JP2018045122A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】感温磁性体によりベルトの過剰な加熱が抑制される定着装置において、感温磁性体が常磁性になった場合に、ベルトの温度を測定するセンサが磁界の作用で加熱されることを抑制すること。【解決手段】発熱制御部材735は、定着ベルト731の第2面731S2側の空間に配置されてキュリー温度で強磁性から常磁性に変化する感温磁性材料を有し、定着ベルト731の発熱を抑制する。温度センサ75は、定着ベルト731の温度を測定する。温度センサ75は、導電体を有しており、磁界の作用により加熱されるようになっている。磁性体76は、温度センサ75の周囲に設置され、IHヒータ72により生成される磁界により温度センサ75の温度が上昇することを抑制する。【選択図】図4

Description

本発明は、定着装置及び画像形成装置に関する。
特許文献1には、磁界の作用で加熱される定着ベルトが過剰に加熱されることを、感温磁性材料を用いて防止する技術が開示されている。
特開2008−152247号公報
定着装置においては、ベルトの温度を測定するセンサを設けることがある。このセンサとして磁界の作用で加熱されるものが用いられた場合、特許文献1の技術のように定着ベルトの加熱に磁界が用いられていると、感温磁性体が強磁性である状態では感温磁性体によって磁束が導かれて磁界が弱まる領域が生じるのでその領域にセンサを配置しておけばよいが、感温磁性体が加熱されて常磁性になると、磁界が弱まっていたセンサの設置領域の磁界が強くなりセンサが加熱され、実際のベルトの温度よりも高い温度が測定されることが起こり得る。
そこで、本発明は、感温磁性体によりベルトの過剰な加熱が抑制される定着装置において、感温磁性体が常磁性になった場合に、ベルトの温度を測定するセンサが磁界の作用で加熱されることを抑制することを目的とする。
本発明の請求項1に係る定着装置は、磁界の作用により熱を発生させて当該熱により媒体に画像を定着させるベルトと、前記ベルトの第1面側に配置されて当該ベルトを加熱する磁界を発生させる磁界発生部と、前記ベルトの第2面側の空間に配置されてキュリー温度で強磁性から常磁性に変化する第1磁性体を有し、前記ベルトの発熱を抑制する発熱制御部材と、前記第1磁性体よりも前記ベルト側で且つ当該第1磁性体から見て前記ベルトの厚さ方向に存在する空間を前記第2面側の空間から除いた第1空間に配置され、前記ベルト側に存在する物体の温度を測定し、且つ、磁界の作用により加熱されるセンサと、前記センサよりも前記ベルトとは反対側で且つ当該センサから見て前記厚さ方向に存在する空間を前記第2面側の空間から除いた第2空間に配置された第2磁性体とを備えることを特徴とする。
本発明の請求項2に係る定着装置は、請求項1に記載の構成において、前記第2磁性体は、前記第1磁性体のキュリー温度では強磁性を示すことを特徴とする。
本発明の請求項3に係る定着装置は、請求項1又は2に記載の構成において、前記第2磁性体は、キュリー温度が前記第1磁性体よりも高いことを特徴とする。
本発明の請求項4に係る定着装置は、請求項1から3のいずれか1項に記載の構成において、前記第2磁性体は、前記第2空間のうち、前記第1磁性体よりも前記ベルトから離れた空間に配置されていることを特徴とする。
本発明の請求項5に係る定着装置は、請求項1から4のいずれか1項に記載の構成において、前記発熱制御部材は、前記厚さ方向に貫通する孔を有し、前記センサは、前記孔の前記厚さ方向に配置されていることを特徴とする。
本発明の請求項6に係る定着装置は、請求項1から4のいずれか1項に記載の構成において、前記センサは、前記第1磁性体によって前記ベルト側が覆われる位置に配置されていることを特徴とする。
本発明の請求項7に係る定着装置は、請求項1から6のいずれか1項に記載の構成において、前記第2磁性体は、前記センサから見て前記ベルトの厚さ方向に存在する空間を前記第2空間から除いた第3空間に配置されていることを特徴とする。
本発明の請求項8に係る定着装置は、請求項1から6のいずれか1項に記載の構成において、前記第2磁性体は、前記第2空間のうち、前記センサよりも前記ベルト側で且つ当該センサから見て前記厚さ方向に存在する第4空間に配置されていることを特徴とする。
本発明の請求項9に係る画像形成装置は、請求項1から8のいずれか1項に記載の定着装置と、媒体に画像を形成し、当該媒体に形成された画像が前記定着装置により当該媒体に定着される画像形成部とを備えることを特徴とする。
請求項1、2、3、9に係る発明によれば、感温磁性体によりベルトの過剰な加熱が抑制される定着装置において、感温磁性体が常磁性になった場合に、ベルトの温度を測定するセンサが磁界の作用で加熱されることを抑制することができる。
請求項4に係る発明によれば、ベルトの温度ムラの発生を防ぐことができる。
請求項5に係る発明によれば、センサがベルトの温度を直接測定することができる。
請求項6に係る発明によれば、センサのベルト側が覆われていない場合に比べて、ベルトの熱がセンサに伝わりにくいようにすることができる。
請求項7に係る発明によれば、第2磁性体の磁性を強くするほどセンサの温度上昇を抑制することができる。
請求項8に係る発明によれば、第2磁性体が第4空間に配置されていない場合に比べて、ベルトの熱がセンサに伝わりにくいようにすることができる。
