JP2018044023A - ガラス繊維強化樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、新規なポリプロピレン系樹脂をベースとしたガラス繊維強化樹脂組成物およびその成形体を提供することを課題とする。【解決手段】ポリプロピレン系樹脂(A)と、不飽和ジカルボン酸無水物系共重合体(B)と、ガラス繊維(C)を含有し、前記共重合体(B)は不飽和ジカルボン酸無水物系単量体単位とスチレン系単量体単位を有する共重合体であるガラス繊維強化樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリプロピレン系樹脂をベースとするガラス繊維強化樹脂組成物に関するものである。
ポリプロピレン系樹脂は、成形性、耐熱性、耐薬品性等に優れること汎用樹脂として広く使用されている。ポリプロピレン系樹脂の剛性等の機械的特性を改善するためにガラス繊維等の充填材が配合され、非極性ポリマーであるポリプロピレン系樹脂とガラス繊維等の極性物質との界面接着性を高めるために無水マレイン酸変性ポリプロピレンが用いられている。それらの技術としては下記が挙げられる。
特開昭53−102948号公報 特開昭53−124558号公報 特開平10−176085号公報 特開平11−181180号公報 特開2002−212435号公報 特開2004−197068号公報 特開2009−114435号公報
しかし従来技術においては、無水マレイン酸変性ポリプロピレンを用い非極性ポリマーであるポリプロピレン系樹脂とガラス繊維等の極性物質との界面接着性を高めることに成功したが、一方で無水マレイン酸変性ポリプロピレンを添加することにより吸湿性が高まり、曲げ強度や衝撃強さなどの物性が経時的に低下してしまうという問題点があった。
本発明は、上記の問題点を鑑み、成形品において曲げ強度や衝撃強さなどの物性が低下しにくい新規なポリプロピレン系樹脂をベースとしたガラス繊維強化樹脂組成物およびその成形体を提供することを課題とする。成形品の中でも特に耐久性の求められる自動車部材、電気製品、建材等に好適に使用することができる。
(1)ポリプロピレン系樹脂(A)と、不飽和ジカルボン酸無水物系共重合体(B)と、ガラス繊維(C)を含有し、前記共重合体(B)は不飽和ジカルボン酸無水物系単量体単位とスチレン系単量体単位を有する共重合体であるガラス繊維強化樹脂組成物。
(2)ポリプロピレン系樹脂(A)と不飽和ジカルボン酸無水物系共重合体(B)の相容化剤(D)を含有する(1)に記載の樹脂組成物。
(3)(1)または(2)に記載の樹脂組成物からなる成形体。
本発明の樹脂組成物は、機械的特性に優れ、長期的な吸湿による物性低下が小さく耐久性に優れることから、自動車部材、電気製品、建材等に有用である。
<用語の説明>
本願明細書において、例えば、「A〜B」なる記載は、A以上でありB以下であることを意味する。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物はポリプロピレン系樹脂(A)と、不飽和ジカルボン酸無水物系共重合体(B)と、ガラス繊維(C)を含有する。
ポリプロピレン系樹脂(A)とは、プロピレンの単独共重合体またはプロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合体である。プロピレン以外のα−オレフィンとは、エチレン、ブテン、ヘキセン、ヘプテンが挙げられ、単独でも良いが2種類以上を併用してもよい。ポリプロピレン系樹脂(A)として、例えば、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体およびエチレン−プロピレンランダムブロック共重合体などが挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂(A)は、市販の樹脂を利用するほか、各種公知のプロピレン重合用触媒を用いて公知の重合方法によって製造されたものを利用できる。製造方法として、公知のチーグラー・ナッタ系触媒、または、メタロセン系錯体および非メタロセン系錯体等の公知の錯体系触媒を用いて、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等の公知の重合法により、プロピレンを単独重合あるいはプロピレンと他のモノマーとを共重合する方法により得ることができる。
不飽和ジカルボン酸無水物系共重合体(B)とは、不飽和ジカルボン酸無水物系単量体単位とスチレン系単量体単位を有する共重合体である。本発明においては、更に(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位、マレイミド系単量体単位、アクリロニトリル系単量体単位を有することができる。不飽和ジカルボン酸無水物系共重合体(B)は、例えば、スチレン−メチルメタクリレート−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−N−フェニルマレイミド−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル−N−フェニルマレイミド−無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。
