JP2018044383A - 可動式巻取機構の仮固定装置及び方法、可動式巻取機構の部品の点検方法 - Google Patents

可動式巻取機構の仮固定装置及び方法、可動式巻取機構の部品の点検方法 Download PDF

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Abstract

【課題】シャッターの可動式巻取機構において、上廻りを取り外すことなく巻取機構の各部品の点検、交換、調整を可能とする。【解決手段】左右の固定ブラケット5の上壁51と左右の可動ブラケット4の上壁41との間をそれぞれ仮固定用螺子16で接続し、可動ブラケット4の移動を規制し、仮固定用螺子16を締めることで、左右の可動ブラケット5及び下側スライド支持機構の上側要素、巻取シャフト3、シャッターカーテン2を上方に吊り上げ、 下側スライド支持機構の上側要素、あるいは/および、下側要素を取り外して点検する。【選択図】図15

Description

本発明は、シャッターの可動式巻取機構に関するものである。
シャッターカーテンは巻取シャフトの正逆回転によって当該巻取シャフトに巻き取られ、また、繰り出されて、建物開口部を開閉するが、繰り出されているシャッターカーテンの長さによって巻径が変化するため、巻径に応じてシャッターカーテンの巻取位置・繰り出し位置が変化する(図17参照)。シャッターカーテンの巻取位置・繰り出し位置が左右のガイドレールを通る垂直面から離れることは、シャッターの開閉速度や開閉時の振動・騒音に影響を与える。
そこで、シャッター開閉速度の高速化、低振動・低開閉騒音対策として、シャッター開閉時に巻取機構をガイド位置に合わせて移動する方式を採用する場合がある(特許文献1参照)。
このような可動式の巻取機構を採用する場合には、巻取機構を移動させるためのスライド支持要素(リニアガイド等)や巻取機構の移動時の振動を吸収するための防振要素(防振ゴム等)を設けることになるが、これらの要素のメンテナンス(例えば交換)が必要となる場合がある。この時、巻取機構にはシャッター荷重(シャッターカーテンの重量や巻取シャフトの重量)が掛かっていることから、メンテナンスを行うにはこのシャッター荷重を除去する必要があるが、メンテナンス時にいわゆる上廻り(シャッターカーテンや巻取シャフト)を取り外すことは作業が大がかりとなって手間もかかってしまう。
特許第4237647号
本発明は、シャッターの可動式巻取機構において、上廻りを取り外すことなく巻取機構の各部品の点検、交換、調整を可能とすることを目的とするものである。
本発明が採用した第1の技術手段は、
シャッターカーテンを巻き取り・繰り出す巻取シャフトと、
前記巻取シャフトの長さ方向両端部を回転可能に支持する左右の可動ブラケットと、
前記左右の可動ブラケットを往復動可能に支持する左右の固定ブラケットと、
を備えた可動式巻取機構において、
前記可動ブラケット、前記固定ブラケットは、それぞれ上壁と下壁を備え、
前記固定ブラケットの上壁は前記可動ブラケットの上壁の上方に離間対向しており、
前記固定ブラケットの下壁は前記可動ブラケットの下壁の下方に離間対向しており、
前記可動ブラケットの下壁には下側スライド支持機構の上側要素が着脱可能に固定され、前記固定ブラケットの下壁には下側スライド支持機構の下側要素が着脱可能に固定され、
前記固定ブラケットの上壁から前記可動ブラケットを吊持する吊持手段を備え、前記吊持手段によって、前記左右の可動ブラケット及び前記下側スライド支持機構の上側要素、前記巻取シャフト、前記シャッターカーテンを、前記固定ブラケットの下壁及び前記下側スライド支持機構の下側要素に対して上方に持ち上げ可能に構成されている、
可動式巻取機構の仮固定装置、である。
1つの態様では、前記吊持手段は、仮固定用螺子を含み、
前記左右の固定ブラケットの上壁と前記左右の可動ブラケットの上壁との間をそれぞれ前記仮固定用螺子で接続することで、前記可動ブラケットの移動を規制し、前記仮固定用螺子を締めることで、前記左右の可動ブラケット及び前記下側スライド支持機構の上側要素、前記巻取シャフト、前記シャッターカーテンを、前記固定ブラケットの下壁及び前記下側スライド支持機構の下側要素に対して上方に持ち上げ可能に構成されている。
1つの態様では、前記固定ブラケットの上壁の所定位置には、前記仮固定用螺子の軸部の挿通孔が形成されており、
前記可動ブラケットの上壁の所定位置には、前記仮固定用螺子の軸部が螺合する螺子孔が設けてある。
吊り上げ時には、前記挿通孔と前記螺子孔を高さ方向に一致させて、前記仮固定用螺子で前記固定ブラケットの上壁と前記可動ブラケットの上壁を連結する。
1つの態様では、前記螺子孔は、前記可動ブラケットの上壁にタップ形成した雌螺子である。
1つの態様では、前記螺子孔は、前記可動ブラケットの上壁に設けたナットの雌螺子である。
1つの態様では、前記挿通孔は、長孔(可動ブラケットの移動方向に延びる)である。
1つの態様では、各固定ブラケットの上壁と各可動ブラケットの上壁は、2本の仮固定用螺子によって接続され、可動ブラケットの上壁には前後方向に間隔を存して2つの螺子孔が形成される。この2つ螺子孔は、これらの螺子孔の中間地点が、側面視において、巻取シャフト中心の上方に位置するように設けられる。
1つの態様では、前記固定ブラケットの上壁の挿通孔は、開口部全開時に前記可動ブラケットの上壁の螺子孔の直上に位置するように設けられる。
この場合、メンテナンス時には、シャッターカーテンを巻き取った状態からスタートすることになる。
1つの態様では、前記下側スライド支持機構の上側要素(1つあるいは複数の要素を含む)は、螺子を用いて前記可動ブラケットの下壁に着脱可能に固定されており、前記下側スライド支持機構の下側要素(1つあるいは複数の要素を含む)は、螺子を用いて前記固定ブラケットの下壁に着脱可能に固定されている。
1つの態様では、前記下側スライド支持機構の下側要素は、スライドレールを含み、
前記下側スライド支持機構の上側要素は、前記スライドレール上を走行するスライダを含み、