実施例に係る画像形成装置の全体構成を表す図 画像形成部の構成を表す図 搬送方向A2に見た定着装置7を表す図 図3の矢視IV-IV方向に見た定着装置7の断面を表す図 温度センサの周辺を拡大して表す図 温度センサの周辺の空間を表す図 温度センサの周辺で発生した磁界における磁力線の一例を表す図 感温磁性材料がキュリー温度に達した場合の磁力線の一例を表す図 感温磁性材料がキュリー温度に達した場合の磁力線の一例を表す図 温度センサの温度上昇の実験結果の一例を表す図 温度センサの温度上昇の実験結果の一例を表す図 変形例の発熱制御部材の一例を表す図 変形例の発熱制御部材の別の一例を表す図 変形例の磁性体の一例を表す図 変形例の磁性体の別の一例を表す図 変形例の温度センサの周辺の空間を表す図 温度センサの周辺の空間を表す図
[1]実施例
図1は実施例に係る画像形成装置100の全体構成を表す。画像形成装置100は、画像データに応じた画像を形成する装置である。画像形成装置100は、制御部110と、表示部120と、操作部130と、通信部140と、記憶部150と、画像形成部160とを備える。
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)を含む演算装置やメモリを備えたコンピュータである。制御部110の演算装置は、メモリに記憶されたプログラムを実行して、画像形成装置100の各部を制御したり、データを処理したりする。また、制御部110は、時刻を測定する機能を有し、これらの制御や処理を行ったときの時刻を取得したり、決められた時刻にこれらの制御や処理を行ったりする。表示部120は、液晶表示画面及び液晶駆動回路を備えており、制御部110から供給されてくる情報に基づいて処理の進行状況やユーザに操作を案内する情報などを表示する。
操作部130は、ボタン等の操作子を備え、ユーザの操作に応じてその操作内容を表す操作情報を制御部110に供給する。通信部140は、LAN(Local Area Network)などの通信回線と接続し、その通信回線に接続する外部装置と通信する。この外部装置からは、例えば、画像を形成するための画像データと共に、その画像を用紙に形成するように要求することを示す要求データが送信されてくる。通信部140は、送信されてきたそれらのデータを制御部110に供給する。記憶部150は、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置を備え、例えば、上記の画像データを記憶する。画像形成部160は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナーを用いて電子写真方式で用紙等の媒体(記録媒体)に画像を形成する。
図2は画像形成部160の構成を表す。図2に示す画像形成部160の各符号のうち、その末尾に付されたアルファベットは画像形成装置が扱うトナーの色に対応する。符号の末尾のアルファベットが異なる構成は、扱うトナーの色が異なるが、その構成は互いに共通している。以下の説明において、これら各構成を特に区別する必要がない場合には、符号の末尾のアルファベットを省いて説明する。画像形成部160は、画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kと、露光装置2と、中間転写ベルト3と、給紙部4と、複数の搬送ロール5と、二次転写ロール6と、定着装置7と、排出部8とを有する。
露光装置2は、各画像形成ユニット1に各色の画像データに応じた光(露光光)をそれぞれ出力し、各色の画像の元となる静電潜像をそれぞれ形成する。画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kは、トナーを用いて静電潜像を現像し、各色の画像をそれぞれ形成する。これらの画像形成ユニット1の構成について、画像形成ユニット1Kの構成を例に挙げて説明する。画像形成ユニット1Kは、感光体11Kと、帯電装置12Kと、露光部13Kと、現像装置14Kと、一次転写ロール15Kと、クリーニング装置16Kとを有する。感光体11Kは、表面に光導電膜を積層して軸を中心に回転する円筒状の部材であり、表面に形成された静電潜像を保持する。
帯電装置12Kは、感光体11Kを決められた帯電電位に帯電させる。露光部13Kは、露光装置2から出力された露光光が感光体11Kに至るまでの経路を形成する。帯電装置12Kにより帯電された感光体11Kの表面には、露光装置2が出力した露光光が露光部13Kを通って到達し、画像データに応じた静電潜像が形成される。現像装置14Kは、非磁性体であるトナーと磁性体であるキャリアとを有する現像剤を収容する。現像装置14Kは、この現像剤に含まれるトナーを上記の静電潜像に供給し、この静電潜像を現像して感光体11Kの表面に画像を形成する。一次転写ロール15Kは、この画像を感光体11Kから中間転写ベルト3に一次転写する。クリーニング装置16Kは、一次転写がされた後の感光体11Kの表面に残留するトナーを除去する。
中間転写ベルト3は、駆動ロール31を含む複数のロールに掛け渡されており、これらのロールにより回転可能に支持されている。駆動ロール31は、制御部110により制御される図示せぬ駆動機構により駆動されて、制御部110が定めた回転速度(回転する速度のこと)で回転する。中間転写ベルト3は、駆動ロール31が回転することにより、矢印で示す回転方向A1に回転する。中間転写ベルト3の外周面には、各画像形成ユニットによって形成された画像が重ね合わされるようにして一次転写される。給紙部4には、用紙が複数枚収容されている。
複数の搬送ロール5は、給紙部4から二次転写ロール6、定着装置7を経由して排出部8にまで至る破線の矢印で示す搬送路B1を形成し、この搬送路B1を矢印で示す搬送方向A2に用紙を搬送する搬送手段である。これらの搬送ロール5は、制御部110により制御される図示せぬ駆動機構により駆動されて、制御部110が定めた回転速度で回転する。
