JP2018044428A - 排水ソケット、水洗大便器 - Google Patents
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Abstract
Description
その後、汚物より後に流れることにより汚物搬送を行なう洗浄水(背負い水)が、排水ソケット内を流れ、背負い水と共に汚物が建物配管に排出される。
すなわち、汚物より後に流れることにより汚物搬送を行なう洗浄水(背負い水)の量も減少する。
このような状況下では、排水ソケットから建物配管に排出された汚物が建物配管の水平部に到達したとき、背負い水の量が少なくなっているので汚物を搬送できる距離が短くなってしまうため、汚物の搬送能力については更なる改善の余地がある。
すなわち、汚物に先行する先行洗浄水を遅らせて、汚物に後行する背負い水に合流可能となるため、先行洗浄水を汚物搬送に利用でき、節水と高い汚物搬送性能を両立させることができる。
また、分流路は先行洗浄水を背負い水に転換するための手段であり、分流路に汚物が進入してしまうと、汚物も合流タイミングが調整されてしまうため、先行洗浄水を背負い水に転換できない。
そこで、分流路への汚物の進入を抑制する汚物進入抑制手段が形成されていることにより、確実に分流路への汚物の進入が抑制されるため、確実に背負い水の量を増加させることができる。
一般に、排水ソケットは水洗大便器の底部に設置されているが、高さ方向については水洗大便器のボウル部やトラップ部との干渉してしまうため、高さ方向で分流路の流路長を確保することは難しい。
そして、排水ソケットの側方については、水洗大便器の袴部があるのみで、排水ソケットと水洗大便器の袴部との間の距離は、排水ソケットと水洗大便器のボウル部やトラップ部との間の距離より大きく、排水ソケットの側方はデッドスペースとなっていた。
そこで、上述のように構成された請求項5係る発明の排水ソケットによれば、請求項2乃至請求項4のいずれか1項に係る発明が奏する効果に加え、分流路が、主流路を形成する管部材の側方に配置されていることにより、水洗大便器との隙間が比較的大きい主流路の側方空間を活用するため、分流路をより長く形成することができる。
この速度勾配により、水は流れ方向以外の方向にも拡散する性質がある。
そこで、上述のように構成された請求項7に係る発明の排水ソケットによれば、請求項2乃至請求項6のいずれか1項に係る発明が奏する効果に加え、分流路の入口が、先行洗浄水の流れ方向と直交する方向に向けて開口していることにより、先行洗浄水が主流路内を拡散して分流路の入口に行き渡る一方で、汚物は自らの慣性力のため洗浄水の流れに沿って主流路を移動するため、簡便な方法で分流路への汚物の進入を防ぐことができる。
そこで、上述のように構成された請求項9に係る発明の排水ソケットによれば、請求項2乃至請求項8のいずれか1項に係る発明が奏する効果に加え、分流路の入口の下端の高さが、分流路の出口の下端の高さ以上であり、分流路の内部が、下り傾斜あるいは水平な底面によって形成されていることにより、分流路内で上り傾斜が存在しないため、分流路内で下に凸な箇所が形成されず、入口から分流路に入った水をすべて出口に伝えることができる。
図1乃至図4に基づいて、本発明の第1実施形態である排水ソケット100について説明する。
まず、図1乃至図3に基づいて、本発明の第1実施形態である排水ソケット100および排水ソケット100を備える水洗大便器の構造について説明する。
図1は本発明の第1実施形態である排水ソケットを備えた水洗大便器の側面断面図であり、図2は本発明の第1実施形態である排水ソケットの一部断面斜視図であり、図3は図2のIII−III断面図である。
なお、排水ソケット100の長手方向を「前後方向」とし、前後方向と鉛直方向とにより形成される平面と直交する方向(すなわち、排水ソケット100の幅方向)を「左右方向」とする。
