JP2018044841A - 切羽地山探査方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】泥水式シールド工法において、切羽、地山を直接、簡便に短時間で探査する。【解決手段】この方法では、カッターヘッド1に、超音波受発信器Uを切羽P1及び地山P2に向けてかつ切羽P1及び地山P2に対して切羽P1及び地山P2と泥水Mとの境界面を泥水Mの比重に応じて探査可能な距離離隔して取り付け、シールドマシンSの停止中に泥水M中で各超音波受発信器Uから超音波を発信し切羽P1及び地山P2と泥水Mとの境界面での反射波を各超音波受発信器Uで検知して、各超音波受発信器Uから切羽P1及び地山P2までの距離を測定することにより、切羽P1及び地山P2の状態を把握する。【選択図】図1

Description

本発明は、泥水式シールド工法に用いる切羽地山探査方法及び装置に関し、特に、シールドマシンのカッターヘッド前方の切羽、及びカッターヘッド周囲の地山の状態(切羽、地山の崩壊の有無、コピーカッターによって人為的に行った余掘りの状態など)を探査する切羽地山探査方法及び装置に関する。
泥水式シールド工法では、シールドマシンで掘削する切羽面にシールドマシン側から泥水を供給し加圧することにより切羽の安定を図りながら掘削を進め、掘削した土砂は泥水とともに地上へ搬送し、地上で土砂と泥水を分離して、掘削した土砂を回収し、泥水を再利用する。
この工法に用いられるシールドマシンは、一般に、マシン本体の先端に回転自在に支持される面板と複数のカッタービットとからなるカッターヘッド及びカッターヘッドを回転させる駆動モータを有するカッター駆動部、カッターヘッドの後方に隔壁により隔成されたカッターチャンバー(以下、チャンバーと称す。)、マシン本体側からチャンバーに挿通される送泥管及び排泥管などを備えて構成される。
このようにしてカッターヘッドをカッター駆動部により回転させるとともに、送泥管からベントナイトや粘土などの粘性材料を加えた泥水をチャンバー内に供給充填し切羽面を泥水で加圧することにより切羽の安定を図りながら掘削を進め、カッターヘッドで掘削した土砂は泥水中に取り込んで排泥水とし、この排泥水を排泥管を通して地上へ搬送するようになっている。
このような泥水式シールド工法においては、掘削土の取り込み過多や土水圧と切羽泥水圧とのアンバランスなどが生じると、地山の崩落やトンネル周りに空洞の発生が懸念される。カッターヘッド前方の切羽やカッターヘッド周囲の地山に、特に均等係数の小さい砂層が存在している地盤では、切羽水圧の変動や泥水性状の変化などによって、崩落が起こる危険性が高い。地山に崩落が発生しその状態が残置されると、地下水の流動などにより地盤中の細粒分が移動し、地盤の緩み、空洞の拡大が生じ、その結果、地表面で沈下や陥没を引き起こす恐れがある。このため、切羽の掘削には厳格な施工管理が求められる。
ところが、泥水式シールドマシンは密閉型であるため、カッターヘッド前面の切羽の状態をシールドマシン内から直接目視することができない。このため、通常の泥水式シールド工法の切羽の管理では、送配泥水の性状、排土量、排土の性状を常時把握するとともに、切羽泥水圧、カッタートルク、推力などの値や変動を監視し、オペレーターの経験に基づいて判断しているのが現状である。また、シールドマシン内で切羽の状態を探査する場合は、シールドマシン内から切羽に向けてボーリングを実施せざるを得ず、この場合、シールドマシンの掘進を長時間に亘って停止しなければならず、工期の遅延になりかねない。
一方、従来より、シールドマシン前方の地盤を探査するための各種の方法や装置が特許文献1−5などにより提案されている。
(1)特許文献1
特許文献1は前方探査方法に関するもので、この探査方法では、まず、地中を掘進するシールド掘進機の前部に設けられた送波器から前方へ音波を送り出すとともに、このシールド掘進機の前方の地中に存在する障害物からの反射波をシールド掘進機の前部に設けられた受波器にて受け取り、次に、送波データと受波データとの間の相互相関を求めるとともに、相関関数の大きな受波信号を抽出することで受波のノイズを除去し、そして、送波の送り出しの時刻と受波の受け取りの時刻の差と、音波の地中伝搬速度とから、シールド掘進機から障害物までの距離を算定する。
このようにして受波のノイズを取り除き、障害物までの距離を求める。また、音波の周波数を代えることで、障害物の大きさをも測定する。
(2)特許文献2
特許文献2は掘進機の地盤探査装置に関するもので、この探査装置では、掘進機のシールド面板に送波器と受波器を設けるとともに、シールド面板の前方地盤中にシャフトを突出させて先方送波器を設置することで、送波器からの音波をこれから掘削する前方の障害物に反射して受波器に受信するとともに、先方送波器から受波器に音波を直接受波する。
このようにして土の音波特性を知るために必要な土中での正確な音波速度や音圧の減衰の度合いを測り、かつ掘進機本体を伝搬する直達波の影響を除去する。
(3)特許文献3
特許文献3は掘進機の地盤探査装置に関するもので、この探査装置は、掘進機のシールド面板に設けられ、音波を発信する送波器と、シールド面板に設けられ、発信された音波が地盤中の人工構造物や埋設物などの障害物に反射して返ってくる音波と送波器からシールド面板上を伝わってくる音波とを受信する受波器と、受波器に設けられ、シールド面板から伝わってくる音波などの不要な波形を計測する振動計とからなり、送波器とは別に、シールド面板前方の地盤中に突出されるシャフトの先端部に、音波を受波器に直接発信して、受波器までの音波速度と音波の減衰の度合いにより掘進機がこれから掘進する土質を判断するための、先方送波器を設ける。
