JP2018044032A - 触媒バッチ、それを用いて形成される電線・ケーブルおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
ポリマにシラン化合物がグラフト重合されたシラングラフトポリマを含むシランバッチに配合してシラン架橋させるための触媒バッチであって、
ポリオレフィンを含むポリマ(a)に遊離ラジカル発生剤の存在下でシラン化合物がグラフト重合されたシラングラフトポリマ(A)と、
シラノール縮合触媒(B)と、を含有し、
前記ポリマ(a)は、前記ポリマ(a)100質量部に対して10質量部以上70質量部以下の半結晶塩素化ポリエチレン、および、前記ポリマ(a)100質量部に対して10質量部以上70質量部以下の直鎖状低密度ポリエチレンの少なくとも一方を含み、
前記シラングラフトポリマ(A)は、前記シラン化合物が前記ポリマ(a)100質量部に対して1質量部以上10質量部以下であって、前記遊離ラジカル発生剤に対する前記シラン化合物の比率が5以上400以下となるようにグラフト重合されてなり、
前記シラノール縮合触媒(B)を前記ポリマ(a)100質量部に対して0.01質量部以上1質量部以下となるように含む、触媒バッチ
が提供される。
ポリオレフィンを含むポリマ(a)であって、前記ポリマ(a)100質量部に対して10質量部以上70質量部以下の半結晶塩素化ポリエチレン、および、前記ポリマ(a)100質量部に対して10質量部以上70質量部以下の直鎖状低密度ポリエチレンの少なくとも一方を含む前記ポリマ(a)100質量部に対して、シラン化合物を1質量部以上10質量部以下、遊離ラジカル発生剤を、前記遊離ラジカル発生剤に対する前記シラン化合物の比率が5以上400以下となるようにそれぞれ添加し、前記ポリマ(a)に前記遊離ラジカル発生剤の存在下で前記シラン化合物をグラフト重合させてシラングラフトポリマ(A)を形成しつつ、当該シラングラフトポリマ(A)にシラノール縮合触媒(B)を、前記ポリマ(a)100質量部に対して0.01質量部以上1質量部以下となるように添加することで、触媒バッチを得る触媒バッチ調製工程と、
前記触媒バッチと、ポリマにシラン化合物がグラフト重合されたシラングラフトポリマを含むシランバッチとを10:90〜90:10の範囲内で混合し、その混合物を導体の外周を被覆するように押し出して成形体を得る押出工程と、
前記成形体をシラン架橋させて被覆層を形成する架橋工程と、を有する電線・ケーブルの製造方法
が提供される。
導体と前記導体の外周上に配置される被覆層とを備え、
前記被覆層は、ポリマにシラン化合物がグラフト重合されたシラングラフトポリマを含むシランバッチと触媒バッチとを10:90〜90:10の範囲内で含む混合物をシラン架橋させてなり、
前記触媒バッチは、
ポリオレフィンを含むポリマ(a)に遊離ラジカル発生剤の存在下でシラン化合物がグラフト重合されたシラングラフトポリマ(A)と、
シラノール縮合触媒(B)と、を含有し、
前記ポリマ(a)は、前記ポリマ(a)100質量部に対して10質量部以上70質量部以下の半結晶塩素化ポリエチレン、および、前記ポリマ(a)100質量部に対して10質量部以上70質量部以下の直鎖状低密度ポリエチレンの少なくとも一方を含み、
前記シラングラフトポリマ(A)は、前記シラン化合物が前記ポリマ(a)100質量部に対して1質量部以上10質量部以下であって、前記遊離ラジカル発生剤に対する前記シラン化合物の比率が5以上400以下となるようにグラフト重合されてなり、
前記シラノール縮合触媒(B)を前記ポリマ(a)100質量部に対して0.01質量部以上1質量部以下となるように含む、電線・ケーブル
が提供される。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
触媒バッチとは、ポリマにシラン化合物がグラフト重合されたシラングラフトポリマを含むシランバッチに配合することで、シラングラフトポリマのシラン架橋を促進させるための成分である。
シラングラフトポリマ(A)は、ポリオレフィンを含むポリマ(a)に遊離ラジカル発生剤の存在下でシラン化合物がグラフト重合されたものであり、触媒バッチにおいて、シラノール縮合触媒(B)を分散させる分散媒として作用する。