便器本体Tは、汚物が堆積するボウル部Tbと、ボウル部Tbの底部でボウル部Tbと連通しているトラップ部Ttとを有している。
トラップ部Ttの出口(トラップ出口)Toは、床F(すなわち鉛直下方)に向けて開口している。
図2に示すように、排水ソケット100は、入口側屈曲管部材110、平行管部材120、出口側屈曲管部材130の3部材により構成されている。
そして、入口側屈曲管部材110の入口(すなわち、トラップ出口To)から出口側屈曲管部材130のソケット出口133までを繋ぐ流路を主流路MSとする。
便器本体Tのボウル部Tb内の汚物はこの主流路MSを通る。
なお、本発明における「汚物」とは、例えば、JIS P 4501:2006(トイレットペーパー)に示すシングルペーパー又はそれと同等のトイレットペーパ−90cmを8折りしてほぼ正方形としたものを4枚重ねたものを指す。
入口側屈曲管部材110は、便器本体Tのトラップ出口Toから流入した洗浄水を床Fに設けられた建物配管Pへ排出するために、便器本体Tのトラップ出口Toから流入した洗浄水の向きを鉛直方向から水平方向に偏向する部材である。
そして、入口側屈曲管部材110は、便器本体Tのトラップ出口Toに向けて開口している垂直管路領域111と、垂直管路領域111と直結して鉛直方向の流れを水平方向に偏向する屈曲領域112とから区画されている。
続いて、出口側屈曲管部材130の詳細な構造について説明する。
図3に示すように、出口側屈曲管部材130は平行管部材120との接続される入口部131の中心を通るA−A線に対して、側方拡張部132が左右対称に形成されている。
また、このソケット出口133の左右方向の中心もA−A線上に配置されている。
排水ソケットの側方については、水洗大便器の袴部があるのみで、排水ソケットと水洗大便器の袴部との間の距離は、排水ソケットと水洗大便器のボウル部やトラップ部との間の距離より大きく、従来はデットスペースとみなされていた。
そこで本実施形態では、このデットスペースに着目し、出口側屈曲管部材130に側方拡張部132を配置した。
そして、側方拡張部132の底面は後端部に向けて下り傾斜となっている。
この連通路132aは、平行管部材120に向けて底面が下り傾斜となっている。
ガイド134は、平面視で概ね楔状であり、前方に向けて先細になっている。
さらに、ガイド134の左右側面は、左右方向に向けて湾曲しつつ、外方に向けて膨出している。
突出部135の左右方向の中心もA−A線上に配置されている。
すなわち、入口部131の左右方向の中心とソケット出口133の左右方向の中心と突出部135の左右方向の中心とは同一直線(A−A線)上に存在している。
次に図1および図4を用いて、本発明の第1実施形態である排水ソケット100における洗浄水の挙動について説明する。
図4は、本発明の第1実施形態である排水ソケット100における洗浄水の流れの様子を示す図である。
なお、排水ソケット100は、左右方向の中心線A−Aを中心にして左右対称であるため、片側(右側)のみ流線を示す。
まず、先行洗浄水の挙動について説明する。
図1および図4に示すように、出口側屈曲管部材130の中央(A−A線)付近に流入した洗浄水Wcは、平行管部材120を直進した後、突出部135への衝突により運動方向が反転し、ソケット出口133に向かって落下する。
図4に示すように、洗浄水Woは、コアンダ効果によりガイド134に引き寄せられ、流れの方向がガイド134側に偏向されて側方拡張部132へ流れる。
洗浄水W1もガイド134により、ガイド134の表面の湾曲に対応して偏向されつつ、ソケット出口133を飛び越えて側方拡張部132へ流れる。
このとき、ソケット出口133の上を通過する際、重力により一部の洗浄水はソケット出口133へと落下する。
ここで、ガイド134の先端と突出部135の先端とを繋ぐ面が、側方拡張部132の入口(側方拡張部入口)132bになる。
続いて、汚物Eを含む洗浄水の挙動について説明する。
