JP2018041812A - 蓄電素子セパレータ用ポリアミドイミド溶液および蓄電素子セパレータ - Google Patents

蓄電素子セパレータ用ポリアミドイミド溶液および蓄電素子セパレータ Download PDF

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Abstract

【課題】イオン透過性の良好な耐熱性の多孔質ポリアミドイミド(PAI)被膜が形成できる、塗工性の良好な高粘度化されたPAI溶液、およびこの被膜が形成された蓄電素子セパレータとその製造方法を提供する。【解決手段】<1>PAIに対する良溶媒と貧溶媒とを含有するPAI溶液であって、前記PAIが、側鎖中にオキシアルキレンユニットおよび/またはシロキサンユニットを含むことを特徴とする蓄電素子セパレータ用PAI溶液。<2>多孔質POフィルム表面に多孔質PAI被膜が積層一体化されている積層体であって、以下の特徴を有する蓄電素子セパレータ。1) 前記PAIの側鎖中に、オキシアルキレンユニットおよび/またはシロキサンユニットを含む。2) 前記多孔質PAI被膜表面の平均気孔径が10nm以上、5000nm以下である。【選択図】 なし

Description

本発明は、リチウム二次電池、リチウムイオンキャパシタ、キャパシタ、コンデンサ等の蓄電素子に用いられるセパレータに関する。
リチウム二次電池等の蓄電素子は、電池の破損等により内部短絡または外部短絡が生じた場合には、大電流が流れて異常発熱することがある。そのため、一定以上の発熱を防止し、高い安全性を確保することが重要である。この安全性確保手段として、異常発熱の際に、セパレータに、電極間のイオンの通過を遮断して、発熱を防止するシャットダウン機能を持たせる方法が広く実用化されている。
このシャットダウン機能を有するセパレータとしては例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン(PO)からなる多孔質フィルムが用いられる。この多孔質フィルムからなるセパレータは、電池の異常発熱時には、110〜160℃でPOが溶融して無孔化するためイオンの通過をシャットダウンすることができる。しかしながら、このPO製セパレータは、高温になると収縮や破断が起こりやすいので、場合によっては、正極と負極が直接接触して、短絡を起こすおそれがあり、短絡による異常発熱を抑制できないことがある。このような問題を解決する方法として、例えば、特許文献1、2には、前記多孔質POフィルムの表面(片面または両面)に耐熱性に優れたポリアミドイミド(PAI)からなる多孔質被膜を積層することにより、高温での形状安定性を確保する方法が提案されている。多孔質PAI層を形成する方法としては、PAIとその良溶媒(例えばアミド系溶媒)を含む溶液を多孔質POフィルムの表面に塗工後、これをPAIの貧溶媒(例えば、アルコール系溶媒や水系溶媒)からなる凝固浴に浸漬して、相分離を起こさせて多孔質化を図る方法が提案されている。しかしながら、このような方法は、PAIの良溶媒と貧溶媒を含む廃液が大量に発生するため、環境適合性の観点から問題があった。
このような問題を解決する方法として、特許文献3には、多孔質POフィルムの表面に、PAIとその良溶媒および貧溶媒とを含む塗液を塗布して塗膜を形成後、乾燥による溶媒を除去の際、塗膜内で相分離を起こさせて多孔質PAI層を形成せしめることにより、多孔質PAI層を積層一体化する方法が提案されている。この方法を用いることにより、耐熱性、力学的特性に優れ、かつ多孔質POフィルムに対する密着性が高い多孔質PAI被膜を多孔質PO層の表面に形成させることができる。
国際公開2005/080487号 特開2014−160565号公報 国際公開2015/156261号
しかしながら、特許文献3で開示された、PAI溶液を用いて形成された多孔質PAI被膜は、この溶液の粘度がやや低い傾向にあり、そのため多孔質POフィルムへ塗布した際に、多孔質POフィルムへPAI溶液が浸透しやすく、多孔質POフィルムと多孔質PAI被膜の界面でイオン透過性が低下することがあり、改良すべき点があった。 また、低粘度であることに起因して、塗膜の厚み斑等が起こりやくなることがあり、塗布の際の塗工性にも改良すべき点があった。
そこで本発明は、前記課題を解決するものであって、イオン透過性に優れた耐熱性の多孔質PAI被膜が形成できる、かつ塗膜形成性の良好なPAI溶液、およびこの被膜が形成された蓄電素子セパレータの提供を目的とする。
