JP2018043448A - 積層ポリエステルフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】高温かつ長時間の加熱時に、ポリエステルオリゴマーのブリードを防止できる硬化層を有する積層ポリエステルフィルムを提供する。【解決手段】分子内にアジリジニル基を少なくとも3つ有し、かつ前記アジリジニル基含有量が1〜15mmol/gである多官能アジリジン化合物(a1)、アジリジニル基開環触媒(a2)、並びにアンモニア及び/又はアミン類(a3)を含有するオリゴマーブリード防止剤(A‘)の硬化層(A)が、ポリエステルフィルム(B)に積層されてなり、かつ、初期のヘイズ値(Ha)と、150℃で3時間加熱した後のヘイズ値(Hb)との変化量(ΔH)が1%以下である積層ポリエステルフィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、積層ポリエステルフィルムに関する。
ポリエステルフィルムは、透明性、寸法安定性、機械的特性や耐薬品性等に優れているため、磁気テープ、コンデンサー、包装、製版や電気絶縁用途などで広く利用されている。また、高い透明性が求められる光学フィルム用途、特にタッチパネル等の透明導電性積層体の基材にも使用されている。
前記透明導電性積層体は、ポリエステルフィルム表面に直接、あるいはアンカー層を介して、スパッタリングによってITO(酸化インジウムスズ)皮膜を積層した後、ITOの結晶化のために150℃程度の高温で熱処理することで得られる。
ところで、ポリエステルフィルムは高温で長時間加熱された場合、フィルム中に含まれるオリゴマー(ポリエステルの低分子量成分、特にエステル環状三量体)が、フィルム表面に析出(以下、“ブリード”ともいう)し、フィルム外観の白化による視認性の低下、後加工での欠陥、工程内や部材の汚染などが起こる。
ポリエステルオリゴマーのブリードを防止する技術としては、ポリエステルフィルム表面にポリエステル樹脂とポリイソシアネートとの二液反応樹脂からなるオリゴマー封止層を積層させたフィルムが公知である(特許文献1)。この封止層は一定のオリゴマーブリード防止性を発揮するが、長時間加熱された場合には、その効果は不十分であった。
特開平6−328646号公報
本発明は、高温かつ長時間の加熱時に、ポリエステルオリゴマーのブリードを防止できる硬化層を有する積層ポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者らは、種々の樹脂を用いて鋭意検討した結果、特定の多官能アジリジン化合物、アジリジニル基開環触媒及びアミン類を含有したオリゴマーブリード防止剤の硬化層を有する積層ポリエステルフィルムにより、前記課題を解決できることを見出した。即ち本発明は、以下の積層ポリエステルフィルムに関する。
1.分子内に下記式(1)で表されるアジリジニル基を少なくとも3つ有し、かつ前記アジリジニル基含有量が1〜15mmol/gである多官能アジリジン化合物(a1)、アジリジニル基開環触媒(a2)、並びにアンモニア及び/又はアミン類(a3)を含有するオリゴマーブリード防止剤(A‘)の硬化層(A)が、ポリエステルフィルム(B)に積層されてなり、かつ、初期のヘイズ値(Ha)と、150℃で3時間加熱した後のヘイズ値(Hb)との変化量(ΔH)が1%以下である積層ポリエステルフィルム。
(式(1)中、R及びRはそれぞれ水素又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
2.(a1)成分が3官能アジリジン化合物及び/又は4官能アジリジン化合物である、前記項1の積層ポリエステルフィルム。
3.(a1)成分が下記一般式(2)で表される化合物である、前記項1又は2の積層ポリエステルフィルム。
(式(2)中、Xは炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜3のアルキロール基を表す。R及びRはそれぞれ水素又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。Rは水素又はメチル基を表す。)
4.(a2)成分がスルホン酸基を含有する有機酸類である、前記項1〜3のいずれかの積層ポリエステルフィルム。
5.(a2)成分の含有量が、(a1)成分100重量部に対して0.5〜10重量部である、前記項1〜4のいずれかの積層ポリエステルフィルム。
6.(a3)成分におけるアミン類が第3級アミン類である、前記項1〜5のいずれかの積層ポリエステルフィルム。
7.(A‘)成分が、さらにカルボキシラートアニオン基含有アクリルコポリマー(a4)を含有する、前記項1〜6のいずれかの積層ポリエステルフィルム。
8.(a4)成分が、α,β不飽和カルボン酸類(a4−1)及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル類(a4−2)を含む単量体群(α)からなる共重合体の中和塩である前記項7の積層ポリエステルフィルム。
9.(a4)成分のカルボキシラートアニオン基含有量が0.3〜5mmol/gである、前記項7又は8の積層ポリエステルフィルム。
10.ポリエステルフィルム(B)が、ポリエチレンテレフタレート又はポリエチレン−2,6−ナフタレートである、前記項1〜9のいずれかの積層ポリエステルフィルム。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、高温かつ長時間での加熱時に、ポリエステルオリゴマーのブリードが防止されているため、加熱後も高い透明性を維持することができる。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、オリゴマーブリード防止剤(A‘)(以下、(A‘)成分ともいう。)の硬化層(A)が、ポリエステルフィルム(B)に積層されてなる。