図1および図4に示すように、出口側屈曲管部材130の中央(A−A線)付近に流入した汚物Eを含む洗浄水Wcは、突出部135への衝突により運動方向が反転し、ソケット出口133に向かって落下する。
次に、出口側屈曲管部材130の中央(A−A線)付近から最も遠い位置を流れる洗浄水WoおよびA−A線付近を流れる洗浄水Wcとの間を流れる洗浄水W1については、先行洗浄水の挙動と同一であり、一部が分流洗浄水として側方拡張部132内に流入する。
側方拡張部132内に流入した分流洗浄水の挙動は先行洗浄水の挙動と同一である。
すなわち、側方拡張部132は、主流路MSから分岐した後に主流路MSに再合流する分流路DSを形成している。
続いて、汚物Eより後に流れる背負い水(特に便器本体から供給される背負い水)の挙動について説明する。
出口側屈曲管部材130の中央(A−A線)付近に流入した洗浄水Wc、出口側屈曲管部材130の中央(A−A線)付近から最も遠い位置を流れる洗浄水WoおよびA−A線付近を流れる洗浄水Wcとの間を流れる洗浄水W1、先行洗浄水の挙動と同一であり、一部が分流洗浄水として側方拡張部132内に流入する。
側方拡張部132内に流入した分流洗浄水の挙動は先行洗浄水の挙動と同一である。
ソケット出口133を通過することで、ソケット出口133に直接落下する汚物を相対的に多く含む第1の洗浄水と、側方拡張部132に流入する第1の洗浄水よりも汚物が相対的に少ない第2の洗浄水とに分流される。
換言すると、ソケット出口133を通過することで、洗浄水をソケット出口133に流出する洗浄水と、側方拡張部132へと流れる分流洗浄水とに分流される。
したがって、ソケット出口133は、分流手段Dとして機能する。
したがって、ガイド134も、分流手段Dとして機能する。
したがって、連通路132aは合流手段Cとして機能する。
また、連通路132aの終端が合流部Jである。
図5に示すように、主流路MSの流路長LMは、便器本体Tのトラップ出口Toから連通路132aとの合流部Jまでの距離L1と、連通路132aとの合流部Jからソケット出口133までの距離L2との和で表される(すなわち、LM=L1+L2)。
一方、便器本体Tのトラップ出口Toから建物配管P(ソケット出口133)までを連通すると共に途中で分流路DSを経由する流路を副流路SSと定義した場合、副流路SSの流路長LSは、主流路MSの流路長LMはソケット入口(図示せず)から連通路132aとの合流部Jまでの距離L1と、連通路132aとの合流部Jから側方拡張部入口132bまでの距離L21と、分流路DSの距離L3と、連通路132aとの合流地点からソケット出口133までの距離L2の和で表される(すなわち、LS=L1+L21+L3+L2)。
したがって、主流路MSの流路長LMと副流路SSの流路長LSとを比較すると、副流路SSの流路長LSの方がL21+L3の分だけ、流路長が長い。
したがって、側方膨張部132が合流タイミング調整手段CTAとして機能する。
また、分流路DSは側方膨張部132内部に形成されており、側方膨張部132は管状であるため、分流路DSは管部材により形成されていると換言することができる。
さらに、分流路DSは主流路MSの左右方向における側方に配置されている。
図3に示すように、分流路DSの出口DSo(すなわち、連通路132a)の開口方向Nは、主流路MSにおける流れの向きと直交している。
これにより、主流路MSから分流路DSの出口DSoに向かって洗浄水が流入しにくくなっている。
さらに、分流路DSの内部は下り傾斜となっている。
したがって、ソケット出口133に到達した際に、汚物Eの飛距離は洗浄水より短く、汚物Eが洗浄水と共にソケット出口133を跨げずに直接ソケット出口133に落下する場合がある。
この場合、ソケット出口133は、汚物Eが貯水部132へ進入することを抑制する汚物進入抑制手段Rとして機能する。
すなわち、突出部135も、汚物Eが側方拡張部132へ進入することを抑制する汚物進入抑制手段Rとして機能する。