二次転写ロール6は、中間転写ベルト3と接触し、画像の転写のための領域である転写領域を形成する。二次転写ロール6は、複数の搬送ロール5によってこの転写領域に搬送されてきた用紙に、中間転写ベルト3に一次転写された画像を二次転写する。このように画像が二次転写されることで、用紙に画像が形成されることになる。二次転写ロール6は、制御部110により制御される図示せぬ駆動機構により駆動されて、制御部110が定めた回転速度で回転する。転写領域を通過した用紙は、搬送路B1を通って定着装置7に搬送される。
定着装置7は、搬送されてきた用紙に二次転写された画像に対し加熱及び加圧を行うことによって、その画像を用紙に定着させる。定着装置7は、この加熱を行うタイミング等が図1に示す制御部110によって制御されている。定着装置7及び制御部110が協働することで、本発明に係る「定着装置」として機能する。画像が形成された用紙は複数の搬送ロール5により搬送されて排出部8に排出させられる。上述した画像形成ユニット1、露光装置2、中間転写ベルト3及び二次転写ロール6は、用紙等の媒体に画像を形成する手段であり、本発明に係る「画像形成部」の一例である。この画像形成部により媒体に形成された画像は、定着装置7によりその媒体に定着されることになる。
図3は搬送方向A2に見た定着装置7を表す。図3では用紙の搬入側から見た定着装置7を示している。定着装置7は、支持体71を有し、その支持体71の内部に、IH(Induction Heating)ヒータ72と、定着部材73と、加圧ロール74と、温度センサ75と、2つの磁性体76とを備えている。加圧ロール74は、一点鎖線の矢印で示す軸C1を中心に回転するロールであり、支持体71に回転可能に支持されている。軸C1は、矢印で示す軸方向A3に沿っている。
加圧ロール74は、図示せぬ接離機構により、定着部材73と接触または離間するようになっている。図3では、加圧ロール74が定着部材73に接触した状態を示している。この状態において、定着部材73及び加圧ロール74は、ニップ領域R1を形成している。ニップ領域R1は、用紙が通過する領域である。定着部材73は、ニップ領域R1において画像を用紙に定着させる部材である。定着部材73は、定着ベルト731と、ベルト支持部材732と、ホルダ733とを有する。
定着ベルト731は、円筒状に形成された無端のベルトであり、外周面を加圧ロール74と接触させて上記のニップ領域R1を形成している部材である。定着ベルト731は、IHヒータ72が生成した交流磁界によって引き起こされる電磁誘導により熱を発生させる。定着ベルト731は、このように磁界の作用により発生させた熱により媒体に画像を定着させる。定着ベルト731は本発明の「ベルト」の一例である。
定着ベルト731は、例えば、基材と、その外周面上に形成された発熱層及び表面離型層とを有する。基材は、発熱層を支持する強度を有し、耐熱性があり、磁界(磁束)を貫通しつつ、磁界の作用により発熱しないか、又は発熱しにくい材料により形成されている。基材の材料は、例えば、厚みが30μm以上200μm以下(望ましくは50μm以上150μm以下、より望ましくは100μm以上150μm以下)の金属ベルト(非磁性金属として例えば非磁性ステンレススチールや、軟質磁性材料及び硬質磁性材料として例えば、Fe,Ni,Co,又はこれらの合金Fe−Ni−CoやFe−Cr−Co合金等を有する金属材料で構成されたベルト)や、例えば厚みが60μm以上200μm以下の樹脂ベルト(例えばポリイミドベルト)等である。
発熱層は、磁界(磁束)を容易に貫通しつつ、磁界の作用により発熱しやすい材料で形成されている。発熱層は、熱容量が小さいほど望ましい。周波数20kHz〜100kHzの汎用電源(汎用電源を用いると安価に製造できる)を使用し、発熱層を50μm以下に薄くしていくと、磁性金属より低固有抵抗の非磁性金属の方が電磁誘導加熱しやすくなる。逆に厚さ50μm以上であれば磁性金属が発熱しやすい。一般に磁性金属は固有抵抗が高く、比透磁率が数十から数千であるため、表皮深さにおける渦電流が流れ難くなってしまう。例えば、磁性金属の鉄は9.71、ニッケルは6.84(それぞれ×10−8Ωm)である。
これに対して低固有抵抗の非磁性金属の銀は1.59、銅は1.67、アルミニウムは2.7(それぞれ×10−8Ωm)と固有抵抗が小さく、比透磁率はおおよそ1であるため、薄くすると発熱しやすくなる。特に上記非磁性金属は20μm以下にすると発熱し易くなる。逆に上記非磁性金属はこれより厚くしていくと発熱しにくくなり、渦電流は流れるものの固有抵抗が小さいために渦電流損による発熱量が少なくなる。発熱層は、例えば、厚み2μm以上20μm以下(望ましくは5μm以上15μm以下、発熱領域の総熱容量例えば3J/K以下)である、非磁性金属材料によって形成されている。非磁性金属材料としては、先に示した通り銅、アルミ、銀が望ましい。
表面離型層は、例えば、厚さが1μm以上30μm以下のフッ素樹脂層(例えば、PFA層:PFA:テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体の層)である。なお、定着ベルト731は、上記構成に限られず、2つの基材に発熱層を挟んだベルト、具体的には例えば2つのステンレススチール基材に発熱層(例えば銅)を挟んだベルトであってもよい。
また、基材と発熱層、又は発熱層と表面離型層とに挟まれた、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム等を含む弾性層を設けてもよい。いずれの場合も、定着ベルト731は、熱容量が小さいほど望ましい(例えば熱容量5J/K以上60J/K以下、望ましくは30J/K以下)。また、定着ベルト731の内周面には、フッ素樹脂が被覆された摺動に対して耐久性のあるフィルムを設けたり、フッ素樹脂等をコーティングしたり、潤滑剤(例えばシリコーンオイル等)を塗布したりしてもよい。