このようにして送波器とは別に掘進機前方の地盤中に設置した先方送波器から同じ受波器に直接受波することで、両器間の音波速度と音波の減衰を測り、これから掘進する土質を判断して、障害物までの距離を把握する。
(4)特許文献4
特許文献4は地中探査装置に関するもので、この地中探査装置では、音波探査装置が、掘進機の前面カッタ面板に取り付けられ、その内部に音波反射法により前方の地山中の障害物を探査するための地中探査センサであるハイドロフォンが設けられる。
このようにして掘削機前方の地山の障害物を探査する。
(5)特許文献5
特許文献5は地山崩壊検知方法およびその装置に関する。
この検知方法では、シールド掘削機側より地山に向かってワイヤの一端を装着した測定弾を発射し、地山に測定弾を一部貫入させた後、シールド掘削機より延びたワイヤの長さを計測することにより地山崩壊を検知する。
また、この検知装置は、ワイヤ装着溝を設けた測定弾を発射する発射管と、発射管に測定弾を装填する測定弾供給装置と、測定弾に装着するワイヤを供給するワイヤリールと、発射管の開口部と測定弾供給装置と間に開口部から順に配置された、ワイヤのカッタ、およびワイヤにこのワイヤを測定弾に固定するストッパを取り付けるストッパ取付装置と、ワイヤリールの回転に応じた回転信号を出力する回転検出装置と、この回転検出装置から回転信号を入力し、シールド掘削機本体から延びたワイヤ長さを計測し、その長さにより崩壊が発生しているかを判断する飛距離検出装置とを備える。
このようにしてワイヤを装着した測定弾を高速で発射すると、測定弾は泥水などの滞留物を貫通し、未崩壊の固い切羽面に到達することにより、地下水や泥水が溜まっている場合や緩く土砂が溜まっている場合でも、誤差を生じることなく、真の崩壊が有るかどうかを検知する。
特開平3−85483号公報 特許第3081712号公報 特許第3136202号公報 実開平4−122795号公報 特開平6−58078号公報
しかしながら、上記特許文献1−5では、次のような問題がある。
(1)特許文献1の前方探査方法では、シールド掘進機の前方の地中に存在する障害物を探査するため、シールド掘進機の前部に設けた送波器から前方へ音波を送り出し、障害物からの反射波をシールド掘進機の前部に設けられた受波器にて受け取り、シールド掘進機から障害物までの距離を算定するものとしたが、音波は波長が長く、指向性が低いために、この探査方法で、カッターヘッド前方の切羽又はカッターヘッド周囲の地山と泥水との境界面を探査することができない。
(2)特許文献2の掘進機の地盤探査装置では、土の音波特性を知るために必要な土中での正確な音波速度や音圧の減衰の度合いを測り、かつ掘進機本体を伝搬する直達波の影響を除去するため、掘進機のシールド面板に送波器と受波器を設けるとともに、シールド面板の前方地盤中にシャフトを突出させて先方送波器を設置することで、送波器からの音波をこれから掘削する前方の障害物に反射して受波器に受信するとともに、先方送波器から受波器に音波を直接受波するものとしたが、音波は波長が長く、指向性が低いために、この探査装置で、カッターヘッド前方の切羽又はカッターヘッド周囲の地山と泥水との境界面を探査することができない。
また、この場合、カッターヘッドから前方を削孔し先方送波器を取り付けたシャフトを突出させて測定するので、その間掘進機を停止せざるを得ず、掘進機による高速施工が要求される現代においては実現性は低いものと考えられる。
(3)特許文献3の掘進機の地盤探査装置では、これから掘進する土質を判断して、障害物までの距離を把握するため、掘進機のシールド面板に設けられ、音波を発信する送波器、及び発信された音波が地盤中の人工構造物や埋設物などの障害物に反射して返ってくる音波と送波器からシールド面板上を伝わってくる音波とを受信する受波器と、受話器に設けられ、受波器にシールド面板から伝わってくる音波などの不要な波形を計測する振動計と、送波器とは別に、シールド面板前方の地盤中に突出されるシャフトの先端部に設けられ、音波を受波器に直接発信して、受波器までの音波速度と音波の減衰の度合いにより掘進機がこれから掘進する土質を判断するための先方送波器とを備えるものとしたが、音波は波長が長く、指向性が低いために、この探査装置で、カッターヘッド前方の切羽又はカッターヘッド周囲の地山と泥水との境界面を探査することができない。
(4)特許文献4の地中探査装置では、前方の地山中の障害物を探査するため、音波探査装置が掘進機の前面カッタ面板に取り付けられ、その内部にハイドロフォンが設けられるものとしたが、音波は波長が長く、指向性が低いために、この探査装置で、カッターヘッド前方の切羽又はカッターヘッド周囲の地山と泥水との境界面を探査することができない。また、音波探査装置はカッターヘッドに切羽に向けて設置されていて、この音波探査装置の前面部に生じる可能性のある気泡や付着する土砂を取り除くために、水を噴射する手段を備えているが、音波探査装置がカッターヘッドに取り付けられ、その前面がカッターヘッド面板と略同一面となっているために、この前面を水で洗浄すると、その水流や水圧で切羽面にも影響を与え、場合によっては、泥水で形成された泥膜が破壊され、切羽を保持できなくなる可能性があり、泥水シールドでは適さないものと考えられる。
(5)特許文献5の地山崩壊検知方法及び装置では、地山崩壊を検知するため、シールド掘削機側より地山に向かってワイヤの一端を装着した測定弾を発射し、地山に測定弾を一部貫入させた後、シールド掘削機より延びたワイヤの長さを計測するものとしたが、測定後はワイヤを切断し、この切断されたワイヤが地山中に残置されるので、少量ではあるものの、場合によってはこれがカッターに絡み付いてカッターの回転不能やチャンバーの閉塞などを引き起こす恐れがある。
