[第1実施形態]
第1実施形態では、本発明がスロットマシンに適用された場合の一例を説明する。図1は、本実施形態に係るスロットマシン1の全体構造を示す正面図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筺体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとを含む。前面扉1bの中央上部には、液晶表示器51が設けられている。液晶表示器51は、表示領域51aを有しており、透視窓3に対応する透過領域51bが透過可能である。これにより、表示領域51aで所定の演出を実行可能とするとともに、表示領域51aのうち透過領域51bが透過することで透視窓3を介して筐体1a内部に並設されているリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールとも称する)が視認可能となる。図2は、各リールの図柄配列を示す図である。リール2L〜2Rには、各々が識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で配列されている。なお、リールの個数は、3つに限らず、1つであってもよく、2以上であってもよい。また、可変表示部は、物理的なリールにて構成されている例を示しているが、液晶表示器などの画像表示装置にて構成されているものであってもよい。
液晶表示器51の右下には、メダルを投入可能なメダル投入部4が設けられ、前面扉1bの下部には、メダルが払い出されるメダル払出口9、スピーカ53、54が設けられている。
また、前面扉1bには、操作手段の一例として、遊技者所有の遊技用価値(メダル数)として記憶されているクレジットの範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットおよび設定済の賭数を精算して返却させる際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L〜2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56などが設けられている。
前面扉1bには、報知手段の一例として、遊技に関する情報を報知する遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、クレジットとして記憶されているメダル数が表示されるクレジット表示器11、メダルの払出枚数やエラー時にエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、設定されている賭数を報知するための1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16、メダル投入が可能であることを報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が可能であることを報知するスタート有効LED18、スタートスイッチ7の操作後においてウエイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリール2L、2C、2Rの回転開始を待機している状態)中であることを報知するウエイト中LED19、リプレイ入賞後のリプレイゲーム中であることを報知するリプレイ中LED20が設けられている。
スロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4に投入するかMAXBETスイッチ6操作などにより規定数の賭数(例えば3)を設定する。これにより、入賞ラインLNが有効となり、スタートスイッチ7への操作が有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。賭数設定済の状態でメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、リール2L〜2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するためのラインである。本実施形態では、1本の入賞ラインLNのみ設けられている例について説明するが、複数の入賞ラインが設けられているものであってもよい。また、入賞を構成する図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったことを認識しやすくする無効ラインLM1〜LM4が設けられている。無効ラインLM1〜LM4は、入賞判定されるラインではなく、入賞ラインLNに特定の入賞図柄の組合せ(いわゆるばらけ目)が揃った際に、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに所定の図柄の組合せ(例えば、ベル−ベル−ベル)を揃えることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、リール2L〜2Rを回転させて図柄を変動表示し、ストップスイッチ8L〜8Rが操作されると対応するリールの回転を停止させることで、透視窓3の上中下段に3つの図柄を表示結果として導出表示する。入賞ラインLN上に入賞図柄の組合せが停止し入賞が発生したときには、入賞に応じて、所定枚数のメダルが遊技者に対して付与されて、クレジット加算か、クレジットが上限数(50)に達した場合にはメダル払出口9からメダルが払い出される。
図3は、スロットマシン1の内部構造を示す図である。図4は、スロットマシン1の機能構成例を示す図である。図4の例では、遊技の進行を制御するとともに、遊技の進行に応じて各種コマンドを出力する遊技制御基板40、コマンドに応じて所定の演出を制御する演出制御基板90、電気部品の駆動電源を生成する電源基板101、遊技の進行に応じた信号を外部に出力する外部出力基板1000などが設けられている。
遊技制御基板40は、各種の操作手段や検出手段(図4の遊技制御基板40の左側に例示)などのスイッチ類からの検出信号に基づいて遊技を進行させ、報知手段(図4の遊技制御基板40の左側に例示)などの表示機器類を駆動制御する。また、遊技制御基板40は、リールセンサ33L〜33Rからの信号に基づき、リールモータ32L〜32Rを駆動制御する。
遊技制御基板40には、メイン制御部41などの回路構成(図4の遊技制御基板40内に例示)が搭載されている。メイン制御部41は、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。
演出制御基板90は、演出用スイッチ56が接続され、また液晶表示器51などの演出装置(図4の演出制御基板90の左側に例示)を駆動制御する。演出制御基板90には、サブ制御部91などの回路構成(図4の演出制御基板90内に例示)が搭載されている。サブ制御部91は、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行う処理を行うとともに、演出制御基板90に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。サブ制御部91は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。サブ制御部91の回路構成には、たとえば、日および時刻のうちの少なくともいずれか一方を計時するための時計装置97(以下では、RTCともいう)を含む。サブ制御部91は、たとえば、RTC97により計時された日および時刻のうちの少なくともいずれか一方の値や、演出用スイッチ56からの検出信号などに応じて演出制御を実行可能である。電源基板101には、ホッパーモータ34b、各種の操作手段や検出手段(図4の電源基板101の右側に例示)などが接続されている。
図5および図6は、入賞役の種類、入賞役の図柄組み合わせ、及び入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。名称欄には、入賞役の名称を示し、図柄の組合せ欄には、その入賞役が入賞となる図柄の組合せを示している。また、無効ラインに揃う図柄の組合せ欄には、入賞となる図柄の組合せが入賞ラインに停止したときに無効ラインに停止する図柄の組合せであって遊技者が認識しやすい図柄の組合せを示している。払出枚数欄には、入賞時に付与される価値(メダル払出、再遊技付与)を示している。BB1、BB2は、ボーナスという有利な状態への移行を伴う入賞役である。BB1、BB2の払出枚数欄には、入賞により移行されるボーナスの終了条件が示されている。ボーナスは、各々、予め定められたメダル枚数以上払出されることにより終了する。たとえば、BB1に当選・入賞して制御されるボーナスについては、当該ボーナス中に払出されたメダル枚数が351枚以上となったゲームにおいて終了する。
また、図6の遊技状態欄には、入賞時に移行される遊技状態を示している。また、「/」は、「または」を示している。例えば、図6の転落リプレイについて、図柄の組合せは、「ベル‐リプレイ‐ベル」となり、入賞時にはRT1に制御され、付与される価値は再遊技付与である。また、転落リプレイの図柄の組合せが入賞ライン上に停止したときには、無効ライン上に「リプレイ/プラム‐リプレイ‐リプレイ/プラム」が停止する。また、特別リプレイの図柄の組合せが入賞ライン上に停止したときには、無効ライン上に「黒BAR/白BAR−黒BAR/白BAR−黒BAR/白BAR」が停止する。「黒BAR/白BAR−黒BAR/白BAR−黒BAR/白BAR」は、特別リプレイに当選しているときにのみ無効ライン上に停止可能であって、特別リプレイに当選していないときにはいずれのライン上にも停止されない図柄の組合せである。
また、再遊技役(リプレイ)は、再遊技を付与する役である。ここで、再遊技とは、遊技者所有の遊技用価値(たとえば、クレジット)を用いることなく次の遊技を行うことが可能であることをいう。換言すると、再遊技とは、遊技者所有の遊技用価値を用いることなく可変表示部が変動表示可能となることであることをいう。本実施形態では、再遊技役が当選すると、導出操作手段の操作手順(操作順序、および操作タイミングのうちの少なくとも1つ)に関わらず、入賞する。なお変形例として、再遊技役は、当選したとしても、導出操作手段の操作手順によっては、入賞しない役(つまり、取りこぼしのある役)であるとしてもよい。
図7は、移行出目の図柄組合せを示す図である。移行出目は、図14に示す左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4が当選し、右下がりベルあるいは中段ベルの入賞条件となるリール以外を第1停止とし、かつ当選している上段ベルを取りこぼした場合に、入賞ラインLNに揃う出目である。RT0、2、3中において移行出目が入賞ラインLN上に停止すると、RT1へ移行される。
図8は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図であり、図9は、遊技状態及びRTの概要を示す図である。本実施形態におけるスロットマシン1は、リプレイが所定の当選確率(図9の上図の再遊技役欄の数値参照)で当選するRT0〜RT4と、小役の当選確率がRT0〜RT4中であるときよりも向上するボーナスとを含む複数種類の遊技状態のうち、開始条件が成立してから終了条件が成立するまで対応するいずれかの遊技状態に制御される(図8の矢印に沿って示した入賞役あるいは出目参照、図9の上図の開始条件・終了条件欄の参照)。
BB1、BB2のいずれかに当選したときには、RT4に制御される。BB1、BB2のいずれかが当選したときに設定される当選フラグは、当選しているBBの入賞が発生するまで持ち越される。また、RT4についても、BB当選からBB入賞発生まで継続して制御される。RT4中においては、RT0およびRT2中よりも低く、RT1およびRT3中と同じ確率(図9の上図の再遊技役欄の数値参照)でリプレイに当選する。なお、RT4におけるリプレイ確率は、当選した小役を取りこぼすことなく入賞させることができたとしても、払出率が1を超えない確率に設定されている。つまり、RT4におけるリプレイ確率は、RT4中に当選した小役を取りこぼすことなく入賞させた場合に払出されるメダルの合計枚数が、RT4中においてメダルあるいはクレジットを賭数の設定に用いたメダルの合計枚数を超えず、メダルが増加しない確率に設定されている。RT4中においてBB入賞が発生すると、ボーナスに制御されて、図5で説明したメダル枚数以上払出されることによりボーナス終了となり、RT3へ制御される。内部抽選されるリプレイの種類は、RTの種類毎に定められている(図9の下図の丸印が抽選されるリプレイを示す)。
図10および図11は、遊技状態毎に抽選対象役(以下、当選役ともいう)として読み出される抽選対象役の組合せを示す図である。抽選対象役欄には、その名称を示し、遊技状態欄には、RTの種類毎に、丸印でその抽選対象役が抽選対象であることを示し、丸印の下の数値により当選確率にかかわる判定値数を示している。例えば、ベルは、RT0〜RT3いずれかの状態において、360/65536で当選する抽選対象役である。RT4中は、ボーナス抽選されないが、ボーナスと同時当選し得る入賞役(以下では、同時当選役ともいう)の当選確率が他のRT中と同確率となるように、同時当選役であるベルや弱スイカについては括弧内に示す判定値数で内部抽選が行われる。
図11に示すように、特別リプレイは、RT2に制御されているときにのみ抽選対象役となるように定められている。また、ボーナス中においては、たとえば、中段ベルが抽選対象役に設定されており、極めて高い確率(64000/65536)で当選するように定められている。また、中段ベルは、操作タイミングにかかわらず入賞を発生し得る役である。このため、ボーナス中においては、操作タイミングおよび操作手順にかかわらず、極めて高い確率で中段ベル入賞を発生させることができ、メダル枚数を効率的に増加させることができる。このため、ボーナスは、遊技者にとって有利な状態である。