IHヒータ72は、電力が供給されると定着部材73を含む空間に交流磁界を生成する。より詳細には、IHヒータ72は、定着ベルト731の一方の面側に配置されて定着ベルト731を加熱する磁界を発生させる。定着ベルト731の2つの面のうちIHヒータ72が配置される側の面を以下では「第1面731S1」といい、その反対側の面を「第2面731S2」という。IHヒータ72は本発明の磁界発生部の一例である。定着ベルト731は、IHヒータ72が発生させた磁界により加熱されると、ニップ領域R1を通過する用紙に熱を加え、その用紙に形成されている画像を定着させる。ホルダ733は、上記の軸方向A3に延伸する棒状の部材であり、軸方向A3の両端が支持体71に固定されている。
ベルト支持部材732は、定着ベルト731の上記の軸方向A3の両端部を、定着ベルト731の断面の形状を円形に維持しながら支持する部材である。ベルト支持部材732は、定着ベルト731の軸を中心に回転可能な状態でホルダ733に支持されており、図示せぬ駆動機構により定着ベルト731の周方向に回転する。これにより、定着ベルト731は、一点鎖線で示した軸C2を中心に回転する。軸C2も、軸C1のように、軸方向A3に沿っている。
図4は図3の矢視IV-IV方向に見た定着装置7の断面を表す。図4では、支持体71を省いている。IHヒータ72は、励磁回路721と、励磁コイル722と、磁心723と、シールド724とを有する。励磁回路721は、定められた周波数の交流電流を励磁コイル722に供給する。この周波数は、例えば、一般的な汎用電源により生成される交流電流の周波数であり、例えば20kHz以上100kHz以下の周波数である。この交流電流の電流量は、制御部110によって制御される。
励磁コイル722は、相互に絶縁された銅線材を束ねたリッツ線が、楕円形状または長方形状等の中空きの閉ループ状に巻かれて形成されているコイルである。励磁コイル722に励磁回路721から上記の交流電流が供給されることにより、励磁コイル722の周囲には、上記のリッツ線を中心とする交流磁界が生成される。上記の電流量が大きいほど、生成される交流磁界の強度が大きくなる。
磁心723は、例えば焼成フェライト、フェライト樹脂、パーマロイや感温磁性合金等を材料に形成された円弧形状の強磁性体である。これらの材料は、透磁率が比較的高い酸化物や合金材質である。磁心723は、励磁コイル722の周囲に生成された交流磁界の磁力線(磁束)を内部に誘導し、磁心723から定着部材73を透過して感温磁性材料を有する発熱制御部材735から磁心723に戻る磁力線の通路(磁路)を形成する。磁心723と発熱制御部材735の感温磁性材料で挟み込む磁路を形成することにより、上記の交流磁界の磁力線が、定着部材73のうち磁心723と対向する部分に集中し、高磁束密度の磁界を形成して高効率な誘導加熱を実現できる。シールド724は、磁界を遮蔽して外部への漏洩を抑制する。
定着ベルト731は、上記のとおり、加圧ロール74と接触してニップ領域R1を形成している。ニップ領域R1には、図2に示す複数の搬送ロール5により用紙P1が搬送路B1を通って搬送されてくる。複数の搬送ロール5は、画像が形成された用紙をニップ領域R1に搬送する手段である。加圧ロール74は、矢印で示す回転方向A4に回転し、定着ベルト731は、矢印で示す回転方向A5に回転する。加圧ロール74及び定着ベルト731がこれらの方向に回転することで、ニップ領域R1まで搬送された用紙P1は、この領域を通過して、再び搬送路B1を搬送される。
定着部材73は、上述した定着ベルト731及びホルダ733に加え、パッド734と、発熱制御部材735と、支持部材736とを有する。パッド734は、シリコーンゴムやフッ素ゴムなどの圧力により変形するものを材料に形成され、定着ベルト731の内側で加圧ロール74と対向する位置に配置されている。パッド734は、ニップ領域R1において加圧ロール74から押圧される定着ベルト731を支持する。ホルダ733は、例えば、ガラス混入PPS(ポリフェニレンサルファイド)等の耐熱性樹脂や、Au、Ag、Cu等の非磁性金属等を材料に用いて形成されている。これにより、ホルダ733は、他の材料を用いる場合に比べて比較的、誘導磁界に影響を与えにくくなっており、且つ、誘導磁界から影響を受けにくくなっている。
発熱制御部材735は、定着ベルト731の第2面731S2側の空間に配置されてキュリー温度で強磁性から常磁性に変化する感温磁性材料を有し、定着ベルト731の発熱を抑制する。この感温磁性材料は本発明の「第1磁性体」の一例である。発熱制御部材735は、定着ベルト731の第2面731S2に倣った形状に構成され、定着ベルト731の第2面731S2に接すると共にIHヒータ72に定着ベルト731を介して対向して配置されている。
発熱制御部材735は、支持部材736により、定着ベルト731を円筒形状に維持させつつ、非押圧で定着ベルト731の第2面731S2に接触するように支持されている。定着ベルト731に張力を作用させないので、発熱制御部材735が接触しても定着ベルト731の形状は極端な変化をしないようになっている。支持部材736は、両端(発熱制御部材735の軸方向A3の両端)にバネ部材を有する。
このバネ部材は、例えば湾曲した板ばねであり(金属製、各種エラストマー等の板ばね)、発熱制御部材735と連結されている。このバネ部材により、発熱制御部材735は、支持されると共に、定着ベルト731が偏心して回転して、定着ベルト731が半径方向へ変位しても、その変位に対して追従し、定着ベルト731の第2面731S2に接触する状態が維持される。なお、発熱制御部材735がこのバネ部材を有していてもよい。
発熱制御部材735が有する感温磁性材料は、そのキュリー温度が定着ベルト731の設定温度以上で定着ベルト731の耐熱温度以下の範囲となる材料が用いられている。感温磁性材料のキュリー温度は、具体的には、140℃以上240℃以下であることが望ましく、より望ましくは150℃以上230℃以下である。