本実施形態において、排水ソケット100は3部材から構成されていたが、排水ソケット100の外形が同じであれば、部材点数を増やしたり(例えば、入口側屈曲管部材110を垂直管部材(垂直管路領域111に相当)とエルボ(屈曲領域112に相当)に分ける)、部材点数を減らしたり(例えば、入口側屈曲管部材110と平行管部材130とを一体成形する)してもよい。
さらに、左右それぞれの側方拡張部132の外形は、非対称であってもよい。
このようにして得られた本発明の第1実施形態である排水ソケット100は、便器本体Tのトラップ出口Toから供給された汚物Eを含む洗浄水を、汚物Eを相対的に多く含む第1の洗浄水と、第1の洗浄水よりも含まれる汚物Eが相対的に少ない第2の洗浄水とに分流する分流手段Dと、第1の洗浄水と第2の洗浄水とを合流部Jで合流させる合流手段Cと、分流手段Cによって同じタイミングで分流された第1の洗浄水と第2の洗浄水のうち、第2の洗浄水の方が第1の洗浄水よりも遅れて合流部Jに到達するよう調整する合流タイミング調整手段CTAと、を備えていることにより、分流手段Dによって汚物Eが相対的に多い第1の洗浄水と同じタイミングで分流された汚物Eが相対的に少ない第2の洗浄水を、第1の洗浄水よりも遅らせて合流させる。
すなわち、汚物Eに先行する先行洗浄水を遅らせて、汚物Eに後行する背負い水に合流可能となるため、先行洗浄水を汚物搬送に利用でき、節水と高い汚物搬送性能を両立させることができる。
また、分流路DSは先行洗浄水を背負い水に転換するための手段であり、分流路DSに汚物Eが進入してしまうと、汚物Eも合流タイミングが調整されてしまうため、先行洗浄水を背負い水に転換できない。
そこで、分流路DSへの汚物Eの進入を抑制する汚物進入抑制手段Rが形成されていることにより、確実に分流路DSへの汚物Eの進入が抑制されるため、確実に背負い水の量を増加させることができる。
続いて、図6乃至図8に基づいて、本発明の第2実施形態である排水ソケット200について説明する。
図6は本発明の第2実施形態である排水ソケットの一部断面斜視図であり、図7は本発明の第2実施形態である排水ソケットの要部拡大平面断面図であり、図8は本発明の第2実施形態である排水ソケットにおける流路長を示す模式図である。
本発明の第2実施形態である排水ソケット200も、本発明の第1実施形態である排水ソケット100と同じく便器本体Tに接続されている。
そして、図6に示すように、排水ソケット200は、本発明の第1実施形態である排水ソケット100と同じく、入口側屈曲管部材210、平行管部材220、出口側屈曲管部材230の3部材により構成されている。
入口側屈曲管部材210については、本発明の第1実施形態である排水ソケット100と同じ部材を使用するため、詳しい説明を省略する。
出口側屈曲管部材230は、側面視で略L字状の部材であり、後述する平行管部材220から流入した洗浄水の向きを鉛直方向から鉛直下方に偏向する。
図6に示すように、平行管部材220は水平方向に延びる管材であり、入口側屈曲管部材210と、出口側屈曲管部材230の入口部231とを接続している。
従来、排水ソケットの側方には水洗大便器の袴部があるのみで、排水ソケットと水洗大便器の袴部との間の距離は排水ソケットと水洗大便器のボウル部やトラップ部との間の距離より大きく、排水ソケットの側方はデットスペースとみなされていた。
そこで本実施形態では、このデッドスペースに着目し、平行管部材220の側部に側方拡張部222を設けた。
したがって、側方拡張部222の側壁面と中実領域222cとの間には空間が形成され、この空間が分流路DSとなる。
また、入口222aには、流路部221と側方拡張部222とを滑らかに接続する曲面状のガイド面(ガイド)222bが形成されている。
さらに、側方拡張部222の出口222dの開口方向Nも、側方拡張部222の入口222aの開口方向Mと同様に主流路MSに対して直交している。