図12は、抽選対象役に含まれる入賞役の組合せを示す図である。例えば、弱チェリーは、下段チェリーである。弱スイカは、右下がりスイカと、上段スイカと、中段スイカとを含む。よって、内部抽選で弱スイカに当選したときには、右下がりスイカと、上段スイカと、中段スイカとに当選したことになる。
抽選対象役のうちボーナス1〜ボーナス12は、BB1またはBB2と弱チェリーやベルなどの所定の入賞役が同時に読み出されて当選し得る役である。また、図10で示したように、ボーナス1〜ボーナス12は、異なる判定値数が定められている。このため、遊技者にとっての有利度であって、同時当選役に当選したときにBB1またはBB2が実際に同時当選している割合(以下、信頼度ともいう)が、ボーナス6や12などに含まれる中段チェリーが最も高く、続いて、強チェリー、強スイカ、弱チェリー、弱スイカの順となり、ベル(以下、中段ベルともいう)が最も低くなるように、判定値数が定められている。
図13および図14は、複数の入賞役が同時当選したときのリール制御を説明するための図である。当選した抽選対象役毎に、押し順欄に示す押し順で停止操作されたときに、その右の停止する図柄組合せに示す入賞役の図柄組合せを入賞ラインLNに停止させるリール制御が行なわれる。例えば、リプレイGR1が当選したときにおいて、押し順が左中右であるときは、昇格リプレイ1が導出されて、押し順が左中右以外であるときは通常リプレイが導出される。また、例えば、左ベルが当選したときにおいて、押し順が左第1停止であるときは、右下がりベルが導出されて、押し順が左第1停止以外であれば、上段ベルまたは移行出目が導出される。
また、同時当選役に当選しているときには、当該同時当選役に当選していないときと異なるリール制御が行われ得る。たとえば、弱スイカに当選しているときには、中段スイカよりも右下がりスイカあるいは上段スイカを優先して入賞ライン上に引き込むリール制御が行われるのに対し、強スイカに当選しているときには、右下がりスイカおよび上段スイカのいずれよりも中段スイカを優先して入賞ライン上に引き込むリール制御が行われる。また、弱チェリーあるいは強チェリーが当選しているときには、下段チェリーを入賞ライン上に引き込むリール制御が行われ、中段チェリーが当選しているときには、中段チェリーを入賞ライン上に引き込むリール制御が行われる。これにより、リール2L〜2Rが停止したときの図柄の組合せから、チェリーかスイカか、弱か強か、あるいは、中段チェリーか否かなどを推定可能となり、ボーナス当選あるいはAT当選に対する期待感を異ならせることができる。
スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L〜2Rが停止するまでをいうが、ゲームを行う際にスタートスイッチ7の操作前の賭数設定や、リール2L〜2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれる。
また、本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、設定値に応じて、後述する内部抽選で用いる当選確率を決定することにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値に応じて当選確率が変化することを設定差あり、設定値に応じて当選確率が変化しないことを設定差なしとも言う。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。ただし、複数種類の抽選対象役のうち、遊技者にとっての有利度合いが高い状態(CZと呼ばれるAT抽選の高確率状態、および後述するATのような純増枚数が多くなる状態など)にある区間へ移行するか否かを決定する有利区間作動抽選の対象となる抽選対象役は、設定差がない。一方、複数種類の抽選対象役のうち、有利区間作動抽選の対象にならない抽選対象役は、設定差があってもよい。なお、設定値を変更するためには、スロットマシン1の内部に設けられた操作部(図示せず)を管理者が操作し、設定値を変更可能な設定変更状態に移行させればよい。また、設定値を確認するためには、管理者が所定の操作をして、設定値を確認可能な設定確認状態に移行させればよい。
なお、設定値の設定に応じて内部抽選の当選確率を変化させること、設定値の設定に応じて有利区間作動抽選の当選確率を変化させること、および設定値の設定に応じて内部抽選の当選確率を変化させるとともに有利区間作動抽選の当選確率を変化させることのいずれが行われるものであってもよい。
[ゲーム処理]
メイン制御部41は、ゲーム制御処理を行って1回のゲームを制御する。ゲーム制御処理では、まず、賭数設定やクレジット精算・賭数精算するためのBET処理が行われる。
賭数設定後、スタートスイッチ7が操作されると、所定の乱数回路から乱数値を抽出し、当該抽出した乱数値に基づいて入賞の発生を許容するか否かを決定(内部抽選)するための内部抽選処理(図10〜図12など参照)が行われる。乱数回路は、所定の数値範囲(0〜65535)内の数値を所定の更新規則にしたがって更新する。メイン制御部41は、スタートスイッチ7が操作されたときに乱数回路が更新している数値を乱数値として抽出する。内部抽選において抽選対象役に当選したときには、当該抽選対象役に含まれる入賞役の当選フラグがRAMの所定領域に設定される。たとえば、BB1に当選したときには、BB1当選フラグが設定され、強チェリーに当選したときには、下段チェリーの当選フラグと、1枚役の当選フラグとが設定される。BB1、BB2の当選フラグについては、当選したBBに入賞するまで持ち越される一方、BB1、BB2以外の入賞役に対応する当選フラグは、入賞の発生の有無にかかわらず、当選したゲームが終了したときに消去される。
内部抽選処理が終了すると、リール回転処理が行われる。リール回転処理では、前回ゲームのリール回転開始から所定時間(例えば、4.1秒)経過していることを条件に、リール2L〜2Rの回転を開始させた後、ストップスイッチ8L〜8Rを有効化し、停止操作に応じてリールの回転を停止させる(図13、図14など参照)。リール回転処理では、所定のフリーズ条件が成立しているときに、ゲームの進行を所定期間に亘って遅延(ストップスイッチ8L〜8R各々の停止操作の有効化を遅延)させるフリーズ演出を実行するためのフリーズ演出処理を実行した後に、ストップスイッチ8L〜8Rを有効化して通常ゲームに移行させる。
リール2L〜2Rが停止してリール回転処理が終了すると、入賞ライン上の図柄組合せに基づいて入賞などが発生したか否かを判定する入賞判定処理(図5〜図7など参照)が行われる。また、入賞ライン上の図柄組合せに応じて、図8で示した状態に制御する。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる。払出処理では、入賞の発生に応じてメダルの払出しまたはクレジット加算や、入賞に関わらない各種の処理(たとえば、ボーナス中のメダル払出枚数を計数してボーナスの終了制御に関する処理や、持ち越しのない当選フラグ(小役・再遊技役等の当選フラグ)の消去など)が行われる。また、BB1、BB2のいずれかに入賞したと判定されたときには、入賞したBBの当選フラグを消去する。ゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理(図8、図9など参照)を実行する。これにより、1ゲーム分のゲーム制御処理が終了し、次の1ゲーム分のゲーム制御処理が開始する。
[ATに関する処理について]
メイン制御部41は、ボーナスやRT2などの有利な状態に加えて、AT(アシストタイム)に制御可能である。メイン制御部41は、ATに制御するか否かのAT抽選を実行する。また、メイン制御部41は、AT抽選でATに制御すると決定した場合にATに制御し、遊技者にとって有利な図柄組合せを入賞ラインLN上に停止させるための操作手順(押し順)を特定可能なナビ演出を実行するための処理を実行する。
メイン制御部41は、非AT中においては、特定の抽選対象役(本実施形態では、図12に示すベル、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、BB1、BB2)が当選した場合に、ATに制御するか否かを決定するAT抽選処理を行う。AT抽選処理は、たとえば内部抽選処理において内部抽選が行われた後に実行されるようにしてもよく、1ゲームの進行において予め定められたタイミングで実行されるものであればよい。なお、特定の抽選対象役は、内部抽選においてBB1、BB2、同時当選役である例について説明するが、これに限らず、同時当選役の一部を含むものであってもよく、またBB1またはBB2と同時当選し得ない入賞役を含むものであってもよい。
AT抽選処理では、ATに制御するか否かを決定するとともに、ATに制御すると決定したときには、複数種類のゲーム数(たとえば、10、30、50、100、150、200、250、300)からATゲーム数を決定する。ATゲーム数は、メイン制御部41のRAMの所定領域において記憶する。また、メイン制御部41は、ATを開始するタイミングを抽選する。メイン制御部41は、たとえば、AT当選ゲームから0〜32ゲーム経過でATを開始すること(ATを開始するタイミング)を乱数値の抽選により決定する。また、AT中は、該ATに制御される残りゲーム数であるAT残りゲーム数が所定領域(本実施形態では、図17(A)などに示すように、左上の領域)に表示する。
遊技者にとっての有利度である、AT抽選においてATに制御すると決定される信頼度やATに制御するときに決定されるATゲーム数の期待値(獲得する平均ゲーム数)は、特定の抽選対象役の種類に応じて異なるように定められており、たとえば、中段チェリーが最も高く、続いて、強チェリー、強スイカ、弱チェリー、弱スイカの順となり、ベルが最も低くなるようにAT抽選が行われる。また、AT抽選においてATに制御すると決定される信頼度、および、ATに制御するときに決定されるATゲーム数の期待値は、同じ特定の抽選対象役に当選しているときであっても、当該特定の抽選対象役がBB1またはBB2と同時当選していないとき(たとえば、強チェリー当選時)よりも、BB1またはBB2と同時当選しているとき(たとえば、BB1+強チェリー当選時)の方が高くなるようにAT抽選が行われる。
サブ制御部91は、内部抽選において同時当選役に当選してAT抽選が行われたときには、BB当選およびAT当選したか否かを示唆する当選示唆演出を所定タイミングで実行するための処理を行う。当選示唆演出としては、たとえば、所定画像を液晶表示器51に表示させる演出が設けられている。所定画像を表示させる演出には、たとえば、キャラクタA演出、キャラクタB演出、ボタン演出、連打演出、などが含まれる。このような所定画像を表示させる演出は、スピーカ53、54から所定の効果音を出力する制御や、演出効果LED52やリールLED55などを点灯させる制御とともに行われる。なお、いずれかの制御が単独で行われてもよいし、2つ以上の組合せ(たとえば、所定画像と音とが実行され、LEDの点灯が実行されない等)で実行されるようにしてもよい。
キャラクタA演出とは、キャラクタAを表示させる演出である。キャラクタB演出とは、キャラクタBを表示させる演出である。ボタン演出とは、ボタン画像を表示させて演出用スイッチ56への操作を促し、演出用スイッチ56への操作に応じてBB当選あるいはAT当選の信頼度を示唆する所定画像を表示させる演出である。連打演出とは、演出用スイッチ56への連打操作を促し、所定操作期間内における演出用スイッチ56への連打操作に応じて所定のメータ画像を増加させて、MAXに到達することなどによりBB当選あるいはAT当選している旨を示唆する演出である。
サブ制御部91は、BB当選およびAT当選しているか、BB当選あるいはAT当選のいずれか一方だけ当選しているか、あるいは、BB当選もAT当選もしていないかに応じて異なる割合で、当選示唆演出を実行するか否か、および、実行する当選示唆演出の種別をいずれにするかを決定するための当選示唆演出抽選処理を実行する。
当選示唆演出抽選処理では、少なくともBB当選あるいはAT当選しているときには必ず当選示唆演出を実行する旨を決定し、BB当選もAT当選もしていないときでも所定割合で当選示唆演出を実行する旨を決定する。所定割合は、たとえばBB当選の信頼度が高い小役当選であるとき程、高い割合に設定されている。これにより、当選示唆演出は、BB当選あるいはAT当選している場合だけでなく、BB当選もAT当選もしていないときでも実行される。
また、当選示唆演出抽選処理では、当選示唆演出を実行すると決定したときには、少なくともBB当選あるいはAT当選しているかいずれにも当選していないかに応じて異なる割合で当選示唆演出の種別を決定する。具体的に、遊技者にとっての有利度であって、実行されたときにBB当選あるいはAT当選している信頼度が、連打演出、ボタン演出、キャラクタB演出の順となり、キャラクタA演出が最も低くなるように、当選示唆演出の種別が決定されるように割合が定められている。なお、実行する演出としては、一の当選示唆演出が決定されるものに限らず、複数の当選示唆演出が決定され得るようにしてもよい。