本発明は、このような従来の問題を解決するものであり、地山の崩落やトンネル周りに空洞の発生が懸念されるカッターヘッド前方の切羽やカッターヘッド周囲の地山を直接に、簡便で短時間の探査により、掘進工程に影響を与えることなしに、また、切羽の保持に影響することなしに、その状況や空洞の有無などを早期に把握し、早期に対策を行えるようにして、周辺の影響や工程の遅延などを防止する、地山切羽探査方法及び装置を提供すること、を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の地山切羽探査方法は、
泥水式シールドマシン先端の面板及びカッターからなるカッターヘッドを回転させ、前記カッターヘッド後方のバルクヘッドにより隔成されるチャンバー内に送泥管により泥水を供給充填して、前記カッターヘッド前方の切羽面を泥水で加圧しながら掘削した前記カッターヘッド前方の切羽及び/又は前記カッターヘッド周囲の地山の状態を把握する切羽地山探査方法であって、
前記カッターヘッドに、制御装置にケーブル又は無線により接続された超音波受発信器を前記カッターヘッド前方の切羽及び/又は前記カッターヘッド周囲の地山に向けてかつ当該切羽及び/又は当該地山に対して当該切羽及び/又は当該地山と前記泥水との境界面を前記泥水の比重に応じて探査可能な距離離隔して取り付け、前記シールドマシンの停止中に、前記泥水中で前記各超音波受発信器から超音波を発信し、当該切羽及び/又は当該地山と前記泥水との境界面での反射波を前記各超音波受発信器で検知して、前記各超音波受発信器から当該切羽及び/又は当該地山までの距離を測定することにより前記カッターヘッドから当該切羽及び/又は当該地山までの距離を測定し、当該切羽及び/又は当該地山の状態を把握する、
ことを要旨とする。
また、この探査方法は、次のように具体化される。
(1)当該切羽及び/又は当該地山と泥水との境界面を前記泥水の比重に応じて探査可能な距離は、予め、チャンバー内に供給する泥水と同じ比重の模擬泥水と模擬土砂を入れた水槽の中で、使用する超音波受発信器が前記模擬泥水と前記模擬土砂との境界面を探査可能な当該境界面からの距離を測定して求める。
(2)超音波受発信機及び制御装置に地中連続壁の側壁測定用の超音波測定装置を含む汎用機を使用する。
(3)カッターヘッド前方の切羽に向ける超音波受発信器は前記カッターヘッドの面板の最外周部及び/又は半径方向の複数の位置に取り付ける。
この場合、カッターヘッド前方の切羽に向ける超音波受発信器を前記カッターヘッドの面板に前記面板の前面に開口して後方に向けて筒状に延びる取付部に取り付けることが好ましい。
また、この場合、予め、チャンバー内に供給する泥水と同じ比重の模擬泥水と模擬土砂を入れた水槽の中で、使用する超音波受発信器が前記模擬泥水と前記模擬土砂との境界面を探査可能な当該境界面からの距離を測定しておき、当該距離に基づいて、取付部に必要な長さを算出することが好ましい。
(4)カッターヘッド周囲の地山に向ける超音波受発信器を前記カッターヘッドの周面に取り付ける。
この場合、カッターヘッド周囲の地山に向ける超音波受発信器を前記カッターヘッドの周面に開口して内方に向けて筒状に延びる取付部に取り付けることが好ましい。
また、この場合、予め、チャンバー内に供給する泥水と同じ比重の模擬泥水と模擬土砂を入れた水槽の中で、使用する超音波受発信器が前記模擬泥水と前記模擬土砂との境界面を探査可能な当該境界面からの距離を測定しておき、当該距離に基づいて、取付部に必要な長さを算出することが好ましい。
(5)カッターヘッドを回転し所定の位置毎に停止することにより、超音波受発信器を周回し停止することを当該切羽全周及び/又は当該地山全周に亘って繰り返し、前記カッターヘッドの停止毎に前記超音波受発信器から当該切羽及び/又は当該地山に向けて超音波を発信して当該切羽及び/又は当該地山の全周複数の位置で前記超音波受発信器から当該切羽及び/又は当該地山までの距離を測定することにより、当該切羽全体及び/又は当該地山全体の状態を把握する。
上記目的を達成するために、本発明の地山切羽探査装置は、
泥水式シールドマシン先端の面板及びカッターからなるカッターヘッドを回転させ、前記カッターヘッド後方のバルクヘッドにより隔成されるチャンバー内に送泥管により泥水を供給充填して、前記カッターヘッド前方の切羽面を泥水で加圧しながら掘削した前記カッターヘッド前方の切羽及び/又は前記カッターヘッド周囲の地山の状態を把握する切羽地山探査装置であって、
前記カッターヘッドに、前記カッターヘッド前方の切羽及び/又は前記カッターヘッド周囲の地山に向けてかつ当該切羽及び/又は当該地山に対して当該切羽及び/又は当該地山と前記泥水との境界面を前記泥水の比重に応じて探査可能な距離離隔して取り付けられ、超音波を受発信する超音波受発信器と、
前記シールドマシンの本体内部に設置され、前記超音波受発信器にケーブル又は無線により接続されて、前記各超音波受発信器を制御する制御装置と、
を備え、
前記泥水中で、前記超音波受発信器から超音波を発信し、当該切羽及び/又は当該地山と前記泥水との境界面での反射波を前記超音波受発信器で検知して、前記各超音波受発信器から当該切羽及び/又は当該地山までの距離を測定することにより前記カッターヘッドから当該切羽及び/又は当該地山までの距離を測定し、当該切羽及び/又は当該地山の状態を把握する、
ことを要旨とする。
この場合、超音波受発信器の前面に向けて放出口を配置され、前記超音波受発信器の前面を洗浄するための泥水又は水を送給する送泥水管又は送水管を併せて備えることが好ましい。