発熱制御部材735自体は、磁界の作用によって発熱させないようにした非発熱体であることが望ましい。もし非発熱体が一定の温度以上に発熱してしまうと、発熱層への電磁誘導作用により定着ベルト731を加熱するときに、非発熱体にも電磁誘導による磁束が作用するので、渦電流損やヒステリシス損による自己発熱が大きいと温度が上昇して意図せずキュリー温度まで到達してしまい、必要のない時に温度抑制効果が発現してしまうことがあるためである。
非発熱体は定着ベルト731の温度を抑制するために必要な部材であるので、自己発熱による意図しない温度上昇はできる限り小さくする必要がある。本実施例の非発熱体は、発熱層の発熱に対して自己発熱が一定の割合以下になる部材であり、自己発熱により機能の発現に問題が生じる場合には、渦電流損が発生し難くするためのスリットや切り欠きを入れた構造にしてもよい。このスリットや切り欠きは、IHヒータ72からの電磁誘導作用により発熱制御部材735に発生する渦電流を遮断する遮断手段として機能する。
また、感温磁性材料は金属材料と酸化物材料とに大別されるが、酸化物材料(例えば、フェライトなど)は、薄厚化(300μm以下)することが困難であり、割れやすく扱いにくい、また、熱容量は大きくなり、熱伝導率が低いため、定着ベルトの温度変化に感度よく追従せず、狙いの発熱制御ができないといった問題が起こることもある。これらの問題を解決するため、安価で容易に薄肉化成型可能で良加工性、しなやかさを有し、かつ、熱伝導率が高い、金属材料である非結晶合金の整磁鋼、非晶質合金などを用いる。
つまり、Fe,Ni,Si、B,Nb,Cu,Zr,Co、Cr、V、Mn、Moなどを有する金属合金材料で、例えば、Fe−Niの二元系整磁鋼やFe−Ni−Crの三元系整磁鋼を用いることが望ましい。感温磁性材料は、キュリー温度未の状態では強磁性を示し、キュリー温度になると、材料が非磁性化される。比透磁率が少なくとも数百以上の強磁性体が非磁性化(常磁性化)されることにより比透磁率が1に近づき、磁束密度の変化(磁場の強弱)が生じるため、非磁性化により磁束密度を弱め、発熱しにくくさせる変化を与えることができる。
また、金属を有する導体材料の表皮深さは、δ:表皮深さ(m)、ρ:固有抵抗値(Ωm)、f:周波数(Hz)、μr:比透磁率とした場合に、式(1)で決まる。
Figure 2018045122
表皮深さを感温磁性金属層の厚さ以下にする場合には、材料を熱処理により高透磁率化するか、IHヒータ72の周波数を高めるか、固有抵抗値が小さい材料を選択することで実現できる。本実施例では、表皮深さが感温磁性金属層の厚さ以下であることが必須ではないが、感温磁性金属層の厚さ以下にした方が、効果がより高まるため望ましい。この場合、感温磁性材料の比磁性率は、キュリー温度未満の範囲であれば、少なくとも発熱制御部材735の厚みに応じて式(1)に従って選択される。
例えば感温磁性材料がFe−Ni系の整磁合金であれば、発熱制御部材735の厚みが50μmの場合、少なくとも5000以上とする。発熱制御部材735の形状は、厚みが(例えば、20以上300μm以下)で、例えば円筒の特定の中心角の範囲(例えば30°以上180°以下)に相当する部分を切り出した形状等が挙げられるが、これに制限はない。
定着装置7が媒体に画像を定着させる際に、IHヒータ72の出力は、例えば磁束(磁界)が定着ベルト731の発熱層を貫通しつつ発熱させ、キュリー温度未満では磁束(磁界)が発熱制御部材735を貫通させ難く且つ発熱しない範囲で行われる。この画像の定着の際に、定着ベルト731の定着領域幅(軸方向長さ)よりも小さい小サイズの記録紙Pを連続して定着すると、定着ベルト731における通紙部では熱が消費されるのに対し、非通紙部では熱の消費がなされない。このため、定着ベルト731の非通紙部では昇温する。
そして、定着ベルト731の非通紙部の温度が、発熱制御部材735を構成する感温磁性材料のキュリー温度になると、定着ベルト731の非通紙部と重なる(接する)発熱制御部材735の領域が非磁性化される。これにより磁性が維持された領域である通紙領域と非磁性化(常磁性化)された非通紙領域に磁束密度の違い(磁場の強弱)が生じ、通紙領域より非通紙領域の発熱層の発熱が少なくなる。このように、発熱制御部材735により、定着ベルト731の発熱層の発熱が制御される。また、発熱制御部材735が非磁性化(比透磁率が1に近づく)することにより、式(1)からわかるように容易に磁束(磁界)が貫通するようになる。
発熱制御部材735は、定着ベルト731の厚さ方向A6に貫通する孔735Hを有する。温度センサ75は、支持部材736によって支持されており、この孔735Hの厚さ方向A6に配置されている。このため、温度センサ75からは孔735Hを通して定着ベルト731が直接見えるようになっており、温度センサ75が定着ベルト731の温度を直接測定するようになっている。温度センサ75は、定着ベルト731側に存在する物体の温度を測定するセンサであり、本実施理では定着ベルト731の温度を測定する。温度センサ75は本発明の「センサ」の一例である。
温度センサ75は、定着ベルト731のうち用紙が通過する通紙部の温度を測定するため、その通紙部に対向する空間に配置されている。温度センサ75は、測定した温度を図1に表す制御部110に通知する。制御部110は、定められた上限の温度が通知された場合に、定着ベルト731の温度が過度に上昇したと判断して、IHヒータ72による加熱を停止させる制御を行う。上限の温度としては、例えば定着ベルト731に変形や溶融が生じる温度が定められる。また、温度センサ75は、導電体を有しており、磁界(例えばIHヒータ72により生成される磁界)の作用により加熱されるようになっている。