触媒(B)は、触媒バッチとシランバッチとを混合したときに、これらに含まれるシラングラフト材料に導入されたシラン基同士の縮合を促進させ、架橋構造の形成を効率的にするものである。
触媒バッチには、必要に応じて、そのほかの添加剤が含有されていてもよい。
次に、上述した触媒バッチの調製方法について説明する。
次に、上述した触媒バッチを用いて電線を製造する方法、および、電線の概略構造について、図1および図3を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る電線の長さ方向に垂直な断面を示す図である。図3は、電線の製造装置の一例を示す概略図である。
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
以上、本発明の一実施形態を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
実施例1〜実施例20、および、比較例5〜比較例18のサンプルを、以下の方法により作製した。
以下のようにして、触媒バッチを調製した。遊離ラジカル発生剤をシラン化合物中に溶解させ、ポリ袋中で粉状の難燃剤に含浸させた。次に、3Lニーダー中の内部温度が90℃になったらポリマを投入し、ポリマが軟化したらシラン化合物を含浸させておいた粉体を投入して混練した。150℃になったら、シラノール縮合触媒および酸化防止剤を投入し、内部温度が160℃になったら材料を取り出した。これにより、シラングラフトポリマ中にシラノール縮合触媒が分散する触媒バッチを得た。そして、触媒バッチを取り出し、8インチロールにてテープ形状にし、角ペレタイザーでペレットにした。なお、シラノール縮合触媒を取出直前に投入したのは、ニーダー内での架橋反応抑制のためであり、酸化防止剤を取出直前に投入したのは、シラン化合物のグラフト重合を阻害しないようにするためである。
・ポリオレフィン EVA エバフレックスV5274:三井・デュポンポリケミカル株式会社製
・ポリオレフィン LLDPE NUCG5130:株式会社NUC製
・塩素化ポリエチレン 半結晶CPE エラスレン402B(DSC測定結晶残10J/g):昭和電工株式会社製
・塩素化ポリエチレン 半結晶CPE エラスレン252B(DSC測定結晶残35J/g):昭和電工株式会社製
・塩素化ポリエチレン 半結晶CPE エラスレン303B(DSC測定結晶残50J/g):昭和電工株式会社製
・シラン化合物 KBM−1003:信越化学工業株式会社製
・遊離ラジカル発生剤 パークミルD:日油株式会社製
・シラノール縮合触媒 ネオスタンU−830:日東化成株式会社製
・酸化防止剤 イルガノックス1010:BASFジャパン株式会社製
・難燃剤 三酸化アンチモン:Twinkling Star製
・難燃剤 サイテックス8010:アルベマール日本株式会社製
以下のようにして、シランバッチを調製した。40mm押出機を用い、ホッパーからポリマを投入し、シラン化合物に遊離ラジカル発生剤を溶解させた溶液を液添ポンプで注入し、シリンダ温度200℃、押出機内滞留時間100秒〜150秒の設定で、ストランド状に押し出し、ペレタイザーにより径2mm〜3mmのシラン化合物がグラフト重合されたシラングラフトポリマを調製した。
以下のようにして、上記で調製した触媒バッチおよびシランバッチを用いて被覆層を形成し、電線を作製した。触媒バッチのペレットとシランバッチのペレットとを混合して、20mm押出機へホッパーから投入し、シリンダ温度180℃、ダイス温度200℃にて押出機内滞留時間120秒〜150秒に設定して、導体の外周に被覆厚が0.4mmとなるように押出被覆した。導体としては、径0.8mmの芯線を用いた。シランバッチ(シランMB)に対する触媒バッチ(触媒MB)の混合比率を、実施例1〜実施例20については表1に、比較例5〜比較例18については表2に示す。
・EVA V5274を99質量部、ネオスタンU−830を1質量部の割合(触媒含有濃度1%)で混練した組成物(MB1)
・EVA V5274を99.9質量部、ネオスタンU−830を0.1質量部の割合(触媒含有濃度0.1%)で混練した組成物(MB2)
作製した電線を、以下の方法により評価した。