本発明の切羽地山探査方法及び装置によれば、カッターヘッドに超音波受発信器をカッターヘッド前方の切羽及び/又はカッターヘッド周囲の地山に向けてかつ当該切羽及び/又は当該地山に対して当該切羽及び/又は当該地山と前記泥水との境界面を泥水の比重に応じて探査可能な距離離隔して取り付け、シールドマシンの停止中に、泥水中で各超音波受発信器から超音波を発信し、当該切羽及び/又は当該地山と前記泥水との境界面での反射波を各超音波受発信器で検知して、各超音波受発信器から当該切羽及び/又は当該地山までの距離を測定することによりカッターヘッドから当該切羽及び/又は当該地山までの距離を測定し、当該切羽及び/又は当該地山の状態を把握するようにしたので、地山の崩落やトンネル周りに空洞の発生が懸念されるカッターヘッド前方の切羽やカッターヘッド周囲の地山を直接に、簡便で短時間の探査により、掘進工程に影響を与えることなしに、また、切羽の保持に影響することなしに、その状況や空洞の有無などを早期に把握することができ、これにより、地山の崩落や空洞の発生があった場合に、早期の対策を講じることができ、周辺の影響や工程の遅延などを防止することができる、という本発明独自の格別な効果を奏する。
本発明の一実施の形態による切羽地山探査方法及び装置を示す図((A)はカッターヘッドの、面板に取り付けた超音波受発信器の位置での一部省略側面断面図(B)はカッターヘッドの一部省略正面図(C)はカッターヘッドの、周面に取り付けた超音波受発信器の位置での一部省略側面断面図) 同方法及び装置における超音波受発信器による泥水中(泥水比重1.220の場合)の超音波探査の確認実験を示す図((1)は実験の方法を模式的に示す図(2)は実験結果を示す図) 同方法及び装置における超音波受発信器による泥水中(泥水比重1.250の場合)の超音波探査の確認実験を示す図((1)は実験の方法を模式的に示す図(2)は実験結果を示す図)
次に、この発明を実施するための形態について図を用いて説明する。
図1に切羽地山探査方法を示している。
図1に示すように、この切羽地山探査方法は、泥水式シールドマシンS先端の面板10及びカッター11からなるカッターヘッド1を回転させ、カッターヘッド1後方のバルクヘッド(図示省略)により隔成されるチャンバー3内に送泥管(図示省略)により泥水Mを供給充填して、カッターヘッド1前方の切羽(面)を泥水Mで加圧しながら掘削したカッターヘッド1前方の切羽P1(以下、当該切羽P1ということがある。)及びカッターヘッド1周囲の地山P2(以下、当該地山P2ということがある。)の状態を把握するもので、この方法では、音波よりも周波数が高く、指向性の強い超音波を用いた超音波探査を採用する。
この方法では、特に、カッターヘッド1に、制御装置(図示省略)にケーブル又は無線により接続された超音波受発信器Uをカッターヘッド1前方の切羽P1及び/又はカッターヘッド1周囲の地山P2に向けてかつ当該切羽P1及び/又は当該地山P2に対して当該切羽P1及び/又は当該地山P2と泥水Mとの境界面を泥水Mの比重に応じて探査可能な距離離隔して取り付け、シールドマシンSの停止中に、泥水M中で各超音波受発信器Uから超音波を発信し、当該切羽P1及び/又は当該地山P2と泥水Mとの境界面での反射波を各超音波受発信器Uで検知して、各超音波受発信器Uから当該切羽P1及び/又は当該地山P2までの距離を測定することによりカッターヘッド1から当該切羽P1及び/又は当該地山P2までの距離を測定し、当該切羽P1及び/又は当該地山P2の状態を把握する。
図1に切羽地山探査装置を併せて示している。
図1に示すように、この切羽地山探査装置は、泥水式シールドマシンS先端の面板10及びカッター11からなるカッターヘッド1を回転させ、カッターヘッド1後方のバルクヘッド(図示省略)により隔成されるチャンバー3内に送泥管(図示省略)により泥水Mを供給充填して、カッターヘッド1前方の切羽(面)を泥水Mで加圧しながら掘削したカッターヘッド1前方の切羽P1(以下、当該切羽P1ということがある。)及びカッターヘッド1周囲の地山P2(以下、当該地山P2ということがある。)の状態を把握するもので、この装置では、音波よりも周波数が高く、指向性の強い超音波を受発信する超音波受発信器Uとこの超音波受発信器Uを制御する制御装置(図示省略)とからなる超音波測定装置を採用する。
この装置では、特に、超音波受発信器Uがカッターヘッド1に、カッターヘッド1前方の切羽P1及び/又はカッターヘッド1周囲の地山P2に向けてかつ当該切羽P1及び/又は当該地山P2に対して当該切羽P1及び/又は当該地山P2と泥水Mとの境界面を泥水Mの比重に応じて探査可能な距離離隔して取り付けられ、(各)超音波受発信器Uを制御する制御装置がシールドマシンSの本体内部に設置されて、(各)超音波受発信器Uにケーブル又は無線により接続され、泥水M中で、超音波受発信器Uから超音波を発信し、当該切羽P1及び又は当該地山P2と泥水Mとの境界面での反射波を超音波受発信器Uで検知して、各超音波受発信器Uから当該切羽P1及び/又は当該地山P2までの距離を測定することによりカッターヘッド1から当該切羽P1及び/又は当該地山P2までの距離を測定し、当該切羽P1及び/又は当該地山P2の状態を把握する。
以下、この探査方法及び装置についてさらに詳しく説明する。
この探査方法及び装置では、超音波測定装置に地中連続壁の側壁測定用の超音波測定装置などの汎用機を転用して使用する。この場合、超音波測定装置は地中連続壁の側壁測定用のもので、複数の超音波受発信器Uと、1つの制御装置とを備える。各超音波受発信器Uは制御装置に通信・電源ケーブルC1により接続され、制御装置は、送信部、受信部、制御部、記録部などを有し、パソコンなどが接続可能になっている。
そして、複数の超音波受発信器Uをカッターヘッド1にカッターヘッド1前方の切羽P1及びカッターヘッド1周囲の地山P2に向けてかつ当該切羽P1及び当該地山P2に対して当該切羽P1及び当該地山P2と泥水Mとの境界面を泥水Mの比重に応じて探査可能な距離離隔して取り付ける。