<硬化層(A)について>
硬化層(A)は、式(1)で表されるアジリジニル基を含有する多官能アジリジン化合物(a1)(以下、(a1)成分ともいう)、アジリジニル基開環触媒(a2)(以下、(a2)成分ともいう)、並びにアンモニア及び/又はアミン類(a3)(以下、(a3)成分ともいう)を含有する(A‘)成分を硬化させてなる。以下、(A’)成分につき詳細に説明する。
(式(1)中、R及びRはそれぞれ水素又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
(a1)成分において、式(1)で表されるアジリジニル基含有量は、1〜15mmol/gである。1mmol/gを下回るとオリゴマーブリード防止性が低下し、15mmol/gを超えるとポリエステルフィルムに対する密着性が低下する。また同様の観点から、好ましくは5〜10mmol/gである。
(a1)成分は、(a2)成分の作用により前記式(1)で表されるアジリジニル基が開環し、自己重合(ポリマー化)することによって皮膜を形成する成分である。前記含有量を満たすことを前提にすれば、各種公知のものを特に制限なく使用できる。これらの中でも、オリゴマーブリード防止性及びポリエステルフィルムへの密着性を両立できる点から、3官能アジリジン化合物及び/又は4官能アジリジン化合物が好ましい。
3官能アジリジン化合物としては、例えば、下記一般式(2)で表される化合物などが挙げられる。
(式(2)中、Xは炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜3のアルキロール基を表す。R及びRはそれぞれ水素又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。Rは水素又はメチル基を表す。)
式(2)のXが炭素数1〜6(好ましくは2〜3)のアルキル基のものとしては、例えば、トリメチロールプロパン−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネ−ト]、トリメチロールプロパン−トリス[3−(1−(2−メチル)アジリジニルプロピオネ−ト)]、トリメチロールプロパン−トリス[3−(1−(2−エチル)アジリジニルプロピオネ−ト)]、トリメチロールプロパン−トリス[3−(1−(2−プロピル)アジリジニルプロピオネ−ト)]、トリメチロールプロパン−トリス[3−(1−(2−ブチル)アジリジニルプロピオネ−ト)]、トリメチロールプロパン−トリス[3−(1−(2−ペンチル)アジリジニルプロピオネ−ト)]、トリメチロールプロパン−トリス[3−(1−(2−ヘキシル)アジリジニルプロピオネ−ト)]、トリメチロールプロパン−トリス[3−(1−(2,3−ジメチル)アジリジニルプロピオネ−ト)]、トリメチロールプロパン−トリス[3−(1−(2,3−ジエチル)アジリジニルプロピオネ−ト)]、トリメチロールプロパン−トリス[3−(1−(2,3−ジエチル)アジリジニルプロピオネ−ト)]、トリメチロールプロパン−トリス[3−(1−(2,3−ジプロピルチル)アジリジニルプロピオネ−ト)]、トリメチロールプロパン−トリス[3−(1−(2,3−ジブチル)アジリジニルプロピオネ−ト)]、トリメチロールプロパン−トリス[3−(1−(2,3−ジペンチル)アジリジニルプロピオネ−ト)]、トリメチロールプロパン−トリス[3−(1−(2,3−ヘキシル)アジリジニルプロピオネ−ト)]等が挙げられる。
また、Xが炭素数1〜3のアルキロール基のものとしては、ペンタエリスリトール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネ−ト]、ペンタエリスリトール−トリス[3−(1−(2−メチル)アジリジニルプロピオネ−ト)]、ペンタエリスリトール−トリス[3−(1−(2−エチル)アジリジニルプロピオネ−ト)]、ペンタエリスリトール−トリス[3−(1−(2−プロピル)アジリジニルプロピオネ−ト)]、ペンタエリスリトール−トリス[3−(1−(2−ブチル)アジリジニルプロピオネ−ト)]、ペンタエリスリトール−トリス[3−(1−(2−ペンチル)アジリジニルプロピオネ−ト)]、ペンタエリスリトール−トリス[3−(1−(2−ヘキシル)アジリジニルプロピオネ−ト)]、ペンタエリスリトール−トリス[3−(1−(2,3−ジメチル)アジリジニルプロピオネ−ト)]、ペンタエリスリトール−トリス[3−(1−(2,3−ジエチル)アジリジニルプロピオネ−ト)]、ペンタエリスリトール−トリス[3−(1−(2,3−ジエチル)アジリジニルプロピオネ−ト)]、ペンタエリスリトール−トリス[3−(1−(2,3−ジプロピルチル)アジリジニルプロピオネ−ト)]、ペンタエリスリトール−トリス[3−(1−(2,3−ジブチル)アジリジニルプロピオネ−ト)]、ペンタエリスリトール−トリス[3−(1−(2,3−ジペンチル)アジリジニルプロピオネ−ト)]、ペンタエリスリトール−トリス[3−(1−(2,3−ヘキシル)アジリジニルプロピオネ−ト)]等が挙げられる。