本発明者らは、PAI溶液組成を特定のものとした上で、PAIの化学構造を特定のものとしたPAI溶液を用い、これから得られる多孔質PAI被膜を多孔質POフィルム上に積層一体化することにより、前記課題が解決されることを見出し、本発明の完成に至った。
本発明は下記を趣旨とするものである。
<1> PAIに対する良溶媒と貧溶媒とを含有するPAI溶液であって、前記PAIが、側鎖中にオキシアルキレンユニットおよび/またはシロキサンユニットを含むことを特徴とする蓄電素子セパレータ用PAI溶液。
<2> POからなる多孔質フィルムの表面に多孔質PAI被膜が積層一体化されている積層体であって、以下の特徴を有する蓄電素子セパレータ。
1) 前記PAIの側鎖中に、オキシアルキレンユニットおよび/またはシロキサンユニットを含む。
2) 前記多孔質PAI被膜表面の平均気孔径が10nm以上、5000nm以下である。
本発明のPAI溶液は、溶液粘度が高められているので、多孔質POフィルムへのPAI溶液の浸透が起こりにくく、イオン抵抗率を充分に低くすることができる上、塗布の際の塗工性が良好である。 従い、これを多孔質POフィルムの表面に塗布、乾燥することにより得られる多孔質PAI被膜が多孔質POフィルム表面に積層一体化された積層体は、安全性に優れた蓄電素子セパレータとして好適に用いることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、PAI溶液を用いる。PAIは、原料であるトリカルボン酸成分とジアミン成分との重縮合物である。
PAIのトリカルボン酸成分は、1分子あたり3個のカルボキシル基(その誘導体を含む)を有する有機化合物であって、当該3個のカルボキシル基のうち、少なくとも2個のカルボキシル基が酸無水物形態を形成し得る位置に配置されたものである。
トリカルボン酸成分として、例えば、ベンゼントリカルボン酸成分、ナフタレントリカルボン酸成分が挙げられる。
ベンゼントリカルボン酸成分の具体例として、例えば、トリメリット酸、ヘミメリット酸、ならびにこれらの無水物およびそのモノクロライドが挙げられる。
ナフタレントリカルボン酸成分の具体例として、例えば、1,2,3−ナフタレントリカルボン酸、1,6,7−ナフタレントリカルボン酸、1,4,5−ナフタレントリカルボン酸、ならびにこれらの無水物およびそのモノクロライドが挙げられる。
トリカルボン酸成分の中では、トリメリット酸および無水トリメリット酸クロライド(TAC)が好ましい。
トリカルボン酸成分は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、トリカルボン酸成分は、その一部がテレフタル酸、イソフタル酸、ピロメリット酸、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸等の成分で置換されたものを用いてもよい。
PAIのジアミン成分は、1分子あたり2個の1級アミノ基(その誘導体を含む)を有する有機化合物である。
ジアミン成分の具体例として、例えば、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル(DADE)、m−フェニレンジアミン(MDA)、p−フェニレンジアミン、4,4′−ジフェニルメタンジアミン(DMA)、4,4′−ジフェニルエーテルジアミン、ジフェニルスルホン−4,4′−ジアミン、ジフェニルー4,4′−ジアミン、o−トリジン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ナフタレンジアミン、ならびにこれらのジイソシアネート誘導体が挙げられる。
ジアミン成分の中では、DADE、MDAおよびDMAが好ましい。
ジアミン成分は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
PAIは、通常、200℃以上のガラス転移温度を有する。ガラス転移温度は、DSC(示差熱分析)により測定された値を用いている。
PAIは、熱可塑性であっても非熱可塑性であってもよいが、前記したガラス転移温度を有する芳香族PAIを好ましく用いることができる。