前記下側要素、前記上側要素の少なくとも一方は、防振要素を含む。
1つの態様では、前記上側要素は防振要素を含み、前記可動ブラケットの下壁の下面には防振要素が着脱可能に固定されており、前記防振要素の下側にスライダが(固定プレートを介して)着脱可能に固定されている。
スライドレールとスライドレール上を走行するスライダとからリニアガイドが形成されており、吊持手段によって可動ブラケットが持ち上げられることで、スライダとスライドレールが被接触状態となる。
本発明が採用した第2の技術手段は、
シャッターカーテンを巻き取り・繰り出す巻取シャフトと、
前記巻取シャフトの長さ方向両端部を回転可能に支持する左右の可動ブラケットと、
前記左右の可動ブラケットを往復動可能に支持する左右の固定ブラケットと、
を備え、
前記可動ブラケット、前記固定ブラケットは、それぞれ上壁と下壁を備え、
前記固定ブラケットの上壁は前記可動ブラケットの上壁の上方に離間対向しており、
前記固定ブラケットの下壁は前記可動ブラケットの下壁の下方に離間対向しており、
前記可動ブラケットの下壁には下側スライド支持機構の上側要素が着脱可能に固定され、前記固定ブラケットの下壁には下側スライド支持機構の下側要素が着脱可能に固定されており、
前記固定ブラケットの上壁から前記可動ブラケットを吊持する吊持手段によって、前記左右の可動ブラケット及び前記下側スライド支持機構の上側要素、前記巻取シャフト、前記シャッターカーテンを、前記固定ブラケットの下壁及び前記下側スライド支持機構の下側要素に対して上方に持ち上げる吊持ステップを備えた、可動式巻取機構の仮固定方法、である。
1つの態様では、前記吊持ステップは、
前記左右の固定ブラケットの上壁と前記左右の可動ブラケットの上壁との間をそれぞれ仮固定用螺子で接続し、前記可動ブラケットの移動を規制するステップと、
前記仮固定用螺子を締めることで、前記左右の可動ブラケット及び前記下側スライド支持機構の上側要素、前記巻取シャフト、前記シャッターカーテンを上方に吊り上げるステップと、
からなる。
本発明が採用した第3の技術手段は、
シャッターカーテンを巻き取り・繰り出す巻取シャフトと、
前記巻取シャフトの長さ方向両端部を回転可能に支持する左右の可動ブラケットと、
前記左右の可動ブラケットを往復動可能に支持する左右の固定ブラケットと、
を備え、
前記可動ブラケット、前記固定ブラケットは、それぞれ上壁と下壁を備え、
前記固定ブラケットの上壁は前記可動ブラケットの上壁の上方に離間対向しており、
前記固定ブラケットの下壁は前記可動ブラケットの下壁の下方に離間対向しており、
前記可動ブラケットの下壁には下側スライド支持機構の上側要素が着脱可能に固定され、前記固定ブラケットの下壁には下側スライド支持機構の下側要素が着脱可能に固定されており、
前記固定ブラケットの上壁から前記可動ブラケットを吊持する吊持手段によって、前記左右の可動ブラケット及び前記下側スライド支持機構の上側要素、前記巻取シャフト、前記シャッターカーテンを、前記固定ブラケットの下壁及び前記下側スライド支持機構の下側要素に対して上方に持ち上げる吊持ステップと、
前記下側スライド支持機構の上側要素、あるいは/および、下側要素を取り外して点検するステップと、
からなる、可動式巻取機構の部品の点検方法、である。
上側要素、下側要素を構成する部品において交換が必要な部品がある場合には、部品の交換が行われる。
1つの態様では、前記吊持ステップは、
前記左右の固定ブラケットの上壁と前記左右の可動ブラケットの上壁との間をそれぞれ仮固定用螺子で接続し、前記可動ブラケットの移動を規制するステップと、
前記仮固定用螺子を締めることで、前記左右の可動ブラケット及び前記下側スライド支持機構の上側要素、前記巻取シャフト、前記シャッターカーテンを上方に吊り上げるステップと、
からなる。
1つの態様では、前記下側スライド支持機構の下側要素は、スライドレールを含み、
前記下側スライド支持機構の上側要素は、前記スライドレール上を走行するスライダを含み、
前記下側要素、前記上側要素の少なくとも一方は、防振要素を含み、
前記スライダ、前記スライドレール、前記防振要素の1つあるいは複数を取り外して、交換品を取り付けるステップ、あるいは、位置調整や姿勢調整を行うステップを含む。
本発明では、固定ブラケットの上壁から可動ブラケットを吊持する吊持手段によって、左右の可動ブラケット及び下側スライド支持機構の上側要素、巻取シャフト、シャッターカーテンを、固定ブラケットの下壁及び下側スライド支持機構の下側要素に対して上方に持ち上げてシャッター重量(上廻り重量)を除去することで、上廻りを取り付けた状態で各部品を脱着することができるので、部品の交換や調整を容易に行うことができ、メンテナンス性能を向上させることができる。また、部品の調整はメンテナンス時に限定されるものではなく、シャッター設置直後に、仮固定用螺子を用いて巻取機構の可動部を吊持してシャッター重量(上廻り重量)を除去することで、左右のスライドレールが厳密に平行となるように位置調整したり、防振要素の位置や姿勢調整したりすることもできる。
シャッター装置の正面図(開口部全閉状態)である。 巻取機構の駆動側を示す部分拡大図である。 巻取機構の従動側を示す部分拡大図である。 巻取機構(可動部が第1の位置にある)の平面図であり、開口部全開時における、カム板の前後方向の位置、ガイド突子に対するガイド溝の位置を示す。 巻取機構(可動部が第1の位置にある)の側面図であり、開口部全開時における、カム板の前後方向の位置、ガイド突子に対するガイド溝の位置を示す。 巻取機構(可動部が第2の位置にある)の平面図であり、開口部全閉時における、カム板の前後方向の位置、ガイド突子に対するガイド溝の位置を示す。 巻取機構(可動部が第2の位置にある)の側面図であり、開口部全閉時における、カム板の前後方向の位置、ガイド突子に対するガイド溝の位置を示す。 図3に示す可動ブラケット及び固定ブラケットの拡大図である。 巻取機構の可動部の下側スライド支持機構を示し、上図は、リニアガイドとガイドレールを示し、下図は、巻取機構の下方部位の側面図である。 図9下図の正面図であり、巻取機構の可動部の下側スライド支持機構を示す。 ブラケット(可動ブラケット)を示す図である。 固定ブラケットを示す図である。 上側支持部材を示す図である。 下側スライド支持機構の防振ゴムを示す図である。 巻取機構の可動部の吊持手段を説明する図である。 固定ブラケットの上壁の挿通孔と可動ブラケットの上壁の螺子孔の位置関係を示す平面図である。 繰り出されたシャッターカーテンの長さの変化に伴う巻径R(回転中心から繰り出されたシャッターカーテンにより規定されるシャッター芯まで水平に引いた線の長さ)の変化を示す図である。
