JP2018041239A - Icカード - Google Patents

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伸行 峯嶋
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圭介 川口
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Abstract

【課題】低コストで提供することができ、良好なヒートショック耐性を有し、かつ可視情報を良好に印字できる、ICカードを提供する。【解決手段】本発明のICカードは、インレット基材とインレット基材上のアンテナ及びICチップを具備しているインレット、ICチップを包囲するように存在している開口を有しているスペーサー、並びにインレット及びスペーサーを挟持している一対のコア基材を具備しているICカードであって、ICチップが異方性導電ペーストを介してアンテナ端子と接合されており、それによってアンテナと電気的に接続されており、ICチップの、大きさが1.5mm角以下であり、開口とICチップとの間の最小間隔が0.25mm以上であり、かつ開口とICチップとの間の最大間隔が1.50mm以下であり、ICチップが、封止材によって包囲されておらず、かつICチップとコア基材との間に、補強板が存在していない、ICカードである。【選択図】図1

Description

本発明は、ICカードに関する。
近年、ICカード、特に非接触ICカードは、搭乗システムやセキュリティシステム等に多く使用されている。非接触ICカードは、電磁誘導の原理により外部からの磁力と信号で電力を非接触で得るため、カード内部にアンテナが形成されているインレットを有している。受送信する信号を処理し記憶するICチップは、ACP(異方性導電ペースト)やACF(異方性導電フィルム)等を介して、アンテナと電気的に接続されている。
このような非接触ICカードにおいては、ICチップに加わる外力、特に曲げ応力からICチップを保護するため、ICチップの側面をエポキシ等の封止樹脂で封止し、上面からステンレス板等の補強板を配置して強度を確保することが行われている。
しかしながら、ICチップを保護するための補強板及び封止樹脂の存在に起因して、ICカードの表面に凹凸が生じる問題が生じていた。この問題は、特にICカードに可逆的感熱記録層を積層させて、可視情報の印字及び消去を繰り返して行う場合に、印字性に悪影響を及ぼすことがある。この凹凸の問題を解消するため、種々の手段が提案されている。
特許文献1では、ICチップのチップ本体側を囲繞する抜け穴を設けた樹脂層がアンテナモジュール上に導入されており、チップ本体上に接着剤層を介して補強板が接着されている、可逆性感熱記録層付きのICカードが開示されている。特許文献1においては、樹脂層、チップ本体、接着剤層、及び補強板のそれぞれの厚さを調節することにより、ICカードの凹凸を解消するとしている。
特許文献2では、アンテナが形成されたインレット基材と、アンテナに実装されるICチップと、ICチップを封止する封止樹脂層と、インレット基材を介してICチップを挟持する一対の補強板とを備えたICモジュールが、プラスチックシートで挟み込まれてなる、ICカードが開示されている。特許文献2においては、補強板とインレット基材との間に、ICチップの周囲を囲むスペーサーが配置されているとしている。
特許文献3では、アンテナを有する絶縁基板と、絶縁基板の上に実装されたICチップと、ICチップを封止する封止層とからなるICモジュールを、一対の外装シートで挟み込んでなるICカードが開示されている。特許文献3では、この封止層は、エポキシ樹脂中に所与のフィラーを含有した封止剤で形成されているとしている。
特許文献4では、ICチップを装着したインレットを、接着シートとスペーサシートを介して表裏の印刷シート間に挟持し、熱圧プレスして一体の基体にされている、非接触ICカードが開示されている。特許文献4では、インレットの両側に積層する接着シートとスペーサー、及び印刷シートのそれぞれの厚みを同一にし、かつ両面の接着シートとスペーサーにはICチップの厚みを吸収する貫通孔が形成されているとしている。
特開2007−058817号公報 特開2004−326351号公報 特開2004−192568号公報 特開2003−346112号公報
特許文献1〜4に記載のICカードは、補強板及び封止樹脂の存在に起因する凹凸の問題を解消して、その結果、可視情報を良好に印字できるようにしたものであるが、このようなICカードを製造するためには、別途の材料や設備等を要することとなるので、ICカードのコストアップをもたらすことが考えられる。
