JP2018046590A - 回転電機 - Google Patents

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伊藤  誠
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愼治 杉本
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周一 民谷
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【課題】 低コストで小型化及び高効率化できる回転電機の回転子を提供する【解決手段】 固定子と回転子を有する回転電機において、前記回転子は、複数の磁極が形成されるコアと、各磁極に形成される複数の磁石挿入孔と、前記複数の磁石挿入孔を連結する連結空間と、前記複数の磁石挿入孔および前記連結空間によって仕切られた外周側コアと内周側コアを跨ぐように、かつ、磁極中心から偏倚した位置に形成された複数の補強部材挿入溝と、前記磁石挿入孔に挿入された永久磁石と、前記補強部材挿入溝に挿入された非磁性体からなる補強部材と、から構成されており、該補強部材は、前記外周側コアと前記内周側コアのそれぞれに嵌合する係止部を有しており、前記磁極の周方向両端に位置する補強部材の係止部は、前記磁極中心側へ突出する長さである幅aと、前記永久磁石側へ突出する長さである幅bとの関係が、0≦a<b である回転電機。【選択図】 図1

Description

本発明は回転電機に関する
従来、永久磁石を使用する回転電機の回転子において、永久磁石の漏洩磁束を低減する構造として、例えば特許文献1に示すように、磁束の漏洩経路となるブリッジ部の一部を非磁性体で構成して漏洩磁束を低減する構造があった。
また、非磁性体で発生する渦電流損失を低減する構成として、例えば特許文献2に示すように、非磁性金属の集合体を使用することで非磁性部材中の渦電流損失を低減する構造があった。
特開平9―163648号公報 WO2011/132250
一般に永久磁石を使用する回転電機は、永久磁石の残留磁束をトルク発生に活用することでコイルに流れる電流を低減し、小型化および高効率化できるようにしている。永久磁石を貫く磁力線にはコイルと鎖交するいわゆる電機子鎖交磁束があり、電機子鎖交磁束はトルク発生に寄与する磁束である一方で、永久磁石を貫く磁力線の中にはコイルと鎖交しない漏洩磁束があり、漏洩磁束はトルク発生に寄与しない。そのため、回転電機の小型化及び高効率化をするためには、この漏洩磁束を低減し、永久磁石の残留磁束を有効活用する構造が必要となる。
回転子に永久磁石を使用する場合、回転子の回転に伴う遠心力が永久磁石に働き、この永久磁石による遠心力荷重を機械的に支持するための構成が回転子に要求される。特に、永久磁石を回転子コアの中に埋め込んだいわゆる埋込磁石同期回転電機の場合、永久磁石の遠心力荷重を機械的に支持するためのブリッジ部を必要とする。ブリッジ部は一般には回転子コアと一体で構成されているため磁束が通りやすく、永久磁石を貫く磁力線の一部は、永久磁石とブリッジ部のみを短絡した漏洩磁束となる。ブリッジ部を通る漏洩磁束はブリッジ部の非透磁率が1に近づきブリッジ部が磁気飽和するまで発生するため、ブリッジを通る漏洩磁束を低減するには、ブリッジの幅を狭めて磁気飽和しやすくする必要がある。しかしながら、この場合、機械的支持をするための十分な強度得るのが難しいという問題があった。
特許文献1には、回転子コアの表面近くに回転方向に沿い、かつ軸方向に伸びる複数の装着穴に永久磁石を装着し、この永久磁石を挟んで外周側に形成した突極部と中心側に形成したヨーク部とを結合するダンパーバーを備えた構造が記載されている。これにより、高速回転のような永久磁石にはたらく遠心力が大きな場合でも、遠心力荷重をブリッジ部だけでなくダンパーバーでも支持できるため、ブリッジ部の断面を小さくすることができ、ブリッジ部を通る漏洩磁束を低減できる。また、ダンパーバーの材料として非磁性の良電導体を使用してもよいことが記載されている。これにより、ブリッジ部及びダンパーバーを通る漏洩磁束を低減できる。しかしながら、特許文献1に例示されている銅、アルミニウム、ステンレス鋼などの材料は、非磁性体であっても磁束が全く通らないわけではないため、非磁性体を通る磁束の脈動により渦電流が非磁性体中を流れる。これにより渦電流損失が発生し、回転電機の効率を低下させる問題があった。
