の形状を示した図である。 仕上げ成形工程で成形を実施する直前の状況を示す鍛造金型セットの断面図である。 仕上げ成形工程で成形を実施した直後の状況を示す鍛造金型セットの断面図である。
本発明の実施形態の鍛造方法について、図1〜図5を参考にして説明する。実施形態の鍛造方法では、直径D1の円柱形状の鍛造素材から図1に示される成形品9を製造する。図1は、実施形態の鍛造方法で製造する成形品9の斜視図である。成形品9は、回転対称であり、直径D1の円柱状の基体部91の前側に所定の突出形状が成形されている。所定の突出形状は、テーパ状縮径部92、小径部93、および前側平面部94からなる。テーパ状縮径部92は、基体部91から前側に突出しつつ、その直径がD1からD2まで徐々に減少している。小径部93は、テーパ状縮径部92から前側に突出しつつ一定の直径D2を保つ円柱状となっている。前側平面部94は、小径部93の前面である。小径部93の外周面と前側平面部94の境界には、面取りに相当する丸みが成形される。小径部93および前側平面部94は、突出形状の突出頂部に相当する。
実施形態の鍛造方法では、予備成形工程および仕上げ成形工程を実施することによって、成形品9を成形する。図2は、予備成形工程で成形を実施した直後の状況を示す鍛造金型セットの断面図である。予備成形工程で使用する鍛造金型セットは、ダイス1、予備金型2、および押圧パンチ3の組合せからなる。ダイス1は、直径D1の成形孔11を有する固定金型である。予備金型2および押圧パンチ3は、ダイス1の成形孔11に挿入されて使用され、成形孔11の内部を移動できるように構成されている。
予備金型2は、外径が概ねD1の円柱形状の固定金型である。予備金型2は、鍛造素材と対向する面に、中央凹部21、凸部22、および周囲凹部23を有する。中央凹部21は、成形品9の小径部93および前側平面部94に対応する箇所が円形にへこんでいる。中央凹部21の直径D3は、小径部93の直径D2に近似していることが好ましく、厳密に一致する必要は無い。凸部22は、中央凹部21の周りに円環形に突出している。凸部22の突出部分の断面は、図2に示されるように、丸みを有する山状の形状となっており、これに限定されない。周囲凹部23は、凸部22の周りに円環形にへこんでおり、外周に達している。周囲凹部23は、中央凹部21と同一平面上に位置する。
押圧パンチ3は、外径が概ねD1の円柱形状の可動金型である。押圧パンチ3は、図略の駆動部に駆動され、予備金型2の方向に向かって移動しながら、鍛造素材の後面に荷重を加える。
予備成形工程において、まず、ダイス1の成形孔11の内部に予備金型2が固定される。2番目に、成形孔11の内部に鍛造素材が挿入される。鍛造素材は、前面が予備金型2に対向し、後面が押圧可能な状況となる。3番目に、押圧パンチ3が駆動される。押圧パンチ3は、鍛造素材の後面を押圧して荷重を加える。鍛造素材は、予備金型2に圧接され、前面に塑性流動が発生して予備成形品8に成形される。この後、押圧パンチ3が成形孔11から退出され、図略の押し出し駆動部により予備金型2が押圧パンチ3の方向に向かって駆動される。これにより、予備成形品8は、成形孔11から押し出される。
図3は、予備成形品8の前面の形状を示した図である。予備成形品8の前面には、回転対称の中央凸部81、凹部82、および周囲凸部83が成形されている。中央凸部81は、予備金型2の中央凹部21に対して凹凸関係が反転して形成され、突出した直径D3の円形となっている。同様に、凹部82は、凸部22に対して凹凸関係が反転して形成され、へこんだ円環形となっている。周囲凸部83は、周囲凹部23に対して凹凸関係が反転して形成され、突出した円環形となって外周に達している。
仕上げ成形工程の説明に移る。図4は、仕上げ成形工程で成形を実施する直前の状況を示す鍛造金型セットの断面図である。また、図5は、仕上げ成形工程で成形を実施した直後の状況を示す鍛造金型セットの断面図である。仕上げ成形工程で使用する鍛造金型セットは、仕上げ金型4、押し出しロッド5、および押圧パンチ3の組合せからなる。押し出しロッド5は、仕上げ金型4の一部となり、かつ、成形品9を押し出す機能を有する。押圧パンチ3は、予備成形工程で使用したものと同一形状の可動金型であり、予備成形工程の場合と同様に駆動される。