本発明のPAIは、側鎖中にオキシアルキレンユニットおよび/またはシロキサンユニットを含むPAI(以下、オキシアルキレンユニットを有するPAIを「PAI−A」、シロキサンユニットを含むPAIを「PAI−B」と略記することがある)である。このようにすることにより、PAI溶液の高粘度化を図ることができる。
オキシアルキレンユニットとしては、具体的には、オキシエチレンユニット、オキシプロピレンユニット、オキシブチレンユニット等が挙げられる。 オキシアルキレンユニットを含むPAIは、例えば、PAIとオキシアルキレンユニットを有するジアミン(以下、「DA−1」と略記することがある)とを、溶媒中で反応させることにより得ることができる。
DA−1の具体例としては、エチレングリコールビス(2−アミノエチル)エーテル、ジエチレングリコールビス(2−アミノエチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(2−アミノエチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(2−アミノエチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス(2−アミノエチル)エーテル(PEGME)、プロピレングリコールビス(2−アミノエチル)エーテル、ジプロピレングリコールビス(2−アミノエチル)エーテル、トリプロピレングリコールビス(2−アミノエチル)エーテル、テトラプロピレングリコールビス(2−アミノエチル)エーテル、ポリプロピレングリコールビス(2−アミノエチル)エーテル(PPGME)等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中で、PEGME、PPGMEが好ましい。これらの化合物は市販品を利用することができる。
シロキサンユニット含むPAIは、例えば、PAIとシロキサンユニットを有するジアミン(以下、「DA−2」と略記することがある)とを、溶媒中で反応させることにより得ることができる。
DA−2の具体例としては、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(4−アミノブチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ビス(4−アミノフェノキシ)ジメチルシラン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン等、および下記一般式(1)で表されるものが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのなかで、下記一般式(1)において、R1およびR2がトリメチレン基、R3、R4、R5およびR6がメチル基、nは3〜100であるもの(以下、「DASM」と略記することがある)が好ましく、これらの中で、数平均分子量が、300〜5000のものがより好ましい。 これらのDASMは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、DASMは市販品を用いることができる。
(ただし、式中nは1以上の整数を示す。また、R1およびR2は、それぞれ同一または異なった、低級アルキレン基またはフェニレン基を示し、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ同一または異なった、低級アルキル基、フェニル基またはフェノキシ基を示す。)
PAI−Aおよび/またはPAI−Bを含むPAI溶液には、溶質であるPAI−AまたはPAI−Bを溶解する良溶媒と、溶質には貧溶媒となる溶媒とを混合した混合溶媒が含有されている。ここで、良溶媒とは、25℃において、PAI−AまたはPAI−Bに対する溶解度が1質量%以上の溶媒をいい、貧溶媒とは、25℃において、PAI−AまたはPAI−Bに対する溶解度が1質量%未満の溶媒をいう。貧溶媒は、良溶媒よりも高沸点であることが好ましい。また、その沸点差は、5℃以上が好ましく、20℃以上がより好ましく、50℃以上がさらに好ましい。
良溶媒としては、アミド系溶媒または尿素系溶媒が好ましく用いられる。アミド系溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP 沸点:202℃)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF 沸点:153℃)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc 沸点:166℃)が挙げられる。また、尿素系溶媒としては、例えば、テトラメチル尿素(TMU 沸点:177℃)、ジメチルエチレン尿素(沸点:220℃)が挙げられる。これらの良溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