特許文献2では、永久磁石が挿入される磁石孔を有する回転子コア内に非磁性金属の集合体を有する構造が記載されている。これにより、非磁性金属の集合体内で誘起される渦電流の大きさは、個々の非磁性金属の大きさにより制限されるため、バルク材を使用するよりも渦電流を小さくすることができ、渦電流損失を低減できる。しかしながら、特許文献2で提示されている非磁性金属の集合体は、小球の集合体、細線の集合体、積層薄板の集合体のいずれかであり、いずれの場合も、成形工程やケーシングの工程を必要とするため、加工・製作費のコスト増大が懸念される。
以上より、永久磁石を使用する回転電機の回転子における、永久磁石の漏洩磁束を低減するための課題に対して、従来技術として、非磁性体を用いてブリッジ部の断面を小さくして漏洩磁束を低減する構造が提案されているものの、非磁性部材内で発生する渦電流損を低コストで低減し、回転電機の小型化及び高効率化できる手段はなかった。
本発明は上記事情を鑑み、低コストで小型化及び高効率化できる回転電機を提供する。
上記の課題を解決するために本発明の回転電機は、固定子と回転子を有し、前記回転子は、複数の磁極が形成されるコアと、各磁極に形成される複数の磁石挿入孔と、前記複数の磁石挿入孔を連結する連結空間と、前記複数の磁石挿入孔および前記連結空間によって仕切られた外周側コアと内周側コアを跨ぐように、かつ、磁極中心から偏倚した位置に形成された複数の補強部材挿入溝と、前記磁石挿入孔に挿入された永久磁石と、前記補強部材挿入溝に挿入された非磁性体からなる補強部材と、から構成されており、該補強部材は、前記外周側コアと前記内周側コアのそれぞれに嵌合する係止部を有しており、前記磁極の周方向両端に位置する補強部材の係止部は、前記磁極中心側へ突出する長さである幅aと、前記永久磁石側へ突出する長さである幅bとの関係が、0≦a<b であるものとした。
本発明によれば、低コストで小型化及び高効率化できる回転電機を提供することができる。
実施例1の回転子を示す断面図 実施例1の回転子の一つの磁極を示す断面図 実施例1の補強部材を設けない場合の回転子の一つの磁極を示す断面図 実施例1の補強部材を設けた場合の回転子の一つの磁極を示す断面図 実施例1の効果を示すシミュレーション結果 実施例1の補強部材を設けた場合と設けない場合の磁力線を示す断面図 実施例2の回転子の一つの磁極の補強部材周辺を示す部分断面図 実施例3の回転子の一つの磁極の補強部材周辺を示す部分断面図 実施例4の回転子の一つの磁極の補強部材周辺を示す部分断面図 実施例5の回転電機の断面図 実施例6の回転子の一つの磁極を示す断面図 実施例7の回転子の一つの磁極の補強部材周辺を示す部分断面図
以下、図面を用いて、本発明の実施例を説明する。
図1から図6を用いて、本発明の実施例1の回転電機1を説明する。本実施例の回転電機1は、外周側に設けられた固定子10と内周側に設けられた回転子20から構成されている。図1は本実施例の回転子20の回転軸に垂直な平面での断面図、図2は本実施例の回転子20の一つの磁極を示す断面図である。なお、図1では固定子10が外周側、回転子20が内周側にある場合の回転子20の断面図を示しているが、この限りではなく、回転子20が外周側、固定子10が内周側にある場合でも、本実施例の効果を得ることができる。
図1及び図2に示すように、回転子10は、磁性体である回転子コア30と、それを貫通するシャフト90から構成されるともに、偶数個(図1では6個)の磁極を有している。各磁極は、磁石挿入孔40と、その内部に収容された永久磁石50から構成されており、さらに、磁石挿入孔40と連結した連結空間を跨ぐように設けられた複数の補強部材挿入溝70と、補強部材挿入溝70の内部に収容された補強部材60を有している。なお、本実施例では、補強部材挿入溝70を磁極中心100から偏倚した位置に設けており、図2では、二つの補強部材挿入溝70を磁極中心100の線対称に配置している。