この場合、当該切羽P1及び当該地山P2と泥水Mとの境界面を泥水Mの比重に応じて探査可能な距離は、予め、チャンバー3内に供給する泥水Mと同じ比重の模擬泥水と模擬土砂を入れた水槽の中で、使用する超音波受発信器Uが模擬泥水と模擬土砂との境界面を探査可能な当該境界面からの距離を測定して求める。
この測定手法を図2、図3に例示している。
ここで使用する超音波受発信器Uは、本来、地中連続壁工法の施工管理において泥水(安定液)が溜められた縦穴内で上下に移動しながら、超音波を縦穴の側壁に向けて放射し、その反射波を受波して、縦穴の壁面までの距離を測定するもので、この場合の泥水の比重は1.04〜1.10とされており、これに対して泥水式シールド工法で用いる泥水の比重は1.10〜1.25と大きい。
そこで、泥水式シールド工法で用いられる実際の泥水M中でのこの超音波受発信器Uによる切羽、地山と泥水との境界面の探査の可否及び探査距離を把握する必要があり、模擬泥水と模擬土砂を使用して模擬泥水中での超音波受発信器Uによる超音波探査の確認実験を行う。この実験では、図2、図3に示すように、水槽A内にその底部の一端から中央付近まで斜めに所定量の土砂E1(模擬土砂E1)を盛り、所定量の泥水M1(模擬泥水M1)を入れておき、この模擬泥水M1の中に超音波受発信器Uを棒を介して挿入し、模擬土砂E1(模擬土砂E1と模擬泥水M1との境界面)までの斜め距離を変えながら、超音波により距離を計測する。
図2は模擬泥水M1の比重が1.220、超音波受発信器Uの超音波周波数がf=80kHz、土砂角が60°の場合である。その結果を試験結果一覧表に示す。この一覧表から、比重が1.220の場合、80kHzの超音波は土砂から260mm〜760mmまでの反射を捉えているが、土砂から760mmまでの反射については、実験時の比重が時間の経過により1.220より下がったことが予想され、この場合、土砂の適用距離は700mm程度と推察される。
図3は模擬泥水M1の比重が1.250、超音波受発信器Uの超音波周波数がf=80kHzの場合で、土砂角が60°の場合である。その結果を試験結果一覧表に示す。この一覧表から、比重が1.250の場合、80kHzの超音波は土砂E1から300mm〜600mmまでの反射を捉えており、この場合、土砂の適用距離は600mm〜700mm以下と推察される。
また、この実験では、超音波を泥水中で管材(後述する筒状の取付部12と見立てたもの)の中を通して受発信させる場合の管材の影響を確認するため、超音波を水槽内で塩ビ管の中、鋼管の中を通して同様の測定を併せて行った。その結果、この超音波探査に管材は影響しないことを確認した。
以上の実験から、超音波受発信器Uは、泥水の比重が大きくなる程超音波の探査距離が短くなり、泥水の比重が1.25を超えると探査は不可能であったが、泥水の比重が1.25以下であれば、探査距離が300mm〜500mmの範囲内で探査可能であることを確認した。また、この超音波受発信器Uから発信受信される超音波はその指向性により、管材の中を通しても探査が可能であり、管材が影響しないことを確認した。
このようにチャンバー3内に供給する泥水Mと同じ比重の模擬泥水M1と模擬土砂E1を入れた水槽Aの中で、使用する超音波受発信器Uが模擬泥水M1と模擬土砂E1との境界面を探査可能な当該境界面からの距離を測定することで、泥水式シールド工法で用いられる実際の泥水M中での当該切羽P1及び当該地山P2と泥水Mとの境界面の探査の可否及び探査距離を把握することができる。
なお、この測定の結果、カッターヘッド1の厚みを考慮すると、カッターヘッド1前方の切羽P1に向ける超音波受発信器Uは面板10の前面から後方に20cm〜30cm程度入り込んだ位置に、カッターヘッド1周囲の地山に向ける超音波受発信器Uはカッターヘッド1の周面から20cm〜30cm程度内方に入り込んだ位置に、それぞれ取り付けることが好ましい。
かくしてカッターヘッド1前方の切羽P1に向ける超音波受発信器Uはカッターヘッド1の面板10の最外周部及び/又は半径方向の複数の位置に取り付ける。この場合、超音波受発信器Uを面板10の最外周部に1つ取り付け、この最外周部に取り付けた超音波受発信器Uとカッターヘッド1の中心との間の内周部に1つ、カッターヘッド1の面板10に面板10の前面に開口して後方に向けて筒状に延びる取付部(管材)12を介して取り付ける。この場合、予め、チャンバー3内に供給する泥水Mと同じ比重の模擬泥水と模擬土砂を入れた水槽の中で、使用する超音波受発信器Uが模擬泥水と模擬土砂との境界面を探査可能な当該境界面からの距離を測定し、当該距離に基づいて、取付部12に必要な長さを算出する。この取付部12の長さは、上記の実験から、20cm〜30cm程度が好ましいと考える。このようにして筒状の取付部12をカッターヘッド1の面板10の前面に開口して後方に向けて固着し、この取付部12の後部に超音波受発信器Uを取り付ける。
なお、カッターヘッド1の厚さが筒状の取付部12の長さ(20cm〜30cm)よりも大きい場合は、筒状の取付部12をカッターヘッド1内部に収め、この取付部12の後部に超音波受発信器Uを取り付け、カッターヘッド1の内部に配置する。また、カッターヘッド1の厚さが筒状の取付部12の長さ(20cm〜30cm)よりも小さい場合は、筒状の取付部12の後部側をカッターヘッド1の後面から外部(チャンバー3側)に突出させ、この取付部12の後部に超音波受発信器Uを取り付け、カッターヘッド1の外部(チャンバー3側)に配置すればよい。
また、カッターヘッド1周囲の地山P2に向ける超音波受発信器Uはカッターヘッド1の周面に1つ、カッターヘッド1の周面に開口して内方に向けて筒状に延びる取付部12を介して取り付ける。この場合も、予め、チャンバー3内に供給する泥水Mと同じ比重の模擬泥水と模擬土砂を入れた水槽の中で、使用する超音波受発信器Uが模擬泥水と模擬土砂との境界面を探査可能な当該境界面からの距離を測定し、当該距離に基づいて、取付部12に必要な長さを算出する。この取付部12の長さは、上記の実験から、20cm〜30cm程度が好ましいと考える。このようにして筒状の取付部12をカッターヘッド1の周面に開口して内方に向けて固着し、この取付部12の後部に超音波受発信器Uを取り付ける。