サブ制御部91は、後述する内部当選コマンドおよびAT抽選時コマンドにより、特定の抽選対象役に当選したこと、AT当選したこと、ATの当選または非当選、ATゲーム数、AT開始タイミングを特定する。当選示唆演出を実行する所定タイミングは、ATを開始するタイミングの抽選(AT当選ゲームから0〜32ゲーム経過でATを開始することの抽選)で決定されたAT開始タイミングの前ゲームである。たとえば、AT開始タイミングが0ゲーム後と決定されたなら当該ゲーム(AT当選ゲームにてAT当選が報知される)に当選示唆演出が実行される。また、AT開始タイミングが32ゲーム経過後と決定されたなら31ゲーム間は、前兆演出(AT当選を煽る演出)を実行し、32ゲーム目に当選示唆演出を実行し、AT当選を報知する。
ここで、サブ制御部91は、ATに非当選したことをAT抽選時コマンドにより特定した場合にもガセの演出として当選示唆演出(ATが非当選であることを報知する演出)を実行する。たとえば、サブ制御部91は、内部当選コマンドにより特定の抽選対象役に当選し、AT抽選時コマンドによりATに非当選であることを特定することができるが、ATを開始するタイミングは、メイン制御部41では決定されていない。このような場合には、サブ制御部91が0〜32ゲームからガセの当選示唆演出を実行するゲーム数の抽選を行い、ガセの当選示唆演出のゲーム数を決定する。
メイン制御部41は、BB当選せずにAT当選しているときにはAT開始タイミングとなったときに、ATフラグを設定してATに制御する。一方、メイン制御部41は、BB当選とともにAT当選しているときには、BB入賞してボーナスが終了したときにATフラグを設定し、ボーナス終了後の次のゲームからATに制御する。ここで、ATへの制御は、たとえばAT開始タイミングが10ゲームと決定されている場合には、10ゲームが0ゲームとなったタイミングで制御されるようにしてもよいし、0ゲームとなった次のゲームのタイミングで制御されるようにしてもよい。
ATフラグは、メイン制御部41のRAMの所定領域において記憶し、ATゲーム数が0に到達したときにクリアされる。メイン制御部41は、ATフラグに基づいてAT中であるか否かを特定する。AT中においては、後述するようにナビ演出が実行される結果、RT2に制御可能となる。AT開始後におけるATゲーム数の減算は、たとえば、RT0において特殊リプレイに当選(減算開始契機が成立)した次のゲームから開始する。BB終了後に開始されるATについても同様である。これにより、メイン制御部41は、決定したATゲーム数にわたりAT+RT2に制御可能となる。
メイン制御部41は、AT中においては、特別の抽選対象役(本実施形態では、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、特別リプレイ)が当選した場合に、ATゲーム数の上乗せゲーム数(0ゲームも含む)を決定する上乗せ抽選を行う。上乗せ抽選は、たとえば内部抽選処理において内部抽選が行われた後に実行されるようにしてもよく、1ゲームの進行において予め定められたタイミングで実行されるものであればよい。また、後述するように、AT中はAT残りゲーム数が表示される。上乗せ抽選において、1以上の上乗せゲーム数が決定された場合には、表示されているAT残りゲーム数を、該決定された上乗せゲーム数分だけ増加更新させる。つまり、上乗せ抽選は、表示されているAT残りゲーム数を更新させるか否かを決定する抽選ともいえる。
上乗せ抽選では、ATゲーム数を上乗せするか否かを決定するとともに、上乗せすると決定したときには、複数種類のゲーム数(たとえば、10、30、50、100、150、200、250、300)からATゲーム数に上乗せする上乗せゲーム数を決定する。決定された上乗せゲーム数は、メイン制御部41のRAMの所定領域において記憶されているATゲーム数に加算される。これにより、メイン制御部41は、ATに制御するゲーム数を上乗せする。
サブ制御部91は、上乗せ抽選が行われたときには、上乗せ当選したか否かを示唆する上乗せ示唆演出を所定タイミングで実行するための処理を行う。上乗せ示唆演出としては、所定画像を液晶表示器51に表示させる演出など、どのようなものであってもよい。
[各種コマンドについて]
メイン制御部41は、上記に例示した処理の実行に応じた遊技の進行状況および処理結果を特定可能なコマンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、各種処理を行う。
本実施形態では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、内部当選コマンド、押し順コマンド、ストップスイッチやスタートスイッチの操作コマンド、遊技状態コマンド、AT抽選時コマンド、AT中コマンド、ATゲーム数コマンドなどを含む複数種類のコマンドを送信する。
内部当選コマンドは、内部抽選の結果に応じて当選した抽選対象役が属するグループを特定可能なコマンドである。内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始されたときに送信される。サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信することにより、スタートスイッチ7の操作、および当選した抽選対象役が属するグループを特定可能である。
押し順コマンドは、内部抽選において当選した抽選対象役に応じて、遊技者にとって有利となる図柄組合せを停止させるための操作手順(正解手順ともいう)を特定可能なコマンドである。押し順コマンドは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始されたときに送信される。AT中においては、正解手順を特定可能な押し順コマンドが送信されるのに対して、非AT中においては、正解手順を特定可能な押し順コマンドは送信されない。このため、サブ制御部91は、AT中においては押し順コマンドを受信することにより、正解手順を特定可能となる一方で、非AT中においては正解手順を特定できないようになっている。
ストップスイッチやスタートスイッチの操作コマンドはストップスイッチやスタートスイッチが操作されたことを示すコマンドであり、各操作時に送信される。遊技状態コマンドは遊技状態が移行したときに送信される。具体的にはRTが移行したときやボーナスに制御されたときに送信される。
AT抽選時コマンドは、AT抽選が行われたときに送信され、AT抽選に当選したか否か、当選したATゲーム数が何ゲームであるか、および、AT開始タイミングが何ゲーム目(AT当選から何ゲーム目)であるかなどを特定可能なコマンドである。
AT中コマンドは、ゲームが開始したときに送信され、当該ゲームがAT中におけるゲームであるか否かを特定可能なコマンドである。たとえば、ATゲーム数が付与されていてもATフラグがセットされておらずATが開始されていなければ、非ATを特定可能なコマンドが送信され、ATゲーム数が付与されておりかつATフラグがセットされておりATが開始されているときには、ATを特定可能なコマンドが送信される。
ATゲーム数コマンドは、メイン制御部41が管理するATゲーム数を特定可能なコマンドであって、ゲームが開始したときに送信される。たとえば、ATゲーム数が0であるときには、0を特定可能なコマンドが送信され、ATゲーム数が100であるときには、100を特定可能なコマンドが送信される。
サブ制御部91は、当選示唆演出抽選によって、当選示唆演出を実行する旨およびその種別を決定したときには、BB抽選・AT抽選の結果などに応じた当選示唆演出を次ゲーム開始時に実行した後に、BB抽選およびAT抽選の結果を報知する。
BB抽選およびAT抽選の結果としては、いずれも非当選であったときには「残念!」といったメッセージを液晶表示器51に表示させる演出が実行され、BB当選であったときには「BB確定!」といったメッセージを液晶表示器51に表示させる演出が実行され、AT当選であったときには「AT確定!」といったメッセージとともに「100ゲーム獲得!」といったように獲得したATゲーム数を特定可能なメッセージを液晶表示器51に表示させる演出が実行され、BB当選かつAT当選であったときには「BB・AT確定!」といったメッセージとともに「BB終了後100ゲームに亘りAT!」といったように獲得したATゲーム数を特定可能なメッセージを液晶表示器51に表示させる演出が実行される。なお、BB当選したゲームにおいてBB入賞した場合には、サブ制御部91は、BB当選を報知するための当選示唆演出を実行しない。
また、サブ制御部91は、ATゲーム数コマンドに基づき、ATゲーム数のみならず、前回受信時のATゲーム数との差数を算出することでAT当選あるいは上乗せ当選により獲得したATゲーム数を特定し、上乗せ示唆演出を実行する。
本実施の形態では、状態に応じた背景画像による演出、ナビ演出、当選示唆演出、および、上乗せ示唆演出などをサブ制御部91が所定の報知手段を制御することにより実行する例について説明した。しかし、これらサブ制御部91の制御に替えてあるいは加えて、状態に応じた背景画像による演出、ナビ演出、当選示唆演出、および、上乗せ示唆演出などについては、メイン制御部41に接続された報知手段を当該メイン制御部41が制御することにより実行するようにしてもよい。たとえば、状態に応じた背景画像による演出については、図4に示す遊技補助表示器12を用いて、状態に対応する情報を表示することにより実行するようにしてもよい。また、ナビ演出については、図4に示す左・中・右停止有効LED22L〜22Rを用いて、停止すべきストップスイッチに対応するLEDのみを点灯させることにより実行するようにしてもよい。なお、左・中・右停止有効LED22L〜22Rとは、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部に設けられ、通常時においては対応するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知するLEDである。また、当選示唆演出、および、上乗せ示唆演出については、図4に示す遊技補助表示器12を用いて、抽選結果に応じた情報を表示し、AT当選あるいは上乗せ当選しているときには獲得したATゲーム数を表示するようにしてもよい。
[ゲームの流れ]
ここで、図8および図9を再び参照し、ゲームの流れに関しまとめて説明する。まず、RT4およびボーナス以外のRT0〜RT3におけるゲームの流れを説明する。RT0〜3においては、AT中であるか否かによって、それぞれ、以下に説明するようなゲームの流れとなる。まず、非AT中のゲームの流れについて説明する。
設定変更状態が終了した後において、RT3に制御される。設定変更状態に制御されることにより非ATとなるため、RT3ではATに制御されず、ナビ演出が実行されない。このように、RT3においてナビ演出が実行されることがないため、RT3において左ベル1〜4などのベルのうちの何れかに当選すると、第2停止と第3停止のタイミングによっては移行出目が導出される(図14参照)。よって、いつまでも移行出目が導出されずにRT1に移行されないといった不都合の発生を防止することができる。
RT1では、昇格リプレイに入賞することにより、RT0に移行する。昇格リプレイに入賞するためには、図13で示したように、リプレイGR1〜6の何れかに当選しかつ昇格リプ入賞させるための操作手順で停止操作する必要がある。
また、RT0に制御された場合でも、当該RT0への制御を維持することが困難となるように設定されている。すなわち、図11および図13で示したように、RT0では、リプレイGR11〜13に当選する可能性があり、このときには2/3の確率で転落リプレイが入賞してRT1に転落してしまう。
さらに、RT0で左ベル1〜4などのベルのうち何れかに当選した場合において、所定のリール(図14に示す右下がりベルあるいは中段ベルを入賞させるためのリール)以外が第1停止されたときには、第2停止と第3停止のタイミングによっては移行出目が導出されてRT1に転落してしまう。また、図11および図13で示したように、RT0では、リプレイGR21〜23に当選する可能性があり、このときに、所定のリール(図13に示す特殊リプレイを入賞させるためのリール)を第1停止すると特殊リプレイが入賞してRT2に制御される可能性がある。しかし、RT2に制御された場合でも、左ベル1〜4などのベルのうち何れかに当選したときには、所定のリール(図14に示す右下がりベルあるいは中段ベルを入賞させるためのリール)以外が第1停止されたときには、第2停止と第3停止のタイミングによっては移行出目が導出されてRT1に転落してしまう。その結果、非AT中のときの遊技の大部分は、RT1において消化されることとなる。
次に、AT中であるときのゲームの流れについて説明する。RT1では、リプレイGR1〜6の何れかに当選したときに、昇格リプレイを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、昇格リプレイの入賞によりRT0に移行させることができる。RT0では、リプレイGR11〜13の何れかに当選したときに、通常リプレイを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、通常リプレイ入賞によりRT0を維持することができる。また、RT0では、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のうち何れかに当選したときに、右下がりベルまたは中段ベルを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、移行出目の導出を回避させてRT0を維持させることができる。さらに、RT0では、リプレイGR21〜23の何れかに当選したときに、特殊リプレイを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、特殊リプレイ入賞によりRT2に移行させることができる。