2つの磁性体76は、いずれも温度センサ75の周囲に設置され、IHヒータ72により生成される磁界により温度センサ75の温度が上昇することを抑制する。2つの磁性体76は、本実施例では、図3に表すように、いずれも温度センサ75に対して、軸方向A3に直交する方向に隣接して設置されている。磁性体76は、前述した定着ベルト731の上限の温度以下の温度では強磁性を示し、IHヒータ72により生成される磁界の磁束を引き寄せることで、磁性体76が設置されない場合に比べて温度センサ75を通る磁束を減らし、温度センサ75の温度上昇を抑制する。
温度センサ75及び磁性体76の配置と温度上昇が抑制される原理について、図5から図9までを参照してより詳細に説明する。
図5は図4の温度センサ75の周辺を拡大して表す。以降の図では、弧を描いている励磁コイル722、定着ベルト731、発熱制御部材735及び支持部材736を、図を見やすくするため真っ直ぐに表した。図5では、2つの磁性体76が温度センサ75の左右にそれぞれ隣接して、ただしいずれも温度センサ75に接触はしないようにして配置されている。
図6は図5に表す温度センサ75の周辺の空間を表す。図6(a)では、定着ベルト731の第2面731S2側に存在する第2面側空間S1が表されている。図6(b)では、第2面側空間S1のうち、発熱制御部材735よりも定着ベルト731から離れた空間S2が表されている。温度センサ75は、本実施例では、この空間S2に配置されている。
図6(c)では、温度センサ75から見て定着ベルト731の厚さ方向A6に存在する空間S3が表されている。図6(d)では、第2面側空間S1のうち、空間S3を除いた空間S4が表されている。空間S4は本発明の「第3空間」の一例である。磁性体76は、本実施例では、前述した空間S2及びこの空間S4が重複した空間に配置されている。
図7は温度センサ75の周辺で発生した磁界における磁力線の一例を表す。図7では、IHヒータ72が発生させた磁界における磁力線M11からM18までの8本の磁力線を表した。図7の例では、発熱制御部材735が有する感温磁性材料がキュリー温度に達しておらず、強磁性を示す状態となっている。この状態では、磁力線M11からM14までは、発熱制御部材735のうち温度センサ75よりも左側に位置する部分に引き寄せられている。
また、磁力線M15からM18までは、発熱制御部材735のうち温度センサ75よりも右側に位置する部分に引き寄せられている。このように、発熱制御部材735が有する感温磁性材料が強磁性を示す状態では、その感温磁性材料が磁力線を引き寄せることで、発熱制御部材735が設けられていない場合に比べて、温度センサ75と交わる磁力線が少なくなり、温度センサ75の温度上昇が抑制されるようになっている。
図8、図9は感温磁性材料がキュリー温度に達した場合の磁力線の一例を表す。感温磁性材料がキュリー温度に達すると、感温磁性材料が常磁性を示すようになり、感温磁性材料が強磁性を示す状態よりも磁界が弱まる。そのため、図8、図9の例では、磁力線をM21からM26までの6本にすることで、磁界が弱まったことを表した。また、図8の例は、磁性体76が設けられていない場合の磁力線を表し、図9の例では、磁性体76が設けられている場合(本実施例)の磁力線を表すことで、磁性体76が設けられることによる磁力線の変化を比較した。
図8に表す状態では、温度センサ75の周囲に磁力線を引き寄せる物体がないので、磁力線M21からM26までのいずれもが、定着ベルト731の厚さ方向A6に伸びている。次に、図9の例について説明する。磁性体76は、発熱制御部材735が有する感温磁性材料よりもキュリー温度が高い磁性体である。つまり、磁性体76も感温磁性材料であるが、発熱制御部材735が有する感温磁性材料のキュリー温度、すなわち図9に表す状態では磁性体76は強磁性を示す。
図9の例では、感温磁性材料が常磁性を示しているが、強磁性を示す磁性体76が存在するので、磁力線M21からM23までは、温度センサ75の左側に配置された磁性体76に引き寄せられ、磁力線M24からM26までは、温度センサ75の右側に配置された磁性体76に引き寄せられている。
このように、発熱制御部材735が有する感温磁性材料が常磁性を示す状態において、その感温磁性材料の代わりに、磁性体76が磁力線を引き寄せることで、磁性体76が設けられていない場合に比べて、温度センサ75と交わる磁力線が少なくなり、温度センサ75の温度上昇が抑制されることになる。そのことを確かめた実験結果を図10、図11に表す。
図10、図11は温度センサ75の温度上昇の実験結果の一例を表す。図10、図11では、定着ベルト731の温度と、感温磁性材料の温度と、温度センサ75の温度とが、縦軸を温度(単位は℃。T1〜T5は等間隔の温度を示す)、横軸を経過時間(単位は秒(s)。S1〜S10は等間隔の時刻を表す)としたグラフに表されている。図10の例は、磁性体76が設けられていない場合の温度を表し、図11の例は、磁性体76が設けられている場合(本実施例)の温度を表す。
図10の例では、感温磁性材料の温度がS7秒とS8秒の中間あたりの経過時間でキュリー温度(T4℃より大きくT5℃より小さい温度)に達しているものとする。図10の例では、その経過時間以降、すなわち感温磁性材料が常磁性を示す状態では、温度センサ75の温度が感温磁性材料の温度を超えて上昇を続けている。これに対し、図11の例では、感温磁性材料の温度がS8秒を超えたあたりの経過時間でキュリー温度に達しているものとする。図11の例では、その経過時間以降、すなわち感温磁性材料が常磁性を示す状態でも、図10の例に比べて、温度センサ75の温度上昇が抑制されている。
このように、本実施例によれば、定着装置7のように感温磁性体によりベルトの過剰な加熱が抑制される定着装置において、感温磁性体が常磁性になった場合に、定着ベルトの温度を測定するセンサ(温度センサ75)が磁界の作用で加熱されることが抑制されるようになっている。