磁性体である回転子コア30に発生する渦電流損失を低減するために、回転子コア30の材料としては電気的絶縁体でラミネーションされた積層鋼鈑を使用することが望ましいが、材料費や加工費を低減するためにソリッドの磁性体を使用してもよい。回転子コア30はシャフト90に、例えば、接着、溶接、圧入、焼き嵌め等の方法を用いて固定される。回転子コア30をソリッドの磁性体で構成する場合は、回転子コア30とシャフト90を一体成型してもよい。
回転子20の各磁極には少なくとも1つの磁石挿入孔40が設けられており、磁石挿入孔40には回転子20の磁極を構成するための永久磁石50が収容されている。永久磁石50の材質には制約はなく、フェライト系、ネオジム系、サマリウムコバルト系などを例とする、いずれの材料を使用しても良い。各磁極は二つ以上の永久磁石50により構成される。図2では一つの磁極を二つの永久磁石50で構成しているが、三つ以上の永久磁石50で磁極を構成してもよい。また、磁石配置は図2で例示したV字型に限定する必要はなく、例えば、U字型やスポーク型など、その他の磁石配置で磁極を構成する場合でも、本実施例の効果を得ることができる。
図1に示すように、本実施例の回転子コア30は磁石挿入孔40によって、回転子20の内周面と磁石挿入孔40に囲まれた略六芒星状断面の内周側コア31と、回転子20の外周面と磁石挿入孔40に囲まれた略扇状断面の外周側コア32に仕切られる。内周側コア31と外周側コア32は、図2に示すブリッジ部150を介して一体成形されていてもよく、またブリッジ部150を持たず、別部材として成形したものを組合せて、回転子コア30を構成してもよい。
磁石挿入孔40は、これと連結した連結空間に内周側コア31と外周側コア32のそれぞれの方向にせり出すように複数の補強部材挿入溝70が設けられており、それぞれの補強部材挿入溝70には非磁性材料の補強部材60が収容されている。図2では一つの磁極に対して二つの補強部材60を使用しているが、三つ以上の補強部材60を使用しても、本実施例の効果を得ることができる。
補強部材60は、内周側コア31と外周側コア32のそれぞれに嵌合する係止部80を有した略エ字状断面の部材であり、この補強部材60により内周側コア31と外周側コア32が機械的に接続される。補強部材60に用いる非磁性材料としては、機械的強度が比較的大きな金属材料を使用することが望ましく、金属材料を使用することで回転電機1が高速回転したときでも補強部材60が耐え得るように設計できる。なお、回転電機1が比較的低速回転で補強部材60の強度がそれほど要求されない場合は、機械的強度が比較的小さい樹脂材料を使用してもよい。
図2に示すように、各磁極の周方向両端に位置する補強部材60は、内周側コア31と嵌合する係止部80と、外周側コア32と嵌合する係止部80を持っており、各係止部80は、磁極中心100方向へ幅aだけ突出し、その反対方向への幅bだけ突出している。そして、補強部材60の回転子周方向幅最狭部の磁極中心100側端部面83と係止部80の周方向磁極中心側端部面81の間の幅aと、補強部材60の回転子周方向幅最狭部の永久磁石側端部面84と係止部80の周方向永久磁石側端部面82の間の幅bの関係が、幅aは幅bよりも小さくなるように構成されている。なお、本実施例の効果は、磁極中心100側に係止部80を有しない場合でも得られ、この場合の幅aはa=0と定義する。
次に、係止部80の端部の突出量を幅a<幅bと定めた本実施例の作用について説明する。本実施例では、内周側コア31と外周側コア32を機械的に接続する構造に補強部材60を使用している。これにより、回転子20が回転した時の外周側コア32に起因する遠心力荷重の少なくとも一部が補強部材60に分担されるため、ブリッジ部150が担う応力を低減でき、ブリッジ部150の断面積を小さくできる。また、遠心力荷重が小さい場合は、全ての遠心力荷重を補強部材60で支持できるため、ブリッジ部150を省略して、内周側コア31と外周側コア32を空間的に分離することもできる。