RT2では、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のうち何れかに当選したときに、右下がりベルまたは中段ベルを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、移行出目の導出を回避させてRT2を維持させることができる。
このように、本実施の形態のスロットマシン1において、AT中であるときには、RT2に制御されるように、かつRT2が維持されるように、ナビ演出が実行されるため、AT中であるときの遊技の大部分は、RT2において消化されることとなる。なお、ATはATゲーム数が0になると終了する。ATのゲーム数は、RT2+AT(本実施の形態では、遊技者にとって有利なRT2においてATに制御されている状態を、特に、アシストリプレイタイム(以下、ARTという)と呼ぶ。)に制御することが可能になったゲームの次ゲーム、すなわちRT0でリプレイGR21〜23のいずれかに当選し、特殊リプレイが入賞可能となったゲームの次ゲームからカウント開始される。これにより、実質的にはARTでATゲーム数分のゲームを消化するとATが終了する。そして、ATの終了によりARTが終了することとなる。
ARTが終了した後においてはナビ演出が実行されなくなるが、移行出目が導出するまでRT2への制御が維持される。しかし、ARTが終了した後のRT2中は、非AT中であるため、前述したように所定のリール(図14に示す右下がりベルあるいは中段ベルを入賞させるためのリール)以外が第1停止される。その結果、ARTが終了した後のRT2中においては、ARTが終了してから極めて早い段階で移行出目が停止することによりRT1に移行される。
次に、BB1あるいはBB2に当選した後のゲームの流れについて説明する。いずれのRTに制御されているかにかかわらず、BB1あるいはBB2に当選したときには、図8で示したとおり、RT4へ制御される。また、BB当選ゲーム終了後の次ゲームにおいて当選示唆演出が実行されてBB当選している旨が報知されて、遊技者はBB1あるいはBB2に当選したことを把握することができる。BB入賞が発生すると、対応するボーナスに移行されて、所定の終了枚数払出されたときに終了して、RT3へ移行される。ここで、BBが他の抽選対象役と同時当選している場合は、BB以外の抽選対象役が優先的に入賞するようにリール制御される。そのため、RT4において小役または再遊技役に当選する確率が高い場合は、BB入賞が発生しにくく、ボーナスに移行しにくくなる。そこで、RT4においては、再遊技役に当選する確率がRT0またはRT2に比べて低くなるように設定されている(図9参照)。さらに、RT0〜RT4においては、再遊技役以外の抽選対象役である小役に当選する確率は変わらないように設定されている。そのため、RT4においては、BBに単独で当選しやすく、いつまでもボーナスに移行できないということが起こりにくくなるように設定されている。
次に、サブ演出について実行される種々の演出について説明する。なお、以下で説明する図15〜図20、図22、および図23は、サブ制御部91により液晶表示器51で表示される画面の一例を示したものである。
[エピソード演出について]
まず、エピソード演出について説明する。エピソード演出は、特定状態に制御されたときに実行可能な演出である。本実施形態の特定状態とは、遊技者にとって有利な状態であり、たとえば、ARTである。AT抽選に当選したときから、ARTに制御されるときまでの期間のうち所定タイミングで、エピソード演出が実行されるか否かを決定する演出抽選が実行される。該演出抽選により、エピソード演出の実行が決定された場合に、ARTにおいて該エピソード演出が実行される。エピソード演出は、如何なる事象に関わらず(遊技者の操作、当選した役、および入賞した役などに関わらず)進行する演出である。エピソード演出は、複数パートから構成される。複数パートは、Aパート(Aパート演出)、およびBパート(Bパート演出)を含む。また、Aパート演出は、所定のキャンセル可能条件が成立した場合において、遊技者により特定操作が実行されたときに、終了する(キャンセルされる)。本実施形態では、特定操作は、レバーオン操作である。レバーオン操作は、1ゲームを実行可能な賭数が設定されている状態でのスタートスイッチ7への操作をいう。つまり、レバーオン操作は、3つのリールが停止している状態から該3つのリールの回転を開始させる操作である。
図15は、エピソード演出を説明するための図である。エピソード演出は、ART中に実行されることから、実際は、該エピソード演出中は押し順役当選時に操作手順も報知される(ナビ演出が実行される)。図15および後述する図16では該操作手順の表示を省略している。図15の例のエピソード演出は、Aパート演出と、該Aパート演出が終了したときに実行されるBパート演出とを含む。Aパート演出はキャラAが歩く画像が表示される演出である。Bパート演出はキャラBが歩く画像が表示される演出である。たとえば、エピソード演出が実行されるか否かを決定する演出抽選において、エピソード演出の実行が決定された場合に、Aパート演出およびBパート演出のゲーム数についても決定される。
図15(A)は、Aパート演出の1ゲーム目の画像を示したものである。図15(A)の例では、左部分でキャラAが歩く画像が表示される。Aパート演出が進行するにつれて、キャラAは左から右に進む態様で、該Aパート演出は実行される。また、所定のパート演出表示領域(右上の表示領域)に「Aパート演出」という文字が表示される。これにより、遊技者に実行されているパートを認識させることができる。図15(B)は、エピソード演出の4ゲーム目の画像を示したものである。図15(B)の例では、右部分でキャラAが歩く画像が表示される。Aパート演出の1ゲーム目〜4ゲーム目までは、演出キャンセル不可能期間である。演出キャンセル不可能期間とは、Aパート演出の実行中において、レバーオン操作が実行されても該Aパート演出は終了しない期間である。つまり、Aパート演出の1ゲーム目〜4ゲーム目までは、レバーオン操作が実行されたとしても、該Aパート演出は終了しない。
図15(C)は、Aパート演出の5ゲーム目の画像を示したものである。図15(C)においては、Aパート演出の実行途中において、レバーオン操作が実行されたときには、図15(E)に示すように、該Aパート演出は終了するとともに、Bパート演出が開始される。このように、Aパート演出の5ゲーム目のゲームの間は、演出キャンセル可能期間である。図15(E)のBパート演出では、パート演出表示領域(右上の表示領域)に「Bパート演出」という文字が表示される。また、該Bパート演出では左部分でキャラBが歩く画像が表示される。
図15(C)の画面に移行したとき(Aパート演出の5ゲーム目のゲームが開始されたとき)に、「レバーオン操作が実行されたときにAパート演出は終了する旨」を特定可能なキャンセル情報512の表示が開始される。図15(C)でのキャンセル情報512は、「レバーオン操作により演出がキャンセルされます」といった文字を示す情報である。このようなキャンセル情報512の表示により、「レバーオン操作されたときにはAパート演出が終了するとともにBパート演出に移行する旨」を遊技者に認識させることができる。また、キャンセル情報512は、キャラAが表示されている領域とは異なる領域に表示される。図15(B)の例では、キャラAが表示されている領域の下部の領域において、キャンセル情報512は表示される。
また、図15(C)の画面が表示されているときには、スピーカ53、54から、「レバーオン操作が実行されたときにAパート演出は終了する旨」を特定可能な音が出力される。図15(C)の例では、「レバーオン操作により演出がキャンセルされます」といった音声(以下、キャンセル音声という。)が、スピーカ53、54から出力される。該音声は、所定回数(1回も含む)、出力させるようにしてもよい。また、該音声は、Aパート演出が終了するまで、繰り返し、出力するようにしてもよい。
また、図15(D)に示すように、図15(C)の画面が表示されたときから、レバーオン操作されずに、所定時間(たとえば、10秒間)経過することにより、Aパート演出は最後まで実行される。Aパート演出が最後まで実行された時点では、Bパート演出は開始されない。また、Aパート演出が最後まで実行されたときには、キャラAは最も右端で止まっている画像が表示される。なお、変形例として、Aパート演出が最後まで実行されたときには、キャラAが最も右端で歩いている(足踏みしている)画像が表示されるようにしてもよい。
Aパート演出が最後まで実行されたときには、キャンセル情報512が消去されるとともに、NEXT情報514が表示される。NEXT情報514は、Aパート演出が最後まで実行された旨を示唆するとともに、次にBパート演出が実行される旨を示唆する情報である。Aパート演出が最後まで実行されたときにレバーオン操作されると、図15(E)に示すように、Aパート演出は終了するとともに、Bパート演出が開始される。
[ゲージ演出について]
次に、ゲージ演出について説明する。ゲージ演出は、ゲージを表示することにより、演出の終了タイミングを遊技者に認識させる演出である。本実施形態では、エピソード演出にゲージ演出を適用した例を説明する。図15のAパート演出の実行期間は、5ゲームであったが、本実施形態のゲージ演出が適用されたAパート演出の実行期間は最大で30秒間である。なお、演出の終了タイミングを特定可能であればゲージ演出ではなく他の演出を採用してもよい。たとえば、Aパート演出の残り時間をカウントダウン形式で表示する演出を実行するようにしてもよい。
図16は、ゲージ演出を説明するための図である。図16(A)などに示すように、ゲージ演出では、ゲージ516が表示される。図16(A)は、Aパート演出の1ゲーム目の画像を示したものである。図16(A)の例では、左部分でキャラAが歩く画像が表示される。Aパート演出の進行に応じて、ゲージ516の表示態様が変化する。図16の例では、Aパート演出の進行に応じて、マーク517が左端から右方向に移動するように、ゲージ516の表示態様が変化する。また、Aパート演出が開始されたときから、15秒間経過するまでの期間は、演出キャンセル不可能期間である。また、ゲージ演出が開始されたとき(マーク517の移動が開始されたとき)から30秒間経過したときに、マーク517は最も右端に到達すると共に、Aパート演出は最後まで実行される。
図16(B)は、Aパート演出が開始されたときから、15秒間経過したときに表示される画面である。図16の例では、Aパート演出が開始されたときから、15秒間経過したときに、演出キャンセル可能期間に移行される。また、図16(B)の例では、キャンセル情報512の表示が開始される。また、スピーカ53、54からキャンセル音声が出力される。また、マーク517は、ゲージ516の中心部に位置する。また、ゲージ516の領域のうち、マーク517が通過した領域の表示は、マーク517が通過していない領域の表示とは異なる態様で実行される。図16の例では、マーク517が通過した領域は所定色(たとえば、黒色、図16の例ではハッチングを付している)で表示される。これにより、Aパート演出が実行されたときからの経過時間を遊技者に直感的に認識させることができる。
演出キャンセル可能期間に移行されたとき以降にレバーオン操作が実行されたときには、図16(E)に示すように、該Aパート演出は終了すると共にBパート演出が開始される。また、図16(C)に示すように、図16(B)の画面が表示されたときから、レバーオン操作されずに、15秒間経過したときに、Aパート演出は最後まで実行される。図16(D)に示すように、Aパート演出が最後まで実行されたときには、キャンセル情報512が消去されると共に、NEXT情報514が表示される。Aパート演出が最後まで実行されたときにレバーオン操作されると、図16(E)に示すように、Bパート演出が開始される。Bパート演出が開始されたときには、初期状態のゲージ(マーク517が左端に位置するゲージ)が表示される。
[ボタン演出について]
次に、ボタン演出について説明する。ボタン演出は、遊技者に対して演出用スイッチ56の操作を要求する演出である。また、ボタン演出は、第1ボタン演出〜第4ボタン演出を含む。また、AT上乗せ抽選が実行されたときにおいて、ボタン演出を実行することにより、AT上乗せ抽選でATゲームが付与されるか否かを煽る(ATゲームの付与の可能性を示唆する)。該ボタン演出の終了後、AT上乗せ抽選の結果を報知する報知演出を実行する。つまり、ボタン演出は、報知演出の前に実行される前兆演出である。また、AT上乗せ抽選が実行されたときに、ボタン演出が実行されるか否か、および該ボタン演出が実行されると決定されたときには第1ボタン演出〜第4ボタン演出のうちのいずれを実行するかが乱数抽選により決定される。
まず、図17を用いて、第1ボタン演出について説明する。図17の例では、AT残りゲーム数が10ゲームである場合について説明する。この場合には、AT残りゲーム数が10ゲームである旨を遊技者に認識させるために、液晶表示器51の表示領域の所定領域に、ATに制御されているときにはAT残りゲーム数を常時表示する。なお、「AT残りゲーム数を常時表示する」とは、特別な事象が発生しない場合に限り、AT残りゲーム数を常に表示するということである。特別な事象とは、たとえば、該AT中に、特別な演出が実行される事象を含む。該特別な演出が実行されるときにはAT残りゲーム数の表示を一旦終了して、該特別な演出を実行する。また、特別な事象とは、電断などの発生により、液晶表示器51による表示が停止する事象も含む。なお、AT残りゲーム数は、常時表示しなくても、遊技の進行に応じて所定のタイミングで該AT残りゲーム数の表示を停止させるようにしてもよい。