図1はシャッター装置(全閉状態)の正面図であり、図2はシャッター装置の巻取機構の駆動側を示す図であり、図3はシャッター装置の巻取機構の従動側を示す図である。シャッター装置は、建物開口部の左右に立設された左右のガイドレール1と、幅方向両端部が左右のガイドレール1の溝部に案内されながら昇降することで建物開口部を開閉するシャッターカーテン2と、建物開口部上方に設けられ、シャッターカーテン2が巻装される巻取シャフト3と、を備えている。巻取シャフト3は円筒状の巻筒30を備えており、巻筒30上にシャッターカーテン2が巻装される。
本実施形態に係るシャッター装置はいわゆるパイプシャッターであり、シャッターカーテン2の主要部(全閉時に建物開口部を閉鎖する部位)は、高さ方向に間隔を存して並設した複数本のパイプ20と、パイプ20の長さ方向に間隔を存して、上下隣位のパイプ20同士を上下に連結する複数のリンク21と、から構成されている。シャッターカーテン2の上方部位は、複数枚のスラット22から構成されており、スラット22が巻筒30に連結されている。パイプシャッターの基本的な構成は当業者に良く知られているので、さらなる詳細な説明は省略する。また、パイプシャッターは本発明が有利に適用されるシャッター装置の一例であり、本発明はパイプシャッターに限定されるものではない。
巻取シャフト3の長さ方向両端部は左右のブラケット4に回転自在に支持されており、一方のブラケット4が駆動側ブラケットであり、他方のブラケット4が従動側ブラケットとなっている。駆動側ブラケットと従動側ブラケットは左右勝手違い(左右対称状)であることを除いて同じ構成を備えているので、共通の参照番号「4」で表している。図2に示すように、巻取シャフト3の長さ方向一端側(駆動側)は駆動側ブラケット4に回転自在に支持されており、図3に示すように、巻取シャフト3の長さ方向他端側(従動側)は従動側ブラケット4に回転自在に支持されている。駆動側ブラケット4には、巻取シャフト3を回転駆動させる開閉機(図示せず)が連結されており、巻取シャフト3の駆動側端部は、駆動側ブラケット4を貫設して突出しており、突出部に固定したスプロケット31と開閉機のスプロケット(図示せず)とがチェーン(図示せず)によって伝動連結されている。
左右のブラケット4は可動ブラケットであり、巻取シャフト3と、巻取シャフト3の長さ方向両端を回転自在に支持する左右のブラケット4と、開閉機、とから巻取機構の可動部が構成されている。この可動部は、シャッターカーテン2の巻き取り・繰り出しの慣性により、左右のガイドレール1を通る垂直面Pに近づく第1の方向と、垂直面Pから離れる第2の方向との間で水平方向に往復動可能である。本明細書において、垂直面Pに対して接近・離間する方向を前後方向と称する場合がある点に留意されたい。
左右のブラケット4は、建物開口部上方に巻取シャフト3の長さ方向両端に位置して躯体に固定される左右の固定ブラケット5に前後方向に往復動可能に支持されている。一方の固定ブラケット5が駆動側固定ブラケットであり、他方の固定ブラケット5が従動側固定ブラケットとなっている。より具体的には、巻取機構の駆動側(駆動側ブラケット4)は駆動側固定ブラケット5に対して第1の方向と第2の方向との間で前後方向かつ水平方向に往復動可能に支持されており、巻取機構の従動側(従動側ブラケット4)は従動側固定ブラケット5に対して第1の方向と第2の方向との間で前後方向かつ水平方向に往復動可能に支持されている。駆動側固定ブラケットと従動側固定ブラケットは左右勝手違い(左右対称状)であることを除いて同じ構成を備えているので、共通の参照番号「5」で表している。
図11に示すように、ブラケット4は、前後方向に延びる垂直状の側壁40と、水平状の上壁41と、水平状の下壁42と、垂直状の後壁43と、から形成され、正面側、内側が開放状となっており、正面視において側壁40、上壁41、下壁42がコ字形状を形成しており、平面視において側壁40、後壁43がL形状を形成している。側壁40は横向き凹状に形成されており、巻取シャフト3の長さ方向左右端部をそれぞれ挿通させる挿通部400を備えている。側壁40の内側にはベアリング軸受401が設けてあり、巻取シャフト3の長さ方向両端部を回転自在に支持している。既述のように、左右のブラケット4は左右対称状の形状を備えている点を除いて基本的な構成は同じである。
図12に示すように、固定ブラケット5は、躯体から持ち出し状に前後方向に延びる垂直状の側壁50と、水平状の上壁51と、水平状の下壁52と、垂直状の後壁53と、から形成され、正面側、外側が開放状となっている。側壁50は中央部位を切り欠くことで横向き凹状に形成されており、巻取シャフト3を挿通するようになっている。既述のように、左右の固定ブラケット5は左右対称状の形状を備えている点を除いて基本的な構成は同じである。
固定ブラケット5は、後壁53がボルト530によって躯体に固定されており、かつ、上壁51の前側部位と躯体に設けた固定アングル54間にステー55が設けてある。
左右のブラケット4は、それぞれ左右の固定ブラケット5の内部に位置しており、ブラケット4の上側部位と固定ブラケット5の上側部位との間には上側スライド支持機構が設けてあり、ブラケット4の下側部位と固定ブラケット5の下側部位との間には下側スライド支持機構が設けてある。すなわち、巻取機構の可動部を構成する左右のブラケット4は、垂直状の立姿で、上側スライド支持機構、下側スライド支持機構によって、上下が支持されながら前後方向に移動するようになっている。
