JP2018043952A - 抗腫瘍薬およびこれを含む組成物 - Google Patents

抗腫瘍薬およびこれを含む組成物 Download PDF

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哲男 柴田
Tetsuo Shibata
哲男 柴田
恵津子 徳永
Etsuko Tokunaga
恵津子 徳永
齋藤 記庸
Noriyasu Saito
記庸 齋藤
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Abstract

【課題】比較的単純な構造を有する抗腫瘍性を示す化合物を提供することを目的とする。
【解決手段】
一般式(d):
【化1】

(式中、XはCまたはNであり、Yは電子吸引基であり、kは、XがCのとき1〜5の整数であり、XがNのとき1〜4の整数であり、Rは炭素数が1または2のアルキル基であり、mは、XがCのとき0〜4の整数であり、XがNのとき0〜3の整数であり、Rは炭素数が1〜4の直鎖または分岐アルキル基であり、nは0〜5の整数であり、Aはカウンターアニオンである)で表されるジアリールヨードニウム塩を有効成分として含む、抗腫瘍薬。
【選択図】なし

Description

本発明はジアリールヨードニウム塩を有効成分として含む抗腫瘍薬およびこれを含む組成物に関する。
腫瘍による疾患は年々増加しており種々の治療薬が検討されている。しかし、一般に抗腫瘍性を示す化合物は構造が複雑であり合成が容易ではなかった。
ところで、ペンタフルオロスルファニル基(以下SF基)は強力な電子求引性を示し、同時に高い脂溶性をもつことが知られており、当該基を有する化合物は産業的に有用な化合物として期待されている。当該基を他の化合物に導入するためにジアリールヨードニウム塩を用いる方法が知られている(特許文献1)。
特開2016−040240
比較的単純な構造を有する抗腫瘍性を示す化合物が得られれば抗腫瘍薬として極めて有用である。かかる事情を鑑み、本発明は比較的単純な構造を有する抗腫瘍性を示す化合物を提供することを目的とする。
発明者らは、通常は他の化合物の合成に使用する試薬であるジアリールヨードニウム塩について抗腫瘍性を検討したところ、特定のジアリールヨードニウム塩が抗腫瘍性を有することを予想外に見出し、本発明を完成した。すなわち、前記課題は以下の本発明により解決される。
(1)後述する一般式(d)で表されるジアリールヨードニウム塩を有効成分として含む、抗腫瘍薬。
(2)前記式中のYがフッ素含有基である、(1)に記載の抗腫瘍薬。
(3)前記式中のジアリールヨードニウム塩の6員環上のIに結合している炭素を基準として、オルト位にYが結合している、(1)または(2)に記載の抗腫瘍薬。
(4)前記式中のYがSF基である、(1)〜(3)のいずれかに記載の抗腫瘍薬。
本発明により、比較的単純な構造を有する抗腫瘍性を示す化合物を提供できる。
ジアリールヨードニウム塩の抗腫瘍性 ジアリールヨードニウム塩の抗腫瘍性
以下、本発明を詳細に説明する。本発明において「X〜Y」は両端の値すなわちXとYを含む。
1.ジアリールヨードニウム塩
本発明のジアリールヨードニウム塩は一般式(d)で表される。
式中、XはCまたはNである。
Yは電子吸引基である。電子吸引基とは水素に比べて電子をひきつけやすい性質を有する基であり、本発明において電子吸引基とは、好ましくはHammett則にしたがって決定される置換基定数σが正の値となる基をいう。電子吸引基としては、−F、−Cl、−Br、−I、−CF、−CCl、−CBr、−CI、−NO、−CN、−COOH、−COOR(Rは炭素数1〜3のアルキル基)、−SOH、−SOR’(R’は炭素数1〜3のアルキル基、または炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基)、−SFが挙げられる。これらの中でもフッ素含有基が好ましい。フッ素含有基としては、−F、−CF、−SOCF、−SFが挙げられるが、−SFが特に好ましい。