なお、これらの超音波受発信機Uには引き込み用の通信・電源ケーブルC1が接続されており、これら通信・電源ケーブルC1はカッターヘッド1内でカッターヘッド1中心の回転軸に挿通し、制御装置から延ばされる通信・電源ケーブル(図示省略)にスリップリング(図示省略)を介して電気的に接続し、各超音波受発信器Uと制御装置との間で制御信号や受発信データなどの通信と、電源の供給を行う。制御信号や受発信データの通信は無線伝送も可能である。
また、各超音波受発信器Uの取付部12には、超音波受発信器Uの前面を洗浄するための泥水又は水を送給する送泥水管又は送水管を併せて備える。この場合、送水管C2を採用し、各筒状の取付部12の周面後部側に挿入口を設け、この挿入口に送水管C2の放出口を通してこの放出口を超音波受発信器Uの前面に向けて配置する。なお、この取付部12に取り付けた送水管C2はカッターヘッド1内でカッターヘッド1中心の回転軸に挿通し、水源から延ばされる送水管(図示省略)にロータリージョイント(図示省略)を介して接続し、水源から水の供給を行う。
そして、この探査方法の、実工事での運用では、セグメントの組立中や昼夜交代時などのシールドマシンSの掘進停止中に、泥水M中で各超音波受発信器Uから超音波を発信し、当該切羽P1及び当該地山P2と泥水との境界面での反射波を各超音波受発信器Uで検知して、各超音波受発信器Uから当該切羽P1及び当該地山P2までの距離を測定することによりカッターヘッド1から当該切羽P1及び当該地山P2までの距離を測定し、当該切羽P1及び当該地山P2の状態を把握する。
この場合、カッターヘッド面板10の最外周部及びカッターヘッド1周面の各超音波受発信器Uから当該切羽P1上部及び当該地山P2天端までの距離を測定することにより、特に崩壊が懸念されるカッターヘッド1前方の切羽P1上部やカッターヘッド1周囲の地山P2天端の状況、空洞の有無を早期に把握する。探査時間は数分程度である。なお、超音波受発信器Uによる測定中に、超音波受発信器Uの前面に掘削土砂や比重の大きい泥水が滞留した場合は、送水管C2から水を超音波受発信器Uの前面に向けて放出し、超音波受発信器Uの前面から土砂や泥水を除去して機外に排出し、測定を続行する。
また、この場合、カッターヘッド1を回転し所定の位置毎に停止することにより、超音波受発信器Uを周回し停止することを当該切羽P1全周及び当該地山P2全周に亘って繰り返し、カッターヘッド1の停止毎にカッターヘッド面板10の最外周部及び内周部の各超音波受発信器U並びにカッターヘッド1周面の超音波受発信器Uから当該切羽P1及び当該地山P2に向けて超音波を発信して当該切羽P1及び当該地山P2までの距離を測定することにより、当該切羽P1全体及び当該地山P2全体の状態を把握する。探査時間は測定1個所当たりで数分程度である。なお、各超音波受発信器Uによる測定中に、超音波受発信器Uの前面に掘削土砂や比重の大きい泥水が滞留した場合は、同様に、送水管C2から水を超音波受発信器Uの前面に向けて放出し、超音波受発信器Uの前面から土砂や泥水を除去して機外に排出し、測定を続行する。
測定の結果、切羽、地山に崩落や空洞の発生があった場合は、早期の対策を講じることになる。
以上説明したように、この探査方法及び装置によれば、カッターヘッド1に、超音波受発信器Uをカッターヘッド1前方の切羽P1及びカッターヘッド1周囲の地山P2に向けてかつ当該切羽P1及び当該地山P2に対して当該切羽P1及び当該地山P2と泥水Mとの境界面を泥水Mの比重に応じて探査可能な距離離隔して取り付け、シールドマシンSの停止中に、泥水M中で各超音波受発信器Uから超音波を発信し、当該切羽P1及び当該地山P2と泥水Mとの境界面での反射波を各超音波受発信器Uで検知して、各超音波受発信器Uから当該切羽P1及び当該地山P2までの距離を測定することによりカッターヘッド1から当該切羽P1及び当該地山P2までの距離を測定し、当該切羽P1及び当該地山P2の状態を把握するようにしたので、地山の崩落やトンネル周りに空洞の発生が懸念されるカッターヘッド1前方の切羽P1やカッターヘッド1周囲の地山P2を直接、簡便に短時間で探査することができ、その状況や空洞の有無などを早期に把握することができる。そして、地山の崩落や空洞の発生があった場合には、早期の対策を講じることができ、周辺の影響や工程の遅延などを防止することができる。
また、この探査方法では、さらに次のような効果を奏する。
(1)この探査方法では、当該切羽P1及び当該地山P2と泥水Mとの境界面を泥水Mの比重に応じて探査可能な距離は、予め、チャンバー3内に供給する泥水Mと同じ比重の模擬泥水と模擬土砂を入れた水槽の中で、使用する超音波受発信器Uが模擬泥水と模擬土砂との境界面を探査可能な当該境界面からの距離を測定して求めておくので、使用する超音波受発信器Uのカッターヘッド1における取付位置及び向きを容易かつ確実に把握することができ、使用する超音波受発信器Uで探査する当該切羽P1及び当該地山P2の位置を確実に特定することができる。
(2)この探査方法では、上記(1)により、超音波受発信機U及び制御装置に地中連続壁の側壁測定用の超音波測定装置を含む汎用機を使用できるので、超音波探査を簡易に実施することができる。