不飽和ジカルボン酸無水物系単量体とは、無水マレイン酸、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物、アコニット酸無水物等である。これらの中でも無水マレイン酸が好ましい。不飽和ジカルボン酸無水物系単量体は、単独でも良いが2種類以上を併用してもよい。
スチレン系単量体とは、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン等である。これらの中でもスチレンが好ましい。スチレン系単量体は、単独でも良いが2種類以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位とは、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、イソボルニルメタクリレートなどの各メタクリル酸エステル単量体、およびメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−メチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、デシルアクリレート等の各アクリル酸エステル単量体である。これらの中でもはメチルメタクリレート単位が好ましい。(メタ)アクリル酸エステル単量体は、単独でも良いが2種類以上を併用してもよい。
マレイミド系単量体単位とは、例えば、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−アルキルマレイミド、及びN−フェニルマレイミド、N−クロルフェニルマレイミド、N−メチルフェニルマレイミド、N−メトキシフェニルマレイミド、N−トリブロモフェニルマレイミド等のN−アリールマレイミド等に由来する構造単位である。これらの中でも、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミドが好ましい。マレイミド系単量体単位は、単独でも良いが2種類以上でもよい。
アクリロニトリル系単量体とは、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、フマロニトリル等である。これらの中でもアクリロニトリルが好ましい。アクリロニトリル系単量体は、単独でも良いが2種類以上を併用してもよい。
不飽和ジカルボン酸無水物系共重合体(B)の構成単位は、不飽和ジカルボン酸無水物系単量体単位5〜30質量%、スチレン系単量体単位40〜80質量%、マレイミド系単量体単位0〜55質量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位0〜30質量%、アクリロニトリル系単量体単位0〜30質量%であることが好ましい。不飽和ジカルボン酸無水物系単量体単位は、10〜30質量%であることがより好ましく、15〜25質量%であることが更に好ましい。不飽和ジカルボン酸無水物系単量体単位が少なすぎると、樹脂組成物の機械的特性が十分に向上しないことがあり、多すぎると、不飽和ジカルボン酸無水物系共重合体(B)の熱安定性が低下することがある。スチレン系単量体単位は、共重合体の熱安定性の観点から、45〜75質量%であることがより好ましく、50〜70質量%であることが更に好ましい。(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位は、共重合体の熱安定性の観点から、10〜30質量%であることがより好ましい。不飽和ジカルボン酸無水物系単量体単位は滴定法によって測定した値である。スチレン系単量体単位、マレイミド系単量体単位、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位は、NMRによって測定した値である。
不飽和ジカルボン酸無水物系共重合体(B)の製造方法としては、公知の方法が採用できる。例えば、不飽和ジカルボン酸無水物系単量体、スチレン系単量体、マレイミド系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、アクリロニトリル系単量体からなる単量体混合物を共重合させる方法がある。また、不飽和ジカルボン酸無水物系単量体、スチレン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、アクリロニトリル系単量体からなる単量体混合物を共重合させた後、不飽和ジカルボン酸無水物系単量体単位の一部をアンモニア又は第1級アミンを反応させてイミド化し、マレイミド系単量体単位に変換させる方法がある(以下、「後イミド化法」と称する)。