kは、Yの数を表し、XがCのとき1〜5の整数であり、XがNのとき1〜4の整数である。kは1または2であることが好ましい。Yの結合位置は限定されないが、抗腫瘍性の観点から、Yは、ジアリールヨードニウム塩の6員環上のIに結合している炭素(以下、便宜上「基準炭素」ともいう)を基準にしてオルト位に結合していることが好ましい。Yが複数存在する場合は1つのYがオルト位に結合していることが好ましい。この場合、他のYの結合位置は特に限定されない。
はベンゼン環上の置換基でありメチル基またはエチル基である。mはRの数を示しXがCのとき0〜4の整数であり、XがNのとき0〜3の整数である。立体障害を低減させる観点からはRは存在しないこと、すなわちmは0であることが好ましい。しかしながら、Rが存在する場合はメチル基が好ましく、かつmの値は1または2が好ましい。
は他方のベンゼン環上の置換基であり炭素数が1〜4の直鎖または分岐アルキル基である。合成が容易であること等から、Rはメチル基、エチル基、n−プロピル基、またはi−プロピル基であることが好ましい。nはRの数を示し0〜5の整数である。同様の理由からnは3であることが好ましい。この場合、Rはオルト位とパラ位に結合することが好ましい。また、原料の入手容易性の観点からは、nは0であることが好ましい。
はカウンターアニオンである。Aはジアリールヨードニウム塩の溶媒への溶解性に影響を与える。この観点からは、Aはトリフルオロメタンスルホネートアニオン(以下OTfともいう)が好ましい。
これらの中でも、基準炭素に対してSF基をオルト位に有するジアリールヨードニウム塩(d’)は新規物質であり、特に優れた抗腫瘍性を有するので好ましい。
XはCまたはNである。
Yは電子吸引基である。電子吸引基については前述のとおりである。k’は、ベンゼン環上のYの数を表し、XがCのとき1〜4の整数であり、XがNのとき1〜3の整数である。
は炭素数が1または2のアルキル基であり、m’は、XがCのとき0〜3の整数であり、XがNのとき0〜2の整数である。
はおよびAはジアリールヨードニウム塩(d)と同様に定義される。
本発明で用いるジアリールヨードニウム塩の具体例を以下に示す。
2.ジアリールヨードニウム塩の製造方法
ジアリールヨードニウム塩は、以下のスキームで製造されることが好ましい。
(1)化合物(b)の準備
まず化合物(b)を準備する。化合物(b)におけるX、Y、k、R、m、およびkは前述のとおり定義される。化合物(b)は任意の方法で準備できるが、対応するBr体を、金属触媒の存在下で芳香族フィンケルシュタイン反応(J. Am. Chem. Soc., 2002, 124, 14844、Chem. Commun., 2012, 48, 3993.)することにより準備できる。
X=C、Y=SF、k=1または2、m=0の場合を例として説明する。この場合、具体的にはBr体(化合物(a))を、CuI存在下で、NaIと反応させてI体とする。CuIの使用量はBr体に対して5〜20mol%、NaIの使用量はBr体に対して過剰であればよいが、1.5〜3当量が好ましい。この際、Br体に対して5〜20mol%のtrans−N,N’−ジメチル−1,2−シクロヘキサンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン等のアミンを用いることが好ましい。溶媒は限定されないが、ジオキサン等のエーテル系溶媒が好ましい。反応温度は適宜調整してよいが、80〜150℃が好ましい。当該反応の一例を以下に示す。
化合物(b)においてSF基がメタ位に結合する場合、当該化合物は芳香族アミンから合成できる。具体的には以下のようにザンドマイヤー反応(Douglas Philp et al, Tetrahedron, 2000, 56, 3399)とハロゲン交換反応により当該化合物を準備できる。以下に当該反応の一例を示す。
当該反応においてNaNOの使用量は化合物(a’)に対し1〜1.5当量、HClの使用量は化合物(a’)に対し2〜8当量、KIの使用量は化合物(a’)に対し1〜1.5当量が好ましい。溶媒は限定されないが水が好ましい。反応温度は適宜調整してよいが、0℃〜室温が好ましい。
化合物(b)においてSF基がオルト位に結合する場合、当該化合物は芳香族アミンから合成できる。具体的には以下のように、スキーム3において塩酸に代えてテトラフルオロホウ酸等の強酸を使用することで当該化合物を準備できる。以下に当該反応の一例を示す。
(2)ジアリールヨードニウム塩(d)の合成