また、他の3官能アジリジン化合物としては、例えば、グリセロール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネ−ト]、2,4,6−トリス(1−アジリジニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−メチル−(1−アジリジニル)]−1,3,5−トリアジン、トリ−(1-アジリジニル)ホスフィンオキシド等が挙げられる。
4官能アジリジン化合物としては、例えば、下記一般式(3)で表される化合物などが挙げられる。
(式(3)中、R及びRはそれぞれ水素又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。また、Rは水素又はメチル基を表す。)
式(3)で表される化合物としては、例えば、ペンタエリスリトール−テトラ(1−アジリジニルプロピオネ−ト)、ペンタエリスリトール−テトラ[2−ヘキシル−(1−アジリジニル)プロピオネ−ト]、ペンタエリスリトール−テトラ[2,3−ジヘキシル−(1−アジリジニル)プロピオネ−ト]等が挙げられる。
また、他の4官能アジリジン化合物としては、例えば、テトラアジリジニルメタキシレンジアミン、テトラアジリジニルメチルパラキシレンジアミン等も挙げられる。
これらの3官能アジリジン化合物及び/又は4官能アジリジン化合物は、単独でも二種以上を組み合わせても良い。中でも、オリゴマーブリード防止性の点から、式(2)で表されるものが好ましく、トリメチロールプロパン−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネ−ト]、ペンタエリスリトール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネ−ト]がより好ましい。
なお、必要に応じて、2−メチルアジリジン、2−エチルアジリジン、2−フェニルアジリジン等の単官能アジリジン化合物、ネオペンチルグリコールジ(β−アジリジニルプロピオネ−ト)等の2官能アジリジン化合物や、特開2003−104970号に記載された6官能アジリジン化合物等も併用できる。
(a2)成分としては、(a1)成分のアジリジニル基を開環できる触媒であれば各種公知のものを特に制限なく使用できる。具体的には、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸類;シュウ酸、酢酸、ギ酸等の有機カルボン酸類;メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、イソプレンスルホン酸、カンファースルホン酸、ヘキサンスルホン酸、オクタンスルホン酸、ノナンスルホン酸、デカンスルホン酸、ヘキサデカンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、クメンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ノニルナフタレンスルホン酸等の有機スルホン酸類、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、プロピルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ブトキシエチルアシッドホスフェート、オクチルアシッドホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、デシルアシッドホスフェート、ラウリルアシッドホスフェート、ステアリルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、ベヘニルアシッドホスフェート、フェニルアシッドホスフェート、ノニルフェニルアシッドホスフェート、シクロヘキシルアシッドホスフェート、フェノキシエチルアシッドホスフェート、アルコキシポリエチレングリコールアシッドホスフェート、ビスフェノールAアシッドホスフェート、ジメチルアシッドホスフェート、ジエチルアシッドホスフェート、ジプロピルアシッドホスフェート、ジイソプロピルアシッドホスフェート、ジブチルアシッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート、ジラウリルアシッドホスフェート、ジステアリルアシッドホスフェート、ジフェニルアシッドホスフェート、ビスノニルフェニルアシッドホスフェート等の有機ホスホン酸類;スルホニウム塩、ベンゾチアゾリウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩等の熱酸発生剤等が挙げられる。これらは単独でも二種以上を組み合わせても良い。これらの中でも、(a1)成分との相溶性の点から、有機スルホン酸類が好ましく、パラトルエンスルホン酸がより好ましい。
(a2)成分の含有量は、特に限定されないが、触媒活性と(a1)成分との相溶性が両立できる点から、通常は(a1)成分100重量部に対して、0.5〜10重量部程度、好ましくは1〜5重量部程度である。
(A‘)成分の構成成分には、塗工液のポットライフを確保するために、(a3)成分を含有する。
(a3)成分としては、例えば、アンモニア、モノエチルアミン、モノブチルアミン、シクロヘキシルアミン等の第1級アミン類、ジエチルアミン、ジブチルアミン等の第2級アミン類、トリエチルアミン、トリブチルアミン等の第3級アミン類、アニリン等の芳香族アミン類、アリールアミン及びアルカノールアミン等のアルカノールアミン類等が挙げられる。これらの中でも、取り扱いが容易であるアンモニア及び/又は第3級アミン類が好ましく、トリエチルアミンがより好ましい。
(a3)成分の含有量は、特に限定されないが、塗工皮膜の硬化性の点から、通常は(a1)成分100重量部に対して、0.5〜20重量部程度、好ましくは1〜10重量部程度である。