次に図7を用いて、本発明の第2実施形態である排水ソケット200における洗浄水の挙動について説明する。
なお、排水ソケット200は、左右方向の中心線A−Aを中心にして左右対称であるため、片側(右側)のみ流線を示す。
まず、先行洗浄水の挙動について説明する。
図7に示すように、水平管部材200の中央(A−A線)付近に流入した洗浄水Wcは、出口側屈曲管部材230に向かって直進する。
図7に示すように、A−A線から最も遠い位置を流れる洗浄水Woは、コアンダ効果によりガイド面(ガイド)222bに引き寄せられ、流れの方向がガイド面222b側に偏向され、側方拡張部222に流入する。
洗浄水W1もガイド面222bにより、ガイド面222bの表面の湾曲に対応して偏向され、側方拡張部222に流入する。
続いて、汚物Eを含む洗浄水の挙動について説明する。
図7に示すように、水平管部材200の中央(A−A線)付近に流入した汚物Eを含む洗浄水Wcは、出口側屈曲管部材230に向かって直進する。
次に、水平管部材200の中央(A−A線)付近から最も遠い位置を流れる洗浄水WoおよびA−A線付近を流れる洗浄水Wcとの間を流れる洗浄水W1については、先行洗浄水の挙動と同一であり、一部が分流洗浄水として側方拡張部222内に流入する。
側方拡張部222内に流入した分流洗浄水の挙動は先行洗浄水の挙動と同一である。
すなわち、側方拡張部222は、主流路MSから分岐した後に主流路MSに再合流する分流路DSを形成している。
続いて、汚物Eより後に流れる背負い水(特に便器本体から供給される背負い水)の挙動について説明する。
水平管部材200の中央(A−A線)付近に流入した洗浄水Wc、水平管部材200の中央(A−A線)付近から最も遠い位置を流れる洗浄水WoおよびA−A線付近を流れる洗浄水Wcとの間を流れる洗浄水W1、先行洗浄水の挙動と同一であり、一部が分流洗浄水として側方拡張部222内に流入する。
側方拡張部222内に流入した分流洗浄水の挙動は先行洗浄水の挙動と同一である。
一般に水は自身の粘性により、流路底面との間で速度勾配を有している。この速度勾配により、水は流れ方向以外の方向にも拡散する性質がある。
そこで、洗浄水の流れ方向(すなわち主流路MS)に対して側方拡張部入口222aの開口向きを垂直に形成すると、洗浄水が側方拡張部入口222aに分流洗浄水として分流される。
したがって、側方拡張部入口222aは、分流手段Dとして機能する。
したがって、ガイド面222bも、分流手段Dとして機能する。
したがって、側方拡張部出口222dは合流手段Cとして機能する。
また、側方拡張部出口222dの終端が合流部Jである。
図8に示すように、主流路MSの流路長LMは、便器本体Tのトラップ出口Toから側方拡張部入口222aとの合流地点までの距離L1と、側方拡張部入口222aとの合流地点からソケット出口までの距離L2との和で表される(すなわち、LM=L1+L2)。
一方、便器本体Tのトラップ出口Toから建物配管P(ソケット出口233)までを連通すると共に途中で分流路DSを経由する流路を副流路SSと定義した場合、副流路SSの流路長LSは、主流路MSの流路長LMはソケット入口(図示せず)から側方拡張部入口222aとの合流地点までの距離L1と、分流路DSの距離L3と、側方拡張部出口222dからソケット出口までの距離L22の和で表される(すなわち、LS=L1+L3+L22)。
したがって、主流路MSの流路長LMと副流路SSの流路長LSとを比較すると、副流路SSの流路長LSの方がL3−L21だけ、流路長が長い。
したがって、側方膨張部222が合流タイミング調整手段CTAとして機能する。
また、分流路DSは側方膨張部222内部に形成されており、側方膨張部222は管状であるため、分流路DSは管部材により形成されていると換言することができる。
さらに、分流路DSは主流路MSの左右方向における側方には位置されている。