このように準備した化合物(b)の酸化反応と、化合物(c)とのフリーデルクラフツ反応を同時に行う。酸化剤としては過酸化物が好ましく、中でもメタクロロ過安息香酸が好ましい。酸化剤の使用量は、化合物(b)に対して1.0〜1.5当量が好ましい。
化合物(c)はベンゼン化合物である。化合物(c)におけるRおよびnは前述のとおり定義される。化合物(c)の使用量は化合物(b)に対して1.0〜1.5当量が好ましい。フリーデルクラフツ反応はルイス酸存在下で行われるが、反応性および生成物の溶媒への溶解性等の観点から、ルイス酸としてはトリフルオロメタンスルホン酸が好ましい。ルイス酸の使用量は、化合物(b)に対して1.0〜2.5当量が好ましい。
反応温度は限定されず20〜60℃程度で行えるが、室温が好ましい。溶媒はハロゲン化炭化水素が好ましく、ジクロロメタン等がより好ましい。これらの反応は、Chem. Commun., 2007, 2521.およびJ.Am.Chem.Soc., 2011, 133, 13778.に記載されている。目的化合物であるジアリールヨードニウム塩は、ジエチルエーテルを用いて再結晶することで精製できる。
ジアリールヨードニウム塩はKoser型試薬(ArI(OH)OTs)を経由しても合成が可能である。Koser型試薬は、酸化剤としてOxone(R)を用い、アリールヨウ素(III)ビス(トリフルオロアセテート)を調製した後に、p−トルエンスルホン酸を用いて合成できる(Viktor V. Zhdankin et al, J. Org. Chem., 2010, 75, 2119)。Koser試薬は一般的に固体であるため、合成中間体として保存する際の利便性が大きい。続いて、化合物(c)とトリフルオロエタノール中でフリーデルクラフツ反応させることによりジアリールヨードニウム塩を合成できる(Yasuyuki Kita et al, Chem. Commun., 2007, 4152.)。
当該反応における酸化剤の使用量は化合物(b)に対して1.0〜2.0当量である。酸化反応の温度は適宜調整できるが、室温が好ましい。Oxone(R)は、過硫酸のカリウム塩を含む酸化剤である。フリーデルクラフツ反応における条件等は前述のとおりである。以下に当該反応の一例を示す。
3.抗腫瘍性
本発明で用いるジアリールヨードニウム塩は抗腫瘍性を有する。腫瘍とは、遺伝子変異によって自律的で制御されない増殖を行うようになった細胞集団をいい、良性腫瘍および悪性腫瘍を含む。悪性腫瘍としては、上皮腫、肉腫、および血液悪性腫瘍が挙げられる。上皮腫としては、限定されないが皮膚癌、舌癌、食道癌、咽頭癌、胃癌、大腸癌、胆嚢癌、胆管癌、膵臓癌、十二指腸癌、腎臓癌、肝細胞癌、前立腺癌、卵巣癌、子宮癌、乳癌等が挙げられる。肉腫としては、限定されないが滑膜肉腫、骨肉腫、線維肉腫、脂肪肉腫、筋肉腫、悪性線維性組織球腫、皮膚線維肉腫、血管肉腫、カポジ肉腫、リンパ管肉腫等が挙げられる。血液悪性腫瘍としては、限定されないが、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫等が挙げられる。
抗腫瘍性は腫瘍の大きさが縮小または消滅すること、腫瘍細胞の数が減少または消滅すること、あるいは腫瘍細胞に誘導されたアポトーシスを検出すること等により評価される。
4.抗腫瘍薬
本発明の抗腫瘍薬は腫瘍治療薬であり、医薬用担体と組合せて医薬組成物とすることが好ましい。医薬用担体としては公知の物を使用できるが、例えば、メチルセルロース等の結合剤、デンプン等の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム等の滑剤、メントール等の芳香剤、水、生理食塩水等の希釈剤等が挙げられる。当該医薬組成物は、経口投与用組成物や注射用組成物等とすることができる。医薬品組成物の投与量は、投与対象の年齢や体重、剤型の種類、投与方法等を考慮して決定される。
[実施例1]X=C、Y=SFであるジアリールヨードニウム塩
以下の反応を行い、ジアリールヨードニウム塩を合成した。