上側スライド支持機構(倒れ防止ガイド機構)は、ブラケット4側の第1要素と、固定ブラケット5側の第2要素と、を備え、第1要素が第2要素に案内されるようになっている。本実施形態に係る上側スライド支持機構について詳細に説明する。ブラケット4の上壁41の上方には、固定ブラケット5の上壁51が離間対向して位置している。ブラケット4の上壁41の上面には振れ止めローラ(第1要素)6が設けてある。振れ止めローラ6は水平状に配置されており、周面が垂直状となっている。固定ブラケット5の側壁50の内面(正面視コ字状の固定ブラケットに囲まれた内部側)の上方部位には、上側支持部材7が設けてある。上側支持部材7は、ブラケット5の側壁50の内面の上方部位に固定される垂直辺70と、水平状に前後方向に延びる水平辺71と、から側面視T字形状を有しており、水平辺71には、前後方向に延びる長孔状のガイド溝(第2要素)72が形成されている。振れ止めローラ6の周面をガイド溝72で案内することで、ブラケット4の垂直姿勢が維持されて、倒れるように姿勢が傾くことが防止され、ブラケット4の上側部位が安定して案内される。
図8に示すように、上側支持部材7の水平辺71は、ブラケット4の上壁41に平行状に近接して離間対向している。ブラケット4の上壁41の上面に設けた振れ止めローラ6は、その周面がガイド溝72の平行状のガイド縁720に摺接することで、ガイド溝72に沿って前後方向に案内される。本実施形態では、側面視T字形状の上側支持部材7は、垂直辺と水平辺とから側面視L字形状の2つの部材の水平辺同士を連結(例えば溶接)することで形成されており、ガイド縁720の高さを大きくすることで、振れ止めローラ6の周面との接触面を大きくしており、ブラケット4の上側部位がより安定して案内されるようになっている。
上側支持部材7の垂直辺70と固定ブラケット5の側壁50の内面の上方部位との間には、防振ゴム73が設けてあり、ブラケット5の側壁50の内面と上側支持部材7の垂直辺70との間に防振ゴム73を垂直姿勢で挟んだ状態で、螺子S1で固定されている。
下側スライド支持機構は、ブラケット4側の上側要素と、固定ブラケット5側の下側要素と、を備えている。本実施形態に係る下側スライド支持機構について詳細に説明する。ブラケット4の下壁42の下方には、固定ブラケット5の下壁52が離間対向して位置している。ブラケット4の下壁42の下面には、防振ゴム8が固定されており、防振ゴム8の下面には固定プレート9が設けてあり、固定プレート9の下面にスライダ(第1要素)10が固定されている。ブラケット4の下壁42と防振ゴム8と固定プレート9は、螺子S2によって固定されており、固定プレート9とスライダ10は螺子S3によって固定されている。本実施形態では、下側スライド支持機構の上側要素は、防振ゴム8、固定プレート9、スライダ10からなる。
固定ブラケット5の下壁52の上面には、支承体11が固定されており、支承体11の上面にスライドレール(第2要素)12が螺子S4によって固定されている。支承体11およびスライドレール12は前後方向に延びており、ブラケット4の下壁42の下面に固定したスライダ10は、スライドレール12上を前後方向にスライド自在となっている。本実施形態では、下側スライド支持機構の下側要素は、支承体11、スライドレール12からなる。上側要素のスライダ10と下側要素のスライドレール12からリニアガイドが形成されている。
図14に示すように、防振ゴム8は、長尺状の板状体からなり、ブラケット4の下壁42の下面全体に亘って設けてある。すなわち、防振ゴム8(及び固定プレート9)の長さ寸法は、ブラケット4の下壁42の長さ寸法(前後方向の寸法)と略同じである。防振ゴム8は、第1面(上面)80と第2面(下面)81を備え、第1面80には短手方向に複数の溝800、801が平行状に延びており、第2面81には長手方向に複数の溝810、811が平行状に延びている。図示の態様では、溝800、810は断面視方形溝であり、溝801、811は断面視三角形溝であり、2本の方形溝と1本の三角形溝の溝パターンが繰り返し形成されているが、このパターンに限定されるものではない。また、これらの溝800、801、810、811は防振性能の向上には有利であるが、必須ではなく、第1面、第2面の一方あるいは両方をフラット面から形成してもよい。
本実施形態では防振ゴム8を上側要素に含めたが、下側要素に防振ゴムを含めることも考えられる。具体的には、スライドレール12の下側に防振ゴムを配置して、防振ゴムでスライドレール12を支持するようにする。しかしながら、本発明者等が実験したところでは、スライドレール12の下側に防振ゴムを配置すると、防振ゴムが安定せずに可動ブラケットが倒れるため、可動ブラケットの下方のリニアガイド(スライダとスライドレール)への負荷が大きくなり、したがって、防振ゴム8を上側要素に含めることが有利であることがわかった。
巻取シャフト3の長さ方向両端部には、それぞれカム板13が固定されており、一方が駆動側カム板、他方が従動側カム板となる。カム板13は円板状の外形を有しており、中央部には円形の開口が形成されており、巻取シャフト3を挿通させると共に、巻取シャフト3の外面に固定されている。カム板13の中心と巻取シャフト3の中心は一致している。円板状のカム板13の一方の面部には内方(巻取シャフト3に近い側)から周縁へ向かって渦巻状に延びるガイド溝(カム溝)130が形成されている。カム板13の中心(巻取シャフト3の回転中心)とガイド溝130との径方向の距離は、内方から周縁に向かって漸次大きくなっている。