作製した電線の絶縁層表面について、平滑さを手触りで、粒状の突起の有無を目視で評価した。平滑な手触りで電線5m当たり粒状の突起が1個も無い特に良好なものを◎、平滑な手触りであるが、電線5m当たり粒状の突起が1個〜2個目視で確認されたものを○、手触りで荒れが分かり、電線5m当たり粒状の突起が10個以上目視で確認され、特に外観が荒れているものを×とし、○以上(○および◎)を合格とした。
熱老化性を、熱老化後の引張特性で評価した。作製した電線から芯線を引き抜いて得られた絶縁層に対し、23℃(±3℃)、湿度50%(±10%)の雰囲気下で初期の引張試験を行うと共に、熱老化試験は恒温槽内158℃下で168h放置後、23℃(±3℃)、湿度50%(±10%)の雰囲気下で24h〜48h以内に引張試験を行い、初期に対する残率を求めた。強度残率、伸び残率共に80%以上を合格とした。なお、試験は初期、熱老化共にn=3平均であり、標線は50mmとして評価した。
作製した電線を、120℃の加熱変形試験機内に30分間予熱のため静置した後、重り2.5N下で1時間試験し、試験前後の絶縁層厚の変形率を算出した。この試験はJIS C 3005に準拠するが、試験時間は30分ではなく、より厳しく1時間とした。変形率≦50%を合格とした。
実施例1〜実施例20についての評価結果を表1に、比較例1〜比較例18についての評価結果を表2に示す。
実施例1〜実施例20は、外観、熱老化引張特性、および、加熱変形性のいずれについても合格した。つまり、実施例1〜実施例20により、表面平滑性および耐熱性を両立した被覆層を形成できることが確認された。
比較例1〜比較例4は、触媒バッチ(または難燃性バッチ)にシラングラフトポリマを用いておらず、また、触媒バッチと難燃性バッチとを別々に調製したものである。比較例1および比較例2は、熱老化引張特性は良好であるが、外観が荒れ、加熱変形性についても不合格であった。
比較例5は、シラン化合物の配合量が1質量部未満であることで、十分な架橋度が得られず、熱老化引張特性に劣り、比較例6は、シラン化合物の配合量が10質量部を超えることで、グラフト共重合時にシラン化合物同士の反応が促進されて異物が生成され、外観に劣る。
比較例13は、ポリマ(a)にLLDPEが含まれるものの、その配合量が10質量部未満であるため、また、比較例14は、ポリマ(a)に半結晶CPEが含まれるものの、その配合量が10質量部未満であるため、それぞれ、加熱変形性は50%に近い値まで減少しているが、合格域までは改善(減少)しなかった。
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
本発明の一態様によれば、
ポリマにシラン化合物がグラフト重合されたシラングラフトポリマを含むシランバッチに配合してシラン架橋させるための触媒バッチであって、
ポリオレフィンを含むポリマ(a)に遊離ラジカル発生剤の存在下でシラン化合物がグラフト重合されたシラングラフトポリマ(A)と、
シラノール縮合触媒(B)と、を含有し、
前記ポリマ(a)は、前記ポリマ(a)100質量部に対して10質量部以上70質量部以下の半結晶塩素化ポリエチレン、および、前記ポリマ(a)100質量部に対して10質量部以上70質量部以下の直鎖状低密度ポリエチレンの少なくとも一方を含み、
前記シラングラフトポリマ(A)は、前記シラン化合物が前記ポリマ(a)100質量部に対して1質量部以上10質量部以下であって、前記遊離ラジカル発生剤に対する前記シラン化合物の比率が5以上400以下となるようにグラフト重合されてなり、
前記シラノール縮合触媒(B)を前記ポリマ(a)100質量部に対して0.01質量部以上1質量部以下となるように含む、触媒バッチが提供される。
付記1の触媒バッチにおいて、好ましくは、
前記ポリマ(a)は、前記ポリオレフィン、および、前記ポリマ(a)100質量部に対して10質量部以上70質量部以下の前記半結晶塩素化ポリエチレンを含む。
付記2の触媒バッチにおいて、好ましくは、
前記ポリオレフィンは、エチレン−酢酸ビニル共重合体および前記直鎖状低密度ポリエチレンの少なくとも一方を含む。
付記3の触媒バッチにおいて、好ましくは、
前記ポリマ(a)は、前記ポリマ(a)100質量部に対して10質量部以上70質量部以下の前記半結晶塩素化ポリエチレン、および、前記ポリマ(a)100質量部に対して30質量部以上90質量部以下の前記エチレン−酢酸ビニル共重合体を含む。
付記3の触媒バッチにおいて、好ましくは、