(a3)成分の添加方法は、特に限定されず、例えば、(a1)成分及び(a2)成分と共に加えても良いし、(a2)成分のみに予め加えても良い。
また、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物;水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属化合物等を併用しても良い。
(A‘)成分は、さらにアジリジニル基と架橋構造を形成できるカルボキシラートアニオン基含有アクリルコポリマー(a4)(以下、(a4)成分という)を含有しても良い。具体的には、α,β不飽和カルボン酸類(a4−1)(以下、(a4−1)成分)及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル類(a4−2)(以下、(a4−2)成分)を含む単量体群(α)(以下、(α)成分)からなる共重合体の中和塩が好ましい。
(a4−1)成分としては、各種公知のα,β不飽和カルボン酸類を特に制限なく使用できる。具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸及びイソクロトン酸等のα,β不飽和モノカルボン酸並びにその塩;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及び無水イタコン酸等のα,β不飽和ジカルボン酸並びにその塩;該α,β不飽和ジカルボン酸と炭素数1〜30程度のアルコールとのハーフエステル並びにその塩;該α,β不飽和ジカルボン酸と炭素数1〜30程度のアミンとのハーフアミド並びにその中和塩等が挙げられ、二種以上を併用しても良い。前記アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、メチルセロソルブ及びエチルセロソルブ等が挙げられる。前記アミンとしては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、n−ブチルアミン、n−ヘキシルアミン及びn−オクチルアミン等が挙げられる。前記塩を形成する化合物としては、例えば、前述の中和剤を使用できる。
(a4−2)成分としては、各種公知の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを特に制限なく使用できる。該アルキル基は直鎖状、分岐状又は環状であってよい。直鎖状のものとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸ラウリル及び(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。分岐状のものとしては、例えば、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル及び(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。環状のものとしては、例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル及び(メタ)アクリル酸イソボルニル等が挙げられ、二種以上を併用しても良い。
(α)成分には、前記(a4−1)成分及び(a4−2)成分以外の不飽和単量体(以下、(d3)成分)を含めてよい。(a4−3)成分としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ラウリル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル置換アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジt−ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジラウリル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジt−オクチル(メタ)アクリルアミド、及びN,N−ジシクロヘキシル(メタ)アクリルアミド等のアクリルアミド類;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル類;スチレン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ジメチルスチレン、アセトキシスチレン、ヒドロキシスチレン、ビニルトルエン及びクロルビニルトルエン等のスチレン類;ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スルホン化スチレン等の不飽和スルホン酸類;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、(メタ)アクリル酸アミノブチル、(メタ)アクリル酸N−メチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N−メチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸N−メチルアミノブチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノブチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノブチル等のアミノアルキル系不飽和単量体類