図17(A)に示すように、AT残りゲーム数が10ゲームである場合に、第1ボタン演出が実行されたとする。また、図17の例では、該第1ボタン演出の実行の契機となるAT上乗せ抽選において、15ゲームの上乗せが決定された場合について説明する。図17(A)の例では、演出用スイッチ56を模倣したスイッチ画像と、「PUSH!」といった文字とが表示される。
図17(A)の画像が表示されたときにおいて、通常移行条件が成立したときには、図17(B)に移行する。本実施形態の通常移行条件は、演出用スイッチ56が操作されることにより成立する条件と、遊技開始操作が実行されずに所定時間(本実施形態では10秒間)経過することにより成立する条件とを含む。遊技開始操作とは、次の単位遊技(ゲーム)を開始させるための操作である。本実施形態の遊技開始操作とは、BET操作(BETスイッチを操作することにより、賭数を設定する操作)と、レバーオン操作とを含む。なお、図17の遊技開始操作は、BET操作とする。
図17(B)に示すように、報知演出として、上乗せ通常報知が実行される。図17(B)の例での上乗せ通常報知では、「15ゲーム上乗せ!」といった文字を表示する。この「15ゲーム上乗せ!」」といった文字は、AT残りゲーム数の更新に関する情報である。その後、遊技開始操作(図17の例では、BET操作)が実行されたときに、図17(C)の画面に移行する。図17(C)の画面では、上乗せ通常更新が実行される。図17(C)の例では、AT残りゲーム数の表示が、10ゲームから25ゲームに更新される。
一方、図17(A)の画面が表示されているときにおいて、BET操作が実行されたときには、上乗せ通常報知が実行されずに(「15ゲーム上乗せ!」といった文字が表示されずに)、図17(D)に示すように、上乗せ特別更新が実行される。
ここで、図17(D)の上乗せ特別更新とは、上乗せ後のAT残りゲーム数を、大きくかつ爆発した態様で表示する爆発態様情報602を表示することである。図17(D)の例では、爆発態様情報は、「残り25ゲーム!」といった文字を図17(C)のAT残りゲーム数の表示よりも大きくかつ爆発した態様で表示される情報である。このように、爆発態様情報602を表示することにより(上乗せ特別更新を実行することにより)、上乗せ後のAT残りゲーム数を、上乗せ通常更新(図17(C)参照)よりも遊技者が認識しやすい態様で表示することができる。さらに、図17(D)の例では、上乗せされた旨(AT残りゲーム数が上乗せ更新される旨)を遊技者が特定可能な上乗せ情報604が表示される。図17(D)の上乗せ情報604は、「上乗せされました」という文字である。
また、図17(D)の画面が所定時間(本実施形態では、5秒間)表示されたときに、図17(E)の画面が表示される。図17(E)の画面は、図17(C)の画面と同一であり、AT残りゲーム数として「残り25ゲーム」が表示される画面である。
次に、図18を用いて第2ボタン演出について説明する。図18(A)〜図18(C)の画面は、図17(A)〜図17(C)と同一である。図18(A)の画面が表示されているときにおいて、BET操作が実行されたときには、図18(B)に示す上乗せ通常報知は実行されずに(AT残りゲーム数の更新に関する情報は表示されずに)、図18(D)に示すように、上乗せ特別更新が実行される。
ここで、図18(D)の上乗せ特別更新とは、上乗せされるATゲーム数(上乗せすることが決定されたATゲーム数)を、大きくかつ爆発した態様で表示する爆発態様情報606を表示することである。図18(D)の例では、爆発態様情報は、「+15ゲーム!」といった文字を大きくかつ爆発した態様で表示される情報である。このように、爆発態様情報606を表示することにより(上乗せ特別更新を実行することにより)、上乗せされたATゲーム数を、上乗せ通常更新(図18(C)参照)よりも遊技者が認識しやすい態様で表示することができる。さらに、図18(D)の例では、爆発態様情報606よりも簡素な態様で、上乗せされるATゲーム数を遊技者が特定可能な上乗せ情報608が表示される。図18(D)の例での上乗せ情報608は、「15ゲーム上乗せされました」という文字である。
次に、図19を用いて第3ボタン演出について説明する。図19(A)〜図19(C)の画面は、図17(A)〜図17(C)と同一である。図19(A)の画面が表示されているときにおいて、BET操作が実行されたときには、図19(B)に示す上乗せ通常報知は実行されずに(AT残りゲーム数の更新に関する情報は表示されずに)、図19(D)に示すように、上乗せ特別更新が開始される。
ここで、図19(D)の上乗せ特別更新とは、AT残りゲーム数が、スクロール態様での更新である。図19(D)の例では、AT残りゲーム数の1ケタ目の数字が下から上へスクロールする態様で更新される。図19(E)は、上乗せ特別更新中を示した図である。その後、上乗せ決定されたATゲーム(ここでは、15ゲーム)分だけ、更新が終了すると、図19(F)の画面が表示される。なお、図19(D)、図19(E)、後述する図20(B)、および図20(C)に示す矢印(下から上へ向く矢印)は、スクロール態様を明確に表現したものであり、実際の画像においては、該矢印は表示されない。一方、図19(C)では、AT残りゲーム数が一括で更新される。
次に、図20を用いて、第4ボタン演出について説明する。第4ボタン演出では、図17(A)などに示すように、スイッチ画像と「PUSH!」といった文字画像とが表示されている状態において、BET操作されたときには、上乗せ特別更新として、決定された上乗せゲーム数に応じて、異なる態様で、AT残りゲーム数の表示を更新する。また、第4ボタン演出が開始されたときにはスイッチ画像と「PUSH!」といった文字画像とが表示される。該スイッチ画像が表示されている状態において、所定時間経過したとき、または演出用スイッチ56が操作されたときに表示される画像(つまり、図17(A)〜図17(C)で示した画像)が表示されるが、図20では、該画像の記載を省略する。
図20(A)〜(D)は、決定された上乗せゲーム数が1〜50ゲームである場合に表示される画像である。図20(A)〜(D)においては、決定された上乗せゲーム数が15ゲームであるとする。また、図20(E)〜(H)は、決定された上乗せゲーム数が50ゲーム以上である場合に表示される画像である。図20(E)〜(H)においては、決定された上乗せゲーム数が50ゲームであるとする。
図20(B)〜(D)の例では、表示されているAT残りゲーム数の1ケタ目の数字が下から上へ縦スクロールされることにより1ずつ増加更新される。その後、上乗せ決定されたATゲーム(ここでは、15ゲーム)分だけ、更新が終了すると、図20(D)の画面が表示される。このように、「表示されているAT残りゲーム数の1ケタ目の数字が下から上へ縦スクロールされることにより1ずつ増加更新される態様」を「縦スクロール態様」という。
また、図20(F)〜(H)の例では、表示されているAT残りゲーム数の1ケタ目の数字をキャラXが殴打する毎に、該1ケタ目の数字が1ずつ増加更新される。その後、上乗せ決定されたATゲーム(ここでは、50ゲーム)分だけ、更新が終了すると(キャラXが50回殴打すると)、図20(H)の画面が表示される。このように、「表示されているAT残りゲーム数の1ケタ目の数字をキャラXが殴打する毎に、該1ケタ目の数字が1ずつ増加更新される態様」を「キャラ更新態様」という。
[バトル演出について]
次に、バトル演出について説明する。バトル演出は、AT抽選の結果を報知する報知演出の前兆演出としてもよく、AT上乗せの結果を報知する報知演出の前兆演出としてもよい。バトル演出は、敵キャラと戦う演出である。該敵キャラはHP(Hit Point)が予め定められている。バトル演出が実行されるバトル期間(1以上のゲーム)に亘って、該敵キャラにダメージを与え、敵キャラのHPを0にすると、ATゲーム数が付与される(またはATゲーム数が上乗せされる)。バトル期間は、バトル演出の実行が決定された際に、乱数抽選により決定される。バトル期間が長いほど、敵キャラに多くのダメージを与えることができることから、バトル期間は長い方が遊技者にとって有利となる。
本実施形態では、バトル期間中において成立したダメージ条件に応じて、与えるダメージが決定される。本実施形態のダメージ条件は、バトル期間中における内部抽選での当選役とする。図21は、当選役と、与えるダメージとの対応を示したダメージ対応テーブルの一例を示した図である。図21の例では、押し順ベルが当選したゲームにおいて、与えるダメージが0になる(つまりダメージを与えることができない)ことが決定される確率が48%であり、ダメージが10になることが決定される確率が48%であり、ダメージが50になることが決定される確率が4%となる。また、チェリーが当選したゲームにおいて、与えるダメージが0になる(つまりダメージを与えることができない)ことは決定されず、ダメージが10になることが決定される確率が50%であり、ダメージが50になることが決定される確率が50%となる。押し順ベルとは、図10に示す左ベル1〜4、中ベル1〜4および右ベル1〜4をまとめたものをいう。
また、図21の記載から明らかなように、押し順ベルが当選したゲームでは、ダメージを与えられない(与えるダメージが0である)ことが決定される場合と、ダメージを与えることが決定される場合とがある。一方、チェリーが当選したゲームでは、ダメージを与えることが必ず決定される一方、ダメージを与えられない(与えるダメージが0である)ことが決定される場合はない。以下では、押し順ベルを「ダメージ未確定役」といい、チェリーを「ダメージ確定役」という。
バトル期間において、ダメージ未確定役が当選したゲームにおいては、図22に示すバトル中ダメージ未確定演出が実行される。バトル中ダメージ未確定演出が実行されるタイミングは、ダメージ未確定役が当選した内部当選を実行させる契機となるレバーオン時である。また、バトル期間において、ダメージ確定役が当選したゲームにおいては、図23に示すバトル中ダメージ確定演出が実行される。バトル中ダメージ確定演出が実行されるタイミングは、ダメージ確定役が当選した内部当選を実行させる契機となるレバーオン時である。
まず、図22について説明する。図22(A)は、バトル中ダメージ未確定演出が開始されたときに表示される画像である。図22(A)の画像では、HPゲージ700と、「敵のHPを0にしろ!」といった文字と、演出用スイッチ56を模倣したボタン画像に「CHANCE!」といった文字が表示された画像であるチャンス画像702と、敵キャラが表示される。チャンス画像702は、ダメージを与えることができるか否かは未確定であることを示唆する画像である。換言すれば、チャンス画像702は、ダメージを与える可能性を示唆する画像である。
図22(A)の画像が表示されたときにおいて、通常移行条件が成立したときには、図22(B)に移行する。本実施形態の通常移行条件は、演出用スイッチ56が操作されることにより成立する条件と、遊技開始操作が実行されずに所定時間(本実施形態では10秒間)経過することにより成立する条件とを含む。
図22(B)の画面では、敵キャラのHP減少更新に関する情報であるダメージ情報703が表示される。図22(B)のダメージ特定情報710は、「50ダメージ!」」という文字である。このダメージ特定情報710の表示により、敵キャラに50ダメージ与えたことを遊技者に認識させることができる。
その後、遊技開始操作(図22の例では、BET操作)が実行されたときに、図22(C)の画面に移行する。図22(C)の画面では、HP通常更新が実行される。図22(C)の例では、HPゲージが一括で、50ダメージ分減少更新される。
一方、図22(A)の画面が表示されているときにおいて、BET操作が実行されたときには、AT残りゲーム数の更新に関する情報(ダメージ情報703)は表示されずに、図22(D)に示すように、HP特別更新が実行される。
ここで、図22(D)のHP特別更新とは、決定されたダメージ分が認識できる態様で減少更新することである。図22(D)の例でのHP特別更新とは、図22(C)のように、一括でHPゲージを減少させるのではなく、HPゲージが減少する軌跡706を表示しつつHPゲージを減少させる更新である。
次に、図23について説明する。図23(A)は、バトル中ダメージ確定演出が開始されたときに表示される画像である。図23(A)の画像では、HPゲージ700と、「敵のHPを0にしろ!」といった文字と、演出用スイッチ56を模倣したボタン画像に「HIT!」といった文字が表示された画像であるヒット画像704と、敵キャラが表示される。ヒット画像704は、ダメージを与えることが確定であることを示唆する画像である。図23(B)および図23(C)の画像は、図22(B)および図22(C)の画像と同一である。
図23(A)の画面が表示されているときにおいて、BET操作が実行されたときには、AT残りゲーム数の更新に関する情報(ダメージ情報703)は表示されずに、図23(D)に示すように、HP特別更新が実行される。
ここで、図23(D)のHP特別更新とは、決定されたダメージ分が認識できる態様で減少更新することである。図23(D)の例でのHP特別更新とは、図23(C)のように、一括でHPゲージを減少させるのではなく、与えたダメージを特定可能なダメージ特定情報710を表示する。ここで、該ダメージ特定情報710は、「50ダメージHIT!」といった文字である。