図7に示すように、分流路DSの出口DSo(すなわち、連通路222d)の開口方向Nは、主流路MSにおける流れの向きと直交している。
これにより、主流路MSから分流路DSの出口DSoに向かって洗浄水が流入しにくくなっている。
さらに、分流路DSの内部は側方拡張部出口222dに向かって下り傾斜となっている。
この速度勾配により、水は流れ方向以外の方向にも拡散する性質がある。
一方で、汚物は水に比べて質量が大きいため、慣性を有しており、水よりも直進性が高いという性質がある。
側方拡張部222への汚物の進入を抑制するために、この性質を利用して側方拡張部222の入口(側方拡張部入口)222aの開口方向Mを汚物が流れる主流路MSと直交する方向にした。
すなわち、側方拡張部入口222aは汚物進入抑制手段Rとして機能する。
すなわち、中実領域222cも汚物進入抑制手段Rとして機能する。
例えば、本実施形態においては、側方拡張部222が主流路MSに対して左右それぞれに位置されているが、左方もしくは右方の片方のみに配置するものであってもよい。
また、左右それぞれの側方拡張部222が前後にずれていてもよい。
このようにして得られた本発明の第2実施形態である排水ソケット200は、便器本体Tのトラップ出口Toから供給された汚物Eを含む洗浄水を、汚物Eを相対的に多く含む第1の洗浄水と、第1の洗浄水よりも含まれる汚物Eが相対的に少ない第2の洗浄水とに分流する分流手段Dと、第1の洗浄水と第2の洗浄水とを合流部Jで合流させる合流手段Cと、分流手段Dによって同じタイミングで分流された第1の洗浄水と第2の洗浄水のうち、第2の洗浄水の方が第1の洗浄水よりも遅れて合流部Jに到達するよう調整する合流タイミング調整手段CTAと、を備えていることにより、分流手段Dによって汚物Eが相対的に多い第1の洗浄水と同じタイミングで分流された汚物Eが相対的に少ない第2の洗浄水を、第1の洗浄水よりも遅らせて合流させる。
すなわち、汚物Eに先行する先行洗浄水を遅らせて、汚物Eに後行する背負い水に合流可能となるため、先行洗浄水を汚物搬送に利用でき、節水と高い汚物搬送性能を両立させることができる。
また、分流路DSは先行洗浄水を背負い水に転換するための手段であり、分流路DSに汚物Eが進入してしまうと、汚物Eも合流タイミングが調整されてしまうため、先行洗浄水を背負い水に転換できない。
そこで、分流路DSへの汚物Eの進入を抑制する汚物進入抑制手段Rが形成されていることにより、確実に分流路DSへの汚物Eの進入が抑制されるため、確実に背負い水の量を増加させることができる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は上記に限定されるものではない。
このように合流タイミング調整手段CTAが、分流洗浄水を減速させる減速手段を分流路DS内に有していることにより、分流路DS内で分流洗浄水が減速されて、分流洗浄水が主流路MSに戻るタイミングが遅れるため、分流洗浄水を確実に背負い水に転換させることができる。
110、 210 ・・・ 入口側屈曲管部材
111、 ・・・ 垂直管路領域
112、 ・・・ 屈曲領域
120、 220 ・・・ 平行管部材
221 ・・・ 流路部
222 ・・・ 側方拡張部
222a ・・・ 貯水部入口
222b ・・・ ガイド面(ガイド)
222c ・・・ 中実領域
222d ・・・ 貯水部出口
130、 230 ・・・ 出口側屈曲管部材
131、 231 ・・・ 入口部
132 ・・・ 側方拡張部
132a ・・・ 連通路
132b ・・・ 側方拡張部入口
133、 233、 ・・・ ソケット出口
134 ・・・ ガイド
135 ・・・ 突出部
FT ・・・ 水洗大便器
T ・・・ 便器本体
Tb ・・・ ボウル部
Tt ・・・ トラップ部
To ・・・ トラップ出口
Ts ・・・ 袴部
P ・・・ 建物配管
MS ・・・ 主流路
DS ・・・ 分流路
DSi ・・・ 分流路入口
DSo ・・・ 分流路出口
SS ・・・ 副流路