ブリッジ部150の断面積を小さくする、もしくはブリッジレスにすることで、ブリッジ部150を介して漏洩する磁束量を低減できる。さらに、補強部材60は非磁性材料であるため、補強部材60を介して漏洩する磁束は少ない。したがって、本構造により、回転子20内での漏洩磁束を低減し、電機子鎖交磁束を増加させることができる。この効果により、回転電機1に使用する永久磁石50の使用量を増やしたり、高コストな高残留磁束密度の永久磁石50を使用したりせずに、トルク発生に必要な電流量を低減でき、加えて、誘導起電力と力率を高めることができる。電流量を低減することで、回転電機1の巻線160内に発生する銅損を低減でき、これにより回転電機1を高効率化できる。
さらに本実施例では、幅aを幅bより短くすることで、低コストに補強部材60内の渦電流損失を低減している。このことについて以下で詳しく述べる。
図5は、幅aと幅bの比と、補強部材60内の渦電流損失の関係を、固定子10の形状、回転子20の磁石挿入孔40及び永久磁石50の形状、回転数、トルクなどを同条件として磁場解析したシミュレーション結果である。図5の横軸は幅aを幅bで割った値であり、a/b=1の補強部材60を図3に、a/b=0の補強部材60を図4に例示する。また、図5の縦軸は補強部材60内の渦電流損失を示し、a/b=1での渦電流損失の値を1として正規化している。
図5のシミュレーション結果から明らかなように、幅aを幅bより小さくすると、補強部材60内の渦電流損失を低減でき、高効率化を実現できることがわかる。特にa/bが0.5以下の場合に、補強部材60内の渦電流損失低減効果が大きい。一方で、a/bを0に近づけても、渦電流損失の更なる改善が小さいことも分かる。
図6に図5のシミュレーションにおける補強部材60周辺の磁力線および渦電流損失の描画結果を示す。図6左図はa/b=1の補強部材60(図3参照)、図6右図はa/b=0の補強部材60(図4参照)の渦電流損失をそれぞれ示し、補強部材60中の白色部分は渦電流損失が大きい箇所を示している。図6左図では、係止部80の周方向磁極中心側端部61で特に渦電流損失が大きく、図6右図では、渦電流損失の大きな係止部80の周方向磁極中心側端部61を有しないため、渦電流損失が小さくなっている。
図6の渦電流損失の発生箇所の分析に基づくと、補強部材60内の渦電流発生のメカニズムは以下のように考えられる。まず、永久磁石50から出た磁束の一部が複数の補強部材60間を通る。この際、非磁性体である補強部材60の磁気抵抗は大きいため、多くの磁束は補強部材60間の回転子コア30内を通る。回転子コア30内に多くの磁束が通ると、磁気飽和の影響により回転子コア30の磁気抵抗が大きくなる。補強部材60間の回転子コア30の磁気抵抗が大きくなると、次に磁束が通りやすい経路として、補強部材60の係止部80の周方向磁極中心側端部61内を磁束が通る経路が形成され、この磁束の時間変動により、補強部材60内に渦電流が発生する。
したがって、補強部材60内の渦電流損失を低減するためには、補強部材60の係止部80の幅aは小さいことが望ましい。一方で、内周側コア31と外周側コア32を補強部材60で機械的に接続し、所望の回転数における遠心力荷重に回転子20が耐えうるためには、十分な機械的強度を得るために係止部80の幅aは大きいことが望ましい。このトレードオフを解消する構造として、本実施例では、図2に示したように、幅aを幅bの1/2より短くするものの、幅aとしてある程度の長さを確保した。すなわち、補強部材60の係止部80の周方向永久磁石側端部62で、補強部材60と内周側コア31及び外周側コア32との機械的な接続をさせ、遠心力荷重に対する回転子20の機械的強度を担保する。補強部材60の係止部80の周方向磁極中心側端部61は、渦電流損失が発生しやすいため小さく構成し、係止部80としての機能は補助的なものとする。これにより、所望の回転数における遠心力荷重に対して十分な回転子20の機械的強度を得ながら、補強部材60内に発生する渦電流損失を低減できる。本実施例の補強部材60はその断面形状に特徴を有するものであり、特許文献2の補強部材(同文献中では「非磁性金属集合体」)のように、渦電流損失を低減するための複合材にする必要はなく、非磁性のバルク材を使用できるため、加工費及び製作費は低コストに抑えることができる。