貧溶媒としては、エーテル系溶媒が好ましく用いられる。エーテル系溶媒としては、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点:162℃)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(G3 沸点:216℃)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(G4 沸点:275℃)、ジエチレングリコール(沸点:244℃)、トリエチレングリコール(沸点:287℃) トリプロピレングリコール(沸点:273℃)、ジエチレングルコールモノメチルエーテル(沸点:194℃)、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点:242℃)、トリエチレングルコールモノメチルエーテル(沸点:249℃)等の溶媒を挙げることができる。これらを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。貧溶媒の配合量は、全溶媒量に対して15〜95質量%であることが好ましく、60〜90質量%であることがより好ましい。このような溶媒組成とすることにより、多孔質POフィルムへの塗布後の乾燥工程において、効率よく相分離が起こり、高い気孔率を有するイオン透過性の良好な多孔質PAI被膜を得ることができる。
本発明のPAI溶液は、例えば、以下のような製造方法で製造することができる。すなわち、固体状のPAIを前記混合溶媒に溶解せしめてPAI溶液とし、しかる後、この溶液にPAIにDA−1またはDA−2を加え、60℃〜150℃程度に加熱することにより、PAIの側鎖にオキシアルキレンユニットおよび/またはシロキサンユニットが導入されたPAI−AまたはPAI−Bの溶液とすることができる。この反応においては、PAIのイミド環の一部がジアミンのアミノリシスにより開環して、アミド結合を生成するので、溶液状態を維持したまま、PAI溶液の高粘度化を図ることができる。 すなわち、DA−1やDA−2は、アミド結合を介したPAIのリンカとして作用して、高粘度化に寄与するが、完全に架橋ゲル化することはないので、溶液状態を維持することができる。 なお、このような反応が起こっていることは、PAI溶液の粘度上昇によって、確認することができるが、NMRやIR等の分光学的手法を用いて確認することもできる。 DA−1またはDA−2の添加量としては、PAIに対し、5〜40質量%とすることが好ましく、10〜35質量%とすることが好ましい。 また、この反応の際の固形分濃度としては、PAI−AまたはPAI−Bの固形分濃度として10〜20質量%とすることが好ましい。
PAI−AまたはPAI−B溶液の粘度(30℃)としては、10〜100Pa・sとすることが好ましく、15〜50Pa・sとすることがより好ましい。 このようにすることにより、塗工性が良好で、かつイオン透過性の良好なPAI被膜が形成可能な溶液とすることができる。
前記固体状のPAIとしては、例えば、市販のPAI粉体(例えば、ソルベイアドバンストポリマーズ株式会社製トーロン4000Tシリーズ、トーロン4000TF、トーロンAI−10シリーズ等)を利用することができる。
PAI溶液を得るには、前記したような固体状のPAIを用いて製造する方法が好ましいが、原料である前記芳香族トリカルボン酸成分および前記ジアミン成分(各種ジアミンもしくはそのジイソシアネート誘導体)を略等モルで配合し、それを前記混合溶媒中で重合反応させて得られる溶液も用いることができる。また、良溶媒中のみで重合反応して溶液を得た後、これに貧溶媒を加える方法や、貧溶媒中のみで重合反応して懸濁液を得た後、これに良溶媒を加える方法で、PAI溶液を得ることができる。
本発明のPAI溶液には、必要に応じて、各種界面活性剤や有機シランカップリング剤のような公知の添加物を、本発明の効果を損なわない範囲で添加してもよい。また、必要に応じて、PAI以外の他のポリマーを、本発明の効果を損なわない範囲で添加してもよい。