また、図17および図18の例では、遊技に関する遊技情報としてATゲーム数を例示し、該遊技情報が増加する場合の技術思想を説明した。一方、図18および図19の例では該遊技情報として敵キャラのHPを例示し、該HPが減少する場合の、該技術思想を適用したものである。
[本実施形態の効果]
次に、本実施形態のスロットマシンが奏する効果について説明する。
(1) 図15および図16に示すように、Aパート演出は、該Aパート演出の実行中にレバーオン操作されると、該Aパート演出を終了させて次のBパート演出に移行させる(図15(E)および図16(E)参照)。したがって、たとえば、Aパート演出を視認したくない遊技者などは、該Aパート演出を終了させることができることから、該遊技者の利便性を向上させることができる。
また、図15(C)および図16(B)に示すように、Aパート演出が実行されている状態において、「レバーオン操作が実行されたときにAパート演出は終了する旨」を特定可能なキャンセル情報512が表示される。したがって、たとえば、「Aパート演出の全てを楽しみたい遊技者が誤ってレバーオン操作することにより不本意に該Aパート演出を終了させてしまうこと」を極力防止できる。また、Aパート演出を全て視認したい遊技者に、キャンセル情報512が表示されている期間は、レバーオン操作を実行しなければAパート演出は終了しない旨を認識させることができることから、該レバーオン操作をさせずに待機させることができる。
(2) また、図15および図16に示すように、演出キャンセル不可能期間と、該演出キャンセル不可能期間の後に移行される演出キャンセル可能期間とが設けられている。したがって、演出キャンセル可能期間に制御させるまでは、レバーオン操作されたか否かに関わらずAパート演出を終了させることなくAパート演出を実行できる。
(3) また、図15(B)および(C)に示すように、演出キャンセル不可能期間でのゲームの次に、演出キャンセル可能期間でのゲームに制御される。したがって、演出キャンセル可能期間に制御させるまでは、レバーオン操作されたか否かに関わらずAパート演出を終了させることなくAパート演出を実行できる。
(4) また、図15(C)および図16(B)に示すように、エピソード演出中のキャラAが表示される領域とは異なる領域に、キャンセル情報512が表示される。したがって、キャラAの表示とキャンセル情報512の表示のうち、一方が他方を阻害しないようにすることができる。
(5) また、図15(C)および図16(B)に示すように、キャンセル情報512のみならず、「レバーオン操作により演出がキャンセルされます」といったキャンセル音声も、スピーカ53、54から出力される。したがって、「レバーオン操作が実行されたときにAパート演出は終了する旨」を表示のみならず、音によっても遊技者に認識させることができる。
(6) また、図16に示すように、最大30秒間に亘って実行されるAパート演出において、該Aパート演出の終了タイミングを特定可能なゲージ演出を実行可能である。このように、Aパート演出の終了タイミングを遊技者に認識させることができることから、遊技者の利便性を向上させることができる。また、図16(B)に示すように、ゲージ516と共に、キャンセル情報512が表示される。したがって、Aパート演出を最後まで楽しみたい遊技者に、いつまで、レバーオン操作を行なわずに待機すればよいかを認識させることができる。
(7) また、図15(D)および図16(D)に示すように、Aパート演出が最後まで実行されたときに、Aパート演出が終了した旨を示唆するNEXT情報514が表示される。したがって、Aパート演出が最後まで実行されたことを遊技者に認識させることができる。さらに、Aパート演出を最後まで楽しみたい遊技者に、NEXT情報514が表示されるまでレバーオン操作を実行させずに待機させることで、意図せずにAパート演出が終了してしまうことを防止できる。
(8) 仮に、キャンセル情報512とNEXT情報514との双方が表示された場合には、Aパート演出が途中であるのか、Aパート演出が最後まで実行されたのかが不明確となり、遊技者の混乱を招くことになる。これに対し、本実施形態のスロットマシンでは、キャンセル情報512とNEXT情報514との双方が表示されない。具体的には、図15(C)および図15(D)と、図16(B)〜(D)に示すように、Aパート演出が開始されたときからAパート演出が最後まで実行されるときまでの間において、キャンセル情報512が表示される。その後、Aパート演出が最後まで実行されたとき(NEXT情報514が表示されるとき)に、キャンセル情報512は消去されるとともにNEXT情報514が表示される。したがって、このような遊技者の混乱を防止できる。
(9) また、図17に示すように、ATゲームの上乗せが決定された場合において、図17(A)の画面が表示されているときにBET操作が実行されると、図17(B)の上乗せ通常報知が実行されずに、上乗せ特別更新が実行される。したがって、たとえば、上乗せ通常報知を視認したくない遊技者などは、該上乗せ通常報知を実行させないようにできることから、該遊技者の利便性を向上させることができる。
また、上乗せ通常報知を実行させずに、図17(C)の上乗せ通常更新が実行されるスロットマシンでは、上乗せされたか否かを遊技者に判断させ難いことから、遊技者が不信感を抱く場合があった。これに対し、本実施形態のスロットマシンでは、上乗せ通常報知が実行されなかった場合には、上乗せ更新された旨(AT残りゲームの表示を更新する旨が決定されたこと)を遊技者が上乗せ通常報知よりも認識しやすい態様で報知する上乗せ特別更新(爆発態様情報602を表示する更新)が実行される。したがって、遊技者にこのような不信感を抱かせることを防止できる。
また、図22に示すように、敵キャラにダメージを与えることが決定された場合において、図22(A)の画面が表示されているときにBET操作が実行されると、図22(B)のダメージ情報703が表示されずに、HP特別更新が実行される。したがって、たとえば、ダメージ情報703を視認したくない遊技者などは、ダメージ情報703を表示させないようにできることから、該遊技者の利便性を向上させることができる。
また、ダメージ情報703を表示させずに、図22(C)のHP通常更新が実行されるスロットマシンでは、敵キャラにダメージを与えたか否かを遊技者に判断させ難いことから、遊技者が不信感を抱く場合があった。これに対し、本実施形態のスロットマシンでは、ダメージ情報703を表示されなかった場合には、ダメージを与えることが決定された旨(HPゲージを減少更新する旨が決定されたこと)を遊技者がHP通常更新よりも認識しやすい態様で報知するHP特別更新(HPゲージが減少する軌跡706を表示する更新)が実行される。したがって、遊技者にこのような不信感を抱かせることを防止できる。
(10) また、図18に示すように、ATゲームの上乗せが決定された場合において、図18(A)の画面が表示されているときにBET操作が実行されると、図18(B)の上乗せ通常報知が実行されずに、上乗せ特別更新が実行される。したがって、たとえば、上乗せ通常報知を視認したくない遊技者などは、該上乗せ通常報知を終了させることができることから、該遊技者の利便性を向上させることができる。
また、上乗せ通常報知を実行させずに、図18(C)の上乗せ通常更新が実行されたときには、上乗せされたATゲーム数を遊技者に判断させ難いことから、遊技者が不信感を抱く場合があった。これに対し、本実施形態のスロットマシンでは、上乗せ通常報知が実行されなかった場合には、上乗せされたATゲーム数を遊技者が上乗せ通常報知よりも認識しやすい態様で報知する上乗せ特別更新(爆発態様情報606を表示する更新)が実行される。したがって、遊技者にこのような不信感を抱かせることを防止できる。
また、図23に示すように、敵キャラにダメージを与えることが決定された場合において、図23(A)の画面が表示されているときにBET操作が実行されると、図23(B)のダメージ情報703が表示されずに、HP特別更新が実行される。したがって、たとえば、ダメージ情報703を視認したくない遊技者などは、ダメージ情報703を表示させないようにできることから、該遊技者の利便性を向上させることができる。
また、ダメージ情報703を表示させずに、図23(C)のHP通常更新が実行されるスロットマシンでは、敵キャラに与えたダメージの値を遊技者に判断させ難いことから、遊技者が不信感を抱く場合があった。これに対し、本実施形態のスロットマシンでは、ダメージ情報703を表示されなかった場合には、敵キャラに与えたダメージを遊技者がHP通常更新よりも認識しやすい態様で報知するHP特別更新(与えたダメージを特定可能なダメージ特定情報710を表示する更新)が実行される。したがって、遊技者にこのような不信感を抱かせることを防止できる。
(11) また、図19(A)〜図19(C)に示すようにATゲームが上乗せされることが決定され、かつ所定時間経過または演出用スイッチ56が操作されたときには、ATゲーム数の表示を一括で更新する。一方、図19(A)、および図19(D)〜図19(F)に示すように、ATゲームが上乗せされることが決定され、かつBET操作されたときには、ATゲーム数の表示を縦スクロール態様で更新する。したがって、該BET操作されることにより、図19(B)の上乗せ通常報知が実行されなかった場合であっても、ATゲーム数の表示が更新されることを遊技者に認識させやすくすることができる。
(12) また、図17(D)に示すように、上乗せ特別更新が実行されたときには、上乗せされた旨(AT残りゲーム数が上乗せ更新される旨)を遊技者が特定可能な上乗せ情報604が表示される演出が実行される。したがって、図17(B)の上乗せ通常報知が実行されなかった場合であっても、ATゲーム数の表示が更新されることを遊技者に認識させやすくすることができる。なお、図17(B)および図17(D)の記載からも明らかなように、上乗せ情報604が表示される演出と、上乗せ通常報知とは異なる演出である。
(13) また、図18(D)に示すように、上乗せ特別更新が実行されたときには、上乗せされたATゲーム数を遊技者が特定可能な上乗せ情報608が表示される演出が実行される。したがって、図18(B)の上乗せ通常報知が実行されなかった場合であっても、上乗せされたATゲーム数を遊技者に認識させやすくすることができる。なお、図18(B)および図18(D)の記載からも明らかなように、上乗せ情報608が表示される演出と、上乗せ通常報知とは異なる演出である。
(14) また、図20に示すように、ATゲーム数が上乗せされることが決定され、かつBET操作が実行されたときには、AT通常報知は実行されない一方、AT残りゲームの表示の更新が完了するまでの更新態様は、上乗せされたATゲームの量に応じて異なる。図20の例では、上乗せゲーム数が1〜49である場合には、表示されているAT残りゲーム数が縦スクロール態様で更新され、上乗せゲーム数が50以上である場合には、表示されているAT残りゲーム数がキャラ更新態様で更新される。したがって、ATゲーム数の表示の更新が実行されている間に、上乗せされるATゲーム数の目安を遊技者に認識させることができる。
(15) また、図17などに示すように、上乗せ通常報知を所望する遊技者は、遊技を進行させる操作とは異なる操作(たとえば、演出用スイッチ56への操作)を実行すればよく、上乗せ通常報知を所望しない遊技者は、遊技を進行させる操作(たとえば、BET操作)を実行すればよいことから、遊技者の自由度を高めることができる。
(16) また、図17などに示すように、上乗せ通常報知を所望する遊技者は演出用スイッチ56への操作およびBET操作のいずれも実行することなく、図17(A)の画面が表示されたときから所定時間(たとえば、5秒間)経過したときにも上乗せ通常報知が実行される。したがって、遊技者の自由度を高めることができる。
(17) また、たとえば、図17(D)の上乗せ特別更新が終了した後に、上乗せ通常報知を実行させる条件(たとえば、所定時間経過または演出用スイッチ56への操作)が成立しても、上乗せ通常報知は実行されない。したがって、「上乗せ特別更新が実行された後に上乗せ通常報知が実行されること」に起因する遊技者の混乱が生じることを防止できる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、前述した第1実施形態に係るスロットマシン1をパチンコ遊技機に置き換えたものである。このパチンコ遊技機は遊技の進行を制御する遊技制御部と、演出の進行を制御する演出制御部とを備える。本実施形態の遊技盤における遊技領域の中央付近には、画像表示装置が設けられている。遊技制御部は、特別図柄ゲームにおける第1特別図柄表示装置による第1特別図柄の変動表示や第2特別図柄表示装置による第2特別図柄の変動表示を制御する。また、画像表示装置の表示領域には、複数(たとえば、3つ)の変動表示部となる飾り図柄表示エリアが設けられる。演出制御部は、第1特別図柄の変動表示や第2特別図柄の変動表示のそれぞれに対応して、飾り図柄表示エリアにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄を変動表示する。また、第1特別図柄の表示結果または第2特別図柄の表示結果が特定表示結果となったときには、遊技者にとって有利な有利状態(たとえば、大当り状態)に制御される。また、遊技制御部は、特定期間が終了したときに、該特定期間で付与されたポイントの合計値に応じて、ST抽選を実行する。