ヨウ化銅(I)(95.2mg、0.500mmol、和光純薬工業株式会社製)とヨウ化ナトリウム(1.5g、10.0mmol、ナカライテスク株式会社製)をシュレンク管へ入れ、容器内をアルゴンで置換した。その後、ペンタフルオロ臭素フェニルスルファン(a6)(1.42g、5.00mmol、宇部興産株式会社製)、N,N’−ジメチルエチレンジアミン(108μL、1.00mmol、Sigma−Aldrich社製)、1,4−ジオキサン(5.0mL)を加え、110℃にて24時間撹拌した。反応終了後、混合物を室温に冷却し、アンモニア水溶液(28%)と水を加え、ジクロロメタンにて抽出し、有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。続いて減圧下で溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製してペンタフルオロヨウ素フェニルスルファン(b6)(1.48g、90%)を白色固体として得た。
メタクロロ過安息香酸(545mg、2.18mmol、和光純薬工業株式会社製)をナス型フラスコに入れ、真空下室温にて1時間乾燥した後にペンタフルオロヨウ素フェニルスルファン(b6)(654mg、1.98mmol)のジクロロメタン(6.0mL)溶液を加えた。続いて、混合物を0℃に冷却した後にトリフルオロメタンスルホン酸(0.298mL、3.37mmol、セントラル硝子株式会社製)を滴下し、室温にて2時間撹拌した。そして、混合物を0℃に冷却した後に、メシチレン(0.303mL、2.18mmol、ナカライテスク株式会社製)を滴下し、さらに室温にて18時間撹拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を留去し、ジエチルエーテルを加えて生成物を再沈殿させ、桐山ロートを用いて固体をろ取し、ジエチルエーテルにて洗浄した。最後に固体を真空下にて乾燥させることにより、ジアリールヨードニウム塩(d6)(1.0902g、92%)を白色固体として得た。
ペンタフルオロスルファニル臭化ベンゼン(a6)を適宜変更して同様の反応を行い、以下の化合物(d8)〜(d10)を合成した。
SF基が基準炭素から見てオルト位に結合している化合物(d7)は次のようにして合成した。
メタクロロ過安息香酸(1.1当量、和光純薬工業株式会社製)をナス型フラスコに入れ、真空下室温にて1時間乾燥した後に、ペンタフルオロ(2−ヨウ素フェニル)−λ−スルファン(b7)(1.0当量)と、化合物(b7)1mmolに対して3.0mLのジクロロメタン溶液を加えた。続いて、混合物を0℃に冷却した後にトリフルオロメタンスルホン酸(1.7当量、セントラル硝子株式会社製)を滴下し、室温にて2時間撹拌した。そして、混合物を0℃に冷却した後に、メシチレン(1.1当量、ナカライテスク株式会社製)を滴下し、さらに室温にて18時間撹拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を留去し、ジエチルエーテルを加えて生成物を再沈殿させ、桐山ロートを用いて固体をろ取し、ジエチルエーテルにて洗浄した。最後に固体を真空下にて乾燥させることにより、ジアリールヨードニウム塩(d7)(収率70%)を白色固体として得た。
メシチレンをトリイソプロピルベンゼンに変更して同様の反応を行い、化合物(d11)を収率86%で製造した。
上記のうち、化合物(d7)および(d11)は新規物質であるので、以下に分析結果を示す。
化合物(d7):収率: 70%
HRMS (ESI) calcd. for C15H15F5SI [(M-OTf)+]:448.9859 found 448.9855;1H NMR (CDCl3, 300 MHz) δ = 2.48 (s, 3H), 2.61 (s, 6H), 7.08 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.10 (s, 2H), 7.46 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.71 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 8.06 (d, J = 8.1 Hz, 1H); 19F NMR (CDCl3, 282 MHz) δ= -78.96 (s, 3F), 64.65 (d, J = 150.87 Hz, 4F), 81.64 (quintet, J = 147.76 Hz, 1F).