多孔質POフィルムと多孔質PAI被膜とを積層一体化するには、例えば、PAI溶液を多孔質POフィルムの表面に塗布し、50〜150℃の温度で乾燥を行うことにより、相分離を誘起させて多孔質PAI被膜を形成させればよい。また、PAI溶液をポリエステルフィルム等の離形フィルム上に塗布し、50〜150℃の温度で乾燥を行うことにより、相分離を誘起させて多孔質PAI被膜を形成させ、これを多孔質POフィルムと熱圧着後、離形フィルムを剥離することにより、積層一体化することもできる。
多孔質POフィルムや離形フィルムへのPAI溶液の塗布方法としては、ロールツーロールにより連続的に塗布する方法、枚様で塗布する方法が採用でき、いずれの方法でもよい。塗布装置としては、ダイコータ、多層ダイコータ、グラビアコータ、コンマコータ、リバースロールコータ、ドクタブレードコータ等を用いる公知の方法で行うことができる。
多孔質PAI被膜表面の平均気孔径は、10nm以上、5000nm以下であり、20nm以上、3000nm以下がより好ましい。平均気孔径をこのようにすることにより、PAI被膜のイオン抵抗率を充分に低くすることができる。 平均気孔径は、多孔質PAI被膜表面のSEM(走査型電子顕微鏡)像を倍率5000〜20000倍で取得し、市販の画像処理ソフトで解析することにより確認することができる。
多孔質PAI被膜の気孔率は、30〜90体積%であることが好ましく、40〜80体積%であることがより好ましく、45〜80体積%であることがさらに好ましい。気孔率をこのように設定することにより、良好な力学的特性とイオン透過性とが同時に確保される。このため、本発明のセパレータを用いた蓄電素子は、安全性に優れ、かつ良好なサイクル特性を有する。多孔質PAI被膜の気孔率は、多孔質PAI被膜の見掛け密度と、被膜を構成するPAIの真密度(比重)とから算出される値である。詳細には、気孔率(体積%)は、PAI被膜の見掛け密度がA(g/cm)、PAIの真密度がB(g/cm)の場合、次式により算出される。
気孔率(体積%) = 100−A*(100/B)
多孔質PAI被膜の厚さは0.5〜20μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。
多孔質PAI被膜が積層される多孔質POフィルムは、ポリエチレンやポリプロピレンフィルムを延伸開孔法や相分離法等公知の方法によって製造されるものである。これらのフィルムの詳細は、例えば、Journal of Power Sources 164 (2007) 351-364、Chem.Rev.104(2004)4419−4462等の文献に記載されているように、イオン抵抗率が1.0〜4.0Ωcm 、気孔率が30〜60体積%のものを用いることが好ましい。 これら多孔質POフィルムは市販品を用いることができる。
多孔質POフィルムの表面に多孔質PAI被膜が積層された本発明のセパレータは、充分なイオン透過性を有していることが好ましい。 すなわち、そのイオン抵抗率(Rs)が、5Ωcm以下であることが好ましく、4Ωcm以下であることがより好ましい。イオン抵抗率が、上記範囲であると、本発明のセパレータを用いた蓄電素子の良好な充放電特性を確保することができる。
以下に、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。なお本発明は実施例により限定されるものではない。
<実施例1>
TACと、DADEおよびMDAとを共重合(共重合モル比:DADE/MDA=7/3)して得られるPAI粉体(ソルベイアドバンストポリマーズ株式会社製トーロン4000T−HV、ガラス転移温度280℃)を、NMPとG4とからなる混合溶媒(質量比 NMP/G4=30/70)に、80℃で溶解して、PAIの固形分濃度が15質量%の均一なPAI溶液を得た。次に、このPAI溶液に、PAI質量に対し24質量%相当のPPGME(数平均分子量2000:ハンツマン社製ジェファーミンD2000)を添加し、攪拌下、80℃で4時間反応させて均一な固形分濃度が18.0質量%のPAI溶液(S−1)を得た。 S−1の粘度は、30℃で34.5Pa・sであった。
<実施例2>
PPGMEの添加量を、PAI質量に対し12質量%相当としたこと以外は、実施例1と同様に行い、固形分濃度が16.5質量%の均一なPAI溶液(S−2)を得た。S−2の粘度は、30℃で11.7Pa・sであった。