C ・・・ 合流手段
D ・・・ 分流手段
CTA ・・・ 合流タイミング調整手段
J ・・・ 合流部
R ・・・ 汚物進入抑制手段
W ・・・ 洗浄水
E ・・・ 汚物
F ・・・ 床
M、N ・・・ 開口方向
Claims (11)
- 便器本体のトラップ出口と建物配管とを接続する排水ソケットであって、
前記便器本体のトラップ出口から供給された汚物を含む洗浄水を、前記汚物を相対的に多く含む第1の洗浄水と、前記第1の洗浄水よりも含まれる前記汚物が相対的に少ない第2の洗浄水とに分流する分流手段と、
前記第1の洗浄水と前記第2の洗浄水とを合流部で合流させる合流手段と、
前記分流手段によって同じタイミングで分流された前記第1の洗浄水と前記第2の洗浄水のうち、前記第2の洗浄水の方が前記第1の洗浄水よりも遅れて前記合流部に到達するよう調整する合流タイミング調整手段と、
を備えていることを特徴とする排水ソケット。 - 前記便器本体のトラップ出口から前記建物配管までを連通し前記汚物を搬送する洗浄水と前記汚物とが流れる主流路と、
前記主流路から分岐し前記主流路に再合流する分流路と、
前記分流路への前記汚物の進入を抑制する汚物進入抑制手段とを備え、
前記分流手段が、前記汚物を排出する洗浄水のうち前記汚物より先行する先行洗浄水の少なくとも一部を分流洗浄水として前記主流路から前記分流路に分流し、
前記合流タイミング調整手段が、前記便器本体のトラップ出口から前記建物配管までを連通すると共に途中で前記分流路を経由する、前記主流路より流路長の長い副流路であることを特徴とする請求項1に記載の排水ソケット。 - 前記主流路と連通する前記分流路の入口が、前記主流路と連通する前記分流路の出口より前記主流路の下流側に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の排水ソケット。
- 前記主流路と連通する前記分流路の入口が、前記主流路と連通する前記分流路の出口より前記主流路の上流側に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の排水ソケット。
- 前記主流路が、管部材により形成され、
前記分流路が、前記主流路を形成する管部材の側方に配置されていることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の排水ソケット。 - 前記分流路の入口が、前記主流路の上流側に向けて開口していることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれか1項に記載の排水ソケット。
- 前記分流路の入口が、前記先行洗浄水の流れ方向と直交する方向に向けて開口していることを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれか1項に記載の排水ソケット。
- 前記分流手段が、コアンダ効果により前記洗浄水を偏向するガイドであることを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれか1項に記載の排水ソケット。
- 前記分流路の入口の下端の高さが、前記分流路の出口の下端の高さ以上であり、
前記分流路の内部が、下り傾斜あるいは水平な底面によって形成されていることを特徴とする請求項2乃至請求項8のいずれか1項に記載の排水ソケット。 - 前記合流タイミング調整手段が、前記分流洗浄水を減速させる減速手段を前記分流路内に有していることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の排水ソケット。
- 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載された排水ソケットを備えている水洗大便器。
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