なお、補強部材60が一つの磁極に三つ以上ある場合、磁極の周方向両端以外に位置している補強部材60に関しては、補強部材60内に発生する渦電流損失を低減するために、係止部80は小さくし、補強部材60としての機能は補助的なものにすることが望ましい。
以上で説明した本実施例の構成により、簡易、安価な構成の補強部材60を用いても、補強部材60内の渦電流損失を低減でき、回転電機1の高効率化が可能となる。また、本実施例では、回転電機1の体格を増大させることなく電機子鎖交磁束を増加する技術を提供しており、高効率な回転電機1をさらに小型化することができる。
図7は実施例2の回転子20の一つの磁極の補強部材周辺を示す部分断面図である。実施例1と重複する事項については説明を省略する。
実施例2では、実施例1のように幅aを幅bより短くしたことに加えて、磁極の周方向両端に位置する補強部材60の回転子20外周側係止部80の周方向永久磁石側端部62の角部(外周側係止部の幅b先端の角部)110a、110bの曲率半径R1と、磁極の周方向両端に位置する補強部材60の回転子20内周側係止部80の周方向永久磁石側端部62の角部(内周側係止部の幅b先端の角部)111a、111bの曲率半径R2の関係を、曲率半径R1<曲率半径R2としている。
回転子20が回転した際の係止部80にはたらく遠心力荷重は、回転子20外周側の係止部80には、外周側コア32の遠心力荷重に相当する荷重のみがはたらくのに対して、回転子20内周側の係止部80には、外周側コア32の遠心力荷重だけでなく補強部材60及び永久磁石50の遠心力荷重に相当する荷重が加わる。このため、外周側コア32の係止部80よりも、内周側コア31の係止部の方がより大きな応力が発生する。
そこで、実施例2では、外周側の曲率半径R1より内周側の曲率半径R2を大きくすることで、内周側コア31の係止部80角部111a、111bにはたらく応力を低減できる。これにより、補強部材60で支持できる遠心力荷重量が増加できるため、実施例1よりも、ブリッジ部150の断面積を減らす、またはブリッジレス化することができる。これにより、実施例1に比べても、更なる小型化、高効率化効果を得ることができる。
図8は実施例3の回転子20の一つの磁極の補強部材周辺を示す部分断面図である。他の実施例と重複する事項については説明を省略する。
実施例3では、実施例1のように幅aを幅bより短くしたことに加えて、曲率半径R1と、磁極の周方向両端に位置する補強部材60の回転子周方向幅最狭部の永久磁石側端部面84と係止部80の周方向永久磁石側端部62の間に位置する角部(係止部の幅b根元の角部)112a、112bの曲率半径R3の関係を、曲率半径R1<曲率半径R3としている。
回転子20が回転した際、補強部材60には係止部80を支点とした回転子20径方向の引張力がはたらく。特に幅aを幅bより短くしている場合、補強部材60の幅a側の係止部80としての機能は補助的であり、引張力は係止部80の幅b側の方が大きくなる。このため、磁極の周方向両端に位置する補強部材60は、幅b側の方が伸ばされ、幅a側よりも大きな応力が発生する。特に角部112a、112bには応力が集中するため、強度不十分となる恐れがある。
このため、実施例3では、曲率半径R1よりも曲率半径R3を大きくすることで、角部112a、112bにはたらく応力を低減できる。これにより、補強部材60で支持できる遠心力荷重量が増加できるため、実施例1よりも、ブリッジ部150の断面積を減らす、またはブリッジレス化することができる。これにより、実施例1に比べても、更なる小型化、高効率化効果を得ることができる。
図9は実施例4の回転子20の一つの磁極の補強部材周辺を示す部分断面図である。他の実施例と重複する事項については説明を省略する。