化合物(d11):収率:81%
1H NMR ((CD3)2CO, 300 MHz) δ= 3.90 (s, 3H), 7.17 (d, J = 9.3 Hz, 2H), 7.88 (t, J = 6.9 Hz, 1H), 8.04 (t, J = 6.9 Hz, 1H), 8.30 (d, J = 6 Hz, 3H), 8.94 (d, J = 7.8 Hz, 1H); 19F NMR ((CD3)2CO, 282 MHz) δ= -78.97 (s, 3F), 66.61 (d, J = 149.18 Hz, 4F), 82.56 (quintet, J = 152.56 Hz, 1F).
[実施例2]X=C、Y=SF以外であるジアリールヨードニウム塩
ペンタフルオロスルファニル臭化ベンゼン(a6)を適宜変更して実施例1と同様の反応を行い、以下の化合物(d5)および(d12)〜(d17)を合成した。
[実施例3]X=N、Y=SFであるジアリールヨードニウム塩
以下の反応を行い、ジアリールヨードニウム塩を合成した。
発明者らによって合成されたペンタフルオロスルファニル臭化ピリジン(a2)(1.65g、5.80mmol)および、ヨウ化銅(I)(111mg、0.580mmol、関東化学株式会社製)、ヨウ化ナトリウム(1.72g、11.6mmol、ナカライテスク株式会社製)をシュレンク管へ入れ、容器内をアルゴンで置換した。その後、N,N’−ジメチルエチレンジアミン(0.12mL、1.16mmol、Sigma−Aldrich社製)、1−ペンタノール(6.0mL)を加え、130℃にて72時間撹拌した。反応終了後、混合物を室温に冷却し、アンモニア水溶液(28%)と水を加え、ジクロロメタンにて抽出し、有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。続いて減圧下で溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=9/1)で精製してペンタフルオロスルファニルヨウ化ピリジン(b2)(1.82g、95%)を淡黄色固体として得た。
メタクロロ過安息香酸(77%、1.80g、8.1mmol、Sigma−Aldrich 社製)をナス型フラスコに入れ、真空下室温にて1時間乾燥した後にペンタフルオロスルファニルヨウ化ピリジン(b2)(1.80g、5.40mmol)のジクロロメタン(30mL)溶液を加えた。続いて、混合物を0℃に冷却した後にトリフルオロメタンスルホン酸(2.5mL、21.7mmol、セントラル硝子株式会社製)を滴下し、室温にて2時間撹拌した。そして、混合物を0℃に冷却した後に、メシチレン(0.80mL、5.94mmol、ナカライテスク株式会社製)を滴下し、さらに室温にて16時間撹拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を留去し、ジエチルエーテルを加えて生成物を再沈殿させ、桐山ロートを用いて固体をろ取し、ジエチルエーテルにて洗浄した。最後に固体を真空下にて乾燥させることにより、ジアリールヨードニウム塩(d2)(1.97g、61%)を白色固体として得た。
ペンタフルオロスルファニル臭化ピリジン(a2)を適宜変更して同様の反応を行い、以下の化合物を合成した。
以下に質量分析およびNMRによる分析結果とまとめて示す。本発明において、質量分析は型名LCMS−2020、島津製作所製を用いて行い、H−NMRおよび19F−NMRは、Mercury 300、 Varian 社製を用いて測定した。
化合物(d2)
MS (ESI, m/z) 450 [(M-OTf)+]; 1H NMR ((CD3)2CO, 300 MHz): δ = 2.40 (s, 3H), 2.78 (s, 6H), 7.35 (s, 2H), 8.17 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.85 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 9.17 (s, 1H); 19F NMR (CDCl3:DMSO-d6 = 24:1, 282 MHz): δ = -79.0 (s, 3F), 52.1 (d, J = 149.3 Hz, 4F), 76.2 (quint, J = 149.3 Hz, 1F),;(2ステップ)58% 収率