(3)この探査方法では、カッターヘッド1前方の切羽P1に向ける超音波受発信器Uをカッターヘッド1の面板10の最外周部に取り付けるとともに、カッターヘッド1周囲の地山P2に向ける超音波受発信器Uをカッターヘッド1の周面に取り付けて、超音波受発信器Uから当該切羽P1上部及び当該地山P2天端までの距離を測定することにより、当該切羽P1上部及び当該地山P2天端の状態を把握することで、特に崩壊が懸念されるカッターヘッド1前方の切羽P1上部やカッターヘッド1周囲の地山2天端の状況、空洞の有無を早期に把握することができる。
(4)この探査方法では、カッターヘッド1前方の切羽P1に向ける超音波受発信器Uをカッターヘッド1の面板10の最外周部及び半径方向の複数の位置に取り付けるとともに、カッターヘッド1周囲の地山P2に向ける超音波受発信器Uをカッターヘッド1の周面に取り付けて、カッターヘッド1を回転し所定の位置毎に停止することにより、超音波受発信器Uを周回し停止することを当該切羽P1全周及び当該地山P2全周に亘って繰り返し、カッターヘッド1の停止毎に超音波受発信器Uから当該切羽P1及び当該地山P2に向けて超音波を発信して当該切羽P1及び当該地山P2の全周複数の位置で超音波受発信器Uから当該切羽P1及び当該地山P2までの距離を測定することにより、当該切羽P1全体及び当該地山P2全体の状態を把握するようにしたので、カッターヘッド1前方の切羽P1の上部やカッターヘッド1周囲の地山天端のみならず、カッターヘッド1前方の切羽P1全体及びカッターヘッド1周囲の地山P2全体に亘って探査することができ、当該切羽P1や当該地山P2の部分的な崩壊の発生などを早期に把握することができる。
(5)この探査方法では、カッターヘッド1前方の切羽P1に向ける超音波受発信器Uをカッターヘッド1の面板10に面板10の前面に開口して後方に向けて筒状に延びる取付部12に取り付けるが、この場合に、予め、チャンバー3内に供給する泥水Mと同じ比重の模擬泥水と模擬土砂を入れた水槽の中で、使用する超音波受発信器Uが模擬泥水と模擬土砂との境界面を探査可能な当該境界面からの距離を測定しておき、当該距離に基づいて、取付部12に必要な長さを算出するので、超音波受発信器Uをカッターヘッド1の面板10の適切な位置に簡易に取り付けることができる。
(6)この探査方法では、カッターヘッド1周囲の地山に向ける超音波受発信器Uをカッターヘッド1の周面に開口して内方に向けて筒状に延びる取付部12に取り付けるが、この場合に、予め、チャンバー3内に供給する泥水Mと同じ比重の模擬泥水と模擬土砂を入れた水槽の中で、使用する超音波受発信器Uが模擬泥水と模擬土砂との境界面を探査可能な当該境界面からの距離を測定しておき、当該距離に基づいて、取付部12に必要な長さを算出するので、超音波受発信器Uをカッターヘッド1の周面の適切な位置に簡易に取り付けることができる。
(7)この探査方法では、当該切羽P1及び当該地山P2を超音波で探査するので、泥水式シールド工法の特徴となる切羽地山に形成される泥膜は超音波によって破壊されることがなく、切羽の保持に何ら影響することがない。
(8)この探査方法では、探査作業を短時間で行えるので、例えば2交代施工の場合にその交代時間で探査することができ、泥水式シールド工法による掘進工程に影響を与えることがない。
さらに、この探査装置では、超音波受発信器Uの前面に向けて放出口を配置され、超音波受発信器Uの前面を洗浄するための水を送給する送水管C2を併せて備えたので、超音波受発信器Uの前面に掘削土砂や比重の大きい泥水が滞留した場合でも、送水管C2から水を超音波受発信器Uの前面に向けて放出することで、超音波受発信器U前面から土砂や泥水を除去して機外に排出することができる。
なお、この実施の形態では、超音波受発信器Uをカッターヘッド1前方の切羽P1及びカッターヘッド1周囲の地山P2に向けてかつ当該切羽P1及び当該地山P2に対して当該切羽P1及び当該地山P2と泥水Mとの境界面を泥水Mの比重に応じて探査可能な距離離隔して取り付け、シールドマシンSの停止中に、泥水M中で各超音波受発信器Uから超音波を発信し、当該切羽P1及び当該地山P2と泥水Mとの境界面での反射波を各超音波受発信器Uで検知して、各超音波受発信器Uから当該切羽P1及び当該地山P2までの距離を測定することによりカッターヘッド1から当該切羽P1及び当該地山P2までの距離を測定し、当該切羽P1及び当該地山P2の状態を把握するものとしたが、超音波受発信器Uをカッターヘッド1前方の切羽P1又はカッターヘッド1周囲の地山P2に向けてかつ当該切羽P1又は当該地山P2に対して当該切羽P1又は当該地山P2と泥水Mとの境界面を泥水Mの比重に応じて探査可能な距離離隔して取り付け、シールドマシンSの停止中に、泥水M中で超音波受発信器Uから超音波を発信し、当該切羽P1又は当該地山P2と泥水Mとの境界面での反射波を各超音波受発信器Uで検知して、各超音波受発信器Uから当該切羽P1又は当該地山P2までの距離を測定することによりカッターヘッド1から当該切羽P1又は当該地山P2までの距離を測定し、当該切羽P1又は当該地山P2の状態を把握するようにしてもよい。このようにしても当該切羽P1又は当該地山P2について上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、超音波受発信器Uの洗浄を、送水管による水に代えて、送泥水管による送泥水を用いて行ってもよい。このようにしても上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、この実施の形態では、カッターヘッド面板10の超音波受発信器U及びカッターヘッド1周面の超音波受発信器Uにより、シールドマシンSのカッターヘッド1前方の切羽P1、及びカッターヘッド1周囲の地山P2の状態(特に切羽、地山の崩壊や空洞の有無)を探査する場合を例示したが、例えば、シールドマシンSによる曲線施工において、カッターヘッド1の周面に出没可能に備えたコピーカッターを用いて、カッターヘッド1周囲をオーバーカット(余掘り)した場合に、カッターヘッド1周面の超音波受発信器Uを使って、同様に、オーバーカット確保の可否やオーバーカット量の適否などオーバーカットの状態を確認することができる。