駆動側カム板13は、駆動側固定ブラケット5の内側(巻取シャフト3の駆動側端部から遠い側)に位置して、側壁50に対向するようにして巻取シャフト3上に固定されている(図2参照)。従動側カム板13は、従動側固定ブラケット5の外側(巻取シャフト3の従動側端部に近い側)に位置して、従動側ブラケット5の側壁50に対向するようにして巻取シャフト3上に固定されている(図3参照)。図示の態様では、カム板13が固定されて一体化された筒状部131を巻取シャフト3上に固定することで、カム板13が巻取シャフト3と一体で回転するように当該巻取シャフト3に固定されている。駆動側カム板13と従動側カム板13は、同寸・同形の同一の要素であり、図2、図3に示すように、ガイド溝130が形成された面を同じ側(駆動側)に向けて、巻取シャフト3に固定されている。また、カム板13の取付位置は、図示の態様に限定されるものではなく、例えば、従動側カム板13を従動側固定ブラケット5の内側に位置させて、側壁50に対向するようにして巻取シャフト3上に固定してもよい。
カム板13は、円板状に一体形成されていても、あるいは、径方向に沿って分割された複数の部分(半円板、3分円、4分円等)から組立・分解可能に構成してもよい。本実施形態ではカム板13は、2つの半円板13A、13Bから組立・分解可能となっており、巻取シャフト3に対するカム板13の装着・取り外しを容易にすることでメンテナンスを良好に行えるようにしている。
駆動側固定ブラケット5、従動側固定ブラケット5には、それぞれ駆動側のガイド溝130、従動側のガイド溝130内に位置して、これらガイド溝130に沿って相対的に移動可能なガイド突子(カムフォロワ)14が設けてあり、カム13が回転しながらガイド突子14に案内されて前後方向に移動するようになっている。ガイド突子14は、カム板13のガイド溝130が形成された面と平行状に延びるアーム140の先端側に固定されており、アーム140の基端側は駆動側固定ブラケット5、従動側固定ブラケット5に固定されている。
ガイド突子14は不動であり、図5、図7に示すように、垂直面Pに対するガイド突子14の位置は不変であり、また、カム板13(巻取シャフト3)の中心を通る水平線上の高さに位置している。カム板13の回転時において、カム板13のガイド溝130に対するガイド突子14の相対的位置は可変となっている(すなわち、不動のガイド突子14に対してカム板13が回転しながら前後方向に移動する)。
駆動側のアーム140の基端側は、駆動側固定ブラケット5の側壁50の後壁53寄りの内面に防振ゴム141を介して固定されており、先端側は側壁50に形成した開口にまで延びており、駆動側のガイド突子14が当該開口から突出しており、駆動側カム板13のガイド溝130内に位置している。
駆動側ガイド突子14は、駆動側カム板13の回転に伴って駆動側のガイド溝130の第1の位置(図4、図5に示す開口部全開時)と第2の位置(図6、図7に示す開口部全閉時)との間でガイド溝130に沿って相対的に移動し、結果として、駆動側カム板13は回転しながら垂直面Pから離れた位置と垂直面Pに寄った位置との間で前後方向に移動し、巻取機構の駆動側は、垂直面Pから離れた位置と垂直面Pに近い位置との間で前後方向に移動する。
従動側固定ブラケット5の側壁50の後壁53寄りの内面には断面視略コ字形状の支持部材15が持ち出し状に固定されており、支持部材15の支持面150は従動側ブラケット4の側壁40と略同一面上に位置している。従動側のアーム140の基端側は、支持部材15の支持面150に防振ゴム141を介して固定されており、先端側に突設した従動側のガイド突子14が従動側カム板13のガイド溝130内に位置している。
従動側ガイド突子14は、従動側カム板13の回転に伴って従動側のガイド溝130の第1の位置(図4、図5に示す開口部全開時)と第2の位置(図6、図7に示す開口部全閉時)との間でガイド溝130に沿って相対的に移動し、結果として、従動側カム板13は回転しながら垂直面Pから離れた位置と垂直面Pに寄った位置との間で前後方向に移動し、巻取機構の従動側は、垂直面Pから離れた位置と垂直面Pに近い位置との間で前後方向に移動する。
駆動側のガイド溝130と従動側のガイド溝130は、同寸・同形の同一の渦巻溝であり、駆動側カム板13、従動側カム板13の回転時に、駆動側ガイド突子14、従動側ガイド突子14はそれぞれ対応する渦巻溝内の同じ地点に位置するように設定されている。すなわち、駆動側ガイド突子14が駆動側ガイド溝130内の第1の位置にある時には、従動側ガイド突子14が従動側ガイド溝130内の第1の位置にあり、駆動側ガイド突子14が駆動側ガイド溝130内の第2の位置にある時には、従動側ガイド突子14が従動側ガイド溝130内の第2の位置にあり、第1の位置と第2の位置の間の任意の位置でも、駆動側ガイド突子14と従動側ガイド突子14は渦巻溝の同じ地点に位置する。巻取シャフト3の回転時において、駆動側カム板13、従動側カム板13が同期して回転しながら垂直面Pに近づく第1の方向と垂直面Pから離れる第2の方向に同一速度で移動することで、巻取機構の駆動側(駆動側ブラケット4)と従動側(従動側ブラケット4)は同期して第1の方向、ないし、第2の方向に移動する。なお、駆動側カム板13、従動側カム板13が同期して同じ方向に回転しながら移動するものであれば、駆動側ガイド突子14、従動側ガイド突子14はそれぞれ対応する渦巻溝内の同じ地点に位置しなくてもよい。
本実施形態に係る巻取機構の作用について、図5、図7、図17を参照しつつ説明する。図17に示すように、シャッターカーテン2の位置によって、その時点での巻径R、Rが異なり、シャッターカーテン2の巻取位置・繰り出し位置が異なる。シャッターカーテンの巻取位置・繰り出し位置とは、巻取シャフトに巻装されているシャッターカーテンの最外側のスラットが最外側の巻から離れる位置であり、巻取シャフトから降下するシャッターカーテンの上端の位置にほぼ相当する。なお、従来の巻取機構(前後方向に移動できない)では、巻径の変化に応じてシャッターカーテンの巻取位置・繰り出し位置が左右のガイドレールを通る垂直面から離れるので、特に全閉時に近い時には、巻取シャフトから降下するシャッターカーテンの上方部位(ガイドレールに拘束されない部位)は傾斜姿勢となる。本実施形態では、シャッターカーテン2の位置に応じて、左右のガイドレールを通る垂直面P上にシャッターカーテンの巻取位置・繰り出し位置がくるようになっており、シャッターカーテン2は巻取シャフト(巻取位置・繰り出し位置)から垂下する。駆動側カム板13、従動側カム板13の渦巻溝130の形状・寸法は、シャッター開閉時の巻径Rの変化にかかわらず、これらのカム板13(巻取機構)が巻径Rの変化を相殺するように移動することで、垂直面P上にシャッターカーテン2の巻取位置・繰り出し位置がくるように決定される。渦巻状のガイド溝130の渦巻数は、シャッターカーテン2の最大巻数(シャッターカーテン2を巻き取るための巻取シャフト3の回転数)と対応しており、シャッターカーテン2の巻取時・繰り出し時において、カム板13の回転に伴って、シャッターカーテン2の巻径に対応するガイド溝130の所定の地点にガイド突子14が位置するようになっている。