実施例4では、実施例1のように幅aを幅bより短くしたことに加えて、磁極の周方向両端の補強部材60の係止部80の周方向永久磁石側端部62の径方向側厚さt1と、磁極の周方向両端の補強部材60の回転子周方向幅最狭部の磁極中心100側端部面83と回転子周方向幅最狭部の永久磁石側端部面84とに挟まれた補強部材60の長手方向部分63の厚さt2の関係を、厚さt1<厚さt2としている。
回転子20が回転した際、補強部材60には係止部80を支点とした回転子20径方向の引張力がはたらく。特に幅aを幅bより短くしている場合、補強部材60の幅a側の係止部80としての機能は補助的であり、引張力は係止部80の幅b側の方が大きくなる。このため、磁極の周方向両端に位置する補強部材60は、幅b側の方が伸ばされ、補強部材の長手方向部分63には永久磁石50側に凸になるような曲げ応力が発生する。したがって補強部材60の長手方向部分63には引張応力だけでなく曲げ応力が発生するため、強度不十分となる恐れがある。
このため、実施例4では、厚さt1よりも厚さt2を厚くすることで、補強部材60の長手方向部分63の径方向引張力に対する強度だけでなく、永久磁石50側に凸になるような曲げモーメントに対する強度を増加させることができ、長手方向部分63にはたらく応力を低減できる。これにより、補強部材60で支持できる遠心力荷重量が増加できるため、実施例1よりも、ブリッジ部150の断面積を減らす、またはブリッジレス化することができる。これにより、実施例1に比べても、更なる小型化、高効率化効果を得ることができる。
図10は回転軸に平行な平面での実施例5の回転電機20の断面図である。実施例1〜4と重複する事項については説明を省略する。
実施例5では、実施例1〜4のいずれかの構成に加えて、回転子コア30と、永久磁石50と、補強部材60の三者を回転軸方向の両側から押さえつけるコアクランプ140を有しており、少なくとも一つの補強部材60とコアクランプ140との間が電気的に絶縁されている。電気的な絶縁は、補強部材60またはコアクランプ140を絶縁体でラミネーションしても、もしくはいずれかの部材に酸化被膜等の絶縁被膜を形成してもよいし、また、補強部材60とコアクランプ140との間に絶縁部材130を挿入してもよい。なお、絶縁部材130は図10に示すように、回転子コア30全体を覆うような形状でなくても、補強部材60の少なくとも一部と接して、補強部材60とコアクランプ140を離間するような形状でもよい。さらには、以上に記載した方法以外でも、少なくとも一つの補強部材60と、コアクランプ140との間を電気的に絶縁する方法であれば、本実施例の効果を得ることができる。
補強部材60とコアクランプ140とが電気的に接続されている場合、補強部材60またはコアクランプ140のいずれかの内部を通る漏洩磁束の磁束量が時間変化すると、補強部材60とコアクランプ140全体を通る大きなループ経路で渦電流が流れるため、渦電流損失が増加する。これにより効率が低下する恐れがある。
このため実施例5では、少なくとも一つの補強部材60と、コアクランプ140との間を電気的に絶縁している。これにより少なくとも絶縁された補強部材60とコアクランプ140全体を通る渦電流のループ経路は形成されなくなり、渦電流損失を低減できる。さらに、全ての補強部材60とコアクランプ140を電気的に絶縁することで、補強部材60とコアクランプ140全体を通る渦電流のループ経路は形成されなくなり、渦電流損失を低減できる。また、補強部材60とコアクランプ140間に絶縁部材130を挿入する場合、挿入する絶縁部材130は薄く作ることができるため、これによる大型化の恐れはない。したがって、本実施形態により、大きな小型化、高効率化効果を得ることができる。
また、特に補強部材60は回転子コア30と接触しており、補強部材60と回転子コア30を通る渦電流のループ経路ができ、このループ回路により渦電流損失が増大する可能性がある。このため、少なくとも一つの補強部材60がその周囲に対して電気的に絶縁することで、補強部材60とコアクランプ140を通る渦電流のループ経路が形成されなくなるだけでなく、補強部材60と回転子コア30を通る渦電流のループ経路も形成されなくなり、渦電流損失を大幅に低減できる。これにより、他の実施例に比べても、更なる小型化、高効率化効果を得ることができる。