[2]変形例
上述した実施例は本発明の実施の一例に過ぎず、以下のように変形させてもよい。また、実施例及び各変形例は、必要に応じて組み合わせて実施してもよい。
[2−1]発熱制御部材
発熱制御部材の形及び配置は上記のものに限らない。
図12は本変形例の発熱制御部材の一例を表す。図12の例では、定着ベルト731と接触しないように定着ベルト731から離して配置された発熱制御部材735aが表されている。この場合、実施例のように両部材が接触している場合に比べて、定着ベルト731の熱エネルギーが発熱制御部材735aに移動しにくくなる。
図13は本変形例の発熱制御部材の別の一例を表す。図13(a)には、温度センサ75の定着ベルト731側に孔が設けられていない発熱制御部材735bが表されている。発熱制御部材735bに孔が設けられていないため、温度センサ75は、発熱制御部材735bによって定着ベルト731側が覆われる位置に配置されている。この場合、定着ベルト731が発する熱が発熱制御部材735bによって遮られるため、温度センサ75の定着ベルト731側が覆われていない場合に比べて、定着ベルト731の熱が温度センサ75に伝わりにくくなっている。
この場合、発熱制御部材735bが有する感温磁性材料が強磁性を示す状態では、発熱制御部材735bを含めた励磁コイル722側の空間S5における磁界に比べて、発熱制御部材735bよりも温度センサ75側の空間S6における磁界は弱くなる。図13(b)では、その状態における磁力線として、空間S5ではM31からM38までの8本の磁力線が表されており、空間S6ではM41からM46までの6本の磁力線が表されている。
このように温度センサ75が設けられている空間S6では磁界が弱くなると共に、各磁力線が磁性体76に引き寄せられるため、温度センサ75を貫通する磁力線が少なくなり、温度センサ75の温度上昇が抑制されるようになっている。また、感温磁性材料が常磁性を示す状態になると、図9の例のように磁界が発生して、実施例のように温度センサ75の温度上昇が抑制される。
なお、図13の例では、温度センサ75が、定着ベルト731側に存在する物体として、発熱制御部材735bの温度を測定する。その場合でも、定着ベルト731に変形や溶融が生じるほどに温度が上昇すると、発熱制御部材735bの温度も定着ベルト731に近い温度又はそれ以上の温度まで上昇するので、制御部110は、温度センサ75が測定した発熱制御部材735bの温度に基づいて、定着ベルト731の温度が過度に上昇したと判断して、IHヒータ72による加熱を停止させる制御を行えばよい。
[2−2]第2磁性体
温度センサ75の温度上昇を抑制させるために設けられる磁性体(本発明の「第2磁性体」。以下単に「磁性体」という場合はこの「第2磁性体」をいうものとする)は、上記の各例では感温磁性材料であったが、感温磁性材料でなくてもよい。その場合でも、発熱制御部材が有する感温磁性材料のキュリー温度において強磁性を示すものが磁性体として用いられることが望ましい。ただし、第2磁性体は、感温磁性材料のキュリー温度において強磁性を示さないものであってもよい。例えば常磁性を示すものであっても、周囲に磁界が発生すれば磁性を示す状態になるので、強磁性を示すものほどではなくても磁力線を引き寄せ、その結果、温度センサ75の温度上昇が抑制される。
また、磁性体の数、形及び配置は上記のものに限らない。例えば実施例では2つの磁性体が設けられていたが、いずれか1つの磁性体だけが設けられていてもよい。その場合でも、磁性体が1つも設けられていない場合に比べれば、温度センサ75を貫通する磁力線が少なくなって温度上昇が抑制される。また、磁性体が3以上設けられていてもよいし、温度センサ75を囲むリング状の磁性体が1つだけ設けられてもよい。それらの場合も、磁性体がなければ温度センサ75を貫通していた磁力線が磁性体に引き寄せられるので、温度センサ75の温度上昇が抑制される。
図14は本変形例の磁性体の一例を表す。図14では、図12の例のように定着ベルト731から離して配置された発熱制御部材735cが表されており、その発熱制御部材735c及び定着ベルト731に挟まれた空間に配置された磁性体76cが表されている。言い換えると、この磁性体76cも、温度センサ75に向かう磁力線を引き寄せるので、温度センサ75の温度上昇が抑制される。なお、図14の例のように定着ベルト731から離して発熱制御部材が配置されている場合に、温度センサ75が発熱制御部材735cよりも定着ベルト731側に突き出ていてもよい。
実施例では、図6に表す空間S2、すなわち発熱制御部材735よりも定着ベルト731から離れた空間に磁性体76が配置されていた。図14の例のように発熱制御部材735cよりも定着ベルト731側に磁性体が配置されると、発熱制御部材735cの感温磁性材料が常磁性になった場合に周囲と比べて磁束が多くなり、定着ベルト731の温度にムラが生じることになる。実施例のように磁性体76を空間S2に配置することで、定着ベルト731の温度ムラの発生が防がれる。
図15は本変形例の磁性体の別の一例を表す。図15では、発熱制御部材735に設けられた孔735Hに配置された磁性体76dが表されている。磁性体76dの配置について、図16を参照してより詳細に説明する。
図16は本変形例の温度センサ75の周辺の空間を表す。図16では、温度センサ75よりも定着ベルト731側で且つ温度センサ75から見て定着ベルト731の厚さ方向A6に存在する空間S5が表されている。磁性体76dは、この空間S5に配置されている。空間S5は本発明の「第4空間」の一例である。