図5は、開口部全開状態を示し、図17の左図に対応しており、巻径Rは最も大きくなっている。カム板13及び巻取機構は、垂直面Pから離れた位置にある。突子14は、ガイド溝130内の第1の地点(複数の渦巻の最も外側の巻)に位置している。
図7は、開口部全閉状態を示し、図17の右図に対応しており、巻径Rは巻径R1に対して小さくなっている。カム板13及び巻取機構は、図5に示す位置から垂直面P側に移動した位置にある。突子14は、ガイド溝130内の第2の地点(複数の渦巻の最も内側の巻)に位置している。
開口部全開状態では、ガイド突起14は、渦巻状の溝の最も外側の溝に位置しており、巻取シャフト3が繰り出し方向に1回転すると、カム板13は1回転して、ガイド突起14は、1つ内側の溝に位置し、巻取シャフト3の繰り出し方向の回転に応じてガイド突起14は順次内側の溝に位置していき、開口部全閉状態では、ガイド突起14は、最も内側の溝に位置することになり、その間、カム板13(巻取機構)は回転しながら垂直面P側に水平移動する。
開口部全開状態から開口部全閉状態となる時には、慣性によって巻取機構が垂直面P側に移動しようとするが、巻取シャフト3の回転によって、同一の渦巻溝(ガイド溝130)が形成された駆動側カム板13及び従動側カム板13が同期して回転しながら垂直面P側へ移動することで、巻取機構の駆動側ブラケット4、従動側ブラケット4は、垂直面Pから離間した位置から垂直面Pに近づく第1の方向へ同期して移動する。
開口部全閉状態では、ガイド突起14は、渦巻状の溝の最も内側の溝に位置しており、巻取シャフト3が巻取方向に1回転すると、カム板13は1回転して、ガイド突起14は、1つ外側の溝に位置し、巻取シャフト3の巻取方向の回転に応じてガイド突起14は順次外側の溝に位置していき、開口部全開状態では、ガイド突起14は、最も外側の溝に位置することになり、その間、カム板13(巻取機構)は回転しながら垂直面Pから離間するように水平移動する。
開口部全閉状態から開口部全開状態となる時には、慣性によって巻取機構が垂直面Pから離れるように移動しようとするが、巻取シャフト3の回転によって、同一の渦巻溝(ガイド溝130)が形成された駆動側カム板13及び従動側カム板13が同期して回転しながら垂直面Pから離れる側へ移動することで、巻取機構の駆動側ブラケット4、従動側ブラケット4は、垂直面Pに近接した位置から垂直面Pから離間する第2の方向へ同期して移動する。
本実施形態では、シャッターカーテンの繰り出し長さにより変化する巻径に応じて、左右のガイドレールを通る垂直面上にシャッターカーテンの巻取位置・繰り出し位置をもってくることが可能となるので、シャッター開閉時のシャッターカーテンとガイドレール上部との接触が防止され、接触に伴って発生するであろう振動や接触音を可及的に防止することができる。さらに、本実施形態では、ガイド溝130を備えたカム板13と、このガイド溝130内に位置してカム板13の回転時に当該カム板13を前後方向に移動するように案内する固定ガイド突子14と、からなる同期手段によって、巻取機構の駆動側の移動と従動側の移動を同期させることで振動や開閉騒音の発生を可及的に防止する
このように構成された可動式の巻取機構のメンテナンスについて説明する。本実施形態に係る巻取機構は可動部を備えているため、単にシャッターカーテンを巻き取るだけの巻取機構に比べて構成部品の数が多く、その分だけメンテナンスの必要が生じ得ることになる。特に、下側スライド支持機構を構成するリニアガイド(スライダ10、スライドレール12)、防振ゴム8等には、シャッター荷重(上廻り重量)が掛かっているため、その状態でこれらの部品の交換や位置調整等を行うことは困難である。一方、メンテナンス時にいわゆる上廻り(シャッターカーテンや巻取シャフト)を取り外すことは作業が大がかりとなって手間もかかってしまう。ここでは、上廻りを取り付けた状態で各部品の交換や位置調整等を行うことで、メンテナンス性の向上を可能とする手法について説明する。
本実施形態では、仮固定用螺子16を用いた仮固定装置によって巻取機構の可動部を固定し、吊持することでメンテナンス性能の向上を図る。図12、図16に示すように、固定ブラケット5の上壁51には、前後方向に延びる長孔510が形成されており、長孔510の長さ方向の中央部位は大径部(幅広部)511となっている。長孔510の幅は、仮固定用螺子16の頭部よりも小さく、軸部よりも大きい寸法となっており、長孔510は仮固定用螺子16の挿通孔を形成している。本実施形態では、長孔510が形成される位置は、側面視において、巻取機構(ブラケット4、巻取シャフト3)が第1の位置(開口部全開時)にある時の巻取シャフト3の直上であるが、長孔510が形成される位置はこれには限定されず、開口部全開時以外(具体的には、開口部全開時と全閉時の間で前後方向に移動する可動ブラケット4の任意の位置の上方)で仮固定用螺子16を取り付けることができるように位置させてもよい。
長孔510の大径部(幅広部)511の径(幅)は仮固定用螺子16の頭部の径よりも大きい。固定ブラケット5の上壁51の上方に上方から仮固定用螺子16を差し入れるための十分なスペースが無い場合には、仮固定用螺子16の頭部を下方から長孔510の大径部511から上方に挿通させ、仮固定用螺子16を長孔511の長さ方向の所定位置に移動可能となっている。図15の上図に、長孔510の大径部511に仮固定用螺子16の頭部を下方から差し入れた状態を示す。