;ポリオキシアルキレン(メタ)アクリル酸エステル類、ポリオキシアルキレングリセリン(メタ)アクリル酸エステル類、ポリオキシアルキレンモノアルキル(メタ)アクリル酸エステル類、ポリオキシアルキレンモノアルケニル(メタ)アクリル酸エステル類、ポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシアルキレングリセリン(メタ)アリルエーテル等のポリオキシアルキレン系不飽和単量体類;ビニルジメチルクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリルトリクロロシラン、4−ブテニルジメチルクロロシラン、4−ブテニルメチルジクロロシラン、4−ブテニルトリクロロシラン、5−ペンテニルジメチルクロロシラン、5−ペンテニルメチルジクロロシラン、5−ペンテニルトリクロロシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルクロロシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジクロロシラン、3−メタクリロキシプロピルトリクロロシラン、3−アクリロキシプロピルジメチルクロロシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジクロロシラン、3−アクリロキシプロピルトリクロロシラン、4−メタクリロキシブチルジメチルクロロシラン、4−メタクリロキシブチルメチルジクロロシラン、4−メタクリロキシブチルトリクロロシラン、4−アクリロキシブチルジメチルクロロシラン、4−アクリロキシブチルメチルジクロロシラン等のクロロシラン系(メタ)アクリレート類;「サイラプレーン FM−0711」、「サイラプレーン FM−0721」、「サイラプレーン FM−0725」等(いずれもJNC(株)製)等のポリシロキサンモノ(メタ)アクリレート類;2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)クリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)クリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)クリレート、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチル(メタ)クリレート、2、2、3、3−テトラフルオロプロピル(メタ)クリレート、H、1H、5H−オクタフルオロペンチル(メタ)クリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル(メタ)クリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチル(メタ)クリレート等が挙げられる。また、市販品として、「ビスコート3F」、「ビスコート4F」、「ビスコート8F」、「ビスコート8FM」、「ビスコート13FM」等(いずれも大阪有機化学工業(株)製)等のフルオロアルキル(メタ)アクリレート類等が挙げられ、二種以上を併用しても良い。
(α)成分における(a4−1)成分、(a4−2)成分及び(a4−3)成分の含有量は特に限定されないが、本発明に係るコーティング剤の硬化性の観点より、通常は以下の通りである。
<(a4−3)成分を使用しない場合>
(a4−1)成分:3〜30重量%程度、好ましくは5〜20重量%程度
(a4−2)成分:70〜97重量%、好ましくは80〜95重量%程度
<(a4−3)成分を使用する場合>
(a4−1)成分:3〜30重量%程度、好ましくは5〜20重量%程度
(a4−2)成分:20〜96重量%程度、好ましくは50〜90重量%程度
(a4−3)成分:1〜50重量%程度、好ましくは5〜30重量%程度
(a4)成分の製造方法は特に限定されず、各種公知の方法を採用できる。具体的には、例えば、(a4−1)成分及び(a4−2)成分、並びに必要に応じて(a4−3)成分を、適当な反応容器内で、通常、60〜180℃程度で1〜20時間程度重合反応させることにより得られる。各成分の反応順序は特に限定されず、順次又は一括であってよい。
反応の際、各種公知の開始剤、連鎖移動剤、及び反応溶媒として後述の溶媒を使用できる。
開始剤としては、例えば、過酸化水素、過硫酸アンモニウム及び過硫酸カリウム等の無機過酸化物類;t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド及びラウリルパーオキサイド等の有機過酸化物類;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ化合物類等が挙げられ、二種以上を併用しても良い。使用量は特に限定されないが、通常、(a4−1)成分〜(a4−3)成分の合計100重量部に対して0.01〜10重量部程度である。
連鎖移動剤は、(a4)成分の分子量を調節する目的で使用する。具体例としては、ドデシルメルカプタン、2−メルカプトベンゾチアゾール及びブロモトリクロロメタン等が挙げられ、二種以上を併用しても良い。使用量は特に限定されないが、通常、(a4−1)成分〜(a4−3)成分の合計100重量部に対して0.01〜5重量部程度である。
(a4−1)成分の全てが中和物である場合や一部が中和物である場合には、得られた共重合体は即ち(a4)成分である。(a4−1)成分の全てが未中和物である場合には、得られた共重合体を中和剤(塩基成分)で中和することにより(a4)成分が得られる。