また、ICカードがヒートショック耐性を有すること、より具体的にはICカードが反復的な急冷及び急加熱に耐えられることが望ましい。
そこで、低コストで提供することができ、良好なヒートショック耐性を有し、かつ可視情報を良好に印字できるICカードを提供する必要性が存在する。
本発明者らは、鋭意検討したところ、以下の手段により上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、下記のとおりである:
〈1〉 インレット基材、上記インレット基材上のアンテナ、及び異方性導電ペーストを介して上記アンテナと電気的に接続されているICチップを具備している、インレット、
上記ICチップを包囲するように存在している開口を有している、スペーサー、
並びに
上記インレット及び上記スペーサーを挟持している、一対のコア基材、
を具備しているICカードであって、
上記ICチップが、異方性導電ペーストを介してアンテナ端子と接合されており、それによって上記アンテナと電気的に接続されており、
上記ICチップの、面方向の大きさが、1.5mm角以下であり、
上記開口と上記ICチップとの間の空間の面方向の最小間隔が、0.25mm以上であり、かつ
上記開口と上記ICチップとの間の空間の面方向の最大間隔が、1.50mm以下であり、
上記ICチップが、封止材によって包囲されておらず、かつ
上記ICチップと上記コア基材との間に、補強板が存在していない、
ICカード。
〈2〉 面方向の大きさが、85.47〜85.72mm×53.92〜54.03mmである、上記〈1〉項に記載のICカード。
〈3〉 上記コア基材の外側に、可逆性感熱記録層を更に具備している、上記〈1〉又は〈2〉項に記載のICカード。
本発明によれば、低コストで提供することができ、良好なヒートショック耐性を有し、かつ可視情報を良好に印字できるICカードを提供することができる。
図1は、本発明のICカードの層構成を示す図である。
《ICカード》
図1(a)及び(b)に示すように、本発明のICカードは、インレット(10)、スペーサー(32、34)、及び一対のコアシート(22、24)を具備している。また、本発明のICカードは、コア基材の外側に随意の可逆性感熱記録層(40)を有していてもよい。
インレット(10)は、インレット基材(12)、インレット基材(12)上のアンテナ(14)、及び、ICチップ(18)を具備している。このICチップは、異方性導電ペースト(16)を介してアンテナ端子(14a)と接合されており、それによってアンテナ(14)と電気的に接続されている。
スペーサー(32)は、ICチップを包囲するように存在している開口(32a)を有している。また、インレット基材を包囲するように存在している開口を有する他のスペーサー(34)が更に存在していてもよい。
コアシート(22、24)は、インレットを及びスペーサーを挟持している、一対のコアシートである。これらのコアシート(22、24)は、それぞれ複数の層(22a、22b、24a、24b)を有していてもよい。また、これらのコアシート(22、24)は、厚さが互いに異なっていてもよい。
本明細書の以下の記載における「面方向」とは、ICカードの厚さ方向に直交する方向について言及するものである。
ICチップの、面方向の大きさは、1.5mm角以下である。この大きさは、1.3mm角以下、又は1.1mm角以下であることができ、又は0.7mm角以上、0.8mm角以上、又は0.9mm角以上であることができる。
理論に拘束されることを望まないが、ICチップの面方向の大きさを上記の範囲内とすることにより、ICカードを折り曲げる力が働いた際にICチップに負荷がかかる領域を狭くし、それによって補強板及び封止樹脂を設けることなくICチップに曲げ耐性を付与することができると考えられる。
上記の大きさのICチップは、アンテナとの電気的な接続を容易にする観点から、ACPを介して接続することが好ましい。しかしながら、本発明者らは、上記の大きさのICチップ及びACPを用いた場合、ICカードのヒートショック耐性が良好でないこと、より具体的にはICカードを反復的に急冷及び急加熱した際のICチップの破損及び/又はACPで接続されている領域の破損という不具合を生じることを見出した。
これに関して、本発明者らは、ICカードを反復的に急冷及び急加熱した際に、コア基材を構成する樹脂が膨張及び収縮し、それによって、ICチップ及び/又は異方性導電ペーストで接続されている領域が圧迫されることに起因して上記の不具合が生じることを見出した。そして、本発明者らは、鋭意検討したところ、スペーサーの開口とICチップとの間に空間を設け、更に空間の大きさを特定の範囲とすることにより、ICカードが良好なヒートショック耐性を有することができることを見出した。