図11は実施例6の回転子20の一つの磁極を示す断面図である。実施例1〜5と重複する事項については説明を省略する。
実施例6では、実施例1〜5のいずれかの構成に加えて、補強部材60間の少なくとも一箇所に内周側コア31と外周側コア32と一体成形されたセンターブリッジ部120を有している。
回転子20が回転した際、補強部材60と、係止部80における内周側コア31及び外周側コア32に応力が発生し、高速回転においては材料の強度不足を招く恐れがある。このため、本実施例では、内周側コア31と外周側コア32と一体成形されたセンターブリッジ部120を有することで、センターブリッジ部120が遠心力荷重に対して回転子20を支持する補強部材としてはたらき、高強度化できる。補強部材60を有しない場合と比較して、センターブリッジ部120の径方向幅t3は狭めることができるため、補強部材60を使用することによる小型化、高効率化効果を得つつ、高強度化による高速回転対応が可能となる。
また、補強部材60間に配置したセンターブリッジ部120に対して、遠心力荷重はその長手方向にはたらくため、センターブリッジ部120には曲げ応力がほとんど発生しない。このため、曲げ応力を低減させるための径方向幅t3の増大はないため、径方向幅t3は遠心力荷重による径方向の引張力に耐えうる幅であればよく、センターブリッジ部120を有さず、その他のブリッジ部150だけを有する場合と比べて磁束の漏洩量を小さくすることができる。例えば、幅t3のセンターブリッジ部120と補強部材60のみでの回転速度上限をXとすると、センタ―ブリッジ部120を有さず、回転子20の外周側で内周側コア31と外周側コア32とを接続する外周側ブリッジ部151a、151bと補強部材60とで同様の回転速度上限Xまで回転させるためには、外周側ブリッジ部151a、151bの径方向幅t4の合計2*t4は、幅t3よりも厚くなる。
以上から、本実施例により、漏洩磁束低減による小型化、高効率化効果を得つつ、高強度化による高速回転対応が可能となる。
さらに、補強部材60とセンターブリッジ部120の間に空間をつくることなく隣接させることで、外周側コア32の体積を小さくすることができる。補強部材60とセンターブリッジ部120が受ける遠心力荷重は、外径側コア32と永久磁石50及び自重によるため、外径側コア32体積が小さくなることで、補強部材60及びセンターブリッジ部120の受ける遠心力荷重は低減できる。これにより、センターブリッジ部120の幅t3を狭めることができ、かつ、その他のブリッジ部150の断面積を減らす、またはブリッジレス化することができ、漏洩磁束を大幅に低減できる。これにより、漏洩磁束低減による大幅な小型化、高効率化効果を得つつ、高強度化による高速回転対応が可能となる。
図12は実施例7の回転子20の一つの磁極の補強部材周辺を示す部分断面図である。実施例1〜6と重複する事項については説明を省略する。
実施例7では、実施例6の構成に加えて、曲率半径R1と、磁極の周方向両端に位置する補強部材60の係止部80の周方向磁極中心側端部61の角部113a、113bの曲率半径R4の関係を、曲率半径R1<曲率半径R4としている。なお、幅a=0の場合は、図12に示すように、角部113aのみを有する。
回転子20が回転した際に、センターブリッジ部120には曲げ応力はほとんど発生せず、引張応力だけが発生するが、角部113においては大きな応力が発生する。
実施例7では、曲率半径R1より曲率半径R4を大きくすることで、角部113にはたらく応力を低減できる。これにより、センターブリッジ部120で支持できる遠心力荷重量が増加できるため、実施例6よりも、センターブリッジ部120の幅t3を低減し、かつ、その他のブリッジ部150の断面積を減らす、またはブリッジレス化することができる。これにより、高強度化による高速回転対応をしつつ、大きな小型化、高効率化効果を得ることができる。
1 回転電機、
10 固定子、
20 回転子、
30 回転子コア、
31 内周側コア、
32 外周側コア、
40 磁石挿入孔、
50 永久磁石、
60 補強部材、
70 補強部材挿入溝、