不飽和ジカルボン酸無水物系共重合体(B)の製造方法としては、公知の方法が採用できる。例えば、溶液重合、塊状重合等により製造することができる。また、連続法、バッチ法のいずれも適用できる。スチレン系単量体と不飽和ジカルボン酸無水物系単量体或いはスチレン系単量体とマレイミド系単量体との共重合では、交互共重合性が高いため、不飽和ジカルボン酸無水物系単量体或いはマレイミド系単量体を分割添加しながら重合することで共重合組成が均一となることから、溶液重合が好ましい。溶液重合の溶媒は、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン等であり、不飽和ジカルボン酸無水物系共重合体(B)の脱揮回収時における溶媒除去の容易性から、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンが好ましい。
不飽和ジカルボン酸無水物系共重合体(B)の溶液重合或いは塊状重合では、重合開始剤、連鎖移動剤を用いることができ、重合温度は70〜150℃の範囲であることが好ましい。重合開始剤は、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスメチルプロポニトリル、アゾビスメチルブチロニトリル等のアゾ系化合物、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、エチル−3,3−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブチレート等のパーオキサイド類であり、これらの1種あるいは2種以上を組み合わせて使用してもよい。連鎖移動剤は、例えば、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、α−メチルスチレンダイマー、チオグリコール酸エチル、リモネン、ターピノーレン等がある。
不飽和ジカルボン酸無水物系共重合体(B)のマレイミド系単量体単位の導入は、マレイミド系単量体を共重合させる方法と後イミド化法がある。後イミド化法とは、不飽和ジカルボン酸無水物系単量体、スチレン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、アクリロニトリル系単量体からなる単量体混合物を共重合させた後、不飽和ジカルボン酸無水物系単量体単位の一部をアンモニア又は第1級アミンを反応させてイミド化し、マレイミド系単量体単位に変換させる方法である。第1級アミンとは、例えば、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、iso−プロピルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン、シクロヘキシルアミン、デシルアミン等のアルキルアミン類及びクロル又はブロム置換アルキルアミン、アニリン、トルイジン、ナフチルアミン等の芳香族アミンがあり、アニリン、シクロヘキシルアミンが好ましい。これらの第1級アミンは、単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。後イミド化の際、第1級アミンと不飽和ジカルボン酸無水物単体量体単位との反応において、脱水閉環反応を向上させるために触媒を使用することができる。触媒は、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン等の第3級アミンである。後イミド化の温度は、100〜250℃であることが好ましく、より好ましくは120〜200℃である。
不飽和ジカルボン酸無水物系共重合体(B)の溶液重合終了後の溶液或いは後イミド化終了後の溶液から、溶液重合に用いた溶媒や未反応の単量体などの揮発成分を取り除く方法は、公知の手法が採用できる。例えば、加熱器付きの真空脱揮槽やベント付き脱揮押出機を用いることができる。脱揮された溶融状態の不飽和ジカルボン酸無水物系共重合体(B)は、造粒工程に移送され、多孔ダイよりストランド状に押出し、コールドカット方式や空中ホットカット方式、水中ホットカット方式にてペレット形状に加工することができる。
不飽和ジカルボン酸無水物系共重合体(B)の重量平均分子量は、50,000〜300,000であることが好ましく、より好ましくは80,000〜200,000である。スチレン−アクリロニトリル系共重合体(B)のの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、THF溶媒中で測定されるポリスチレン換算の値である。重量平均分子量は、重合時の連鎖移動剤の種類及び量、溶媒濃度、重合温度、重合開始剤の種類及び量によって調整することができる。