仕上げ金型4は、内径が概ねD1の成形穴41を有する固定金型である。仕上げ金型4は、成形品9の所定の突出形状に対応した所定凹部形状を成形穴41の底部に有する。所定凹部形状は、テーパ状縮径成形部42、小径成形部43、および前側平面成形部44からなる。テーパ状縮径成形部42、小径成形部43、および前側平面成形部44の形状は、それぞれ成形品9のテーパ状縮径部92、小径部93、および前側平面部94の形状に対して凹凸関係が反転している。小径成形部43の内周面と前側平面成形部44の境界には、面取りに相当する丸みが設けられている。仕上げ金型4の中央には、前側平面形成部44の中央に開口するロッド挿入穴45が穿設されている。
押し出しロッド5は、ロッド挿入穴45の内部に配設され、図略の押し出し駆動部により移動可能とされている。押し出しロッド5の平らな端面51は、成形時に前側平面成形部44と繋がって、成形品9の前側平面部94を成形する。
仕上げ成形工程において、まず、仕上げ金型4の中央に押し出しロッド5が固定される。2番目に、成形穴41の内部に予備成形品8が挿入される。予備成形品8は、前面が成形穴41の底部に対向し、後面が押圧可能な状況となる。3番目に、押圧パンチ3が駆動され、図4に示された状況となる。押圧パンチ3は、予備成形品8の後面を押圧して荷重を加える。これにより、図5に示されるとおり、予備成形品8は、成形穴41の底部に圧接され、前面に塑性流動が発生して成形品9に成形される。このとき、予備成形品8の周囲凸部83は、凹部82よりもへこんで所定の突出形状に成形される。この後、押圧パンチ3が成形穴41から退出され、押し出しロッド5が押圧パンチ3の方向に向かって駆動される。これにより、成形品9は、成形穴41から押し出される。
次に、実施形態の鍛造方法の作用について説明する。予備成形工程において、鍛造素材の前面は、予備金型2の凸部22に最初に接触するので、凸部22に荷重が集中する。図2に示されるように、凸部22は、鍛造素材の中央方向から作用する荷重F1と、鍛造素材の周囲方向から作用する荷重F2とを受けて、内部応力が発生する。このとき、荷重F1および荷重F2の径方向成分が向かい合って相殺されるので、凸部22に発生する内部応力は比較的小さくて済む。さらに、鍛造素材が塑性流動によって押し込まれる中央凹部21および周囲凹部23が同一平面上に位置するので、荷重F1および荷重F2の径方向成分は、大きさが近似した逆向きとなって相殺効果が顕著になる。この結果、凸部22に発生する内部応力は、さらに一層抑制される。
また、仕上げ成形工程において、予備成形品8の前面のうち周囲凸部83の外縁がテーパ状縮径成形部42の外縁に最初に接触して、塑性流動が始まる。このとき、図5に示されるように、テーパ状縮径成形部42の外縁付近に、内径を拡げる方向の荷重F3が集中する。ここで、予備成形工程において、凹部82が予備成形品8に予め成形されている。したがって、周囲凸部83が凹部82よりもへこむのに要する塑性流動は、鍛造素材の平らな前面を1回で所定の突出形状に成形する場合よりも小規模で済む。これにより、荷重F3が小さくて済み、テーパ状縮径成形部42に発生する内部応力が抑制される。
さらに、テーパ状縮径部92の成形が進んでゆくと、小径部93の成形が始まる。このとき、図5に示されるように、テーパ状縮径成形部42と小径成形部43との境界付近に、内径を拡げる方向の荷重F4が集中する。ここで、予備成形工程において、小径部93に近い形状の中央凸部81が予備成形品8に予め成形されている。したがって、小径部93を成形するために要する塑性流動は、鍛造素材の平らな前面を1回で所定の突出形状に成形する場合よりも小規模で済む。これにより、荷重F4が小さくて済み、テーパ状縮径成形部42と小径成形部43との境界付近に発生する内部応力が抑制される。
実施形態の鍛造方法は、所定の突出形状を半球形状として実施することもできる。この場合、先端が半球形状の丸棒を製造できる。さらに、鍛造素材の前面および後面に同様の成形を行うことにより、球体を製造できる。このとき、鍛造素材の前面および後面を2回に分けて成形してもよく、あるいは、鍛造素材の前面および後面をまとめて成形してもよい。前者の場合、鍛造素材の後面を成形するときの押圧パンチ3の前面は、鍛造素材の半球形状を押圧できる形状とする。後者の場合、予備成形工程に使用する押圧パンチ3の前面に中央凹部21、凸部22、および周囲凹部23を設け、仕上げ成形工程に使用する押圧パンチ3の前面にテーパ状縮径成形部42、小径成形部43、および前側平面成形部44を設ける。