ここで、大当り状態になる確率が高くなる確率変動状態に制御される期間におけるゲームをST(Special Time)という。なお、STについては、時短制御期間におけるゲームであってもよい。このように、STは、遊技者にとって有利である遊技状態で図柄表示エリアが変動表示するゲームである。また、STに制御される変動表示回数(ゲーム回数)を「ST数」という。また、ST数は、いわゆる回数切りにより定められた、図柄表示エリアが変動表示する上限数でもある。
本実施形態のST数は、第1実施形態のATゲーム数に対応するものである。本実施形態のパチンコ遊技機では、ST抽選により、たとえば、100ゲーム分のSTゲームが付与されることが決定された場合において、STへの制御が開始されるときには、100ゲームのうちの70ゲームをST残りゲーム数として表示し、その他の30ゲームをST上乗せゲームとしてST上乗せ報知を実行してもよい。
また、ST抽選により、たとえば、100ゲーム分のSTゲームが付与されることが決定された場合に、該100ゲームのSTゲーム中にST上乗せ抽選を実行するようにしてもよい。該ST上乗せ抽選により、STゲームの上乗せが決定された場合には、ST上乗せ報知を実行してもよい。
このような構成を有するパチンコ遊技機では、図15〜図23で説明した演出のうち少なくとも1を実行可能としてもよい。また、演出用スイッチ56への操作を第1演出用スイッチへの操作とし、遊技開始操作(たとえば、BET操作およびレバーオン操作)を第2演出用スイッチへの操作としてもよい。このような構成を有するパチンコ遊技機であっても第1実施形態のスロットマシンと同様の効果を奏する。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。本発明は、上記の実施例に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な変形例などについて説明する。また、前述した本実施形態で説明した技術事項、および、以下の変形例で説明する技術事項のうち少なくとも2つを組み合わせて実施するようにしてもよく、前述した本実施形態で説明した技術事項を以下の変形例で説明する技術事項に置換して実施するようにしてもよく、当該置換したものに対して、以下の変形例で説明する技術事項をさらに組み合わせて実施するようにしてもよい。
[キャンセル可能な演出について]
(1) 本実施形態では、実行途中にレバーオン操作されたときに終了(キャンセル)する終了可能演出として、エピソード演出のうちのAパート演出を例示した。しかしながら、終了可能演出は、他の演出であってもよく、エピソードの演出に限られず、所定ゲーム(1ゲームも含む)に亘って実行される連続演出であってもよい。また、実行途中の終了可能演出を終了させる操作としてレバーオン操作を例示したが、他の操作であってもよい。たとえば、第1停止操作〜第3停止操作のいずれか1の操作としてもよい。また、本実施形態では、終了可能演出は、液晶表示器51を用いて実行されるとして説明した。しかしながら、終了可能演出は他の部材を用いて実行してもよく、たとえば、複数の発光手段(ドット)から構成される表示部を用いて実行するようにしてもよい。
また、本実施形態では、終了可能演出としてAパート演出を例示し、該Aパート演出中にレバーオン操作が実行されたときには、Aパート演出が終了すると共にBパート演出が実行されるとして説明した。しかしながら、終了可能演出を1の演出(たとえば、エピソード演出)とし、該1の演出の実行途中にレバーオン操作されたときには、該1の演出自体(つまり、エピソード演出自体)が終了するようにしてもよい。
(2) 本実施形態では、たとえば、図15(B)および図15(C)に示すように、エピソード演出が演出キャンセル不可能であるゲームの次のゲームで、該エピソード演出が演出キャンセル可能となるとして説明した。しかしながら、エピソード演出が演出キャンセル不可能であるゲームより後のゲームで該エピソード演出が演出キャンセル可能となるとしてもよい。たとえば、演出キャンセル不可能なエピソード演出が実行されて、所定ゲームの期間、該エピソード演出が実行されず、その後、該エピソード演出が演出キャンセル可能な状態で実行されるようにしてもよい。このような構成であれば、エピソード演出が実行されていたが、一旦該エピソード演出が中止されて、該エピソード演出が再開されることから、遊技者に意外性を抱かせることができる。
(3) 本実施形態のエピソード演出は、図15などに示すように、キャラAおよびキャラBが歩く演出であるとして説明した。しかしながら、エピソード演出は、他の演出であってもよい。たとえば、所定キャラ(たとえば、スロットマシンで用いられているキャラ)のエピソード(生い立ちなど)を説明する演出であってもよい。また、エピソード演出は、複数話に区切られたアニメーション動画において、1話分のアニメーション動画を表示する演出としてもよい。アニメーション動画が表示されるエピソード演出については、1話分のアニメーション動画が終了すると、次のパートのエピソード演出として、次の話のアニメーション動画を表示するようにしてもよい。また、エピソード演出は、これらの演出に加えて、次に実行される演出の予告などを行うようにしてもよい。
[キャンセル情報について]
(1) 本実施形態では、キャンセル情報512は、「レバーオン操作により演出がキャンセルされます」といった文字を示す情報である、として説明した。しかしながら、キャンセル情報512は、演出がキャンセルされたときに実行される演出(たとえば、Bパート演出)を報知する情報を含むようにしてもよい。たとえば、キャンセル情報512は、「レバーオン操作によりBパート演出が実行されます」といった文字であってもよい。
(2) 本実施形態では、たとえば、図15(C)に示すように、キャンセル情報512が表示される領域と、エピソード演出の実行により表示される情報(本実施形態では、キャラAなど)が表示される領域とは異なるとして説明した。しかしながら、キャラAの表示とキャンセル情報512の表示のうち、一方が他方を阻害しない態様であれば、キャラAとキャンセル情報512とは如何なる態様で表示するようにしてもよい。
たとえば、図15(C)では、領域にキャンセル情報512が表示されるキャンセル情報領域は、キャラAが表示されているキャラ領域の下側に設定されている。しかしながら、キャンセル情報領域の位置は、キャラ領域の下側に限られず、たとえば、キャラ領域の上側、右側、および左側のいずれであってもよい。
また、液晶表示器は、物理的に分割された第1液晶表示器と第2液晶表示器とを含み、第1液晶表示器にキャンセル情報512を表示し、第2液晶表示器にキャラAを表示するようにしてもよい。また、キャラAの表示とキャンセル情報512の表示のうち、一方が他方を阻害しない程度に、キャンセル情報領域の一部が、キャラ領域に重複するようにしてもよい。
[NEXT情報について]
本実施形態では、エピソード演出が最後まで実行されたときに、該エピソード演出が終了した旨を示唆する示唆演出として、NEXT情報514の表示を例示した。しかしながら、示唆演出は、他の情報を表示する演出であってもよい。たとえば、バトル演出について該示唆演出を適用する場合について説明する。この場合には、示唆演出は、バトル演出の結果を表示する演出としてもよい。この結果とは、たとえば、「WIN」または「LOSE」という文字である。この文字については、バトル演出が最後まで実行されたときに、該バトル演出が終了した旨を示唆する文字である。また、示唆演出は、たとえば、NEXTなどの文字ではなく「エピソード演出が終了しました」といった文字を表示する演出としてもよい。
[更新態様について]
(1) 本実施形態では、たとえば、図17(C)に示すように上乗せ通常更新では何ら情報を表示することなくAT残りゲーム数を更新する一方、図17(D)に示すように上乗せ特別更新では爆発態様情報602を表示しつつAT残りゲーム数を更新するとして説明した。しかしながら、上乗せ通常更新での更新態様が、上乗せ特別更新での更新態様よりも、ATゲーム数の表示を更新する(ATゲーム数が上乗せされた)旨が決定されたことを遊技者が認識しやすい態様であれば、上乗せ通常更新での更新態様と上乗せ特別更新での更新態様とは如何なる態様であってもよい。たとえば、上乗せ特別更新での更新態様は、所定キャラがAT残りゲーム数を更新する態様とし、上乗せ通常更新での更新態様は、このようなキャラを表示させないようにしてもよい。
(2) 本実施形態では、たとえば、図18(C)に示すように上乗せ通常更新では何ら情報を表示することなくAT残りゲーム数を更新する一方、図18(D)に示すように上乗せ特別更新では爆発態様情報606を表示しつつAT残りゲーム数を更新するとして説明した。しかしながら、上乗せ通常更新での更新態様が、上乗せ特別更新での更新態様よりも、更新させる表示されているATゲーム数(上乗せさせるATゲーム数)が決定されたことを遊技者が認識しやすい態様であれば、上乗せ通常更新での更新態様と上乗せ特別更新での更新態様とは如何なる態様であってもよい。たとえば、上乗せ特別更新での更新態様は、所定キャラがAT残りゲーム数を表示する態様とし、上乗せ通常更新での更新態様は、このようなキャラを表示させないようにしてもよい。
また、本実施形態では、「15ゲーム上乗せされました」という上乗せ情報608を、図18(D)の上乗せ特別更新のときには表示するが、図18(C)の上乗せ通常更新のときには表示しないとして説明した。しかしながら、このような手法は、図18で説明したものに限られない。
たとえば、図18(C)の上乗せ通常更新のときでも上乗せ情報608を表示するようにしてもよい。また、上乗せ通常更新での上乗せ情報608の文字(以下、「通常文字」という。)と、上乗せ特別更新での上乗せ情報608の文字(以下、「特別文字」という。)とで、表示態様を異ならせるようしてもよい。該表示態様は、文字の大きさ、色、および表示時間のうちの少なくとも一つを含む。たとえば、通常文字と特別文字との大きさを同一とする一方、通常文字と特別文字との色を異ならせるようにしてもよい。たとえば、通常文字の色よりも特別文字の色を目立たせるようにしてもよい。たとえば、通常文字の色を白色にする一方、特別文字の色を赤色にするようにしてもよい。
また、上乗せ通常更新と上乗せ特別更新との音の出力態様を異ならせるようにしてもよい。たとえば、通常文字と特別文字とで大きさ、色、および表示時間の全てが同じであるが、上乗せ通常更新では出力されない音を上乗せ特別更新で出力するようにしてもよい。この音とは、たとえば、「15ゲーム上乗せされました」という音である。また、通常文字と特別文字とで大きさ、および色が同一であり、かつ上乗せ通常更新と上乗せ特別更新とで音出力態様は同一であるが、通常文字と特別文字との表示時間を異ならせるようにしてもよい。たとえば、通常文字の表示時間を5秒間とする一方、特別文字の表示時間を10秒間としてもよい。
このように、上乗せ通常更新と、上乗せ特別更新とにおいて、文字の表示態様(文字の大きさ、色、および表示時間)および音の出力態様の全てを異ならせてもよく、少なくとも1の態様を異ならせるようにして、残りの態様を同一にしてもよい。
また、図17および図18に示す上乗せ特別更新は、遊技者にとっての有利度が高いときに上乗せ通常更新と態様を異ならせるようにしてもよい。この場合には、上乗せ特別更新は、遊技者にとって有利度が低いときに上乗せ通常更新と態様を同一にしてもよい。たとえば、上乗せゲーム数が多い場合(たとえば、上乗せゲーム数が100ゲームである場合)には、遊技者にとって有利であるとして、上乗せ通常更新と態様が異なる上乗せ特別更新を実行してもよい。また、上乗せゲーム数が少ない場合(たとえば、上乗せゲーム数が10ゲームである場合)には、上乗せ通常更新と態様が同一の上乗せ特別更新を実行してもよい。たとえば、図18の例において、上乗せゲーム数が多い場合には、上乗せ特別更新では特別文字を金色で表示する一方、上乗せ通常更新では通常文字を白色で表示するようにしてもよい。
(3) 本実施形態では、表示が更新される遊技情報として、AT残りゲーム数(図17〜図20参照)と、敵キャラのHP(図22および図23参照)とを例示した。しかしながら、該遊技情報は増減するものであれば他の情報であってもよく、たとえば、AT中に付与された遊技媒体(メダルおよびパチンコ玉など)としてもよい。
(4) 本実施形態では、図17に示すように、上乗せ通常更新よりも遊技者に認識しやすくする態様として、上乗せ特別更新により爆発態様情報602を表示するとして説明した。しかしながら、上乗せ通常更新よりも遊技者に認識しやすくする態様は、他の態様としてもよい。たとえば、上乗せ特別更新では、上乗せ通常更新で表示される図17(C)の「残り25ゲーム」という文字の表示の周辺に所定情報を表示するようにしてもよい。たとえば、図17(C)の「残り25ゲーム」という文字の下に、該所定情報として「上の数字に注目」といった文字を表示するようにしてもよい。また、上乗せ特別更新では、上乗せ通常更新で表示される図17(C)の「残り25ゲーム」の文字を、該上乗せ通常更新で表示される文字の色とは異なる色で表示するようにしてもよい。たとえば、「残り25ゲーム」の文字を、上乗せ通常更新では黒色で表示する一方、上乗せ特別更新では赤色で表示するようにしてもよい。上乗せ特別更新では、上乗せ通常更新では出力されない音および上乗せ通常更新では実行されない発光のうち少なくとも1つを実行するようにしてもよい。ここで、上乗せ通常更新では出力されない音は、たとえば、「ピキーン」という音としてもよく、「上乗せされました」といった音声としてもよい。また、図18(D)において、上乗せ通常更新では出力されない音として「15ゲーム上乗せされました」といった音声を出力するようにしてもよい。