ガラス繊維(C)とは、ガラスを溶融して太さ数ミクロンから数十ミクロンに成形したガラスの糸であり、グラスファイバーとも呼ばれる。ガラスの組成により、Eガラス、Tガラス、Cガラス、Sガラス、Dガラス等の種類が挙げられる。ガラス繊維(C)の繊維径は5〜20μmが好ましく、より好ましくは8〜15μmである。繊維径は2mm以上であることが好ましい。
ガラス繊維(C)は、カップリング剤で表面処理した後、収束剤により100〜10000本の範囲で束ねておいたものを使用することができる。カップリング剤は、アミノシラン、アミドシラン、エポキシシラン、アジドシラン等のシラン系カップリング剤やチタン系のカップリング剤が挙げられ、エポキシシラン、アミノシランで表面処理されたガラス繊維が好ましい。
ポリプロピレン系樹脂(A)と不飽和ジカルボン酸無水物系共重合体(B)の相容化剤(D)とは、オレフィン系構造とスチレン系構造からなるブロック共重合体あるいはグラフト共重合体である。例えば、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)等の水添ブロック共重合体やポリプロピレンとスチレン−アクリロニトリル共重合体のグラフト共重合体(PP−g−AS)等が挙げられる。水添ブロック共重合体は、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)やスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)の共役ジエン単量体単位の二重結合を水素添加して飽和したものであり、部分水素添加されたものでもよい。また、ブロック共重合体は、トリブロック、テトラブロック、ペンタブロック、マルチブロック、星形あるいはラジアル型などがあり、いずれのブロック共重合体も使用可能である。水添ブロック共重合体は、市販の樹脂を利用するほか、各種公知の水添ブロック共重合体の製造方法によって製造されたものが利用できる。
樹脂組成物中の不飽和ジカルボン酸無水物系共重合体(B)の含有量は、1〜30質量%が好ましく、より好ましくは2〜15質量%である。ガラス繊維(C)の含有量は3〜70質量%が好ましく、より好ましくは5〜50質量%である。相容化剤(D)の含有量は0〜15質量%が好ましく、より好ましくは2〜10質量%である。
樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂(A)と、不飽和ジカルボン酸無水物系共重合体(B)と、ガラス繊維(C)および必要に応じて相容化剤(D)を溶融混練することで得られる。溶融混練は、公知の方法および装置を使用することができ、例えば、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、二軸ロータ付きの連続混練機などが挙げられる。押出機へのフィード方法は、材料をすべて一括で投入する方法、材料の一部をサイドフィードする方法等が挙げられ、例えば、ガラス繊維を押出機の途中でサイドフィードすることができる。
樹脂組成物には、本発明の効果を損ねない範囲で、その他の樹脂成分、耐衝撃改質材、流動性改質材、硬度改質材、酸化防止剤、無機充填剤、艶消し剤、難燃剤、難燃助剤、ドリップ防止剤、摺動性付与剤、放熱材、電磁波吸収材、可塑剤、滑剤、離型剤、紫外線吸収剤、光安定剤、抗菌剤、抗カビ剤、帯電防止剤、カーボンブラック、酸化チタン、顔料、染料等を配合してもよい。
樹脂組成物の成形方法は、公知の方法が採用できる。例えば、射出成形、シート押出成形、真空成形、ブロー成形、発泡成形、異型押出成形等が挙げられる。
成形体を90℃の温水に3週間浸漬し、常温大気下で2日間放置した後の曲げ強度の初期値に対する保持率は85%以上、アイゾット衝撃強さの初期値に対する保持率は80%以上であることが好ましい。温水浸漬試験後の物性保持率は、長期的な吸湿による物性低下度合を表し、成形体の耐久性の目安となる。
以下、詳細な内容について実施例を用いて説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<ポリプロピレン系樹脂(A)>
ポリプロピレン系樹脂(A)として、ポリプロピレンを使用した。ポリプロピレンは、日本ポリプロ株式会社製のノバテックPP MA3Hを用いた。
<不飽和ジカルボン酸無水物系共重合体(B)>