化合物(d4)
HRMS (ESI) calcd. for C14H14NF5SI [(M-OTf)+]:449.9812 found 449.9812;1H NMR (CDCl3, 300 MHz) δ= 2.44 (s, 3H), 2.60 (s, 6H), 7.25 (s, 2H), 7.52 (t, J = 6 Hz, 2H), 8.71 (s, 1H); 19F NMR (CDCl3, 282 MHz) δ= -78.98 (s, 3F), 53.63 (d, J = 149.46 Hz, 4F), 75.86 (quintet, J = 152.28 Hz, 1F). (2ステップ)5% 収率
[比較例1]比較用ジアリールヨードニウム塩
原料を適宜変更して、実施例1の反応を行い化合物(d18)を合成し、実施例3の反応を行い化合物(d3)を合成した。
[実施例4]抗腫瘍性
培養液(RPMI 1640 medium (Sigma-Aldrich社製))1mLに、1×10個の白血病がん細胞株(U937:ヒト単球性白血病細胞株、DSファーマバイオメディカル社製)を浮遊させた。本発明のジアリールヨードニウム塩をDMSOに溶解して、500μM、2500μM、10mMの溶液を調製した。次いで、前記癌細胞株に当該溶液をそれぞれ2μL滴下して、37℃にて24時間静置した。その後、 MuseTM Annexin V and Dead Cell Assay Kit (Merck Millipore Corporation, Darmstadt, Germany)測定キットを用いて、アポトーシスの指標となるAnnexine V陽性率を測定した。結果を図1および2に示す。
化合物(d3)の結果は図には示していないが、5μM溶液を投与した結果、Annexine V陽性率は約12%であった。
[比較例2]抗腫瘍性
化合物(d18)および(d3)と、以下の化合物を比較用化合物として準備した。化合物(b19)は実施例1に記載の反応に準じて合成した。化合物(b20)および化合物(b21)は宇部興産株式会社より入手した。これらの化合物を用いて実施例4と同様にして抗腫瘍活を評価した。
結果を図1および2に示す。本発明のジアリールヨードニウム塩は優れた抗腫瘍性を示すことが明らかである。

Claims (4)

  1. 一般式(d):
    (式中、
    XはCまたはNであり、
    Yは電子吸引基であり、
    kは、XがCのとき1〜5の整数であり、XがNのとき1〜4の整数であり、
    はメチル基またはエチル基であり、
    mは、XがCのとき0〜4の整数であり、XがNのとき0〜3の整数であり、
    は炭素数が1〜4の直鎖または分岐アルキル基であり、nは0〜5の整数であり、
    はカウンターアニオンである)
    で表されるジアリールヨードニウム塩を有効成分として含む、抗腫瘍薬。
  2. 前記Yがフッ素含有基である、請求項1に記載の抗腫瘍薬。
  3. 前記ジアリールヨードニウム塩の6員環上のIに結合している炭素を基準として、オルト位にYが結合している、請求項1または2に記載の抗腫瘍薬。
  4. 前記YがSF基である、請求項1〜3のいずれかに記載の抗腫瘍薬。
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JP2019218341A (ja) * 2018-06-13 2019-12-26 住友化学株式会社 カルボン酸塩、カルボン酸発生剤、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
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WO2023223624A1 (ja) * 2022-05-20 2023-11-23 Jsr株式会社 感放射線性樹脂組成物、パターン形成方法、感放射線性酸発生剤、及び、酸拡散制御剤

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