より具体的には、開口とICチップとの間の空間の面方向の最小間隔は、0.25mm以上である。この最小間隔は、0.28mm以上、0.30mm以上、又は0.35mm以上であることができる。この最小間隔が、上記の範囲内であることにより、ICカードが良好なヒートショック耐性を有することができる。
開口とICチップとの間の空間の面方向の最大間隔は、1.5mm以下である。この最大間隔は、1.40mm以下、1.30mm以下、又は1.20mm以下であることができる。開口とICチップとの間の面方向の最大間隔が、上記の範囲内であることにより、開口とICチップとの間に形成される空間の存在に伴うICカードの凹凸を緩和させることができ、それによって可視情報、例えば可逆性感熱記録層を用いて印字した可視情報のかすれ等の発生を防止できる。
ICカードの面の大きさは、ISO/IEC7810:2003 ID−1に規定されている大きさであることができ、例えば85.47〜85.72mm×53.92〜54.03であることができる。
本発明のICカードにおいては、ICチップは封止材によって包囲されていない。ここで、封止材とは、例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。
また、本発明のICカードにおいては、ICチップと前記コア基材との間に、補強板が存在していない。ここで、補強板とは、例えばステンレス板等の金属板が挙げられる。
以下では、本発明の各構成要素について、上記で特定されている特徴以外の点を説明する。
〈インレット〉
インレットは、インレット基材、アンテナ、及びICチップを具備している。
{インレット基材}
インレット基材としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、低結晶性ポリエチレンテレフタレート(PET−G)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリイミド樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。なお、PET−Gとしては、テレフタル酸とエチレングリコール及び他のジオール等のポリエチレンテレフタレート系コポリマーを挙げることができ、特にテレフタル酸とエチレングリコール及びシクロヘキサンジメタノールとのコポリマーを用いることができる。
インレット基材の厚さは、例えば1μm以上、5μm以上、又は10μm以上であり、かつ100μm以下、60μm以下、又は30μm以下の範囲内であることができる。
{アンテナ}
アンテナは、アルミニウム箔、銅箔等であることができる。これらをインレット基材に貼り付け、エッチングでループ形状を形成する方法、スクリーン印刷にて銀ペーストを印刷してループ形状を形成する方法、ワイヤーを引き回してループ形状を形成する方法、アンテナ用の転写箔を転写させてループ形状を形成する方法等を用いて、アンテナを形成することができる。
{異方性導電ペースト}
異方性導電ペースト(ACP)は、接着性樹脂及び導電性粒子の組成物であることができる。このような組成物としては、異方性導電ペーストとして知られている随意の組成物を用いることができる。
{ICチップ}
ICチップは、異方性導電ペーストを介してアンテナ端子と接合されており、それによってアンテナと電気的に接続されている、ICチップである。
{スペーサー}
スペーサーは、ICチップを包囲するように存在している開口を有しているスペーサーである。このスペーサーは、インレット基材を包囲するように存在している他の開口を更に有していてもよい。また、上記に図1を参照して示したように、2つのスペーサーにより、これらの2種類の開口を設けてもよい。
スペーサーとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET、PET−G)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリイミド樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。スペーサーは、これらの樹脂を単層で用いたものであってもよく、又はこれらの積層体であってもよい。
スペーサーの厚さは、ICチップ及びインレット基材の厚さに応じ、適宜選定することができる。
{コア基材}
コア基材は、インレット及びスペーサーを挟持している、一対のコア基材である。
コア基材としては、例えばスペーサーに関して挙げた樹脂を用いることができる。コア基材は、これらの樹脂を単層で用いたものであってもよく、又はこれらの積層体であってもよい。また、一対のコア基材は、同一であっても、互いに異なっていてもよい。