不飽和ジカルボン酸無水物系共重合体(B)として、以下に示す製造方法にて作製したスチレン−メチルメタクリレート−無水マレイン酸共重合体を使用した。t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートが2質量%となるようにメチルイソブチルケトンに希釈した2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液とを事前に調製し、重合に使用した。攪拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、25%マレイン酸無水物溶液3.52kg、スチレン23kg、メチルメタクリレート8.2kg、t−ドデシルメルカプタン30gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら40分かけて92℃まで昇温した。昇温後92℃を保持しながら、25%マレイン酸無水溶液と、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液とを各々連続的に分添開始した。25%マレイン酸無水物溶液は、分添開始4時間目までが3.96kg/時、4時間目から7時間目までが3.17kg/時、7時間目から10時間目までが1.58kg/時、10時間目から13時間目までが0.54kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で31.71kg添加した。2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液は、分添開始から7時間目までが0.24kg/時、7時間目から13時間目までが0.39kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で4.02kg添加した。重合温度は、分添開始から7時間目までは92℃を保持し、その後4℃/時の昇温速度で6時間かけて116℃まで昇温し、さらに116℃を1時間保持して重合を終了させた。重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状のスチレン−メチルメタクリレート−無水マレイン酸共重合体を得た。13C−NMR法により構成単位を分析した結果、スチレン単位含有量が57質量%、メチルメタクリレート単位含有量が21質量%、無水マレイン酸単位含有量が22質量%であった。また、重量平均分子量は、12.5万であり、数平均分子量(Mn)との比であるMw/Mnは2.2であった
<ガラス繊維(C)>
ガラス繊維(C)として、エポキシシランで変性された日本電気硝子社製ECS 03 T−120を用いた。なお、ガラス繊維の繊維径は13μm、繊維長は3mmであった。
<相容化材(D)>
ポリプロピレン系樹脂と不飽和ジカルボン酸無水物系共重合体の相容化剤として、水添スチレン系熱可塑性エラストマー(SEBS)を用いた。SEBSは、S/EBの質量比が67/33である旭化成株式会社製のタフテックH1043を用いた。
<無水マレイン酸変性PP>
無水マレイン酸の含有量が5質量%である三洋化成株式会社製のユーメックス1010を使用した。
<実施例・比較例>
ポリプロピレン、不飽和ジカルボン酸無水物系共重合体、ガラス繊維、SEBS、無水マレイン酸変性PPを表1に示す配合で、押出機を用いて溶融混錬し、樹脂組成物を得た。押出機は株式会社井元製作所製二軸溶融混練押出機(L/D=26)を使用した。混練温度は230℃、スクリュー回転数は90rpmとした。
(試験片の作製)
試験片は、株式会社新興セルビック製電動射出成形機C.Mobile0813を使用して、長さ50mm、幅5mm、厚さ2mmの短冊状試験片を作製した。
(曲げ強度・曲げ弾性率)
曲げ強度は、株式会社イマダ製電動スタンドMX−500NにデジタルフォースゲージZTA−500Nを設置した力学試験機にて測定した。
(アイゾット衝撃強さ)
アイゾット衝撃強さは、株式会社マイズ試験機製アイゾッド衝撃試験機にて測定した。ノッチは株式会社井元製作所製ノッチ入れマシンを用いて、幅方向に約1mm導入した。
(温水浸漬試験)
密閉容器に水道水を約500ml、試験片を15本投入した後、エスペック株式会社製恒温槽ST−100に入れ、水温が90℃となるように恒温槽を設定して、1、2、3週間浸漬させた。指定期間浸漬させた試験片を取り出し、常温大気下で2日間放置した後、曲げ強度、曲げ弾性率およびアイゾッド衝撃強さ測定を実施した。
表1の結果より、実施例の樹脂組成物は、曲げ特性とアイゾット衝撃強さに優れ、温水浸漬後の物性低下も小さい。一方、無水マレイン酸変性PPを使用した比較例2は、初期の物性は優れるものの、温水浸漬後の物性低下が大きく、耐久性が悪い。
本発明の樹脂組成物は、機械的特性に優れ、長期的な吸湿による物性低下が小さく耐久性に優れることから、自動車部材、電気製品、建材等に有用である。

Claims (3)

  1. ポリプロピレン系樹脂(A)と、不飽和ジカルボン酸無水物系共重合体(B)と、ガラス繊維(C)を含有し、前記共重合体(B)は不飽和ジカルボン酸無水物系単量体単位とスチレン系単量体単位を有する共重合体であるガラス繊維強化樹脂組成物。
  2. ポリプロピレン系樹脂(A)と不飽和ジカルボン酸無水物系共重合体(B)の相容化剤(D)を含有する請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の樹脂組成物からなる成形体。
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