実施形態の鍛造方法は、鍛造素材に荷重を加えることにより塑性流動を発生させ、鍛造素材の前面を所定の突出形状に成形する鍛造方法であって、突出形状の突出頂部(小径部93および前側平面部94)に対応する箇所がへこんだ中央凹部21と、中央凹部21の周りの凸部22と、凸部22の周りの周囲凹部23とを有する予備金型2を用いることにより、中央凹部21、凸部22、および周囲凹部23にそれぞれ対応する中央凸部81、凹部82、および周囲凸部83を鍛造素材の前面に成形する予備成形工程と、所定の突出形状に対応した所定凹部形状を有する仕上げ金型4を用いることにより、周囲凸部83を凹部82よりもへこませて、鍛造素材の前面を所定の突出形状に成形する仕上げ成形工程と、を備えた。
ここで、予備金型2の凸部22は、鍛造素材の前面に最初に接触するため、比較的荷重が集中しやすい。それでも、鍛造素材の中央方向から作用する荷重F1と、鍛造素材の周囲方向から作用する荷重F2とが一部相殺されるので、凸部22に発生する内部応力は比較的小さくて済む。この結果、特許文献1において絞り穴の入口を拡げる方向に荷重が集中する場合と比較して、予備金型2の内部応力が抑制され、予備金型2の破損のリスクが低減される。
また、予備成形工程において、突出頂部に近い形状の中央凸部81および凹部82が鍛造素材の前面に予め成形される。そして、仕上げ成形工程において、中央凸部81および凹部82が成形された前面を所定の突出形状に成形すればよく、平らな前面を1回で所定の突出形状に成形する必要がない。したがって、仕上げ成形工程において、所定の突出形状を成形するために要する塑性流動は比較的小規模となり、小さな荷重で済む。これにより、仕上げ金型4に発生する内部応力が抑制され、仕上げ金型4の破損のリスクが低減される。
さらに、予備金型2および仕上げ金型4の長寿命化が可能となり、ランニングコストが低廉化される。加えて、押圧パンチ3に必要とされる荷重が小さくてよいので、小型の鍛造設備で済み、イニシャルコストが低廉化される。
また、予備金型2は、その中心に中央凹部21を有し、かつ中央凹部21が円形であり、凸部22が円環形であり、周囲凹部23が円環形であってもよい。これによれば、予備成形工程で鍛造素材の前面を回転対称の予備形状に成形できる。したがって、回転対称の突出形状を成形するのに好適である。
さらに、予備金型2は、中央凹部21および周囲凹部23が同一平面上に位置することが好ましい。これによれば、鍛造素材の中央方向から作用する荷重F1と、鍛造素材の周囲方向から作用する荷重F2との径方向の相殺効果が顕著になる。したがって、予備金型2の凸部22に発生する内部応力は、さらに一層抑制される。
また、前記所定の突出形状は半球形状であってもよい。これによれば、先端が半球形状の丸棒を製造できる。さらに、鍛造素材の前面および後面に同様の成形を行うことにより、低廉なコストで球体を量産できる。
さらに、本発明は、予備金型2および仕上げ金型4を含む鍛造金型セットとして実施することもできる。これによれば、実施形態の鍛造方法と同様に、予備金型2および仕上げ金型4の破損のリスクが低減される。加えて、予備金型2および仕上げ金型4の長寿命化によるランニングコストの低廉化や、小型の鍛造設備で済むことによるイニシャルコストの低廉化も同様に発生する。
なお、予備成形工程や仕上げ成形工程で使用する金型セットは、適宜の変形が可能である。また、実施形態で説明した成形品9の形状や半球形状は、突出形状の例であり、本発明は、様々な別の突出形状の成形に適用できる。本発明は、実施形態で説明した方法および構成に限定されるものではなく、上述した以外にも様々な応用や変形が可能である。
1:ダイス 11:成形孔
2:予備金型 21:中央凹部 22:凸部 23:周囲凹部
3:押圧パンチ
4:仕上げ金型 41:成形穴
42:テーパ状縮径成形部 43:小径成形部 44:前側平面成形部
5:押し出しロッド
8:予備成形品 81:中央凸部 82:凹部 83:周囲凸部
9:成形品 91:基体部 92:テーパ状縮径部
93:小径部 94:前側平面部
本発明の鍛造方法は、鍛造素材に荷重を加えることにより塑性流動を発生させ、前記鍛造素材の前面を所定の突出形状に成形する鍛造方法であって、前記突出形状の突出頂部に対応する箇所がへこんだ中央凹部と、前記中央凹部の周りの凸部と、前記凸部の周りの周囲凹部とを有する予備金型を用いることにより、前記中央凹部、前記凸部、および前記周囲凹部にそれぞれ対応する中央凸部、凹部、および周囲凸部を前記鍛造素材の前面に成形する予備成形工程と、前記突出形状に対応した所定凹部形状を有する仕上げ金型を用いることにより、前記周囲凸部を前記凹部よりもへこませて、前記鍛造素材の前面を前記突出形状に成形する仕上げ成形工程と、を備え、前記予備金型の前記中央凹部の直径は、前記突出頂部の直径に一致または近似する。