コア基材の厚さは、2枚以上のコア基材でICカード用インレットをサンドイッチして熱圧着させたときに、680μm以上、700μm以上、又は720μm以上であり、かつ840μm以下、820μm以下、又は800μm以下となるように調節することができる。
〈可逆性感熱記録層〉
可逆性感熱記録層は、ロイコ染料、顕減色剤及びバインダー樹脂を含有していてよい。この層は、熱によって可逆的に発色/消色又は変色する層であることができる。
{ロイコ染料}
ロイコ染料としては、クリスタルバイオレットラクトン、3−インドリノ−3−p−ジメチルアミノフェニル−6−ジメチルアミノフタリド、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、2−(2−クロルフェニルアミン)−ジエチルアミノフルオラン、2−(2−フルオロフェニルアミノ)−6−ジエチルアミノフルオ)ラン、2−(2−フルオロフェニルアミノ)−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−シクロヘキシルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−t−ブチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−p−ブチルアニリノフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)−フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−7−シクロヘキシルアミノフルオラン、3−N−メチルシクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチルペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等が挙げられる。
{顕減色剤}
顕減色剤としては、(N−(p−ヒドロキシフェニル)−N’−n−オクタデシルチオ尿素、N−(p−ヒドロキシフェニル)−N’−n−オクタデシル尿素、N−(p−ヒドロキシフェニル)−N’−n−オクタデシルチオアミド、4’−オクタデカンアニリド、2−オクタデシルテレフタル酸、N−オクタデシル(p−ヒドロキシフェニル)アミド、N−(p−ヒドロキシベンゾイル)−N−オクタデカノイルアミン、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N’−オクタデカノヒドテジド、N−[(p−ヒドロキシフェニル)メチル]−n−オクタデシルアミド、N−[(p−ヒドロキシフェニル)メチル]−n−オクタデシル尿素、N−[(p−ヒドロキシフェニル)メチル]−N’−n−オクタデシルオキサミド)等が挙げられる。
{バインダー樹脂}
バインダー樹脂としては、熱硬化性アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂や紫外線硬化型ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート樹脂、エポキシアクリレート等の紫外線硬化性樹脂を使用することができるが、紫外線硬化型樹脂に含まれる光重合開始剤が紫外線照射時に変色し、視認性を低下させてしまう可能性があるため、より好ましくは熱硬化性樹脂を使用することができる。
この層を形成するための組成物には、必要に応じて硬化剤、紫外線吸収剤等を含有させることもできる。硬化剤としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)等が使用できる。また、紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ヒドロキシフェニルトリアジン形系、シュウ酸アニリド系等の紫外線吸収剤を使用することができる。
〈他の層〉
本発明のICカードは、随意の他の層を具備していてもよい。他の層としては、例えば保護層、アンカー層等が挙げられる。
{保護層}
保護層は、ICカードの最表面に位置して、その内側に存在する層を保護するための層である。特に、可逆性感熱記録層よりも表側に保護層を配置することにより、非接触IC記録媒体の耐熱性及び印字耐久性を向上させることができる。
保護層としては、可逆性感熱記録層のバインダー樹脂に関して挙げた熱硬化性樹脂及び紫外線硬化性樹脂を用いることができる。
保護層には、シリカ、シリコーンオイル、ワックス等の滑剤、グリオキザール等の耐水化剤、分散剤、消泡剤、酸化防止剤、蛍光染料等の添加剤が含まれていてもよい。
{アンカー層}
アンカー層は、上記の各層の間に位置して、接着性を向上させるための層である。特に、保護層と可逆性感熱記録層の接着性、又はコア基材と可逆性感熱記録層の接着性を向上させるために、アンカー層を形成することが好ましい。