(5) また、図19に示すように、第3ボタン演出が実行された場合において、上乗せ通常更新では一括でAT残りゲーム数を更新する一方、上乗せ特別更新ではスクロール態様でAT残りゲーム数を更新するとして説明した。しかしながら、上乗せ通常更新と上乗せ特別更新とで異なる更新態様であれば、他の態様としてもよい。たとえば、上乗せ通常更新と上乗せ特別更新とにおいて双方ともスクロール態様であるが、スクロール速度が双方の更新態様で異なるとしてもよい。たとえば、上乗せ通常更新は高速度でのスクロール態様とする一方、上乗せ特別更新は低速度でのスクロール態様とするようにしてもよい。
(6) また、図20に示すように、第4ボタン演出が実行された場合において、上乗せ特別更新態様として、上乗せゲーム数が1〜49ゲームであるときには縦スクロール態様での更新が実行され、上乗せゲーム数が50ゲーム以上であるときにはキャラ更新態様での更新が実行されるとして説明した。しかしながら双方の更新態様はこれらに限られず他の態様としてもよい。たとえば、上乗せゲーム数が1〜49ゲームであるときには縦スクロール態様での更新が実行され、上乗せゲーム数が50ゲーム以上であるときには横スクロール態様での更新が実行されるようしてもよい。ここで、横スクロール態様とは、表示されているAT残りゲーム数の1ケタ目の数値が横スクロールにより更新される態様である。
[バトル演出について]
本実施形態のバトル演出は、図21に示すように、敵キャラに与えるダメージが内部抽選の結果に応じて決定されるとして説明した。しかしながら、該ダメージは、内部抽選に限られず他の条件により決定するようにしてもよい。たとえば、消化ゲーム数、1ゲーム前で導出された表示結果、およびATに制御されている場合にはAT残りゲーム数などにより決定するようにしてもよい。
また、本実施形態のバトル演出では、敵キャラに与えるダメージをバトル期間での1ゲーム毎に決定するとして説明した。しかしながら、バトル演出の実行が決定されたときに、敵キャラの与えるダメージの合計量を予め決定し、バトル期間において、該ダメージの合計量を分散して表示するようにしてもよい。
[特典について]
特典として、第1実施形態ではATゲームを例示し、第2実施形態ではSTゲームを例示した。このように、本実施形態では、メダルやパチンコ玉の払出率に直接影響を及ぼす価値を例示した。しかしながら、第1実施形態では、特典は、後述する有利な状態に移行させるゲーム数、ボーナス当選などとしてもよい。また、特典としては、遊技者にとっての有利度合いを向上させる価値であればよく、たとえば、メダルの払出率に直接影響を及ぼすものではない価値であってもよい。具体的に、AT抽選において通常時よりも高確率でAT当選する高確率状態が設けられている場合において、現在の状態が高確率状態であるか否かを示唆するための確率示唆演出の実行、液晶表示器51に音声とともにプレミア演出の実行(特別キャラクタ出現、次回発生したボーナス中において特別なボーナス中演出実行など)、設定されている設定値を示唆するための設定値示唆演出の実行、一定数を集めることでスロットマシン1が設置された遊技店において定めたサービスと交換可能なポイント付与、特典映像や特典情報を所定のWebサイトにてダウンロードすることが可能な2次元コードを液晶表示器51において表示などであってもよい。
また、特典の一例としてATゲーム数を例示したが、ATに関する特典としては、これに限らず、たとえば、ATに所定ゲーム数(たとえば50ゲーム)制御可能にする権利(ナビストック)を特典としてもよい。また、ナビ演出を実行可能なナビ演出実行可能回数を決定し、当該決定されたナビ演出実行可能回数分、ナビ演出が実行されるまでATに制御する場合、ナビ演出実行可能回数を特典としてもよい。また、たとえば、上限付与量を決定し、付与された遊技用価値(メダル払出枚数)が決定された上限付与量に到達するまでATに制御する場合、上限付与量を特典としてもよい。また、所定のAT開始条件が成立してから所定のAT終了条件が成立するまでATに制御され、AT終了条件が成立したときに当該ATを継続するか否かの継続抽選を行う場合、継続抽選において継続すると決定される継続確率を特典としてもよい。
[有利な状態について]
前述した例では、有利な状態として、スロットマシンについては小役の当選確率が所定状態であるときよりも高確率となるビッグボーナス(BB)やATを例示したが、遊技者にとって有利な状態であればこれに限るものではなく、以下においてスロットマシンの例を説明する。
有利な状態は、たとえば、所定の入賞役の当選確率が高確率となるレギュラーボーナス(RB)やリプレイタイム(RT)、小役の集中状態や、少なくとも1のリールの引き込み可能範囲が通常よりも狭くなるとともに毎ゲームにおいてすべての小役の発生が許容された状態となるチャレンジタイム(CT)、入賞役の当選確率などを変化させるものではなく当選した小役を入賞させるための操作手順を所定期間(たとえば50ゲーム消化するまでの間)に亘って報知する擬似ボーナスなどであってもよい。また、これらの有利な状態に制御される確率が高確率となる状態であってもよく、また、フリーズ状態に制御される確率が高確率の状態、ATゲーム数などのゲーム数が高確率で上乗せされる状態、ATの上乗せゲーム数が増加されやすくなる状態など、上記実施形態と異なる態様の有利状態を設定してもよい。また、通信回線網上で特典を得るための条件や、プレミアム感のある演出(フリーズ演出、プレミアム演出など)を実行する条件の成立確率が高確率となる状態等、遊技者にとって間接的に有利な特典や、遊技の興趣を向上させる状態などであってもよい。また、有利な状態への移行を許容するか否かを決定する許容決定手段は、内部抽選処理に限らず、入賞役とは無関係に決定する手段であってもよい。
また、有利な状態とは、たとえば、特典を付与するか否かを決定する特典付与抽選において、「特典が付与される確率」、および「特典が付与されることが決定されたときに付与される特典の価値(または特典量の期待値)」のうちの少なくとも一方が、通常の状態(有利な状態とは異なる状態)よりも高い状態としてもよい。また、有利な状態とは、特典付与抽選の実行契機の数が、該通常の状態よりも多いものとしてもよい。また、有利な状態とは、特典を付与させるために消化することが必要な消化必要ゲーム数が、通常の状態よりも少なくなる状態としてもよい。
たとえば、特典をATゲーム数とした場合には、有利な状態とは、通常の状態よりも、「AT抽選でのAT当選確率」、および「AT抽選でのAT当選した場合に付与されるATゲーム数の価値」のうちの少なくとも一方が、通常の状態よりも高い状態としてもよい。また、有利な状態とは、AT抽選の実行契機の数が、該通常の状態よりも多いものとしてもよい。たとえば、通常の状態でのAT抽選の実行契機が、第1役当選および第2役当選とした場合には、有利な状態でのAT抽選の実行契機は、第1役当選および第2役当選に加えて第3役当選としてもよい。
[演出や報知について]
前述した例では、液晶表示器51を用いて演出や報知を行う例を挙げたが、たとえば、スピーカ53,54、リールの背面側(内側)に配置されたバックランプ(上記実施形態のリールLED55)、リールの前面側に配置された透過液晶表示器(リールを目視できるように構成された液晶表示器)、前面扉1bなどに取り付けられたランプやLED、ストップスイッチの振動、ストップスイッチの周囲からの送風、ストップスイッチの温度の変化など、上記の実施形態と異なる手段で演出を実行してもよい。
[ATについて]
上記スロットマシンの例では、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する例について説明したが、メイン制御部41が実行するATに係る制御としては、AT抽選の実行が挙げられる。AT抽選には、AT抽選の当選または非当選の決定、ATゲーム数をストックするか否かの決定、ATゲーム数の決定、ATゲーム数の上乗せ抽選などが含まれるものであってもよい。また、ATに係る制御としてAT抽選の高確率状態の制御が挙げられる。AT抽選の高確率状態の制御には、AT抽選の当選確率が高確率になる制御、内部抽選の結果に応じてATに制御されるまでの期間を短縮する制御、上乗せ抽選の当選確率やゲーム数を優遇する制御などが含まれる。また、ATに係る制御として、規定ゲーム数のゲームが消化されたときにATに制御することが挙げられる。規定ゲーム数のゲームが消化されたときとして、天井ゲーム数に到達したとき、抽選で決定されたゲーム数に到達したときが含まれる。また、ATに係る制御として、前兆期間を設定する制御が挙げられる。前兆期間を設定する制御には、ATの開始前の前兆期間にたとえば0〜32ゲームの演出を実行する制御が含まれる。また、ATに係る制御として、ペナルティを付与する制御が挙げられる。ペナルティを付与する制御には、ペナルティ内容の決定、ペナルティ期間の決定または設定が含まれる。また、ATに係る制御として、AT中である旨のランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。
また、ATに係る制御として、ナビ演出を実行するためのランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。さらに、メイン制御部41がナビ演出を実行することに連動してサブ制御部91がナビ演出を実行するようにしてもよい。さらに、メイン制御部41は、たとえばAT抽選の高確率状態に制御するときなど抽選確率を向上させるときに、その旨をランプやLED(たとえば、遊技補助表示器12など)の点灯制御によって報知するようにしてもよい。より具体的に、メイン制御部41は、遊技補助表示器12によりナビ演出を所定回数実行することによりAT抽選の高確率状態に制御する旨を報知するようにしてもよい。あるいは、メイン制御部41は、サブ制御部91にナビ演出を所定回数実行させることによりAT抽選の高確率状態に制御する旨を報知するようにしてもよい。
なお、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する場合には、メイン制御部41の処理を、メイン制御部41に従属し、メイン制御部41の下位となる制御部に実行させることが好ましい。たとえば、リールの停止制御を遊技制御基板以外の基板に設けた制御部が実行するようにし、メイン制御部41はストップスイッチの操作信号を当該制御部に転送することが挙げられる。このように、メイン制御部41の制御を下位となる制御部に行わせることにより、ATに係る制御を行うときのROM41bやRAM41cの容量不足やメインCPU41aの処理能力不足を防止することができる。
また、前述した実施の形態では、前述したATに係る制御をメイン制御部41が実行するようにしたが、サブ制御部91が実行するようにしてもよい。サブ制御部91は、たとえば、メイン制御部41からの内部当選コマンドに基づいてAT抽選処理や上乗せ抽選処理を行い、その結果に応じてATに制御するための処理やナビ演出を実行するための処理などを行うようにしてもよい。
[設定変更状態および設定確認状態について]
設定変更状態に関して、「電源ON」+「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定変更状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定変更を防ぐことができる。また、一旦設定変更状態に移行された後は、設定変更状態を終了させる終了条件(設定値確定後に設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定変更状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定変更状態中に前面扉が閉まっても設定変更状態を終了させないため、再度設定変更状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
また、設定確認状態に関して、「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定確認状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定確認を防ぐことができる。また、一旦設定確認状態に移行された後は、設定確認状態を終了させる終了条件(設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定確認状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定確認状態中に前面扉が閉まっても設定確認状態を終了させないため、再度設定確認状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
前述した実施の形態では、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能なリールを複数備え、リールを変動表示した後、リールの変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数のリールの表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を複数備え、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンであれば、3つのリールを備えるものに限らず、1のリールしか備えないものや、3以外の複数のリールを備えるスロットマシンであってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。