また、本発明の鍛造方法は、鍛造素材に荷重を加えることにより塑性流動を発生させ、前記鍛造素材の前面を所定の突出形状に成形する鍛造方法であって、前記突出形状の突出頂部に対応する箇所がへこんだ中央凹部と、前記中央凹部の周りの凸部と、前記凸部の周りの周囲凹部とを有する予備金型を用いることにより、前記中央凹部、前記凸部、および前記周囲凹部にそれぞれ対応する中央凸部、凹部、および周囲凸部を前記鍛造素材の前面に成形する予備成形工程と、前記突出形状に対応した所定凹部形状を有する仕上げ金型を用いることにより、前記周囲凸部を前記凹部よりもへこませて、前記鍛造素材の前面を前記突出形状に成形する仕上げ成形工程と、を備え、前記予備金型は、前記中央凹部および前記周囲凹部が同一平面上に位置してもよい。
仕上げ金型4は、内径が概ねD1の成形穴41を有する固定金型である。仕上げ金型4は、成形品9の所定の突出形状に対応した所定凹部形状を成形穴41の底部に有する。所定凹部形状は、テーパ状縮径成形部42、小径成形部43、および前側平面成形部44からなる。テーパ状縮径成形部42、小径成形部43、および前側平面成形部44の形状は、それぞれ成形品9のテーパ状縮径部92、小径部93、および前側平面部94の形状に対して凹凸関係が反転している。小径成形部43の内周面と前側平面成形部44の境界には、面取りに相当する丸みが設けられている。仕上げ金型4の中央には、前側平面成形部44の中央に開口するロッド挿入穴45が穿設されている。
発明の鍛造方法は、鍛造素材に荷重を加えることにより塑性流動を発生させ、前記鍛造素材の前面を所定の突出形状に成形する鍛造方法であって、前記突出形状の突出頂部に対応する箇所がへこんだ中央凹部と、前記中央凹部の周りの凸部と、前記凸部の周りの周囲凹部とを有する予備金型を用いることにより、前記中央凹部、前記凸部、および前記周囲凹部にそれぞれ対応する中央凸部、凹部、および周囲凸部を前記鍛造素材の前面に成形する予備成形工程と、前記突出形状に対応した所定凹部形状を有する仕上げ金型を用いることにより、前記周囲凸部を前記凹部よりもへこませて、前記鍛造素材の前面を前記突出形状に成形する仕上げ成形工程と、を備え、前記予備金型は、前記中央凹部および前記周囲凹部が同一平面上に位置する。
さらに、予備金型の中央凹部および周囲凹部が同一平面上に位置するので、鍛造素材の中央方向から作用する荷重と、鍛造素材の周囲方向から作用する荷重との径方向の相殺効果が顕著になる。したがって、予備金型の凸部に発生する内部応力は、さらに一層抑制される。

Claims (5)

  1. 鍛造素材に荷重を加えることにより塑性流動を発生させ、前記鍛造素材の前面を所定の突出形状に成形する鍛造方法であって、
    前記突出形状の突出頂部に対応する箇所がへこんだ中央凹部と、前記中央凹部の周りの凸部と、前記凸部の周りの周囲凹部とを有する予備金型を用いることにより、前記中央凹部、前記凸部、および前記周囲凹部にそれぞれ対応する中央凸部、凹部、および周囲凸部を前記鍛造素材の前面に成形する予備成形工程と、
    前記突出形状に対応した所定凹部形状を有する仕上げ金型を用いることにより、前記周囲凸部を前記凹部よりもへこませて、前記鍛造素材の前面を前記突出形状に成形する仕上げ成形工程と、
    を備えた鍛造方法。
  2. 前記予備金型は、その中心に前記中央凹部を有し、かつ前記中央凹部が円形であり、前記凸部が円環形であり、前記周囲凹部が円環形である請求項1に記載の鍛造方法。
  3. 前記予備金型は、前記中央凹部および前記周囲凹部が同一平面上に位置する請求項1または2に記載の鍛造方法。
  4. 前記突出形状は半球形状である請求項1〜3のいずれか一項に記載の鍛造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載された鍛造方法に用いる鍛造金型セットであって、請求項1〜4のいずれか一項に記載された前記予備金型および前記仕上げ金型を含む鍛造金型セット。
JP2016186002A 2016-09-23 2016-09-23 鍛造方法および鍛造金型セット Active JP6169765B1 (ja)

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