S 泥水式シールドマシン
M 泥水
P1 カッターヘッド前方の切羽
P2 カッターヘッド周囲の地山
U 超音波受発信器
C1 通信・電源ケーブル
C2 送水管
1 カッターヘッド
10 面板
11 カッター
12 (筒状の)取付部
3 チャンバー
A 水槽
E1 土砂(模擬土砂)
M1 泥水(模擬泥水)

Claims (11)

  1. 泥水式シールドマシン先端の面板及びカッターからなるカッターヘッドを回転させ、前記カッターヘッド後方のバルクヘッドにより隔成されるチャンバー内に送泥管により泥水を供給充填して、前記カッターヘッド前方の切羽面を泥水で加圧しながら掘削した前記カッターヘッド前方の切羽及び/前記カッターヘッド周囲の地山の状態を把握する切羽地山探査方法であって、
    前記カッターヘッドに、制御装置にケーブル又は無線により接続された超音波受発信器を前記カッターヘッド前方の切羽及び/又は前記カッターヘッド周囲の地山に向けてかつ当該切羽及び/又は当該地山に対して当該切羽及び/又は当該地山と前記泥水との境界面を前記泥水の比重に応じて探査可能な距離離隔して取り付け、前記シールドマシンの停止中に、前記泥水中で前記各超音波受発信器から超音波を発信し、当該切羽及び/又は当該地山と前記泥水との境界面での反射波を前記各超音波受発信器で検知して、前記各超音波受発信器から当該切羽及び/又は当該地山までの距離を測定することにより前記カッターヘッドから当該切羽及び/又は当該地山までの距離を測定し、当該切羽及び/又は当該地山の状態を把握する、
    ことを特徴とする切羽地山探査方法。
  2. 当該切羽及び/又は当該地山と泥水との境界面を前記泥水の比重に応じて探査可能な距離は、予め、チャンバー内に供給する泥水と同じ比重の模擬泥水と模擬土砂を入れた水槽の中で、使用する超音波受発信器が前記模擬泥水と前記模擬土砂との境界面を探査可能な当該境界面からの距離を測定して求める請求項1に記載の切羽地山探査方法。
  3. 超音波受発信機及び制御装置に地中連続壁の側壁測定用の超音波測定装置を含む汎用機を使用する請求項1又は2に記載の切羽地山探査方法。
  4. カッターヘッド前方の切羽に向ける超音波受発信器は前記カッターヘッドの面板の最外周部及び/又は半径方向の複数の位置に取り付ける請求項1乃至3のいずれかに記載の切羽地山探査方法。
  5. カッターヘッド前方の切羽に向ける超音波受発信器を前記カッターヘッドの面板に前記面板の前面に開口して後方に向けて筒状に延びる取付部に取り付ける請求項1乃至4のいずれかに記載の切羽地山探査方法。
  6. カッターヘッド周囲の地山に向ける超音波受発信器を前記カッターヘッドの周面に取り付ける請求項1乃至5のいずれかに記載の切羽地山探査方法。
  7. カッターヘッド周囲の地山に向ける超音波受発信器を前記カッターヘッドの周面に開口して内方に向けて筒状に延びる取付部に取り付ける請求項1乃至6のいずれかに記載の切羽地山探査方法。
  8. 予め、チャンバー内に供給する泥水と同じ比重の模擬泥水と模擬土砂を入れた水槽の中で、使用する超音波受発信器が前記模擬泥水と前記模擬土砂との境界面を探査可能な当該境界面からの距離を測定しておき、当該距離に基づいて、取付部に必要な長さを算出する請求項5又は7に記載の切羽地山探査方法。
  9. カッターヘッドを回転し所定の位置毎に停止することにより、超音波受発信器を周回し停止することを当該切羽全周及び/又は当該地山全周に亘って繰り返し、前記カッターヘッドの停止毎に前記超音波受発信器から当該切羽及び/又は当該地山に向けて超音波を発信して当該切羽及び/又は当該地山の全周複数の位置で前記超音波受発信器から当該切羽及び/又は当該地山までの距離を測定することにより、当該切羽全体及び/又は当該地山全体の状態を把握する請求項1乃至8のいずれかに記載の切羽地山探査方法。
  10. 泥水式シールドマシン先端の面板及びカッターからなるカッターヘッドを回転させ、前記カッターヘッド後方のバルクヘッドにより隔成されるチャンバー内に送泥管により泥水を供給充填して、前記カッターヘッド前方の切羽面を泥水で加圧しながら掘削した前記カッターヘッド前方の切羽及び/又は前記カッターヘッド周囲の地山の状態を把握する切羽地山探査装置であって、
    前記カッターヘッドに、前記カッターヘッド前方の切羽及び/又は前記カッターヘッド周囲の地山に向けてかつ当該切羽及び/又は当該地山に対して当該切羽及び/又は当該地山と前記泥水との境界面を前記泥水の比重に応じて探査可能な距離離隔して取り付けられ、超音波を受発信する超音波受発信器と、
    前記シールドマシンの本体内部に設置され、前記超音波受発信器にケーブル又は無線により接続されて、前記各超音波受発信器を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記泥水中で、前記超音波受発信器から超音波を発信し、当該切羽及び/又は当該地山と前記泥水との境界面での反射波を前記超音波受発信器で検知して、前記各超音波受発信器から当該切羽及び/又は当該地山までの距離を測定することにより前記カッターヘッドから当該切羽及び/又は当該地山までの距離を測定し、当該切羽及び/又は当該地山の状態を把握する、
    ことを特徴とする切羽地山探査装置。
  11. 超音波受発信器の前面に向けて放出口を配置され、前記超音波受発信器の前面を洗浄するための泥水又は水を送給する送泥水管又は送水管を併せて備える請求項10に記載の切羽地山探査装置。
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