本実施形態では、左右の固定ブラケット5のそれぞれにおいて、2本の仮固定用螺子16を用いる。図示の態様では、共通の挿通孔(長孔510)を用いたが、各仮固定用螺子16に対応する2つの挿通孔(大径部を備えた長孔)を用いてもよい。また、固定ブラケット5の上壁51の上方に上方から仮固定用螺子16を差し入れるための十分なスペースが確実に存在する場合(特に、仮固定用螺子16の位置調整が必要ない場合)には、挿通孔は丸孔であってもよい。なお、所定長の長孔を設けることで、2本以上の仮固定用螺子を挿通させるようにしてもよく、この場合、仮固定用螺子の頭部を通すための大径部は長さ方向の任意の位置に形成すればよい。また、長孔から仮固定用螺子の挿通孔を形成することで、長孔の長さ内で、下方に位置するブラケット4の上壁41の螺子孔410(以下に述べる)との上下の位置合わせを容易に行うことができる。
ブラケット4の上壁41には、タップ加工によって、仮固定用螺子16が螺合する螺子孔(雌螺子)410が形成されている。図示の態様では、2つの螺子孔410が前後方向に間隔を存して形成されている。螺子孔410は、2つの螺子孔410の中間点が、側面視において、左右のブラケット4間に取り付けられた巻取シャフト3(中心)の直上に位置するように設けられる。
仮固定用螺子16の軸部は、固定ブラケット5の上壁51の長孔510、上側支持部材7のガイド溝72を通って下方に延びており、軸部下方部位に形成された雄螺子をブラケット4の上壁41の螺子孔410に螺合可能となっている。仮固定用螺子16の軸部をブラケット4の上壁41の螺子孔410に螺合させることで、巻取機構の可動部(ブラケット4及びブラケット4に連結されている要素)の前後方向の移動を規制する。巻取機構の可動部の前後方向のスライド移動を規制することで、その後の作業がやり易くなる。ブラケット4が前後方向に移動自在の状態では、メンテナンス作業の効率が悪い。なお、固定ブラケット5の上壁51の上方には、設計上、少なくとも仮固定用螺子16を締めることができる程度のスペースが設けられる。
仮固定用螺子16の軸部の雄螺子をブラケット4の上壁41の雌螺子410に螺合させた状態で、仮固定用螺子16を締めていくことで、仮固定用螺子16の軸部の回転に伴い、高さ位置が一定の仮固定用螺子16に対して、ブラケット4の上壁41が上方に移動するようになっており、巻取機構の可動部(ブラケット4及びブラケット4に連結されている要素)が上方に持ち上げられる(図15右下図の矢印参照)。
図15左下図に示すように、仮固定用螺子16の装着及び巻取機構の可動部の吊り上げは、巻取機構(ブラケット4、巻取シャフト3)が第1の位置にある状態(開口部全開時)で行う。開口部全開時には、巻取シャフト3上のシャッターカーテン2の巻径が最大であり、シャッターカーテン2の重量がほぼ巻取シャフト3の中心に作用する。2本の仮固定用螺子16を、巻取シャフト3の中心を挟んで前後方向に均等に配置することで、安定して巻取機構の可動部を吊り上げることができる。
左右のブラケット4を持ち上げることで、左右のブラケット4に固定されている要素、具体的には、防振ゴム8、固定プレート9、スライダ10、巻取シャフト3、シャッターカーテン2、開閉機が固定ブラケット5の上壁51から吊持され浮いた状態となり、これらを吊持する仮固定用螺子16及び固定ブラケット5の上壁51によってこれらの荷重が負担されるので、防振ゴム8、固定プレート9、スライダ10、スライドレール12に作用するシャッター荷重が除去される。下側スライド支持機構の上側要素(スライダ10)と下側要素(スライドレール12)との非接触状態を得るためには、巻取機構の可動部の持ち上げ寸法は僅かで十分であり、また、螺子機構を用いた持ち上げ量は僅かであるので、過度に持ち上げられてリニアガイド機構等に悪影響を与えることがない。
シャッター荷重が除去された状態で螺子S2を取り外すことで、ブラケット4の下壁42と防振ゴム8、固定用プレート9+スライダ10を取り外すことができ、防振ゴム8、固定用プレート9+スライダ10を長さ方向に引き抜いて取り外すことができる。螺子S3を取り外すことで、固定用プレート9からスライダ10を取り外すことができる。螺子S4を取り外すことで、支承体11からスライドレール12を取り外すことができる。
このように、仮固定用螺子16を用いて巻取機構の可動部を吊持することで、シャッターカーテン2や巻取シャフト3を取り外すこと無く、下側スライド支持機構の上側要素(防振ゴム8、固定プレート9、スライダ10)、下側要素(支承体11、スライドレール12)の一部あるいは全部を取り外して点検することができ、必要な場合(摩耗、経年劣化、変形等)には、その要素を交換したり、調整(例えば、変形姿勢となった防振ゴム8の形状・姿勢を整えたり、位置がずれた要素を適正位置に微調整したりすることが例示される)したりして、取り外した要素(及び交換した場合には交換品を含む)を組み立てることでメンテナンスを経た巻取機構が得られる。
また、シャッター設置直後に、仮固定用螺子16を用いて巻取機構の可動部を吊持してシャッター重量(上廻り重量)を除去することで、左右のスライドレール12が厳密に平行となるように位置調整したり、防振ゴム8の位置や姿勢を調整したりすることもできる。例えば、シャッター設置後に左右のスライドレールが厳密に平行でないことがわかった場合には、仮固定用螺子16を用いて巻取機構の可動部を吊持してシャッター重量(上廻り重量)を除去した上で、固定ブラケット5の下壁52と支承体11(スライドレール12と一体化されている)を連結する位置調整用ボルト(図8〜図10参照)を用いて、支承体11の位置を微調整することで、スライドレール12の位置を調整することができる。
2 シャッターカーテン
3 巻取シャフト
4 ブラケット(可動ブラケット)
41 上壁
410 螺子孔
42 下壁
5 固定ブラケット
51 上壁
510 長孔(挿通孔)
52 下壁
8 防振ゴム
9 固定プレート
10 スライダ
11 支承体
12 スライドレール