<比較例1>
TACと、DADEおよびMDAとを共重合(共重合モル比:DADE/MDA=7/3)して得られるPAI粉体(ソルベイアドバンストポリマーズ株式会社製トーロン4000T−HV、ガラス転移温度280℃)を、NMPとG4とからなる混合溶媒(質量比 NMP/G4=30/70)に、80℃で溶解して、PAIの固形分濃度が16.5質量%の均一なPAI溶液(S−3)を得た。S−3の粘度は、30℃で8.6Pa・sであった。
<実施例3>
実施例1で得られたS−1を、ポリプロピレン(PP)製多孔質フィルム(ポリポア社製セルガード2400)の表面に塗布し、130℃で10分乾燥して、厚みが5μmのPAI被膜が多孔質PPフィルムの両面に形成されたセパレータ用積層体(L−1)を得た。 塗布の際の塗工性は極めて良好であった。多孔質PAI被膜の平均気孔径(表面)は2400nmであり、気孔率は、63体積%であった。 この積層体のイオン抵抗率をJournal of Power Sources 164 (2007) 351-364、Chem.Rev.104(2004)4430頁記載の方法に基づき測定した。 すなわち、この積層体に、電解液(溶媒:エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとを体積比で1:1の割合で混合した混合溶媒、電解質:1MLiPF)を含浸してセパレータとした後、これを電極として用いたステンレス箔に挟んだブロッキングセルを構成し、このセルを用い、100KHzでのインピーダンスを測定することにより、イオン抵抗率(Rs)を算出した。その結果、L−1のRsは3.4Ωcmであった。
<実施例4>
PAI溶液として、S−2を用いたこと以外は、実施例3と同様にして、厚みが4μmのPAI被膜が多孔質PPフィルムの表面に形成されたセパレータ用積層体(L−2)を得た。 塗布の際の塗工性は良好であった。 多孔質PAI被膜の平均気孔径(表面)は2200nmであり、気孔率は、62体積%であった。 L−2を用いて、前記した方法でセルを作成し、Rsを測定した所、L−2のRsは、3.6Ωcmであった。
<比較例2>
PAI溶液として、S−3を用いたこと以外は、実施例3と同様にして、厚みが4μmのPAI被膜が多孔質PPフィルムの表面に形成されたセパレータ用積層体(L−3)を得た。 塗布の際には、PAI溶液の一部が多孔質PPフィルムの周辺部に流れでることがあった。 多孔質PAI被膜の平均気孔径(表面)は2200nmであり、気孔率は、62体積%であった。 L−3を用いて、前記した方法でセルを作成し、Rsを測定した所、L−3のRsは、4.2Ωcmであった。
実施例、比較例で示したように、本発明のPAI溶液は、高粘度化されているので、塗工性が良好である。 さらにこれを用いて、多孔質POフィルム上に形成された多孔質PAI塗膜は、イオン抵抗率が低く、蓄電素子セパレータとして良好なイオン透過性が確保できる。
本発明のPAI溶液は、高粘度化されているので、塗工性が良好であり、これから得られる多孔質PAI被膜はイオン透過性に優れる。 従い、これを多孔質POフィルムの表面に塗布、乾燥することにより得られる多孔質PAI被膜が多孔質POフィルム表面に積層一体化された積層体は、安全性に優れた蓄電素子セパレータとして好適に用いることができる。

Claims (2)

  1. ポリアミドイミドに対する良溶媒と貧溶媒とを含有するポリアミドイミド溶液であって、前記ポリアミドイミドが、側鎖中にオキシアルキレンユニットおよび/またはシロキサンユニットを含むことを特徴とする蓄電素子セパレータ用ポリアミドイミド溶液。
  2. ポリオレフィンからなる多孔質フィルムの表面に多孔質ポリアミドイミド被膜が積層一体化されている積層体であって、以下の特徴を有する蓄電素子セパレータ。
    1) 前記ポリアミドイミドの側鎖中に、オキシアルキレンユニットおよび/またはシロキサンユニットを含む。
    2) 前記多孔質ポリアミドイミド被膜表面の平均気孔径が10nm以上、5000nm以下である。
JP2016174086A 2016-09-06 2016-09-06 蓄電素子セパレータ用ポリアミドイミド溶液および蓄電素子セパレータ Active JP6835348B2 (ja)

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