塩基成分としては、例えば、アンモニア;モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノブチルアミン及びシクロヘキシルアミン等の第1級アミン類;ジメチルアミン及びジエチルアミン等の第2級アミン類;トリメチルアミン、トリエチルアミン及びトリブチルアミン等の第3級アミン類;アニリン、アリールアミン及びアルカノールアミン等の他のアミン類;水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物;水酸化カルシウム及び水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属化合物等が挙げられる。これらの中でも、硬化皮膜から容易に揮発し、残存しにくいアミン類が好ましく、アンモニア及び/又は第3級アミン類がより好ましい。塩基成分の使用量は特に限定されないが、通常、(a4−1)成分中の遊離のカルボキシル基に対して50〜200モル%程度となる範囲である。
(a4)成分におけるカルボキシラートアニオン基量は特に限定されないが、通常は0.3〜5mmol/g程度である。0.3mmol/g以上とすることにより、オリゴマーブリード防止性が良好になりやすく、また、5mmol/g以下とすることにより、硬化層(A)とポリエステルフィルム(B)との密着性が良好になりやすい。かかる観点より、カルボキシラートアニオン基量は、好ましくは1〜3mmol/g程度である。なお、「カルボキシラートアニオン基量」は、(a4)成分1g(固形分換算)に含まれるカルボキシラートアニオン基のモル数をいい、計算値である。
(a4)成分の他の物性としては、ガラス転移温度、数平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算値)などが挙げられる。いずれもオリゴマーブリード防止性および硬化層(A)とポリエステルフィルム(B)との密着性のバランスの点より範囲を設定すればよく、前者は通常20〜150℃程度、好ましくは70〜150℃程度であり、また、後者は通常2000〜150000程度、好ましくは10000〜100000程度である。
(a4)成分の含有量は、特に限定されないが、オリゴマーブリード防止性の点から、(a1)成分との合計含有量を100重量部として、通常は10〜250重量部程度、好ましくは50〜200重量部程度である。
(A‘)成分は、さらに溶媒を含有しても良い。溶媒としては、特に限定なく各種公知のものを使用でき、例えば、水、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、アセチルアセトン等のケトン系有機溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系有機溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系有機溶媒;エタノール、イソプロパノールなどのアルコール系有機溶媒等が挙げられ、二種以上を併用できる。
溶媒の使用量は、特に限定されないが、塗工性の点から、(A‘)成分の固形分濃度が通常、1〜50重量%程度、好ましくは5〜30重量%程度となる範囲である。
(A‘)成分には、必要に応じて、バインダー樹脂(ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂等)、防滑剤、防腐剤、防錆剤、帯電防止剤、表面処理剤、可塑剤、粘度調節剤、pH調整剤、酸化防止剤、顔料、染料、滑剤、レベリング剤、ブロッキング防止剤、消泡剤等を含めてもよい。
<ポリエステルフィルム(B)について>
ポリエステルフィルム(B)は、特に限定されず、格別公知のものを使用できる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリプロピレン−2,6−ナフタレートなどが挙げられる。これらの中でも、フィルムの透明性が高い点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートが好ましい。また、ポリエステルフィルム(B)の厚みも、特に限定されず、通常、10〜188μm程度、好ましくは25〜100μm程度であればよい。
また、ポリエステルフィルム(B)は、必要に応じて、硬化層(A)との密着性を向上させるため、ポリエステルフィルムの表面に易接着処理、コロナ処理、プラズマ処理などを施してもよい。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルム(B)の片面あるいは両面に(A’)成分を塗工し、加熱下で乾燥させることで得られる。なお、(A‘)成分を両面に塗工する場合、一方の面を塗工して乾燥させてから、他方の面を塗工して乾燥させても良く、1回で両面を同時に塗工して乾燥させても良い。
塗工手段としては、特に限定されず、具体的には、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター及びバーコーター等が挙げられる。
(A‘)成分の塗工量は特に限定されず、通常、乾燥後の質量が0.05〜2g/m程度、好ましくは0.1〜1g/m程度となる範囲であればよい。
加熱条件も特に限定されず、乾燥温度は、通常90〜130℃程度(好ましくは100〜120℃程度)で、乾燥時間は、通常0.5〜2分程度(好ましくは40〜80秒程度)である。
得られた積層ポリエステルフィルムにおける硬化層(A)の厚みとしては、特に限定されないが、オリゴマーブリード防止性とブロッキングのバランスの点から、0.1〜2μm程度、好ましくは0.2〜1μm程度である。