80 係止部、
90 シャフト、
100 磁極中心、
120 センターブリッジ部、
130 絶縁部材、
140 コアクランプ、
150 ブリッジ部、

Claims (11)

  1. 固定子と回転子を有する回転電機において、
    前記回転子は、
    複数の磁極が形成されるコアと、
    各磁極に形成される複数の磁石挿入孔と、
    前記複数の磁石挿入孔を連結する連結空間と、
    前記複数の磁石挿入孔および前記連結空間によって仕切られた外周側コアと内周側コアを跨ぐように、かつ、磁極中心から偏倚した位置に形成された複数の補強部材挿入溝と、
    前記磁石挿入孔に挿入された永久磁石と、
    前記補強部材挿入溝に挿入された非磁性体からなる補強部材と、
    から構成されており、
    該補強部材は、前記外周側コアと前記内周側コアのそれぞれに嵌合する係止部を有しており、
    前記磁極の周方向両端に位置する補強部材の係止部は、前記磁極中心側へ突出する長さである幅aと、前記永久磁石側へ突出する長さである幅bとの関係が、
    0≦a<b
    であることを特徴とする回転電機。
  2. 請求項1に記載の回転電機において、
    0≦a/b<0.5
    であることを特徴とする回転電機。
  3. 請求項1または2に記載の回転電機において、
    前記磁極の周方向両端に位置する前記補強部材は、
    前記外周側コアに係止する係止部の前記幅b先端の角部の曲率半径R1と、
    前記内周側コアに係止する係止部の前記幅b先端の角部の曲率半径R2と、
    の関係が、R1<R2
    であることを特徴とする回転電機。
  4. 請求項1または2に記載の回転電機において、
    前記磁極の周方向両端に位置する前記補強部材は、
    前記係止部の前記幅b先端の角部の曲率半径R1と、
    前記係止部の前記幅b根元の角部の曲率半径R3と、
    の関係が、R1<R3
    であることを特徴とする回転電機。
  5. 請求項1または2に記載の回転電機において、
    前記磁極の周方向両端に位置する前記補強部材は、
    前記係止部の前記回転子径方向の幅t1と、
    前記補強部材の前記連結空間での幅t2と、
    の関係が、t1<t2
    であることを特徴とする回転電機。
  6. 請求項1または2に記載の回転電機において、
    さらに、前記コア、前記永久磁石、及び、前記補強部材を回転軸方向の両側から押さえつけるコアクランプを有しており、
    少なくとも1つの前記補強部材と前記コアクランプとの間が電気的に絶縁されていることを特徴とする回転電機。
  7. 請求項1または2に記載の回転電機において、
    少なくとも1つの前記補強部材がその周囲と電気的に絶縁されていることを特徴とする回転電機。
  8. 請求項1または2に記載の回転電機において、
    前記連結空間の少なくとも1箇所に前記外周側コア及び前記内周側コアと一体成形されたセンターブリッジ部を有することを特徴とする回転電機。
  9. 請求項8に記載の回転電機において、
    前記センターブリッジ部は、前記複数の補強部材の間に形成されていることを特徴とする回転電機。
  10. 請求項8に記載の回転電機において、
    前記磁極の周方向両端に位置する前記補強部材は、
    前記係止部の前記幅b先端の角部の曲率半径R1と、
    前記係止部の前記幅a先端の角部の曲率半径R4と、
    の関係が、R1<R4
    であることを特徴とする回転電機。
  11. 請求項1または2に記載の回転電機において、
    前記外周側コアと前記内周側コアが分離していることを特徴とする回転電機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113169608A (zh) * 2019-03-05 2021-07-23 宝马股份公司 具有支撑结构的用于用永久磁铁励磁的电机的转子

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