前記ポリマ(a)は、前記ポリマ(a)100質量部に対して30質量部以上70質量部以下の前記半結晶塩素化ポリエチレン、および、前記ポリマ(a)100質量部に対して30質量部以上70質量部以下の前記直鎖状低密度ポリエチレンを含む。
付記2〜付記5のいずれか1つの触媒バッチにおいて、好ましくは、
前記半結晶塩素化ポリエチレンは、示差走査熱量測定で10J/g以上50J/g以下の結晶残を有する。
付記1の触媒バッチにおいて、好ましくは、
前記ポリマ(a)は(前記ポリオレフィンとして)、前記ポリマ(a)100質量部に対して10質量部以上70質量部以下の前記直鎖状低密度ポリエチレンを含む。
付記7の触媒バッチにおいて、好ましくは、
前記ポリオレフィンは、前記直鎖状低密度ポリエチレンの他のポリオレフィン成分としてエチレン−酢酸ビニル共重合体を含む。
付記8の触媒バッチにおいて、好ましくは、
前記ポリマ(a)は、前記ポリマ(a)100質量部に対して10質量部以上70質量部以下の前記直鎖状低密度ポリエチレン、および、前記ポリマ(a)100質量部に対して30質量部以上90質量部以下の前記エチレン−酢酸ビニル共重合体を含む。
付記1〜付記9のいずれか1つの触媒バッチにおいて、好ましくは、
前記シラングラフトポリマ(A)は、前記シラン化合物が前記ポリマ(a)100質量部に対して2質量部以上6質量部以下であって、前記遊離ラジカル発生剤に対する前記シラン化合物の比率が100以上300以下となるようにグラフト重合されてなり、
前記シラノール縮合触媒(B)を前記ポリマ(a)100質量部に対して0.03質量部以上0.3質量部以下となるように含む。
付記1〜付記10のいずれか1つの触媒バッチにおいて、好ましくは、
さらに、難燃剤を含有する。
本発明の他の態様によれば、
ポリオレフィンを含むポリマ(a)であって、前記ポリマ(a)100質量部に対して10質量部以上70質量部以下の半結晶塩素化ポリエチレン、および、前記ポリマ(a)100質量部に対して10質量部以上70質量部以下の直鎖状低密度ポリエチレンの少なくとも一方を含む前記ポリマ(a)100質量部に対して、シラン化合物を1質量部以上10質量部以下、遊離ラジカル発生剤を、前記遊離ラジカル発生剤に対する前記シラン化合物の比率が5以上400以下となるようにそれぞれ添加し、前記ポリマ(a)に前記遊離ラジカル発生剤の存在下で前記シラン化合物をグラフト重合させてシラングラフトポリマ(A)を形成しつつ、当該シラングラフトポリマ(A)にシラノール縮合触媒(B)を、前記ポリマ(a)100質量部に対して0.01質量部以上1質量部以下となるように添加することで、触媒バッチを得る触媒バッチ調製工程と、
前記触媒バッチと、ポリマにシラン化合物がグラフト重合されたシラングラフトポリマを含むシランバッチとを10:90〜90:10の範囲内で混合し、その混合物を導体の外周を被覆するように押し出して成形体を得る押出工程と、
前記成形体をシラン架橋させて被覆層を形成する架橋工程と、を有する電線・ケーブルの製造方法が提供される。
本発明のさらに他の態様によれば、
導体と前記導体の外周上に配置される被覆層とを備え、
前記被覆層は、ポリマにシラン化合物がグラフト重合されたシラングラフトポリマを含むシランバッチと触媒バッチとを10:90〜90:10の範囲内で含む混合物をシラン架橋させてなり、
前記触媒バッチは、
ポリオレフィンを含むポリマ(a)に遊離ラジカル発生剤の存在下でシラン化合物がグラフト重合されたシラングラフトポリマ(A)と、
シラノール縮合触媒(B)と、を含有し、
前記ポリマ(a)は、前記ポリマ(a)100質量部に対して10質量部以上70質量部以下の半結晶塩素化ポリエチレン、および、前記ポリマ(a)100質量部に対して10質量部以上70質量部以下の直鎖状低密度ポリエチレンの少なくとも一方を含み、
前記シラングラフトポリマ(A)は、前記シラン化合物が前記ポリマ(a)100質量部に対して1質量部以上10質量部以下であって、前記遊離ラジカル発生剤に対する前記シラン化合物の比率が5以上400以下となるようにグラフト重合されてなり、
前記シラノール縮合触媒(B)を前記ポリマ(a)100質量部に対して0.01質量部以上1質量部以下となるように含む、電線・ケーブルが提供される。
11 導体
12 絶縁層
13 触媒バッチ
14 シランバッチ
15 混合物
20 ケーブル
21 導体
22 絶縁層
23 電線