また、得られた積層ポリエステルフィルムは、必要に応じて、養生処理を施してもよい。処理条件は特に限定されないが、20〜50℃で1〜24時間程度である。前記処理によって硬化皮膜の耐溶剤性が良好になる。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、オリゴマーブリード防止性を(式1)に示す初期のヘイズ値(Ha)(以下、Haともいう。)と、150℃で3時間加熱した後のヘイズ値(Hb)(以下、Hbともいう。)との変化量(ΔH)で確認できる。
(式1)ΔH=Hb−Ha
なお、ヘイズはJIS K−7136に準拠して測定した値(単位:%)である。
積層ポリエステルフィルムのHaとは、前記フィルムを作製した直後のヘイズを測定した値であり、養生処理を施した場合は、該処理直後のフィルムのヘイズ値を意味する。Haとしては、通常3%以下であり、好ましくは2%以下であり、より好ましくは1%以下である。
積層ポリエステルフィルムのHbとは、150℃で3時間加熱した後のヘイズを測定した値を意味し、加熱手段としては、循風乾燥機等が挙げられる。
積層ポリエステルフィルムのHaおよびHbから算出される変化量(ΔH)は1%以下であり、好ましくは0.5%以下である。
以下、実施例及び比較例を通じて、本発明を詳しく説明するが、それらにより本発明の範囲が限定されない。また、各実施例及び比較例において、部又は%は重量基準である。
<ガラス転移温度>
ガラス転移温度は、市販の測定器具(製品名「DSC8230B」、理学電機(株)製)を用いて測定した。
<数平均分子量>
数平均分子量は、市販のゲルパーミエーションクロマトグラフィー機器(製品名「HLC−8220GPC」、東ソー(株)製)を用いて測定した。なお、測定値はポリスチレン換算値で示す。
合成例1<カルボキシラートアニオン基含有アクリルコポリマー(a4)の合成>
窒素ガス導入管、温度計、還流冷却器及び撹拌装置を備えた四つ口フラスコに、アクリル酸16部及びメタクリル酸メチル144部を仕込み、更にイソプロピルアルコール446部を加えて単量体溶液を調製した。次いで該単量体溶液に、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル3.2部を加えた。次いで、反応系を80℃にし、8時間、ラジカル重合反応を行った。次いで、反応系にトリエチルアミン22.4部、イオン交換水1000部を加え、よく撹拌し、常温まで冷却することで、固形分10%のカルボキシラートアニオン基含有アクリルコポリマーの溶液(アニオン基量:1.4mmol/g、ガラス転移温度:100℃、数平均分子量:30000)を得た。
調製例1
(a1)成分としてトリメチロールプロパン−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネ−ト](商品名「ケミタイトPZ−33」、アジリジニル基含有量6.3mmol/g、日本触媒(株)製)(以下、PZ−33という)100部、(a2)成分としてパラトルエンスルホン酸2部、(a3)成分としてトリエチルアミン1部、イソプロピルアルコール917部をよく混合して、固形分10%のオリゴマーブリード防止剤(A‘−1)を調製した。
調製例2
(a1)成分として、ペンタエリスリトール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネ−ト](商品名「CROSSLINKER CL−427」、アジリジニル基含有量7.0mmol/g、相互薬工(株)製)100部、(a2)成分としてパラトルエンスルホン酸2部、(a3)成分としてトリエチルアミン1部、イソプロピルアルコール917部をよく混合して、固形分10%のオリゴマーブリード防止剤(A‘−2)を調製した。
調製例3
(a1)成分として、PZ−33 100部、(a2)成分としてメタンスルホン酸2部、(a3)成分としてトリエチルアミン2部、イソプロピルアルコール916部をよく混合して、固形分10%のオリゴマーブリード防止剤(A‘−3)を調製した。
調製例4
(a1)成分としてPZ−33 80部、(a2)成分としてパラトルエンスルホン酸2部、(a3)成分としてトリエチルアミン1部、さらに、(a4)の溶液200部(固形分換算20部)、イソプロピルアルコール737部をよく混合して、固形分10%のオリゴマーブリード防止剤(A‘−4)を調製した。
調製例5
(a1)成分としてPZ−33 60部、(a2)成分としてパラトルエンスルホン酸2部、(a3)成分としてトリエチルアミン1部、さらに、(a4)の溶液400部(固形分40部)イソプロピルアルコール557部をよく混合して、固形分10%のオリゴマーブリード防止剤(A‘−5)を調製した。
調製例6
(a1)成分としてPZ−33 40部、(a2)成分としてパラトルエンスルホン酸2部、(a3)成分としてトリエチルアミン1部、さらに、(a4)の溶液600部(固形分60部)イソプロピルアルコール377部をよく混合して、固形分10%のオリゴマーブリード防止剤(A‘−6)を調製した。
比較調製例1
(a1)成分としてPZ−33 100部、(a2)成分としてパラトルエンスルホン酸2部、イソプロピルアルコール918部をよく混合して、固形分10%のオリゴマーブリード防止剤(E−1)を調製した。
比較調製例2
(a1)成分としてケミタイトPZ−33 100部、(a3)成分としてトリエチルアミン1部、イソプロピルアルコール899部をよく混合して、固形分10%のオリゴマーブリード防止剤(E−2)を調製した。