アンカー層は、樹脂で形成されることが好ましい。例えば、アンカー層を形成するための樹脂は、イソシアネート基を有する化合物と水酸基を有する化合物とがウレタン結合を介して縮合したポリマーが挙げられる。
イソシアネート基を有する化合物は、分子内に2個以上のイソシアネート基を有し、か
つ水酸基と反応してウレタン結合を形成可能な化合物である。イソシアネート基を有する化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
水酸基を有する化合物は、分子内に2個以上の水酸基を有し、かつイソシアネート基と反応してウレタン結合を形成可能な化合物である。水酸基を有する化合物としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロンラクトンポリオール等が挙げられる。
また、アンカー層は、所望により、紫外線吸収剤を含むこともできる。したがって、アンカー層を形成するための樹脂に紫外線吸収剤を含有させることができる。紫外線吸収剤としては、可逆性感熱記録層に関して挙げた紫外線吸収剤を用いることができる。
実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
《ICカードの作製》
〈実施例1〉
以下のようにして、図1(a)に示すようなICカードを作製した。
インレット(10)として、アンテナ端子(14a)を有するアンテナ(14)を、インレット基材(12)としてのPET上に形成したインレット(厚さ38μm)を用いた。アンテナ端子には、ACP(16)を介して、約1mm角のICチップ(18)を接続した。
次いで、一方のコア基材(22)を構成するPET(22a:厚さ100μm)の片側に、可逆性感熱記録層(40:厚さ17μm)、アンカー層(図示せず:厚さ0.5μm)及び保護層(図示せず:厚さ5μm)を順に形成した。
次いで、スペーサー(32)としてのPET−G(厚さ200μm)に、φ2.0mmの開口(32a)を形成し、このスペーサー(32)、インレット基材を包囲するように存在している開口を有する他のスペーサー(34)としてのPET−G(厚さ50μm)、及びインレット(10)を、図1(b)に示すように配置し、開口(32a)の中央にICチップ(18)が位置するようにした。
次いで、図1(b)に示すように、一方のコア基材(22)としてのPET−G(22b:厚さ200μm)及びPET(22a:厚さ100μm)、並びに可逆性感熱記録層(40:厚さ17μm)、アンカー層(図示せず:厚さ0.5μm)及び保護層(図示せず:厚さ5μm)をこの順で有する積層体を、PET−Gがインレット側にくるように配置し、他方のコア基材(24)としてのPET−G(24b:厚さ100μm)及びPET(24a:厚さ100μm)をこの順で有する積層体を、PET−Gがスペーサー側にくるように配置し、これらを両側から熱圧着させて、実施例1のICカードを作製した。
なお、可逆性感熱記録層(40:厚さ17μm)、アンカー層(図示せず:厚さ0.5μm)及び保護層(図示せず:厚さ5μm)は、以下のように積層させた。
{可逆性感熱記録層}
まず、以下の材料を混合し、ペイントシェーカーで18時間に亘って分散して、可逆性感熱記録層塗料を得た。
・バインダー樹脂:DIC社 WBU−1218(熱硬化性アクリル樹脂) 20質量部
・ロイコ染料:山本化成社 Blue63(ロイコ染料)10質量部
・顕減色剤:N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N’−n−ドコサノドラジド(顕減色剤) 40質量部
・硬化剤:三井化学社 タケネート500 (XDI系硬化剤) 20質量部
・紫外線吸収剤:シプロ化成社 シーソーブ703 (ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤) 10質量部
次いで、ワイヤーバーで可逆性感熱記録層塗料をPET(22a:厚さ100μm)に塗工し、100℃で2分間に亘って乾燥させて、乾燥膜厚として17μmの厚さを有する可逆性感熱記録層を形成した。
{アンカー層}
まず、以下の材料を配合してアンカー層塗料を得た。
・DIC社 アクリディック44―198 72質量部
・三井化学社 D−110N(XDI系硬化剤) 18質量部
・シプロ化成社 シーソーブ703 10質量部
次いで、ワイヤーバーでアンカー層塗料を可逆性感熱記録層上に塗工し、100℃で1分間に亘って乾燥させて、乾燥膜厚として0.5μmの厚さを有するアンカー層を形成した。
{保護層}
以下の材料を、希釈剤としてのトルエン(保護層塗料の固形分が20%になる量)とともに配合して保護層塗料を得た。