24 押さえテープ
25 シース
Claims (7)
- ポリマにシラン化合物がグラフト重合されたシラングラフトポリマを含むシランバッチに配合してシラン架橋させるための触媒バッチであって、
ポリオレフィンを含むポリマ(a)に遊離ラジカル発生剤の存在下でシラン化合物がグラフト重合されたシラングラフトポリマ(A)と、
シラノール縮合触媒(B)と、を含有し、
前記ポリマ(a)は、前記ポリマ(a)100質量部に対して10質量部以上70質量部以下の半結晶塩素化ポリエチレン、および、前記ポリマ(a)100質量部に対して10質量部以上70質量部以下の直鎖状低密度ポリエチレンの少なくとも一方を含み、
前記シラングラフトポリマ(A)は、前記シラン化合物が前記ポリマ(a)100質量部に対して1質量部以上10質量部以下であって、前記遊離ラジカル発生剤に対する前記シラン化合物の比率が5以上400以下となるようにグラフト重合されてなり、
前記シラノール縮合触媒(B)を前記ポリマ(a)100質量部に対して0.01質量部以上1質量部以下となるように含む、触媒バッチ。 - 前記ポリマ(a)は、前記ポリオレフィン、および、前記ポリマ(a)100質量部に対して10質量部以上70質量部以下の前記半結晶塩素化ポリエチレンを含む請求項1に記載の触媒バッチ。
- 前記ポリオレフィンは、エチレン−酢酸ビニル共重合体および前記直鎖状低密度ポリエチレンの少なくとも一方を含む請求項2に記載の触媒バッチ。
- 前記ポリマ(a)は、前記ポリマ(a)100質量部に対して10質量部以上70質量部以下の前記直鎖状低密度ポリエチレンを含む請求項1に記載の触媒バッチ。
- 前記ポリオレフィンは、前記直鎖状低密度ポリエチレンの他のポリオレフィン成分として、エチレン−酢酸ビニル共重合体を含む請求項4に記載の触媒バッチ。
- ポリオレフィンを含むポリマ(a)であって、前記ポリマ(a)100質量部に対して10質量部以上70質量部以下の半結晶塩素化ポリエチレン、および、前記ポリマ(a)100質量部に対して10質量部以上70質量部以下の直鎖状低密度ポリエチレンの少なくとも一方を含む前記ポリマ(a)100質量部に対して、シラン化合物を1質量部以上10質量部以下、遊離ラジカル発生剤を、前記遊離ラジカル発生剤に対する前記シラン化合物の比率が5以上400以下となるようにそれぞれ添加し、前記ポリマ(a)に前記遊離ラジカル発生剤の存在下で前記シラン化合物をグラフト重合させてシラングラフトポリマ(A)を形成しつつ、当該シラングラフトポリマ(A)にシラノール縮合触媒(B)を、前記ポリマ(a)100質量部に対して0.01質量部以上1質量部以下となるように添加することで、触媒バッチを得る触媒バッチ調製工程と、
前記触媒バッチと、ポリマにシラン化合物がグラフト重合されたシラングラフトポリマを含むシランバッチとを10:90〜90:10の範囲内で混合し、その混合物を導体の外周を被覆するように押し出して成形体を得る押出工程と、
前記成形体をシラン架橋させて被覆層を形成する架橋工程と、を有する電線・ケーブルの製造方法。 - 導体と前記導体の外周上に配置される被覆層とを備え、
前記被覆層は、ポリマにシラン化合物がグラフト重合されたシラングラフトポリマを含むシランバッチと触媒バッチとを10:90〜90:10の範囲内で含む混合物をシラン架橋させてなり、
前記触媒バッチは、
ポリオレフィンを含むポリマ(a)に遊離ラジカル発生剤の存在下でシラン化合物がグラフト重合されたシラングラフトポリマ(A)と、
シラノール縮合触媒(B)と、を含有し、
前記ポリマ(a)は、前記ポリマ(a)100質量部に対して10質量部以上70質量部以下の半結晶塩素化ポリエチレン、および、前記ポリマ(a)100質量部に対して10質量部以上70質量部以下の直鎖状低密度ポリエチレンの少なくとも一方を含み、
前記シラングラフトポリマ(A)は、前記シラン化合物が前記ポリマ(a)100質量部に対して1質量部以上10質量部以下であって、前記遊離ラジカル発生剤に対する前記シラン化合物の比率が5以上400以下となるようにグラフト重合されてなり、
前記シラノール縮合触媒(B)を前記ポリマ(a)100質量部に対して0.01質量部以上1質量部以下となるように含む、電線・ケーブル。
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