16 仮固定用螺子
S2 螺子
S3 螺子
S4 螺子

Claims (8)

  1. シャッターカーテンを巻き取り・繰り出す巻取シャフトと、
    前記巻取シャフトの長さ方向両端部を回転可能に支持する左右の可動ブラケットと、
    前記左右の可動ブラケットを往復動可能に支持する左右の固定ブラケットと、
    を備えた可動式巻取機構において、
    前記可動ブラケット、前記固定ブラケットは、それぞれ上壁と下壁を備え、
    前記固定ブラケットの上壁は前記可動ブラケットの上壁の上方に離間対向しており、
    前記固定ブラケットの下壁は前記可動ブラケットの下壁の下方に離間対向しており、
    前記可動ブラケットの下壁には下側スライド支持機構の上側要素が着脱可能に固定され、前記固定ブラケットの下壁には下側スライド支持機構の下側要素が着脱可能に固定され、
    前記固定ブラケットの上壁から前記可動ブラケットを吊持する吊持手段を備え、前記吊持手段によって、前記左右の可動ブラケット及び前記下側スライド支持機構の上側要素、前記巻取シャフト、前記シャッターカーテンを、前記固定ブラケットの下壁及び前記下側スライド支持機構の下側要素に対して上方に持ち上げ可能に構成されている、
    可動式巻取機構の仮固定装置。
  2. 前記吊持手段は、仮固定用螺子を含み、
    前記左右の固定ブラケットの上壁と前記左右の可動ブラケットの上壁との間をそれぞれ前記仮固定用螺子で接続することで、前記可動ブラケットの移動を規制し、前記仮固定用螺子を締めることで、前記左右の可動ブラケット及び前記下側スライド支持機構の上側要素、前記巻取シャフト、前記シャッターカーテンを、前記固定ブラケットの下壁及び前記下側スライド支持機構の下側要素に対して上方に持ち上げ可能に構成されている、
    請求項1に記載の可動式巻取機構の仮固定装置。
  3. 前記固定ブラケットの上壁の所定位置には、前記仮固定用螺子の軸部の挿通孔が形成されており、
    前記可動ブラケットの上壁の所定位置には、前記仮固定用螺子の軸部が螺合する螺子孔が設けてある、
    請求項2に記載の可動式巻取機構の仮固定装置。
  4. 前記下側スライド支持機構の下側要素は、スライドレールを含み、
    前記下側スライド支持機構の上側要素は、前記スライドレール上を走行するスライダを含み、
    前記下側要素、前記上側要素の少なくとも一方は、防振要素を含む、
    請求項1〜3いずれか1項に記載の可動式巻取機構の仮固定装置。
  5. シャッターカーテンを巻き取り・繰り出す巻取シャフトと、
    前記巻取シャフトの長さ方向両端部を回転可能に支持する左右の可動ブラケットと、
    前記左右の可動ブラケットを往復動可能に支持する左右の固定ブラケットと、
    を備え、
    前記可動ブラケット、前記固定ブラケットは、それぞれ上壁と下壁を備え、
    前記固定ブラケットの上壁は前記可動ブラケットの上壁の上方に離間対向しており、
    前記固定ブラケットの下壁は前記可動ブラケットの下壁の下方に離間対向しており、
    前記可動ブラケットの下壁には下側スライド支持機構の上側要素が着脱可能に固定され、前記固定ブラケットの下壁には下側スライド支持機構の下側要素が着脱可能に固定されており、
    前記固定ブラケットの上壁から前記可動ブラケットを吊持する吊持手段によって、前記左右の可動ブラケット及び前記下側スライド支持機構の上側要素、前記巻取シャフト、前記シャッターカーテンを、前記固定ブラケットの下壁及び前記下側スライド支持機構の下側要素に対して上方に持ち上げる吊持ステップを備えた、可動式巻取機構の仮固定方法。
  6. 前記吊持ステップは、
    前記左右の固定ブラケットの上壁と前記左右の可動ブラケットの上壁との間をそれぞれ仮固定用螺子で接続し、前記可動ブラケットの移動を規制するステップと、
    前記仮固定用螺子を締めることで、前記左右の可動ブラケット及び前記下側スライド支持機構の上側要素、前記巻取シャフト、前記シャッターカーテンを上方に吊り上げるステップと、
    からなる、請求項5に記載の可動式巻取機構の仮固定方法。
  7. シャッターカーテンを巻き取り・繰り出す巻取シャフトと、
    前記巻取シャフトの長さ方向両端部を回転可能に支持する左右の可動ブラケットと、
    前記左右の可動ブラケットを往復動可能に支持する左右の固定ブラケットと、
    を備え、
    前記可動ブラケット、前記固定ブラケットは、それぞれ上壁と下壁を備え、
    前記固定ブラケットの上壁は前記可動ブラケットの上壁の上方に離間対向しており、
    前記固定ブラケットの下壁は前記可動ブラケットの下壁の下方に離間対向しており、
    前記可動ブラケットの下壁には下側スライド支持機構の上側要素が着脱可能に固定され、前記固定ブラケットの下壁には下側スライド支持機構の下側要素が着脱可能に固定されており、
    前記固定ブラケットの上壁から前記可動ブラケットを吊持する吊持手段によって、前記左右の可動ブラケット及び前記下側スライド支持機構の上側要素、前記巻取シャフト、前記シャッターカーテンを、前記固定ブラケットの下壁及び前記下側スライド支持機構の下側要素に対して上方に持ち上げる吊持ステップと、
    前記下側スライド支持機構の上側要素、あるいは/および、下側要素を取り外して点検するステップと、
    からなる、可動式巻取機構の部品の点検方法。
  8. 前記吊持ステップは、
    前記左右の固定ブラケットの上壁と前記左右の可動ブラケットの上壁との間をそれぞれ仮固定用螺子で接続し、前記可動ブラケットの移動を規制するステップと、
    前記仮固定用螺子を締めることで、前記左右の可動ブラケット及び前記下側スライド支持機構の上側要素、前記巻取シャフト、前記シャッターカーテンを上方に吊り上げるステップと、
    からなる、請求項7に記載の可動式巻取機構の部品の点検方法。

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