・DIC社 ユニディックC7−164 (光硬化性ウレタン−アクリレート樹脂(固形分50%)) 88質量部
・富士シリシア社 サイリシア436(シリカ) 6質量部
・喜多村社 KTL−4N(ポリ四フッ化エチレン) 5質量部
・藤倉化成社 AD−8719D(シリコーンオイル) 1質量部
〈実施例2及び3並びに比較例1〜3〉
開口の大きさを表1に示す大きさに変更したことを除き、実施例1と同様にして、実施例2及び3並びに比較例1〜3のICカードを作製した。ここで、表1の「開口の大きさ」において「−」と表記しているものは、開口を形成しなかったことを意味するものである。
〈比較例4〉
補強板としてのステンレス板(大きさφ2.8mm、厚さ50μm)をICチップの上面に接着させ、封止樹脂としてのエポキシ樹脂でICチップの周囲を封止して、補強板及び封止樹脂でφ2.8mmの円柱を形成するようにしたことを除き、比較例1と同様にして、比較例4のICカードを作製した。
〈比較例5〉
スペーサーとしてのPET−Gに、φ3.5mmの開口を形成してインレットを配置し、開口の中央にICチップが位置するようにしたことを除き、比較例4と同様にして、比較例5のICカードを作製した。
〈比較例6〉
約2.3mm×2.4mmのICチップを用い、大きさφ5.2mmの補強板を用い、補強板及び封止樹脂でφ5.2mmの円柱を形成するようにしたことを除き、比較例4と同様にして、比較例6のICカードを作製した。
〈比較例7〉
スペーサーとしてのPET−Gに、φ6.0mmの開口を形成してインレットを配置し、開口の中央にICチップが位置するようにしたことを除き、比較例46と同様にして、比較例7のICカードを作製した。
《評価》
〈ヒートショック試験〉
ヒートショック試験は、以下の1〜4の工程を1サイクルとした試験である:
1.−25℃環境下に30分間さらす
2.25℃環境下に5分間さらす
3.85℃環境下に30分間さらす
4.25℃環境下に5分間さらす
作製した各ICカードについて、上記のヒートショック試験を10サイクル行った後、及び100サイクル行った後における通信状態を確認した。評価においては、問題なく通信できた場合を○、通信できなかった場合を×とした。
〈印字状態の観察〉
印字機(TH−TCP、オオクラエンジニアリング株式会社)を使用して、可逆性感熱記録層への印字を行い、印字状態を目視で確認した。評価は、かすれを生じさせることなく印字できたものを○とし、印字できたがかすれが生じていたものを△とし、印字できなかったものを×とした。
結果を表1に示す。
Figure 2018041239
表1から、開口とICチップとの間の空間の面方向の最大間隔が1.50mm以下であり、かつ補強板及び封止材を有しない、実施例1〜3並びに比較例1及び2のICカードは、比較例3〜7のICカードと比較して、印字状態が良好であったことが理解できよう。また、実施例1〜3並びに比較例1及び2の中でも、開口とICチップとの間の空間の面方向の最小間隔が0.25mm以上である、実施例1〜3のICカードは、良好なヒートショック耐性を有していることが理解できよう。
10 インレット
12 インレット基材
14 アンテナ
14a アンテナ端子
16 異方性導電ペースト
18 ICチップ
22、22a、22b、24、24a、24b コアシート
32、34 スペーサー
32a 開口
40 可逆性感熱記録層
100 ICカード

Claims (3)

  1. インレット基材、前記インレット基材上のアンテナ、及びICチップを具備している、インレット、
    前記ICチップを包囲するように存在している開口を有している、スペーサー、
    並びに
    前記インレット及び前記スペーサーを挟持している、一対のコア基材、
    を具備しているICカードであって、
    前記ICチップが、異方性導電ペーストを介してアンテナ端子と接合されており、それによって前記アンテナと電気的に接続されており、
    前記ICチップの、面方向の大きさが、1.5mm角以下であり、
    前記開口と前記ICチップとの間の空間の面方向の最小間隔が、0.25mm以上であり、かつ
    前記開口と前記ICチップとの間の空間の面方向の最大間隔が、1.50mm以下であり、
    前記ICチップが、封止材によって包囲されておらず、かつ
    前記ICチップと前記コア基材との間に、補強板が存在していない、
    ICカード。
  2. 面方向の大きさが、85.47〜85.72mm×53.92〜54.03mmである、請求項1に記載のICカード。
  3. 前記コア基材の外側に、可逆性感熱記録層を更に具備している、請求項1又は2に記載のICカード。
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