図13の例のように、この磁性体76dよりも励磁コイル722側の空間における磁界に比べて、磁性体76dよりも温度センサ75側の空間における磁界は弱くなる。図15では、その状態における磁力線として、前者の空間ではM63及びM64の2本の磁力線が表されており、後者の空間ではM67という1本の磁力線が表されている。この磁性体76dによっても、磁性体76dが設けられない場合に比べて、温度センサ75を貫通する磁力線が少なくなり、温度センサ75の温度上昇が抑制される。また、定着ベルト731が発する熱が磁性体76dによって遮られるため、空間S5に磁性体76dが配置されていない場合に比べて、定着ベルト731の熱が温度センサ75に伝わりにくくなっている。
なお、実施例では、図6に表す第2面側空間S1のうち、温度センサ75から見て定着ベルト731の厚さ方向A6に存在する空間S3を除いた空間S4に磁性体76が配置されていた。図15の例のように空間S3のうち発熱制御部材735cよりも定着ベルト731側に磁性体76dが配置されると、磁性体76dの磁性を強くして磁力線を引き寄せるほど、磁性体76dの温度センサ75側の磁界が強くなる。これに対し、実施例のように空間S4に磁性体76を配置すれば、磁性体76の磁性を強くするほど温度センサ75の貫通する磁力線が少なくなり、温度センサ75の温度上昇が抑制される。
以上の実施例及び変形例で述べた磁性体の配置について、図17を参照して説明する。
図17は温度センサ75の周辺の空間を表す。図17では、定着ベルト731から離して配置され、且つ、孔が設けられた発熱制御部材735eが表されている。図17(a)では、発熱制御部材735eが有する感温磁性材料よりも定着ベルト731側で且つその感温磁性材料から見て定着ベルト731の厚さ方向A6に存在する空間S6が表されている。
図17(b)では、図6(a)に表す第2面側空間S1(定着ベルト731の第2面731S2側に存在する空間)から空間S6を除いた空間S7が表されている。温度センサ75は、いずれの例でも、この空間S7に配置されている。また、本発明においては、温度センサ75は、この空間S7に配置されていればよい。空間S7は本発明の「第1空間」の一例である。
また、図17(c)では、温度センサ75よりも定着ベルト731とは反対側で且つその温度センサ75から見て厚さ方向A6に存在する空間S8が表されている。図17(d)では、第2面側空間S1から空間S8を除いた空間S9が表されている。磁性体は、いずれの例でも、この空間S9に配置されている。また、本発明においては、磁性体は、この空間S9に配置されていればよい。空間S9は本発明の「第2空間」の一例である。
温度センサ75が空間S7に配置され、磁性体が空間S9に配置されることで、感温磁性材料が常磁性を示す状態でも、その磁性体が設けられていない場合に比べて、温度センサ75を貫通する磁力線が減らされて、温度センサ75の温度上昇が抑制されることになる。
100…画像形成装置、110…制御部、160…画像形成部、7…定着装置、72…IHヒータ、73…定着部材、74…加圧ロール、75…温度センサ、76…磁性体、731…定着ベルト、732…ベルト支持部材、733…ホルダ、734…パッド、735…発熱制御部材、736…支持部材。

Claims (9)

  1. 磁界の作用により熱を発生させて当該熱により媒体に画像を定着させるベルトと、
    前記ベルトの第1面側に配置されて当該ベルトを加熱する磁界を発生させる磁界発生部と、
    前記ベルトの第2面側の空間に配置されてキュリー温度で強磁性から常磁性に変化する第1磁性体を有し、前記ベルトの発熱を抑制する発熱制御部材と、
    前記第1磁性体よりも前記ベルト側で且つ当該第1磁性体から見て前記ベルトの厚さ方向に存在する空間を前記第2面側の空間から除いた第1空間に配置され、前記ベルト側に存在する物体の温度を測定し、且つ、磁界の作用により加熱されるセンサと、
    前記センサよりも前記ベルトとは反対側で且つ当該センサから見て前記厚さ方向に存在する空間を前記第2面側の空間から除いた第2空間に配置された第2磁性体と
    を備える定着装置。
  2. 前記第2磁性体は、前記第1磁性体のキュリー温度では強磁性を示す
    請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記第2磁性体は、キュリー温度が前記第1磁性体よりも高い
    請求項1又は2に記載の定着装置。
  4. 前記第2磁性体は、前記第2空間のうち、前記第1磁性体よりも前記ベルトから離れた空間に配置されている
    請求項1から3のいずれか1項に記載の定着装置。
  5. 前記発熱制御部材は、前記厚さ方向に貫通する孔を有し、
    前記センサは、前記孔の前記厚さ方向に配置されている
    請求項1から4のいずれか1項に記載の定着装置。
  6. 前記センサは、前記発熱制御部材によって前記ベルト側が覆われる位置に配置されている
    請求項1から4のいずれか1項に記載の定着装置。
  7. 前記第2磁性体は、前記センサから見て前記ベルトの厚さ方向に存在する空間を前記第2空間から除いた第3空間に配置されている
    請求項1から6のいずれか1項に記載の定着装置。
  8. 前記第2磁性体は、前記第2空間のうち、前記センサよりも前記ベルト側で且つ当該センサから見て前記厚さ方向に存在する第4空間に配置されている
    請求項1から6のいずれか1項に記載の定着装置。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の定着装置と、
    媒体に画像を形成し、当該媒体に形成された画像が前記定着装置により当該媒体に定着される画像形成部と
    を備える画像形成装置。
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