比較調製例3
(F)成分としてソルビトールポリグリシジルエーテル(商品名「デナコールEX−614」、ナガセケムテックス(株)製)(以下、EX−614という)100部、(a2)成分としてパラトルエンスルホン酸2部、(a3)成分としてトリエチルアミン1部、イソプロピルアルコール917部をよく混合して、固形分10%のオリゴマーブリード防止剤(E−3)を調製した。
比較調製例4
(F)成分としてEX−614 40部、(a2)成分としてパラトルエンスルホン酸2部、(a3)成分としてトリエチルアミン1部、さらに、(a4)の溶液600部(固形分換算60部)イソプロピルアルコール377部をよく混合して、固形分10%のオリゴマーブリード防止剤(E−4)を調製した。
実施例1〜6、比較例1〜5
[試験用フィルムの作製]
バーコーターを用いて、乾燥時の膜厚が0.3g/mになるようにオリゴマーブリード防止剤(A‘−1)をPETフィルム(コスモシャインA4300 50μm厚 ヘイズ:0.8 東洋紡績(株)製)上に塗工し、ドライヤーにて10秒送風した。ついで反対面に(A’−1)成分を塗工し、120℃の循風乾燥機で1分間乾燥させて、試験用フィルムを作製した。また(A‘−2)〜(A’−6)成分および(E−1)〜(E−4)も前記同様の方法で塗工し、試験用フィルムを作製した。
[初期のヘイズ]
作製直後の試験用フィルムの初期のヘイズ(単位:%)を、ヘイズメーター「HM−150」(村上色彩技術研究所)を用いて、JIS K−7136に準拠して測定した。なお、未塗工のPETフィルムを比較例5として評価した。
[加熱後のヘイズ]
試験用フィルムを温度150℃の循風乾燥機で3時間加熱した後、前記同様の方法でヘイズ(%)を測定した。なお、未塗工のPETフィルムを比較例5として評価した。


<(a1)成分>
・PZ−33(商品名「ケミタイトPZ−33」、トリメチロールプロパン−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネ−ト]、アジリジニル基含有量:6.3mmol/g、日本触媒(株)製)
・CL−427(商品名「CROSSLINKER CL−427」、ペンタエリスリトール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネ−ト]、アジリジニル基含有量:7.0mmol/g、相互薬工(株)製)
<(a2)成分>
・PTS:パラトルエンスルホン酸
・MSA:メタンスルホン酸
<(a3)成分>
・TEA:トリエチルアミン
<(F)成分>
・EX−614(商品名「デナコールEX−614」、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ナガセケムテックス(株)製)

Claims (10)

  1. 分子内に下記式(1)で表されるアジリジニル基を少なくとも3つ有し、かつ前記アジリジニル基含有量が1〜15mmol/gである多官能アジリジン化合物(a1)、アジリジニル基開環触媒(a2)、並びにアンモニア及び/又はアミン類(a3)を含有するオリゴマーブリード防止剤(A‘)の硬化層(A)が、ポリエステルフィルム(B)に積層されてなり、
    かつ、
    初期のヘイズ値(Ha)と、150℃で3時間加熱した後のヘイズ値(Hb)との変化量(ΔH)が1%以下である積層ポリエステルフィルム。
    (式(1)中、R及びRはそれぞれ水素又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
  2. (a1)成分が3官能アジリジン化合物及び/又は4官能アジリジン化合物である、請求項1の積層ポリエステルフィルム。
  3. (a1)成分が下記一般式(2)で表される化合物である、請求項1又は2の積層ポリエステルフィルム。
    (式(2)中、Xは炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜3のアルキロール基を表す。R及びRはそれぞれ水素又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。Rは水素又はメチル基を表す。)
  4. (a2)成分がスルホン酸基を含有する有機酸類である、請求項1〜3のいずれかの積層ポリエステルフィルム。
  5. (a2)成分の含有量が、(a1)成分100重量部に対して0.5〜10重量部である、請求項1〜4のいずれかの積層ポリエステルフィルム。
  6. (a3)成分におけるアミン類が第3級アミン類である、請求項1〜5のいずれかの積層ポリエステルフィルム。
  7. (A‘)成分が、さらにカルボキシラートアニオン基含有アクリルコポリマー(a4)を含有する、請求項1〜6のいずれかの積層ポリエステルフィルム。
  8. (a4)成分が、α,β不飽和カルボン酸類(a4−1)及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル類(a4−2)を含む単量体群(α)からなる共重合体の中和塩である請求項7の積層ポリエステルフィルム。
  9. (a4)成分のカルボキシラートアニオン基含有量が0.3〜5mmol/gである、請求項7又は8の積層ポリエステルフィルム。
  10. ポリエステルフィルム(B)が、ポリエチレンテレフタレート又はポリエチレン−2,6−ナフタレートである、請求項1〜9のいずれかの積層ポリエステルフィルム。
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